JP2025012317A - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、逆浸透膜を用いる水処理装置および水処理方法に関する。
近年、純水製造や水回収などの水処理において逆浸透膜が用いられる機会が増加している。被処理水中の溶質が逆浸透膜処理によって濃縮され、溶質の溶解度を超え、スケールとして析出して逆浸透膜の膜面を閉塞させるスケーリングは、逆浸透膜を代表するトラブルの1つである。代表的なスケール成分としては、カルシウム、アルミニウム、シリカなどがある。
スケーリングの対策として、逆浸透膜処理の濃縮水におけるスケール成分の濃度が、原則として、溶質の各々の溶解度を超えないように、また、ランゲリア指数LSI<0となるように、逆浸透膜処理装置の回収率を決定している。ここで、LSI(ランゲリア指数、Langelier Saturation Index)とは、硬度成分を含むスケールリスクの指標として知られており、水のpH、カルシウムイオン濃度、総アルカリ度、および溶解性物質濃度から求められる。この値が大きくなるほど、炭酸カルシウムの析出が生じやすくなり、他にも炭酸カルシウムを核とした、類似した性質を持つスケールの析出や共沈が生じやすくなる。LSIは、後述する式(1)にて算出することができる。
一般的には、スケール成分の濃度が高いほどLSIの数値が高くなるため、LSI<0で管理することが推奨されている。さらには、その他のスケーリングの対策として、逆浸透膜処理の供給水にスケール抑制剤を添加することが知られている。例えば、特許文献1には、実施例にて、アニオン荷電膜(日東電工製超低圧RO膜「ES20」)を用いる逆浸透膜処理の供給水にスケールを分散させる薬剤(スケール抑制剤)を添加することが記載されている。
しかし、LSI<0として回収率を下げることは、逆浸透膜の膜本数の増加やシステムの増大に繋がり、イニシャルコスト、ランニングコストを増加させる。さらに近年は、局所的な水不足や、水循環利用の広まりから、逆浸透膜処理の被処理水中のスケール成分の濃度が上昇しており、スケール抑制剤の添加だけでは、スケールによる膜閉塞の進行を抑制することが難しくなってきている。そのため、スケール抑制剤だけではなく、効果的なスケールの抑制手段が求められる。
本発明の目的は、逆浸透膜処理においてスケールによる逆浸透膜の閉塞の進行を抑制することができる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
本発明は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記被処理水は、さらにシリカを含むことが好ましい。
前記水処理装置において、前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記水処理装置において、前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超えることが好ましい。
前記水処理装置において、前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることが好ましい。
本発明は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理工程と、前記被処理水にスケール抑制剤を添加するスケール抑制剤添加工程と、を含み、前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記被処理水は、さらにシリカを含むことが好ましい。
前記水処理方法において、前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記水処理方法において、前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超えることが好ましい。
前記水処理方法において、前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理方法において、記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることが好ましい。
本発明によって、逆浸透膜処理においてスケールによる逆浸透膜の閉塞の進行を抑制することができる水処理装置および水処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置である。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
水処理装置1は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段として、逆浸透膜処理装置12を備える。逆浸透膜処理装置12において用いられる逆浸透膜は中性荷電膜である。水処理装置1は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を貯留する被処理水槽10を備えてもよい。
図1の水処理装置1において、被処理水槽10の被処理水入口には、被処理水配管14が接続されている。被処理水槽10の被処理水出口と逆浸透膜処理装置12の被処理水入口とは、被処理水配管16により接続されている。逆浸透膜処理装置12の透過水出口には、透過水配管18が接続され、濃縮水出口には、濃縮水配管20が接続されている。被処理水槽10の薬剤入口には、スケール抑制剤添加配管22が接続されている。
図1の水処理装置1において、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水は、被処理水配管14を通して必要に応じて被処理水槽10に貯留される。ここで、被処理水槽10において、被処理水にスケール抑制剤添加配管22を通してスケール抑制剤が添加される(スケール抑制剤添加工程)。スケール抑制剤が添加された被処理水は、被処理水配管16を通して逆浸透膜処理装置12に送液される。スケール抑制剤は、被処理水配管14または被処理水配管16においてライン添加されてもよい。
逆浸透膜処理装置12において、被処理水が逆浸透膜に通水されて透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理が行われる(逆浸透膜処理工程)。透過水は、透過水配管18を通して排出され、濃縮水は、濃縮水配管20を通して排出される。
これまで、逆浸透膜処理におけるスケールの析出は、濃縮水の溶質濃度、特に逆浸透膜表面近傍での溶質濃度に起因すると考えられており、逆浸透膜の膜種は影響しないと考えられていた。しかし、本発明者らは、逆浸透膜の膜種がスケーリングの進行に影響を与えることを見出した。
本発明者らは、逆浸透膜として中性荷電膜を用いた場合、アニオン荷電膜を用いた場合と比較して、スケールによる逆浸透膜の閉塞が進行しにくくなることを見出した。これは、代表的なスケール成分である、カルシウム、アルミニウムなどのカチオンが、アニオン荷電膜では膜近傍に荷電的に引き寄せられ濃縮されて高濃度になるのに対して、中性荷電膜では、その現象が起こりにくいためと考えられる。シリカはアニオン性であるが、カルシウムやアルミニウムなどのカチオンによって析出が促進されることが知られている。よって、シリカの析出を抑制する目的でも、中性荷電膜を使用する効果はあると考えられる。
中性荷電膜は、主に排水処理分野で使用されている。通常、逆浸透膜の表面はアニオン荷電であるが、コーティングなどの表面処理により中性荷電化することによって、主に有機物などによる膜面汚染を抑制する効果がある。一方で、その表面処理のため、アニオン荷電膜と比較して透過水量は低下し、同じ造水量を得ようとした際にはポンプの操作圧、および消費電力が上昇してしまうデメリットがある。そのため、特別な理由がない場合は、アニオン荷電膜を使用するようにするのが一般的である。例えば、地下水から純水を製造する用途では、スケール抑制剤とともにアニオン荷電膜が使用されている。例えば、地下水から純水を製造する用途で地下水中のスケール成分濃度が高い場合は、中性荷電膜を使用することによって、逆浸透膜が閉塞しにくくなり、長期運転における消費電力を抑制することが可能となる。
逆浸透膜には、中性荷電膜、アニオン荷電膜、およびカチオン荷電膜がある。本明細書では、後述する実施例に記載したゼータ電位の測定方法により求めた、pH7.0におけるゼータ電位が-10mV以上10mV以下の範囲である膜を中性荷電膜、10mVを超える膜をカチオン荷電膜、-10mV未満である膜をアニオン荷電膜と定義する。逆浸透膜を汚染しやすい有機物はアニオン性であることが多く、それらの付着を抑制するために、中性膜のゼータ電位は、-10~0mVの範囲であることが好ましい。
市販の中性荷電膜としては、例えば、BW30XFR(ダウ・ケミカル社製)、LFC3(日東電工株式会社製)、TML20(東レ株式会社製)、OFR625(以上、オルガノ株式会社製)などが挙げられる。
市販のカチオン荷電膜としては、例えば、ES10C(日東電工株式会社製)などが挙げられる。
市販のアニオン荷電膜としては、例えば、ES15、ES20、CPA3、CPA5(以上、日東電工株式会社製)、RE-8040BLN(ウンジン社製)などが挙げられる。
被処理水は、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。被処理水は、さらにシリカ、マグネシウムなどを含んでもよい。カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水としては、カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む水であればよく、特に制限はないが、例えば、凝集処理水、膜ろ過処理水、工業用水などが挙げられる。
被処理水のpHは、例えば、4.0~10.0の範囲であり、5.5~9.0の範囲であることが好ましい。被処理水のpHが4.0未満であると、逆浸透膜の阻止率が急激に低下し透過水質が悪化する場合があり、10.0を超えると、逆浸透膜が加水分解により劣化する場合がある。
被処理水のpH調整に、例えば塩酸、硫酸、硝酸などの酸や、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリなどのpH調整剤を用いてもよい。
被処理水のカルシウムの濃度は、例えば、0.1~500mg/Lの範囲であり、アルミニウムの濃度は、例えば、0.25~5mg/Lの範囲であり、シリカの濃度は、例えば、120~400mg/Lの範囲である。
用いるスケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)とを構成単位として含有する共重合体、ホスホン酸化合物、tert-ブチル基を有するポリマーなどが挙げられ、アニオン荷電が大きいなどの点から、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、ホスホン酸化合物が好ましい。
アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)とを構成単位として含有する共重合体としては、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸との共重合体、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸と置換アクリルアミドの三元共重合体、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とtert-ブチル基を有するモノマーとの三元共重合体などが挙げられる。
アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体の重量平均分子量は、特に制限はないが、例えば、2000~11000の範囲であり、4000~5000の範囲であることが好ましい。この共重体の重量平均分子量が2000未満であると、スケール抑制における立体障害効果が不十分となる場合があり、11000を超えると、逆浸透膜が閉塞する場合がある。この共重体におけるアクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とのモル比は、特に制限はないが、例えば、80:20~70:30の範囲であり、78:22~72:28の範囲であることが好ましい。共重体におけるアクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とのモル比において70:30よりアクリル酸の量が少ないと、カチオンをキレート化する能力が不十分になる場合があり、80:20より2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の量が少ないと、スケール抑制剤ポリマー自体の荷電反発による分散力が不十分になる場合がある。
ホスホン酸化合物としては、主にスケール分散剤として機能するホスホン酸化合物が挙げられ、例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラメチレンホスホン酸、またはこれらのホスホン酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)とを構成単位として含有する共重合体を1種または2種以上を使用してもよいし、ホスホン酸化合物を1種または2種以上を使用してもよいし、アクリル酸とAMPSとを構成単位として含有する共重合体を1種または2種以上と、ホスホン酸化合物を1種または2種以上とを併用してもよい。併用する場合、例えば、所定量のアクリル酸とAMPSとを構成単位として含有する共重合体と、所定量のホスホン酸化合物と、を混合して被処理水に添加してもよいし、所定量のアクリル酸とAMPSとを構成単位として含有する共重合体と、所定量のホスホン酸化合物と、を別々に被処理水に添加してもよい。
被処理水中のスケール抑制剤の量は、例えば、被処理水の量に対して0.1~50mg/Lの範囲とすればよく、1~20mg/Lの範囲とすることが好ましい。スケール抑制剤の量が被処理水の量に対して0.1mg/L未満であると、スケール抑制効果が得られない場合があり、50mg/Lを超えると、薬品割合に対するスケール抑制効果が小さくなる場合がある上に、ランニングコストが増大する場合がある。
濃縮水におけるランゲリア指数(LSI:Langelier Saturation Index)は、0を超えることが好ましく、0.16以上であることがより好ましい。濃縮水におけるランゲリア指数が0以下であると、逆浸透膜に中性荷電膜を用いなくてもスケールによる膜閉塞が発生しない場合がある。濃縮水におけるランゲリア指数の上限値には特に制限はないが、例えば、3.0である。
LSIは、以下の式(1)にて算出することができ、例えば、机上計算や、分離膜メーカーやスケール抑制剤メーカーの提供する計算ソフトで算出することができる。
LSI=pH-pHs+1.5×10-2×(T-25) 式(1)
pHs=8.313-log(Ca2+)-log(A)+S
ここで、pHは水のpH、Tは水温[℃]、(Ca2+)はCa2+のミリ当量濃度[meq/L]、(A)は総アルカリ度のミリ当量濃度[meq/L]、Sは補正値(S=(2×√μ)/(1+√μ)、μ:2.5×10-5×sd)を指す。sdは溶解性物質濃度[mg/L]を指す。
LSI=pH-pHs+1.5×10-2×(T-25) 式(1)
pHs=8.313-log(Ca2+)-log(A)+S
ここで、pHは水のpH、Tは水温[℃]、(Ca2+)はCa2+のミリ当量濃度[meq/L]、(A)は総アルカリ度のミリ当量濃度[meq/L]、Sは補正値(S=(2×√μ)/(1+√μ)、μ:2.5×10-5×sd)を指す。sdは溶解性物質濃度[mg/L]を指す。
濃縮水におけるカルシウムの濃度は、0.1mg/L以上であることが好ましく、1mg/L以上であることがより好ましい。濃縮水におけるカルシウムの濃度が0.1mg/L未満であると、逆浸透膜に中性荷電膜を用いなくてもスケールによる膜閉塞が発生しない場合がある。濃縮水におけるカルシウムの濃度の上限値には特に制限はないが、例えば、500mg/Lである。
濃縮水におけるシリカの濃度は、120mg/L以上であることが好ましく、150mg/L以上であることがより好ましい。濃縮水におけるシリカの濃度が120mg/L未満であると、逆浸透膜に中性荷電膜を用いなくてもスケールによる膜閉塞が発生しない場合がある。濃縮水におけるシリカの濃度の上限値には特に制限はないが、例えば、400mg/Lである。
濃縮水におけるアルミニウムの濃度は、0.25mg/L以上であることが好ましく、5mg/L以上であることがより好ましい。濃縮水におけるアルミニウムの濃度が0.25mg/L未満であると、逆浸透膜に中性荷電膜を用いなくてもスケールによる膜閉塞が発生しない場合がある。濃縮水におけるアルミニウムの濃度の上限値には特に制限はないが、例えば、10mg/Lである。
本実施形態に係る水処理方法において、上記スケール抑制剤、pH調整剤の他に、スライムコントロール剤、重金属やリン酸塩やアゾール化合物などの防食剤などの他の剤を用いてもよい。
本明細書は、以下の実施形態を含む。
[1]カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、
前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置。
[1]カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、
前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理装置。
[2][1]に記載の水処理装置であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含む、水処理装置。
前記被処理水は、さらにシリカを含む、水処理装置。
[3][1]または[2]に記載の水処理装置であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含む、水処理装置。
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含む、水処理装置。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載の水処理装置であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜である、水処理装置。
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜である、水処理装置。
[5][1]~[4]のいずれか1つに記載の水処理装置であって、
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超える、水処理装置。
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超える、水処理装置。
[6][1]~[5]のいずれか1つに記載の水処理装置であって、
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上である、水処理装置。
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上である、水処理装置。
[7][1]~[6]のいずれか1つに記載の水処理装置であって、
前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理装置。
前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理装置。
[8][1]~[4]のいずれか1つに記載の水処理装置であって、
前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理装置。
前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理装置。
[9]カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理工程と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するスケール抑制剤添加工程と、
を含み、
前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理方法。
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するスケール抑制剤添加工程と、
を含み、
前記逆浸透膜は中性荷電膜である、水処理方法。
[10][9]に記載の水処理方法であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含む、水処理方法。
前記被処理水は、さらにシリカを含む、水処理方法。
[11][9]または[10]に記載の水処理方法であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含む、水処理方法。
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含む、水処理方法。
[12][9]~[11]のいずれか1つに記載の水処理方法であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜である、水処理方法。
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜である、水処理方法。
[13][9]~[12]のいずれか1つに記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超える、水処理方法。
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超える、水処理方法。
[14][9]~[13]のいずれか1つに記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上である、水処理方法。
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上である、水処理方法。
[15][9]~[14]のいずれか1つに記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理方法。
前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理方法。
[16][9]~[12]のいずれか1つに記載の水処理方法であって、
前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理方法。
前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上である、水処理方法。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[RO平膜通水試験]
RO平膜通水試験を実施した。純水に各溶質を所定量溶解し、原水を作製した。イオン状シリカ濃度はメタケイ酸ナトリウムを用いて、アルミニウムイオン濃度は塩化アルミニウムを用いて、カルシウムイオン濃度は塩化カルシウムを用いて、マグネシウムイオン濃度は塩化マグネシウムを用いて、炭酸水素イオンは炭酸水素ナトリウムを用いて、それぞれ所定濃度となるよう調整した。なお、溶解性物質の濃度は、500~1000[mg/L]の所定の濃度である。原水のpHは、塩酸、または水酸化ナトリウムを用いて調整し、pH7.5とした。通水は、25±2℃の室温で行った。本平膜通水試験の原水は、逆浸透膜エレメント通水のときのRO濃縮水を模擬している。
RO平膜通水試験を実施した。純水に各溶質を所定量溶解し、原水を作製した。イオン状シリカ濃度はメタケイ酸ナトリウムを用いて、アルミニウムイオン濃度は塩化アルミニウムを用いて、カルシウムイオン濃度は塩化カルシウムを用いて、マグネシウムイオン濃度は塩化マグネシウムを用いて、炭酸水素イオンは炭酸水素ナトリウムを用いて、それぞれ所定濃度となるよう調整した。なお、溶解性物質の濃度は、500~1000[mg/L]の所定の濃度である。原水のpHは、塩酸、または水酸化ナトリウムを用いて調整し、pH7.5とした。通水は、25±2℃の室温で行った。本平膜通水試験の原水は、逆浸透膜エレメント通水のときのRO濃縮水を模擬している。
RO平膜通水試験では、原水を被処理水として、ポンプを用いて逆浸透膜に供給し、透過水と濃縮水に分離した。透過水は電子天秤の上にサンプリングし、濃縮水は原水タンクに戻した。透過水が系内から抜けた分は、純水を補給した。ポンプの操作圧力は0.75MPa、または1.22MPaとした。濃縮水量は100mL/minとして、透過水量に対して十分な量を確保した。通水開始後、30分ほど待ち、系内全体がほとんど均一になったことを確認し、その時点でのFluxを初期値とした。Fluxとは、透過流束のことを指し、透過水量[g]/水の密度[g/mL]/膜面積[m2]で求められる。以降、経時的にFluxを測定し、各時間におけるFluxの、初期Fluxに対する割合[%]をFlux保持率[%]として記録した。
なお、一般的な逆浸透膜のエレメント通水においては、被処理水が逆浸透膜によって透過水と濃縮水に分離されるが、その回収率は例えば50%~90%程度、濃縮倍率に換算すると2倍~10倍程度となる。一方、平膜通水試験の回収率は例えば約0.01%~0.05%程度であり、原水水質≒濃縮水水質となる。これは平膜通水試験が実験室レベルで用いられる検討手法であるためであり、試験実施に必要なサンプル水量を減らすことが目的である。平膜通水試験では、最も閉塞物質の濃度が高くなる濃縮水を模擬した水を逆浸透膜に通水することによって閉塞リスクを評価している。
[逆浸透膜のゼータ電位の測定]
各逆浸透膜のゼータ電位は、pH4~6の10mM-NaCl水溶液を測定液として、該測定液に15mm×33mm(厚みは5mm以下)の寸法の逆浸透膜を浸漬して、平板電位泳動法により測定した。
各逆浸透膜のゼータ電位は、pH4~6の10mM-NaCl水溶液を測定液として、該測定液に15mm×33mm(厚みは5mm以下)の寸法の逆浸透膜を浸漬して、平板電位泳動法により測定した。
逆浸透膜のゼータ電位は、大塚電子株式会社製、ゼータ電位・粒径測定システムELSZseriesを用いて、求めた。逆浸透膜のゼータ電位は、測定した電気浸透プロットより、下記森・岡本の式およびSmoluchowskiの式から計算した。
(森・岡本の式)
Uobs(z)=AU0(z/b)2+ΔU0(z/b)+(1-A)U0+Up
ここで、
z:セル中心位置からの距離
Uobs(z):セル中のz位置における見かけの移動度
A:1/[(2/3)-(0.420166/K)]
K=a/b: 2aと2bはセル断面の横と縦の長さ、a>b
Up:粒子の真の移動度
U0:セルの上面、下面における平均移動度
ΔU0:セルの上面、下面における移動度の差
Uobs(z)=AU0(z/b)2+ΔU0(z/b)+(1-A)U0+Up
ここで、
z:セル中心位置からの距離
Uobs(z):セル中のz位置における見かけの移動度
A:1/[(2/3)-(0.420166/K)]
K=a/b: 2aと2bはセル断面の横と縦の長さ、a>b
Up:粒子の真の移動度
U0:セルの上面、下面における平均移動度
ΔU0:セルの上面、下面における移動度の差
(Smoluchowskiの式)
ζ=4πηU/ε
ここで、
U:電気移動度
ε:溶媒の誘電率
η:溶媒の粘度
ζ=4πηU/ε
ここで、
U:電気移動度
ε:溶媒の誘電率
η:溶媒の粘度
溶媒の物性値は25℃における純水の値(屈折率:1.3328、粘度:0.8878、誘電率:78.3)を使用した。
<実施例1、比較例1>
各溶質濃度が、表1に示す値となるように原水を調整した。表1の水質の原水のLSIを算出したところ、0.17であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)との二元共重合体ポリマー(重量平均分子量:4500)に、ホスホン酸化合物として2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが11.5mg/L、ホスホン酸化合物が4.3mg/Lとなるように添加した。実施例1では、逆浸透膜として、Film Tec社製の中性荷電膜(BW30XFR)を使用した。BW30XFRのゼータ電位を測定したところ、-7.9mVであった。比較例1では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。ES20のゼータ電位を測定したところ、-35mVであった。
各溶質濃度が、表1に示す値となるように原水を調整した。表1の水質の原水のLSIを算出したところ、0.17であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)との二元共重合体ポリマー(重量平均分子量:4500)に、ホスホン酸化合物として2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが11.5mg/L、ホスホン酸化合物が4.3mg/Lとなるように添加した。実施例1では、逆浸透膜として、Film Tec社製の中性荷電膜(BW30XFR)を使用した。BW30XFRのゼータ電位を測定したところ、-7.9mVであった。比較例1では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。ES20のゼータ電位を測定したところ、-35mVであった。
Flux保持率(%)の運転時間(hr)に対する推移を図1に示す。実施例1では、比較例1と比べて、Flux保持率を高く保つことができた。
<実施例2、比較例2>
各溶質濃度が、表2に示す値となるように原水を調整した。表2の水質の原水のLSIを算出したところ、0.21であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが46mg/Lとなるように添加した。実施例2では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。LFC3のゼータ電位を測定したところ、-1.3mVであった。比較例2では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
各溶質濃度が、表2に示す値となるように原水を調整した。表2の水質の原水のLSIを算出したところ、0.21であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが46mg/Lとなるように添加した。実施例2では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。LFC3のゼータ電位を測定したところ、-1.3mVであった。比較例2では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
Flux保持率(%)の運転時間(hr)に対する推移を図2に示す。実施例2では、比較例2と比べて、Flux保持率を高く保つことができた。
<実施例3、比較例3>
各溶質濃度が、表3に示す値となるように原水を調整した。表3の水質の原水のLSIを算出したところ、0.49であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーに、上記ホスホン酸化合物を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、実施例2と同じ量とした。実施例3では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例3では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
各溶質濃度が、表3に示す値となるように原水を調整した。表3の水質の原水のLSIを算出したところ、0.49であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーに、上記ホスホン酸化合物を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、実施例2と同じ量とした。実施例3では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例3では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
Flux保持率(%)の運転時間(hr)に対する推移を図3に示す。実施例3では、比較例3と比べて、Flux保持率を高く保つことができた。
<実施例4、比較例4>
各溶質濃度が、表4に示す値となるように原水を調整した。表4の水質の原水のLSIを算出したところ、-0.84であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが13.8mg/Lとなるように添加した。実施例4では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例4では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
各溶質濃度が、表4に示す値となるように原水を調整した。表4の水質の原水のLSIを算出したところ、-0.84であった。ポンプの操作圧を0.75MPaとし、RO平膜通水試験を実施した。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが13.8mg/Lとなるように添加した。実施例4では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例4では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。
Flux保持率(%)の運転時間(hr)に対する推移を図4に示す。LSI<0となる条件であったが、Fluxの低下はわずかに観察された。硬度成分ではなく、シリカやアルミニウムによるスケールと考えられる。この場合にも、実施例4では、比較例4と比べて、Flux保持率を高く保つことができた。
<実施例5、比較例5>
各溶質濃度が、表5に示す値となるように原水を調整した。表5の水質の原水のLSIを算出したところ、0.17であった。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーに、上記ホスホン酸化合物を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが100mg/Lとなるように添加した。実施例5では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例5では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。ポンプの操作圧を、LFC3に関しては1.22MPaとし、ES20については0.75MPaとした。実施例5、比較例5では、こうすることによってLFC3とES20のそれぞれの透過水量[g/min]を等しくして、RO平膜通水試験を行った。
各溶質濃度が、表5に示す値となるように原水を調整した。表5の水質の原水のLSIを算出したところ、0.17であった。スケール抑制剤としては、上記アクリル酸とAMPSとの二元共重合体ポリマーに、上記ホスホン酸化合物を混合したものを使用した。被処理水中のスケール抑制剤の量は、原水の量に対して二元共重合体ポリマーが100mg/Lとなるように添加した。実施例5では、逆浸透膜として、日東電工社製の中性荷電膜(LFC3)を使用した。比較例5では、逆浸透膜として、日東電工社製のアニオン荷電膜(ES20)を使用した。ポンプの操作圧を、LFC3に関しては1.22MPaとし、ES20については0.75MPaとした。実施例5、比較例5では、こうすることによってLFC3とES20のそれぞれの透過水量[g/min]を等しくして、RO平膜通水試験を行った。
Flux保持率(%)の運転時間(hr)に対する推移を図5に示す。実施例5では、比較例5と比べて、Flux保持率を高く保つことができた。
このように、実施例の装置および方法によって、逆浸透膜処理においてスケールによる逆浸透膜の閉塞の進行を抑制することができた。
1 水処理装置、10 被処理水槽、12 逆浸透膜処理装置、14,16 被処理水配管、18 透過水配管、20 濃縮水配管、22 スケール抑制剤添加配管。
Claims (12)
- カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理手段と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するためのスケール抑制剤添加手段と、を備え、
前記逆浸透膜は中性荷電膜であることを特徴とする水処理装置。 - 請求項1に記載の水処理装置であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含むことを特徴とする水処理装置。 - 請求項1に記載の水処理装置であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする水処理装置。 - 請求項1に記載の水処理装置であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることを特徴とする水処理装置。 - カルシウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む被処理水を逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とを得る逆浸透膜処理工程と、
前記被処理水にスケール抑制剤を添加するスケール抑制剤添加工程と、
を含み、
前記逆浸透膜は中性荷電膜であることを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記被処理水は、さらにシリカを含むことを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記スケール抑制剤は、アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体、およびホスホン酸化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記中性荷電膜は、膜表面のゼータ電位が-10mV以上+10mV以下である中性荷電膜であることを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるランゲリア指数が、0を超えることを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるシリカ濃度が、120mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水におけるアルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。 - 請求項5に記載の水処理方法であって、
前記濃縮水における、ランゲリア指数が、0を超え、シリカ濃度が、120mg/L以上であり、アルミニウム濃度が、0.25mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
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JP6974936B2 (ja) * | 2016-10-25 | 2021-12-01 | オルガノ株式会社 | 逆浸透膜を用いる水処理方法 |
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2023
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2024
- 2024-04-03 WO PCT/JP2024/013828 patent/WO2025013363A1/ja unknown
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