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JP2025030193A - 樹脂シート密閉品の漏れ検査方法及び漏れ検査装置 - Google Patents

樹脂シート密閉品の漏れ検査方法及び漏れ検査装置 Download PDF

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JP2025030193A JP2023135271A JP2023135271A JP2025030193A JP 2025030193 A JP2025030193 A JP 2025030193A JP 2023135271 A JP2023135271 A JP 2023135271A JP 2023135271 A JP2023135271 A JP 2023135271A JP 2025030193 A JP2025030193 A JP 2025030193A
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貢 中川
Mitsugi Nakagawa
和巳 榎本
Kazumi Enomoto
健介 末次
Kensuke Suetsugu
篤 山中
Atsushi Yamanaka
叔朗 大林
Yoshiro Obayashi
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Yutaka Electronics Ind Co Ltd
Marunaka Co Ltd
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Toyota Motor Corp
Yutaka Electronics Ind Co Ltd
Marunaka Co Ltd
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Abstract

【課題】内蔵品が樹脂シートによって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品に対し探査ガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証を行うことが可能な漏れ検査装置及び漏れ検査方法を提供する。
【解決手段】中央部に凹部が形成された上下2つの樹脂シート4,4で内蔵品3を包装し、且つ樹脂シート4,4の出っ張り部でニードル接続治具14の扁平部を挟み込む。第1段階の樹脂シート溶着工程では、樹脂シート4,4の外周に「内周面同士が溶着した」第1溶着シール部4aと、「樹脂シート4,4の内周面と扁平部の外周面が溶着した」第2溶着シール部4bとから成る凸形状の溶着シール部を形成する。そして第2段階の樹脂シート溶着工程では、第1溶着シール部4aの2つの凹角部の間に挟まれた樹脂シート開口部を溶着シールして線状の第3溶着シール部4cを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂シート密閉品の漏れ検査方法及び漏れ検査装置に関し、更に詳細には内蔵品が樹脂シートによって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品に対し探査ガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証を行うことが可能な樹脂シート密閉品の漏れ検査方法及び漏れ検査装置に関する。
食品や医薬品そして機械部品や電気部品では、これらの劣化を防ぐ観点から、これら食品・医薬品や部品(以下「内蔵品」という。)を樹脂シートの袋内に入れ密閉することが行われる。樹脂シート袋で内蔵品を密閉封止する手段として、樹脂シート袋内に大気圧以上の窒素ガスや二酸化炭素ガスなどの不活性ガスを導入して封止する場合(以下「正圧密閉封止」という。)と、樹脂シート袋内を大気圧未満の真空として封止する場合(以下「負圧密閉封止」という。)の2通りがある。
正圧密閉封止の漏れ検査は、樹脂シート袋内から外部に漏れ出た不活性ガスを検出することで行われている(例えば、特許文献1、2及び3を参照。)。
一方、負圧密閉封止の漏れ検査については、内部を大気圧未満の真空とすることで樹脂シートと内蔵品が相互に密着した樹脂シート密閉品に対し、加圧容器内に入れヘリウムガスの加圧雰囲気中で一定時間保持し、その後、真空容器内に入れ真空下で一定時間保持し、そして大気圧にした後、樹脂シート密閉品の樹脂シートに形成されたピンホールなどによる変形を目視または触診により確認することで行われている(例えば、特許文献4を参照。)。
実全昭63-33440号公報 特開2023-8779号公報 特開平10-185752号公報 特開2004-93208号公報
上記特許文献4に記載の目視または触診が行われているのは、従来の漏れ検査方法、例えばヘリウム漏れ試験(JIS Z 2331:2006)の浸漬法や圧力変化漏れ試験(JIS Z 2332:2012)の密封品チャンバ法、を内部を真空とした樹脂シート密閉品の漏れ検査に適用することが困難なためである。
ヘリウム漏れ試験(JIS Z 2331:2006)の浸漬法は、ヘリウムガスで満たした密閉容器中に被試験体を一定時間浸漬し、被試験体の内部にヘリウムガスを侵入させ、へリウムガスが侵入した被試験体を真空容器の中に入れ、ヘリウム漏れ試験の真空容器法によりヘリウムガスを検出することで漏れ検査するものである。
このヘリウム漏れ試験の浸漬法を、内部を真空とした樹脂シート密閉品に適用する場合、ヘリウムガスで満たした容器中に樹脂シート密閉品を浸漬した時に仮に樹脂シートにピンホールが形成されていたとしても、密着した樹脂シートと内蔵品との隙間にヘリウムガス侵入し難いということがある。また、ヘリウムガスの浸漬中に一定量のヘリウムガスが樹脂シートに溶解してしまい、次のヘリウム漏れ試験の時に、漏れが無いにも拘わらずヘリウムガスを検出してしまうことがある。以上のことから、内部を真空とした樹脂シート密閉品の漏れ検査手段として、ヘリウム漏れ試験の浸漬法は余り適していないことがわかる。
なお、ヘリウム漏れ試験の浸漬法は、ヘリウム浸漬した被試験体を真空容器に入れ真空排気してヘリウム漏れ検査を行うが、漏れ孔が大きく多量の漏れがあった場合に侵入したヘリウムガスが真空排気されてしまい、漏れ検出が不可能となってしまうことがある。すなわち、浸漬法は大きな漏れの漏れ検査には不適であり、微小な漏れの漏れ検査に限られるという欠点がある。
圧力変化漏れ試験(JIS Z 2332:2012)の密封品チャンバ法は、被試験体を容器の中に収納して密封し、容器内をガス加圧した後、一定時間保持したときの容器内の圧力変化から漏れ量を測定する方法である。すなわち、密閉した内部が真空の被試験体に漏れ孔があると、加圧した容器内のガスが被試験体に侵入することで、容器の圧力が減少する。この容器の圧力変化から漏れを検出するものである。
この圧力変化漏れ試験の密封品チャンバ法を、内部を真空とした樹脂シートと内蔵品が相互に密着した樹脂シート密閉品に適用する場合、密着した樹脂シートと内蔵品の隙間空間が非常に小さいことと、樹脂シートに漏れがあってもガス加圧により侵入するガス量が非常に少ないことから、漏れ検出のための容器の圧力変化が小さく、漏れ検出が困難となってしまう。すなわち、樹脂シート密閉品の漏れ検査手段として、圧力変化漏れ試験の密封品チャンバ法は余り適していないことがわかる。
ところで、内蔵品を樹脂シートで溶着シールした場合、樹脂シート密閉品の内部の圧力を正確に検知することは殆ど不可能である。なぜなら、溶着シール後は圧力検出プローブを樹脂シート密閉品の内部に挿入することができないからである。
同様に内蔵品を樹脂シートで溶着シールする直前の樹脂シート密閉品の内部の圧力についても正確に検知することは殆ど不可能である。なぜなら、溶着シール予定箇所は溶着装置(ヒートシーラー)によって上下方向からプレスされることになるため、溶着直前に圧力検出プローブを溶着シール予定箇所に近接させることができないからである。
つまり、内蔵品を樹脂シートによって真空状態で密着シールする場合、樹脂シート溶着時の樹脂シート密閉品の内部の圧力を検知すること、ひいては溶着時の樹脂シート密閉品の内部の圧力を制御することは不可能であった。
そのため、樹脂シート密閉品の漏れ検査方法として「所定の真空度に維持された真空容器の内部に設置された被試験体の内部を探査ガスで加圧しながら被試験体から真空容器の内部に漏れ出る探査ガスを検出する」真空容器法を適用する場合、樹脂シート密閉品の内部と外部との間の圧力差が分からず、漏れ検査におけるヘリウム漏れ流量の閾値[Pa・m/s]を設定することができないという問題点があった。このように、内部を真空とした樹脂シート密閉品については、ヘリウムガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証(例えば、10-7Pa・m/s未満)を行うことが可能な漏れ検査方法は存在していないものと考えられる。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、内蔵品が樹脂シートによって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品に対し探査ガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証を行うことが可能な樹脂シート密閉品の漏れ検査方法及び漏れ検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法は、内蔵品(3)が上下2つの樹脂シート(4、4)の溶着によって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品(10)を、所定の真空度に維持された真空容器(1)の内部に設置し探査ガスを用いて漏れ検査を行う樹脂シート密閉品漏れ検査方法であって、前記内蔵品(3)を樹脂シート(4、4)で被覆する際、真空排気または探査ガス導入の為の配管接続治具(14)を前記樹脂シート(4、4)の一部で挟み込んで、「前記内蔵品(3)を内側に含み且つ一部分が外側に張り出した出っ張り部(b2-b1-b1-b2)を形成するように」溶着シール部(4a、4b)を形成し、前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)に形成された狭小の樹脂シート開口部(4a1)から前記樹脂シート(4、4)と前記内蔵品(3)及び前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)との間に形成された隙間空間(5)に探査ガスを導入し、前記溶着シール部(4a、4b)から外部の前記真空容器(1)内に漏れ出る探査ガスを検出する第1漏れ検査を実施し、そして、前記隙間空間(5)を「漏れ流量を検出可能な大気圧未満の探査ガスが十分残留する」圧力まで真空排気して、次に前記樹脂シート開口部(4a1)を密閉する溶着シール部(4c)を形成し、該溶着シール部(4c)から前記配管接続治具(14)の下流側に漏れ出る探査ガスを検出する第2漏れ検査を実施することを特徴とする。
上記構成では、溶着シール部(4a、4b)は出っ張り部(b2-b1-b1-b2)を有し、全体が凸形状を成すようになる。そのため、溶着シール部(4a、4b)は2つの凹角部(b2、b2)を有し、凹角部(b2、b2)の間には狭小の開口部(樹脂シート開口部(4a1))が形成されることになる。樹脂シート開口部(4a1)は出っ張り部(b2-b1-b1-b2)の開口でもあるため、樹脂シート開口部(4a1)を間に挟んで一方の側には内蔵品(3)を有する隙間空間(5)が形成され、その反対側には配管接続治具(14)を有する配管導入空間(6)が形成されることとなる。
従って、溶着シール部(4a、4b)と配管接続治具(14)の内部(14ca、14cb)における気密性が確保される場合、隙間空間(5)の圧力と配管導入空間(6)の圧力は相互に等しいと見なすことができるようになる。これにより、隙間空間(5)の圧力を直接的に又は配管導入空間(6)の圧力を介して間接的に制御すること並びに測定することが可能となる。
また、配管接続治具(14)は凸形状の出っ張り部(b2-b1-b1-b2)に配置されているため、樹脂シート開口部(4a1)を溶着シールする際、配管接続治具(14)が溶着シールの妨げとなることは起こらない。これにより、樹脂シート開口部(4a1)の溶着シールの直前まで隙間空間(5)に対する圧力制御および圧力測定が可能となる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第2の特徴は、前記第1漏れ検査は、前記第2漏れ検査の終了まで継続することで、前記溶着シール部(4a、4b)に加えて「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」から外部の前記真空容器(1)内に漏れ出る探査ガスを検出することである。
上記構成では、第2漏れ検査の実行中において先に封止した溶着シール部(4a、4b)の密封状態が正常に維持されていることを確認することができると共に、「樹脂シート開口部(4a1)に係る溶着シール部(4c)」から真空容器(1)内への探査ガスの漏れ流量を確認することができるようになる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第3の特徴は、前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)が前記配管接続治具(14)を横切るように前記樹脂シート(4、4)を溶着シールすると共に、前記樹脂シート(4、4)によって挟み込まれる前記配管接続治具(14)の部分(14a)は扁平部(14a)となるように形成することである。
上記構成では、樹脂シート(4、4)によって挟み込まれる配管接続治具(14)の部位が扁平部(14a)であるため、樹脂シート(4、4)の内周面と配管接続治具(14)の外周面との間の溶着シール部(4b)において気密性を確保することが極めて容易となる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第4の特徴は、前記配管接続治具(14)の内部を配管(15a)が気密性を保持しながら前後に移動することができることである。
上記構成では、配管(15a)を隙間空間(5)に近接前進させることにより、隙間空間(5)に対する真空排気、或いは探査ガスの導入等の圧力制御が極めて容易となる。一方、配管(15a)を隙間空間(5)から離隔後退させることにより、溶着シール工程において配管(15a)と溶着装置(2-2)との干渉を避けることが可能となる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第5の特徴は、前記樹脂シート(4)の中央部に前記内蔵品(3)が嵌まる凹部(4r)を形成し、該凹部(4r)の裾部(4f、4f)を四角フレーム部(4f1)と出っ張り部(4f2)が組み合わされた凸形状としたことである。
上記構成では、樹脂シート(4、4)、内蔵品(3)及び配管接続治具(14)の真空容器(1)内へのセットアップが極めて容易となる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第6の特徴は、前記隙間空間(5)を所定の圧力まで真空排気し、前記樹脂シート開口部(4a1)を溶着する際、前記隙間空間(5)の圧力変動が真空排気開始時の圧力変動よりも小さくなる状態にした後に溶着シールすることである。
上記構成では、溶着時の隙間空間(5)の圧力の推移と、下流側(第2真空計(17))での圧力の推移が殆ど同じと見なすことが可能となる。その結果、溶着時の隙間空間(5)の圧力を高精度で推定することが可能となり、信頼性の高い探査ガスの漏れ流量の閾値を設定することが可能となる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第7の特徴は、前記第2漏れ検査を実施する際、探査ガスの漏れ流量を測定する探査ガス検出器(18)に導入される探査ガスの流量が、「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」を真空排気する真空ポンプ(16)に導入される探査ガスの流量よりも少なくなるようにすることである。
上記構成では、探査ガス検出器(18)に導入される配管に残留する探査ガスの量は減少するため、測定される探査ガスの漏れ流量についての信頼性が維持されることになる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査方法の第8の特徴は、「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」から前記配管接続治具(14)の下流側へ漏れ出る探査ガスの漏れ流量を測定した後に、真空排気系統および漏れ流量測定系統を探査ガス以外の不活性ガスで掃気することである。
上記構成では、真空排気系統および漏れ流量測定系統において残留探査ガスが強制的に掃気されることになるため、測定される探査ガスの漏れ流量についての信頼性が大幅に向上されることになる。
上記目的を達成するための本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置は、樹脂シート(4、4)によって被覆された内蔵品(3)と、前記樹脂シート(4、4)の一部によって挟み込まれた配管接続治具(14)を所定の真空環境下で収容する真空容器(1)と、前記内蔵品(3)の周囲に形成された前記真空容器(1)の内部空間を真空排気する第1真空ポンプ(11)と、前記樹脂シート(4、4)の重複部分(4f、4f)を外周に沿って凸形状に溶着し、凸形状の溶着シール部(4a、4b)を形成する一対の第1溶着装置(2-1)と、前記樹脂シート(4、4)と前記内蔵品(3)との間に形成される隙間空間(5)を真空排気する第2真空ポンプ(16)と、前記隙間空間(5)に探査ガスを導入する探査ガス源(19)と、前記隙間空間(5)、前記第2真空ポンプ(16)及び前記探査ガス源(19)に各々連通した第1配管(15)と、前記凸形状の溶着シール部(4a、4b)から外部の前記真空容器(1)の内部に漏れ出る前記探査ガスの漏れ流量を検出する第1探査ガス検出器(13)と、前記凸形状の溶着シール部(4a、4b)の2つの凹角部(b2、b2)の間に挟まれた狭小の樹脂シート開口部(4a1)を溶着し、線状の溶着シール部(4c)を形成する一対の第2溶着装置(2-2)と、前記線状の溶着シール部(4c)から前記第1配管(15)側に漏れ出る前記探査ガスの漏れ流量を検出する第2探査ガス検出器(18)とを備えたことを特徴とする。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の特徴及び第2の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第2の特徴は、前記配管接続治具(14)は、内部に貫通部(14aa、14ba)を有する「扁平部(14a)と円筒部(14b)が前記樹脂シート(4、4)と相溶性のある樹脂で一体成形された」成形品を備え、前記扁平部(14a)は、前記樹脂シート(4、4)の重複部分(4f、4f)のうちで前記樹脂シート開口部(4a1)から外側に張り出した部位(4f2、4f2)によって挟み込まれることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第3の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第3の特徴は、前記第1配管(15)に可撓性を有する可動配管(15b)を介して接続された配管(15a)が、前記貫通部(14aa、14ba)に前後移動自在に配置されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第4の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第4の特徴は、前記扁平部(14a)の内部に前記配管(15a)が前後移動可能な貫通した貫通孔(14aa)が形成されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第4の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第5の特徴は、前記配管接続治具(14)は、前記円筒部(14b)が嵌まる大径部(14ca)と前記配管(15a)が通る小径部(14cb)とを備えた金属製のメス型円筒部(14c)を別途有し、前記円筒部(14b)と前記大径部(14ca)との間、並びに前記配管(15a)と前記小径部(14cb)との間には気密性を保持するシール部材(14cc、14cd)がそれぞれ設けられていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第4の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第6の特徴は、前記樹脂シート(4)の裾部(4f)は四角フレーム部(4f1)と出っ張り部(4f2)が組み合わされた凸形状を成し、前記裾部(4f)の内側には前記内蔵品(3)が嵌まる凹部(4r)が形成されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第5の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第7の特徴は、前記第1配管(15)と前記第2真空ポンプ(16)を連結する第2配管(16a)に対し、該第2配管(16a)より小さいコンダクタンス値を有する1又は複数の小コンダクタンス部品(41)が並列に接続されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第6の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第8の特徴は、前記第1配管(15)と前記第2探査ガス検出器(18)を連結する第3配管(18a)に対し、該第3配管(18a)より小さいコンダクタンス値を有する1又は複数の小コンダクタンス部品(42、43)が並列に接続されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第7の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の第9の特徴は、探査ガス以外の不活性ガスが前記第2真空ポンプ(16)及び前記第2探査ガス検出器(18)に対し並列に供給可能に構成されていることである。
上記構成では、上記「樹脂シート密閉品漏れ検査方法」の第8の特徴を好適に実施することができる。
本発明の樹脂シート密閉品漏れ検査方法及び漏れ検査装置によれば、内蔵品(3)が樹脂シート(4、4)によって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品(10)に対し探査ガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証を行うことが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 樹脂シート密閉品の真空容器への設置と樹脂シートの溶着シール部を示す説明図である。 樹脂シート密閉品に係る樹脂シート切断とニードル接続治具分離を示す説明図である 本発明に係るニードル接続治具の構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置による漏れ検査工程を示すプロセス図である。 第1漏れ検査前の樹脂シート溶着工程を示す説明図である。 第2漏れ検査前の樹脂シート溶着工程を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る樹脂シート開口部の溶着前後の圧力と第3溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の測定結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る樹脂シート開口部の溶着前後の圧力と第3溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の測定結果を示すグラフである。 本発明の第3実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る樹脂シート開口部の溶着前後の圧力と第3溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の測定結果を示すグラフである。 本発明の第4実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の配管接続治具の要部構成を示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る樹脂シート開口部の溶着前後の圧力と第3溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の測定結果を示すグラフである。 本発明の第4実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の配管接続治具の要部構成を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置100の要部構成を示す説明図である。なお、ニードル接続治具14については断面で表されている。図1(a)は樹脂シート密閉品漏れ検査装置100の平面図である。また、図1(b)は図1(a)のA-A断面図である。
この樹脂シート密閉品漏れ検査装置100は、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で溶着シールする際に、その樹脂シート4,4と内蔵品3との間に形成される隙間空間5の圧力を測定し且つその圧力を所定の値になるように圧力制御しながら、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で溶着シールすることができるように構成されている。これにより、樹脂シート密閉品漏れ検査装置100は樹脂シート密閉品10に対し、ヘリウムガスを用いて定量的な漏れ評価・気密保証を行うことが可能となる。なお、ここで言う「定量的な漏れ評価」とは、隙間空間5の内部と外部(真空容器1内)の圧力差に基づいてその溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量の閾値(例えば、10-7[Pa・m/s]以下)を設定することを意味している。また、「気密保証」とは、その溶着シール部から漏れ出るヘリウム漏れ流量を測定し、予め設定した閾値に基づいて溶着シール部の良否を判定することを意味している。
詳細については後述するが、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で溶着シールする樹脂シート溶着工程が二段階で行われ、樹脂シート溶着工程に対応して溶着シール部に対する漏れ検査については「第1漏れ検査」と「第2漏れ検査」の二段階で行われるように構成されている。因みに、図1は第2漏れ検査時の樹脂シート密閉品漏れ検査装置100を表している。以下、樹脂シート密閉品漏れ検査装置100の構成について説明する。
この樹脂シート密閉品漏れ検査装置100は、内部が真空保持可能な真空容器1と、内蔵品3を包装する上下2つの樹脂シート4,4と、上下2つの樹脂シート4,4の外周を溶着する第1溶着装置2-1と、上下2つの樹脂シート4,4の樹脂シート開口部4a1(図2(b))を溶着する第2溶着装置2-2と、真空容器1の内部を所定の圧力まで真空排気する第1真空ポンプ11と、真空容器1の内部の真空度を計測する第1真空計12と、第1溶着シール部4aと第2溶着シール部4b等から漏れ出るヘリウムガスを検出する第1ヘリウムガス検出器13と、隙間空間5を真空排気又はヘリウムガス導入するニードルパイプ15aを接続するためのニードル接続治具14と、ニードルパイプ15aと直結した可撓性を有する可動配管15bを備えた第1配管15と、隙間空間5をニードルパイプ15aを介して真空排気する第2真空ポンプ16と、第1配管15と第2真空ポンプ16を連結する第2配管16aと、隙間空間5の真空度を計測する第2真空計17と、第3溶着シール部4c等から漏洩するヘリウムガスを検出する第2ヘリウムガス検出器18と、第1配管15と第2ヘリウムガス検出器18を連結する第3配管18aと、隙間空間5にヘリウムガスを供給するヘリウムガスボンベ19と、第1配管15とヘリウムガスボンベ19を連結する第4配管19aと、真空容器1と第1真空ポンプ11との間の連通を遮断する第1真空バルブ21と、真空容器1と第1ヘリウムガス検出器13との間の連通を遮断する第2真空バルブ22と、隙間空間5と第1配管15との間の連通を遮断する第3真空バルブ23と、第1配管15と第2真空ポンプ16との間の連通を遮断する第4真空バルブ24と、真空容器1を大気開放するための第1ガスバルブ31と、第1配管15とヘリウムガスボンベ19との間の連通を遮断する第2ガスバルブ32とを具備して構成されている。以下各構成について更に説明する。
第1溶着装置2-1は、例えば凸形状のフレーム構造を成し、凸形状の溶着シール部を形成する。凸形状の溶着シール部は、上下2つの樹脂シート4,4の内周面同士の溶着シール部である第1溶着シール部4aと、上下2つの樹脂シート4,4の内周面とニードル接続治具14の外周面の溶着シール部である第2溶着シール部4bとから構成されている。また、第1溶着装置2-1は、内蔵品3の上方と下方にそれぞれ配置され、昇降装置(図示せず)によって上下方向に沿って移動可能に構成されている。フレームの内部にはヒータ(図示せず)が内蔵されている。
同様に第2溶着装置2-2は、例えば線状のフレーム構造を成し、線状の溶着シール部を形成する。線状の溶着シール部は、樹脂シート開口部4a1(図2(b))に位置する樹脂シート4,4の内周面同士が溶着した第3溶着シール部4cである。また、第2溶着装置2-2は、内蔵品3の上方と下方にそれぞれ配置され、昇降装置(図示せず)によって上下方向に沿って移動可能に構成されている。フレームの内部にはヒータ(図示せず)が内蔵されている。
図2(a)に示されるように、樹脂シート4は、内蔵品3の外形の半分を模した凹部4rが中央部に形成されている。また、凹部4rの周囲は裾部4fを成し、裾部4fは大部分が四角フレーム部4f1を成し、ニードル接続治具14を挟み込む部位は出っ張り部4f2を成している。樹脂シート4は、例えば容易溶着樹脂フィルムと金属フィルムの積層構造から成る樹脂フィルム、或いは容易溶着樹脂フィルムと低ガス透過性フィルムの積層構造から成る樹脂フィルムを使用することが可能である。
図2(b)に示されるように、第1溶着装置2-1は、上下2つの樹脂シート4,4の外周(図2(a)の四角フレーム部4f1,4f1と出っ張り部4f2,4f2)を上下方向から溶融圧着して、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で密閉する。従って、樹脂シート4,4と内蔵品3との間に形成される隙間空間5の気密性は、第1溶着シール部4a(点線部)と第2溶着シール部4b(実線部)とニードル接続治具14によって確保されることになる。ニードル接続治具14のシール手段(ヘリウム漏洩防止手段)については図4を参照しながら後述する。
因みに前述の「第1漏れ検査」は、第1溶着シール部4a、第2溶着シール部4b及びニードル接続治具14から外部の真空容器1内へ漏れ出るヘリウムガスを第1ヘリウムガス検出器13によって検出することになる。
図2(c)に示されるように、第2溶着装置2-2は、樹脂シート開口部4a1を上下方向から溶融圧着して、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で密閉する。従って、最終形態の樹脂シート密閉品10の気密性は、第1溶着シール部4a(点線部)と第3溶着シール部4cによって確保されることになる。
因みに前述の「第2漏れ検査」は、第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出るヘリウムガスを第2ヘリウムガス検出器18によって検出することになる。なお、「第1漏れ検査」である第1溶着シール部4aから外部の真空容器1内に漏れ出るヘリウムガスについては第1ヘリウムガス検出器13によって検出されることになる。なお、「第2漏れ検査」の実行時においても、「第1漏れ検査」を継続して実行し、第1溶着シール部4aと新たに溶着した第3溶着シール部4cから外部の真空容器1内に漏れ出るヘリウムガスを第1ヘリウムガス検出器13によって検出する。
隙間空間5は、上下2つの樹脂シート4,4と内蔵品3との間に形成される極僅かな空間で、第1漏れ検査時ではニードルパイプ15aを介して、ヘリウムガスボンベ19からヘリウムガスが導入されることになる。更に第2漏れ検査では、第1漏れ検査時に導入されたヘリウムガスのうち100Pa以上に相当するヘリウムガスが隙間空間5に残留するように、ニードルパイプ15aを介して第2真空ポンプ16によって真空排気されることになる。
また図3(a)に示されるように、上下2つの樹脂シート4,4の裾部4f,4fのうちで出っ張り部4f2,4f2は、第2漏れ検査終了後に切断され、四角フレーム部4f1,4f1は残されることになる。
また図3(b)に示されるように、切断された出っ張り部4f2,4f2に挟み込まれた扁平部14a及びオス嵌合部14bについては、第2溶着シール4b,4bが形成されているため再利用することは出来ず、メス嵌合部14cから分離され出っ張り部4f2,4f2といっしょに廃棄されることになる。ニードル接続治具14のメス嵌合部14cは真空容器1に固定されたまま再利用されることになる。
図1(b)に戻って、ニードル接続治具14は内部をニードルパイプ15aが自在に前後移動することができるように構成されている。ニードルパイプ15aは内部に流路が形成され、隙間空間5と、可動配管15bを介して第1配管15にそれぞれ連通している。なお、可動配管15bは例えばベローズ構造等から成る可撓性を有するフレキシブル配管である。従って、ニードルパイプ15aを隙間空間5の樹脂シート開口部4a1に近接させることが可能となり、これによりニードルパイプ15aを介して隙間空間5に対する圧力制御が可能となると共に、圧力測定が可能となる。ニードル接続治具14の詳細については図4を参照しながら後述する。
第1真空ポンプ11は、真空容器1を真空排気するための真空ポンプであり、例えばルーツ型真空ポンプ(図示せず)と、ルーツ型真空ポンプの後段に接続される油回転型真空ポンプ(図示せず)とから構成される複合ポンプを使用することができる。
図1(a)に戻って第1真空計12は、真空容器1の真空度を計測するための真空計であり、例えばピラニ真空計を使用することができる。
第1ヘリウムガス検出器13は、第1漏れ検査において使用される。「第1漏れ検査」とは、第1溶着シール部4a及び第2溶着シール部4b、更にはニードル接続治具14から外部の真空容器1内へ漏れ出るヘリウムガスを検出する漏れ検査である。この第1漏れ検査は第2漏れ検査が終了する迄続けられる。
第1配管15は、隙間空間5に対する圧力制御および圧力測定用の配管である。そのため、第1配管15は真空排気系の第2真空ポンプ16、圧力計測系の第2真空計17、漏れ流量測定系の第2ヘリウムガス検出器18、およびヘリウムガス導入系のヘリウムガスボンベ19にそれぞれ連通している。
第2真空ポンプ16は、隙間空間5を真空排気するための真空ポンプであり、例えば油回転型ポンプなど低真空で稼働する容積移送式真空ポンプを使用することができる。
第2ヘリウムガス検出器18は、第2漏れ検査において使用される。「第2漏れ検査」とは、樹脂シート開口部4a1(図2(b)が溶着シールされた第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出るヘリウムガスを検出する漏れ検査である。
第2真空計17は、隙間空間5の真空度を計測するための真空計であり、第1真空計12と同様にピラニ真空計を使用することができる。
図4は、本発明に係るニードル接続治具14の構成を示す説明図である。図4(a)は第1段階の溶着シール工程後のニードル接続治具14の状態を表している。図4(b)は図4(a)のB矢視を表している。図4(c)は隙間空間5のヘリウム漏洩防止手段を表している。
ニードル接続治具14は、上下2つの樹脂シート4,4の間に挟み込まれる扁平部14aと、扁平部14aと一体成形されたオス嵌合部14bと、オス嵌合部14bが圧入されるメス嵌合部14cとから構成されている。
扁平部14aは、樹脂シート4と同一または相溶性のある高硬度の樹脂で作られ、例えば矩形かつ扁平形の形状を成している。扁平部14aの内部にはニードルパイプ15aが負荷なく前進・後退可能な貫通孔14aaが貫通している。なお、扁平部14aは、上記の高硬度の樹脂に限らず、弾力性を有する樹脂であっても良い。
オス嵌合部14bは、扁平部14aと一体成形され、円筒形を成している。オス嵌合部14bは内部をニードルパイプ15aが通る貫通孔14baが形成されている。
メス嵌合部14cは金属製で、内部が大径部14caと小径部14cbとから成る二段円筒構造を成している。大径部14caにはオス嵌合部14bが圧入される。小径部14cbにはニードルパイプ15aが挿通される。
大径部14caにはOリング14ccが設けられ、オス嵌合部14bの外周面とメス嵌合部14cの大径部14caとの間の気密性が確保されている。同様に小径部14cbにもOリング14cdが設けられ、ニードルパイプ15aの外周面とメス嵌合部14cの小径部14cbとの間の気密性が確保されている。従って、図4(c)に示されるように、隙間空間5は、第1溶着シール部4aおよび第2溶着シール部4b、並びにOリング14cc,14cdによって気密性が確保されている。
また、メス嵌合部14cは、真空容器1に固定され、再利用されるようになっている。以下に、樹脂シート密閉品漏れ検査装置100による漏れ検査工程を説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置100による漏れ検査工程を示す説明図である。
プロセスP1では、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4で包装し、ニードル接続治具14の扁平部14aを挟み込んで真空容器1内にセットする。図2(a)に示されるように、ニードル接続治具14の扁平部14aは、上下2つの樹脂シート4,4の出っ張り部4f2,4f2で挟み込まれるようにする。また、上下2つの樹脂シート4,4は、第1溶着装置2-1で仮止めし動かないようにする。
プロセスP2では、第1真空バルブ21を開とし、真空容器1を第1真空ポンプ11により真空排気する。真空容器1の到達圧力は、例えば100Pa未満である。
プロセスP3では、第1溶着装置2-1により、上下2つの樹脂シート4,4の外周を溶着シールする。図6に示されるように、第1溶着装置2-1による溶着シール箇所は、樹脂シート4の内周面同士が溶着する第1溶着シール部4aと、「樹脂シート4の内周面」と「ニードル接続治具14の扁平部14aの外周面」が溶着する第2溶着シール部4b(区間b1-b1)とから成っている。この第2溶着シール部4bは上下2箇所に形成されている。プロセスP3の溶着シール工程において、内蔵品3は、上下2つの樹脂シート4,4とニードル接続治具14によって密閉されることになる。
なお、上下2つの樹脂シート4,4の内周面同士が接合する内で、区間b2-b2に相当する部位は、第1溶着装置2-1により溶着されない非溶着部(樹脂シート開口部4a1)として残ることになる。この樹脂シート開口部4a1については、第2漏れ検査の前に第2溶着装置2-2により溶着シールされることになる。
プロセスP4では、第3真空バルブ23及び第4真空バルブ24を開とし、隙間空間5(図6の右上がり斜線部分)とニードル導入空間6(右下がりの斜線部分、矩形b1-b2-b2-b1部分)を第2真空ポンプ16によって真空排気する。隙間空間5の真空度は第2真空計17によって測定される。
プロセスP5では、第1真空バルブ21を閉じると共に、第2真空バルブ22を開とし第1ヘリウムガス検出器13によって真空容器1を真空排気するとともに漏れ無測定を行う。
プロセスP6では、第4真空バルブ24を閉じると共に、第2ガスバルブ32を開としヘリウムガスボンベ19から隙間空間5にヘリウムガスを導入する。
プロセスP7では、第1ヘリウムガス検出器13によって隙間空間5から第1溶着部4a及び第2溶着部4bを介して真空容器1内に漏れ出るヘリウムガス並びにニードル接続治具14を介して真空容器1内に漏れ出るヘリウムガスを第1ヘリウムガス検出器13によって検出する(第1漏れ検査)。なお、この第1漏れ検査は、後述する第2漏れ検査が終了する迄続けられる。
プロセスP8では、第2ガスバルブ32を閉とし、第4真空バルブ24を開とし第2真空ポンプ16によって隙間空間5を再び真空排気する。隙間空間5の到達圧力は、第2漏れ検査を実施することができる十分なヘリウムガスが残量する真空圧、例えば100Pa以上である。
プロセスP9では、ニードルパイプ15aを後退させ、樹脂シート開口部4a1を第2溶着装置2-2によって溶着する。図7に示されるように、区間b2-b2で表された樹脂シート開口部4a1が溶着され、第3溶着シール部4cが形成される。これにより、隙間空間5は、内部に第2漏れ検査を実施することができる十分なヘリウムガスが残量する状態で、区間b2-b1-b1-b2を除く第1溶着シール部4aと、区間b2-b2から成る第3溶着シール部4cによって気密に密閉されたことになる。
プロセスP10では、第2真空ポンプ16によって、第3溶着シール部4cから第2真空ポンプ16に到る配管内部(ニードル導入空間6、ニードルパイプ15a、第1配管15および第2配管16aの各内部)を真空排気する。配管内部の到達圧力は、例えば10Pa未満である。
プロセスP11では、第4真空バルブ24を閉とすると共に第5真空バルブ25を開とし、第2ヘリウムガス検出器18によって第3溶着シール部4cから上記配管内部に漏れ出るヘリウムガスを検出する(第2漏れ検査)。なお、第2漏れ検査時においても第1漏れ検査は継続して実施される。すなわち、上下2つの樹脂シート4,4の内周面同士が溶着している溶着シール部のうちで、第3溶着シール部4cから上記配管内部への漏れの無いことは第2ヘリウムガス検出器18によって保証され、第1溶着シール部4aと第2溶着シール部4bと第3溶着シール部4cから外部の真空容器1内への漏れの無いことは第1ヘリウムガス検出器13によって保証されることになる。
第1漏れ検査および第2漏れ検査の終了後に第1ガスバルブ31を開とし、真空容器1を大気暴露し、上下2つの樹脂シート4,4を内蔵品3に密着させる。その後、図3(a)に示されるように、樹脂シート4,4の出っ張り部4f2を切断し樹脂シート密封品10を取り出す。
本発明の第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置100の漏れ検査性能について以下のように調べた。
内蔵品3は比較的大型の電気製品を準備した。そのサイズは1000mm×750mm×30mmの直方体であり、電気製品であることから数年以上の長期間の対候性が必要であり大気の遮断が求められるものである。このため樹脂シート4は数年以上の長期間の大気の透過を防御する必要があることから、大気成分ガスのガス透過率の低い材質から構成されている。したがって、樹脂シート4と内蔵品3の漏れ検査の漏れ流量の閾値(判定値)は1×10Paの大気圧に等しいヘリウムガスに対して1×10-7Pa・m/sと比較的低い漏れ流量である。
上記プロセスP1において内蔵品3及び上下2つの樹脂シート4,4は、図2(a)に示される形態で問題なく真空容器1内に設置することができた。同様に上記プロセスP2において第1真空ポンプ11によって真空容器1を所望圧力(100Pa未満)に真空排気することができた。ここで上記プロセスP2において、真空容器1の圧力を100Pa未満とした理由は10-7Pa・m/sの低い漏れ流量を検出するためと、第2漏れ検査のための樹脂シート4,4の袋内(隙間空間5)の圧力を100Pa以上に設定するためである。
また、上記プロセスP3における上下2つの樹脂シート4,4の内周面同士の溶着シール(第1溶着シール部4a)と、上下2つの樹脂シート4,4の各内周面とニードル接続治具14(扁平部14a)の各外周面との溶着シール(第2溶着シール部4b)は、問題無く形成することができた。
また、上記プロセスP4における隙間空間5に対する真空排気、上記プロセスP6における隙間空間5に対するヘリウムガスの導入、並びに第1溶着シール部4a及び第2溶着シール部4bから外部の真空容器1内に漏れ出るヘリウムガスの検知(第1漏れ検査)についても問題無く実施することができた。
この第1漏れ検査は第2漏れ検査の終了まで継続して実施し、第1溶着シール部4aと第2溶着シール部4bと、そして第3溶着シール部4cから外部の真空容器1内へ漏れ出るヘリウムガスの漏れを検出した。
上記プロセスP8からプロセスP11に係る樹脂シート開口部4a1の溶着とその漏れ検査、すなわち隙間空間5の圧力と、第3溶着シール部4cから第1配管15側に漏れ出るヘリウム漏れ流量[Pa・m/s]についての時間推移の結果について図8に示す。隙間空間5の圧力については、ニードルパイプ15a、第1配管15及び第3配管18aを介して第2真空計17によって計測される。ヘリウム漏れ流量[Pa・m/s]については、ニードルパイプ15a及び第1配管15を介して第2ヘリウムガス検出器18によって検出される。なお、図8は、第3溶着シール部4cに漏れが無い場合の結果である。
以降では、樹脂シート開口部4a1を溶着して生じた第3溶着シール部4cから第1配管15側(ニードル導入空間6、ニードルパイプ15a、可動配管15b、第1配管15の各内部)へ漏れ出るヘリウムガスの漏れ検査(第2漏れ検査)について記述する。
図8に示されるように、第2真空ポンプ16による真空排気開始から第2真空計17の圧力が1000Paに達した2秒後に、樹脂シート開口部4a1に対する溶着を開始した。溶着の完了は7秒後であった。この時の第2真空計17の圧力は240Paであった。ここで、樹脂シート4袋内(隙間空間5)の圧力が240Paと仮定した場合、漏れ閾値は1.0×10-10Pa・m/sと見積もられた。
その後、第2真空ポンプ16による真空排気を継続し、開始15秒後に第5真空バルブ25を開きヘリウムガス検出器18によるヘリウム漏れ流量の測定を開始した。なお、開始から27秒後まで第2真空ポンプ16と第2ヘリウムガス検出器18により真空排気を継続した。この間ヘリウム漏れ流量は10-5Pa・m/sから10-9Pa・m/sに低下した。
そして、第2漏れ検査の開始から27秒後に第4真空バルブ24を閉じ第2ヘリウムガス検出器18のみの真空排気としヘリウム漏れ流量の検出を継続した。ヘリウム漏れ流量は34秒後に1×10-10Pa・m/sに、約45秒後に1×10-11Pa・m/sに到達した。漏れ閾値は1.0×10-10Pa・m/sであるが、10-11Pa・m/sを安定に示すまで待機すると、第2漏れ検査は樹脂シート開口部4a1の溶着シールに係る時間を含めても、約45秒で完了できることがわかる。なお、第1漏れ検査は約30秒であったことから、第1実施形態の樹脂シート密閉品漏れ検査装置100による漏れ検査時間は、約75秒(=30秒+45秒)であった。
以上の通り、第2漏れ検査は問題無く実施できた。
しかしながら、第1実施形態の第2漏れ検査には、以下の2つの課題がある。その一つは、真空排気開始から7秒後に樹脂シート開口部4a1に対する溶着が完了するが、溶着時における圧力低下(圧力変動)が大きくなる事態が起こり得る。この場合、「隙間空間5の圧力」と「第2真空計17での圧力」との圧力差も大きくなることになる。「溶着時の隙間空間5の圧力」は直接的に計測することが出来ないため、「隙間空間5の圧力の推移」を「第2真空計17での圧力の推移」に殆ど等しいと見なして、「溶着時の第2真空計17での圧力」を基にヘリウム漏れ流量の閾値を設定している。従って、溶着時における第2真空計17での圧力低下が大きくなることは、最悪の場合、設定したヘリウム漏れ流量の閾値の妥当性を欠くことになり、漏れ検査の信頼性を低下させることが発現する。
もう一つは、ニードル接続治具14、第1配管15、及び第2ヘリウムガス検出器18の残留ヘリウムの影響である。これは第2漏れ検査において、真空排気の開始15秒から28秒のところで、第2ヘリウムガス検出器18は漏れ流量10-4Pa・m/sから10-9Pa・m/sでヘリウムガスを検出したが、この時にニードル接続治具14、第1配管15、及び第2ヘリウムガス検出器18にヘリウムが残留することがあり、多数回の検査の実行を困難にする。以下では、上記2つの課題を解決する樹脂シート密閉品漏れ検査装置200について説明する。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置200の要部構成を示す説明図である。
この樹脂シート密閉品漏れ検査装置200は、上記第2漏れ検査の課題を解決するために、第1実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置100に対して、以下に記す改善を施した。
先ず、真空排気後の樹脂シート開口部4a1の溶着時の圧力変動(圧力低下)を小さくするために、即ち、溶着時の圧力勾配を小さくするために、第4真空バルブ24から第2真空ポンプ16に到る真空排気流路(第2配管16a)と並列に、第6真空バルブ26と第1小コンダクタンス部品41が直列に接続された真空排気流路を第2真空ポンプ16に別途接続し、真空排気による圧力低下が緩やかになるようにした。
ここで、第1小コンダクタンス部品41のコンダクタンス値[m/s]については、第1小コンダクタンス部品41が有る場合のニードルパイプ15aの入口での実効排気速度S’eff[m/s]が無い場合の実効排気速度Seff[m/s]に比べ小さくなるような小さい値に設定した。このように第1小コンダクタンス部品41のコンダクタンス値[m/s]を小さく設定することにより、溶着時における排気の時定数τ(=V/S’eff)が長くなり、これにより溶着時の圧力低下を緩やかにでき、その結果、溶着時の第2真空計17の圧力と溶着時の隙間空間5の封入圧力をほぼ同じと見なすことができるようになる。
次に、多数回の検査の実行を困難にする漏れ検査装置内での残留ヘリウムガスを低減するために、第1配管15に対し第3ガスバルブ33を介し且つヘリウムガス検出器18には第4ガスバルブ34を介し、窒素ガスボンベ40を接続した。これにより、真空容器1から樹脂シート密閉品10を取り出した後に、真空排気系統に残留するヘリウムガスの大部分を窒素ガスで掃気することが可能となる。
上記改良を施した樹脂シート密閉品漏れ検査装置200を用いて、実施形態1と同一の漏れ検査工程を実施した。ここで真空排気開始2秒後から7秒後の溶着工程の真空排気において、緩やかな圧力低下を実現するために、第4真空バルブ24を閉とし、第6真空バルブ26を開とし第1小コンダクタンス部品41を介した真空排気とした。
図10は、第2漏れ検査における樹脂シート開口部4a1の溶着前後の圧力と、第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の結果を示すグラフである。
真空排気の開始2秒後から7秒後において第2真空計17の圧力は、開始2秒後の圧力が1300Pa、5秒後の圧力が1000Pa、7秒後の圧力が850Paと緩やかに低下した。5秒後から7秒後の圧力の平均値は930Paであった。これを溶着直前の第2真空計17の圧力とした。
一方、ニードルパイプ15aの入口の位置での実効排気速度と第2真空計17の位置での実効排気速度から、樹脂シート4の開口溶着部(第3溶着シール部4c)の溶着直前の圧力は1100Paと算出することができた。これにより、第2漏れ検査の漏れ閾値が検査毎に大きく変化することなく、ほぼ一定値に設定することが可能となった。このことは、樹脂シート4の封止圧力が明らかになることで、樹脂シート密閉品10の品質管理を向上することが可能になると考えられる。
図10の真空排気の開始7秒後以降の第2真空計17の圧力と第2ヘリウムガス検出器18の漏れ流量の時間推移は、第1実施形態の樹脂シート密閉品漏れ検査装置100の結果と類似した。これは、開始7秒後以降の溶着後は、排気する体積が小さく且つ排気速度が大きいことから数100Paの真空排気が1秒未満の短時間で行われるからである。
第2ヘリウムガス検出器18による漏れ検査(第2漏れ検査)は、15秒から開始するが、第2ヘリウムガス検出器18のみの排気による開始から28秒後以降のヘリウム漏れ流量は、29秒後に1×10-9Pa・m/sに、34秒後には1×10-10Pa・m/sに到達した。ここで、第2実施形態の漏れ検査では、溶着直前の樹脂シート開口部4a1の圧力が1100Paと判明していることから、第2漏れ検査の漏れ閾値は、5.6×10-10Pa・m/sと見積もることが可能であった。5.6×10-10Pa・m/sに到達する時間は30秒であった。これより、漏れ流量の閾値が確定できなかった第1実施形態よりも第2実施形態の検査の方が信頼性を高く且つ時間短縮もできると言える。
次に、多数回の検査の実行を困難にする漏れ検査装置内での残留ヘリウムガスを低減するために、検査終了後に第3真空バルブ23と第4真空バルブ24と第6真空バルブ26と第7真空バルブ27を閉じ、第3ガスバルブ33を開けて窒素ガスボンベ40から窒素ガスを流して第1配管15を窒素ガスで大気圧まで暴露し、その後、第3ガスバルブ33を閉じ第4真空バルブ24を開けて第2真空ポンプ16により窒素ガスを真空排気し、同時に第4ガスバルブ34を開け窒素ガスボンベ40から微量の窒素ガスを流しながら第2ヘリウムガス検出器18を稼働した。なお、検査終了後から樹脂シート密閉品10の交換と、第1段階の真空容器1の真空排気と、第1段階の上下2つの樹脂シート4,4の溶着工程(第1溶着シール部4a、第2溶着シール4b)と、そして第1漏れ検査のためのヘリウムガスの導入までに要した時間は約20秒であることから、第1配管15の残留ヘリウム低減工程は2回実施することが可能であった。
残留ヘリウム低減工程を検査毎に2回実施し、第2漏れ検査の第2ヘリウムガス検出器18によるヘリウム漏れ流量検出の開始時刻について、ヘリウム漏れ流量10-5Pa・m/sが検出される15秒後から10-7Pa・m/sが検出される20秒後に変更し、漏れ検査を繰り返し実行したところ、100回に及ぶ漏れ検査が実行可能であった。
以上の通り、本発明の第2実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置200を用いれば、樹脂シート密閉品の漏れ検査が多数回実行することができる。
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置300の要部構成を示す説明図である。この樹脂シート密閉品漏れ検査装置300は、第2実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置200よりもさらに第2漏れ検査について改善を施したものである。
具体的には真空排気後の樹脂シート開口部4a1の溶着完了の時のヘリウム濃度を決定するために、第1配管15から第2ヘリウムガス検出器18への真空排気流路として、第5真空バルブ25(第3配管18a)と並列に第8真空バルブ28を介して2×10-10/sの非常に小さいコンダクタンス値を持つ第2小コンダクタンス部品42を接続した。さらに、真空排気の開始15秒後以降の第2ヘリウムガス検出器18によるヘリウム検出において、第2ヘリウムガス検出器18での残留ヘリウムを低減するために、第5真空バルブ25(第3配管18a)と並列に第9真空バルブ29を介して2×10-6/sの小さいコンダクタンス値を持つ第3小コンダクタンス43を接続し、低い漏れ流量での測定とした。
このように改善した樹脂シート密閉品漏れ検査装置300を用いて、第1実施形態の工程と同一の漏れ検査を実行した。ここで、真空排気開始2秒後から15秒後までは、第2真空ポンプ16と、第8真空バルブ28及び第2小コンダクタンス部品42を介して第2ヘリウムガス検出器18によって真空排気した。そして15秒後から39秒後までは、第2真空ポンプ16と、第9真空バルブ29及び第3小コンダクタンス部品43を介して第2ヘリウムガス検出器18によって真空排気した。そして39秒後以降は第5真空バルブ25を介して第2ヘリウムガス検出器18のみによって真空排気した。
図12は、樹脂シート開口部4a1の溶着時の隙間空間5の圧力と、第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の結果を示すグラフである。
真空排気の開始2秒後から7秒後において第2真空計17の圧力は、開始2秒後の圧力が1300Pa、5秒後の圧力が1000Pa、7秒後の圧力が850Paと緩やかに低下した。5秒後から7秒後の圧力の平均値は930Paであった。これを溶着直前の第2真空計17の圧力とした。そして、樹脂シート4の開口溶着部(樹脂シート開口部4a1)の溶着直前の圧力は、1080Paと見積もられた。
一方、真空排気の開始2秒後から7秒後において第2ヘリウムガス検出器18によって検出されたヘリウム漏れ流量は、開始2秒後の漏れ流量が2.44×10-7Pa・m/s、5秒後の漏れ流量が1.88 ×10-7Pa・m/s、7秒後の圧力が1.60×10-7Pa・m/sと緩やかに低下した。5秒後から7秒後の漏れ流量の平均値は1.74×10-7Pa・m/sであった。第2ヘリウムガス検出器18に接続した第2小コンダクタンス部品42のコンダクタンスは2×10-10/sであることから、第2真空計17の位置でのヘリウム分圧は869Paと見積もられ、ヘリウム濃度は94%と算出された。
樹脂シートの封止圧力が1080Paであり、そのヘリウム濃度は94%と推定できることから、第2漏れ検査のヘリウム漏れ流量の閾値は5.1×10-10Pa・m/sと算出される。このように第3実施形態の樹脂シート密閉品漏れ検査装置300は、検査毎の漏れ流量の閾値を規定できることから高信頼な検査が実行可能である。
図12の15秒後から38秒のヘリウム漏れ流量は1×10-6Pa・m/sから6×10-11Pa・m/sに時間推移した。これは、2×10-6/sの小さいコンダクタンス値を持つ第3小コンダクタンス部品43を介して第2ヘリウムガス検出器18にヘリウムガスを導入したからであり、残留ヘリウム対策が有効に働いていることがわかる。
次に、第2ヘリウムガス検出器18のみにヘリウムガスを導入した38秒以降において、ヘリウム漏れ流量は40秒後に1×10-9Pa・m/sに46秒後に1×10-10Pa・m/sに到達した。この第2漏れ検査で測定されるヘリウム漏れ流量が閾値5.1×10-10Pa・m/s以下に到達する時間は約42秒であった。この時間は、第2実施形態2のそれと比較すると約10秒長くなっているが、これは開始15秒後以降の真空排気において、第2小コンダクタンス部品43を介して第2ヘリウムガス検出器18にヘリウムガスを導入したためである。
一方、第3実施形態の工程で漏れ検査を実行し且つ検査終了後に窒素ガスによる残留ヘリウム低減工程を検査毎に2回実施して漏れ検査を繰り返し実行したところ、200回の漏れ検査を実行しても第2ヘリウムガス検出器18は安定していた。
以上のように、第3実施形態の樹脂シート密閉品漏れ検査装置300を用いれば、樹脂シート密閉品10の精緻な漏れ検査が多数回実行することができる。
(第4実施形態)
第1漏れ検査の探査ガスの漏れ閾値が10-8Pa・m/sオーダー以下になると、「樹脂シート4,4と内蔵品3との間に形成される隙間空間5」と「探査ガス供給用の金属製配管(第1配管15)」を接続するための樹脂製の配管接続治具14のガス透過を低減する必要がある。これは、配管接続治具14に使用される樹脂として容易溶着な樹脂が使用されるが、これらの樹脂は高いガス透過性を持つためである。
図13は、本発明の第4実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の配管接続治具14’の要部構成を示す説明図である。この配管接続治具14’は、隙間空間5への探査ガスの導入・真空排気部となるオス嵌合部14b’を細いパイプ形状(小型中空円筒形)としたものであり、ガス透過面積を小さくすることでガス透過量を抑制するものである。詳細には、図13(a)に示されるように、オス嵌合部14b’では上記ニードル接続治具14が備えている扁平部14aを廃止し、オス嵌合部14bの軸長を延伸し且つ外径を小さくして細いパイプ形状としている。他方、メス嵌合部14c’では上記ニードル接続治具14の二段円筒形を小さい方の外径の一段の円筒形としている。
また、オス嵌合部14b’は樹脂シート4と同一または相溶性のある高硬度の樹脂(容易溶着樹脂)で作られている。メス嵌合部14c’は金属製である。
図13(b)に示されるように、オス嵌合部14b’とメス嵌合部14c’は共に小型化されガス透過面積が小さくなっていることが見て取れる。
図13(c)に示されるように、樹脂シート4開口部4a1の封止は、樹脂シート4の内周面同士を溶着することによって行われることになる。
従って、第2漏れ検査では
第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出る探査ガスの漏れ流量が第2ヘリウムガス検出器18によって検出されることになる。
なお、第1配管15は直にメス嵌合部14c’に接続されているが、ニードルパイプ15aと可動配管15bを使用してメス嵌合部14c’に接続するようにしても良い。
細いパイプ形状の配管接続治具14’を用いて、第1実施形態の工程と同一の漏れ検査を実行した。第1漏れ検査の漏れ閾値は1×10-8Pa・m/sと微量の漏れ流量であったが、第1漏れ検査は30秒の時間で問題無く実施できた。
次に、樹脂シート密閉品漏れ検査装置300を使用して第2漏れ検査を実行した。ここで、真空排気開始4秒後から30秒後までは、第2真空ポンプ16と、第8真空バルブ28及び第2小コンダクタンス部品42を介して第2ヘリウムガス検出器18によって真空排気した。そして30秒後から62秒後までは、第2真空ポンプ16と、第9真空バルブ29及び第3小コンダクタンス部品43を介して第2ヘリウムガス検出器18によって真空排気した。そして62秒後以降は第5真空バルブ25を介して第2ヘリウムガス検出器18のみによって真空排気した。
図14は、樹脂シート開口部4a1の溶着時の隙間空間5の圧力と、第4溶着シール部4dから第1配管15側へ漏れ出るヘリウム漏れ流量についての時間推移の結果を示すグラフである。真空排気の開始4秒後から9秒後において第2真空計17の圧力は、開始4秒後の圧力が950Pa、7秒後の圧力が870Pa、9秒後の圧力が630Paと緩やかに低下した。7秒後から9秒後の圧力の平均値は680Paであった。これを溶着直前の第2真空計17の圧力とした。そして、樹脂シート開口部4a1の溶着直前の圧力は、1020Paと見積もられた。
一方、真空排気の開始4秒後から9秒後において第2ヘリウムガス検出器18によって検出されたヘリウム漏れ流量は、開始4秒後の漏れ流量が1.82×10-7Pa・m/s、7秒後の漏れ流量が1.40×10-7Pa・m/s、9秒後の圧力が1.21×10-7Pa・m/sと緩やかに低下した。7秒後から9秒後の漏れ流量の平均値は1.30×10-7Pa・m/sであった。第2ヘリウムガス検出器18に接続した第2小コンダクタンス部品42のコンダクタンスは2×10-10m3/sであることから、第2真空計17の位置でのヘリウム分圧は650Paと見積もられ、ヘリウム濃度は95%と算出された。
樹脂シートの封止圧力が1020Paであり、そのヘリウム濃度は95%と推定できることから、第2漏れ検査のヘリウム漏れ流量の閾値は5.8×10-11Pa・m/sと算出される。
図14の30秒後から62秒のヘリウム漏れ流量は1.7×10-7Pa・m/sから1×10-10Pa・m/sに時間推移した。これは、2×10-6/sの小さいコンダクタンス値を持つ第3小コンダクタンス部品43を介して第2ヘリウムガス検出器18にヘリウムガスを導入したからである。
次に、第2ヘリウムガス検出器18のみにヘリウムガスを導入した62秒以降において、ヘリウム漏れ流量は73秒後に1×10-10Pa・m/sに86秒後に1×10-11Pa・m/sに到達した。この第2漏れ検査で測定されるヘリウム漏れ流量が閾値5.8×10-11Pa・m/s以下に到達する時間は約76秒であった。この時間は、第3実施形態のそれと比較すると約35秒長くなっているが、これは細いパイプ形状の配管接続治具14’のコンダクタンスが小さいためである。なお、第1漏れ検査の時間は約30秒であったことから、第4実施形態の細いパイプ形状の配管接続治具14’を用いた樹脂シート密閉品漏れ検査装置300の漏れ検査時間は、約106秒(=30秒+76秒)であった。
以上のように、第4実施形態の細いパイプの配管接続治具14’を具備した樹脂シート密閉品漏れ検査装置300を用いれば、樹脂シート密閉品10の精緻な漏れ検査が多数回実行することができる。
(第5実施形態)
図15は、本発明の第5実施形態に係る樹脂シート密閉品漏れ検査装置の配管接続治具14”の要部構成を示す説明図である。この配管接続治具14”は、隙間空間5への探査ガスの導入・真空排気部となるオス嵌合部14b’を二重管構造とし、内管14ba’に探査ガスを供給するが、外管14bbと内管14ba’との間の空間を真空排気することで真空容器1内への探査ガスの透過を抑制するものである。詳細には、図15(a)に示されるように、オス嵌合部14b”では上記ニードル接続治具14が備えている扁平部14aを廃止し、オス嵌合部14bの軸長を延伸し且つ内管14ba’と外管14bbから成る二重管構造としている。他方、メス嵌合部14c”では内管14ba’の外径より大きく外管14bbの内径より小さい中径部14ceを設けると共に、内管14ba’の気密性を保持するOリング14cfを設けている。更に内管14ba’から透過する探査ガスを回収するための真空排気路14cgが中径部14ceに設けられている。
また、オス嵌合部14b”は樹脂シート4と同一または相溶性のある高硬度の樹脂(容易溶着樹脂)で作られている。メス嵌合部14c”は金属製である。
図15(b)に示されるように、オス嵌合部14b”は内管14ba’と外管14bbから成る二重管構造を成していることが見て取れる。
図15(c)に示されるように、樹脂シート4開口部4a1の封止は、樹脂シート4の内周面同士を溶着することによって行われることになる。従って、第2漏れ検査では第3溶着シール部4cから第1配管15側へ漏れ出る探査ガスの漏れ流量が第2ヘリウムガス検出器18によって検出されることになる。
なお、第1配管15は直にメス嵌合部14c”に接続されているが、ニードルパイプ15aと可動配管15bを使用してメス嵌合部14c’に接続するようにしても良い。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明してきた。本発明の実施形態は上記だけに限定されることはなく、本発明の技術的特徴を逸脱しない範囲内において種々の修正・変更を加えることが可能である。例えば、探査ガスについてはヘリウムに代えて、他のガス(例えば、水素、アルゴン、空気)を使用することも可能である。また、探査ガス検出器はヘリウムガス検出器であるヘリウムリークディテクターに代えて、四重極質量分析器や放電発光ガス分析器を使用することも可能である。
また、溶着シール部の形状については、内蔵品3を上下2つの樹脂シート4,4によって密閉し且つ扁平部14aを挟み込むことが可能な「出っ張り部」を有する「始点と終点が一致した」閉曲線であれば良く、上記凸角形のみに限定されない。また、溶着シール部を形成する溶着装置(ヒートシーラー)の外形についても、所望の形状で樹脂シート4,4の内周面同士、或いは樹脂シート4の内周面と扁平部14aの外周面を溶着シールすることができれば良く、上記実施形態の形状のみに限定されない。
また、第1溶着シール部4a、第2溶着シール部4b及び第3溶着シール部4cについては、1台の溶着装置によって形成するようにしても良い。
符合の説明
1 真空容器
2-1 第1溶着装置
2-2 第2溶着装置
3 内蔵品
4 樹脂シート
4 樹脂シート
4a 第1溶着シール部
4a1 樹脂シート開口部
4b 第2溶着シール部
4c 第3溶着シール部
4f 裾部
4f1 四角フレーム部
4f2 出っ張り部
5 隙間空間
6 ニードル導入空間(配管導入空間)
10 樹脂シート密閉品
11 第1真空ポンプ
12 第1真空計
13 第1ヘリウムガス検出器
14 ニードル接続治具(配管接続治具)
14a 扁平部
14aa 貫通孔
14b オス嵌合部
14b’ オス嵌合部
14b” オス嵌合部
14ba 貫通孔
14ba’内管
14bb 外管
14c メス嵌合部
14c’ メス嵌合部
14c” メス嵌合部
14ca 大径部
14cb 小径部
14cc Oリング
14cd Oリング
15 第1配管
15a ニードルパイプ(配管)
15b 可動配管
16 第2真空ポンプ
16a 第2配管
17 第2真空計
18 第2ヘリウムガス検出器
18a 第3配管
19 ヘリウムガスボンベ
19a 第4配管
21 第1真空バルブ
22 第2真空バルブ
23 第3真空バルブ
24 第4真空バルブ
25 第5真空バルブ
26 第6真空バルブ
27 第7真空バルブ
31 第1ガスバルブ
32 第2ガスバルブ
33 第3ガスバルブ
34 第4ガスバルブ
40 窒素ガスボンベ
40a 第5配管
41 第1小コンダクタンス部品
42 第2小コンダクタンス部品
43 第3小コンダクタンス部品
100 樹脂シート密閉品漏れ検査装置
200 樹脂シート密閉品漏れ検査装置
300 樹脂シート密閉品漏れ検査装置

Claims (17)

  1. 内蔵品(3)が上下2つの樹脂シート(4、4)の溶着によって真空状態で密着シールされた樹脂シート密閉品(10)を、所定の真空度に維持された真空容器(1)の内部に設置し探査ガスを用いて漏れ検査を行う樹脂シート密閉品漏れ検査方法であって、
    前記内蔵品(3)を樹脂シート(4、4)で被覆する際、真空排気または探査ガス導入の為の配管接続治具(14)を前記樹脂シート(4、4)の一部で挟み込んで、
    「前記内蔵品(3)を内側に含み且つ一部分が外側に張り出した出っ張り部(b2-b1-b1-b2)を形成するように」溶着シール部(4a、4b)を形成し、
    前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)に形成された狭小の樹脂シート開口部(4a1)から前記樹脂シート(4、4)と前記内蔵品(3)及び前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)との間に形成された隙間空間(5)に探査ガスを導入し、前記溶着シール部(4a、4b)から外部の前記真空容器(1)内に漏れ出る探査ガスを検出する第1漏れ検査を実施し、
    そして、前記隙間空間(5)を「漏れ流量を検出可能な大気圧未満の探査ガスが十分残留する」圧力まで真空排気して、
    次に前記樹脂シート開口部(4a1)を密閉する溶着シール部(4c)を形成し、該溶着シール部(4c)から前記配管接続治具(14)の下流側に漏れ出る探査ガスを検出する第2漏れ検査を実施する
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  2. 請求項1に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記第1漏れ検査は、前記第2漏れ検査の終了まで継続することで、前記溶着シール部(4a、4b)に加えて「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」から外部の前記真空容器(1)内に漏れ出る探査ガスを検出する
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  3. 請求項1に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記出っ張り部(b2-b1-b1-b2)が前記配管接続治具(14)を横切るように前記樹脂シート(4、4)を溶着シールすると共に、
    前記樹脂シート(4、4)によって挟み込まれる前記配管接続治具(14)の部分(14a)は扁平部(14a)となるように形成する
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  4. 請求項1に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記配管接続治具(14)の内部を配管(15a)が気密性を保持しながら前後に移動することができる
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  5. 請求項1に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記樹脂シート(4)の中央部に前記内蔵品(3)が嵌まる凹部(4r)を形成し、該凹部(4r)の裾部(4f、4f)を四角フレーム部(4f1)と出っ張り部(4f2)が組み合わされた凸形状とした
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  6. 請求項1に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記隙間空間(5)を所定の圧力まで真空排気し、前記樹脂シート開口部(4a1)を溶着する際、前記隙間空間(5)の圧力変動が真空排気開始時の圧力変動よりも小さくなる状態にした後に溶着シールする
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  7. 請求項6に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    前記第2漏れ検査を実施する際、探査ガスの漏れ流量を測定する探査ガス検出器(18)に導入される探査ガスの流量が、「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」を真空排気する真空ポンプ(16)に導入される探査ガスの流量よりも少なくなるようにする
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  8. 請求項7に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査方法において、
    「前記樹脂シート開口部(4a1)に係る前記溶着シール部(4c)」から前記配管接続治具(14)の下流側へ漏れ出る探査ガスの漏れ流量を測定した後に、真空排気系統および漏れ流量測定系統を探査ガス以外の不活性ガスで掃気する
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査方法。
  9. 樹脂シート(4、4)によって被覆された内蔵品(3)と、前記樹脂シート(4、4)の一部によって挟み込まれた配管接続治具(14)を所定の真空環境下で収容する真空容器(1)と、
    前記内蔵品(3)の周囲に形成された前記真空容器(1)の内部空間を真空排気する第1真空ポンプ(11)と、
    前記樹脂シート(4、4)の重複部分(4f、4f)を外周に沿って凸形状に溶着し、凸形状の溶着シール部(4a、4b)を形成する一対の第1溶着装置(2-1)と、
    前記樹脂シート(4、4)と前記内蔵品(3)との間に形成される隙間空間(5)を真空排気する第2真空ポンプ(16)と、
    前記隙間空間(5)に探査ガスを導入する探査ガス源(19)と、
    前記隙間空間(5)、前記第2真空ポンプ(16)及び前記探査ガス源(19)に各々連通した第1配管(15)と、
    前記凸形状の溶着シール部(4a、4b)から外部の前記真空容器(1)の内部に漏れ出る前記探査ガスの漏れ流量を検出する第1探査ガス検出器(13)と、
    前記凸形状の溶着シール部(4a、4b)の2つの凹角部(b2、b2)の間に挟まれた狭小の樹脂シート開口部(4a1)を溶着し、線状の溶着シール部(4c)を形成する一対の第2溶着装置(2-2)と、
    前記線状の溶着シール部(4c)から前記配管接続治具(14)を介して前記第1配管(15)の下流側に漏れ出る前記探査ガスの漏れ流量を検出する第2探査ガス検出器(18)とを備えた
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  10. 請求項9に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記配管接続治具(14)は、内部に貫通部(14aa、14ba)を有する「扁平部(14a)と円筒部(14b)が前記樹脂シート(4、4)と相溶性のある樹脂で一体成形された」成形品を備え、
    前記扁平部(14a)は、前記樹脂シート(4、4)の重複部分(4f、4f)のうちで前記樹脂シート開口部(4a1)から外側に張り出した部位(4f2、4f2)によって挟み込まれる
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  11. 請求項10に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記第1配管(15)に可撓性を有する可動配管(15b)を介して接続された配管(15a)が、前記貫通部(14aa、14ba)に前後移動自在に配置されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  12. 請求項11に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記扁平部(14a)の内部に前記配管(15a)が前後移動可能な貫通した貫通孔(14aa)が形成されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  13. 請求項11に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記配管接続治具(14)は、前記円筒部(14b)が嵌まる大径部(14ca)と前記配管(15a)が通る小径部(14cb)とを備えた金属製のメス型円筒部(14c)を別途有し、
    前記円筒部(14b)と前記大径部(14ca)との間、並びに前記配管(15a)と前記小径部(14cb)との間には気密性を保持するシール部材(14cc、14cd)がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  14. 請求項9に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記樹脂シート(4)の裾部(4f)は四角フレーム部(4f1)と出っ張り部(4f2)が組み合わされた凸形状を成し、前記裾部(4f)の内側には前記内蔵品(3)が嵌まる凹部(4r)が形成されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  15. 請求項9に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記第1配管(15)と前記第2真空ポンプ(16)を連結する第2配管(16a)に対し、該第2配管(16a)より小さいコンダクタンス値を有する1又は複数の小コンダクタンス部品(41)が並列に接続されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  16. 請求項9に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    前記第1配管(15)と前記第2探査ガス検出器(18)を連結する第3配管(18a)に対し、該第3配管(18a)より小さいコンダクタンス値を有する1又は複数の小コンダクタンス部品(42、43)が並列に接続されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
  17. 請求項9に記載の樹脂シート密閉品漏れ検査装置において、
    探査ガス以外の不活性ガスが前記第2真空ポンプ(16)及び前記第2探査ガス検出器(18)に対し並列に供給可能に構成されている
    ことを特徴とする樹脂シート密閉品漏れ検査装置。
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