JP2025004594A - 尿勢増加剤 - Google Patents
尿勢増加剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2025004594A JP2025004594A JP2023104379A JP2023104379A JP2025004594A JP 2025004594 A JP2025004594 A JP 2025004594A JP 2023104379 A JP2023104379 A JP 2023104379A JP 2023104379 A JP2023104379 A JP 2023104379A JP 2025004594 A JP2025004594 A JP 2025004594A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- urinary flow
- herbal mixture
- extract
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
【課題】本発明の目的は、尿勢を増加させる医薬品を提供することである。【解決手段】ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスは、尿勢増加剤の有効成分として有用である。【選択図】なし
Description
本発明は、尿勢増加剤に関する。
正常な排尿は、排尿(尿を出す)と蓄尿(尿をためる)との排尿サイクルから成り立っており、それが円滑に機能しなくなった状態のことを排尿障害という。男女問わず、加齢とともに排尿障害に悩む人が増え、生活の質(QOL)を著しく損なうといわれている。
排尿障害に対する薬物療法としては、膀胱の容量を増やす抗コリン剤、及び尿道をひき締め膀胱を緩めるα・βアドレナリン受容体刺激薬等が使用される。しかしながら、これらの西洋薬は副作用の問題があるため、漢方薬が選択される場合もある。例えば、六味丸(非特許文献1)は、排尿困難、頻尿を効能とする漢方薬として用いられている。
漢方製剤 ツムラ六味丸エキス顆粒(医療用)付属書、2007年5月改訂
排尿障害を効能とする漢方薬は副作用が少ないため治療に取り入れやすいが、効果の実感に欠けることも多い。
また、排尿障害に至らなくとも、加齢に伴って尿の勢いが弱くなっていくため、尿の勢い(尿勢)を増加させる医薬品があれば、効果を実感しやすい医薬品の提供が可能になると考えられる。
本開示は、尿勢を増加させる医薬品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の生薬の組み合わせを含む生薬混合物又はそのエキスに、尿勢を増加させる作用があることを見出した。本開示は、この知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含む、尿勢増加剤。
項2. 夜間頻尿の対象において尿勢を増加させるために用いられる、項1に記載の尿勢増加剤。
項3. 前記生薬混合物Aが、レンニク、バクモンドウ、ブクリョウ、ニンジン、シャゼンシ、オウゴン、オウギ、ジコッピ、及びカンゾウからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項4. 前記生薬混合物Bが、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項5. 前記生薬混合物A又はBが、ゴシツ、シャゼンシ、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項6. 排尿障害でない対象において尿勢を増加させるために用いられる、項1~5のいずれかに記載の尿勢増加剤。
項7.尿勢の増加が必要な対象に、有効量の、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを投与する、尿勢増加方法。
項8.尿勢の増加用組成物の製造のための、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスの使用。
項9.尿勢が少ないことに関連して生じる疾患の治療に用いるための、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキス。
項1. ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含む、尿勢増加剤。
項2. 夜間頻尿の対象において尿勢を増加させるために用いられる、項1に記載の尿勢増加剤。
項3. 前記生薬混合物Aが、レンニク、バクモンドウ、ブクリョウ、ニンジン、シャゼンシ、オウゴン、オウギ、ジコッピ、及びカンゾウからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項4. 前記生薬混合物Bが、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項5. 前記生薬混合物A又はBが、ゴシツ、シャゼンシ、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、項1又は2に記載の尿勢増加剤。
項6. 排尿障害でない対象において尿勢を増加させるために用いられる、項1~5のいずれかに記載の尿勢増加剤。
項7.尿勢の増加が必要な対象に、有効量の、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを投与する、尿勢増加方法。
項8.尿勢の増加用組成物の製造のための、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスの使用。
項9.尿勢が少ないことに関連して生じる疾患の治療に用いるための、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキス。
本開示によれば、尿勢を増加させる医薬品が提供される。
本開示の尿勢増加剤は、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含有することを特徴とする。以下、本開示の尿勢増加剤について詳述する。
有効成分
本開示の尿勢増加剤は、有効成分として、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含有する。
本開示の尿勢増加剤は、有効成分として、ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含有する。
生薬混合物Aは、ブクリョウ及びシャゼンシを含む限り特に限定されず、他の任意の生薬を含んでよいが、尿勢増加効果を高める観点から、好ましくは、レンニク、バクモンドウ、ブクリョウ、ニンジン、シャゼンシ、オウゴン、オウギ、ジコッピ、及びカンゾウからなる生薬混合物a、並びに、ゴシツ、シャゼンシ、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる生薬混合物abが挙げられる。
生薬混合物Bは、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む限り特に限定されず、他の任意の生薬を含んでよいが、尿勢増加効果を高める観点から、好ましくは、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる生薬混合物b、並びに、ゴシツ、シャゼンシ、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる生薬混合物abが挙げられる。
生薬混合物aを構成する生薬の混合比については特に制限されないが、例えば、レンニク2~5重量部、好ましくは3~4重量部;バクモンドウ1.5~4重量部、好ましくは2~3重量部;ブクリョウ2~4重量部、好ましくは2.5~3.5重量部;ニンジン1.5~5重量部、好ましくは2~4重量部;シャゼンシ1.5~3重量部、好ましくは2~2.5重量部;オウゴン1.5~3重量部、好ましくは2~2.5重量部;オウギ1~4重量部、好ましくは2~3重量部;ジコッピ1~3重量部、好ましくは2~2.5重量部;カンゾウ0.7~2重量部、好ましくは0.7~1重量部が挙げられる。
生薬混合物bを構成する生薬の混合比については特に制限されないが、例えば、ジオウ2.5~8重量部、好ましくは6~8重量部;サンシュユ1.5~4重量部、好ましくは3~4重量部:サンヤク1.5~4重量部、好ましくは3~4重量部;タクシャ1.5~3重量部、好ましくは2~3重量部;ブクリョウ1.5~3重量部、好ましくは2~3重量部;ボタンピ1.5~3重量部、好ましくは2~4重量部;ケイヒ0.5~1重量部、好ましくは0.8~1重量部;ブシ(加工ブシ)0.25~1重量部、好ましくは0.5~1重量部が挙げられる。
生薬混合物abを構成する生薬の混合比については特に制限されないが、例えば、ゴシツ1~3重量部、好ましくは1.5~3重量部;シャゼンシ1~3重量部、好ましくは1.5~3重量部;ジオウ2~8重量部、好ましくは2~3重量部;サンシュユ1~4重量部、好ましくは2~4重量部;サンヤク1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;タクシャ1~3重量部、好ましくは1.5~3重量部;ブクリョウ1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;ボタンピ1~4重量部、好ましくは1.5~4重量部;ケイヒ0.25~2重量部、好ましくは0.5~2重量部;ブシ(加工ブシ)0.25~1重量部、好ましくは0.5~1重量部が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤において、有効成分としては、尿勢増加効果を高める観点から、好ましくは上記生薬混合物のエキスが挙げられる。また、本開示の尿勢増加剤において、有効成分としては、尿勢増加効果を高める観点から、好ましくは生薬混合物a、生薬混合物b、又はそれらのエキス、より好ましくは生薬混合物aのエキス又は生薬混合物bのエキス、さらに好ましくは生薬混合物aのエキスが挙げられる。
上記生薬混合物のエキスの形態としては、流エキス、軟エキス等の液状のエキス、及び固形状の乾燥エキス末のいずれであってもよい。
上記生薬混合物の液状のエキスは、上記生薬混合物を抽出処理し、得られた抽出液を必要に応じて濃縮することにより得ることができる。抽出処理に使用される抽出溶媒としては、特に限定されず、水又は含水エタノール、好ましくは水が挙げられる。また、上記生薬混合物の乾燥エキス末は、液状のエキスを乾燥処理することにより得ることができる。乾燥処理の方法としては特に限定されず、例えば、スプレードライ法、エキスの濃度を高めた軟エキスに適当な吸着剤(例えば無水ケイ酸、デンプン等)を加えて吸着末とする方法等が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤において、上記有効成分の含有量としては、本開示の効果を奏する限り特に限定されず、通常5~100重量%、好ましくは10~90重量%、より好ましくは20~80重量%、更に好ましくは30~60重量%が挙げられる。有効成分としてエキスを用いる場合、上記含有量は、乾燥エキス末量換算であり、乾燥エキス末量換算とは、乾燥エキス末を使用する場合にはそれ自体の量であり、液状のエキスを使用する場合には溶媒を除去した残量に換算した量であり、乾燥エキス末が製造時に添加された吸着剤等の添加剤を含む場合は、当該添加剤を除いた量である。
その他の成分
本開示の尿勢増加剤は、上記有効成分単独からなるものであってもよいし、製剤形態に応じた添加剤及び/又は基剤を含んでいてもよい。本開示の尿勢増加剤が含んでいてもよくまた含んでいなくてもよい添加剤及び基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの基剤及び添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加剤及び基剤の含有量については、使用する添加剤及び基剤の種類、並びに/若しくは尿勢増加剤の製剤形態等に応じて適宜設定される。
本開示の尿勢増加剤は、上記有効成分単独からなるものであってもよいし、製剤形態に応じた添加剤及び/又は基剤を含んでいてもよい。本開示の尿勢増加剤が含んでいてもよくまた含んでいなくてもよい添加剤及び基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの基剤及び添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加剤及び基剤の含有量については、使用する添加剤及び基剤の種類、並びに/若しくは尿勢増加剤の製剤形態等に応じて適宜設定される。
また、本開示の尿勢増加剤は、上記有効成分の他に、必要に応じて、他の栄養成分及び/又は薬理成分を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。本開示の尿勢増加剤が含んでいてもよくまた含んでいなくてもよい栄養成分及び薬理成分としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬エキス、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの栄養成分及び薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類等に応じて適宜設定される。
製剤形態
本開示の尿勢増加剤の製剤形態については、経口投与が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、チュアブル剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、丸剤等の固形状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤が挙げられ、好ましくは丸剤、顆粒剤又は錠剤が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤の製剤形態については、経口投与が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、チュアブル剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、丸剤等の固形状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤が挙げられ、好ましくは丸剤、顆粒剤又は錠剤が挙げられる。
製造方法
本開示の尿勢増加剤の製造方法は、上記生薬成分を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
本開示の尿勢増加剤の製造方法は、上記生薬成分を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
用途
本開示の尿勢増加剤は、排尿時の尿の勢いを増加させる目的で使用される。目的とする尿勢の増加量としては、本開示の尿勢増加剤を服用する前における尿勢(mL/秒、1日の平均)の1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは2.4倍以上が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤は、排尿時の尿の勢いを増加させる目的で使用される。目的とする尿勢の増加量としては、本開示の尿勢増加剤を服用する前における尿勢(mL/秒、1日の平均)の1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは2.4倍以上が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤は、特に、夜間頻尿(就寝後に1回以上、好ましくは2回以上排尿に起きる症状)の対象における尿勢増加効果が高い。従って、本開示の尿勢増加剤の好ましい適用対象としては、夜間頻尿の対象が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤は、排尿障害に至っていない人、具体的には膀胱収縮障害のない対象に対しても効果的に尿勢を増加させることができる。従って、本開示の尿勢増加剤の好ましい適用対象としては、排尿障害でない対象が挙げられる。
本開示の尿勢増加剤の適用対象の性別としては、男女を問わない。また、本開示の尿勢増加剤の適用対象の年齢としても特に限定されないが、例えば40歳代以上、好ましくは50歳代以上、又は60歳代以上が挙げられ、また、その上限としては、例えば80歳代以下、好ましくは70歳代以下が挙げられる。
用量・用法
本開示の尿勢増加剤は、経口投与によって使用される。本開示の尿勢増加剤の用量については、投与対象者の年齢、体質、症状の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば、ヒトに対して1日当たり、生薬混合物Aの場合、ブクリョウ及びシャゼンシの原生薬換算量の総量で、例えば2.4~7g、好ましくは2.9~5gが挙げられ、生薬混合物Bの場合、ブクリョウ、ケイヒ及びブシの原生薬換算量の総量で、例えば2~7g、好ましくは2.4~5gが挙げられる。
本開示の尿勢増加剤は、経口投与によって使用される。本開示の尿勢増加剤の用量については、投与対象者の年齢、体質、症状の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば、ヒトに対して1日当たり、生薬混合物Aの場合、ブクリョウ及びシャゼンシの原生薬換算量の総量で、例えば2.4~7g、好ましくは2.9~5gが挙げられ、生薬混合物Bの場合、ブクリョウ、ケイヒ及びブシの原生薬換算量の総量で、例えば2~7g、好ましくは2.4~5gが挙げられる。
また、本開示の尿勢増加剤のヒトに対する1日当たりの用量は、生薬混合物aの場合、生薬混合物aの原生薬換算量の総量で例えば12~35g、好ましくは20~25gが挙げられ、生薬混合物aのエキスの場合、乾燥エキス末量換算量で、例えば1.5~3g、好ましくは2~2.5gが挙げられ;生薬混合物bの場合、生薬混合物bの原生薬換算量の総量で例えば8~22g、好ましくは10~14gが挙げられ、生薬混合物bのエキスの場合、乾燥エキス末量換算量で、例えば1~4g、好ましくは1.5~2.5gが挙げられ;生薬混合物abの場合、生薬混合物abの原生薬換算量の総量で例えば10~35g、好ましくは12~20gが挙げられ、生薬混合物abのエキスの場合、乾燥エキス末量換算量で、例えば2~5g、好ましくは2~3gが挙げられる。
本開示の尿勢増加剤の服用頻度としては、1日1~3回、好ましくは2回が挙げられる。服用タイミングについては、特に制限されず、食前、食後、又は食間のいずれであってもよいが、食前(食事の30分前)又は食間(食後2時間後)が好ましい。
また、本開示の尿勢増加剤の服用期間としては、例えば4日以上、好ましくは5日以上、より好ましくは6日以上、さらに好ましくは1週間以上が挙げられる。服用期間の上限としては特に限定されないが、本開示の尿勢増加剤による尿勢増加効果は比較的早期に表れるため、例えば2週間以下、10日以下、又は1週間以下が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)尿勢増加剤の調製
(1-1)生薬混合物aのエキス
レンニク3.5重量部、バクモンドウ2.1重量部、ブクリョウ2.8重量部、ニンジン3.5重量部、シャゼンシ2.1重量部、オウゴン2.1重量部、オウギ2.8重量部、ジコッピ2.1重量部、及びカンゾウ0.7重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物aのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
(1-1)生薬混合物aのエキス
レンニク3.5重量部、バクモンドウ2.1重量部、ブクリョウ2.8重量部、ニンジン3.5重量部、シャゼンシ2.1重量部、オウゴン2.1重量部、オウギ2.8重量部、ジコッピ2.1重量部、及びカンゾウ0.7重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物aのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
(1-2)生薬混合物bのエキス
ジオウ2.5重量部、サンシュユ1.5重量部、サンヤク1.5重量部、タクシャ1.5重量部、ブクリョウ1.5重量部、ボタンピ1.5重量部、ケイヒ0.5重量部、及び加工ブシ0.5重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物bのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
ジオウ2.5重量部、サンシュユ1.5重量部、サンヤク1.5重量部、タクシャ1.5重量部、ブクリョウ1.5重量部、ボタンピ1.5重量部、ケイヒ0.5重量部、及び加工ブシ0.5重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物bのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
(1-3)生薬混合物abのエキス
ゴシツ1.5重量部、シャゼンシ1.5重量部、ジオウ2.5重量部、サンシュユ1.5重量部、サンヤク1.5重量部、タクシャ1.5重量部、ブクリョウ1.5重量部、ボタンピ1.5重量部、ケイヒ0.5重量部、及び加工ブシ0.5重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物abのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
ゴシツ1.5重量部、シャゼンシ1.5重量部、ジオウ2.5重量部、サンシュユ1.5重量部、サンヤク1.5重量部、タクシャ1.5重量部、ブクリョウ1.5重量部、ボタンピ1.5重量部、ケイヒ0.5重量部、及び加工ブシ0.5重量部を用い、これらを刻んだ後、水10倍重量を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得た。抽出液を減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥し、生薬混合物abのエキス末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
(2)実験方法
排尿障害でなく、且つ、夜間頻尿の(就寝後に2回以上排尿のために起床する)40~70歳代の男女20名を4群(N=5)に分けた。各群に、生薬混合物aのエキスの錠剤、生薬混合物bのエキスの錠剤、生薬混合物abのエキスの錠剤、六味丸エキスの錠剤を、1日2回、朝食前及び夕食前に、1週間服用させた。排尿障害でなく、且つ、夜間頻尿でもない40~70歳代の男女20名を4群(N=5)に分け、各群に、上記と同様の条件で各錠剤を服用させた。
排尿障害でなく、且つ、夜間頻尿の(就寝後に2回以上排尿のために起床する)40~70歳代の男女20名を4群(N=5)に分けた。各群に、生薬混合物aのエキスの錠剤、生薬混合物bのエキスの錠剤、生薬混合物abのエキスの錠剤、六味丸エキスの錠剤を、1日2回、朝食前及び夕食前に、1週間服用させた。排尿障害でなく、且つ、夜間頻尿でもない40~70歳代の男女20名を4群(N=5)に分け、各群に、上記と同様の条件で各錠剤を服用させた。
用量は、生薬混合物aのエキスについては、ブクリョウ及びシャゼンシの原生薬換算量の総量で4.9g/日、生薬混合物aの原生薬換算量の総量で21.7g/日、生薬混合物aのエキスの乾燥エキス末量換算量で2.2g/日であり;生薬混合物bのエキスについては、ブクリョウ、ケイヒ及びブシの原生薬換算量の総量で2.5g/日、生薬混合物bの原生薬換算量の総量で11g/日、生薬混合物bのエキスの乾燥エキス末量換算量で2g/日であり;生薬混合物abのエキスについては、ブクリョウ及びシャゼンシの原生薬換算量の総量で3g/日、ブクリョウ、ケイヒ及びブシの原生薬換算量の総量2.5g/日、生薬混合物abの原生薬換算量の総量で14g/日、生薬混合物abのエキスの乾燥エキス末量換算量で2.5g/日であった。六味丸エキスについては、原生薬換算量で20g/日、乾燥エキス末量換算量で3.75g/日であった。
服用前と服用開始1週間後とにおいて、毎回の排尿時に紙コップを用いて、尿量及び排尿時間を計測、及び排尿日誌への記録をさせた。尿量を排尿時間で徐した値(mL/秒)を尿勢とした。各被験者の1日の尿勢の平均値を導出し、さらに、1日の尿勢の平均値を、群ごとに平均した(5人平均値)。生薬混合物aのエキス投与群の結果を表1(表1Aは夜間頻尿の対象の結果、表1Bは夜間頻尿でない対象の結果)に、生薬混合物bのエキス投与群の結果(表2Aは夜間頻尿の対象の結果、表2Bは夜間頻尿でない対象の結果)を表2に、生薬混合物abのエキス投与群の結果を表3(表3Aは夜間頻尿の対象の結果、表3Bは夜間頻尿でない対象の結果)に、六味丸エキス投与群の結果を表4(表4Aは夜間頻尿の対象の結果、表4Bは夜間頻尿でない対象の結果)に示す。
表1A、表2A及び表3Aと表4Aとの対比に示される通り、表1A、表2A及び表3Aでは、尿勢が顕著に増加(具体的には1.7倍以上)していた。また、表1A、表2A及び表3Aと、表1B、表2B及び表3Bとの対比に示される通り、尿勢の増加は、夜間頻尿の対象において顕著であった。なお、生薬混合物b(表2A)は、ケイヒ及びブシを含む点を除いて六味丸(表4A)と生薬構成が共通しているが、表2(生薬混合物bのエキス投与群)で尿勢が顕著に増加していた。
また、表1A、表2A及び表3Aの中でも、表1A(生薬混合物aのエキス投与群)及び表2A(生薬混合物bのエキス投与群)で、尿勢の増加が特に顕著であった。
Claims (6)
- ブクリョウ及びシャゼンシを含む生薬混合物A、ブクリョウ、ケイヒ及びブシを含む生薬混合物B、及び/又はそれらのエキスを含む、尿勢増加剤。
- 夜間頻尿の対象において尿勢を増加させるために用いられる、請求項1に記載の尿勢増加剤。
- 前記生薬混合物Aが、レンニク、バクモンドウ、ブクリョウ、ニンジン、シャゼンシ、オウゴン、オウギ、ジコッピ、及びカンゾウからなる、請求項1に記載の尿勢増加剤。
- 前記生薬混合物Bが、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、請求項1に記載の尿勢増加剤。
- 前記生薬混合物A又はBが、ゴシツ、シャゼンシ、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、及びブシからなる、請求項1に記載の尿勢増加剤。
- 排尿障害でない対象において尿勢を増加させるために用いられる、請求項1に記載の尿勢増加剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023104379A JP2025004594A (ja) | 2023-06-26 | 2023-06-26 | 尿勢増加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023104379A JP2025004594A (ja) | 2023-06-26 | 2023-06-26 | 尿勢増加剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2025004594A true JP2025004594A (ja) | 2025-01-15 |
Family
ID=94217197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023104379A Pending JP2025004594A (ja) | 2023-06-26 | 2023-06-26 | 尿勢増加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2025004594A (ja) |
-
2023
- 2023-06-26 JP JP2023104379A patent/JP2025004594A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mills et al. | Herbal medicines in pregnancy and lactation: an evidence-based approach | |
JP4125367B2 (ja) | 中国薬草抽出物 | |
CN103479963A (zh) | 一种治疗类风湿关节炎的中药胶囊及其制备方法 | |
WO2008119133A1 (en) | Herbal compositions and methods for treating miscarriage | |
CN102631595B (zh) | 治疗2型糖尿病的药物及其制备方法 | |
Musthaba et al. | Patented herbal formulations and their therapeutic applications | |
JP2025004594A (ja) | 尿勢増加剤 | |
JP2023138637A (ja) | 医薬組成物 | |
JP2025004593A (ja) | 早朝尿量増加剤 | |
CN112057535B (zh) | 一种预防或/和治疗血脂异常的中药组合物的制备方法 | |
JP2023505620A (ja) | 漢方薬組成物及びその製造方法並びに使用 | |
CN107007702A (zh) | 一种治疗骨关节病的中药组合物及其制剂 | |
KR100395619B1 (ko) | 당뇨병 치료용 조성물 | |
JP7610353B2 (ja) | 女性ホルモン様作用剤 | |
CN105194355A (zh) | 一种治疗原发性高血压的中药制剂 | |
JP7493936B2 (ja) | 線維化抑制剤 | |
CN112057536B (zh) | 一种预防或/和治疗血脂异常的中药组合物及其应用 | |
JP7587929B2 (ja) | 口唇炎改善剤 | |
JP7514618B2 (ja) | 活動意欲向上剤 | |
WO2020137687A1 (ja) | 深部体温改善剤 | |
CN102406692A (zh) | 治疗口腔白塞氏病的中药组合物及其制法 | |
Givens et al. | Valerian | |
JP2024180593A (ja) | 女性ホルモン様作用剤 | |
Chhetree et al. | Studies on the hypoglycaemic activity of Aconitum napellus l. roots | |
CN106728092B (zh) | 一种彝药组合物 |