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JP2025019786A - ガス噴出装置及び、酸化チタン粉末の製造方法 - Google Patents

ガス噴出装置及び、酸化チタン粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡易な構造で、酸化チタン粉末の比表面積を増大させることができるガス噴出装置及び、酸化チタン粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】この発明のガス噴出装置1は、気相中にてハロゲン化チタンガスGtから酸化チタン粉末を生成させる反応に用いられるものであって、内部に、ハロゲン化チタンガスGt及び反応用ガスGrを含む複数種類のガスを個別に流す各ガス流路が設けられ、各噴出口6から前記複数種類のガスを噴出させるノズル3を備え、前記ガス流路が、互いに隣接して位置するハロゲン化チタンガス流路4及び反応用ガス流路5を有し、前記ノズル3の噴出口6にて、ハロゲン化チタンガスGtの噴出方向に対し、反応用ガスGrの噴出方向をハロゲン化チタンガスGt側に傾ける方向調整部7が設けられているというものである。
【選択図】図2

Description

この発明は、気相中にてハロゲン化チタンガスから酸化チタン粉末を生成させる反応に用いられるガス噴出装置及び、それを用いる酸化チタン粉末の製造方法に関するものである。
酸化チタン粉末は、高い白色度及び隠蔽性を有する他、光の照射により触媒作用を示し、さらには分散性、耐候性、化学的安定性等の優れた性質を併せ持つ。このため、酸化チタン粉末は、主な用途であった白色顔料や紫外線遮蔽フィラーのみならず、光触媒その他の種々の用途で広く使用されている。
また近年は、酸化チタン粉末の、電子機器ないし部品の分野への展開が急速に進んでいる。たとえば、酸化チタン粉末を原料とするチタン酸バリウムは強誘電体として、積層セラミックコンデンサ(MLCC、Multi-layer Ceramic Capacitor)やPTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient Thermistor)に用いられる。
酸化チタン粉末の製造は、気相中でハロゲン化チタンガスを、水蒸気や酸素ガス、不活性ガス等と混合して反応させ、酸化チタンを生成させる方法、いわゆる気相法により行われる場合がある。この種の技術としては、たとえば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1には、「比表面積が大きく、かつ・・・酸化チタン粉末よりもルチル化率がより低い酸化チタン粉末およびその製造方法を提供すること」を目的として、「四塩化チタン、酸素、水素および水蒸気を予め450~650℃に加熱した後、前記予め加熱した四塩化チタン、酸素、水素および水蒸気を、四塩化チタン1lに対し、酸素ガスを60~90l、水素ガスを60~90l、水蒸気を240~600l供給して、気相反応状態下で反応させることを特徴とするアナターゼ型酸化チタン粉末の製造方法」が提案されている。
特許第4739187号公報
上述したような気相法では、ガス噴出装置のノズルの内部にて、ハロゲン化チタンガス及び、酸素ガスや水蒸気等の反応用ガスを含む複数種類のガスを個別に流し、そのガス流動方向の先端側の噴出口から、それらのガスを噴出させることがある。このとき、ノズルの噴出口から噴出されるハロゲン化チタンガスは、それとともに噴出される反応用ガスと反応し、その反応により酸化チタン粉末になる。
ところで、たとえば電子機器ないし部品の分野等の用途に用いられる酸化チタン粉末は、比表面積がある程度大きい微細なものが求められる場合がある。現状の設備の大幅な変更を要せずに、比表面積の大きな酸化チタン粉末を製造できるようにすることが望まれる。
この発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、その目的は、比較的簡易な構造で、酸化チタン粉末の比表面積を増大させることができるガス噴出装置及び、酸化チタン粉末の製造方法を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、ガス噴出装置のノズルの内部におけるハロゲン化チタンガス流路を狭くした場合、その噴出口から噴出されるハロゲン化チタンガスと反応用ガスとが混合されやすく、反応効率が高まることに着目した。但し、ハロゲン化チタンガス流路を狭くすると、大量生産のために流量をある程度多くすれば、内圧が増加して設備の負荷が大きくなる。これに対し、発明者は、ガス噴出装置のノズルの噴出口で、反応用ガスをハロゲン化チタンガス側に傾けて噴出することにより、ハロゲン化チタンガス流路をそれほど狭くしなくても、反応用ガスとの反応効率が高くなり、比表面積が大きい酸化チタン粉末が得られることを見出した。
この発明のガス噴出装置は、気相中にてハロゲン化チタンガスから酸化チタン粉末を生成させる反応に用いられるものであって、内部に、ハロゲン化チタンガス及び反応用ガスを含む複数種類のガスを個別に流す各ガス流路が設けられ、各噴出口から前記複数種類のガスを噴出させるノズルを備え、前記ガス流路が、互いに隣接して位置するハロゲン化チタンガス流路及び反応用ガス流路を有し、前記ノズルの噴出口にて、ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対し、反応用ガスの噴出方向をハロゲン化チタンガス側に傾ける方向調整部が設けられているというものである。
上記のガス噴出装置では、前記ノズルの内部でのハロゲン化チタンガスの流動方向に直交する断面で、前記ガス流路のうち、少なくとも前記ハロゲン化チタンガス流路及び前記反応用ガス流路が同心円状に配置されていることがある。
この場合、前記ノズルの内部でのハロゲン化チタンガスの流動方向に直交する断面で、前記ハロゲン化チタンガス流路が前記ガス流路の半径方向の中心に位置し、前記反応用ガス流路が、前記ハロゲン化チタンガス流路の周囲を取り囲んで位置することがある。
またこの場合、前記方向調整部は、前記反応用ガス流路を区画する外周側の内面を、ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対し、前記噴出口側に向かうに従って前記ハロゲン化チタンガス流路側に近づく向きに傾斜させた傾斜面を含むことが好ましい。
ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対する前記傾斜面の傾斜角度は、鋭角側で5°~15°であることが好ましい。
上記のガス噴出装置では、前記ハロゲン化チタンガス流路が四塩化チタンガス流路であり、前記反応用ガス流路が水蒸気流路である場合がある。
この発明の酸化チタン粉末の製造方法は、上記のいずれかのガス噴出装置を用いるというものである。
この発明によれば、比較的簡易な構造で、酸化チタン粉末の比表面積を増大させることができる。
この発明の一の実施形態のガス噴出装置を示す、ガス流動方向に沿う断面図である。 図1のガス噴出装置のノズルを含む要部を拡大して示す断面図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 ガス噴出装置のノズルの変形例を示す、図2と同様の断面図である。 比較例のガス噴出装置を示す、図1と同様の断面図である。 実施例及び比較例のそれぞれで得られた酸化チタン粉末の、各希釈率における比表面積を示すグラフである。 実施例及び比較例のそれぞれで得られた酸化チタン粉末の、各希釈率におけるルチル化率を示すグラフである。
以下に図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
(ガス噴出装置)
図1に例示するガス噴出装置1は、所定の高温下にて、ハロゲン化チタンガスGt及び反応用ガスGrを含む複数種類のガスを噴出させることにより、その噴出後に気相中でハロゲン化チタンガスGtを反応用ガスGrと接触させ、ハロゲン化チタンガスGtから酸化チタン粉末を生成させる反応に用いられるものである。ガス噴出装置1は、燃焼バーナーと称され得る。
ガス噴出装置1は、内部にてハロゲン化チタンガスGt及び反応用ガスGrを含む複数種類のガスを流動させる本体部2及びノズル3を備えるものである。本体部2及びノズル3の内部には、複数種類のガスを個別に流すことができるように各ガス流路が設けられており、複数種類のガスは、ノズル3の内部での、図1では上下方向に相当するハロゲン化チタンガスの流動方向(単に「ガス流動方向」ともいう。)の最も先端側(図1では下方側)の噴出口6から外部に噴出される。なお、噴出口6は、複数種類のガスを流す各ガス流路に対応する個数及び位置で、ノズル3の最も先端側に存在する。
ガス流路には、ハロゲン化チタンガスGtを流すハロゲン化チタンガス流路4及び、反応用ガスGrを流す反応用ガス流路5が含まれる。それらのハロゲン化チタンガス流路4及び反応用ガス流路5は、ガス流動方向に直交する断面で隣り合う位置にて、ガス噴出装置1の内部に設けられている。
ここで、図示のガス噴出装置1は、ノズル3の噴出口6にて、図2に矢印で示すように、ハロゲン化チタンガスGtの噴出方向に対し、反応用ガスGrの噴出方向をハロゲン化チタンガスGt側に傾ける方向調整部7が設けられたものである。方向調整部7により、噴出口6から噴出した反応用ガスGrは、その隣のハロゲン化チタンガスGt側に傾いた向きで流れる。
それにより、反応用ガスGrがハロゲン化チタンガスGtと十分に混合し、ハロゲン化チタンガスGtと反応用ガスGrとの反応効率が高まると考えられる。その結果として、ノズル3の前方側の反応領域では、微細で比表面積が大きい酸化チタン粉末を生成させることができる。
なお、気相法で比表面積の大きい酸化チタン粉末を得るには、窒素ガス等の不活性ガスで希釈したハロゲン化チタンガスを上記のノズルの内部に流して噴出口から噴出させ、反応用ガスと反応させる際に粒成長の機会を減らすことも考えられる。但し、ハロゲン化チタンガスを希釈しすぎると、酸化チタン粉末の大量生産を実現するには、ハロゲン化チタンガスの流量を大きく増加させることが必要になり、それに伴って設備の大型化を招く他、酸化チタン粉末の生成後の処理設備での負荷が増大する可能性がある。これに対し、この実施形態では、上述したように、ノズル3の噴出口6で、反応用ガスGrの噴出方向をハロゲン化チタンガスGt側に傾ける方向調整部7を設けるという比較的簡易な構造で、比表面積の大きい酸化チタン粉末を得ることが可能になる。ハロゲン化チタンガスを希釈させてもよいが、それほど高い希釈率で希釈することを要せずに、酸化チタン粉末の比表面積を増大させることができる。
また、方向調整部7で反応用ガスGrをハロゲン化チタンガスGt側に傾けて噴出させることで、それらの反応効率を高めると、理由は必ずしも明確ではないが、TiO2を含有する酸化チタン粉末が、ルチル化率の低いものになる。それ故に、この実施形態は、ルチル化率が低い酸化チタン粉末を製造することに適したものである。
ところで、図示の実施形態では、ガス流動方向に直交する断面で、ハロゲン化チタンガス流路4及び反応用ガス流路5は、ガス噴出装置1のノズル3の内部にて、図3に示すように同心円状に配置されている。特にここでは、ガス流動方向に直交する断面で、ハロゲン化チタンガス流路4は、ガス流路の半径方向の中心に位置し、また、反応用ガス流路5は筒状の空間とし、ハロゲン化チタンガス流路4の周囲を取り囲んでハロゲン化チタンガス流路4の外周側に隣接して位置する。
ハロゲン化チタンガス流路4及び反応用ガス流路5の上記の配置態様を実現するため、このガス噴出装置1は、互いに外径が異なる内筒8及び外筒9をそれぞれ内周側及び外周側に位置させて、同心円状に配置して構成されている。ハロゲン化チタンガス流路4は、内筒8の内周面で区画されており、反応用ガス流路5は、内筒8の外周面(反応用ガス流路5から見て内周側の内面)と、外筒9の内周面(反応用ガス流路5から見て外周側の内面)との間に区画されている。
但し、図示は省略するが、同心円状のハロゲン化チタンガス流路及び反応用ガス流路の中央や、それらの間に、他のガス用のガス流路を設けることも可能である。また図示しないが、ハロゲン化チタンガス流路と、筒状ではない反応用ガス流路とを並列して並べて設けてもよい。そのようなガス流路の配置態様であっても、上述した方向調整部を設けることで、ハロゲン化チタンガスと反応用ガスとの反応効率の向上、それによる酸化チタン粉末の微細化が期待される。
ここでは、反応用ガス流路5を区画する上述の内周側の内面及び外周側の内面のうち、外周側の内面(外筒9の内周面)の噴出口6側の部分を、ハロゲン化チタンガスGtの噴出方向に対し、全周にわたって、噴出口6側に向かうに従ってハロゲン化チタンガス流路4側に近づく向きに傾斜させた傾斜面10としている。そして、方向調整部7は、主として、この傾斜面10を含んで構成されている。傾斜面10により、噴出口6から噴出される反応用ガスGrが、ハロゲン化チタンガスGt側に傾いて噴出されるように案内されるので、反応用ガスGrの噴出方向を有効に調整することができる。
ハロゲン化チタンガスGtの噴出方向に対する傾斜面10の傾斜角度θは、鋭角側で5°~15°とすることが好ましい。傾斜面10の傾斜角度θを大きくしすぎないことにより、傾斜面10に沿って流れる距離を確保し、ガスの向きを確実に変えることができる。また、傾斜面10の傾斜角度θを小さくしすぎないことにより、中心部に反応用ガスGrを速やかに行き渡らせることができる。
図2では、外筒9の内周面における傾斜面10に合わせて、外筒9の外周面も同様に傾斜させて傾斜壁部11とし、外筒9の厚みをガス流動方向のほぼ全体にわたってほぼ一定にしている。他方、図4(a)に示すように、外筒9の外径を一定にすること等によって、外筒9の内周面は傾斜させる一方で、外周面は傾斜しないものとしてもよい。
傾斜面10は、図示の例のように、ガス流動方向に沿う断面で直線状に傾斜するものとすることができる他、図示は省略するが、曲線状もしくは階段状に傾斜するものとしてもよい。
また、外筒9の傾斜面10のガス流動方向に沿う長さLeは、たとえば、噴出口6での外筒9の内径に対して1.8倍~2.0倍とすることができる。外筒9の傾斜面10のガス流動方向に沿う長さLeは、反応用ガス流路5の流路断面積が、傾斜面10を有しない上方側の部分に対して傾斜面10を有する先端側の部分で約1/3になるように決定することがある。
図示の例では、外筒9の上記の傾斜面10に倣って、ノズル3の噴出口6側の部分における内筒8の内周面及び外周面をも半径方向の中心側に傾斜させて、内筒8にも傾斜壁部12を設けている。このように内筒8にも傾斜壁部12を設けることは、噴出口6から噴出されるハロゲン化チタンガスGtの噴出幅ないし径が小さくなり、当該ハロゲン化チタンガスGtの半径方向の中央付近も反応用ガスGrと十分に反応させることができる点で好ましい。
内筒8の傾斜壁部12の傾斜角度は、上記の傾斜面10の傾斜角度θと実質的に同じとすることができる。内筒8の傾斜壁部12のガス流動方向に沿う長さLiは、たとえば噴出口6での内筒8の内径に対して2.1倍~2.2倍とすることができる。内筒8の傾斜壁部12のガス流動方向に沿う長さLiは、ハロゲン化チタンガス流路4の流路断面積が、傾斜壁部12を有しない上方側の部分に対して傾斜壁部12を有する先端側の部分で約1/3になるように決定することがある。
但し、図4(b)に示すように、内筒8は傾斜壁部を設けずに、ノズル3の部分で内外径を一定とすることもできる。
また、上述したようにノズル3自体における反応用ガス流路5の外周側の内面に、傾斜面10を設けることに代えて又は加えて、図4(c)に示すように、ノズル3の噴出口6に、たとえば、噴出口6から噴出される反応用ガスGrをハロゲン化チタンガスGt側に案内する別部材の筒状テーパ部材13を取り付けてもよい。図4(c)では、筒状テーパ部材13の内周面を傾斜面10としているところ、図示は省略するが、外筒9の内径よりも小さい内径の筒状テーパ部材であれば、当該筒状テーパ部材の内径がガス流動方向に一定であっても、噴出口6から噴出される反応用ガスGrをハロゲン化チタンガスGt側に向けることができる。
その他の方向調整部としては、図示しないが、ノズルにおける反応用ガスの噴出口の幅方向ないし半径方向の外側に配置されて、反応用ガスに向けて幅方向ないし半径方向の内向きに不活性ガス等のガスを噴射するガス噴射部を採用することも可能である。ノズルの噴出口から噴出された反応用ガスは、その側方から、ガス噴射部から内向きに噴射したガスが吹き付けられ、それにより、内側に隣接するハロゲン化チタンガス側に傾いて流れることが期待される。但し、上記のガス噴射部からガスを噴射させると、当該ガスで反応用ガスが希釈されてハロゲン化チタンガスとの反応性が低下するおそれがある。この観点からは、先述したように、方向調整部7を傾斜面10で構成することが好ましい。
なお、典型的には、ハロゲン化チタンガス流路4は、ハロゲン化チタンガスGtのなかでも四塩化チタンガスを流す四塩化チタンガス流路とすることができる。また、ハロゲン化チタンガスGtとしては、四フッ化チタン(TiF4)や、四臭化チタン(TiBr4)、四ヨウ化チタン(TiI4)等を用いることも考えられる。また、反応用ガス流路5は、酸素ガスや水蒸気等のうち、反応性の高い水蒸気を流す水蒸気流路とすることが好ましい。図1に示すガス噴出装置1では、ガス流動方向の基端側(図1の上方側)にて外周側から外筒9に接続された供給管14から、反応用ガスGrが反応用ガス流路5に供給される。供給管14が接続された外筒9の基端側の部分は、基端側に向けて内外径が漸減する形状としている。但し、そのような細部の形態は、図示のものに限らない。
(酸化チタン粉末の製造方法)
上述したガス噴出装置1は、気相法にて、四塩化チタン(TiCl4)等のチタン塩化物その他のハロゲン化チタンガスGtから、主としてTiO2を含有する酸化チタン粉末を生成させて製造することに用いることができる。
より詳細には、ハロゲン化チタンガスGt及び、酸素ガスや水蒸気等の反応用ガスGrを含む複数種類のガスをそれぞれ予熱後に、反応炉内のガス噴出装置1の各ガス流路に供給する。ハロゲン化チタンガスGt及び反応用ガスGrの他、さらに水素ガス及び/又は不活性ガスを供給することもある。不活性ガスとの混合で希釈したハロゲン化チタンガスGtを用いてもよい。
複数種類の各ガスは各ガス流路を通過した後、ノズル3の噴出口6から噴出される。このとき、複数種類のガスが所定の高温下の火炎のなかで混合され、ハロゲン化チタンガスGtと反応用ガスGrが接触する。
ここでは、ハロゲン化チタンガスGtと反応用ガスGrとの反応により、TiO2を含有する酸化チタン粉末が生成する。ハロゲン化チタンガスGtとして四塩化チタンガスを、また反応用ガスGrとして酸素ガスや水蒸気をそれぞれ用いる場合、TiCl4+O2→TiO2+2Cl2や、TiCl4+2H2O→TiO2+4HClの反応式で表される反応が起こる。
反応温度は、TiO2が生成する温度であればよく、たとえば600℃~1100℃とすることができる。
上記の反応で生成した酸化チタン粉末は、空気などの冷却ガスとの接触により冷却し、ガスから分離させて捕集する。
その後は、必要に応じて塩素を除去する処理、解砕、篩別等の分級を行うことにより、酸化チタン粉末を製造することができる。
次に、この発明のガス噴出装置を試作し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。
実施例として、図1~3に示すガス噴出装置を試作し、これを用いて酸化チタン粉末を製造した。このガス噴出装置では、傾斜面の傾斜角度θを10°とし、外筒の傾斜面のガス流動方向に沿う長さLeを31.5mmとし、内筒の傾斜壁部のガス流動方向に沿う長さLiを17.4mmとした。
酸化チタン粉末の製造では、四塩化チタンガスを窒素ガスで希釈し、900℃で予熱した後、これを900℃で予熱した水蒸気等とともに反応炉内のガス噴出装置内に供給した。ガス噴出装置のノズルの噴出口から噴出された混合ガスは反応炉内にて約1000℃の反応温度となり、その反応で酸化チタン粉末が得られた。その後、反応炉内に得られた酸化チタン粉末を捕集して冷却し、塩素を除去してから、解砕、篩別を行った。
ここでは、四塩化チタンガスの流量及び窒素ガスの流量を変更することにより、窒素ガスによる四塩化チタンの希釈率(四塩化チタンガスの物質量に対する窒素ガスの物質量の比)を変化させて複数回の試験を行った。
比較例では、図5に示すように、ノズルにて内筒及び外筒に傾斜壁部が存在せず、それらの内外径を一定としたガス噴出装置を用いたことを除いて、実施例と実質的に同様の条件で酸化チタン粉末を製造した。
実施例及び比較例のそれぞれで得られた酸化チタン粉末について、比表面積及びルチル化率を確認した。ここで、比表面積はBET法により測定し、ルチル化率はX線回折法で測定した。それらの結果を図6及び7に示す。
図6より、いずれの希釈率においても、実施例では比較例に比して、比表面積が大きい酸化チタン粉末が得られたことがわかる。また図7に示すように、希釈率の大小によらず、実施例で得られた酸化チタン粉末は、比較例で得られたものに比して、ルチル化率が低かった。
以上より、この発明によれば、比表面積が比較的大きい酸化チタン粉末が得られることがわかった。
1 ガス噴出装置
2 本体部
3 ノズル
4 ハロゲン化チタンガス流路
5 反応用ガス流路
6 噴出口
7 方向調整部
8 内筒
9 外筒
10 傾斜面
11 傾斜壁部
12 傾斜壁部
13 筒状テーパ部材
14 供給管
Gr 反応用ガス
Gt ハロゲン化チタンガス
θ 傾斜角度

Claims (7)

  1. 気相中にてハロゲン化チタンガスから酸化チタン粉末を生成させる反応に用いられるガス噴出装置であって、
    内部に、ハロゲン化チタンガス及び反応用ガスを含む複数種類のガスを個別に流す各ガス流路が設けられ、各噴出口から前記複数種類のガスを噴出させるノズルを備え、
    前記ガス流路が、互いに隣接して位置するハロゲン化チタンガス流路及び反応用ガス流路を有し、
    前記ノズルの噴出口にて、ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対し、反応用ガスの噴出方向をハロゲン化チタンガス側に傾ける方向調整部が設けられているガス噴出装置。
  2. 前記ノズルの内部でのハロゲン化チタンガスの流動方向に直交する断面で、前記ガス流路のうち、少なくとも前記ハロゲン化チタンガス流路及び前記反応用ガス流路が同心円状に配置されている請求項1に記載のガス噴出装置。
  3. 前記ノズルの内部でのハロゲン化チタンガスの流動方向に直交する断面で、前記ハロゲン化チタンガス流路が前記ガス流路の半径方向の中心に位置し、前記反応用ガス流路が、前記ハロゲン化チタンガス流路の周囲を取り囲んで位置する請求項2に記載のガス噴出装置。
  4. 前記方向調整部が、前記反応用ガス流路を区画する外周側の内面を、ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対し、前記噴出口側に向かうに従って前記ハロゲン化チタンガス流路側に近づく向きに傾斜させた傾斜面を含む請求項2に記載のガス噴出装置。
  5. ハロゲン化チタンガスの噴出方向に対する前記傾斜面の傾斜角度が、鋭角側で5°~15°である請求項4に記載のガス噴出装置。
  6. 前記ハロゲン化チタンガス流路が四塩化チタンガス流路であり、前記反応用ガス流路が水蒸気流路である請求項1に記載のガス噴出装置。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載のガス噴出装置を用いる、酸化チタン粉末の製造方法。
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