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JP2025004410A - シリコン基板の表面粗さの評価方法及びシリコンウェーハの製造工程管理方法 - Google Patents

シリコン基板の表面粗さの評価方法及びシリコンウェーハの製造工程管理方法 Download PDF

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JP2025004410A
JP2025004410A JP2023104085A JP2023104085A JP2025004410A JP 2025004410 A JP2025004410 A JP 2025004410A JP 2023104085 A JP2023104085 A JP 2023104085A JP 2023104085 A JP2023104085 A JP 2023104085A JP 2025004410 A JP2025004410 A JP 2025004410A
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康太 藤井
Kota Fujii
達夫 阿部
Tatsuo Abe
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

Figure 2025004410000001
【課題】異方性エッチングされたシリコン基板に対して、簡便かつスループットの良い表面粗さの評価方法を提供する。
【解決手段】異方性エッチングされたシリコン基板を用意する工程と、前記シリコン基板に光を斜入射して、前記シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する工程と、前記取得した反射率の円周方向依存性から、前記シリコン基板の表面粗さを評価する工程と、を有することを特徴とする異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン基板の表面粗さの評価方法及びシリコンウェーハの製造工程管理方法に関する。
近年、シリコン単結晶の主面が{110}面もしくはその近傍とされる、いわゆる{110}シリコンウェーハを用いた半導体集積回路素子の実現性が高くなっている。{110}面を主面とするシリコンウェーハを用いると、キャリア移動度が{100}面を主面とするウェーハよりも高いことから、トランジスタ性能を従来よりも高速化できることが知られている。特にエピタキシャルウェーハは、エピタキシャル層の欠陥が極めて少ないことから高性能デバイスの素材として用いられている。このため、{110}面を主面としたエピタキシャルウェーハは、特にロジック系デバイスへの適用が見込まれている。
このような背景から、現在ロジック系デバイスには面方位が{100}面を主面とするエピタキシャルウェーハが用いられているが、将来的に{110}面を主面とするエピタキシャルウェーハに置き換わることが十分に想定される。一方、{110}エピタキシャルウェーハの製造プロセスはこれまでニーズが乏しかったため、{100}エピタキシャルウェーハよりも経験や知見が少ないのが実状である。
一般に半導体シリコンウェーハ(以下、ポリッシュドウェーハともいう)の製造工程は、引き上げたシリコン単結晶インゴットから切出し(ブロック切断)、外径研削、スライスして得られたウェーハを面取り、機械研磨(ラッピングもしくは研削加工)、エッチング、両面研磨、片面研磨及び洗浄する工程から構成され、高精度の平坦度を有するポリッシュドウェーハとして生産される。このポリッシュドウェーハにエピタキシャル成長にてエピタキシャル層を形成することで、エピタキシャルウェーハは製造される。即ち、{110}エピタキシャルウェーハは{110}ポリッシュドウェーハにエピタキシャル成長することで生産される。
これらのポリッシュドウェーハの製造工程は、目的により、その一部の工程が入れ替えられたり、複数回繰り返されたり、或いは熱処理等他の工程が付加、置換されたりして種々の工程が行われる。ブロック切断、外径研削、スライシング、ラッピングもしくは研削等の機械加工プロセスを経たシリコンウェーハは、表面にダメージ層即ち加工変質層を有している。この加工変質層はデバイス製造プロセスにおいてスリップ転位等の結晶欠陥を誘発したり、ウェーハの機械的強度を低下させ、また電気的特性に悪影響を及ぼす。また加工変質層が表層に形成されたまま両面研磨工程を行うと、ウェーハの割れなどを引き起こすため、完全に除去する必要がある。
この加工変質層を除去する目的でエッチング処理が行われる。エッチング処理は薬液を用いるウェットエッチングと、プラズマ化させたガスを用いるドライエッチングに大別される。さらにウェットエッチングはフッ酸や硝酸を混合した混酸などの酸性のエッチング液を用いる酸エッチングと、NaOH、KOH、TMAHなどのアルカリ性のエッチング液を用いるアルカリエッチングとがある。これらエッチング手法は目的に応じて使い分けられている。例えば微細なデバイス構造を形成する目的ではドライエッチングが良く用いられる。一方、ポリッシュドウェーハの製造工程ではウェットエッチングが良く用いられる。一般的に酸エッチングは硝酸によりシリコンを酸化させ、フッ酸でそのシリコン酸化膜を除去することで進行し、このエッチング挙動がエッチング溶液中のウェーハ面上での反応種や反応生成物の濃度勾配に大きく依存し、エッチングレートやその面内均一性の制御が難しい。対して、アルカリエッチングは溶液中の水酸化物イオンがシリコンと反応し溶解することで反応が進行し、酸エッチングよりも反応生成物などの影響を受けにくく、制御性が高いため、良く用いられている。
また、アルカリエッチングは上述のように水酸化物イオンとシリコンとの化学反応により進行するため、エッチングレートが結晶方位に強く依存する。そのため、特許文献1に記載のように面方位{100}を主面とするシリコンウェーハをアルカリエッチングすると、局所的な深さが数~数十μm程度のピットが発生する。これは{111}面のエッチングレートが{100}面よりも極端に低いことに起因することが知られている。このように結晶面に沿った幾何学模様はファセットと呼ばれ、アルカリエッチング処理を施す限り、このファセットの発生を回避することはできない。また、このファセットの形態は面方位に依存し変化することも知られている。
特許文献1にはリチウムイオンを含有したアルカリ水溶液を用いることで、エッチング後のシリコンウェーハの品質が改善されることが記載されている。また、エッチング面の状態が変化すると鏡面加工後にピットが残留することが開示されている。即ち、エッチング面の状態と研磨加工後との品質には関連性があるといえる。一方で特許文献1は、言及されていないが、光学顕微鏡像から面方位{100}のシリコンウェーハに関する事例である。言い換えれば、主面が{110}のアルカリエッチング後の品質とその後のポリッシュドウェーハの製造工程、特に両面研磨工程後の品質に関して言及している公知文献はない。
エッチング面の評価方法としては、特許文献1には光学顕微鏡画像から、模様やファセットの変化を評価する方法が開示されている。この方法は、視覚的にその変化を捉えることができるが、数値による定量評価ではない。また、顕微鏡観察は手間がかかり、スループットが悪いため、製造工程の管理方法には適さない。
特許文献2には光沢度を指標とすることが開示されている。光沢度はJIS規格(Z 8741-1997)に規定されている。試料面に規定された入射角で規定の開き角の光束を入射し,鏡面反射方向に反射する規定の開き角の光束を受光器で測る。次いで、規定された入射角θに対する測定試料面からの鏡面反射光束と、標準面からの鏡面反射光束、規定された入射角に応じた鏡面光沢度を、最大を100%として算出される。光沢度測定器(光沢度計)は非常に簡便でスループットも良好である。
特許文献3には光学式スキャナで取得した画像の明暗からエッチング面の表面粗さを検査する方法が開示されている。
ところで、本発明者らは、{110}を主面とするエピタキシャルウェーハを製造するために、{110}ポリッシュドウェーハの製造を行ったところ、アルカリエッチング後の両面研磨(DSP)工程にて著しく品質が悪化する場合があることが新たに分かった。具体的には以下の通りである。図10は面方位{110}のラッピング後のシリコンウェーハに対して、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液でエッチングした後の共焦点顕微鏡画像である。濃度は30,40,50wt%の3水準で、温度は85℃、両面での取り代は約25μmである。表面モフォロジーが濃度に依存して劇的に変化することが分かる。これらエッチング後ウェーハを両面研磨装置にて加工した後、パーティクル(検査感度:200nmUp)(以下、パーティクルをLLSと表記することがある)や平坦度GBIR(Global Backside Ideal Range)を調査した。その結果、50wt%ではパーティクル数や平坦度が大きく悪化していることが分かる。予想ではあるが、エッチングで形成される凸形状が50wt%で特に鋭利な凸形状となるため、加工時に研磨布へダメージが蓄積されたためと推定される。
特開2003-257927号公報 特開2011-103354号公報 特開2007-220996号公報
このように、{110}を主面とするポリッシュドウェーハの製造において、アルカリエッチングのような異方性エッチングを行う条件によっては、両面研磨後の品質(パーティクル数や平坦度)が悪化する場合があることが分かった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、異方性エッチングされたシリコン基板(以下、シリコンウェーハまたは単にウェーハとも言う)に対して、簡便かつスループットの良い表面粗さの評価方法を提供することを目的とする。
さらに、この評価方法を用いて、主面を{110}とするシリコン基板の表面粗さを評価して両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定を行い、簡便かつスループットの良い製造工程管理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法は、異方性エッチングされたシリコン基板を用意する工程と、前記シリコン基板に光を斜入射して、前記シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する工程と、前記取得した反射率の円周方向依存性から、前記シリコン基板の表面粗さを評価する工程と、を有する方法である。
このような評価方法であれば、異方性エッチングされたシリコン基板の反射率の円周方向依存性から、簡便かつスループットよく、シリコン基板の表面粗さを評価することができる。
また、前記シリコン基板は、凸部のエッチング面を有することが好ましい。
このような凸部が存在していると、凸部で反射することで反射光の円周方向依存性が顕著となり、その結果反射率の円周方向依存性が高まるため、より好適である。
また、前記シリコン基板は、主面を{110}とすることが好ましい。
このような主面が{110}のシリコン基板は、異方性エッチングで凸部が形成されやすく、凸部で反射することで反射光の円周方向依存性が顕著となり、その結果反射率の円周方向依存性が高まるため、より好適である。
また、前記異方性エッチングを、アルカリ性の薬液を用いたウェットエッチングとすることが好ましい。
このようなアルカリエッチング処理をすると、シリコン基板表面における凸部形成の異方性が顕著となり、反射率の円周方向依存性も顕著となるため、より好適である。
また、前記反射率を円周方向に取得する工程において、少なくとも<110>方向及び<100>方向の反射率を取得することが好ましい。
このような<110>方向と<100>方向の反射率の変化が顕著であるため、より好適である。
また、前記表面粗さを評価する工程において、<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて前記シリコン基板の表面粗さを評価することが好ましい。
このような反射率比を用いれば、反射率の変動に寄与する変動要因のうち円周方向依存性を持たない変動要因(例えばエッチング処理で付着した汚れ)の影響を、計算上分母分子で相殺して排除できるので、円周方向依存性を持つ表面粗さの影響を際立たせた指標とすることができ、より好適である。
また、前記反射率を円周方向に取得する工程において、光沢度測定器を用いて取得した光沢度を前記反射率として用いることが好ましい。
このような光沢度測定器は、簡便かつスループットが良く、光沢度はそもそも斜入射の反射率で求めるため、反射率の円周方向依存性を求めるのに好適である。
また、本発明の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法は、異方性エッチングされた主面が{110}であるシリコンウェーハを用意する工程と、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハを前記のシリコン基板の表面粗さの評価方法により評価する工程と、前記評価結果の<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハの表面粗さが両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定する工程と、を含むことが好ましい。
このような工程管理方法であれば、簡便かつスループットよく、主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの表面粗さを評価して両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定を行うことができる。
また、前記良否判定する工程において、予め設定した目標反射率比に基づいて良否判定することが好ましい。
このような目標反射率比を予め設定しておけば、良否判定を即座に簡便に行うことができる。
また、前記反射率比を光沢度比とすることが好ましい。
このような光沢度は、そもそも斜入射の反射率で求めるため、反射率比を光沢度比とすることは容易であり、光沢度測定は非常に簡便かつスループットが良く、工程管理に好適である。
また、前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程の製造履歴調査と前記エッチング工程の改善の少なくとも一つを行うことが好ましい。
このようなエッチング工程の製造履歴調査を行えば、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定された原因を究明できるし、またエッチング工程の改善を行えば、両面研磨工程への投入に対して良(適する)と判定されるように改善することができる。
また、前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程をエッチング薬液の濃度と温度の少なくとも一つに基づき改善することが好ましい。
このようなエッチング薬液の濃度と温度は、表面粗さに対する影響が大きく、また調整することが容易であり、効果的かつ容易にエッチング工程を改善することができる。
以上のように、本発明の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法であれば、異方性エッチングされたシリコン基板の反射率の円周方向依存性から、簡便かつスループットよく、シリコン基板の表面粗さを評価することができる。
また、本発明の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法であれば、簡便かつスループットよく、主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの表面粗さを評価して両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定を行うことができる。
本発明のシリコン基板の評価方法の一例を示すフローチャートである。 面方位{110}及び{100}における<100>,<110>方向を示した模式図である。 面方位{110}シリコンウェーハにおいて、<100>方向の光沢度を評価している様子を示す模式図である。 NaOH濃度を振ってエッチングした面方位{110}シリコンウェーハ表面の共焦点顕微鏡画像および円周方向の光沢度の分布を示した図である。 NaOH濃度を振ってエッチングした面方位{100}シリコンウェーハ表面の共焦点顕微鏡画像および円周方向の光沢度の分布を示した図である。 NaOH50wt%にて、面方位{100}、{110}のエッチング後の表面粗さを接触式粗さ計で評価した結果を示した図である。 本発明のシリコンウェーハの製造工程管理方法の一例を示すフローチャートである。 実施例1の反射率の測定結果を示した図である。 実施例1の共焦点顕微鏡観察結果を示した図である。 ラッピング後のシリコンウェーハに対して、水酸化ナトリウム水溶液でエッチングした後の共焦点顕微鏡画像と算出したSa、両面研磨加工後のパーティクル、平坦度を示した図である。
本発明者らは上記課題を解決するために、{110}を主面とするシリコン基板のアルカリエッチング面は濃度に依存して模様(モフォロジー)が劇的に変化することや、その模様の変化は結晶方位に基づき特定方向に形成されることに着目した。即ち、光沢度のような入射光と反射光から得られる光の反射挙動とその模様との関連性について鋭意調査を行った。その結果、シリコン基板からの斜入射反射光の反射率には円周方向の依存性があることを新たに見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さを評価する方法であって、異方性エッチングされたシリコン基板を用意する工程と、前記シリコン基板に光を斜入射して、前記シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する工程と、前記取得した反射率の円周方向依存性から、前記シリコン基板の表面粗さを評価する工程と、を有することを特徴とする異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法である。
また、本発明は、主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの製造工程管理方法であって、異方性エッチングされた主面が{110}であるシリコンウェーハを用意する工程と、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハを前記評価結果のシリコン基板の表面粗さの評価方法により評価する工程と、前記評価結果の<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハの表面粗さが両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定する工程と、を含むことを特徴とする主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程において、異方性のアルカリエッチングで形成された表面粗さが両面研磨工程に影響を及ぼすため、アルカリエッチング後に両面研磨工程への投入に対して適した表面粗さかどうか良否判定する方法が求められていた。
ここで図10を参照するが、図10はラッピング後のシリコンウェーハに対して、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液でエッチングした後の共焦点顕微鏡画像と、表面粗さとして算術平均高さSa、両面研磨加工(DSP)後のパーティクル(LLS)、平坦度(GBIR)を示した図である。
図10に示したように、NaOHを用いたアルカリエッチングを行うと、NaOH濃度が30,40wt%はDSP後の品質が良好で(LLS、GBIRともに小さく)、NaOH濃度が50wt%ではDSP後の品質が悪化(LLS、GBIRともに増加)していた。よって、アルカリエッチング工程を行った場合は、エッチングで形成された表面粗さがNaOH濃度30,40wt%相当であるか評価する必要がある。一方で、一般的な表面粗さを表す指標として、3次元算術平均高さSaの大小関係は、図10に示したように(大)30wt%>50wt%>40wt%(小)であるため、Saを指標として表面粗さが両面研磨工程への投入に対して適しているか評価することが難しい。また、このような顕微鏡画像を取得することは、大変手間がかかるため、製造工程の管理方法としては適さない。また、画像を取得し見た目から良否判定することは、作業者によって判定が異なる恐れがあるため、数値で管理することがより好ましい。
このような背景から、本発明では反射率に着目した。一般的に試料表面に光を入射すると、反射、吸収、透過などの現象が生じる。ここで、試料に入射した光束ψに対する反射した光束ψの比ψ/ψが反射率と呼ばれる。また、入射角度と同じ角度で反射した光は正反射光と呼ばれ、正反射した光束の比は正反射率と呼ばれる。反射率は入射角度や光源波長に依存することが知られている。
一般的に反射率は分光特性や膜厚を評価する際に用いられることが多い。本発明においては後述のように、円周方向の依存性を評価するため、光源を斜入射で照射する必要がある。例えば入射角度を20~85度とすることができる。受光角度は反射光が受光できれば特に制限はないが、入射角度と同じにすることもできる。また、光源波長にも制限はないが、例えば250~2000nmの範囲の波長を用いることができる。反射率測定に特別な制限はなく、公知の手法で測定すればよい。
また、正反射光の割合などに着目して、物体の光沢の程度を1次元的に表したものは光沢度と呼ばれる。光沢度はJIS規格に定められている方法で測定することができる。具体的には、光沢度はJIS(Z 8741-1997)で規格されており、鏡面光沢度と呼ばれる。例えば、入射角度、受光角度は20度、60度、85度のいずれかとすることができる。これら反射率や光沢度測定においては、試料表面からの反射度合いを考慮して適切に入射及び受光角度、光源波長を選定すればよい。尚、前述のように光沢度は入射角度と受光角度が同じで正反射光を検出するため、光沢度は正反射率を評価しているといえる。即ち、本発明においては、反射率を評価する方法として、光沢度計にて取得した光沢度を指標とすることができる。
これらを踏まえ、具体的な評価方法を述べる。図1は本発明のシリコン基板の表面粗さの評価方法の一例を示したフローチャートである。S1~S3はステップを示す。
ステップS1では異方性エッチングされたシリコン基板を用意する。この際、基板の大きさ、形状、導電型に制限はない。また、異方性エッチングの方法にも制限はなく、例えば反応性イオンエッチング(RIE)のようなドライエッチングでも構わないし、アルカリ性の薬液を用いたアルカリウェットエッチングでも構わない。また、これらガスや薬液にも制限はない。
続いてステップS2では、シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する。反射率測定器を用いてもよいし、光沢度計を用いてもよい。この際、複数回の測定を行い、円周方向の反射率を測定する。ここでは直径300mm、主面が{110}のアルカリエッチング処理されたシリコンウェーハを例に示す。図2には主面が{110}と{100}であるシリコンウェーハの<110>及び<100>方向を図示した。このように、単結晶シリコンは規則的な構造であるため、周期的に特定の結晶方位が存在する。図3には、主面が{110}で<100>方向の光沢度を測定している様子を模式図で示す。このように、例えば<100>や<110>などの特定方向の反射率もしくは光沢度を取得することができる。より詳細に評価する方法としては、10度おきに円周方向の反射率もしくは光沢度を取得することで、より精度よく評価できる。
続いてステップS3では、ステップS2の結果からシリコン基板の表面粗さを評価する。図4には一例として、図10に示した主面が{110}であるアルカリエッチングウェーハに関して、10度おきに光沢度を取得した結果を示す。図4の光沢度実数値の欄にはそのままの結果でグラフ化し、光沢度規格値0度基準の欄にはそれぞれの結果を0度の結果との比率でグラフ化した。尚、入射角度と受光角度は60度で、光源波長は890nmとした。
その結果、濃度30wt%と40wt%では、光沢度が測定角度に依存して変化していることが分かる。このように特定方向に異方性を有する試料面における光沢度は、評価面の模様に依存して、円周方向に変化する。したがって、このような光沢度の円周方向依存性を用いることで表面粗さを評価することができる。また0度を基準値として、比を算出するとより明瞭に円周依存性が確認できる。
光沢度は正反射光成分を検出する。この正反射光は表面粗さのほかに表面の汚れなども影響する。よって、比を算出することで、円周方向依存性を持たない変動要因(例えばエッチング処理で付着した汚れ)の影響を、計算上分母分子で相殺して排除できるので、円周方向依存性を持つ表面粗さの影響を際立たせて評価できる。一例として、<110>方向の光沢度と<100>方向の光沢度の比を算出したところ、30wt%及び40wt%と50wt%ではその比に違いがみられた。すなわち、30wt%と40wt%では比が1より離れており、円周方向依存性が明確に見られるが、50wt%では比がほとんど1に近く、円周方向依存性が見受けられない。よって、<110>方向の光沢度と<100>方向の光沢度を取得することがより好ましい。より簡便かつスループットよく評価するために、<110>方向の光沢度と<100>方向の光沢度のみを取得することもできる。
以上の評価方法であれば、顕微鏡観察を行う必要もなく、表面粗さを評価して両面研磨工程への投入に対して適しているか判定することができる。
これらの結果と比較するために、図5には面方位が{100}であるラッピングされたシリコンウェーハを、NaOH濃度30,40,50wt%で処理したサンプルの光沢度の円周方向依存性を示した。面方位{100}では全3水準とも光沢度の円周方向依存性が小さいことが分かる。これは、主面{110}と比較すると表面粗さの変化が小さいためと考えられる。ここで、主面{110}と{100}の表面の凹凸を比較すると、主面{110}は凸形状であるのに対し、主面{100}は凹形状である。
尚、本発明における凸部、凹部の定義を述べる。図6は、NaOH50wt%にて、面方位{100}、{110}のエッチング後の表面粗さを接触式粗さ計で評価した結果を示した。{100}は基準面に対して凹部箇所が多く、{110}は基準面に対して凸部箇所が多いことが分かる。よって、本発明では基準面に対して、相対的に凹部が多い状態を凹形状、凸部が多い状態を凸形状と定義している。凸形状の一例としては、太陽電池の変換効率を高めるために、シリコン基板にピラミッド型の凸部のテクスチャーを形成することが知られている。
よって上記の表面粗さの評価方法は、凸形状の表面粗さの評価に、より適していることが分かる。
以上のように斜入射反射光の反射率の円周方向依存性を評価することで、異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さを迅速かつスループットよく、評価できる。
続いて、上記の表面粗さの評価方法を用いたシリコンウェーハの製造工程管理方法を述べる。図7はそのフローチャートの一例である。S11~S16はステップを示す。
ステップS11で主面が{110}であるアルカリエッチングされたウェーハを用意する。例えばラッピングもしくは研削加工された主表面に加工歪層が存在するシリコンウェーハにアルカリ性薬液でエッチングされたシリコンウェーハとすることができる。一般的にシリコンウェーハの製造工程では複数のウェーハを含んだウェーハロットとして製造される。したがって、ステップS11ではアルカリエッチング処理後のウェーハロットから1つ以上のウェーハを抽出することができる。そして、この抽出されたウェーハの評価結果に基づき、ウェーハロット全体を評価することができる。
ステップS12では<110>方向と<100>方向の反射率もしくは光沢度を取得する。光沢度測定はJIS規格に基づき評価することができる。
ステップS13では<100>と<110>の反射率比もしくは光沢度比を算出する。これは<100>/<110>比としたが、<110>/<100>比を用いても構わない。
ステップS14ではステップS13で算出した反射率比もしくは光沢度比が、予め設定した範囲に収まっているか判定する。
この設定範囲に関して図4の例で説明する。前述のように本発明者らが評価したところ、両面研磨工程においては、NaOH濃度30,40wt%でエッチング加工された場合の表面粗さが良好である。ここで<100>/<110>光沢度比はNaOH濃度30wt%では1.22、NaOH濃度40wt%では0.87、NaOH濃度50wt%では0.99であった。よって、<100>/<110>光沢度比の設定範囲としては、例えば1.1以上と0.9以下を良とし、0.9を超えて1.1未満の範囲を否と設定することができる。このような設定範囲とすれば、NaOH濃度30,40wt%を良と判定でき、NaOH濃度50wt%を否と判定することができる。尚、上述のように反射率や光沢度は光源波長や入射角度に依存するため、設定範囲を調査する装置と工程管理用の装置は同じであることがより好ましい。
このように設定した設定範囲に対して、用意したウェーハの光沢度がその設定範囲の良の範囲(1.1以上又は0.9以下)に収まっているか判定する。例えば、<100>/<110>光沢度比が0.86であればその範囲であるため、良と判定できるし、<100>/<110>光沢度比が0.98であれば否と判定できる。そして、この判定結果は用意したウェーハを構成するウェーハロットに適用することができる。
ステップS15は、ステップS14で良と判定された場合で、用意したウェーハを含むウェーハロットの両面研磨工程を行うことができる。
ステップS16は、ステップS14で否と判定された場合である。この場合は用意されたウェーハを含むウェーハロットを両面研磨工程に投入するのは不適と判断できる。この場合はアルカリエッチング工程にフィードバックを行い、エッチング工程の製造履歴調査、エッチング工程の改善の少なくとも一つを行うことで、原因調査を行うことができる。例えば、ウェーハの顕微鏡観察を行い表面模様や粗さを詳細に評価したり、エッチング加工時の薬液濃度や温度の履歴を調査することで、原因を特定することができる。
本発明者らが調査したところ、主面が{110}においては、薬液温度や濃度が表面粗さを決定する主要因であることから、これら因子の調査を行うことが好ましい。例えば調査により、薬液濃度が狙いから外れていたとわかった場合は、薬液濃度を再調整するか、薬液を作り直すことで改善することができる。
以上のような製造工程の管理方法であれば、簡便かつスループットよく、主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの表面粗さを評価して両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定を行うことができる。加えて、エッチング工程の改善も行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるものではない。
[シリコン基板の表面粗さの評価方法]
(実施例1)
面方位{110}、直径300mm、導電型P、抵抗率10Ωcmのラッピング加工されたシリコンウェーハを180枚用意した。これらウェーハを各30枚に分けて、6水準のアルカリエッチング処理を行った。この際、取り代は両面で約25μmとして、薬液濃度と温度を表1のようにした。
Figure 2025004410000002
表1は、実施例1のエッチング条件(NaOH濃度、温度)、光沢度(<100>、<110>)、光沢度比(<100>/<110>、<110>/<100>)、両面研磨(DSP)後の品質を示した表である。
次に、各水準1枚を抜き取り、計6枚を評価用ウェーハとして用意し、各ウェーハの光沢度を評価した。光沢度計は堀場製作所製IG-410を用いた。光源波長は890nmで、入射角及び受光角は60度とした。また、光沢度は<100>方向と<110>方向にて取得した。さらに、取得した光沢度から、<100>/<110>光沢度比と<110>/<100>光沢度比を算出した。
ここで<100>/<110>光沢度比に着目すると、水準1~3が0.99~1.00、水準4~6が1.14~1.17で大きく異なった。よって、水準1~3と、水準4~6と、で表面粗さが大きく変化していると判断した。そして<100>/<110>光沢度比が1.1以上を表面粗さの良の範囲と設定することにより、水準1~3の表面粗さを否、水準4~6の表面粗さを良と判定することができる。また、<110>/<100>光沢度比を用いて0.9以下を表面粗さの良の範囲と設定することにより、水準1~3の表面粗さを否、水準4~6の表面粗さを良と判定することもできる。尚、1枚当たりの測定時間は10秒であった。
また、水準4~6を比較すると、水準4は光沢度が水準5と6よりも低いが、光沢度比は同等であった。水準4の表面を目視で観察したところ、汚れが多く付着していた。よって、光沢度では水準4と水準5,6で表面粗さに差があるかと思われたが、光沢度比から表面粗さは同等であると評価した。
次いで、各水準20枚の両面研磨加工を行い、パーティクルと平坦度を評価したところ、水準1~3は悪化、水準4~6は良好であった。これは、上述の<100>/<110>光沢度比や<110>/<100>光沢度比の結果(水準1~3の表面粗さを否、水準4~6の表面粗さを良と判定)と見事に対応している。このことから両面研磨品質はエッチング面の表面粗さに依存していることが分かる。よって、本実施例により、両面研磨工程に影響を及ぼす表面粗さを評価できることが分かる。
さらに水準1と水準5のウェーハの中心部分の反射率を測定した。装置はJ.A.Woollam社製分光エリプソメーターM-2000Vを用いた。測定条件を反射率測定モードにして、入射角度85度、受光角度85度で白色光源を用いて評価した。測定方向は<100>方向と<110>方向とした。図8に反射率の測定結果を示す。波長域250~1000nmにおける反射率を比較すると、水準1はその変化が小さく、水準5は全波長域において<100>方向の方が<110>方向よりも高かった。波長890nmにおける<100>/<110>反射率比を算出したところ、水準1が0.98、水準5は1.15であった。これらの結果から、水準1と水準5は表面粗さが異なっていると判断できる。この結果は表1の光沢度比の結果とほぼ一致していることが確認された。尚、1枚当たりの測定時間は20秒であった。
さらに各水準のウェーハを用意し、ウェーハの中心部分の表面観察を共焦点顕微鏡で行った。図9に結果を示す。図9を見ると、表面模様は水準1~3と水準4~6で異なっていることが分かる。したがって、表面粗さは水準1~3と水準4~6で変化していると判定できる。この結果は表1の光沢度比の結果と合致している。尚、1枚当たりの測定時間は3分であった。
以上、実施例1について説明したが、光沢度比の結果と、反射率比の結果と、共焦点顕微鏡画像の結果が一致しており、いずれも表面粗さを評価することができる。ここで1枚当たりの測定時間が、それぞれ10秒、20秒、3分であるから、光沢度比や反射率比を用いるほうが、簡便かつスループットよく、シリコン基板の表面粗さを評価することができる。特に光沢度比を用いれば、最も簡便かつスループットよく、シリコン基板の表面粗さを評価することができる。
(実施例2)
面方位{110}、直径300mm、導電型P、抵抗率10Ωcmのラッピング加工されたシリコンウェーハを210枚用意した。これらウェーハを各30枚に分けて、7水準のアルカリエッチング処理を行った。この際、取り代は両面で約25μmとして、薬液濃度と温度を表2のようにした。
Figure 2025004410000003
表2は、実施例2のエッチング条件(NaOH濃度、温度)、光沢度(<100>、<110>)、光沢度比(<100>/<110>、<110>/<100>)、両面研磨(DSP)後の品質を示した表である。
次に、各水準1枚を抜き取り、計7枚を評価用ウェーハとして用意し、各ウェーハの光沢度を実施例1と同じように評価した。<100>/<110>光沢度比は、水準1が0.99、水準2~6が1.18~1.22、水準7が0.82となった。したがって、水準1と、水準2~6と、水準7と、で表面粗さが異なっていると判断した。そして<100>/<110>光沢度比が1.1以上と0.9以下を表面粗さの良の範囲と設定することにより、水準1の表面粗さを否、水準2~7の表面粗さを良と判定することができる。また、<110>/<100>光沢度比を用いて1.1以上と0.9以下を表面粗さの良の範囲と設定することにより、水準1の表面粗さを否、水準2~7の表面粗さを良と判定することもできる。
ここで、<100>光沢度では、水準1と水準7で同等となっており、単一の特定方向の光沢度では、表面粗さを評価できていないことが分かる。よって円周方向に取得して円周方向依存性をもとに評価する必要がある。
[シリコンウェーハの製造工程管理方法]
(実施例3)
初めに、実施例1,2の結果をもとに、両面研磨工程への投入に対して適している<100>/<110>光沢度比の範囲を0.9以下と、1.1以上とした。
面方位{110}のポリッシュドウェーハを製造するため、{110}シリコンインゴットを用意した。直径は約300mm、導電型はp型、抵抗率は約10Ωcmである。
次に、用意したシリコンインゴットをワイヤソーで円盤状のシリコンウェーハに切断した(スライス工程)。切断されたシリコンウェーハ表面には、切断時に発生したうねりと加工歪み層が形成されていた。
次に、切断で荒れたシリコンウェーハの外周部をダイヤモンドが電着された3000番手の砥石で面取りを行い、面取り形状の形成と同時にウェーハ製造工程における欠けや割れを防止した(面取り工程)。
次に、スライス工程で形成された表面の加工歪み層の除去と平坦化のために、ラップ液をラップ定盤とキャリアにより保持されたシリコンウェーハの間に流し込み、加圧下で回転、擦り合わせによりシリコンウェーハ表面を機械的に研磨した(ラッピング工程)。
次に、これらラッピング加工後のウェーハ420枚を、NaOH濃度40wt%、薬液温度70℃で両面取り代が約25μmになるようにエッチング処理した。
次に、この中から1枚を抜き取り、実施例1と同様に光沢度を評価した。<100>方向は62.5、<110>方向は54.3で、<100>/<110>比は1.15であった。この1.15は初めに定めた1.1を超えているため、両面研磨工程への投入に対して適したエッチング面であると判断した(良判定)。
さらにこの結果をもとに残り419枚のウェーハも良判定とし、両面研磨加工を行った。両面研磨加工後のパーティクルは1pcs/wf、GBIRは0.1μmと良好であった。
次に、両面研磨後の{110}シリコンウェーハの面取り部を、研磨布と研磨スラリーを用いて鏡面加工を行った。これにより、面取り部も加工歪み層がない鏡面が得られた。
次いで、シリコンウェーハ表面側を、研磨布と研磨スラリーを用いて片面研磨工程を行った。これにより、表面側は良好な研磨面を創出した。
次いで、バッチ方式の洗浄機で、SC1洗浄とSC2洗浄を行い、最終洗浄工程を行った。これによりシリコンウェーハに付着しているパーティクルや金属不純物の除去を行った。
以上の工程により{110}ポリッシュドウェーハを製造した。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]:
異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さを評価する方法であって、異方性エッチングされたシリコン基板を用意する工程と、前記シリコン基板に光を斜入射して、前記シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する工程と、前記取得した反射率の円周方向依存性から、前記シリコン基板の表面粗さを評価する工程と、を有することを特徴とする異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[2]:
前記シリコン基板は、凸部のエッチング面を有することを特徴とする上記[1]に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[3]:
前記シリコン基板は、主面を{110}とすることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[4]:
前記異方性エッチングを、アルカリ性の薬液を用いたウェットエッチングとすることを特徴とする上記[1]から[3]のいずれかに記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[5]:
前記反射率を円周方向に取得する工程において、少なくとも<110>方向及び<100>方向の反射率を取得することを特徴とする上記[1]から[4]のいずれかに記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[6]:
前記表面粗さを評価する工程において、<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて前記シリコン基板の表面粗さを評価することを特徴とする上記[1]から[5]のいずれかに記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[7]:
前記反射率を円周方向に取得する工程において、光沢度測定器を用いて取得した光沢度を前記反射率として用いることを特徴とする上記[1]から[6]のいずれかに記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
[8]:
主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの製造工程管理方法であって、異方性エッチングされた主面が{110}であるシリコンウェーハを用意する工程と、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハを上記[1]から上記[7]のいずれかに記載のシリコン基板の表面粗さの評価方法により評価する工程と、前記評価結果の<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハの表面粗さが両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定する工程と、を含むことを特徴とする主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
[9]:
前記良否判定する工程において、予め設定した目標反射率比に基づいて良否判定することを特徴とする上記[8]に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
[10]:
前記反射率比を光沢度比とすることを特徴とする上記[8]又は上記[9]に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
[11]:
前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程の製造履歴調査と前記エッチング工程の改善の少なくとも一つを行うことを特徴とする上記[8]から上記[10]のいずれかに記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
[12]:
前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程をエッチング薬液の濃度と温度の少なくとも一つに基づき改善することを特徴とする上記[8]から上記[10]のいずれかに記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
S1、S2、S3、S11、S12、S13、S14、S15、S16…ステップ。

Claims (12)

  1. 異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さを評価する方法であって、異方性エッチングされたシリコン基板を用意する工程と、前記シリコン基板に光を斜入射して、前記シリコン基板からの斜入射反射光の反射率を円周方向に取得する工程と、前記取得した反射率の円周方向依存性から、前記シリコン基板の表面粗さを評価する工程と、を有することを特徴とする異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  2. 前記シリコン基板は、凸部のエッチング面を有することを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  3. 前記シリコン基板は、主面を{110}とすることを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  4. 前記異方性エッチングを、アルカリ性の薬液を用いたウェットエッチングとすることを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  5. 前記反射率を円周方向に取得する工程において、少なくとも<110>方向及び<100>方向の反射率を取得することを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  6. 前記表面粗さを評価する工程において、<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて前記シリコン基板の表面粗さを評価することを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  7. 前記反射率を円周方向に取得する工程において、光沢度測定器を用いて取得した光沢度を前記反射率として用いることを特徴とする請求項1に記載の異方性エッチングされたシリコン基板の表面粗さの評価方法。
  8. 主面を{110}とする単結晶シリコンウェーハの製造工程管理方法であって、異方性エッチングされた主面が{110}であるシリコンウェーハを用意する工程と、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハを請求項1~7のいずれか一項に記載のシリコン基板の表面粗さの評価方法により評価する工程と、前記評価結果の<110>方向及び<100>方向の反射率比に基づいて、前記用意した主面が{110}であるシリコンウェーハの表面粗さが両面研磨工程への投入に対して適しているか良否判定する工程と、を含むことを特徴とする主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
  9. 前記良否判定する工程において、予め設定した目標反射率比に基づいて良否判定することを特徴とする請求項8に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
  10. 前記反射率比を光沢度比とすることを特徴とする請求項8に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
  11. 前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程の製造履歴調査と前記エッチング工程の改善の少なくとも一つを行うことを特徴とする請求項8に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
  12. 前記良否判定する工程において、両面研磨工程への投入に対して否(適さない)と判定した場合に、エッチング工程をエッチング薬液の濃度と温度の少なくとも一つに基づき改善することを特徴とする請求項8に記載の主面が{110}であるシリコンウェーハの製造工程管理方法。
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