JP2025025186A - 耐摩耗性部材及び耐摩耗性部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Co溶出に起因した作業員の被ばく量を従来に比べて低減することが可能な耐摩耗性部材及び耐摩耗性部材の製造方法を提供する。
【解決手段】耐摩耗性部材20Aは、炭素鋼からなる基材21と、基材21の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆部23と、を備え、被覆部23は、被覆部23の形成前の合金粉末10に対する被覆部23中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの被覆部23と基材21との成分比から決定される被覆部23への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から被覆部23の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、被覆部23の最表面は、希釈率が20%以下である。
【選択図】 図1
【解決手段】耐摩耗性部材20Aは、炭素鋼からなる基材21と、基材21の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆部23と、を備え、被覆部23は、被覆部23の形成前の合金粉末10に対する被覆部23中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの被覆部23と基材21との成分比から決定される被覆部23への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から被覆部23の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、被覆部23の最表面は、希釈率が20%以下である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属基材上に耐摩耗性に優れた合金材料の被覆層を形成した耐摩耗性部材及び耐摩耗性部材の製造方法に関するものである。
耐摩耗性、耐食性および粉末肉盛溶接性に優れた高靱性ハードフェーシング材の一例として、特許文献1には、Ni30.0~48.0重量%、W1.5~15.0重量%または/およびMo1.0~6.5重量%でWおよびMoの合計は最大15.0重量%以下であり、必要に応じて、Fe、Co、C、B、Al、Si、NbおよびTiの1種または2種以上を添加し、粉末肉盛溶接に用いる粉末の場合、必要によりAl、Y、ミッシュメタル、Ti、Zr、Hfの一種または二種以上を0.01~0.12重量%、さらに、必要により酸素を0.01~0.1重量%添加し、残部が40重量%以上のCrから成る、ことが記載されている。
弁は流体の流れる向きや量を制御する重要な役割を持っているとともに、その総使用量も多いことから、メンテナンス周期に強く影響を及ぼす。そのため、弁の耐摩耗性は当該部材の寿命に関わる重要な特性の一つである。
例えば、弁体・弁座等の弁を構成するバルブ部材の耐摩耗性を向上させる最も単純な方法は、当該部材全体を耐摩耗性に優れた材料から形成することである。ただし、そのような単純な方法は、例えば、機械的強度、靭性、コスト等の当該部材に求められる他の性状の観点から、最適解であるとは限らない。
一方、機械的強度や靭性やコストの面で優れる従前の材料を基材として用い、弁体面・弁座面に耐摩耗性に優れた材料の被覆層を形成することによってバルブ部材とする方法がある(例えば特許文献1参照)。このような被覆層の材料として、例えば、ステライト(登録商標)やTRIBALOY(登録商標)などのCo基合金材料が従来から広く利用されている。
しかし、これらのCo基合金では、点検時に放射化されたCo溶出に伴い作業員が被ばくするリスクがある。
例えば、Co基合金は原子力発電所に使用されるバルブ部材や制御棒駆動機構の部材など、摺動部の長寿命化を担う表面硬化合金である。しかし、一方で、摺動や腐食によって溶出したCoは炉心で放射性同位体Co60に変化し、Co60が蒸気配管などでβ崩壊した場合にγ線を放出する。このCo60によるβ壊が原子力発電所における主たる被ばく源となっていることから、Coフリー合金の開発が望まれている。
更には、原子力発電所に使用するバルブ部材には、耐摩耗性に優れたCo合金の盛金が従来から使用されている。しかしながら、上述のように、点検時に放射化されたCo溶出に伴い作業員が被ばくするリスクがあること、また肉盛溶接は投入する粉末と基材を同時に溶融して溶接するものであり、基材による粉末成分の希釈が生じるため、耐食性が低下するだけでなく、弁座はメンテナンスにおいて、肉盛表面を平滑化するラップ加工によって肉盛部を削る必要があり、希釈率が増大する、との課題があった。
本発明は、Co溶出に起因した作業員の被ばく量を従来に比べて低減することが可能な耐摩耗性部材及び耐摩耗性部材の製造方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、炭素鋼からなる基材と、前記基材の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆層と、を備える耐摩耗性部材であって、前記被覆層は、前記被覆層の形成前の素材に対する前記被覆層中の前記基材の主たる成分の増加分を求めたときの前記被覆層と前記基材との成分比から決定される前記被覆層への前記基材の混入率で決定される希釈率が、前記基材側から前記被覆層の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、前記被覆層の最表面は、前記希釈率が20%以下である。
本発明によれば、Co溶出に起因した作業員の被ばく量を従来に比べて低減することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
以下、本発明の耐摩耗性部材及び耐摩耗性部材の製造方法の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、同義の状態・工程については、同じ符号を付して重複する説明を省略する。また、本発明は、ここで取り挙げた実施形態に限定されるものではなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で公知技術と適宜組み合わせたり公知技術に基づいて改良したりすることが可能である。更に、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本発明において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本発明に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明者等は、Cr基合金において、化学組成、耐食性、およびビッカース硬さの関係について調査検討し、本発明を完成させた。
[耐摩耗性部材とその製造方法]
図1は、本発明に係る耐摩耗性部材の製造方法の一例を示す工程図である。
図1は、本発明に係る耐摩耗性部材の製造方法の一例を示す工程図である。
図1に示したように、まず、合金粉末10を用いて所望の組成の炭素鋼からなる基材21の表面上に肉盛溶接工程(ステップS1)により、溶融凝固したCr基合金製の肉盛部22を形成する。
なお、基材21は、炭素鋼ベースの様々な組成のものを使用可能であり、特に限定はない。
また、本発明においては、肉盛溶接工程S1は、金属粉末を用いた溶射を含むものとする。
肉盛溶接法に特段の限定はなく、従前の方法(例えば、被覆アーク溶接法、CO2溶接法、MAG(metal active gas)溶接法、MIG(metal inert gas)溶接法、TIG(tungsten inert gas)溶接法、サブマージアーク溶接法、PTA(plasma transferred arc)溶接法)を適宜利用できる。
耐摩耗性部材20,20Aは、好適には摺動部材またはバルブ部材であるが、これら摺動部材またはバルブ部材における肉盛溶接では、肉盛高さは3mm以上であることが好ましい。特に摺動部では摩耗により減肉し、さらにメンテナンスにおいて傷取りのため再加工することから、5mm以上が好ましく、6mm以上がさらに好ましい。
得られた耐摩耗性部材20はそのまま各種機器を構成する部材として利用してもよいが、他の部材への接続など考慮して、寸法、形状を整形する整形工程(ステップS2)をさらに実施し、被覆部23を有する耐摩耗性部材20Aに加工することができる。
肉盛部22を整形して被覆部23へと加工する手段としては例えばフライス盤などによる切削加工や砥石による研磨などがある。
ここで、Cr基合金からなる肉盛部22或いは肉盛部22を加工した被覆部23は、基材21の成分の溶融、拡散によってその合金組成が合金粉末10から希釈されることになる。
この希釈は肉盛部22或いは被覆部23の耐食性や硬さを低下させることから、耐摩耗性部材20における肉盛部22の形成前の合金粉末10に対する肉盛部22中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの肉盛部22と基材21との成分比から決定される肉盛部22への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から肉盛部22の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、肉盛部22の最表面は、希釈率が20%以下とする、或いは、耐摩耗性部材20Aにおける被覆部23の形成前の合金粉末10に対する被覆部23中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの被覆部23と基材21との成分比から決定される被覆部23への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から被覆部23の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、被覆部23の最表面は、希釈率が20%以下とする。
ここで、本発明における希釈率は、「肉盛前の溶接材に対する肉盛部部分での基材の主たる成分の増加分を算出し、肉盛部と基材との成分比から、肉盛部への基材の混入率」とする。
上述のような希釈率の範囲とするためには、ステップS1の肉盛溶接工程におい用いる合金粉末10の合金組成の成分比の調整が主となる。この場合、その組成に合わせて肉盛溶接における入熱量、溶接速度等の溶接条件を適宜決定することができる。但し、合金粉末10の組成の調整に限定されず、様々な調整を行うことができる。
さらに高耐食性、および高硬度特性が必要となる場合は、肉盛部22或いは被覆部23の最表面の希釈率は16%以下が好ましく、6%以下が更に好ましく、2%以下が最も好ましい。
また、肉盛部22或いは被覆部23は、希釈率が16%以下の領域を最表面から2mm以上有していることが望ましい。このように肉盛部22或いは被覆部23では、最表面から2mm以上の領域で希釈率が16%以下とすることで、研削代など、実際の運用上の条件を鑑みて有用な肉盛部22或いは被覆部23が確実に形成された状態を維持できる。
一方で、基材21付近の肉盛部22或いは被覆部23は、耐摩耗性部材20,20Aを弁とした場合、特に多層肉盛プロセスでは基材21側の肉盛部22或いは被覆部23ほど希釈率が高くなる。しかしながら、基材21側の肉盛部22或いは被覆部23は弁として直接摺動に関わることがないため、20%超の希釈率であっても良く、希釈率は0より大きく、95%以下の範囲で勾配を有していているものとする。
ここで、肉盛部22或いは被覆部23は、2層以上の肉盛部から構成されるものとし、また、最も基材21側の肉盛部を除く2層目以上で構成される肉盛部22或いは被覆部23の希釈率は20%以下であることが望ましい。
[肉盛部22或いは被覆部23の好適な化学組成]
本発明の耐摩耗性部材20,20Aでは、表面にCrを主たる成分とするCr基合金からなる肉盛部22或いは被覆部23が形成されたものである。このCr基合金は、質量%で、
40.0%超65.0%以下のCrと、
0%以上30.0%以下のFeと、
0.5%以上2.5%以下のCと、
0%以上2.0%未満のMnと、
0.1%以上1.25%以下のTiと、
0%超20%以下のNbと、を含み、
残部がNiおよび不可避的不純物からなるCr基合金であることが望まれる。
本発明の耐摩耗性部材20,20Aでは、表面にCrを主たる成分とするCr基合金からなる肉盛部22或いは被覆部23が形成されたものである。このCr基合金は、質量%で、
40.0%超65.0%以下のCrと、
0%以上30.0%以下のFeと、
0.5%以上2.5%以下のCと、
0%以上2.0%未満のMnと、
0.1%以上1.25%以下のTiと、
0%超20%以下のNbと、を含み、
残部がNiおよび不可避的不純物からなるCr基合金であることが望まれる。
本発明におけるCr基合金は、Nb系炭化物を形成することにより、高い耐食性と耐摩耗性とを兼ね備え、かつ低コストのCr基合金である。
以下、肉盛部22或いは被覆部23を構成するCr基合金の好適な化学組成(各成分)について説明する。それぞれの元素の含有量は特に規定する以外は質量%である。なお、本発明に係るCr基合金は、開示した成分の合計含有量が99質量%超であることが好ましく、例えば、合金の製造工程において混入する不純物など、開示した成分以外の成分の含有量は合計で1質量%未満が好ましい。
Cr:40質量%超65質量%以下
Cr成分は、本発明のCr基合金弁の最大含有率成分であり、Coよりも安価であることから従来のCo基合金よりも材料コストを低減できる利点がある。また、Crを最大含有率成分とすることで、Cr基合金弁の表面に不動態の酸化被膜が形成し易くなって耐食性が向上する作用効果もある。
Cr含有率は、40質量%超が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。Cr含有率を40質量%超とすることにより、コスト低減を図ると共に、耐食性向上の作用効果を十分に発揮させることができる。一方、Cr含有率を65質量%以下とすることで、合金の融点が高くなり過ぎてCr基合金弁の製造性が悪化する(製造コストが増大する)ことを避けることができるため、Cr含有量は65質量%以下が好ましい。
Cr成分は、本発明のCr基合金弁の最大含有率成分であり、Coよりも安価であることから従来のCo基合金よりも材料コストを低減できる利点がある。また、Crを最大含有率成分とすることで、Cr基合金弁の表面に不動態の酸化被膜が形成し易くなって耐食性が向上する作用効果もある。
Cr含有率は、40質量%超が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。Cr含有率を40質量%超とすることにより、コスト低減を図ると共に、耐食性向上の作用効果を十分に発揮させることができる。一方、Cr含有率を65質量%以下とすることで、合金の融点が高くなり過ぎてCr基合金弁の製造性が悪化する(製造コストが増大する)ことを避けることができるため、Cr含有量は65質量%以下が好ましい。
Ni:15質量%以上40質量%以下
Ni成分は、本発明のCr基合金弁の母相(フェライト相、またはフェライト相とオーステナイト相との混相)を構成する主要成分の1つであり、母相の延性・靱性の向上に寄与する成分である。
Ni含有率は、上述したCr含有率よりも低くかつ後述するFe含有率よりも高いことが好ましい。具体的にはNi含有率は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。Ni含有率を15質量%以上とすることで、Cr基合金弁の延性・靱性を十分に確保できる。一方、Ni含有率を40質量%以下とすることで、Cr基合金弁の耐摩耗性を高く保てることから、Ni含有率は40質量%以下が好ましい。
Ni成分は、本発明のCr基合金弁の母相(フェライト相、またはフェライト相とオーステナイト相との混相)を構成する主要成分の1つであり、母相の延性・靱性の向上に寄与する成分である。
Ni含有率は、上述したCr含有率よりも低くかつ後述するFe含有率よりも高いことが好ましい。具体的にはNi含有率は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。Ni含有率を15質量%以上とすることで、Cr基合金弁の延性・靱性を十分に確保できる。一方、Ni含有率を40質量%以下とすることで、Cr基合金弁の耐摩耗性を高く保てることから、Ni含有率は40質量%以下が好ましい。
Fe:0質量%超30質量%以下
Fe成分も、本発明のCr基合金弁の母相を構成する主要成分の1つであり、靭性や硬さの確保に寄与する成分である。
Fe含有率は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17質量%以下が更に好ましい。Fe含有率を30質量%以下とすることで、脆性の金属間化合物であるσ相(FeCr相を基本とする金属間化合物相)が生成されることを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性が著しく低下する(いわゆるσ相脆化)ことを避けることができる。一方、Cr基合金弁の中にFe成分を全く含まないものとしない(Fe含有率が0質量%)ことにより、Cr基合金弁の耐摩耗性を保てることから、Cr基合金弁の中のFe含有率は10質量%以上がより好ましい。
Fe成分も、本発明のCr基合金弁の母相を構成する主要成分の1つであり、靭性や硬さの確保に寄与する成分である。
Fe含有率は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17質量%以下が更に好ましい。Fe含有率を30質量%以下とすることで、脆性の金属間化合物であるσ相(FeCr相を基本とする金属間化合物相)が生成されることを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性が著しく低下する(いわゆるσ相脆化)ことを避けることができる。一方、Cr基合金弁の中にFe成分を全く含まないものとしない(Fe含有率が0質量%)ことにより、Cr基合金弁の耐摩耗性を保てることから、Cr基合金弁の中のFe含有率は10質量%以上がより好ましい。
Nb:5質量%以上16質量%以下
Nb成分は、後述するC成分と化合してNb炭化物相(例えばNbC相)を生成・析出し、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上に寄与する重要な成分である。また、母相中に固溶したNb成分は、靭性の向上に寄与する作用効果もある。
Nb含有率は、5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましい。Nb含有率を5質量%以上とすることで、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を図る。一方、Nb含有率は、16質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。Nb含有率を16質量%以下とすることで、Cr基合金弁の延性・靱性を十分にする。
また、Nb含有率は、後述するC含有率との質量比C/Nbが0.11以上0.16以下であることが好ましく、0.12以上0.14以下がより好ましい。質量比C/Nbを0.11以上とすることで、Nb炭化物相の生成量が不足することを避け、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上の作用効果が不十分になることを避けることができる。質量比C/Nbを0.16以下とすることで、過剰のC成分がCr炭化物相(例えばCr7C3相、Cr23C6相)を生成・析出させることを防ぎ、Cr基合金弁の耐食性の向上を担保することができる。
Nb成分は、後述するC成分と化合してNb炭化物相(例えばNbC相)を生成・析出し、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上に寄与する重要な成分である。また、母相中に固溶したNb成分は、靭性の向上に寄与する作用効果もある。
Nb含有率は、5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましい。Nb含有率を5質量%以上とすることで、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を図る。一方、Nb含有率は、16質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。Nb含有率を16質量%以下とすることで、Cr基合金弁の延性・靱性を十分にする。
また、Nb含有率は、後述するC含有率との質量比C/Nbが0.11以上0.16以下であることが好ましく、0.12以上0.14以下がより好ましい。質量比C/Nbを0.11以上とすることで、Nb炭化物相の生成量が不足することを避け、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上の作用効果が不十分になることを避けることができる。質量比C/Nbを0.16以下とすることで、過剰のC成分がCr炭化物相(例えばCr7C3相、Cr23C6相)を生成・析出させることを防ぎ、Cr基合金弁の耐食性の向上を担保することができる。
C:0.6質量%以上2.5質量%以下
C成分は、上述したNb成分と化合してNb炭化物相を生成・析出し、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上に寄与する重要な成分である。また、C成分は、母相中に固溶してもCr基合金弁の硬化に寄与する作用効果もある。
C含有率は、0.6質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましい。C含有率を0.6質量%以上とすることで、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を保つ。一方、C含有率は、2.5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。C含有率を2.5質量%以下とすることで、Cr炭化物相を過剰に生成・析出させて、Cr基合金弁の耐食性を確保することができる。
また、上述したように、C含有率は、Nb含有率との質量比C/Nbが0.11以上0.16以下であることが好ましく、0.12以上0.14以下がより好ましい。
C成分は、上述したNb成分と化合してNb炭化物相を生成・析出し、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上に寄与する重要な成分である。また、C成分は、母相中に固溶してもCr基合金弁の硬化に寄与する作用効果もある。
C含有率は、0.6質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましい。C含有率を0.6質量%以上とすることで、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を保つ。一方、C含有率は、2.5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。C含有率を2.5質量%以下とすることで、Cr炭化物相を過剰に生成・析出させて、Cr基合金弁の耐食性を確保することができる。
また、上述したように、C含有率は、Nb含有率との質量比C/Nbが0.11以上0.16以下であることが好ましく、0.12以上0.14以下がより好ましい。
Ti:0.1質量%以上0.9質量%以下
Ti成分は、Cr基合金弁の内部の酸素と化合して微細なTi酸化物粒子を形成し、正の作用効果に寄与しない余剰分の酸素を捕捉・安定化する役割(いわゆる、脱酸素の役割)を担う成分である。加えて、分散形成したTi酸化物粒子は、Nb炭化物相の生成の起点(種)として機能し、Nb炭化物相の微細分散析出に貢献する作用効果がある。なお、本発明は、Ti成分の一部が炭化物(例えばTiCや(Nb、Ti)C)を形成する可能性があることを否定するものではない。
Ti含有率は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。Ti含有率を0.1質量%以上とすることで、Ti酸化物粒子の生成量が不足することを避けて、Nb炭化物相の微細分散析出が不十分になる(大きい塊状のNb炭化物相粒子が析出し易くなる)ことを避け、その結果、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を十分に担保する。一方、Ti含有率は、0.9質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。Ti含有率を0.9質量%以下とすることで、Ti酸化物粒子が粗大化し易くなることを抑制し、Nb炭化物相と共にCr基合金弁の凝固表面に偏在し易くなることを抑制して、Cr基合金弁の耐食性や耐摩耗性の向上を確実に図ることができる。
また、Ti含有率は、前述したNb含有率との質量比Ti/Nbが0.0062以上0.063以下であることが好ましく、0.01以上0.05以下がより好ましい。質量比Ti/Nbを0.0062以上とすることで、塊状のNb炭化物相粒子が粗大化し易くなることを抑制する。質量比Ti/Nbを0.063以下とすることで、Ti酸化物粒子が粗大化し易くなることを抑制し、Nb炭化物相と共にCr基合金弁の凝固表面に偏在し易くなることを抑制することができる。
Ti成分は、Cr基合金弁の内部の酸素と化合して微細なTi酸化物粒子を形成し、正の作用効果に寄与しない余剰分の酸素を捕捉・安定化する役割(いわゆる、脱酸素の役割)を担う成分である。加えて、分散形成したTi酸化物粒子は、Nb炭化物相の生成の起点(種)として機能し、Nb炭化物相の微細分散析出に貢献する作用効果がある。なお、本発明は、Ti成分の一部が炭化物(例えばTiCや(Nb、Ti)C)を形成する可能性があることを否定するものではない。
Ti含有率は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。Ti含有率を0.1質量%以上とすることで、Ti酸化物粒子の生成量が不足することを避けて、Nb炭化物相の微細分散析出が不十分になる(大きい塊状のNb炭化物相粒子が析出し易くなる)ことを避け、その結果、Cr基合金弁の硬化・耐摩耗性向上を十分に担保する。一方、Ti含有率は、0.9質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。Ti含有率を0.9質量%以下とすることで、Ti酸化物粒子が粗大化し易くなることを抑制し、Nb炭化物相と共にCr基合金弁の凝固表面に偏在し易くなることを抑制して、Cr基合金弁の耐食性や耐摩耗性の向上を確実に図ることができる。
また、Ti含有率は、前述したNb含有率との質量比Ti/Nbが0.0062以上0.063以下であることが好ましく、0.01以上0.05以下がより好ましい。質量比Ti/Nbを0.0062以上とすることで、塊状のNb炭化物相粒子が粗大化し易くなることを抑制する。質量比Ti/Nbを0.063以下とすることで、Ti酸化物粒子が粗大化し易くなることを抑制し、Nb炭化物相と共にCr基合金弁の凝固表面に偏在し易くなることを抑制することができる。
Mn:2質量%以下
Mn成分は、Cr基合金弁の任意成分であり、硫黄や酸素と化合して該化合物の微細粒子を形成し、正の作用効果に寄与しない余剰分の硫黄や酸素を捕捉・安定化する役割(いわゆる、脱硫・脱酸素の役割)を担う成分である。硫黄や酸素を捕捉・安定化することにより、Cr基合金弁の腐食性や延性・靭性の向上に寄与する。
Mnは必須成分ではないが(含有率0質量%でもよいが)、Mn含有の作用効果を確実に発揮させるには、Mn含有率は0.05質量%以上が好ましい。一方、Mn含有率は、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。Mn含有率を2質量%以下とすることで、硫化物(例えばMnS)の粗大粒子を形成してCr基合金弁の耐食性や延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
Mn成分は、Cr基合金弁の任意成分であり、硫黄や酸素と化合して該化合物の微細粒子を形成し、正の作用効果に寄与しない余剰分の硫黄や酸素を捕捉・安定化する役割(いわゆる、脱硫・脱酸素の役割)を担う成分である。硫黄や酸素を捕捉・安定化することにより、Cr基合金弁の腐食性や延性・靭性の向上に寄与する。
Mnは必須成分ではないが(含有率0質量%でもよいが)、Mn含有の作用効果を確実に発揮させるには、Mn含有率は0.05質量%以上が好ましい。一方、Mn含有率は、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。Mn含有率を2質量%以下とすることで、硫化物(例えばMnS)の粗大粒子を形成してCr基合金弁の耐食性や延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
不純物:合計1質量%以下
本発明のCr基合金弁における代表的な不純物としては、N、O、P、SおよびTaが挙げられる。次に、これら不純物について簡単に説明する。なお、Coについては、不可避的不純物として含まれる水準とし、意図的な添加等は行わないものとする。
本発明のCr基合金弁における代表的な不純物としては、N、O、P、SおよびTaが挙げられる。次に、これら不純物について簡単に説明する。なお、Coについては、不可避的不純物として含まれる水準とし、意図的な添加等は行わないものとする。
N:0.04質量%以下
N成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して窒化物相(例えば、Cr窒化物相)の粗大粒子を形成した場合に、Cr基合金弁の機械的特性(例えば、延性、靱性)を低下させる不純物成分である。一方、N含有率を0.04質量%以下に制御することで、母相中に固溶したり窒化物相の微細粒子を形成したりすることが可能になり、機械的特性(例えば、硬さ)を向上させる作用効果もある。
N成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して窒化物相(例えば、Cr窒化物相)の粗大粒子を形成した場合に、Cr基合金弁の機械的特性(例えば、延性、靱性)を低下させる不純物成分である。一方、N含有率を0.04質量%以下に制御することで、母相中に固溶したり窒化物相の微細粒子を形成したりすることが可能になり、機械的特性(例えば、硬さ)を向上させる作用効果もある。
O:0.02質量%以下
O成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して酸化物相(例えば、Fe酸化物)の粗大粒子を形成した場合に、Cr基合金弁の機械的特性(例えば、延性、靱性)を低下させる不純物成分である。一方、O含有率を0.02質量%以下に制御することで、酸化物相の微細粒子を形成することが可能になり、機械的特性(例えば、硬さ)を向上させる作用効果もある。
O成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して酸化物相(例えば、Fe酸化物)の粗大粒子を形成した場合に、Cr基合金弁の機械的特性(例えば、延性、靱性)を低下させる不純物成分である。一方、O含有率を0.02質量%以下に制御することで、酸化物相の微細粒子を形成することが可能になり、機械的特性(例えば、硬さ)を向上させる作用効果もある。
P:0.04質量%以下
P成分は、Cr基合金弁の結晶粒界に偏析し易く、機械的特性(例えば、延性、靱性)や結晶粒界の耐食性を低下させる不純物成分である。P含有率を0.04質量%以下に制御することで、それらの負の影響を抑制することができる。
P成分は、Cr基合金弁の結晶粒界に偏析し易く、機械的特性(例えば、延性、靱性)や結晶粒界の耐食性を低下させる不純物成分である。P含有率を0.04質量%以下に制御することで、それらの負の影響を抑制することができる。
S:0.005質量%以下
S成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して比較的低融点の硫化物(例えば、Fe硫化物)を生成し易く、Cr基合金弁の機械的特性や耐食性を低下させる不純物成分である。S含有率を0.005質量%以下に制御することで、それらの負の影響を抑制することができる。
S成分は、Cr基合金材料の構成成分と化合して比較的低融点の硫化物(例えば、Fe硫化物)を生成し易く、Cr基合金弁の機械的特性や耐食性を低下させる不純物成分である。S含有率を0.005質量%以下に制御することで、それらの負の影響を抑制することができる。
Ta:0.2質量%以下
Ta成分は、ニオブ鉱(例えば、パイロクロア)に含まれる成分の一種であり、Nb原料に混入し易い不純物成分である。Ta含有率が0.2質量%以下であれば、特段の悪影響はない。言い換えると、Ta成分は、積極的に含有させる成分ではないが、0.2質量%以下の含有は許容される成分である。
Ta成分は、ニオブ鉱(例えば、パイロクロア)に含まれる成分の一種であり、Nb原料に混入し易い不純物成分である。Ta含有率が0.2質量%以下であれば、特段の悪影響はない。言い換えると、Ta成分は、積極的に含有させる成分ではないが、0.2質量%以下の含有は許容される成分である。
追加的任意成分
前述したように、本発明のCr基合金弁は、追加的任意成分として、Cu、Si、Sn、Alの一種以上を更に含んでもよい。次に、これら追加的任意成分について簡単に説明する。
前述したように、本発明のCr基合金弁は、追加的任意成分として、Cu、Si、Sn、Alの一種以上を更に含んでもよい。次に、これら追加的任意成分について簡単に説明する。
Cu:0.1質量%以上5質量%以下
Cu成分は、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、耐食性の向上に寄与する成分である。Cuを含有する場合、その含有率は0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。Cu含有率を0.1質量%以上とすることで、Cuに基づく作用効果が明確化させることができる。一方、Cu含有率を5質量%以下とすることで、Cu析出物が生成し易くなることを避け、Cr基合金弁の延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
Cu成分は、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、耐食性の向上に寄与する成分である。Cuを含有する場合、その含有率は0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。Cu含有率を0.1質量%以上とすることで、Cuに基づく作用効果が明確化させることができる。一方、Cu含有率を5質量%以下とすることで、Cu析出物が生成し易くなることを避け、Cr基合金弁の延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
Si:0.1質量%以上1質量%以下
Si成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、脱酸素の役割を担う成分である。Siを含有する場合、その含有率は、0.1質量%以上1質量%以下が好ましい。Si含有率を0.1質量%以上とすることで、Siに基づく作用効果を明確化することができる。一方、Si含有率を1質量%以下とすることで、酸化物(例えばSiO2)の粗大粒子の形成を抑制し、Cr基合金弁の延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
Si成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、脱酸素の役割を担う成分である。Siを含有する場合、その含有率は、0.1質量%以上1質量%以下が好ましい。Si含有率を0.1質量%以上とすることで、Siに基づく作用効果を明確化することができる。一方、Si含有率を1質量%以下とすることで、酸化物(例えばSiO2)の粗大粒子の形成を抑制し、Cr基合金弁の延性・靭性の低下要因になることを避けることができる。
Sn:0.02質量%以上0.3質量%以下
Sn成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、被覆層表面の不動態皮膜強化の役割を担い、耐食性(例えば、塩化物イオンや酸性の腐食環境に対する耐性)の向上に寄与する成分である。Snを含有する場合、その含有率は、0.02質量%以上0.3質量%以下が好ましい。Sn含有率を0.02質量%以上とすることで、Snに基づく作用効果を明確化することができる。一方、Sn含有率を0.3質量%以下とすることで、Sn成分の粒界偏析が生じることを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性の低下要因になることを避けることができる。
Sn成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、被覆層表面の不動態皮膜強化の役割を担い、耐食性(例えば、塩化物イオンや酸性の腐食環境に対する耐性)の向上に寄与する成分である。Snを含有する場合、その含有率は、0.02質量%以上0.3質量%以下が好ましい。Sn含有率を0.02質量%以上とすることで、Snに基づく作用効果を明確化することができる。一方、Sn含有率を0.3質量%以下とすることで、Sn成分の粒界偏析が生じることを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性の低下要因になることを避けることができる。
Al:0.005質量%以上0.05質量%以下
Al成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、MnやSiと組み合わせることで脱酸素作用の向上に寄与する成分である。Alを含有する場合、その含有率は、0.005質量%以上0.05質量%以下が好ましい。Al含有率が0.005質量%以上とすることで、Alによる作用効果を明確化することができる。一方、Al含有率を0.05質量%以下とすることで、酸化物や窒化物(例えば、Al2O3やAlN)の粗大粒子を形成することを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性の低下要因になることを避けることができる。
Al成分も、Cr基合金弁における追加的任意成分の1つであり、MnやSiと組み合わせることで脱酸素作用の向上に寄与する成分である。Alを含有する場合、その含有率は、0.005質量%以上0.05質量%以下が好ましい。Al含有率が0.005質量%以上とすることで、Alによる作用効果を明確化することができる。一方、Al含有率を0.05質量%以下とすることで、酸化物や窒化物(例えば、Al2O3やAlN)の粗大粒子を形成することを抑制し、Cr基合金弁の延性・靱性の低下要因になることを避けることができる。
以上、説明した合金は合金粉末10に成形し、肉盛溶接するのが好適である。溶融した本発明の合金を不活性ガスの高速気流中に導入して粉砕するガスアトマイズによって粉体化し、PTA(Plasma transfer arc)肉盛溶接装置により施工してもよい。PTA肉盛溶接装置では通常、溶接トーチ先端の施工部までの管路を流動させて粉末を搬送するため、粉末がスムーズに移動する必要がある。これに対して、ガスアトマイズで得られる粉末は球状であり、流動性が良好となるので好ましい。また、粉体化した本発明の合金を粉末冶金法によって棒状の粉末冶金成形体に焼結したものを溶接棒として使用することもできる。
[耐摩耗性部材20,20Aの活用方法の例]
上記のようにして製造した耐摩耗性部材20,20Aは、耐食性と耐摩耗性を両立することができる。その結果、本発明の耐摩耗性部材20,20Aは、厳しい腐食環境および摩耗環境下において用いられる種々の部材として好適に利用できる。当該適用部材としては、BWR(Boiling Water Reactor)プラントにおける玉形弁、仕切弁など、PWR(Pressurized water reactor)プラントにおける玉形弁、仕切弁などが挙げられる。前述の部材のうち、特に仕切弁への適用が好ましい。
上記のようにして製造した耐摩耗性部材20,20Aは、耐食性と耐摩耗性を両立することができる。その結果、本発明の耐摩耗性部材20,20Aは、厳しい腐食環境および摩耗環境下において用いられる種々の部材として好適に利用できる。当該適用部材としては、BWR(Boiling Water Reactor)プラントにおける玉形弁、仕切弁など、PWR(Pressurized water reactor)プラントにおける玉形弁、仕切弁などが挙げられる。前述の部材のうち、特に仕切弁への適用が好ましい。
図2及び図3は、本発明の耐摩耗性部材の一例であり、仕切弁30の模式図である。仕切弁30においては、弁体32及び弁座部31のうち、それぞれの相対する接触部に肉盛施工によりCr基合金からなる被覆層35が形成されている。
図4及び図5は、本発明の耐摩耗性部材の他の一例であり、玉形弁40の模式図である。玉形弁40においては、弁体42及び弁座部41のうち、それぞれの相対する接触部に肉盛施工によりCr基合金からなる被覆層45が形成されている。
図6及び図7は、本発明の耐摩耗性部材の更に他の一例であり、逆止弁50の模式図である。逆止弁50においては、弁体52及び弁座部51のうち、それぞれの相対する接触部に肉盛施工によりCr基合金からなる被覆層55が形成されている。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験1]
(実施例1~3の試験体の作製)
肉盛溶接のため、表1(PTA肉盛溶接に用いたガスアトマイズ粉の合金組成を示す表である。)の合金組成を有するガスアトマイズ粉を用意した。
(実施例1~3の試験体の作製)
肉盛溶接のため、表1(PTA肉盛溶接に用いたガスアトマイズ粉の合金組成を示す表である。)の合金組成を有するガスアトマイズ粉を用意した。
PTA肉盛溶接にはFronius社製MagicWave 4000 MVを用いた。PTA溶接ノズル部はロボットによって保持し、粉末の供給量はパウダーホッパーのフィーダ回転数で制御した。また、基材は弁座等で使用される炭素鋼SGV410とし、肉盛溶接は電流値を設定した一定値とする定電流条件で行った。この時、粉末の重量当たりの入熱量は10~30kJ/gの範囲で制御し、試験体1~試験体3の3個を作製した。
図8は作製した試験体3の外観写真である。試験体は基材と、基材中央に肉盛溶接した肉盛部からなり、肉盛溶接は重なるように多層肉盛りを実施した。
(試験体の特性評価方法)
(1)希釈率測定
希釈率の測定には、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析装置SEM-EDX(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S-4300SE)を用いた。肉盛溶接では肉盛部に基材が溶け込むことで希釈される。本発明における希釈率は、EDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)分析値から基材の主たる成分である鉄の増加分を算出し、肉盛材と基材の成分比から、肉盛部への基材の混入率を算出し、希釈率とした。この時、基材の鉄含有率は100%として計算した。
(1)希釈率測定
希釈率の測定には、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析装置SEM-EDX(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S-4300SE)を用いた。肉盛溶接では肉盛部に基材が溶け込むことで希釈される。本発明における希釈率は、EDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)分析値から基材の主たる成分である鉄の増加分を算出し、肉盛材と基材の成分比から、肉盛部への基材の混入率を算出し、希釈率とした。この時、基材の鉄含有率は100%として計算した。
図9は本発明における試験体3の断面の外観写真である。この肉盛断面部を表面から深さ方向に1mm間隔でEDXにより分析した。
図10乃至図12はそれぞれ試験体1~3の分析結果である。いずれの試験体でも、表面からの距離が0mm、すなわち肉盛表面付近では希釈率が少なく、基材側になるに従って希釈率が増大する一般的な傾向が確認できる。試験体1~3は肉盛条件が異なるため、それぞれ希釈率が異なる。
(2)硬さ評価
弁では開閉の際に、弁体と弁座との接触面に大きな荷重を加えながら摺動する。このため摺動面には高硬度特性を有する方が好ましい。弁の肉盛部においては、ビッカース硬さ400HV以上が良く、500HV以上が好ましく、600HV以上がさらに好ましい。
弁では開閉の際に、弁体と弁座との接触面に大きな荷重を加えながら摺動する。このため摺動面には高硬度特性を有する方が好ましい。弁の肉盛部においては、ビッカース硬さ400HV以上が良く、500HV以上が好ましく、600HV以上がさらに好ましい。
そこで、前述の希釈率と硬さの関係を調査するため、ビッカース硬さ試験を実施した。試験はJIS Z 2244のビッカース硬さ試験の測定に従い室温にて実施した。試験力は1kgfとし、10秒間保持した。図7では本発明における試験体3の断面の外観写真である。この肉盛材断面を鏡面研磨し、表面から深さ方向に1mm間隔で硬さを測定した。図13乃至図15はそれぞれ試験体1~3の分析結果である。これら図13乃至図15に示すように、最表面が最も硬いこと、また表面付近では硬さが高いことが判った。また、基材21側に近づくほど硬さが低下することが確認できた。
希釈率と硬さとの関係を比較するため、図16乃至図18に試験体1~3の希釈率と硬さとの関係を示した。これら図16乃至図18に示すように、傾向として、希釈率が低いほど硬さが大きく、希釈率の増加に伴って硬さが低下したことが判った。
特に、希釈率20%以下ではビッカース硬さ400HV以上の良好な硬度特性が得られた。希釈率13%以下でビッカース硬さ500HV以上、希釈率6%以下で600HV以上の高硬度特性を得た。以上の結果から、Cr基合金弁の希釈率は20%以下が良く、13%以下が好ましく、6%以下がさらに好ましい。一方で、弁の摺動特性は実際に摺動する肉盛表面部の硬さが重要であることから、肉盛部表層以外の希釈率は20%超でも良く、図10乃至図18の結果から、肉盛部22或いは被覆部23は、肉盛部22或いは被覆部23の形成前の合金粉末10に対する肉盛部22或いは被覆部23中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの肉盛部22或いは被覆部23と基材21との成分比から決定される肉盛部22或いは被覆部23への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から肉盛部22或いは被覆部23の表面にかけて、95%以下であり、勾配を有している必要があることが判る。
[実験2]
(実施例4~7の試験体の作製)
実験1と同様に、表1の合金組成を有するガスアトマイズ粉を用いて、PTA肉盛溶接を実施した。基材は炭素鋼SGV410とし、肉盛溶接は電流値を設定した一定値とする定電流条件で行った。この時、粉末の重量当たりの入熱量は10~30kJ/gの範囲で制御し、試験体4~試験体7の4個を作製した。試験体4~7は、単層の肉盛溶接とした。肉盛溶接後、後述の腐食試験のため長さ20mm、幅10mm、厚み2mmの試験体を加工した。
(実施例4~7の試験体の作製)
実験1と同様に、表1の合金組成を有するガスアトマイズ粉を用いて、PTA肉盛溶接を実施した。基材は炭素鋼SGV410とし、肉盛溶接は電流値を設定した一定値とする定電流条件で行った。この時、粉末の重量当たりの入熱量は10~30kJ/gの範囲で制御し、試験体4~試験体7の4個を作製した。試験体4~7は、単層の肉盛溶接とした。肉盛溶接後、後述の腐食試験のため長さ20mm、幅10mm、厚み2mmの試験体を加工した。
(1)希釈率測定
実験1と同様に希釈率の測定には、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析装置SEM-EDX(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S-4300SE)を用いた。実験2における希釈率は、試験体4~7から加工した腐食試験体の表面4か所をEDX分析し、4か所の平均値から基材の主たる成分である鉄の増加分を算出し、肉盛材と基材の成分比から、肉盛部への基材の混入率を算出し、希釈率とした。この時、基材の鉄含有率は100%として計算した。
実験1と同様に希釈率の測定には、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分析装置SEM-EDX(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S-4300SE)を用いた。実験2における希釈率は、試験体4~7から加工した腐食試験体の表面4か所をEDX分析し、4か所の平均値から基材の主たる成分である鉄の増加分を算出し、肉盛材と基材の成分比から、肉盛部への基材の混入率を算出し、希釈率とした。この時、基材の鉄含有率は100%として計算した。
その結果、試験体4~7の希釈率はそれぞれ6.8%、16.7%、28.5%、40.2%であった。
(3)腐食試験
耐食性を評価するため、高温高圧水中腐食試験を実施した。試験には高温高圧水中腐食試験には東伸工業株式会社製オートクレーブを用いた。試験体は肉盛部を長さ20mm、幅10mm、厚み2mmに加工したものを用いた。試験条件は288℃、圧力8.3MPaとし、1500時間の浸漬試験を行った。
耐食性を評価するため、高温高圧水中腐食試験を実施した。試験には高温高圧水中腐食試験には東伸工業株式会社製オートクレーブを用いた。試験体は肉盛部を長さ20mm、幅10mm、厚み2mmに加工したものを用いた。試験条件は288℃、圧力8.3MPaとし、1500時間の浸漬試験を行った。
図19は腐食試験後の外観写真である。この図19に示すように、試験体4および5は腐食試験後も金属光沢を有しており、良好な耐食性を示した。一方で、試験体6および7は試験体表面を覆うように腐食生成物が生じた。試験体1および2は希釈率16.7%以下であり、試験体6および7は希釈率28.5%以上であったことから、希釈率16.7%以下とすることで良好な耐食性が得られると考えられる。
[弁に適した肉盛部の希釈率]
実験1および実験2から希釈率が低いほど硬さ、および耐食性に優れることを確認した。希釈率と特性の関係を整理するため、希釈率と硬さ、および耐食性の関係を表2に示した。
実験1および実験2から希釈率が低いほど硬さ、および耐食性に優れることを確認した。希釈率と特性の関係を整理するため、希釈率と硬さ、および耐食性の関係を表2に示した。
硬さは600HV以上を優秀、600HV未満500HV以上を良、500HV未満400HV以上を可、400HV未満、或いは400HV以上であることを確認できなかった希釈率を不可とした。耐食性は、腐食試験後に金属光沢を有していた場合に良、腐食生成物に覆われていた場合に可とした。
Cr基合金弁に特に高い硬さを持たせたい場合は希釈率20%以下がよく、13%以下が好ましく、6%以下がさらに好ましい。またCr基合金弁を腐食環境で用いる場合は希釈率16%以下が好ましい。
一方で、PTA肉盛溶接による肉盛部の基材による希釈は不可避であることから、弁の最表面以外は希釈率が大きくても問題無く、希釈率40%を超えても良い。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本実施例の基材21と、その基材21の表面側に形成されたCr基合金材料からなる肉盛部22と、を備える耐摩耗性部材20、或いは、基材21と、その基材21の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆部23と、を備える耐摩耗性部材20Aでは、肉盛部22或いは被覆部23は、肉盛部22或いは被覆部23の形成前の合金粉末10に対する肉盛部22或いは被覆部23中の基材21の主たる成分の増加分を求めたときの肉盛部22或いは被覆部23と基材21との成分比から決定される肉盛部22或いは被覆部23への基材21の混入率で決定される希釈率が、基材21側から肉盛部22或いは被覆部23の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、肉盛部22或いは被覆部23の最表面は、希釈率が20%以下である。
よって、耐食性と硬度の優れた耐摩耗性部材20,20Aとできることから、Co溶出を従来に比べて低減し、長寿命化及びメンテナンス時間の低減を達成し、作業員の被ばく低減を実現することができる。また、Cr基合金を使用する事で従来材よりも低コスト化を提供することが可能となる。
また、肉盛部22或いは被覆部23は、2層以上の肉盛部から構成され、最も基材21側の肉盛部を除く肉盛部22或いは被覆部23の希釈率が20%以下であるため、最表面側に硬度及び耐食性の高い層を確実に形成することができる。
更に、最表面の希釈率が、16%以下であることで、耐食性に非常に優れた肉盛部22或いは被覆部23とすることができる。
また、肉盛部22或いは被覆部23は、希釈率が16%以下の領域を最表面から2mm以上有していることにより、耐摩耗性部材20,20Aの使用に伴う摩耗などが生じたとしても十分な耐食性、硬度の高い層を最表面側に長期間にわたって保つことができ、より長寿命化を図ることができる。
<その他>
なお、本発明は上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
なお、本発明は上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
10…合金粉末(素材)
20,20A…耐摩耗性部材
21…基材
22…肉盛部(被覆層)
23…被覆部(被覆層)
30…仕切弁
31,41,51…弁座部
32,42,52…弁体
35,45,55…被覆層
40…玉形弁
50…逆止弁
20,20A…耐摩耗性部材
21…基材
22…肉盛部(被覆層)
23…被覆部(被覆層)
30…仕切弁
31,41,51…弁座部
32,42,52…弁体
35,45,55…被覆層
40…玉形弁
50…逆止弁
Claims (6)
- 炭素鋼からなる基材と、
前記基材の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆層と、を備える耐摩耗性部材であって、
前記被覆層は、前記被覆層の形成前の素材に対する前記被覆層中の前記基材の主たる成分の増加分を求めたときの前記被覆層と前記基材との成分比から決定される前記被覆層への前記基材の混入率で決定される希釈率が、前記基材側から前記被覆層の表面にかけて、95%以下の範囲で勾配を有しており、
前記被覆層の最表面は、前記希釈率が20%以下である
耐摩耗性部材。 - 請求項1に記載の耐摩耗性部材において、
前記被覆層は、2層以上の肉盛部から構成され、
最も前記基材側の前記肉盛部を除く前記被覆層の前記希釈率が20%以下である
耐摩耗性部材。 - 請求項1に記載の耐摩耗性部材において、
前記最表面の前記希釈率が、16%以下である
耐摩耗性部材。 - 請求項3に記載の耐摩耗性部材において、
前記被覆層は、前記希釈率が16%以下の領域を前記最表面から2mm以上有している
耐摩耗性部材。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耐摩耗性部材において、
前記耐摩耗性部材が、摺動部材またはバルブ部材である
耐摩耗性部材。 - 炭素鋼からなる基材と、
前記基材の表面側に形成されたCr基合金材料からなる被覆層と、を備える耐摩耗性部材の製造方法であって、
前記被覆層を、
前記被覆層の形成前の素材に対する前記被覆層中の前記基材の主たる成分の増加分を求めたときの前記被覆層と前記基材との成分比から決定される前記被覆層への前記基材の混入率で決定される希釈率を、前記基材側から前記被覆層の表面にかけて95%以下の範囲で勾配を有しており、
前記被覆層の最表面の前記希釈率が20%以下
となるように形成する
耐摩耗性部材の製造方法。
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