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JP2024521812A - 拡張プラズマ閉じ込めのための装置および方法 - Google Patents

拡張プラズマ閉じ込めのための装置および方法 Download PDF

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JP2024521812A
JP2024521812A JP2023573118A JP2023573118A JP2024521812A JP 2024521812 A JP2024521812 A JP 2024521812A JP 2023573118 A JP2023573118 A JP 2023573118A JP 2023573118 A JP2023573118 A JP 2023573118A JP 2024521812 A JP2024521812 A JP 2024521812A
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electrode
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pinch
volume
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JP2023573118A
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シュムラク、ウリ
エー. ネルソン、ブライアン
ティー. マイヤー、エリック
Original Assignee
ザップ エナジー、インコーポレイテッド
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Abstract

様々な電極およびバルブ構成を利用するプラズマ閉じ込めのための方法およびシステムが提供される。一実施例では、装置は、加速体積の外側境界を画定するように位置付けられた第一の電極と、第一の電極に対して同軸に配置され、加速体積の内側境界を画定するように位置付けられた第二の電極と、第一第二の電極間のZピンチプラズマカラムに沿って電流を駆動するための少なくとも1つの電源と、Zピンチプラズマカラムに燃料を供給るために加速体積にガスを提供するための一組のバルブと、を備え、電流の電子流は、第二の電極から第一の電極への第一の方向である。追加的または代替的な実施例では、成形部品は、第二の電極に導電的に接続されて、ガスの存在下で、ガスのガス破壊を引き起こして、せん断流速度プロファイルを生成する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、「APPARATUS AND METHOD FOR EXTENDED PLASMA CONFINEMENT」と題され、2021年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/194,866号、および「ELECTRODE CONFIGURATION FOR EXTENDED PLASMA CONFINEMENT」と題され、2021年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/194,877号の各々に対する優先権を主張する。上述の出願の各々の全内容が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本発明は、少なくとも部分的に、米国エネルギー省によって付与された助成金番号DE-AR001010およびDE-AR001260の下、政府の支援を受けてなされたものである。政府は本発明における特定の権利を有する。
本明細書に別段の示唆がない限り、本節に開示される記述は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術とはみなされず、本節に含めることによって先行技術であるとは認められない。
核融合は、2つの原子核を組み合わせるプロセスである。26未満の原子番号を有する元素の2つの原子核[すなわち、鉄(Fe)よりも低い原子番号を有する]が融合される場合、エネルギーが放出される。エネルギーの放出は、式E=mcによって規定されるように、(例えば、高温融合プラズマ反応器における)融合反応の反応物質と生成物との間の質量のわずかな差に起因する。
核融合については、一部の既存のエネルギー源よりも管理しやすい廃棄物を伴う事実上無限のエネルギーが期待される。
長期間にわたってプラズマ反応が持続する融合プラズマにおける制御核融合は、急成長するプラズマ不安定性によって抑制される場合がある。そのような制御核融合に対する実行可能なアプローチ(以下では、核融合関連の特徴および/または特性を示す名詞または形容詞として、「制御融合」または単に「融合」とも記載される)は、異なるプラズマ閉じ込めアプローチの研究を通して引き続き追求されることになる。こうしたアプローチは、様々なレベルの科学的成熟度にわたって明確な利点を提供する。
本発明の上記およびその他の実施形態、特徴、および態様は、添付図面に示す実施形態の以下の説明に関連してより詳細に考慮される。
図1は、少なくとも1つの実施形態による、せん断速度流のないZピンチのモデリング結果を示す。 図2は、少なくとも1つの実施形態による、せん断速度流が安定化されたZピンチのモデリング結果を示す。 図3は、少なくとも1つの実施形態による、せん断速度流が安定化されたZピンチのモデリング結果を示す。 図4は、少なくとも1つの実施形態による、せん断速度流が安定化されたZピンチのモデリング結果を示す。 図5は、少なくとも1つの実施形態による、統合されたZピンチ質量の結果を示す。 図6Aは、少なくとも1つの実施形態による、方位対称的なせん断イオン速度流を生成および維持するための装置の等角図を示す。 図6Bは、図6Aに示す装置の断面図を示す。 図7は、少なくとも1つの実施形態による成形部品を示す。 図8は、少なくとも1つの実施形態による、Zピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図9は、少なくとも1つの実施形態による、方位対称的なせん断イオン速度流を生成および維持するための装置の概略図を示す。 図10Aは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図10Bは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図10Cは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図10Dは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図10Eは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図10Fは、少なくとも1つの実施形態による、異なる陽極/陰極構成についてのZピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始および駆動するプロセスを概略的に示す。 図11は、少なくとも1つの実施形態による、ベネット平衡にある磁界密度および温度の正規化された径方向プロファイルを示す。 図12Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な時間トレースを示す。 図12Bは、少なくとも1つの実施形態による、初期磁気エネルギーによって正規化された、統合された径方向イオン運動エネルギーの例示的な時間トレースを示す。 図13Aは、少なくとも1つの実施形態による、理想的な5モーメント2流体(5M2F)結果を示す。 図13Bは、少なくとも1つの実施形態による、初期磁気エネルギーによって正規化された、統合された径方向イオン運動エネルギーの例示的な時間トレースを示す。 図14は、少なくとも1つの実施形態による、いくつかの摂動波数を有する理想的な5M2F結果を示す。 図15は、少なくとも1つの実施形態による、理想的な5M2Fモード構造を示す。 図16Aは、少なくとも1つの実施形態による、線形流による安定化を伴う理想的な5M2F結果を示す。 図16Bは、少なくとも1つの実施形態による、放物線状せん断流による安定化を伴う理想的な5M2F結果を示す。 図17は、少なくとも1つの実施形態による、せん断流による理想的な5M2Fモデリングのモード構造を示す。 図18Aは、少なくとも1つの実施形態による、摂動における初期位相シフトを伴う、または伴わない、5M2Fモデルにおけるモード成長挙動を示す。 図18Bは、少なくとも1つの実施形態による、摂動における初期位相シフトを伴う、または伴わない、5M2Fモデルにおけるモード成長挙動を示す。 図18Cは、少なくとも1つの実施形態による、摂動における初期位相シフトを伴う、または伴わない、5M2Fモデルにおけるモード成長挙動を示す。 図18Dは、少なくとも1つの実施形態による、摂動における初期位相シフトを伴う、または伴わない、5M2Fモデルにおけるモード成長挙動を示す。 図19は、少なくとも1つの実施形態による、FuZE様平衡における運動量拡散率を示す。 図20は、少なくとも1つの実施形態による、補正されたおよび未補正のイオン熱拡散率を示す。 図21は、少なくとも1つの実施形態による、不安定性成長速度を示す。 図22は、少なくとも1つの実施形態による、不安定性成長速度を示す。 図23は、少なくとも1つの実施形態による、FuZE様平衡から始まる非線形シミュレーションについてのイオン密度プロファイルを示す。 図24は、少なくとも1つの実施形態による、正規化イオン在庫および熱エネルギーを示す。
本開示の実施形態は、以下の説明を参照することによって、より良く理解することができ、これらは、特定の例示的な実施形態の添付図面と併せて読まれるべきである。本発明の実施を構築および使用できるようにするために以下に記載する図示した実施形態のこの説明は、本発明を限定することを意図するものではなく、その特定の実施例として機能することを意図する。当業者であれば、本開示の同じ目的を実施するための他の方法およびシステムを修正または設計するための基礎として、開示される概念および特定の実施形態を容易に使用し得ることを理解するべきである。当業者はまた、こうした等価な組立品は、その最も広い形態での本開示の趣旨および範囲から逸脱しないことを理解するべきである。
一部の実施例では、軸方向Zピンチ電流を形成および維持するように配設された典型的な電源装置および給電方法は、Zピンチプラズマの安定化に使用可能な十分なせん断速度軸流を生成および維持するのに適していないか、または完全に不可能である場合がある。したがって、Zピンチ放電の境界領域に関連する移行媒体内での十分なせん断速度流の生成および維持のための装置およびプロセスの実施形態が本明細書に説明される。
Zピンチ[例えば、U. Shumlak, B. A. Nelson, E. L. Claveau, E. G. Forbes, R. P. Golingo, M. C. Hughes, R. J. Oberto, M. P. Ross, and T. R. Weber, "Increasing plasma parameters using sheared flow stabilization of a Z-pinch," Phys. Plasmas 24, 055702 (2017); 「Shumlak '17」、参照により本明細書に組み込まれる]に基づく融合装置は、幾何学的に単純であり、本質的にコンパクトであり、比較的低コストであるため、魅力的である場合がある。一部のより最近の刊行物[例えば、U. Shumlak, "Z-pinch fusion," J. Appl. Phys. 127, 200901 (2020); オンラインで公開: 2020年5月27日;「Shumlak '20」、参照により組み込まれる]は、せん断流安定化(SFS)をさらに明確に説明して平衡Zピンチを生成しており、これは他のプラズマ時間尺度よりもかなり長い持続時間、圧縮プラズマ状態を維持する場合がある。
せん断流最適化の1つの領域は、Zピンチ装置の加速体積の真空容積への中性ガス供給およびイオン化ガス供給の両方の増強された制御に関する。既存の装置の例は、融合Zピンチ実験(FuZE)SFS Zピンチ実験装置の真空容器の概略断面図を示す、Shumlak '20の図3に見出しうる。図3では、1つの内部ガスパフバルブが、加速体積の実質的に中央の軸位置に配設されて、選択された中性充填ガスの一部分を「内側電極」を通して提供する(本明細書で「実質的に」という用語が使用される場合は、列挙された特性、パラメータ、値は正確に達成される必要はなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度の限界、および当業者に公知の他の要因を含めた逸脱や変化が、特性により与えられることが意図された効果を妨げない量で発生しうることを意味する)。追加の(外部)ガスパフバルブは、内部ガスパフバルブと径方向に反対側の実質的に同じ軸方向位置で図示され、FuZE SFS Zピンチ実験装置の「外側電極」にある開口部を通して充填ガスの別個の部分を提供するように配設される。
Shumlak '20の図3に図示した配設は、パフバルブの軸方向位置で最大値を一般的に有する実質的に軸対称の中性ガス密度プロファイルを作成するために、ガスパフバルブの位置から周囲の真空体積への中性ガスの拡散に依存する。こうしたプロファイルは、Zピンチ放電の持続時間に匹敵する持続時間の間、せん断速度流を駆動するのに十分な燃料ガスを提供してもよい。中性ガス在庫の枯渇後(例えば、Zピンチプラズマカラムの周りの駆動された流出、および/または囲まれた容積の他の領域へのガスの拡散のため)、高電圧電源からのエネルギーの少なくとも一部が依然として利用可能であっても、Zピンチ電流は不安定性のために減衰する場合がある。中性ガス注入によって作り出されたせん断流プロファイルを増強および改善する目的で、プラズマインジェクター、プラズマガン、またはイオン源を使用した予備イオン化ガスの注入を併せて採用してもよい。
したがって、少なくとも1つの実施形態では、1つ以上のバルブ(例えば、1つ以上のガスパフバルブおよび1つ以上のプラズマインジェクター)は、燃料ガス供給源に流体連結され、燃料ガス供給源から供給される十分な燃料ガス(例えば、中性ガスおよび/または予備イオン化ガス)を、Zピンチ放電の各々の持続時間の間、せん断速度プラズマ流を駆動するように方向付けるように構成されてもよい。具体的には、こうした一実施形態では、十分な中性ガスは、内側電極および外側電極との間の局所的な破壊経路を支持し、せん断速度プラズマ流を確立するように、方向付けられてもよい。追加的または代替的な実施形態では、十分な予備イオン化ガスは、せん断速度プラズマ流を維持するように(例えば、中性ガスを補充するために)方向付けられてもよい。
本明細書に記載の方法および装置に関連して、せん断速度流の安定化は、少なくとも以下のモデリング結果によって支持される。FuZE SFS Zピンチ実験装置を表す軸対称プラズマ構成は、非線形5モーメント2流体(5M2F)プラズマモデルに基づき、WARPXMコンピュータコード[U. Shumlak, R. PLUS, N. Reddell, E. Sousa, and B. Srinivasan, "Advanced physics calculations using a multi-fluid plasma model." Comput. Phys. Comm. 182, 1767 (2011)]を使用してシミュレーションされた。このモデルには、ブラギンスキーに基づく粘度および熱伝導効果が含まれる。
いくつかの選択されたシミュレーション結果を図1~5に示す。せん断速度流なしの結果を、参考として図1に示す。3つの異なる放物線状せん断流速度プロファイルを有する3つの事例の結果を図2~4に示す。事例は、ピンチエッジ(r=a)における特徴的なアルヴェン速度vによって正規化されたr=a(aはZピンチプラズマの公称半径)における異なるせん断流速度値「vsfa」によって区別されてもよい。図示した事例の初期条件(t=0)には、4×1024-3のピーク密度、1.27keVのイオン温度および電子温度、ならびに33.0Tのピーク磁場を有するベネット平衡が含まれる。有効ピンチ半径(a)は0.91mmである。
シミュレーションは、特定の正規化された拡散率限界(difflim =32m・s-1)を使用し、最小拡散率(diffmin =3.2m・s-1)を課す。電子は、最小拡散率に等しい拡散率レベルを有する粘度が与えられる。摂動は、各事例において、ドメインの軸方向長さと等しい波長を有するモードをトリガーするために使用される。
図1では、vsfa=0.0は、せん断速度流を有さない基準事例を示す。時点t=0.000(非摂動Zピンチプラズマカラムの確立に対応)およびt=8.000(径方向アルヴェン時間τに対して正規化)での正規化されたイオン密度の二次元(r/z)断面100および110の概略図を、それぞれグレースケールで示す。さらに、軸方向速度(v)プロファイル120および130(特性的なアルヴェン速度によって正規化v)は、図1のr/aグラフと比べて、v/vに示すように実質的にせん断がない。
図1に表される事例は、安定化のないZピンチが、例えば、磁化されたプラズマ摂動が、非摂動プラズマカラムの軸(r=0)から縁(r=a)に伝搬するために必要な時間によって測定される、比較的少数のアルヴェン時間スケールユニットで成長する実質的なプラズマイオン損失を示す密度摂動140によって示されるように、急成長する不安定性を呈するという理解を支持する。
せん断速度流が安定化されたZピンチの3つの追加のモデリング結果を図2~4に示す。図2に図示した事例は、vsfa=0.25を特徴とする。時点t=0.000(非摂動Zピンチプラズマカラムの確立に対応)およびt=14.000(τに対して正規化)での正規化されたイオン密度の二次元(r/z)断面200および210の概略図を、それぞれグレースケールで示す。初期(t=0)放物線状せん断速度プロファイル220は、(正規化)時間t=14でプロファイル230に進化し、依然として初期プラズマカラム境界r=aの外側で実質的なせん断を示す。イオン密度摂動250は、検出可能であるが、非摂動Zピンチプラズマカラムの初期r=a半径に匹敵する半径に主に局在する。
vsfa=0.5を特徴とする、図3に例示される事例は、図1および図2に例示される事例と比較して、より強い安定化効果を示す。時点t=0.000(非摂動Zピンチプラズマカラムの確立に対応)およびt=26.400(τに対して正規化)での正規化されたイオン密度の二次元(r/z)断面300および310の概略図を、それぞれグレースケールで示す。初期(t=0)放物線状せん断速度プロファイル320は、(正規化)時間t=26.4で摂動イオン軸方向速度プロファイル330に進化し、ほぼ放物線状の径方向依存性と初期プラズマカラム境界r/a=1の外側で実質的なせん断を示す。イオン密度摂動350は、プラズマカラム(r<a)内部の容積に主に局在する。
図4に図示した事例は、vsfa=0.75を特徴とする。図4の結果は、図1~3によって図示した事例と比較して、より強いせん断流安定化効果を示す。時点t=0.000(非摂動Zピンチプラズマカラムの確立に対応)およびt=37.000(τに対して正規化)での正規化されたイオン密度の二次元(r/z)断面400および410の概略図を、それぞれグレースケールで示す。初期(t=0)放物線状イオン軸方向せん断速度プロファイル420は、(正規化)時間で(わずかに)摂動のあるイオン軸方向速度プロファイル430に進化し、実質的な放物線状の径方向依存性を示す。イオン密度摂動450は、プラズマカラム(r<a)内部の容積に主に局在する。
WARPXMコンピュータコードのいくつかの結果を、図5に示す。図5に示すグラフは、t/τ(図1~4の正規化時間tに対応する正規化時間)に対する統合されたZピンチ質量の時間依存性を示す。図5の依存性は、「vsfa」値を特徴とする、せん断流速度値の効果を強調する。安定化がない場合(vsfa=0.0)、Zピンチプラズマの閉じ込めは、t=5(正規化質量500の初期減衰によって示される)後に低下し始め、公称時間t=8.0までに著しい損失を呈する一方で、対応する質量比525、550、および575(それぞれvsfa=0.25、0.5および0.75)はプラズマ閉じ込めの漸次的な増加を示し、十分な軸方向プラズマ電流が供給される限り、安定化Zピンチプラズマが持続され得ることを示すこと、また、プラズマカラムを囲む十分にせん断された方位対称的イオン速度流が生成され、維持されることが観察される場合がある。
少なくとも上記の文脈において、本開示による方位対称的なせん断イオン速度流を生成および維持するための装置および方法の実施形態を、以下に列挙する。安定化Zピンチのためのプラズマ(閉じ込め)装置の特定の実施形態の一部の構成要素を、図6Aおよび6Bにおいて、等角図600(図6A)および断面図610(図6B)で示す。
一般に、図6Aおよび6Bに示す真空容器を有するZピンチプラズマ装置(ただし、電気ケーブルおよび導管、真空ポンプおよびダクト、診断フィードスルー、光学窓などの関連システムは、明確にするために省略)は、本開示に提供される特定の実施形態による、せん断方位速度流の生成および保守の改善されたプロセスに関連する中性ガス供給バルブ(以下で詳細に論じる)を少なくとも除き、特定の他のZピンチプラズマ装置に対して拡大されてもよい。
より具体的には、少なくとも1つの実施形態では、加速体積620は、特定の他のZピンチプラズマ装置の加速体積と比較して増加し、加速体積620の中心軸に実質的に沿って配設される、例えば、少なくとも1つのガスパフバルブ(加速体積620に中性ガスを提供するため)および/またはプラズマインジェクター630(加速体積620に予備イオン化ガスを提供するため)、少なくとも1つの内部バルブ630を介して、ガス混合物(例えば、中性作動ガス混合物)によって充填されるために配設されてもよい。追加的に、または代替的に、複数のガスパフバルブ(加速体積620に中性ガスを提供するため)および/またはプラズマインジェクター640(加速体積620に予備イオン化ガスを提供するため)などの複数の外部バルブは、外部電極または外側電極650として配設されてもよい、外部真空境界上の規則的なアレイとして設置されてもよい。
特定の実施形態に応じて、ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630、640は、充填用中性ガスおよび/または予備イオン化ガスの「パフ」を送達して、わずか1ミリ秒単位までプログラム可能な開始時間に開始し、最大数百μ秒(例えば、最大1ミリ秒)の持続時間を有するように電子的にトリガーされてもよい。(例えば、「パフ」で)送達される充填ガス(本明細書では「燃料ガス」とも呼ばれる)の量はまた、ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630、640に供給される充填ガス圧力を、個々に、またはバルブの選択されたサブセット(バルブのサブセットは、バルブおよび/またはインジェクター630、640の一部のみ、またはすべてのバルブおよび/またはインジェクター630、640のみを含み得る)として調整することによって制御されてもよい。さらに、異なるバルブおよび/またはインジェクター630、640(または複数のバルブおよび/またはインジェクター630、640の異なる組み合わせ)は、例えば、異なる元素比の充填ガスおよび/または異なる同位体比(例えば、調整可能なD/T分子比)を有する異なる充填用ガス混合物によって供給されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、様々なガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクターは、均一であってもよい(例えば、そのように構成可能な場合、同じタイプ/サイズの全てが、同じ動作設定全てを有する)が、他の実施形態では、異なる位置に対して異なるバルブが使用されてもよい。追加的または代替的な実施形態では、1つ以上のガスパフまたは他のガスバルブおよび/またはプラズマインジェクターは、加速体積620内への通路を提供する複数のポートを含むマニホールドを介して、加速体積620内へのガスの流れを制御してもよい。こうした実施形態では、マニホールドのポートは、均一であってもよく、または構成が変化してもよい(例えば、それぞれのバルブが開いている時に、異なる量のガスを加速体積620の異なる位置に送達するため)。
ガスパフバルブを介した中性ガス注入と同様に、イオン化ガスまたはプラズマは、様々な位置のプラズマインジェクターの組み合わせまたはマニホールドを使用して注入されてもよい。ガス混合物から形成されたプラズマはまた、中性ガス注入と類似した様式で生成および注入されてもよい。プラズマ注入は、最終的な軸方向プラズマ分布のより微細な制御、ならびにそのせん断流プロファイルを提供してもよく、これは、プラズマ安定性および寿命のより高忠実度での制御を可能にしてもよい。プラズマ粒子が、注入電極上の可変電気的バイアス(または電圧)によって生成される電界によって加速される場合がある荷電粒子であるという理由で、プラズマ注入のさらなる制御が提供されてもよい。したがって、注入されたプラズマの速度は、存在する任意の中性ガス(例えば、加速体積620内)の破壊の微調整および最適化を可能にするように微細に制御されてもよい。さらに、注入されたプラズマは、注入された中性ガスよりも速い速度で移動してもよく、これはZピンチ放電パルス中に(注入されたプラズマと比較して)ほぼ静的な様式で移動してもよい。このように、中性ガス注入に対して、プラズマ注入は、例えば、Zピンチ放電パルス中に燃料ガスを補充するために、予備イオン化燃料を「オンデマンド型で(例えば、より即座に)」提供してもよい。
いくつかの実施形態では、加速体積620内に注入されるプラズマは、スパークプラグで中性ガスを予備イオン化することによって、または誘導イオン化を介して生成されてもよい。より広義には、ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630、640は、1つ以上の電極プラズマインジェクターおよび/または1つ以上の無電極プラズマインジェクターを含んでもよい。1つ以上の電極プラズマインジェクターが含まれる実施例では、加速体積620内に注入されるプラズマは、少なくとも部分的に、電極放電によって生成されてもよい。1つ以上の無電極プラズマインジェクターが含まれる追加的または代替的な実施例では、加速体積620内に注入されるプラズマは、少なくとも部分的に、外部コイル窓によって生成された誘導放電(例えば、400kHz、13.56MHz、2.45GHzで動作する無線周波数アンテナ、および/または所与の地方管轄で、例えば、連邦通信委員会によって許容される周波数範囲内での使用が許容される他の周波数)によって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、予備イオン化のための中性ガスは、中性ガス貯蔵部(図6Aおよび6Bには図示せず)および/または選択されたプラズマインジェクター構成への中性ガスのコンダクタンスによって制限されてもよい。
いくつかの実施形態では、注入されたプラズマの軸方向分布は、軸対称プラズマインジェクター構成を介して確保されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、8個のプラズマインジェクター640は、マニホールドの8個の等間隔のポートにそれぞれ位置付けられてもよい。8個のポートはそれぞれ、加速体積620のハウジングに対して傾斜角(例えば、加速体積620の中心軸に対して5度~90度)で構成されてもよい。一実施例では、傾斜角は、加速体積620の中心軸に対して45度であってもよい。いくつかの実施形態では、8個のポートは、加速体積620の中心軸に沿った単一の軸方向位置に構成されてもよい(すなわち、8個のポートは、軸方向位置で加速体積620の円周または他の周囲の周りに均等に離間されてもよい)。他の実施形態では、ポートは、8個のポートの複数のセットを含んでもよく、8個のポートの各セットは、加速体積620の中心軸に沿って異なる軸方向位置の周りに均等に離間されている。例示的な実施形態では、8個のポートのセットは、交互配置されたセットの対として構成されてもよく、8個のポートの第一のセットは、第一の軸方向位置に位置付けられてもよく、8個のポートの第二のセットは、第二の異なる軸方向位置に位置付けられてもよく、第二のセットの各ポートが加速体積620の周囲に対して第一のセットの一対のポートの間に位置付けられるように、第一のセットに対して回転されてもよい。具体的には、こうした実施形態では、8個のポートの第一のセットの各ポートは、45度毎に加速体積620の周囲の周りに離間してもよく、8個のポートの第二のセットの各ポートは、第一のセットのポートから45度オフセット(回転)ごとに加速体積620の周囲の周りに22.5度離間してもよく、その結果、第一のセットおよび第二のセットの1つのポートは、22.5度毎に加速体積620の周囲の周りに提供される。追加的または代替的な実施形態では、プラズマ注入は、加速体積620内に方位流を生成するように、例えば、加速体積620の中心軸に垂直な弦に沿って、方位角的に実施されてもよい。追加的または代替的な実施形態では、バルブは、変形の効果を補償することによって実質的に同等のプロファイルを達成するために、他の変形を用いて異なるように構成されてもよい(例えば、非対称的に方位角的に分布、および/または異なる角度分布を有する)。
いくつかの実施形態では、加速体積620を予備イオン化ガスで注入すると、プラズマ温度が1~10eVの範囲であるプラズマをもたらしてもよい。さらに、上述のように、予備イオン化ガスの注入速度は、中性ガスの注入速度よりも著しく大きくてもよいため、加速体積620内のプラズマの速度は、最大50×10m/sであってもよい。いくつかの実施形態では、予備イオン化ガスの注入は、注入された粒子の量に柔軟性を提供してもよい。具体的には、例示的な実施形態では、ある量の予備イオン化ガス粒子は、同量の中性ガス粒子を注入するために利用される時間の1/50で注入されてもよい。例えば、10Torr-L(1333.2Pa-L)の中性ガス粒子を注入するために利用される時間(1Torr-L(133.32Pa-L)は273Kで2.5×1019分子に比例)は、500Torr-L(6666Pa-L)の予備イオン化ガス粒子を注入するために利用される時間と同じ量であってもよい。同様に、いくつかの実施形態では、予備イオン化ガスの注入率(または質量流量)は、電源の電流および電圧(すなわち、注入パルスの波形)に応じて変化させてもよい。一例として、電源電圧(例えば、100V~500V)を増加させることが、同時に注入速度を増加させてもよい。別の例として、電源電流(例えば、1A~500A)を増加させることが、同時に注入率を増加させてもよい。
特に、中性ガスの注入は、パフバルブを通して、または金属水素化物、例えば、スカンジウム、バナジウム、もしくは他の金属に基づく重水素化チタン(TiD)または他の金属水素化物からの水素ガスの放出を通して達成されてもよい。いくつかの実施形態では、パフバルブは、ソレノイド駆動パフバルブであってもよい(ただし、他の構成が実装されてもよく、それらは本開示の範囲内である)。
上述のように、少なくとも1つの内部ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630、ならびに複数の外部ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター640は、個別にまたはグループとして起動されてもよい。 所望の軸方向および方位プロファイルを有する加速体積620の内側の初期ガス負荷は、個々のバルブ/またはバルブのグループを時間設定することによって達成されてもよい。 こうしたバルブ(またはそのグループ)は、例えば、以下に詳細に考察され、図8および10A~10Fに示す実施形態など、中性ガスおよび/または予備イオン化ガスおよび/またはそれらの混合物の到着を所望の初期プロファイルに一致させる様式で時間設定されてもよい。 電源(図6Aおよび6Bには図示せず)は、所望の軸方向位置でイオン化を達成し、初期ガス負荷を利用して、せん断流を生成および維持するように時間設定されてもよい。
プラズマインジェクターを有する(中性ガス)ガスパフバルブの様々な組み合わせを起動して、例えば、所望のレベルの電力出力を達成するために、こうしたパラメータをさらに調整(例えば、最適化)してもよい。さらに、プラズマは、パフされた中性ガスよりも著しく(例えば、約100倍)速く加速体積620内に注入されてもよい。プラズマ注入の中性ガス注入との加速によって許容されるこのような異なる注入速度の組み合わせは、最適化のためのさらに大きなパラメータ空間を提供する。追加的に、プラズマインジェクターは、質量を注入し、中性ガスイオン化の位置を慎重に制御する役割を果たしてもよい。
図6Aおよび6Bに示す実施形態は、内部電極または内側電極660内から延在する少なくとも1つの内部ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630のためのコネクタまたは他の結合要素を組み込むように、あらかじめ組み立てられた加速体積620を組み込む。例えば、少なくとも1つの内部ガスパフバルブおよび/またはプラズマインジェクター630[およびそれぞれの結合要素]は、(45°角度の分離を有する)z=-50cmで(内側電極660の支持されていない端部665のz=0位置に対するものであり、ここで、z軸は、加速体積620の中心軸と一致し、z軸の負の方向が、内側電極660の中心軸に沿って支持されていない端部665から延在し、z軸の正の方向が、支持されていない端部665から加速体積620を通って、負の方向とは反対の方向に延在する)方位角的に対称的に分布された8個のバルブ630を含んでもよく(角度分離を有する)、8個のバルブ630はz=-75cmで同様に分布され、8個のバルブ630はz=-100cmで同様に分布される。図示した実施形態は、より多くの燃料ガスの注入(例えば、より長い持続的なピンチ放電のため)、および加速体積620内の充填用中性ガスの軸方向圧力分布の制御(例えば、せん断速度せん断流の持続時間のさらなる強化のため)を可能にするために、追加のバルブで容易に更新されてもよい。追加的または代替的な実施形態では、バルブは、変形の効果を補償することによって実質的に同等のプロファイルを達成するために、他の変形を用いて異なるように構成されてもよい(例えば、非対称的に方位角的に分布、および/または異なる角度分布を有する)。こうした考慮事項は、プラズマインジェクターに等しく適用されてもよい。
図示した実施形態のガスパフバルブは、様々なインサート、コネクタ、接点、真空または圧力シル、ポッティング、および/またははんだ接合部を回避しながら、トルクおよびその他の関連する応力をより堅牢な主構造要素に直接伝達するために、ツールエフェクタ(例えば、電動器具用の手工具または結合用インサートの力伝達要素)をそれと共に使用できるようにしうるプリズム構造要素を組み込む。
一実施形態では、本開示のガスパフバルブは、0.075インチ以上のオリフィス直径および少なくとも1cmのプレナム容積を組み込むように設計されてもよい。加えて、本開示の実施形態によるガスパフバルブの1つの特徴は、Zピンチ放電の前および間に予めプログラムされた時間で閉じる(および閉じたままにする)能力である。
上述のように(参照により組み込まれる文書を含む)、プラズマおよび関連するせん断速度流の方位対称性の保存は、本開示の実施形態の1つの利点である。したがって、加速体積620の所定の軸方向位置における初期方位対称的プラズマ構造の再現性のある形成および成形は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によって達成されてもよい。様々な実施形態において、様々な「プラズマ形成」装置および方法が使用されてもよい。こうした装置および方法は、プラズマ発生のための専用システム[その一部は、特定の電源および導管および/または複合(予備)イオン化サブシステムに関連付けられた複雑さを説明するように構成されてもよい]、プラズマインジェクター、ならびに調整された動作アルゴリズムおよびその他の方法を含んでもよい(ただし、これらに限定されない)。
図6Aおよび6Bのプラズマ閉じ込め装置は、コントローラまたは他のコンピューティング装置(図示せず)を含んでもよく、これは実行可能な命令が格納されてもよい非一時的メモリを含んでもよい。実行可能な命令は、コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行され、プラズマ閉じ込め装置の様々な機能が実行されてもよい。したがって、実行可能な命令は、プラズマ閉じ込め装置の動作、保守、および試験のための様々なルーチンを含んでもよい。コントローラは、プラズマ閉じ込め装置のオペレーターがコマンドを入力するか、または別の方法でプラズマ閉じ込め装置の動作を修正しうるユーザーインターフェースをさらに含んでもよい。ユーザーインターフェースは、プラズマ閉じ込め装置のオペレーター使用を容易にするための、および1つ以上のディスプレイ、入力装置(例えば、キーボード、タッチスクリーン、コンピュータマウス、押圧可能ボタン、機械的スイッチ、他の機械的アクチュエータなど)、光などのオペレーター入力(例えば、熱核融合のためのプラズマを生成する要求など)を受信するための、様々な構成要素を含んでもよい。コントローラは、プラズマ閉じ込め装置の様々な構成要素(例えば、バルブ、電源など)に通信可能に結合されて、その作動および使用を命令してもよい(明瞭にするために、コントローラと様々な構成要素との間の有線および/または無線通信経路は、図6Aおよび6Bでは省略されている)。
本開示の実施形態に関連するプラズマ開始およびその後の成形部品のいくつかの態様を、図7に概略的に示す。これらの成形部品は、局所電場を強化し、プラズマ破壊を支援する鋭利な点(例えば、局所的な凹形要素725で形成された先端。以下を参照)を含んでもよい。「受動的」(すなわち、電界放出を能動的に駆動する専用の電源またはガス供給部がない)な成形部品700の様々な構成は、1つ以上の内部ガスパフバルブ630に概して近接する1つ以上の負z軸方向位置で、内側電極660の1つ以上の凹部にリング電極嵌合の形態で配設されてもよい(内側電極660およびガスパフバルブ630は図7には示していない。図6Bおよび図8を参照)。こうした部品の1つの重要な機能は、少なくとも1つの実施形態では、すべての径方向への実質的に等しい電流の流れの生成および維持をもたらす、周囲の中性ガスのマルチチャネル破壊を開始および維持すること(様々な実質的に独立した方位角的に分布された径方向放電ストリーマーで開始)である。成形部品700は、様々な実施形態において、ガスバルブの位置、またはそこから下流(例えば、図6Bおよび図8から図10F)に配置されてもよい。鋭利な成形部品は、内側電極660を参照して説明されているが、こうした特徴は、内側電極660、外側電極650のいずれか(図7には示していない。図6A、6B、および図8を参照)、またはその両方で使用されてもよい。いくつかの実施形態では、こうした鋭利な点の近くで電界を強化することは、内側電極660または外側電極650のいずれかである可能性のある陰極(そこから電子が放出される)で有益である。陽極の表面上の鋭利な点はまた、破壊経路が陽極上の成形部品と陰極上の成形部品(例えば、それぞれ内側電極660および外側電極650であってもよい)との間に選択的に確立されてもよいように、含まれてもよい。
図7に示す成形部品700は、内側電極660の円筒状または円錐状または別の方法で先細りした外表面との低接触抵抗表面接触を形成する(例えば、100V未満の少なくとも1つの接触面720と内側電極660との間の電圧降下を引き起こすため)少なくとも1つの接触面720を含むように配設された導電性リング710を組み込む。いくつかの実施形態では、導電性リング710は、内側電極660の導体と完全にまたは少なくとも部分的に化学的および/または熱機械的に適合してもよい1つ以上の導電性材料から形成されてもよい(例えば、動作中に経験される熱および応力は、導電性リング710の寿命使用に認知できるほどの影響は与えない)。さらに、成形部品700のプラズマに面する部分715は、支持された放電による化学的および物理的な損傷に対して耐性のある導体から形成されてもよい。多くの実施形態では、1つ以上の耐火金属(例えば、W、Ta、Nb、Mo、またはReのうちの1つ以上であり、追加的または代替的に、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Tc、Ru、Rh、Hf、Os、またはIrのうちの1つ以上を含む)および/または合金またはそれらの組み合わせは、少なくとも比較的低い化学反応性、比較的高い融点、およびプラズマアブレーションおよびスパッタリングに対する比較的高い耐性のために利用されてもよい。
追加的または代替的な実施形態では、プラズマに面する材料は、黒鉛、焼結炭素粉末またはプレス炭素粉末、炭素繊維マトリクス、および/または構造および組成物を組み込んだカーボンナノチューブを含む炭素の導電性形態に基づいてもよい。プラズマ効果、分解、および損傷に対する相対的な不感応性に加えて、炭素系構造(特にカーボンナノチューブ)は、プラズマ発生段階中に望ましい電子増倍特性を示す場合がある。
他の実施形態では、プラズマに面する部分715は、構造化されたアレイを形成するように、多数の局所凹形要素725を組み込むようにテクスチャ加工されてもよい。特定の実施形態では、こうした要素は、局所電場を強化し、固体(および液体)表面からの電界放出を促進してもよい。要素725は、機械的作用(切断、引っ掻き、研磨、研磨、サンドブラスト、溝削り、チェッカリング、打抜き加工、エンボス加工、ローレット加工などを含む)によって形成されてもよい。また、異なる化学的および/または熱的プロセス(例えば、エッチング、化学堆積、噴霧、スパッタリング、イオン注入および中性注入、エピタキシャル成長など)も含まれてもよい。特定の実施形態では、(例えば、プラズマに面する部分715のサイズと比較して)比較的小さな特性寸法を有する要素725の多数は、任意の個々の要素725が(例えば、アーク放電または局所過熱によって)損傷または変形した時に、幾何学的形状の著しい変化を避けるために生成および維持されてもよい。例えば、要素725は、いくつかの実施形態では1-10%、プラズマに面する部分715(要素725を除く)の高さの平均高さを有してもよい。
少なくとも1つの実施形態では、内側電極660の周りの成形部品700(要素725を含むかまたは含まないかを問わず)は、例えば、内部ガスパフバルブ630のポートがプラズマに面する部分715および少なくとも1つの接触面720の断面を横断する場合に変化する、概して均一な環状リングとして構成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では(例えば、成形部品700が概して均一な環状リングとして構成される時など)、成形部品700は、内側電極660の周りに、および/または内側電極660に沿って変化する断面を有してもよい。単一のリングを形成しない複数の個別の成形部品700が内側電極660の周りに配置される場合などのその他の変形も、本開示の範囲内である。
また、図8を参照して以下で詳細に論じるように、図7に示す成形部品700に類似した成形部品は、外側電極650の内部表面に沿ってリングを形成してもよい。こうした成形部品および対応する接触面(少なくとも1つの接触面720に類似)は、少なくとも1つの接触面720およびプラズマに面する部分715の断面が180°回転して、その外部表面の代わりに外側電極650の内部表面上に来るように収容することを除き、図7に示すように(または本明細書で論じる変形に従って)構成されてもよい。少なくとも1つの接触面720の傾斜はまた、外側電極650の先細りまたは他の表面変化、またはその欠如に適応するために、図7に図示したものとは異なってもよい(例えば、図9を参照して、以下の「先細りした電極構成」の説明を参照されたい)。
図7に図示した成形部品700に加えて、プラズマ形成を補助/制御/方向付ける他の方法を、個別にまたは組み合わせて使用してもよい。1つの可能性は、外側電極650および/または内側電極660に埋め込まれた放射性物質を使用することを含む。具体的には、放射性崩壊プロセスから放射される高エネルギーの粒子または光子は、埋め込まれた放射性物質の近くでの予備イオン化を生じさせ、埋め込まれた放射性物質を含まない領域と比較してプラズマ破壊が増加した領域をもたらしてもよい。例えば、ベータエミッターおよび/またはガンマエミッターが、埋め込まれた放射性物質に対して選択されてもよい。
追加的または代替的な可能性としては、プラズマの予備イオン化が望まれる領域で、外側電極650および/または内側電極660に入射レーザー光を照射することが挙げられる。こうした領域内で、(例えば、外側電極650および/または内側電極660の)電極表面は、入射レーザー光を受けた時に、X線またはその他の形態のイオン化放射線を放射するように特に選択された材料を含んでもよい。追加的または代替的な可能性としては、レーザー光を使用してガスを直接イオン化すること(例えば、レーザー光と中性ガス粒子との直接的な相互作用を介して)が挙げられる。こうした実施形態では、レーザー光は中性ガスを通過し、レーザー経路全体にエネルギーを堆積させ、その結果、予備イオン化およびプラズマ破壊のための方向付けられたチャネル(例えば、周囲の体積よりも大きなプラズマ破壊を有するチャネル)をもたらしてもよい。
プラズマ形成を補助/制御/方向付ける他の方法は、破壊が望ましい電極表面(例えば、外側電極650および/または内側電極660)上に位置する、電界エミッターまたは熱イオンエミッターなどの様々な形態の陰極を利用してもよい。電界エミッターは、比較的高い電界を使用して、小さな鋭利な特徴から電子を放射してもよい。こうしたエミッターの例には、カーボンナノチューブ、グラフェンエミッター、ナノワイヤエミッター、ショットキーエミッターなどのナノ構造が含まれてもよい。追加的にまたは代替的に、プラズマ破壊を引き起こすために、熱イオンエミッターを使用してもよい。こうしたエミッターの例は、比較的高温で電子を放出する加熱タングステンフィラメントを含んでもよい。ショットキーエミッターは、電界強化型熱イオンエミッターとみなされてもよい。
図6A~7を参照して上記で詳細に説明されたプラズマ閉じ込め装置などのプラズマ閉じ込め装置において、Zピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始し、駆動するプロセスの一実施形態が、図8に概略的に示される。プロセスは、この実施例では、概して等しくない持続時間のステップまたは段階810、820、830、840、850、860、870、および880の概略図によって特徴付けられてもよい。特定の実施形態では、プロセスは、ステップ810、820、830、840、850、860、870、および880を順番に実行することを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、プロセスまたはその一部は、プラズマ閉じ込め装置に通信可能に結合されたコントローラなどのコンピューティング装置の非一時的メモリに格納された実行可能な命令として実装されてもよい。さらに、特定の実施形態では、ステップの追加または代替の順序が、こうしたコンピューティング装置上で実行可能な命令として実装されてもよく、プロセスを参照して論じられる個々のステップが、追加、除去、置換、修正、または交換されてもよい。
プロセスは、電極650と660との間の高電圧発生径方向電場(図示せず)の適用、および1つ以上の内部バルブ630および外部バルブ640の逐次的起動(プラズマインジェクター640との組み合わせが可能)を含んでもよい、ステップ810から始まる。バルブ630および640は、初期測定され所定濃度の充填ガス812を局所的に導入するように配設されてもよい。特定の実施形態では、初期化段階中にガスパフおよび/またはプラズマ注入を開始し、時期尚早および/または非対称的なガス破壊に対する追加の保護のために、成形部品700の近傍に十分な初期濃度の充填ガス812を送達し続けることが望ましい場合がある。
ステップ820の間、初期濃度812は、中性ガスの拡散プロセスによって自発的に進化して、加速体積620の実質的な部分(例えば、大部分)を占める中性充填ガス形成822の連続的(例えば、途切れない)な軸対称容積を形成してもよい。いくつかの実施形態では、中性充填ガス形成822の容積は、加速体積620の中心軸に沿って(例えば、内側電極660の支持されていない端部665に向かって)軸方向の中性ガス分子数密度勾配を示し、一方で、充填ガスの初期破壊中の放電ストリーマーの実質的に対称な分布にとって有利な方位対称性を実質的に維持する。特定の実施形態では、中性ガス分子数密度勾配は、パッシェンの法則による破壊が成形部品700で発生するような勾配であり得る。追加的または代替的な実施形態では、予備イオン化されたものは、成形部品700で注入されて、上流に注入された中性ガスの中へと(例えば、支持されていない端部665の反対側の内側電極660の支持された端部に向かって)移動するイオン化波の形成を促進してもよい。
ステップ830の間、成形部品700の幾何学的形状および材料特性によって形成される近位電界構造は、例えば、成形部品700の近くで軸方向に局在化される、内側電極660と(周囲の)外側電極650との間の電流の流れ837を支持する軸対称プラズマ構造835を形成する中性ガス破壊を促進してもよい。電源(例えば、コンデンサバンクまたは類似のもの)からのエネルギーによって支持される電流の流れ837は、実質的に方位角的な磁界838(方位磁場線によって示されるように)を生成ししてもよい、(外側電極650から、プラズマ構造835を通って、内側電極660の中へ、および内側電極660を通って)連続的(例えば、途切れない)電流ループを形成してもよい。追加的または代替的な実施形態では、プラズマ構造835を形成するために、予備イオン化ガスがプラズマインジェクター640から内側電極660の支持されていない端部665に向かって注入されてもよい。
電流の流れ837と磁界838との間のローレンツ力相互作用は、ステップ840の概略図に示すように、成形部品700から支持されていない端部665の方向への電流の流れ837の移動を引き起こしてもよい。さらに、ローレンツ力相互作用は、外側電極650の表面に沿って電流の流れ837を誘導してもよい。
ステップ850の間、電流の流れ837は、支持されていない端部665に向かって、かつそこに至るまで発生し続けてもよい。同時に、電流の流れ837によって囲まれた磁界838によって駆動される磁気圧力は、支持されていない端部665に面するように配設された外側電極650の対向する部分655の方向に、発生中のプラズマ構造835を変位させてもよい。存在する実施形態では、中性ガスの中へと移動するイオン化波は、例えば、内部バルブ630および/または外部バルブ640で、様々な量の予備イオン化ガスを注入することによって制御されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、電流の流れ837を支持するプラズマ構造835の実質的に方位対称性は、電流の流れ837の任意の著しい妨害が不安定性、電極損傷、および/または発生中の放電への金属不純物の導入を引き起こす場合があるため、プロセスの効率に著しく寄与する場合がある。
特定の実施形態では、放電発生ステップ830、840、および850は、例えば、ステップ810(加速体積620を中性ガスで充填することに対応する)またはステップ860、870、および880(Zピンチ放電に対応する)のいずれかよりも著しく短い、1マイクロ秒の何分の一かから数マイクロ秒まで継続してもよい。このように、中性充填ガス形成822は、中性充填ガス形成822がステップ830、840、および850の持続時間よりも有意に長い時間間隔にわたって(例えば、わたってのみ)進化する場合があるため、静止したものとして示されている。
特定の実施形態では、プラズマ注入は、ステップ810と820との間に発生してもよい。追加的または代替的な実施形態では、プラズマ注入は、ステップ830、840、および850と同じ規模で迅速に発生してもよく、このようなステップの形成/初期化およびダイナミクスを制御するために使用されてもよい。
ステップ860は、Zピンチ電流Ipinchを支持するように作成されたZピンチプラズマカラム865の形成を含む、初期Zピンチ動作ステップに対応する。さらに、残留プラズマ構造866は、加速体積620の中性充填ガス形成822を通って流れる残留(径方向の)電流867を支持するように形成されてもよい。さらに、様々な実施形態では、プラズマ構造835の伝播は、Zピンチプラズマカラム865を囲む(および安定化する)初期せん断速度プラズマ流868を駆動してもよい。いくつかの実施形態では、残留プラズマ構造866は、(局所的に)最高数の中性ガス成分の密度(分子および/または原子)によって特徴付けられるように、成形部品700の近傍で開始されてもよい。
上述のように、少なくとも1つの実施形態では、ステップ870での放電持続中、Zピンチプラズマカラム865は、加速体積620からのプラズマ流の継続によって持続および安定化されてもよい。イオン化フロント872は、残留電流867によって加速体積620から加速されたプラズマを継続的に生成して、せん断速度プラズマ流868を駆動してもよい。
ステップ880の間、少なくとも1つの実施形態では、イオン化フロント872は、加速体積620で利用可能なすべてまたは実質的にすべての燃料ガスがイオン化されるまで、加速体積620のブリーチ端部に向かって移動してもよく、残留中性燃料ガスを連続的に(例えば、途切れなく)イオン化してもよく、その結果、イオン化フロント872の消滅およびその後のZピンチ電流の分解Ipinch(例えば、以下に図9で示される電流950などの、Zピンチプラズマカラム865および内側電極660を通る電流)がもたらされる。ステップ810、820、830、840、850、860、870、および880が完了すると、プラズマ閉じ込めシステムは、融合副生成物を除去するために洗浄されてもよく、上述のプロセスが、別のパルスに対して繰り返されてもよい。特定の実施形態では、プロセスおよびその繰り返しは、例えば、プラズマ閉じ込めシステムに通信可能に結合されたコントローラによって実装される、ソフトウェアアプリケーションによって自動化および制御されてもよい。
プラズマ閉じ込め装置の別の実施形態である、Zピンチプラズマ装置900を、図9に概略的に示す。Zピンチプラズマ装置900は、プラズマ閉じ込めチャンバー615の組立品体積635内にプラズマを発生させてもよく、プラズマは、軸方向に対称な磁界によって閉じ込められ、圧縮され、かつ維持される。軸方向に対称な磁界は、プラズマ閉じ込めチャンバー615と面する一対の電極間の放電によって駆動されるせん断イオン速度流によって安定化されてもよい。
例示されたクラスのプラズマ閉じ込め装置に属する装置は、上記で考察され、図6A~図8に示された以前の実施形態に概して関連しており、以下の追加的または代替的なサブシステムおよび機能を除いて、類似の特徴を有する。こうした差異から生じ得る特定の組立品および動作態様を除き、図6A~図8を参照して上記で提供された説明は、図9に示す実施形態にも追加的に適用されてもよい。特定の実施形態では、追加のサブシステムおよび/または機能もまた、図6A~図8を参照して上記で詳細に説明されておらず、図6A~図8に示す実施形態に追加的に適用され得るZピンチプラズマ装置900に含まれてもよい。
例示的な実施形態では、Zピンチプラズマ装置900は、外部真空境界910から物理的および機能的に分離された外側電極650を含んでもよく、外部真空境界910は、内側電極660の部分と共に、プラズマ閉じ込めチャンバー615を含む低圧容器として真空容器645を形成する。中間電極920は、内側電極660の半径と外側電極650の半径との間に半径を有するように位置付けられてもよい。具体的には、中間電極920は、内側電極660を実質的に囲んでもよく、外側電極650は、中間電極920を実質的に囲んでもよい。例えば、内側電極660は、中間電極920によって少なくとも部分的に囲まれた一方の端部665を含んでもよく、中間電極920は、外側電極650によって少なくとも部分的に囲まれた一方の端部965を含んでもよい。
Zピンチプラズマ装置900は、少なくとも2つの機能的に別個の電源、例えば、Zピンチ(放電)電流950(Ipinch)を駆動するように主に配設および制御された少なくとも1つの一次電源930と、残留電流867を駆動するように主に配設および制御された少なくとも1つの追加的な電源940を組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの一次電源930は、少なくとも1つの追加的な電源940とは別個の電源装置であってもよい。その他の実施形態では、少なくとも1つの一次電源930および少なくとも1つの追加的な電源940は、同じ電源装置の構成要素であってもよい。
例えば、少なくとも1つの実施形態では、単一の電源装置は、それぞれの機能の性能を可能にするために電力量を個別に提供する複数の出力を有してもよい(例えば、Zピンチ電流950を駆動する、残留電流867を駆動するなど)。こうした配設は、少なくとも2つの電源(例えば、1つの一次電源930および1つの追加的な電源940)に基づいてもよく、Zピンチ電流950の追加的な制御およびそのせん断流安定化を可能にしてもよい。原則として、少なくとも2つの電源は、Zピンチ電流950およびその安定化が、少なくとも2つの電源のいずれかが貯蔵されたエネルギーが時期尚早に不足するまたは使い果たす前に、相応の期間維持され得るように、スケール、充電、および制御されてもよい。
特定の実施形態では、Zピンチプラズマ装置900は、例えば、(支持されていない)端部665および965の方向に、加速体積620の少なくとも一部分の体積を増加させるために、加速体積620の中心軸に沿って、中間電極920の端部965を外向きに先細りさせることによって、内側電極660と中間電極920との間のギャップを広げることによって特徴付けられる、「先細りした電極」構成を組み込んでもよい。一実施例では、先細りは、加速体積620の中心軸から0°および15°であってもよい。こうした配設は、例えば、中心軸に沿って、残留電流867によって加熱されたプラズマからの中性ガスへの運動量の伝達を容易にし、それによって、せん断流安定化を生成および維持しもよい。運動量伝達は、ジェット推進分野で公知のように、「ラバールノズル」の設計/最適化に適用可能な方法論を使用して説明およびモデル化されてもよい。
本明細書に記載の技術は、熱核融合、および例えば、そこからのエネルギー生成の活用に関連して論じられるが、本明細書に記載の技術は、発熱(例えば、比較的高温を利用する製造)および推進などの他の目的のために使用することができる。例えば、図6A~図8または図9の実施形態は、少なくとも真空チャンバー338または外部真空境界910をそれぞれ除去し、融合生成物が逃れる(例えば、加速体積620の中心軸に平行)ことを可能にするように、外側電極650の一方の端部に開口部を導入することによって修正されてもよい。一実施形態では、磁気ノズル(図9には図示せず)は、外側電極650の下流に、例えば、図9の平面の外側電極650の右に位置付けられて、プラズマを平行化して、任意の排気プルームの発散を低減する。
Zピンチプラズマ装置900は、実行可能な命令が格納されてもよい非一時的メモリを含んでもよい、コントローラまたは他のコンピューティング装置948を含んでもよい。実行可能な命令は、コントローラ948の1つ以上のプロセッサによって実行され、Zピンチプラズマ装置900の様々な機能を実行してもよい。したがって、実行可能な命令は、Zピンチプラズマ装置900の動作、保守、および試験のための様々なルーチンを含んでもよい。コントローラ948は、Zピンチプラズマ装置900のオペレータがコマンドを入力するか、または別の方法でZピンチプラズマ装置900の動作を修正しうるユーザーインターフェースをさらに含んでもよい。ユーザーインターフェースは、Zピンチプラズマ装置900のオペレーター使用を容易にするための、および1つ以上のディスプレイ、入力装置(例えば、キーボード、タッチスクリーン、コンピュータマウス、押圧可能ボタン、機械的スイッチ、または他の機械的アクチュエータなど)、光などのオペレーター入力(例えば、熱核融合のためのプラズマを生成する要求など)を受信するための、様々な構成要素を含みうる。コントローラ948は、Zピンチプラズマ装置900の様々な構成要素(例えば、バルブ、電源など)に通信可能に結合されて、その作動および使用を命令してもよい(明瞭にするために、コントローラ948と様々な構成要素との間の有線および/または無線通信経路は、図9では省略されている)。
図10A~図10Fは、プラズマ閉じ込め装置において、Zピンチ放電の安定化のための方位対称的なせん断流を開始し、駆動するプロセスの一実施形態を概略的に示す。一連の図10A~図10Fは、内側電極が陰極であり、外側電極が陽極である第一の構成(図10A~図10Fが、その中に示される英数字が標準的な様式で配向されるように配向される場合は、図10A~図10Fの左側)と、内側電極が陽極であり、外側電極が陰極である第二の構成(図10A~図10Fが、その中に示される英数字が標準的な様式で配向されるように配向される場合は、図10A~図10Fの右側)という2つの構成を示す。特定のZピンチプラズマ閉じ込め装置は、構築がより容易であり動作を首尾よく行いうる第一の構成に対応してもよい。しかしながら、図11~図24に関して以下でより詳細に論じるように、第二の構成は、本明細書に記載の様々な実施形態による、有利かつ予想外の結果をもたらしてもよい。図10A~図10Fで使用される特定の非英数字の記号(例えば、電流の流れを示す矢印、ガスバルブ、ガス雲、磁界記号、ガス流を示す矢印など)は、図8で使用されるものと同じである。「陰極」と「陽極」でラベル付けされた部分は、同じ名称の部分(「陰極」または「陽極」)に電気的に接続され得ることに留意されたい。図10A~図10Fは、外側電極と物理的に接触するか、または外側電極に直接隣接するガスバルブのセットを示しており、図8を参照して上記に詳細に図示および記載されたバルブの構成などの他の構成もまた、本開示の範囲内であり、これは、図7を参照して上記に詳細に説明されたような1つ以上の成形部品を含んでもよく、また含まなくてもよい。
少なくとも1つの実施形態では、Zピンチプラズマのより大きな安定性は、本明細書に開示されるようなプラズマ閉じ込めシステムを用いて達成されてもよく、外側電極は陰極であり、内側電極は陽極である。具体的には、図11~図24を参照して以下でより詳細に論じるように、Zピンチm=0不安定性、および径方向にせん断された軸方向の流れによるその安定化は、非線形の理想的な5M2Fモデル、ならびにブラギンスキーによる熱および運動量の輸送を含むそのモデルの拡張を使用して研究される。理想的な5M2Fモデルを使用して、線形成長速度の結果を、磁気流体力学(MHD)およびホールMHDを使用した以前の研究と比較する。径方向にせん断された軸方向の流れを有する、または有さないシナリオでは、ホールMHDとの一致は優れており、2流体項の中で、ホール項が優勢であることを示唆する。小イオン慣性長の限界では、結果はMHDにも一致する。せん断のないm=0安定性のセル内粒子(PIC)モデリングとの比較は、最近の実験結果に基づくプラズマシナリオに焦点を当てる。モード波数のスキャンでは、理想的な5M2F結果は、PICと定性的に類似しており、波数の低下ではなく増加に伴い成長速度の飽和を示すMHD結果とは対照的に、成長速度は中程度の波数でピークまで上昇し、大きな端数で低下する。ピーク正規化された5M2F成長速度は、γτ=1.5であり、式中、τは、ピンチ全体にわたるアルヴェン輸送時間である。ピークは、正規化された波数ka=10で発生し、式中、aは有効ピンチ半径である。比較のために言うと、PIC結果は、ka=5でのピーク成長γτ=0.77を有する。5M2Fモデルのブラギンスキーによる閉鎖を含むことは、この特定の事例における理想的な結果を定性的に変化させない。放散型のブラギンスキーによる閉鎖を用いた非線形5M2Fモデリングは、アルヴェン速度の半分に等しいピンチエッジせん断流速度の場合に行われる。せん断流による非線形混合は、飽和準定常状態をもたらし、ピンチイオン在庫およびピンチ熱エネルギーのわずかな損失をもたらし、それぞれおよそ30%および10%である。5M2Fモデリングは、m=0不安定性の本質的な物理学を捕らえ、m=1不安定性を含む3D Zピンチ挙動の高忠実度モデリングへの計算的に追跡可能な経路を提供する。
SFS Zピンチ研究からの実験的証拠は、影響力の大きい数値安定性分析と共に、径方向にせん断された軸方向の流れが観察された長いプラズマ寿命を可能にすること、静的Zピンチは、典型的には、径方向のアルヴェン輸送周波数に近い成長速度を有するm=0(ソーセージ)およびm=1(キンク)不安定性によって終了されることを示唆する。
計算モデリングからの洞察は、進行中のSFS Zピンチ発生の重要な部分であると予想される。プラズマパラメータが将来の実験で増加するにつれて、高忠実度モデリングを使用して、プラズマ形成、組立品、および閉じ込めに関与する様々なプロセスを探索することができる。特に関心のあるプロセスには、例えば、電子ドリフト微視的乱流によるせん断流の有効抵抗率の持続に関連付けられるデフラグレーションモード、および流動Zピンチ自体のダイナミクスが含まれる。
5モーメント多流体モデルは、対象の物理を正確に捉えるための優れた候補である。5モーメント2流体(5M2F)プラズマモデル(イオンおよび電子を表す2つの流体を有する)は、Zピンチ不安定性のモデル化のために以前に適用されており、電子クロスフィールドドリフト速度がイオン熱速度を超えるとき、現実的なm=0成長速度および興味深い電子ドリフト不安定性を捕らえている。5M2Fモデルは、動態モデルの忠実度(しかし、法外な計算費用)と、MHDに基づくアプローチの計算処理可能性(ただし限定された忠実度)との間の効果的な妥協を可能にし得る。
本明細書に提示される研究は、せん断流の有無に関わらず、5M2Fモデルを適用してm=0不安定性を探索する。5M2Fモデルは、イオンおよび電子に対する有限慣性長補正、ならびに有限光速度の効果も含む。電子慣性が無視でき、光速度が無限である限界では、結果はホールMHDの結果と一致するはずである。いくつかの実施例では、線形化されたホールMHDモデルを適用して、放物線状せん断流プロファイル(vsf∝r)によりベネット平衡のm=0安定性を研究する。同じセットアップを使用して、ただし非線形MHDモデルを用いて、線形(vsf∝r)および放物線状のせん断流プロファイルの両方を考慮して、追加の作業を行った。以下では、これらのMHDおよびホールMHDの結果に対するベンチマークとして5M2Fモデルを使用する。
完全なブラギンスキー閉鎖を伴う5M2Fモデルの物理的忠実性を評価するために、クーロン衝突を含むm=0Zピンチ安定性の完全動態(すなわち、ジャイロ運動学ではないか、または別の方法で低減される)PICモデリングを用いて比較を行う。その作業では、PICモデルを適用して、線形せん断流プロファイルを有するFuZE様のベネットプロファイルを研究する。せん断流のないkaのスキャンは、MHDの結果と類似した成長速度を最大ka=5まで示し、この時点でPIC成長速度が最大に達する。より大きなkについて、PIC結果は、典型的には、大きなkで一定の成長速度または成長速度の増加を示すMHD結果とは異なり、成長速度の減少を示す。せん断流を有するka=5でのシミュレーションは、
に対するm=0安定性を示す。衝突が低減された反応器様条件で実施された安定性分析は、類似の結果をもたらす。
所与の種に対する5モーメントの流体方程式は、関連するボルツマン方程式のモーメントをとることによって導出される。ブラギンスキーによって説明されるように、種αに対するボルツマン方程式の最初の3つのモーメントは、五つの独立した変数である数密度(nα)、3つの運動量成分(
、式中、mαおよび
は種の質量および速度)、およびスカラー圧力(pα)について、発展方程式をもたらす。5モーメント多流体モデル、およびその5M2Fへの減少を以下に要約し、ブラギンスキーによる閉鎖の詳細を以下に提示する。WARPXMフレームワークにおけるモデルの実施についても、以下で論じる。
種αに対するボルツマン方程式のモーメントは、以下の流体方程式をもたらす。
式中、
は総流体エネルギー密度であり、qαは種電荷である。単位行列は、
によって表される。一実施例では、断熱係数Γ=5/3が使用される。種温度は、関係pα=nααによって決定され、式中、kはボルツマン定数である。以下で論じる非理想的な項は、応力テンソル(Πα)、熱流束(
)であり、ソースタームS α、S α、およびS αであり、これは、種間の反応および相互作用からの粒子、運動量、およびエネルギーの衝突源を表す。この例では、合計で5つの方程式、すなわち、2つのスカラー方程式および1つのベクトル方程式があり、「5モーメント」という指定が生じる。別段の記載がない限り、すべての式はSI単位である。
流体方程式は、磁界(
)および電界(
)に対するマックスウェル方程式に結合され、
式中、μおよびεはそれぞれ、自由空間の透磁率および誘電率である。電流密度
および電荷密度
(合計はαを超える)は、流体方程式への結合を提供する。発散の制約である方程式(6)および(7)が初期値問題で満足される場合、それらは数学的に満たされたままであり、方程式(4)および(5)は、
および
の発展を完全に記述する。この厳密な数学的保証は、数値誤差またはドメイン境界のいずれかの存在によって破壊され、制約を明示的に保存する定式化を動機付ける。本明細書に提示される結果では、発散の制約は十分に満足されており、そのような特別な定式化は使用されない。
5M2Fモデルに到達するために、種はイオンおよび電子、α=i,eに限定される。衝突ソースタームは、イオンと電子との間のクーロン散乱によってのみ生じる。具体的には、結果として生じる源は
、および
であり、ここで、
および
は、それぞれ運動量およびエネルギーの摩擦交換である。5M2Fモデルの物理的および数値的な側面は、以前の作業で詳細に説明される。
このモデルは、ブラギンスキーに続いて、チャップマン‐エンスコッグ型の閉鎖を使用してクローズされる。応力テンソル(Πα)および熱流束(
)は、ブラギンスキーによる定式化に従って指定され、任意の磁化xα=ωcαταを可能にし、式中、ωcαは、サイクロトロン周波数であり、ταは、種αに対する衝突時間である。
運動量および熱交換の項(
および
)は、以下のように正当な理由で省略される。摩擦運動量交換は、時間スケール
でバルクプラズマ運動量を修正し、ここでτは電子衝突緩和時間である。熱エネルギーの交換は、同じ時間スケールで発生する。
の場合、式中、τdynは、関心対象の動的時間スケールである場合、摩擦および熱交換項は、精度を失うことなく省略されてもよい。条件
は、例えば、以下に考慮されるFuZE様プラズマで満足される。項は、特定の計算上の課題を示すものではないが、提示および分析が、m=0不安定性挙動にとってより重要な粘度項および熱流束項に集中することを可能にするために省略される。
熱流束は次式であり、
式中、プラスおよびマイナスの符号は、イオンおよび電子それぞれについて、反磁性熱流束項(
を含む)で取られる。磁界方向は、
の場合に
である。
は対称方向にあるため、
が関与する項は省略されている。直角を成す熱伝導率は、
かつ、反磁性熱流束係数は、
式中、
である。電子について、定数は、
イオンについては
磁化は、xα=ωcαταとして計算され、式中、サイクロトロン周波数はωcα=eB/mαである。水素イオンを仮定すると、種衝突周波数は、以下である:
および
これらの式では、lnΛは、本明細書の10に等しいと仮定されるクーロン対数であり、温度はeV単位である。イオン電子摩擦に関連する熱流束の一部はここで省略されていることに留意されたい。この軸対称式では、その部分は、
であり、式中、
である。この項は、Zピンチの大部分にわたって大きいωceτという仮定下で省略される。
応力テンソルは、歪み速度テンソル、
および5つの粘度係数、η、η、η、η、およびηから構築される。偶数の粘度係数は、
式中、
である。奇数の係数ηおよびηは、ωciを2ωciで置き換えることによって、ηおよびηから求められ、すなわち、η=η(2x)およびη=η(2x)である。本明細書では、円柱座標系は、それぞれ、径方向、方位角的、および軸方向座標r、θ、およびzとともに使用される。磁界は厳密に方位角的方向に取られる。ゼロ方位速度および方位角的方向への変形がないと仮定すると、応力テンソルの構成要素は、次式である:
ブラギンスキーが考察したように、ηに比例する項は、プラズマの圧縮または膨張に関連する応力に対応する。ηに比例する項は、磁界にわたる拡散と関連付けられ、ステップサイズはラーモア半径に等しく、ステップ周波数は、衝突によって設定される。係数ηは、運動量の反磁性流束であるジャイロ粘度と関連する。ηおよびηに比例する項は省略された。電子粘度は、同様のイオン温度および電子温度について、電子粘度係数η 、η 、およびη は、それらのイオン対応物よりもそれぞれ約(m/m1/2、(m/m)、および(m/m3/2小さく、電子速度勾配およびイオン速度勾配が同等であることをさらに仮定して、この実施では省略される(数値目的のために適用される等方性粘度を除く)。
ブラギンスキーによる輸送係数に対する3つのタイプの補正が、本明細書で考慮される。第一は、粒子衝突時間と比較して時間スケールが長い係数を導出する際になされる仮定に関する。プラズマ圧縮または膨張によるr-z平面の応力は、非磁化粘度η=0.96pτによって調節される。ブラギンスキーが説明したように、
(圧縮)は応力を増加させ、一方で
(膨張)は応力を減少させる。この応力の大きさは
である。物理的機構は以下の通りである。連続方程式は、動的時間スケール
に関して、
(nの勾配を無視)を示す。次に、流体中に流束が凍結されると仮定すると、
である。イオンのラーモア軌道サイズが圧縮領域または膨張領域のサイズと比較して小さいと仮定すると、磁界の増加は、横断速度の増加および関連する横断エネルギーおよび応力の増加を与える。この効果は、連続運動シミュレーションで観察されるように、温度異方性として現れる。増加したエネルギーは、τによって設定された時間にわたり横断方向と平行方向との間で分割されるが、このプロセスは、ジャイロ緩和として知られている。
では、横応力は、およそpδB/Bである。δB/B=1については、例えば、応力の大きさは等方圧力と類似している。τ<τdynの場合、応力は、高速等分配により低減される。しかしながら、τ>τdynの場合、導出時効果は非物理的に強く、δB/B=1に対する等方圧力よりも大きな応力を与える。ここで実装されるモデルでは、補正係数、
は、η係数に適用される。ここで、
は代表的なイオン衝突時間である。この補正に使用される形態は、トカマクにおいてブラギンスキーによるモデリングで一般的に用いられる平行熱流束補正と類似している。代表的な衝突時間を使用することによって、この補正は、局所のプラズマパラメータに応じて変化するものではなく、大域的な定数である。このアプローチは、τdynの先験的な仕様を必要とする。m=0Zピンチ不安定性をモデル化するために、τdynは、特徴的なピンチ半径をアルヴェン速度τで割ったものとして定義される、特徴的なアルヴェン時間に設定される(本明細書での完全な定義を参照)。
第二および第三の補正は、関心の長さスケールと比較してラーモア半径が大きい場合のブラギンスキーモデルの破壊に関連する。(小さなラーモア半径が通常想定されるトカマクモデリング界では、これらの補正のアナログはない)。1つはグローバルな補正であり、
の場合
であり、それ以外の場合
である。これは代表的なラーモア半径
および関心の長さスケールlに基づく。線形依存性による補正rは、ラーモア半径が特徴サイズより大きい場合でも、強力な輸送を可能にする。ラーモア半径に対する方程式(24)の非線形依存性は、より物理的に妥当である。
の場合、補正は1/2であり、
の場合、補正はより強くなる(例えば、
の場合は
)。この補正は、ジャイロ粘度(η)および反磁性熱流束(
)、ならびにηに関連する横断(r-z平面の)応力にも適用可能であり、これは、スケール長lを有する勾配によるラーモア軌道サイズの変化に関連付けられる。τdynについて、lは先験的と指定される。既知の波数kを有するモードの線形成長のモデリングのための賢明な選択は、l=k-1である。非線形モデリングでは、賢明な選択はl=kmax -1/2であり、式中、kmaxは、線形成長が最大である波数である。線形成長速度はk>kmaxについて低下する傾向があるため、この選択は、輸送補正が高速成長モードに適用されることを確実にする。
大きなラーモア半径の他の補正は、磁界がゼロに近づき、ラーモア軌道がもはや単純ならせんではなくなるr=0に近い特別状況に関連する。r=0から径方向に移動すると、ラーモア軌道は有限となり、最終的に半径に一致する値に到達し得る。臨界半径、rcritを使用して、この位置に近似させるために、r依存補正、
の場合
であり、それ以外の場合
が適用されて、イオン軌道がもはや単純ならせんではなくなるr=0の近くで輸送を減少させる。この補正は、ηおよび
にのみ適用される。方程式(24)の上記考察で言及したように、fcorr の非線形依存性は、局所ラーモア半径が円筒軸からの距離を超える強いカットオフを与える。r=0の近くの小さな磁界の領域も、ηに関連する横応力に影響を与えると予想されることに触れる価値がある。しかしながらr=0でゼロに近づく代わり、ηは、非らせん軌道の領域内でのランダム歩行プロセスを表す何らかのレベルで、垂直輸送ηと一致するべきである。関連する補正はここでは試行されない。
これら3つの補正係数の組み合わせは、ブラギンスキーによる輸送がZピンチ安定性に与える基本効果を探索するのに十分である。本明細書にさらに記載するように、補正係数の例は、FuZE様平衡との関連で提示される。
WARPXMモデリングフレームワークは、ルンゲ・クッタ不連続ガレルキン(RKDG)法に基づく技術を使用して、三角形の非構造化格子上の5M2Fモデルを解決するために使用される。WARPXMはMPI並列化を使用し、RKDGのスケーラビリティは、大きな寸法性を持つ問題に適している。
使用される明示的な時間進行のため、最も速い時間スケールを解決しなければならない。双曲線現象については、時間ステップサイズ(
)は、
に従って制限され、ここで、uは波速度であり、heffは有効な格子分解能であり、Cは、選択された特定のルンゲ・クッタ・スキームに依存するが、典型的には
である、クーラン数である。5M2Fの適用では、多くの場合、光の速度c=1/(με1/2が最も速い速度である。より大きな
を可能にするために、εを人工的に増加させることによってcが低減されてもよい。システム安定性を確保するためには、cは電子熱速度
を超えなければならない。電子質量を人工的に増加させて
を低減することによって、
のさらなる増加が可能である。物理的精度を保つために、cおよびmへの変更を抑える必要がある。許容可能な全体Δtは、双曲線物理学によってだけでなく、振動および拡散挙動によっても制限される。角周波数を有する振動ωは、
を必要とする。拡散挙動については、時間ステップは
を満足させる必要があり、式中、Dは関連する拡散率であり、Cは、次数が一致した拡散性のクーラン数である。この
への制限は重度となる可能性があり、物理的に正当化されたときには、拡散率を人工的に減少させることが有用である場合がある。各ステップでのこれらの制限の全てを説明するため、
が使用される。
WARPXMの3つの追加の詳細については、説明が正当化される。まず、主変数の離散化が不連続であるため、ブラギンスキーによる閉鎖に関連する流束に必要となる勾配を正確に計算するために特に注意が必要である。この問題に対処するために、Bassi-Rebayのアプローチが使用される。第二に、円柱座標系に対応するために、ベクトル解析演算は、直線導関数およびソースタームの観点から記述される。例えば、ベクトルの発散
は、多くの場合、次式のように記述される。
方位角導関数は、本明細書に記載される軸対称システムの特定の実施形態ではゼロである。動径導関数が関与する項は、以下のように再記述できる:
次いで、WARPXMのインフラは最初の2つの項を自然に処理することができ、最後の項はソースタームとして含まれる。カール、テンソルの発散、およびベクトル勾配の演算も、直線導関数および円筒ソースタームの観点から記述される。第三の詳細は、これらの円筒ソースタームの空間統合に関する。WARPXMで実装された基本的なDG方法は、ルジャンドル・ガウス・ロバット(LGL)ノードの値に基づく求積法を使用してソースタームを統合する。三角形は、エッジ上にLGLノードを有し、そのため一部のノードはr=0にある。次いで、求積法を実行するには、r=0でのソースタームの計算が要求される。円筒ソースタームの一部は、主変数の一次導関数をrで割ることを伴う。ロピタルの定理を適用するには、二次導関数に関する知識が必要となる。二次導関数の必要性を避けるために、LGL求積法は、三角形の縁上に求積点を有さない対称ガウス求積法に置き換えられ、それ故に、0をr=0で割ることが回避される。
拡散ベネットZピンチ平衡は、以下に提示されるモデリングの焦点である。この平衡は、ピンチ半径(a)およびプラズマ電流(I)によってパラメータ化されてもよい。次いで、方位角的磁界(Bθ)、軸方向電流密度(j)、および総プラズマ圧力(p)が、次式による与えられる:
図11は、ベネット平衡状態における磁界(Bθ)、密度(n)、および温度(T)の正規化された径方向プロファイルを示す。
全圧は、イオン圧力および電子圧力からの等しい寄与からなる。均一な温度(T)は、密度(せん断のない平衡ではn=n=n)が圧力(p/2=nkT)に比例すると仮定する。プラズマ質量および電流の正確に半分が、r=a内に含有される。r=aでの全圧は、r=aでの磁気圧力Bθ /(2μ)に等しい。それぞれのピーク値によって正規化されたこの平衡の磁界、密度、および温度プロファイルを、図11に示す。
5M2Fモデルにおける運動量平衡は、以下を必要とする:
および
せん断流(以下を参照)の場合を除き、平衡Eがゼロであるように、同等かつ反対のイオン軸方向速度および電子軸方向速度が仮定される。したがって、viz=-vez=j/(2en)であり、本明細書の実施形態では、電荷q=-q=eを有する一価イオンを想定しており、eは素電荷である。jおよびnは同じ径方向依存性を有するため、これらの速度は径方向に均一である。総電流は
を満たし、ローレンツ力が各種の径方向圧力勾配のバランスを取る。viz=0との平衡状態を確立するために、静的MHD平衡で一般的に仮定されるように、ガウスの法則を満たすために随行する電荷分離と共に、有限Eが必要である。5M2Fモデルを使用したいくつかの以前の作業は、viz=0とE=0の平衡を使用する。このような場合、平衡状態の周りでの振動が存在するが、成長速度決定の観点からはおそらく良性のものである。
せん断流を以下のように平衡に加える。イオン軸方向速度はviz=j/(2en)+vsfである。半径が線形または放物線状であるせん断流速度は、本明細書では、すなわち、vsf(r)=v sfr/aまたはvsf(r)=v sf(r/a)と考えられ、v sfは、r=aでのせん断流速度である。必要とされる電界は、n=nにより方程式(29)によって決定され、せん断のない平衡から変化しない。ガウスの法則は、nを見つけるために使用される。軸方向電流は、せん断のない平衡から変化せず、vezはそれに応じて設定される。次いで、電子圧力は、方程式(30)によって決定される。実用的な関心(
)のvsfのために、電子密度および圧力は、せん断のない値とはわずかに(≪1%)のみ異なる。
ここで使用される摂動は、既知のアプローチを使用して径方向に局在化され、任意の位相シフトを含む。位相シフトを含めることによって、摂動モード形状は、適用されたせん断流プロファイルおよびその他のプラズマパラメータに依存する、最終的な固有モード構造と密接に一致することができる。摂動密度および電流密度は、n+δnおよびj+δjであり、
および
であり、式中、kは摂動波数である。位相シフトは、パラメータφ0および係数rζによって決定され、ζ=1および2は、それぞれ線形および放物線状のせん断流を用いたシミュレーションで使用される。径方向の局在化は、パラメータb=a/3を使用する。イオンおよび電子速度に加えられる摂動はδviz=-δvez=δj/(2en)である。平衡磁界は変化しないため、ファラデーの法則はバランスが取れておらず、その結果、摂動に応答して電界が直ちに進化し始める。
計算ドメインは、r-z平面において長方形である。軸方向長さは、摂動波長、すなわちLz=2π/kと一致する。ドメインの径方向の範囲は4aである。このドメインセットアップは、m=0不安定性解析に関する以前の研究と一致する。軸方向境界は周期的である。r=0では、標準の軸対称境界条件が使用される。ベクトル量の動径成分および方位角成分はゼロであり、一方、ベクトル量のスカラーおよび軸方向成分は径方向変化を有さない。r=4aでは、完全滑り導体壁境界条件が適用される。すなわち、径方向速度、径方向磁界、および軸方向電界はゼロである。密度、圧力、軸方向速度、径方向電場、および軸方向磁界は、径方向変化を有さない。
以下の分析および考察では、いくつかの特徴的な量を使用する。特徴的なアルヴェン速度は、v=Bθ,pk/(npkμ1/2であり、ここでBθ,pkおよびnpkは、ピーク磁場および数密度である。特性時間は、τ=a/vとして定義される。イオン熱速度はvTi=(2kT/m1/2である。イオンラーモア半径はrLi=mTi/eBθ,pkである。熱速度は、
としてのアルヴェン速度に関連する。水素イオンが想定される。
aおよびIの所与の選択について、圧力は決定されるが、密度および温度はまだ指定されていない。密度および温度は、ピンチサイズ:イオンラーモア半径比a/rLiを指定することによって確立される。vTiの定義を使用して、Tを解決することで、以下が与えられる:
イオン密度および電子密度は、関係nkT=p/2から続く。
理想的な5M2Fモデルでは、正規化された不安定性成長速度γτなどの正規化されたダイナミクスは、a/rLiの選択に依存するが、aおよびIの特定の選択は重要ではない。しかしながら、ブラギンスキーによる輸送は、プラズマ特性(密度、温度、および磁界)に依存し、ブラギンスキーによる閉鎖を伴う5M2Fについて以下で論じる用途では、a、I、およびa/rLiは全て指定される。
Sotnikov et al. [V. I. Sotnikov, I. Paraschiv, V. Makhin, B. S. Bauer, J. N. Leboeuf, and J. M. Dawson, "Linear analysis of sheared flow stabilize of global magnetohydrodynamic instabilities based the Hall fluid model," Phys. Plasmas 9, 913 (2002)]は、線形化されたホールMHDモデルを適用して、様々なホールパラメータ強度による、ベネット平衡状態におけるm=0不安定性の成長を研究する。ホール効果は、εSot.=c/(ωpiR)を使用してパラメータ化され、式中、ωpi=[ni0/(ε)]1/2はイオンプラズマ周波数であり、Rはモデル化されたドメインの半径であり、ni0はr=0でのイオン密度である。パラメータεSot.をa/rLiと関連されるために、Sotnikov et al.はR=3aを使用することに留意されたい。前述のrLiおよびvTiを使用すると、関係は
であることが見出される。εSot.=0.1および0.01を用いるSotnikov et al.の事例は、ベンチマーク事例として使用され、これらは
に対応する。Sotnikov et al.によって使用される特性時間は
τSot.=R/vTi
によりアルヴェン時間に関連し、εSot.=0.1についてのせん断流がないka=10/3での成長速度は、γτ=1.27であり、εSot.=0.01はγτ=0.80であることに留意されたい。εSot.=0の場合、ホールMHDモデルは、理想的なMHDであるγτ=0.73に減少する。
せん断流のない理想的な5M2Fシミュレーションでは、MHDおよびホールMHDの結果との緊密な一致が見られる。m=0不安定性の線形成長速度は、非線形シミュレーションの線形成長段階から決定される。正規化された軸方向波数ka=10/3を用いて、4~200の範囲のa/rLiの成長速度を図12Aに示す。これらのシミュレーションでは、質量比はm/m=1/100であり、摂動レベルはε=10-3である。成長速度は、イオン流体(
)の体積積分径方向運動エネルギーの変化を考慮することによって見出され、virは、t~tの指数関数的成長期間中に、イオン径方向速度である。成長速度は、以下のように計算される。
初期磁気エネルギーがMEである、ln(KEi,rad./ME)の例示的な時間トレースを、図12Bに示す。
図12Aおよび図12Bは、ka=10/3での理想的な5M2F結果を示す。図12Aは、4~200の範囲のa/rLiの成長速度を示す。a/rLiが大きい場合、5M2F成長速度は、純粋なMHD(破線)についてSotnikov et al.によって見出される結果と一致する。より小さいa/rLiについては、5M2F結果は、対応するSotnikov et al.の結果に近い。図12Bは、初期磁気エネルギーによって正規化された、統合された径方向イオン運動エネルギーの例示的な時間トレースを示す。垂直の点線は、線形成長が測定される期間を括弧で囲み、破線は、測定された指数関数的成長を示す。
比較的大きなラーモア半径レジームの結果を、再びka=10/3について、図13Aに示す。
の場合、m/m=1/100を使用する結果は、実質量比m/m=1/1836を有する結果と類似しており、
で最大
だけ逸脱する。急速な成長は、
を有する領域に現れる。以下でさらに探索されるように、この急速な成長は、電子ドリフト不安定性に起因する。径方向イオン運動エネルギー成長を、a/rLi=1.2について図13Bに示す。急速な運動エネルギー成長は、シミュレーションの終わり付近の
で見られる。解決法の検査により、急速な成長が、計算格子によって設定された波長を有する高kモードの発展によることが示される。格子を精密化することは、より速いより高kモードをもたらし、したがって、摂動ka=10/3モードの成長速度を識別するという目標に対して逆効果である。摂動モードの線形成長期間は、
を用いたシミュレーションでは非常に短く、シミュレーションされた成長速度を正確に決定することは困難であり、
を用いた事例で見出された成長速度は、約10%の誤差を有する。
図13Aおよび図13Bは、小さなa/rLiに焦点を当てた、ka=10/3での理想的な5M2F結果を示す。図13Aは、2つの電子イオン質量比について、0.75~4の範囲のa/rLiの成長速度を示す。1.5~4のa/rLiについて、成長速度はゆっくりと変化する。およそ1.1未満のa/rLiでは、より速い成長が観察される。図13Bは、初期磁気エネルギーによって正規化された、統合された径方向イオン運動エネルギーの例示的な時間トレースを示す。
a/rLiの追加のスキャンは、ka=20/3,40/3,および80/3で実施される。これらのシミュレーションは全て、m/m=1/1836を使用する。結果を図14に示す。電子ドリフト不安定性に起因する高速成長を有する領域は、領域
内で持続する。成長しない領域は、
である領域に現れ、摂動波数が増加するにつれて拡大する。所与のkaについて、成長は、rLiがモード波長に近づくにつれてゼロになる。kaに関して、減衰した成長が予想されるa/rLi以下の値は、
として近似されてもよい。ka=40/3では、例えば、
であり、図14に見られる結果と一貫している。ゼロ成長領域は(a/rLidampから
まで延在し、ここで電子ドリフト不安定性が現れる。
図14は、いくつかの摂動波数を有する理想的な5M2F結果を示す。高速成長モードは、
で持続するが、摂動波数が増加するにつれて、成長のない領域が現れ、拡大する。
/m=1/100およびka=10/3については、線形成長モードの密度構造が、a/rLi=4、10、および50について図15に示される。大きいrLiでは、+z方向におけるモード構造のわずかなドリフトが視認可能であり、a/rLi=4では、総シフトは、軸方向波長の約1/8である。大きなrLiで傾斜が見られ、より小さな半径での構造よりも、より大きな半径での構造は+z方向により大きくシフトする。図15の結果の空間分解能は、三次空間精度による64×16(径方向×軸方向)セルである。
図15は、a/rLi=4、10、および50での理想的な5M2Fモード構造を示す。ピーク平衡密度に対して正規化された密度の変化の10進数対数を、r-z平面にプロットする。a/rLi=50(MHD様)では、破線の楕円形で示される単一のローブが放射構造を支配する。より小さいa/rLiでは、2つのローブが存在し、a/rLi=4の場合には破線の楕円形によって示される。より小さいローブは、軸の近くに存在し、主ローブとは整列しない。
図12Aに示す成長速度値には、誤差
がある。この結論に達するには、3つの既知の誤差原因が考慮される。
空間分解能:スキャンは、三次空間精度で、ベース空間分解能40×10(径方向×軸方向)セルを使用する。a/rLi=4、10、および50では、空間分解能に対する収束挙動が研究される。いずれの場合も、ベース分解能での誤差は<0.1%である。図15に示すように、特徴サイズは、軸方向ドメインの半分であり、5つのセルによって表される。三次表現(二次多項式を使用する)では、精度は非常に良好である。モードの径方向表現は、軸方向表現と同等に良好かまたはそれよりも良好である。
質量比:強化された電子質量m/m=1/100がスキャンで使用される。実質量比(m/m=1/1836)を使用するシミュレーションは、a/rLi=4、10、および50で実行され、強化された質量に関連付けられる誤差を決定するために使用される。誤差は、a/rLi=4、10、および50で、それぞれ1.0%、0.6%、および0.8%である。m/m=1/100を用いて、5M2Fモデルにおける組み合わせられたイオン-電子流体密度は、MHD流体のイオン-電子流体密度よりも1%大きいため、1%ほどの誤差が予想される。2流体効果が強い状況では、電子質量の増加は、図13Aに見られるように、より大きな誤差の原因となり得る。
光の速度:光の速度は、スキャンで
に設定される。a/rLi=4、10、および50では、シミュレーションは、光の速度が2倍になり、各事例において最高
まで、さらに2倍となって、実行される。この範囲にわたって、測定された成長速度の変化は、a/rLiの3つの値すべてにおいて<0.5%であり、電磁波速度の低減はモデル化された不安定性に対してわずかな影響のみを有することを示す。
線形および放物線状のせん断流プロファイルを有するka=10/3モードの理想的な5M2Fシミュレーションは、MHDおよびホールMHDを使用した以前の作業と同様の結果をもたらす。図16Aおよび図16Bは、せん断流強度v sfのスキャンにおけるm=0成長速度を示す。a/rLi=50を有する5M2Fモデルからの成長速度を、MHD結果と比較し、a/rLi=2.357を有する5M2Fを、同等のホールパラメータを使用するホールMHD結果と比較する。示されるように、a/rLi=50でのMHD様5M2Fモデリングは、線形および放物線状のせん断流プロファイルを有する理想的なMHDモデリングと定性的に類似した結果をもたらす。完全な安定化は、ピンチエッジ速度が
である状態で起こる。a/rLi=2.357を有するプラズマでは、線形せん断流を有する5M2Fシミュレーションは、安定化にv sf/v>0.6が必要とされることを示す。(ホールMHDによる線形せん断流の同等のシミュレーションは容易には利用できないことに留意されたい。) 放物線状せん断流では、5M2Fモデリングは、線形せん断流の事例と同様に、v sf/v>0.5でのa/rLi=2.357を有するプラズマの安定化が示唆される。5M2Fモデリングは、MHDおよびホールMHDの結果とよく一致している。
図16Aおよび図16Bは、線形および放物線状のせん断流による安定化を伴う理想的な5M2F結果をそれぞれ図示する。すべてのシミュレーションはka=10/3である。MHDおよびホールMHDモデリングで見られる成長速度を比較のために示す。図16Aに示すスキャンは、「neg(負の)v sf」と表示した逆せん断流によるスキャンを含み、図16Aのその他のスキャンは正のv sfを有する。
ホールMHDを用いた以前の作業(および本明細書で論じたPIC結果)は、正のせん断流、すなわち、正の値v sfを使用した。図16Aに示すように、2流体効果はせん断流方向に依存することを予想して、スキャンは、負のv sf、すなわち逆のせん断流で実施される。せん断流の安定化効果は、流れが逆転したときに低減され、安定化にはv sf>vが必要とされる。a/rLiが大きくなるにつれて、せん断流で見られる成長速度は、正または負であれ、せん断流方向とは無関係に、MHD結果に近づく。
図17は、せん断流を有する理想的な5M2Fモデリングにおけるモード構造を示す。示されるように、MHD様(a/rLi=50)プラズマおよび大ラーモア半径(a/rLi=2.357)プラズマについて、線形(上段)および放物線状(下段)のせん断流の結果を示す。すべての事例は、「neg」と表示された負の線形せん断流を有する1つの事例を除き、(本文で論じる意味で)正のせん断流を使用する。すべての場合において、ピンチエッジでのせん断流速度は|v sf|=0.3vである。
せん断流は、軸方向に指数関数的に成長するモードを延伸する。図17は、せん断流速度|v sf|=0.3vを有するシミュレーションのためのモード構造を示す。所与のa/rLiについて、線形および放物線状の結果を比較すると、放物線状せん断流は、モード構造をより小さい半径に制限する。a/rLi=2.357を有する線形せん断流について、正および負のせん断流の両方の結果を示す。負のせん断流を有する場合、構造の軸近傍のローブと主ローブとの整列は、観察されたより大きな成長速度を促進するようである。
こうした伸張の存在下で安定的な指数関数的成長を正確に捕捉するために、分解能および摂動サイズおよび形状が慎重に選択される。モード構造の完全な展開には、プラズマパラメータおよびせん断流の詳細に応じて、およそ5τまたはそれ以上かかる。摂動レベルがε=10-3である場合、せん断のないシミュレーションで使用される場合、非線形性は、完全な展開前のモード成長に影響を与え得る。したがって、これらのせん断流シミュレーションでは、より小さな摂動が使用される。これらの場合では、小さな摂動の成長を不明瞭にし得るノイズを制限するため、および、摂動された軸方向波数で迅速に成長し、発生を妨害し得る短波長モードの意図しない播種を最小化するため、より高い分解能も使用される。短波長モードは、強い2流体効果が高k成長を抑制するため、a/rLi=2.357を有する場合では問題が少ない。高k成長および非線形性に対する困難をさらに軽減するために、本明細書の他の箇所で論じるように、位相シフトが含まれる。位相シフトパラメータの適切な値φは、φ=0を用いて予備シミュレーションを実行し、非線形性または高kモード成長による成長の中断前に、シミュレーションの後期段階でモード伸長を観察することによって見出される。第二および最終的なシミュレーションについては、初期状態の形状が、予備シミュレーションで見られる伸張モードにほぼ合致するように、φが選択される。図18A~図18Dは、位相シフトされた初期状態を有するまたは有しない、モード成長の例を示す。位相シフトがない場合、モード伸長は、シミュレーションが最終的に高k成長によって中断される前に成長速度を着実に減少させ、
で観察可能である。位相シフトを含めることによって、シミュレーションは線形成長の期間に急速に入る。図18Aおよび図18Cの線は、r/10間隔で計算されたデータを表す。図18Bおよび図18Dでは、t時間でのγτ値は、t=tおよびt=t-2τを有する方程式(34)を使用して計算される。
MHD様5M2Fシミュレーション(a/rLi=50)はすべて、五次要素およびε=10-5を有する64×16(径方向×軸方向)セルを使用する。大型rLiシミュレーション(a/rLi=2.357)は、四次要素およびε=10-7を有する64×16(径方向×軸方向)セルを使用する。位相シフトを表Iに示す。
表I:せん断流を用いた理想的な5M2Fシミュレーションに使用される設定。位相シフトパラメータφは、せん断流を有する各実行に対して与えられる。線形せん断流については、全体的な位相シフトはでφrであり、放物線状せん断流れについては、φである。方程式(31)および(32)を参照されたい。
これらのシミュレーションにおける正確な線形成長速度からの偏差は、10%以下かつ一般に数パーセント以下であると推定される。このレベルの誤差は、主に高kモードと非線形性を同時に回避することに関連する課題に起因して、せん断のない結果よりも高い。
図18A~図18Dは、摂動における初期位相シフト(実質的には傾斜)の有無に関わらず、5M2Fモデルにおけるモード成長挙動を示す。結果は、ピンチエッジ速度v sf=0.3vを有する線形せん断流を含む、MHD様レジーム(a/rLi=50)におけるシミュレーションについてである。図18Aは、初期磁気エネルギーによって正規化された径方向イオン運動エネルギーの発展を示す。図18Bは、0.1τ間隔での運動エネルギー成長から導出された、正規化された成長速度γτを示す。各プロットされた値(×)を見つけるために使用されるアプローチは、本文で論じられる。赤い線は、個々の値の1-τ移動平均を示す。図18Cおよび図18Dは、図18Aおよび図18Bに類似しているが、摂動位相シフトφrがφ=2πを有する場合である。
PICモデリングを使用した最近の研究では、FuZE様平衡でのm=0不安定性が考慮された。以下の考察では、平衡を提示し、この平衡におけるブラギンスキーによる輸送の実施に関連する詳細を以下に提供する。また、以下では、ブラギンスキーによる輸送を用いた5M2FモデリングをPIC結果と比較する。
ベネット平衡は、典型的なFuZEプラズマを表すために使用される。上記で詳細に論じたように、図11の正規化されたプロファイルは、I、a、およびa/rLiを選択することによって寸法が与えられてもよい。以前の作業の後、FuZE様平衡は、a/rLi=5.825、a=0.91mmおよびI=300kAを有する。これらの選択は、Bθ,pk=33.0T、npk=4.25×1024-3、およびT=1.27keVを与える。関連する特性時間およびアルヴェン速度は、τ=2.61nsおよびv=3.49×10m/sである。
動力学的補正を含むブラギンスキーによる閉鎖モデルが、本明細書に提示される。ここで、補正前後の輸送係数は、特にFuZE様平衡であるとみなされる。図19は、補正された粘性拡散率および未補正の粘性拡散率を示す。補正は、方程式(23)、(24)、および(25)に従って行われる。方程式(23)では、
は、ピーク密度で計算されたτであり、τdyn=τである。方程式(24)では、本明細書で論じる特徴的なイオンラーモア半径である
はrLiであり、lは、k-1に対応して0.2aであるように選択され、ka=5である。方程式(25)では、rcrit=0.5aであり、半径自体と合致する位置r=0.31aに匹敵する。粘度係数を質量密度(ρ=m)で割ることによって、拡散率が見出される。以下で論じるブラギンスキーによる熱輸送係数はまた、比較を容易にするために拡散率として表される。補正係数η /ρは、η /ρ=fcorr τcorr η/ρとして見出される。拡散率限界Dlimもまた強制され、Dlimはr=aでのη /ρに等しい。拡散率限界は、単に数値的な理由から課される。すなわち、η /ρに関連する拡散は、典型的には、シミュレーションで使用され得る最大時間ステップを設定する。Dlimを課すことによって、関心対象のダイナミクスは維持されるが、時間ステップは著しく増加され得る。補正係数η /ρは、η /ρ=fcorr corr η/ρとして見出される。補正係数η /ρは、η /ρ=max(η /ρ,η/ρ)として見出される。
図19は、FuZE様平衡における運動量拡散率を示す。未補正の拡散率( なしの係数)は、非物理的および/または数値的に困難な特徴を有する。拡散率は、主文に記載されるように、これらの問題に対処するために補正される( を有する係数)。補正は、方程式(23)、(24)、および(25)に従い行われ、l=0.2aおよびrcrit=0.5aである。
図20は、補正されたイオン熱拡散率および未補正のイオン熱拡散率を示す。補正は、運動量拡散率に関して、l=0.2aおよびrcrit=0.5aを使用して行われる。運動量拡散率に使用される拡散率限界も課されるが、これはr=0近くの小さな領域でのみ
に影響する。電子熱拡散は示されていない。ブラギンスキーによる電子輸送項では、反磁性熱流束項のみが保持され、関連する係数
は、r=0に非常に近いことを除いて、そのイオン対応物とほぼ同一である。その領域では、径方向変化
は、
よりも極端である。特徴的な電子のラーモア半径はlと比較して小さいため、方程式(24)と同様の補正係数fcorr は適用されない。電子のラーモア半径が半径自体と一致する位置は0.09aであり、そのため、rcrit=0.2aの使用は妥当であろう。この小さいrcritを使用し、方程式(25)に従ってfcorr を適用すると、r=0.15で300m・s-1付近でピークに達する
が得られる。rcrit=0.5aは、r=0.4で120m・s-1付近でピークに達する
のより数値的に追跡可能なプロファイルを与えるように選択される。r=0.4以上では、
は、図20に示す未補正の
とほぼ同一である。
図20は、FuZE様平衡におけるイオン熱拡散率を示す。未補正の拡散率( なしの係数)は、非物理的および/または数値的に困難な特徴を有する。拡散率は、主文に記載されるように、これらの問題に対処するために補正される( を有する係数)。補正は、方程式(24)および(25)に従い行われ、l=0.2aおよびrcrit=0.5aである。
シミュレーションは、すべてのブラギンスキーによる輸送項のうち、ηによって調節される横応力がm=0不安定性成長に最も強い影響を与えることを示す。ジャイロ粘度および反磁性熱流束と比較してηの効果を研究するために、3つの一連のシミュレーションを固定波数ka=5で行う。結果を図21に示す。ηの強度をスキャンする目的で、上述の2つのグローバル補正係数、すなわち、fcorr τcorr の積は、単一の乗数fη0で置き換えられ、これは修正された非磁化粘度 η =fη0ηを計算するために使用される。第一のシリーズでは、上述の完全なブラギンスキーモデルが適用され、ジャイロ粘度係数および反磁性熱流束係数にrcritベースの補正が適用されるが、大きなラーモア半径の補正はそれらの係数には使用されない。第二のシリーズでは、ジャイロ粘度は省略されるが、反磁性熱流束は保持される。第三のシリーズでは、反磁性熱流束は省略されるが、ジャイロ粘度は保持される。完全なブラギンスキーモデルを使用して、fη0が0.1に近づくにつれて、モデル化された成長速度はPIC結果に近づく。小さいfη0では、ジャイロ粘度および反磁性熱流束の寄与は各々、理想的な5M2F値から成長速度の中等度(
)の減少をもたらす。fη0が0.1に近づくにつれて、ジャイロ粘度の役割は低減される(すなわち、図21では「ジャイロ粘度なし」の結果は、「完全なブラギンスキー」結果に近づく)が、反磁性熱流束の役割は、中程度のままである(すなわち、「反磁性熱流束なし」の結果は図21の「完全なブラギンスキー」結果よりも
高いままである)。図21に示す5M2F結果は、実電子質量(m/m=1836)、摂動サイズε=10-3、および三次要素により40×10(径方向×軸方向)セルを使用する。
図21は、非磁化粘度係数ηに対する全体の乗数fη0の関数としての、ka=5での5M2F m=0不安定性成長速度を示す。完全なブラギンスキーモデル、完全モデルからジャイロ粘性項を引いたもの、および完全モデルから反磁性熱流束項を引いたものの結果を示す。PICからのka=5での結果(Tummel et al. [K. Tummel, D. P. Higginson, A. J. Link, A. E. W. Schmidt, D. T. Offermann, D. R. Welch, R. E. Clark, U. Shumlak, B. A. Nelson, R. P. Golingo, and H. S. McLean, "Kinetic simulations of sheared flow stabilization in high-temperature Z-pinch plasmas," Phys. Plasmas 26, 062506 (2019)]は、比較のために含まれる。
kに対する成長速度の依存性を試験することは、補正されたブラギンスキーによる輸送を有する5M2Fモデルを適用することが、PIC結果の一部の特徴を共有する結果をもたらし得ることを示す。図21に示すように、完全なブラギンスキーモデルは、PICと同様の成長速度fη0=0.06をもたらす。(全体係数fcorr τcorr =0.018は、図19に示す補正された拡散率η =ρのために使用されることに留意されたい。) 固定されたfη0=0.06でkaをスキャンすると、γτはkaにより上昇し、図22に示すように、ka=23でもピークに達する兆候を示さない。fη0=0.06を使用したこのスキャンでは、大ラーモア半径の補正は使用されない。概してkaでγτが上昇する理由は不明である。追加のシミュレーションは、ジャイロ粘度および反磁性熱流束が省略された場合でも、高kでの上昇が持続することを示す。結果は、大きなη(上記で論じたように、非物理的に大きい)を使用することは、広範囲のkaにわたってPIC結果を再現する好適なアプローチではないことを示す。結果は、上記で論じた完全にサイズに基づく補正モデルを用いたスキャンについても示されている。そのスキャンでは、fη0=fcorr τcorr であり、l=k-1であり、fcorr はηおよび
に適用される。サイズに基づくモデルでは、高kでの成長の減少が回復される。しかしながら、特に、結果は、比較のために示される理想的な5M2F結果と類似している。最後に、スキャンは、非線形モデリング用に設計された輸送補正を用いて行われる。本明細書の論理的根拠の考察を参照されたい。非線形セットアップでは、l=0.1aおよび最小拡散率Dmin=0.01avを、ηおよび
に適用する。Dminに基づく等方性電子粘度も含まれる。補正は、方程式(24)および(25)に従って含まれ、rcrit=0.5aであり、固定特徴サイズl=0.1aを有する。この非線形セットアップでは、成長速度が減少し、実電子質量およびDmin=0が使用される場合よりもPIC結果とより類似した結果が得られる。図22のシミュレーションに使用される質量比を凡例に示す。摂動は繰り返しになるがε=10-3であり、分解能は三次の40×10セルである。
図22は、ka=5~23の範囲のモード波数での、5M2F m=0不安定性成長速度を示す。Tummel et al.によるPICモデリングの結果が、比較のために含まれる。一定の粘度補正係数fη0=0.06を使用して、成長速度は高kで非物理的に増加する。l=k-1を使用したサイズに基づくモデルでfη0を計算すると、ピーク成長速度が
で見られ、成長速度は理想的な事例のように、kが増加するにつれて減少する。また、非線形モデリングに使用される補正された輸送モデルでの結果も示されている:強化された電子質量(m/m=1/100)は、固定サイズl=0.1aおよびfη0は拡散率最小Dmin=0.01avに基づく。非線形セットアップは、PIC結果と最も類似した成長速度を与える。
上述のモデルは、より厳密に非線形であるが、これまでに提示された結果は、不安定性成長、すなわち、平衡状態からのわずかな偏差をもたらす成長の線形レジームのみを考慮してきた。本項では、非線形レジームへのプラズマ発生を追跡するシミュレーションについて考慮する。この非線形モデリングを可能にするために、高分解能および人工的に大きな垂直輸送の組み合わせが使用される。WARPXMを介して容易に利用可能な数値方法は、勾配が急勾配になる強力な数値的散逸を本質的に提供せず、多項式表現は、シミュレーションを終了することができる非物理振動(ギブスの現象に類似)の影響を受けやすい。人工的な垂直粘度および熱伝導率は、鋭い勾配を弛緩させるのに役立ち、高分解能は、それらを解決するのに役立つ。
本明細書に提示されるシミュレーションでは、最小拡散率
がηおよび
に適用され、等方性電子粘度η /ρ=η /ρ=Dminavに使用され、ρ=mである。図19および図20に見られるように、η/ρおよび
はそれぞれ、r=aで、およそ0.04および0.27m・s-1である。これらは、それぞれ、レイノルズ数およびペクレ数
および
に対応する。人工最小拡散率は、これらを
に減少させる。方程式(24)および(25)による動態補正は、特性時間で行われ、特徴サイズは、τdyn=τおよびl=0.1aに設定される。この非線形モデリングに特有の追加の補正は、反磁性熱流束項および運動量流束項に関連付けられた外側動径境界の近くでの偽の数値挙動を防止するために行われる。係数ftruncは、プラズマの外側領域でηおよび
を切断するために適用される。具体的には
r>rtruncの場合、
であり、
それ以外の場合、
trunc=1 (35)
式中、rmax=4aおよびrtrunc=2aである。反磁性流束の困難さは、5M2F変数の導関数に対する境界条件と関連している。原理的には、良好に挙動する境界条件が可能であるが、上記の切断は、関心領域
における非線形プラズマダイナミクスの正確なシミュレーションを可能にする。
ka=5でPICとの比較に使用されるものと同じ初期条件を使用して、ただし放物線状せん断流が適用された状態で、シミュレーションは、分解能が四次要素により96×24(径方向×軸方向)セルに増加するように行われる。摂動では位相シフトは使用されない。放物線状せん断流強度の範囲を、v sf/v=0、0.25、0.5および0.75を用いて研究する。v sf/v=0および0.5を有する事例では、二次元密度プロファイルの進化をそれぞれ図1および図3に示す。せん断流速度が増加するにつれて、プラズマの径方向放出が制限される。これは、正規化されたピンチイオン在庫および総熱エネルギーが時間の関数としてプロットされる、図23にさらに示される。ピンチイオン在庫および熱エネルギーは、以下のように定義される。
および
正規化された量は、N(t)/N(t=0)およびW(t)/W(t=0)である。せん断のない事例では、ピンチはシミュレーションの終了までに初期在庫の50%を失い、一方でv sf/v=0.5の事例では、
が失われる。熱エネルギー損失は、せん断のない事例では
であり、v sf/v=0.5の事例では
である。
図23は、シードモードka=5を有するFuZE様平衡から始まる非線形シミュレーションのイオン密度プロファイルを示す。プロファイルは、軸方向に3回繰り返され、r=0にわたって反映される。せん断流がゼロ(上段)の場合、t=10τによって、径方向のジェット様構造が発生する。v sf/v=0.5(下段)の場合、成長は遅れ、不安定性構造がせん断され、せん断によって径方向の程度が制限され、緩和されたほぼ平衡状態がt=35τによって確立される。
図24は、FuZE様非線形シミュレーションのための、初期在庫およびエネルギーによって正規化された、r=a内の正規化されたイオン在庫および熱エネルギーを示し、v sf/v=0、0.25、0.5および0.75である。すべての場合で、ka=5である。せん断流を含むことで、粒子およびエネルギーの閉じ込めが改善される。
本明細書に提示される結果は、小さなa/rLiで急速に成長する不安定性を示す。不安定性は、以前の5M2Fモデリングでも見られるように、電子ドリフトモードとして特定される。電子クロスフィールドドリフト速度
がvTiに近づくか、又はそれを超える箇所で、低域混成ドリフト不安定性(LHDI)およびイオン音波不安定性という、2つの重要な電子ドリフト不安定性(微小不安定性とも呼ばれる)が存在する。ここで使用される5M2F平衡では、径方向に均一な電子ドリフト速度はvdr=j/(en)である。jおよびnに対する平衡表現の使用により、以下が与えられ、
r=aで評価される方程式(26)は、IをピークBθで置き換えるために使用され、rLiの定義が適用される。したがって、不安定性は、vdr>vTiであるように、a/rLiの領域で予想される。この予想は、
で図13A~図14で見られるように、急成長モードの存在と一貫する。LHDIはrLeよりも小さい波長で発生するため、観察された不安定性はLHDIではない可能性が最も高い。a/rLi=1.8では、
である(m/m=1836である)。考慮される最も短い摂動波長はka=80/3と、rLeよりも
倍大きい関連する波長
を有する。LHDIの代わりに、不安定性は、イオン音波不安定性であり得る。論じるように、この不安定性は、
の場合のみ、一価イオン化プラズマで予想される。ここで考慮されるプラズマのように、T=Tの場合、音波速度はイオン熱速度に匹敵し、音波はランダウ減衰される。5M2Fモデルは、ランダウ減衰を捕捉しないため、
を有するレジームでは、イオン音波不安定性が認められ得る。将来の研究では、5M2Fモデルにおけるイオン音波モードおよびLHDIの挙動が、より詳細に考慮されてもよい。
a/rLi=2.357での、5M2Fモデルを用いた正のせん断流の存在下での線形成長のモデル化は、ホールMHDモデリングとほぼ同一の結果をもたらす。線形または放物線状のせん断流プロファイルのいずれかでは、完全な安定化が
について起こると予測される。この結果は、v sf/v=0.75でのFuZE様プラズマの安定化を示す、せん断流安定化についてのPIC結果と一致する。負のせん断流(すなわち、r=0かつr>0で電流と反対方向のイオン流ゼロ)では、安定化効果はより弱く、安定化はv sf/v>1について起こると予測される。SFS Zピンチ実験では、安定したプラズマ動作中にピンチエッジで観察されたせん断流速度は、典型的には
である。ピンチエッジ近くの速度の勾配は、放物線状プロファイルよりも急勾配が高いことが観察される場合があるため、このような集中した勾配が、観察された安定性において役割を果たす可能性がある。しかし、別の可能性は、実験的なせん断流ではベネットプロファイルを安定化しないことであり、むしろ、(m=0)安定性がより低いレベルのせん断で安定するようにプロファイルが緩和されるため、観察されるm=0安定性が生じ得ることである。
補正されたブラギンスキーによる輸送を伴うまたは伴わない、実イオン/電子質量比を有する5M2Fモデルを、図22に示す。特に、5M2F成長速度ピークは、2倍高く、ピークは、PIC結果での
に比べて
で生じる。5M2F結果は、高kで成長速度のロールオーバを再現し、PIC結果と定性的に類似している。5M2Fモデリングにおいてピークがより高くかつシフトする原因を理解するには、さらなる調査が必要であるが、運動学的効果が影響しているようである。ジャイロ運動学モデリングは、全ての大rLi効果ではないが一部を捕捉する(例えば、ジャイロ軌道平均化は含まれない)静電モデルおよび単純化したジャイロ運動学のポアソン方程式を用いても、PICとの緊密な一致を示す。これらの結果を、ホールMHD、理想的な5M2F、および連続動態モデリングを用いたケルビン-ヘルムホルツ不安定性(KHI)の分析と比較することは興味深い。その作業では、ホールMHDを用いたKHI成長速度は、動態結果よりも高い。5M2Fの成長速度は動態よりも速いが、ホール-MHDの結果よりもはるかに近い。
図3に示す非線形モデリング結果は、中程度のせん断流(放物線状ではv sf/v=0.5)では、初期不安定性後、プラズマが、元のピンチ質量の半分超および初期ピンチエネルギーの80%を超える準安定した構成を確立することを示す。さらなる研究は、この自己組織化挙動が実際の実験挙動に似る可能性があるかどうかを理解するために必要である。
以前のMHDモデリングは、せん断流は、長いモードよりも短い波長m=0モードをより効果的に安定化することを示した。上記のka=5非線形シミュレーションと同じ設定を使用して、ka=5/3および中程度の放物線状せん断流(v sf/v=0.5)を用いたシミュレーションを実行して、より長い波長不安定性の非線形閉じ込め挙動を探索する。不安定性はより迅速に成長し、質量およびエネルギーはより早く失われるが、総損失は同等である。さらに、より現実的なノイズの多いZピンチプラズマを表すために、「マルチモード」の事例が
で実行される。すなわち、ドメイン長さは、L/a=6π/5(ka=5/3の1つの波長の捕捉)、最大ka=25(15波長が捕捉される)までの各利用可能なモードが摂動するような長さである。各モードについて、方程式(31)および(32)の位相は、φがランダムに選択され、径方向依存性(ζ=0)がないように設定される。結果は、質量およびエネルギー損失が、おそらくはモード結合によって増加することである。しかしながら、すべての事例では、質量損失は<50%であり、エネルギー損失は<20%である。全体像としては、a=5の事例と同じままである。中程度のせん断流は、損失が限定された準安定したプラズマの発生を促進するように見える。
ここで提示するモデリングは、均一な初期温度を有するベネットプロファイルを使用してZピンチ平衡に焦点を当ててきた。利用可能な最良の実験データと一致するプロファイルを含む他のプロファイルを考慮する研究は、バルク流量がゼロであっても中心ドリフトの誘導による安定化効果を含む、異なるm=0安定性挙動を与えることができる。カドムツェフ基準を満たすプロファイルはMHD安定であることも周知である。非MHDモデル、例えば、5M2FモデルにおけるMHD安定性プロファイルの安定性は、将来の研究で考慮され得る。別の考慮事項は、カドムツェフ安定性プロファイルでさえも、いわゆるエントロピーモードに対して不安定であり得るが、現実的な断熱係数を有するガス(3度以上の自由度の実在ガスについては
)については、温度プロファイルが不均一である場合にのみエントロピーモードの不安定性が発生することである。最近のモデリングでは、エントロピーモードは、ベネットプロファイルで均一な温度を有するΓ>2の特別な事例で考慮される。温度が不均一かつ
を有するMHD安定性プロファイルにおけるエントロピーモード挙動の5M2Fモデリングが、関心対象となるであろう。
5M2Fモデルを提示し、理想的なモデルを拡張して、ブラギンスキーによる閉鎖を含む。このモデルを適用して、ベネット平衡に基づく初期条件に焦点を当てて、m=0Zピンチの不安定性を研究する。
理想的な5M2Fモデリング結果を、以前のMHDおよびホールMHD結果に対してベンチマーク化する。成長速度は、せん断流の有無に関わらず、以前の結果と密接に一致する。完全な安定化は、
のエッジ流速度で発生する。以前の作業を超えて、逆線形せん断流が研究され、流量の増加と共に成長速度の比較的遅い減少が明らかになり、エッジ流量速度
で完全に安定化することが予測される。5M2F結果の別の興味深い特徴は、
で電子ドリフト不安定性が見られ、イオン音波モードとして暫定的に識別されることである。
5M2Fモデルはまた、FuZE様ベネット平衡で初期化された最近のPICモデリングに対してベンチマーク化される。5M2F結果のピーク成長は、PIC
よりも約2倍速く、k値でのピークは、約2倍大きい
。5M2F結果は、成長速度のピークが中程度のkで発生し、その後により高いkで低下するという意味で、PIC結果に類似している。ブラギンスキーによる輸送モデルを適用しても、この挙動は変化しない。より一般的には、5M2Fフレームワークにおけるブラギンスキーによる輸送の探索は、ジャイロ粘度、反磁性熱流束、およびイオンジャイロ緩和効果を含む、関連する物理学に対する洞察を提供してきた。電子ジャイロ緩和は、将来の検討のための潜在的に重要な効果として注意が与えられている。ブラギンスキーによる輸送を用いた5M2Fモデルを超えて、動態物理学は、PICモデリングで見られるm=0安定性の観察された差異の原因であると考えられる。
FuZE様プラズマにおけるm=0不安定性の非線形モデリングは、ブラギンスキーによる5M2Fモデルを使用して行われる。エッジせん断流速度0.5vでのシミュレーションは、不安定性を示し、その後、せん断による非線形混合、および準定常状態への緩和が続いた。ピンチイオン在庫およびピンチ熱エネルギーの損失は、それぞれ
および
に限定される。
5M2Fモデルは、高忠実度の計算Zピンチ研究のための説得力のあるプラットフォームを提供する。将来の研究では、ベネットプロファイルに加えて、様々な平衡プロファイルが考慮されてもよく、特に関心のあるプロファイルとしては、エントロピーモードを起動し得る温度勾配を有するMHD安定性カドムツェフプロファイルである。m=1不安定性を含む線形および非線形の3D Zピンチダイナミクスのシミュレーションも、範囲内である。最後に、電子ドリフト不安定性を捕捉する5M2Fモデリングの能力を研究する必要がある。関連する微小乱流の正確かつ効率的なモデリングは、反応器グレードのZピンチプラズマにおける電流プロファイルおよび軸方向熱輸送に関する重要な洞察をもたらし得る。
せん断流を有する平衡については、真の2流体平衡が導出される。総イオン軸方向速度は、viz=viz0+vsfとして決定され、式中、vsf(r)=v sfr/a(線形)またはvsf(r)=v sf/a(放物線状)である。ここで、viz0=j/(2en)はせん断のないイオン速度であり、平衡電流の半分を提供する。磁界および電流のプロファイルは、方程式(26)および(27)のせん断のない平衡プロファイルから変化しない。イオン圧力および密度も変化しない。具体的には、イオン圧力は、方程式(28)で与えられる総圧力の半分である。イオン温度は均一であり、自由パラメータであり、本明細書では、Tは以下の方程式(33)に示すようにa/rLiに設定される:(27)のせん断のない平衡プロファイルから変化しない。イオン圧力および密度も変化しない。具体的には、イオン圧力は、方程式(33)。次に、n=p/(k)である。径方向電場は、イオン運動量バランスについて方程式(29)から決定される。線形および放物線状のせん断流の結果は以下であり、
ガウスの法則、方程式(7)を使用して、nを決定し、以下が与えられる:
次いで、電子圧力は、方程式 (30)から決定される。結果は、以下の通りである。
これらの圧力は、r=0でせん断のないpと一致し、他の場所ではわずかに逸脱する。電子温度は、p/(n)として決定される。電子軸方向速度は、そのj=vez+vizが満たされることを要求することによって決定される。
本開示の実施形態は、以下の節を考慮して説明することができる。
1. 装置であって、
加速体積の外側境界を画定するように位置付けられた第一の電極と、
加速体積の内側境界を画定するように位置付けられた第二の電極と、
第一の電極および第二の電極との間のZピンチプラズマカラムに沿って電流を駆動するための少なくとも1つの電源と、
Zピンチプラズマカラムに燃料を供給するために、加速体積に中性ガスを提供するための少なくとも1つのガスパフバルブを備える一組のバルブと、
少なくとも1つのガスパフバルブによって提供される中性ガスの存在下で、中性ガスのガス破壊を引き起こして、せん断流速度プロファイルを生成するように、第二の電極に導電的に接続された成形部品と、を備える、装置。
2. 電流の電子流が第二の電極から第一の電極に流れる、項1に記載の装置。
3. 成形部品が、第二の電極の外表面に電気的に接続される少なくとも1つの接触面を含む少なくとも1つの導電性リングを組み込む、項1および2のいずれか一項に記載の装置。
4. 少なくとも1つの導電性リングが、第二の電極の導体と化学的および熱機械的に適合する導電性材料を組み込み、少なくとも1つの成形部品のプラズマに面する部分が、少なくとも1つの耐火金属を組み込む、項3に記載の装置。
5. 少なくとも1つの耐火金属が、W、Ta、Nb、Mo、Re、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Tc、Ru、Rh、Hf、Os、Ir、または任意の1つ以上の前述の金属の合金のうちの1つ以上を含む、項4に記載の装置。
6. プラズマに面する部分が、黒鉛、焼結炭素粉末、プレス炭素粉末、炭素繊維、またはカーボンナノチューブのうちの1つ以上を含む炭素の少なくとも1つの導電性形態を組み込む、項4および5のいずれか一項に記載の装置。
7. プラズマに面する部分が、局所電場を強化し、電界放出を促進するために、構造化されたアレイを形成する複数の局所凹形要素を組み込むように形成された少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面を含む、項4~6のいずれか一項に記載の装置。
8. 少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、切断、引っ掻き、研磨、サンドブラスト、溝削り、チェッカリング、打抜き加工、エンボス加工、またはローレット加工のうちの1つ以上を含む機械的処理によって形成されている、項7に記載の装置。
9. 少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、エッチング、化学堆積、噴霧、スパッタリング、イオンおよび中性注入、またはエピタキシャル成長のうちの1つ以上を含む化学処理によって形成されている、項7および8のいずれか一項に記載の装置。
10. 一組のバルブが、Zピンチプラズマカラムにさらに燃料を供給するためにイオン化ガスを加速体積に提供する少なくとも1つのプラズマインジェクターをさらに備える、項1~9のいずれか一項に記載の装置。
11. 第二の電極が、第一の電極および第二の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置された円錐電極表面を組み込む、項1~10のいずれか一項に記載の装置。
12. 第一の電極および第二の電極との間に、および第一の電極および第二の電極に対して同軸に配置される第三の電極をさらに備え、第三の電極が、先細りした電極構成を示し、第一、第二、および第三の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置される円錐電極表面を組み込む、項1~11のいずれか一項に記載の装置。
13. 方法であって、
1つ以上のガスパフバルブを起動して、加速体積内に中性ガスの軸対称容積を導入することと、
中性ガスの破壊を促進することによって第一の電流を支持するための径方向電場を生成することであって、第一の電流が、前記導入された中性ガスを介して、内側電極および外側電極との間に流れる、生成することと、
導入された中性ガスからZピンチプラズマカラムを形成して、内側電極および外側電極との間に流れる第二の電流を支持することと、を含み、
Zピンチプラズマカラムが、前記中性ガスから少なくとも部分的に形成されるせん断速度プラズマ流によって囲まれ、安定化される、方法。
14. 1つ以上のプラズマインジェクターを起動して、イオン化ガスの軸対称容積を加速体積に導入する、項13に記載の方法。
15. イオン化ガスの軸対称容積が、Zピンチプラズマカラムの形成後に中性ガスの軸対称容積を補充するために導入される、項14に記載の方法。
16. 前記内側電極が陽極であり、前記外側電極が陰極である、項13~15のいずれか一項に記載の方法。
17. プラズマ閉じ込めシステムであって、
外側電極と、
内側電極と、
内側電極および外側電極の各々に導電的に結合された少なくとも1つの電源であって、少なくとも1つの電源の端子が、内側電極および外側電極との間に電位差を生成するように構成された、少なくとも1つの電源と、
燃料ガス供給源に流体連結され、燃料ガス供給源から供給される十分な中性ガスを、内側電極および外側電極との間の局所的な破壊経路を支持するために方向付け、内側電極および外側電極との間のZピンチ放電の持続時間の間、せん断速度プラズマ流を確立するように構成される、1つ以上の第一のバルブと、を備える、プラズマ閉じ込めシステム。
18. 内側電極および外側電極が、中性ガスが1つ以上の第一のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、項17に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
19. 中間電極をさらに備え、
内側電極および中間電極が、中性ガスが1つ以上の第一のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、項17に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
20. 燃料ガス供給源に流体連結され、かつ燃料ガス供給源から供給される十分なイオン化ガスを、Zピンチ放電の持続時間中にせん断速度プラズマ流を維持するために方向付けるように構成された1つ以上の第二のバルブをさらに備える、項17~19のいずれか一項に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
21. 装置であって、
加速体積の外側境界を画定するように位置付けられた第一の電極と、
第一の電極に対し同軸に配置され、加速体積の内側境界を画定するように位置付けられた第二の電極と、
第一の電極および第二の電極との間のZピンチプラズマカラムに沿って電流を駆動するための少なくとも1つの電源と、
ガスを前記加速体積に提供してZピンチプラズマカラムに燃料を供給するための一組のバルブと、を備え、
電流の電子流が第二の電極から第一の電極への第一の方向である、装置。
22. ガスが中性ガスを含む、項21に記載の装置であって、
一組のバルブによって提供される中性ガスの存在下で、中性ガスのガス破壊を引き起こして、第一の方向とは反対の第二の方向にせん断流速度プロファイルを生成するように、第二の電極に導電的に接続された成形部品と、をさらに備える、装置。
23. 成形部品が、第二の電極の外表面に電気的に接続される少なくとも1つの接触面を含む少なくとも1つの導電性リングを組み込む、項22に記載の装置。
24. 少なくとも1つの導電性リングが、第二の電極の導体と化学的および熱機械的に適合する導電性材料を組み込み、少なくとも1つの成形部品のプラズマに面する部分が、少なくとも1つの耐火金属を組み込む、項23に記載の装置。
25. 少なくとも1つの耐火金属が、W、Ta、Nb、Mo、Re、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Tc、Ru、Rh、Hf、Os、Ir、または任意の1つ以上の前述の金属の合金のうちの1つ以上を含む、項24に記載の装置。
26. プラズマに面する部分が、黒鉛、焼結炭素粉末、プレス炭素粉末、炭素繊維、またはカーボンナノチューブのうちの1つ以上を含む炭素の少なくとも1つの導電性形態を組み込む、項24および25のいずれか一項に記載の装置。
27. プラズマに面する部分が、局所電場を強化し、電界放出を促進するために、構造化されたアレイを形成する複数の局所凹形要素を組み込むように形成された少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面を含む、項24~26のいずれか一項に記載の装置。
28. 少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、切断、引っ掻き、研磨、サンドブラスト、溝削り、チェッカリング、打抜き加工、エンボス加工、またはローレット加工のうちの1つ以上を含む機械的処理によって形成されている、項27に記載の装置。
29. 少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、エッチング、化学堆積、噴霧、スパッタリング、イオンおよび中性注入、またはエピタキシャル成長のうちの1つ以上を含む化学処理によって形成されている、項27および28のいずれか一項に記載の装置。
30. ガスが、イオン化ガスとして加速体積に提供される、項21に記載の装置。
31. 第二の電極が、第一の電極および第二の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置された円錐電極表面を組み込む、項21~30のいずれか一項に記載の装置。
32. 第一の電極および第二の電極との間に、および第一の電極および第二の電極に対して同軸に配置される第三の電極をさらに備え、第三の電極が、先細りした電極構成を示し、第一、第二、および第三の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置される円錐電極表面を組み込む、項21~31のいずれか一項に記載の装置。
33. 方法であって、
1つ以上のバルブを起動して、加速体積内に燃料ガスの軸対称容積を導入することと、
導入された燃料ガスからZピンチプラズマカラムを形成して、内側陽極と内側陽極の支持されていない端部を囲む外側陰極との間に流れるZピンチ電流を支持することと、を含み、
Zピンチプラズマカラムが、燃料ガスから形成されるせん断速度プラズマ流によって囲まれ、安定化される、方法。
34. Zピンチプラズマカラムを形成する前に、導入された燃料ガスを介して、内側陽極と外側陰極との間に流れる初期電流を支持するために径方向電場を生成することをさらに含む、項33に記載の方法。
35. 燃料ガスが中性ガスを含み、
径方向電場が、少なくとも中性ガスの破壊を促進することによって、初期電流を支持する、項34に記載の方法。
36. 燃料ガスを加速体積に導入すると、燃料ガスがイオン化ガスを含む、項33~35のいずれか一項に記載の方法。
37. プラズマ閉じ込めシステムであって、
外側電極と、
外側電極内に同心円状に位置付けられた内側電極と、
内側電極および外側電極の各々に導電的に結合された少なくとも1つの電源であって、少なくとも1つの電源の端子が、内側電極および外側電極との間に電位差を生成するように配向され、内側電極からの電子を外側電極に駆動する、少なくとも1つの電源と、
燃料ガス供給源に流体連結され、燃料ガス供給源から供給される十分な燃料ガスを、内側電極および外側電極との間のZピンチ放電の持続時間の間、せん断速度プラズマ流を駆動するように構成される、1つ以上のバルブと、を備える、プラズマ閉じ込めシステム。
38. 内側電極および外側電極が、燃料ガスが1つ以上のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、項37に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
39. 内側電極および外側電極との間に同心円状に位置付けられた中間電極をさらに備え、
内側電極および中間電極が、燃料ガスが1つ以上のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、項37に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
40. 燃料ガスが、中性ガスおよびイオン化ガスのうちの一方または両方を含む、項37~39のいずれか一項に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
特定の値、関係、材料、および構成要素が、本発明の概念を記述する目的で記載されてきたが、当業者であれば、本発明の基本的な概念および動作原理の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に多数の変形および/または修正がなされ得ることを理解するであろう。上記の教示に照らして、当業者であれば、本明細書に教示する本発明から逸脱することなく、それらの詳細を修正することができることを認識されたい。例えば、本明細書に列挙される数値範囲は例示的なものであり、所与のプラズマ閉じ込めシステムの動作モードに基づいて、または所与のプラズマ閉じ込めシステムのサイズ、機能、構成などの修正に基づいて、修正されてもよい。例えば、所与のプラズマ閉じ込めシステムのサイズが増加する場合、こうした範囲は、比例的に(例えば、線形的に、指数関数的になど)拡大してもよい。
ここで、本発明の根底にある概念の実施形態および特定の修正を完全に説明してきたが、様々な他の実施形態、ならびに本明細書に示され説明される実施形態の特定の変形および修正が、こうした根底にある概念に精通するようになった当業者には生じ得るであろう。添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内にある限り、こうしたすべての修正、代替、およびその他の実施形態を含むことが意図される。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載される以外の方法で実施され得ることが理解されるべきである。結果として、本実施形態は、すべての点で例示的なものであり、制限的なものではないとみなされるべきである。
したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載される主題のより広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がなされ得ることは明らかであろう。
他の変形は、本開示の趣旨の範囲内である。したがって、開示された技術は、様々な修正および代替的な構造を受けやすいが、その特定の図示された実施形態が図面に示され、上記で詳細に説明されている。しかしながら、当然のことながら、特許請求の範囲によって列挙される主題を、開示される特定の形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の趣旨および範囲内にあるすべての修正、代替的な構造、および均等物を網羅することが意図される。
開示された実施形態を説明する文脈における「a」および「an」および「the」といった用語、ならびに類似の指示対象の使用(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)は、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈上明確に矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。同様に、「または」という用語の使用は、明示的にまたは文脈上矛盾しない限り、「および/または」を意味すると解釈されるべきである。別段の記載がない限り、「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」および「含有する」といった用語は、オープンエンドな用語(すなわち、「~を含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。修正されておらず物理的接続を指すとき、「接続された」という用語は、介在するものがあっても、部分的にまたは完全に、内部に含有される、それに取り付けられる、または一緒に結合されるものとして解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の示唆がない限り、その範囲内に収まる各別個の値に個別に言及する簡略な方法として機能することを単に意図しており、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されるかのように本明細書に組み込まれる。文脈上別段の記載がない限り、または矛盾しない限り、「セット」(例えば、「項目のセット」)または「サブセット」という用語の使用は、1つ以上のメンバーを含む空でない集合として解釈されるべきである。さらに、文脈上別段の記載または矛盾がない限り、対応するセットの「サブセット」という用語は、必ずしも対応するセットの適切なサブセットを示すものではなく、サブセットおよび対応するセットは等しいものであってもよい。文脈上別段の明示的な記載がない限り、「~に基づく」という語句の使用は、「少なくとも部分的に基づく」ことを意味し、「それのみに基づく」という意味ではない。
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」(すなわち、オックスフォード・コンマを有するまたは有さない、同じ語句)という形態の語句などの接続語は、別段の明確な記載がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、文脈内において品目、用語などが、AまたはBまたはCのいずれか、AおよびBおよびCのセットの空ではないサブセットのいずれか、または少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、または少なくとも1つのCを含み、文脈によって矛盾しないか、若しくは別の方法で除外されない任意のセット、を示すために一般に使用されると理解される。例えば、3つのメンバーを有するセットの例示的な実施例では、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」および「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という接続語は、以下のセットのいずれかを指す:{A}、{B}、{C}、{A、B}、{A、C}、{B、C}、{A、B、C}、および、明示的にまたは文脈上矛盾しない場合は、サブセットとして{A}、{B}、および/または{C}を有する任意のセット(例えば、複数の「A」を有するセット)。したがって、こうした接続語は、ある特定の実施形態が、Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つの各々が存在することを必要とすることを一般的に意味することを意図するものではない。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」および「A、BまたはCのうちの少なくとも1つ」などの語句は、」A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」と同じことを指し、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、以下のセットのいずれかを指す:{A}、{B}、{C}、{A、B}、{A、C}、{B、C}、{A、B、C}。ただし、異なる意味が明示的に明記されているか、文脈上明確でない限りである。さらに、文脈上別段の記載がない限り、または矛盾しない限り、「複数」という用語は、複数である状態を示す(例えば、「複数の項目」は、複数の項目を示す)。複数における項目の数は少なくとも2つであるが、明示的または文脈によって示される場合はそれ以上であってもよい。
本明細書に記載のプロセスの操作は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。一実施形態では、本明細書に記載のプロセス(またはそれらの変形および/または組み合わせ)などのプロセスは、実行可能な命令を用いて構成された1つ以上のコンピュータシステムの制御下で実施され、ハードウェアまたはそれらの組み合わせによって、1つ以上のプロセッサ上で集合的に実行されるコード(例えば、実行可能な命令、1つ以上のコンピュータプログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実施される。一実施形態では、コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形態で、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶される。一実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、一時的信号(例えば、伝搬する過渡的な送電または電磁伝送)を除外するが、一時的信号のトランシーバ内に非一時的データ記憶回路(例えば、バッファ、キャッシュ、およびキュー)を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。一実施形態では、コード(例えば、実行可能コードまたはソースコード)は、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行された(すなわち、実行された結果として)ときに、コンピュータシステムに本明細書に記載の動作を実施させる実行可能な命令を記憶している、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセット上に記憶される。一実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットは、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の個々の非一時的記憶媒体のうちの1つ以上には、コードの全てがなく、一方で、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、コードの全てを集合的に記憶する。一実施形態では、実行可能な命令は、異なる命令が異なるプロセッサによって実行されるように実行される。例えば、一実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、主CPUは命令の一部を実行し、一方でグラフィック処理装置は他の命令を実行する。別の実施形態では、コンピュータシステムの異なる構成要素は別個のプロセッサを有し、異なるプロセッサが命令の異なるサブセットを実行する。
したがって、一実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に記載のプロセスの動作を単一または集合的に実施する1つ以上のサービスを実装するように構成され、こうしたコンピュータシステムは、動作の実行を可能にする、適用可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアで構成される。さらに、本開示の実施形態では、コンピュータシステムは、単一の装置であり、別の実施形態では、分散コンピュータシステムが本明細書に記載の動作を実施するように、および単一の装置がすべての動作を実施するわけではないように、異なる動作をする複数の装置を備える分散コンピュータシステムである。
本明細書に提供される任意のおよびすべての実施例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に様々な実施形態をより良く説明することを意図しており、別段の請求がない限り、特許請求の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、本明細書に開示される発明の主題の材料の実施に必須である、任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
本開示の実施形態は、本明細書に記載の発明の概念を実施するための発明者らに公知の最良のモードを含め、本明細書に説明されている。それらの実施形態の変形は、前述の説明を読むことで当業者には明らかとなるであろう。発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形を採用することを期待し、発明者らは、本開示の実施形態が、本明細書に具体的に記載される以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本開示の範囲は、適用法により許容される通り、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、上述の要素のすべての可能な変形における任意の組み合わせは、本開示の範囲によって包含される。
本明細書に引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記述されているかのように、同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
図1に表される事例は、安定化のないZピンチが、例えば、磁化されたプラズマ摂動が、非摂動プラズマカラムの軸(r=0)から縁(r=a)に伝搬するために必要な時間によって測定される、比較的少数のアルヴェン時間スケールユニットで成長する実質的なプラズマイオン損失を示す密度摂動150によって示されるように、急成長する不安定性を呈するという理解を支持する。

Claims (20)

  1. 装置であって、
    加速体積の外側境界を画定するように位置付けられた第一の電極と、
    前記加速体積の内側境界を画定するように位置付けられた第二の電極と、
    前記第一の電極および第二の電極の間のZピンチプラズマカラムに沿って電流を駆動するための少なくとも1つの電源と、
    前記Zピンチプラズマカラムに燃料を供給するために、前記加速体積に中性ガスを提供するための少なくとも1つのガスパフバルブを備える一組のバルブと、
    前記少なくとも1つのガスパフバルブによって提供される前記中性ガスの存在下で、前記中性ガスのガス破壊を引き起こして、せん断流速度プロファイルを生成するように、前記第二の電極に導電的に接続された成形部品と、を備える、装置。
  2. 前記電流の電子流が前記第二の電極から前記第一の電極に流れる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記成形部品が、前記第二の電極の外表面に電気的に接続される少なくとも1つの接触面を含む少なくとも1つの導電性リングを組み込む、請求項1および2のいずれか一項に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つの導電性リングが、前記第二の電極の導体と化学的および熱機械的に適合する導電性材料を組み込み、前記少なくとも1つの成形部品のプラズマに面する部分が、少なくとも1つの耐火金属を組み込む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの耐火金属が、W、Ta、Nb、Mo、Re、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Tc、Ru、Rh、Hf、Os、Ir、または任意の1つ以上の前述の金属の合金のうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の装置。
  6. 前記プラズマに面する部分が、黒鉛、焼結炭素粉末、プレス炭素粉末、炭素繊維、またはカーボンナノチューブのうちの1つ以上を含む炭素の少なくとも1つの導電性形態を組み込む、請求項4および5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記プラズマに面する部分が、局所電場を強化し、電界放出を促進するために、構造化されたアレイを形成する複数の局所凹形要素を組み込むように形成された少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、切断、引っ掻き、研磨、サンドブラスト、溝削り、チェッカリング、打抜き加工、エンボス加工、またはローレット加工のうちの1つ以上を含む機械的処理によって形成されている、請求項7に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つのテクスチャ加工を施した表面が、エッチング、化学堆積、噴霧、スパッタリング、イオンおよび中性注入、またはエピタキシャル成長のうちの1つ以上を含む化学処理によって形成されている、請求項7および8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記一組のバルブが、Zピンチプラズマカラムにさらに燃料を供給するためにイオン化ガスを前記加速体積に提供する少なくとも1つのプラズマインジェクターをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  11. 前記第二の電極が、前記第一の電極および第二の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置された円錐電極表面を組み込む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記第一の電極および第二の電極との間に、および前記第一の電極および第二の電極に対して同軸に配置される第三の電極をさらに備え、前記第三の電極が、先細りした電極構成を示し、前記第一、第二および第三の電極の軸方向におけるイオンおよび中性粒子への運動量伝達を強化するように配置される円錐電極表面を組み込む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 方法であって、
    1つ以上のガスパフバルブを起動して、加速体積内に中性ガスの軸対称容積を導入することと、
    前記中性ガスの破壊を促進することによって第一の電流を支持するための径方向電場を生成することであって、前記第一の電流が、前記導入された中性ガスを介して、内側電極および外側電極との間に流れる、生成することと、
    前記導入された中性ガスからZピンチプラズマカラムを形成して、前記内側電極と前記外側電極との間に流れる第二の電流を支持することと、
    前記Zピンチプラズマカラムが、前記中性ガスから少なくとも部分的に形成されるせん断速度プラズマ流によって囲まれ、安定化される、方法。
  14. 1つ以上のプラズマインジェクターを起動して、イオン化ガスの軸対称容積を前記加速体積に導入する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記イオン化ガスの前記軸対称容積が、前記Zピンチプラズマカラムの形成後に前記中性ガスの前記軸対称容積を補充するために導入される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記内側電極が陽極であり、前記外側電極が陰極である、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. プラズマ閉じ込めシステムであって、
    外側電極と、
    内側電極と、
    前記内側電極および外側電極の各々に導電的に結合された少なくとも1つの電源であって、前記少なくとも1つの電源の端子が、前記内側電極および外側電極との間に電位差を生成するように構成された、少なくとも1つの電源と、
    燃料ガス供給源に流体連結され、前記燃料ガス供給源から供給される十分な中性ガスを、前記内側電極および外側電極との間の局所的な破壊経路を支持するために方向付け、前記内側電極および外側電極との間のZピンチ放電の持続時間の間、せん断速度プラズマ流を確立するように構成される、1つ以上の第一のバルブと、を備える、プラズマ閉じ込めシステム。
  18. 前記内側電極および外側電極が、前記中性ガスが前記1つ以上の第一のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、請求項17に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
  19. 中間電極をさらに備え、
    前記内側電極および中間電極が、前記中性ガスが前記1つ以上の第一のバルブによって方向付けられる加速体積を画定する、請求項17に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
  20. 前記燃料ガス供給源に流体連結され、かつ前記燃料ガス供給源から供給される十分なイオン化ガスを、前記Zピンチ放電の持続時間中に前記せん断速度プラズマ流を維持するために方向付けるように構成された1つ以上の第二のバルブをさらに備える、請求項17~19のいずれか一項に記載のプラズマ閉じ込めシステム。
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