[go: up one dir, main page]

JP2025018193A - 移動体評価装置及び移動体評価方法 - Google Patents

移動体評価装置及び移動体評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2025018193A
JP2025018193A JP2023121702A JP2023121702A JP2025018193A JP 2025018193 A JP2025018193 A JP 2025018193A JP 2023121702 A JP2023121702 A JP 2023121702A JP 2023121702 A JP2023121702 A JP 2023121702A JP 2025018193 A JP2025018193 A JP 2025018193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
scene
simulation
unit
evaluation device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023121702A
Other languages
English (en)
Inventor
鋭 寧
潔人 伊藤
東 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2023121702A priority Critical patent/JP2025018193A/ja
Publication of JP2025018193A publication Critical patent/JP2025018193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】ユーザによる入力負担を軽減したうえで、人流等のシミュレーション結果内の必要な部分を抽出する。【解決手段】本発明の移動体評価装置は、ユーザ属性及び空間属性のうちの少なくとも1つの入力を受け付けるユーザ情報入力部と、前記ユーザ属性及び前記空間属性のうちの少なくとも1つに基づき、関心指標、及び、前記関心指標の具体的な値の範囲である指標条件をフィルタ条件として生成するフィルタ条件生成部と、前記フィルタ条件を満たすシミュレーション結果の範囲を特定するシーン特定部と、特定された前記シミュレーション結果の範囲を選択可能な状態で表示するシーン選択部と、選択された前記シミュレーション結果の範囲を可視化するシーン出力部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、移動体評価装置及び移動体評価方法に関する。
過度な集中及び対向人流の発生等により、しばしば群衆事故が発生している。また、事故に至らなくとも、スムーズに快適に移動できるか否かは、空間の評価における重要な観点である。そのため、再開発による空間構造の変更、ビル等の新設においては、事前に人流の観点も考慮して設計がなされている。また、近年では、工場又はビル等に移動ロボットが導入される事例が増加している。移動ロボットは、移動空間を人と共有することも多い。事故の未然防止及びロボットの運用の効率化のためには、ロボットの流動及び人の流動が相互に大きく影響しないようにロボットを運用することが求められている。
特許文献1には、「プラントの運転状態をシミュレーションするシミュレーション計算部と、前記シミュレーション計算部が計算して得たシミュレーション結果を記録するシミュレーション結果記録部と、試験事象に対応した関連パラメータ名と事象発生時間決定条件と抽出時間決定条件を格納した関連パラメータデータテーブルと、ユーザにより指示された試験事象名が入力される入力部と、前記入力部で入力された試験事象名に対応した関連パラメータ名を前記関連パラメータデータテーブルから読み出し、読み出した関連パラメータ名のトレンドデータを前記シミュレーション結果記録部から抽出するシミュレーションデータ抽出部と、前記シミュレーションデータ抽出部が抽出したトレンドデータから、前記入力部で入力された試験事象名に対応した事象発生時間決定条件と抽出時間決定条件を前記関連パラメータデータテーブルから読み出し、その事象発生時間決定条件と抽出時間決定条件に基づいて前記シミュレーションデータ抽出部が抽出したトレンドデータを処理するトレンドデータ処理部と、前記トレンドデータ処理部でトレンドデータを処理した結果を出力する出力部とを備える運転訓練シミュレータ。」が開示されている。
特開2016-218248号公報
特許文献1の運転訓練シミュレータは、シミュレーション条件毎のシミュレーション結果を記録し、シミュレーション条件の名称によって、シミュレーション結果を特定して抽出する。しかし、予めシミュレーション条件及びシミュレーション結果を対応付ける名称入力が必要である。それに加えて、特許文献1は、シミュレーション結果の必要な部分だけを抽出することを考慮していない。
そこで、本発明は、ユーザによる入力負担を軽減したうえで、人流等のシミュレーション結果内の必要な部分を抽出することを目的とする。
本発明の移動体評価装置は、ユーザ属性及び空間属性のうちの少なくとも1つの入力を受け付けるユーザ情報入力部と、前記ユーザ属性及び前記空間属性のうちの少なくとも1つに基づき、関心指標、及び、前記関心指標の具体的な値の範囲である指標条件をフィルタ条件として生成するフィルタ条件生成部と、前記フィルタ条件を満たすシミュレーション結果の範囲を特定するシーン特定部と、特定された前記シミュレーション結果の範囲を選択可能な状態で表示するシーン選択部と、選択された前記シミュレーション結果の範囲を可視化するシーン出力部と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、ユーザによる入力負担を軽減したうえで、人流等のシミュレーション結果内の必要な部分を抽出することができる。
移動体評価装置の機能構成を示す図である。 シーン一覧画面を説明する図である。 ユーザ属性・フィルタ条件の一例である。 空間属性・フィルタ条件の一例である。 レイアウトの一例である。 シミュレーション条件の一例である。 シミュレーション結果の一例である。 関心指標算出結果の一例である。 シーン情報の一例である。 移動体評価装置の処理フローである。
(移動体評価装置の構成)
本実施形態の移動体評価装置1は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置及び制御装置、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の主記録装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、マウス、キーボード等の入力装置、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置、機器間の通信を行う通信装置等から構成されたコンピュータと、その上で動作するソフトウエアから構成される。
図1は、移動体評価装置1の機能構成を示す図である。移動体評価装置1は、処理ユニット10、マスターデータ記録ユニット50及びデータ記録ユニット60を備える。
処理ユニット10は、ユーザ情報入力部11、実行条件入力部12、シミュレーション実行部13、シミュレーション結果記録部14、フィルタ条件生成部15、関心指標算出部16、シーン特定部17、シーン選択部18、及び、シーン出力部19を備える。シミュレーション実行部13、シミュレーション結果記録部14、フィルタ条件生成部15、関心指標算出部16、シーン特定部17、及び、シーン選択部18は、例えば、コンピュータのプロセッサとして機能させてもよい。また、例えば、処理ユニット10を、コンピュータのプロセッサとして機能させてもよい。
ユーザ情報入力部11は、ユーザ属性及び/又は空間属性の入力を受け付ける。
実行条件入力部12は、シミュレーションの実行条件を受け付ける。
ユーザ情報入力部11及び実行条件入力部12は、1つの入力部として使用され得る。
シミュレーション実行部13は、実行条件に基づいてシミュレーションを実行する。シミュレーションとは、人、ロボット等の移動体の移動を模擬することである。
シミュレーション結果記録部14は、シミュレーション結果を記録する。
フィルタ条件生成部15は、フィルタ条件を生成する。フィルタ条件とは、膨大なシミュレーション結果63から、ユーザが真に必要とする範囲を抽出するための条件である。フィルタ条件の詳細については、図3及び図4において後記する。
関心指標算出部16は、フィルタ条件及びシミュレーション結果63に基づき必要な関心指標の具体的な値を算出する。
シーン特定部17は、フィルタ条件及び算出した関心指標の具体的な値に基づき、表示するべきシミュレーション結果63を絞り込み、ユーザに表示するべき範囲の候補を特定する。シミュレーション結果63のうち表示するべき範囲は、本実施形態では“シーン”とも呼ばれる。
シーン選択部18は、ユーザがシーンの候補のうち実際に表示させたいものを選択するのを受け付ける。
シーン出力部19は、シーンを動画又は静止画として実際に表示する。
マスターデータ記録ユニット50は、移動体評価装置1が予め用意しておくデータを記録する。マスターデータ記録ユニット50は、ユーザ属性をキーとしてフィルタ条件を記録するユーザ属性・フィルタ条件51、及び、空間属性をキーとしてフィルタ条件を記録する空間属性・フィルタ条件52を記録する。マスターデータ記録ユニット50に記録されるデータは、移動体評価装置1全体又は特定のユーザグループ、ユーザ等により共通して保持される。
データ記録ユニット60は、シミュレーション実行に必要なデータ及び実行後の結果等を記録する。データ記録ユニット60は、レイアウト61、シミュレーション条件62、シミュレーション結果63、関心指標算出結果64及びシーン情報65を記録する。これらは、シミュレーション実行毎に記録されてもよい。なお、レイアウト61及びシミュレーション条件62は、シミュレーション実行毎に記録されず、シミュレーション実行前に用意しておくデータとして、実行条件入力部12によって受け付けられてもよい。
レイアウト61は、シミュレーションの入力データとなる地図情報である。レイアウト61は、シミュレーションに必要な空間構造を記録している。
シミュレーション条件62は、シミュレーションのパラメータ等の実行条件である。
シミュレーション結果63は、シミュレーション結果である。
関心指標算出結果64は、関心指標の具体的な値の算出結果である。
シーン情報65は、シーンを特定する情報である。なお、前記の通り、シーンは、シミュレーション結果63のうち表示するべき範囲である。
各部は、説明の便宜上区別されているものであり、実際には同一のソフトウエア(プログラム)として構成されてもよく、図1の例とは異なる方法で分割されてもよい。各部は、同一のコンピュータ上で動作してもよく、複数のコンピュータ上で動作してもよい。コンピュータは、物理的なハードウェアを有するものだけではなく、ソフトウエア上に仮想的に作られたものであってもよい。図1に記載した機能及びデータは、本実施形態を説明する上で必要なものを抜粋したものである。必要に応じて、他の機能及びデータが加えられてもよい。
続いて、移動体評価装置1を構成する各部の機能について説明する。
ユーザ情報入力部11は、ユーザの情報の入力を受け付ける。ユーザとは、移動体評価装置1を使用する者である。ユーザ情報入力部11は、例えば、ユーザの名称、業種、又は、シミュレーションの使用目的を“ユーザ属性”として受け付ける。ユーザ情報入力部11は、一度入力されたユーザ属性を保存しておいてもよい。ユーザ情報入力部11は、ユーザ属性とともに又はユーザ属性に代わって、空間属性を受け付けてもよい。なお、空間属性は、人流等のシミュレーションを行う対象となり得る空間又はオブジェクトを特定する文字列等である。空間とは、例えば、ビル、駅等である。オブジェクトとは、例えば、エレベータ、改札機等である。
ユーザがシミュレーション結果を直接受け取る場合、ユーザ情報入力部11は、ユーザID、パスワード等の認証手段を発行する。ユーザ情報入力部11は、2回目以降の使用では、ユーザ属性の入力の替わりに認証手段によりユーザ認証を行うことでユーザを特定し、保存していたユーザ属性を使用してもよい。ユーザがシミュレーション結果を直接受け取らない場合、ユーザ情報入力部11は、当該ユーザの名称等をキーとして、保存されたユーザ属性から、シミュレーション結果を直接受け取るユーザを特定してもよい。
実行条件入力部12は、レイアウト61を新たに作成し、又は、既存のレイアウト61を受け付ける。実行条件入力部12は、シミュレーション条件62の入力を受け付ける。シミュレーション条件62は、移動体の移動需要、移動体の移動速度等、シミュレーション内で使用するデータ、及び、シミュレーションの対象期間、乱数のシード、シミュレーション回数、結果の集計方法等のシミュレーションそのものの制御に使用するデータを含む。
シミュレーション実行部13は、実行条件入力部12が受け付けたレイアウト61及びシミュレーション条件62に基づき、移動体のシミュレーションを行う。移動体のシミュレーションとして、公知の方法が使用されてもよい。
シミュレーション結果記録部14は、シミュレーション結果63を記録する。シミュレーション結果63は、少なくとも各移動体の時系列の位置座標を含む。シミュレーション結果記録部14は、シミュレーション結果63とともに、“シナリオ”を特定する情報も保存する。“シナリオ”とは、シミュレーションに使用したレイアウト61及びシミュレーション条件62の組合せである。このことにより、シミュレーション結果63から、レイアウト61及びシミュレーション条件62を逆検索することができる。シナリオを特定する情報は、ユーザが記載した文字列等であってもよいし、レイアウト61及びシミュレーション条件62を入力とするハッシュ関数の出力値であってもよい。
フィルタ条件生成部15は、フィルタ条件を生成する。新しくビルを計画・設計する不動産開発業者及び設計事務所と、鉄道駅の改修を検討する鉄道事業者と、工場へのロボット導入を検討する企業とでは、シミュレーションに期待する役割、及び、必要な関心指標は、異なる。したがって、生成されるフィルタ条件も、ユーザ毎に異なる。
フィルタ条件生成部15は、ユーザに応じて適切な関心指標を出力するためのフィルタ条件を生成する。フィルタ条件生成部15は、ユーザ属性ではなく、レイアウト61に含まれる空間属性に基づき、必要な関心指標を推定して出力するためのフィルタ条件を生成してもよい。フィルタ条件生成部15は、フィルタ条件を生成する替わりに、ユーザ又は類似ユーザがシミュレーション結果63の特定の範囲又は特定の関心指標を過去に見た回数又は時間を記録してもよい。フィルタ条件生成部15は、その記録を学習データとして機械学習することにより、シミュレーション結果63から関心あるエリア及び関心指標を推論する推論モデルを作成し、その推論モデルをフィルタ条件として使用してもよい。
関心指標算出部16は、フィルタ条件生成部15が生成したフィルタ条件及びシミュレーション結果63を入力として、フィルタ条件が特定する関心指標の具体的な値を算出する。関心指標は、例えば、ビルのエレベータ関係の場合、エレベータホールの混雑度、待ち行列長、待ち時間等の人の混雑関連指標、一周運転時間、平均運転間隔、長待ち率等エレベータ運行そのものの指標等である。
関心指標算出部16は、鉄道駅を対象とする場合、改札機通過時間、単位時間当たりの通過人数、改札階とホーム階との間の移動時間又は移動密度等を算出する。関心指標算出部16は、工場又は倉庫等を対象とする場合、移動ロボットの平均移動時間、最長移動時間、稼働率等を算出する。関心指標算出部16は、シミュレーション実行部13によるシミュレーション実行中に、適宜呼び出されてもよい。関心指標算出部16は、シミュレーション結果記録部14が記録したシミュレーション結果63を使用して、シミュレーション後に関心指標を算出してもよい。なお、前記関心指標は一例であって、実際に使用される関心指標は、前記に限定されない。
シーン特定部17は、シミュレーション結果63から、フィルタ条件としての関心指標の具体的な値が指標条件を満たしている範囲のみをシーンとして特定する。例えば、いま、フィルタ条件として関心エリア、関心指標及び指標条件が存在し、その関心エリアが“エレベータホール”であり、その関心指標が“待ち時間”であり、その指標条件が“1分以上”であるとする(図3参照)。この場合、シーン特定部17は、シミュレーション結果63のうち、エレベータホールで人が1分以上エレベータを待ち続けている時間範囲を、シーンとして特定する。
シーン特定部17は、フィルタ条件が複数存在する場合、それぞれのフィルタ条件を適用して特定したシーンを区別できるように、フィルタ条件を特定する情報をシーン情報65に付加する。
シーン選択部18は、シーン特定部17が特定したシーンを、ユーザ毎又は案件毎のシーン一覧画面70a(図2)として任意の装置に表示し、表示したシーン一覧画面70aを介して、表示したいシーンをユーザが選択するのを受け付ける。図1の途中であるが、説明は、一旦図2に移る。
図2は、シーン一覧画面70を説明する図である。シーン選択部18は、シーン一覧画面70の一例であるシーン一覧画面70aを任意の装置に表示する。シーン一覧画面70aは、ユーザ毎、案件毎、シミュレーション条件62毎に、シーンの一覧をリスト形式で表示している。
ユーザは、ユーザ認証後に、シーン一覧画面70aを見ることができる。シミュレーション条件62を特定するキーである“改修案1”に関連付けて、シーン特定部17が特定したシーンの一覧(シーン情報65)が表示されている。例えば、関心エリアとしての“エリア1”において、関心指標としての“混雑度”が指標条件としての“最大値”に該当するシーンが、時刻“7:00”の前後1分間に生じていることがわかる。“静止画”ボタン及び“前後1分再生”ボタンをユーザが押下すると、シーン出力部19は、シミュレーション結果63のうち当該シーンに相当する範囲を可視化する。この他に、特定の移動体の視点でシーンを可視化するボタン等が用意されてもよい。なお、“[ ]”は、ボタンを意味する。
シーン選択部18は、シーン一覧画面70の一例であるシーン一覧画面70bを任意の装置に表示する。シーン一覧画面70bは、シーン情報65に基づき、関心指標の値を時系列グラフとして表示し、グラフ内にシーンの時間位置(シーン1、シーン2、・・・)を表示する。シーン一覧画面70aと同様、ユーザがシーンを選択すると、シーン出力部19は、当該シーンにおけるシミュレーション結果63(移動体の移動状況の模擬結果)を可視化する。説明は、図1に戻る。
シーン出力部19は、シミュレーション結果63のうちユーザが選択した範囲(シーン)を、例えば特定の時刻の静止画、又は、ある期間における動画として可視化する。シーン出力部19は、シミュレーション結果63を、2次元平面又は任意の視点を有する3次元空間に表示する。また、シーン出力部19は、ロボット等の特定の移動体を選択して、当該移動体が一人称(視点、観察主体)となるようにVR(Virtual Reality)を使用した動画としてシミュレーション結果63を表示してもよい。
(データの説明)
続いて、移動体評価装置1が使用するデータを説明する。なお、データ構成は一例であって、データの内容及び形式は、後記に限らない。移動体評価装置1は、例えば、データベースを使用する場合、データベースを後記とは異なる構成に正規化して保持してもよい。移動体評価装置1は、説明しない他のデータを使用してもよい。
移動体評価装置1の各部は、マスターデータ記録ユニット50内のデータを共有する。移動体評価装置1の各部は、特定のユーザグループ毎、ユーザ毎に、異なるデータを保持してもよい。
データ記録ユニット60内のデータは、レイアウト61とシミュレーション条件62との組合せである“シナリオ”単位で記録される。例えば、関連するレイアウト61、シミュレーション条件62、シミュレーション結果63、フィルタ条件、関心指標及びシーン情報65が、まとめて一つのデータとして保存される。又は、シミュレーション結果63、フィルタ条件、関心指標及びシーン情報65のそれぞれは、シナリオを特定するキーによって検索され得る構造を有する。シナリオを特定するキーは、例えば、レイアウト61及びシミュレーション条件62に基づき作成されたハッシュ値である。
図3は、ユーザ属性・フィルタ条件51の一例である。ユーザ属性・フィルタ条件51は、例えば、ユーザ属性511をキーとして、そのキーに、関心エリア512、関心指標513及び指標条件514を関連付けたデータである。
ユーザ属性511は、ユーザ情報入力部11が受け付けたユーザ属性である。ユーザ属性とは、例えば、ユーザの業種、ユーザが移動体評価装置1によるシミュレーションを使用する目的である。
関心エリア512は、ユーザの関心があると予測されるエリアである。エリアとは、レイアウト61上で特定することができる具体的な領域である。
関心指標513は、ユーザの関心があると予想される指標であり、ユーザが時系列でその推移を可視化したい指標である。関心エリア512毎に1又は複数の関心指標513が設定される。例えば、エレベータホールについての関心指標は、待ち人数、待ち時間等である。改札機についての関心指標は、通過人数、行列長等である。
指標条件514は、関心指標513の具体的な値のうち、ユーザが特に注目する範囲である。
例えば、ユーザ属性が不動産開発業であるユーザがエレベータホールの“待ち人数”に関心があり、さらに待ち人数が“最大値”となるシーンに関心がある場合、当該ユーザは、関心エリア512に“エレベータホール”を、関心指標513に“待ち人数”を、指標条件514に“最大値”を設定する。ユーザ属性511は、業種に限定されない。ユーザ属性は、例えば、ユーザの使用目的であってもよい。使用目的は、例えば、エレベータの仕様評価、ロボットの運用評価、人の混雑状況評価等であってもよい。
ユーザ属性・フィルタ条件51は、さらに優先順位をデータとして持っていてもよい。優先順位は、例えば、複数のレコードとしてのフィルタ条件が該当する場合における、フィルタ条件を適用する順位、フィルタ条件適用後の結果を表示する順位等である。ユーザが過去に各シーンを閲覧した回数又は時間が大きいほど、当該シーンの作成に使用したレコードの優先順位が高くなってもよい。また、当該ユーザではなく、同業種の他のユーザ単位で、閲覧回数又は時間が集計されてもよい。
前記した優先順位に関連して、シーン出力部19は、以下の(1)、(2)及び(3)の機能を備えてもよい。
(1)シーン特定部17が、シミュレーション結果63の複数の範囲を特定した場合、シーン出力部19は、特定された範囲が閲覧された時間又は回数に基づき、特定された範囲を表示する優先順位又はフィルタ条件の優先順位を決定してもよい。
(2)シーン出力部19は、ユーザが、シミュレーション結果63が可視化される時刻を停止又は選択し、シミュレーション結果63が可視化される画角を調整するのを受け付け、ユーザが停止・選択した時刻及び調整した画角を記録してもよい。
(3)シーン出力部19は、記録した時刻及び画角に基づき、特定された範囲を表示する優先順位又はフィルタ条件の順位を変更してもよい。例えば、シーン出力部19は、停止又は選択された時刻を多く含む範囲を表示する優先順位、又は、そのような範囲を抽出するフィルタ条件の優先順位を上げる。さらに、シーン出力部19は、画角が小さく調整された(拡大された)画像を含む範囲の優先順位、又は、そのような範囲を特定するフィルタ条件の優先順位を上げる。
図4は、空間属性・フィルタ条件52の一例である。空間属性・フィルタ条件52は、空間属性521をキーとして、そのキーに、探索オブジェクト・エリア522、関心指標523及び指標条件524を関連付けたデータである。
空間属性521は、ユーザ情報入力部11が受け付けた空間属性である。前記のように、空間属性とは、人流等のシミュレーションを行う対象となり得る空間又はオブジェクトを特定する文字列等であり、例えば、“エレベータ”、“改札機”等である。
探索オブジェクト・エリア522は、レイアウト61の構成要素を特定する情報である。探索オブジェクト・エリア522が、レイアウト61上の具体的な領域であるのに対して、空間属性521は、レイアウト61に直接関係しない抽象的な概念である。
関心指標523は、ユーザの関心があると予想される指標であり、ユーザが時系列でその推移を可視化したい指標である。探索オブジェクト・エリア522毎に1又は複数の関心指標523が設定される。例えば、エレベータオブジェクトについての関心指標は、乗降時間、運転間隔等である。
指標条件524は、関心指標523の具体的な値のうち、ユーザが特に注目する範囲である。
以上で明らかなように、ユーザ属性・フィルタ条件51及び空間属性・フィルタ条件52は、ユーザの関心指標及びその指標条件をユーザ属性毎又は空間属性毎に予め雛形として用意したものである。しかしながら、移動体評価装置1は、このような雛形を予め用意しなくてもよい。例えば、シーン出力部19は、まず、シミュレーション結果63全体をユーザに可視化し、ユーザ情報入力部11は、ユーザが高頻度で見た範囲及び高頻度で見た関心指標を記録してもよい。フィルタ条件生成部15は、次に、ユーザが高頻度で見た範囲及び高頻度で見た関心指標を入力とし、関心エリア(探索オブジェクト・エリア)及び関心指標を出力とする推論モデルを、記録したデータを学習データとして機械学習してもよい。フィルタ条件生成部15は、さらに、機械学習済の推論モデルを使用してフィルタ条件を推定してもよい。
(フィルタ条件)
ユーザ属性・フィルタ条件51(図3)のうち、ユーザ属性511以外の項目、すなわち、関心エリア512、関心指標513及び指標条件514が、フィルタ条件の具体的な内容となる。例えば、“エレベータホールの待ち時間が最大値であること”が、1つのフィルタ条件となり得る。同様に、空間属性・フィルタ条件52(図4)のうち、空間属性521以外の項目、すなわち、探索オブジェクト・エリア522、関心指標523及び指標条件524もまた、フィルタ条件の具体的な内容となる。例えば、“エレベータオブジェクトの乗降時間が20秒以上であること”が、1つのフィルタ条件となり得る。
図5は、レイアウト61の一例である。レイアウト61は、シミュレーション対象の空間の幾何学構造情報に、通行可否、通行条件、輸送機器(エレベータ、エスカレータ、鉄道等)の位置等を関連付けて構造化したデータである。図5では同一ハッチングの範囲は、同一の種類のデータを表す。図5は、工場のレイアウト61の一例である。
移動可能エリア611は、移動体が移動可能なエリアである。移動可能エリア611は、通常はすべての移動体に対して一種類のみである。しかしながら、移動体毎に異なる移動可能エリア611が設定されてもよい。通行可能な移動体の種別、及び、移動可能な方向を含む移動属性を移動可能エリア611上のタイル(マス目)に設定することにより、移動体は、自身の種別及び移動方向に応じて異なる動作をしてもよい。タイルに移動速度及び移動速度の変更比を設定することによって、移動体は、移動体自身に設定された移動速度とは異なる速度で移動してもよい。これらの移動属性を組み合わせることで、エスカレータ、階段、改札機等での移動が表現され得る。なお、タイルは、同じ場所に複数設定されてもよい。移動可能エリア611において、物理的に移動可能な範囲、及び、運行上又は制御上の理由から物理的に移動不可能な範囲が設定されてもよい。
生産エリア612は、工場の生産セルであり、移動体が進入できないエリアである。生産エリア612は、関連する搬送対象エリア613及び作業エリア614を特定する情報を有する。
搬送対象エリア613は、生産エリア612に関連付けられている。搬送対象エリア613は、搬送ロボットである移動体が搬送を行う際に移動する始点又は終点となるエリアである。各搬送対象エリア613は、自身を一意に特定できる名称又は識別子と関連付けられている。1つの生産エリア612に対して、複数の搬送対象エリア613が存在することもある。例えば、ある1つの生産エリア612に対して、部品供給を行うための搬送対象エリア613、及び、生産した製品を他のエリアへ搬送するための搬送対象エリア613が、通常は異なる位置に存在する。搬送対象エリア613は、特定の種別の搬送ロボットのみが進入できるように設定されてもよく、人を含めてすべての移動体が進入できるように設定されてもよい。
作業エリア614は、生産エリア612に関連付けられている。作業エリア614は、人が移動の始点又は終点とするエリアである。各作業エリア614は、自身を一意に特定できる名称又は識別子と関連付けられている。作業エリア614は、1つの生産エリア612に対して複数設定されることがある。
経由地点エリア615は、移動体である搬送ロボット又は人の移動経路を指定する経由地点となるエリアである。各経由地点エリア615は、自身を一意に特定できる名称又は識別子と関連付けられている。例えば、経由地点エリア615を移動体の目的地として設定し、経由地点エリア615に移動体が到着したときに、次の経由地点エリア615又は搬送対象エリア613等を目的地として設定することで移動体の移動経路を制御できる。
部品庫エリア616は、搬送の始点と終点となる部品庫が存在するエリアである。各部品庫エリア616は、自身を一意に特定できる名称又は識別子と関連付けられている。
エレベータエリア617は、エレベータのカゴが位置するエリアである。各エレベータエリア617は、エレベータを模擬するエレベータオブジェクトと一意に関連付けられている。
エレベータ乗降エリア618は、エレベータの乗降を行うエリアである。エレベータ乗降エリア618は、通常はエレベータのカゴのドア位置に設定される。エレベータ乗降エリア618は、エレベータオブジェクトと一意に関連付けられている。
レイアウト61の形式は、オブジェクトの集合、格子状又は六角形のセルの集合等、形状及び属性が特定できればどのようなものであってもよい。移動の始点及び終点となるエリアをノードとして、その間をリンクで連結したネットワークモデルとしてレイアウト61が構築されてもよい。
搬送対象エリア613、作業エリア614、経由地点エリア615及び部品庫エリア616のように、移動の始点又は終点となり得る特定可能なエリアをウェイポイントと総称する。すべてのウェイポイントに、自身を一意に特定できる名称又は識別子が設定される。工場ではなく、ビルを対象とする場合、さらにエスカレータ、階段等の情報を反映したエリアが設定される。鉄道駅を対象とする場合、改札機エリア、乗降ホームエリア等が設定される。このように、対象とする空間に合わせて必要なエリア情報が追加され得る。
図6は、シミュレーション条件62の一例である。シミュレーション条件62は、移動需要621及びシミュレーション制御パラメータ622で構成されている。
移動需要621は、移動体の移動の発生と目的地を設定する情報である。移動需要621は、移動体単位で設定される移動需要621a及び種別単位・時間帯毎に設定される移動需要621bのように、移動体の種別又は数量に応じて異なる形式で設定され得る。
移動需要621aは、移動体の個体1つ1つを区別して、それぞれに対して移動需要を設定する場合の例である。移動需要621aは、個別の移動体を特定する一意の識別子である移動体ID6211a、移動の始点となる移動元6212a、移動の目的地となる移動先6213a、移動開始時刻6214a等で構成される。移動需要621aを使用する場合、移動体IDが特定する移動体を移動開始時刻6214aに移動元6212aから移動先6213aに向かって移動を開始するようにシミュレーションが行われる。
移動需要621bは、移動体の個体を区別せず、種別毎に移動体に移動需要を設定する場合の例である。移動が発生する対象時間帯6217毎、かつ、移動需要が対象とする対象移動体6218毎に、移動需要621bが設定される。移動が発生する対象時間帯6217は、移動が発生する時刻である発生時刻であってもよい。移動量6216(行と列の交点の数値)は、移動元6212bと移動元6213bとの組合せ毎に発生する移動需要を保持するデータである。
例えば、“Depot1”を移動元とする行に着目すると、“Depot2”への移動量は、“0”であり、“Cell1-1”への移動量は、“2”であることがわかる。すなわち、対象時間帯6217の間に、対象移動体6218である“人”が、“Depot1”から“Depot2”へ“0”人移動し、“Depot1”から“Cell1-1”へ“2”人移動する。
シミュレーション制御パラメータ622は、シミュレーションの動作に係るパラメータである。シミュレーション制御パラメータ622は、パラメータ名6221にパラメータ値6222を関連付ける。シミュレーション制御パラメータ622は、例えば、シミュレーションの開始時刻、終了時刻、同一条件でシミュレーションを繰り返す回数等を含む。
繰り返し時に乱数のシードを変えると、シミュレーションのバラつきが評価され得る。シミュレーション制御パラメータ622は、各移動体の移動速度等、シミュレーションモデルのパラメータを含んでもよい。レイアウト61に特定の使途がある場合、その使途に基づき移動速度等のパラメータが決められてもよい。例えば、主として幼児又は老人が使用する施設は、通常よりも移動速度を低めに自動的に設定してもよい。なお、パラメータ値6222は、数値に限らず、特定の分布、オブジェクト等でもよい。
図7は、シミュレーション結果63の一例である。シミュレーション結果63は、移動体の移動ログ631及び設備の稼働ログ632で構成されている。同一シナリオに対して、シミュレーション制御パラメータが繰り返しシミュレーションの実行を命じた場合、実行回数毎に区別してシミュレーション結果63が保持される。
移動ログ631は、移動体の移動を再現するのに必要なデータである。移動ログ631は、移動体ID6311、時刻6312、位置6313、方向6314及び状態6315を相互に関連付けている。
移動体ID6311は、移動体の個体を一意に特定する識別子である。
時刻6312は、ログが記録されたシミュレーション時刻である。
位置6313は、移動体の所在位置の座標である。
方向6314は、移動体の向いている方向の基準方向からの角度である。
状態6315は、移動体の状態である。
稼働ログ632は、エレベータ、列車、生産エリア等、各種設備の動作状態等を再現するのに必要なデータである。稼働ログ632に記録されるデータは、設備の種類によって異なる。例えば、エレベータ向けの稼働ログ632は、カゴID6321、時刻6322、運行方向6323、縦位置6324、速度6325、ドア開閉度6326、乗客数6327及び状態6328を相互に関連付けている。
カゴID6321は、エレベータのカゴを特定する識別子である。
時刻6322は、データが記録されたシミュレーション時刻である。
運行方向6323は、上、下、又は停止の運行方向である。
縦位置6324は、エレベータのシャフト内でのカゴの位置である。
速度6325は、エレベータの速度(カゴの昇降速度)である。
ドア開閉度6326は、ドアの開閉状況を示す相対的な数値である。
乗客数6327は、カゴ内の乗客数である。
状態6328は、カゴの運行状況である。
移動ログ631及び稼働ログ632は、シミュレーションを再現し、かつ、ユーザ属性・フィルタ条件51及び空間属性・フィルタ条件52に定められた関心指標を算出するのに充分なデータを保持している。保持されるデータは、前記に限定されない。
図8は、関心指標算出結果64の一例である。関心指標算出結果64は、関心指標算出部16が算出した関心指標を保存するデータである。関心指標算出結果64は、シミュレーション結果63から算出された様々な関心指標を保存している。関心指標算出結果64は、例えば、地点間の移動時間の記録641、エリア別の密度642等を記録する。同一シナリオに対して、シミュレーション制御パラメータが繰り返しシミュレーションの実行を命じた場合、それぞれの算出回に対してシミュレーション結果63が保存される。そのため、それぞれの算出回に対して関心指標算出結果64が保存される。それぞれの算出回についての関心指標の平均値、最大値等が、1つの関心指標算出結果64に保存されてもよい。
図9は、シーン情報65の一例である。シーン情報65は、シミュレーション結果63のうち、表示するべき時間範囲及び位置範囲を特定するためのデータである。シーン情報65は、シーンID651、対象652、関心指標653、指標条件654、時間655及び表示設定656を相互に関連付けている。
シーンIDは、各シーンを一意に特定する識別子である。
対象652は、対象のエリア又はオブジェクトを一意に特定する文字列等である。
関心指標653は、シーンを検知するキーとなった関心指標である。
指標条件654は、シーンを検知するキーとなった関心指標の指標条件である。
時間655は、シーンが検知された時間範囲である。時間655は、関心指標が指標条件を満たしている時間範囲そのものであってもよく、その時間範囲に対して前後余裕時間を加えた時間範囲であってもよい。
表示設定656は、例えば、3次元空間、2次元平面、仮想現実等を表示するモード、及び、各モードで表示する範囲を特定する情報の組合せである。例えば、3次元空間の場合、表示設定656は、カメラの位置座標、カメラの向きベクトル、カメラの上方ベクトル、カメラの画角、アスペクト比、ニアクリップ、ファークリップ等のパラメータを保持することで表示範囲を特定する。前記パラメータは、シーン情報65の対象652全体を可視化できるように自動設定される。表示設定656は、予め対象毎に作成されてもよい。さらに、表示設定656は、特定のオブジェクトを表示するか否か等、シミュレーション特有の表示設定も含んでもよい。
(処理の説明)
図10は、移動体評価装置1の処理フローである。
ステップS1001において、ユーザ情報入力部11は、ユーザの業種、シミュレーション使用目的等のユーザ属性を受け付ける。ユーザ情報入力部11は、ユーザが、直接すべての情報を入力するのを受け付けてもよく、ユーザID、パスワード等でユーザを認証し、それによって登録済みのユーザ属性を読み込んでもよい。ユーザ情報入力部11は、ステップS1001を省略し、ステップS1003で入力されたレイアウト61に基づき、ユーザ属性を逆に推定してもよい。ユーザ情報入力部11は、このとき、空間属性を受け付けてもよいし、ユーザ属性及び空間属性の両者を受け付けてもよい。
ステップS1002において、ユーザ情報入力部11は、新規にシミュレーションを行うか否かを判断する。ユーザ情報入力部11は、例えば、シミュレーション結果63が空の場合、新規にシミュレーションを行う。ユーザ情報入力部11は、ユーザに選択するインターフェースを提供し、ユーザの選択によって新規にシミュレーションを行うか否かを判断してもよい。ユーザ情報入力部11は、新規にシミュレーションを行う場合(ステップS1002“Yes”)、ステップS1003に進み、それ以外の場合(ステップS1002“Nо”)、ステップS1009に進む。
ステップS1003において、実行条件入力部12は、シミュレーション条件62を受け付ける。実行条件入力部12は、例えば、レイアウト61及びシミュレーション条件62が記録されたファイルを読み込む。実行条件入力部12は、編集用のインターフェースをユーザに提供し、ユーザがレイアウト61及びシミュレーション条件62を編集するのを受け付けてもよい。
実行条件入力部12は、ユーザの使用目的をキーとして、使用目的に合わせて自動的にシミュレーション条件62を追加、作成してもよい。例えば、エレベータの仕様評価を行う場合、実行条件入力部12は、ビルの床面積等から、交通計算によって、適切と思われるエレベータの仕様の候補をいくつか生成し、エレベータの仕様の各候補を適用したシミュレーション条件を複数生成する。
実行条件入力部12は、レイアウト61をBIM(Building Information Modeling)データ等から変換して受け付けてもよい。
ステップS1004において、フィルタ条件生成部15は、フィルタ条件を生成する。具体的には、フィルタ条件生成部15は、ユーザ属性に含まれる業種又は使用目的をキーとしてユーザ属性・フィルタ条件51を検索し、該当したレコードの関心エリア、関心指標及び指標条件の組み合わせの集合を第1のフィルタ条件として生成する。また、フィルタ条件生成部15は、空間属性をキーとして空間属性・フィルタ条件52を検索し、該当したレコードの探索オブジェクト・エリア、関心指標及び指標条件の組み合わせの集合を第2のフィルタ条件として生成する。フィルタ条件生成部15は、第1のフィルタ条件と第2のフィルタ条件との和集合をシナリオのフィルタ条件とする。
つまり、フィルタ条件生成部15は、ユーザ属性及び空間属性のうちの少なくとも1つに基づき、関心指標、及び、前記関心指標の具体的な値の範囲である指標条件をフィルタ条件として生成する。フィルタ条件生成部15は、前記したように推論モデルを使用してフィルタ条件を生成してもよい。
ステップS1005において、シミュレーション実行部13は、シナリオに基づいて移動シミュレーションを行う。
ステップS1006において、シミュレーション結果記録部14は、シミュレーションの結果をシミュレーション結果63として出力して記録する。
ステップS1007において、関心指標算出部16は、シミュレーション結果63及びシナリオのフィルタ条件を入力として、シナリオのフィルタ条件に含まれている関心指標の具体的な値を算出して出力し、関心指標算出結果64として保存する。
シミュレーションの処理単位毎に、ステップS1006及びS1007が繰り返し実行されてもよい。
ステップS1008において、シーン特定部17は、シナリオのフィルタ条件を入力として、シナリオのフィルタ条件に含まれている関心指標及び指標条件を満たす期間を関心指標毎に特定し、シーン情報65として保存する。例えば、いま、シミュレーション結果63が稼働ログ632(図7)の通りであり、シナリオのフィルタ条件に含まれる関心指標が“乗客数”であり、指標条件が“3人以上”であるとする。すると、シーン特定部17は、稼働ログ632の乗客数欄6327が“3人以上”である時間範囲“8:00:20”及び“8:00:25”を、シーンとして特定する。
シーン特定部17は、ステップS1008の終了後、ステップS1002に戻る。
ステップS1009において、シーン選択部18は、データ記録ユニット60に記録されているユーザが作成した又はユーザに閲覧権限があるシナリオのシーン情報65に基づき、シーン一覧画面70a及びシーン一覧画面70bを任意の装置に表示する。シーン選択部18は、少なくともシナリオが特定できる情報、エリアが特定できる情報、及び、関心指標が特定できる情報を表示し、その後、ユーザがシーンを選択するのを受け付ける。
シーン選択部18は、各シナリオの指標条件を満たす範囲も表示し、ユーザによる選択に応じてステップS1010に進む。シーン選択部18は、シミュレーション結果63から選択されたシーンのみではなく、シミュレーション結果63全体を表示してもよい。
ステップS1010において、シーン出力部19は、ステップS1009で選択されたシーンに基づく表示モード及び表示内容で、シーンを動画又は静止画として任意の装置に表示(再生)し、ユーザにシーンの内容を確認させる。シーン出力部19は、ユーザがシーンを確認した後、ステップS1002に進む。
シーン出力部19は、シーンを再生するときに、一時停止、巻き戻し、表示範囲の拡大・縮小等の機能を有する。シーン出力部19は、ユーザが一時停止又は巻き戻しによって繰り返し見たシミュレーション時刻、ユーザが表示の調整をした範囲を記録しておいてもよい。これにより、ユーザの関心を推定し、フィルタ条件を追加又は修正してもよい。
以上で明らかなように、ユーザは、ユーザ自身の情報、並びに、シミュレーションを実行するのに最小限必要なレイアウト61及びシミュレーション条件62を入力するだけよい。その後、移動体評価装置1は、ユーザが関心あると思われるエリア、関心指標及びその指標条件で特定されるシーン情報65を作成する。移動体評価装置1は、さらにシーン情報65が特定するシミュレーション結果63のみを選択して可視化してもよい。これにより、移動体評価装置1は、シミュレーション結果63から必要なデータを探す労力を削減できる。また、シミュレーション結果63を保存することにより、必要な関心指標を適宜計算することが可能となる。また、シミュレーション結果63を読み込むことで任意の可視化手段でシミュレーション結果63を可視化することが可能となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態の移動体評価装置の効果は、以下の通りである。
(1)移動体評価装置は、ユーザ属性又は空間属性に対応したフィルタ条件で、シミュレーション結果の範囲のうちから、ユーザが関心ある範囲を抽出することができる。
(2)移動体評価装置は、ユーザが関心あるエリアのシミュレーション結果を抽出することができる。
(3)移動体評価装置は、閲覧時間又は回数に基づき、表示する範囲に優先順位を付けることができる。
(4)移動体評価装置は、シミュレーション結果のうちユーザが停止・選択した時刻、及び、調整した画角を記録することができる。
(5)移動体評価装置は、記録した時刻及び画角に基づき、表示する範囲の優先順位を変更することができる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 移動体評価装置
10 処理ユニット
11 ユーザ情報入力部
12 実行条件入力部
13 シミュレーション実行部
14 シミュレーション結果記録部
15 フィルタ条件生成部
16 関心指標算出部
17 シーン特定部
18 シーン選択部
19 シーン出力部
50 マスターデータ記録ユニット
51 ユーザ属性・フィルタ条件
52 空間属性・フィルタ条件
60 データ記録ユニット
61 レイアウト
62 シミュレーション条件
63 シミュレーション結果
64 関心指標算出結果
65 シーン情報

Claims (6)

  1. ユーザ属性及び空間属性のうちの少なくとも1つの入力を受け付けるユーザ情報入力部と、
    前記ユーザ属性及び前記空間属性のうちの少なくとも1つに基づき、関心指標、及び、前記関心指標の具体的な値の範囲である指標条件をフィルタ条件として生成するフィルタ条件生成部と、
    前記フィルタ条件を満たすシミュレーション結果の範囲を特定するシーン特定部と、
    特定された前記シミュレーション結果の範囲を選択可能な状態で表示するシーン選択部と、
    選択された前記シミュレーション結果の範囲を可視化するシーン出力部と、
    を備えることを特徴とする移動体評価装置。
  2. 前記フィルタ条件生成部は、
    エリアを含むフィルタ条件を生成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の移動体評価装置。
  3. 前記シーン特定部は、
    前記シミュレーション結果の複数の範囲を特定し、
    前記シーン出力部は、
    特定された前記範囲が閲覧された時間又は回数に基づき、
    特定された前記範囲を表示する優先順位を決定すること、
    を特徴とする請求項1に記載の移動体評価装置。
  4. 前記シーン出力部は、
    ユーザが、前記シミュレーション結果が可視化される時刻を停止又は選択し、前記シミュレーション結果が可視化される画角を調整するのを受け付け、
    前記ユーザが停止又は選択した時刻及び調整した画角を記録すること、
    を特徴とする請求項3に記載の移動体評価装置。
  5. 前記シーン出力部は、
    前記記録した時刻及び画角に基づき、
    前記優先順位を変更すること、
    を特徴とする請求項4に記載の移動体評価装置。
  6. 移動体評価装置のユーザ情報入力部は、
    ユーザ属性及び空間属性のうちの少なくとも1つの入力を受け付け、
    前記移動体評価装置のフィルタ条件生成部は、
    前記ユーザ属性及び前記空間属性のうちの少なくとも1つに基づき、関心指標、及び、前記関心指標の具体的な値の範囲である指標条件をフィルタ条件として生成し、
    前記移動体評価装置のシーン特定部は、
    前記フィルタ条件を満たすシミュレーション結果の範囲を特定し、
    前記移動体評価装置のシーン選択部は、
    特定された前記シミュレーション結果の範囲を選択可能な状態で表示し、
    前記移動体評価装置のシーン出力部は、
    選択された前記シミュレーション結果の範囲を可視化すること、
    を特徴とする移動体評価方法。
JP2023121702A 2023-07-26 2023-07-26 移動体評価装置及び移動体評価方法 Pending JP2025018193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023121702A JP2025018193A (ja) 2023-07-26 2023-07-26 移動体評価装置及び移動体評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023121702A JP2025018193A (ja) 2023-07-26 2023-07-26 移動体評価装置及び移動体評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2025018193A true JP2025018193A (ja) 2025-02-06

Family

ID=94433259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023121702A Pending JP2025018193A (ja) 2023-07-26 2023-07-26 移動体評価装置及び移動体評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2025018193A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rouse Modeling and visualization of complex systems and enterprises: Explorations of physical, human, economic, and social phenomena
JP7273601B2 (ja) 混雑解析装置及び混雑解析方法
Zverovich et al. Emergency response in complex buildings: automated selection of safest and balanced routes
Cavada et al. Serious gaming as a means of facilitating truly smart cities: a narrative review
WO2016067369A1 (ja) 人流分析システムおよび人流分析方法
WO2019087730A1 (ja) ビル内交通予測システム、ビル内交通予測システムにおけるエレベーター乗り場レイアウトの生成方法及びプログラム
Assila et al. Integration of augmented, virtual and mixed reality with building information modeling: a systematic review
JP7037747B2 (ja) 施策策定装置、施策策定方法および施策策定プログラム
JP2007299023A (ja) 広告の認識評価システム及び方法
JP2025018193A (ja) 移動体評価装置及び移動体評価方法
KR102741491B1 (ko) 메타버스 박물관 시스템 및 메타버스 박물관의 관람객 관리 방법
WO2020240932A1 (ja) 移動需要推定システム、移動需要推定方法、人流推定システムおよび人流推定方法
JP7456893B2 (ja) 病棟計画支援方法
Usman et al. Simulation‐as‐a‐Service: Analyzing Crowd Movements in Virtual Environments
JP7437521B2 (ja) ビル内交通流設定装置及びビル内交通流設定方法
Morton et al. Need a boost? a comparison of traditional commuting models with the xgboost model for predicting commuting flows (short paper)
JP7541470B2 (ja) 予測装置及び予測モデル学習装置
KR100935613B1 (ko) 문화관광 기획 시뮬레이션 방법 및 그를 이용한 문화관광 정보 서비스 방법
JP2022096756A (ja) 移動体管制システム及び移動体管制方法
Comai et al. Simulation modelling in a BIM environment: the case of school re-opening during Covid-19 pandemic
Johansson Pedestrian traffic simulation platform
Bernardini et al. Occupants’ behavioral analysis for the optimization of building operation and maintenance: A case study to improve the use of elevators in a university building
JP7449982B2 (ja) 施策策定支援システム、施策策定支援方法、および、施策策定支援プログラム
Gales et al. Architectural Implications for Evacuation Modelling of a Heritage Cultural Centre
Ward Urban movement-models of pedestrian activity