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JP2025005618A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

成膜方法及び成膜装置 Download PDF

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JP2025005618A
JP2025005618A JP2023105853A JP2023105853A JP2025005618A JP 2025005618 A JP2025005618 A JP 2025005618A JP 2023105853 A JP2023105853 A JP 2023105853A JP 2023105853 A JP2023105853 A JP 2023105853A JP 2025005618 A JP2025005618 A JP 2025005618A
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gas
substrate
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insulating film
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有美子 河野
Yumiko Kono
秀司 東雲
Shuji Shinonome
智裕 中川
Tomohiro Nakagawa
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

Figure 2025005618000001
【課題】金属触媒含有ガスとシラノール基含有ガスを用いて対象膜を形成する際に、対象膜を所望の領域に選択的に形成する、技術を提供する。
【解決手段】成膜方法は、下記(A)~(C)を有する。(A)第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備する。(B)対象膜の形成を阻害する成膜阻害膜を、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に形成する。(C)前記成膜阻害膜を用いて前記第2膜の表面に対して前記第1膜の表面に選択的に前記対象膜を形成する。前記対象膜は、少なくともケイ素(Si)と酸素(O)を含む。前記(C)は、(Ca)前記基板の表面に対して金属触媒含有ガスを供給することと、(Cb)前記(Ca)の後に、前記基板の表面に対してプラズマ化したガスを供給することと、(Cc)前記(Cb)の後に、前記基板の表面に対してシラノール基含有ガスを供給することと、を有する。
【選択図】図2

Description

本開示は、成膜方法及び成膜装置に関する。
特許文献1に記載の成膜方法は、誘電体膜の表面に対して金属膜の表面に選択的にポリイミド膜又は自己組織化単分子膜を形成することと、金属膜の表面に対して誘電体膜の表面に選択的にシリコン酸化膜を形成することと、をこの順番で含む。シリコン酸化膜は、金属触媒とシラノールを用いて形成する。
米国特許出願公開第2021/301392号明細書
本開示の一態様は、金属触媒含有ガスとシラノール基含有ガスを用いて対象膜を形成する際に、対象膜を所望の領域に選択的に形成する、技術を提供する。
本開示の一態様の成膜方法は、下記(A)~(C)を有する。(A)第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備する。(B)対象膜の形成を阻害する成膜阻害膜を、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に形成する。(C)前記成膜阻害膜を用いて前記第2膜の表面に対して前記第1膜の表面に選択的に前記対象膜を形成する。前記対象膜は、少なくともケイ素(Si)と酸素(O)を含む。前記(C)は、(Ca)前記基板の表面に対して金属触媒含有ガスを供給することで、前記第1膜の表面に金属触媒を吸着することと、(Cb)前記(Ca)の後に、前記基板の表面に対してプラズマ化したガスを供給することで、前記(Ca)において前記成膜阻害膜に吸着した前記金属触媒の少なくとも一部を除去することと、(Cc)前記(Cb)の後に、前記基板の表面に対してシラノール基含有ガスを供給することと、を有する。
本開示の一態様によれば、金属触媒含有ガスとシラノール基含有ガスを用いて対象膜を形成する際に、対象膜を所望の領域に選択的に形成することができる。
図1は、一実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図2は、S105のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 図3は、S106のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 図4(A)はS101の第1例を示す断面図であり、図4(B)はS102及びS103の第1例を示す断面図であり、図4(C)はS104の第1例を示す断面図であり、図4(D)はS105aの第1例を示す断面図であり、図4(E)はS105bの第1例を示す断面図であり、図4(F)はS105cの第1例を示す断面図である。 図5(A)はS101の第2例を示す断面図であり、図5(B)はS102及びS103の第2例を示す断面図であり、図5(C)はS104の第2例を示す断面図であり、図5(D)はS105aの第2例を示す断面図であり、図5(E)はS105bの第2例を示す断面図であり、図5(F)はS105cの第2例を示す断面図である。 図6(A)はS101の第3例を示す断面図であり、図6(B)はS102及びS103の第3例を示す断面図であり、図6(C)はS104の第3例を示す断面図であり、図6(D)はS105aの第3例を示す断面図であり、図6(E)はS105bの第3例を示す断面図であり、図6(F)はS105cの第3例を示す断面図である。 図7は、一実施形態に係る成膜装置を示す平面図である。 図8は、図7の第1処理部の一例を示す断面図である。 図9は、例4~例5で得られた基板表面のXPS(X線光電子分光法)スペクトルを示す図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
主に図1~図6を参照して、一実施形態に係る成膜方法について説明する。成膜方法は、例えば図1に示すステップS101~S107を有する。なお、成膜方法は、少なくともステップS101、S104~S105を有すればよく、ステップS102~S103及びS106を有しなくてもよい。また、成膜方法は、図1に示すステップS101~S107以外のステップを有してもよい。
ステップS101は、図4(A)に示すように、基板1を準備することを有する。基板1は、下地基板10を有する。下地基板10は、例えば、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、又はガラス基板である。基板1は、基板表面1aの異なる領域に、絶縁膜11と導電膜12を有する。基板表面1aは、例えば基板1の上面である。絶縁膜11と導電膜12は、下地基板10の上に形成される。下地基板10と絶縁膜11との間、または下地基板10と導電膜12との間には、別の機能膜が形成されてもよい。絶縁膜11は第1膜の一例であり、導電膜12は第2膜の一例である。なお、第1膜の材質と第2膜の材質は、特に限定されない。
絶縁膜11は、例えば層間絶縁膜である。層間絶縁膜は、好ましくは低誘電率(Low-k)膜である。絶縁膜11は、特に限定されないが、例えばSiO膜、SiN膜、SiOC膜、SiON膜、又はSiOCN膜である。ここで、SiO膜とは、シリコン(Si)と酸素(O)を含む膜という意味である。SiO膜におけるSiとOの原子比は、通常1:2であるが、1:2には限定されない。SiN膜、SiOC膜、SiON膜、及びSiOCN膜についても同様に各元素を含むという意味であり、化学量論比には限定されない。絶縁膜11は、基板表面1aに、凹部を有する。凹部は、トレンチ、コンタクトホール又はビアホールである。
導電膜12は、例えば絶縁膜11の凹部に充填される。導電膜12は、例えば金属膜である。金属膜は、例えば、Cu膜、Co膜、Ru膜、W膜、又はMo膜である。なお、導電膜12は、キャップ膜であってもよい。つまり、図6(A)に示すように、絶縁膜11の凹部には第2導電膜15が埋め込まれ、第2導電膜15を導電膜12が覆ってもよい。第2導電膜15は導電膜12とは異なる金属で形成される。例えば第2導電膜15がCu膜であって導電膜12(キャップ膜)がCo膜又はRu膜である。
基板1は、基板表面1aに第3膜をさらに有してもよい。第3膜は、例えばバリア膜13である。バリア膜13は、絶縁膜11と導電膜12の間に形成され、導電膜12から絶縁膜11への金属拡散を抑制する。バリア膜13は、特に限定されないが、例えば、TaN膜、又はTiN膜である。ここで、TiN膜とは、チタン(Ti)と窒素(N)を含む膜という意味である。TiN膜におけるTiとNの原子比は、通常1:1であるが、1:1には限定されない。TaN膜についても同様に各元素を含むという意味であり、化学量論比には限定されない。
基板1は、基板表面1aに第4膜をさらに有してもよい。第4膜は、例えばライナー膜14である(図5(A)及び図6(A)参照)。ライナー膜14は、導電膜12とバリア膜13の間に形成される。ライナー膜14は、バリア膜13の上に形成され、導電膜12の形成を支援する。導電膜12は、ライナー膜14の上に形成される。例えば導電膜12がCu膜であってライナー膜14がCo膜又はRu膜である。
図4(A)、図5(A)及び図6(A)に示すように、基板表面1aには、汚染物22が存在しうる。汚染物22は、例えば金属酸化物である。金属酸化物は、例えば導電膜12と大気との反応によって形成される。汚染物22は、有機物であってもよい。有機物は、例えば炭素を含む堆積物であり、基板1の処理過程で付着する。有機物は、層状であってもよい。
ステップS102は、図4(B)、図5(B)及び図6(B)に示すように基板表面1aの汚染物22を除去する第1前処理を行うことを有する。第1前処理では、洗浄ガスを基板表面1aに対して供給する。複数の洗浄ガスを順番に供給してもよい。本実施形態では、第1洗浄ガスと第2洗浄ガスと第3洗浄ガスをこの順番で供給する。
第1洗浄ガスは、少なくともHガスなどの還元性ガスを含み、還元性ガスに加えてNガスなどの窒素含有ガスを含んでもよい。第1洗浄ガスは、好ましくはプラズマ化したうえで基板表面1aに対して供給される。
第1洗浄ガスの処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:50sccm~5000sccm
ガスの流量:50sccm~10000sccm
Arガスの流量:20sccm~10000sccm
第1洗浄ガスに占めるHガスの割合:10体積%~60体積%
第1洗浄ガスに占めるNガスの割合:10体積%~80体積%
プラズマ生成用の電源周波数:10MHz~100MHz
プラズマ生成用の電力:50W~400W
処理時間:5秒~120秒
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:50Pa~2000Pa。
第2洗浄ガスは、酸素含有ガスを含む。酸素含有ガスは、Oガス、Oガス、HOガス、NOガス、NOガス及びNOガスから選ばれる少なくとも1つを含む。酸素含有ガスは、プラズマ化することなく基板表面1aに対して供給される。
第2洗浄ガスを用いた処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:100sccm~2000sccm
処理時間:10秒~5分
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:50Pa~665Pa。
第3洗浄ガスは、例えば、カルボン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ニトロ系化合物、およびチオール系化合物から選ばれる少なくとも1つを含む。カルボン酸系化合物は、一般式「R-COOH」で表される。ホスホン酸系化合物は、一般式「R-P(=O)(OH)」で表される。ニトロ系化合物は、一般式「R-NO」で表される。チオール系化合物は、一般式「R-SH」で表される。
これらの一般式において、Rは、例えば、炭化水素基、又は炭化水素基の水素の少なくとも一部をフッ素に置換したものである。具体的には例えば、Rは、「CF-(CF-」、「CF-(CF-CH-CH-」または「CH-(CH-」である。Xは1~17の整数である。カルボン酸系化合物の具体例として、PFBA(CF(CFCOOH)、ギ酸(HCOOH)、酢酸(CHCOOH)、プロピオン酸(CHCHCOOH)、オクタン酸(CH(CHCOOH)が挙げられる。ニトロ系化合物の具体例として、PFNO(CF(CFCHCHNO)が挙げられる。
第3洗浄ガスの処理条件の一例を下記に示す。
PFBAガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:30秒~10分
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:100Pa~300Pa。
ステップS103は、ステップS102で供給した洗浄ガスの残留物を除去する第2前処理を行うことを有する。洗浄ガスの残留物は、主に有機物である。第2前処理では、プラズマ化したガスを基板表面1aに対して供給する。ガスは、少なくともHガスなどの還元性ガスを含み、還元性ガスに加えてNガスなどの窒素含有ガスを含んでもよい。ステップS103の処理条件は、ステップS102における第1洗浄ガスを用いた処理条件と同様であるので、省略する。
ステップS104は、図4(C)、図5(C)及び図6(C)に示すように、絶縁膜11の表面に対して導電膜12の表面に選択的に自己組織化単分子膜17を形成することを有する。以下、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM)17をSAM17と記載することがある。SAM17は、基板表面1aに対して有機化合物ガスを供給することで形成される。有機化合物ガスは、SAM17の原料ガスである。
SAM17の原料ガスは、特に限定されないが、例えばチオール系化合物を含む。チオール系化合物の具体例として、CF(CFCHCHSH(1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンチオール:PFOT)、及びCH(CHSH(ヘキサンチオール:HT)が挙げられる。チオール系化合物は、絶縁膜11の表面に比べて、導電膜12の表面に化学吸着しやすい。それゆえ、SAM17は、絶縁膜11の表面に対して、導電膜12の表面に選択的に形成される。SAM17は、絶縁膜11の表面にはほとんど形成されない。SAM17は、図5(C)及び図6(C)に示すように導電膜12の表面だけではなくライナー膜14の表面にも形成されてもよい。
SAM17の原料ガスは、チオール系化合物には限定されない。SAM17の原料ガスは、ホスホン酸系化合物、カルボン酸系化合物、またはニトロ系化合物を含んでもよい。第1洗浄ガスと、SAM17の原料ガスとは、同じ有機化合物を含んでもよいし異なる有機化合物を含んでもよいが、好ましくは同じ有機化合物を含む。同じ有機化合物を使用することで、使用するチャンバ数を少なくできるなど、コストを低下できる。
なお、SAM17の原料ガスは、オレフィン系化合物または有機シラン系化合物を含んでもよい。オレフィン系化合物は、一般式「R-CH=CH」で表される。有機シラン系化合物は、例えばトリクロロシラン系、メトキシシラン系、またはエトキシシラン系である。トリクロロシラン系の有機化合物は、一般式「R-SiCl」で表される。メトキシシラン系の有機化合物は、一般式「R-Si(OCH」で表される。エトキシシラン系の有機化合物は、一般式「R-Si(OCHCH」で表される。
ステップS104の処理条件の一例を下記に示す。
HTガスの流量:50sccm~200sccm
処理時間:3秒~120秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~4000Pa。
なお、ステップS104は、対象膜の形成を阻害する成膜阻害膜を、第1膜の表面に対して第2膜の表面に選択的に形成することを含めばよい。絶縁膜11が第1膜の一例であり、導電膜12が第2膜の一例であり、SAM17が成膜阻害膜の一例である。成膜阻害膜は、SAMには限定されず、例えばグラフェン含有膜であってもよい。
ステップS105は、図4(D)~図4(F)、図5(D)~図5(F)及び図6(D)~図6(F)に示すように、SAM17を用いて導電膜12の表面に対して絶縁膜11の表面に選択的に第2絶縁膜18を形成することを有する。第2絶縁膜18は、対象膜の一例である。
第2絶縁膜18は、例えば少なくともケイ素(Si)と酸素(O)を含むSiO膜である。SiO膜は、例えば金属触媒含有ガスとシラノール基含有ガスを用いて形成する。金属触媒含有ガスは、金属触媒を含有する。金属触媒は、シラノール基含有ガスに含まれるシラノール基の脱水縮合反応を促進する。シラノール基の脱水縮合反応によってSiO膜が形成される。SiO膜は、ケイ素(Si)と酸素(O)に加えて、金属触媒を含んでもよい。
金属触媒含有ガスは、好ましくは有機金属化合物ガスである。具体的には、有機アルミニウム化合物ガスと有機チタン化合物ガスが挙げられる。有機アルミニウム化合物ガスは、例えばトリメチルアルミニウム(TMA:Trimethylaluminium)ガス、トリエチルアルミニウム(TEA:Triethylaluminium)ガス、ジメチルアルミニウムクロリド(Dimethylaluminumchloride)ガス、又はジメチルアルミニウムイソプロポキシド(DMAI:Dimethylaluminum isopropoxide)である。有機チタン化合物ガスは、例えばテトラキスジメチルアミノチタン(TDMAT:Tetrakis(dimethylamino)titanium)ガスである。
シラノール基含有ガスは、特に限定されないが、例えば、トリス(tert-ペントキシ)シラノール(TPSOL:Tris(tert-pentoxy)silanol)、トリエチルシラノール(Triethylsilanol)、メチルビス(tert-ペントキシ)シラノール(Methyl bis(tert-pentoxy)silanol)、又はトリス(tert-ブトキシ)シラノール(TBSOL:Tris(tert-butoxy)silanol)が用いられる。
ステップS105は、例えば、図2に示すように、金属触媒含有ガスの供給(ステップS105a)と、プラズマ化したガスの供給(ステップS105b)と、シラノール基含有ガスの供給(ステップS105c)とをK(Kは1以上の整数)回実施することを含む。Kは2以上の整数であってもよく、上記ステップS105a~S105cが複数回繰り返し実施されてもよい。Kは好ましくは1~5である。本実施形態のステップS105は、ステップS105bを有する点で、特許文献1とは異なる。
ステップS105aは、図4(D)、図5(D)及び図6(D)に示すように、基板表面1aに対して金属触媒含有ガスを供給することで絶縁膜11の表面に金属触媒18Aを吸着することを有する。SAM17は、金属触媒18Aが導電膜12の表面に吸着することを阻害する。但し、絶縁膜11の表面と比べて吸着量(数)は少ないが、金属触媒18AがSAM17の表面に吸着することがある。成膜阻害膜として、例えばグラフェン含有膜を用いた場合にも同様である。
ステップS105aの処理条件の一例を下記に示す。
TMAガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:0.05秒~100秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa。
ステップS105bは、図4(E)、図5(E)及び図6(E)に示すように、基板表面1aに対してプラズマ化したガスを供給することで、SAM17の表面に吸着した金属触媒18Aの少なくとも一部を除去することを有する。プラズマ化したガスは、SAM17の少なくとも一部(好ましくは一部のみ)を除去することで、SAM17の表面に吸着した金属触媒18Aの少なくとも一部(好ましくは全部)を除去する。
プラズマ化するガスは、例えばHガス、希ガス、又はHガスと希ガスの混合ガスである。希ガスは、例えばArガス又はHeガスである。プラズマは、SAM17の表面を分解することで、SAM17の表面に吸着した金属触媒18Aを脱離させる。この際、絶縁膜11の表面に吸着した金属触媒18Aの一部もプラズマ化したガスとの接触により脱離することがあるが、吸着量(数)が多いため多少脱離してもシラノール基含有ガスに含まれるシラノール基の脱水縮合反応を促進するのに必要な量の金属触媒18Aを確保できる。
本実施形態によれば、金属触媒含有ガスの供給(ステップS105a)の後、シラノール基含有ガスの供給(ステップS105c)の前に、SAM17の表面に吸着した金属触媒18Aの少なくとも一部(好ましくは全部)を除去する。これにより、導電膜12の表面に第2絶縁膜18が堆積するのを抑制でき、第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。
第2絶縁膜18の形成を阻害する成膜阻害膜として、SAM17に代えてグラフェン含有膜をステップS104で形成した場合にも、基板表面1aに対してプラズマ化したガスを供給することで、グラフェン含有膜の表面に吸着した金属触媒18Aの少なくとも一部(好ましくは全部)を除去する。これにより、導電膜12の表面に第2絶縁膜18が堆積するのを抑制でき、第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。
ステップS105bの処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:200sccm~3000sccm
Arガスの流量:100sccm~6000sccm
ガスとArガスの混合ガスに占めるHガスの割合:0体積%~90体積%
プラズマ生成用の電源周波数:10MHz~60MHz
プラズマ生成用の電力:50W~600W
処理時間:2sec~120sec
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~1200Pa。
ステップS105cは、図4(F)、図5(F)及び図6(F)に示すように、基板表面1aに対してシラノール基含有ガスを供給することを有する。絶縁膜11の表面に吸着した金属触媒18Aが、シラノール基含有ガスに含まれるシラノール基の脱水縮合反応を促進する。その結果、導電膜12の表面に対して絶縁膜11の表面に選択的に第2絶縁膜18が形成される。
ステップS105cの処理条件の一例を下記に示す。なお、TPSOLガスは、TPSOLの液体を気化して供給する。
TPSOLガスの流量:0.1g/min~0.5g/min
処理時間:3秒~120秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa。
ステップS105において、金属触媒含有ガスの供給(ステップS105a)の後、シラノール基含有ガスの供給(ステップS105c)の前に、導電膜12の表面にSAM17が残っていることが好ましい。残ったSAM17が、シラノール基含有ガスの吸着を阻害できる。また、残ったSAM17は、ステップS106においても役に立つ。
ところで、図示しないが、SAM17のブロック性能は完全ではなく、第2絶縁膜18は絶縁膜11の表面から横にはみ出してしまい、導電膜12の表面の一部を覆ってしまうことがある。そうすると、第2絶縁膜18の開口幅が狭くなってしまい、基板1の配線抵抗が高くなってしまう。そこで、基板処理方法は、ステップS106を有してもよい。
ステップS106は、第2絶縁膜18の一部を第2絶縁膜18の別の一部に対して優先的にエッチングすることを有する。第2絶縁膜18の一部は、導電膜12の表面に堆積した部位を含み、SAM17の一部を含む。それゆえ、第2絶縁膜18の一部は、第2絶縁膜18の別の一部に比べて、欠陥が多く、エッチング速度が速い。
第2絶縁膜18の形成を阻害する成膜阻害膜として、SAM17に代えて、グラフェン含有膜などをステップS104で形成した場合にも、第2絶縁膜18の一部18aは、第2絶縁膜18の別の一部18bに比べて、エッチング速度が速い。成膜阻害膜の近傍の第2絶縁膜(第2絶縁膜18の一部18a)は、成膜阻害膜の影響を受けて成長が阻害され、薄膜化または低密度化するからである。
ステップS106は、図3に示すように、例えば、フッ素含有ガスの供給(ステップS106a)と、HOガスの供給(ステップS106b)と、プラズマ化したガスの供給(ステップS106c)と、を有する。ステップS106は、ステップS106bとステップS106cを設定回数(M回)実施することを有する。Mは2以上の整数であってもよく、上記ステップS106b~S106cが複数回繰り返し実施されてもよい。また、ステップS106は、ステップS106aを1回実施することと、ステップS106bとステップS106cをM回実施することと、を設定回数(L回)実施することを有する。Lは2以上の整数であってもよく、上記ステップS106a~S106cが複数回繰り返し実施されてもよい。
ステップS106aは、図示しないが、第2絶縁膜18の表面にフッ素含有ガスを供給することで、第2絶縁膜18の表面にフッ素含有層を形成することを有する。フッ素含有層は、第2絶縁膜18の表面だけではなく、SAM17の表面にも堆積してもよい。なお、第2絶縁膜18の表面にフッ素含有層を形成する代わりに、第2絶縁膜18の表面にフッ素を吸着させてもよい。
フッ素含有ガスは、例えばHFガスとNHガスの混合ガスである。HFガスとNHガスの混合ガスと第2絶縁膜18との反応により、フッ素含有層が形成される。第2絶縁膜18がケイ素(Si)と酸素(O)を含む膜である場合、フッ素含有層はケイフッ化アンモニウム((NHSiF)を含む。
フッ素含有層は、ステップS106b~S106cにおいて第2絶縁膜18の不要な部位をエッチングできる程度に形成されればよい。フッ素含有層の形成が進み過ぎないように、ステップS106aはステップS106b~S106cに比べて低温で実施されることが好ましい。ステップS106aにおける基板1の温度は、例えば50℃~100℃である。
なお、フッ素含有ガスは、本実施形態ではHFガスとNHガスの混合ガスであるが、NHガスを含まなくてもよく、HFガスのみを含んでもよい。この場合、第2絶縁膜18の表面にフッ素含有層を形成する代わりに、第2絶縁膜18の表面にフッ素を吸着することができる。
ステップS106aの処理条件の一例を下記に示す。
HFガスの流量:10sccm~100sccm
NHガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:0.05秒~100秒
処理温度:50℃~100℃
処理圧力:133Pa~1200Pa。
ステップS106bは、第2絶縁膜18の表面にHOガスを供給することでフッ化水素を生成することを有する。フッ化水素は、フッ素含有層とHOガスの反応によって生成する。なお、フッ素含有層の代わりに、第2絶縁膜18の表面に吸着したフッ素とHOガスの反応によってフッ化水素を生成することも可能である。ステップS106bにおいてHOガスに加えてHガスを使用してもよい。ステップS106bではHOガスをプラズマ化しないことが好ましい。酸素プラズマの発生を防止でき、導電膜12の酸化を防止できる。
ステップS106bの処理条件の一例を下記に示す。
Oガスの流量:10sccm~500sccm
処理時間:0.1sec~120sec
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~1200Pa。
ステップS106cは、第2絶縁膜18の表面にプラズマ化したガスを供給することを有する。ステップS106bとステップS106cを順番に実施することで、HOガスのプラズマ化を防止でき、酸素プラズマの発生を防止でき、導電膜12の酸化を防止できる。
ステップS106cにおいてプラズマ化するガスは、酸素プラズマの発生を防止すべく、酸素系ガスを含まないことが好ましい。プラズマ化するガスは、例えばHガス、希ガス、又はHガスと希ガスの混合ガスである。希ガスは、例えばArガス又はHeガスである。プラズマは、フッ素含有層の分解又はフッ素の脱離を促進し、フッ化水素の生成を促進する。これにより、フッ化水素による第2絶縁膜18のエッチングを促進できる。
本実施形態によれば、第2絶縁膜18の一部を第2絶縁膜18の別の一部に対して優先的にエッチングする。第2絶縁膜18の不要な部位(導電膜12の表面に堆積する部位)はエッチングされるのに対し、第2絶縁膜18の必要な部位(絶縁膜11の表面に堆積する部位)はほとんどエッチングされない。それゆえ、第2絶縁膜18の不要な部位を選択的に除去できる。
ステップS106cの処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:200sccm~3000sccm
Arガスの流量:100sccm~6000sccm
ガスとArガスの混合ガスに占めるHガスの割合:0体積%~90体積%
プラズマ生成用の電源周波数:10MHz~60MHz
プラズマ生成用の電力:50W~600W
処理時間:2sec~120sec
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~1200Pa。
ステップS106dは、ステップS106b~S106cを設定回数(M回)実施したか否かをチェックすることを有する。実施回数が設定回数(M回)に達していない場合、第2絶縁膜18のエッチングが不足しているので、ステップS106b~S106cが再度実施される。一方、実施回数が設定回数(M回)に達している場合、第2絶縁膜18のエッチングが十分であるので、ステップS106e以降の処理が行われる。
ステップS106dにおける設定回数(M回)は、例えば1回~50回であり、好ましくは2回~50回である。Mが2以上の整数である場合、ステップS106b~S106cが複数回繰り返し行われる。フッ素含有層の分解又はフッ素の脱離を徐々に進めることができ、フッ化水素を長時間に亘って生成できる。その結果、第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。
ステップS106eは、ステップS106aを1回実施することと、ステップS106b~S106cをM回実施することと、を設定回数(L回)実施したか否かをチェックすることを有する。実施回数が設定回数(L回)に達していない場合、第2絶縁膜18のエッチングが不足しているので、ステップS106a~S106cが再度実施される。一方、実施回数が設定回数(L回)に達している場合、第2絶縁膜18のエッチングが十分であるので、ステップS107以降の処理が行われる。
ステップS106eにおける設定回数(L回)は、例えば1回~50回であり、好ましくは2回~50回である。Lが2以上の整数である場合、ステップS106a~S106cが複数回繰り返し行われる。フッ素含有層19を再生でき、フッ化水素を長時間に亘って生成できる。その結果、第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。この場合配線抵抗は、層間を貫通するビア配線抵抗を含み、開口幅を拡大することでビア良品歩留まりも改善できる。
ステップS107は、ステップS104~S106を設定回数(N回)実施したか否かをチェックすることを有する。実施回数が設定回数に達していない場合、第2絶縁膜18の膜厚が目標膜厚に達していないので、ステップS104~S106が再度実施される。一方、実施回数が設定回数に達している場合、第2絶縁膜18の膜厚が目標膜厚に達しているので、今回の処理が終了する。
次に、図7を参照して、上記の成膜方法を実施する成膜装置100について説明する。図7に示すように、成膜装置100は、第1処理部200Aと、第2処理部200Bと、第3処理部200Cと、第4処理部200Dと、搬送部400と、制御部500とを有する。第1処理部200Aは、図1のステップS102~S103を実施する。第2処理部200Bは、図1のステップS104を実施する。第3処理部200Cは、図1のステップS105を実施する。第4処理部200Dは、図1のステップS106を実施する。第1処理部200Aと、第2処理部200Bと、第3処理部200Cと、第4処理部200Dとは、同様の構造を有してもよいし、異なる構造を有してもよい。第1処理部200Aのみで、図1のステップS102~S106の全てを実施することも可能である。搬送部400は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dに対して、基板1を搬送する。制御部500は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400を制御する。
搬送部400は、第1搬送室401と、第1搬送機構402とを有する。第1搬送室401の内部雰囲気は、大気雰囲気である。第1搬送室401の内部に、第1搬送機構402が設けられる。第1搬送機構402は、基板1を保持するアーム403を含み、レール404に沿って走行する。レール404は、キャリアCの配列方向に延びている。
また、搬送部400は、第2搬送室411と、第2搬送機構412とを有する。第2搬送室411の内部雰囲気は、真空雰囲気である。第2搬送室411の内部に、第2搬送機構412が設けられる。第2搬送機構412は、基板1を保持するアーム413を含み、アーム413は、鉛直方向及び水平方向に移動可能に、且つ鉛直軸周りに回転可能に配置される。第2搬送室411には、異なるゲートバルブGを介して第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dが接続される。
更に、搬送部400は、第1搬送室401と第2搬送室411の間に、ロードロック室421を有する。ロードロック室421の内部雰囲気は、図示しない調圧機構により真空雰囲気と大気雰囲気との間で切り換えられる。これにより、第2搬送室411の内部を常に真空雰囲気に維持できる。また、第1搬送室401から第2搬送室411にガスが流れ込むのを抑制できる。第1搬送室401とロードロック室421の間、及び第2搬送室411とロードロック室421の間には、ゲートバルブGが設けられる。
制御部500は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算部501と、メモリ等の記憶部502とを有する。記憶部502には、成膜装置100において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部500は、記憶部502に記憶されたプログラムを演算部501に実行させることにより、成膜装置100の動作を制御する。制御部500は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400とを制御し、上記の成膜方法を実施する。
次に、成膜装置100の動作について説明する。先ず、第1搬送機構402が、キャリアCから基板1を取り出し、取り出した基板1をロードロック室421に搬送し、ロードロック室421から退出する。次に、ロードロック室421の内部雰囲気が大気雰囲気から真空雰囲気に切り換えられる。その後、第2搬送機構412が、ロードロック室421から基板1を取り出し、取り出した基板1を第1処理部200Aに搬送する。
次に、第1処理部200Aが、ステップS102~S103を実施する。その後、第2搬送機構412が、第1処理部200Aから基板1を取り出し、取り出した基板1を第2処理部200Bに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、基板1の意図しない酸化を抑制できる。
次に、第2処理部200Bが、ステップS104を実施する。その後、第2搬送機構412が、第2処理部200Bから基板1を取り出し、取り出した基板1を第3処理部200Cに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、SAM17のブロック性能の低下を抑制できる。
次に、第3処理部200Cが、ステップS105を実施する。その後、第2搬送機構412が、第3処理部200Cから基板1を取り出し、取り出した基板1を第4処理部200Dに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、基板1の意図しない酸化を抑制できる。
次に、第4処理部200Dが、ステップS106を実施する。その後、制御部500は、ステップS104~S106を設定回数(N回)実施したか否かをチェックする。実施回数が設定回数に達していない場合、第2搬送機構412は、第4処理部200Dから基板1を取り出し、取り出した基板1を第2処理部200Bに搬送する。その後、制御部500は、第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400とを制御し、ステップS104~S106を再度実施する。
一方、実施回数が設定回数(N回)に達している場合、第2搬送機構412が、第4処理部200Dから基板1を取り出し、取り出した基板1をロードロック室421に搬送し、ロードロック室421から退出する。続いて、ロードロック室421の内部雰囲気が真空雰囲気から大気雰囲気に切り換えられる。その後、第1搬送機構402が、ロードロック室421から基板1を取り出し、取り出した基板1をキャリアCに収容する。そして、基板1の処理が終了する。
次に、図8を参照して、第1処理部200Aについて説明する。なお、第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dは、第1処理部200Aと同様に構成されるので、図示及び説明を省略する。
第1処理部200Aは、略円筒状の気密な処理容器210を備える。処理容器210の底壁の中央部には、排気室211が設けられている。排気室211は、下方に向けて突出する例えば略円筒状の形状を備える。排気室211には、例えば排気室211の側面において、排気配管212が接続されている。
排気配管212には、圧力制御器271を介して排気源272が接続されている。圧力制御器271は、例えばバタフライバルブ等の圧力調整バルブを備える。排気配管212は、排気源272によって処理容器210内を減圧できるように構成されている。圧力制御器271と、排気源272とで、処理容器210内のガスを排出するガス排出機構270が構成される。
処理容器210の側面には、搬送口215が設けられている。搬送口215は、ゲートバルブGによって開閉される。処理容器210内と第2搬送室411(図7参照)との間における基板1の搬入出は、搬送口215を介して行われる。
処理容器210内には、基板1を保持する保持部であるステージ220が設けられている。ステージ220は、基板表面1aを上に向けて、基板1を水平に保持する。ステージ220は、平面視で略円形状に形成されており、支持部材221によって支持されている。ステージ220の表面には、例えば直径が300mmの基板1を載置するための略円形状の凹部222が形成されている。凹部222は、基板1の直径よりも僅かに大きい内径を有する。凹部222の深さは、例えば基板1の厚さと略同一に構成される。ステージ220は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料により形成されている。また、ステージ220は、ニッケル(Ni)等の金属材料により形成されていてもよい。なお、凹部222の代わりにステージ220の表面の周縁部に基板1をガイドするガイドリングを設けてもよい。
ステージ220には、例えば接地された下部電極223が埋設される。下部電極223の下方には、加熱機構224が埋設される。加熱機構224は、制御部500(図7参照)からの制御信号に基づいて電源部(図示せず)から給電されることによって、ステージ220に載置された基板1を設定温度に加熱する。ステージ220の全体が金属によって構成されている場合には、ステージ220の全体が下部電極として機能するので、下部電極223をステージ220に埋設しなくてよい。ステージ220には、ステージ220に載置された基板1を保持して昇降するための複数本(例えば3本)の昇降ピン231が設けられている。昇降ピン231の材料は、例えばアルミナ(Al)等のセラミックスや石英等であってよい。昇降ピン231の下端は、支持板232に取り付けられている。支持板232は、昇降軸233を介して処理容器210の外部に設けられた昇降機構234に接続されている。
昇降機構234は、例えば排気室211の下部に設置されている。ベローズ235は、排気室211の下面に形成された昇降軸233用の開口部219と昇降機構234との間に設けられている。支持板232の形状は、ステージ220の支持部材221と干渉せずに昇降できる形状であってもよい。昇降ピン231は、昇降機構234によって、ステージ220の表面の上方と、ステージ220の表面の下方との間で、昇降自在に構成される。
処理容器210の天壁217には、絶縁部材218を介してガス供給部240が設けられている。ガス供給部240は、上部電極を成しており、下部電極223に対向している。ガス供給部240には、整合器251を介して高周波電源252が接続されている。高周波電源252から上部電極(ガス供給部240)に450kHz~100MHzの高周波電力を供給することによって、上部電極(ガス供給部240)と下部電極223との間に高周波電界が生成され、容量結合プラズマが生成する。プラズマを生成するプラズマ生成部250は、整合器251と、高周波電源252と、を含む。なお、プラズマ生成部250は、容量結合プラズマに限らず、誘導結合プラズマなど他のプラズマを生成するものであってもよい。なお、プラズマを生成しない工程(例えばステップS104)では、ガス供給部240が上部電極を成すことは不要であり、下部電極223も不要である。
ガス供給部240は、中空状のガス供給室241を備える。ガス供給室241の下面には、処理容器210内へ処理ガスを分散供給するための多数の孔242が例えば均等に配置されている。ガス供給部240における例えばガス供給室241の上方には、加熱機構243が埋設されている。加熱機構243は、制御部500からの制御信号に基づいて電源部(図示せず)から給電されることによって、設定温度に加熱される。
ガス供給室241には、ガス供給路261を介して、ガス供給機構260が接続される。ガス供給機構260は、ガス供給路261を介してガス供給室241に、図1のステップS102~S106の少なくとも1つで用いられるガスを供給する。ガス供給機構260は、図示しないが、ガスの種類毎に、個別配管と、個別配管の途中に設けられる開閉バルブと、個別配管の途中に設けられる流量制御器とを含む。開閉バルブが個別配管を開くと、供給源からガス供給路261にガスが供給される。その供給量は流量制御器によって制御される。一方、開閉バルブが個別配管を閉じると、供給源からガス供給路261へのガスの供給が停止される。
[実施例]
次に、実験データについて説明する。先ず表1を参照して、例1~例3について説明する。例1~例3では、基板表面の異なる領域にLow-k膜とCu膜を有する基板を準備し、表1に示す条件で基板の処理を行った。例1~例2が比較例であり、例3が実施例である。
Figure 2025005618000002
例1~例3において、ステップS102~S104は同じ条件に設定した。ステップS102では、HガスとNガスを含むプラズマ化した混合ガスを15秒間供給し、次にOガスを30秒間供給し、次にPFBAガスを供給した。ステップS103では、プラズマ化したHガスを30秒間供給した。ステップS104では、HTガスを60秒間供給することで、SAMをCu膜の表面に選択的に形成した。
例1では、上記ステップS102~S104の後に、ステップS105aとS105cを行ない、その後、ステップS106bとS106cを6回繰り返し行った。ステップS105aでは、TMAガスを10秒間供給した。ステップS105cでは、TPSOLガスを15秒間供給した。ステップS106bでは、HOガスを10秒間供給した。ステップS106cでは、プラズマ化したHガスを30秒間供給した。ステップS105bとステップS106aは、行わなかった。例1において、ステップS106dの設定回数(M回)は6回であって、ステップS107の設定回数(N回)は2回であった。なお、ステップS106aを行わなかったので、ステップS106eの設定回数(L回)は0回であった。
例2では、上記ステップS102~S104の後に、ステップS105aとS105cを行ない、その後、HFガスとNHガスの混合ガスを用いてステップS106aを行い、続いてステップS106bとS106cを3回繰り返し行った。ステップS106aでは、HFガスとNHガスの混合ガスを7秒間供給した。ステップS105bは、行わなかった。例2において、ステップS106dの設定回数(M回)は3回であって、ステップS106eの設定回数(L回)は1回であって、ステップS107の設定回数(N回)は3回であった。
なお、例2においてステップS107の設定回数(N回)を3回に設定したのは、例2で得られるSiO膜の膜厚を例1及び例3で得られるSiO膜の膜厚と同程度にするためである。
例3では、上記ステップS102~S104の後に、ステップS105a、S105b及びS105cを行なった。ステップS105bでは、プラズマ化したHガスを30秒間供給した。ステップS106a、S106b及びS106cは、行わなかった。例3において、ステップS107の設定回数(N回)は2回であった。
表1において例1と例2と例3で得られたSiO膜の開口幅を比較すれば明らかなように、ステップS105aの後であってS105cの前にS105bを実施すれば、S106を実施しなくても、十分な開口幅を得られることが分かる。
また、表1において例1と例2で得られたSiO膜の開口幅を比較すれば明らかなように、ステップS106a、S106b及びS106cを全て実施することで、SiO膜の開口幅を広げられることが分かる。
次に、例4~例5について説明する。例4~例5では、シリコンウェハの表面全体にCu膜を形成した基板を準備し、表2に示す条件で基板の処理を行った。例4~例5は、参考例である。例4ではステップS102~S104のみを行なったのに対し、例5ではステップS102~S104に続いてS105a及びS105bを行った。
Figure 2025005618000003
例4~例5で得られた基板表面のXPS(X線光電子分光法)スペクトルを図9に示す。図9から、S105bを行った後も、SAMに含まれるS2pのピークが観察でき、SAMが残っていることが分かる。
以上、本開示に係る成膜方法及び成膜装置の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
1 基板
1a 基板表面
11 絶縁膜(第1膜)
12 導電膜(第2膜)
17 SAM(自己組織化単分子膜)
18 第2絶縁膜(対象膜)

Claims (11)

  1. (A)第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備することと、
    (B)対象膜の形成を阻害する成膜阻害膜を、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に形成することと、
    (C)前記成膜阻害膜を用いて前記第2膜の表面に対して前記第1膜の表面に選択的に前記対象膜を形成することと、
    を有し、
    前記対象膜は、少なくともケイ素(Si)と酸素(O)を含み、
    前記(C)は、
    (Ca)前記基板の表面に対して金属触媒含有ガスを供給することで、前記第1膜の表面に金属触媒を吸着することと、
    (Cb)前記(Ca)の後に、前記基板の表面に対してプラズマ化したガスを供給することで、前記(Ca)において前記成膜阻害膜の表面に吸着した前記金属触媒の少なくとも一部を除去することと、
    (Cc)前記(Cb)の後に、前記基板の表面に対してシラノール基含有ガスを供給することと、
    を有する、成膜方法。
  2. 前記第1膜は絶縁膜であり、前記第2膜は導電膜である、請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記成膜阻害膜は自己組織化単分子膜である、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記成膜阻害膜はグラフェン含有膜である、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  5. 前記(Cb)の後であって前記(Cc)の前に、前記第2膜の表面に前記自己組織化単分子膜が残っている、請求項3に記載の成膜方法。
  6. 前記(Ca)と前記(Cb)と前記(Cc)を複数回繰り返し行う、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  7. 前記(Cb)においてプラズマ化するガスは、Hガス、希ガス、又はHガスと希ガスの混合ガスを含む、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  8. 前記(B)と前記(C)を複数回繰り返し行う、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  9. (D)前記(C)の後に、前記第2膜の表面から横にはみ出した前記対象膜をエッチングすることをさらに有する、請求項1又は2に記載の成膜方法。
  10. 前記(B)と前記(C)と前記(D)を複数回繰り返し行う、請求項9に記載の成膜方法。
  11. 処理容器と、
    前記処理容器の内部で前記基板を保持する保持部と、
    前記処理容器の内部にガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器の内部に供給するガスをプラズマ化するプラズマ生成部と、
    前記処理容器の内部からガスを排出するガス排出機構と、
    前記処理容器に対して前記基板を搬入出する搬送機構と、
    前記ガス供給機構、前記プラズマ生成部、前記ガス排出機構及び前記搬送機構を制御し、請求項1又は2に記載の成膜方法を実施する制御部と、
    を備える、成膜装置。
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