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JP2025001677A - ガス製造装置 - Google Patents

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JP2025001677A
JP2025001677A JP2021194827A JP2021194827A JP2025001677A JP 2025001677 A JP2025001677 A JP 2025001677A JP 2021194827 A JP2021194827 A JP 2021194827A JP 2021194827 A JP2021194827 A JP 2021194827A JP 2025001677 A JP2025001677 A JP 2025001677A
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reducing
reactor
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production apparatus
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匡貴 中村
侃 戸野
友樹 中間
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成し得るガス製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ガス製造装置が提供される。このガス製造装置は、複数の反応器を有する。各反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成される。還元剤は、二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、還元物質との接触により還元される。各反応器を通過した酸化ガスおよび還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の反応器の上流側に返還するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス製造装置に関する。
近年、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO)は、その大気中の濃度が上昇を続けている。大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化を助長する。したがって、大気中に放出される二酸化炭素を回収することは重要であり、さらに回収した二酸化炭素を炭素有価物に変換して再利用できれば、炭素循環社会を実現することができる。
また、地球規模の施策としても、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書にもあるように、地球温暖化の原因となる二酸化炭素について、先進国における削減率を、1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に削減目標値を達成することが定められている。
その削減目標を達成するため、製鉄所、精錬所または火力発電所から発生した二酸化炭素を含む排気ガスも対象となっており、これらの業界における二酸化炭素の削減に関して、様々な技術改良が行われている。かかる技術の一例としては、CO回収・貯留(CCS)が挙げられる。しかしながら、この技術では、貯留という物理的な限界があり、根本的な解決策とはなっていない。
例えば、特許文献1には、ケミカルルーピング型反応装置を備える二酸化炭素還元システムが開示されている。このケミカルルーピング型反応装置は、金属酸化物触媒が充填された2つの反応器を有しており、一方の反応器にて二酸化炭素を一酸化炭素に還元する第1の反応と、他方の反応器にて水素を水に酸化する第2の反応とを行う。
国際公開第2019/163968号
しかしながら、工業的により効率よく二酸化炭素から一酸化炭素(炭素有価物)を製造するには、更なる改良の余地が残されている。
本発明では上記事情に鑑み、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成し得るガス製造装置を提供することとした。
本発明の一態様によれば、ガス製造装置が提供される。このガス製造装置は、複数の反応器を有する。各反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成される。還元剤は、二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、還元物質との接触により還元される。各反応器を通過した酸化ガスおよび還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の反応器の上流側に返還するように構成される。
かかる態様によれば、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成することができる。
本発明のガス製造装置を使用したガス製造システムの全体構成を示す概略図である。 第1実施形態の反応部の構成を示す概略図である。 第2実施形態の反応部の構成を示す概略図である。 第3実施形態の反応部の構成を示す概略図である。 第4実施形態の反応部の構成を示す概略図である。 第5実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
以下、本発明のガス製造装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、ガス製造システムの全体構成について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガス製造装置を使用したガス製造システムの全体構成を示す概略図である。図2は、第1実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
図1に示すガス製造システム100は、二酸化炭素を含む排ガス(酸化ガス)を生成する炉20と、接続部2を介して炉20に接続されたガス製造装置1とを備えている。
なお、本明細書中では、ガスの流れ方向に対して上流側を単に「上流側」、下流側を単に「下流側」とも記載する。
炉20としては、特に限定されないが、例えば、製鉄所、精錬所または火力発電所に付属する炉であり、好ましくは燃焼炉、高炉、転炉等が挙げられる。炉20では、内容物の燃焼、溶融、精錬等の際に、排ガスが生成(発生)する。
ゴミ焼却場にける燃焼炉(焼却炉)の場合、内容物(廃棄物)としては、例えば、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市廃棄物(MSW)、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、家庭ゴミ(布団、紙類)、建築部材等が挙げられる。なお、これらの廃棄物は、1種を単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
排ガスは、通常、二酸化炭素に加えて、窒素、酸素、一酸化炭素、水蒸気、メタン等の他のガス成分を含む。排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度は、特に限定されないが、生成ガスの製造コスト(一酸化炭素への変換効率)を考慮すると、1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましい。
ゴミ焼却場にける燃焼炉からの排ガスの場合、二酸化炭素が5~15体積%、窒素が60~70体積%、酸素が5~10体積%、水蒸気が15~25体積%で含まれる。
高炉からの排ガス(高炉ガス)は、高炉において銑鉄を製造する際に発生するガスであり、二酸化炭素が10~15体積%、窒素が55~60体積%、一酸化炭素が25~30体積%、水素が1~5体積%で含まれる。
また、転炉からの排ガス(転炉ガス)は、転炉において鋼を製造する際に発生するガスであり、二酸化炭素が15~20体積%、一酸化炭素が50~60体積%、窒素が15~25体積%、水素が1~5体積%で含まれる。
なお、酸化ガスとしては、排ガスに限らず、二酸化炭素を100体積%で含む純ガスを使用してもよい。
ただし、酸化ガスとして排ガスを使用すれば、従来、大気中に排出していた二酸化炭素を有効利用することができ、環境への負荷を低減することができる。これらの中でも、炭素循環という観点からは、製鉄所または精錬所で発生した二酸化炭素を含む排ガスが好ましい。
また、高炉ガスや転炉ガスは、炉から排出された未処理のガスをそのまま使用してもよく、例えば、一酸化炭素等を除去する処理を施した後の処理済みガスを使用してもよい。未処理の高炉ガスおよび転炉ガスは、それぞれ上述のようなガス組成であり、処理済みガスは、燃焼炉からの排ガスで示したガス組成に近いガス組成となる。本明細書では、以上のようなガス(ガス製造装置1に供給される前のガス)をいずれも排ガスと呼ぶ。
ガス製造装置1は、炉20から排出され、接続部2を介して供給される排ガス(二酸化炭素を含む酸化ガス)と、排ガス中に含まれる二酸化炭素を還元する還元剤4Rとを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガス(合成ガス)を製造する。
なお、本明細書では、炭素有価物の一例として、一酸化炭素を代表に説明する。ただし、炭素有価物としては、一酸化炭素に限定されず、例えば、メタン、メタノール等が挙げられ、これらの単独物であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。後述する還元剤の種類に応じて、生成する炭素有価物の種類が異なってくる。
ガス製造装置1は、主に、接続部2と、還元ガス供給部3と、2つの反応器4a、4bを備える反応部4と、接続部2と反応部4とを接続するガスラインGL1と、還元ガス供給部3と反応部4とを接続するガスラインGL2と、反応部4に接続されたガスラインGL4とを有している。
本実施形態では、接続部2が、排ガスを反応部4に供給する排ガス供給部(酸化ガス供給部)を構成している。
なお、必要に応じて、ガスラインGL1、ガスラインGL2およびガスラインGL4の途中の所定の箇所には、ガスを移送するためのポンプを配置してもよい。例えば、後述する圧縮部6で排ガスの圧力を比較的低く調整する場合には、ポンプを配置することにより、ガス製造装置1内でガスを円滑に移送することができる。
ガスラインGL1は、その一端部において接続部2に接続されている。一方、ガスラインGL1は、その他端部において、図2に示すように、ガス切換部8および2つのガスラインGL3a、GL3bを介して、それぞれ反応部4が備える反応器4a、4bの入口ポートに接続されている。
かかる構成により、炉20から接続部2を介して供給された排ガスは、ガスラインGL1を通過して、各反応器4a、4bに供給される。
ガス切換部8は、例えば、分岐ガスラインと、この分岐ガスラインの途中に設けられたバルブのような流路開閉機構とを含んで構成することができる。
各反応器4a、4bは、図2に示すように、還元剤4Rをそれぞれ充填(収容)した複数の管体41と、複数の管体41を収納したハウジング42とを備える多管式の反応装置(固定層式の反応装置)で構成されている。かかる多管式の反応装置によれば、還元剤4Rと排ガスおよび還元ガスとの接触の機会を十分に確保することができる。その結果、生成ガスの製造効率を高めることができる。
本実施形態の還元剤4Rは、例えば、粒子状(顆粒状)、鱗片状、ペレット状等であることが好ましい。かかる形状の還元剤4Rであれば、管体41への充填効率を高めることができ、管体41内に供給されるガスとの接触面積をより増大させることができる。
還元剤4Rが粒子状である場合、その体積平均粒径は、特に限定されないが、1~50mmであることが好ましく、3~30mmであることがより好ましい。この場合、還元剤4Rと排ガス(二酸化炭素)との接触面積をさらに高め、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率をより向上させることができる。同様に、還元物質を含む還元ガスによる還元剤4Rの再生(還元)もより効率よく行うことができる。
粒子状の還元剤4Rは、より球形度が高まることから、転動造粒により製造された成形体であることが好ましい。
また、還元剤4Rは、担体に担持させるようにしてもよい。
担体の構成材料としては、排ガス(酸化ガス)との接触や反応条件等により変性し難ければよく、例えば、炭素材料(グラファイト、グラフェン等)、MoCのような炭化物、ゼオライト、モンモリロナイト、ZrO、TiO、V、MgO、CeO、Al、SiOのような酸化物およびこれらを含む複合酸化物等が挙げられる。
これらの中でも、担体の構成材料としては、ゼオライト、モンモリロナイト、ZrO、TiO、V、MgO、Al、SiOおよびこれらを含む複合酸化物が好ましい。かかる材料で構成される担体は、還元剤4Rの反応に悪影響を及ぼさず、還元剤4Rの担持能に優れる点で好ましい。ここで、担体は、還元剤4Rの反応には関与せず、還元剤4Rを単に支持(保持)する。
かかる形態の一例としては、担体の表面の少なくとも一部を還元剤4Rで被覆する構成が挙げられる。
還元剤4Rは、金属単体および金属酸化物の少なくとも一方(酸素キャリア)を含む。金属単体および金属酸化物の少なくとも一方は、二酸化炭素を還元することができれば、特に限定されないが、第3族~第12族に属する金属元素から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、第4族~第12属に属する金属元素から選択される少なくとも1種を含有することがより好ましく、チタン、バナジウム、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン、クロムおよびセリウム等のうちの少なくとも1種を含有することがさらに好ましく、鉄を含有する金属酸化物または複合金属酸化物が特に好ましい。これらの金属酸化物は、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率が特に良好なため有用である。
特に、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する金属酸化物としては、酸化鉄、酸化セリウム等が好適である。二酸化炭素をメタンに変換する金属酸化物としては、例えば、ニッケルおよびルテニウムのうちの少なくとも一方を担持または含有するジルコニア、アルミナ、チタニア、シリカ等が好適である。二酸化炭素をメタノールに変換する金属酸化物としては、例えば、銅および亜鉛のうちの少なくとも一方を担持または含有するジルコニア、アルミナ、シリカ等が好適である。
また、各反応器4a、4bにおいて、還元剤4R(金属単体および金属酸化物のうちの少なくとも一方)自体で管体(円筒状の成形体)41を作製してもよい。さらに、還元剤4Rで、ブロック状、格子状(例えば、網状、ハニカム状)等の成形体を作製し、ハウジング42内に配置するようにしてもよい。これらの場合、充填剤としての還元剤4Rは省略するようにしてもよいし、併用してもよい。
これらの中では、還元剤4Rで網状体を作製し、ハウジング42内に配置する構成が好ましい。かかる構成の場合、各反応器4a、4b内で排ガスおよび還元ガスの通過抵抗が高まるのを防止しつつ、還元剤4Rと排ガスおよび還元ガスとの接触の機会を十分に確保することもできる。
なお、2つの反応器4a、4bの容積は、互いにほぼ等しく設定され、処理する排ガスの量(炉20のサイズやガス製造装置1のサイズ)に応じて、適宜設定される。また、2つの反応器4a、4bのうちの少なくとも1つの容積は、排ガスおよび還元ガスの種類、還元剤4Rの性能等に応じて異ならせてもよい。
ガスラインGL1の途中には、接続部2側から順に、濃度調整部5と、圧縮部6と、微成分除去部7と、排ガス加熱部(酸化ガス加熱部)10とが設けられている。
濃度調整部5は、排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度を高める(換言すれば、二酸化炭素を濃縮する)ように調整する。排ガスは、酸素等の不要ガス成分も含む。濃度調整部5で排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度を高めることにより、排ガス中に含まれる不要ガス成分の濃度を相対的に低くすることができる。このため、還元剤4Rによる二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率に、不要ガス成分が悪影響を及ぼすのを防止または抑制することができる。
濃度調整部5は、排ガス中に含まれる酸素を除去する酸素除去装置により構成することが好ましい。これにより、ガス製造装置1に持ち込まれる酸素の量を低減すること(すなわち、排ガス中に含まれる酸素の濃度を低くなるように調整すること)ができる。このため、排ガスのガス組成を爆発範囲から乖離させ、排ガスの引火を未然に防止することができる。なお、ガス製造装置1の中でも、酸素除去装置での電気エネルギーの消費が大きいため、後述するような再生可能エネルギーとしての電力を使用することが有効である。
この場合、排ガス中に含まれる酸素の濃度を、排ガス全体に対して1体積%未満に調整することが好ましく、0.5体積%未満に調整することがより好ましく、0.1体積%未満に調整することがさらに好ましい。これにより、排ガス中の酸素と還元ガスによる爆鳴気の形成を確実に防止することができる。
排ガス中に含まれる酸素を除去する酸素除去装置は、低温分離方式(深冷方式)の分離器、圧力スイング吸着(PSA)方式の分離器、膜分離方式の分離器、温度スイング吸着(TSA)方式の分離器、化学吸収方式の分離器、化学吸着方式の分離器等のうちの1種または2種以上を用いて構成することができる。
なお、濃度調整部5では、排ガス中に二酸化炭素を追加することにより、二酸化炭素が高濃度になるように調整してもよい。
圧縮部6は、反応器4a、4bに供給する前の排ガスの圧力を上昇させる。これにより、反応器4a、4bで一度に処理可能な排ガスの量を増大させることができる。このため、反応器4a、4bにおける二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率をより向上させることができる。
かかる圧縮部6は、例えば、遠心式圧縮機、軸流式圧縮機のようなターボ圧縮機、往復動圧縮機(レシプロ圧縮機)、ダイアフラム式圧縮機、シングルスクリュー圧縮機、ツインスクリュー圧縮機、スクロール圧縮機、ロータリー圧縮機、ロータリーピストン型圧縮機、スライドベーン型圧縮機のような容積圧縮機、低圧に対応可能なルーツブロワー(二葉送風機)、遠心式のブロワー等で構成することができる。
これらの中でも、圧縮部6は、ガス製造システム100の大規模化の容易性の観点からは、遠心式圧縮機で構成することが好ましく、ガス製造システム100の製造コストを低減する観点からは、往復動圧縮機で構成することが好ましい。
圧縮部6を通過した後の排ガスの圧力は、特に限定されないが、0~1MPaGであることが好ましく、0~0.5MPaGであることがより好ましく、0.01~0.5MPaGであることがさらに好ましい。この場合、ガス製造装置1の耐圧性を必要以上に高めることなく、反応器4a、4bにおける二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率をさらに向上させることができる。
微成分除去部7は、排ガス中に含まれる微成分(微量な不要ガス成分等)を除去する。
かかる微成分除去部7は、例えば、気液分離器、保護器(ガードリアクター)およびスクラバー(吸収塔)のうちの少なくとも1種の処理器で構成することができる。
複数の処理器を使用する場合、それらの配置順序は任意であるが、気液分離器と保護器とを組み合わせて使用する場合、気液分離器を保護器より上流側に配置するのが好ましい。この場合、排ガス中からの微成分の除去効率をより高めることができるとともに、保護器の使用期間(寿命)を延長することができる。
気液分離器は、例えば、圧縮部6で排ガスを圧縮した際に生じる凝縮水(液体)を排ガスから分離する。この場合、凝縮水中には、排ガス中に残存する不要ガス成分等も溶解して除去される。
気液分離器は、例えば、単なる容器、旋回流式分離器、遠心分離器、表面張力式分離器等で構成することができる。これらの中でも、気液分離器は、構成が単純であり、安価であること等から、単なる容器で構成することが好ましい。この場合、容器内の気液界面には、気体の通過は許容するが、液体の通過を阻止するフィルタを配置するようにしてもよい。
また、この場合、容器の底部には、液体ラインを接続し、その途中にバルブを設けるようにしてもよい。かかる構成によれば、容器内に貯留された凝縮水は、バルブを開放することにより、液体ラインを介して、ガス製造装置1外に排出することができる。
なお、液体ラインを後述するタンク30に接続して、排出する凝縮水を再利用するようにしてもよい。
気液分離器で凝縮水が除去された排ガスは、例えば、保護器に供給するように構成することができる。
かかる保護器は、排ガス中に含まれる微成分であって、還元剤4Rとの接触により還元剤4Rの活性を低下させる成分(不活化成分)を捕捉可能な物質を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、排ガスが保護器を通過する際に、保護器内の物質が不活化成分と反応(捕捉)することにより、反応器4a、4b内の還元剤4Rに到達するのを阻止または抑制して保護すること(すなわち、活性の低下を防止すること)ができる。このため、還元剤4Rによる二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率が、不活化成分の悪影響により極端に低下するのを防止または抑制することができる。
かかる物質には、還元剤4Rに含まれる組成であって、不活化成分との接触により還元剤4Rの活性を低下させる組成を有する物質、具体的には、還元剤4Rに含まれる金属単体および金属酸化物のうちの少なくとも一方と同一または類似の物質を使用することができる。ここで、類似の金属酸化物とは、それに含まれる金属元素は同一であるが、組成が異なる金属酸化物、またはそれに含まれる金属元素の種類は異なるが、元素周期律表における族が同一である金属酸化物のことを言う。
また、不活化成分としては、硫黄、水銀、硫黄化合物、ハロゲン化合物、有機シリコーン、有機リンおよび有機金属化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましく、硫黄および硫黄化合物から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。かかる不活化成分を予め除去しておけば、還元剤4Rの活性が急激に低下するのを効果的に防止することができる。
なお、上記物質は、還元剤4Rの不活化成分と同一の成分により活性が低下する物質であればよく、酸化鉄、酸化亜鉛のような金属酸化物が上記不活化成分の捕捉能に優れる点で好ましい。
保護器は、ハウジング内に網材を配置し、上記物質の粒子を網材上に載置する構成、ハウジング内に、上記物質で構成されたハニカム状のフィルタ部材や、円筒状または粒子状の成形体を配置する構成等とすることができる。
特に、保護器を圧縮部6(気液分離器)と排ガス加熱部10との間に配置する場合には、上記物質の熱による劣化を防止しつつ、不活化成分の除去効率を向上させることができる。
排ガス加熱部10は、反応器4a、4bに供給する前の排ガスを加熱する。排ガス加熱部10で反応前(還元前)の排ガスを予め加熱しておくことにより、反応器4a、4bにおいて、還元剤4Rによる二酸化炭素の一酸化炭素への変換(還元)反応をより促進することができる。
排ガス加熱部10は、例えば、電熱器と、熱交換器(エコノマイザ)とで構成することができる。
熱交換器は、反応器4a、4bを通過した後のガス(混合ガス)を排出するガスラインGL4を構成する一部の配管を屈曲させ、ガスラインGL1を構成する配管に接近させて構成される。かかる構成によれば、反応器4a、4bを通過した後の高温のガス(混合ガス)の熱を利用して、反応器4a、4bに供給する前の排ガスを熱交換により加熱するため、熱の有効利用を図ることができる。
かかる熱交換器は、例えば、ジャケット式熱交換器、浸漬コイル式熱交換器、二重管式熱交換器、シェル&チューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器等として構成することができる。
また、排ガス加熱部10では、電熱器および熱交換器のいずれか一方を省略してもよい。
排ガス加熱部10では、電熱器に代えて、燃焼炉等を使用することもできる。ただし、電熱器を使用すれば、その動力源として、再生可能エネルギーとしての電力(電気エネルギー)を使用できるため、環境への負荷を低減することができる。
再生可能エネルギーとしては、太陽光発電、風カ発電、水力発電、波力発電、潮力発電、バイオマス発電、地熱発電、太陽熱および地中熱から選択される少なくとも1つを利用した電気エネルギーが使用可能である。
また、排ガス加熱部10の上流側(例えば、微成分除去部7の途中である気液分離器と保護器との間)において、ガスラインGL1から排気ガスラインを分岐させ、その端部にガス製造装置1外に設けられたベント部を接続してもよい。
この場合、排気ガスラインの途中には、好ましくはバルブが設けられる。
仮に、ガス製造装置1(ガスラインGL1)内の圧力が必要以上に上昇した場合には、バルブを開放することにより、排気ガスラインを介してベント部から排ガスの一部を排出(放出)することができる。これにより、ガス製造装置1の圧力の上昇による破損を未然に防止することができる。
ガスラインGL2は、その一端部において還元ガス供給部3に接続されている。一方、ガスラインGL2は、ガス切換部8および2つのガスラインGL3a、GL3bを介して、それぞれ反応部4が備える反応器4a、4bの入口ポートに接続されている。
還元ガス供給部3は、二酸化炭素との接触により酸化された還元剤4Rを還元する還元物質を含む還元ガスを供給する。本実施形態の還元ガス供給部3は、水の電気分解により水素を発生させる水素発生装置で構成され、この水素発生装置に水を貯留したガス製造装置1外のタンク(還元ガス原料貯留部)30が接続されている。かかる構成により、水素発生装置(還元ガス供給部3)から供給された水素(還元物質)を含む還元ガスが、ガスラインGL2を通過して、各反応器4a、4bに供給される。
水素発生装置によれば、多量の水素を比較的安価かつ簡便に生成することができる。また、ガス製造装置1内で発生する凝縮水を再利用できるという利点もある。なお、ガス製造装置1の中でも、水素発生装置での電気エネルギーの消費が大きいため、上述したような再生可能エネルギーとしての電力を使用することが有効である。
なお、水素発生装置には、副生水素を発生する装置を使用することもできる。この場合、副生水素を含む還元ガスが各反応器4a、4bに供給される。副生水素を発生する装置としては、例えば、塩化ナトリウム水溶液を電気分解する装置、石油を水蒸気改質する装置、アンモニアを製造する装置等が挙げられる。
また、ガス製造装置1外のコークス炉に接続部を介してガスラインGL2を接続し、コークス炉からの排ガスを還元ガスとして使用するようにしてもよい。この場合、接続部が還元ガス供給部を構成する。コークス炉からの排ガスは、水素およびメタンを主成分とし、水素を50~60体積%で含むためである。
ガスラインGL2の途中には、還元ガス加熱部11が設けられている。この還元ガス加熱部11は、反応器4a、4bに供給する前の還元ガスを加熱する。還元ガス加熱部11で反応前(酸化前)の還元ガスを予め加熱しておくことにより、反応器4a、4bにおける還元ガスによる還元剤4Rの還元(再生)反応をより促進することができる。
還元ガス加熱部11は、上記排ガス加熱部10と同様にして構成することができる。還元ガス加熱部11は、電熱器のみ、熱交換器のみ、電熱器と熱交換器との組み合わせで構成することが好ましく、熱交換器のみ、電熱器と熱交換器との組み合わせで構成することがより好ましい。
還元ガス加熱部11が熱交換器を備えれば、反応器4a、4bを通過した後の高温のガス(例えば、混合ガス)の熱を利用して、反応器4a、4bに供給する前の還元ガスを熱交換により加熱するため、熱の有効利用を図ることができる。
以上のような構成によれば、ガス切換部8においてガスライン(流路)を切り換えることにより、例えば、酸化前の還元剤4Rが収容された反応器4aに、ガスラインGL3aを介して排ガスを供給し、酸化後の還元剤4Rが収容された反応器4bに、ガスラインGL3bを介して還元ガスを供給することができる。このとき、反応器4aでは下記式1の反応が進行し、反応器4bでは下記式2の反応が進行する。
なお、下記式1および式2では、還元剤4Rに酸化鉄(FeOx-1)が含まれる場合を一例として示している。
式1: CO + FeOx-1 → CO + FeO
式2: H + FeO → HO + FeOx-1
その後、ガス切換部8においてガスラインを上記と反対に切り換えることにより、反応器4aでは上記式2の反応を進行させ、反応器4bでは上記式1の反応を進行させることができる。
すなわち、還元剤4Rは、二酸化炭素を還元することにより一酸化炭素(炭素有価物)を生成する。このとき、還元剤4Rは、二酸化炭素との接触により酸化状態とされるが、その後、水素(還元物質)との接触により還元され、元の状態に戻る。
本明細書中では、還元剤4Rを中心に考え、還元剤4Rが二酸化炭素により酸化される側を「酸化側」と言い、酸化された還元剤4Rが水素により還元される側を「還元側」とも言う。
なお、上記式1および式2に示す反応は、いずれも吸熱反応である。このため、ガス製造装置1は、還元剤4Rに排ガスまたは還元ガスを接触させる際(すなわち、排ガスまたは還元ガスと還元剤4Rとの反応の際)に、還元剤4Rを加熱する還元剤加熱部(図1中、図示せず。)をさらに有することが好ましい。
かかる還元剤加熱部を設けることにより、排ガスまたは還元ガスと還元剤4Rとの反応における温度を高温に維持して、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率の低下を好適に防止または抑制するとともに、還元ガスによる還元剤4Rの再生をさらに促進することができる。
ただし、還元剤4Rの種類によっては、上記式1および式2に示す反応が発熱反応となる場合がある。この場合、ガス製造装置1は、還元剤加熱部に代えて、還元剤4Rを冷却する還元剤冷却部を有することが好ましい。かかる還元剤冷却部を設けることにより、排ガスまたは還元ガスと還元剤4Rとの反応の際に、還元剤4Rが劣化するのを好適に阻止して、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率の低下を好適に防止または抑制するとともに、還元ガスによる還元剤4Rの再生をさらに促進することができる。
つまり、ガス製造装置1には、還元剤4Rの種類(発熱反応または吸熱反応)の違いによって、還元剤4Rの温度を調整する還元剤温調部を設けることが好ましい。
反応器4a、4bの出口ポートには、それぞれガスラインGL4a、GL4bが接続され、これらがガス合流部J4において合流して、ガスラインGL4を構成している。また、ガスラインGL4a、GL4bの途中には、必要に応じて、それぞれバルブ(図示せず。)が設けられる。
例えば、バルブの開度を調整することにより、反応器4a、4bを通過する排ガスおよび還元ガスの通過速度(すなわち、還元剤4Rによる排ガスの処理速度および還元ガスによる還元剤4Rの処理速度)を設定することができる。
本実施形態では、主に、反応器4a、4bおよびガス切換部8により、反応部4が構成されている。
ガスラインGL4の反応器4a、4bの反対側の端部には、生成ガスをガス製造装置1外に排出する生成ガス排出部40が接続されている。
また、ガスラインGL4の途中には、ガス精製部9が設けられている。
ガス精製部9では、混合ガスから一酸化炭素を精製して、高濃度の一酸化炭素を含む生成ガスを回収する。なお、混合ガス中の一酸化炭素濃度が十分に高い場合には、ガス精製部9を省略してもよい。
かかるガス精製部9は、例えば、冷却器、気液分離器、ガス分離器、分離膜およびスクラバー(吸収塔)のうちの少なくとも1種の処理器で構成することができる。
複数の処理器を使用する場合、それらの配置順序は任意であるが、冷却器と気液分離器とガス分離器とを組み合わせて使用する場合、この順で配置するのが好ましい。この場合、混合ガスからの一酸化炭素の精製効率をより高めることができる。
冷却器は、混合ガスを冷却する。これにより、凝縮水(液体)が生成する。
かかる冷却器は、配管の周囲に冷媒を通過させるためのジャケットを配置したジャケット式の冷却装置、反応器4a、4bと同様の構成(図2参照)とし、管体41内に混合ガスを、管体41の周囲の空間43に冷媒をそれぞれ通過させる多管式の冷却装置、エアフィンクーラー等を含んで構成することができる。
気液分離器は、冷却器で混合ガスを冷却する際に生じる凝縮水を混合ガスから分離する。このとき、凝縮水には、混合ガス中に残存する不要ガス成分(特に、二酸化炭素)を溶解して除去することができるという利点がある。
気液分離器は、微成分除去部7の気液分離器と同様に構成することができ、好ましくは単なる容器で構成することができる。この場合、容器内の気液界面には、気体の通過は許容するが、液体の通過を阻止するフィルタを配置するようにしてもよい。
また、この場合、容器の底部には、液体ラインを接続し、その途中にバルブを設けるようにしてもよい。かかる構成によれば、容器内に貯留された凝縮水は、バルブを開放することにより、液体ラインを介して、ガス製造装置1外に排出(放出)することができる。
さらに、液体ラインの途中のバルブより下流側には、ドレイントラップを設けることが好ましい。これにより、仮に、バルブが誤作動して、液体ラインに一酸化炭素や水素が流出しても、ドレイントラップに貯留され、ガス製造装置1外に排出されるのを未然に防止することができる。このドレイントラップに代えて、あるいは、ドレイントラップとともに、バルブの誤作動検知機能、バルブが誤作動した際の冗長化対策を施してもよい。
なお、液体ラインを上述したタンク30に接続して、排出する凝縮水を再利用するようにしてもよい。
ガス分離器は、例えば、低温分離方式(深冷方式)の分離器、圧力スイング吸着(PSA)方式の分離器、膜分離方式の分離器、温度スイング吸着(TSA)方式の分離器、金属イオン(例えば、銅イオン)と有機配位子(例えば、5-アジドイソフタル酸)とを複合化した多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymer:PCP)を用いた分離器、アミン吸収を利用した分離器等のうちの1種または2種以上を用いて構成することができる。
また、ガスラインGL4の気液分離器とガス分離器との間には、バルブを設けるようにしてもよい。この場合、バルブの開度を調整することにより、混合ガスの処理速度(生成ガスの製造速度)を調節することができる。
本実施形態では、気液分離器から排出される混合ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度は、混合ガス全体に対して75~90体積%となっている。
したがって、比較的低い濃度(75~90体積%)で一酸化炭素を含む生成ガスを利用可能な分野では、混合ガスから一酸化炭素を精製することなく、そのまま次工程に供給することができる。すなわち、ガス分離器を省略することができる。
かかる分野としては、例えば、生成ガスから微生物(例えば、クロストリジウム等)による発酵により炭素有価物(例えば、エタノール等)を合成する分野、生成ガスを燃料または還元剤として使用して鉄鋼を製造する分野、電気デバイスを製造する分野、一酸化炭素を合成原料とする化学品(ホスゲン、酢酸等)を合成する分野等が挙げられる。
一方、比較的高い濃度(90体積%超)で一酸化炭素を含む生成ガスを利用する必要がある分野では、混合ガスから一酸化炭素を精製して、高濃度で一酸化炭素を含む生成ガスを得る。
かかる分野としては、例えば、生成ガスを還元剤として使用する分野(高炉)、生成ガスを燃料として使用して火力により発電する分野、生成ガスを原料として化学品を製造する分野、生成ガスを燃料として使用する燃料電池の分野等が挙げられる。
本実刑形態では、図2に示すように、ガスラインGL4a、GL4bの途中から分岐し、ガスラインGL3a、GL3bに接続される返還ガスラインGL5a、GL5bが設けられている。すなわち、酸化側の反応器4aを通過して出口ポートから排出された排ガスを、再度、同一の酸化側の反応器4aの入口ポート(上流側)に返還するように構成され、還元側の反応器4bを通過して出口ポートから排出された還元ガスを、再度、同一の還元側の反応器4bの入口ポート(上流側)に返還するように構成されている。
なお、上述したように、排ガスと還元ガスとは、所定のタイミングで、供給する反応器4a、4bを切り替える。このため、反応器4a、4bは、酸化側と還元側とに入れ替わる。
かかる構成によれば、未反応の二酸化炭素(CO)および未反応の水素(H)を再度使用して、二酸化炭素の一酸化炭素への変換および水素(還元物質)による酸化状態の還元剤4Rの還元(再生)を行うことができる。このため、二酸化炭素(炭素有価物)の生成効率をより高めることができる。
ただし、排ガスおよび還元ガスの双方を同一の反応器4a、4bに返還する必要はなく、還元剤4Rとの反応率が低い方のガスのみを同一の反応器4a、4bに返還するようにしてもよい。この場合、出口ポートから排出された酸化ガスを入口ポートに(酸化側の反応器4a、4bで排ガスを)返還せず、出口ポートから排出された還元ガスを入口ポートに(還元側の反応器4a、4bで還元ガスを)返還するように構成するのが好ましい。
一般に、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率より、水素(還元物質)による酸化状態の還元剤4Rの還元効率(換言すれば、水素の利用効率)の方が低い。このため、上記構成とすれば、還元剤4Rの再生を円滑に行うことができるので、二酸化炭素の生成効率をより向上させる観点から好ましい。
次に、ガス製造システム100の使用方法(作用)について説明する。
[1]まず、ガス切換部8においてガスライン(流路)を切り換えることにより、接続部2と反応器4aとを連通し、還元ガス供給部3と反応器4bとを連通する。
[2]次に、この状態で、炉20から接続部2を介して排ガスの供給を開始する。
[3]次に、排ガスは、酸素除去装置(濃度調整部5)を通過する。これにより、排ガスから酸素が除去され、排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度が上昇する。
[4]次に、排ガスは、圧縮部6を通過する。これにより、排ガスの圧力が上昇する。
[5]次に、排ガスは、微成分除去部7を通過する。これにより、圧縮部6で排ガスを圧縮した際に生じる凝縮水や、還元剤4Rの活性を低下させる不活化成分が排ガスから除去される。
[6]次に、排ガスは、排ガス加熱部10を通過する。これにより、排ガスが加熱される。
[7]次に、排ガスは、反応器4aに供給される。反応器4aでは、還元剤4Rにより排ガス中の二酸化炭素が一酸化炭素に還元される。このとき、還元剤4Rは、二酸化炭素との接触により酸化状態とされる。
上記工程[7]における反応器4a(排ガス、還元剤4R)の温度(反応温度)は、600℃以上であることが好ましく、650~1100℃であることがより好ましく、700~1000℃であることがさらに好ましい。反応温度を上記範囲に設定すれば、例えば、二酸化炭素を一酸化炭素へ変換する際の吸熱反応による還元剤4Rの急激な温度低下を防止または抑制することができるため、反応器4aにおける二酸化炭素の還元反応をより円滑に進行させることができる。
[9]排ガスは、反応器4aからガスラインGL4aに排出される。
[10]次に、排ガスは、返還ガスラインGL5aを介して返還され、ガスラインGL3aから供給される排ガスと混合され、再度、反応器4aに供給される。上記と同様に、反応器4aでは、還元剤4Rにより排ガス中の二酸化炭素が一酸化炭素に還元される。このとき、還元剤4Rは、二酸化炭素との接触により酸化状態とされる。
反応器42aの条件は、反応器41aと同様にすることができる。
なお、反応器4aからガスラインGL4aに排出された排ガスは、その一部のみを返還ガスラインGL5aを介して返還するようにしてもよい。この場合、残部の排ガスは、ガスラインGL4に排出される。
[11]上記工程[2]~[10]と並行して、タンク30から水(還元ガス原料)を水素発生装置(還元ガス供給部3)に供給し、水から水素を生成する。
[12]次に、水素を含む還元ガスは、還元ガス加熱部11を通過する。これにより、還元ガスが加熱される。
[13]次に、還元ガスは、反応器4bに供給される。反応器4bでは、還元ガス(水素)との接触により酸化状態の還元剤4Rが還元(再生)される。このとき、水が生成される。
上記工程[13]における反応器4b(還元ガス、還元剤4R)の温度(反応温度)は、600℃以上であることが好ましく、650~1100℃であることがより好ましく、700~1000℃であることがさらに好ましい。反応温度を上記範囲に設定すれば、例えば、酸化状態の還元剤4Rを還元(再生)する際の吸熱反応による還元剤4Rの急激な温度低下を防止または抑制することができるため、反応器4bにおける還元剤4Rの還元反応をより円滑に進行させることができる。
[14]還元ガスは、反応器4bからガスラインGL4bに排出される。
[15]次に、還元ガスは、返還ガスラインGL5bを介して返還され、ガスラインGL3bから供給される還元ガスと混合され、反応器4bに供給される。上記と同様に、反応器4bでは、還元ガス(水素)との接触により酸化状態の還元剤4Rが還元(再生)される。このとき、水が生成される。
反応器4bの条件は、反応器4bと同様にすることができる。
[16]次に、反応器4a、4bを通過したガスは、合流して混合ガスが生成される。この時点で、混合ガスの温度は、通常、600~650℃である。この時点での混合ガスの温度が上記範囲であれば、反応器4a、4b内の温度が十分に高温に維持されていることを意味し、還元剤4Rによる二酸化炭素の一酸化炭素への変換や、還元ガスによる還元剤4Rの還元が効率よく進行していると判断することができる。
[17]次に、混合ガスは、ガス精製部9に至るまでに、100~300℃にまで冷却される。
[18]次に、混合ガスは、ガス精製部9を通過する。これにより、例えば、生成された凝縮水および凝縮水に溶解する二酸化炭素等が除去される。その結果、混合ガスから一酸化炭素が精製され、一酸化炭素を高濃度で含む生成ガスが得られる。
なお、得られる生成ガスの温度は、20~50℃である。
[19]次に、生成ガスは、生成ガス排出部40からガス製造装置1外に排出され、次工程に供される。
なお、ガスラインGL4a、GL4bは、ガス合流部J4において合流させなくてもよい。この場合、ガスラインGL4a、GL4bを介して、反応器4a、4bを通過した排ガスおよび還元ガスを独立して、次工程に供するようにしてもよい。
<第2実施形態>
反応部4は、次のような構成とすることもできる。
図3は、第2実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
以下、第2実施形態の反応部4について説明するが、第1実施形態の反応部4との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の反応部4では、ガスラインGL4a、GL4bと返還ガスラインGL5a、GL5bとの分岐部(連絡部)に、分離部19が設けられている。この分離部19は、各反応器4a、4bの出口ポートに接続され、反応器4a、4bを通過したガス(排ガスまたは還元ガス)に含まれる還元剤4Rとの反応による生成物を分離するように構成される。
本実施形態では、例えば、還元側の分離部19は、反応器4bを通過した還元ガスに含まれる水(還元剤4Rとの反応による生成物)を分離するように構成されている。なお、酸化側の分離部19も、反応器4aを通過した排ガスに含まれる一酸化炭素(還元剤4Rとの反応による生成物)を分離するように構成されてもよい。
本実施形態では、例えば、還元側の反応器4bを通過した還元ガスに含まれる水(還元剤4Rとの反応による生成物)分離するように構成されている。この場合、返還される還元ガス(分離ガス)に含まれる水の量が少なくなるため、還元ガスを返還した場合でも、還元剤4Rの還元効率が低下するのを防止することができる。また、混合ガス中に含まれる水の量も低減することができる。
分離部19で分離された水は、ガスラインGL19bから排出される。なお、ガスラインGL19bから排出されるガスには、水以外の他のガス成分が含まれていてもよい。
一方、本実施形態では、酸化側の反応器4aを通過した排ガスは、ガスラインGL4aを介してガスラインGL4に排出される。
なお、酸化側の反応器4aに接続された分離部19においても、排ガスに含まれる一酸化炭素(還元剤4Rとの反応による生成物)分離するように構成してもよい。
分離部19は、水(生成物)を冷却により凝縮する凝縮器で構成してもよく、水(生成物)の分子の通過を許容し、それ以外の分子の通過を阻止する分離膜で構成してもよく、水(生成物)を物理的または化学的に捕捉する捕捉材で構成してもよく、冷却器と分離膜と捕捉材のうちの任意の2以上の組み合わせで構成してもよい。
凝縮器は、例えば、低温分離方式(深冷方式)の凝縮器、温度スイング吸着(TSA)方式の凝縮器等で構成することができる。
また、分離膜は、金属、無機酸化物または金属有機構造体(Metal Organic Frameworks:MOF)で構成することができる。
ここで、金属としては、例えば、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、コバルトまたはこれらを含む合金等が挙げられる。金属を用いる場合、分離膜は、好ましくは、空孔率が80%以上の多孔質体とされる。
無機酸化物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。
また、金属有機構造体としては、例えば、硝酸亜鉛水和物とテレフタル酸ジアニオンとの構造体、硝酸銅水和物とトリメシン酸トリアニオンとの構造体等が挙げられる。
分離膜は、隣接する空孔同士が連通する連続空孔(筒壁を貫通する細孔)を備える多孔質体で構成されていることが好ましい。かかる構成の分離膜であれば、水または一酸化炭素の透過率を高めて、水と水素との分離および/または一酸化炭素と二酸化炭素との分離をより円滑かつ確実に行うことができる。
分離膜の空孔率は、特に限定されないが、10~90%であることが好ましく、20~60%であることがより好ましい。これにより、分離膜の機械的強度が極端に低下するのを防止しつつ、水または一酸化炭素の透過率を十分に高く維持することができる。
なお、分離膜の形状は、特に限定されず、円筒状、四角形、六角形のような角筒状等が挙げられる。
二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率をより高める観点からは、酸化状態の還元剤4Rの還元(再生)効率を高めることが有効である。
この場合、分離膜の平均空孔径は、600pm以下であるのが好ましく、400~500pmであるのがより好ましい。これにより、水と水素との分離効率をより向上させることができる。
なお、分離膜は、通常、ハウジングに収容した状態で使用される。この場合、ハウジング内の分離膜の外側の空間は、減圧してもよいし、キャリアガス(スウィープガス)を通過させるようにしてもよい。キャリアガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガス等が挙げられる。
また、分離膜は、親水性を備えることが好ましい。分離膜が親水性を有すれば、水の分離膜に対する親和性が高まり、水が分離膜をより円滑に透過し易くなる。
分離膜に親水性を付与する方法としては、無機酸化物中の金属元素の比率を変更(例えば、Al/Si比を高める等)して分離膜の極性を向上させる方法、分離膜を親水性ポリマーで被覆する方法、分離膜を親水性基(極性基)を有するカップリング剤で処理する方法、分離膜に対してプラズマ処理、コロナ放電処理等を行う方法等が挙げられる。
さらに、分離膜の表面電位を調整することにより、水に対する親和性を制御するようにしてもよい。
一方、酸化側の反応器4aを通過した排ガスに対して分離膜において、一酸化炭素と二酸化炭素との分離を優先させて行う場合、反応器4a、4bの双方を通過した排ガスおよび還元ガスに対して分離膜において、水と水素との分離および一酸化炭素と二酸化炭素との分離の双方を同時に行う場合には、分離膜の構成材料、空孔率、平均空孔径、親水性または疎水性の程度、表面電位等を適宜組み合わせて設定するようにすればよい。
かかる分離膜で反応器4a、4bの管体41を構成することも考えられるが、この場合、分離膜が熱により劣化するため、反応器4a、4bの温度(反応温度)を高温に設定することができない。
これに対して、分離膜を反応器4a、4b外に配置することにより、反応器4a、4bの温度を比較的高温に設定することができ、よって、二酸化炭素の一酸化炭素への変換効率および還元ガスによる還元剤4Rの再生(還元)効率をより高めることができる。
さらに、水を物理的または化学的に捕捉する捕捉材としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル、デシクレイ(クレイ系乾燥剤)、塩化カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。
一方、一酸化炭素を物理的または化学的に捕捉する捕捉材としては、例えば、銅イオンと5-アジドイソフタル酸との錯体、銅アンミン錯体、塩化銅アルミニウム錯体等が挙げられる。
<第3実施形態>
反応部4は、次のような構成とすることもできる。
図4は、第3実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
以下、第3実施形態の反応部4について説明するが、第1または第2実施形態の反応部4との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の反応部4では、第2実施形態の返還ガスラインGL5a、GL5bにベントライン(ベント部)VL6a、6bが接続されている。
本実施形態では、例えば、還元側のベントラインVL6bは、分離部19で分離された水素(分離ガス)の一部を排気するように構成されている。なお、酸化側のベントラインVL6aも、分離部19で分離された二酸化炭素(分離ガス)の一部を排気するように構成されてもよい。
かかるベントラインVL6a、VL6bを接続し、還元側で分離ガスの一部を排気することにより、一酸化炭素、二酸化炭素、副生物であるメタン等のリサイクル系内における存在量を低減することができる。このため、加熱および/または冷却に要するコストを低減して、水素転化率の評価を正確に行うことができる。その結果、ガス製造装置1(ガス製造システム100)のオペレーションが容易となる。
<第4実施形態>
反応部4は、次のような構成とすることもできる。
図5は、第4実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
以下、第4実施形態の反応部4について説明するが、第1~第3実施形態の反応部4との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の反応部4は、さらに、熱交換器(エコノマイザ)18を有している。
この熱交換器18は、反応器4a、4bと分離部19との間に接続され、返還ガスラインGL5a、GL5bを構成する一部の配管を屈曲させ、ガスラインGL4a、GL4bを構成する配管に接近させて構成されている。
かかる構成によれば、分離部19で分離され、入口ポートに返還される分離ガスと、反応器4a、4bを通過して出口ポートから排出されるガスとの間で熱交換により加熱するため、熱の有効利用を図ることができる。
かかる熱交換器18は、例えば、ジャケット式熱交換器、浸漬コイル式熱交換器、二重管式熱交換器、シェル&チューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器等として構成することができる。
<第5実施形態>
反応部4は、次のような構成とすることもできる。
図6は、第5実施形態の反応部の構成を示す概略図である。
以下、第5実施形態の反応部4について説明するが、第1~第4実施形態の反応部4との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、図6には、酸化側および還元側を区別することなく、示してある。
第5実施形態の反応部4では、最下流の反応器4a,4bと、酸化ガスまたは還元ガスを返還する最上流の箇所との間に、2つ以上(少なくとも1つ)の反応器4a,4bが設けられている。
具体的に、図6(a)に示す構成では、複数の反応器4a,4bが直列に接続され、最下流の反応器4a,4bの出口ポートに分離部19が接続されている。また、返還ガスラインGL5a、GL5bは、最上流の反応器4a,4bの入口ポート、中間の反応器4a,4bの入口ポート、最下流の反応器4a,4bの入口ポートに接続されている。なお、分離ガスは、任意の箇所に返還することができる。
一方、図6(b)に示す構成では、複数の反応器4a,4bが直列に接続され、各反応器4a,4bの出口ポートに分離部19が接続されている。また、各返還ラインGL5a、GL5bは、1つの合流し、最上流の反応器4a,4bの入口ポートに接続されている。
また、任意の返還ラインGL5a、GL5bを使用して、所定の反応器4a,4bからの酸化ガスまたは還元ガスを返還することができる。
なお、図6(a)に示す構成と図6(b)に示す構成とを組み合わせることもできる。
図6(a)および図6(b)に示す構成では、このラインは、隣り合う反応器4a,4b同士の間に接続された分離部19を備える。そして、分離部19は、各反応器4a,4bを通過した排ガス(酸化ガス)または還元ガスに含まれる還元剤4Rとの反応による生成する一酸化炭素または水(生成物)を分離することにより、還元剤4Rとの未反応の二酸化炭素または水素(還元物質)の純度が高まった分離ガスが生成され、反応器4a,4bの上流側に返還されるようになる。この場合、分離ガスは、その一部または全部を返還することができる。分離ガスの一部を返還する場合、返還ガスラインGL5a、GL5bの途中に、図4に示すようなベントラインが接続され、このベントラインを介して分離ガスの一部が排気される。
以上説明したようなガス製造装置1(ガス製造システム100)によれば、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを使用して、効率よく炭素有価物を生成することができる。
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記ガス製造装置において、さらに、分離部を有し、前記分離部は、各前記反応器に接続され、前記反応器を通過したガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離するように構成される、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、前記分離部は、前記生成物を冷却により凝縮する凝縮器を備える、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、前記分離部は、前記生成物の分子の通過を許容し、それ以外の分子の通過を阻止する分離膜を備える、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、前記分離部は、前記生成物を物理的または化学的に捕捉する捕捉材を備える、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、さらに、熱交換器を有し、前記熱交換器は、前記反応器と前記分離部との間に接続され、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスと、前記反応器を通過したガスとの間で熱交換するように構成される、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、さらに、ベント部を有し、前記ベント部は、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスの一部を排気するように構成される、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、前記反応器と、前記酸化ガスまたは前記還元ガスを返還する上流側の箇所との間に、少なくとも1つの前記反応器が設けられている、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、さらに、隣り合う前記反応器同士の間に接続された分離部を有し、前記分離部は、各前記反応器を通過した前記酸化ガスまたは前記還元ガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離することにより、前記還元剤との未反応の前記二酸化炭素または前記還元物質の純度が高まった分離ガスの一部または全部を前記反応器の上流側に返還するように構成される、ガス製造装置。
前記ガス製造装置において、前記反応器を通過した前記酸化ガスを返還せず、前記反応器を通過した前記還元ガスを返還するように構成される、ガス製造装置。
もちろん、この限りではない。
既述のとおり、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を何ら限定するものではない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、本発明のガス製造装置は、上記実施形態に対して、他の任意の追加の構成を有していてもよく、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよく、一部の構成が省略されていてもよい。
また、上記第1~第5実施形態の任意の構成を組み合わせるようにしてもよい。
上記実施形態では、反応器を多管式の反応装置として説明したが、管体41を省略して、ハウジング42に、直接、還元剤4Rを充填して構成してもよい。
上記実施形態では、還元ガスとして水素を含むガスを代表に説明したが、還元ガスには、還元物質として、水素に代えてまたは水素とともに、炭化水素(例えば、メタン、エタン、アセチレン等)およびアンモニアから選択される少なくとも1種を含むガスを使用することもできる。
1 :ガス製造装置
2 :接続部
3 :還元ガス供給部
4 :反応部
41 :管体
42 :ハウジング
43 :空間
4R :還元剤
4a :反応器
4b :反応器
5 :濃度調整部
6 :圧縮部
7 :微成分除去部
8 :ガス切換部
8a :第1ガス切換部
8b :第2ガス切換部
9 :ガス精製部
10 :排ガス加熱部
11 :還元ガス加熱部
18 :熱交換器
19 :分離部
20 :炉
30 :タンク
40 :生成ガス排出部
100 :ガス製造システム
GL1 :ガスライン
GL2 :ガスライン
GL3a :ガスライン
GL3b :ガスライン
GL3c :ガスライン
GL3d :ガスライン
GL4 :ガスライン
GL4a :ガスライン
GL4b :ガスライン
GL4c :ガスライン
GL4d :ガスライン
GL5a :返還ガスライン
GL5b :返還ガスライン
GL19a :ガスライン
GL19b :ガスライン
VL6a :ベントライン
VL6b :ベントライン
J4 :ガス合流部

Claims (10)

  1. ガス製造装置であって、
    複数の反応器を有し、
    各前記反応器は、還元剤を収容し、二酸化炭素を含む酸化ガスと還元物質を含む還元ガスとを切り換えて供給可能に構成され、
    前記還元剤は、前記二酸化炭素を還元することにより炭素有価物を生成する金属単体および金属酸化物の少なくとも一方を含み、前記二酸化炭素との接触により酸化状態とされた後、前記還元物質との接触により還元され、
    各前記反応器を通過した前記酸化ガスおよび前記還元ガスの少なくとも一方の一部または全部を、再度、同一の前記反応器の上流側に返還するように構成される、ガス製造装置。
  2. 請求項1に記載のガス製造装置において、
    さらに、分離部を有し、
    前記分離部は、各前記反応器に接続され、前記反応器を通過したガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離するように構成される、ガス製造装置。
  3. 請求項2に記載のガス製造装置において、
    前記分離部は、前記生成物を冷却により凝縮する凝縮器を備える、ガス製造装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のガス製造装置において、
    前記分離部は、前記生成物の分子の通過を許容し、それ以外の分子の通過を阻止する分離膜を備える、ガス製造装置。
  5. 請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
    前記分離部は、前記生成物を物理的または化学的に捕捉する捕捉材を備える、ガス製造装置。
  6. 請求項2~請求項5のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
    さらに、熱交換器を有し、
    前記熱交換器は、前記反応器と前記分離部との間に接続され、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスと、前記反応器を通過したガスとの間で熱交換するように構成される、ガス製造装置。
  7. 請求項2~請求項6のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
    さらに、ベント部を有し、
    前記ベント部は、前記分離部で分離され、前記反応器の上流側に返還される分離ガスの一部を排気するように構成される、ガス製造装置。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
    前記反応器と、前記酸化ガスまたは前記還元ガスを返還する上流側の箇所との間に、少なくとも1つの前記反応器が設けられている、ガス製造装置。
  9. 請求項8に記載のガス製造装置において、
    さらに、隣り合う前記反応器同士の間に接続された分離部を有し、
    前記分離部は、各前記反応器を通過した前記酸化ガスまたは前記還元ガスに含まれる前記還元剤との反応による生成物を分離することにより、前記還元剤との未反応の前記二酸化炭素または前記還元物質の純度が高まった分離ガスの一部または全部を前記反応器の上流側に返還するように構成される、ガス製造装置。
  10. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のガス製造装置において、
    前記反応器を通過した前記酸化ガスを返還せず、前記反応器を通過した前記還元ガスを返還するように構成される、ガス製造装置。
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