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JP2025010798A - ディスクブレーキ - Google Patents

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JP2025010798A
JP2025010798A JP2023113014A JP2023113014A JP2025010798A JP 2025010798 A JP2025010798 A JP 2025010798A JP 2023113014 A JP2023113014 A JP 2023113014A JP 2023113014 A JP2023113014 A JP 2023113014A JP 2025010798 A JP2025010798 A JP 2025010798A
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pad spring
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純兵 太田
Jumpei Ota
伸二 鈴木
Shinji Suzuki
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Hitachi Astemo Ltd
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Hitachi Astemo Ltd
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Abstract

Figure 2025010798000001
【課題】コストを抑制することが可能となるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】取付部材に支持されて摩擦パッド26,27をディスク11に押圧するキャリパと、取付部材に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設して摩擦パッド26,27をディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113を有するパッドスプリング24と、を備え、戻しばね部113は、湾曲板部151から離間したディスク11との対向部位に、摩擦パッド26,27のライニングの摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニングの摩耗状態を知らせる摩耗検知部156が形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
取付部材に取り付けられ、摩擦パッドを移動可能に支持すると共に摩擦パッドをディスクから離間する方向に付勢するパッドスプリングを有するディスクブレーキがある(例えば、特許文献1~3参照)。
米国特許出願公開第2023/0009184号明細書 米国特許出願公開第2023/0059238号明細書 米国特許第11428282号明細書
ところで、ディスクブレーキにおいては、コストを抑制することが望まれている。
本発明の目的は、コストを抑制することが可能となるディスクブレーキを提供することにある。
本発明に係るディスクブレーキの一態様は、車両の非回転部分に取り付けられディスクの回転方向にトルク受け部を有する取付部材と、前記ディスクの軸線方向に移動可能となる摩擦パッドと、前記取付部材に支持されて前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するキャリパと、前記取付部材に取り付けられる基部に接続される湾曲板部から延設して前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しばね部を有するパッドスプリングと、を備えるディスクブレーキであって、前記戻しばね部は、前記湾曲板部から離間した前記ディスクとの対向部位に、前記摩擦パッドのライニングの摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際に前記ディスクと摺接して前記ライニングの摩耗状態を知らせる摩耗検知部が形成されている。
本発明によれば、コストを抑制することが可能となる。
第1実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。 第1実施形態のディスクブレーキを示す正面図。 第1実施形態のディスクブレーキを示す断面図。 第1実施形態のディスクブレーキを示す部分拡大正面図。 第1実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングおよび第2パッドスプリングを示す斜視図。 第1実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングを示す正面図。 第1実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングを示す正面図であって第1摩擦パッドの耳部および第2摩擦パッドの耳部で押圧された状態を示すもの。 第1実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングを示す正面図であって第1摩擦パッドの耳部および第2摩擦パッドの耳部で押圧された状態を示すもの。 第2実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングおよび第2パッドスプリングを示す斜視図。 第2実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングおよび第2パッドスプリングを示す正面図。 第3実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングおよび第2パッドスプリングを示す斜視図。 第3実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングおよび第2パッドスプリングを示す正面図。 第3実施形態のディスクブレーキの第1パッドスプリングを示す正面図であって第1摩擦パッドの耳部および第2摩擦パッドの耳部で押圧された状態を示すもの。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1~図8を参照しつつ以下に説明する。
図1~図3に示す第1実施形態のディスクブレーキ10は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものである。ディスクブレーキ10は、具体的には四輪自動車の制動用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク11の回転を止めることによって車両を制動する。
ディスクブレーキ10は、図1に示すように、取付部材20と、キャリパ21と、第1ピンブーツ22と、第2ピンブーツ23と、第1パッドスプリング24(パッドスプリング)と、第2パッドスプリング25(パッドスプリング)と、インナ側摩擦パッド26(摩擦パッド)と、アウタ側摩擦パッド27(摩擦パッド)と、を備えている。
以下、ディスク11の回転の中心軸線をディスク軸線と称す。また、ディスク軸線の延びる方向をディスク軸線方向と称す。ディスクブレーキ10内におけるディスク11の半径方向をディスク半径方向と称す。ディスクブレーキ10内におけるディスク11の回転方向つまり周方向をディスク回転方向と称す。ディスク半径方向におけるディスク11の中心軸線側をディスク半径方向内側と称す。ディスク半径方向におけるディスク11の中心軸線とは反対側をディスク半径方向外側と称す。ディスクブレーキ10内におけるディスク回転方向の長さの中央側をディスク回転方向内側と称す。ディスクブレーキ10内におけるディスク回転方向の長さの中央とは反対側をディスク回転方向外側と称す。ディスク軸線と、取付部材20およびキャリパ21のディスク回転方向の中央とを通ってディスク半径方向に沿う線を半径方向基準線と称す。この半径方向基準線はディスク軸線に直交する。この半径方向基準線とディスク軸線とを含む平面を半径方向基準面と称す。
このディスクブレーキ10が設けられた車両の車幅方向における外側をアウタ側と称す。このディスクブレーキ10が設けられた車両の車幅方向における内側をインナ側と称す。このディスクブレーキ10が設けられた車両の前進走行時のディスクブレーキ10におけるディスク11の回転方向Rの出口側をディスク回転方向回出側と称す。このディスクブレーキ10が設けられた車両の前進走行時のディスクブレーキ10におけるディスク11の回転方向Rの入口側をディスク回転方向回入側と称す。
取付部材20は、ディスク11の外周側を跨いで車両に設けられる。取付部材20は、この状態で車両の図示略の非回転部に取り付けられる。図1および図2に示すように、取付部材20は、インナ側配置部31と、アウタ側配置部32と、これらを連結する一対の第1連結部33および第2連結部34と、を備えている。取付部材20は、半径方向基準面を基準とする鏡面対称の形状となっている。
ディスク11は、図3に示すように、ディスク軸線方向における一方のインナ側摺接面11a(摺接面)と、ディスク軸線方向における他方のアウタ側摺接面11b(摺接面)とを有している。インナ側摺接面11aは、ディスク11のインナ側に配置されている。アウタ側摺接面11bは、ディスク11のアウタ側に配置されている。
インナ側配置部31は、ディスク11に対しディスク軸線方向の一側に配置されて車両の非回転部に取り付けられる。ここで、取付部材20が取り付けられる車両の非回転部は、ディスク11に対しインナ側に配置されている。よって、この非回転部分に取り付けられるインナ側配置部31も、ディスク11に対しインナ側に配置される。インナ側配置部31は、ディスク11のインナ側摺接面11aに対向する。インナ側配置部31は、図1に示すインナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向に移動可能に支持する。言い換えれば、インナ側摩擦パッド26はディスク軸線方向に移動可能となっている。インナ側摩擦パッド26は、ディスク11に対してインナ側に配置される。インナ側摩擦パッド26は、ディスク11のインナ側摺接面11aに対向して配置される。
アウタ側配置部32は、ディスク11に対しディスク軸線方向の他側に配置される。アウタ側配置部32は、ディスク11に対してアウタ側に配置される。アウタ側配置部32は、ディスク11のアウタ側摺接面11bに対向する。アウタ側配置部32は、アウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向に移動可能に支持する。言い換えれば、アウタ側摩擦パッド27はディスク軸線方向に移動可能となっている。アウタ側摩擦パッド27は、ディスク11に対してアウタ側に配置される。アウタ側摩擦パッド27は、ディスク11のアウタ側摺接面11bに対向して配置される。
第1連結部33および第2連結部34は、ディスク軸線方向に延びており、ディスク11の外周側をディスク軸線方向に跨いで設けられている。第1連結部33は、インナ側配置部31およびアウタ側配置部32のディスク半径方向の外側、かつディスク回転方向回出側の端部同士を連結する。第2連結部34は、インナ側配置部31およびアウタ側配置部32のディスク半径方向の外側、かつディスク回転方向回入側の端部同士を連結する。
図2に示すように、インナ側配置部31は、ネジ穴41を有する第1固定部42と、ネジ穴43を有する第2固定部44と、第1固定部42と第2固定部44とを接続するメインビーム45と、を備えている。また、インナ側配置部31は、第1固定部42から延出する第1接続部46と、第2固定部44から延出する第2接続部47と、を備えている。第1固定部42、第2固定部44、メインビーム45、第1接続部46および第2接続部47は、いずれもディスク11に対しインナ側に配置され、いずれもディスク11の図3に示すインナ側摺接面11aに対向する。
図2に示すように、第1固定部42は、インナ側配置部31において第2固定部44よりもディスク回転方向回出側に設けられている。メインビーム45は、ディスク回転方向に延びている。ネジ穴41は、第1固定部42にディスク軸線方向に沿って穿設されている。ネジ穴43は、第2固定部44にディスク軸線方向に沿って穿設されている。取付部材20は、第1固定部42および第2固定部44が車両の非回転部分である図示略の取付部に突き当てられた状態で、ネジ穴41,43に螺合される図示略のボルトによってこの取付部に固定される。車両の非回転部に固定された第1固定部42および第2固定部44は、互いにディスク軸線方向の位置およびディスク半径方向の位置を合わせる。
第1接続部46は、第1固定部42からディスク半径方向外側に延出している。第2接続部47は、第2固定部44からディスク半径方向外側に延出している。第1接続部46は、第2接続部47よりもディスク回転方向回出側に配置されている。
第1連結部33は、第1接続部46のディスク半径方向外側の端部から、図1に示すように、ディスク11の外周面よりもディスク半径方向外側を跨いで、アウタ側に向けディスク軸線方向に沿って延出している。第2連結部34は、第2接続部47のディスク半径方向外側の端部から、ディスク11の外周面よりもディスク半径方向外側を跨いで、アウタ側に向けディスク軸線方向に沿って延出している。第1連結部33は、第2連結部34よりもディスク回転方向回出側に配置されている。
アウタ側配置部32は、第1連結部33から延出する第3接続部51と、第2連結部34から延出する第4接続部52と、第3接続部51および第4接続部52を連結するアウタビーム53と、を備えている。第3接続部51、第4接続部52およびアウタビーム53は、いずれもディスク11に対しアウタ側に配置され、いずれもディスク11のアウタ側摺接面11bに対向している。
第3接続部51は、第1連結部33のディスク軸線方向におけるアウタ側の端部から、ディスク半径方向内側に延出している。第4接続部52は、第2連結部34のディスク軸線方向におけるアウタの端部からディスク半径方向内側に延出している。第3接続部51は、第4接続部52よりもディスク回転方向回出側に配置されている。アウタビーム53は、第3接続部51のディスク半径方向内側の端部と、第4接続部52のディスク半径方向内側の端部とを連結している。アウタビーム53は、ディスク回転方向に延びている。
図2に示す第1接続部46と第2接続部47と第3接続部51と第4接続部52とには、それぞれのディスク回転方向内側に、図2において第3接続部51および第4接続部52を示し図3において第1接続部46を示すように、略同様の形状のトルク受け部60が形成されている。よって、取付部材20には、4箇所の略同様の形状のトルク受け部60が形成されている。
図3に示す第1接続部46のトルク受け部60と図2に示す第2接続部47の図示略のトルク受け部とはディスク回転方向において鏡面対称状に配置されている。第3接続部51のトルク受け部60と第4接続部52のトルク受け部60とはディスク回転方向において鏡面対称状に配置されている。言い換えれば、取付部材20は、ディスク回転方向両側にトルク受け部60を有している。
取付部材20に形成された、略同様の形状の4箇所のトルク受け部60について、図4に示すアウタ側かつディスク回転方向回出側の第3接続部51のトルク受け部60を例にとり説明する。トルク受け部60は、ディスク半径方向内側から順に、第1面部61と、第2面部62と、第3面部63と、第4面部64と、第5面部65と、第6面部66と、を有している。第1面部61、第2面部62、第3面部63、第4面部64、第5面部65および第6面部66は、いずれもディスク軸線方向に沿って広がっている。
第1面部61は、平面状であり、半径方向基準面に平行に広がっている。
第2面部62は、平面状であり、第1面部61のディスク半径方向外側の端縁部からディスク半径方向外側かつディスク回転方向外側に延出している。第2面部62は、半径方向基準面に対して傾斜している。
第3面部63は、平面状であり、第2面部62のディスク半径方向外側の端縁部からディスク回転方向外側に延出している。第3面部63は半径方向基準線に垂直に広がっている。
第4面部64は、平面状であり、第3面部63のディスク回転方向外側の端縁部からディスク半径方向外側に延出している。第4面部64は半径方向基準面に平行に広がっている。
第5面部65は、平面状であり、第4面部64のディスク半径方向外側の端縁部からディスク回転方向内側に延出している。第5面部65は半径方向基準線に垂直に広がっている。
第6面部66は、平面状であり、第5面部65のディスク回転方向内側の端縁部からディスク半径方向外側に延出している。第6面部66は半径方向基準面に平行に広がっている。
第1面部61と第4面部64と第6面部66とは、ディスク回転方向内側に向いている。第3面部63は、ディスク半径方向外側に向いている。第5面部65は、ディスク半径方向内側に向いている。
連続する第2面部62と第3面部63と第4面部64と第5面部65とが、第1面部61および第6面部66よりもディスク回転方向外側に凹む係合凹部75を構成している。
図2に示すように、第4接続部52のトルク受け部60は、第3接続部51のトルク受け部60と鏡面対称状の係合凹部75を有している。第3接続部51の係合凹部75および第4接続部52の係合凹部75は、ディスク回転方向において互いに対向しており、ディスク回転方向において互いに離れる方向に凹んでいる。第3接続部51の係合凹部75および第4接続部52の係合凹部75は、ディスク軸線方向の位置を合わせており、ディスク半径方向の位置も合わせている。第3接続部51の係合凹部75は第3接続部51をディスク軸線方向に貫通している。第4接続部52の係合凹部75は第4接続部52をディスク軸線方向に貫通している。
図3に示すように、第1接続部46のトルク受け部60は係合凹部75を有している。第1接続部46の係合凹部75は、ディスク回転方向において、図2に示す第3接続部51の係合凹部75と同様の向きとなっている。第2接続部47の図示略のトルク受け部は図示略の係合凹部を有している。第2接続部47の図示略の係合凹部は、ディスク回転方向において、第4接続部52の係合凹部75と同様の向きとなっている。第2接続部47の図示略の係合凹部は、図3に示す第1接続部46の係合凹部75と鏡面対称状である。第1接続部46の係合凹部75および第2接続部47の図示略の係合凹部は、ディスク回転方向において互いに対向しており、ディスク回転方向において互いに離れる方向に凹んでいる。第1接続部46の係合凹部75および第2接続部47の図示略の係合凹部は、ディスク軸線方向の位置を合わせており、ディスク半径方向の位置も合わせている。第1接続部46の係合凹部75は第1接続部46をディスク軸線方向に貫通している。第2接続部47の図示略の係合凹部は第2接続部47をディスク軸線方向に貫通している。
図2に示す第3接続部51の係合凹部75と、図3に示す第1接続部46の係合凹部75とは、ディスク半径方向の位置を合わせており、ディスク回転方向の位置も合わせている。図2に示す第4接続部52の係合凹部75と、第2接続部47の図示略の係合凹部とは、ディスク半径方向の位置を合わせており、ディスク回転方向の位置も合わせている。
取付部材20は、インナ側配置部31が、第1接続部46に設けられた図3に示す係合凹部75と図1に示す第2接続部47に設けられた図示略の係合凹部とで、インナ側摩擦パッド26を支持する。また、取付部材20は、図2に示すように、アウタ側配置部32が、第3接続部51に設けられた係合凹部75と第4接続部52に設けられた係合凹部75とで、アウタ側摩擦パッド27を支持する。取付部材20は、第1固定部42、第1接続部46、第1連結部33および第3接続部51が、ディスク回転方向回出側に配置される。取付部材20は、第2固定部44、第2接続部47、第2連結部34および第4接続部52が、ディスク回転方向回入側に配置される。
第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、同形状の共通部品である。第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、いずれも取付部材20に一体的に組み付けられる。第1パッドスプリング24は取付部材20のディスク回転方向回出側に取り付けられる。その際に、一つの第1パッドスプリング24が、いずれもディスク回転方向回出側の第1接続部46および第3接続部51の両方にわたって取り付けられる。第2パッドスプリング25は取付部材20のディスク回転方向回入側に取り付けられる。その際に、一つの第2パッドスプリング25が、いずれもディスク回転方向回入側の第2接続部47および第4接続部52の両方にわたって取り付けられる。つまり、一つの取付部材20に、二つの第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25が取り付けられている。これら第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、取付部材20に取り付けられて図1に示すインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27を弾性的に支持する。また、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27のディスク軸線方向の移動を案内する。
図5および図6は、取付部材20に組み付けられる前の自然状態の第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を示している。第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は同形状であるため、第1パッドスプリング24を例にとり説明する。ここでは、自然状態の第1パッドスプリング24について説明する。
第1パッドスプリング24は、鏡面対称の形状をなしている。第1パッドスプリング24は、その全体が、一定厚さの一枚の金属製板材からプレス成形により形成されている。第1パッドスプリング24は、一対のパッド支持部101と、これらパッド支持部101を連結する連結部102と、連結部102から延出する係合部103と、を有している。図3に示すように、第1パッドスプリング24は、一対のパッド支持部101がディスク11に対しディスク軸線方向の両側に配置される。第1パッドスプリング24は、連結部102がディスク11に対しディスク半径方向の外側に配置される。言い換えれば、第1パッドスプリング24には、一対のパッド支持部101の間にディスク11が配置される。
図5および図6に示すように、第1パッドスプリング24において、一対のパッド支持部101は、鏡面対称の形状をなしている。このため、一方のパッド支持部101について説明する。
パッド支持部101は、基部111と、延出部112と、戻しばね部113とを有している。
基部111は、図5に示すように、外側板部121と、外側支持板部122と、壁板部123と、内側延出板部124と、内側傾斜板部125と、内端板部126と、係合爪127とを有している。外側板部121、外側支持板部122、壁板部123、内側延出板部124、内側傾斜板部125、内端板部126および係合爪127は、いずれも平板状である。
外側板部121は、パッド支持部101において連結部102側の端部にある。外側板部121は、連結部102から延出している。
外側支持板部122は、外側板部121の連結部102とは反対側の端縁部から外側板部121に垂直に延出している。
壁板部123は、外側支持板部122の外側板部121とは反対側の端縁部から外側支持板部122に垂直に延出している。壁板部123は、外側支持板部122の厚さ方向において、外側支持板部122から外側板部121とは反対側に延出している。壁板部123は、外側板部121と平行に広がっている。
内側延出板部124は、壁板部123の外側支持板部122とは反対側の端縁部から壁板部123の厚さ方向において外側支持板部122と同側に延出している。内側延出板部124は、壁板部123の厚さ方向において壁板部123から離れるほど外側支持板部122に近づくように、外側支持板部122に対して傾斜している。
内側傾斜板部125は、内側延出板部124の壁板部123とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れ、壁板部123の厚さ方向において、壁板部123から離れる方向に延出している。内側傾斜板部125と内側延出板部124とは鈍角をなす。
壁板部123、内側延出板部124および内側傾斜板部125には、中間開口129が形成されている。中間開口129は、壁板部123の内側延出板部124側の部分から内側延出板部124を横断して内側傾斜板部125の内側延出板部124側の部分まで広がっている。
内端板部126は、内側傾斜板部125の内側延出板部124とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れ、壁板部123の厚さ方向において壁板部123に近づく方向に延出している。内端板部126と内側傾斜板部125とは鈍角をなす。
係合爪127は、壁板部123の中間開口129を形成する縁部から突出している。係合爪127は、壁板部123から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れ、壁板部123の厚さ方向において内側傾斜板部125に近づく方向に突出している。係合爪127と壁板部123とは鈍角をなす。係合爪127は、外側支持板部122の厚さ方向において内側延出板部124よりも外側支持板部122とは反対側まで突出している。
連続する外側支持板部122と壁板部123と内側延出板部124とが、全体として、外側板部121および内側板部115に対して、これらの厚さ方向の一側の面から凹状をなし、他側の面から凸状をなすガイド部130を構成している。ガイド部130は、基部111に設けられている。
延出部112は、外側延出板部141と、先端板部142とを有している。
外側延出板部141は、この外側延出板部141が設けられた一方のパッド支持部101の外側板部121の他方のパッド支持部101とは反対側の端縁部から、外側板部121の厚さ方向において外側支持板部122と同側に延出している。外側延出板部141は、外側板部121に対し垂直をなしている。
先端板部142は、外側延出板部141の外側板部121とは反対側の端縁部から、外側延出板部141に垂直に延出している。先端板部142は、この先端板部142が設けられた一方のパッド支持部101の外側延出板部141から、他方のパッド支持部101とは反対方向に延出している。先端板部142は、外側板部121と平行に広がっている。
戻しばね部113は、湾曲板部151と、基端側板部152と、傾斜延出板部153と、先端側板部154と、当接板部155と、摩耗検知部156と、を有している。
湾曲板部151は、この湾曲板部151が設けられた一方のパッド支持部101の外側支持板部122の他方のパッド支持部101側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において壁板部123と同側に突出している。湾曲板部151は、壁板部123に垂直をなす中心軸線であって湾曲板部151に対し内側延出板部124側かつ延出部112側に配置される中心軸線を中心に湾曲している。
基端側板部152は、平板状である。基端側板部152は、湾曲板部151の外側支持板部122とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122とは反対方向に突出している。基端側板部152は、外側支持板部122に対し垂直、かつ、壁板部123に対し垂直に広がっている。
傾斜延出板部153は、平板状である。傾斜延出板部153は、基端側板部152の湾曲板部151とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れる方向に延出している。傾斜延出板部153は、この傾斜延出板部153が設けられた一方のパッド支持部101の基端側板部152から延出するほど、他方のパッド支持部101から離れるように基端側板部152に対して傾斜している。傾斜延出板部153は、壁板部123に対し垂直に広がっている。
先端側板部154は、平板状である。先端側板部154は、傾斜延出板部153の基端側板部152とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れる方向に延出している。傾斜延出板部153は、外側支持板部122に対し垂直、かつ、壁板部123に対し垂直に広がっている。先端側板部154は、壁板部123の厚さ方向において、傾斜延出板部153よりも壁板部123とは反対側まで広がっている。
当接板部155は、本体部161と、突起部162とを有している。
本体部161は、平板状である。本体部161は、先端側板部154の傾斜延出板部153に接続する端縁部の、壁板部123の厚さ方向において傾斜延出板部153よりも壁板部123とは反対側への延長部分から延出している。よって、当接板部155は、壁板部123の厚さ方向において、傾斜延出板部153に対し壁板部123とは反対側に配置されている。本体部161は、先端側板部154から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122に近づく方向に延出している。本体部161は、この本体部161が設けられた一方のパッド支持部101の先端側板部154から延出するほど、他方のパッド支持部101から離れるように先端側板部154に対して傾斜している。本体部161は、壁板部123に対し垂直に広がっている。
突起部162は、本体部161の先端側板部154とは反対側の部分に形成されている。突起部162は、この突起部162が設けられた一方のパッド支持部101の本体部161の他方のパッド支持部101とは反対側から、この他方のパッド支持部101とは反対の方向に突出している。突起部162は、この突起部162が設けられた一方のパッド支持部101の本体部161の他方のパッド支持部101側から、この他方のパッド支持部101とは反対方向に凹んでいる。
摩耗検知部156は、平板状である。摩耗検知部156は、壁板部123の厚さ方向における先端側板部154の壁板部123とは反対側の端縁部から突出している。摩耗検知部156は、この摩耗検知部156が設けられた一方のパッド支持部101の先端側板部154から、他方のパッド支持部101の方向に突出している。摩耗検知部156は、壁板部123と平行に広がっている。摩耗検知部156は、先端側板部154の厚さ方向における先端側板部154とは反対側の端面が平面状の平面部158となっている。この平面部158は、壁板部123に対し垂直、かつ、外側支持板部122に対し垂直に広がっている。
以上により、戻しばね部113は、基部111に接続される湾曲板部151から延設している。
第1パッドスプリング24は、以上の構成のパッド支持部101を鏡面対称状に一対有している。
連結部102は、基端連結板部171と、中間連結板部172と、先端連結板部173と、を有している。基端連結板部171、中間連結板部172および先端連結板部173は、いずれも平板状である。
基端連結板部171は、一対のパッド支持部101のそれぞれの外側板部121と同一平面状に配置されて、これら外側板部121を連結している。基端連結板部171は、一対の外側板部121の一対の外側支持板部122とは反対側の端縁部同士を連結している。
中間連結板部172は、基端連結板部171の一対の外側板部121とは反対側の端縁部から、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122から離れる方向に広がっている。中間連結板部172は、基端連結板部171から、基端連結板部171の厚さ方向において一対の外側支持板部122と同側に広がっている。
先端連結板部173は、中間連結板部172の基端連結板部171とは反対側の端縁部から基端連結板部171とは反対側に広がっている。先端連結板部173は、基端連結板部171と平行に広がっている。
係合部103は、図6に示すように、基板部175と、一対の係合突出部176とを有している。
基板部175は、平板状である。基板部175は、基端連結板部171の中間連結板部172とは反対側の端縁部の一対の外側板部121の間位置から、基端連結板部171の厚さ方向において中間連結板部172と同側に延出している。基板部175は、基端連結板部171の厚さ方向において基端連結板部171から離れるほど、外側支持板部122の厚さ方向において外側支持板部122に近づくように延出している。
一対の係合突出部176は、基板部175の基端連結板部171とは反対側の端部に設けられている。一対の係合突出部176のうち、一方の係合突出部176は、基板部175の一方の外側板部121側の端部から突出しており、他方の係合突出部176は、基板部175の他方の外側板部121側の端部から突出している。一対の係合突出部176は、基板部175の厚さ方向において基端連結板部171とは反対側に突出している。一対の係合突出部176は、基板部175から離れるほど互いの間隔が広くなる。
図3に示すように、第1パッドスプリング24は、取付部材20のいずれもディスク回転方向回出側にある第1接続部46および第3接続部51に取り付けられる。その際に、第1パッドスプリング24は、連結部102を一対のパッド支持部101よりもディスク半径方向外側に配置した状態とされる。また、その際に、第1パッドスプリング24は、一対のパッド支持部101のうち、一方のパッド支持部101のガイド部130を、図4に示す第3接続部51の係合凹部75に嵌合させると共に、図3に示す他方のパッド支持部101のガイド部130を、第1接続部46の係合凹部75に嵌合させる。これにより、第1パッドスプリング24は、取付部材20にディスク半径方向およびディスク回転方向回出側への移動が規制されて設けられる。また、その際に、第1パッドスプリング24は、図3に示すように係合部103の一方の係合突出部176を第3接続部51の第1接続部46側の面に当接させ、他方の係合突出部176を第1接続部46の第3接続部51側の面に当接させる。これにより、第1パッドスプリング24は、取付部材20にディスク軸線方向の移動が規制されて設けられる。言い換えれば、第1パッドスプリング24は、取付部材20に対してディスク半径方向、ディスク回転方向およびディスク軸線方向に位置決めされて一体的に取り付けられる。第1パッドスプリング24は、一対の延出部112のうち、一方の延出部112の外側延出板部141が、第3接続部51の第1接続部46とは反対側に配置され、他方の延出部112の外側延出板部141が、第1接続部46の第3接続部51とは反対側に配置される。
取付部材20に取り付けられた状態の第1パッドスプリング24は、一対のパッド支持部101がディスク11のディスク軸線方向の両面側に配置される状態となる。また、この状態で、第1パッドスプリング24は、一方のパッド支持部101のガイド部130が、取付部材20の第1接続部46の係合凹部75内に配置され、他方のパッド支持部101のガイド部130が取付部材20の第3接続部51の係合凹部75内に配置される状態となる。言い換えれば、取付部材20に取り付けられた取付状態の第1パッドスプリング24は、アウタ側のパッド支持部101が第3接続部51のトルク受け部60に、インナ側のパッド支持部101が第1接続部46のトルク受け部60に係合している。また、この状態で、第1パッドスプリング24は、一対の係合凹部75に嵌合する一対のガイド部130がディスク回転方向外方すなわちディスク回転方向回出側に向けて凹む形状となる。
第1パッドスプリング24は、アウタ側のパッド支持部101と第3接続部51のトルク受け部60との係合状態と、インナ側のパッド支持部101と第1接続部46のトルク受け部60との係合状態とは同様である。このため、ここでは、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101と第3接続部51のトルク受け部60との係合状態について、主に図4に基づいて説明する。
第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、ガイド部130を構成する壁板部123が、このガイド部130におけるディスク回転方向の外側に配置される。その際に、この壁板部123は、係合凹部75の凹み方向奥側の第4面部64に対向し、この第4面部64に面接触する。この状態で、壁板部123は、第4面部64と同様、半径方向基準面に平行に広がる。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、ガイド部130を構成する外側支持板部122が、このガイド部130におけるディスク半径方向外側に配置される。その際に、この外側支持板部122は、係合凹部75のディスク半径方向外側の第5面部65に対向し、この第5面部65に面接触する。このとき、外側支持板部122は、第5面部65と同様、ディスク軸線に沿い、半径方向基準線に垂直に広がる。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、ガイド部130を構成する内側延出板部124が、このガイド部130におけるディスク半径方向内側に配置される。その際に、この内側延出板部124は、係合凹部75のディスク半径方向内側の第3面部63に対向する。この状態で、内側延出板部124は、ディスク軸線方向に沿って広がる。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、係合爪127が、内側延出板部124からディスク半径方向内側に突出する。この状態で、係合爪127は、係合凹部75の第3面部63に当接してディスク半径方向外側に弾性変形する。係合爪127は外側支持板部122を第5面部65に押し付けると共に、壁板部123の第4面部64からの離間、すなわちガイド部130の係合凹部75からの抜けを抑制する。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、内側傾斜板部125が内側延出板部124からディスク半径方向内側かつディスク回転方向内側に延出する。この内側傾斜板部125は、第1面部61とディスク回転方向において対向する。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、内端板部126が内側傾斜板部125からディスク半径方向内側かつディスク回転方向外側に延出する。この内端板部126も、第1面部61とディスク回転方向において対向する。
また、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、外側板部121が外側支持板部122からディスク半径方向外側に延出する。外側板部121は、第6面部66とディスク回転方向において対向する。
以上のように、第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、ガイド部130が、第3接続部51の係合凹部75に嵌合する。その際に、パッド支持部101は、外側支持板部122、壁板部123および係合爪127において係合凹部75に当接する。
第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、外側支持板部122が壁板部123のディスク半径方向外側の端縁部からディスク回転方向内方に向かって広がる。第1パッドスプリング24のアウタ側のパッド支持部101は、内側延出板部124が壁板部123のディスク半径方向内側の端縁部からディスク回転方向内方に向かって広がる。外側支持板部122、壁板部123および内側延出板部124は、いずれもディスク軸線方向に沿って広がっている。
取付部材20に取り付けられた取付状態の第1パッドスプリング24は、図3に示すインナ側のパッド支持部101が第1接続部46のトルク受け部60に、アウタ側のパッド支持部101の第3接続部51のトルク受け部60への係合と同様に係合する。
第1パッドスプリング24は、取付部材20に取り付けられた取付状態で、連結部102が、一対のパッド支持部101からディスク半径方向外側に広がる。
図1に示すように、第2パッドスプリング25は、取付部材20のいずれもディスク回転方向回入側にある第2接続部47および第4接続部52に、第1パッドスプリング24の第1接続部46および第3接続部51への取り付けと略同様にして取り付けられる。
取付部材20に取り付けられた取付状態の第2パッドスプリング25は、図2に示すように、アウタ側のパッド支持部101が第4接続部52のトルク受け部60に係合する。また、この取付状態の第2パッドスプリング25は、図1に示すインナ側のパッド支持部101が第2接続部47の図示略のトルク受け部に係合する。
このようにして、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、ディスク回転方向に離間した状態で、互いにディスク回転方向において対向して取付部材20に取り付けられる。図6に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、基部111のディスク軸線方向におけるディスク11側に戻しばね部113が配置される状態になる。
この状態で、戻しばね部113は、湾曲板部151が、外側支持板部122からディスク軸線方向におけるディスク11側かつディスク半径方向内側に突出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、基端側板部152が、湾曲板部151からディスク半径方向内側に突出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、傾斜延出板部153が、基端側板部152からディスク半径方向内側かつディスク軸線方向におけるディスク11とは反対側に延出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、先端側板部154が、傾斜延出板部153からディスク半径方向内側に延出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、当接板部155が先端側板部154からディスク半径方向外側かつディスク軸線方向におけるディスク11とは反対側に延出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、摩耗検知部156が、先端側板部154からディスク軸線方向におけるディスク11側に突出する状態になる。また、この状態で、戻しばね部113は、摩耗検知部156の平面部158が、ディスク11のインナ側摺接面11aおよびアウタ側摺接面11bに沿う状態になる。
図3において第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれが、インナ側の基部111およびアウタ側の基部111において取付部材20に取り付けられる。
この状態で、図6において第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのインナ側の戻しばね部113が、インナ側の基部111に接続される湾曲板部151から延設している。また、この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのアウタ側の戻しばね部113が、アウタ側の基部111に接続される湾曲板部151から延設している。また、この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのインナ側の戻しばね部113が、湾曲板部151から離間したディスク11のインナ側摺接面11aとの対向部位に摩耗検知部156を有する。また、この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのアウタ側の戻しばね部113が、湾曲板部151から離間したディスク11のアウタ側摺接面11bとの対向部位に摩耗検知部156を有する。また、この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのインナ側の戻しばね部113の摩耗検知部156に、ディスク11のインナ側摺接面11aに沿うことが可能な平面部158が形成されている。また、この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれのアウタ側の戻しばね部113の摩耗検知部156に、ディスク11のアウタ側摺接面11bに沿うことが可能な平面部158が形成されている。
図2に示すように取付部材20に取り付けられた第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25に、図2においてアウタ側摩擦パッド27を示すように、インナ側摩擦パッド26と、アウタ側摩擦パッド27とが係合される。アウタ側摩擦パッド27は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して、取付部材20の第3接続部51および第4接続部52に支持される。図1に示すインナ側摩擦パッド26は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して、取付部材20の図2に示す第1接続部46および第2接続部47に支持される。図1に示すインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、いずれも長手方向をディスク回転方向に合わせている。
インナ側のインナ側摩擦パッド26とアウタ側のアウタ側摩擦パッド27とは、略同形状の部品である。
インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、同形状の共通部品である裏板181をそれぞれ有している。インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、同形状のライニング182をそれぞれ有している。ライニング182は、裏板181の厚さ方向の一面側に貼着されている。インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、いずれも裏板181の長手方向が長手方向となっている。インナ側摩擦パッド26は、ライニング182をディスク11に対向させた状態で、裏板181が、取付部材20に、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して支持される。アウタ側摩擦パッド27は、ライニング182をディスク11に対向させた状態で、裏板181が、取付部材20に、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して支持される。
インナ側摩擦パッド26の裏板181およびアウタ側摩擦パッド27の裏板181は、同形状であるため、主に図2を参照して、アウタ側摩擦パッド27の裏板181を例にとり説明する。
裏板181は、鏡面対象の形状をなしている。裏板181は、主体部191と、一対の耳部192と、を有している。
主体部191は、裏板181の長手方向における中央に設けられている。主体部191は、裏板181の長手方向に長い形状である。主体部191に、図1に示すライニング182が貼着される。ライニング182も裏板181の長手方向において鏡面対象の形状をなしている。図2に示すように、主体部191は、長手方向における両端部に一対の端面194を有している。一対の端面194は、互いに平行であって反対に向いている。端面194は、裏板181の厚さ方向に広がっている。
裏板181は、一対の耳部192も鏡面対称の形状である。裏板181の長手方向における一端部に一方の耳部192が設けられている。裏板181の長手方向における他端部に他方の耳部192が設けられている。一対の耳部192のうち一方の耳部192は、主体部191の長手方向一端側の端面194から主体部191の長手方向に沿って外側に突出している。一対の耳部192のうち他方の耳部192は、主体部191の長手方向他端側の端面194から主体部191の長手方向に沿って外側に突出している。よって、一対の耳部192は、主体部191の長手方向の両端部から主体部191の長手方向に沿って互いに反対方向に突出している。
裏板181は、その長手方向をディスク回転方向に沿わせ、一対の耳部192をディスク回転方向両端側に配置した状態で、取付部材20に支持される。その際に、裏板181は、ディスク回転方向回出側の耳部192が第1パッドスプリング24を介して取付部材20に、ディスク回転方向回入側の耳部192が第2パッドスプリング25を介して取付部材20に、それぞれ支持される。
インナ側摩擦パッド26の裏板181とアウタ側摩擦パッド27の裏板181とは、同形状であり、いずれも一対の耳部192が鏡面対称状であるため、主に図4を参照して、アウタ側摩擦パッド27の裏板181のディスク回転方向回出側の耳部192を例にとり説明する。
裏板181のディスク回転方向回出側の耳部192は、内側面部201と、外側面部202と、先端面部203と、を有している。内側面部201、外側面部202および先端面部203は、いずれも平面状であり、いずれも裏板181の厚さ方向に沿って広がっている。
内側面部201は、外側面部202よりもディスク半径方向内側に配置される。内側面部201および外側面部202は、いずれも主体部191の端面194から裏板181の長手方向に沿って延出している。内側面部201と外側面部202とは平行であり、互いに反対に向いている。
先端面部203は、裏板181の長手方向において、耳部192の主体部191とは反対側の端部にある。先端面部203は、内側面部201および外側面部202に対し垂直に広がっている。先端面部203は、主体部191の端面194に平行に広がっている。
アウタ側摩擦パッド27は、図1に示すように、ディスク軸線方向においてライニング182が裏板181に対しディスク11側に配置される向きで、図2に示すように、第1パッドスプリング24の、第3接続部51に取り付けられたアウタ側のパッド支持部101の基部111に、ディスク回転方向回出側の耳部192が係合される。また、アウタ側摩擦パッド27は、第2パッドスプリング25の、第4接続部52に取り付けられたアウタ側のパッド支持部101の基部111に、ディスク回転方向回入側の耳部192が係合される。このようにして、アウタ側摩擦パッド27が第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して取付部材20に取り付けられる。
その際に、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、図4に示すように、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111のガイド部130内に挿入される。しかも、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、図6に示すように、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111のガイド部130内の戻しばね部113よりもディスク軸線方向におけるディスク11とは反対側の部分に挿入される。
すると、図4に示すように、アウタ側摩擦パッド27の主体部191のディスク回転方向回出側の端面194のディスク半径方向内側の部分が、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111の内側傾斜板部125と内端板部126との境界部分に当接して、この境界部分をディスク回転方向回出側に押圧する。その結果、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111の内側延出板部124と内側傾斜板部125との境界部分がディスク半径方向外側に押し上げられてアウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192の内側面部201に当接して、この耳部192をディスク半径方向外側に押圧する。これにより、この耳部192の外側面部202が第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111の外側支持板部122に押し付けられて面接触する。よって、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192が、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111に取り付けられてディスク半径方向に弾性的に支持される。
この状態で、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、先端面部203が、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111の壁板部123に対して対向する。また、この状態で、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111および取付部材20の第3接続部51に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
また、図2に示すように、アウタ側摩擦パッド27が第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して取付部材20に取り付けられる際に、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側の耳部192は、第2パッドスプリング25のアウタ側の基部111に取り付けられる。その際に、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側の耳部192は、上記したディスク回転方向回出側の耳部192の第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111への取り付けと同様にして、第2パッドスプリング25のアウタ側の基部111に取り付けられてディスク半径方向に弾性的に支持される。
この状態で、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側の耳部192は、第2パッドスプリング25のアウタ側の基部111および取付部材20の第4接続部52に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
以上のアウタ側摩擦パッド27の、第1パッドスプリング24のアウタ側の基部111および第2パッドスプリング25のアウタ側の基部111を介しての取付部材20の第3接続部51および第4接続部52への取り付けと同様にして、インナ側摩擦パッド26が、第1パッドスプリング24のインナ側の基部111および第2パッドスプリング25のインナ側の基部111を介して取付部材20の第1接続部46および第2接続部47へ取り付けられる。すると、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回出側の耳部192が、第1パッドスプリング24のインナ側の基部111によって、ディスク軸線方向に移動可能となるように弾性的に支持される。
この状態で、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24のインナ側の基部111および取付部材20の第1接続部46に対してディスク軸線方向に移動可能となる。また、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回入側の図示略の耳部が、第2パッドスプリング25のインナ側の基部111によって、ディスク軸線方向に移動可能となるように弾性的に支持される。
この状態で、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回入側の図示略の耳部は、第2パッドスプリング25のインナ側の基部111および取付部材20の第2接続部47に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して取付部材20へ取り付けられた状態のインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、図3にディスク回転方向回出側を示すように、いずれも耳部192のディスク軸線方向におけるディスク11側に戻しばね部113が配置されることになる。
図2に示すように、アウタ側のアウタ側摩擦パッド27には、ディスク回転方向回入側の耳部192に外側戻しばね211が取り付けられている。外側戻しばね211は、ディスク回転方向回入側の第2パッドスプリング25のアウタ側の延出部112の外側延出板部141に、ディスク軸線方向のディスク11とは反対側から当接する。この外側戻しばね211は、ディスク軸線方向においてディスク11側に移動したアウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側をディスク11から離す方向に付勢する。インナ側のインナ側摩擦パッド26にも、ディスク回転方向回入側の図示略の耳部に同様の図示略の戻しばねが取り付けられている。この戻しばねは、ディスク回転方向回入側の第2パッドスプリング25のインナ側の延出部112の外側延出板部141に、ディスク軸線方向のディスク11とは反対側から当接している。この戻しばねは、ディスク軸線方向においてディスク11側に移動したインナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回入側をディスク11から離す方向に付勢する。
キャリパ21は、図1に示すように、キャリパ本体221と、第1スライドピン222と、第2スライドピン223と、取付ボルト225と、ピストン226と、を備えている。また、キャリパ21は、図3に示すように、取付ボルト227を備えている。
図1に示すように、キャリパ21は、略鏡面対称の形状となっており、半径方向基準線および半径方向基準面が、キャリパ21のディスク回転方向の中央位置を通る。キャリパ21は、図3に示すように、第1スライドピン222が取付ボルト227よってキャリパ本体221に固定されている。また、キャリパ21は、図1に示すように、第2スライドピン223が取付ボルト225によってキャリパ本体221に固定されている。これら一対の第1スライドピン222および第2スライドピン223は、互いに軸方向の位置を合わせると共に平行に配置されている。
取付部材20には、第1連結部33のインナ側の端面から第1連結部33内の途中位置まで、ディスク軸線方向に沿って延びる図示略の第1ピン挿入穴が形成されている。また、取付部材20には、第2連結部34のインナ側の端面から第2連結部34内の途中位置まで、ディスク軸線方向に沿って延びる図示略の第2ピン挿入穴が形成されている。キャリパ21は、第1スライドピン222が、取付部材20の図示略の第1ピン挿入穴に摺動可能に嵌合する。また、キャリパ21は、第2スライドピン223が、取付部材20の図示略の第2ピン挿入穴に摺動可能に嵌合する。
これにより、キャリパ21は、キャリパ本体221が第1スライドピン222および第2スライドピン223を介して取付部材20に、ディスク軸線方向に沿って摺動可能となるように支持される。言い換えれば、取付部材20は、一対の第1連結部33および第2連結部34において、キャリパ21をディスク軸線方向に摺動可能に支持する。よって、キャリパ21は、取付部材20に、ディスク軸線方向に移動可能に支持される。第1ピンブーツ22は、第1スライドピン222の取付部材20から突出する部分を被覆する。第2ピンブーツ23は、第2スライドピン223の取付部材20から突出する部分を被覆する。
キャリパ本体221は略鏡面対称の形状となっている。半径方向基準線および半径方向基準面は、キャリパ本体221のディスク回転方向の中央位置を通る。キャリパ本体221は、シリンダ部231と、ブリッジ部232と、爪部233と、第1ピン配設部234と、第2ピン配設部235と、を備えている。
シリンダ部231は、ディスク11に対しディスク軸線方向のインナ側に配置される。ブリッジ部232は、シリンダ部231のディスク半径方向外側の部分からディスク11の外周を跨ぐようにディスク軸線方向に沿ってアウタ側に延出する。爪部233は、ブリッジ部232のディスク軸線方向におけるシリンダ部231とは反対側の部分からディスク半径方向内側に延出している。爪部233は、ディスク11よりもアウタ側に配置される。第1ピン配設部234は、シリンダ部231よりもディスク回転方向回出側に配置される。第2ピン配設部235は、シリンダ部231よりもディスク回転方向回入側に配置される。キャリパ本体221は、その第1ピン配設部234に第1スライドピン222が図3に示す取付ボルト227によって固定されている。キャリパ本体221は、図1に示す第2ピン配設部235に第2スライドピン223が取付ボルト225によって固定されている。
シリンダ部231には、シリンダ孔241が形成されている。シリンダ孔241は、シリンダ部231のディスク軸線方向におけるディスク11側の端面からディスク11とは反対方向に凹んでいる。よって、シリンダ孔241は、ディスク11側に開口している。シリンダ孔241は、ディスク軸線方向に沿っている。シリンダ部231には、シリンダ孔241が、1箇所形成されている。このシリンダ孔241にピストン226が収容される。よって、キャリパ21は、シングルポットタイプのキャリパとなっている。爪部233は、ディスク軸線方向においてシリンダ孔241と対向して設けられている。
ピストン226は、シリンダ部231のシリンダ孔241に、ディスク軸線方向に移動可能となるように収容されている。ピストン226はディスク11のインナ側摺接面11aに対向している。ディスク11のインナ側摺接面11aとピストン226との間にインナ側摩擦パッド26が配置されている。
ディスク11のアウタ側摺接面11bと爪部233との間にアウタ側摩擦パッド27が配置されている。
車両の前進走行中の制動時に、ディスクブレーキ10には、図示略のブレーキ配管を介して、キャリパ21のシリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間にブレーキ液が導入される。すると、キャリパ21は、ピストン226にブレーキ液圧が作用し、ピストン226がディスク11側に前進する。このように前進するピストン226は、ディスク11との間に配置されたインナ側のインナ側摩擦パッド26をディスク11に向かって押圧する。すると、インナ側摩擦パッド26は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して取付部材20で案内されてディスク軸線方向に沿ってディスク11のインナ側摺接面11a側に移動する。
その際に、図6および図7に第1パッドスプリング24を示すように、インナ側摩擦パッド26は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113の当接板部155の突起部162に当接して、図6から図7に示すように本体部161をディスク11側に弾性変形させる。また、その際に、インナ側摩擦パッド26は、図示略の外側戻しばねを弾性変形させる。そして、インナ側摩擦パッド26は、図1に示すライニング182においてディスク11のインナ側摺接面11aに接触してディスク11に押し付けられる。
この状態で、図示略の外側戻しばねは、インナ側摩擦パッド26を、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。また、この状態で、図7に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113は、主に弾性変形している当接板部155が、インナ側摩擦パッド26を、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
このとき、インナ側のインナ側摩擦パッド26は、回転するディスク11との摩擦力によってディスク回転方向回出側にも押圧される。すると、図3に示す取付部材20のディスク回転方向回出側かつインナ側の第1接続部46のトルク受け部60が、第1パッドスプリング24のインナ側のガイド部130の壁板部123を介してインナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回出側の耳部192から制動トルクを受ける。
図1に示すピストン226によるインナ側摩擦パッド26のディスク11への押圧の反力で、キャリパ21は、キャリパ本体221が取付部材20に対し第1スライドピン222および第2スライドピン223をスライドさせてディスク軸線方向に移動する。すると、キャリパ本体221の爪部233が、爪部233とディスク11との間に配置されたアウタ側のアウタ側摩擦パッド27をディスク11に向かって押圧する。その結果、アウタ側のアウタ側摩擦パッド27は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25を介して取付部材20で案内されてディスク軸線方向に沿ってディスク11のアウタ側摺接面11b側に移動する。
その際に、アウタ側摩擦パッド27は、図6および図7に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113の当接板部155の突起部162に当接して、図6から図7に示すように本体部161をディスク11側に弾性変形させる。また、その際に、アウタ側摩擦パッド27は、図2に示す外側戻しばね211を弾性変形させる。そして、アウタ側摩擦パッド27は、図1に示すライニング182においてディスク11のアウタ側摺接面11bに接触してディスク11に押し付けられる。
この状態で、外側戻しばね211は、アウタ側摩擦パッド27を、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。また、この状態で、図7に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113は、主に弾性変形している当接板部155が、アウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
このとき、アウタ側のアウタ側摩擦パッド27は、回転するディスク11との摩擦力によってディスク回転方向回出側にも押圧される。すると、図4に示す取付部材20のディスク回転方向回出側かつアウタ側の第3接続部51のトルク受け部60が、その第4面部64において、第1パッドスプリング24のアウタ側のガイド部130の壁板部123を介してアウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192から制動トルクを受ける。よって、トルク受け部60は、係合凹部75の第4面部64が、アウタ側摩擦パッド27の制動トルクを受けるトルク受け面となる。
以上のようにして、キャリパ21が、インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27をディスク11に押圧する。これにより、ディスクブレーキ10は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。
制動状態が解除されると、ディスクブレーキ10は、キャリパ21のシリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間のブレーキ液圧が低下して、ピストン226がディスク11から離れる方向に移動する。すると、図6および図7に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113の当接板部155が、図7から図6に示すように弾性変形状態から戻る。その際に、インナ側摩擦パッド26に設けられた図示略の外側戻しばねも、弾性変形状態から戻る。これら当接板部155および図示略の外側戻しばねに押圧されて、インナ側摩擦パッド26がディスク軸線方向においてディスク11から離れる方向に移動する。
また、シリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間のブレーキ液圧が低下すると、図6および図7に第1パッドスプリング24を示すように、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113の当接板部155が、図7から図6に示すように弾性変形状態から戻る。その際に、アウタ側摩擦パッド27に設けられた外側戻しばね211も、弾性変形状態から戻る。これら当接板部155および外側戻しばね211に押圧されて、アウタ側摩擦パッド27は、キャリパ本体221の爪部233を押圧しながらディスク軸線方向においてディスク11から離れる方向に移動する。
取付部材20に摺動可能に支持されたキャリパ21は、以上のようにして、ピストン226の作動により、ピストン226と爪部233とで一対のインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向の両側から挟持する。そして、キャリパ21は、インナ側摩擦パッド26をディスク11のインナ側摺接面11aに、アウタ側摩擦パッド27をディスク11のアウタ側摺接面11bに、それぞれ押し付ける。その結果、ディスクブレーキ10は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。キャリパ21は、いわゆるフィスト型(スライド型)のキャリパである。
ここで、以上の作動は、インナ側摩擦パッド26のライニング182の摩耗量と、アウタ側摩擦パッド27のライニング182の摩耗量とが、所定量よりも少ない場合である。
インナ側摩擦パッド26のライニング182の摩耗量が所定量以上になると、図8にディスク回転方向回出側の耳部192を示すように、インナ側摩擦パッド26は、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113について、当接板部155をディスク11側に弾性変形させた後、先端側板部154に当接して、傾斜延出板部153、基端側板部152および湾曲板部151を弾性変形させて、先端側板部154、当接板部155および摩耗検知部156をディスク11側に移動させる。
この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113は、弾性変形している当接板部155、傾斜延出板部153、基端側板部152および湾曲板部151が、インナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
ここで、インナ側摩擦パッド26は、ライニング182の摩耗量が、上記所定量よりも大きい、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113の摩耗検知部156の平面部158を、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、図3に示すように、インナ側の摩耗検知部156は、平面部158においてディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113が報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113は、インナ側摩擦パッド26のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのインナ側の戻しばね部113の摩耗検知部156は、インナ側摩擦パッド26のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、インナ側摩擦パッド26のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のうちの一方のインナ側の戻しばね部113の摩耗検知部156が、ディスク11のインナ側摺接面11aに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれがインナ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設してインナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113を有する。
アウタ側摩擦パッド27のライニング182の摩耗量が所定量以上になると、図8にディスク回転方向回出側の耳部192を示すように、アウタ側摩擦パッド27は、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113について、当接板部155をディスク11側に弾性変形させた後、先端側板部154に当接して、傾斜延出板部153、基端側板部152および湾曲板部151を弾性変形させながら、先端側板部154、当接板部155および摩耗検知部156をディスク11側に移動させる。
この状態で、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113は、弾性変形している当接板部155、傾斜延出板部153、基端側板部152および湾曲板部151が、アウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
ここで、アウタ側摩擦パッド27は、ライニング182の摩耗量が、上記所定量よりも大きい、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113の摩耗検知部156の平面部158を、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、図3に示すように、アウタ側の摩耗検知部156は、平面部158においてディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113が報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113は、アウタ側摩擦パッド27のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のそれぞれのアウタ側の戻しばね部113の摩耗検知部156は、アウタ側摩擦パッド27のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、アウタ側摩擦パッド27のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25のうちの一方のアウタ側の戻しばね部113の摩耗検知部156が、ディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、それぞれがアウタ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設してアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113を有する。
上記した特許文献1~3には、取付部材に取り付けられ、摩擦パッドを移動可能に支持すると共に、摩擦パッドをディスクから離間する方向に付勢するパッドスプリングを有するディスクブレーキが開示されている。ところで、ディスクブレーキにおいては、コストを抑制することが望まれている。
第1実施形態のディスクブレーキ10は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25が、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設してインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113を有している。そして、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25は、戻しばね部113が、湾曲板部151から離間したディスク11との対向部位に、ライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる摩耗検知部156が形成されている。このように、ディスクブレーキ10は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25に摩耗検知部156が形成されている。このため、ディスクブレーキ10は、摩耗を検知するための部品をパッドスプリングとは別に設ける場合と比べて部品点数を減らすことができる。よって、ディスクブレーキ10は、部品コストおよび組み付けコストを抑制することが可能となる。
また、ディスクブレーキ10は、ライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際に、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25の戻しばね部113において摩耗検知部156がディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。このため、ディスクブレーキ10は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25の戻しばね部113において摩耗検知部156以外の部分がディスク11と摺接することを抑制できる。したがって、ディスクブレーキ10は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25の戻しばね部113において摩耗検知部156以外の部分が損傷してしまうことを抑制することができる。
また、ディスクブレーキ10は、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25の、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設する戻しばね部113に、ディスク11と摺接する摩耗検知部156が形成されているため、報知音である接触音を大きくすることができる。
また、ディスクブレーキ10は、摩耗検知部156にディスク11のインナ側摺接面11aおよびアウタ側摺接面11bに沿うことが可能な平面部158が形成されているため、摩耗検知部156によるディスク11への攻撃性を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を、主に図9および図10に基づいて、図1~図8を参照しつつ第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25とは一部異なる、図9および図10に示す第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aを第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25にかえて有している。図9および図10は、取付部材20に組み付けられる前の自然状態の第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aを示している。第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは同形状の共通部品であり、いずれも鏡面対称の形状をなしている。第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aも、それぞれ全体が、一定厚さの一枚の金属製板材からプレス成形により形成されている。第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、一対のパッド支持部101とは一部異なる一対のパッド支持部101Aを一対のパッド支持部101にかえて有している。自然状態の一対のパッド支持部101Aは、鏡面対称の形状をなしている。このため、自然状態の一方のパッド支持部101Aについて説明する。
パッド支持部101Aは、戻しばね部113とは一部異なる戻しばね部113Aを戻しばね部113にかえて有している。戻しばね部113Aは、摩耗検知部156とは異なる摩耗検知部156Aを摩耗検知部156にかえて有している。
摩耗検知部156Aは、平板状である。摩耗検知部156Aは、当接板部155の本体部161の先端側板部154とは反対側の端部に形成されている。摩耗検知部156Aは、壁板部123の厚さ方向における本体部161の壁板部123とは反対側の端縁部から突出している。摩耗検知部156Aは、この摩耗検知部156Aが設けられた一方のパッド支持部101Aの本体部161から、他方のパッド支持部101Aの方向に突出している。摩耗検知部156Aは、壁板部123と平行に広がっている。摩耗検知部156Aは、本体部161の厚さ方向における本体部161とは反対側の端面が平面状の平面部158Aとなっている。この平面部158Aは、壁板部123Aに対し垂直に広がっている。
第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25と同様にして、取付部材20に取り付けられる。
この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのインナ側の戻しばね部113Aが、インナ側の基部111に接続される湾曲板部151から延設している。また、この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのアウタ側の戻しばね部113Aが、アウタ側の基部111に接続される湾曲板部151から延設している。また、この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのインナ側の戻しばね部113Aが、湾曲板部151から離間したディスク11のインナ側摺接面11aとの対向部位に摩耗検知部156Aを有する。また、この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのアウタ側の戻しばね部113Aが、湾曲板部151から離間したディスク11のアウタ側摺接面11bとの対向部位に摩耗検知部156Aを有する。また、この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのインナ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aに、ディスク11のインナ側摺接面11aに沿うことが可能な平面部158Aが形成されている。また、この状態で、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれのアウタ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aに、ディスク11のアウタ側摺接面11bに沿うことが可能な平面部158Aが形成されている。
そして、取付部材20に取り付けられた第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aに、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25と同様にして、インナ側摩擦パッド26と、アウタ側摩擦パッド27とが係合される。
第2実施形態において、制動時および制動状態の解除時には、キャリパ21、第1パッドスプリング24A、第2パッドスプリング25A、インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27が、第1実施形態と略同様に作動する。
第2実施形態において、インナ側摩擦パッド26は、ライニング182の摩耗量が、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aの平面部158Aを、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、摩耗検知部156Aは、平面部158Aにおいてディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Aが報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Aは、インナ側摩擦パッド26のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aは、インナ側摩擦パッド26のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、インナ側摩擦パッド26のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのうちの一方のインナ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aが、ディスク11のインナ側摺接面11aに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれがインナ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設してインナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113Aを有する。
また、第2実施形態において、アウタ側摩擦パッド27は、ライニング182の摩耗量が、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aの平面部158Aを、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、摩耗検知部156Aは、平面部158Aにおいてディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Aが報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Aは、アウタ側摩擦パッド27のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aは、アウタ側摩擦パッド27のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、アウタ側摩擦パッド27のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aのうちの一方のアウタ側の戻しばね部113Aの摩耗検知部156Aが、ディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、それぞれがアウタ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151から延設してアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113Aを有する。
第2実施形態において、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、戻しばね部113Aが、湾曲板部151から離間したディスク11との対向部位に、ライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる摩耗検知部156Aが形成されている。このように、第2実施形態においても、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aの湾曲板部151から離間した位置に摩耗検知部156Aが形成されているため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態において、第1パッドスプリング24Aおよび第2パッドスプリング25Aは、摩耗検知部156Aにディスク11のインナ側摺接面11aおよびアウタ側摺接面11bに沿うことが可能な平面部158Aが形成されているため、摩耗検知部156Aによるディスク11への攻撃性を抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を、主に図11~図13に基づいて、図1~図8を参照しつつ第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第3実施形態においては、第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25とは一部異なる、図11および図12に示す第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを第1パッドスプリング24および第2パッドスプリング25にかえて有している。図11および図12は、取付部材20に組み付けられる前の自然状態の第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを示している。第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは同形状の共通部品であり、いずれも鏡面対称の形状をなしている。第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bも、それぞれ全体が、一定厚さの一枚の金属製板材からプレス成形により形成されている。第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、一対のパッド支持部101とは一部異なる一対のパッド支持部101Bを一対のパッド支持部101にかえて有している。自然状態の一対のパッド支持部101Bは、鏡面対称の形状をなしている。このため、自然状態の一方のパッド支持部101Bについて説明する。
パッド支持部101Bは、戻しばね部113とは一部異なる戻しばね部113Bを戻しばね部113にかえて有している。戻しばね部113Bは、図11に示すように、湾曲板部151Bと、折返板部252と、中間湾曲板部253と、内側支持板部254と、係止板部255と、突出板部256と、摩耗検知部156Bとを有している。
湾曲板部151Bは、この湾曲板部151Bが設けられた一方のパッド支持部101Bの内側延出板部124の他方のパッド支持部101Bとは反対側の端縁部から、内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122とは反対側に突出している。一方のパッド支持部101Bの湾曲板部151Bは、他方のパッド支持部101B側かつ内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122とは反対側に配置される中心軸線を中心に湾曲している。
折返板部252は、この折返板部252が設けられた一方のパッド支持部101Bの湾曲板部151Bの内側延出板部124とは反対側の端縁部から、内側延出板部124の厚さ方向において外側支持板部122とは反対側に延出した後、他方のパッド支持部101Bとは反対側に湾曲し、その後、内側延出板部124の厚さ方向において外側支持板部122側に延出する形状をなしている。折返板部252は、U字状である。
中間湾曲板部253は、この中間湾曲板部253が設けられた一方のパッド支持部101Bの折返板部252の湾曲板部151Bとは反対側の端縁部から、他方のパッド支持部101Bとは反対側に延出した後、内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122側かつ他方のパッド支持部101B側に延出し、その後、内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122とは反対側に延出する形状をなしている。中間湾曲板部253は、C字状である。
内側支持板部254は、平板状である。内側支持板部254は、この内側支持板部254が設けられた一方のパッド支持部101Bの中間湾曲板部253の折返板部252とは反対側の端縁部から、他方のパッド支持部101B側かつ内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122側に延出している。
係止板部255は、平板状である。係止板部255は、この係止板部255が設けられた一方のパッド支持部101Bの内側支持板部254の中間湾曲板部253とは反対側の端縁部から、他方のパッド支持部101Bとは反対側かつ内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122側に延出している。係止板部255は、内側支持板部254に略垂直に延出している。
突出板部256は、平板状である。突出板部256は、壁板部123の厚さ方向における内側支持板部254の壁板部123側の端縁部から内側延出板部124の厚さ方向における外側支持板部122とは反対側に突出している。
摩耗検知部156Bは、平板状である。摩耗検知部156Bは、壁板部123の厚さ方向における係止板部255の壁板部123とは反対側の端縁部から突出している。摩耗検知部156Bは、この摩耗検知部156Bが設けられた一方のパッド支持部101Bの係止板部255から、他方のパッド支持部101Bの方向に突出している。摩耗検知部156Bは、係止板部255に垂直に広がっている。摩耗検知部156Bは、係止板部255の厚さ方向における係止板部255とは反対側の端面が平面状の平面部158Bとなっている。
以上により、戻しばね部113Bは、基部111に接続される湾曲板部151Bから延設している。
第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、それぞれが、以上の構成のパッド支持部101Bを鏡面対称状に一対有している。
第1パッドスプリング24Bは、第1パッドスプリング24と同様にして、取付部材20のいずれもディスク回転方向回出側にある第1接続部46および第3接続部51に取り付けられる。第2パッドスプリング25Bは、第2パッドスプリング25と同様にして、取付部材20のいずれもディスク回転方向回入側にある第2接続部47および第4接続部52に取り付けられる。
第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、取付部材20に取り付けられた状態で、戻しばね部113Bが、全体として、内側延出板部124のディスク軸線方向におけるディスク11とは反対側の端縁部からディスク半径方向外側かつディスク軸線方向におけるディスク11側に延出する状態になる。
アウタ側摩擦パッド27は、ディスク軸線方向においてライニング182が裏板181に対しディスク11側に配置される向きで、第1パッドスプリング24Bの、第3接続部51に取り付けられたアウタ側のパッド支持部101Bに、ディスク回転方向回出側の耳部192が係合される。また、アウタ側摩擦パッド27は、第2パッドスプリング25Bの、第4接続部52に取り付けられたアウタ側のパッド支持部101Bに、ディスク回転方向回入側の耳部192が係合される。このようにして、アウタ側摩擦パッド27が第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを介して取付部材20に取り付けられる。
その際に、図13に示すように、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bのガイド部130内に挿入される。その際に、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bの戻しばね部113Bの内側支持板部254を外側支持板部122から離すように、主に中間湾曲板部253を弾性変形させる。その結果、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bは、内側支持板部254が外側支持板部122に沿う状態となる。
すると、第1パッドスプリング24Bのアウタ側の戻しばね部113Bは、内側支持板部254においてアウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192の内側面部201に当接して、この耳部192をディスク半径方向外側に押圧する。これにより、この耳部192の外側面部202が第1パッドスプリング24Bのアウタ側の基部111の外側支持板部122に押し付けられて面接触する。その結果、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192が、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bに取り付けられてディスク半径方向に弾性的に支持される。
この状態で、第1パッドスプリング24Bのアウタ側の戻しばね部113Bは、係止板部255が、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192のディスク軸線方向におけるディスク11側に配置される。また、この状態で、この係止板部255は、ディスク11のアウタ側摺接面11bと対向してアウタ側摺接面11bに沿って広がる。また、この状態で、第1パッドスプリング24Bのアウタ側の戻しばね部113Bは、摩耗検知部156Bが、係止板部255からディスク軸線方向におけるディスク11側に突出する。また、この状態で、第1パッドスプリング24Bのアウタ側の戻しばね部113Bは、摩耗検知部156Bの平面部158Bが、ディスク11のアウタ側摺接面11bに沿って広がる。また、この状態で、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bおよび取付部材20の第3接続部51に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
ここで、戻しばね部113Bは、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253が弾性変形することで、係止板部255を、ディスク軸線方向に移動させることが可能となっている。よって、戻しばね部113Bは、係止板部255が耳部192によってディスク軸線方向におけるディスク11側に押圧されると、係止板部255が摩耗検知部156Bと共に、軸線方向においてディスク11側に移動する。
アウタ側摩擦パッド27は、ディスク回転方向回入側の耳部192が、第2パッドスプリング25のアウタ側のパッド支持部101Bに取り付けられる。その際に、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側の耳部192は、上記したディスク回転方向回出側の耳部192の第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bへの取り付けと同様にして、第2パッドスプリング25Bのアウタ側のパッド支持部101Bに取り付けられてディスク半径方向に弾性的に支持される。
この状態で、アウタ側摩擦パッド27のディスク回転方向回入側の耳部192は、第2パッドスプリング25Bのアウタ側のパッド支持部101Bおよび取付部材20の第4接続部52に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
以上のアウタ側摩擦パッド27の、第1パッドスプリング24Bのアウタ側のパッド支持部101Bおよび第2パッドスプリング25Bのアウタ側のパッド支持部101Bを介しての取付部材20の第3接続部51および第4接続部52への取り付けと同様にして、インナ側摩擦パッド26が、第1パッドスプリング24Bのインナ側のパッド支持部101Bおよび第2パッドスプリング25Bのインナ側のパッド支持部101Bを介して取付部材20の第1接続部46および第2接続部47へ取り付けられる。すると、図13に示すように、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回出側の耳部192が、第1パッドスプリング24Bのインナ側のパッド支持部101Bによって、ディスク軸線方向に移動可能となるように弾性的に支持される。
この状態で、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回出側の耳部192は、第1パッドスプリング24Bのインナ側のパッド支持部101Bおよび取付部材20の第1接続部46に対してディスク軸線方向に移動可能となる。また、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回入側の図示略の耳部が、第2パッドスプリング25Bのインナ側のパッド支持部101Bによって、ディスク軸線方向に移動可能となるように弾性的に支持される。
この状態で、インナ側摩擦パッド26のディスク回転方向回入側の図示略の耳部は、第2パッドスプリング25Bのインナ側のパッド支持部101Bおよび取付部材20の第2接続部47に対してディスク軸線方向に移動可能となる。
第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを介して取付部材20へ取り付けられた状態のインナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27は、いずれも耳部192のディスク半径方向内側に戻しばね部113Bが配置されることになる。インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27を支持する第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれの一対の戻しばね部113Bは、いずれも、係止板部255に当接する耳部192を、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253が、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢することになる。
車両の前進走行中の制動時に、キャリパ21のシリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間にブレーキ液が導入される。すると、キャリパ21は、ピストン226にブレーキ液圧が作用し、ピストン226がディスク11側に前進する。このように前進するピストン226は、ディスク11との間に配置されたインナ側のインナ側摩擦パッド26をディスク11に向かって押圧する。すると、インナ側摩擦パッド26は、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを介して取付部材20で案内されてディスク軸線方向に沿ってディスク11のインナ側摺接面11a側に移動する。
その際に、インナ側摩擦パッド26は、図13に第1パッドスプリング24Bを示すように、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bの係止板部255に耳部192において当接し、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253を弾性変形させながら、係止板部255および摩耗検知部156Bをディスク軸線方向に沿ってディスク11のインナ側摺接面11a側に移動させる。また、その際に、インナ側摩擦パッド26は、図示略の外側戻しばねを弾性変形させる。そして、インナ側摩擦パッド26は、ライニング182においてディスク11の一方のインナ側摺接面11aに接触してディスク11に押し付けられる。
この状態で、図示略の外側戻しばねは、インナ側摩擦パッド26を、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。また、この状態で、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bは、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253が、インナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
ピストン226によるインナ側摩擦パッド26のディスク11への押圧の反力で、キャリパ21は、キャリパ本体221が取付部材20に対し第1スライドピン222および第2スライドピン223をスライドさせてディスク軸線方向に移動する。すると、キャリパ本体221の爪部233が、爪部233とディスク11との間に配置されたアウタ側のアウタ側摩擦パッド27をディスク11に向かって押圧する。その結果、アウタ側のアウタ側摩擦パッド27は、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bを介して取付部材20で案内されてディスク軸線方向に沿ってディスク11のアウタ側摺接面11b側に移動する。
その際に、アウタ側摩擦パッド27は、図13に第1パッドスプリング24Bを示すように、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bの係止板部255に耳部192において当接し、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253を弾性変形させながら、係止板部255および摩耗検知部156Bをディスク軸線方向に沿ってディスク11のアウタ側摺接面11b側に移動させる。また、その際に、アウタ側摩擦パッド27は、外側戻しばね211を弾性変形させる。そして、アウタ側摩擦パッド27は、ライニング182においてディスク11の他方のアウタ側摺接面11bに接触してディスク11に押し付けられる。
この状態で、外側戻しばね211は、アウタ側摩擦パッド27を、ディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。また、この状態で、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bは、湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253がアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する。
以上のようにして、キャリパ21が、インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27をディスク11に押圧する。その結果、インナ側摩擦パッド26およびアウタ側摩擦パッド27がディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させることになる。
制動状態が解除されると、キャリパ21のシリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間のブレーキ液圧が低下してピストン226がディスク11から離れる方向に移動する。すると、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bの湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253が、弾性変形状態から戻る。その際に、インナ側摩擦パッド26に設けられた図示略の外側戻しばねも、弾性変形状態から戻る。その結果、これら第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bの係止板部255および図示略の外側戻しばねで押圧されて、インナ側摩擦パッド26がディスク11から離れる方向に移動する。
また、シリンダ部231のシリンダ孔241とピストン226との間のブレーキ液圧が低下すると、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bの湾曲板部151B、折返板部252および中間湾曲板部253が、弾性変形状態から戻る。その際に、アウタ側摩擦パッド27に設けられた外側戻しばね211も、弾性変形状態から戻る。その結果、これら第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bの係止板部255および図示略の外側戻しばねで押圧されて、アウタ側摩擦パッド27が、キャリパ本体221の爪部233を押圧しながらディスク11から離れる方向に移動する。
上記したように、インナ側摩擦パッド26の一対の耳部192およびアウタ側摩擦パッド27の一対の耳部192は、それぞれが、ディスク軸線方向においてディスク11に近づくほど、係合する戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bをディスク11に近づけることになる。
そして、インナ側摩擦パッド26は、ライニング182の摩耗量が、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bの平面部158Bを、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、摩耗検知部156Bは、その平面部158Bにおいてディスク11のインナ側摺接面11aに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bが報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bは、インナ側摩擦パッド26のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのインナ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bは、インナ側摩擦パッド26のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、インナ側摩擦パッド26のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのうちの一方のインナ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bが、ディスク11のインナ側摺接面11aに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、それぞれがインナ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151Bから延設してインナ側摩擦パッド26をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113Bを有する。
アウタ側摩擦パッド27は、ライニング182の摩耗量が、予め設定された設定摩耗量を超えると、ライニング182がディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する際に、一対の耳部192が、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bの平面部158Bを、ディスク軸線方向においてライニング182のディスク11側の面と面一またはライニング182のディスク11側の面よりもディスク11側に突出させる。すると、摩耗検知部156Bは、平面部158Bにおいてディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接する。その結果、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bが報知音としての接触音を発生させる。
このようにして、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bは、アウタ側摩擦パッド27のライニング182が、その摩耗量が設定摩耗量を超えた摩耗状態にあることを知らせる。言い換えれば、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのそれぞれのアウタ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bは、アウタ側摩擦パッド27のライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる。
なお、アウタ側摩擦パッド27のライニング182に偏摩耗を生じている場合がある。この場合、ディスク回転方向回入側およびディスク回転方向回出側のうち、先にライニング182の摩耗量が設定摩耗量を超えた側を支持している第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bのうちの一方のアウタ側の戻しばね部113Bの摩耗検知部156Bが、ディスク11のアウタ側摺接面11bに摺接して接触音を発生させる。
以上により、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、それぞれがアウタ側に、取付部材20に取り付けられる基部111に接続される湾曲板部151Bから延設してアウタ側摩擦パッド27をディスク軸線方向においてディスク11から離間する戻し方向に付勢する戻しばね部113Bを有する。
第3実施形態において、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、戻しばね部113Bが、湾曲板部151Bから離間したディスク11との対向部位に、ライニング182の摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際にディスク11と摺接してライニング182の摩耗状態を知らせる摩耗検知部156Bが形成されている。このように、第3実施形態においても、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bの湾曲板部151Bから離間した位置に摩耗検知部156Bが形成されているため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第3実施形態において、第1パッドスプリング24Bおよび第2パッドスプリング25Bは、摩耗検知部156Bにディスク11のインナ側摺接面11aおよびアウタ側摺接面11bに沿うことが可能な平面部158Bが形成されているため、摩耗検知部156Bによるディスク11への攻撃性を抑制することができる。
10…ディスクブレーキ、11…ディスク、11a…インナ側摺接面(摺接面)、11b…アウタ側摺接面(摺接面)、20…取付部材、21…キャリパ、24,24A,24B…第1パッドスプリング(パッドスプリング)、25,25A,25B…第2パッドスプリング(パッドスプリング)、26…インナ側摩擦パッド(摩擦パッド)、27…アウタ側摩擦パッド(摩擦パッド)、60…トルク受け部、113,113A,113B…戻しばね部、151,151B…湾曲板部、156,156A,156B…摩耗検知部、158,158A,158B…平面部、182…ライニング。

Claims (2)

  1. 車両の非回転部分に取り付けられディスクの回転方向にトルク受け部を有する取付部材と、
    前記ディスクの軸線方向に移動可能となる摩擦パッドと、
    前記取付部材に支持されて前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するキャリパと、
    前記取付部材に取り付けられる基部に接続される湾曲板部から延設して前記摩擦パッドを前記ディスクから離間する戻し方向に付勢する戻しばね部を有するパッドスプリングと、
    を備えるディスクブレーキであって、
    前記戻しばね部は、前記湾曲板部から離間した前記ディスクとの対向部位に、前記摩擦パッドのライニングの摩耗量が予め設定された設定摩耗量を超えた際に前記ディスクと摺接して前記ライニングの摩耗状態を知らせる摩耗検知部が形成されているディスクブレーキ。
  2. 請求項1記載のディスクブレーキにおいて、
    前記摩耗検知部は、前記ディスクの摺接面に沿うことが可能な平面部が形成されているディスクブレーキ。
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