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JP2025035385A - 測定チップ、自動分析装置、及び、自動分析システム - Google Patents

測定チップ、自動分析装置、及び、自動分析システム Download PDF

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JP2025035385A JP2023142390A JP2023142390A JP2025035385A JP 2025035385 A JP2025035385 A JP 2025035385A JP 2023142390 A JP2023142390 A JP 2023142390A JP 2023142390 A JP2023142390 A JP 2023142390A JP 2025035385 A JP2025035385 A JP 2025035385A
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Abstract

【課題】自動分析装置を小型化しつつ、電解質項目の測定において、スループットを向上することである。
【解決手段】実施形態に係る測定チップは、試料又は、前記試料と反応させる試薬又は前記試料を希釈する希釈液を前記試料に混合した混合液を収容するチップ本体と、前記チップ本体に設けられた前記試料又は前記混合液を吸引するための吸引口と、前記チップ本体に設けられ、前記吸引口から吸引された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を測定するための複数の端子と、自動分析装置の搬送部に前記チップ本体を装着するための装着部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、測定チップ、自動分析装置、及び、自動分析システムに関する。
自動分析装置は、血液などの被検体から採取された被検試料又は各検査項目の標準試料などの試料と、各検査項目に対応する試薬又は試料を希釈する希釈液とを混合することで得られる混合液を、例えば光学的に測定することで、各検査項目に対応した被検試料の成分を分析する装置である。このような自動分析装置の検査項目の一つに、試料又は混合液におけるナトリウムイオンやカリウムイオン、塩素イオンなどの電解質項目の測定がある。
この電解質項目の測定に電解質測定ユニットを用いる場合、自動分析装置は、試料又は混合液を電解質測定ユニットに送液し、送液された試料又は混合液の電位を測定することにより、試料又は混合液における電解質の濃度を測定することとなる。しかしながら、電解質測定ユニットを用いた電解質項目の測定においては、電解質項目を測定する毎に、電解質測定ユニットを洗浄する必要があり、スループットの向上が困難となっている。
特開2020-12823号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、自動分析装置を小型化しつつ、電解質項目の測定において、スループットを向上することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記の課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る測定チップは、試料又は、前記試料と反応させる試薬又は前記試料を希釈する希釈液を前記試料に混合した混合液を収容するチップ本体と、前記チップ本体に設けられた前記試料又は前記混合液を吸引するための吸引口と、前記チップ本体に設けられ、前記吸引口から吸引された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を測定するための複数の端子と、自動分析装置の搬送部に前記チップ本体を装着するための装着部と、を備える。
第1実施形態に係る自動分析装置の機能構成の例を示すブロック図。 第1実施形態に係る分析機構の構成の一例を示す図。 第1実施形態に係る測定チップの構成の一例を示す図。 第1実施形態に係る分析機構が備える供給部の構成の一例を示す図。 第1実施形態に係る搬送機構の構成の一例を示す図。 第1実施形態に係る搬送機構における測定チップの搬送経路及び搬送経路上の各位置を説明する説明図。 第1実施形態に係る分析機構において、測定チップが搬送機構に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図。 第1実施形態に係る自動分析装置で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図。 第1実施形態に係る電解質項目測定処理における搬送機構の動作例を説明する説明図。 第1実施形態に係る自動分析装置で実行される残量報告処理の内容を説明するフローチャート図。 第1実施形態に係る自動分析装置で実行される廃棄量報告処理の内容を説明するフローチャート図。 第2実施形態に係る測定チップの構成の一例を示す図。 第2実施形態に係る分析機構において、測定チップが搬送機構に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図。 第2実施形態に係る測定チップの構成の他の例を示す図。 第3実施形態に係る測定チップの構成の一例を示す図。 第3実施形態に係る搬送機構の構成の一例を示す図。 第3実施形態に係る分析機構において、測定チップが搬送機構に装着されてから測定チップが廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図。 変形例1に係る分析機構の構成の一例を示す図。 変形例1に係る測定チップの構成の一例を示す図。 変形例1に係る搬送機構の構成の一例を示す図。 変形例1に係る分析機構が備える測定チップ設置部の構成の一例を示す図。 変形例1に係る搬送機構及び廃棄チップ搬送機構における測定チップの搬送経路及び搬送経路上の各位置の一例を説明する説明図。 変形例1に係る分析機構において、測定チップが搬送機構に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図。 変形例1に係る自動分析装置で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図。 変形例1に係る搬送機構及び廃棄チップ搬送機構における測定チップの搬送経路及び搬送経路上の各位置を他の例を説明する説明図。 変形例2に係る分析機構の構成の一例を示す図。 変形例2に係る吸引ユニットの構成の一例を示す図。 変形例2に係る搬送機構における測定チップの搬送経路及び搬送経路上の各位置の一例を説明する概念図。 変形例2に係る自動分析装置で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図。 変形例2に係る電解質項目測定処理における搬送機構の動作例を説明する説明図。 変形例2に係る分析機構が備える搬送機構の構成の他の例を示す図。 変形例2に係る搬送機構の構成の他の例における測定チップの搬送経路、搬送経路上の各位置、及び、搬送機構の動作例を説明する説明図。 変形例2に係る搬送機構の構成の他の例における測定チップの搬送経路、搬送経路上の各位置、及び、搬送機構の動作例を説明する説明図。 変形例3に係る搬送機構の構成の一例を示す図。 変形例3に係る測定チップの構成の一例を示す図。 変形例3に係る測定チップが搬送機構に装着された状態を示す図。 変形例3に係る搬送機構及び測定チップの他の例を示す図。 変形例3に係る搬送機構及び測定チップの他の例を示す図。 変形例3に係る測定チップが搬送機構に装着された状態の別の例を示す図。 図38及び図39に示すガイド部及び補正部の他の例を示す図。
以下、図面を参照しながら、測定チップ、自動分析装置、及び、自動分析システムの実施形態について説明する。なお、以下の説明において実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る自動分析装置の機能構成の例を示すブロック図である。本実施形態に係る自動分析装置は、例えば、測定対象の試料と試薬との混合液又は測定対象の試料と希釈液との混合液等を測定することにより、試料内の成分を測定する装置である。この図1に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1は、例えば、分析機構2と、解析回路3と、駆動機構4と、入力インターフェース5と、出力インターフェース6と、通信インターフェース7と、記憶回路8と、制御回路9とを備えて構成されている。
分析機構2は、標準試料又は被検試料等の試料に、この試料に設定される各検査項目で用いられる試薬を混合する。また、分析機構2は、検査項目によっては、試料を希釈する希釈液と、試料とを混合した混合液を生成する。分析機構2は、試料に試薬を混合して得られる混合液又は測定対象の試料と希釈液との混合液等を測定し、例えば、標準データ及び被検データを生成する。本実施形態においては、分析機構2は、例えば、試料、試料と試薬との混合液、又は、試料と希釈液との混合液を測定し、電位に関連付けられた標準データ及び被検データを生成する。なお、以下において、標準試料と被検試料を区別せずに表現する場合は、単に「試料」と表記する場合がある。
解析回路3は、分析機構2により生成される標準データ及び被検データを解析することで、検量データ及び分析データ等を生成するプロセッサである。解析回路3は、記憶回路8から解析プログラムを読み出し、読み出した解析プログラムに従って検量データ及び分析データなどを生成する。例えば、解析回路3は、標準データに基づき、標準データと、標準試料について予め設定された標準値との関係を示す検量データとを生成する。また、解析回路3は、被検データと、この被検データに対応する検査項目の検量データとに基づき、濃度値及び酵素の活性値として表される分析データを生成する。この分析データには、濃度値と酵素の活性値とを対応付けたデータ及び試料中の所望のイオンの濃度を時系列に記録したデータ等がある。解析回路3は生成した検量データ及び分析データなどを制御回路9へ出力する。
駆動機構4は、制御回路9の制御に従い、分析機構2を駆動させる。例えば、駆動機構4は、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、及びリードスクリュー等により実現される。例えば、駆動機構4は、後述する搬送機構等を所定の角度で回動させる。
入力インターフェース5は、例えば、ユーザから又は病院内ネットワークNWを介して、測定を依頼された試料に係る各検査項目の分析パラメータ等の設定を受け付ける。入力インターフェース5は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパッド等により実現される。入力インターフェース5は、制御回路9に接続され、ユーザから入力される操作指示を電気信号へ変換し、この電気信号を制御回路9へ出力する。なお、本実施形態においては、入力インターフェース5は、マウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、自動分析装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路9へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース5の例に含まれる。
出力インターフェース6は、制御回路9に接続され、制御回路9から供給される信号を出力する。出力インターフェース6は、例えば、表示回路、印刷回路及び音声デバイス等により実現される。表示回路には、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等が含まれる。なお、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路も表示回路に含まれる。印刷回路は、例えば、プリンタ等を含む。なお、印刷対象を表すデータを外部へ出力する出力回路も印刷回路に含まれる。音声デバイスは、例えば、スピーカ等を含む。なお、音声信号を外部へ出力する出力回路も音声デバイスに含まれる。
通信インターフェース7は、例えば、病院内ネットワークNWに接続されており、自動分析装置1を病院内ネットワークNWに接続する。通信インターフェース7は、病院内ネットワークNWを介してHIS(Hospital Information System)とデータ通信を行う。なお、通信インターフェース7は、病院内ネットワークNWと接続する検査部門システム(Laboratory Information System:LIS)を介してHISとデータ通信を行っても構わない。
記憶回路8は、磁気的、若しくは、光学的記録媒体、又は、半導体メモリ等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体等により構成されている。なお、記憶回路8は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路8は、複数の記憶装置により実現することもできる。
また、記憶回路8は、解析回路3で実行される解析プログラム、及び、制御回路9で実行される制御プログラムを記憶している。記憶回路8は、解析回路3により生成される分析データを検査項目毎に記憶する。
制御回路9は、自動分析装置1の中枢として機能するプロセッサである。例えば、制御回路9は、分析機構2の各部を駆動させるための制御信号を駆動機構4へと出力する。また、制御回路9は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。なお、制御回路9は、記憶回路8で記憶されているデータの少なくとも一部を記憶する記憶領域を備えていてもよい。
図2は、第1実施形態に係る分析機構2の構成の一例を示す図である。この図2に示すように、本実施形態に係る分析機構2は、例えば、反応ディスク201と、恒温部202と、ラックサンプラ203と、第1試薬庫204と、第2試薬庫205と、サンプル分注アーム206と、サンプル分注プローブ207と、第1試薬分注アーム208と、第1試薬分注プローブ209と、第2試薬分注アーム210と、第2試薬分注プローブ211と、第1撹拌ユニット212と、第2撹拌ユニット213と、測光ユニット214と、洗浄ユニット215、貯留部216と、第1検知部217と、供給部218と、搬送機構219と、廃棄部220と、第2検知部221と、を備えて構成されている。
反応ディスク201は、複数の反応容器2011を、環状に配列させて保持する。反応ディスク201は、複数の反応容器2011を所定の経路に沿って搬送する。具体的には、試料と試薬の混合液又は試料と希釈液の混合液の分析動作中、反応ディスク201は、駆動機構4により、既定の時間間隔で回動と停止とが交互に繰り返される。反応容器2011は、例えば、ガラス、ポリプロピレン(polypropylene:PP)またはアクリルにより形成されている。
恒温部202は、所定の温度に設定された熱媒体を貯留する。恒温部202は、貯留する熱媒体に反応容器2011を浸漬させることで、反応容器2011に収容される反応液を所定の温度まで昇温し保温する。
ラックサンプラ203は、測定を依頼された試料を収容する複数の試料容器を保持可能な試料ラック2031を、移動可能に支持する。これら複数の試料容器には、測定を依頼された血液などの検体が収容されている。図2に示す例では、5本の試料容器を並列して保持可能な試料ラック2031が示されている。
ラックサンプラ203には、試料ラック2031を搬送する搬送領域2032が設けられている。すなわち、この搬送領域2032を使用して、試料ラック2031が投入される投入位置から、測定が完了した試料ラック2031を回収する回収位置まで、試料ラック2031が搬送される。搬送領域2032では、長手方向に整列された複数の試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D1へ移動される。
また、ラックサンプラ203には、試料ラック2031で保持される試料容器を所定の試料吸引位置へ移動させるため、試料ラック2031を搬送領域2032から引き込む引き込み領域2033が設けられている。試料吸引位置は、例えば、サンプル分注プローブ207の上下方向への移動軌道と、ラックサンプラ203で支持されて試料ラック2031で保持される試料容器の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。引き込み領域2033では、搬送されてきた試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D2へ移動される。
また、ラックサンプラ203には、試料が吸引された試料容器を保持する試料ラック2031を搬送領域2032へ戻すための戻し領域2034が設けられている。戻し領域2034では、試料ラック2031が、駆動機構4により、方向D3へ移動される。
第1試薬庫204は、標準試料及び被検試料に含まれる所定の成分と反応する第1試薬を収容する試薬容器を複数保冷する。第1試薬は、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)等を含む緩衝液である。試薬容器には、試薬ラベルが貼付されている。試薬ラベルには、試薬情報を表す光学式マークが印刷されている。光学式マークには、例えば、1次元画素コード及び2次元画素コード等、任意の画素コードが用いられる。試薬情報は、試薬容器に収容される試薬に関する情報であり、例えば、試薬名、試薬メーカコード、試薬項目コード、ボトル種類、ボトルサイズ、容量、製造ロット番号、及び、有効期間等を含んでいる。
また、第1試薬庫204は、標準試料を収容する標準試料容器を複数保冷する。複数の標準試料容器のそれぞれには、濃度が異なる同一の成分の標準試料が収容されている。なお、標準試料容器は、試料ラック2031に保持されていてもよい。また、第1試薬庫204は、希釈液を収容する希釈液容器を1又は複数保冷する。
第1試薬庫204内には、試薬ラック2041が回転自在に設けられている。試薬ラック2041は、複数の試薬容器、複数の標準試料容器及び希釈液容器を、円環状に配列して保持する。試薬ラック2041は、駆動機構4により回動される。また、第1試薬庫204内には、試薬容器に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
第2試薬庫205は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器を複数保冷する。第2試薬は、試料に含まれる所定の抗原又は抗体と、特異的抗原抗体反応により結合又は乖離する抗原又は抗体が固定化された不溶性担体、例えば、担体粒子を含む溶液である。特異的反応により結合又は乖離するものとして酵素、基質、アプタマー、受容体であっても良い。第2試薬庫205内には、試薬ラック2051が回転自在に設けられている。
試薬ラック2051は、複数の試薬容器を円環状に配列して保持する。なお、第2試薬庫205において、標準試料を収容する標準試料容器が保冷されていてもよい。試薬ラック2051は、駆動機構4により回動される。また、第2試薬庫205内には、試薬容器に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
第2試薬庫205上の所定の位置には、第2試薬吸引位置が設定されている。第2試薬吸引位置は、例えば、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、試薬ラック2051に円環状に配列される試薬容器の開口部の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
サンプル分注アーム206は、反応ディスク201とラックサンプラ203との間に設けられている。サンプル分注アーム206は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。サンプル分注アーム206は、一端にサンプル分注プローブ207を保持する。
サンプル分注プローブ207は、サンプル分注アーム206の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、分注位置が設けられている。また、サンプル分注プローブ207の回動軌道上には、サンプル分注プローブ207が吸引した試料を反応容器2011へ吐出するためのサンプル吐出位置が設けられている。サンプル吐出位置は、サンプル分注プローブ207の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
サンプル分注プローブ207は、駆動機構4によって駆動され、分注位置又はサンプル吐出位置において上下方向に移動する。また、サンプル分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、分注位置において、試料容器から試料を吸引する。また、サンプル分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、吸引した試料を、サンプル吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。
第1試薬分注アーム208は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第1試薬分注アーム208は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第1試薬分注アーム208は、一端に第1試薬分注プローブ209を保持している。
第1試薬分注プローブ209は、第1試薬分注アーム208の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が第1試薬、標準試料、又は、希釈液を吸引する第1試薬吸引位置が設けられている。第1試薬吸引位置は、例えば、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、試薬ラック2051に円環状に配列される試薬容器や標準試料容器、希釈液容器の開口部の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。また、第1試薬分注プローブ209の回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が吸引した第1試薬、標準試料、又は、希釈液を反応容器2011へ吐出するための第1試薬吐出位置が設定されている。第1試薬吐出位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
第2試薬分注アーム210は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第2試薬分注アーム210は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第2試薬分注アーム210は、一端に第2試薬分注プローブ211を保持している。
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬分注アーム210の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、前述の第2試薬吸引位置が設けられている。また、第2試薬分注プローブ211の回動軌道上には、第2試薬分注プローブ211が吸引した第2試薬を反応容器2011へ吐出するための第2試薬吐出位置が設定されている。第2試薬吐出位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
第1撹拌ユニット212は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第1撹拌ユニット212は、第1撹拌アーム2121を有し、また、この第1撹拌アーム2121の先端に設けられる第1撹拌子を有する。第1撹拌ユニット212は、第1撹拌子により、反応ディスク201上の第1撹拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料と第1試薬との反応液を撹拌する。また、第1撹拌ユニット212は、第1撹拌子により、反応ディスク201上の第1撹拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料と第1試薬との反応液を撹拌する。なお、第1撹拌ユニット212は、反応ディスク201上の第1撹拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料と希釈液との反応液を撹拌してもよい。
第2撹拌ユニット213は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第2撹拌ユニット213は、第2撹拌アーム2131を有し、また、この第2撹拌アーム2131の先端に設けられる第2撹拌子を有する。第2撹拌ユニット213は、第2撹拌子により、反応ディスク201上の第2撹拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を撹拌する。また、第2撹拌ユニット213は、第2撹拌子により、第2撹拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を撹拌する。
測光ユニット214は、反応容器2011内に吐出された試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を光学的に測定する。測光ユニット214は、光源2141、及び、光検出器2142を有する。測光ユニット214は、制御回路9の制御に従い、光源から光を照射する。照射された光は、反応容器2011の第1側壁から入射され、第1側壁と対向する第2側壁から出射される。測光ユニット214は、反応容器2011から出射された光を、光検出器2142により検出する。この測光ユニット214は、本実施形態における測光部に相当する。また、光検出器2142は、本実施形態における光検出部に相当する。
具体的には、例えば、光検出器2142は、光源2141から反応容器2011に照射される光の光軸上の位置に配置されている。光検出器2142は、反応容器2011内の標準試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出する。自動分析装置1は、この光検出器2142が検出した光の強度により表される測光データを取得する。そして、自動分析装置1は、この測光データから所定のタイミングで取得される測定データに基づき、吸光度により表される標準データを生成する。また、光検出器2142は、反応容器2011内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出する。自動分析装置1は、この光検出器2142が検出した光の強度により表される測光データを取得する。そして、自動分析装置1は、この測光データから所定のタイミングで取得される測定データに基づき、吸光度により表される被検データを生成する。測光ユニット214は、生成した標準データ及び被検データを解析回路3へ出力する。
洗浄ユニット215は、測光ユニット214で反応液の測定が終了した反応容器2011の内部を洗浄する。
貯留部216は、測定チップ300を貯留する。本実施形態に係る貯留部216は、測定チップ300を複数貯留する。
測定チップ300は、電解質項目を測定するためのチップである。この貯留部216に貯留される測定チップ300は、使い捨てのチップである。この測定チップ300は搬送機構219に装着されることにより搬送される。測定チップ300と、この測定チップ300に収容された試料又は混合液を用いて、試料を分析する自動分析装置1とは、本実施形態に係る自動分析システムを構成している。
図3は、本実施形態に係る測定チップ300の構成の一例を示す図である。この図3に示すように、本実施形態に係る測定チップ300は、チップ本体301と、吸引口302と、複数の端子303と、装着部304とを備える。チップ本体301は、試料又は、試料と反応させる試薬又は試料を希釈する希釈液を試料に混合した混合液を収容する。吸引口302は、チップ本体301に設けられた試料又は混合液を吸引するための開口である。
複数の端子303は、チップ本体301に設けられ、吸引口302から吸引された試料又は混合液の対象物質の濃度を測定する。ここで、対象物質とは、ナトリウムイオン、カリウムイオン及び塩素イオン等の電解質である。なお、電解質は、マグネシウムイオン、鉄イオン、亜鉛イオン等であってもよい。
本実施形態に係る複数の端子303は、吸引口302の径方向に対して、複数の端子303のそれぞれの軸方向が垂直になるように、チップ本体301に設けられる。また、本実施形態に係る複数の端子303は、チップ本体301に一体的に形成されることにより、チップ本体301に設けられる。図3に示す例において、複数の端子303は、4本である。なお、本実施形態に係る複数の端子303は、4本設けられることとしたが、チップ本体301に設けられる複数の端子303の数はこれに限られない。すなわち、複数の端子303の数は任意であり、チップ本体301に設けられる複数の端子303の数は、2本又は3本であってもよく、5本以上であってもよい。
また、複数の端子303は、試料又は混合液に含まれる電解質を選択的に検出するイオン選択性電極(Ion selective Electrode:以下、ISEと呼ぶ)及び一定の電位を発生する参照電極とを含む。本実施形態において、図3に示すように、複数の端子303である4本の端子のそれぞれは、ISE3031~3033及び参照電極3034である。
ISE3031は、ナトリウムイオンを選択的に検出する感応膜を有する。ISE3031は、吸引口302から吸引された、試料又は混合液の活量係数及び溶液温度が一定となる条件で、参照電極3034に対して、ナトリウムイオンの濃度の対数に比例する電位を発生する。
ISE3032は、カリウムイオンを選択的に検出する感応膜を有する。ISE3032は、吸引口302から吸引された、試料又は混合液の活量係数及び溶液温度が一定となる条件で、参照電極3034に対して、カリウムイオンの濃度の対数に比例する電位を発生する。
ISE3033は、塩素イオンを選択的に検出する感応膜を有する。ISE3033は、吸引口302から吸引された、試料又は混合液の活量係数及び溶液温度が一定となる条件で、参照電極3034に対して、塩素イオンの濃度の対数に比例する電位を発生する。
参照電極3034は、一定の電位を発生する液絡部を有する。
なお、本実施形態に係る複数の端子303に含まれるISE3031~3033は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及び、塩素イオンを選択的に検出することとしたが、ISE3031~3033が選択的に検出する物質は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及び、塩素イオンに限られない。すなわち、ISE3031~3033が選択的に検出する物質は任意であり、例えば、ISE3031~3033は、マグネシウムイオンや、鉄イオン、亜鉛イオンなどを選択的に検出するようにしてもよい。また、図3に示す例においては、左からISE3031~3033及び参照電極3034の順に並べられているが、ISE3031~3033及び参照電極3034の並び順は任意である。
装着部304は、自動分析装置1の搬送機構219にチップ本体301を装着するための部分である。本実施形態に係る装着部304は、詳しくは後述する自動分析装置1の搬送機構219の測定チップ被装着部を挿入するための開口部である。本実施形態に係る装着部304の内周の口径は、搬送機構219の被装着部の外周の口径と略等しい。そのため、本実施形態に係る測定チップ300は、装着部304が搬送機構219の測定チップ被装着部に外嵌することにより、自動分析装置1の搬送機構219に装着される。
第1検知部217は、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量を検知する。この第1検知部217は、貯留部216又は貯留部216の近傍に設けられる。第1検知部217は、例えば、光学センサや重量センサ、光学カメラ等である。第1検知部217の検知結果は、制御回路9に出力される。
供給部218は、測定チップ300を供給する位置である供給位置に、貯留部216に貯留された測定チップ300を供給する。この供給部218は、例えば、ベルトやスライダ、供給レール等により構成される。供給部218の構成について、図4を参照して、より詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る分析機構2が備える供給部218の構成の一例を示す図である。図4に示す例において、本実施形態に係る供給部218は、供給レール2181と、測定チップ送り出し機構2182と、位置決め機構2183とを備えている。
供給レール2181は、貯留部216に貯留されている測定チップ300を外に排出して、供給位置に供給する。図4に示す例においては、供給レール2181は、例えば、供給位置に向かって傾斜して設けられている。そのため、測定チップ300は、供給レール2181上を、重力により摺動して、供給位置に向かって移動する。供給位置は、例えば、搬送機構219の搬送経路である回動軌道と、供給レール2181上における測定チップ300の移動軌道とが交差する位置である。
測定チップ送り出し機構2182は、制御回路9の制御に従い、供給レール2181上の測定チップ300を供給位置に送り出す機構である。この測定チップ送り出し機構2182は、供給位置の近傍に設けられている。
位置決め機構2183は、測定チップ300の複数の端子303が搬送機構219に対して、所定の位置に位置決めされるように、測定チップ300を回転させる機構である。具体的には、位置決め機構2183は、制御回路9の制御に従い、測定チップ300の複数の端子303が、後述する搬送機構219の接続部に対応する位置に位置決めされるように、供給位置に供給された測定チップ300を回転させる。また、位置決め機構2183は、供給位置の近傍に設けられている。なお、位置決め機構2183は、位置決めを行わないときは、退避位置に退避してもよく、位置決めが必要な場合に測定チップ300の下方又は側方から移動してもよい。
なお、本実施形態に係る供給部218は、供給レール2181と、測定チップ送り出し機構2182と、位置決め機構2183とを備えることとしたが、測定チップ送り出し機構2182と、位置決め機構2183とは備えられていなくてもよい。つまり、供給部218は、少なくとも供給レール2181を備えていればよい。
搬送機構219は、試料又は混合液の対象物質の濃度を測定するための測定チップ300を装着可能とし、測定チップ300を搬送する。本実施形態に係る搬送機構219は、制御回路9の制御に従い、供給位置に供給された測定チップ300を、後述する反応容器位置に搬送する。また、本実施形態に係る搬送機構219は、測定が完了した測定チップ300を、後述する廃棄位置に搬送する。この搬送機構219は、本実施形態における搬送部に相当している。
図2及び図5を参照して、本実施形態に係る搬送機構219の構成を説明する。図5は本実施形態に係る搬送機構219の構成の一例を示す図である。図2及び図5に示すように、本実施形態に係る搬送機構219は、測定チップ被装着部2191と、搬送アーム2192と、測定部2193と、接続部2194と、吸引機構2195と、測定チップ取外し機構2196と、加温部2197と、温度センサ2198と、を備える。
測定チップ被装着部2191には、測定チップ300が装着される。本実施形態に係る測定チップ被装着部2191の外周の口径は、装着部304の内周の口径と略等しい。そのため、本実施形態に係る測定チップ被装着部2191を測定チップ300の装着部304に挿入することにより、測定チップ被装着部2191に、測定チップ300が外嵌される。これにより、本実施形態に係る測定チップ被装着部2191は、測定チップ300を装着する。
搬送アーム2192は、反応ディスク201と貯留部216の間に設けられている。搬送アーム2192は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。なお、図2に示す搬送アーム2192は、1本の搬送アームから構成されているが、搬送アーム2192の本数はこれに限られない。すなわち、搬送アーム2192の本数は任意である。例えば、搬送アーム2192は、2以上の複数のアームから構成されてもよい。
また、搬送アーム2192は、測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300を所定の搬送経路に沿って搬送する。具体的には、本実施形態に係る搬送アーム2192は、搬送機構219の測定チップ被装着部2191及び測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300が搬送経路を通るように、供給部218から廃棄部220へ測定チップ300を搬送する。この測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300の搬送経路は、例えば、搬送アーム2192の一端の中心とする回動に伴う円弧上の回動軌道上に形成される。なお、搬送機構219における測定チップ300の搬送経路は、任意である。例えば、搬送機構219における測定チップ300の搬送経路は、楕円状の軌道上に形成されてもよく、特定の形状を有しない搬送経路であってもよい。
測定部2193は、搬送機構219で搬送された測定チップ300に設けられた複数の端子303の電位を測定する。具体的には、試料又は混合液について、ISE3031~3033と参照電極3034との間の電位を測定する。測定部2193は、電位を測定したデータを標準データまたは被検データとして、解析回路3へ出力する。本実施形態に係る測定部2193は、搬送機構219に設けられた接続部2194を介して、複数の端子303の電位を測定する。本実施形態に係る測定部2193は、例えば、搬送機構219に設けられている。
接続部2194は、搬送機構219に設けられ、測定部2193と電気的に接続されている接続端子である。具体的には、接続部2194の一端は、測定部2193と電気的に接続され、接続部2194の他端は、測定チップ300に設けられた複数の端子303と接続可能となっている。この接続部2194は、ISEと参照電極との間の電位を測定するために、複数の接続端子を備えている。この接続部2194が備える接続端子の本数は、測定チップ300の複数の端子303の本数に対応している。本実施形態に係る接続部2194は、ISE3031~3033と参照電極3034と接続するために、4本の接続端子を備えている。
吸引機構2195は、搬送機構219に設けられ、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300に試料又は混合液を吸引する機構である。この吸引機構2195は、例えば、中空部と有するシリンダと中空部に連通するプランジャとからなるシリンジポンプや、シリンダ等である。この図2に示す例においては、吸引機構2195は、シリンジポンプである。本実施形態に係る吸引機構2195は、シリンダとしての測定チップ被装着部2191の中空部をプランジャが上下に動作することにより、試料又は混合液を吸引する。プランジャには、例えば、測定チップ被装着部2191の中空部を上上下に動作させる機構(図示しない)が接続されている。なお、吸引機構2195の構成はこれに限られない。すなわち、吸引機構2195の構成は任意であり、例えば、吸引機構2195は、一端にシリンジポンプや真空ポンプが接続され、他端が搬送機構219の先端に取り付けられたチューブにより構成されてもよい。吸引機構2195は、本実施形態における吸引部に相当している。
測定チップ取外し機構2196は、測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300を、測定チップ被装着部2191から取り外すための機構である。この測定チップ取外し機構2196は、測定チップ取外し機構2196を上下に動作させる機構(図示しない)に接続されている。このため図5に示す例において、測定チップ取外し機構2196は、測定チップ被装着部2191に対して、上下動可能である。
加温部2197は、測定チップ300に収容された試料又は混合液を加温する。この加温部2197は、温度センサ2198の測定結果に基づいて、制御回路9により制御される。図2に示す例において、加温部2197は、測定チップ被装着部2191に取り付けられており、測定チップ被装着部2191を介して、測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300の試料又は混合液を加温する。本実施形態において、加温部2197は、例えば、ヒータなどである。
温度センサ2198は、測定チップ300に収容された試料又は混合液の温度を測定するためのセンサである。図2に示すように、本実施形態に係る温度センサ2198は、測定チップ被装着部2191の先端に取り付けられている。この温度センサ2198の測定結果は、制御回路9に出力される。
図6は、本実施形態に係る搬送機構219における測定チップ300の搬送経路及び搬送経路上の各位置を説明する説明図である。図6に示すように、本実施形態に係る搬送機構219の搬送経路TP1上の各位置には、供給位置P11と、反応容器位置P12と、廃棄位置P13とが設けられる。本実施形態に係る搬送機構219は、制御回路9の制御に従い、供給位置P11、反応容器位置P12、廃棄位置P13の順に、搬送経路TP1である回動軌道上の各位置へ測定チップ300を搬送する。
供給位置P11は、上述したとおり、測定チップ300が供給される位置である。本実施形態に係る供給位置P11は、搬送機構219の搬送経路TP1である回動軌道と、供給レール2181上における測定チップ300の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
反応容器位置P12は、反応容器2011に収容された試料又は混合液を測定チップ300に吸引する位置である。本実施形態に係る反応容器位置P12は、搬送機構219の搬送経路TP1である回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
廃棄位置P13は、測定チップ300を廃棄部220に廃棄する位置である。本実施形態に係る廃棄位置P13は、搬送機構219の搬送経路TP1である回動軌道と、廃棄部220の中心から上方に伸びる線分とが交差する位置に設けられる。
図2に戻り、廃棄部220は、測定が完了した測定チップ300が廃棄される。本実施形態において、廃棄部220は、廃棄測定チップ収容部2201を備えている。この廃棄測定チップ収容部2201は、測定が完了して廃棄される測定チップ300が収容される。本実施形態に係る廃棄測定チップ収容部2201は、搬送機構219に装着された測定チップ300が廃棄可能なように、廃棄位置P13の直下に設けられている。
第2検知部221は、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量を検知する。具体的には、第2検知部221は、廃棄測定チップ収容部2201に収容された測定チップ300の量を検知する。この第2検知部221は、廃棄部における廃棄測定チップ収容部2201又は廃棄測定チップ収容部2201の近傍に設けられる。第2検知部221は、例えば、光学センサや重量センサ、光学カメラ等である。この第2検知部221の検知結果は、制御回路9に出力される。
図7は、本実施形態に係る分析機構2において、測定チップ300が搬送機構219に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図である。まず、図7(a)に示すように、測定チップ300は、供給位置P11において、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着される。この測定チップ300が搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着されるとき、本実施形態に係る測定チップ300の複数の端子303は、接続部2194に接続される。次に、図7(b)に示すように、反応容器位置P12において、測定チップ300の吸引口302は、反応容器2011に収容された試料又は混合液に接触する。そして、測定チップ300は、吸引機構2195により、吸引口302から試料又は混合液を吸引する。次に、図7(c)に示すように、測定チップ300において、吸引口302から吸引された試料又は混合液が複数の端子303に接触する。これにより、測定部2193は、搬送機構219に設けられた接続部2194を介して、複数の端子303の電位を測定する。そして、図7(d)に示すように、測定部2193による測定が完了した測定チップ300は、廃棄位置P13において、測定チップ取外し機構2196により取り外されて、廃棄部220に廃棄される。
図1に戻り、図1に示される制御回路9は、記憶回路8に記憶されている制御プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、制御回路9は、制御プログラムを実行することで、システム制御機能91と、温度制御機能92と、搬送制御機能93と、第1報告機能94と、第2報告機能95とを有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによってシステム制御機能91と、温度制御機能92と、搬送制御機能93と、第1報告機能94と、第2報告機能95とが実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて制御回路を構成し、各プロセッサが制御プログラムを実行することにより、これらの各種機能を実現しても構わない。
なお、図1に示したシステム制御機能91と、温度制御機能92と、搬送制御機能93と、第1報告機能94と、第2報告機能95とは、それぞれ、本実施形態におけるシステム制御部、温度制御部、搬送制御部、第1報告部、第2報告部に相当している。
システム制御機能91は、入力インターフェース5から入力される入力情報に基づき、自動分析装置1における各部を統括して制御する機能である。例えば、システム制御機能91において制御回路9は、駆動機構4及び分析機構2を制御することにより、サンプル分注アーム206や第1試薬分注アーム208を制御して、反応容器2011に試料や試薬、希釈液を分注したり、測定チップ300に試料又は混合液を吸引したりする。また、本実施形態に係るシステム制御機能91は、測定チップ送り出し機構2182や位置決め機構2183を制御する。また、システム制御機能91は、検査項目に応じた解析を実施するように解析回路3を制御する。
温度制御機能92は、測定チップ300、測定チップ300に収容された試料、及び、測定チップ300に収容された混合液の少なくとも一つの温度を制御する。本実施形態に係る温度制御機能92は、温度センサ2198の測定結果に基づいて、加温部2197を制御して、測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300の温度を制御する。これにより、温度制御機能92は、測定チップ300に収容された試料又は混合液の温度が所定の温度となるようにする。ここで所定の温度とは、例えば、37℃である。なお、所定の温度は37℃に限られない。すなわち、所定の温度は任意であり、37℃以上であってもよく、37℃以下であってもよい。
搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、搬送機構219を制御する。本実施形態に係る搬送制御機能93は、搬送機構219における搬送アーム2192の鉛直方向への上下動、及び、水平方向への回動を制御する。具体的には、搬送制御機能93は、搬送機構219を制御して、測定チップ300を搬送経路TP1の各位置に搬送させる。
第1報告機能94は、第1検知部217の検知結果に基づいて、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下の場合にユーザに報告する。本実施形態に係る第1報告機能94は、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下である場合に、出力インターフェース6又は通信インターフェース7を介して、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下である旨をユーザに報告する。
第2報告機能95は、第2検知部221の検知結果に基づいて、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上の場合にユーザに報告する。具体的には、第2報告機能95は、第2検知部221の検知結果に基づいて、廃棄測定チップ収容部2201に収容された測定チップ300の量が所定の量以上の場合にユーザに報告する。本実施形態に係る第2報告機能95は、廃棄測定チップ収容部2201に収容された測定チップ300の量が所定の量以上の場合に、出力インターフェース6又は通信インターフェース7を介して、廃棄測定チップ収容部2201に収容された測定チップ300の量が所定の量以上である旨をユーザに報告する。
また、図1に示される解析回路3は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、解析回路3は、動作プログラムを実行することで、検量データ生成機能31及び分析データ生成機能32を実現する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて解析回路を構成し、各プロセッサが動作プログラムを実行することにより検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32を実現するようにしてもよい。
検量データ生成機能31は、分析機構2で生成された標準データに基づいて検量データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された標準データを受信すると、検量データ生成機能31を実行する。検量データ生成機能31を実行すると解析回路3は、異なる複数の濃度の標準試料に関する吸光度を含む測定データである標準データに基づいて、検量線を生成する。この生成された検量線は、検量データとして記憶回路8に記憶される。
分析データ生成機能32は、分析機構2で生成された被検データを解析することで分析データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された被検データを受信すると、分析データ生成機能32を実行する。分析データ生成機能32を実行すると解析回路3は、検量線に関する情報を含む検量データを記憶回路8から読み出す。解析回路3は、これら被検データ及び検量データに基づき、被検試料の検出対象の濃度に関する情報を含む分析データを生成する。
本実施形態に係る分析データ生成機能32は、測定部2193から、被検データとして、測定部2193により測定された電位のデータを取得した場合、測定部2193により測定された電位に基づいて、測定チップ300に収容された試料又は混合液の対象物質の濃度を算出する。具体的には、分析データ生成機能32は測定部2193により測定された電位と検量データに基づき、分析データとして、測定チップ300に収容された試料又は混合液の対象物質の濃度を算出する。そして、分析データ生成機能32は、算出結果を制御回路9に出力する。すなわち、解析回路3の分析データ生成機能32は、試料又は混合液の対象物質の濃度を算出する際には、算出部として機能することが分かる。
次に、図8及び図9を参照して、電解質項目測定処理を説明する。図8は、本実施形態に係る自動分析装置1で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図である。図9は、本実施形態に係る電解質項目測定処理における搬送機構219の動作例を説明する説明図である。この電解質項目測定処理では、測定チップ300を用いて電解質項目を測定したり、測定が完了した測定チップ300を廃棄したりする。例えば、この電解質項目測定処理は、電解質項目の測定が開始されるタイミングで実行される処理である。
まず、図8に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1が実行する電解質項目測定処理においては、自動分析装置1は、搬送機構219の測定チップ被装着部2191を供給位置P11へ移動させる(ステップS11)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、搬送機構219の測定チップ被装着部2191を供給位置P11へ移動させる。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300を位置決めする(ステップS13)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、図9(a)に示すように、位置決め機構2183を供給位置P11に供給された測定チップ300にセットする。そして、システム制御機能91は、供給位置P11に供給された測定チップ300を撮影する光学カメラ(図示しない)の撮影画像に基づいて、測定チップ300の複数の端子303が、所定の位置になるように、位置決め機構2183を制御する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300を装着する(ステップS15)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、図9(b)に示すように、駆動機構4を制御することより、測定チップ被装着部2191を下降して、測定チップ被装着部2191を測定チップ300の装着部304に装着する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300を反応容器位置P12へ搬送する(ステップS17)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、図9(c)に示すように、駆動機構4を制御することにより、測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300を反応容器位置P12へ搬送する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、試料又は混合液を吸引する(ステップS19)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、図9(d)に示すように、駆動機構4を制御することにより、測定チップ300を下降させる。そして、システム制御機能91は、吸引機構2195を制御して、測定チップ300に試料又は混合液を吸引する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、温度を制御する(ステップS21)。自動分析装置1の制御回路9における温度制御機能92は、温度センサ2188の測定結果に基づいて、試料又は混合液の温度が所定の温度となるように、加温部2187を制御する。なお、ステップS19において吸引された試料が又は混合液が所定の温度となっている場合、このステップS21の処理を省略する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、電位を測定する(ステップS23)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、測定部2193に、接続部2194を介して、測定チップ300の複数の端子303のそれぞれの電位を測定させる。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、対象物質の濃度を算出する(ステップS25)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、解析回路3における分析データ生成機能32を制御して、ステップS23において測定された電位に基づいて、対象物質の濃度を算出させる。本実施形態においては、分析データ生成機能32は、測定部2193により測定された電位に基づいて、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンの濃度を算出する。そして、分析データ生成機能32は、算出結果を制御回路9に出力する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、算出結果を出力する(ステップS27)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、出力インターフェース6又は通信インターフェース7を介して、対象物質の濃度の算出結果を出力する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300を廃棄位置P13へ搬送する(ステップS29)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、図9(e)に示すように、駆動機構4を制御することにより、測定が完了した測定チップ300を廃棄位置P13へ搬送する。
次に、図8に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300を廃棄する(ステップS31)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、測定チップ300を廃棄部220に廃棄する。より具体的には、搬送制御機能93は、廃棄位置P13において、搬送アーム2192を制御して、測定チップ被装着部2191を降下させる。そして、搬送制御機能93は、測定チップ取外し機構2196を制御して、測定チップ被装着部2191から測定チップ300を取り外すことにより、測定チップ300を廃棄測定チップ収容部2201に廃棄する。なお、ステップS31において、搬送制御機能93は、廃棄位置P13において、搬送アーム2192を制御して、測定チップ被装着部2191を降下させることとしたが、搬送制御機能93は、測定チップ被装着部2191を降下させなくてもよい。すなわち、搬送制御機能93は、廃棄位置P13において、測定チップ被装着部2191を降下させることなく、測定チップ取外し機構2196を制御して、測定チップ被装着部2191から測定チップ300を取り外すことにより、測定チップ300を廃棄測定チップ収容部2201に廃棄してもよい。
このステップS31を実行することにより、本実施形態に係る電解質項目測定処理を終了する。
なお、上述した本実施形態に係る電解質項目測定処理においては、自動分析装置1は、ステップS25において対象物質の濃度を算出し、ステップS27において算出結果を出力した後に、ステップS29において測定チップ300を廃棄位置P13へ搬送し、ステップS31において測定チップ300を廃棄することとしたが、ステップS29及びステップS31における測定チップ300の廃棄動作を行うタイミングはこれに限られない。すなわち、ステップS29及びステップS31における測定チップ300の廃棄動作を行うタイミングは任意であり、例えば、ステップS23において電位を測定した後にステップS29及びステップS31における測定チップ300の廃棄動作を行うようにしてもよい。この場合、ステップS25における対象物質の濃度の算出及びステップS27における算出結果の出力は、ステップS29及びステップS31における測定チップ300の廃棄動作と並行して行われてもよく、ステップS29及びステップS31における測定チップ300の廃棄動作が完了した後に行われてもよい。
図10は、本実施形態に係る自動分析装置1で実行される残量報告処理の内容を説明するフローチャート図である。この残量報告処理では、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下の場合、ユーザに報告する。例えば、この残量報告処理は、自動分析装置1の電源がONとなっている間に実行される処理である。
図10に示すように、まず、本実施形態に係る自動分析装置1が実行する残量報告処理においては、自動分析装置1は、第1検知部217の検知結果を取得する(ステップS41)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第1報告機能94は、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量の検知結果を取得する。
次に、図10に示すように、自動分析装置1は、残量が所定の量以下であるか否かを判定する(ステップS43)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第1報告機能94は、ステップS31における第1検知部217の検知結果に基づいて、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下であるか否かを判定する。
そして、ステップS43において、測定チップ300の残量が所定の残量以下でない場合(ステップS43:No)、自動分析装置1は、第1検知部217の検知結果を取得して、測定チップ300の残量が所定の残量以下となるまで、ステップS41及びステップS43を繰り返して待機する。
一方、ステップS43において、測定チップ300の残量が所定の残量以下である場合(ステップS43:Yes)、自動分析装置1は、ユーザに報告する(ステップS45)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第1報告機能94は、出力インターフェース6又は通信インターフェース7を介して、貯留部216に貯留された測定チップ300の残量が所定の残量以下である旨をユーザに報告する。このステップS45を実行することにより、本実施形態に係る残量報告処理を終了する。
図11は、本実施形態に係る自動分析装置1で実行される廃棄量報告処理の内容を説明するフローチャート図である。この廃棄量報告処理では、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上の場合、ユーザに報告する。例えば、この廃棄量報告処理は、自動分析装置1の電源がONとなっている間で実行される処理である。
図11に示すように、まず、本実施形態に係る自動分析装置1が実行する廃棄量報告処理においては、自動分析装置1は、第2検知部221の検知結果を取得する(ステップS51)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第2報告機能95は、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量の検知結果を取得する。
次に、図11に示すように、自動分析装置1は、廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上であるか否かを判定する(ステップS53)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第2報告機能95は、ステップS51における第2検知部221の検知結果に基づいて、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上であるか否かを判定する。
そして、ステップS53において、廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上でない場合(ステップS53:No)、自動分析装置1は、第2検知部221の検知結果を取得して、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上となるまで、ステップS51及びステップS53を繰り返して待機する。
一方、ステップS53において、廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上である場合(ステップS53:Yes)、自動分析装置1は、ユーザに報告する(ステップS55)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における第2報告機能95は、廃棄部220に廃棄された測定チップ300の量が所定の量以上である旨をユーザに報告する。このステップS55を実行することにより、本実施形態に係る廃棄量報告処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る自動分析装置1によれば、電解質項目を測定する際に、使い捨ての測定チップ300を搬送機構219により搬送して、測定チップ300に試料又は混合液を吸引し、測定チップ300に設けられた複数の端子303により吸引された試料又は混合液の電位を測定し、測定された電位に基づいて対象物質の濃度を算出することとしたので、電解質項目を測定する毎に、搬送機構219の洗浄が不要となる。この結果、電解質項目を測定する場合において、スループットを向上することができる。
また、本実施形態に係る自動分析装置1は、試料又は混合液を測定チップ300に収容した状態で、測定部2193が複数の端子303の電位の測定を行うこととしたので、搬送機構219に試料又は混合液が接触しない。この結果、キャリーオーバーの発生を低減することができる。
さらに、本実施形態に係る自動分析装置1は、搬送機構219に試料又は混合液が接触しないので、搬送機構219を洗浄するための洗浄ユニットが不要となる。この結果、自動分析装置1を小型化することができる。
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態に係る測定チップ300においては、測定チップ300内に試料又は混合液を保持する保持部を備えることも可能である。以下、上述した第1実施形態に本変形例を適用した場合を例に第2実施形態として、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
図12は、第2実施形態に係る測定チップの構成の一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図3に対応する図である。図12に示すように、本実施形態に係る測定チップ300aは、チップ本体301と、吸引口302と、複数の端子303と、装着部304とに加えて、保持部305とを備えて構成されている。保持部305以外の構成は、上述した第1実施形態と同等であるため説明を省略する。この本実施形態に係る測定チップ300aと、この測定チップ300aに収容された試料又は混合液を用いて、試料を分析する自動分析装置1とは、本実施形態に係る自動分析システムを構成している。
保持部305は、チップ本体301に設けられ、吸引口302から吸引された試料又は混合液を保持する。この保持部305は、例えば、紙やスポンジなどの海綿体でからなる。また、保持部305の少なくとも一部は、複数の端子303と接触している。なお、保持部305の材質は、紙やスポンジに限られない。すなわち、保持部305の材質は任意であり、試料又は混合液を保持できる部材であればよい。
図13は、本実施形態に係る分析機構2において、測定チップ300aが搬送機構219に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図であり、上述した第1実施形態における図7に対応する図である。まず、図13(a)に示すように、測定チップ300aは、供給位置P11において、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着される。この測定チップ300aが搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着されるとき、本実施形態に係る測定チップ300aの複数の端子303は、接続部2194に接続される。次に、図13(b)に示すように、反応容器位置P12において、測定チップ300aの吸引口302は反応容器2011に収容された試料又は混合液に接触する。そして、測定チップ300aは、吸引機構2195により、吸引口302から試料又は混合液を吸引する。次に、図13(c)に示すように、測定チップ300aにおいて、吸引口302から吸引された試料又は混合液は、測定チップ300aの保持部305に保持される。次に、図13(d)に示すように、測定チップ300aにおいて、保持部305に保持された試料又は混合液は、複数の端子303に接触する。これにより、測定部2193は、搬送機構219に設けられた接続部2194を介して、複数の端子303の電位を測定する。そして、図13(e)に示すように、測定部2193による測定が完了した測定チップ300aは、廃棄位置P13において、測定チップ取外し機構2196により取り外されて、廃棄部220に廃棄される。
以上のように、本実施形態に係る自動分析装置1によれば、測定チップ300aに保持部305を追加的に設けることとしたので、試料又は混合液が測定チップ300aから試料又は混合液が漏れ出す蓋然性を低減することができる。
また、本実施形態に係る自動分析装置1によれば、測定チップ300aの保持部305が試料又は混合液を保持するため、廃棄部220が試料又は混合液により汚染されるリスクや廃棄部220に収容された測定チップ300aをユーザが廃棄する際に、ユーザが感染するリスクを低減することができる。
なお、上述した第2実施形態においては、測定チップ300aの保持部305は、吸引口302から離間した位置に設けることとしたが、保持部305を吸引口302の近傍に設けるようにしてもよい。このように、保持部305を吸引口302の近傍に設けることにより、自動分析装置1は、保持部305を試料又は混合液に接触させて、試料又は混合液を吸引することができる。このため、自動分析装置1において、吸引機構2195が不要となるため、自動分析装置1を小型化することができる。
また、上述した第2実施形態においては、図14に示すように、測定チップ300の保持部305に連通口3051を設けるようにしてもよい。このように、連通口3051を設けることにより、吸引機構2195による試料又は混合液の吸引を容易にすることができる。
〔第3実施形態〕
上述した第1実施形態に係る測定チップにおいては、測定チップ自体が試料又は混合液を吸引できるようにすることにより、自動分析装置1の吸引機構2195を不要とすることも可能である。以下、上述した第1実施形態に本変形例を適用した場合を例に第3実施形態として、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
図15は、第3実施形態に係る測定チップの構成の一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図3に対応する図である。図15に示すように、本実施形態に係る測定チップ300bは、チップ本体301aと、吸引口302aと、複数の端子303aと、装着部304aと、を備える。この本実施形態に係る測定チップ300bと、この測定チップ300bに収容された試料又は混合液を用いて、試料を分析する自動分析装置1とは、本実施形態に係る自動分析システムを構成している。
チップ本体301aは、試料又は、試料と反応させる試薬又は試料を希釈する希釈液を試料に混合した混合液を収容する。また、本実施形態に係るチップ本体301aは、吸引口302aを介して、毛細管現象により試料又は混合液を吸引する。そして、チップ本体301aは、毛細管現象により吸引された試料又は混合液を収容する。
吸引口302aは、チップ本体301aに設けられた試料又は混合液を吸引するための開口である。本実施形態に係る吸引口302aの開口において、毛細管現象が発生するように、その幅や径が決定される。
複数の端子303aは、吸引口302aの径方向に対して、複数の端子303aの軸方向が垂直になるように、チップ本体301aに設けられる。本実施形態に係る複数の端子303aは、チップ本体301aの内部に設けられる。その他の複数の端子303aの構成は、上述した第1実施形態に係る複数の端子303と同等であるため説明を省略する。
装着部304aは、分析機構2のおける搬送機構219にチップ本体301aを装着するための部分である。本実施形態に係る装着部304aは、詳しくは後述する本実施形態に係る測定チップ被装着部に挿入するためのチップ本体301aの外壁である。このため、本実施形態に係る装着部304aの外壁における外周の径は、本実施形態に係る測定チップ被装着部の内周の径と略等しい。そのため、本実施形態に係る測定チップ300は、装着部304aが測定チップ被装着部に挿嵌することにより、自動分析装置1の搬送機構219に装着される。
図16は、本実施形態に係る搬送機構の構成の一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図5に対応する図である。図16に示すように、本実施形態に係る搬送機構219aは、測定チップ被装着部と、測定チップ取外し機構とが、第1実施形態異なるため、本実施形態においては、測定チップ被装着部2191aと、測定チップ取外し機構2196aと表記する。また、本実施形態に係る搬送機構219aは、測定チップ300bが毛細管現象により試料又は混合液を吸引するため、吸引機構2195が備えられていない。なお、測定チップ被装着部2191aと、測定チップ取外し機構2196aと、吸引機構2195以外の構成及び機能は、上述した第1実施形態における図5と同様であるので、説明を省略する。
測定チップ被装着部2191aには、測定チップ300bが装着される。本実施形態に係る測定チップ被装着部の内周の径は、本実施形態に係る装着部304aの外壁における外周の径と略等しい。本実施形態に係る測定チップ被装着部2191aを測定チップ300bの装着部304aに挿入することにより、測定チップ被装着部2191aに、測定チップ300bが挿嵌される。これにより、本実施形態に係る測定チップ被装着部2191aは、測定チップ300bを装着する。
測定チップ取外し機構2196aは、測定チップ被装着部2191aに取り付けられた測定チップ300bを取り外すための機構である。本実施形態に係る測定チップ取外し機構2196aは測定チップ被装着部2191aの内側に設けられている。
図17は、本実施形態に係る分析機構2において、測定チップ300bが搬送機構219に装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する図であり、上述した第1実施形態における図7に対応する図である。まず、図17(a)に示すように、測定チップ300bは、供給位置P11において、搬送機構219aの測定チップ被装着部2191aに装着される。この測定チップ300bが搬送機構219aの測定チップ被装着部2191aに装着されるとき、本実施形態に係る測定チップ300bの複数の端子303aは、接続部2194に接続される。次に、図13(b)に示すように、反応容器位置P12において、測定チップ300の吸引口302は、反応容器2011に収容された試料又は混合液に接触する。このとき、測定チップ300bのチップ本体301aは、吸引口302aを介して、毛細管現象により試料又は混合液を吸引する。次に、図17(c)に示すように、測定チップ300bにおいて、吸引口302aから吸引された試料又は混合液が複数の端子303aに接触する。これにより、測定部2193は、搬送機構219aに設けられた接続部2194を介して、複数の端子303aの電位を測定する。そして、図13(d)に示すように、測定部2193による測定が完了した測定チップ300bは、廃棄位置P13において、測定チップ取外し機構2196aにより取り外されて、廃棄部220に廃棄される。
以上のように、本実施形態に係る自動分析装置1によれば、測定チップ300bが、毛細管現象により試料又は混合液を吸引できるため、搬送機構219aの吸引機構2195は不要となる。そのため、自動分析装置1を小型化することができる。
〔変形例1〕
上述した第2及び第3実施形態に係る自動分析装置1においては、複数の端子303a、303bと測定部2193とを接続するために、搬送機構219に接続部2194を設けることとしたが、搬送機構219に接続部を設けることなく、複数の端子と測定部とを接続するようにしてもよい。以下、上述した第2実施形態に本変形例を適用した場合を例に変形例1として、上述した第2実施形態と異なる部分を説明する。
図18は、変形例1に係る分析機構2の構成の一例を示す図であり、上述した第2実施形態の分析機構2と同等の第1実施形態の分析機構2の構成を示す図2に対応する図である。この図18に示すように、変形例1に係る分析機構2は、上述した第2実施形態に係る分析機構2に対して、測定チップ設置部222を追加することにより構成されている。また、搬送機構及び廃棄部が第2実施形態と異なるため、本変形例においては、搬送機構219b、及び、廃棄部220aと表記する。測定チップ設置部222、搬送機構219b、及び、廃棄部220a以外の構成及び機能は、上述した第2実施形態の分析機構2と同等の第1実施形態の分析機構2における図2と同等であるため説明を省略する。
図19は、本変形例に係る測定チップの構成の一例を示す図であり、上述した第2実施形態における図12に対応する図である。図19に示すように、本変形例1に係る測定チップ300cは、複数の端子が第2実施形態と異なるため、本変形例においては、複数の端子303bと表記する。この複数の端子303b以外の構成及び機能は、上述した第2実施形態における図12と同等であるため、説明を省略する。この変形例に係る測定チップ300cと、この測定チップ300cに収容された試料又は混合液を用いて、試料を分析する自動分析装置1とは、本変形例に係る自動分析システムを構成している。
複数の端子303bは、チップ本体301に設けられ、吸引口302から吸引された試料又は混合液の対象物質を測定する。本変形例に係る複数の端子303bは、複数の端子303bのそれぞれの一端がチップ本体301の外壁から外部に露出し、吸引口302の径方向に対して、複数の端子303それぞれの軸方向が平行になるように、チップ本体301に設けられる。また、本変形例に係る複数の端子303bは、複数の端子303bのそれぞれが、保持部305と接触するように設けられている。具体的には、複数の端子303bは、チップ本体301の内壁に設けられる。その他の複数の端子303bの構成は、上述した第2実施形態に係る複数の端子と同等の第1実施形態に係る複数の端子303と同等であるため説明を省略する。
図20は、本変形例に係る搬送機構の構成の一例を示す図であり、上述した第2実施形態の吸引機構2195と同等の第1実施形態の吸引機構2195における図5に対応する図である。図20に示すように、本変形例に係る搬送機構219bは、測定部2193と、接続部2194が備えられていない点で第2実施形態と異なる。この測定部2193及び接続部2194以外の構成及び機能は、上述した第2実施形態の吸引機構2195と同等の第1実施形態の吸引機構における図5と同等であるため説明を省略する。
本変形例に係る搬送機構219bは、搬送機構219bの測定チップ被装着部2191及び測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300cが搬送経路を通るように、供給部218から測定チップ設置部222へ測定チップ300cを搬送する。この測定チップ被装着部2191に装着された測定チップ300cの搬送経路は、例えば、搬送アーム2192の一端の中心とする回動に伴う円弧上の回動軌道上に形成される。なお、搬送機構219bにおける測定チップ300cの搬送経路は、任意である。例えば、搬送機構219bにおける測定チップ300cの搬送経路は、楕円状の軌道上に形成されてもよく、特定の形状を有しない搬送経路であってもよい。この搬送機構219bは、本変形例における搬送部に相当している。
廃棄部220aは、測定が完了した測定チップ300cを廃棄する。本変形例において、廃棄部220aは、廃棄測定チップ収容部2201と、廃棄測定チップ搬送機構2202とを備えている。廃棄測定チップ収容部2201の構成は、上述した第2実施形態の廃棄測定チップ収容部2201と同等の第1実施形態の廃棄測定チップ収容部2201と同等であるため、説明を省略する。
廃棄測定チップ搬送機構2202は、測定が完了した測定チップ300cを、測定チップ設置部222から廃棄測定チップ収容部2201まで搬送する。本変形例に係る廃棄測定チップ搬送機構2202は、廃棄測定チップ被装着部2202_1と廃棄測定チップ搬送アーム2202_2と、廃棄測定チップ取外し機構2202_3を備えて構成されている。
廃棄測定チップ被装着部2202_1には、測定が完了した測定チップ300cが装着される。廃棄測定チップ搬送アーム2202_2は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。廃棄測定チップ取外し機構2202_3は、廃棄測定チップ被装着部2202_1に取り付けられた測定チップ300cを取り外すための機構である。この廃棄測定チップ取外し機構2202_3は、廃棄測定チップ取外し機構2202_3を上下に動作させる機構(図示しない)に接続されている。この図18に示す例において、廃棄測定チップ取外し機構2202_3は、廃棄測定チップ被装着部2203_1に対して、上下動可能に設けられている。
なお、廃棄測定チップ搬送機構2202の構成は、廃棄測定チップ被装着部2202_1と廃棄測定チップ搬送アーム2202_2と、廃棄測定チップ取外し機構2202_3とを備える場合に限られない。すなわち、廃棄測定チップ搬送機構2202の構成は任意であり、例えば、測定チップ300cを把持することにより、測定チップ設置部222から廃棄測定チップ収容部2201まで搬送するような構成であってもよい。
測定チップ設置部222は、搬送機構219bの搬送経路上に設けられ、測定チップ300cの複数の端子303bと接続するための後述する接続部が設けられた、測定チップ300cを設置するための台である。
図21は本変形例に係る分析機構2が備える測定チップ設置部222の構成の一例を示す図である。図21に示すように、測定チップ設置部222は、測定チップ載置部2221と、接続部2222と、測定部2223とを備えて構成されている。測定チップ載置部2221は、搬送機構219bにより搬送された測定チップ300cを載置する。
接続部2222は、測定チップ設置部222に設けられ、測定部2223と電気的に接続されている接続端子である。具体的には、接続部2222の一端は、測定部2223と電気的に接続され、接続部2222の他端は、測定チップ300cに設けられた複数の端子303bと接続可能となっている。この接続部2194は、ISEと参照電極との間の電位を測定するために、複数の接続端子を備えている。この接続部2222が備える接続端子の本数は、測定チップ300cの複数の端子303bの本数に対応している。本変形例に係る接続部2222は、ISE3031~3033と参照電極3034と接続するために、4本の接続端子を備えている。
測定部2223は、搬送機構219bで搬送された測定チップ300cに設けられた複数の端子303bの電位を測定する。本変形例に係る測定部2223は、測定チップ設置部222に設けられた接続部2222を介して、複数の端子303bの電位を測定する。
図22は、本変形例に係る搬送機構219b及び廃棄測定チップ搬送機構2202における測定チップ300cの搬送経路及び搬送経路上の各位置の一例を説明する説明図であり、上述した第2実施形態の搬送経路と同等の第1実施形態の搬送経路を示す図6に対応する図である。図22に示すように、本変形例に係る搬送経路上の各位置は、上述した第1実施形態に係る搬送経路上の各位置に対して、測定チップ設置位置P14を追加することにより、構成されている。また、廃棄位置が第1実施形態と異なるため、本変形例においては、廃棄位置P13aと表記する。本変形例においては、廃棄位置P13a及び測定チップ設置位置P14以外の構成は、上述した第1実施形態における図6と同等であるため説明を省略する。
廃棄位置P13aは、測定チップ300cを廃棄する位置である。本変形例に係る廃棄位置P13aは、廃棄測定チップ搬送機構2202の搬送経路TP2である回動軌道と、廃棄測定チップ収容部の中心から上方に伸びる線分とが交差する位置に設けられる。つまり、廃棄位置のP13aの直下には、廃棄測定チップ収容部2201が備えられる。
測定チップ設置位置P14は、測定チップ300cを測定チップ設置部222に設置する位置である。本変形例に係る測定チップ設置位置P14は、搬送機構219bの搬送経路TP1aである回動軌道上と、廃棄測定チップ搬送機構2202の搬送経路TP2が交差する位置に設けられる。
図23は、本変形例に係る分析機構2において、測定チップ300cが搬送機構219bに装着されてから廃棄されるまでの一連の流れを説明する説明図であり、上述した第2実施形態と同等の第1実施形態の図7に対応する図である。まず、図23(a)に示すように、測定チップ300cは、供給位置P11において、搬送機構219bの測定チップ被装着部2191に装着される。次に、図23(b)に示すように、反応容器位置P12において、測定チップ300cの吸引口302は反応容器2011に収容された試料又は混合液に接触する。そして、測定チップ300cは、吸引機構2195により、吸引口302から試料又は混合液を吸引する。次に、図23(c)に示すように、測定チップ300cにおいて、吸引口302から吸引された試料又は混合液は、測定チップ300cの保持部305に保持される。次に、図23(d)に示すように、測定チップ300cにおいて、保持部305に保持された試料又は混合液は、複数の端子303bに接触する。次に、図23(e)に示すように、測定チップ300cは、測定チップ設置位置P14に搬送される。図23(f)に示すように、測定チップ設置位置P14において、測定チップ300cは、測定チップ取外し機構2196により取り外されて、測定チップ設置部222に設置される。これにより、測定チップ300cの複数の端子303bと、接続部2222とが接続されるため、測定部2223は、測定チップ設置部222に設けられた接続部2222を介して、複数の端子303bの電位を測定する。そして、測定部2223による測定が完了した測定チップ300aは、廃棄測定チップ搬送機構2202により廃棄位置P13aに搬送され、廃棄測定チップ収容部2201に収容される。
図24は、本変形例に係る自動分析装置1で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図であり、第2実施形態と同等の第1実施形態における図8に対応する図である。この電解質項目測定処理では、測定チップ300cを用いて電解質項目を測定したり、測定が完了した測定チップ300cを廃棄したりする。例えば、この電解質項目測定処理は、電解質項目の測定が開始されるタイミングで実行される処理である。なお、ステップS21までの処理は、上述した第1実施形態と同等であるため説明を省略する。
次に、図24に示すように、自動分析装置1は、測定チップ設置位置P14へ測定チップ300cを搬送する(ステップS61)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、測定チップ設置位置P14へ測定チップ300cを搬送する。
次に、図24に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300cを設置する(ステップS63)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、測定チップ設置部222に、測定チップ300cを設置する。より具体的には、搬送制御機能93は、測定チップ設置位置P14において、搬送アーム2192を降下させて、測定チップ設置部222に、測定チップ300cを載置する。そして、搬送制御機能93は、測定チップ取外し機構2196を制御して、測定チップ300cを測定チップ被装着部2191から取り外す。
次に、図24に示すように、自動分析装置1は、電位を測定する(ステップS65)。具体的には自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、測定部2223に、接続部2222を介して、測定チップ300cの複数の端子303bのそれぞれの電位を測定させる。なお、ステップS65における電位の測定は、測定チップ設置部222に測定チップ300cを設置したタイミングで行われる場合に限られない。例えば、測定チップ設置部222に測定チップ300cを設置した後、所定のタイミングで、測定チップ設置部222に設けられた接続部2222と複数の端子303bとを電気的に接続させて、ステップS65における電位の測定が行われるようにしてもよい。また、ステップS65の後のステップS25及びステップS27の処理は、上述した第1実施形態の図8と同様であるため、説明を省略する。
そして、ステップS25の後、図24に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300cを廃棄位置P13aへ搬送する(ステップS67)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、測定が完了した後、廃棄測定チップ搬送機構2202を制御して、測定チップ設置部222に設置された測定チップ300cを、廃棄位置P13aへ搬送する。
次に、図24に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300cを廃棄する(ステップS69)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、測定チップ300cを廃棄部220に廃棄する。より具体的には、搬送制御機能93は、廃棄位置にP13aにおいて。廃棄測定チップ搬送機構2202を制御して、測定チップ300cを廃棄測定チップ収容部2201に廃棄する。このステップS69を実行することにより、本変形例に係る電解質項目測定処理を終了する。
なお、上述した本変形例に係る電解質項目測定処理においては、自動分析装置1は、ステップS25において対象物質の濃度を算出し、ステップS27において算出結果を出力した後に、ステップS67において測定チップ300cを廃棄位置P13aへ搬送し、ステップS69において測定チップ300cを廃棄することとしたが、ステップS67及びステップS69における測定チップ300の廃棄動作を行うタイミングはこれに限られない。すなわち、ステップS67及びステップS69における測定チップ300cの廃棄動作を行うタイミングは任意であり、例えば、ステップS23において電位を測定した後に、ステップS67及びステップS69における測定チップ300cの廃棄動作を行うようにしてもよい。この場合、ステップS25における対象物質の濃度の算出及びステップS27における算出結果の出力は、ステップS67及びステップS69における測定チップ300cの廃棄動作と並行して行われてもよく、ステップS67及びステップS69における測定チップ300cの廃棄動作が完了した後に行われてもよい。
以上のように、本変形例に係る自動分析装置1によれば、測定チップ300cの搬送と、試料又は混合液の測定をそれぞれ別の機構で行うことができるため、搬送機構219bは、測定チップ300cに収容された試料又は混合液の測定の完了を待つことなく、次の測定チップ300cの搬送を行うことができる。この結果、電解質項目の測定において、スループットを向上することができる。
また、この変形例1は、第3実施形態においても適用することができる。また、測定チップ設置部222を用いて電位を測定する変形例1は、第1実施形態に適用されてもよい。この変形例1を第1実施形態に適用する場合にあっては、測定チップ300を測定チップ被装着部2191から取り外すことなく、測定チップ設置部222に測定チップ300を設置して、電位を測定し、廃棄部220まで搬送する必要がある。そのため、変形例1を第1実施形態に適用する場合にあっては、図25に示すように、搬送機構219の搬送経路上に測定チップ設置位置P14と、廃棄位置P13とを設けることにより、測定チップ300を測定チップ被装着部2191から取り外すことなく、測定チップ設置部222に測定チップ300を設置し、電位の測定を行い、測定が完了した測定チップ300を廃棄位置P13に搬送するようにして、電解質項目測定処理が行われる。
なお、上述した変形例1においては、第2実施形態と同様に、搬送機構219が加温部2197及び温度センサ2198を備え、温度センサ2198の測定結果に基づいて、加温部2197を制御して、搬送機構219に装着された測定チップ300cの試料又は混合液の温度を制御することとしたが、これに限られない。すなわち、加温部2197及び温度センサ2198を備える箇所は任意であり、例えば、測定チップ設置部222が加温部及び温度センサを備えるようにしてもよく、供給部218が加温部及び温度センサを備えるようにしてもよい。また、搬送機構219は加温部2197と温度センサ2198を備えることなく、温度制御機能92は、恒温部202を制御することにより、反応容器2011に収容された試料又は混合液の温度を制御して、所定の温度の試料又は混合液を吸引させるようにしてもよい。
〔変形例2〕
上述した第2及び第3実施形態に係る自動分析装置1においては、搬送アーム2192を備えた搬送機構219により測定チップを搬送することとしたが、測定チップを装着可能とする回転テーブルを備えた搬送機構により、測定チップを搬送するようにすることも可能である。以下、上述した第2実施形態に変形例を適用した場合を例に変形例2として説明する。
図26は、本変形例に係る分析機構2の構成の一例を示す図であり、上述した第2実施形態の分析機構と同等の第1実施形態の分析機構を示す図2に対応する図である。この図26に示すように、変形例2に係る分析機構2は、上述した第2実施形態に係る分析機構2に対して、吸引ユニット223を追加することにより構成されている。また、供給部、搬送機構、廃棄部が第2実施形態と異なるため、本変形例においては、供給部218a、搬送機構219c、及び、廃棄部220bと表記する。供給部218a、搬送機構219c、廃棄部220b及び吸引ユニット223以外の構成及び機能は、第2実施形態の分析機構と同等の第1実施形態の分析機構における図2と同等であるため説明を省略する。
供給部218aは、測定チップ300aを供給する位置である供給位置に、貯留部216に貯留された測定チップ300aを供給する。この供給部218aは、例えば、ベルトやスライダ、供給レール等により構成される。本変形例に係る供給部218aは、供給レール2181、測定チップ送り出し機構2182と、位置決め機構2183aとを備えている。なお、供給レール2181及び測定チップ送り出し機構2182の構成は、上述した第2実施形態の供給レール2181及び測定チップ送り出し機構2182と同等の第1実施形態の供給レール2181及び測定チップ送り出し機構2182と同等であるため、説明を省略する。
位置決め機構2183aは、測定チップ300aの複数の端子303が吸引ユニット223に対して、所定の位置に位置決めされるように、測定チップ300aを回転させる機構である。具体的には、位置決め機構2183aは、制御回路9の制御に従い、測定チップ300aの複数の端子303が、後述する吸引ユニット223の接続部に対応する位置に位置決めされるように、後述する位置決め位置に搬送された測定チップ300aを回転させる。また、位置決め機構2183aは、位置決め位置の近傍に設けられている。なお、位置決め機構2183aは、位置決めを行わないときは、退避位置に退避してもよく、位置決めが必要な場合に測定チップ300aの下方又は側方から移動してもよい。
搬送機構219cは、試料又は混合液を測定するための測定チップ300aを装着可能とし、測定チップ300aを搬送する。図26に示すように、本変形例に係る搬送機構219cは、回転テーブル2199と、支持部21910とを備えて構成されている。搬送機構219cは、本変形例における搬送部に相当している。
回転テーブル2199は、測定チップ300aを装着可能とし、測定チップ300aを所定の搬送経路に沿って搬送するように回転する。図26に示すように、本変形例に係る回転テーブル2199には、測定チップ300aを装着するための測定チップ被装着孔2199_1が設けられている。測定チップ被装着孔2199_1には、測定チップ300aの外壁が装着される。すなわち、本変形例に係る測定チップ300aの装着部304は、チップ本体301の外壁である。図26に示す例においては、4つの測定チップ被装着孔2199_1が設けられているが、測定チップ被装着孔2199_1の数はこれに限られない。すなわち、測定チップ被装着孔2199_1の数は任意である。
支持部21910は、回転テーブル2199を支持する。具体的には、支持部21910は、回転テーブル2199を、回転自在に、かつ、上下動自在に支持している。また、この支持部21910は、一端に回転テーブル2199が取り付けられ、他端は駆動機構4に接続されている。
本変形例に係る搬送機構219cは、回転テーブルの測定チップ被装着孔2199_1及び測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aが搬送経路を通るように、供給部218から廃棄部220bへ測定チップ300aを搬送する。この測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300の搬送経路は、回転テーブル2199の支持部21910を中心とする回動に伴う回動軌道上に形成される。
廃棄部220bは、測定が完了した測定チップ300aを廃棄する。図2に示すように、本変形例において、廃棄部220bは、廃棄測定チップ収容部2201と、廃棄ガイド2203とを備えている。廃棄測定チップ収容部2201の構成は、上述した第2実施形態の廃棄測定チップ収容部2201と同等の第1実施形態の廃棄測定チップ収容部2201と同等であるため、説明を省略する。
廃棄ガイド2203は、廃棄位置にP13に搬送された測定チップ300aを測定チップ被装着孔2199_1から取り外して、廃棄測定チップ収容部2201に収容させるためのガイド部材である。この廃棄ガイド2203は、廃棄測定チップ収容部2201の上方に設けられている。
吸引ユニット223は、搬送機構219cとは別途に設けられ、回転テーブル2199に装着された測定チップ300aに試料又は混合液を吸引する。本変形例に係る吸引ユニット223は、搬送機構219c及び反応ディスク201の近傍に設けられ、反応容器位置P12に搬送された測定チップ300aに試料又は混合液を吸引する。吸引ユニット223は本変形例における吸引部に相当している。
図26及び図27を参照して、本変形例に係る吸引ユニット223の構成を説明する。図27は、本変形例に係る吸引ユニット223の構成の一例を示す図である。図26及び図27に示すように、吸引ユニット223は、測定チップ被取付部2231と、吸引アーム2232と、測定部2233と、接続部2234と、プランジャ2235と、測定チップ取外し機構2236と、加温部2237と、温度センサ2238とを備えて構成されている。
測定チップ被取付部2231は、測定チップ300に試料又は混合液を吸引する際に測定チップ300aに取り付けられる。測定チップ被取付部2231は、吸引アーム2232の一端に設けられている。また、測定チップ被取付部2231の内部には、プランジャ2235を取り付けるための中空部2231_1を有する。
吸引アーム2232は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在に設けられている。なお、図26に示す吸引アーム2232は、1本の搬送アームから構成されているが、吸引アーム2232の本数はこれに限られない。すなわち、吸引アーム2232の本数は任意である。例えば、吸引アーム2232は、2以上の複数のアームから構成されてもよい。
測定部2233は、搬送機構219cで搬送された測定チップ300aに設けられた複数の端子303の電位を測定する。具体的には、測定部2233は、試料又は混合液について、ISE3031~3033と参照電極3034との間の電位を測定する。測定部2233は、電位を測定したデータを標準データまたは被検データとして、解析回路3へ出力する。本変形例に係る測定部2233は、吸引ユニット223に設けられた接続部2234を介して、複数の端子303の電位を測定する。本変形例に係る測定部2233は、例えば、吸引ユニット223に設けられている。
接続部2234は、吸引ユニット223に設けられ、測定部2233と電気的に接続されている接続端子である。具体的には、接続部2234の一端は、測定部2233と電気的に接続され、接続部2234の他端は、測定チップ300aに設けられた複数の端子303と接続可能となっている。この接続部2234は、ISEと参照電極との間の電位を測定するために、複数の接続端子を備えている。この接続部2234が備える接続端子の本数は、測定チップ300aの複数の端子303の本数に対応している。本変形例に係る接続部2234は、ISE3031~3033と参照電極3034と接続するために、4本の接続端子を備えている。
プランジャ2235は、測定チップ被取付部2231の中空部2231_1に取り付けられる。このプランジャ2235が、中空部2231_1内を上下に動作することにより、試料又は混合液を測定チップ300aに吸引することができる。
測定チップ取外し機構2236は、測定チップ被取付部2231に取り付けられた測定チップ300aを取り外すための機構である。図27に示す例において、測定チップ取外し機構2236は、測定チップ取外し機構2236を上下に動作させる機構(図示しない)に接続されている。このため図27に示す例において、測定チップ取外し機構2236は、測定チップ被取付部2231に対して、上下動可能である。
加温部2237は、測定チップ300aに収容された試料又は混合液を加温する。この加温部2237は、温度センサ2238の測定結果に基づいて、制御回路9により制御される。図27に示す例において、加温部2237は、測定チップ被取付部2231に取り付けられており、測定チップ被取付部2231を介して、測定チップ被取付部2231に取り付けられた測定チップ300aの試料又は混合液を加温する。本変形例において、加温部2237は、例えば、ヒータなどである。
温度センサ2238は、測定チップ300aに収容された試料又は混合液の温度を測定するためのセンサである。図27に示す例において、温度センサ2238は、測定チップ被取付部2231の先端に取り付けられている。この温度センサ2238の測定結果は、制御回路9に出力される。
図28は、本変形例に係る搬送機構219cにおける測定チップ300aの搬送経路及び搬送経路上の各位置の一例を示す図であり、上述した第2実施形態の搬送経路と同等の第1実施形態の搬送経路を示す図6に対応する図である。図28に示すように、本変形例に係る搬送経路TP4上の各位置は、上述した第1実施形態に係る搬送経路上の各位置に対して、位置決め位置P15を追加することにより構成されている。本変形例においては、位置決め位置P15以外の構成及び機能は、上述した第2実施形態の搬送経路と同等の第1実施形態の搬送経路を示す図6と同等であるため説明を省略する。
位置決め位置P15は、位置決め機構2183aにより測定チップ300aの位置決めが行われる位置である。本変形例に係る位置決め位置P15は、搬送機構219cの回動軌道と、位置決め機構2183aの中心から鉛直方向に延びる線分とが交差する位置に設けられる。
次に図29及び図30を参照して、本変形例に係る電解質項目測定処理を説明する。図29は、本変形例に係る自動分析装置1で実行される電解質項目測定処理の内容を説明するフローチャート図であり、第2実施形態と同等の第1実施形態における図8に対応する図である。図30は、本変形例に係る搬送機構219cの動作例を示す図であり、第2実施形態と同等の第1実施形態おける図9に対応する図である。この電解質項目測定処理では、測定チップ300aを用いて電解質項目を測定したり、測定が完了した測定チップ300aを廃棄したりする。例えば、この電解質項目測定処理は、電解質項目の測定が開始されるタイミングで実行される処理である。
まず、図29に示すように、本変形例に係る自動分析装置1が実行する電解質項目測定処理においては、自動分析装置1は、測定チップ300aを装着する。(ステップS71)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、回転テーブル2199の測定チップ被装着孔2199_1に測定チップ300aを装着する。より具体的には、搬送制御機能93は、回転テーブル2199を下降して、測定チップ300aを供給位置P11に供給し、回転テーブル2199を上昇して、測定チップ300aの下方から、測定チップ300aを測定チップ被装着孔2199_1に挿入する。これにより、図30(a)に示すように、搬送制御機能93は、測定チップ300aを測定チップ被装着孔2199_1に装着する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300aを位置決め位置P15に搬送する(ステップS73)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、回転テーブル2199の測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aを位置決め位置P15に搬送する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300aを位置決めする(ステップS75)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、位置決め位置P15において、回転テーブル2199を降下して、位置決め機構に測定チップ300aをセットし、測定チップ300aを撮影する光学カメラ(図示しない)の撮影画像に基づいて、測定チップ300aの複数の端子303が、所定の位置になるように、位置決め機構2183aを制御する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300aを反応容器位置P12へ搬送する(ステップS77)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aを反応容器位置P12へ搬送する。より具体的には、搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、回転テーブル2199を回動する。これにより、図30(b)に示すように、搬送制御機能93は、測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aを反応容器位置P12へ搬送する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、搬送機構219cを降下する(ステップS79)。自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、反応容器位置P12において、駆動機構4を制御することにより、測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aが反応容器2011に収容された試料又は混合液に接触するように、搬送機構219cの回転テーブル2199を降下する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、吸引ユニット223を取り付ける(ステップS81)。自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、反応容器位置P12において、駆動機構4を制御することにより、吸引ユニット223を降下して、図30(c)に示すように、測定チップ被取付部2231を測定チップ300aに取り付ける。このとき、吸引ユニット223の接続部2234と、測定チップ300aの複数の端子303とも電気的に接続される。なお、このステップS81の後のステップS19の処理は、上述した第2実施形態の処理と同等の第1実施形態の処理と同等であるため説明を省略する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、温度を制御する(ステップS83)。自動分析装置1の制御回路9における温度制御機能92は、温度センサ2238の測定結果に基づいて、試料又は混合液の温度が所定の温度となるように、加温部2237を制御する。なお、ステップS81において吸引された試料が又は混合液が所定の温度となっている場合、このステップS83の処理を省略する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、電位を測定する(ステップS85)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、測定部2233に、接続部2234を介して、測定チップ300aの複数の端子303のそれぞれの電位を測定させる。また、このステップS83の後のステップS25及びステップS27の処理は、上述した第1実施形態の処理と同等であるため説明を省略する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、吸引ユニット223を取り外す(ステップS87)。自動分析装置1の制御回路9におけるシステム制御機能91は、駆動機構4を制御することにより、反応容器位置P12において、搬送機構219cの回転テーブル2199及び吸引ユニット223を上昇するとともに、吸引ユニット223の測定チップ取外し機構2236を制御して、図30(d)に示すように、測定チップ被取付部2231を測定チップ300aから取り外す。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300aを廃棄位置P13へ搬送する(ステップS89)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、図9(e)に示すように、駆動機構4を制御することにより、搬送機構219cの回転テーブル2199を回動して、図30(e)に示すように、測定が完了した測定チップ300aを廃棄位置P13へ搬送する。
次に、図29に示すように、自動分析装置1は、測定チップ300aを廃棄する(ステップS91)。具体的には、自動分析装置1の制御回路9における搬送制御機能93は、駆動機構4を制御することにより、測定チップ300aを廃棄部220に廃棄する。より具体的には、搬送制御機能93は、回転テーブル2199を降下して、測定チップ被装着孔2199_1に装着された測定チップ300aを廃棄ガイド2203に接触させ、測定チップ300aを測定チップ被装着孔2199_1から取り外すことにより、図30(f)に示すように測定チップ300aを廃棄測定チップ収容部2201に廃棄する。このステップS91を実行することにより、本変形例に係る電解質項目測定処理を終了する。
なお、上述した本変形例に係る電解質項目測定処理においては、自動分析装置1は、ステップS25において対象物質の濃度を算出し、ステップS27において算出結果を出力した後に、ステップS87において吸引ユニット223を取り外し、ステップS89において測定チップ300aを廃棄位置P13へ搬送し、ステップS91において測定チップ300aを廃棄することとしたが、ステップS87、ステップS89及びステップS91における測定チップ300aの廃棄動作を行うタイミングはこれに限られない。すなわち、ステップS87、ステップS89及びステップS91における測定チップ300aの廃棄動作を行うタイミングは任意であり、例えば、ステップS23において電位を測定した後にステップS87、ステップS89及びステップS91における測定チップ300aの廃棄動作を行うようにしてもよい。この場合、ステップS25における対象物質の濃度の算出及びステップS27における算出結果の出力は、ステップS87、ステップS89及びステップS91における測定チップ300aの廃棄動作と並行して行われてもよく、ステップS87、ステップS89及びステップS91における測定チップ300aの廃棄動作が完了した後に行われてもよい。
以上のように、本変形例に係る自動分析装置1においては、電解質項目を測定する際に、使い捨ての測定チップ300aを搬送機構219cである測定チップ被装着孔2199_1が設けられた回転テーブル2199により搬送して、吸引ユニット223により測定チップ300aに吸引し、測定チップ300aに設けられた複数の端子303により、試料又は混合液の電位を測定し、測定された電位に基づいて対象物質の濃度を算出することとしたので、電解質項目を測定する毎に、搬送機構219cの洗浄が不要となる。この結果、電解質項目の測定において、搬送機構219cとして測定チップ被装着孔2199_1が設けられた回転テーブル2199を用いる場合であっても、スループットを向上することができる。
また、本変形例に係る自動分析装置1は、試料又は混合液を測定チップ300に収容した状態で、測定部2193が複数の端子303の電位の測定を行うこととしたので、搬送機構219に試料又は混合液が接触しない。この結果、キャリーオーバーの発生を低減することができる。
また、本変形例に係る自動分析装置1においては、複数の測定チップ300を搬送することができ、1つの測定チップ300aの測定が完了する前に、他の測定チップ300aの測定の準備が同時に行われるため、スループットを向上することができる。
なお、上述した変形例2においては、搬送機構219cの降下動作により、測定チップ300aを廃棄ガイド2203に接触させて、廃棄測定チップ収容部2201に測定チップ300aを廃棄することとしたが、測定チップ300aを廃棄する方法は、廃棄ガイド2203を用いる場合に限られない。廃棄する測定チップ300aを搬送機構219cから廃棄測定チップ収容部2201に搬送する機構を備えるようにしてもよい。
また、上述した変形例2は、第3実施形態や変形例1にも適用可能である。なお、本変形例を第3実施形態に適用する場合、変形例2に係る自動分析装置1は、吸引ユニット223は必要ないので、吸引ユニット223に代えて、測定部に電気的に接続されている接続部を測定チップ300aの複数の端子303に電気的に接続する機構を備えていればよい。
また、上述した変形例2においては、吸引ユニット223が加温部2237及び温度センサ2238を備え、温度センサ2238の測定結果に基づいて、加温部2237を制御して、吸引ユニット223に取り付けられた測定チップ300aの試料又は混合液の温度を制御することとしたが、これに限られない。すなわち、加温部2237及び温度センサ2238を備える箇所は任意であり、例えば、回転テーブル2199が加温部2237及び温度センサ2238を備えるようにしてもよく、供給部218aが加温部2237及び温度センサ2238を備えるようにしてもよい。また、加温部2237と温度センサ2238を備えることなく、温度制御機能92は恒温部202を制御することにより、反応容器2011に収容された試料又は混合液の温度を制御して、所定の温度の試料又は混合液を吸引させるようにしてもよい。
また、上述した変形例2においては、回転テーブル2199は測定チップ被装着孔2199_1のみを備えることとしたが、測定チップ被装着孔と測定チップ被装着溝を備える回転テーブルであってもよい。図31は変形例2に係る分析機構2が備える搬送機構219cの構成の他の例を示す図である。図31に示す例において、回転テーブル2199aには、測定チップ被装着孔2199_1aと、測定チップ被装着溝2199_2とが設けられている。
測定チップ被装着孔2199_1aは、被装着孔2199_11と、廃棄孔2199_12とにより形成されている。被装着孔2199_11の大きさよりも、廃棄孔2199_12の大きさが大きく形成されている。測定チップ被装着溝2199_2は、供給位置P11に供給されている測定チップ300aが装着可能に形成されている。
図32及び図33を参照して、回転テーブル2199aを含む搬送機構219cの動作例を説明する。図32及び図33は、本変形例に係る搬送機構219cの構成の他の例における測定チップ300aの搬送経路、搬送経路上の各位置、及び、搬送機構219cの動作例を示す図である。図32(a)及び図32(b)に示すように、回転テーブル2199aは、測定チップ被装着溝2199_2を供給位置P11に移動して、測定チップ300aを測定チップ被装着溝2199_2に装着する。そして、図32(c)に示すように、回転テーブル2199aは、位置決め位置P15に、測定チップ被装着溝2199_2に装着された測定チップ300aを搬送して、位置決め機構2183aにより位置決めを行う。次に、図32(d)に示すように、回転テーブル2199aは反応容器位置P12に測定チップ300aを搬送する。そして、反応容器位置P12において、吸引ユニット223が測定チップ300aに取り付けられる。
次に、図33(a)に示すように、吸引ユニット223は、水平方向に移動することにより、測定チップ300aを回転テーブル2199aの測定チップ被装着溝2199_2から取り外して、反応容器2011に収容された試料又は混合液を測定チップ300aに吸引する。そして、図33(b)に示すように、吸引ユニット223は、測定が完了した後、測定チップ被装着孔2199_1aの被装着孔2199_11に測定が完了した測定チップ300aを装着する。そして、図33(c)に示すように、回転テーブル2199aが回動することにより、被装着孔2199_11に装着された測定チップ300aを廃棄位置P13に搬送する。このとき、被装着孔2199_11に装着された測定チップ300aは、廃棄位置P13に近づくにつれて、廃棄ガイド2203に接触することにより、廃棄孔2199_12へ移動していく。そして、図33(d)に示すように、測定チップ300aが廃棄位置P13に搬送されると、測定チップ300aは、被装着孔2199_11から廃棄孔2199_12に移動して、廃棄孔2199_12から廃棄測定チップ収容部2201に廃棄される。
以上のように、測定チップ被装着孔2199_1aと測定チップ被装着溝2199_2とを備える回転テーブル2199aであっても変形例2と同様にスループットを向上することができる。
〔変形例3〕
上述した第1乃至第3実施形態に係る自動分析装置1においては、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に測定チップ300の回転方向の位置を補正するための補正部を設け、測定チップ300のチップ本体301に補正部をガイドするためのガイド部を設けることにより、測定チップ300の複数の端子303を搬送機構219に対して、所定の位置に位置決めされるように、チップ本体301の回転方向の位置を補正してもよい。以下、上述した第1実施形態に変形例を適用した場合を変形例3として、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
図34は、変形例3に係る搬送機構219の構成の一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図5に対応する図である。この図34に示すように、本実施形態に係る搬送機構219は、上述した第1実施形態に係る搬送機構219に対して、測定チップ被装着部と測定チップ取外し機構とが異なるため、本実施形態においては、測定チップ被装着部2191bと、測定チップ取外し機構2196bと表記する。なお、測定チップ被装着部2191bと、測定チップ取外し機構2196b以外の構成及び機能は上述した第1実施形態における図5と同様であるため説明を省略する。
本実施形態に係る測定チップ被装着部2191bは、図34に示すように、測定チップ300の回転方向の位置を補正するための補正部2191_1を備える。補正部2191_1は、後述する測定チップ300のガイド部に挿入されることにより、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に装着される測定チップ300の回転方向の位置を補正する。この補正部2191_1は、測定チップ被装着部2191bの外周上に形成されている。図34に示すように、本実施形態に係る補正部2191_1は、逆三角形形状にて形成された突起である。
本実施形態に係る測定チップ取外し機構2196bは、図34に示すように、測定チップ300を測定チップ被装着部2191bから取り外す際に、補正部2191_1と干渉しないように形成されている。例えば、測定チップ取外し機構2196bは、測定チップ300の装着方向(鉛直下方)から見て、C型形状にて形成されている。なお、本実施形態に係る測定チップ取外し機構2196bのその他の構成は、上述した第1実施形態に係る測定チップ取外し機構2196と同様であるため説明を省略する。
図35は、変形例3に係る測定チップ300の構成の一例を示す図であり、上述した第1実施形態における図3に対応する図である。この図35に示すように、本実施形態に係る測定チップ300は、上述した第1実施形態に係る測定チップ300に対して、チップ本体が異なるため、本実施形態において、チップ本体301bと表記する。なお、チップ本体301b以外の構成は、上述した第1実施形態における図3と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態に係るチップ本体301bは、補正部2191_1をガイドするためのガイド部3011が形成されている。このガイド部3011は、補正部2191_1に対応する形状で形成された切り欠きである。本実施形態に係るガイド部3011は、図35に示すように、逆三角形形状の補正部2191_1に対応するように、逆三角形形状にて形成された切り欠きである。このガイド部3011は、チップ本体301bの所定の位置に形成されている。
そして、上述した図8の電解質項目測定処理において、システム制御機能91は、ステップS13で、光学カメラの撮影画像に基づいて位置決め機構2183を制御して、測定チップ300の複数の端子303が、所定の位置となるように位置決めする。そして、ステップS15において、搬送制御機能93は、駆動機構4を制御して、測定チップ被装着部2191bを下降する。そして、搬送制御機能93は、測定チップ300の補正部2191_1をガイド部3011に挿入しながら、測定チップ被装着部2191bを測定チップ300の装着部304に装着する。
図36は、本変形例に係る測定チップ300が搬送機構219に装着された状態を示す図である。図36に示すように、測定チップ被装着部2191bが測定チップ300の装着部304に装着される際に、測定チップ300のガイド部3011が搬送機構219の補正部2191_1に挿入されることにより、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正される。そして、測定チップ300の複数の端子303と、搬送機構219の接続部2194とが接続される。
以上のように、本変形例に係る自動分析装置1によれば、搬送機構219の測定チップ被装着部2191に測定チップ300の回転方向の位置を補正するための補正部2191_1を設け、測定チップ300のチップ本体301に補正部2191_1をガイドするためのガイド部3011を設け、ガイド部3011が補正部2191_1に挿入されることにより、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正され、複数の端子303と接続部2194とが接続されることとしたので、光学式カメラの撮影画像のみに基づいて複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めする場合よりも、より高い精度で、複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めすることができる。
なお、上述した変形例3においては、測定チップ被装着部2191bに補正部を設け、チップ本体301にガイド部を設けることとしてもよい。図37は、変形例3に係る搬送機構219及び測定チップ300の他の例を示す図である。図37(a)はガイド部及び補正部のそれぞれの構成を示す図であり、上述した変形例3における図34及び図35に対応する図である。また、図37(b)は、図37(a)に示す測定チップ300が搬送機構219に装着された状態を示す図であり、上述した変形例3における図36に対応する図である。
図37(a)に示すように、チップ本体301には補正部3012が設けられ、測定チップ被装着部2191bにはガイド部2191_2が設けられている。なお、補正部3012及びガイド部2191_2は、それぞれ、補正部2191_1及びガイド部3011に対応しており、実質的に同等の機能を有しているため、説明を省略する。そして、図37(b)に示すように、測定チップ被装着部2191bが装着部304に装着され、測定チップ300の補正部3012が測定チップ被装着部2191bのガイド部2191_2に挿入されることにより、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正される。そして、測定チップ300の複数の端子303と、搬送機構219の接続部2194とが接続される。すなわち、図34乃至図36に示す場合と同様に、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正されるので、より高い精度で、複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めすることができる。
また、上述した変形例3においては、ガイド部3011及び補正部2191_1は逆三角形形状に形成されることとしたが、ガイド部3011及び補正部2191_1の形状はこれに限られない。すなわち、ガイド部3011及び補正部2191_1の形状は任意である。また、ガイド部3011及び補正部2191_1は、同一形状でなくてもよい。すなわち、ガイド部3011及び補正部2191_1は異なる形状であってもよい。
図38は、変形例3に係る搬送機構219及び測定チップ300の他の例を示す図である。図38に示す例においては、補正部2191_1aは、ガイド部3011aへの挿入側の先端が尖った長方形状に形成された突起である。また、図38に示す例において、ガイド部3011aは、補正部2191_1aの形状に対応するように、底部が尖った長方形状に形成された切り欠き形状である。また、図38に示す例において、ガイド部3011は、補正部2191_1aを挿入する挿入口がガイド部3011aの中央に向かって傾斜する形状を有している。
図39は、本変形例に係る測定チップ300が搬送機構219に装着された状態の別の例を示す図である。図39に示すように、測定チップ被装着部2191bが測定チップ300の装着部304に装着されることにより、搬送機構219の補正部2191_1aが測定チップ300のガイド部3011aに挿入される。これにより、図36に示す例と同様に、測定チップ300の複数の端子303と、搬送機構219の接続部2194が接続される。なお、図39に示すように、補正部2191_1aがガイド部3011aに挿入された状態において、補正部2191_1aとガイド部3011aとの間に空間を有するようにしてもよい。
以上のように、図38及び図39に示す例においても光学式カメラの撮影画像のみに基づいて複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めする場合よりも、より高い精度で、複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めすることができる。また、ガイド部3011aが、ガイド部3011aの中央に向かって傾斜する形状を有することにより、位置決め機構2183による測定チップ300の位置決めの誤差が大きい場合でも、測定チップ被装着部2191bが下降して、補正部2191_1aがガイド部3011aに挿入される際に、補正部2191_1aがガイド部3011aの中央に向かって傾斜する形状に沿って測定チップ300を回転させて、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正されるので、複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めすることができる。
なお、図38及び図39に示す例においても、測定チップ被装着部2191bにガイド部を設け、チップ本体301bに補正部を設けることとしてもよい。図40は、図38及び図39に示す、ガイド部及び補正部の他の例を示す図である。図40(a)は、ガイド部及び補正部のそれぞれの構成を示す図であり、上述した図38に対応する図である。また、図40(b)は、図40(a)に示す測定チップ300が搬送機構219に装着された状態を示す図であり、上述した図39に対応する図である。
図40(a)に示すように、チップ本体301には補正部3012aが設けられ、測定チップ被装着部2191bにはガイド部2191_2aが設けられている。なお、補正部3012a及びガイド部2191_2aは、それぞれ、補正部2191_1a及びガイド部3011aに対応しており、実質的に同等の機能を有しているため、説明を省略する。そして、図40(b)に示すように、測定チップ被装着部2191bが装着部304に装着され、測定チップ300の補正部3012aが測定チップ被装着部2191bのガイド部2191_2aに挿入されることにより、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正される。そして、測定チップ300の複数の端子303と、搬送機構219の接続部2194とが接続される。すなわち、図38及び図39に示す場合と同様に、搬送機構219に対する測定チップ300の回転方向の位置が補正されるので、複数の端子303を接続部2194に対応する位置に位置決めすることができる。
また、上述した変形例3においては、測定チップ取外し機構2196bを測定チップ300の装着方向(鉛直下方)から見て、C型形状にて形成されることとしたが、測定チップ取外し機構2196bの形状は、これに限られない。すなわち、測定チップ取り外し機構2196bの形状は任意であり、測定チップ300を測定チップ被装着部2191bから取り外す際に、測定チップ取り外し機構2196bと補正部2191_1とが干渉しないのであれば、例えば、円筒形状等であってもよく、長方形状であってもよい。
さらに、変形例3は、上述した第1実施形態の変形例として説明したが、第2実施形態や第3実施形態、変形例1、変形例2にも応用可能である。なお、変形例1に変形例3を適用する場合にあっては、測定チップ300c及び搬送機構219bに設けられる補正部及びガイド部に加えて、又は、測定チップ300c及び搬送機構219bに設けられる補正部及びガイド部に代えて、測定チップ300cのチップ本体301の外周に補正部又はガイド部のいずれか一方を設け、測定チップ設置部222の測定チップ載置部2221に補正部又はガイド部のいずれか他方を設けるようにしてもよい。また、変形例2に変形例3を適用する場合にあっては、測定チップ300a及び搬送機構219cに設けられる補正部及びガイド部に加えて、又は、測定チップ300a及び搬送機構219cに設けられる補正部及びガイド部に代えて、測定チップ300cのチップ本体301の外周に補正部又はガイド部のいずれか一方を設け、回転テーブル2199の測定チップ被装着孔2199_1に補正部又はガイド部のいずれか他方を設けるようにしてもよい。
〔その他の変形例〕
上述した第1乃至第3実施形態、変形例1及び変形例2においては、自動分析装置1は、貯留部216に貯留された測定チップが所定の残量以下の場合及び廃棄部220、220aに廃棄された測定チップが所定の量以上の場合にユーザに報告することとしたが、ユーザに報告する場合は、これに限られない。例えば、供給位置P11に測定チップが供給されない、光学カメラによる供給位置P11の撮影画像が取得できない、正常に試料吸引ができない、電位を測定できない等の異常が発生した場合において、自動分析装置1の制御回路9における第1報告機能94又は第2報告機能95は、ユーザに報告するようにしてもよい。また、異常が発生した場合には、異常が解消されるまで電解質項目の測定を一時停止するようにしてもよい。
なお、上述した第1乃至第3実施形態においては、搬送機構219が加温部2197及び温度センサ2198を備え、温度センサ2198の測定結果に基づいて、加温部2197を制御して、搬送機構219に装着された測定チップ300の試料又は混合液の温度を制御することとしたが、これに限られない。すなわち、加温部2197及び温度センサ2198を備える箇所は任意であり、例えば、供給部218が加温部2197及び温度センサ2198を備えるようにしてもよい。また、搬送機構219は加温部2197と温度センサ2198を備えることなく、温度制御機能92は、恒温部202を制御することにより、反応容器2011に収容された試料又は混合液の温度を制御して、所定の温度の試料又は混合液を吸引させるようにしてもよい。
また、上述した第1乃至第3実施形態の自動分析装置1は、生化学検査を実施する自動分析装置への適用について説明したが、実施形態はこれに限られない。すなわち、血液凝固分析検査を実施する自動分析装置などの、電解質項目を測定する他の自動分析装置にも、第1乃至第3実施形態は応用可能である。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路8に保存されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現する。なお、記憶回路8にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1…自動分析装置、2…分析機構、3…解析回路、4…駆動機構、5…入力インターフェース、6…出力インターフェース、7…通信インターフェース、8…記憶回路、9…制御回路、91…システム制御機能、92…温度制御機能、93…搬送制御機能、94…第1報告機能、95…第2報告機能、201…反応ディスク、202…恒温部、203…ラックサンプラ、204…第1試薬庫、205…第2試薬庫、206…サンプル分注アーム、207…サンプル分注プローブ、208…第1試薬分注アーム、209…第1試薬分注プローブ、210…第2試薬分注アーム、211…第2試薬分注プローブ、212…第1撹拌ユニット、213…第2撹拌ユニット、214…測光ユニット、215…洗浄ユニット、216…貯留部、217…第1検知部、218、218a…供給部、219、219a、219b、219c…搬送機構、220、220a、220b…廃棄部、221…第2検知部、222…測定チップ設置部、223…吸引ユニット、300、300a、300b、300c…測定チップ、301、301a…チップ本体、302…吸引口、303、303a、303b…複数の端子、304、304a…装着部、305…保持部、NW…病院内ネットワーク

Claims (20)

  1. 試料又は、前記試料と反応させる試薬又は前記試料を希釈する希釈液を前記試料に混合した混合液を収容するチップ本体と、
    前記チップ本体に設けられた前記試料又は前記混合液を吸引するための吸引口と、
    前記チップ本体に設けられ、前記吸引口から吸引された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を測定するための複数の端子と、
    自動分析装置の搬送部に前記チップ本体を装着するための装着部と、
    を備える、測定チップ。
  2. 前記チップ本体に設けられ、前記吸引口から吸引された前記試料又は前記混合液を保持する保持部をさらに備える、請求項1に記載の測定チップ。
  3. 前記チップ本体は、前記吸引口を介して、毛細管現象により前記試料又は前記混合液を吸引する、請求項1に記載の測定チップ。
  4. 前記複数の端子は、前記吸引口の径方向に対して、前記複数の端子のそれぞれの軸方向が垂直になるように、前記チップ本体に設けられる、請求項1に記載の測定チップ。
  5. 前記複数の端子は、前記複数の端子のそれぞれの一端が、前記チップ本体の外壁から外部に露出し、前記吸引口の径方向に対して、前記複数の端子のそれぞれの軸方向が平行になるように、前記チップ本体に設けられる、請求項1に記載の測定チップ。
  6. 前記複数の端子は、前記試料又は前記混合液に含まれる電解質を選択的に検出するイオン選択性電極と、一定の電位を発生する参照電極とを含む、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の測定チップ。
  7. 試料又は、前記試料と反応させる試薬又は前記試料を希釈する希釈液を前記試料に混合した混合液の対象物質の濃度を測定するための測定チップを装着可能とし、前記測定チップを搬送する搬送部と、
    前記搬送部で搬送された前記測定チップに設けられた複数の端子の電位を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記電位に基づいて、前記測定チップに収容された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を算出する算出部と、
    を備える、自動分析装置。
  8. 前記搬送部は、
    前記測定チップが装着される測定チップ被装着部と、
    前記測定チップ被装着部に装着された前記測定チップを所定の搬送経路に沿って搬送する搬送アームと、
    を含む、請求項7に記載の自動分析装置。
  9. 前記搬送部に設けられ、前記搬送部の前記測定チップ被装着部に装着された前記測定チップに前記試料又は前記混合液を吸引する吸引部をさらに備える、請求項8に記載の自動分析装置。
  10. 前記搬送部に設けられ、前記測定部と電気的に接続されている接続部を更に備え、
    前記測定部は、前記搬送部に設けられた前記接続部を介して、前記複数の端子の電位を測定する、請求項8又は請求項9に記載の自動分析装置。
  11. 前記搬送部は、
    前記測定チップを装着可能とし、前記測定チップを所定の搬送経路に沿って搬送するように回転する回転テーブルと、
    前記回転テーブルを支持する支持部と、
    を含む、請求項7に記載の自動分析装置。
  12. 前記回転テーブルに装着された前記測定チップに前記試料又は前記混合液を吸引する吸引部をさらに備える、請求項11に記載の自動分析装置。
  13. 前記吸引部に設けられ、前記測定部と電気的に接続されている接続部を更に備え、
    前記測定部は、前記吸引部に設けられた前記接続部を介して、前記複数の端子の電位を測定する、請求項12に記載の自動分析装置。
  14. 前記搬送部の搬送経路上に設けられ、前記測定部と電気的に接続されている接続部が設けられた、前記測定チップを設置するための測定チップ設置部をさらに備え、
    前記測定部は、前記測定チップ設置部に設けられた前記接続部を介して、前記複数の端子の電位を測定する、請求項7に記載の自動分析装置。
  15. 前記測定チップ、前記測定チップに収容された前記試料、及び、前記測定チップに収容された前記混合液の少なくとも1つの温度を制御するための温度制御部を更に備える、請求項7に記載の自動分析装置。
  16. 前記測定チップを貯留する貯留部と、
    前記測定チップを供給する位置である供給位置に、前記貯留部に貯留された前記測定チップを供給する供給部と、を更に備える、請求項7に記載の自動分析装置。
  17. 前記貯留部に貯留された前記測定チップの残量を検知する第1検知部と、
    前記第1検知部の検知結果に基づいて、前記貯留部に貯留された前記測定チップの残量が所定の残量以下の場合に、ユーザに報告する第1報告部と、を更に備える、請求項16に記載の自動分析装置。
  18. 前記測定部による測定が完了した測定チップが廃棄される廃棄部を更に備える、請求項7に記載の自動分析装置。
  19. 前記廃棄部に廃棄された前記測定チップの量を検知する第2検知部と、
    前記第2検知部の検知結果に基づいて、前記廃棄部に廃棄された前記測定チップの量が所定の量以上の場合に、ユーザに報告する第2報告部と、を更に備える、請求項18に記載の自動分析装置。
  20. 試料又は、前記試料と反応させる試薬又は前記試料を希釈する希釈液を前記試料に混合した混合液の対象物質の濃度を測定するための測定チップと、
    前記測定チップに収容された前記試料又は前記混合液を用いて、前記試料を分析する自動分析装置と、を備える自動分析システムであって、
    前記測定チップは、
    前記試料又は前記混合液を収容するチップ本体と、
    前記チップ本体に設けられた前記試料又は前記混合液を吸引するための吸引口と、
    前記チップ本体に設けられ、前記吸引口から吸引された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を測定するための複数の端子と、を備え、
    前記自動分析装置は、
    前記測定チップを装着可能とし、前記測定チップを搬送する搬送部と、
    前記搬送部で搬送された前記測定チップに設けられた前記複数の端子の電位を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記電位に基づいて、前記チップ本体に収容された前記試料又は前記混合液の対象物質の濃度を算出する算出部と、を備える、
    自動分析システム。
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