例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。必ずしも縮尺通りに描かれていない図中で、参照番号の左端の数字(複数可)は、参照番号が最初に現れる図を特定する。便宜上、同じ参照番号が、同じまたは類似の部分を参照するために図面全体を通して使用される。開示された原理の例及び特徴が本明細書に記載されているが、開示された実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、修正、適合、及び他の実装が可能である。また、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「収容する(containing)」、及び「含む(including)」という単語、ならびにその他の同様の形式は、意味では同等であることを意図したものであり、これらの単語のいずれか1つに続く1つもしくは複数の項目が、そのような1つもしくは複数の項目を完全に列挙することを意味するものではない、または列挙された1つもしくは複数の項目のみに限定されることを意味するものではないという点でオープンエンド形式であることを意図したものである。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形の参照も含むことに留意されたい。
特に明記しない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書全体を通じて、例えば「処理」、「計算」、「コンピューティング」、「決定」、「生成」、「設定」、「構成」、「選択」、「定義」、「適用」、「取得」、「監視」、「提供」、「識別」、「セグメント化」、「クラス分類」、「分析」「関連付け」、「抽出」、「格納」、「受信」、「送信」などの用語を利用する議論には、データを操作する、及び/またはデータをその他のデータに変換するコンピュータのアクション及び/またはプロセスが含まれ、このデータは例えば電子量などの物理量として表される、及び/またはこのデータは物理オブジェクトを表す。「コンピュータ」、「プロセッサ」、「コントローラ」、「処理ユニット」、「コンピューティングユニット」、及び「処理モジュール」という用語は、非限定的な例として、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、スマートグラス、タブレット、スマートフォン、サーバ、コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングプラットフォーム、通信デバイス、プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、イメージシグナルプロセッサ(ISR)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、視覚処理ユニット(VPU)など)を含むデータ処理機能を備えた、場合によっては埋め込みメモリ、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、プロセッサ内のコア、任意の他の電子コンピューティングデバイス、または上記の任意の組み合わせを備えた、あらゆる種類の電子デバイス、コンポーネントまたはユニットを包含するように拡大解釈される必要がある。
本明細書では教示による操作は、記述された機能を実行するのに専用に構成されたまたはプログラミングされたコンピュータによって実行されることができる。
本明細書で使用される場合、「例えば(for example)」、「のような」、「例えば(for instance)」という語句、及びそれらの変形は、本開示の主題の非限定的な実施形態を説明する。本明細書では、「実施形態」、「1つの事例」、「いくつかの事例」、「他の事例」またはそれらの変形の特徴への言及は、記載されている特定の特徴、構造または特性が本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味するものである。従って、これらのような用語の出現は、必ずしも同じ実施形態(複数可)を指さない。本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のあらゆる全ての組み合わせを含む。
本開示の主題の特徴は、簡潔にするために、特定の実施形態という観点から説明されている。しかしながら、一実施形態に関連して説明された特徴が他の実施形態にも適用可能であることを理解されたい。同様に、特定の組み合わせという観点から説明された特徴は、単独かこの特定の組み合わせ以外の観点かいずれかで、別個の実施形態とみなされ得る。
本開示の主題の実施形態では、図面に示される1つ以上の段階は異なる順序で実行されてもよく、及び/または1つ以上の段階群は同時に実行されてもよく、逆もまた同様であってもよい。図面には、本開示の主題の実施形態によるシステムアーキテクチャの一般的な概略図が示されている。図中の各モジュールは、本明細書で定義されて説明された機能を実行するソフトウェア、ハードウェア及び/またはファームウェアの任意の組み合わせで構成されることができる。図中のモジュールは、1つの位置に集中してもよく、または1つより多い位置にわたって分散してもよい。
本開示の主題の例は、以下の説明に記載される、または図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置への適用に限定されるものではない。主題は、種々の方法で実施されてもよく、または実行されてもよい。また、本明細書に採用されている表現及び用語は、説明を目的としており、限定的なものと見なすべきでないことも理解すべきである。
この文書では、図面の範囲内で記載されておらず、前の図面に記載された数字でラベル付けされる図面の要素は、前の図面と同じ用途及び説明を有し得る。
この文書での図面は、縮尺通りではない場合がある。異なる図面には異なる縮尺を用いてもよく、同じ図面内でも異なる縮尺を用いることができ、例えば、同じ物体の異なるビューに異なる縮尺または2つの隣接する物体に異なる縮尺を用いることができる。
開示された実施形態に即して、「少なくとも1つのプロセッサ」は、1つまたは複数の入力に対して論理演算を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスまたはデバイス群を構成し得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサには、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサを含む1つもしくは複数の集積回路(IC)、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のうちのすべてもしくは一部、サーバ、仮想サーバ、または命令を実行するもしくは論理演算を実行するのに適した他の回路が含まれ得る。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合されたもしくは埋め込まれたメモリにプリロードされてもよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、または命令を格納できる任意の他のメカニズムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つより多いプロセッサを含んでもよい。各プロセッサは類似の構成を有してもよく、またはプロセッサは相互に電気的に接続されるもしくは切断される異なる構成のものであってもよい。例えば、プロセッサは、別個の回路であってもよく、または単一回路に統合されてもよい。1つより多いプロセッサが使用される場合、これらプロセッサは、独立してまたは協調して動作するように構成されてもよい。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、またはそれらがインタラクトすることを可能にする他の手段によって結合されてもよい。
開示された実施形態は、データ構造体を含んでもよく、及び/またはデータ構造体にアクセスしてもよい。本開示に即したデータ構造体は、データ値の任意のコレクション及びそれらの間の関係を含み得る。データは、線形、水平、階層、リレーショナル、非リレーショナル、一次元、多次元、演算的、順序方式、無順序方式、オブジェクト指向方式、集中方式、脱集中方式、分散方式、カスタム方式、またはデータアクセスを可能にする任意の方式で格納されてもよい。非限定的な例として、データ構造体は、配列、連想配列、リンクリスト、二分木、平衡木、ヒープ、スタック、キュー、セット、ハッシュテーブル、レコード、タグ付き共用体、ERモデル、及びグラフを含んでもよい。例えば、データ構造体は、データストレージ/検索のためにXMLデータベース、RDBMSデータベース、SQLデータベースまたはNoSQL代替物、例えば、MongoDB、Redis、Couchbase、Datastax Enterprise Graph、Elastic Search、Splunk、Solr、Cassandra、Amazon DynamoDB、Scylla、HBase、及びNeo4Jなどを含んでもよい。データ構造体は、開示されたシステムのコンポーネントまたはリモートコンピューティングコンポーネント(例えば、クラウドベースのデータ構造体)であってよい。データ構造体内のデータは、連続メモリまたは非連続メモリに格納されてもよい。さらに、本明細書で使用されるデータ構造体は、情報のコロケーションを必要としない。それは、例えば同じまたは異なるエンティティによって所有または操作され得る、複数のサーバに分散されてもよい。従って、単数形で本明細書に使用される「データ構造体」という用語は、複数形のデータ構造体を包含する。本明細書では、プラズマを使用して、物体を親水性にする、及びまたは物体を処理するためのシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。いくつかの実施形態は、物体のプラズマ処理を実施するためのプラズマ発生機を含む。プラズマ処理が物体の表面に適用されると、表面の親水性が高まることによって、その上への流体液滴(例えば、噴霧)の結露を防ぎ得る。液滴が物体と光との相互作用に影響し得、光学性能を妨げるディストーションを引き起こし得ることから、液滴の存在は、物体が1つ以上の光学素子を含むときに重要になり得る。各流体液滴は、個別のレンズとして機能し得、その表面に光線が透過する、または反射することで、別々にディストーションが起こる。それぞれが異なる光学特性を有する、多くの個々の液滴の集団効果により、光学面が粗くなる場合があるため、その表面を通過する光またはその表面で反射した光から鮮明な画像を得ることが妨げられ、結果として光学品質が低下する場合がある。しかしながら、物体表面の親水性を高めてその上の表面張力を変化させることにより、物体表面にプラズマ処理を適用し得、液滴として流体が蓄積するのを防止し得る。親水性を高めることによって、流体は個々の液滴として蓄積されるのではなく、薄く均一な流体の層として物体をコーティングし得る。物体上の薄く均一なコーティングとして流体を分散させると、均一な屈折率を維持して、光学品質を維持することにより、及び/または劣化を制限することにより、物体表面と相互作用する光波のディストーションを低減させ得る。従って、プラズマ処理は、物体表面をコーティングする流体の厚さにおけるばらつきを低減させ得、従って、流体コーティングを通過する光の光路長におけるばらつきを低減させ得る。
いくつかの実施形態では、物体は、腹腔鏡もしくは内視鏡のビューポート、レンズ、鏡などの光学素子を有する医療機器、または光学機能を有する任意の他の医療機器であってもよい。未処理の光学素子を水分のある体腔に挿入すると、水及び/または水性流体(例えば、体液)が光学素子の表面上に液滴として結露することが原因で、その上に噴霧が蓄積し得る。結露により、光波と光学素子との相互作用にディストーションが起こり、光学素子を介した視認性に悪影響が与えられる場合がある。光学素子の親水性を高めて、光学素子上に個々の液滴として流体が蓄積することを防ぐことにより、このようなディストーションを低減させ得る。
本明細書では説明を容易にするために、内視鏡または腹腔鏡への言及は、両方を広く指すこと意図したものであり、一方に関連する開示は、別段の定めがない限り、他方に等しく適用することを意図したものである。
内視鏡のビューポート(例えば、光学素子)をプラズマで処理すると、ビューポートの親水性が高まり、水及び/または水性流体によるビューポートの完全な濡れが達成され得る。完全な濡れは、ビューポートの処理された表面の表面張力を、水の表面張力を上回るように、すなわち0.072N/mを上回るように増大させることによって達成され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、例えばプラズマ処理後の限定された期間に、ビューポート表面の表面張力を、0.08N/m超、または0.1N/m超に増大させ得る。ビューポートの処理された表面の表面張力が水の表面張力よりも大きいとき、水性流体が表面上に液滴として蓄積することができないというよりも、例えば水性流体分子とビューポートとの間に形成された接触角が10度未満(例えば、5度未満、または実質的に0度)になるように、ビューポート表面を濡らすことができる。従って、親水性を高めることで、ビューポートの表面上への液滴としての水分(例えば、噴霧)の凝結に起因するブラーを除去し得、または大幅に低減させ得る。その代わりに、親水性が高まるため、流体はビューポートの表面上に薄く均一な層を形成し得る。これは、ビューポートの光学品質をその元の(例えば、乾燥)状態に維持し得、または水性流体がビューポートに導入されるとき、光学品質の劣化を少なくとも制限し得る。同様に、プラズマ処理によってビューポートの親水性を高めることで、処理されたビューポートの表面上での流体厚さのばらつきが低減し得、その結果、処理されたビューポート上に結露した流体を通過する光波の光路長のばらつきが低減し得る。光路長のばらつきの低減は、流体と接触するようになった後の未処理のビューポートに通常関連する光学品質が低下したことと比較して、流体と接触するようになるときの処理済みビューポートの光学品質を向上させることができる。
いくつかの実施形態では、内視鏡の遠位端部にあるビューポートは、例えば内視鏡の遠位端部が体内に挿入されるとき、画像を収集するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ビューポートは、例えば腹腔鏡のビューポートのように、透明であってよい。いくつかの実施形態では、ビューポートは、歯科器具のための鏡など、反射性であってもよい。いくつかの実施形態では、ビューポートは、透明及び反射性の両方であってよい(例えば、双方向ミラーによる)。ビューポートは、ガラス、石英、プラスチック、半導体、金属または光学用途に適した他の任意の材料で作られてもよい。
いくつかの実施形態によれば、プラズマによって物体を処理するために、プラズマ発生装置が提供され得る。プラズマ発生装置は、孔部、スロットまたは他の開口部を有するハウジング内に位置していてもよい。ハウジング内のこのような開口部は、便宜上及び無菌性のために、例えばシース内に包まれていながら、物体を受容するように構成され得る。代替に、ハウジング内の開口部は、処理用の物体を後で受容するように構成される、シュラウドまたはシースを受容するように構成されてもよい。プラズマ発生装置は、孔部の内側にプラズマを発生させるのに適した電場及び/または電磁場を印加し得ることにより、その内に、例えばシースの内側に位置決めされた物体の遠位端部に位置したビューポートなどの物体の処理が可能になる。いくつかの実施形態によれば、シースには、少なくとも1つの電極及び少なくとも1つのシースの電気接点が設けられてもよく、この電気接点は、シースが孔部に挿入されるとき、プラズマ発生装置内の対応する電気接点に電気的に接触するように構成され得る。従って、少なくとも1つの電極は、シース内にプラズマを発生させるための電場及び/または電磁場を印加することができる。物体がシース内に包まれている間に発生したプラズマで処理されると、物体の外面の表面張力が水の表面張力よりも高くなり得る。その結果、物体は、親水性が高く(例えば、超親水性に)なり、流体と接触するとき、結露の蓄積によって起こるブラーを防止し得る。
図1Aは、いくつかの実施形態の態様による、プラズマ発生システム100を概略的に示す。プラズマ発生システム100は、操作ユニット120及びプラズマアプリケータ130(本明細書ではプラズマ発生場アプリケータとも呼ばれる)を含み得、このプラズマアプリケータは、例えばケーブル112を介して、操作ユニット120と電気接続され得る。「プラズマ発生機」という用語は、プラズマを形成することができるあらゆる装置またはシステムを指すことができる。そのような装置またはシステムは、少なくとも1つのプロセッサから生成され得る及び/または受信し得るコンピュータプログラム命令に基づいて、1つまたは複数のアクション及び/または機能を実行することによって、プラズマ雲によって物体を処理するように構成されることができる。プラズマ雲の形成は、電離した気相物質が導電性を高める点までガスが強い電磁場を受けることによって達成され得る。操作ユニット120は、少なくとも1つのプロセッサ102(例えば、コントローラ)、バッテリなどの電源104、回路106、及び少なくとも1つのメモリ108に関連していることができる。少なくとも1つのプロセッサ102は、有線及び/または無線の手段を用いて、例えばバスシステム110を介して、少なくとも1つのメモリ108に通信可能に結合されることができる。少なくとも1つのプロセッサ102は、例えばバスシステム110を介して、電源104及び回路106にさらに電気的に結合され得る。少なくとも1つのプロセッサ102は、少なくとも1つのメモリ106に格納された1つまたは複数のデータ項目に関する1つまたは複数のプログラムコード命令を実行するように構成されてもよい。少なくとも1つのプログラムコード命令は、例えばプラズマアプリケータ130を介したプラズマの発生を制御するために、プラズマ発生システム100の1つまたは複数の操作態様の制御を容易にし得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102は、物体を処理するためにプラズマを発生させる目的で、例えば回路106の1つ以上のコンポーネント(例えば、スイッチ、ダイオード、及び他の論理コンポーネント)を制御することによって、電源104が(例えば、電力として)プラズマアプリケータ130に供給するエネルギーの1つ以上の属性を制御し、適度にすることができる。少なくとも1つのプロセッサ102、電源104、回路106、及び少なくとも1つのメモリ108が操作ユニット120の内側に示されているが、これは例示のみを目的としており、本発明を図示される構成に限定するものではない。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102及び少なくとも1つのメモリ108は、分散コンピューティングの当技術分野で知られているように、複数のローカル及び/またはリモートのプロセッサ及びメモリユニットを含み得る。同様に、図1Aは操作ユニット120内に位置決めされた電源104及び回路106を示しているが、これは必須ではなく、電源104及び/または回路106は操作ユニット120の外部にあってもよく、例えば、電源104は、ケーブルを介して操作ユニット120に結合される壁部ユニット内にあってもよい。
図1Bは、いくつかの実施形態の態様による、物体200(例えば、内視鏡などの医療機器)を概略的に示す。物体200は、流体を液滴として蓄積しやすい可能性のある表面を有することができる。プラズマ発生システム100を使用して、例えば医療手技のために、物体200を準備してよい。物体200は遠位端部210を含むことができる。遠位端部210は、光学素子220の周囲から光を収集することを可能にするように構成された光学素子(例えば、ビューポート)220を含んでよい。いくつかの実施形態では、光学素子220は、窓またはレンズなどの1つ以上の実質的に透明な素子を含んでよく、ガラスもしくは石英、半導体、またはPerspexなどのプラスチックのような材料で作られてよく、物体200の外側からの光を、例えばカメラなどの感光性装置(本明細書では図示せず)によって、物体200の内側に集めることを可能にする。加えて、または代替に、いくつかの実施形態によれば、光学素子220は、例えば集光装置及び/または光反射装置(本明細書では図示せず)または感光性装置の方に、光を反射する(例えば、光をそこに透過させるのではなく)鏡などの1つ以上の実質的に反射素子を含んでもよい。光学素子220は、例えば医療手技中、水分に曝露され得る表面222を含み得る。その結果、未処理のままである場合、例えば、曇りに対する防御を施さない場合、表面222は、表面222上の液滴の蓄積により、例えば蒸気の凝結により(ただしそれに限定されない)、噴霧で覆われるようになることがある。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生システム100は、保護シュラウド110をさらに含み得、この保護シュラウドは、物体200の遠位端部210をその内に受け入れる寸法に作られ得る。保護シュラウド110は、代替にシースと呼ばれてもよい。プラズマアプリケータ130は、スロット132(例えば、孔部、キャビティまたはその他の開口部)を含んでもよく、このスロットは、その内に物体200の遠位端部210を、遠位端部210が保護シュラウド110内に包まれていながら、受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態では、使用のために、物体200の遠位端部210を保護シュラウド110に挿入してもよく、その後、保護シュラウド110を、その内に遠位端部210を包んでいる状態で、スロット132に挿入してもよい。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド110は、スロット132に挿入されてよく、その後、遠位端部210は、保護シュラウド110に挿入されて、前進してよい。
ここで、いくつかの開示された実施形態による、無菌スクリーン140の概略図を共に示す、図1C~図1Eを参照する。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生システム100(図1A)は、開口部142を有する無菌スクリーン140をさらに含むことができる。プラズマ発生システム100と共に無菌スクリーン140を使用する場合、保護シュラウド110は、本明細書で以下にさらに詳述されて説明されるように、無菌スクリーン140の開口部142を通してスロット132に挿入されることができる。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド110は、1人の患者に実施される単一の、例えば部分的な医療手技の間に使用されるように構成されている、分注可能、使い捨て、または交換可能な部品であってよい。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド110は、物体200の無菌バリアとして機能し(図1B)、例えば医療手技中に患者の体液への、物体200の曝露を防止し得る。保護シュラウド110は、プラズマアプリケータ130内に存在する混入物への物体200の曝露をさらに防止することができ、使用中及び使用後に無菌状態に維持されても、または維持されなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、無菌スクリーン140は、使用中及び使用後に物体200を介して移送され得る流体(例えば、体液)のプラズマアプリケータ130からの除去を維持することを容易にし得る。
いくつかの実施形態によれば、無菌スクリーン140は、図1C、図1D及び図1Eに概略的に示されるように、無菌スリーブ144に取り付けられることができる。無菌スリーブ144は、無菌スクリーン140とスリーブ遠位端部146との間に延在することができる。いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブ144は、軟性であってもよく、または例えばソックのような、可撓性であってもよい。使用前、無菌スリーブ144は、図1Cに概略的に示されるように、折りたたまれてもよく、または巻かれてもよい。使用のために、例えばプラズマアプリケータ130をスリーブ遠位端部146に通して無菌スリーブ144に挿入することにより、無菌スリーブ144の折りたたみまたはその巻きを解いて、プラズマアプリケータ130またはその一部を包含しても纏着しても、被着してもよい。使用中、無菌スリーブ144は、プラズマアプリケータ130を纏着して被着するように、プラズマアプリケータ130の周囲に配置されてもよい。従って、プラズマアプリケータ130を纏着することにより、保護シュラウド110を開口部142に通してスロット132に、及び/または物体200を保護シュラウド110に挿入することで、プラズマアプリケータ130の混入物が実質的に減少し得ることが確保され得る。いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブ144は、実質的に硬性であってよく、チューブなどの形状を有し、その内に保護シュラウド110を収容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブ144は、その底部内に両面粘着パッド(本明細書には図示せず)を含むことができ、両面粘着パッドの一方の側は、プラズマアプリケータ130に接着するように構成されてよく、両面粘着パッドの反対側は、机またはテーブルまたは別の作業台などの平坦な表面に接着するように構成されてよい。従って、プラズマアプリケータ130を作業台に付着させることにより、プラズマアプリケータ130が安定し、保護シュラウド110(または物体200)を挿入してプラズマアプリケータ130から抜き出すことが容易になることができる。いくつかの実施形態によれば、無菌スクリーン140は、無菌スリーブ144と共に保護シュラウド110に取り付けられ得るため、スロット132内への保護シュラウド110の挿入と、無菌スリーブ144によるプラズマアプリケータ130の被包とを実質的に合わせて実施し得る。
電源104の作動時に、プラズマアプリケータ130は、保護シュラウド110内に包まれている物体200の遠位端部210(図1B)がスロット132の内側に位置決めされるとき、プラズマ発生に適した電場及び/または電磁場を印加するようにさらに構成されてもよい。スロット132の内側の保護シュラウド110の内側に、その内に遠位端部210が位置決めされている状態で、電場及び/または電磁場を印加してもよい。いくつかの実施形態では、遠位端部210は、例えば内視鏡のビューポートなど、1つ以上の光学素子を有するビューポート222(図1B)を含む。従って、プラズマ発生に適した電場及び/または電磁場は、ビューポート222の近くに印加され得る。
いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケータ130は、ガスポンプ、及びさらにまたは代替にガスリザーバ(そのいずれも本明細書に図示せず)と流体連通し得る。以下でさらに詳述されて説明されるように、プラズマ点火を容易にするために、ガスポンプ及びガスリザーバを使用して、それぞれ内視鏡の遠位端部の近傍で、制御可能に排気してもよく、または好ましいガスによって制御可能にフラッシュしてもよい。いくつかの実施形態によれば、好ましいガスは、アルゴンまたは窒素であり得る。いくつかの実施形態によれば、排気後のプラズマ点火に適したガス圧は、0.1Atm未満であってよい。いくつかの実施形態によれば、内視鏡の遠位端部の近傍をポンピングして排気し、次いで、所望のガスでフラッシュすることができる。いくつかの実施形態によれば、ガスポンプ及び/またはガスリザーバは、場合によっては、任意選択で操作ユニット120(図1A)内に配置されてもよい。
操作ユニット120は、プラズマ発生システム100のユーザが装置を操作して制御することを可能にするように構成されてもよい。従って、操作ユニット120は、1つまたは複数のコマンドスイッチ及び1つまたは複数のコントローラ、例えば、物理または仮想スイッチ、ボタン、及びコントローラを含むことができる。制御ユニットは、装置を操作するために必要なデータ及び情報をユーザに提供するためのインジケータ、例えば、インジケーションLED、ディスプレイ、ならびに場合によっては、ユーザが装置を操作して命令することを可能にするための操作画面及びコマンド画面をユーザに提供するための少なくとも1つのプロセッサ102によって実行可能な操作ソフトウェアをさらに含んでもよい。
次に図2を参照すると、いくつかの実施形態の態様による、保護シュラウド310の実施形態を断面図で示す。保護シュラウド310は、破線で保護シュラウド310の内側に概略的に示された、内視鏡380などの物体との使用に適していてもよい。内視鏡380は、遠位端部382、及び遠位端部382にある導電面(例えば、金属面384)を含み得る。内視鏡380の遠位端部382はビューポート390と共に配置されてよい。ビューポート390は、本明細書に記載されるようにプラズマ処理を受け得る光学素子392をさらに含み得る。
保護シュラウド310は、近位開口部314とシリンダ遠位端部316との間に延在する中空シリンダ312を含んでもよい。保護シュラウド310は、1つまたは複数の(例えば、3つの)Oリング、例えばOリング320a、320b及び320cを有する真空シール320をさらに含むことができる。真空シール320は、当技術分野で既知であるように、例えば手による、わずかな力を用いて内視鏡380を保護シュラウド310に挿入することを可能にするように、内視鏡380の外寸(例えば、外径)に嵌合するように適合され得る。従って、真空シール320は、内視鏡380が保護シュラウド310の内側に位置決めされるとき、保護シュラウド310の内側部322と保護シュラウド310の外側部324との間の圧力差(またはガス濃度差)を保持するように構成され得る。また真空シール320は、保護シュラウド310の内側の内視鏡380を機械的に安定させることを支援し得ることにより、保護シュラウド310の内側部322と外側部324との間のガス漏れを防止することを支援し得る。真空シール320は、以下でさらに説明されるように、ビューポート390の近くでのプラズマ発生をさらに支援することができる。
保護シュラウド310はカソード330をさらに含むことができ、このカソードは、中空シリンダ312上に配置され、保護シュラウド310の外側部324とその内側部322との間に電気フィードスルーを確立するように構成され得る。カソード330は、可撓性であり得、保護シュラウド310の内側部322及びその外側部の上で電気的に露出し得ることにより、カソード330と金属面384との間の電気接点を形成しながら、保護シュラウド310内への内視鏡380の挿入が可能になる。保護シュラウド310は、シリンダ遠位端部316の近くに配置されたアノード340をさらに含むことができる。アノード340は、例えば内側部322に対向する円形の滑らかな表面342を有する、金属ブロックとして形成されることができる。いくつかの実施形態によれば、表面342は湾曲していてよい。いくつかの実施形態(本明細書では図示せず)によれば、アノード340は、内側部322の方を向いた尖った先端部として形成されることができる。いくつかの実施形態によれば、アノード340は、リングとして形成されてもよい。アノード340は、誘電材料で作られたディスク344上に取り付けられ得るため、ディスク344は、誘電体バリアの一方の側の上に位置決めされたアノード340と、誘電体バリアの他方の側の上に位置決めされた、内視鏡380の金属面384を備えたカソード330との間に誘電体バリアを形成し、金属面384はカソード380と同電位になる。換言すれば、ディスク344は、例えば、誘電体バリアの一方の側の上のアノード340と、誘電体バリアの他方の側の上のカソード330及び内視鏡380の金属面384との間の見通し線を遮ることにより、誘電体バリアを形成することによって、誘電体バリアの放電(DBD)動作モード中のプラズマ発生を確保するように構成され得る。DBDモード中、プラズマは、ビューポートの近傍の利用可能な空間にわたってより均一に発生し得るが、アノードとカソードとの間のアーク放電または他のタイプの特異的で狭い電気輸送軌道は防止され得る。カソード330及び/またはアノード340は、回路106、電源104及び/または530、少なくとも1つのプロセッサ102及びケーブル112(図1A)を介してプラズマ処理を実行するのに適した電場及び/または電磁場を発生するために、電気エネルギーを受電することができる。
誘電体バリアの厚さがビューポート390の近傍でのプラズマを発生させる電場及び/または電磁場の均一性に、ひいてはプラズマ処理の品質に、実質的に強く影響する場合があることに留意する。本明細書でのプラズマ処理の「品質」は、達成される親水性のレベル、及びその親水性を得るために電場及び/または電磁場が活性化される持続時間を指し得る。換言すれば、高品質のプラズマ処理は、比較的短い持続時間(例えば、5分、または1分、または最短10秒、またはさらに最短5秒の電場及び/または電磁場の活性化)内で比較的高いレベルの親水性を達成し得る(例えば、処理された表面上で水の表面張力を上回る、すなわち0.072N/Mを上回る表面張力を得る)。誘電体バリアの厚さは、一般に、プラズマ点火を容易にするために可能な限り薄くてもよいが、絶縁破壊及びアーク放電を防止するために十分に厚くてもよい。本明細書に記載された実施形態でのPETまたはポリカーボネートなどの誘電材料の例示的な厚さは、MHz範囲(例えば、約2MHz)内の周波数でのRF電場及び/または電磁場について、約0.3mm~約3mmの範囲内にあってもよい。
いくつかの実施形態によれば、アノード340は、以下でさらに説明されるように、アノード340とフィードコンタクタとの間の信頼できる電気接点を容易にするために、中空シリンダ312に対して可撓性で変位するように構成されることができる。いくつかの実施形態によれば、ディスク344は、シリンダ312に対してばね346によって支持されてよい。
動作中、プラズマ発生電力(例えば、電源530によって供給される)は、アノード340とカソード330との間に供給されてもよい。その結果、DBDモード中に電場及び/または電磁場を発生させるプラズマは、アノード340と、カソード330に電気的に接触している金属面384との間に発生することができる。プラズマを発生させる電場及び/または電磁場は、アノード340とカソード330との間の空間内に、特にビューポート390及び隣接する光学素子392の近傍に、プラズマを発生させることができる。
次に図3Aを参照すると、図3Aは、以下に詳述されるように、保護シュラウド310aとの使用に適したプラズマアプリケータ348の実施形態の一部を示し、保護シュラウド310aは、図2の保護シュラウド310とはわずかに異なる。プラズマアプリケータ348は、例えば、回路106、電源104、少なくとも1つのプロセッサ102、及びケーブル112(図1A)を介して、プラズマ処理を実行するためのエネルギーを受け取るように構成され得る。プラズマアプリケータ348は孔部350を含んでもよく、この孔部は、その内に保護シュラウド310aを受容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、内視鏡380は、保護シュラウド310a内に包まれ得る。プラズマアプリケータ348はカソードコンタクタ352をさらに含んでもよく、このカソードコンタクタは、保護シュラウド310aが孔部350の内側にあるとき、カソード330に接触するように構成されてもよい。カソードコンタクタ352に電気接続する、電線などの導電体354を使用して、電源(例えば、電源104)によって発生した電力をカソードコンタクタ352及びカソード330に供給することができる。プラズマアプリケータ348はアノードコンタクタ356をさらに含んでもよく、このアノードコンタクタは、保護シュラウド310aが孔部350の内側にあるとき、アノード340に接触するように構成されてもよい。アノードコンタクタ356に電気接続する、電線などの導電体358を使用して、電源によって発生した電力をアノード340に供給することができる。アノードコンタクタ356は、ばね360などによって、可撓性で支持され得ることで、保護シュラウド310aが孔部350に挿入されるとき、アノードコンタクタ356とアノード340との間の信頼できる電気接点が容易になり得る。
ガスからプラズマを発生させることができる電場及び/または電磁場の特性が、関連する電極のジオメトリ(例えば、電場及び/または電磁場を印加するために使用される電極の形状及び配置、電極間の距離、ならびに電場に影響する電極のその他のいずれかの物理的態様など)に加えて、ガス自体の特性に大きく依存する場合があることに留意する。一般に、ガスの圧力が高いほど、ガスからプラズマに点火するための電場及び/または電磁場が高くなる必要がある。また、一部のガスは、他のガスよりも低い場で点火する。例えば、ガスが0.8KPaの圧力である場合、プラズマは、大気圧のヘリウムガス中で、電極間の距離1cmにわたって約7KVのRF場(1MHz~15MHzの間の周波数内)を使用して、約200Vの電圧で点火されてもよい。電極の配置が類似しており、場の周波数が類似している場合、空気中で大気圧内の約20KVの電圧で、かつ0.8KPa内の約800Vの電圧で、プラズマに点火することができる。
従って、いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケータ348は、ガスリザーバ(本明細書では図示せず)から孔部350にガスを流動させ、または孔部350から空気をポンピングし、電極330と電極340との間の空間内に低圧ゾーンを生成し、プラズマ点火を容易にするように構成されてもよい。従って、いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケータ348は、ホース364に連結されてもよく、このホースは、ヘリウムまたはアルゴンまたは窒素など、プラズマ発生に適したガスを内部に収容するガスリザーバ(本明細書では図示せず)を、孔部350と流体連通させてもよい。ユーザが操作可能な制御ユニット(本明細書では図示せず)によって制御されるバルブ366を使用して、孔部350へのガスの流入をスケジュールして調整してもよい。動作中、いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド310aを、その内に内視鏡380が位置決めされている状態で、孔部350に導入した後、バルブ366を開放し得、孔部350へのガスの流入を可能にする。保護シュラウド310aは、中空シリンダ312とディスク344との間の開口部368を通るガスフローに侵入可能であってよく、ガスが保護シュラウド310aに入り、ビューポート390の方に流れることを可能にする。孔部350に流入するガスが過剰になると、保護シュラウド310aとプラズマアプリケータ348との間の孔部350内のギャップを通って自由に抜け出すことができる(例えば、ギャップは密閉されていない)。ガスフローの適切な期間(例えば、5秒または10秒または30秒またはさらに1分)後、電源を作動させて、アノード340及びカソード330に電力を供給して、ビューポート390付近にプラズマ発生電場を発生させてもよい。いくつかの実施形態によれば、ガスリザーバは、ポータブルであってもよく、1回限りの使用に適していてもよい。
いくつかの実施形態によれば、ホース364を使用して、ガス(例えば、空気)を保護シュラウド310aから、特にビューポート390付近の空間からポンピングし、プラズマ点火を容易にしてもよい。空気は、ビューポート390の近傍から開口部368を通り孔部350に向かい、ホース364に吸い込まれてもよい。真空シール370は、シリンダ端部316付近の領域と、保護シュラウド310aの開口部314付近の領域との間の圧力差を保持することによって、ビューポート390付近に真空を生じることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態によれば、空気は、ホース364に流体連通している真空ポンプ(本明細書では図示せず)により、ホース364を通してポンピングされ得る。いくつかの実施形態によれば、ホース364は、例えば小さい真空ポンプによって、連続してポンピングされ得る、ポンプ式コンテナ(図示せず)に流体連通していてもよい。ホース364によって流体連通が設けられてもよく、ホースはコンテナと常に流体連通していることにより、連続してポンピングされてもよい。バルブ366が開放されると、実施形態の特性に応じて、真空ポンプまたはポンプ式コンテナによって、孔部350、特にビューポート390付近の空間がポンピングされてもよい。孔部350及び保護シュラウド310aの流体連結部内のポンプ領域の容積は、いくつかの実施形態によれば、10ccより小さくてもよく、例えば約1000cc(1リットル)のポンプ式コンテナ及びホースは、約5秒未満または約10秒未満以内で、例えば約0.1atm~約0.01atmの間の、適切な真空レベルを確立するのに十分であってもよく、これは、光学素子392を満足にプラズマ処理するための約30秒間、またはさらに約1分間のプラズマ励起に十分であり得る。
次に図3Bを参照すると、いくつかの実施形態による、ディスク344と境界を接するアノード340の拡大図が示されている。保護シュラウド310aは、保護シュラウド310aとプラズマアプリケータ348との間の無菌バリアを維持するために、開口部368内に位置決めされた無菌フィルタ372をさらに含むことができる。無菌バリアの維持は、微生物が無菌フィルタ372に侵入できないことを意味するものとして理解され得る。例えば、微生物は、真菌及び細菌を含む、任意の形態の原核細胞または真核細胞を含み得る。いくつかの実施形態によれば、無菌フィルタ372は、シリンダ端部316にわたって開口部368内に配置され得るので、ガスは、プラズマアプリケータ348から保護シュラウド310aに流入すると、混入物を導入することなく(例えば、無菌で)保護シュラウド310aに入り得、及び/またはガスは、保護シュラウド310aの内側部322からプラズマアプリケータ348に流入すると、混入物を導入することなく(例えば、無菌で)プラズマアプリケータ348に入る。従って、無菌フィルタ372は、プラズマアプリケータ348(例えば、孔部350の周囲)から内視鏡380上への混入物の移動を防止してもよく、及び/または内視鏡380からプラズマアプリケータ348上への混入物の移動を防止してもよい。さらに、または代替に、無菌フィルタは、プラズマアプリケータ348内に、または例えばホース364内に、位置決めされることもできる。
図3Cは、いくつかの例示的な実施形態による、プラズマアプリケータ448及び対応するシース410(例えば、保護シュラウド)を概略的に示す。プラズマアプリケータ448は、ホース364に流体連通したアプリケータガスポート402を含むことだけ、そしてアプリケータガスポート402に流体連通するように構成されたシースガスポート404をシース410が含むことだけ、プラズマアプリケータ348と異なる。例えばプラズマアプリケータ448の孔部450の空間内では、シース410の内側部322とシース410の外側部324との間の流体連通は、Oリングなどの真空シール408によって防止されてもよい。従って、シース410がプラズマアプリケータ448に挿入されるとき、シースガスポート404はアプリケータガスポート402に流体連通し得ることにより、シース410の内側部322へのホース364の流体連通が確立され得る。その結果、プラズマ点火促進ガス(例えば、ヘリウムまたはアルゴン)は、ホース364を通じてシース410に直接駆動され得、さらにまたは代替に、ガス(例えば、空気)は、ホース364を通じてシース410からポンピングされ得る。これにより、孔部450とシースの内側部322との間の流体連通を防止することができる。シース410の内側部322とプラズマアプリケータ448との間の無菌バリアを維持するために、無菌フィルタ472をシースガスポート404の内側に位置決めすることができる。図3Bで無菌フィルタ372に関して上述されるように、ガスは、プラズマアプリケータ448からシース410の内側部322に流入すると、無菌状態でシース410に入り得、及び/またはガスは、シース410の内側部322からプラズマアプリケータ448に流入すると、無菌状態のプラズマアプリケータ448に入り得る。従って、無菌フィルタ472は、プラズマアプリケータ448(例えば、孔部450の周囲)から内視鏡380上への混入を防止し得、及び/または内視鏡380からプラズマアプリケータ448上への混入を防止し得る。
シース410は遠位シリンダ端部316付近の中空シリンダ312の外周部上に(保護シュラウド310内のアノード340の代わりに)リングとして形成されたリングアノード440を有するという点で保護シュラウド310とはさらに異なり得る。従って、中空シリンダ312は、誘電材料で作られると、誘電体バリア444の一方の側の上のアノード440と、誘電体バリア444の他方の側の上のカソード330及び内視鏡の金属面384との間の誘電体バリア444として機能し得ることにより、プラズマは、保護シュラウド310に関して上述されるようにDBD動作モード中にシース410内に発生する。いくつかの実施形態によれば、シース410は、中空シリンダ412の内側にストッパ442を含んでもよい。ストッパ442は、シース410内への内視鏡380の前進を制限するように構成され得ることから、所定の、所望のギャップは、アノード440と内視鏡380の金属面384との間に確立され得ることにより、既知の場(カソード330とアノード440との間に供給される電圧及びそれらの間のギャップによって決定される場)でのプラズマ発生が確保され得る。さらに、ストッパ442をアノード440とカソード330との間の見通し線上に誘電体バリアとして使用し得ることにより、プラズマをビューポート390の方に集束させることを支援し得る。
シース410がプラズマアプリケータ448の孔部450に挿入されるとき、プラズマアプリケータ448のアノードコンタクタ456はリングアノード440に接触することができる。アノードコンタクタ456は、上述のように、導電体458に電気接続してもよく、この導電体は、電源(例えば、電源530)に接続して、リングアノード440にエネルギーを(例えば、電力として)供給することを可能にすることで、プラズマを発生させる電場及び/または電磁場を発生させるように構成される。シース410が上述のように孔部450に挿入されるとき、シース410のカソード330がカソードコンタクタ352に電気接続し得ることに留意する。従って、作動時に、電源は、適切に接続されると、リングアノード440と内視鏡380の金属面384との間で(DBDモード中に)プラズマ発生電場及び/または電磁場を、ビューポート390の近傍で発生したプラズマにもたらすことができる。
図4は、いくつかの実施形態の態様による、シース510を概略的に示す。シース510は、上記の実施形態で説明されるように内視鏡の周囲の空間をポンピングすることも、その空間内にガスを流入させることもなく、プラズマ点火を容易にするように構成され得る。換言すれば、シース510は、ガスリザーバにもガスポンプにも連結されていないプラズマアプリケータを使用して、本明細書の教示による内視鏡のビューポートにプラズマ処理を提供することを可能にし得る。従って、シース510は、ガスポート402などのガスポートを有しない場合があり、ホース364などのホースに連結されていない場合がある。
シース510は、開口部314とシリンダ端部316との間に延在する中空シリンダ312を含み得る。シース510は、中空シリンダ312をシリンダ端部316付近に結合して、密閉し得ることにより、シリンダ端部316を通るガス分子の透過または侵入を実質的に防止するという点で、保護シュラウド310とは異なり得る。さらにシース510は、中空シリンダ312の内側に漏れシール530、及び漏れシール530とシリンダ端部316との間に配置された中空シリンダ312内にハーメチックスクリーン518を有するという点で、保護シュラウド310とは異なり得る。ハーメチックスクリーン518は、ガス分子に対して不透過性であることにより、ハーメチックスクリーン518とシリンダ端部316との間に閉じられた閉空間520を画定するように構成され得る。従って、シース510の内側の閉空間520は、気密であり得、すなわち、シース510の外側部324から密閉された状態のままで維持され得る。閉空間520は、約1気圧のガス圧でプラズマ点火に適したガス(例えば、アルゴン)を収容し得ることにより、ハーメチックスクリーン上には最大でもわずかな圧力勾配しか存在しない。
ハーメチックスクリーン518は、破損性であり得ることによって、内視鏡380などの内視鏡がシース510に挿入されると、破損(断裂)するように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、シース510は、閉空間520の外側のハーメチックスクリーン518付近の中空シリンダ312に可撓的に取り付けられた1つ以上の引裂ニードル522をさらに含んでもよい。引裂ニードル522は、シースに挿入された物体により押されたとき、ハーメチックスクリーン518の方に可撓的に傾き、ハーメチックスクリーンを引裂くように構成されてもよい。従って、使用時に、内視鏡をシース510に挿入し、引裂ニードル522をハーメチックスクリーン518の方に押すことにより、ハーメチックスクリーン518の断裂に影響することができる。内視鏡のビューポートがカソード330とアノード340との間になるまで、内視鏡をさらに前進させることができる。内視鏡が挿入中に前進し、最初に漏れシール530を通り、次いで、ハーメチックスクリーン518を通り得ると、破損させ得ることに留意する。その後、内視鏡をさらに前進させて、シース510内の適所に位置決めすることができる。ハーメチックスクリーン518が破損すると、漏れシール530と内視鏡との間に形成されるシールによって、空間520の内側のガスが開口部324の方に自由に流動することを防止することができる。シース510内への内視鏡のさらなる前進の間、ガス用の空間520の自由容積が減少し得るが、漏れシール530にわたる圧力差を受けてガスが抜け出すため、閉空間520の領域内の圧力上昇を防止することができる。その結果、内視鏡380がシース510に完全に挿入されるとき、アノード340とカソード330との間の閉空間520、特に内視鏡のビューポートの近くの空間は、ハーメチックスクリーン518の裂断前に空間520内に実質的に収容されていたガスを、ほぼ大気圧で含み得ることによって、その内でのプラズマ点火が促進され得る。いくつかの実施形態によれば、ハーメチックスクリーン518は、MylarまたはメタライズドMylarまたはKaptonまたはメタライズドKaptonなどで作られ得る。
従って、本開示の態様によれば、内視鏡検査手技用に内視鏡(図1の200、図2、図3A及び図3Cの380)を準備するための装置(例えば、図1Aのプラズマ発生システム100)が提供される。装置は、シース(図1Aの110、図2及び図3Aの310、310a、図3Cの410、図4の510)を含んでよく、このシースは、その内に内視鏡の遠位端部(210、382)を受容する寸法に作られてもよい。遠位端部はビューポート(220、390)を含むことができ、このビューポートは、そこを通ってビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成され得る。
装置は、電源に電気接続するプラズマ発生場アプリケータ(130、348、448)をさらに含み得る。プラズマ発生場アプリケータは、孔部(132、350、450)を有してもよく、この孔部は、シース内に包まれた内視鏡の遠位端部をそこに受け入れるように構成され得る。プラズマ発生場アプリケータは、シース内でのプラズマ発生に適した電力を印加するように構成されてもよい。シースは、内視鏡の遠位端部及びプラズマ発生場アプリケータから係脱可能であってよい。いくつかの実施形態によれば、内視鏡のビューポートは透明であってよく、または鏡であってよい。
いくつかの実施形態によれば、装置は、第一端部(146)と第二端部(140)との間に延在する無菌スリーブ(144)をさらに含んでもよく、この無菌スリーブは、プラズマ発生場アプリケータを被包するように構成され、プラズマ発生場アプリケータを無菌スリーブに挿入することを可能にするように構成された第一開口部を第一端部上に有し、プラズマ発生場アプリケータに内視鏡を挿入することを可能にするように構成された第二開口部(142)を第二端部上に有することができる。いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブは軟性であってもよく、いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブは硬性であってもよい。無菌スリーブを、プラズマ発生場アプリケータから係脱することができる。いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブをシースに取り付けることができ、いくつかの実施形態によれば、無菌スリーブをシースから係脱することができる。
いくつかの実施形態によれば、シースは、少なくとも1つの電極(340、440)と、この電極に電気接続した第一シース電気接点(340、440)とを含み得る。第一シース電気接点は、シースが孔部(350、450)に挿入されるとき、プラズマ発生場アプリケータ内の対応する第一アプリケータ電気接点(356、456)に電気的に接触するように構成され得る。これにより、少なくとも1つの電極は、プラズマ発生場アプリケータから電力を受電すると、シースの内側部(322)にプラズマ発生場を印加するように構成されることができる。
いくつかの実施形態によれば、シースは、第二シース電気接点(330)をさらに含み得、この第二シース電気接点は、内視鏡の遠位端部がシース内に受容される場合に内視鏡に接触するように構成され得る。第二シース電気接点は、シースが孔部(350、450)に挿入されるとき、第二アプリケータ電気接点(352)に電気的に接触するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、シースは、内視鏡の遠位端部を受容するように構成された開口部(314)とシースの遠位端部(316)との間に延在する中空の実質的に硬性チューブ(312、412)を含み得る。いくつかの実施形態によれば、中空チューブは中空シリンダ(312、412)であってよい。
いくつかの実施形態によれば、シースはシール(320、530)をさらに含んでもよく、このシールは、中空チューブの内周部に沿って開口部と遠位端部との間に位置決めされ、内視鏡(380)を取り囲む寸法に作られることによって、内視鏡が中空チューブの内側に受容されるとき、内視鏡に密接するように構成されてよい。いくつかの実施形態によれば、シールはOリングを含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生場アプリケータ(348、448)はホース(364)に連結されることができる。ホースは、孔部(350、450)に制御可能に流体連通していてもよい。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生場アプリケータ(348、448)は、ホース(364)を孔部(350、450)に制御可能に流体連通させる制御弁(366)を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生場アプリケータ(348)は、ホースと流体連通するアプリケータガスポート(402)を含むことができ、シース(410)はシースガスポート(404)を含む。シースガスポートは、ホースをシースの内側部(322)に流体連通させるためのアプリケータガスポートと密閉して連結するように構成されてもよい。シースガスポートとアプリケータガスポートとの間の密閉した連結は、例えばシール408によって、シースが孔部に挿入されるとき、シースの内側部(322)(ホース364に流体連通している)と孔部(450)との間の流体連通を防止し得る。
いくつかの実施形態によれば、シース(510)は、中空チューブ(312)の内側にシール(530)を含んでよく、このシールは、内視鏡の遠位端部が中空チューブに挿入されるとき、内視鏡に密接するように構成されてもよい。シース(510)は、ハーメチックスクリーン(518)をさらに含んでよく、このハーメチックスクリーンは、中空チューブを横切って広がることによって、ハーメチックスクリーンと中空チューブの遠位端部(316)との間に閉じて密閉した空間(520)を画定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、シースは1つ以上の引裂ニードル(522)をさらに含んでよく、この引裂ニードルは、シール(530)とハーメチックスクリーン(518)との間の中空チューブの内側に位置決めされ、中空チューブへの内視鏡の挿入時にハーメチックシールを断裂するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態の態様によれば、内視鏡検査手技用に内視鏡を準備する方法が提供される。方法は、シース(110、310、310a、410、510)を設けることを含み得、このシースは内視鏡の遠位端部(210、382)をその内に受容する寸法に作られ、遠位端部はビューポート(220、390)を含み、ビューポートは、そこを通してビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成され得る。方法は、電源に電気接続するプラズマ発生場アプリケータ(130、348、448)を設けることをさらに含み得る。プラズマ発生場アプリケータは、孔部(132、350、450)を有してもよく、この孔部は、シース内に包まれた内視鏡の遠位端部をそこに受け入れるように構成され得る。プラズマ発生場アプリケータは、シース内でのプラズマ発生に適した電力を(例えば、電極330、340及び440によって)印加するように構成されてもよい。シースは、プラズマ発生場アプリケータ及び内視鏡の遠位端部から係脱可能であってよい。方法は、シース内に包まれた内視鏡の遠位端部をプラズマ発生場アプリケータの孔部内に位置決めすることと、電源を作動させてシース内にプラズマを発生させることによって内視鏡の遠位端部でビューポートをプラズマ処理することとをさらに含み得る。
いくつかの実施形態によれば、方法は、遠位端部上に分散した流体によるプラズマ発生場アプリケータの混入を、シースによって防止することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生場アプリケータは、ホース(364)を含んでもよく、方法は、シースの内側部(322)にガスを制御可能に(バルブ366の開閉によって)流入させること、またはホースを介してシースの内側部をポンピングすることをさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態の態様によれば、内視鏡検査手技用に内視鏡(380)を準備する方法がさらに提供され、内視鏡はビューポート(390)を含む遠位端部(382)を備える。ビューポートは、誘電材料で作られてもよく、内視鏡の遠位端部では金属セグメント(384)の近位にある。方法は、内視鏡の遠位端部を閉じたプラズマチャンバ内に配置することを含み得る(例えば、シース310、310a、410または510、内視鏡の挿入はシースの内側部322を密閉することによって、その内に閉じたプラズマチャンバを画定する)。閉じたプラズマチャンバは少なくともアノード(340、440)及びカソード(330)を有することができ、カソードは金属セグメントに電気的に接触する。アノードとカソードとの間の見通し線は、誘電体バリア(344、444)によって遮られ、方法は、アノードとカソードとの間にプラズマ発生電磁場を印加することによって、DBDモード中にビューポートの近傍部(322)でプラズマを発生させることをさらに含み得る。いくつかの実施形態によれば、電気バリア(444)は、アノード(440)をビューポートの近傍部(322)内のガスから電気的に絶縁することができる。方法のいくつかの実施形態によれば、ビューポートは、透明であってよく、または代替に反射性(例えば、鏡)であってよく、または半透明(例えば、光の反射も透過も行う双方向ミラー)であってよい。方法のいくつかの実施形態によれば、ビューポートは、ガラスまたは石英またはプラスチックで作られてよい。
図5A、図5B及び図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ発生システム500の3つの図を示す。プラズマ発生システム500は、キャビティ502を有し、プラズマ発生ゾーン504(例えば、プラズマ活性化ゾーン)を収容するハウジング510と、少なくとも第一電気接点522、第二電気接点524、エネルギー源530(例えば、バッテリ)、及び変圧器526を有するプラズマ発生機とを含んでもよい。ハウジング510は、フィルタ506及びコントローラ508を収容することもできる。変圧器526は、セクション526a及び526bとして断面図で示されたリング形状ソレノイドであってもよい。変圧器526は、一方の側(例えば、入力側)で電源530に電気的に結合されてもよく、他方の側(例えば、出力側)で、例えば1つ以上の導電性のワイヤ及びねじ528を介して、第一電気接点522に電気的に結合されてもよい。変圧器526は、入力電圧(例えば、24V)を実質的により高い電圧(例えば、10kV~20kV)に変換することができる。第一電気接点522は変圧器526によって発生したより高い電圧レベルに電気的に結合されることができ、第二電気接点524は接地など、より低い電位に接続されることができると、第一電気接点522と第二電気接点524との間に実質的に高い電位を発生させることができる。第一電気接点522は、ビューポート390を包んでキャビティ502に挿入するように構成された図3Aの保護シュラウド310aなど、保護シュラウドの外部絶縁面に電気的に結合されてもよい。第二電気接点524は、絶縁保護シュラウドの内部の光学素子(例えば、図3Aのビューポート390)に電気的に結合され得ることにより、絶縁保護シュラウドの内部に位置決めされた光学素子と第一電気接点522との間に実質的に電位を生じ得る。
プラズマ発生システム500は、キャビティ502内にプラズマ発生ゾーン504を含んでよく、プラズマ発生ゾーンは、光学素子を有する物体(例えば、図2のビューポート392を有する内視鏡308)の少なくとも一部がキャビティ502内に保定されるとき、光学素子がプラズマ発生ゾーン504内に位置しているように配置されてよい。従って、プラズマ発生ゾーン504は、第一電気接点522と第二電気接点524との間で同電位を受け得ることによって、プラズマ発生ゾーン504の内側にプラズマを発生させることが容易になり得る。プラズマ発生ゾーン504の内側に低圧(例えば、真空)を作り出すことにより、プラズマ発生ゾーン504の内側のプラズマ発生をさらに促進することができる。プラズマ発生機は、本明細書に開示された実施形態による、プラズマ発生ゾーン504内で物体(例えば、医療機器)を処理するためにプラズマを発生させることができる。ハウジング510のキャビティ502は、スロット132(図1A)、開口部142(図1D)、開口部314(図2)、孔部350(図3A)、及び孔部450(図3C)のうちの1つ以上に対応してもよい。プラズマ発生ゾーン504は、プラズマアプリケータ348(図3A)に対応することができる。キャビティ502は、プラズマ発生ゾーン504へのアクセスを提供し得ることで、例えば、プラズマ処理を実行して物体の親水性を高めるために物体をプラズマ発生ゾーン504に挿入することが可能になってもよい。コントローラ508は、プラズマを発生させるためにプラズマ活性化ゾーン504へのガスの流入及び/または流出、プラズマを発生させるための電場及び/または電磁場の発生、及びプラズマ発生機によるプラズマ発生に関連する任意の他のパラメータなど、プラズマ発生機の1つまたは複数の態様を制御することができる。プラズマ発生システム500は、圧力センサ1100(図11)、電圧センサ514、及びプラズマ周波数センサ512などの1つ以上のセンサをさらに含み得る。電圧センサ514及びプラズマ周波数センサ512がプラズマ発生ゾーン504の内側に示されているが、これは1つの例示的な実装に過ぎず、電圧センサ及びプラズマ周波数センサが電圧源(例えば、変圧器526)に電気的に結合される任意の位置に位置決めされてもよいことに留意されたい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔への挿入のために構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制するための方法600の例を示すフローチャートである。方法600のステップ602は、医療機器の光学素子をプラズマに曝露することを含み得る。方法600のステップ604は、光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマが光学素子と接触している状態を維持することを含んでもよい。方法600のステップ606は、プラズマから光学素子を除去することを含み得る。方法600のステップ608は、光学素子が親水性である医療機器を体腔に挿入することを含み得る。方法600のステップ610は、親水性光学素子を水分に曝露すると、水分が光学素子の光学面上に薄膜バリアを形成することによって、結露ディストーションを抑制することを含んでもよい。
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ発生システム500(図5A~図5C)の別の断面図を示す。図示のように、プラズマ発生システム500は、医療機器の光学面706を処理するように構成され、電気回路700と、使い捨て製品に触れるように設計された第一対の電極702A及び702Bと、医療機器に触れるように設計された第二対の電極704A及び704Bとを含むことができる。
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態による、内視鏡802を備えたシース800の断面図を示す。図示のように、シース800は、環状シール804、一方向弁808に関連する開口部806、及び電極810を含み得る。図8Bは、本開示の一実施形態による、シース800の別の断面図を示し、このシースは、その内に挿入された医療機器(例えば、内視鏡802)を取り外し可能に受容するように構成される。図示のように、シース800は、内視鏡802の移動を制限するように構成された少なくとも1つのストッパ812を含むことができる。
図9は、シース800をプラズマ発生システム500にどのように挿入することができるかを示す。図示のように、プラズマ発生システムは、シース800を保定するサイズに作られた孔部900を含み得る。他の図面には、他の関連要素が示されている。
図10Aは、本開示の以下の実施形態による、プラズマ発生システム500内に配置された複数の真空ポンプを示す。図示のように、プラズマ発生システム500は、複数の真空ポンプ(例えば、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D)と、これらを直列に連結するコンジット(例えば、コンジット1002)とを含んでもよい。他の図面には、他の関連要素が示されている。図10B及び図10Cは、プラズマ発生システム500のポンプマニホールドの例示的な断面図を示し、複数の真空ポンプがどのように直列に連結されるかを示す。
図11は、本開示による、プラズマ発生システム500の別の断面図を示す。図示のように、プラズマ発生システム500は、1つまたは複数のセンサ(例えば、圧力センサ1100、及びプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された他のセンサ)、及び通知を表示するためのディスプレイ1102をさらに含むことができる。
図12は、いくつかの実施形態による、シース800の別の断面図を示す。図示のように、シース800は、スコープの直径に関係なく真空チャンバの形成を可能にするように構成された環状シール1200と、より小さい直径を有するスコープを用いる場合に利用され得る調整キャップ1202とを含むことができる。
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、一体化されたシース及びカバーを示す。具体的には図13では、プラズマ発生システム500のキャビティに挿入されるように構成されたレセプタクル1300(例えば、シース800)と、レセプタクル1300の近位端部に無菌で添着されたシールド1302と、シールド1302を固定するための接着剤1304とが示されている。
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマによって細長いツールを処理するための方法1400を示すフローチャートである。方法1400のステップ1402は、細長いツールが孔部内にあることを示す挿入信号を検出器から受信することを含むことができる。方法1400のステップ1404は、挿入信号に応答して、少なくとも1つのポンプを作動させて、孔部の少なくとも一部内に負圧を発生させることを含んでもよい。方法1400のステップ1406は、真空センサから信号を受信することと、そこから孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であると決定することとを含み得る。方法1400のステップ1408は、孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であるという決定が行われた後に、プラズマ発生機を作動させることにより、細長いツールの遠位端部領域をプラズマに曝露することを含み得る。
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔への挿入のために構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制する方法の例を示すフローチャートである。
プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるのに十分であることを確保するために、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ処理を監視するための1つまたは複数のプログラムコード命令を実行し得る。少なくとも1つのプロセッサは、1つまたは複数のセンサによって測定され得るような、1つまたは複数のパラメータに基づいてプラズマ処理の有効性を決定し得る。いくつかの実施形態では、プラズマ処理が物体の親水性を高めるのに十分でないことをパラメータが示すとき、プロセッサは通知を出力することができる。いくつかの実施形態では、この通知は、プラズマ処理のための調整及び/または較正をトリガし得る。
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照することを含む。可能な限り、同一または類似する部分を参照するために、同一の参照符号が図面及び説明で使用される。本明細書においていくつかの例示的な実施形態が説明されるが、修正、適合、及び他の実装態様が可能である。例えば、図面に示された構成要素に対して置換、追加、または修正を行うことができ、本明細書で説明される例示的な方法は、本開示の方法のステップの置換、再順序付け、除去、または追加を行うことにより、修正されることができる。従って、以下の詳細な説明は、本開示の実施形態及び実施例を限定するものではない。代わりに、適切な範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
いくつかの実施形態では、物体を処理するためのプラズマ発生装置が提供される。「プラズマ」という用語は、荷電粒子、例えば、電子及びイオンを豊富に含む物質の状態を指すことができる。その結果、プラズマは導電性が高く、電場及び/または電磁場に感受性が高くなり得る。「プラズマ発生装置」という用語は、例えばガスをプラズマ状態またはプラズマ雲に転移させるためにガスを変換する(例えば、ガスに点火する)ことによって、プラズマを発生させることができる任意の装置またはコンポーネントの組み合わせを含むことができる。「物体を処理する」という用語は、物理的な物体の1つまたは複数の特性を変更するために適用されたプロセス、プロシージャ、またはプロトコルを指すことができる。例えば、プラズマ発生システム100(図1A)及び500(図5A~図5C)は、開示された実施形態によるプラズマ発生装置の例示的な実装を示す。いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、ガス及び2つの電極(例えば、アノード及びカソード)を収容し得、これら2つの電極は、収容したガスに電場または電磁場を印加し得る。電場または電磁場は、ガスが導電性プラズマ雲になる点まで、収容したガスを電離し得る。
いくつかの実施形態では、物体は、光学素子を含み得る。「光学素子」は、光が通過しても、及び/または反射されてもよい、あらゆる製造品を含み得る。光学素子は、レンズ、偏光子、回折格子、プリズム、反射鏡、フィルタ、のぞき窓、鏡、保護窓、または光を通過させるもしくは反射する任意の他のコンポーネントのうちの1つ以上の組み合わせであってもよい。光学素子は、光波の強度、位相、伝播方向、周波数、波長、または偏光のような、光学素子へ、または光学素子から向けられた光波の1つまたは複数の特性を変更することができる。例えば、光学素子は、金属、ガラス、プラスチック、半導体、または光学特性を示す任意の他の材料から形成されてもよい。この処理によって変更された特性は、物体の光学特性、電気特性、磁気特性、または導電特性に関連し得る。例えば、プラズマ発生装置が発生したプラズマ雲に物体を曝露することによって、物体が処理されてもよい。プラズマに物体を曝露することは、物体の親水性に影響することによって、例えば、流体を、個々の(例えば、別個の)液滴として形成する代わりに、物体に均一に(例えば、均等に)コーティングさせることによって、物体の光学特性を変更することができる。光学素子の一例は、ビューポート390(図2、図3A、及び図3C)が設けられ得るような、光学素子392(図3C)である。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置はハウジングを有してよい。「ハウジング」という用語は、プラズマ発生機を収容することができるあらゆる支持構造体、フレーム、ケージ、筐体、または包含体を指すことができる。ハウジングは、プラスチック、金属、ガラス、木材、またはプラズマ発生装置を包むことができる任意の他の材料など、任意の適切な材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは1つ以上の絶縁材料を含むことができ、これら1つ以上の絶縁材料は、その内に包まれるプラズマ発生装置を、1つ以上の環境条件、例えば、電場及び/または電磁場、光、湿度、温度、衝撃、機械及び/または音響振動、及びプラズマ発生装置によるプラズマ発生に影響する可能性のあるその他の任意の環境属性から絶縁することができる。プラズマ発生装置のハウジングの一例は、プラズマ発生ゾーン504を入れている、図5A~図5Cのハウジング510によって示される。同様に、プラズマ発生場アプリケータ130(図1A)の外部は、開示された実施形態に即した、ハウジングを形成することができる。
いくつかの実施形態では、ハウジングには、孔部(例えば、「キャビティ」または「スロット」)が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、孔部は、物体の少なくとも一部を取り外し可能に保定するサイズに作られてもよい。例えば、ハウジングの表面は、そこに物体を挿入するために孔部への入口を露出させてもよい。孔部は、物体を収容するためのあらゆる適切な形状またはサイズであってもよい。例えば、孔部は、細長い医療機器を保定するように構成されたシースを収容するように管状であり得る。孔部は、円形、三角形、四角形、矩形、卵形、またはあらゆるその他の規則的もしくは不規則な形状の断面を有してもよい。プラズマ発生装置のハウジング内に配置された孔部の一例は、スロット132(図1A及び図1C)、開口部142(図1D)、開口部314(図2)、孔部350(図3A)、孔部450(図3C)、及び孔部900(図9)によって示されてもよい。
いくつかの実施形態は、ハウジング内にプラズマ発生ゾーンを有するプラズマ発生装置を含むことができる。本明細書で使用される場合、「プラズマ発生ゾーン」という用語は、例えばそこに導入されたガスに点火することによって、プラズマ雲を形成することができる物理的な容積または空間を指すことができる。プラズマ発生ゾーンのサイズは任意であってよい。例えば、プラズマ発生ゾーンは、15cm3未満、10cm3未満、または5cm3未満であることができる。図5Aのプラズマ発生ゾーン504は、開示された実施形態による、プラズマ発生ゾーンの例示的な実装である。いくつかの実施形態では、プラズマ活性化ゾーンは、キャビティ内に位置決めされ得、このキャビティは、その内に物体の少なくとも一部を保定することによって、物体の少なくとも一部をプラズマ処理に曝露するように構成され得る。例えば、プラズマ発生ゾーン(例えば、プラズマ発生ゾーン504)は、孔部350(図3A)内に位置決めされ得、この孔部は、その内に内視鏡380の少なくとも一部を保定することにより、内視鏡380の少なくとも一部をプラズマに曝露するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、物体の少なくとも一部をプラズマ発生ゾーンに曝露する様式で、物体を保定するように構成されたキャビティに関連していることができる。「キャビティ」という用語は、物体を収容することができるチャンバ、クレバスまたはピットを指すことができる。プラズマ発生ゾーン内のチャンバは、プラズマ雲(例えば、その内で流動するガスに点火することにより発生した)と共にプラズマ発生ゾーンの内側に物体の少なくとも一部を収容することによって、物体の少なくとも一部をプラズマ雲に曝露することができる。例えば、キャビティは、プラズマ発生ゾーン内に内視鏡のビューポートを収容して、ガスが点火された後にプラズマ活性化ゾーンの内側に発生したプラズマ雲に、ビューポートを曝露することができる。その結果、ビューポートの親水性が高まり、その後、ビューポートが体内に挿入されるとき、噴霧が形成されることを防ぐことができる。例えば、図5Aを参照すると、処理装置は、ハウジング510内に配置されたキャビティ502を有してもよい。キャビティ502は、内視鏡380の遠位端部に配置された光学素子392をプラズマ発生ゾーン504に曝露する様式で、医療機器(例えば、図2の内視鏡380)を保定するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、物体の収容を可能にするように構成され得る。「収容」という用語は、例えばプラズマ発生ゾーン内で、物体を包囲する、保持する、封入する、支持する、またはその他の方法で包むための能力を指し得る。例えば、プラズマ発生ゾーン内で物体を支持して、物体をプラズマ雲に曝露することができる。「物体」という用語は、光学素子を含み得るような、任意の物理コンポーネントであり得る。光学素子は、鏡、レンズ、のぞき窓、またはその他の光学面のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、「物体」という用語は、さらにまたは代替に、患者の体内に挿入するように構成され得るような、医療機器を含み得る。例えば、内視鏡380(図3A)には、開示された実施形態による、物体の例示的な実装が示される。
いくつかの実施形態では、物体は、医療機器の少なくとも一部であり、少なくとも1つのプロセッサは、医療手技中に医療機器を使用する前にプラズマ処理の不具合を示す通知を出力するように構成される。「医療機器」という用語は、医療手技を実施するために使用される任意の装置または機器を指すことができる。例えば、医療機器は、内視鏡、腹腔鏡、胃鏡、膀胱鏡、尿管鏡、関節鏡、大腸鏡、ミラー(例えば、歯科用ミラー)、口腔内スキャナ、及び患者の体内に挿入するのに適したその他の任意の機器であってもよい。いくつかの実施形態では、医療機器は細長い形状を有することができる。医療機器の断面は、円形、四角形、三角形、矩形、卵形、または患者の体内に挿入するのに適した任意の形状であり得る。医療機器の幅は均一であってもよく、または異なってもよく、医療機器のエッジは角張ってもよく、または湾曲してもよい。「通知」という用語は、伝達情報または伝送情報を指すことができる。例えば、内視鏡のプラズマ処理が失敗したと決定した後、少なくとも1つのプロセッサは、医者が内視鏡を使用して内視鏡検査を行う前に、その失敗を示す情報を医者に伝えることができる。この通知は、テキスト、音、振動、視覚警告(例えば、点滅光)またはこれらの任意の組み合わせの形式であってよい。図2を参照すると、内視鏡380の遠位端部に位置決めされた光学素子392は、開示された実施形態による、医療機器の少なくとも一部である物体の例示的な実装である。コントローラ508(図5B)は、医療手技中に内視鏡380を使用する前にプラズマ処理の不具合を示す通知を、ディスプレイ1102を介して出力することができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、エネルギーを供給してプラズマ処理を実行するための回路を含み得る。「回路」という用語は、入力として(例えば、コントローラとして動作するプロセッサから)電気信号を受信することに応答して、1つまたは複数の演算(例えば、論理演算)を実行するための電子コンポーネント(例えば、メモリユニット、スイッチ、ゲート、ワイヤ、変圧器、及びその他の電子コンポーネント)の任意の組み合わせを含み得る。回路は、エネルギー源、例えば、電源、発電機、バッテリ、または充電式バッテリをプラズマ発生装置に結合し得、ガスをプラズマ雲に変換する目的でガスの点火を可能にする。エネルギー源は、例えば壁部出口からケーブルを介して、プラズマ発生装置の外部にあってもよい。いくつかの実施形態では、操作ユニットは、バッテリ、例えば充電式バッテリなどの内部エネルギー源によってエネルギーが与えられ得る。回路は、エネルギー源によって送達されたエネルギーの1つ以上の態様、例えば大きさ、強度、周波数、位相、タイミング、極性だけでなく、エネルギーに関連する電圧、エネルギーに関連する電流、及びエネルギーを特徴付けるその他の任意の属性を制御することができる。回路は、例えば、ガスに点火してプラズマ雲を発生させてプラズマ処理を実行するために、プラズマ発生装置の要件に従ってエネルギーを適合し得る。従って回路は、変圧器、接続ワイヤ及び接点、ならびに1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよく、これら1つ以上の集積回路には、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサが含まれてもよく、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、アクセラレーテッドプロセッシングユニット(APU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または計算命令の実行に適した、及び/または例えば計算命令もしくは入力信号に基づいて論理演算を実行できる、その他の回路のすべてまたは一部が含まれてもよい。この回路には、1つまたは複数のメモリユニット、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、その他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、または論理演算を実行するためのデータ及び/または計算命令を格納できる任意の他のメカニズムがさらに含まれてもよい。回路には、1つまたは複数の通信チャネルがさらに含まれてもよく、1つまたは複数のICをメモリに結合することによって、1つまたは複数のICは、プラズマ発生装置に送達されたエネルギーを制御するように対応する論理演算の実行に必要なそこに格納された計算命令及び/またはデータを受信することが可能になる。1つまたは複数のICをメモリに結合する通信チャネルは、有線チャネル、例えば、1つまたは複数のケーブル、ファイバ、ワイヤ、バス及び他の任意の機械的に結合された通信チャネルを含むことができる。通信チャネルは、さらにまたは代替に、無線チャネル、例えば、短波、中波及び長波無線通信チャネル(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、Zigbee、セルラー、衛星)、光通信チャネル、ならびに音響通信チャネルを含むことができる。
「エネルギー」という用語は、電場及び/または電磁場を誘起することができる電気信号及び/または磁気信号を指し得る。回路は、電気(例えば、電圧、電流)及び/または磁気信号(例えば、方向、強度、密度)のタイミング、周波数、強度、大きさ、及び位相などのエネルギーのパラメータを制御して、電場及び/または電磁場を受けたガスをプラズマ雲に変換することができる電場及び/または電磁場を発生させ得る。例えば、変圧器は、電源から供給される比較的低い電圧供給(例えば、数十ボルト)を、プラズマ発生ゾーンに供給される高電圧に変換して、電磁場を発生させ得、その内でプラズマに点火することができる。例えば、電場及び/または電磁場は、ガスがプラズマ状態に達する点まで導電性が高まるまで、ガスを電離することができる。従って、回路は、例えばガスをプラズマ雲に変換することができる電場及び/または電磁場を誘起することができる信号にエネルギー源からのエネルギーを適合させることによって、プラズマ処理を実行するのに適している形式でエネルギーを供給することができる。例えば、回路106(図1A)は、開示された実施形態に従って、エネルギーを供給して、プラズマ処理を実行し得る。回路106は、電源530によって(例えば、少なくとも1つのプロセッサ102または508による1つ以上の制御操作に応答して)供給される電気エネルギーを、プラズマを発生できる電場及び/または電磁場を発生させるのに適している形式に適合させ得る。適合したエネルギーは、カソードコンタクタ352、導電体354、及び導電体358(図3A)のいずれかを介して、カソード330、アノード340、誘電体バリア344のいずれかに供給され得る。例えば、電源530の作動時に、回路106は、電源530によって供給された電気エネルギーを(例えば、少なくとも1つのプロセッサ102または508による制御命令に応答して)適合させ得、導電体354及び358を介してカソード330及びアノード340に、適合した電気エネルギーを送達して、その内に存在するガスからプラズマを発生させるのに適した電場及び/または電磁場を発生させ得る。別の例として、図7の回路700は、プラズマ処理を実行するためのエネルギーを供給することができる。
いくつかの実施形態は、エネルギーを供給してプラズマ処理を実行し、物体の親水性を所望のレベルまで高めることを含み得る。「親水性」という用語は、水和している分子の傾向または有利性を指す。親水性化合物は、その化合物を水分子と結合することを、親水性でない化合物、例えば、水(例えば、極性)分子と容易に結合しない疎水性化合物よりも、より容易に可能にする熱力学的特性を有し得る。親水性の物体は濡れ性であり得ることで、液体(例えば、水)と物体との間の接着力及び凝集力のバランスを保つ分子間相互作用により、液体が物体との接触を維持することが可能になる。「所望のレベル」という用語は、流体が物体と接触するようになるとき、物体の表面上に実質的に均一な流体の層の形成を達成することで、流体液滴(例えば、噴霧)の形成を阻止する、抑制する、または少なくともある程度防止する、親水性のレベルを指し得る。所望のレベルは、特定の物体及び特定の意図された使用に応じて変動し得る。所望のレベルの親水性により、流体の層が十分に均一になり、最低限の光学品質が確保され得る。例えば、所望のレベルの親水性は、物体の上に集まる流体の層の最小可変厚、または物体の表面上に蓄積する流体と物体の表面との間の最小入射角、例えば、30度未満、15度未満、もしくは10度未満に関連付けられてもよい。例えば、図3Aを参照すると、カソード330、アノード340、誘電体バリア344、カソードコンタクタ352、導電体354、及び導電体358によって部分的に表された回路は、エネルギーを供給してプラズマ処理を実行し、医療手技中の噴霧の蓄積によって内視鏡380を介した視認性が著しく低下しないレベルまで、内視鏡380の親水性を高めることができる。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのプロセッサが所定の持続時間にプラズマ処理を維持することを含み得る。例えば、所望のレベルの親水性に達するために、少なくとも1つのプロセッサは、体腔に挿入する前に光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させ得る。いくつかの実施形態では、所定の持続時間は、プラズマ処理のために発生したプラズマの特性、例えば、プラズマを発生させるために使用されたガスの種類、及びプラズマが発生する条件(例えば、圧力、温度、電場及び/または電磁場、電圧、電流)に基づいていることができる。いくつかの実施形態では、所定の持続時間は、物体の物性、例えば、物体が作られている材料、物体の形状、物体のサイズ、物体の鋭さまたは滑らかさ、物体の光学特性(例えば、透明性、反射性)に基づいていてよい。いくつかの実施形態では、所定の持続時間は、物体の所望のレベルの親水性に基づいている。例えば、高い正確度を必要とする医療手技に意図された第一物体は、より低い正確度を必要とする医療手技に意図された第二物体よりも大きい親水性を必要とする可能性がある。さらに、または代替に、いくつかの実施形態では、所定の持続時間は、所望の及び/または許容可能なレベルの光学品質、物体の意図した使用、及び物体の親水性によって影響され得る任意の他のパラメータ(例えば、性能パラメータ)に基づいていてもよい。いくつかの開示された実施形態によれば、物体を親水性にするのに十分な期間は、1分未満、45秒未満、30秒未満、または15秒未満であり得る。
図1Aの少なくとも1つのプロセッサ102は、例えば少なくとも1つのプロセッサ102の内部のクロックを介して、所定の持続時間にプラズマ処理を維持するためのコントローラの例示的な実装を示す。少なくとも1つのプロセッサ102は、例えば回路106を介して、電源104によって供給されたエネルギーの1つまたは複数の態様を適合し得、この適合したエネルギーを、ケーブル112を介してプラズマ発生場アプリケータ130に供給し得る。さらにプロセッサ102は、例えばメモリ104に格納され得るような、プラズマ処理のためにプラズマ発生場アプリケータ130によって発生したプラズマの特性、及び/または物体200の物性に基づいて、所定の持続時間を決定し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、例えば、医療手技中に物体が体内に挿入されるとき、物体200の光学素子上に噴霧が凝縮するのを防止するための、物体200の所望のレベルの親水性に基づいて、所定の持続時間を決定し得る。図5Bは、物体の所望のレベルの親水性に応じて、所定の持続時間にプラズマ発生システム500によるプラズマ処理を維持するためのコントローラ508(例えば、少なくとも1つのプロセッサ)の例示的な実装をさらに示す。例えば、高いレベルの正確さが要求される手技に1つの物体が必要とされる場合、コントローラ508は、比較的長期間(例えば、45秒間)、この物体に処理を適用することができる。一方、より低いレベルの正確さが要求される手技に別の物体が必要とされる場合、コントローラ508は、比較的短期間(例えば、15秒間)、この物体に処理を適用することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ処理が閾値を下回ると決定することに応答して、後続のプラズマ処理の持続時間を増加させるようにさらに構成される。例えば、物体上での第一プラズマ処理が15秒しか持続しなかったため、物体が親水性状態に達しない場合(例えば、プラズマ処理が閾値を下回ったため、物体上に噴霧が形成される可能性がある場合)、少なくとも1つのプロセッサは、物体に対する第二プラズマの持続時間を30秒まで増加させることができる。第二(例えば、より長い)プラズマ処理は、処理された物体を超親水性にし得る(例えば、プラズマ処理は閾値を上回り、物体の上に噴霧が形成されなくなる)。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102または508は、物体200の光学素子上に噴霧が形成されるのを防止するための閾値を、物体200に適用された前のプラズマ処理が下回ると決定することに応答して、プラズマ発生場アプリケータ130による後続のプラズマ処理の持続時間を増加させることができる。
いくつかの実施形態によれば、所望のレベルの親水性は超親水性である。「超親水性」という用語は、非常に高いレベルの親水性、例えば、流体と物体の表面との間の接触角を実質的に低減させるのに十分な親水性であるため、例えば、流体が物体の表面を実質的に均一(例えば、平坦)な層としてコーティングすることが可能になることを指し得る。いくつかの実施形態では、物体の親水性を所望のレベルまで高めた後、流体と物体の超親水性表面との間の接触角は、例えば、20℃及び大気圧で測定したとき、約30°未満、例えば、約15°未満または約10°未満であり得る。従って、プラズマ処理の前には、物体の表面上に液滴が蓄積して、物体の光学的挙動にディストーションを起こし得るが、プラズマ処理の後には、実質的に均一な流体の層で物体の表面をコーティングし得、有意義な方法で物体の光学的挙動にディストーションを起こさない。いくつかの実施形態では、物体の親水性を所望のレベルまで高めると、物体の表面電荷及び表面エネルギーが強調されることで、水分子を物体の表面に結合することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、物体の親水性に対するプラズマ処理の効果は、時間内、例えば、48時間未満、36時間未満、24時間未満、または12時間未満に制限され得る。
いくつかの実施形態では、所望のレベルの親水性は、プラズマ処理の品質に関係し得る。「プラズマ処理の品質」は、所与の持続時間にプラズマを発生させるために電場及び/または電磁場を活性化した後に達成された親水性のレベルに関係し得る。例えば、高品質のプラズマ処理は、電場及び/または電磁場を(例えば、5分、または1分、または最短10秒、またはさらに最短5秒の)比較的短い時間に活性化した後、比較的高いレベルの親水性を達成し得る(例えば、処理された表面上で水の表面張力を上回る、すなわち0.072N/Mを上回る表面張力を得る)。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、プラズマ処理中に少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサを含むことができる。「センサ」という用語は、検知できるデバイスまたは素子を指す場合がある。例えば、センサは、絶対値、または量における変化を検知して、対応する信号またはデータを生成することができる。センサは、物理(例えば、アナログ及び/またはデジタル)信号を感知するように構成された物理センサ、デジタル信号(例えば、デジタルフォーマットに変換されたアナログ信号、少なくとも1つのプロセッサによって生成されたデジタル信号、別のデバイスから受信したデジタル信号)を感知するように構成されたソフトウェアセンサ、または物理センサとソフトウェアセンサとの組み合わせであってよい。「測定」という用語は、属性、例えば、物理属性の検知、チェック、評価、推定または定量化に関連し得る。センサは、瞬時特性、時間依存特性、またはそれらの組み合わせとして属性を測定することができる。「プラズマ活性化パラメータ」という用語は、プラズマ活性化ゾーン内及び/またはその近くの任意の状態に関連することができる。例えば、センサは、圧力センサ、電圧センサ、電流センサ、プラズマ周波数センサ、タッチセンサ、時間センサ、光センサ、温度センサ、電場センサ、磁場センサ、またはプラズマ処理に関連するパラメータを測定するための任意の他の検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、センサは、孔部の少なくとも一部内の負圧を(例えば、真空センサを介して)測定してもよい。いくつかの実施形態では、センサは、物体(例えば、光学素子)の少なくとも一部が孔部内にある、例えば、プラズマに曝露される準備ができているときに検知することができる。例えば、センサは、タッチ、圧力、重量、磁気もしくは電気伝導率、温度、光学特性、または物体の少なくとも一部の存在を検知するための他の任意の物理属性に感受性があることができる。「プラズマ処理中」という用語は、物体の親水性を高める目的で物体がプラズマ雲に曝露されるタイムスパンを指すことができる。タイムスパンは、考えられる時間の範囲、最小時間、最大時間、または推奨時間に関連し得る。いくつかの実施形態では、このタイムスパンは、プラズマ発生ゾーン内に存在するガスからプラズマ雲を発生させるために必要な期間を含むことができる。いくつかの実施形態では、このタイムスパンは、プラズマ発生ゾーンにガスを導入するのに必要な期間を含むことができる。いくつかの実施形態では、タイムスパンは、プラズマ発生ゾーンから他のガス(例えば、空気)を排気するのに必要な期間を含み得る。図5及び図11を参照すると、プラズマ発生システム500は、プラズマ活性化パラメータを測定するための1つまたは複数のセンサ、例えば、圧力を測定するための圧力センサ1100(図11)、プラズマ発生ゾーン504内で発生したプラズマの周波数を測定するためのプラズマ周波数センサ512、例えばアノード340とカソード330(図4)との間の、電圧を測定するための電圧センサ514を含む。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。少なくとも1つのプロセッサは、入力信号に論理演算を実行するための電気回路を含み得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサには、ASIC、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサを含む1つもしくは複数の集積回路(IC)、CPU、GPU、APU、DSP、FPGAの全部もしくは一部、または計算命令の実行に適した、及び/または例えば計算命令もしくは入力信号に基づいて、論理演算を実行できる他の回路が含まれることができる。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、コントローラ(例えば、プロセッサ)に統合された、もしくはそれに埋め込まれたメモリにプリロードされてもよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、RAM、キャッシュメモリ、ROM、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、またはそれらのような命令を格納できる任意の他のメカニズムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数のプロセッサを含むことができる。各プロセッサは、類似の構成、または相互に電気的に接続されても、もしくは切断されてもよい異なる構成を有してもよい。プロセッサは、別個の回路であってもよく、または単一回路に統合されてもよい。複数のプロセッサは、独立してまたは協調して動作するように構成されてもよい。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、またはそれらがインタラクトすることを可能にする他の手段によって結合されてもよい。プロセッサは、物理的及び/または仮想的(すなわち、ソフトウェアベース)であってよい。いくつかの実施形態では、クラウドコンピューティングの当技術分野で知られているように、複数のプロセッサを分散させ、それらにリモート及び/またはローカルで一括してアクセスしてもよい。図5Bを参照すると、コントローラ508は、開示された実施形態に即した、少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。同様に、少なくとも1つのプロセッサ508は、少なくとも1つのプロセッサの別の例示的な実装を示す。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータに基づいて、プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるための閾値未満であると決定するように構成され得る。「決定する」という用語は、例えばメモリに格納されたまたは別のデバイスから受信した、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータ及び1つ以上の追加の値に対して、少なくとも1つのプロセッサによって実行される測定、比較、推定、または計算に関連し得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータに基づいて、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを、プラズマ処理の前にメモリに格納された値(例えば、最小値、最大値、または平均値)と比較することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、「閾値」という用語は、電源レベル、エネルギーレベル、持続時間、強度、大きさ、圧力、周波数、位相、温度、または物体の親水性を高める際にプラズマ処理の有効性に影響し得る他の任意の属性など、プラズマ処理の態様に関連し得る。いくつかの実施形態では、「閾値」という用語は、処理した物体の特性、例えば、達成された親水性のレベル、処理した物体と接触するようになった流体の入射角、処理した物体の表面張力、処理した物体の表面電荷、処理した物体の表面上に凝縮された流体のばらつき、処理した物体が流体と接触するようになった後に処理した物体を介して達成された光学品質、及びプラズマ処理によって達成された親水性のレベルを示すその他の任意の特性に関連し得る。例えば、コントローラ508(図5B)は、プラズマ活性化パラメータ(例えば、図11の圧力センサ1100によって感知された圧力)に基づいて、プラズマ発生システム500(図5A~図5C)によって与えられたプラズマ処理が、内視鏡380のビューポートを介した視認性を低下させる結露を防止するための所望のレベルまで、内視鏡380の光学素子390(図2)の親水性を高めるのに十分でない(例えば、閾値を下回る)と決定することができる。その結果、コントローラ508は、プラズマ処理の不具合を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、センサ入力は、圧力及びRF電圧測定値であってもよい。プラズマに点火する前に圧力測定を行うことができ、経時的な(例えば、0.3atmなど、閾値を上回る)圧力におけるあらゆる変化を報告することができる。従って、変圧器526(図5B)は、閾値を下回る電圧の低下がプラズマ処理での不具合を通信することができるように、RF出力用のセンサを含むことができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ処理の不具合を示す通知を出力するように構成され得る。「出力」という用語は、インタフェースを介した情報の指示に関連し得る。情報は、視覚的に、例えば、視覚ディスプレイ、プリンタ、1つ以上の発光ダイオードもしくは電球、ダイヤル、ゲージ、メータ、または任意の他の視覚インジケータを介して示(すなわち出力)されてもよい。いくつかの実施形態では、情報は、可聴に(例えば、スピーカを介して)、または触覚的な方法で(例えば、偏心回転質量(ERM)に結合された直流モータにより発生した振動として)示されてもよい。いくつかの実施形態では、通知は、プラズマ処理の成功か不具合かいずれかを明らかにするバイナリインジケーションであってよい。いくつかの実施形態では、通知は、不具合の決定が少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータのどれに基づいているかをさらに示すことができる。いくつかの実施形態では、通知は、プラズマ処理の不具合を改善するために、1つまたは複数のシステムパラメータを調整するまたは較正するための推奨を含むことができる。いくつかの実施形態では、通知は、プラズマ発生装置の1つまたは複数のコンポーネントを交換してまたは固定して、プラズマ処理の不具合を改善するための推奨を含み得る。いくつかの実施形態では、通知は、プラズマ処理の不具合が差し迫っていることを指示する警告であり得る。いくつかの実施形態では、警告は、上記で言及されたシステムパラメータ及びまたはシステムコンポーネントのうちの1つまたは複数に関連することができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、ディスプレイ1102(図11)を介してプラズマ処理の不具合を示す通知を出力することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、プラズマ処理中にプラズマ発生ゾーン内の圧力を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、圧力が圧力レンジ外であるときにプラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定するようにさらに構成される。「圧力」という用語は、ある領域にわたって加えられるひずみまたは力に関連することができる。例えば、プラズマ発生ゾーン内に収容されるガスは、プラズマ発生ゾーンの内壁部に力を加えることができる。ガスによって加えられた力は、プラズマ活性化パラメータとして測定されることができ、このプラズマ活性化パラメータは、ガスがプラズマ点火に適した圧力であるとき、例えば、プラズマ発生ゾーンから空気が排気された後、またはプラズマに点火するためのガスがプラズマ発生ゾーンに流入した後を示すことができる。「圧力レンジ」という用語は、圧力窓、最小圧力、最大圧力、平均圧力、または平均圧力付近の公差のうちの1つ以上に関連し得る。いくつかの実施形態では、プラズマ点火に適した圧力は、0.1Atm未満であり得る。少なくとも1つのプロセッサは、検知された圧力を、メモリに格納された所定の圧力レンジ(例えば、0.1Atm未満)と比較し、検知された圧力が、プラズマの正常な発生に必要な条件を満たしていないと決定することができる。その結果、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ処理が不具合を起こす可能性があると決定することができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、圧力センサ1100(図11)を介して感知された圧力に基づいて、プラズマ発生システム500(図5A~図5C)によって物体に提供されたプラズマ処理が、例えば物体を介して視認性を低下させる結露を防止し得るなどの所望のレベルまで、物体の親水性を高めるために十分でない(例えば、閾値を満たすことができない)と決定することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、プラズマ処理中にプラズマを発生させる電極で電圧を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、検知された電圧が圧力レンジ外であるときにプラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定するようにさらに構成される。「電圧」という用語は、2点間、例えば2つの電極間(例えば、アノードとカソードとの間)の電位差(例えば、ボルト単位での測定)に関連し得る。「電圧レンジ」という用語は、最小電圧、最大電圧、平均電圧、または平均電圧付近の公差のうちの1つ以上に関連し得る。例えば、プラズマ発生ゾーンの近傍で検知された電圧は、プラズマを発生させるための電場及び/または電磁場の態様を決定することができる。「電極」という用語は、導電材料、例えば、金属、半導体、グラファイト、導電性ポリマー、及び電流を伝導することができる任意の他の材料で作られた電気接点に関連し得る。電極はアノードまたはカソードであってもよく、電流は通常、カソードから出てアノードに向かい流れる。従って、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、プラズマ発生ゾーンの内側または近くの電圧を測定する電圧センサを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、測定された電圧を受信して、物体の親水性を所望のレベルまで高めるためにプラズマを発生させることができる電場及び/または電磁場を駆動するのに電圧が十分であるかどうかを決定することができる。少なくとも1つのプロセッサは、検知された電圧を、メモリに格納された所定の電圧レンジと比較し、検知された電圧がプラズマの正常な発生に必要な条件を満たしていないと決定することができる。その結果、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ処理が不具合を起こす可能性があると決定することができる。図5Aを参照すると、電圧センサ514は、例えばアノード340とカソード330(図4)との間の、電圧を測定することができる。コントローラ508は、電圧センサ514から測定値を受信し、その測定値に基づいて、プラズマ処理が閾値を満たすことができないかどうかを決定することができる。
いくつかの実施形態では、ガスからプラズマを発生させることができる電場及び/または電磁場の特性は、電極のジオメトリ、例えば、形状、配置、及び電場を誘起するために設けられた電極間の距離に依存してもよい。さらに、または代替に、プラズマを発生させるために必要な電場及び/または電磁場は、プラズマを発生させるために使用されるガスに依存し得る。通常、高圧のガスは、ガス中のプラズマに点火するためにより高い電場及び/または電磁場(例えば、単位面積あたりの電圧として測定される)を必要とする。しかしながら、一部のガスは、他のガスよりも、点火してプラズマを形成するためにより低い電場及び/または電磁場を必要とすることがある。例えば、プラズマは、大気圧のヘリウムガス中で電極間の距離1cmにわたる約7KVの高周波(RF)場(例えば、1MHz~15MHzの間の周波数内)を用いて点火され得るが、ヘリウムガスが0.8KPaの圧力である場合、約200Vの電圧で十分であり得る。場周波数が類似している電極の類似した配置を使用すると、プラズマは大気圧の空気中で約20KVの電圧を使用して点火され得るが、空気が0.8KPaの圧力である場合、より低い電圧、例えば800Vで十分であり得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、プラズマ処理中にプラズマ周波数を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、検知されたプラズマ周波数がプラズマ周波数レンジ外であるときにプラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定するように構成される。「プラズマ周波数」、例えば「電子プラズマ周波数」という用語は、プラズマ中に存在するイオン(例えば、正及び負に帯電した粒子)に対して、プラズマ中の電子(例えば、負に帯電した粒子)が自然に振動する周波数に関連し得る。プラズマ周波数は2~20MHzの間の範囲にあることができる。各種類(例えば、種)のプラズマは、異なる周波数を有することができる。「プラズマ周波数レンジ」という用語は、最小プラズマ周波数、最大プラズマ周波数、平均プラズマ周波数、または平均プラズマ周波数付近の公差のうちの1つ以上に関連することができる。図5Aを参照すると、プラズマ周波数センサ512は、プラズマ発生ゾーン504内で発生したプラズマの周波数を測定することができる。コントローラ508は、プラズマ周波数センサ512から測定値を受信し、その測定値に基づいて、プラズマ処理が閾値を満たすことができないかどうかを決定することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、圧力センサ、電圧センサ、またはプラズマ周波数センサのうちの少なくとも1つを含む。圧力センサは、圧力トランスデューサ、圧力トランスミッタ、圧力センダ、圧力インジケータ、ピエゾメータ、マノメータ、または圧力を検知もしくは測定できる任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。圧力センサは、例えば、真空ポンプを監視するためなど、一定の基準が必要とされる状況について、完全真空に対する圧力を測定する絶対圧力センサであってもよい。代替に、圧力センサは、大気圧もしくは周囲圧力に対して、または周囲圧力とは異なる圧力に対して、圧力を測定してもよい。圧力センサは、圧力センサに対するガスの押し付けまたは押圧によって(例えば、圧力センサがプラズマ発生ゾーンの内側に位置しているときに)生じる圧縮、荷重、または応力を測定するためのフォースコレクタを含み得る。さらに、または代替に、圧力センサは、ガスの共振周波数における変化を測定するための1つまたは複数の振動コンポーネント、例えば、振動ワイヤ、結晶(例えば、石英)、微小電気機械システム(MEMS)、及び共振周波数に感受性がある任意の他の振動コンポーネントを含んでもよい。電圧センサは、磁場、電場、または電磁場を検知して、物体内の電圧量(例えば、電位)を計算することができる。いくつかの実施形態では、電圧センサは、電気回路に接触するように構成されたテストプローブを有する接触センサであってもよい。いくつかの実施形態では、電圧センサは、回路から電圧センサに容量性結合される弱電流を感知するように構成された非接触電圧センサであってよい。プラズマ周波数センサは、プラズマの電子密度を測定するように構成された共振周波数検出器であってよい。図5及び図11を参照すると、電圧センサ514及びプラズマ周波数センサ512(図5A)は、プラズマ発生ゾーン504内で発生したプラズマに関して、それぞれ電圧及びプラズマ周波数を測定することができる。同様に、周波数センサ1100(図11)は、プラズマ発生ゾーン504(図5A)内で発生したプラズマの周波数を測定してもよい。コントローラ508(図5B)は、電圧センサ514、プラズマ周波数センサ512、または周波数センサ1100のうちの1つ以上からの測定値を受信し得、その測定値に基づいて、プラズマ処理が閾値を満たすことができないかどうかを決定し得る。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、プラズマ処理を実行するためにガスをプラズマ発生ゾーンに流入させるように構成されたガスリザーバをさらに含み得、少なくとも1つのプロセッサは、ガスの特性に基づいて、プラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定するようにさらに構成される。「ガスリザーバ」という用語は、例えば大気圧よりも高い圧力または低い圧力の、ガスを収容するように構成された、密閉可能なタンク、バルーン、またはキャニスタを指すことができる。いくつかの実施形態では、ガスリザーバは、例えば単一プラズマ処理のために、ポータブルであってもよい。いくつかの実施形態では、ガスリザーバは、ポータブルではない中央ガスリザーバである。ガスリザーバは、例えばホースを介して、プラズマ発生装置のプラズマ発生ゾーンに流体連通するように構成されてもよい。ガスリザーバは、ガスリザーバからプラズマ発生ゾーンへのガスの流動を制御して減速させるための1つ以上のポンプ及び/またはバルブに流体連通するようにさらに構成されることができる。
いくつかの実施形態では、物体は内視鏡であり、プラズマ発生装置は、内視鏡の遠位端部を受容する寸法に作られた係脱可能なシースをさらに含み、プラズマ発生ゾーンは、シース内で内視鏡の遠位端部にプラズマ処理を適用するように構成される。「係脱可能」という用語は、取り外し可能であること、または分離できることを指し得る。例えば、シースは、内視鏡の遠位端部及びプラズマ発生装置から取り外し可能であり得る。「シース」または「保護シュラウド」という用語は、物体の周りに被嵌するカバーまたは支持構造体を指すことができる。例えば、シースは、医療機器の光学素子を封入し得る。例示的な一実施形態では、シースは、細長い、可撓性で、使い捨てのチューブであり得、医療機器がプラズマ発生ゾーンに挿入されるとき、シース内に医療機器の一部を保定する。いくつかの実施形態では、シースは、認証素子(例えば、RFIDタグまたは任意の他の自動的に検出可能な識別デバイス)を含み得、この認証素子は、シースを備えたプラズマ発生装置の動作前に、少なくとも1つのプロセッサがシースをテストすることを可能にする。認証素子によって、少なくとも1つのプロセッサは、シースが新しいものであるかどうか、及び/またはシースが許容可能な回数で使用されたかどうかを決定することが可能になる。これに加え、または代替に、認証素子によって、少なくとも1つのプロセッサはシースをテストして、シースが認可されたメーカーのものであるかどうかを決定することが可能になる。そのような検証がなければ、認可されていないシースが使用されて、物体上で噴霧を抑制する際の無菌性及び/または有効性が損なわれる可能性がある。「寸法に作られた」という用語は、測定された比率、例えば、長さ、幅、及び/または高さに従ったサイズに作られたもの、またはそれに従って設計されたもの(例えば、構成されたもの、または構築されたもの)を指すことができる。例えば、シースは、内視鏡の遠位端部を収容するサイズに作られてもよい。「内視鏡」という用語は、上述の医用スコープのいずれかを含むことができる。例えば、内視鏡は、光センサ(例えば、カメラ)と、遠位端部に配置された光源とを有する細長い管状器具を含む。内視鏡は、例えば一般的に内視鏡検査と呼ばれる医療手技の間、ヒトの体内を調べるために使用され得る。例えば、内視鏡の遠位端部は取り外し可能なシースの内側に配置され得、内視鏡の遠位端部を備えたシースは、例えばプラズマ処理を行うために、内視鏡の遠位端部がシースの内側にありながら、プラズマ雲に曝露されるようにプラズマ発生ゾーンの内側に配置され得る。プラズマ処理が完了した後、内視鏡は無菌性を保つためにシースの内側にありながらプラズマ発生ゾーンから取り外されてもよく、または内視鏡は、シースがハウジング内に留まりながら、ハウジングから完全に取り外されてもよい。図1Aの保護シュラウド110、図2の保護シュラウド310、及び図8Aのシース800は、開示された実施形態によるシースのいくつかの例である。別の例として、保護シュラウド310は、内視鏡380の遠位端部382(図2)を受容するサイズ(例えば、寸法)に作られてもよく、遠位端部382にビューポート390が設けられる。プラズマ発生ゾーン504(図5A)は、プラズマ処理を遠位端部382に適用することにより、ビューポート390が保護シュラウド310内にありながら、プラズマ処理をビューポート390に適用することができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、物体が誘電体バリアの第二側部上に配置されながら、誘電体バリアの第一側部上にプラズマ雲を収容するように構成される。図3A~図3Bのディスク344は、ディスク344の一方の側の上に位置決めされたアノード340を、ディスク344の他方の側の上に位置決めされたカソード330から分離する誘電体バリアの例示的な実装を示す。アーク形成を防止しながら、プラズマ雲をカソード側330の上に形成し、それに内視鏡380のビューポート390が曝露されることができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置はプラズマ発生機をさらに含み、このプラズマ発生機は、作動すると、プラズマ発生ゾーン内でプラズマ雲が形成されるように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、物体の親水性を所望のレベルまで高めるのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させるようにさらに構成される。図5A~図5Cのプラズマ発生機は、開示された実施形態によるプラズマ発生機の例示的な実装を示す。プラズマ発生機506は、例えばコントローラ508を介して、作動すると、プラズマ発生ゾーン504内にプラズマ雲を形成することができる。さらにコントローラ508は、例えば内視鏡検査手技中にビューポート390上に噴霧が形成されるのを防止するために、内視鏡380のビューポート390(図2)の親水性を所望のレベルまで高めるのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させることができる。
いくつかの実施形態では、物体の所望のレベルの親水性は、プラズマ処理後の少なくとも1時間、物体の表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するようなものである。いくつかの実施形態では、少なくとも1時間の処理後に表面に当たる液滴の接触角は、8.5度未満、または7.5度未満であり得る。
接触角は、親水性の程度、例えば、医療手技用など、物体を使用するのに必要な、所望の親水性、または閾値レベルの親水性を示すことができる。所望の接触角(例えば、10度未満、8.5度未満、または7.5度未満)は、物体が医療手技用に使用されるとき、物体の光学素子の所望の光学品質に関連付けられ得る。図2を参照すると、内視鏡380のビューポート390は、本開示によるプラズマによって処理され得ると、プラズマ処理後の少なくとも1時間、ビューポート390の表面張力は水の表面張力よりも大きくなるため、ビューポート390の表面に当たる水滴の接触角が10度を下回る。その結果、ビューポート390のプラズマ処理の少なくとも1時間は、噴霧の蓄積から実質的に免れ得、内視鏡380は、医療手技に使用され、高い光学品質を提供し得る。
図16は、本開示の実施形態に即した、プラズマを発生させて物体を処理するための例示的なプロセス1600のブロック図である。ブロック図は他の図面に示された特定の実装の実施形態に関連して以下で説明され得るが、これら実装は例示目的のみのために提供されており、図16のブロック図に対する限定として機能することを意図したものではない。プロセスの例は本開示全体を通して説明されているため、これらの態様は、繰り返されない、または図16に関連して単に要約される。いくつかの実施形態では、プロセス1600は、本明細書に記載された動作または機能を実行するために、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図5Bのコントローラ508)によって実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1600のいくつかの態様は、少なくとも1つのプロセッサに設けられたメモリに格納されるソフトウェア(例えば、プログラムコードもしくは命令)、または非一時的なコンピュータ可読媒体として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1600のいくつかの態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1600は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装され得る。
図16は、プロセスブロック1602~1610を含む。ブロック1602では、プラズマ発生ゾーンへの物体の進入を識別する。これは、例えば処理手段(例えば、図5Bのコントローラ508)を介して、行われることができる。例えば、コントローラ508は、内視鏡380のビューポート390と共に配置された遠位端部382(図2)がプラズマ発生システム500のプラズマ発生ゾーン504に入ることを識別することができる。
ブロック1604では、エネルギーを供給してプラズマをプラズマ発生ゾーン内に発生させるための回路を作動させて、物体の親水性を所望のレベルまで高めるためのプラズマ処理を実行することができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ508は、回路106を作動させて、電源104から装置130にエネルギーを供給して、装置130のプラズマ発生ゾーン内にプラズマを発生させ、物体200上にプラズマ処理を実行することができる。代替に、回路の作動は、物体の進入を決定するスイッチまたはセンサによって行われることができる。プラズマ処理は、例えば流体が物体200の光学面上に液滴として凝縮するのを防止するために、物体200の親水性を所望のレベルまで高めるように、少なくとも1つのプロセッサ508によって制御されてもよい。別の例として、コントローラ508(図5B)は、回路(例えば、図7の回路700)を作動させて、導電体354及び導電体358(図3A)を介して(例えば、図1Aのケーブル112を介して)カソード330及びアノード340にエネルギーを供給し、プラズマ発生システム500のプラズマ発生ゾーン504内でプラズマを発生させることができる。プラズマ処理は、内視鏡380のビューポート390(図3A)の親水性を所望のレベルまで高めることができる。所望のレベルは、その後の医療手技中に内視鏡380を使用するとき、所望の光学品質に関連付けられることができる。
ブロック1606では、プラズマ処理中に、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定する。この文脈で使用される場合、「測定」は、プラズマ活性化パラメータを示す値の検知、感知、決定、または取得のうちの1つ以上を指すことができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、圧力センサ1100(図11)によってプラズマ処理に関連する圧力パラメータを測定することができる。さらに、または代替に、コントローラ508は、電圧センサ514によってプラズマ処理に関連する電圧パラメータを測定することもできる。同様に、コントローラ508は、プラズマ周波数センサ514によってプラズマ処理に関連するプラズマ周波数パラメータを測定することができる。
ブロック1608では、プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるための閾値を下回るという決定が行われる。例えば、コントローラ508(図5B)は、圧力センサ1100(図11)によって測定された圧力パラメータに基づいて、プラズマ発生システム500によって提供されるプラズマ処理が内視鏡380のビューポート390の親水性を(例えば、その後に内視鏡380が医療手技に使用されるとき、所望の光学品質を確保するための)所望のレベルまで高めるための閾値を下回ると決定し得る。同様の方法では、コントローラ508は、電圧センサ514によって測定された電圧パラメータ、及び/またはプラズマ周波数センサ512によって測定されたプラズマ周波数パラメータに基づいて、プラズマ発生システム500によって提供されたプラズマ処理が閾値を下回ると決定することができる。
ブロック1610では、プラズマ処理の不具合を示す通知を出力することができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、プラズマ処理に不具合が起こったことを示す通知を、ディスプレイ1102(図11)を介して表示することができる。
プラズマによって物体を処理することを容易にするために、プラズマ発生装置は、物体の挿入を(すなわち、プラズマ発生装置のハウジングの孔部内で)検知すると、プラズマの発生を自動的にトリガしてよい。孔部には、物体の挿入を検知するための1つまたは複数のセンサが設けられてもよい。1つまたは複数のセンサは、検知に関連する情報を、例えば自動的に、物体のプラズマ処理をトリガするように構成された少なくとも1つのプロセッサに通信することができる。プラズマ発生が真空(例えば、部分真空)内で行われるとき、真空センサから信号を受信することができ、プラズマ発生に十分な負圧が存在すると決定することができる。十分な負圧の決定が行われると、電極にエネルギーを供給することで、プラズマが発生して、プラズマに物体が曝露され得る。速度、効率、及び無菌性が重視される医用スコープの場合、光学系の処理にプラズマが用いられることができ、ヒトの介入が限られることができると、重要な利益が得られることができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、例えば1つ以上のセンサから受信した情報に基づいて、物体のタイプに対応するプラズマ処理をトリガし得る。例えば、第一物体は、より長いプラズマ処理を必要とする第二物体よりも、より短いプラズマ処理を必要とするタイプのものであってもよい。代替に、第一物体は、第二物体とは異なる親水性閾値(例えば、異なる用途及び使用の曇りを防止することに対応する)を有してもよい。従って少なくとも1つのプロセッサは、異なる親水性閾値に対応する、第一物体及び第二物体のそれぞれに異なるプラズマ処理をトリガすることができる。
いくつかの実施形態では、プラズマによって細長いツールを処理するための装置が提供されてよい。「装置」という用語は、例えばガスを変換して(例えば、ガスに点火して)ガスをプラズマ状態またはプラズマ雲に転移させ、物体をプラズマ雲に曝露することによって、物体をプラズマによって処理することができる任意の装置(apparatus)またはコンポーネントの組み合わせを含むことができる。プラズマ発生システム100(図1A)及び500(図5A~図5C)だけでなく、プラズマアプリケータ348(図3A)は、開示された実施形態によるプラズマ発生装置の例示的な実装を示す。「細長いツール」という用語は、物体の幅よりも実質的に長い長さを有する物体を指し得る。物体200(図1B)、内視鏡380(図2)、及び内視鏡802(図8A)は、細長いツールの例示的な実装を示す。「プラズマ」という用語は、荷電粒子、例えば、電子及びイオンを豊富に含む物質の状態を指すことができる。その結果、プラズマは導電性が高く、電場及び/または電磁場に感受性が高くなり得る。
いくつかの実施形態では、装置はハウジング内に孔部を含み得、この孔部は、その内への細長いツールの挿入のためにハウジングの表面上に開口端部を有し得る。「孔部」という用語は、物体を収容することができるキャビティ、チャンバ、クレバス、またはピットを指すことができる。この孔部は、プラズマ発生ゾーンの内側に物体の少なくとも一部を収容して、この物体の少なくとも一部をプラズマ雲に曝露することができる。例えば、孔部は、内視鏡の光学素子を収容して、孔部に流入するガスに点火することによって発生したプラズマ雲に光学素子を曝露してもよい。その結果、光学素子の親水性が高まり、その後、光学素子が体内に挿入されるとき、噴霧が形成されることを防止することができる。いくつかの実施形態では、孔部は、細長いツールを収容するように、細長い形状を有してもよい。ハウジングの表面は、細長い孔部への入口を露出させる開口部を含んでよい。この開口部によって、細長いツールを孔部内に挿入することが可能になる。プラズマ発生装置のハウジング内に配置された孔部の例は、スロット132(図1A及び図1C)、孔部350(図3A)、孔部450(図3C)、キャビティ502(図5A~図5C)及び孔部900(図9)によって示されてもよい。近位開口部142(図1D)及び314(図2)は、開示された実施形態に即した、ハウジングの表面上に、孔部の開口端部の例示的な実装を示す。
いくつかの実施形態では、装置は、孔部の少なくとも一部内に真空を引き起こすための少なくとも1つの真空ポンプを含む。「真空」という用語は、大気圧または周囲圧力よりも実質的に低い気相圧力を有する領域を指し得る。本明細書で使用される場合、「真空」という用語は、部分真空を含むことを意図したものである。すなわち、本開示の文脈では、真空は、空気または他のガスの少なくとも一部が除去される封入空間を含む。「真空ポンプ」という用語は、容積内に真空を引き起こすために、密閉容積から粒子を引き出すまたは吸引する装置を指し得る。真空を引き起こすための真空ポンプの例は、複数の真空ポンプ(例えば、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D)を描写する図10Aに示され得る。真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000Dのうちの1つ以上は、スロット132(図1A及び図1C)、孔部350(図3A)、孔部450(図3C)、キャビティ502(図5A~図5C)及び孔部900(図9)など、孔部の少なくとも一部内に真空を引き起こすように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、細長いツールが孔部内に挿入されるときを決定するための挿入検出器を含む。「挿入検出器」は、孔部内への物体の挿入を検知することができる任意のセンサ、例えば、物体との接触を検知するタッチ(接触)センサ、孔部内の物体による見通し線の遮断または孔部内の物体による光の反射を検知することなどができる光センサ、物体によって加えられた圧力を検知することができる圧力センサ、物体の重量を感知することができる重量センサ、物体の孔部への挿入によって生じる電位及び/または電流における変化を検知することができる電圧及び/または電流センサ、及び物体を感知することができる任意の他のセンサを指し得る。いくつかの実施形態では、挿入検出器は、物体に関連する識別タグ、例えばRFIDタグ(例えば、認証タグ)を検知するための無線受信器を含んでもよく、例えば、物体を孔部内に保定するために設けられたシースに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、挿入検出器は、孔部への入口を覆うハーメチックシールの引裂を検知するように機械的センサを含んでもよい。挿入検出器の非限定的な例には、図25A~図25Eに示されている送信器24650及びトランスポンダ24654の一方または両方が含まれる。
例えば、物体と物理的に接触するようになるように構成された電極704A及び704B(図7)は、孔部内への物体の挿入を検知するためのセンサ(例えば、電圧センサ)の例示的な実装を示す。電極704A及び704Bは、挿入した物体を、孔部に関連するカソード及び/またはアノードと電気的に結合することにより、物体が孔部内に挿入されるときに検知することを容易にするように構成されてもよい。別の例として、壊れやすいハーメチックスクリーン518(図4)に関連し、壊れやすいハーメチックスクリーン518が孔部内への細長い物体の挿入時に壊れるときに信号を発信するように構成されたセンサ(図示せず)は、物体が孔部に挿入されるときを検知するための別の例示的な実装を示し得る。別の例として、圧力センサ1100(図11)は、開示された実施形態による、挿入センサの別の例示的な実装を示し得る。挿入センサによって感知された信号は、有線及び/または無線の通信手段を使用して、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図1Aの少なくとも1つのプロセッサ102及び/または図5Bのコントローラ508)に提供されることができる。挿入信号に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、物体(例えば、図1Bの物体200、図2の内視鏡380、または図8Aの内視鏡802)の孔部(例えば、図1Aのスロット132、図3Aの孔部350、図3Cの孔部450、図5A~図5Cのキャビティ502、または図9の孔部900)内への挿入を決定することができる。
いくつかの実施形態では、装置は、孔部の少なくとも一部内での負圧の程度を決定するためにハウジングに関連する真空センサを含む。いくつかの実施形態では、真空センサは圧力トランスデューサを含むことができ、この圧力トランスデューサは、例えば、圧力を測定し、その圧力を1つまたは複数のひずみゲージによって電気信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、真空センサは、閾値に対する圧力を検知し、その圧力が閾値を上回るまたは下回ることを示すバイナリ信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、真空センサは、測定された圧力に比例した電気信号を出力することができる。真空センサは、孔部の内側の負圧の程度を決定するように、例えば孔部と流体連通しながら、孔部に近接して位置決めされてもよい。圧力センサ1100(図11)は、開示された実施形態による、真空センサの例示的な実装を示す。圧力センサ1100は、ハウジング510(図5A~図5C)内に封入されてよく(例えば、ハウジングに関連していてもよく)、キャビティ(例えば、孔部)502内の負圧の程度を決定することができる。
いくつかの実施形態では、装置は、孔部内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生機を含み得る。「プラズマ発生機」という用語は、例えばプラズマ発生ゾーンの内側に、プラズマを発生させるように構成された装置を指し得る。「プラズマ発生ゾーン」という用語は、例えばそこに導入されたガスに点火することによって、プラズマ雲を形成することができる物理的容積または空間を指し得る。プラズマ発生ゾーンのサイズは任意であってよい。例えば、プラズマ発生ゾーンは、15cm3未満、10cm3未満、または5cm3未満であることができる。プラズマ発生機はプラズマ発生ゾーン内に電磁場を発生させることができるため、その電磁場にガスが曝露されると、ガスが点火され、プラズマが発生することができる。プラズマアプリケータ130(図1A)及び348(図3A)、ならびに図5A~図5Cのプラズマ発生機(例えば、少なくとも第一電気接点522、第二電気接点524、バッテリ530などのエネルギー源、及び変圧器526を含む)は、開示された実施形態によるプラズマ発生機の例示的な実装を示す。プラズマアプリケータ130及び348、ならびに図5A~図5Cのプラズマ発生機は、それぞれスロット132、孔部350、及びキャビティ502内でプラズマを発生させるように構成され得る。
いくつかの実施形態では、装置は少なくとも1つのプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つプロセッサは、細長いツールが孔部内にあることを示す挿入信号を挿入検出器から受信するように構成される。「挿入信号」という用語は、孔部内の細長いツールの存在を示す任意の信号を指すことができる。例えば、上述の挿入検出器のいずれかの出力は、挿入信号を構成することができる。いくつかの実施形態では、挿入信号は、アナログ信号であり得る(例えば、アナログ挿入検出器から受信したアナログ値または信号としてのもの)。いくつかの実施形態では、挿入信号は、デジタル信号であり得る(例えば、デジタルプロセッサ、デジタルフィルタ、ダイオード、及びデジタル信号を提供することができる任意の他のデバイスなどのデジタルデバイスによって受信したもの)。いくつかの実施形態では、挿入信号は、細長いツールが孔部内に挿入されたかどうかを示すバイナリ信号であってもよい。いくつかの実施形態では、挿入信号は(例えば、少なくとも1つのプロセッサによって)細長いツールが孔部内に挿入されたかどうかを決定するために(例えば、メモリに格納された)1つまたは複数の閾値と同等の値であってもよい。いくつかの実施形態では、挿入信号は、細長いツール(または細長いツールを封入するシース)と孔部との間の物理的接触を示すタッチ(接触)センサによるタッチ信号、孔部内の細長い物体による見通し線の遮蔽または光の反射を示す光センサによる光信号、孔部内の細長い物体によって加えられた圧力を示す圧力センサによる圧力信号、孔部内の細長い物体によって加えられた重量を示す重量センサによる重量信号、孔部に細長い物体を挿入することによって引き起こされた電圧(及び/または電流)レベルを示す電圧(及び/または電流)センサによる電圧(及び/または電流)信号、孔部への細長い物体(例えば、RFIDタグなどの認証タグと関連している)の挿入を示す無線受信器による無線信号、または孔部への細長い物体の挿入を示す任意の他の尺度のうちの1つ以上を含み得る。例えば、図24及び図25A~図25Eを参照して本明細書で説明されるように、トランスポンダ24654からの識別信号は、挿入検出器からの挿入信号に対応し得る。
いくつかの実施形態では、挿入信号は、シースが細長いツールを包んでいるように構成された挿入検出器に関連付けられてよい。例えば、シースには、少なくとも1つの電極及び少なくとも1つのシース電気接点が設けられてもよく、このシース電気接点は、シースが孔部に挿入されるとき、プラズマ発生装置内の対応する接点に電気的に接触するように構成され得る。別の例として、シースには、孔部に関連する無線受信器によって受信可能な無線信号を送信する、RFIDタグなどの認証タグが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、挿入信号は、機械的性質のものであってもよく、例えば、孔部への入口を覆うハーメチックシールの引裂に関連していてよい。いくつかの実施形態では、挿入信号は細長いツールの一部、例えば、細長いツールの遠位端部に関連し得る。例えば、挿入検出器は、細長いツールの遠位端部が孔部に挿入されるとき、挿入信号を発信してもよい。
挿入信号を送信するように構成された挿入センサの例示的な実装を図7に示すことができる。例えば、医療機器708(例えば、細長いツール)を孔部712に挿入すると、電極702A及び702Bは、電極704A及び704Bを介して医療機器708に電気的に結合されることにより、例えば、医療機器708または200(図1A)を電源530に電気的に結合するようになってもよい。その結果、電極702A及び702Bまたは704A及び704Bのいずれも、孔部内への物体の挿入を示す挿入信号として電圧信号を伝送することができる。同様に、内視鏡380がシース510内に(例えば、シース510が装置の孔部の内側に嵌め込まれている状態で)挿入されるとき、内視鏡380(例えば、細長いツール)によってハーメチックスクリーン518(図4)の破損を検知することは、物体が孔部に挿入されるときを検知するための挿入信号の別の例示的な実装であり得る。別の例として、内視鏡810(図8)がシース800に(例えば、シース800が装置の孔部の内側に嵌め込まれる状態で)挿入されるとき、圧力センサ1100(図11)によって感知される圧力は、開示された実施形態による、挿入検出器から受信した挿入信号の追加の例示的な実装を構成し得る。挿入センサは、有線及び/または無線の通信手段を使用して、挿入を示す挿入信号を少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図1Aの少なくとも1つのプロセッサ102及び/またはコントローラ508(図5B)に送信することができる。少なくとも1つのプロセッサ102及び/またはコントローラ508は、挿入信号に基づいて、細長い物体(例えば、図1Bの物体200、図2の内視鏡380、医療機器708(図7)、または図8Aの内視鏡802)が孔部(例えば、図1Aのスロット132、図3Aの孔部350、図3Cの孔部450、図5A~図5Cのキャビティ502、及び図9の孔部900)内に挿入されたと決定することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、挿入信号に応答して、少なくとも1つの真空ポンプを作動させて、負圧を孔部の少なくとも一部内に発生させるようにさらに構成されてもよい。「作動させる」という用語は、真空ポンプによるポンピングを開始するために(例えば、電気信号を発信することによって)トリガする、オンもしくはスイッチオンにする、または任意の他のアクションを実行することを指し得る。「負圧」という用語は、大気圧または周囲圧力など、基準圧に対して小さくなる、または低くなる空気またはガス圧を指し得る。いくつかの実施形態では、圧力は、0.3atm未満、または0.2atm未満、または0.1atm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、有効圧力レンジは、0.300~0.001atmの間であってもよい。いくつかの実施形態では、有効圧力レンジは、0.1~0.01atmの間であってもよい。「孔部の少なくとも一部」という用語は、細長いツールの領域中の孔部内で負圧が少なくとも部分的に加えられるように、細長いツールに近接している孔部のセクションまたは領域を指すことができる。少なくとも1つのプロセッサによる作動時に、挿入信号を受信することに応答して、真空ポンプは、比較的低い圧力(例えば、負圧)を発生させて、孔部内に存在する空気及び/またはガスを引き出し得る(例えば、吸引し得る)ことで、少なくとも細長いツールを包囲する領域中の、孔部内の空気及び/またはガスの圧力は、基準圧に対して低くなる。
例えば、少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)は、挿入検出器からの挿入信号、例えば、圧力センサ1100(図11)からの圧力信号、電極704A及び704B(図7)のうちの1つ以上からの電圧信号、ハーメチックスクリーン518(図4)の破損を示す信号、ならびに上述のその他の圧力感知実装のいずれかを受信することができる。挿入信号に応答して、少なくとも1つのプロセッサ102及び/またはコントローラ508は、少なくとも1つの真空ポンプ(例えば、図10Aの真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D)を作動させて、孔部(例えば、図1A及び図1Cのスロット132、図3Aの孔部350、図3Cの孔部450、図5Aのキャビティ502、または図9の孔部900)の少なくとも一部内に負圧(例えば、吸引)を発生させることができる。いくつかの実施形態では、孔部の少なくとも一部は、細長い物体の近傍にあってよい。従って、負圧は、孔部内の細長いツール(例えば、図1Bの物体200、図2の内視鏡380、または図8Aの内視鏡802)の近くで発生することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、真空センサから信号を受信し、そこから、孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であると決定するように構成される。「プラズマ発生に十分な」という用語は、残留している任意のガス、または孔部内に負圧を発生させた後に導入される任意のガスが電離してプラズマを発生させることを可能にするのに十分な低さのガス圧を指し得る。さらに、または代替に、真空ポンプが発生させた負圧は、負圧が発生した後(例えば、孔部から空気を引き出した後)に孔部に導入された特異的な種類のガス(例えば、ヘリウム、アルゴン、または窒素)の比率または割合が特異的な種類のガスに対応する特異的な種類のプラズマを発生させるのに必要なガス濃度閾値を満たすように十分に低くてもよい。
例えば、少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)及び/またはコントローラ508(図5B)は、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のうちの1つまたは複数からの信号を受信し、その信号から、孔部の少なくとも一部、例えば、スロット132の一部(図1A及び図1C)、孔部350(図3A)、孔部450(図3C)、キャビティ502(図5A~図5C)、孔部712(図7)、及び孔部900(図9)内の圧力が、例えばプラズマアプリケータ130(図1A)、プラズマアプリケータ348(図3A)、または図5A~図5Cのプラズマ発生機によって、プラズマを発生させるのに十分に低いと決定することができる。いくつかの実施形態では、負圧は、孔部を真空ポンプに流体連通するホース364(図3A)によって促進されてもよい。いくつかの実施形態では、負圧は、真空シール370(図3A)などのシールによって維持され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ発生に十分な低い圧力(例えば、基準圧に対して負)は、0.3atm未満、または0.2atm未満、または0.1atm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、有効圧力レンジは、0.300~0.001atmの間であってもよい。いくつかの実施形態では、有効圧力レンジは、0.1~0.01atmの間であってもよい。
いくつかの実施形態では、負圧の発生及びプラズマ発生機の作動は、細長いツールが孔部内にあることを検知することに応答して自動的に行われる。「自動的に」という用語は、例えば、ヒトの操作者などによるプラズマ発生システムの外部からの介入なく、またはその外部からのアクションを必要とすることなく、直接的な、自発的な、または結果としてのものを指すことができる。従って、プラズマ発生機は、プラズマ発生装置の外部から薬剤及び/またはコンポーネントによる介入なしで、自動的に、例えば、直接的に作動してもよく、細長いツールが孔部内に挿入されることを検知した結果として作動してもよい。例えば、細長いツール(例えば、図1Bの物体200、図3Aの内視鏡380、図7の医療機器708、または図8Aの内視鏡802)が孔部(例えば、図1Aのスロット132、図3Aの孔部350、図3Cの孔部450、図5A~図5Cのキャビティ502、図7の孔部712、及び図9の孔部900)内にあることを、挿入センサによって検知することに応答して、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、プロセッサ102またはコントローラ508)は、例えばプラズマ発生装置(例えば、図1Aのプラズマアプリケータ130、図3Aのプラズマアプリケータ348、または図5A~図5Cのプラズマ発生機)の外部から薬剤またはコンポーネントによる介入なしで、自動的に、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のうちの1つ以上を作動させて、孔部内に負圧を発生させ、さらにプラズマ発生機、例えば図5A~図5Cのプラズマ発生機またはプラズマアプリケータ130を作動させてもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であるという決定が行われた後に、プラズマ発生機を作動させることにより、細長いツールの遠位端部領域をプラズマに曝露するように構成される。「作動させる」という用語は、トリガすること、オンもしくはスイッチオンにすること(例えば、電気信号を発信することによる)、またはプラズマ発生機による、例えば、孔部内でプラズマに点火することができるプラズマ発生機で電場及び/または電磁場の発生を開始することによる、プラズマの発生を開始する任意の他のアクションを実行することを指し得る。例えば、孔部、例えば、スロット132(図1A及び図1C)、孔部350(図3A)、孔部450(図3C)、キャビティ502(図5A~図5C)、及び孔部900(図9)のいずれか1つの内の圧力がプラズマを発生させるのに十分に低いと決定した後、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、プロセッサ102またはコントローラ508)は、プラズマアプリケータ130、プラズマアプリケータ348(図3A)、または図5A~図5Cのプラズマ発生機のいずれかに作動信号を送信して、孔部の少なくとも一部内で、例えば物体200の遠位端部210(図1B)、内視鏡380の光学素子392を備えた遠位端部382(図2)、または医療機器708の光学面706(図7)の近くで、プラズマの発生を開始することによって、そのプラズマに細長い物体の遠位端部を曝露することができる。
いくつかの実施形態によれば、孔部は、その内にシースを受容するように構成され、シースは細長いツールを受容するサイズに作られ、装置はシース内にプラズマ発生を引き起こすようにさらに構成される。「シース」または「保護シュラウド」という用語は、物体またはその一部を収容するカバーまたは支持構造体を同義で指すことができる。例えば、シースは、医療機器の光学素子を封入し得る。例示的な一実施形態では、シースは、医療機器がプラズマ発生ゾーンに挿入される場合に医療機器の一部を収容するための細長い、使い捨てのチューブであり得る。いくつかの実施形態では、シースは、認証素子(例えば、RFIDタグまたは任意の他の自動的に検知可能な識別デバイス)を含み得、少なくとも1つのプロセッサがシースを備えたプラズマ発生装置の動作前にシースをテストすることを可能にする。認証素子によって、少なくとも1つのプロセッサは、シースが新しいものであるかどうか、及び/またはシースが許容可能な回数で使用されたかどうかを決定することが可能になる。これに加え、または代替に、認証素子によって、少なくとも1つのプロセッサはシースをテストして、シースが認可されたメーカーのものであるかどうかを決定することが可能になるため、物体上の噴霧を抑制する際の無菌性及び/または有効性を損なう、認可されていないシースが使用されることを防止し得る。「細長いツールを受容するサイズに作られる」という用語は、細長いツールに対応する寸法を有する物体を収容するように形成される、構成される、またはそれを収容する形状に作られることを指すことができる。従ってシースは、そこに細長いツールを挿入することを可能にするように形成されることができる。同様に、孔部は、シースを、そこに細長いツールが挿入されている状態で収容する形状及び/またはサイズに作られてよい。シースは、細長いツールの遠位端部がシース内に包まれていながら、遠位端部がプラズマ雲に曝露されることを可能にするようにさらに構成されてよい。
例えば、保護シュラウド(別称(a/k/a)シース)310(図2)及び310a(図3A)及び410(図3C)及び800(図9)は、開示された実施形態に即した、内視鏡380などの細長いツールを受容するサイズに作られたシースの例示的な実装である。いくつかの実施形態では、細長いツールの遠位端部は最初にシースに導入されてよい。プラズマアプリケータ130(図1A)、プラズマアプリケータ348、または図5A~図5Cのプラズマ発生機には、それぞれスロット132、孔部350、またはキャビティ502などの孔部が設けられることができ、この孔部は、そこに上記で参照されたシースを受け入れるように構成されてもよい。加えて、シースには、それぞれ導電体354及び356などによって、電源(例えば、電源104及び/または530)に電気的に結合するように構成された1つ以上の電極(例えば、図3A及び図3Cのカソード330及びアノード340)が設けられてもよい。カソード330及びアノード340は、シースの内側に位置決めされた、内視鏡380の遠位端部(例えば、ビューポート390)の近傍で、電場及び/または電磁場を発生させて、プラズマを発生させるための電位を維持することができる。プラズマを発生させるためのガス(例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素)は、例えばホース364を介して内視鏡380の遠位端部にビューポート390の近傍でシース410に、流入してもよい。このようにして発生した電場及び/または電磁場は、シースに流入したガスに点火して、ビューポート390の近傍にプラズマ雲を形成することにより、内視鏡380の遠位端部にあるビューポート390をプラズマに曝露することができる。
いくつかの実施形態では、挿入検出器は、孔部内のシース内での細長いツールの挿入を感知し、シース内への細長いツールの挿入を感知すると自動的にプラズマ発生プロセスを開始するように構成される。「自動的に」という用語は、上述のように、プラズマ発生装置の外部からの介入を必要とすることなく、直接的な結果としてのものを指し得る。いくつかの実施形態によれば、「プラズマ発生プロセスを自動的に開始する」という用語は、検出器がプラズマ発生を直接的にトリガするように、コントローラから独立して(例えば、回避することによって)プラズマを発生させることを指し得る。従って、プラズマ発生プロセスは、プラズマ発生装置の孔部内に位置決めされたシース内に細長いツールを挿入すると自動的にトリガされてもよい。例えば、図1A、図3C及び図5Aは、まとめると、開示された実施形態に即した、孔部内のシース内での細長いツールの挿入を感知してプラズマ発生を自動的に開始するように構成された挿入検出器のための例示的な実装を示す。シース410(図3C)は、例えば内視鏡380の遠位端部の、金属面384に接触するように構成されたカソード330を含む。内視鏡380を孔部450内に位置決めされたシース410に挿入すると、カソード330は、金属面384を介して内視鏡380に電気的に結合されるようになり得る。カソード330は、さらに電源530に電気的に結合されることにより、内視鏡380を孔部450内のシース410に挿入する際に、内視鏡380を電源530に電気的に結合し得る。このように電気的に結合されると、少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)がカソード330から、例えば回路106または700を介して、電気信号を受信することなどによって、孔部450の内側のシース410内への内視鏡380の挿入を検知することができる。電気信号(例えば、挿入信号)を受信すると、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生機、例えば、プラズマアプリケータ130(図1A)、プラズマアプリケータ348(図3A)、または図5A~図5Cのプラズマ発生機を自動的に作動させてもよい。
いくつかの実施形態によれば、孔部はその内に電気接点を含み、電気接点は、シース上の接点に係合することにより、シース内でのプラズマ発生を可能にするように構成される。「電気接点」という用語は、電気接点が別の電気接点に電気的に結合される(例えば、物理的に接触する)ときに電流が通過することを可能にする導電性セクション(例えば、金属または半導体で作られた)を有する電気回路コンポーネントを指し得る。「係合する」という用語は、インタラクトする目的で、結合する、取り付ける、または接続することを指し得る。従って、孔部の電気接点をシースの電気接点に電気的に結合することにより、孔部の電気接点をシース上の接点と係合することで、例えばシース内に電磁場を発生させてプラズマを発生させるという目的で、外部電源からシースの内部に電流を通過させることが可能になる。
図3Aは、開示された実施形態に即した、シース上の接点を係合するように構成された電気接点を内部に含む孔部の例示的な実装を示す。孔部350は、導電体354を介して外部電源(例えば、電源104及び/または530)に結合されるように構成されたカソードコンタクタ352を含み得る。カソードコンタクタ352は、さらに、保護シュラウド310a(例えば、シース)のカソード330に電気的に結合されることで、そのカソードと係合することにより、保護シュラウド310aのカソード330を外部電源に電気的に結合するように構成されてもよい。孔部350は、アノードコンタクタ356をさらに含んでもよく、このアノードコンタクタは、保護シュラウド310aが孔部350内に位置決めされながら、保護シュラウド310aのアノード340と電気的に結合されることにより、そのアノードと係合するように構成されてもよい。その結果、保護シュラウド310a内で、例えばカソード330(電源に電気的に結合された)とアノード340との間に、電位を発生させることができる。この電位は、保護シュラウド310a内でプラズマ発生電磁場を発生させることを可能にしてもよい。電磁場は、保護シュラウド310a内に存在するガスに点火して、その内にプラズマ雲を発生させることができる。
いくつかの実施形態では、シースは、その内に真空ポート及び真空シールを含み、真空ポートは、孔部内に位置しているとき、少なくとも1つの真空ポンプに流体連通可能であることで、シース内の負圧の発生が可能になり、真空シールは、細長いツールをシースに挿入すると、細長いツールと係合して、細長いツールの遠位側の(すなわち、孔部内のシースに挿入されるときに細長いツールの遠位端部の直近に)負圧を維持するように構成される。「真空ポート」という用語は、例えばホースを介して、真空源またはポンプに流体連通すると、例えばシースから、ガスまたは流体の吸引が可能になるように構成された開口部を指し得る。「真空シール」という用語は、システムが通常の動作パラメータ内で使用されるとき、ガスまたは流体の漏れに実質的に影響されないプラグ、クロージャ、リング、フラップ、係合部、または締結具を指すことができる。「流体連通可能」という用語は、そこを通して流体(例えば、ガスを含む)を流動させることを可能にする方法で流体が流通可能に結合されること、例えば接合されること、または取り付けられることを指し得る。従ってシースは、真空ポート及び真空シールを介して少なくとも1つの真空ポンプに流体が流通可能に結合されてもよい(例えば、流体連通可能であってもよい)。この配置は、シース内に存在するガス及び/または空気を吸引して、プラズマを発生させる目的でシース内に低圧ゾーン(例えば、基準圧に対する相対真空)を生成することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の真空シールには、細長いツールを包むシースが設けられてもよい。1つ以上の真空シールは、細長いツールの外径に外嵌するように適合され得るため、細長いツールをシースに挿入すると、細長いツールが1つ以上の真空シールと係合することにより、シースの内部が(例えば、真空シールによって包囲された細長いツールを介して)シースの外部から密閉されることができる。このように密閉すると、シースの内部と外部との間に圧力差(例えば、ガス濃度差)を維持することが可能になるため、プラズマ処理のプラズマ発生が支援され得る。
図3C及び図10Aは、まとめると、開示された実施形態に即した、真空ポート及び真空シールを含むシースの例示的な実装を示し、真空ポートは少なくとも1つの真空ポンプに流体連通可能である。シース410は、シースガスポート404(例えば、真空ポート)及び真空シール408を備えて構成され得る。シースガスポート404はプラズマアプリケータ448のアプリケータガスポート402に流体連通し得、このアプリケータガスポートは、ホース364を介して真空源、例えば、図10Aの1つまたは複数の真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000Dなどに流体連通することにより、真空源をシース410の内部に流体連通し得る。真空シール408、例えば、Oリングは、例えばシース410の内側から、ホース364を通ってシース410の外側の孔部450の空間に流入するガスまたは空気の漏れを防止することができる。その結果、ガス(例えば、空気)がポンピングされてホース364を介してシース410から出ることができると、シース410内に周囲圧力に対して低圧ゾーンを作り出し得る。さらに、真空シール320は内視鏡380と係合して、シース410の外部(例えば、シース410と孔部450との間の空間)からシース410の内部(例えば、その内に内視鏡380の遠位端部を入れる)を密閉してもよい。従って、密閉シース410は、シース410の内側の(例えば、周囲圧力に対して)負圧の維持を容易にし得る。
いくつかの実施形態では、細長いツールは、遠位端部領域内に位置した光学素子を有するスコープである。「スコープ」という用語は、検査または観察を可能にするように構成された医療機器、例えば、関節鏡、内視鏡(先に定義したとおり)、腹腔鏡、聴診器、または顕微鏡を指すことができる。「光学素子」という用語は、上述されるように、光が通過する、または反射されるコンポーネントを指し得る。スコープは、目視による検査を可能にする光学素子を備えて構成されてよい。光学素子はスコープの遠位端部領域に配置され得るため、例えば遠位端部領域から、スコープが孔部に挿入されるとき、例えば孔部に関連するプラズマ発生ゾーンの近くで、光学素子は孔部内に浸漬され得る。従って光学素子は、プラズマ発生機を作動させた後、プラズマ雲に曝露され得る。図3Aは、開示された実施形態に即した、遠位端部領域に位置した光学素子を有するスコープの例示的な実装を示す。光学素子392は、ビューポート390が内視鏡380の遠位端部に位置しているように構成され得る。内視鏡380が遠位端部を最初に孔部450の内側の保護シュラウド310aに挿入するとき、光学素子392を備えたビューポート390は、カソード330とアノード340との間の保護シュラウド310a内に浸漬され得る。このように位置決めされると、内視鏡380の遠位端部領域に位置した光学素子392は、例えばカソード330とアノードとの間の電位によって発生した電磁場によって発生した、プラズマ雲に曝露され得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、光学素子の外面を親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機の作動を維持するように構成される。「親水性」という用語は、水和している分子の傾向または有利性を指し得る。親水性化合物は、その化合物を水分子と結合することを、親水性でない化合物、例えば、水(例えば、極性)分子と容易に結合しない疎水性化合物よりも、より容易に可能にする熱力学的特性を有し得る。親水性の物体は濡れ性であり得ることで、液体(例えば、水)と物体との間の接着力及び凝集力のバランスを保つ分子間相互作用により、液体が物体との接触を維持することが可能になる。図5A、図5B、及び図5Cのプラズマ発生機は、開示された実施形態によるプラズマ発生機の例示的な実装を示す。少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508は、ビューポート390の光学素子392の外面を親水性にするのに十分な時間長の間、プラズマアプリケータ130または図5A、図5Bのプラズマ発生機の作動をそれぞれ維持し、例えば、内視鏡検査手技中にビューポート390上で噴霧が形成されるのを防止し得る。いくつかの開示された実施形態によれば、光学素子392を親水性にするのに十分な期間は、1分未満、45秒未満、30秒未満、または15秒未満であり得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生機の処理状態を示す信号をディスプレイに出力するようにさらに構成される。「ディスプレイ」という用語は、情報を視覚的に提示する出力装置を指し得る。ディスプレイは、例えばスクリーンで構成された、1つ以上のLEDもしくは電球、ダイヤル、ゲージ、メータ、またはデータを視覚的にレンダリングするための任意の他の手段を含んでよい。図5A及び図11は、まとめると、開示された実施形態に即した、プラズマ発生機の処理状態を示す信号(例えば「警告」)を出力する、図11のディスプレイ1102の例示的な実施形態を示す。コントローラ508(図5B)は、図5A~図5Cのプラズマ発生機によるプラズマ処理状態を示す信号をディスプレイ1102に出力することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、必要なメンテナンスの前に残っているプラズマ処理の回数を計算するようにさらに構成される。「メンテナンス」という用語は、継続的な機能を修復、修理、復元またはその他の方法で確保することを指し得る。例えば、プラズマ発生機の必要なメンテナンスは、バッテリの充電、電源の交換、シールの交換、電気接点の交換またはクリーニング、フィルタの交換またはクリーニング、ガスキャニスタの補充、ホースの交換、ワイヤの固定、またはプラズマ発生機によるプラズマ処理に影響するあらゆるその他のアクションの実行のいずれかに関連し得る。少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)は、開示された実施形態による、装置のメンテナンスが必要とされる前にプラズマ処理の残りの回数を計算するように構成される、少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102は、プラズマアプリケータ130による後続のプラズマ処理に影響する1つ以上の要因を、例えば、既に行われたプラズマ処理の回数を記録することと、電源(例えば、バッテリ)530の状態を監視することと、プラズマ処理の持続時間を監視することと、ガスリザーバ内のガスの残量を監視することと、プラズマ発生ゾーン内の圧力を監視することと、カソード330及びアノード340の状態(例えば、導電率)を監視することと、シールの破損を示す孔部内に維持された圧力を監視することと、プラズマアプリケータによるプラズマ処理に影響し得る任意のその他の尺度を監視することとによって、監視し得る。1つまたは複数の要因に基づいて、少なくとも1つのプロセッサ102は、メンテナンスが必要となるまでに、プラズマアプリケータ130によって実行され得る処理の回数を決定し得る。同様にコントローラ508は、プラズマ発生システム500による後続のプラズマ処理に影響する1つまたは複数の要因を監視して、メンテナンスが必要となる前に残っているプラズマ処理の回数を決定することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生機または少なくとも1つの真空ポンプのうちの少なくとも1つの不具合を検知し、不具合インジケータを出力するようにさらに構成される。「不具合(malfunction)」という用語は、性能に悪影響を及ぼす障害または欠陥を指し得る。「不具合インジケータを出力する」という用語は、ユーザインタフェースによって、例えば、視覚的に(例えば、表示画面、警告灯、ゲージ、またはダイヤルによって)、可聴で(例えば、ビープ音を発するスピーカによって)、ERMを用いて発生した振動などとして、不具合を指示することを指し得る。少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)及びコントローラ508(図5B)は、開示された実施形態による、プラズマ発生機または真空ポンプの不具合を検知して、不具合インジケータを出力するように構成された少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。例えば、コントローラ508は、プラズマ発生システム500の不具合を検知することができる(例えば、電源530に蓄積された電力の不足、ガスリザーバ内に保持されたガスの不足、プラズマ発生ゾーン502内での低圧の不足、シールの不具合、ワイヤまたは電気接点の不具合、プラズマ発生ゾーン502内で発生した電磁場の不足、及びプラズマ発生システム500の性能に影響する任意のその他の要因を検知することによって)。同様にコントローラ508は、例えば、プラズマ発生ゾーン502内の低圧が不十分であることを検知することによって、またはプラズマ発生ゾーン502に流入したプラズマ発生ガスが不十分であることを検知することによって、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000Dのうちの1つ以上の不具合を検知することができる。その結果、コントローラ508は、ディスプレイ1102(図11)を介して不具合インジケータ(例えば「警告」)を出力することができる。同様の方法では、少なくとも1つのプロセッサ102は、プラズマアプリケータ130ならびに真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000Dのいずれかの不具合を検知し、ディスプレイ1102によって不具合インジケータを出力することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、光学素子が所定のレベルの親水性を達成するために十分に処理されていないとき、警告信号を出力するようにさらに構成される。「所定のレベルの親水性」という用語は、細長い物体が医療手技などの手技のために使用されるとき、十分なレベルの性能(例えば、光学品質)を可能にする親水性のレベルを指すことができる。例えば、細長いツールが内視鏡である場合、所定のレベルの親水性は、大腸内視鏡検査の持続時間、例えば、1時間全体にわたり内視鏡を通して(例えば、噴霧のために)視界が妨げられないのに十分であることを可能にする親水性のレベルに相当し得る。ただし、細長いツールが歯科用ミラーである場合、所定のレベルの親水性は、数分のミラーを介した妨げられない視界に相当することができる。いくつかの実施形態では、所定のレベルの親水性は、所定のレベルの親水性を達成するのに必要な1つまたは複数のシステムパラメータに対応するメモリに格納され得る。これらのようなシステムパラメータは、時間、温度、圧力レベル、電磁場パラメータ、ガス種、ガスレベル、バッテリレベル、及びプラズマ処理に影響するその他の任意のパラメータを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、例えばRFIDタグに基づいて、細長いツールを識別することができ、細長いツールに対応する所定のレベルの親水性を達成するために必要な1つまたは複数のシステムパラメータを取得することができる。少なくとも1つのプロセッサは、1つまたは複数のシステムパラメータを測定して、光学素子が十分に処理されていないかどうかを決定し、それに応じて警告信号を出力することができる。
図11は、光学素子、例えば、図3Aの光学素子392が所定のレベルの親水性を達成するために十分に処理されていないことを示す警告信号を出力するディスプレイ1102の例示的な実施形態を示す。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5A~図5C)は、RFIDタグに基づいて細長いツールを識別した後、例えばメモリ108から、所定の親水性レベルを取得し得、例えば、処理のタイミング、使用されたガスの種類、処理された材料の種類、所期の使用、圧力レベル、電磁場特性、またはプラズマ処理に影響する任意のその他のパラメータに基づいて、プラズマアプリケータ130または図5A~図5Cのプラズマ発生機によって内視鏡380の光学素子392に適用されたプラズマ処理が所定のレベルの親水性を達成するのに十分でないと決定し得る。
いくつかの実施形態では、光学素子が十分な親水性を達成するために十分に処理されていない場合、警告信号が出力される。「十分な親水性」という用語は、医療手技中など、視界に対する光学品質の閾値を可能にする親水性のレベルを指すことができる。例えば、細長いツールが内視鏡である場合、十分な親水性は、大腸内視鏡検査手技全体で内視鏡のビューポートを通して(例えば、噴霧のために)視界が妨げられないことを可能にすることに相当し得る。別の例として、細長いツールのビューポートが空気中に浸漬される必要がある手技、例えば、腹腔鏡検査手技用に細長いツールが構成される場合、十分な親水性は、曇りまたは結露により手技全体でビューポートを通した視界が妨げられないことを可能にすることに相当し得る。図5A、図5B、及び図5Cならびに図11は、まとめると、光学素子、例えば、図3Aの光学素子392が十分な親水性を、例えば、内視鏡380を使用して大腸内視鏡検査を実行するときに光学素子392を通して見ることを可能にする親水性のレベルを、達成するのに十分に処理されていないことを示すための警告信号を出力するディスプレイ1102の例示的な実施形態を示す。
いくつかの実施形態では、細長いツールはレンズを含み、少なくとも1つのプロセッサは、レンズを超親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させるように構成される。「レンズ」という用語は、光を透過させる光学素子を指すことができる。レンズは、ガラス、プラスチック、または屈折特性を有するその他の結晶で作られてもよい。またレンズは、最小限の屈折特性を有する、または屈折特性を有しない透明な保護カバーを含んでもよい。「超親水性」という用語は、非常に高いレベルの親水性、例えば、流体と物体の表面との間の接触角を実質的に低減させるのに十分な親水性であるため、例えば、流体が物体の表面を実質的に均一(例えば、平坦)な層としてコーティングすることが可能になることを指し得る。いくつかの実施形態では、物体の親水性を所望のレベルまで高めた後、流体と物体の超親水性表面との間の接触角は、約5°未満、例えば、約4°未満、約3°未満、約2°未満、約1°未満であってよく、または例えば20℃及び大気圧で測定したとき、約0°であってもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、レンズ(またはレンズに関連する素子)の挿入を検知し、その検知に基づいて、プラズマ発生機を作動させて、レンズを超親水性にする期間にレンズをプラズマに曝露することができる。図3Aは、レンズ(例えば、ビューポート390の光学素子392)を含む細長いツール(例えば、内視鏡380)の例示的な実施形態を示す。少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)は、光学素子392を(例えば、内視鏡380と共に配置されたRFIDタグによって)検知すると、光学素子392を超親水性にするのに十分な長期間(例えば、15秒~1分の間)、プラズマ発生機130または図5A~図5Cのプラズマ発生機を作動させることができる。
いくつかの実施形態では、光学素子の表面を親水性にするのに十分な期間は、光学素子の表面を超親水性にするのに十分な期間である。例えば、プロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)がそれぞれプラズマ発生機130または図5A~図5Cのプラズマ発生機を作動させて、内視鏡380の光学素子392の表面を親水性にするとき、内視鏡380の光学素子392の表面は、超親水性になり得る。プロセッサは、プラズマ曝露の持続時間、圧力、温度及び処理される物体のアイデンティティのうちの1つ以上に基づいて、超親水性に達すると決定することができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生機は、誘電体バリアの放電を引き起こすように構成される。「誘電体バリアの放電」という用語は、電極が絶縁性の誘電体バリアによって分離されるときの2つの電極間の放電を指し得る。図3A~図3Bは、開示された実施形態に即した、プラズマ発生機を示し、このプラズマ発生機が作動したとき、誘電体バリアの放電を引き起こすことができる。プラズマアプリケータ348のカソード330及びアノード340は、誘電体バリア344によって分離される。誘電体バリア344によって分離されるとき、カソード330とアノード340との間に電位が発生することが原因で、またはその結果、誘電体バリアが放電し得る。図3Cの誘電体バリア444によってアノード440から分離されたカソード330は、開示された実施形態に即した、プラズマ発生機の別の例示的な実装を示し、このプラズマ発生機が作動したとき、その結果、そしてそれが原因で、誘電体バリアが放電する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1000ボルトの電圧降下を引き起こす方法でプラズマ発生機を制御するように構成される。「電圧降下」という用語は、カソードとアノードとの間など、2つの電極の間の電圧または電位における差を指し得る。少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)またはコントローラ508(図5B)は、プラズマ発生機(例えば、プラズマ発生機130及び図5A~図5Cのプラズマ発生機、またはプラズマアプリケータ348)を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、回路106または700を介して、電源530からカソード330に供給される電気信号を変更することにより、カソード330とアノード340またはアノード440のいずれか1つとの間で少なくとも1000Vの電圧降下を引き起こすことができる。
図17は、本開示の実施形態に即した、プラズマで細長いツールを処理するための例示的なプロセス1700のブロック図である。ブロック図は他の図面に示された特定の実装の実施形態に関連して以下で説明され得るが、これら実装は例示目的のみのために提供されており、ブロック図における限定として機能することを意図したものではない。プロセスの例が本開示全体を通して説明されているため、これらの態様は、繰り返されない、または図17に関連して単に要約される。いくつかの実施形態では、プロセス1700は、本明細書に記載された動作または機能を実行するために、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図1Aの少なくとも1つのプロセッサ102または図5Bのコントローラ508)によって実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1700のいくつかの態様は、少なくとも1つのプロセッサに設けられたメモリ(例えば、メモリ108)に格納されるソフトウェア(例えば、プログラムコードもしくは命令)、または非一時的なコンピュータ可読媒体として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1700のいくつかの態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1700は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装され得る。別段の指示がない限り、プロセスブロックのシーケンスは任意であり得、1つまたは複数のプロセスブロックを実行する順序は変更され得る。同様に、1つまたは複数のプロセスブロックは省略されてもよい。
図17には、プロセスブロック1702~1710が含まれる。ブロック1702では、細長いツールがハウジングの孔部内で検知され、細長いツールはその遠位端部上に光学素子を含む。検知は、孔部内の細長いツールを決定すること、感知すること、または識別することを含み得る。この検知はさらに、孔部内に収容されるシース内で細長いツールを検知することを含み得る。例えば、コントローラ508(図5B)は、内視鏡380(図3A)がハウジング510の孔部502内にあることを識別することができる。内視鏡380は、ビューポート390が内視鏡380の遠位端部に位置決めされているように構成された光学素子392を含んでもよい。内視鏡380が孔部502に挿入されるとき、光学素子392は、孔部502のプラズマ発生ゾーン504内に位置していることができる。また検知は、細長いツール380を包囲する保護シース(例えば、310または410)もまた孔部450内にあると決定することも含むことができる。
ブロック1704では、孔部内のツールの検知時に、光学素子の領域内の孔部の少なくとも一部内に負圧を発生させる。負圧の発生は、孔部の少なくともある領域(例えば、孔部内のシース内の領域)内では、圧力が大気圧より低くなるように、ガスまたは空気を除去することを含み得る。例えば、内視鏡380(図2)がハウジング510の孔部502(図5A)内に挿入されることを検知すると、コントローラ508は、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のうちの1つまたは複数を作動させることができる。これは、孔部502のプラズマ発生ゾーン504内に、例えば内視鏡380の光学素子392の領域内に負圧を発生させてもよい。
ブロック1706では、負圧の期間中にプラズマ発生機を作動させることにより、光学素子の表面を親水性にするのに十分な期間に光学素子をプラズマに曝露する。プラズマ発生機の作動は、上述のいずれかの方法で行われることができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のうちの1つまたは複数がプラズマ発生ゾーン504の内側に負圧を引き起こす期間中、図5A~図5Cのプラズマ発生機を作動させることができる。これにより、内視鏡380の光学素子392が一定期間(例えば、15秒~1分の範囲)、プラズマに曝露され、光学素子392の表面を親水性にすることにより、後続の内視鏡検査中の光学素子392上の噴霧の蓄積を防止することができる。
ブロック1708では、負圧の発生及びプラズマ発生機の作動は、細長いツールが孔部内にあることを検知することに応答して自動的に行われる。これらが自動的に行われることは、前述の方法のいずれで行われ得る。例えば、内視鏡380(図3A)がキャビティ502(図5A)内にあることを検知することに応答して、コントローラ508は、例えばシステム500の外部からの介入なしで、自動的に、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のうちの1つ以上を作動させて、キャビティ502内に負圧を発生させ、プラズマ発生機(例えば、図5A~図5Cのプラズマ発生機)を作動させることができる。
ブロック1710では、細長いツールの遠位端部領域は、シース内のプラズマに曝露され、孔部は、その内にシースを受容するように構成され、シースは、細長いツールを受容するサイズに作られる。前述のことは、先に説明された方法のいずれにおいても行われることができる。例えば、シース410(図3C)は、内視鏡380を受容する(例えば、収容する)サイズに作られ得る。さらに、孔部350は、その内にシース410を、例えば、シース410を収容するサイズに作られることによって、そしてシース410のカソード330を、カソードコンタクタ352及び導電体354を介してなど、電源530と電気的に結合するように構成されることによって、受容するように構成されてもよい。従って、シース410のカソード330を電気的に結合することにより、シース410内に電磁場を発生させて、内視鏡380の遠位端部領域(例えば、光学素子392)の近くにプラズマを発生させることが可能になってもよい。これにより、内視鏡380の遠位端部領域をシース410内のプラズマに曝露させることが可能になってもよい。
ブロック1712では、光学素子が十分な親水性を達成するために十分に処理されていない場合、警告信号が出力される。警告信号及び不十分決定は、先に説明された方法のいずれかで行われることができる。例えば、コントローラ508(図5B)は、シース410に設けられたRFIDタグまたはカメラなどを介して、内視鏡380の光学素子392(図3C)に対応するツールタイプを決定してもよい。コントローラ508は、光学素子392の十分な親水性を達成するための処理を行うために、例えばメモリ108(図1A)から、1つ以上のパラメータを取得することができる。例えば、1つ以上のパラメータは、電源530を介して利用可能な電力量、真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000D(図10A)のいずれかによって発生した負圧のレベル、プラズマ発生ゾーン504に流入するガスの種類、プラズマ発生ゾーン504内のガスまたは空気の圧力、カソード330とアノード340または440のいずれかとの間に発生する電磁場の特性、タイミングパラメータ、温度パラメータ、ならびにシステム100または500によるプラズマ処理に影響するあらゆるその他のパラメータに関連し得る。コントローラ508は、光学素子392に(例えば、1つ以上のセンサを介して)適用されたプラズマ処理に関連する1つ以上の測定値を取得し、1つ以上の測定値及び1つ以上のパラメータに基づいて、光学素子392の親水性が不十分であると決定することができる。従ってコントローラ508は、ディスプレイ1102(図11)などを介して、警告を出力することができる。
いくつかの開示された実施形態は、体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制することを含む。結露には、水分、水気、濡れ、水滴、または表面上に水もしくはその他の流体が集まる任意のその他の現象が含まれ得る。例えば、結露には、ガラスなどの表面上での水滴の形成が含まれ得る。結露ディストーションは、誇張、ブラー、誤表現、ねじれ、または結露によって引き起こされる、あるものが実際の外観とは異なって見えるようにする、任意の他の変化を含み得る。例えば、結露ディストーションは、ガラス表面が水滴で覆われているとき、ガラス表面を通して可視化される噴霧の多い画像を含むことができる。外科手技中、結露ディストーションは、レンズの曇りを含む様々な問題を引き起こし、これらのような手技の間の明瞭な可視化を制限する。従って、結露ディストーションを抑制することが望ましい。結露ディストーションを抑制するには、結露ディストーションの制約、抑制、阻止、阻害、妨害、抑止、防止、最小化、または任意のその他の制限方法が含まれ得る。例えば、ガラス表面上の結露ディストーションを抑制することは、表面上に蓄積する水滴の数またはサイズを制限することにより、表面上の曇りを低減させることを含み得る。いくつかの開示された実施形態は、装置の使用を含む。装置は、本明細書に開示された機能のいずれかを達成するように構成された付属品、装置、部品、機器、機械、機構、または配置のうちの1つまたは複数の個々のまたは組み合せのいずれかを含むことができる。
光学素子は、レンズ、プリズム、ミラー、または光を反射するか光の通過を可能にするかいずれかの光学機器の任意の他の部分を含むことができる。光学素子の表面上に集められた水によって、光学素子を通過する光の特性にディストーションが起こることがあるため、光学素子上の結露ディストーションを抑制することが望ましい場合がある。例えば、光学素子は、内視鏡などの医療機器のレンズを含むことができる。医療機器は、スコープ、カテーテル、チューブ、または医学的状態の診断もしくは治療のために体内部位もしくは体外部位上に使用されるあらゆるその他の装置を含み得る。体腔は、腹膜、背側腔、背部体腔、頭蓋腔、脊髄腔、腹側腔、胸腔、腹骨盤腔、腹腔、骨盤腔、腸、胃、食道、肺、血管、臓器、または体内の任意のその他の空間もしくは区画を含み得る。いくつかの例では、体腔には、胸腔など、複数の臓器を収容する空間が含まれる場合がある。他の例では、体腔は、心臓など、単一の臓器を含み得る。さらに他の例では、体腔は、大動脈など、血管を含む場合もある。体腔への挿入は、体腔内への導入、注入、進入、埋め込み、植え込み、またはその他の任意の配置方法を含むことができる。一例では、体腔への挿入は、内視鏡を血管内にガイドすることによって内視鏡を血管に導入することを含むことができる。
いくつかの開示された実施形態は、ハウジングを含む。ハウジングは、本明細書に開示された任意の装置または方法の任意の構成要素を収容することができる、任意の支持構造体、フレーム、ケージ、筐体、包含体を含むことができる。ハウジングは、プラスチック、金属、ガラス、木材、またはプラズマ発生装置を包むことができる任意の他の材料など、任意の適切な材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは1つ以上の絶縁材料を含むことができ、これら1つ以上の絶縁材料は、その内に包まれるプラズマ発生装置を、1つ以上の環境条件、例えば、電場及び/または電磁場、光、湿度、温度、衝撃、機械及び/または音響振動、及びプラズマ発生装置によるプラズマ発生に影響する可能性のあるその他の任意の環境属性から絶縁することができる。
いくつかの実施形態は、ハウジング内にキャビティを含み、キャビティはその内に医療機器の少なくとも一部を取り外し可能に保定するサイズに作られ、この一部は光学素子を含む。キャビティは、チャンバ、凹部、ハップ、穴部、ポケット、孔部、くぼみ、ソケット、またはハウジング内の任意のその他のタイプの空き空間を含むことができる。医療機器の少なくとも一部をハウジング内に取り外し可能に保定することにより、ハウジング内に医療機器全体の任意の部品、セクション、セグメント、コンポーネント、素子、要素、ユニット、またはその他の任意の部分を収容すること、保持すること、維持すること、留置すること、収集すること、確保すること、またはその他の任意の方法で保持することを含み得る。光学素子を含む部分は、光学素子を含む部分の全体、または光学素子を含む部分の一部を含んでもよい。例えば、キャビティは、ハウジング内に形成された孔部を含み得、医療機器の部分は、孔部の内外に摺動するように構成されるレンズを含む内視鏡の遠位端部を含み得る。
いくつかの開示された実施形態は、キャビティ内にプラズマ活性化ゾーンを含み、プラズマ活性化ゾーンは、医療機器の少なくとも一部がキャビティ内に保定されるとき、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内に位置しているように配置される。プラズマ活性化ゾーンは、例えばそこに導入されたガスに点火することによって、プラズマ雲を形成することができる物理的な容積または空間を含むことができる。プラズマ活性化ゾーンのサイズは任意であってよい。例えば、プラズマ活性化ゾーンは、15cm3未満、10cm3未満、5cm3未満、3cm3未満、2cm3未満、または1.4cm3未満であり得る。いくつかの例では、プラズマ活性化ゾーン内で電磁場を発生させることができるため、その電磁場にガスが曝露されると、ガスが点火され、プラズマが発生することができる。「プラズマ」という用語は、荷電粒子、例えば、電子及びイオンを豊富に含む物質の状態を指すことができる。その結果、プラズマは導電性が高く、電場及び/または電磁場に感受性が高くなり得る。いくつかの例では、プラズマは低温プラズマであり、すなわち、プラズマは、イオンよりもはるかに高いエネルギーを有する電子を含む。低温プラズマは、過酷な処理に感受性があり得る医療装置の頻繁な使用を伴う用途では特に有利であり得る。光学素子の親水性を改善するために、光学面をプラズマに曝露することが望ましい場合がある。具体的には、親水化処理の間、表面は酸化され、プラズマイオンの衝撃は表面上にヒドロキシル基を形成する。これらのヒドロキシル基は極性であり、水が極性であるため、ヒドロキシル基に引き付けられる。最終的には、これが表面の濡れ性及び接着を高めることにより、表面がさらに親水性になる。
いくつかの開示された実施形態は、光学素子の近傍のプラズマ活性化ゾーン内にプラズマ雲の形成を引き起こすように作動するように構成されたプラズマ発生機を含む。プラズマ発生機は、例えばプラズマ活性化ゾーンの内側で、プラズマを発生させるように構成された装置を含むことができる。いくつかの例では、プラズマは、チャンバの内側に真空を作り出すことによってプラズマ発生機の内側に形成される。いくつかの実施形態では、少量のガスは、チャンバ内にチャネルで送られることができ、その分子が電離されるようになるとき、ガスからプラズマへ相変化する。プラズマ発生機のチャンバの内側で、プラズマイオンによって表面が衝撃を受けると、非常に小さいスケールで表面が改質される。これらのプラズマプロセスは、表面を親水化またはさらに超親水化するなど、それらの接着能力を向上させることにより、表面を変化させることができる。他の例では、プラズマは、ノズル内で発生し、次いで、圧縮空気の流れで排出され得る。プラズマ雲は、プラズマ発生機によって発生した任意の容積のプラズマを含み得る。プラズマ発生機は、アーク放電またはコロナ放電を含む、プラズマを発生させるまたは活性化する任意の様式によって、プラズマ活性化ゾーン内のプラズマ雲の形成を引き起こすことができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生機は、誘電体バリアの放電によってプラズマ雲の形成を引き起こす。誘電体バリアの放電は、誘電体によって分離された2つの電極間で起こる。誘電体バリアが存在することにより、これらのようなプラズマ源は、高電圧の正弦波またはパルスで動作することができる。放電は、複数のマイクロ放電からなってよいが、場合によっては、均一な放電も同様に生じてよい。均一性及び放電ギャップを増大させるために、予備電離システムを使用することができる。誘電体バリアの放電の実施形態では、空気は(別のガス流とは対照的に)プラズマ形成の基礎として機能し得る。光学素子の近傍は、光学素子内の範囲、光学素子の環境、または光学素子の付近もしくは周囲の任意の領域を含むことができる。一例では、光学素子の近傍でのプラズマ雲は、光学素子を包囲するプラズマ雲を含んでもよい。別の例では、光学素子の近傍でのプラズマ雲は、光学素子の一部の付近にプラズマ雲を含んでもよい。
いくつかの開示された実施形態は、体腔に挿入する前に光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させるように構成されたコントローラを含む。コントローラは、プラズマ発生機を作動させるために、装置の使用者が、装置を操作して制御することを可能にするように構成されてもよい。従って、コントローラは、1つまたは複数のコマンドスイッチと、1つまたは複数のコントローラ、例えば物理または仮想スイッチ、ボタン、及びコントローラとを含むことができる。コントローラは、装置を操作するために必要なデータ及び情報をユーザに提供するためのインジケータ、例えばインジケーションLED、ディスプレイ、ならびに場合によっては、プラズマ発生機を作動させるためにユーザが装置を操作して命令することを可能にするための操作画面及びコマンド画面をユーザに提供するための少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な操作ソフトウェアをさらに含んでもよい。コントローラ(例えば、少なくとも1つのプロセッサ)は入力信号に論理演算を実行するための電気回路を含んでもよい。例えば、コントローラには、ASIC、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサを含む1つもしくは複数の集積回路(IC)、CPU、GPU、APU、DSP、FPGAの全部もしくは一部、または計算命令の実行に適しており、及び/または論理演算を、例えば計算命令もしくは入力信号に基づいて、実行できる他の回路が含まれることができる。コントローラによって実行される命令は、プロセッサに統合されたもしくは埋め込まれたメモリにプリロードされてもよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、RAM、キャッシュメモリ、ROM、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、またはそれらのような命令を格納できる任意の他のメカニズムを含んでもよい。メモリは、さらに、1つ以上のプログラムコード命令を実行するための1つ以上の入力と、1つ以上のプログラムコード命令を実行することによって生成される1つ以上の出力とを含み得るデータを格納することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは複数のプロセッサを含むことができる。各プロセッサは、類似の構成、または相互に電気的に接続されても、もしくは切断されてもよい異なる構成を有してもよい。プロセッサは、別個の回路であってもよく、または単一回路に統合されてもよい。複数のプロセッサは、独立してまたは協調して動作するように構成されてもよい。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、またはそれらがインタラクトすることを可能にする他の手段によって結合されてもよい。プロセッサは、物理的及び/または仮想的(すなわち、ソフトウェアベース)であってよい。
図5A~図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ発生システム500の3つの図を示す。図示のように、プラズマ発生システム500は、ハウジング510を含むことができ、このハウジングは、キャビティ502を有し、プラズマ活性化ゾーン504、プラズマ発生機506、及びコントローラ508を収容することができる。プラズマ発生システム500は、キャビティ502内にプラズマ活性化ゾーン504を含んでよく、このプラズマ活性化ゾーンは、光学素子を有する医療機器(例えば、ビューポートを有する内視鏡)の少なくとも一部がキャビティ502内に保定されるとき、光学素子がプラズマ活性化ゾーン504内に位置しているように配置されてよい。プラズマ発生機506は、本明細書に開示された実施形態による、プラズマ活性化ゾーン504内で物体(例えば、医療機器)を処理するためにプラズマを発生させることができる。キャビティ502は、プラズマ活性化ゾーン504へのアクセスを提供し得ることで、例えば、プラズマ処理を実行して物体の親水性を高めるために物体をプラズマ活性化ゾーン504に挿入することが可能になってもよい。コントローラ508は、プラズマを発生させるためのプラズマ活性化ゾーン504へのガスの流入及び/または流出、プラズマを発生させるための電場及び/または電磁場の発生、及びプラズマ発生機506によるプラズマ発生に関連する任意の他のパラメータなど、プラズマ発生機506の1つまたは複数の態様を制御することができる。プラズマ発生システム500は、圧力センサ、電圧センサ514、及びプラズマ周波数センサ512などの1つ以上のセンサをさらに含み得る。
体腔への挿入前に光学素子を親水性にするのに十分な期間は、光学素子に関連する任意の所望の手技に、光学素子の所望のレベルの親水性が生じるのに必要な任意の時間を含み得る。いくつかの例では、光学素子を体腔に挿入する前に親水性にするのに十分な期間は、1分未満、45秒未満、30秒未満、または15秒未満であり得る。
いくつかの実施形態では、医療機器は、細長いシャフトを有するスコープを含み、キャビティは、細長いシャフトを受容するために細長いチャネルを含み、プラズマ活性化ゾーンは、細長いチャネルの遠位端部に近接して位置している。スコープは、身体の任意の部位を目視するまたは調べるための、本明細書により詳細に説明されるような任意の機器を含むことができる。細長いシャフトは、スコープの任意の長い、狭い部分またはセクションを含み得る。細長いチャネルは、任意の開路または閉路を含むことができる。いくつかの例では、細長いチャネルは管状であり得る。細長いチャネルの遠位端部は、細長いチャネルの中心を含む、細長いチャネルの特異的な領域から離れて位置した任意の部位を含むことができる。いくつかの例では、遠位端部は、細長いチャネルの中心からさらに離れた細長いチャネルの部分を含んでよい。いくつかの例では、細長いチャネルの遠位端部は、細長いチャネルの両方の端部を含み得る。
いくつかの実施形態では、スコープは、腹腔鏡または内視鏡を含む。本明細書で使用される場合、「内視鏡」は、患者の体内に挿入されるように構成された遠位端部と、手技中に患者の体外に留まるように構成された近位端部とを有する任意のスコープを含むことができる。いくつかの実施形態では、光学素子は、細長いシャフトの遠位端部上にレンズ素子を含む。レンズ素子は、屈折によって光ビームを集束または分散させるあらゆる透過型光デバイスを含んでよい。1つのレンズ素子は、通常は1つの共通軸に沿って配置された、単一の透明材料片、またはいくつかのレンズからなり得る。レンズ素子は、ガラスまたはプラスチックなどの材料から作られてもよい。通常、遠位端部は、レンズもしくは窓などのビューポート、または光ファイバの裸端部、またはさらには鏡(例えば、歯科用ミラーなど)を含む。ビューポートを通じて、スコープは、例えばCCDなどの感光デバイスを使用して、ビューポートの周囲の画像を収集することを可能にする。ビューポートは装置の前から(すなわち、装置の長手方向軸と合致する領域から)光を収集することを目的としてもよく、またはビューポートは、長手方向軸に対してある角度で傾斜してもよく、もしくは(例えば、大腸鏡検査で実証されているように)装置の長手方向軸に対して垂直方向に向いてもよい。近位端部は、一般にハンドルを含み、またはそれに接続され、このハンドルは、医者によって保持され、場合により、スイッチ、ナビゲーションスティック、タッチスクリーン、及びタッチパッドなどのユーザインタフェースコンポーネントを含む。内視鏡には、広範囲にわたるスコープ、例えば、気管支鏡、大腸鏡、膀胱鏡及び腹腔鏡が含まれる。腹腔鏡は、特異的な例として、硬性または比較的硬性のロッドまたはシャフトを含み、ロッドまたはシャフトは、ビューポートを含み、場合により、その遠位端部に対物レンズ、及びその近位端部に接眼レンズ及び/または統合視覚ディスプレイを含む。外科手技を記録するために、スコープを、遠隔視覚表示装置またはビデオカメラに接続することもできる。
いくつかの実施形態では、細長いチャネルは、光学素子を含む細長いシャフトの一部を包囲するシースを受容するサイズに作られる。シースは、物体の周りに外嵌する任意のカバーまたは支持構造体を含むことができる。例えば、シースは、医療機器の光学素子を封入し得る。例示的な一実施形態では、シースは、細長い、可撓性で、使い捨てのチューブであり得、医療機器がプラズマ活性化ゾーンに挿入されるとき、シース内に医療機器の一部を保定する。「シースを受容するサイズに作られる」という用語は、シースに対応する寸法を有する物体を収容するように形成される、構成される、またはそれを収容する形状に作られることを指すことができる。従って細長いものは、そこにシースを挿入することを可能にするように形成されることができる。
いくつかの実施形態では、シースは、誘電材料から形成される。誘電材料は、印加された電場によって分極されることができる任意の電気絶縁体を含み得る。誘電材料は、ガラス、石英、セラミックスまたはポリマーを含むことができる。誘電材料は、所望の誘電効果を達成するために必要な任意の厚さのものである。いくつかの例では、誘電材料は、シース全体を構成し得る。他の例では、誘電材料は、シースの一部のみを構成し得る。
いくつかの実施形態では、ハウジングは、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、シースが光学素子を包囲するように構成される。シースは、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、光学素子を包囲するが、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、光学素子の周囲のいずれかを封入する、取り囲む、包含する、または任意の他の方法でそれに配置されるシースを含み得る。いくつかの例では、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、シースは、光学素子全体を包囲することができる。他の例では、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、シースは、光学素子の一部のみを包囲することができる。
いくつかの実施形態では、シース内にプラズマ雲を発生させるようにさらに構成される。シース内にプラズマ雲を発生させることは、シース内でのプラズマ雲の発生、活性化、拡大、または任意の形態の存在を引き起こすことを含み得る。いくつかの例では、プラズマ雲は、シース内で発生し得る。他の例では、プラズマ雲は、シースの外側で発生し、次いでシース内で輸送され得る。いくつかの例では、プラズマ雲全体はシース内に発生し得る。他の例では、プラズマ雲の一部のみがシース内に発生し得る。
いくつかの実施形態では、キャビティはシースを受容するように構成され、シースはその内にシース電極を含み、外部電気接点を含み、キャビティは内部接点を含み、内部接点は、シースがキャビティ内に位置しているとき、外部接点と電気接続を形成することにより、シース電極にエネルギーを供給することを可能にするように構成される。シースは、前述されるように、物体の周りに外嵌する任意のカバーまたは支持構造体を含むことができる。シース電極は、電気接続を行うために使用される任意の導電体を含み得る。例えば、シースに関連している回路の非金属部分と電気接続してもよい。電気接点は、導電性セクション(例えば、金属または半導体で作られた)を有する任意の電気回路コンポーネントを含み得、この導電性セクションを通して、電気接点が別の電気回路コンポーネントに電気的に結合されるとき(例えば、物理的に接触するとき、または物理的に接触することなく回路を完成させることを可能にするとき)、電流が通過することを可能にする。外部電気接点は、シースの外面上に配置され得る任意の電気接点を含み得る。内部接点は、キャビティの内面上に配置され得る任意の電気接点を含み得る。電気接続には、電気が流れて通ることを可能にする任意の構造体が含まれることができる。エネルギーの供給には、バッテリなどの任意の電気エネルギー源が含まれることができる。キャビティの内部接点とシースの外部接点との間に電気接続を形成することにより、例えばシース内に電磁場を発生させてプラズマを発生させるという目的で、外部電源からシース内部に電流を通過させることが可能になる。
いくつかの実施形態では、プラズマ活性化ゾーンを含む領域内に、少なくとも部分真空が確立される。真空(本明細書では同義で少なくとも部分真空と称される)は、大気圧または周囲圧力よりも実質的に低い気相圧力を有する任意の領域を含み得る。いくつかの例では、真空は、プラズマの形成を可能にするのに十分な粒子の遮断を欠く、あらゆる自由空間を含む。
いくつかの実施形態は、シース電極の領域中のシース内に少なくとも部分真空を確立するように構成された少なくとも1つのポンプを含む。シース電極の領域中のシース内に少なくとも部分真空を確立するように構成されたポンプは、密閉容積内の周囲圧力をより低くするために、その容積から粒子を引き出すまたは吸引する任意の装置を含むことができる。いくつかの例では、ポンプは、0.1atm~約0.01atmの間の負圧をかけることによって、少なくとも部分真空を確立してもよい。シース電極の領域は、シース電極の所望の範囲内の任意の領域を含み得る。いくつかの例では、ポンプは、シース電極上に直接、シース内に部分真空を確立し得る。他の例では、ポンプは、シース電極から少し離れて、シース電極内に部分真空を確立し得る。
いくつかの実施形態では、ハウジングは、その内にハウジング電極を含む。ハウジング電極は、回路の別の部分と電気接続するために使用される任意の導電体を含み得る。例えば、これは、シースに関連している回路の金属部分または非金属部分と接触してもよく、またはその他の方法で電気接続してもよい。ハウジング電極は、ハウジング上の任意の位置に位置決めされることができる。いくつかの例では、ハウジング電極は、ハウジングに接続されてもよい。他の例では、ハウジング電極は、ハウジングの本体の内部か外部かいずれかに組み込まれ得る。
いくつかの実施形態では、ハウジング電極は、シースが細長いチャネルに挿入されるとき、シース電極と電気回路を形成するように構成される。電気回路は、電流の流れの戻り経路を設ける任意の閉ループネットワークを含んでよい。いくつかの例では、ハウジング電極は、シース全体が細長いチャネルに挿入されるとき、シース電極と電気回路を形成し得る。他の例では、ハウジング電極は、シースの一部が細長いチャネルに挿入されるとき、シース電極と電気回路を形成し得る。特定の例では、シース電極とハウジング電極との間の部分的な接触は、電気回路を形成するのに十分であり得る。他の例では、シース電極及びハウジング電極は離隔され得、電流がハウジング電極とシース電極との間のギャップを通過する際に閉ループは生じ得る。このようなギャップは、プラズマ発生ゾーンと少なくとも部分的に合致することができる。
いくつかの実施形態は、シース電極に電力を伝達するための回路をさらに含む。回路は、本明細書に説明されるように、電流の流れの戻り経路を設ける任意の閉ループネットワークを含んでよい。電力をシース電極に伝達することは、電源、例えばバッテリからシース電極に電力を供給する任意の様式を含み得る。例えば、キャビティの内部接点とシースの外部接点との間に電気接続を形成すると、バッテリからシースの内部に電流を通過させ得ることにより、バッテリからシース電極に電力を伝達することが可能になる。前述のように、閉ループは、電極間にギャップが存在するループを含み、電流がギャップを通って流れることができる限り、例えば、プラズマがギャップに形成されるときに生じる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポンプは、複数の相互連結したポンプを含む。複数の相互連結したポンプは、本明細書に説明されるように、互いに連結されている2つ以上のポンプを含んでもよい。場合によっては、単一ポンプを使用して可能な真空レベルよりも高い真空レベルを達成するために、単一ポンプの代わりに複数の相互連結したポンプを使用することが望ましい場合がある。他の例では、単一ポンプにかかる荷重またはひずみを低減させるために、単一ポンプの代わりに複数の相互連結したポンプを使用することが望ましい場合がある。さらに他の例では、プラズマ発生中にポンプの1つに不具合が起きた場合、負圧のバックアップ源を設けるために、単一ポンプの代わりに複数の相互連結したポンプを使用することが望ましいことがある。例えば、少なくとも1つのポンプは、2つの相互連結したポンプを含んでもよい。第一ポンプの不具合の場合、第二ポンプは、顕著な中断なしにプラズマ発生を継続するように作動し得る。
いくつかの実施形態では、体腔に挿入する前に光学素子を超親水性にするのに十分な期間にプラズマ雲を維持する。「超親水性」という用語は、非常に高いレベルの親水性、例えば、流体と物体の表面との間の接触角を実質的に低減させるのに十分な親水性であるため、例えば、流体が物体の表面を実質的に均一(例えば、平坦)な層としてコーティングすることが可能になることを指し得る。いくつかの実施形態では、物体の親水性を所望のレベルまで高めた後、流体と物体の超親水性表面との間の接触角は、約10°未満もしくは5°未満、例えば、約4°未満、約3°未満、約2°未満、約1°未満であってよく、または例えば20℃及び大気圧で測定したとき、約0°であってもよい。体腔への挿入前に光学素子を超親水性にするのに十分な期間は、光学素子に関連する任意の所望の手技に、光学素子の所望のレベルの超親水性が生じるのに必要な任意の時間を含み得る。いくつかの例では、光学素子を体腔に挿入する前に超親水性にするのに十分な期間は、1分未満、45秒未満、30秒未満、または15秒未満であり得る。
いくつかの実施形態では、光学素子を体腔に挿入する前に超親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させる。「作動させる」という用語は、トリガすること、オンもしくはスイッチオンにすること(例えば、電気信号を発信することによる)、またはプラズマ発生機による、例えば、キャビティ内でプラズマに点火することができるプラズマ発生機で電場及び/または電磁場の発生を開始することによる、プラズマの発生を開始する任意の他のアクションを実行することを指し得る。コントローラは、自動的か、装置のユーザによる入力時かいずれかに、光学素子を体腔に挿入する前に超親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させ得る。一例では、コントローラは、特定の閾値条件が満たされると、プラズマ発生機を30秒間、自動的に作動させることができる。別の例では、コントローラは、ユーザがコントローラ上のボタンを押す形式のユーザ入力に応答して、45秒間プラズマ発生機を作動させることができる。
開示された実施形態は、体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制するための方法を含み得る。図18は、本開示のいくつかの実施形態に即した、体腔への挿入のために構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制するための例示的な方法1800を示す。ステップ1810に示されるように、方法1800は、医療機器の少なくとも一部をキャビティ内に取り外し可能に挿入することを含み得、この一部は光学素子を含む。また方法1800は、ステップ1812に示されるように、医療機器の少なくとも一部がキャビティ内に保定されるとき、光学素子をキャビティの内側のプラズマ活性化ゾーン内に配置することを含み得る。方法1800は、ステップ1814に示されるように、光学素子の近傍のプラズマ活性化ゾーン内にプラズマ雲の形成を引き起こすようにプラズマを発生させることも含み得る。方法1800は、ステップ1816に示されるように、光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマ雲を維持することをさらに含み得る。方法1800は、ステップ1818に示されるように、親水性光学素子を体腔に挿入することをさらに含み得る。
上記のように、誘電体バリアの放電(DBD)動作モードは、1つまたは複数の利点、例えば、ビューポートの近傍でのプラズマ処理中に電場及び/または電磁場の均一性を確保することによって、プラズマ処理の品質を向上させることなどを提供することができる。これは、高レベルの親水性が望ましい場合がある光学面の処理に有用であり得る。DBD動作モード中にプラズマ処理を提供することができるシステム及び方法を本明細書で以下に説明する。さらに、いくつかの実施形態では、空気プラズマがDBDモード中に使用され得るとき、本明細書で以下に説明されるDBD動作モードは、例えば定期的な補充または交換を必要とする高価なガスキャニスタの必要性を回避することによって、プラズマ発生機を単純化してもよい。
いくつかの実施形態は、光学素子上での結露ディストーションを抑制することを含む。「抑制する」という用語は、ある事象が起こることを制限する、妨害する、限定する、またはその他の方法で妨げることを指し得る。「ディストーション」という用語は、変更された、スキューされた、またはそうでなければ不正確な表現を指し得る。「光学素子」という用語は、光を操作するように設計された光学系の任意のコンポーネント、例えば、窓もしくはレンズ、光を反射するミラー、またはビューポート(例えば、医用スコープのもの)を指すことができる。光学素子は、ガラス、石英、または一部もしくはほとんどの可視光を通過させることを可能にするPerspexなどのプラスチックのような材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、光学素子は、金属または半導体などの反射性または半反射性の材料から作製されてもよい。水分は、光学素子の表面上に液滴として(例えば、結露または噴霧として)蓄積し得ると、光学素子を介して目視される物体は、結露が蓄積していない光学素子を介して目視される場合に見える物体と比較して、異なって(例えば、ディストーションを起こして)見える。いくつかの開示された実施形態は、プラズマ処理が提供されると、比較的高いレベルの親水性を達成して、光学素子が曇りを免れること、または本来であればプラズマ処理が存在しない場合に起こり得る曇りを大幅に低減させることにより、光学素子上の液滴の蓄積を妨げ得る。換言すれば、光学素子にプラズマ処理を適用することにより、例えば医療手技中に、光学素子を使用するとき、結露ディストーションを抑制することができる。図1Aのプラズマアプリケータ130は、光学素子上の結露ディストーションを抑制するための装置の例示的な実装を示す。プラズマアプリケータ130により、医療装置200のビューポート222がプラズマに曝露されることによって、ビューポート222が曇りを免れることができる(または少なくとも曇りを著しく減少させることができる)。プラズマへの曝露は、ビューポート222の親水性を高め、その上に液滴が蓄積することを防止してもよく、または制限してもよい。換言すれば、プラズマアプリケータ130は、ビューポート22の結露ディストーションを抑制することができる。
いくつかの実施形態は、ハウジング内にチャンバを含む。「チャンバ」という用語は、物体を収容することができるスロット、キャビティ、クレバス、またはピットを指すことができる。プラズマ発生ゾーン内のチャンバは、プラズマ雲(例えば、その内で流動するガスに点火することにより発生した)と共にプラズマ発生ゾーンの内側に物体の少なくとも一部を収容するサイズに作られることによって、物体の少なくとも一部をプラズマ雲に曝露することができる。例えば、チャンバは、プラズマ発生ゾーン内に内視鏡のビューポートを収容して、ガスが点火された後にプラズマ活性化ゾーンの内側に発生したプラズマ雲に、ビューポートを曝露することができる。その結果、ビューポートの親水性が高まり、その後、ビューポートが体内に挿入されるとき、噴霧が形成されることを制限してもよく、または防止してもよい。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、チャンバを形成してもよく、保護シュラウドへの物体の挿入は、物体を収容する保護シュラウドの内側を密閉することにより、その内に閉じたプラズマチャンバを画定することができる。例えば、図1Aのプラズマアプリケータ130の外面上に開口部を露出させるスロット132は、開示された実施形態に即した、光学素子上の結露ディストーションを抑制する装置のハウジング(すなわち、外面)内のチャンバ(すなわち、スロット)の例示的な実装を示すことができる。いくつかの実施形態では、取り外し可能なシュラウドがチャンバとして機能し得、他の実施形態では、シュラウドは省略されてもよく、ハウジング内のスロットまたは凹部自体がチャンバを構成してもよい。
いくつかの実施形態によれば、チャンバは、光学素子が細長いツールの遠位端部に近接している状態で、細長いツールを受容するように構成される。「細長いツール」という用語は、物体の幅よりも実質的に長い長さを有する物体を指し得る。細長いツールの例には、医療手技中に使用するためのカニューレ、プローブまたはチューブが含まれる。従って、プラズマ処理を受ける光学素子は、内視鏡の遠位端部に位置決めされたカメラと一体化された光学素子、またはハンドルの遠位端部に位置決めされた歯科用ミラーのような、細長いツールの遠位端部に向けて位置決めされ得る。チャンバは、細長いツールを収容するために細長い形状を有することができる。ハウジングの表面は、細長いチャンバへの入口を露出させる、スロットまたは開口部を含んでよい。スロットまたは開口部によって、細長いツールをチャンバ内に挿入することが可能になる。例えば、図3Aは、開示された実施形態に即した、光学素子が細長いツールの遠位端部の近位にある状態で、細長いツールを受容するように構成されたチャンバの例示的な実装を示す。内視鏡380(例えば、細長いツール)には、外面392(図2)を有するビューポート390(例えば、光学素子)が設けられることができる。ビューポート390は、内視鏡380の遠位端部に近接して位置決めされ得る。スロット350は、チャンバ内への入口を露出させ得(例えば、チャンバの少なくとも一部を形成し得)、細長い形状で構成され得ることにより、内視鏡380の遠位端部を、そこにビューポート390が固定されている状態で、チャンバ内に配置することが可能になる。
いくつかの実施形態は、ハウジング内に電気回路を含む。電気回路は、ワイヤ、仮想及び/または物理スイッチ、及び/またはプラズマ発生場アプリケータを、電力を供給するために使用される電源に電気接続するように構成されたコントローラのような、1つまたは複数の電子コンポーネントを含んでよい。さらに回路は、装置を制御するための1つ以上のソフトウェア命令によって容易になり得る。換言すれば、「電気回路」という用語は、電気エネルギーまたは信号を伝達するための電子コンポーネント(例えば、導電体、メモリユニット、スイッチ、ゲート、ワイヤ、及び/または他の電子コンポーネント)の任意の組み合わせを含み得る。実施形態に応じて、電気回路は、入力として(例えば、コントローラとして動作するプロセッサから)電気信号を受信することに応答して、1つまたは複数の動作(例えば、論理演算及び/または算術演算)の実行を容易にし得る。回路は、エネルギー源、例えば、電源、発電機、バッテリ、または充電式バッテリをプラズマ発生装置に結合し得、ガスをプラズマ雲に変換する目的でガスの点火を可能にする。エネルギー源は、例えば壁部出口からケーブルを介して、プラズマ発生装置の外部にあってもよい。いくつかの実施形態では、操作ユニットは、バッテリ、例えば充電式バッテリなどの内部エネルギー源によってエネルギーが与えられ得る。回路は、エネルギー源によって送達されたエネルギーの1つ以上の態様、例えば大きさ、強度、周波数、位相、タイミング、極性だけでなく、エネルギーに関連する電圧、エネルギーに関連する電流、及びエネルギーを特徴付けるその他の任意の属性を制御することができる。回路は、例えば、ガスに点火してプラズマ雲を発生させてプラズマ処理を実行するために、プラズマ発生装置の要件に従ってエネルギーを適合し得る。従って回路は、1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよく、これら1つ以上の集積回路には、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサが含まれてもよく、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、アクセラレーテッドプロセッシングユニット(APU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または計算命令の実行に適した、及び/または例えば計算命令もしくは入力信号に基づいて論理演算を実行できる、その他の回路のすべてまたは一部が含まれてもよい。この回路には、1つまたは複数のメモリユニット、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、その他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、または論理演算を実行するためのデータ及び/または計算命令を格納できる任意の他のメカニズムがさらに含まれてもよい。回路には、1つまたは複数の通信チャネルがさらに含まれてもよく、1つまたは複数のICをメモリに結合することによって、1つまたは複数のICは、プラズマ発生装置に送達されたエネルギーを制御するように対応する論理演算の実行に必要なそこに格納された計算命令及び/またはデータを受信することが可能になる。1つまたは複数のICをメモリに結合する通信チャネルは、有線チャネル、例えば、1つまたは複数のケーブル、ファイバ、ワイヤ、バス及び他の任意の機械的に結合された通信チャネルを含むことができる。通信チャネルは、さらにまたは代替に、無線チャネル、例えば、短波、中波及び長波無線通信チャネル(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、Zigbee、セルラー、衛星)、光通信チャネル、ならびに音響通信チャネルを含むことができる。
いくつかの実施形態では、プラズマ活性化領域はチャンバに関連付けられる。「プラズマ活性化領域」という用語は、プラズマを発生させ得る物理的な容積、空間、またはゾーンを指し得る。いくつかの実施形態では、この領域は、DBDモード中にプラズマ発生を促す、チャンバ内で電気絶縁された空間または容積であり得る。電気絶縁された領域は、誘電体層によって実現され得ることによって、この領域をチャンバに関連させ得る。例えば、図3A~図3Bを参照すると、ビューポート390の近傍部322は、開示された実施形態に即した、チャンバに関連するプラズマ活性化領域の例示的な実装を示す。近傍部322は、保護シュラウド310a(例えば、チャンバ)の内側に位置している(例えば、保護シュラウドに関連している)。ディスク344は、アノード340とカソード330との間の見通し線を遮る誘電体バリアを形成することができ、アノード340を近傍部322に流入するガスから電気絶縁することができる。従って、近傍部322は、チャンバに関連するプラズマ活性化領域である。
いくつかの実施形態は、プラズマ活性化領域を含み、このプラズマ活性化領域は、チャンバに関連しており、光学素子の光学面をプラズマ活性化領域に曝露する様式で光学素子を保定するように構成される。「保定する」という用語は、適所に入れる、収容する、保持する、またはその他の方法で位置決めすることを指し得る。例えば、光学素子(例えば、ビューポート)は、プラズマ発生電磁場が印加される閉じたチャンバの内側に収容されてよい(例えば、保定されてよい)。「曝露する」という用語は、物体が周囲の環境、例えば、プラズマ雲と境界を接するように、物体を露わにする、カバーを取る、合致させる、またはその他の方法でむき出しにすることを指し得る。「光学面」という用語は、医療機器のビューポートの表面、またはレンズ、ミラー、もしくはガラスの表面など、光学素子の外部または外側部分を指し得る。従って、ビューポート面(例えば、光学面)をプラズマ発生電磁場が印加されるチャンバ内に収容し得る(例えば、保定し得る)ことによって、ビューポート面をプラズマ活性化領域に曝露し得る。例えば、図3A~図3Bを参照すると、内視鏡380のビューポート390(例えば、光学素子)を近傍部322(例えば、プラズマ活性化領域)内に収容し得る(例えば、保定し得る)ことにより、ビューポート390の表面392(例えば、光学面)を保護シュラウド310aのプラズマ活性化領域に曝露し得る。
いくつかの実施形態によれば、光学素子はレンズを含み、光学面はレンズの表面である。「レンズ」という用語は、そこを通る光波の、透過、集束、屈折、分散、濾波、拡大、小型化、またはその他の方法で透過の操作が可能な1つ以上の光学コンポーネントを含み得る。例えば、内視鏡には、内視鏡検査中に光波を収集して集束させ、画像をキャプチャするための1つ以上のレンズが設けられることができる。内視鏡検査中にレンズの表面が曇ることを防ぐために、本明細書で説明された技法を使用して、内視鏡のレンズ表面をプラズマで処理することができる。図1Aのビューポート220の表面222は、開示された実施形態に即した、レンズの光学面の例示的な実装を示す。例えば医療手技のために、表面222の親水性を高めて、ビューポート222を使用する場合の曇りを防止するために、表面222は、本明細書に記載の技法のいずれかによるプラズマで処理され得る。
いくつかの実施形態は、プラズマ活性化領域が誘電体バリアの第一側部上にガスを収容するように構成されることを含む。「収容する」という用語は、限られたまたは閉じた空間内に封入する、格納する、またはその他の方法で保持することを指し得る。例えば、プラズマ発生ガスはプラズマ活性化領域内に封入されてもよい。「誘電体バリア」という用語は、プラズマ発生場が印加される2つの電極間の見通し線を遮ることができる、誘電体(例えば、絶縁)材料で作られた層を指し得る。DBDモード中のプラズマ発生は、例えば、その場を印加するために使用された電極のうちの1つを電気絶縁することによって、引き起こされることができる。このような絶縁は、プラズマが発生する領域内で電極をガスから絶縁する誘電体層によって実現されてもよい。換言すれば、一方の電極は誘電体バリアの第一側部上に配置され得、他方の電極は誘電体バリアの第二側部上に配置され得る。従って、誘電体バリアは空間を2つの側部に分割することができ、第一側部内に第一電極が位置決めされ、第二側部内に第二電極が位置決めされることができる。例えば、2つの電極は、カソード及びアノードであってよい。カソードは誘電体バリアの一方の側(例えば、第一側部)の上に位置決めされ得、アノードは誘電体バリアの他方の側(例えば、第二側部)の上に位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、プラズマ活性化領域は、誘電体バリアのカソード側(例えば、第一側部)上にガスを封入しまたは貯蔵し得る。図3A~図3Bは、開示された実施形態に即した、誘電体バリアの第一側部上にガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域の例示的な実装を示す。ディスク344は、アノード340とカソード330との間に、その間の見通し線を遮ることによって、誘電体バリアを形成することができる。プラズマアプリケータ348は、スロットにガスを流入させることができる。保護シュラウドは、ガス流が侵入可能であり得ることにより、ガスがビューポート390の方へ、例えばカソード330の近傍部322で、保護シュラウド310aに流入することが可能になる。代替に、空気は、保護シュラウド310aに収容されてもよい。いずれにせよ、近傍部322(例えば、プラズマ活性化領域)は、ディスク344(例えば、誘電体バリア)の、カソード330が位置決めされている側部(例えば、第一側部)上にガスを収容するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、プラズマ活性化領域が収容するように構成されるガスは空気である。アルゴンまたはヘリウムなどのガスは、プラズマ雲に点火するために一般的に使用されるが、これらのガスは、複数回、繰り返し使用するにはコストが高く不便であることがわかる。従って、開示された実施形態は、チャンバまたは保護シュラウド310a内に入れられた空気からプラズマ雲に点火することができるプラズマ発生場アプリケータを提供する。例えば、チャンバの容積に応じて、プラズマは、約10~20KVの電圧を使用して、大気圧で(例えば、外部供給源からのガスを使用せずに)空気中で点火され得る。空気圧が約0.8KPaに低下するとき、約800Vの電圧を使用して、プラズマ雲を空気から点火することができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、空気を収容するように構成されたプラズマ活性化の例示的な実装を示す。ホース364は、一部の空気をポンピングし、保護シュラウド310a(例えば、チャンバ)から出し、その内の空気圧を低下させ得ると、電圧差がカソード330とアノード340との間に維持されることで、電場が誘起され、残りの低圧空気からプラズマ雲に点火することができる。
いくつかの実施形態によれば、プラズマ活性化領域が収容するように構成されるガスは不活性である。不活性ガスまたは貴ガスは、ヘリウムまたはアルゴンなどの元素から作られると、他の原子または分子と反応することができる遊離基を形成しないため、光学素子の表面など、プラズマ技法で使用されることができる。この理由から、ヘリウムまたはアルゴンなどの不活性ガスは、チューブまたはホースを介してプラズマ活性化領域に流入し得る。図3Cは、開示された実施形態に即した、不活性ガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域の例示的な実装を示す。ホース364は、ヘリウムまたはアルゴンのような不活性ガスを収容するリザーバに流体連通され得る。ホース364は、不活性ガスを、アプリケータガスポート402及びシュラウドガスポート404を介して保護シュラウド310aに流入させて、ビューポート390の近くの近傍部322(図3A)の方に流動させることができる。真空シール408は、ホース364と保護シュラウド310aの近傍部322との間に流体連通を確立して、ホースを介して不活性ガスを保護シュラウド310aに直接流入させることができる。
いくつかの実施形態は、プラズマ活性化領域内に少なくとも部分真空を引き起こすための少なくとも1つのポンプを含む。「真空」という用語は、大気圧または周囲圧力よりも低い気相圧力を有する領域を指し得る。本明細書で使用される場合、「真空」という用語は、部分真空を含むことを意図したものである。すなわち、本開示の文脈では、真空は、空気または他のガスの少なくとも一部が除去される封入空間を含む。「ポンプ」という用語は、容積に真空または部分真空を引き起こすために、密閉容積から粒子を引き出すまたは吸引する装置を指し得る。例えば、装置の内部に流体連通したホースは、空気を除去してそこに部分真空を引き起こすことができる。部分真空は、例えばガスが電離してプラズマを形成することを可能にすることにより、プラズマの発生を容易にすることができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、プラズマ活性化領域内に少なくとも部分真空を引き起こすためのポンプを含む装置の例示的な実装を示す。ホース364は、ガス(空気)を、保護シュラウド310aから開口部368に通してビューポート390の近傍部322内にポンピングすることができる。ホース364に流体連通した真空ポンプにより、空気をホース364に通してポンピングすることができる。
いくつかの実施形態では、部分真空に関連するガス圧は、0.3Atm未満または0.1Atm未満である。前述のように、より低い圧力(例えば、部分真空)は、プラズマ発生ガスが電離することを可能にすることによって、プラズマの発生を容易にすることができる。従って、上述のように空気またはガスをポンピングして出した後、プラズマ活性化領域の内側の圧力は、大気圧よりも著しく低くなり得る。図3Aを参照すると、真空シール370は、保護シュラウド310aの内部と外部との間の圧力差を0.1Atm未満に維持することによって、ビューポート390付近の部分真空を発生させることを可能にしてもよい。
いくつかの実施形態は、誘電体バリアの第一側部上にガスを収容するプラズマ活性化領域を含み、電気回路は、誘電体バリアの第一側部上に配置された第一電極との電気接続を形成するように構成される。「電極」という用語は、導電体を指し、この導電体を通じて、電気が物体、物質または領域に入る、またはそこから出る。電極は、通常、対で構成され、一方の電極はカソード(例えば、従来の電流のシンク、及び電子流のソース)であり、他方の電極はアノード(例えば、従来の電流のソース、及び電子流のシンク)である。従って、カソードは対の第一電極であってよく、アノードは対の第二電極であってよい。例えば、装置に電流を送達する電気回路は、1つまたは複数のワイヤを介してカソード(例えば、誘電体バリアの第一側部上に位置決めされた第一電極)に電気的に結合され得る。図1Aは、図3Aと合わせて、開示された実施形態に即した、誘電体バリアの第一側部上に位置した第一電極と電気接続を形成するように構成された電気回路の例示的な実装を示す。プラズマ発生場アプリケータ348(図3A)は、電気回路を含む操作ユニット120(図1A)などを介して、電源に電気接続されてもよい。カソードコンタクタ352に電気接続した電線などの導電体354は、電源からカソードコンタクタ352及びカソード330に、例えばディスク344のカソード側で電力を供給することができる。換言すれば、操作ユニット120の電気回路は、ディスク344により形成される誘電体バリアの第一(例えば、カソード)側に位置するカソード330との電気接続を形成することができる。
いくつかの実施形態は、電気回路に接続された第二電極を含む。「第二電極」という用語は、上述のカソードとアノードの対の第二電極を指し得る。従って、第二電極は、1つまたは複数のコンタクタまたはワイヤを介して電気回路に接続されることができるアノード電極に相当することができる。図1Aは、図3Aと合わせて、いくつかの開示された実施形態に即した、電気回路に接続された第二電極の例示的な実装を示す。プラズマ発生場アプリケータ348(図3A)は、電気回路を含む操作ユニット120(図1A)などを介して、電源に電気接続されてもよい。アノードコンタクタ356は、保護シュラウド310aがスロット350の内側にありながら、アノード340と接触していることができる。導電体358は、アノードコンタクタ356を(例えば、操作ユニット120の電気回路を介して)電源と電気接続させることによって、アノード340(例えば、第二電極)を電気回路に接続することができる。換言すれば、アノード340は、導電体358及びアノードコンタクタ356を介して操作ユニット120の電気回路に接続され得る。
いくつかの実施形態によれば、第二電極は、電気回路に接続され、プラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの第二側部上に位置している。「誘電体バリアの第二側部」という用語は、上述の誘電体バリアの第一側部とは反対の側を指し得る。従って、第一側部がバリアの、カソードが位置決めされている側に対応する場合、第二側部はバリアの、アノードが位置決めされている側に対応し得る。「プラズマ活性化領域に対向する」という用語は、プラズマが活性化されるゾーンに対向する誘電体バリアの側にあるゾーンまたは領域を指すことができる。従って、プラズマが誘電体バリアのカソード側(例えば、第一側部)で活性化される場合、アノード(例えば、第二電極)は、誘電体バリアの他方の(例えば、反対の)側の上に位置決めされ得る。図3Aは、いくつかの開示された実施形態に即した、プラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの第二側部上に位置している第二電極の例示的な実装を示す。アノード340がディスク344上に取り付けられ得ると、アノード340とカソード330との間に誘電体バリアが形成され得る。従って、アノード340は、ディスク344の第一側部上に位置しているカソード330に対してディスク344のもう一方(例えば、第二側部)の上に位置している。さらに、ディスク344の、アノード340が位置している側は、プラズマ活性化領域に対応するビューポート390の近傍部322のディスク344の側と反対側にある。
いくつかの実施形態によれば、誘電体バリア及び第一電極は、ハウジングから取り外し可能である。「取り外し可能」という用語は、係脱可能、分離可能、または移動可能であることを指すことができる。例えば、誘電体バリアは、例えばDBDから非DBD動作モードに動作モードを変更するために、ハウジングから係脱される(例えば、取り外される)ことができる。別の例として、例えば析出物の蓄積から、電極を交換する、またはクリーニングすることを可能にするために、第一電極がハウジングから係脱されてもよい。図3A~図3Bは、開示された実施形態に即した、ハウジングから取り外し可能であり得る誘電体バリア及び第一電極の例示的な実装を示す。カソード330(図3A)及びディスク344(図3B)は、アプリケーション348のハウジングから取り外し可能であってもよい。
いくつかの実施形態によれば、誘電体バリアは、チャンバ内のガスから第二電極を絶縁するように構成される。「絶縁する」という用語は、遮蔽する、隔絶する、またはその他の方法で何かが近くの物質もしくはエネルギーと相互作用するのを妨げることを指し得る。例えば、誘電体バリアの一方の側の上に位置決めされたアノード(例えば、第二電極)は、誘電体バリアによって、誘電体バリアの他方の側の上に存在するガスと相互作用しないように絶縁されてよい。図3A~図3Bは、開示された技法に即した、チャンバ内のガスから第二電極を絶縁するように構成された誘電体バリアの例示的な実施形態を示す。ディスク344は、アノード340とカソード330との間に誘電体バリアを形成することができる。ディスク344は、ビューポート390の近傍部322に存在するガスからアノード340を電気絶縁する電気バリアであってよい。
いくつかの実施形態によれば、誘電体バリアの厚さは約0.3mm~約3mmの間である。誘電体バリアの厚さは、プラズマ処理の品質に影響する場合があり、プラズマ処理の品質は、達成される親水性のレベルと、その親水性に達するために電場を活性化するための時間とによって測定され得る。換言すれば、高品質のプラズマ処理は、比較的高レベルの親水性に対応し得る。誘電体バリアの厚さは、プラズマ点火を容易にするために十分に薄くなり得るが、例えばアノードとカソードとの間で、絶縁破壊及びアーク放電を防止するために十分な厚さであり得る。PETまたはポリカーボネートなどの誘電材料の例示的な厚さは、MHz範囲(例えば、約2MHz)内の周波数のRF電場について0.3mm~約3mmの間の範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態は、光学素子と第二電極との間のギャップを維持するためのストッパを含み、ストッパは第一電極と第二電極との間で誘電体バリアとして機能する。「ストッパ」という用語は、容器の一部を容器の別の部分から単離するまたは分離するために、容器の内側に位置決めされ得る任意のタイプのバリアを指し得る。例えば、ストッパまたはバリアは、プラズマ活性化領域の内側に位置決めされて、光学素子の前進を制御し、例えば、プラズマを発生させるために光学素子とアノードとの間に所定のギャップを確保することができる。さらにストッパは、カソードとアノードとの間の見通し線を遮ることにより、その間の誘電体バリアとして機能し得、例えば、DBD動作モードを可能にする。図3Cは、開示された実施形態に即した、光学素子と第二電極との間のギャップを維持するためのストッパをさらに含むプラズマ発生装置の例示的な実装を示し、ストッパは、第一電極と第二電極との間で誘電体バリアとして機能する。保護シュラウド410には、ストッパ442が設けられてもよい。ストッパ442は、ビューポート390の表面392(図3A)とリングアノード440との間の所定のギャップを確保するために、保護シュラウド410へのビューポート390の前進を制限してもよい。所定のギャップは、その内でのプラズマの発生を促進することができる。さらに、ストッパ442は、カソード330とアノード440との間の見通し線を遮ることができ、それらの間の誘電体バリアとして機能し、例えば、DBD動作モードを可能にする。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサは、入力信号に論理演算を実行するための電気回路を含み得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサには、ASIC、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサを含む1つもしくは複数のコントローラ、CPU、GPU、APU、DSP、FPGAの全部もしくは一部、または計算命令の実行に適した、及び/または例えば計算命令もしくは入力信号に基づいて、論理演算を実行できる他の回路が含まれることができる。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、コントローラ(例えば、プロセッサ)に統合された、もしくはそれに埋め込まれたメモリにプリロードされてもよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、RAM、キャッシュメモリ、ROM、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、またはそれらのような命令を格納できる任意の他のメカニズムを含んでもよい。メモリは、さらに、1つ以上のプログラムコード命令を実行するための1つ以上の入力と、1つ以上のプログラムコード命令を実行することによって生成される1つ以上の出力とを含み得るデータを格納することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数のプロセッサを含むことができる。各プロセッサは、類似の構成、または相互に電気的に接続されても、もしくは切断されてもよい異なる構成を有してもよい。プロセッサは、別個の回路であってもよく、または単一回路に統合されてもよい。複数のプロセッサは、独立してまたは協調して動作するように構成されてもよい。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、またはそれらがインタラクトすることを可能にする他の手段によって結合されてもよい。プロセッサは、物理的及び/または仮想的(すなわち、ソフトウェアベース)であってよい。図1Aの操作ユニット120は、開示された実施形態に即した、少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示し得る。操作ユニット120は、1つ以上のコマンドスイッチ及びコントローラ(例えば、プロセッサ)を含む。
いくつかの実施形態は、回路を通る電気フローを制御するように構成される。「制御する」という用語は、管理する、調整する、またはその他の方法で調節することを指すことができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、回路を通って流れる電気を調整することにより、カソードとアノードとの間の電圧差を調整する(例えば、制御する)ことができる。電圧差は、プラズマ活性化領域内で発生した電磁場に影響することにより、その内のプラズマの発生に影響することができる。ガス及び電極の特性がプラズマに点火するのに必要な電磁場の属性を決定することができるため、少なくとも1つのプロセッサは、ガスの種類及び電極特性に適した電磁場を発生させるために、回路を通る電気フローを調整することができる。例えば、ガスが0.8KPaの圧力である場合、プラズマは、大気圧のヘリウムガス中で、カソードとアノードとの間の距離1cmにわたって約7KVのRF場を使用して、約200Vの電圧で点火されてもよい。図1Aの操作ユニット120は、開示された実施形態に即した、回路を通る電気を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示し得る。操作ユニット120は、装置100全体を通る電気の流れを調整し得る、1つ以上のコマンドスイッチ及びコントローラ(例えば、プロセッサ)を含む。
いくつかの実施形態は、第一電極と第二電極との間で電圧降下に関連する電場及び/または電磁場を引き起こすように、回路を流れる電気を制御することを含む。「電圧降下」という用語は、2つの電極の電圧レベル間の電位差またはギャップを指し得る。電圧降下または電位差によって、2つの電極間に電場及び/または電磁場が画定され得ると、荷電粒子を誘起して、運動させることができる。従って、少なくとも1つのプロセッサは、電気(例えば、電圧、電流)のタイミング、周波数、強度、大きさ、及び位相及び/または磁気信号(例えば、方向、強度、密度)などの電気パラメータを制御することができる。回路を通り流れる電気を制御することにより、少なくとも1つのプロセッサは、2つの電極間の電位差を制御することにより、これらの間の電場を制御することができる。図1Aの操作ユニット120は、開示された実施形態に即した、プラズマ発生システム100の回路を通り流れる電気を制御し得る少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コントローラ)の例示的な実装を示す。図3Aを参照すると、電気を(例えば、図1Aの操作ユニット120を介して)制御することにより、カソード330とアノード340との間に電圧降下(例えば、電位差)が引き起こされることができる。電圧降下は、カソード330とアノード340との間の電場に関連していることができる。
いくつかの実施形態によれば、ハウジング内の電気回路は、電圧降下を少なくとも800Vにするように構成されたプラズマ発生場アプリケータを含む。いくつかの実施形態によれば、ハウジング内の電気回路は、電圧降下を少なくとも1000Vにするように構成されたプラズマ発生場アプリケータを含む。ガスの特性(例えば、種類、圧力、温度)は、ガスからプラズマを発生させるのに適した電場の1つまたは複数の態様を決定することができる。これにより次に、電場に対応する電圧レベルが決定されることができる。例えば、電極がほぼ1cm離れているとき、プラズマは、空気(例えば、ガス)中の0.8KPaでは、1MHz~15MHzの間の範囲にあるRF周波数に対して約800Vの電圧で点火され得る。同様に、プラズマは、約1000Vの電圧で点火されることができる。従って、少なくとも800Vまたは少なくとも1000Vの2つの電極間の電位差(例えば、電圧降下)を引き起こすと、プラズマ発生場アプリケータの内側でのプラズマ点火が促進されることができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、電圧降下(例えば、電位差)を少なくとも800Vまたは少なくとも1000Vにするように構成されたプラズマ発生場アプリケータの例示的な実装を示す。プラズマ点火に影響するパラメータ間に相互関係が存在することによって、所望のレベルの親水性を達成するのに十分な期間プラズマを点火して維持する限り、パラメータが設計制約に応じて不定に変更されることができるため、上記は例としてのみ提供される。
いくつかの実施形態では、第一電極と第二電極との間に電場が生じることによって、プラズマ活性化領域内にプラズマが発生する。「プラズマ」という用語は、荷電粒子、例えば、電子及びイオンを豊富に含む物質の状態を指すことができる。その結果、プラズマは導電性が高く、電場及び/または電磁場に感受性が高くなり得る。従って、少なくとも1つのプロセッサは電気を制御して、プラズマ活性化領域の内側に電場及び/または電磁場を発生させることができることにより、その電場及び/または電磁場をガスが受けると、プラズマ雲に変換されることができる。例えば、電場及び/または電磁場は、ガスがプラズマ状態に達する点まで導電性が高まるまで、ガスを電離することができる。従って、回路は、例えばガスをプラズマ雲に変換することができる電場及び/または電磁場を誘起することができる信号に、電源からの電気を適合させることによって、プラズマ処理を実行するのに適しているように電気を制御することができる。操作ユニット120(図1A)は、開示された実施形態による、プラズマ処理を実行するように電気を制御する少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。操作ユニット120は、プラズマを発生させることができる電場及び/または電磁場を発生させるのに適しているように、電源によって供給される電気を適合させる(例えば、制御する)ことができる。電気は、カソードコンタクタ352、導電体354、及び導電体358(図3A)のいずれかを介して、カソード330、アノード340、誘電体バリア344のいずれかに供給され得る。例えば、操作ユニット120によって制御された電気は、導電体354及び358を介してカソード330及びアノード340に送達され得ると、その内に存在するガスをプラズマ雲に変換するのに適した電場及び/または電磁場が発生し得る。
いくつかの実施形態は、光学面を親水性にするのに十分な期間に発生したプラズマをプラズマ発生領域内に維持することを含む。上記のように、プラズマ処理の「品質」は、プラズマ処理により達成される親水性のレベルに対応し得る。電場が活性化され、ひいては光学面を処理するためにプラズマに点火することができる持続時間(例えば、期間)は、所与の用途に要求される親水性のレベル(例えば、品質)に対応し得る。例えば、異なる用途(短い対長い)及び光学素子(例えば、様々な形状、サイズ及び材料)は、様々な処理品質(例えば、親水性レベル)を必要とする場合がある。いくつかの光学素子は非常に高いレベルの親水性(例えば、より長い処理に対応する)を必要とし得、その他の光学素子はより低いレベルの親水性(例えば、より短い処理に対応する)で十分であり得る。同様の様式では、同じレベルの親水性を達成するために、異なる材料、形状、またはサイズの光学素子は、異なる持続時間(例えば、期間)のプラズマ処理を必要とすることがある。このため、「光学面を親水性にするのに十分な期間」は、処理される材料(例えば、プラスチック、ガラス、金属)、光学素子の形状(例えば、平坦または丸い)、使用のタイプ及び持続時間(例えば、短い歯科手技対長い腹部手術)、使用されるガスの種類(例えば、ヘリウム、アルゴン、または空気)、ガスの圧力(例えば、真空ポンプによって発生する大気圧またはより低圧)、周囲温度、ならびに光学素子の親水性に影響し得る任意のその他の要因に依存し得る。従って少なくとも1つのプロセッサは、回路内の電気を制御して、所与の光学素子の親水性要件を満たす持続時間でプラズマ発生領域内にプラズマを維持することができる。ユーザは、制御ユニットのユーザインタフェースを介して、特異的な光学素子の親水性要件を入力することができる。操作ユニット120(図1A)は、開示された実施形態に即した、光学面を親水性にするのに十分な期間でプラズマ発生領域内に発生したプラズマを維持するための少なくとも1つのプロセッサの例示的な実装を示す。操作ユニット120は、ユーザが物体200、例えば、光学素子のプラズマ処理のための1つ以上の基準を入力することを可能にするユーザインタフェース(例えば、スイッチ、コントローラ、ボタン、インジケーション、ディスプレイ)を含んでよい。例えば、ユーザは、1つ以上の基準、例えば、目標処理品質レベル、処理される材料の種類、処理される光学素子のサイズ及び形状、ならびに光学素子のプラズマ処理に関連するその他の任意の基準を、操作ユニット120に提供することができる。操作ユニット120の少なくとも1つのプロセッサは、例えば処理の持続時間(例えば、期間)を制御することにより、基準に基づいてプラズマ発生場アプリケータ(130、348、448)のいずれかにプラズマを発生させるように、回路を通して電気フローの特性を制御することができる。換言すれば、操作ユニット120(例えば、少なくとも1つのプロセッサ)は、光学素子390の光学面392を親水性にするのに十分な時間、プラズマ発生領域(例えば、図3Aの近傍部322)内に発生したプラズマを維持してもよい。
図19は、本開示の実施形態に即した、光学素子上の結露ディストーションを抑制するための例示的なプロセス1900のブロック図である。ブロック図は他の図面に示された特定の実装の実施形態に関連して以下で説明され得るが、これら実装は例示目的のみのために提供されており、ブロック図における限定として機能することを意図したものではない。プロセスの例が本開示全体を通して説明されているため、これらの態様は、繰り返されない、または図19に関連して単に要約される。いくつかの実施形態では、プロセス1900は、本明細書に記載された動作または機能を実行するために、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図1Aの少なくとも1つのプロセッサ操作ユニット120)によって実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1900のいくつかの態様は、少なくとも1つのプロセッサに設けられたメモリに格納されるソフトウェア(例えば、プログラムコードもしくは命令)、または非一時的なコンピュータ可読媒体として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1900のいくつかの態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス1900は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装され得る。
図19は、プロセスブロック1902~1908を含む。ブロック1902では、方法は、ハウジング内のプラズマ発生領域に挿入された光学素子を検知することを含み得、プラズマ活性化領域は誘電体バリアの第一側部上でガスを収容するように構成される。「検知する」という用語は、決定すること、感知すること、または識別すること、例えばプラズマ発生領域への光学素子の挿入を感知することを指し得る。検知することは、プラズマ発生領域を含むシース内への光学素子の挿入を感知することをさらに含み得る。シースは、プラズマ発生装置のコンポーネントを入れるハウジング内に収容されてもよい。プラズマ発生装置は、プラズマ活性化領域を、プラズマが発生する他の内部領域から分割する誘電体バリアを含み得る。このようにして、プラズマ活性化領域は、誘電体バリアの一方の側にのみガスを収容することができる。例えば、カソード330(図3A)は、内視鏡380の金属面384と物理的に接触するようになることができる。電気的な接触により、保護シュラウド310aへの内視鏡380の挿入を検知することが可能になることにより、ハウジング(例えば、図1Aのアプリケータ130)内の近傍部322(例えば、プラズマ発生ゾーン)内のビューポート390(例えば、光学素子)の光学面392の挿入を検知することができる。近傍部322は、ディスク344(例えば、誘電体バリア)の一方の側(例えば、カソード330の側)にガスを収容し得る。
いくつかの実施形態では、光学素子は、細長いシャフトを有する医療機器の一部であり、光学素子は、細長いシャフトの遠位端部上にレンズを含む。例えば、医療機器は、体内への挿入のために構成されてよく、挿入は、細長いカニューレまたはハンドル(例えば、シャフト)によって容易にされ、その遠位端部は、体内への挿入に適していてよく、その近位端部は、医者による体外からの制御に適していてよい。遠位端部は、1つ以上のレンズを含む光学素子によって構成されたカメラを含むことができる。カニューレは、1つまたは複数のワイヤ、ファイバ、またはケーブルを含み得、これらは、体内で医療機器の遠位端部を制御する(例えば、操作する)ことを可能にし、遠位端部との間で情報を通信すること、例えば、カメラによって(例えば、遠位端部で)収集された画像をメモリに(例えば、近位端部で)転送することを可能にする。図2は、開示された実施形態に即した、細長いシャフトを有する医療機器の一部であり、細長いシャフトの遠位端部上にレンズを含む、光学素子を示す。内視鏡380(例えば、医療機器)は、体内に挿入するのに適していることができるような、細長いシャフトを含む。内視鏡380の細長いシャフトの遠位端部は、ビューポート390(例えば、光学素子)を含む。プラズマ処理を受けることができる外面392は、レンズの外面であってよい。
いくつかの実施形態では、医療機器は、腹腔鏡または内視鏡である。例えば、腹腔鏡及び内視鏡などの医療機器は、これらの機器のビューポートが使用中に曇りから免れるように、プラズマ処理を受けることによって利益を得ることができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、プラズマ処理を受けるための内視鏡380の例示的な実装を示す。内視鏡380の遠位端部はビューポート390を含む。保護シュラウド310aは、内視鏡380、または任意のその他の細長い医療機器、例えば、腹腔鏡の細長い形状を収容するサイズに作られる。
ブロック1904では、プロセスは、誘電体バリアの第一側部上に位置した第一電極を、プラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの第二側部上に位置した第二電極と電気接続することを含み得る。電気接続することは、回路内にコンポーネントを含むことを指し得、必ずしも物理的接続を必要とし得ない。例えば、2つの電極が物理的に接続していない場合があるが、互いに近接して離隔され得るため、共通の回路内で電圧降下が起こることが可能になり、そのような場合、離隔された2つの電極は電気接続されているとみなされる。誘電体バリアの対向する側部に位置している電極を電気接続することにより、DBD動作モード中にプラズマをプラズマ活性化領域内で発生させることができると、プラズマがより均一に発生することができ、第一電極と第二電極との間のアーク放電及びその他の予測不可能及び/または望ましくない電気伝達が防止されることができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、電気接続した第一電極及び第二電極の例示的な実装を示し、第一電極は誘電体バリアの第一側部上に配置され、第二電極はプラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの他方の(例えば、第二)側部上に配置される。ディスク344(例えば、誘電体バリア)は、カソード330(例えば、第一電極)及びアノード340(例えば、第二電極)を分離させる。カソード330は、近傍部322(例えば、プラズマ活性化領域)の近くで保護シュラウド310aに電気接続されるが、アノード340は、近傍部322に対向する、ディスク344の反対側(例えば、第二側部)上に位置している。
ブロック1906では、1000V超の電位降下に関連する電場を、第一電極と第二電極との間に印加することにより、プラズマ活性化領域内にプラズマを発生させる。上記のように、プラズマ雲に点火することができる電場を発生させるのに適した電圧は、使用されるガスの種類(例えば、アルゴン、ヘリウム、または空気)、ガスの圧力、及び電極の幾何学的形状など、複数の要因に依存し得、7KV及び20KVの電圧を印加してプラズマを発生させる場合の例が示されている。換言すれば、いくつかの実施形態では、1000V超の電圧を第一電極と第二電極との間に印加して、プラズマ活性化領域内にプラズマを発生させることができる。図3Aは、開示された実施形態に即した、1000V超の電位降下に関連する電場を、第一電極と第二電極との間に印加することにより、プラズマ活性化領域内にプラズマを発生させるための例示的な実装を示す。1000V超の電圧は、カソード330(例えば、第一電極)とアノード340(例えば、第二電極)との間に、導電体354及び358を介して印加されることができると、近傍部322(例えば、プラズマ活性化領域)内にプラズマを発生させることができる電場を発生させることができる。
ブロック1908では、プロセスは、光学面を親水性にするのに十分な期間に発生したプラズマをプラズマ発生領域内に維持することを含み得る。上記のように、プラズマ処理の品質は、達成される親水性のレベルに対応し得る。例えば、特定の材料、装置または用途は、1つ以上の親水性閾値に関連していてもよい。達成される親水性のレベルが閾値を満たすことを確保するのに十分に長い(例えば、十分な)持続時間、プラズマ発生領域内に電場を維持することができる。例えば、操作ユニット120(図1A)は、光学面390(図3A)を親水性にするのに十分な持続時間、プラズマ発生領域の内側にプラズマを維持する1つまたは複数のプロセッサ、コントローラ及びスイッチを含み得る。操作ユニット120は、これを、それぞれ導電体354及び358、ならびにそれぞれコンタクタ352及び356を介して、カソード330及びアノード340に電気的に送達されるように制御することによって達成することができることにより、これらの間の電場を制御することができる。例えば、プラズマ発生領域の第一セットの用途及び/または配置に対して、光学面を親水性にするのに十分な期間は、1分未満の活性化電場である。プラズマ発生領域の第二セットの用途及び/または配置に対して、光学面を親水性にするのに十分な期間は、10秒未満の活性化電場である。プラズマ発生領域の第三セットの用途及び/または配置に対して、光学面を親水性にするのに十分な期間は、5秒未満の活性化電場である。期間は、処理される材料の種類(例えば、金属、ガラスまたはプラスチック)、光学面に使用される予定の処理のタイプ及び長さ(例えば、長時間の腹部手術用内視鏡に対する短時間の歯科手技用ミラー)、光学面のサイズ及び形状(丸みのあるカメラレンズに対する平坦な歯科用ミラー)、ならびに光学面上の液滴の凝縮に影響し得るその他の任意の要因に基づいていてもよい。
本開示の実施形態は、プラズマを発生させて、このプラズマで物体を処理するためのシステム、デバイス、方法、及びコンピュータ可読媒体に関連し得る。説明を容易にするために、場合によっては、システム及び方法の開示された態様が互いだけでなく、デバイス及びコンピュータ可読媒体にも等しく適用されることを理解した上で、関連する実施形態はシステムまたは方法に関連して以下で説明される。関連する方法のいくつかの態様は、有線、無線、またはその両方のいずれかであるネットワークを介して電子的に行われてもよい。そのような方法の他の態様は、非電子的手段を使用して行われてもよい。最も広い意味では、本明細書に開示されるシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体は、特定の物理的及び/または電子的手段に限定されるものではなく、むしろ多くの異なる手段を使用して達成され得る。
いくつかの開示された実施形態は、プラズマ発生装置を含む。本開示の他の箇所で説明されるように、プラズマ発生装置は、例えばガスをプラズマ状態またはプラズマ雲に転移させるためにガスを変換することによって、プラズマを発生させることができる任意の装置またはコンポーネントの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、ヘリウムまたはアルゴンなどのガスを供給するための機構、及び2つの電極(例えば、アノード及びカソード)、または供給されたガスに電場もしくは電磁場を印加するのに適した任意のその他の手段を含み得る。電場または電磁場は、ガスが導電性プラズマ雲になる点まで、ガスを電離し得る。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置は、物体を処理するように構成される。例えば、プラズマ発生装置によって発生したプラズマは、プラズマが物体の表面上の分子と反応することができるように、物体に適用されることができる。いくつかの実施形態では、プラズマを適用して、例えば、物体の表面を親水性もしくは疎水性にすることにより、または表面の導電性を変えることにより、物体の表面の特性を変えることができる。さらに、または代替に、プラズマを適用して、有機物残渣を分解して除去することにより、物体の表面をクリーニングしてもよい。例えば、図5及び図7に示されるプラズマ発生システム500は、開示された実施形態による、プラズマ発生装置の例示的な実装を示す。図7に示されるように、プラズマ発生システム500は、プラズマを発生させて、内視鏡708または別の医療機器の光学面706など、物体の表面を処理するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生システム500は、物体(例えば、光学面706)にプラズマを適用して、物体の親水性及び/または別の表面特性を変えるように構成され得る。
いくつかの開示された実施形態は、ハウジングを含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、プラズマ発生装置の他のコンポーネントを覆い、及び/または保護する任意の構造体、ケーシング、フレーム、筐体、または支持体を含むことができる。例えば、ハウジングは、プラズマを生じる反応を引き起こすように構成されているプラズマ発生装置のコンポーネント(例えば、真空チャンバ、1つまたは複数の電極対、及び反応ガスを供給するための機構)を覆い、保護することができる。本開示の他の箇所で説明されるように、ハウジングは、プラスチック、金属、ガラス、木材、もしくはプラズマ発生装置を包むことができる任意の他の材料、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の適切な材料で作られてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは中空であり得るため、ハウジングは1つ以上の他のコンポーネントを保持しても、または収容してもよい。例えば、ハウジングは、少なくとも1つの孔部、キャビティ、または中空の内部チャンバを含んでもよく、これらは、プラズマで処理される物体の少なくとも一部を保持してまたは収容してよく、任意選択で、処理される物体を包囲する保護シースまたはシュラウドの少なくとも一部を保持してもまたは収容してもよい。
一例として、図7は、ハウジング710を含む例示的なプラズマ発生装置500を示し、このハウジングは、プラズマ発生装置の外面を覆ってよく、プラズマ発生装置の他のコンポーネントを封入してよい。ハウジング710は開口部712を含むことができ、この開口部を通して、シース718(保護シュラウドシース718とも称される)及び処理される物体(例えば、物体708)は、ハウジングの内部キャビティ714(孔部714とも称される)に導入されることができる。キャビティ714は、シース718の少なくとも一部を取り外し可能に保定するサイズに作られてもよく、そのように保定するように構成されてもよく、このシースは、物体708の少なくとも一部を収容し得る。
いくつかの開示された実施形態は、ハウジング内にプラズマ発生ゾーンを含む。本開示の他の箇所で説明されるように、「プラズマ発生ゾーン」という用語は、例えばそこに導入されたガスに点火することによって、プラズマ雲を形成することができるハウジング内の物理的な容積または空間を指すことができる。例えば、プラズマ発生ゾーンは、プラズマを発生させるための反応が起こり得るハウジング内の容積または空間を含んでよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは電極対の間に配置され得ると、電極対は、電場または電磁場を印加して、プラズマ発生ゾーン内でガスを電離することで、プラズマを発生させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、プラズマを発生させるための反応ガスを供給するための機構(例えば、リザーバ及び/またはポンプ)に流体連通することができるため、ガスをプラズマ発生ゾーン内に送達することができる。
いくつかの開示された実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、プラズマで処理される物体などの物体の収容を可能にするように構成される。本開示の他の箇所で開示されるように、「収容」という用語は、例えばプラズマ発生ゾーン内で、物体を保持する、封入する、支持する、またはその他の方法で収容するための能力を指し得る。例えば、プラズマ発生ゾーン内で物体を支持して、その物体の少なくとも一部をプラズマ雲に曝露することができる。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、物体全体を収容するサイズに作られてもよく、それを収容するように構成されてもよい。さらに、または代替に、プラズマ発生ゾーンは、物体の一部、例えば物体の遠位端部を収容するサイズに作られてもよく、それを収容するように構成されてもよく、その物体の別の一部は、プラズマ発生ゾーンの外側(及び任意選択で、プラズマ発生装置の外側)に留まる。いくつかの実施形態では、物体は、プラズマ発生ゾーンから取り外し可能であってよい。例えば、物体は、プラズマで処理するためにプラズマ発生ゾーン内に送達されても、収容されてもよく、その後、物体はプラズマ発生ゾーンから取り外されてよい。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、物体がプラズマ発生ゾーン内に収容されていながら、外部環境から完全に密閉され得る。その結果、プラズマ発生ゾーンを気密にすることができる。例えば、ハウジング及び/またはシース内に1つ以上のシールを設けて、処理される物体の外径の周りに真空シールを形成することができる。真空シールは、物体の遠位端部(または任意のその他の所望の部分)がプラズマ発生ゾーン内に収容されている間、プラズマ発生ゾーンと外部環境との間の圧力差を保持するように構成され得る。従って、プラズマ発生ゾーンの内部の圧力及び/または内容物は(例えば、プラズマ発生装置の少なくとも1つのプロセッサによって)制御されてもよい。代替の実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、外部環境に開放されてよい。
一例として、図7は、ハウジング710内に配置されたプラズマ発生ゾーン716を含むプラズマ発生装置500を示す。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーン716は、シース718の遠位端部またはその付近にシース718の内部容積を含むことができるため、プラズマ発生ゾーン716は、プラズマ処理中に物体708(光学面706を含む)の少なくとも一部を収容するように構成されてもよい。シース718がハウジングキャビティ714内に収容され得るため、プラズマ発生ゾーン716は、開口部712とは反対側のキャビティの端部またはその付近のキャビティ714内にも配置されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーン716は電極対の間に配置され得、電極対は、プラズマ発生ゾーン716内でガスを電離して、プラズマを発生させるように構成され得る。非限定的な例として、アノード722A、722Bは、ハウジング710内に配置され得、1つの電極、2つの電極、または任意のその他の適切な数の電極または電気接点を含み得る。さらに、または代替に、シース718は、第一電極対702A、702B及び第二電極対704A、704Bを含んでもよく、それらの一方または両方は、カソードとして構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第一電極対702A、702Bは、カソードとして構成されてよい。電力をアノードとカソードとの間に供給して、プラズマ発生用の電場または電磁場を発生させ得る。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーン716は、ホース720に流体連通し得、このホースは、プラズマ発生に適したガス、例えば、ヘリウム、アルゴン、または窒素を収容するガスリザーバまたは容器(図示せず)に流体連通し得る。従って、ホース720は、ガスリザーバからの反応ガスをキャビティ714及びプラズマ発生ゾーン716に流入させることができる。さらに、または代替に、ホース720は、少なくとも1つの真空ポンプに流体連通し得、この少なくとも1つの真空ポンプは、プラズマ発生ゾーン716からガスを除去して、プラズマ発生ゾーン716内の圧力を制御するように構成され得る。
いくつかの開示された実施形態では、プラズマで処理される物体は、患者の体内に挿入される、または埋め込まれるように構成された医療装置または機器を含む。例えば、物体は、内視鏡の光学面を含むことができる。本明細書で使用される場合、内視鏡は、体内の腔もしくは臓器を可視化するために、または医療手技を支援するために、体内の開口部(例えば、外科用開口部、または口もしくは肛門などの既存の開口部)に挿入されるように構成された器具を指し得る。内視鏡は、内視鏡の遠位端部またはその付近に、少なくとも1つの撮像機構(例えば、小型カメラ)を含むことができる。また本明細書で使用される場合、内視鏡の光学面は、内視鏡上に位置決めされた、または内視鏡に連結されたコンポーネントを含み得、このコンポーネントを通して、光を通過させる、及び/または反射する。光学面は、レンズ、偏光子、回折格子、プリズム、反射鏡、フィルタ、のぞき窓、鏡、保護窓、または光を通過させるもしくは反射する任意のその他のコンポーネントのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学面は、内視鏡のカメラまたはその他の撮像機構の一部であり得るため、光学面は、体腔または内臓の画像をキャプチャするために、光を集束させるように構成され得る。光学面は、内視鏡の遠位端部に、または画像をキャプチャするのに有利であり得る内視鏡の長さに沿った他の任意の位置に配置されることができる。
内視鏡の光学面をプラズマで処理して、光学面の1つまたは複数の特性を変えることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、光学面上に形成される水滴によって引き起こされる光学面の曇りを最小にしても、抑制しても、または防止してもよい。具体的には、プラズマを用いて処理すると、光学面の表面エネルギーを上昇させることにより、その表面を超親水性にし得る(すなわち、水に引き付けられ得る)。その結果、水滴は、光学面上の薄い水層になり得るため、光学面を通過する光は、個々の水滴によるディストーションを起こさない。このように、親水性光学面上に形成される薄い水層が水滴のように光のディストーションを起こさないため、光学面上の曇りを最小にし得、または取り除き得る。
いくつかの開示された実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、誘電体バリアによって包囲された内視鏡の光学面の収容を可能にするように構成される。本明細書で使用される場合、誘電体バリアは、電極対の間の放電経路内に配置された絶縁材料構造体を指し得る。いくつかの実施形態では、プラズマ発生装置内の、プラズマ発生用の電場または電磁場を印加するために使用される電極間に誘電体バリアを設けることができる。誘電体バリアが存在すると、電極間の過度で急速な放電が抑制されるため、プラズマ発生中のスパーク及びアークの形成が防止され得る。いくつかの実施形態では、処理される物体及び保護シースがハウジングの内部キャビティ内に収容されているとき、プラズマ発生ゾーンが形成され得るため、プラズマ発生ゾーンは、誘電体バリア(すなわち、保護シース)によって包囲された光学面の収容を可能にする。
誘電体バリアは、ガラス、石英、セラミックス、エナメル、雲母、プラスチック、シリコーンゴム、またはTeflonなどの1つ以上の誘電材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、誘電体バリアは、絶縁材料のプレートまたはシートなど、電極間のギャップ内に設けられた平面構造体であり得る。さらに、または代替に、誘電体バリアは、電極の光学面を部分的または完全に包囲しても、または取り囲んでもよい。例えば、光学面(またはプラズマで処理される別の物体)の周りに設けられた保護シースまたはシュラウドは誘電材料で構成され得るため、シースは、プラズマ発生電極対の間の誘電体バリアとして構成され得る。いくつかの実施形態では、保護シースは、光学面を取り囲む円筒形の側壁部だけでなく、電極間内に誘電体バリアを形成し得るキャップまたは端壁部を有し得る。代替に、保護シースは、シースが光学面を包囲することを可能にし得る別の形状または配置を有し得る。
一例として、図1Bは、物体200(例えば、内視鏡)を示し、この物体は、物体の遠位端部210に配置され得る、撮像機構の窓またはレンズのような光学素子220の光学面222を含む。別の例として、図7には、内視鏡など、物体708の光学面706が示される。光学面706は、中空体の臓器または腔の画像をキャプチャするように構成された撮像機構のレンズであってもよい。いくつかの実施形態では、光学面222及び706はプラズマ(例えば、例示的なプラズマ発生装置によって発生したプラズマ)で処理されることができると、その表面が親水性になることによって、表面の曇りが防止されることができる。いくつかの実施形態では、光学素子706がプラズマ発生ゾーン716内に位置決めされている間、光学素子は保護シース718によって包囲されてもよい(図7を参照)。保護シース718は、誘電材料で構成されることができ、プラズマ発生装置500のプラズマ発生電極対の間内に配置されることができるため、保護シース718は誘電体バリアとして構成されることができる。
いくつかの開示された実施形態は、プラズマ発生機を含む。本明細書で使用される場合、プラズマ発生機は、プラズマを発生させるためにガスを電離するように構成された機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、プラズマ発生機は、電源及び回路を含み得、この回路は、電極間に電位差が確立されるように少なくとも2つの電極を接続し得る。これら電極は、ガスが導電性プラズマ雲になる点までガスを電離する強い電磁場をガスが受けるように構成され得る。さらに、または代替に、プラズマ発生機は、ガス粒子を電離してプラズマを発生させるように構成されたその他の任意の機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、プラズマ発生機は、プラズマ発生ゾーン内でプラズマを形成することを可能にし得る。例えば、プラズマ発生機は、プラズマ発生ゾーン内に収容されるガスが電磁場を受けて、電磁場がガスを電離することにより、プラズマ発生ゾーン内にプラズマが発生するように構成され得る。
例として、図7は、プラズマ発生ゾーン716及びプラズマ発生機を含むプラズマ発生装置500を示し、プラズマ発生機は、少なくとも1つの高電圧電極722A、722B(装置500内のアノードとして構成されてもよい)、第一電極対702A、702B、第二電極対704A、704B、接地電極(図示せず)、電源(例えば、電源530)、及び電気回路700を含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの高電圧電極722A、722Bは、アノードとして構成されてよく、ハウジング710内に設けられた金属リングまたは一対の金属リングなど、任意の適切な構造体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第一電極対702A、702B及び第二電極対704A、704Bは、保護シース718に関連している(例えば、保護シースに接続されている、または取り付けられている)ことができ、物体708とシースの外側に配置された電気回路700との間に電気フィードスルーを確立するように構成されることができる。例えば、第二電極対704A、704Bは、シース718から内向きに延出して、物体708に接触することができる。第一電極対702A、702Bは、回路700及び電源をシース718(及び第二電極対704A、704Bを介して物体708)に電気的に結合することによって、回路が閉じられ、電極の間に電流が駆動されて電離場が発生することができる。
いくつかの開示された実施形態は、ハウジング内に複数の真空ポンプを含む。本明細書で使用される場合、真空ポンプは、密閉容積内に部分真空を引き起こすために、密閉容積から流体(例えば、空気などのガス)を引き出すように構成された装置を指し得る。いくつかの実施形態では、真空ポンプは、プラズマ発生ゾーンと流体連通してよく、プラズマ発生ゾーンから流体(例えば、空気または他のガス)を除去して部分真空を作り出すように構成されてよい。複数の真空ポンプは、遠心ポンプ、容積式ポンプ、ダイヤフラムポンプ、歯車ポンプ、ねじポンプ、蠕動運動ポンプ、ローブポンプ、ピストンポンプ、もしくはプラズマ発生ゾーンから空気を除去して部分真空を作り出すのに適した任意の他の種類のポンプ、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでよい。いくつかの開示された実施形態では、各ポンプは真空入口(すなわち、吸込み入口)を有し得、この真空入口を通して、プラズマ発生ゾーンから除去された流体(例えば、空気)が真空ポンプ本体に流入し得る。各ポンプは、出口を有してもよく、この出口から、より高い圧力でポンプ本体から流体を吹き出してもよい。
真空ポンプは(部分的にまたは全体的に)ハウジング内に収容されてもよく、2つ以上の真空ポンプを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の真空ポンプは、少なくとも3つの真空ポンプを含んでもよい。代替に、複数の真空ポンプは、少なくとも4つの真空ポンプを含んでもよい。代替に、複数の真空ポンプは、少なくとも5つの真空ポンプを含んでもよい。代替に、複数の真空ポンプは、プラズマ発生ゾーン内に真空を作り出すのに適した任意の他の数のポンプを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の真空ポンプは(本明細書でさらに詳細に説明されるように)プラズマ発生装置の少なくとも1つのプロセッサによって制御されてもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、センサフィードバック、所定のプログラムまたはスケジュール、及び/またはユーザから受信した入力に基づいて真空ポンプを制御するように構成されてもよい。さらに、または代替に、プラズマ発生装置は、真空ポンプの動作を制御するためにユーザが操作することができるユーザインタフェース(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)を含むことができる。
いくつかの開示された実施形態は、複数の真空ポンプを連結する複数のコンジットもハウジング内に含むことができる。例えば、1つまたは複数のコンジットは、プラズマ発生ゾーン及び複数の真空ポンプを流体連通させてもよい。コンジットは、例えばプロセッサによって、制御されてもよい流量制御弁を含んでもよい。さらに、または代替に、ハウジング内にコンジットを設けて、真空ポンプの一部または全部に流体連通させ得ることで、流体を個々のポンプの間で輸送することができる。またこれらのコンジットは、例えばプロセッサによって、制御されてもよい流量制御弁を含んでもよい。
一例として、図10Aは、複数の真空ポンプ1000A、1000B、1000C、及び1000Dを含むプラズマ発生装置500の真空ポンプアセンブリ1050を示す。示される実施形態では、真空ポンプアセンブリ1050は、4つのポンプを含んでもよいが、代替に、真空ポンプアセンブリ1050は、あらゆるその他の適切な数のポンプを含んでもよい。真空ポンプ1000A~1000Dは(例えば、図7のホース720を介して)プラズマ発生ゾーン716に流体連通し得、プラズマ発生ゾーン716から空気を除去して、低温プラズマの発生用の真空を作り出すように構成され得る。また真空ポンプアセンブリ1050は、ポンプマニホールド1060(図10B及び図10Cを参照)も含んでよく、このポンプマニホールドは、空気をプラズマ発生ゾーン716からポンプアセンブリ1050へ、そしてポンプアセンブリ1050の個々のポンプの一部または全部の間に向けるように構成されたコンジット及びバルブの配置を含んでもよい。図11に示されるように、真空ポンプアセンブリ1050(複数の真空ポンプ及び複数のコンジットを含む)は、プラズマ発生装置500のハウジング710内に収容されてよい。
いくつかの開示された実施形態では、複数のコンジットは、複数の真空ポンプを直列で連結する。本明細書で使用される場合、「直列で」連結は、プラズマ発生ゾーンから除去された流体(例えば、空気)が各真空ポンプを連続して通り流れるように、真空ポンプが単一ラインに沿って流体連通している配置を指すことができる。従って、直列で第一ポンプの吐出圧力または出口圧力は直列で第二ポンプの吸込み圧力または入口圧力に等しく、第二ポンプの吐出圧力または出口圧力は直列で第三ポンプの吸込み圧力または入口圧力に等しく、以下同様である。ポンプを直列に連結することは、各ポンプからヘッド上への相加効果を有し得るので、直列のポンプが第一ポンプの入口と最終ポンプの出口との間に大きい差圧を生じることが可能になる。結果として、真空ポンプが作動するとき、ポンプは、差圧が大きくなることで、プラズマ発生ゾーンからの大部分または全ての空気の除去が可能になるため、プラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こすように構成されてよい。
いくつかの開示された実施形態では、直列のポンプは、プラズマ発生ゾーン内など、0.1atm~0.01atmの間の真空を引き起こすように構成されてもよい。例えば、直列のポンプは、0.1atm~0.01atmの間の真空に達するまで、プラズマ発生ゾーンから空気を除去するように構成されてもよい。次いで、プラズマ発生に適した所望の真空圧に達するまで、反応ガスをプラズマ発生ゾーンに導入することができる。いくつかの実施形態では、プラズマ発生用の所望の真空圧力は、0.1atm~0.01atmの間の範囲内の圧力であってもよい。ガスがプラズマ状態に励起される場合、直列のポンプは、プラズマ発生用の所望の範囲内の真空圧力を維持するために必要に応じて、プラズマ発生ゾーンから空気を除去してもよい。
プラズマ発生ゾーン内に真空(大気圧を著しく下回る)を作り出すことができるため、プラズマ発生装置は、周囲温度に近い温度を有する非平衡または低温プラズマを発生させるように構成され得る。有利には、低温プラズマ(高温、大気圧プラズマではなく)で装置を処理することで、表面欠陥を引き起こす可能性または処理される表面の品質を損なう可能性が低くなるため、プラズマが装置に損傷またはその他の方法で悪影響を与えることなく、同じ装置を複数回プラズマで処理することが可能になる。さらに、複数の真空ポンプが直列で連結されると、直列で連結された真空ポンプと同じヘッドをもたらす単一の大きいポンプよりもコストが低く、必要な電力が少なく、小型になる。従って、プラズマ発生装置は、真空を作り出すために単一の大きいポンプを使用する装置よりも小さく、軽く、生産コストが低く、よりポータブルでありながら、低温プラズマを真空中で生じるように構成され得る。
一例として、図10Cは、真空ポンプ1000A~1000Dを直列で流体連通するコンジットを含む、例示的なポンプマニホールド1060を示す。例えば、第一コンジット1062は、プラズマ発生ゾーン(「IN」)から、図10Aのポンプ1000Cなど、直列で第一真空ポンプの入口(「IN1」)に放電を接続してもよい。ポンプマニホールドは、さらに、直列で第一ポンプの出口(「OUT1」)を、第二真空ポンプ(例えば、図10Aのポンプ1000B)の入口(「IN2」)に連結する第二コンジット1064を含んでもよい。第三コンジット1066は、同様に、第二ポンプを直列で第三ポンプ(例えば、ポンプ1000D)に連結してもよく、第四コンジット1068は、同様に、第三ポンプを直列で第四ポンプ(例えば、ポンプ1000A)に連結してもよい。第五コンジット1070は、第四ポンプの出口(「OUT4」)とアセンブリ出口(「OUT」)との間に設けられてよく、そこから流体(例えば、空気)はプラズマ発生装置を出ることができる。
いくつかの開示された実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含む。開示された実施形態に即して、「少なくとも1つのプロセッサ」は、1つまたは複数の入力に対して論理演算を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスまたはデバイス群を含み得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサには、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサを含む1つもしくは複数の集積回路(IC)、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のうちのすべてもしくは一部、サーバ、仮想サーバ、または命令を実行するもしくは論理演算を実行するのに適した他の回路が含まれ得る。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合されたもしくは埋め込まれたメモリにプリロードされてもよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定、もしくは揮発性メモリ、または命令を格納できる任意の他のメカニズムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つより多いプロセッサを含んでもよい。各プロセッサは類似の構成を有してもよく、またはプロセッサは相互に電気的に接続されるもしくは切断される異なる構成のものであってもよい。例えば、プロセッサは、別個の回路であってもよく、または単一回路に統合されてもよい。1つより多いプロセッサが使用されるとき、これらプロセッサは、独立してまたは協調して動作するように構成されてもよい。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、またはそれらがインタラクトすることを可能にする他の手段によって結合されてもよい。非限定的な例として、少なくとも1つのプロセッサは、図1Aのプロセッサ102を含んでよい。
少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生装置の真空ポンプのそれぞれを個別に制御するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、ポンプを作動させる制御信号、ポンプを停止させる制御信号、またはポンプの1つもしくは複数の動作パラメータ(例えば、ポンプ速度)を制御する制御信号を、真空ポンプのそれぞれに送信することができる。いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数の真空ポンプを同時に動作させるように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、処理される物体がプラズマ発生ゾーンの領域内にある間に、直列で真空ポンプの一部または全部を同時に動作させる(すなわち、ポンピング動作を実行させる)ことができる。ポンプの同時動作がプラズマ発生ゾーン内に真空を作り出し得ると、プラズマ(例えば、低温プラズマ)が発生して、物体が処理され得る。非限定的な例として、図1Aのプロセッサ102は、光学面706がプラズマ発生ゾーン716内に収容されている間に、真空ポンプ1000A~1000Dのそれぞれを同時に動作させる(すなわち、ポンピング動作を実行させる)ように構成されてもよい。真空ポンプ1000A~1000Dの同時動作は、プラズマ発生ゾーン716内で0.1atm~0.01atmの間の真空を引き起こすことができる。反応ガスがプラズマ発生ゾーンに導入された後、電極対を制御して、ガスに電離電磁場を(例えば、10秒間)送達して、プラズマを発生させ、光学面706を処理することができる。
いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、直列のポンプによって真空が引き起こされた後、プラズマ発生機を作動させるように構成される。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、直列の真空ポンプを作動させて(例えば、同時に作動させて)、プラズマ発生ゾーンから空気を除去して、真空を引き起こすように構成されてもよい。次いで、少なくとも1つのプロセッサは、ガス送達機構に、反応ガスをプラズマ発生ゾーンに送達させることができ、またプラズマ発生機を作動させてガスを電離してプラズマを発生させることができる。
いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、物体の一部を親水性にするのに十分な期間、プラズマを発生させるように構成される。本開示の他の箇所に説明されるように、「親水性」という用語は、水和している分子の傾向または有利性を指し得る。少なくとも1つのプロセッサは、物体の外面または任意の他の所望の部分を親水性にするのに十分な時間長の間、プラズマ発生機の作動を維持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、時間長は、プラズマで処理される必要がある物体の形状、サイズ、及び他の特性に応じて変動し得、その結果、少なくとも1つのプロセッサは、特定の物体に必要なプラズマ発生機の作動時間を変更するように構成され得る。非限定的な例として、少なくとも1つのプロセッサ102(図1A)は、ビューポート390の光学素子392の外面を親水性にするのに十分な時間長の間、プラズマ発生機の作動を維持し得、例えば、内視鏡検査手技中にビューポート390上で噴霧が形成されるのを防止し得る。いくつかの開示された実施形態によれば、光学素子392を親水性にするのに十分な期間は、1分未満、45秒未満、30秒未満、15秒未満、または任意の他の適切な時間長であり得る。
いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生ゾーンの領域内に物体があることを示す挿入信号を受信するように構成される。本開示の他の箇所で説明されるように、「挿入信号」は、挿入検出器、例えば、本明細書に記載された挿入検出器のいずれかから受信した任意の信号を指し得、処理される物体がプラズマ発生ゾーンの領域内に収容されていることを示し得る。挿入信号を受信すると、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生を開始することができると決定することができる。従って、少なくとも1つのプロセッサは、挿入信号に応答して、直列のポンプを作動させて、プラズマ発生ゾーン内で真空を引き起こすように構成されてもよい。プラズマ発生ゾーン内で所望の圧力に達すると、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生機を作動させて、反応ガスを電離し、プラズマを発生させることができる。
いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生ゾーン内の真空がプラズマ発生に十分であると決定するように構成される。本開示の他の箇所で説明されるように、「プラズマ発生に十分な」という用語は、プラズマ発生ゾーン内に残留している任意のガス、またはプラズマ発生ゾーンを空にした後に導入される任意の反応ガスが電離してプラズマを発生させることを可能にするのに十分な低さのガス圧を指し得る。いくつかの実施形態では、また本開示の他の箇所でも説明されるように、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生ゾーン内から及び/またはハウジング内の別の領域内から取得された圧力センサデータに基づいて、真空がプラズマ発生に十分であると決定するように構成され得る。いくつかの開示された実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生ゾーン内の真空がプラズマ発生に十分であるという決定が行われた後、プラズマ発生機を作動させることにより、物体の少なくとも一部をプラズマに曝露するように構成される。いくつかの実施形態では、プラズマ発生ゾーン内の真空により、低温プラズマが発生し、物体を処理することができる。
いくつかの開示された実施形態は、プラズマ発生ゾーンからポンピングされる空気を濾過するように構成された少なくとも1つのフィルタを含み得る。本明細書で使用される場合、エアフィルタは、粉塵、花粉、細菌、及び/または他の不純物などの粒子を空気から除去するように構成された装置を指し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエアフィルタは、空気を通過させて濾過することができる繊維状または多孔質の材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィルタは、高効率粒子エア(HEPA)フィルタ、すなわち、少なくとも99.97%の粉塵、花粉、カビ、細菌、及び0.3ミクロンのサイズを有する任意の大気中の粒子を除去するように構成されたプリーツ加工した機械式エアフィルタであってよい。少なくとも1つのフィルタは、ホース720内の位置、真空ポンプアセンブリ1050の入口、ポンプマニホールド1060内の1つもしくは複数の位置、真空ポンプアセンブリ1050の出口、またはハウジング710の流体吐出ポートを含むがこれらに限定されない、ハウジング内の任意の適切な位置に配置されてよい。
いくつかの開示された実施形態では、プラズマ発生ゾーンは、誘電体ケーシングによって包囲された物体の収容を可能にするように構成される。本明細書で使用される場合、誘電体ケーシングは、プラズマで処理される物体などの物体を少なくとも部分的に包囲する形状に作られ、そのように包囲するように構成される誘電体バリア(本開示の他の箇所で詳細に説明される)を指し得る。いくつかの実施形態では、処理される物体の周囲に設けられた保護シースまたはシュラウド(例えば、図7のシース718)は誘電材料で構成され得ることにより、シースは処理される物体を包囲し得る誘電体ケーシングとして構成されてもよい。処理される物体及び保護シース(すなわち、誘電体ケーシング)がハウジングの内部キャビティ内に収容されているとき、プラズマ発生ゾーンが形成され得るため、プラズマ発生ゾーンは、誘電体ケーシングによって包囲された物体の収容を可能にするように構成され得る。いくつかの開示された実施形態では、プラズマ発生機は、物体及び誘電体ケーシングがハウジングに挿入されるとき、物体を処理するために、プラズマ発生ゾーン内でのプラズマ形成を可能にするように構成される。非限定的な一例として、図7は、内視鏡708(光学面706を含む)及び保護シース718(すなわち、誘電体ケーシング)がハウジング710のキャビティ714に挿入されるプラズマ発生装置500の配置を示す。この配置では、気密のプラズマ発生ゾーン716は、光学面706がプラズマ発生ゾーン内のガスに曝露され得るように、シース718内に形成され得る。少なくとも1つのプロセッサは、プラズマ発生機を作動させて、プラズマ発生ゾーン716内のガスを電離し、光学面706を処理することができる。
いくつかの開示された実施形態では、誘電体ケーシングは、ケーシング内での真空形成を可能にするために一方向弁を含む。本明細書で使用される場合、一方向弁は、逆止弁、または流体を一方向にのみ流すことを可能にするように構成された流量制御デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、一方向弁は、ストップ逆止弁、スイング逆止弁、ボール逆止弁、または流体の流動を単一方向に制限するように構成された任意の他の構造体を含んでよい。いくつかの実施形態では、上述のように、誘電体ケーシングは、プラズマで処理される物体の周りに設けられた保護シースまたはシュラウドを含むことができる。保護シース(すなわち、誘電体ケーシング)は、流体がプラズマ発生ゾーンの内側から外側の領域に通過することを可能にするが、反対方向には通過することを可能にしない一方向弁を含み得る。その結果、プラズマ発生ゾーンの気密シールを維持することができるため、真空を形成することができる。非限定的な一例として、図8Aは、保護シース800の一例を示し、この保護シースは、内視鏡802の周囲に設けられ、シース800の閉端部またはその近くに一方向弁808を含み得る。一方向弁808は、流体がシースの内部からシースの外側の領域に通過することを可能にするが、流体が反対方向に通過することを防止し得るように構成されてもよい。
いくつかの開示された実施形態では、直列のポンプは、誘電体ケーシングの一部内に少なくとも部分真空を引き起こすように構成され得る。本明細書で説明されるように、直列のポンプは、プラズマで処理される物体の近くの保護シース(すなわち、誘電体ケーシング)内に配置され得る、プラズマ発生ゾーン内で真空を引き起こすように構成されてよい。例えば、直列のポンプは、誘電体ケーシングの一部(すなわち、プラズマ発生ゾーン)内で0.1atm~0.01atmの間の真空を引き起こすように構成されてもよい。
図20は、開示された実施形態に即した、方法2010を示すブロック図である。図20の方法2010は、ソフトウェアによって、及び/または前述のハードウェアを使用して実装されることができる。
ブロック2012では、プラズマ発生ゾーンに物体を挿入する。物体は、例えば、先に説明されるような医療機器であってよい。ブロック2014では、物体がプラズマ発生ゾーンの領域内にある間、複数の真空ポンプを同時に動作させて、プラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こす。前述のように、真空ポンプは、直列に連結されてもよい。ブロック2016では、プラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こしている間、プラズマを活性化させることにより、物体をプラズマに曝露する。プラズマ活性化は、前述のように行われることができる。
開示された実施形態は、体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制することを含み得る。結露には、水分、水気、濡れ、水滴、または表面上に水もしくはその他の流体が集まる任意のその他の現象が含まれ得る。例えば、結露には、ガラスなどの表面上での水滴の形成が含まれ得る。結露ディストーションは、誇張、ブラー、誤表現、ねじれ、または結露によって引き起こされる、あるものが実際の外観とは異なって見えるようにする、任意の他の変化を含み得る。例えば、結露ディストーションは、ガラス表面が水滴で覆われているとき、ガラス表面を通して可視化される噴霧の多い画像を含むことができる。外科手技中、結露ディストーションは、レンズの曇りを含む様々な問題を引き起こし、これらのような手技の間の明瞭な可視化を制限する。従って、結露ディストーションを抑制することが望ましい。結露ディストーションを抑制するには、結露ディストーションの制約、抑制、阻止、阻害、妨害、抑止、防止、最小化、または任意のその他の制限方法が含まれ得る。例えば、ガラス表面上の結露ディストーションを抑制することは、表面上に蓄積する水滴の数またはサイズを制限することにより、表面上の曇りを低減させることを含み得る。
光学素子は、レンズ、プリズム、ミラー、または光を反射するか光の通過を可能にするかいずれかの光学機器の任意の他の部分を含むことができる。光学素子の表面上に集められた水によって、光学素子を通過する光の特性にディストーションが起こることがあるため、光学素子上の結露ディストーションを抑制することが望ましい場合がある。例えば、光学素子は、内視鏡などの医療機器のレンズを含むことができる。医療機器は、スコープ、カテーテル、チューブ、または医学的状態の診断もしくは治療のために体内部位もしくは体外部位上に使用されるあらゆるその他の装置を含み得る。いくつかの実施形態では、医療機器は、医療手技中にヒトの内側オリフィスに配置された空気などの室温よりも高い空気に曝露される。いくつかの実施形態では、医療機器はスコープを含み、光学素子はスコープの遠位端部上に位置していてよい。スコープは、身体の任意の部位を目視するまたは調べるための任意の機器を含むことができる。スコープの遠位端部は、スコープの中心を含む、スコープの特異的な領域から離れて置かれている(すなわち、医療関係者または医療関係者が制御するロボットによって制御されるまたは取り扱われる端部から一定の距離を置かれている)任意の部位を含み得る。いくつかの例では、遠位端部は、スコープの中心からさらに離れたスコープの部分を含んでよい。いくつかの実施形態では、スコープは、内視鏡、十二指腸鏡、または腹腔鏡のうちの少なくとも1つであってもよい。他の例では、スコープには、腹腔鏡、ファイバスコープ、気管支鏡、関節鏡、膀胱鏡、直腸鏡、胃鏡、S状結腸鏡、または体腔もしくは臓器の内側を調べるために使用される他の任意の医療装置が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「内視鏡」は、患者の体内に挿入されるように構成された遠位端部と、手技中に患者の体外に留まるように構成された近位端部とを有する任意のスコープを含むことができる。通常、遠位端部は、レンズもしくは窓などのビューポート、または光ファイバの裸端部、またはさらには鏡(例えば、歯科用ミラーなど)を含む。ビューポートを通じて、スコープは、例えばCCDなどの感光デバイスを使用して、ビューポートの周囲の画像を収集することを可能にする。ビューポートは装置の前から(すなわち、装置の長手方向軸と合致する領域から)光を収集することを目的としてもよく、またはビューポートは、長手方向軸に対してある角度で傾斜してもよく、もしくは(例えば、大腸鏡検査で実証されているように)装置の長手方向軸に対して垂直方向に向いてもよい。近位端部は、一般にハンドルを含み、またはそれに接続され、このハンドルは、医者によって保持され、場合により、スイッチ、ナビゲーションスティック、タッチスクリーン、及びタッチパッドなどのユーザインタフェースコンポーネントを含む。内視鏡には、広範囲にわたるスコープ、例えば、気管支鏡、大腸鏡、膀胱鏡及び腹腔鏡が含まれる。腹腔鏡は、特異的な例として、硬性または比較的硬性のロッドまたはシャフトを含み、ロッドまたはシャフトは、ビューポートを含み、場合により、その遠位端部に対物レンズ、及びその近位端部に接眼レンズ及び/または統合視覚ディスプレイを含む。外科手技を記録するために、スコープを、遠隔視覚表示装置またはビデオカメラに接続することもできる。体腔は、腹膜、背側腔、背部体腔、頭蓋腔、脊髄腔、腹側腔、胸腔、腹骨盤腔、腹腔、骨盤腔、腸、胃、食道、肺、血管、臓器、または体内の任意のその他の空間もしくは区画を含み得る。いくつかの例では、体腔には、胸腔など、複数の臓器を収容する空間が含まれる場合がある。他の例では、体腔は、心臓など、単一の臓器を含み得る。さらに他の例では、体腔は、大動脈など、血管を含む場合もある。体腔への挿入は、体腔内への導入、注入、進入、埋め込み、植え込み、またはその他の任意の配置方法を含むことができる。一例では、体腔への挿入は、内視鏡を血管内にガイドすることによって内視鏡を血管に導入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、体腔は、手術腔または自然オリフィスであってもよい。大きい切開を行う必要なしに手術中に臓器を視覚的に調べるために、手術腔内で医療機器を使用するとき、結露ディストーションを抑制することが望ましい場合がある。また、切開なしの手術中に臓器を視覚的に調べるために、または臓器可視化に基づいた診断などの非外科手技のために、自然オリフィスで医療機器を使用するとき、結露ディストーションを抑制することが望ましい場合がある。手術腔は、通常は臓器などの内部部分を露出させるために、身体の一部を切る手技のために、またはその手技の一部として作られた中空領域またはホールを含むことができる。例えば、手術腔は、外科医が腹部の皮膚及び筋肉を通る切開を行うときに作られる、腹部内のホールを含むことができるため、下にある臓器を目視することができる。自然オリフィスは、生来または自然に体内に存在し、いずれの切開によっても生じない中空領域またはホールを含むことができる。例えば、自然オリフィスは、口腔または膣腔を含み得る。一例では、膣腔を通して見える内臓を検査するために、膣の自然オリフィスを通る経膣的胆嚢摘出に応じて内視鏡を使用してもよい。
開示された実施形態は、医療機器の光学素子を処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることを含み得る。「処理する」という用語は、物理的な物体の1つまたは複数の特性を変更するために適用されたプロセス、プロシージャ、またはプロトコルを指すことができる。いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、光学素子に物質(例えば、プラズマ)を塗布すること、光学素子をある状態に曝露すること、または光学素子を超親水性にすることができる光学素子との任意の他の相互作用を含むことができる。「超親水性」という用語は、非常に高いレベルの親水性、例えば、流体と物体の表面との間の接触角を実質的に低減させるのに十分な親水性であるため、例えば、流体が物体の表面を実質的に均一(例えば、平坦)な層としてコーティングすることが可能になることを指し得る。超親水性表面では結露による曇りが起こりにくくなり、光学素子の結露ディストーションが制限される得るため、医療機器の光学素子を処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることが望ましい場合がある。物質は、液体、固体、気体、またはプラズマなどの物性を有するあらゆる材料を含んでもよい。所望のレベルの親水性または超親水性を達成するように、塗布される物質の量を増加または減少させ得るように、物質の量を制御し得るため、物質を光学素子に塗布して光学素子を処理することが望ましい場合がある。一例では、光学素子を処理することは、光学素子に液体コーティングを塗布することを含み得る。別の例では、光学素子を処理することは、光学素子を気相物質またはプラズマ系物質に曝露することを含み得る。条件には、温度、位置、ハビタット、設定、または光学素子の状況に関連する任意の他の要因が含まれ得る。一例では、光学素子をある条件に曝露することは、光学素子の温度を上昇させることを含み得る。別の例では、光学素子をある条件に曝露することは、光学素子の周りの領域の圧力を低減させることを含み得る。光学素子との相互作用は、通信、接触、協働、運動、または光学素子に関連して実行される任意の他のタイプのアクションを含んでよい。一例では、光学素子との相互作用は、光学素子を移動させることを含むことができる。別の例では、光学素子との相互作用は、光学素子を任意の物質または物体と接触させることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、真空チャンバ内で行われ得る。真空チャンバは、空気または他のガスが真空ポンプによってある程度まで除去された結果、筐体内が低圧環境(例えば、大気圧より低い圧力環境)になる任意の硬性筐体を含み得る。いくつかの例では、真空チャンバ内の圧力は、0.3atm未満であり得る。他の例では、真空チャンバ内の圧力は、0.1atm未満であり得る。さらに他の例では、真空チャンバ内の圧力は、0.1~0.01atmの間であり得る。得られる光学素子の親水性を改善するためには、真空チャンバ内で光学素子を処理することが望ましい場合がある。いくつかの例では、真空チャンバは、医療機器に組み込まれ得る。他の例では、真空チャンバは、医療機器と共に使用される追加の装置を含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、光学面をプラズマに曝露することを含むことができる。「プラズマ」という用語は、荷電粒子、例えば、電子及びイオンを豊富に含む物質の状態を指すことができる。その結果、プラズマは導電性が高く、電場及び/または電磁場に感受性が高くなり得る。光学素子の親水性を改善するために、光学面をプラズマに曝露することが望ましい場合がある。具体的には、親水化処理の間、表面は酸化され、プラズマイオン衝撃は表面上にヒドロキシル基を形成する。これらのヒドロキシル基は極性であり、水が極性であるため、それらに引き付けられる。最終的には、これが表面の濡れ性及び接着を高めることにより、表面がさらに親水性になる。光学面をプラズマに曝露することは、光学面にプラズマを連続的に接触させることを含むことができる。光学面をプラズマに曝露することは、光学面にプラズマを断続的に接触させることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、光学面を溶液によってコーティングすることを含み得る。溶液は、2つ以上の成分から構成される任意の均質な混合物を含んでよい。例えば、溶液は、共有結合を形成して吸水性表面を作り出す親水性混合物を含んでよい。光学面を溶液でコーティングすることは、浸し塗り、吹付け塗り、リールツーリールコーティング、ロボットコーティング、スピンコーティング、浸漬コーティング、または光学面に溶液を接触させる任意の他の様式を含むことができる。
いくつかの実施形態では、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、光学素子を処理した後の少なくとも1時間、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有することを可能にすることを含み得る。例えば、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、光学素子を処理した後の45分間、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有することを可能にするように十分に少なくとも1つの表面を処理することを含み得る。接触角は、表面または材料の親水性の定量的尺度である。水の接触角がある程度を下回る場合、水と表面との間の相互作用の力がバルク水の凝集力とほぼ等しくなり、水が表面からクリーンに排水されないため、表面は親水性と呼ばれることができる。液体分子が固体分子に強く引き付けられる場合、液滴は固体表面上に完全に広がり、0°の接触角に相当する、完全な親水性表面を作り出す。いくつかの実施形態では、接触角は30度未満であってよい。いくつかの実施形態では、接触角は20度未満であってよい。いくつかの実施形態では、接触角は8.5度未満であってよい。いくつかの実施形態では、接触角は7.5度未満であってよい。例えば、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、光学素子を処理した後の45分間、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が7度以下の接触角を有するように十分に少なくとも1つの表面を処理することを含み得る。いくつかの実施形態では、接触角は5度未満であってよい。
いくつかの実施形態では、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、光学素子を30秒未満の間処理することを含み得る。短期間内で効果の高い処理を用いるとき、光学素子を30秒未満の間に処理することが望ましい場合がある。また、外科手技中に結露ディストーションの抑制が改善された内視鏡が緊急に必要になるとき、光学素子を30秒未満の間に処理することが望ましい場合もある。例えば、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、光学素子を20秒間処理することを含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、光学素子の少なくとも1つの表面を経時的に劣化する超親水性状態にすることを含み得る。経時的に、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態は、親水性の程度が変化するように劣化し得る。場合によっては、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が7度の接触角を有するような超親水性状態を有することが望ましい(または少なくとも許容できる)場合がある。他の場合には、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度の接触角を有するような超親水性状態を有することが望ましい(または許容できる)場合がある。これらのような状況では、超親水性状態の劣化が許容できるため、両方の場合に同じ医療機器を使用することができる。劣化は、超親水性である品質、機能、または状態が、減退、分解、悪化、低下、退行、減衰、または損なわれるもしくは劣るようになる任意の他のプロセスを含み得る。例えば、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態を経時的に劣化させることは、48時間以内に超親水性状態を親水性状態に低下させることを含み得る。別の例では、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態を経時的に劣化させることは、48時間以内に超親水性状態を疎水性状態に低下させることを含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態の劣化は、24時間以内に起こり得る。例えば、同じ医療機器は、1日以内に様々な可視化または外科手技に(例えば、持続時間の長い手術に)使用されてよい。例えば、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態を経時的に劣化させることは、約24時間その超親水性状態のままであるように少なくとも1つの表面を処理することを含み得る。別の例では、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態を経時的に劣化させることは、24時間以内に超親水性状態を水の中性または疎水性状態に低下させることを含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子を処理することは、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にするのに十分な期間、液体が光学素子と接触していることを維持することを含む。液体は、周囲の水との動的水素結合に関与することができる任意の流体を含む、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にし得る任意の流体を含み得る。いくつかの実施形態では、この液体を使用して、熱風に曝露させる前に、光学素子の親水性表面に親水性コーティングを設け得る。いくつかの例では、液体はイオン性であり得る。他の例では、水性相互作用をさらに容易にするために、液体は負に帯電する場合があり、これは場合により、低い摩擦係数を示し得るハイドロゲル材料を生じさせる場合がある。一例として、液体はVitreOx(商標)であってよい。液体が光学素子と接触していることを維持することは、光学素子を液体でコーティングすること、光学素子を液体中に浸すこと、液体の流れを光学素子に連続的に曝露すること、または液体もしくは光学素子の間の接触を継続する任意の他の方法を含み得る。光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にするのに十分な期間は、単一の期間または複数の期間を含み得る。いくつかの例では、複数の液体に対する期間は同じであってもよい。他の例では、複数の液体に対する期間は異なってよい。いくつかの例では、複数のタイプの光学素子に対する期間は同じであってもよい。他の例では、複数のタイプの光学素子に対する期間は異なってよい。
開示された実施形態は、医療機器を超親水性素子によって体腔に挿入することを含み得る。医療機器を体腔に挿入することは、医療機器の光学系を体腔内の位置に埋め込むこと、入れること、植え込むこと、注入すること、導入すること、受け入れること、挟み込むこと、置くこと、設置すること、または任意の他の方法では動かすことを含み得る。曇りによる画像ディストーションの低減を通じて画像可視化を向上させることによって体内に挿入された内視鏡の機能を向上させるために、超親水性素子によって医療機器を体腔に挿入することが望ましい場合がある。いくつかの例では、超親水性素子の全体が体腔に挿入されてもよい。他の例では、超親水性素子の一部のみが体腔に挿入されてもよい。
いくつかの実施形態は、医療機器を体腔に挿入する前に、光学素子に液体を塗布することをさらに含む。液体は、水または親水性物質などのいずれかの流体材料を含み得る。光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にする光学素子の処理が成功したことを検証するために、医療機器を体腔に挿入する前に光学素子に液体を塗布することが望ましい場合がある。医療機器を体腔に挿入する前に光学素子に液体を塗布した後、それでも光学素子が結露ディストーションを受ける場合、光学素子を使用して可視化を向上させるために、医療機器を体腔に挿入する前に光学素子を再度処理することが望ましい場合がある。
いくつかの開示された実施形態は、超親水性光学素子を水分に曝露することで、水分が光学素子の少なくとも1つの表面上に薄膜バリアを形成することにより、結露ディストーションを抑制することを含む。水分には、液体、噴霧、湿気、水気、濡れ、または体内の1つ以上の体液もしくは水分などの液体への曝露によって引き起こされる液体の他の任意の存在が含まれ得る。超親水性光学素子を水分に曝露することは、超親水性光学素子と水分との間で、導入すること、接触させること、触れさせること、または任意の他の方法では相互作用を引き起こすことを含み得る。一例では、超親水性光学素子を水分に曝露することは、超親水性光学素子の一部を水分と接触させることを含み得る。別の例では、超親水性光学素子を水分に曝露することは、光学素子をある環境中に配置し、光学素子上での結露を促進することを含み得る。薄膜バリアは、被覆、積層、コーティング、カバー、膜、パーティション、シート、または任意の他の薄い分離層を含み得る。薄膜バリアは、光学素子の少なくとも1つの表面上での水滴の形成を減少させることまたはさらには取り除くことによって、結露ディストーションを抑制することができる。
いくつかの実施形態では、方法は、医療機器を体腔に挿入した後、光学素子を再処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることをさらに含み得る。光学素子の少なくとも1つの表面を、超親水性状態の劣化後に超親水性状態に戻すために、医療機器を体腔に挿入した後に表面を超親水性にするように、光学素子を再処理することが望ましい場合がある。また、医療機器が望ましくない量の結露ディストーションをまだ受けている場合、より高いレベルの超親水性を達成するために、医療機器を体腔に挿入した後に光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にするように、光学素子を再処理することが望ましい場合もある。例えば、光学素子の初期処理は、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するように、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることができる。光学素子の表面の超親水性状態は、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度超及び30度未満の接触角を有するように、経時的に劣化し得る。この例では、光学素子を再処理して光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、手技に所望の超親水性状態に表面を戻すために、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するようにすることを含み得る。
いくつかの実施形態は、光学素子を処理してから24時間以内に少なくとも1回追加して、光学素子を再処理し、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることをさらに含む。同じ医療機器が長時間の外科手技中に使用され続け得るように、光学素子を処理してから24時間以内に少なくとも1回追加して、光学素子を再処理し、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることが望ましい場合がある。例えば、光学素子の初期処理は、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するように、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にし得、超親水性状態は経時的に劣化する。光学素子の表面の超親水性状態は、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度超の接触角を有するように、1日中劣化し得る。この例では、光学素子を再処理して光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることは、その日の内に手技に所望の超親水性状態に表面を戻すために、15時間以内に光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するようにすることを含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理は、バッテリ駆動式プラズマ発生機によって少なくとも1回の追加の再処理を実行することを含む。「プラズマ発生機」という用語は、例えばプラズマ発生ゾーンの内側で、プラズマを発生させるように構成された装置を指し得る。「プラズマ発生ゾーン」という用語は、例えばそこに導入されたガスに点火することによって、プラズマ雲を形成することができる物理的な容積または空間を指すことができる。プラズマ発生ゾーンのサイズは任意であってよい。例えば、プラズマ発生ゾーンは、15cm3未満、10cm3未満、または5cm3未満であることができる。プラズマ発生機はプラズマ発生ゾーン内に電磁場を発生させることができるため、その電磁場にガスが曝露されると、ガスが点火され、プラズマが発生することができる。
バッテリ駆動式プラズマ発生機は、装置に電力を供給するためのバッテリを有し、プラズマを形成することができる、任意の装置またはシステムを含むことができる。そのような装置またはシステムは、少なくとも1つのプロセッサから生成され得る及び/または受信し得るコンピュータプログラム命令に基づいて、1つまたは複数のアクション及び/または機能を実行することによって、プラズマ雲で物体を処理するように構成されることができる。プラズマ雲の形成は、電離した気相物質が導電性を高める点までガスが強い電磁場を受けることによって達成され得る。図1は、いくつかの実施形態の態様による、プラズマ発生機100を概略的に示す。プラズマ発生機100は、操作ユニット120及びプラズマアプリケータ130を含み得、プラズマアプリケータは、例えばケーブル112を介して、操作ユニット120と電気接続され得る。操作ユニット120は、少なくとも1つのプロセッサ102(例えば、コントローラ)、バッテリであってもよい電源104及び/または530、回路106、及び少なくとも1つのメモリ108に関連していることができる。少なくとも1つのプロセッサ102は、有線及び/または無線の手段を用いて、例えばバスシステム110を介して、少なくとも1つのメモリ108に通信可能に結合されることができる。少なくとも1つのプロセッサ102は、例えばバスシステム110を介して、電源530及び回路106にさらに電気的に結合され得る。少なくとも1つのプロセッサ102は、少なくとも1つのメモリ108に格納された1つまたは複数のデータ項目に関する1つまたは複数のプログラムコード命令を実行するように構成されてもよい。少なくとも1つのプログラムコード命令は、例えばプラズマアプリケータ130を介したプラズマの発生を制御するために、プラズマ発生システム100の1つまたは複数の操作態様を制御することを容易にし得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102は、物体を処理するためにプラズマを発生させる目的で、例えば回路106の1つ以上のコンポーネント(例えば、スイッチ、ダイオード、及び他の論理コンポーネント)を制御することによって、電源530によって(例えば、電力として)プラズマアプリケータ130に供給されるエネルギーの1つ以上の属性を制御し、適度にすることができる。少なくとも1つのプロセッサ102、電源530、回路106、及び少なくとも1つのメモリ108が操作ユニット120の内側に示されているが、これは例示のみを目的としており、本発明を図示される構成に限定するものではない。例えば、少なくとも1つのプロセッサ102及び少なくとも1つのメモリ108は、分散コンピューティングの当技術分野で知られているように、複数のローカル及び/またはリモートのプロセッサ及びメモリユニットを含み得る。同様に、図1は操作ユニット120内に位置決めされた電源104及び回路106を示しているが、これは必須ではなく、電源104及び/または回路106は操作ユニット120の外部にあってもよく、例えば、電源104は、ケーブルを介して操作ユニット120に結合される壁部ユニット内にあってもよい。
図5A~図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ発生システム500の3つの図を示す。いくつかの実施形態では、プラズマ発生システム500は、プラズマ処理を実行するためのエネルギーを、例えば回路106、電源(バッテリ)530、少なくとも1つのプロセッサ102、及びケーブル112(図1)を介して、受信するようにプラズマ発生システム500が構成され得るという点で、プラズマ発生場アプリケータ130(図1)に相当することができる。図示のように、プラズマ発生システム500は、ハウジング510を含むことができ、このハウジングは、キャビティ502を有し、プラズマ活性化発生ゾーン504(例えば、プラズマ活性化ゾーン)、プラズマ発生機506、及びコントローラ508を収容することができる。プラズマ発生システム500は、キャビティ502内にプラズマ発生活性化ゾーン504を含んでよく、このプラズマ発生活性化ゾーンは、光学素子を有する医療機器の少なくとも一部がキャビティ502内に保定されるとき、光学素子がプラズマ活性化発生ゾーン504内に位置しているように配置されてよい。プラズマ発生機506は、本明細書に開示された実施形態による、プラズマ発生ゾーン504内で物体(例えば、医療機器)を処理するためにプラズマを発生させることができる。ハウジング510のキャビティ502は、スロット132(図1)に対応してもよい。キャビティ502は、プラズマ発生ゾーン504へのアクセスを提供し得ることで、例えば、プラズマ処理を実行して物体の親水性を高めるために物体をプラズマ発生ゾーン504に挿入することが可能になってもよい。コントローラ508は、プラズマを発生させるためのプラズマ活性化ゾーン504へのガスの流入及び/または流出、プラズマを発生させるための電場及び/または電磁場の発生、及びプラズマ発生機506によるプラズマ発生に関連する任意の他のパラメータなど、プラズマ発生機506の1つまたは複数の態様を制御することができる。プラズマ発生システム500は、圧力センサ、電圧センサ514、及びプラズマ周波数センサ512などの1つ以上のセンサをさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理は、処理と少なくとも1回の追加の再処理との間にバッテリ駆動式プラズマ発生機を充電することなく、バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用することを含む。充電は、電気プロトコルを実行することにより、バッテリ駆動式プラズマ発生機のバッテリにエネルギーを蓄積することを含んでよい。どの程度の電圧または電流が導入され、これがどの程度の時間導入されるかを含む充電プロトコルは、充電されるバッテリのサイズ及びタイプに依存し得る。バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用している間のエネルギー効率を向上させるために、処理と少なくとも1回の追加の再処理との間にバッテリ駆動式プラズマ発生機を充電することなく、バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用することが望ましい場合がある。1つの例では、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理は、処理と1回の追加の再処理との間にバッテリ駆動式プラズマ発生機を充電することなく、バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用することを含み得る。別の例では、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理は、処理と2回の追加の再処理との間にバッテリ駆動式プラズマ発生機を充電することなく、バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用することを含み得る。
いくつかの実施形態は、メンテナンスが必要になる前に実行されることができる、光学素子の残りの処理の回数を推定することをさらに含む。メンテナンスが必要になる前に実行されることができる光学素子の残りの処理の回数を推定することは、プラズマ発生機のユーザによって手動かプラズマ発生機によって自動かいずれかで実行されてもよい。例えば、ユーザは、関連するバッテリの電荷保持履歴に基づいて、メンテナンスが必要になる前に実行されることができる光学素子の処理が残り4回であることを推定してもよい。別の例では、プラズマ発生機は、関連するバッテリの電荷保持履歴に基づいて、メンテナンスが必要になる前に実行されることができる光学素子の処理が残り3回であることを自動的に決定してもよい。メンテナンスは、プラズマ発生機または開示された実施形態に関連して使用される任意の他の装置のメンテナンスを含み得る。メンテナンスは、バッテリまたはプラズマ発生機の任意の他のコンポーネントを更新すること、固定すること、交換すること、または修理することを含み得る。1つの例では、メンテナンスが必要になる前に光学素子の処理の残りが実行されることができないと推定されるとき、メンテナンスはバッテリを充電することを含み得る。別の例では、メンテナンスが必要になる前に光学素子の処理の残りが実行されることができないと推定されるとき、メンテナンスはバッテリを交換することを含み得る。他の例として、メンテナンスは、フィルタもしくはガスキャニスタを交換すること、または電極を交換することを含むことができる。
開示された実施形態は、内視鏡を処理してそれを超親水性にするための方法を含むことができる。図15は、本開示のいくつかの実施形態に即した、体腔への挿入のために構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制するための例示的な方法1505を示す。ステップ1510に示されるように、方法1505は、医療機器の光学素子を処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすることを含み得る。方法1505は、ステップ1512に示されるように、医療機器を超親水性光学素子によって体腔に挿入することも含み得る。ステップ1514は、方法1505が、超親水性光学素子を水分に曝露することで、水分が光学素子の少なくとも1つの表面上に薄膜バリアを形成することにより、結露ディストーションを抑制することも含み得る。
低侵襲手術は、開放手術と比較して身体への損傷が少なく手術する様々な技法を含む。一般に、低侵襲手術は、痛みが少なく、入院期間が短く、合併症が少ないことに関連している。腹腔鏡検査(小さいチューブならびに非常に小さいカメラ及び手術器具を用いて、1つ以上の小さい切開を通して行われる手術)は、低侵襲手術の最初のタイプのうちの1つであった。低侵襲手術のもう1つのタイプは、ロボット手術である。これは、手術部位の拡大3Dビューを提供し、外科医が精確で、柔軟に、制御して手術することを支援する。
経験上、患者の身体に挿入された光学機器によって収集される画像には、機器の光学素子の表面上に噴霧が蓄積されることにより、ブラーが起こりやすくなることが示されている。上述のように、患者の体内の局所環境は、周囲条件と比較して、一般に湿っており、温かい。その結果、機器の光学素子は、身体への挿入後、噴霧を蓄積しやすくなり、すなわち、凝縮した蒸気を光学素子の表面上に蓄積しやすくなる。
光学素子上への蒸気の凝縮によってブラーが起こる可能性があることの理由の1つは、凝縮した液体(例えば、水、場合によっては体液と混合されている)が液滴に凝縮し、それら液滴を通過する光線にディストーションが起こることによって、光学素子の光学品質が損なわれることである。換言すれば、各液滴は、レンズとして機能し得、そこを通過する光線を制御されていない様式で、集束させること、または発散させること、または一般にディストーションを起こすことがある。従って、光学素子上の複数の液滴の総合効果は、光学的に粗い表面を生成することによって、光学素子を通過する(またはそこから反射する)光から鮮明な画像を取得することを妨げることである。
本明細書に記載される画像を収集することを意図した一部の医療機器が光学素子を使用して、光の可視スペクトル外で、すなわち、近赤外(IR)スペクトル内などの不可視放射線で動作し得ることに留意する。それらのような光学素子は、可視スペクトル内で動作する光学素子と同様に、噴霧の蓄積により、光学品質が劣化する可能性がある。それゆえ、本明細書での教示は、不可視光で動作するようなものを含む、広義の光学素子及び光学系に適用可能であるものとして理解されたい。さらに、光学素子の表面上への噴霧の蓄積が、入射する光線に影響することがあるだけでなく、光学装置から出て広がる光線を逸らすこと、またはさらには吸収することもあるため、発光素子の動作を妨げることもあることに留意する。従って、本発明の態様は、以下で詳述されるように、集光装置、または発光装置、またはその両方の組み合わせである、医療装置の光学素子を処理することに関する。
従って、いくつかの実施形態の態様によれば、使用中に曇りを防止するために光学部品を処理する方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、光学素子は、内視鏡など、使用中に患者の身体に挿入される医療装置の光学素子であってもよい。方法は、光学素子の光学面の親水性を高めることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、そのような親水性の高まりを引き起こすために、光学素子の直近にプラズマ発生電磁場を印加することを含む。処理プロセスは、医療手技中に医療装置を使用する前に提供されてよい。いくつかの実施形態によれば、方法は、医療装置が処理のために患者の身体から取り外された結果、患者の身体に再導入される場合、医療手技中に適用されることができる。
光学面の親水性を高めることは、光学面の表面張力を増大させることによって達成される。処理された表面の表面張力が増大して、水の表面張力に近づく場合、光学面上への水滴の接触角が低下し、各液滴は表面上に広がりやすくなり、より平坦で、ほとんど湾曲していない構造を形成しやすくなる。完全な濡れは、処理された表面の表面張力を、水の表面張力を上回るように、すなわち0.072N/mを上回るように増加させることによって達成される。処理された表面の表面張力が水の表面張力よりも高いとき、水は表面上に液滴で蓄積せず、むしろ表面を濡らし、実質的に0度の接触角を有する。従って、方法は、光学素子の親水性表面上の水分の凝縮により、流体の層が薄く平らになるため、曇りによるブラーを除去する、または少なくとも著しく減少させることによって、光学素子の光学品質を維持する、または少なくとも光学品質の劣化を制限する。プラズマ処理により光学素子上の流体厚さのばらつきが低減することにより、光学素子上に凝縮した流体を通過する光に関連する光路長のばらつきも低減する。
処理された表面の親水性に対するプラズマ処理の効果は一時的であることが多いため、処理された表面の親水性は、端部のプラズマへの曝露後、経時的に低下しやすくなる。従って、方法は、プラズマを適用した直後、光学素子(または光学素子が設置される装置)を使用すること、すなわち、光学素子を水分に曝露することをさらに含み得る。「直後」とは、24時間以内、好ましくは6時間以内、さらにより好ましくは光学素子を、そこにプラズマを適用した後の1時間未満内で使用することを意味する。さらに、そのようなプラズマ処理後に機器の表面に適用される他の処理またはプロセス(一例としての滅菌)は、プラズマ処理の効果を減少させ得る、または完全に除去し得る。従って、本明細書の教示による親水性を高める方法を医療手技自体の直前に適用し、すでに滅菌された医療装置上に適用し、この医療装置の無菌性を維持しながら無菌条件下で実施することが最も好ましい。
本明細書に記載されるようにプラズマ処理を必要とし得る光学素子を有する医療装置は、様々な形状及びサイズを有することができる。例えば、腹腔鏡は5~10mmの範囲内、さらにはそれを上回る直径を有する。一部の腹腔鏡検査手技では、単一の患者に適用される単一の手技の間に、一般に順次に2つの腹腔鏡を使用することがある。例えば、視覚下で腹腔に入れることは、直視型トロカールを用いて実施され得る既知の技法である。第一腹腔鏡をトロカールシース内に直接配置することにより、トロカール端部を見て後を続けることができる。トロカールを腹腔に押し込み、前進させると、腹壁の各層を可視化し、レジストレーションし得る。トロカールの挿入後、第二腹腔鏡をトロカールの上に挿入し得ると、腹腔の内側の手技を視察することが可能になる。ロボット手術を採用するとき、ロボットの一部である第二腹腔鏡は、第一腹腔鏡とは明らかに異なっており、そのため、異なる直径を有し得る。従って、医療手技の前または最中に内視鏡を処理するためのシステム、装置またはデバイスが、様々な形状及び寸法の、同じ手技中での使用が意図された医療装置に互換性があると有利である。特に、異なる直径の遠位セグメントを有する内視鏡が単一のシステム、装置またはデバイスでは本明細書の教示に従って処理され得ると有利である。
本明細書の教示に従って処理を必要とする場合がある医療装置は、寸法だけでなくタイプも大幅に異なる。例えば、一部の内視鏡(例えば、腹腔鏡)は、硬性であり、その遠位セグメント内に金属シースを有する。他の内視鏡(例えば、大腸鏡)は、一般に可撓性であり、非硬性の、すなわち、遠位セグメントを包む金属チューブを含まないような、遠位セグメントを有するため、遠位セグメントが実質的に誘電性の表面を有する。さらにいくつかのタイプの内視鏡は、硬性構成と可撓性構成との両方で存在する。さらに、種々のタイプの内視鏡は、直径が全く異なる遠位セグメントを有することができる。例えば、小児用大腸鏡は、外径が11~12mmの範囲内である遠位セグメントを有する。成人用大腸鏡は、さらに幅広であり、外径12.8mmを有する。膀胱鏡は、可撓性構成及び硬性構成の両方で利用可能であり、硬性構成は、一般に金属製の外部シースを有する。可撓性膀胱鏡の遠位セグメントの直径は、14F~16.2F(1F=0.33mm)の間の範囲にある。硬性膀胱鏡の直径は、6F~27Fの間で変動するが、成人で最も一般的に使用される膀胱鏡は、15F~25Fの間の範囲にある直径を有する。硬性気管支鏡は、青年では8.2mm(サイズ6)から早産児では3.7mm(サイズ2.5)までの範囲の外径を有し得る。関節鏡シース(関節障害の診断及び治療に使用される)は、6mm以上から2.5mmまで、さらには1.9mmまでの範囲の外径を有する。
従って、システムが多種多様な医療装置を処理することを可能にするために、わずかな適合しか必要としないシステムを有すると有利である。互いに異なる医療装置を処理するためにわずかな適合しか必要としない、このような処理を提供することができるシステムを使用し得る、本明細書の教示による医療装置を処理する方法を有するとさらに有利である。例えば、単一の患者に行われる同じ手技中に使用される特異的な医療装置または特異的なタイプの医療装置または医療装置群を処理することに汎用操作ユニットを適合させるようにそれぞれ構成される、汎用操作ユニット及びアダプタ(またはアダプタのセット)を含むシステムを有すると有利である。異なるタイプの医療装置を処理するために、または一部の他のパラメータが異なる装置を処理するために、異なるアダプタが必要になる場合がある。本明細書の説明では、医療装置の間の差異は、形状、寸法、ならびに機械構造及び電気特性での差異を含んでもよいが、必ずしもこれらに限定されないことに留意する。電気特性での差異は、例えば導電性である遠位セグメント(例えば、金属シースが包むことによる)、または代替に、電気絶縁性である遠位セグメント(外面上に誘電材料を有する)を有することを含み得る。さらに、このような汎用操作ユニットが、使用中にアダプタを識別する及び/または認可し、特定の操作パラメータを、この特定のアダプタ及び/またはこのアダプタによって処理される医療装置に適合させることができると有利であり得る。
図21Aは、いくつかの実施形態の態様による、内視鏡などの医療装置21200を医療手技に向けて準備するための装置21100を概略的に示す。医療装置21200は、図21Bにも概略的に示される遠位セグメント21210を含む。遠位セグメント21210は、光学素子21220を含み、この光学素子は、光学素子の周囲の画像を収集することを可能にするように構成される。光学素子21220は、いくつかの実施形態では、窓またはレンズなどの透明なシートであってよく、ガラスもしくは石英、またはPerspexなどのプラスチックのような材料のものであってよく、それによって、医療装置21200の外側からの光を、例えばカメラなどの感光性装置(本明細書では図示せず)によって、医療装置21200の内側に集めることを可能にする。いくつかの実施形態によれば、光学素子21220は、集光装置(本明細書では図示せず)または感光性装置の方に、光を反射する(光をそこに透過させるのではなく)鏡であってもよい。光学素子21220は、医療手技中に水分に曝露され得る光学面21222を含む。その結果、曇りを防ぐように処理されない場合、それによって光学面21222は、噴霧で覆われるようになる可能性があり、そのような噴霧は、例えば蒸気の凝縮に起因する(ただしそれに限定されない)、光学面21222上への液滴の蓄積の結果である。
装置21100はアダプタ21110を含み、このアダプタは、その内に医療装置21200の遠位セグメント21210を受容する寸法に作られる。装置21100は、アダプタ21110から係脱された操作ユニット21120をさらに含む。操作ユニット21120はスロット21122を含み、このスロットは、その内に医療装置21200の遠位セグメント21210を、遠位セグメント21210がアダプタ21110内に包まれているが、受け入れるように構成される。換言すれば、使用する場合、医療装置21200の遠位セグメント21210はアダプタ21110に挿入され、アダプタ21110は、その内に遠位セグメント21210が包まれている状態で、スロット21122に挿入される。いくつかの実施形態によれば、アダプタ21110はスロット21122に挿入され、次いで、遠位セグメント21210はアダプタ21110に挿入されて前進する。
操作ユニット21120は電源(本明細書では図示せず)を含む。さらに操作ユニット21120は、アダプタ21110内に包まれる、遠位セグメント21210がスロット21122の内側に位置決めされるとき、電源の作動時に、スロット21122の内側のアダプタ21110の内側に、光学面21222の近位でのプラズマ発生に適した電場を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、操作ユニット21120には、外部エネルギー源から、例えばケーブル21130を介して壁部出口から、エネルギーが与えられる。いくつかの実施形態では、操作ユニットには、バッテリ、例えば、充電式バッテリなどの内部エネルギー源によってエネルギーが与えられ得る。
いくつかの実施形態によれば、操作ユニット21120は、1つまたは複数のガスチューブ(複数可)21132を介して、ガスポンプ、及びさらにまたは代替にガスリザーバ(いずれも本明細書に図示せず)と流体連通し得る。以下でさらに詳述されて説明されるように、プラズマ点火を容易にするために、ガスポンプ及びガスリザーバを使用して、それぞれ内視鏡の遠位セグメントの近傍で、制御可能に排気してもよく、または好ましいガスによって制御可能にフラッシュしてもよい。いくつかの実施形態によれば、好ましいガスは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素であり得る。いくつかの実施形態によれば、排気後のプラズマ点火に適したガス圧は、0.1Atm未満であってよい。いくつかの実施形態によれば、内視鏡の遠位セグメントの近傍をポンピングして排気し、次いで、所望のガスでフラッシュすることができる。いくつかの実施形態によれば、ガスポンプ及び/またはガスリザーバは、場合によっては、任意選択で操作ユニット21120内に配置されてもよい。
操作ユニット21120は、装置21100のユーザが装置を操作して制御することを可能にするように構成される。従って、操作ユニット21120は、物理的または仮想的なスイッチのようなコマンドスイッチ21134を含むことができる。操作ユニット21120は、装置を操作するために必要なデータ及び情報をユーザに提供するためのインジケータ136、例えばインジケーションLED、ディスプレイ、ならびに場合によっては、ユーザが装置を操作して命令することを可能にするための操作画面及びコマンド画面をユーザに提供するための操作ソフトウェアをさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、操作ユニット21120は、自由に動かされて、手術室内の任意の必要な位置に位置決めされることができるようにポータブルである必要がある。換言すれば、操作ユニット21120は、いずれかのその他の物体から、特に壁部出口などの固定した物体から切断されている間に、操作可能である必要がある。これらのような実施形態では、操作ユニット21120は、内部バッテリによって給電され得、いくつかの実施形態では、ガスのポンピングまたはフラッシュが必要とされ、操作ユニット21120は、ガスポンプ及び/またはガスリザーバ(本明細書ではいずれも図示せず)を含み得る。操作ユニット21120の実施形態は、操作ユニットが本明細書に記載されているようにポータブルであるが、ケーブル21130及びガスチューブ(複数可)21132の空隙であってもよく、またはケーブル及びガスチューブ(複数可)は使用されなくてもよい。
図21Cは、上述のようにポータブルである操作ユニット21120aを含む装置21100aを概略的に示す。装置21100aは無菌カップ21150及びアダプタ21110をさらに含み、このアダプタは無菌カップ21150を閉じるように構成されたカップカバー21152を含む。無菌カップ21150及びカップカバー21152は、無菌でなくてもよい操作ユニット21120aを使用している間、医療手術の前または最中に、医療装置を処理するための無菌環境を与えることを意図したものである。無菌カップ21150、カップカバー21152及びアダプタ21110aは、1人の患者に行われる単一の医療手技中に使用されるように構成される、分注可能、使い捨てまたは交換可能な部品であり得る。いくつかの実施形態によれば、アダプタは、混入物がないことを維持する必要がある医療装置と、混入物に曝露されてもよく、無菌でないとみなされる操作ユニットとの間の無菌バリアとして機能する。
使用する場合、無菌カップ21150、カップカバー21152及びアダプタ21110は、装置を作動させる前に無菌環境中で開かれる1つ以上の無菌パッケージ内に提供されてもよい。次いで、操作ユニット21120を、図21Cに示されるような無菌カップ21150に挿入することができる。さらに、図21Cに示すように、アダプタ21110をカップカバー21152に取り付けることができる。加えて、または代えて、アダプタ21110及びカップカバー21152を、図示のように合わせて取り付けて提供してもよい。カップカバー21152によって無菌カップ21150を閉じながら、アダプタをスロット21122に挿入することにより、無菌環境をカップの外側の周囲に設け得る。換言すれば、無菌カップ21150は、カップカバー21152によって閉じられと、その内に操作ユニットを封入する微生物密閉ケースとして機能するため、カップの外側の操作ユニットに由来する混入物の拡散を防止する。さらに、医療装置の遠位セグメント21210は、処理のために、無菌アダプタ21110内に挿入されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、アダプタに遠位セグメント21210を挿入すると、以下でさらに詳述されて説明されるように、操作ユニットが作動する。いくつかの実施形態では、ユーザは、カップカバーでカップを閉じる前に、物理スイッチを使用して操作ユニットをオンにすることによって、操作ユニットを「スタンバイ」状態に切り替えることができる。その後、遠位セグメントをアダプタに挿入することにより、操作ユニットを作動させてプラズマ処理を実行することができる。いくつかの実施形態では、カップカバー21152、及び任意選択で無菌カップ21150は透明であるため、ユーザは、操作インジケータ136を見て、処理の進捗を監視することができる。
図22A及び図22Cは、本発明の態様による、アダプタ22300の一実施形態を断面図に概略的に示す。アダプタ22300は、内視鏡22400などの医療装置での使用に特に適しており、アダプタ22300が操作ユニット22420のスロット22422の内側にあるが、図22Cではアダプタ22300の中空シリンダ22312の内側に概略的に示される。内視鏡22400は、遠位セグメント22402、及び光学素子22406の近位の遠位セグメント22402に導電性面(例えば、金属面22404)を含む。さらに光学素子22406は、本明細書に記載のプラズマ処理を受け得る光学面22408を含む。
アダプタ22300は、そこに挿入された医療装置に無菌環境を与えるように構成されるため、外部混入物に対して微生物密閉される。換言すれば、アダプタ22300は、アダプタが操作ユニットのスロット内にあるとき、アダプタの周囲から(例えば、操作ユニットから)中空シリンダの壁部を通してその内側への混入物の侵入を防止するように構成される。さらに、アダプタ22300は、医療装置がアダプタの中空シリンダに挿入されるとき、ガス密閉される閉鎖空間を設けるように構成される。ガス密閉される閉鎖空間は、1つまたは複数のポンプ開口部を介して、ガスポンプに流体連通し得ることにより、閉鎖空間をポンピングすることが可能になる。さらに、アダプタ22300は、1人の患者に対する1回の手術手技の間の使用を意図した使い捨て部品として構成される。よって、アダプタ22300は、以下にさらに詳述されるように、低コストで製造されて組み立てられるように構成される。
図22Aに注目すると、中空シリンダ22312は、実質的に誘電材料で作られ、シリンダ近位開口部22314とシリンダ遠位端部22316との間に延在する。アダプタ22300は、図22Bにも概略的に示された適応的真空シール22320をさらに含む。適応的真空シール22320は、中空シリンダ22312の内側に位置決めされ、当技術分野で知られているように、例えば手で、わずかな力を使って内視鏡をアダプタ22300に挿入することを可能にするように、内視鏡22400などの内視鏡の外寸(例えば、外周)に外嵌するように適合される。これにより、適応的真空シール22320は、内視鏡22400がアダプタ22300の内側に位置決めされるとき、中空シリンダ22312の遠位部22302とアダプタ22300の外側部22304との間の圧力差(またはガス濃度差)を保持するように構成される。
適応的真空シール22320は、短いシリンダの形状をしたシール外側リング22322、及びシール内側リング22324で構成され、このシール内側リングは、シール外側リング22322と適応的真空シール22320のシール中央開口部22328との間に、少なくとも1つの波頭部22326を有する波状曲線に沿って半径方向に延在する。適応的真空シール22320は、ゴムまたはシリコーンなどの可撓性材料から形成されてもよく、従って、ある範囲の周縁部内の内視鏡(または他の装置)の外周部に外嵌し得る。換言すれば、適応的真空シール22320は、中空シリンダ22312に、中央開口部22328を通して挿入される、第一周縁部を有する第一医療装置に対して、そのうえ第一装置がアダプタから取り外された後、中央開口部22328を通して挿入される、第一周縁部とは異なる第二周縁部を有する第二医療装置に対しても密閉し得る。いくつかの実施形態によれば、2つの周縁部の間の比率は少なくとも1.5であってよい。従って、第一及び第二医療装置が円形断面を有する場合、適応的真空シール22320は、それらの断面直径が少なくとも150%の比率を有する場合でも、第一及び第二医療装置に対して真空密閉し得る。さらに、適応的真空シール22320は、非円形断面を有する装置に対して真空密閉してもよい。
アダプタ22300はフィードスルー22330a及び22330bをさらに含み、これらフィードスルーは、中空シリンダ22312上に、シリンダの長手方向軸に沿って配置され、アダプタ22300の外側部22304と中空シリンダの内側部22306との間に電気接続を確立するように構成される。フィードスルー22330は、短いシリンダの形状をした金属製外側リング22332(すなわち、それぞれ金属リング22332a及び22332b)と、金属リングから内向きに延出し、金属リングの平面に対してある角度で傾斜した2つの対向する可撓性金属ストライプ22334とで構成される。フィードスルー22330は、可撓性金属、好ましくは不活性で医学的に認可されている、例えばステンレス鋼から作られてもよい。
低コストの製造を可能にするために、中空シリンダ22312は、4つのセグメント、すなわち、近位セグメント22340、第一中間セグメント22342、第二中間セグメント22344及びシリンダ遠位セグメント22346で構成され、これらは、1つまたは複数の誘電材料から作られ、以下で説明されるように製造中に合わせて密閉して組み立てられるように構成される。
セグメントが分離されるとき、Oリング22360aは近位セグメント22340内の対応する溝部内に位置決めされ、Oリング22360bは第一中間セグメント22342内の対応する溝部内に位置決めされる。次いで、金属ストライプ22334aを調整して近位セグメント22340内の対応する近位セグメントスリット22348に入れている間に、金属製外側リング22332aをOリング22360a上で摺動させることにより、フィードスルー22330aを付けることができる。次いで、第一中間セグメント22342の第一突出部22350を調整して近位セグメント22340内の対応する近位凹部22352に入れている間に、第一中間セグメントを金属製外側リング22332a内で摺動させることにより、近位セグメント及び第一中間セグメントをスナップフィット方法で合わせて組み立てることができる。合わせて組み立てるとき、近位セグメントと金属製外側リング22332aとの間、及び第一中間セグメント22342と金属製外側リング22332aとの間のOリング22360a及び22360bは、それぞれ2つのセグメントの間のギャップを密閉し、特にギャップを通して、外側部22304から中空シリンダ22312内への混入物の侵入を防止する。
第一中間セグメント22342の第二突出部22354を調整して第二中間セグメント22344内の対応する第二凹部22356に入れるように、第二中間セグメント22344は、同様のスナップフィット方法で第一中間セグメント22342と組み立てられ得る。第二中間セグメント22344と第一中間セグメント22342との間のギャップは、Oリング22360c及び22360dによって、それぞれ第一中間セグメントと金属製外側リング22332bとの間、及び第二中間セグメント22344と金属製外側リング22332bとの間に密閉される。フィードスルー22330bの金属ストライプ22334bを調整して、第一中間セグメント22342内の対応する第一スリット22358に入れる。
またシリンダ遠位セグメント22346は、第二突出部22362が遠位セグメント凹部22364に嵌入されるように、スナップフィット方法を使用して第二中間セグメント22344と組み立てられてもよい。Oリング22366は、第二中間セグメント22344とシリンダ遠位セグメント22346との間のギャップを密閉する。第二中間セグメント22344及びシリンダ遠位セグメント22346を合わせて組み立てるとき、第二中間セグメント22344及びシリンダ遠位セグメント22346の対向する溝部の間に適応的真空シール22320の外側リング22322を咬持するため、中央開口部22328に医療装置を挿入すること、またはそこから医療装置を抜き出すことにより、その位置から適応的真空シールが変位しない。
アダプタ22300は、シリンダ遠位セグメント22346内にポンプ開口部22368を含み、遠位部22302からポンプ開口部を通してガスをポンピングすることを可能にする。開口部22368は一方向弁22370を備えることで、遠位部22302からポンプ開口部を通してガスを抽出することが可能になるが、ポンプ開口部を通した遠位部へのガスの侵入が防止される。従って、一方向弁22370は、ポンプ開口部を通した中空シリンダへの混入物の侵入を防止しながら、遠位部からガスをポンピングすることを可能にする。
図23Cは、操作ユニット22420のスロット22422の内側に位置決めされたアダプタ22300を概略的に示し、内視鏡22400は、アダプタの中空シリンダ22312の内側にある。内視鏡22400は、遠位セグメント22402がアダプタのフィン22372に接触するまで、中空シリンダ内で前進する。従って、フィン22372は、プラズマ発生中に内視鏡の適切な位置を決定するために、アダプタ内への内視鏡の前進のストッパとして使用される。
内視鏡22400をアダプタに挿入している間、内視鏡は、適応的真空シール22320の中央開口部22328を通して前進する。中央開口部の周りの内側リング22324の縁部は、内視鏡の金属面22404に密閉して接触することにより、適応的真空シールを横切る圧力差を維持しながら、遠位部22302から空気をポンピングすることを可能にする。いくつかの実施形態では、アダプタ22300はスタビライザ22374を含み、このスタビライザは、中空シリンダの開口部22314付近に位置決めされ、中空シリンダへの挿入中、及び内視鏡がアダプタ内に存在している間、中空シリンダの中心位置内に内視鏡を安定させるように構成される。スタビライザ22374は、軟性で可撓性の材料、例えば、軟性シリコーンまたはスポンジの環状リングとして構成され、異なる直径を有する内視鏡を中空シリンダに挿入することを可能にするように構成される。スタビライザ22374は、必ずしも内視鏡の壁部に対して密閉する必要はなく、むしろ内視鏡を中空シリンダの長手方向(対称)軸に沿って安定させて維持するため、その内への内視鏡の挿入中または存在中に内視鏡が適応的真空シール22320の中心から偏位することが防止されることにより、適応的真空シール22320と内視鏡との間の偶発的なギャップを通した空気漏れが防止される。
操作ユニット22420は、操作ユニットの真空ポンプ(本明細書では図示せず)に流体連通したポンプチャネル22424を含む。チャネル22424は、一方向弁22370を介してポンプ開口部22368に流体連通すると、遠位部22302から空気をポンピングすることが可能になることにより、その内のプラズマの発生が可能になる、またはそれが促進される。外部シール22380は、中空シリンダの外壁部上に、好ましくは中空シリンダ22312の遠位端部22316付近に位置決めされており、スロット22312の壁部に対して密閉することにより、外側部22304からスロット22312を介してチャネル22424内への空気漏れが防止されるため、遠位部から空気をポンピングすることが可能になる。
操作ユニット22420は、例えばHVケーブル22432を介して、RF高電圧(HV)電源(本明細書では図示せず)と電気接続しているアノード22430をさらに含む。アノード22430は、環状であり、アダプタがスロットに挿入されるとき、スロットの長手方向軸を中心として、すなわち、中空シリンダ22312の長手方向軸を中心として、中空シリンダの遠位部22302に対向して配置される。操作ユニット22420は電気接点22434及び22436をさらに含み、これら電気接点は、それぞれアダプタのフィードスルー22330a及び22330bの金属製外側リング22332a及び22332bに電気的に接触するように構成される。電気接点22434及び22436は、それぞれHVケーブル22440及び22442を介して、操作ユニットの電気回路に電気接続していてよい。いくつかの実施形態では、電気接点22434はRF HV電源に電気接続し得るため、RF HV電源が作動するとき、アノード22430と電気接点22434との間にRF高電圧が印加される。いくつかの実施形態では、電気接点22434は接地電位に固定して接続される。
内視鏡の遠位セグメントが上記で詳述されたような中空シリンダ内にあるとき、可撓性ストライプ22334a及び22334bは金属面22404に電気的に接触するため、RF HV電源が作動するとき、アノードと金属面22404との間にプラズマ発生HVが印加される。プラズマ発生EM場は、光学素子22406の近傍にプラズマを発生させることができる。シリンダ遠位セグメント22346の誘電体壁部がアノードと内視鏡の金属面22404との間に位置決めされるため、絶縁破壊放電(DBD)動作モード中にプラズマが遠位部22302で活性化されることに留意する。プラズマを光学面22408上に集束させて統合するために、フィン22372を用いてもよいことにさらに留意する。
いくつかの実施形態では、内視鏡が中空シリンダに挿入される場合(及びアダプタが操作ユニットのスロット内にあるとき)、可撓性ストライプ22334aと可撓性ストライプ22334bとの間の金属面によって形成される電気接続を、HV電源の自動作動に使用することができる。例えば、電気接点22434が上述のように接地電位に固定して接続される実施形態では、電気接点22436は、操作ユニットのコントローラ(本明細書では図示せず)に電気接続してよく、その結果、コントローラは、RF HV源の作動または停止を制御することができる。内視鏡を中空シリンダに挿入することにより、電気接点22436を接地電位に強制しコントローラがRF HV電源を作動させるよう命令させることにより、内視鏡の遠位セグメントの近傍にプラズマを発生させることができる。従って、コントローラによって指令されるような適切なプラズマ処理に必要な所定の持続時間、プラズマが発生し得、代替に、またはさらに、内視鏡が中空シリンダから取り外され、接地電位が電気接点22436で終わるまで、プラズマは発生し得る。
図23A、図23B、及び図23Cは、医療装置22450を処理するために使用されることができる様々な電極配置を概略的に示し、この医療装置は、その遠位セグメント22452上に、噴霧の蓄積に対して処理され得る光学面22456を有する光学素子22454を含むことができる。わかりやすくするために、遠位セグメント22452は、細長い部材として示されるが、これは限定するものとして解釈されるべきではなく、本明細書の教示は、他の形状及び寸法を有する医療装置に適用することができる。医療装置22450は、医療装置22450がその遠位セグメント22452に金属面を有しない、換言すれば、遠位セグメントの表面が導電性ではないという点で、図22Cの医療装置22400とは異なる。図23A、図23B、及び図23Cは、それぞれ装置23508、23538、及び23568を示す。図中、医療装置22450は、それぞれアダプタ23510、23540、及び23570に挿入され、アダプタは、実質的に上述のように、それぞれ操作ユニット23512、23542、及び23572の対応するスロット23530、23560、及び23590内に位置決めされる。
図23Aでは、環状電極23514はアダプタ23510に含まれ、第二電極23516は操作ユニット23512に含まれる。電極から電源(本明細書では図示せず)の電気接続は黙示され、明示的に示されていない。環状電極23514は、医療装置の遠位セグメントの表面に密接するように可撓性になってもよく、または電極と医療装置との間にギャップを許容する寸法に作られてもよい。第二電極23516は、プレートの形状に作られているが、他の形状も容易に企図される。いくつかの実施形態では、第二電極は、リング様の形状を有する環状であり得る。いくつかの実施形態では、第二電極は、アダプタの方に向いた先端部を有し、その場を増幅して、場を光学面の中心の近傍に集束させるように向けられ得る。内視鏡の遠位セグメントが導電性の表面を有しないため、電極間にはプラズマ発生電場が印加され、換言すると、電場を決定する上で電極の幾何学形状と、電極間の距離とが支配的になる。中空シリンダの遠位端部23518によって形成された誘電体バリアにより、DBDモード中に光学面22456の近傍にプラズマが発生する。真空シール23520及び23522は、実質的に図22Cに関して上述のように、それぞれ、遠位セグメントとアダプタの中空シリンダとの間、及びアダプタと操作ユニットのスロットとの間にあり、中空シリンダの遠位部23524内に真空を維持することを支援する。遠位部をポンピングすることは、操作ユニットのチャネル23526を介して、またアダプタ内のポンプ開口部23528を介して可能になる。
図23Bでは、環状電極23544及び第二電極23546はアダプタ23540に含まれる。図23Aと同様に、電極から電源(本明細書では図示せず)の電気接続が黙示される。環状電極23544及び第二電極23546は、図23Aでは、上記の説明に従って、それぞれ環状電極23514及び第二電極23516と同様の形状であり得る。中空シリンダの遠位端部23548によって形成された誘電体バリアにより、DBDモード中に光学面22456の近傍にプラズマが発生する。また、真空シール23550及び23552ならびにポンプ配置は、図23Aに上述される、対応するシール及びポンプ方法と実質的に同様である。動作中、図23Bの電極配置は、環状電極23544と第二電極23546との両方がアダプタ23540に含まれることから、電極間に印加されるプラズマ発生電場がより正確に決定され、スロット内のアダプタの相対位置に関連する一貫性または不確実性の影響を受けにくいという点で、図23Aの電極配置に比べて有利である。図23Bの配置の不利な点は、アダプタ23540が、アダプタ内に第二電極23546を含むため、図23Aのアダプタ23510に対してより高価になる可能性があるということである。
図23Cの電極配置は、アダプタ23570内の環状電極23574が、図23Bのように中空シリンダの内側ではなく、アダプタ23570の中空シリンダの外側に配置されるという点で図23Bの電極配置とは異なる。また、アダプタ23570に含まれる第二電極23576は、図23Bのように誘電体層によって内視鏡の光学素子22454から分離されない。従って、図23Cの配置では、DBDモード中、環状電極23574に隣接するアダプタ23570の壁部の誘電体層によってプラズマが発生する。
本発明の態様によれば、そのようなプラズマ活性化の前及び/またはそのようなプラズマ活性化の間、プラズマを活性化するために、アダプタがその内に医療装置を収容することを証明すると有利であろう。例えば、アダプタの内側の適切なプラズマ活性化を確保するために、アダプタが操作ユニットのスロット内に適切に位置決めされていることを証明することが必要である場合があり、または少なくとも有利である場合がある。例えば、アダプタがスロットに存在しない場合、またはスロットに誤って配置される場合、高電圧の発生(プラズマ発生EM磁場を誘起すること、またはプラズマを発生させること、またはアダプタの内側にプラズマを維持することを意図したもの)を防ぐことが有利であり得る。高電圧の発生のこのような防止は、ユーザの偶発的な感電、または望ましくないアーク放電、またはアダプタへのプラズマ発生場の送達の不成功というその他の望ましくない結果を防止するために必要とされることがある。いくつかの実施形態によれば、アダプタへの操作ユニットによって発生した電圧の適切な結合を確保するために、スロットの内側でのアダプタの正確な位置決めが必要になり得る。例えば、操作ユニット内のRF電源とアダプタの電極との電気接点を確保することが必要である場合がある、または少なくとも望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、アダプタとHV発生機との間で適当かつ適切なインピーダンス整合を確保するために、スロット内でのアダプタのこのような正確な位置決めが必要となる場合がある。いくつかの実施形態によれば、プラズマが実際にアダプタの内側に発生していることを確保し、プラズマ処理を妥当性確認し、プラズマ処理を受けなかった医療装置の誤った使用を防止することが必要である、または少なくとも望ましい。
いくつかの実施形態によれば、特定のタイプの医療装置に、この医療装置と共に使用されるアダプタを識別することによって特定のプラズマ処理プロトコルを関連させて適用することが必要となる場合がある、または少なくとも望ましい場合がある。換言すれば、異なるタイプの医療装置は、異なるアダプタ内でプラズマ処理を受け得、各タイプの医療装置は、対応するアダプタに埋め込まれた識別コンポーネントによって識別され得る。アダプタが操作ユニットのスロット内に位置決めされるとき、操作ユニットは、アダプタの識別コンポーネントを認識することで医療装置のタイプを識別することによって、誤ったプロトコルに従ってプラズマを適用することが防止され、正しい適切なプロトコルに従ってプラズマを適用することが確保されることができる。
従って、本発明の態様によれば、操作ユニット及びアダプタ(操作ユニットから係脱可能)を含む、医療装置のプラズマ処理のための装置が提供される。装置はアダプタ証明システムをさらに含み、アダプタ証明システムは、操作ユニット及びアダプタの一方に取り付けられたフィールドトランスポンダと、操作ユニット及びアダプタの他方に取り付けられた受信器とを含む。信号は、フィールドトランスポンダから送信され、受信器によって受信され得ることにより、アダプタのアイデンティティまたは操作ユニットに対するその位置を証明し得る。いくつかの実施形態によれば、証明システムは、操作ユニット及びアダプタのうちの他方のものにも位置決めされた送信器をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、送信器は送信信号を送信することができ、この送信信号に対してフィールドトランスポンダは応答信号によって応答することができ、この応答信号を受信器が受信する。フィールドトランスポンダは、受動型(反射器など)であってよく、または能動型(エネルギー源によってエネルギーが供給される)であってよい。
図24は、光学素子24604をその遠位セグメント24608に光学面24606がある状態で有する医療装置24602(例えば、内視鏡)のプラズマ処理用の装置24600の実施形態を概略的に示す。光学面は、医療手技中に医療装置を使用する前に、上述のような処理を必要とする場合がある。装置24600は、操作ユニット24610と、操作ユニットから係脱可能なアダプタ24620とを含む。アダプタ24620は、その内に、中空シリンダ24630内の遠位セグメント24608を収容する。操作ユニットはスロット24640を含み、このスロットはその内にアダプタ24620を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、医療装置24602が(少なくとも光学素子の近くで)非円筒形または非対称の形状を有してよく、中空シリンダが対応する非円筒形または非対称の形状を有してよく、中空シリンダ内への医療装置の挿入を単一の向きで可能にすることに留意する。さらにアダプタの外形もスロットの形状も対称であり得ることによって、異なるタイプの医療装置に対応する様々なアダプタを操作ユニットによって使用することが可能になる。これらのような場合、スロットの内側でのアダプタの向きを証明することが望ましい場合がある。
いくつかの実施形態によれば、中空シリンダ24630は、実質的に上述のように、そこに挿入された医療装置24602によって密閉され得ることにより、その遠位部に、真空、または周囲雰囲気(すなわち、空気)とは圧力及び組成が著しく異なる雰囲気を維持するように構成され得る。中空シリンダ24630は、アダプタ内のポンプ開口部24632を介して操作ユニットの真空ポンプまたはガスリザーバ24612と流体連通し得ることで、中空シリンダの遠位部24634をポンピングすること、または上述のように中空シリンダをガスでフラッシュすることが可能になる。いくつかの実施形態によれば、中空シリンダ24630は、ガス密閉されておらず、微生物密閉されるだけである。装置24600は、操作ユニットに含まれる電極24660と、アダプタに含まれる電極24662とをさらに含む。操作ユニット24610は、電極24660に電気接続している電源24644をさらに含み、この電源は、電極24660を用いて光学面24606の近傍の中空シリンダ24630内にプラズマ発生電場を誘起するのに適した電力(例えば、高電圧及び高周波での電力)を発生させるように構成される。
操作ユニット24610は、アダプタ24620に向けて信号を送信するように構成された送信器24650をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、送信器24650は、アダプタ24620がスロット24640の近位にあるとき、またはスロット24640の内側にあるとき、信号をアダプタ24620に向けて送信するように構成される。操作ユニット24610は受信器24652をさらに含み、この受信器は、アダプタ24620から、応答信号、すなわち、送信器24650から送信された送信信号に対する反射または送信信号を受信するように構成される。アダプタ24620は、送信器24650から送信された信号に応答して、応答信号を反射するまたは送信するように構成されたフィールドトランスポンダ24654を含む。アダプタの方に、及び/またはアダプタから受信器24652の方に送信される信号は、無線(例えば、RF信号または光信号などの電磁信号)であってもよく、または本明細書で以下に例示されるように、電気接点を使用した有線であってもよい。
いくつかの実施形態によれば、送信器24650は、所定の方向に沿って送信するように構成された指向性送信器であり、フィールドトランスポンダ24654は位置特定される。これらのような実施形態では、アダプタが明確な位置内に適切に位置決めされているときにのみ(例えば、スロット24640内に適切に位置決めされているが、フィールドトランスポンダ24654が送信器24650からの送信信号の方に位置決めされているときにのみ)、そのトランスポンダ24654は応答信号で応答する。いくつかの実施形態によれば、フィールドトランスポンダ24654は受動型であることにより、送信信号の一部を受動的に反射する。いくつかの実施形態によれば、フィールドトランスポンダ24654は能動型であることにより、応答信号(周波数が異なってもよく、または送信器24650からの送信信号と比較してより強い強度を有してもよい)を能動的に送信する。
いくつかの実施形態によれば、送信器24650は不要であり、能動型フィールドトランスポンダ24654は、受信器24654が受信したとき、アダプタ24620のアイデンティティまたはその妥当性またはその位置を証明する証明信号を能動的に送信するように構成されてもよい。いくつかのこれらのような実施形態によれば、能動型フィールドトランスポンダ24654は、光源、またはレーザもしくはLEDのような指向性光源を含むことができ、この光源は、アダプタがスロット内に適切に位置決めされるとき、操作ユニット内で受信器24652の方に向けられるように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、能動型フィールドトランスポンダ24654は、コード化されたRF信号を送信することができ、このRF信号を、アダプタがスロット内に適切に位置決めされるとき、受信器24652が受信することができる。いくつかの実施形態によれば、能動型フィールドトランスポンダ24654は、アダプタに含まれるバッテリのようなポータブルなエネルギー源によってエネルギーが供給され得る。いくつかの実施形態によれば、能動型フィールドトランスポンダ24654は、操作ユニットのエネルギー源によって(電線によって、及び/または無線で誘導によってまたはその他の放射線によって)エネルギーが供給され得る。いくつかの実施形態によれば、アダプタ上及び操作ユニットのスロット上の電気接点は、アダプタがスロットに挿入されるとき、相互電気接点になり得るため、能動型フィールドトランスポンダ24654の作動(通電)を可能にする電気回路を閉じることができる。いくつかの実施形態によれば、送信器24650とトランスポンダ24654との間のインタラクションは、相互であり、例えば2つの磁石間に発生する磁力のように、指向性ではない。
いくつかの実施形態によれば、操作ユニット24610はコントローラ24670をさらに含み得、このコントローラは、受信器24652に機能的に関連しており、任意選択で送信器24650に関連している。いくつかの実施形態によれば、コントローラは、フィールドトランスポンダ24654からの応答信号を受信することを示す出力を受信器24652から受信することができる。いくつかの実施形態によれば、コントローラは、電源24644に機能的に関連していることができ、電源24644を制御して、有効な応答信号を受信器24652で受信するときに電力を発生させ、応答信号を受信器24652で受信していないときに電力を発生しないことができる。
いくつかの実施形態によれば、送信器24650、受信器24652及びフィールドトランスポンダ24654は、それらの動作とプラズマ励起場の干渉を防止するために、例えば電磁シールド(本明細書では図示せず)によって、遮蔽されることができる。送信器、受信器、及びフィールドトランスポンダのそれぞれは、関与する実施形態の仕様に従って、遮蔽されても、またはされなくてもよい。このような遮蔽が必要になり得るかどうかは、プラズマ励起場からの干渉が送信器、受信器、またはフィールドトランスポンダの動作を損なうかどうかを含むいくつかの考慮事項に依存し得る。
図25A~図25Eは、本明細書の教示による、フィールドトランスポンダを有するアダプタを証明するように構成された対応する装置のいくつかの実施形態を概略的に例示する。図25Aは、操作ユニット24610a及びアダプタ24620aを含む装置24600aの実施形態を概略的に示す。装置24600aは、送信器とトランスポンダとの間の無線インタラクションを利用して、操作ユニットのスロット24640a内のアダプタの正しい位置決め及び/または向きを証明することを例示し、いずれか一方または両方は受動型であり、2つの磁石によって具現化され得る。操作ユニット24610aは強磁性体24650aを含み、この強磁性体は、スロット24640a付近に位置決めされ、スイッチ24652aに機械的に連結している。強磁性体24650は、常にまたはアダプタの妥当性テストに向けて、通電される磁性スラブまたは電磁石であってもよい。アダプタ24620aは、強磁性スラブ24654a(例えば、鉄または磁石のスラブ)を含む。スロット24640aにアダプタ24620aを挿入するとき、強磁性体24650aと強磁性スラブ24654aとの間の磁気源は、強磁性体24650aを変位させることにより、またはその他の方法でスイッチ24652aに回路を閉じさせることにより、アダプタ24620aがスロット24640a内に適切に位置決めされていることを証明することができる。スイッチ24652aは、コントローラ24670aに機能的に関連していてもよく、コントローラは、スイッチ24652aの状態(開または閉)に従って、上述のように、電源24644aの作動を制御する(またはその他の方法でアダプタ内のプラズマ発生EM場の印加を制御する)ように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、強磁性体24650a及び強磁性スラブ24654aの両方は磁石である;または強磁性体24650aは磁石であるが、強磁性スラブ24654aは磁石ではない;または強磁性スラブ24654aは磁石であるが、強磁性体24650aは磁石ではない。
図25Bは、操作ユニット24610b及びアダプタ24620bを含む装置24600bの実施形態を概略的に示し、指向性送信器、受動型トランスポンダ、及び受信器の間の無線インタラクションを利用して、操作ユニットのスロット24640b内でのアダプタの正しい位置決め及び/または向きを証明することを例示する。操作ユニット24610bは、LEDなどの光源24650b、またはレーザなどの集束ビーム源を含む。光源24650bによって生成される光は、場合によってはスロット24640b内の窓または開口部(本明細書では図示せず)に通して、アダプタ24620bの方に向けられる。アダプタ24620bがスロット24640bの内側に適切に位置決めされるとき、光ビームは、光源によって生成されると、アダプタ24620b上に収容された反射器24654b(鏡など)から操作ユニット24610b内の光検出器24652bに向けて反射される。次いで、光検出器からの検知信号は、スロット24640bの内側のアダプタ24620bの位置及び/またはその向きを証明することができる。これにより検知信号は、アダプタ内のプラズマの(例えば、コントローラ24670bによる)活性化を可能にするために使用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、操作ユニットは光源を含まないが、アダプタは、光源(本明細書では図示せず)、例えば指向性光源を含み、光源は、バッテリ(本明細書では図示せず)によって給電される。アダプタ上の光源は、操作ユニットの光検出器の方に光を向けることによって、アダプタが操作ユニットのスロット内で適切に位置決めされていることを証明するように構成され得る。
図25Cは、送信器なしで、関連するアダプタ24620cの妥当性確認及び/または位置決め及び/または向き、またはスロット24640c内でのその位置を証明することを可能にする装置24600cの実施形態を概略的に示す。アダプタ24620cは、コードステッカ24654cを含むが、操作ユニット24610cは、光学リーダ24652cを含み、この光学リーダは、アダプタ24620cがスロットの内側に適切に位置決めされているとき、コードステッカ24654c上のコードを(可能であればスロット24640cの窓または開口部(本明細書では図示せず)を通して)読み取るように構成される。このような読み取りは、いくつかの実施形態では、当技術分野で既知のレーザビームを使用して達成され得る。いくつかの実施形態では、このような読み取りは、専用の光源なしで周囲光を使用して達成される。コードステッカ上のコードは、コードリーダによってデコードされてもよく、対応する妥当性確認信号は、操作ユニット24610cのコントローラ24670cに送信されてもよい。さらに、または代替に、コードステッカ上のコードは、コントローラによって(例えば、コードステッカの画像を受信して画像解析アルゴリズムを使用する方法によって)デコードされてもよい。コードステッカから読み取られたコードは、例えばアダプタ内の特異的な医療装置に適した正しい処理プロトコルの使用を証明する目的で、アダプタのアイデンティティを妥当性確認するために使用され得る。
図25Dは、関連するアダプタ24620dの妥当性を証明することを可能にする装置24600dの実施形態を例示する。操作ユニット24610dは、コントローラ24670dに機能的に関連しているRFIDリーダ24650dを含むが、アダプタ24620dは、RFIDチップ24654dを含む。いくつかの実施形態では、RFIDチップ24654dは、RFIDリーダ24650dから受信した放射線によって作動してよく、RFIDチップを専用のエネルギー源から実質的に独立させてよく、受信したエネルギーがRFIDチップを作動させるのに十分であるRFIDリーダ周囲の任意の位置から応答可能であってよい。いくつかの実施形態によれば、RFIDチップ24654dは、バッテリのようなアダプタのポータブルなエネルギー源によって作動してもよく、これによって、アダプタの外部のエネルギー源から独立していてもよい。いくつかの実施形態では、RFIDチップは、アダプタがスロット内に適切に位置決めされているときにのみ、例えば電気接点を介してまたは無線で、操作ユニットのエネルギー源によってエネルギーが供給され得る。アダプタ24620dが操作ユニット24610dの近傍にあるとき、RFIDリーダ24650dはRFIDチップ24654dを識別することができることによって、アダプタ24620dのタイプを識別し、場合によっては、アダプタの内側の医療装置のタイプに対するプラズマ活性化プロトコルの適切性を証明することができる。いくつかの実施形態では、RFIDチップは、RFIDチップの単なる作動、またはRFIDリーダに向けて妥当性確認応答信号の送信をレジストレーションするように構成されてよく、これにより、作動のインスタンスまたはアダプタの使用のインスタンスを監視することが可能になる。
図25Eは、関連するアダプタ24620eの妥当性及び操作ユニット24610eのスロット24640e内のアダプタの位置を証明することを可能にする装置24600eの実施形態を例示する。アダプタ24620eは、スマートカード24654e(ユニバーサル集積回路カード(UICC)、例えば、加入者識別モジュール(SIM))を含み、操作ユニット24610eは、コントローラ24670eに機能的に関連しているカードリーダ24650eを含む。アダプタ24620eがスロット24640e内にあるとき、スマートカード24654eはカードリーダ24650eによって読み取られ、スロット内のアダプタの適切な位置を証明してもよく、及び/または上述のようにアダプタ24620eを識別してもよい。スマートカードを読み取るためには、カードリーダがスマートカードに接触することから、スロット内にアダプタを正確に位置決めすることが必要とされ、アダプタ及び/または操作ユニットの作動を妥当性確認する。アダプタの識別を使用して、いくつかのアダプタのタイプの中からアダプタのタイプを識別し得、さらに、または代替に、使用中に特異的なアダプタを識別し得る。アダプタの識別を使用して、アダプタのタイプに応じてプラズマ処理プロトコルを承認しても、許可しても(または阻止しても)よく、及び/または装置の使用という特異的なイベント中に特異的なアダプタの使用を承認しても、許可しても(または阻止しても)よい。
従って、本発明の態様によれば、医療手技に対して医療装置(21200、22400、22450、24602)を準備するための装置(21100、21100a、23508、23538、23568、24600、24600a、24600b、24600c、24600d、24600e)が提供される。医療装置は、患者の身体に挿入されることを意図した遠位セグメント(21210、22402、22452、24608)を有し、遠位セグメントは、光学面(21222、22408、22456、24606)を有する光学部材(21220、22406、22454、24604)を含む。一般に、医療装置のそれぞれが、説明よって明示的に別段の指示がない限り、各装置によって処理され得る(例えば、医療装置がその遠位セグメントに金属面を有している状態で使用されるように明示的に構成される、図22Aのアダプタ22300によって医療装置22450が処理され得ない)ことを理解されたい。
装置は、操作ユニット(21120、21120a、22420、23512、23542、23572、24610、24610a、24610b、24610c、24610d、24610e)と、操作ユニットから係脱されたアダプタ(21110、21110a、22300、23510、23540、23570、24620、24620a、24620b、24620c、24620d、24620e)と、操作ユニット(アノード22430)によって、またはアダプタ(アダプタ23540及び23570内)によって、またはその両方(装置23508、24600、24600a、24600b、24600c、24600d、24600e内)によって含まれ得る少なくとも1つの電極(22430、23516、23546、23576、24660、24660a、24660b、24660c、24660d、24660e)とを含む。操作ユニットは、EM電源(24644)及びハウジングを含んでもよく、このハウジングは、スロット(21122、21122a、22422、23530、23560、590、24640、24640a、24640、24640b、24640c、24640d、24640e)を含み、スロット内にアダプタを受容するように構成されてもよい。さらに操作ユニットは、対応するトランスポンダ(24654、24654a、24654b、24654c、24654d、24654e)から識別信号を受信するように構成されたアダプタ識別子(24652、24650a、24652b、24652c、24650d、24650e)、及びアダプタ識別子に機能的に関連するコントローラ(24670)を含む。
アダプタは、中空シリンダ(22312、23510、23540、23570、24630、24630a、24630b、24630c、24630d、24630e)を含み、中空シリンダは、開口部(アダプタ21110a、22314内のアダプタ21110、21114a内の開口部21114)と中空シリンダの遠位端部(22316、23518、23548、23578)との間に延在する(開口部は図23A~図23C、図24、及び図25A~図25Eに明示的に示されず、シリンダ遠位端部は図24及び図25A~図25Eに明示的に列挙されていない)。開口部は、遠位セグメントを中空シリンダに挿入することを可能にする寸法に作られる。アダプタはシール(22320、23520、23550、23580、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)を含み、シールは、中空シリンダ内に位置決めされ、シールと中空シリンダの遠位端部との間に中空シリンダの遠位部(22302、23524、23554、23584、24634)を画定する。シールは、遠位セグメントが中空シリンダに挿入されるとき、遠位セグメントの外周部を密嵌する寸法に作られる。アダプタはトランスポンダをさらに含み、トランスポンダは、アダプタがスロット内にあるとき、アダプタ識別子に対してアダプタまたはその位置を識別する識別信号を伝送するように構成される。この装置は、遠位セグメントがアダプタの中空シリンダ内にあるとき、アダプタがスロット内にあり、アダプタ識別子がトランスポンダからの識別信号を受信して、少なくとも1つの電極によって中空シリンダの遠位部にプラズマ発生EM場を印加し、電極が電源からEM力を受電するように構成される。
操作ユニットのアダプタ識別子及びアダプタのトランスポンダを含む識別システムが、装置24600及び24600a~24600eに明示的に示されて詳細に説明されているが、装置21100、23508、23538、及び23568を含む本発明の全ての装置に利用されても使用されてもよいことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、トランスポンダは、磁石(24654a)、鏡(24654b)、光源、光学フィルタ、コードステッカ(24654c)、RFIDチップ(24654d)及びスマートカード(24654e)からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、シールは微生物シール(22320、23520、23550、23580、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)である。いくつかの実施形態では、シールは真空シール(22320、23520、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)である。
いくつかの実施形態では、シール(22320、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)は、非円形周縁部に沿って遠位セグメントを密嵌するように構成される。いくつかの実施形態では、シール(22320)は、様々な周縁部を有する遠位セグメントを密嵌するように構成される。いくつかの実施形態では、シール(22320)は、Lの第一周縁部と1.5L超の第二周縁部との間の範囲内の円形周縁部を有する遠位セグメントを密嵌するように構成される。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22312)は外部真空シール(22380)をさらに含み、この外部真空シールは、アダプタの外周部に沿って位置決めされ、アダプタと操作ユニット(22420)のスロット(22422)の内壁部との間のギャップを、アダプタがスロットに挿入されるとき、密閉するように構成される。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22300、23510、23540、23570、24620、24620a、24620b、24620c、24620d、24620e)は、中空シリンダの遠位部上にポンプ開口部(22368、23528、23558、23588、24632、24632a、24632b、24632c、24632d、24632e)をさらに含み、このポンプ開口部は、中空シリンダの遠位部からガスをポンピングすること、またはそこ(例えば、装置23538、23568)にガスを流すことを可能にするように構成される。
いくつかの実施形態では、操作ユニット(24610、24610a、24610b、24610c、24610d、24610e)はポンプ(24612、24612a、24612b、24612c、24612d、24612e)をさらに含み、このポンプは、アダプタがスロット内にあるとき、ポンプ開口部を介して、中空シリンダの遠位部(24634、24634a、24634b、24634c、24634d、24634e)からガスをポンピングするように構成される。
いくつかの実施形態では、操作ユニットはガスポートをさらに含み、ガスポートは、アダプタがスロット内にあるとき、ガスリザーバまたはガスポンプを、操作ユニットの外部で、中空シリンダのポンプ開口部に流体連通させるように構成される。
いくつかの実施形態では、ポンプ開口部(22368)は微生物バリアを装備し、微生物バリアは、使用中にベント開口部を通じた中空シリンダ内への混入物の侵入を防止するように構成される。いくつかの実施形態では、微生物バリアは無菌フィルタである。いくつかの実施形態では、微生物バリアは一方向弁(22370)である。
いくつかの実施形態では、操作ユニット(21120a)は、充電式バッテリをさらに含む。
いくつかの実施形態では、装置(21100a)は、操作ユニット(21120a)及びアダプタ(21110a)から係脱した無菌容器(21150)をさらに含み、無菌容器は、容器開口部(21160)を有し、アダプタ(21110a)がスロット(21122a)内にあるとき、操作ユニットをその内側に収容する寸法に作られる。いくつかの実施形態では、アダプタは、中空シリンダ(21114a)の開口部と合致するスクリーン開口部を有する無菌スクリーン(21152)をさらに含み、無菌スクリーンは、アダプタがスロット内にあるとき、容器開口部(21160)に嵌合して閉じる寸法に作られ、それに嵌合して閉じるように構成される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極(23544、23546、23574、23576)は、アダプタ(23540、23570)に含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極(22430)は、操作ユニット(22420)に含まれる。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22300)は、アダプタの外側の上の外部接点(22332a、22332b)を、中空シリンダの内側(22306)の上の電気接点(22334a、22334b)と電気接続する電気フィードスルー(22330a、22330b)を含み、遠位セグメント(22402)が中空シリンダの内側に受容されるとき、電気接点は遠位セグメントに接触するように構成される。
いくつかの実施形態では、プラズマ発生場は、少なくとも1つの電極(22430)と遠位端部(22402)上の金属面(22404)との間に印加され、金属面はアダプタ(22300)の電気接点(22434a、22434b)と接触している。
さらに、本発明の態様によれば、医療手技のために上述のように医療装置を準備するための操作ユニット(21120、21120a、22420、23512、23542、23572、24610、24610a、24610b、24610c、24610d、24610e)と共に使用するためのアダプタ(21110、21110a、22300、23510、23540、23570、24620、24620a、24620b、24620c、24620d、24620e)が提供され、アダプタは、操作ユニット及び医療装置から係脱可能である。アダプタは中空シリンダを含み、中空シリンダは、医療装置の遠位セグメントを受容する寸法に作られてそれを受容するように構成された開口部と、中空シリンダの遠位端部との間に延在する。アダプタはシール(22320、23520、23550、23580、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)をさらに含み、このシールは、中空シリンダ内に位置決めされ、シールと中空シリンダの遠位端部との間に中空シリンダの遠位部(22302、23524、23554、23584、24634)を画定し、シールは、遠位セグメントが中空シリンダに挿入されるとき、遠位セグメントの外周部を密嵌する寸法に作られる。そして、アダプタがスロット内にあるとき、アダプタは、アダプタを識別する識別信号を伝送するように構成されたトランスポンダ(24654、24654a、24654b、24654c、24654d、24654e)をさらに含む。
いくつかの実施形態では、トランスポンダ(24654c、24654d、24654e)は、アダプタを識別する情報を格納する。いくつかの実施形態では、トランスポンダ(24654d、24654e)は、コード化信号に応答して識別信号を伝送することによって、アダプタを識別するように構成される。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22300、24620、24620a、24620b、24620c、24620d、24620e)は電気フィードスルー(22330)をさらに含み、この電気フィードスルーは、アダプタの外側部の上の外部接点(22332)を中空シリンダの内側部の上の導電体(22334、24622a、24622b、24622c、24622d、24622e)に電気接続する。
いくつかの実施形態では、導電体(22334)は電気接点(22334a、22334b)として構成され、この電気接点は、遠位セグメントが中空シリンダに受け入れられるとき、医療装置の遠位セグメントの外面(22404)に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、導電体は、電極(24622a、24622b、24622c、24622d、24622e)として構成される。
いくつかの実施形態では、アダプタは、中空シリンダ内への医療装置の遠位セグメントの前進を制限するように構成されたストッパ(22372)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ストッパは、第一電極と第二電極との間の誘電体バリアとして用いられることにより、使用中、医療装置の光学部材の方にプラズマを集束させることを支援する。
いくつかの実施形態では、アダプタは、開口部(22314)の近くに位置決めされた中空スタビライザ(22374)をさらに含み、中空スタビライザは、そこに通して医療装置の遠位セグメントを受容するように構成され、医療装置の外周部を嵌合することにより、中空シリンダ内で医療装置を安定させるように適合される。
いくつかの実施形態では、アダプタ(21110a)は、中空シリンダの開口部(21114a)と合致するスクリーン開口部を有する硬性無菌スクリーン(21152)をさらに含む。
いくつかの実施形態では、シール(22320、24664、24664a、24664b、24664c、24664d、24664e)は、非円形周縁部に沿って遠位セグメントを密嵌するように構成される。いくつかの実施形態では、シール(22320)は、様々な周縁部を有する遠位セグメントを密嵌するように構成される。いくつかの実施形態では、シール(22320)は、Lの第一周縁部と1.5L超の第二周縁部との間の範囲内の円形周縁部を有する遠位セグメントを密嵌するように構成される。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22300、23510、23540、23570、24620、24620a、24620b、24620c、24620d、24620e)は、中空シリンダの遠位部にポンプ開口部(22368、23528、23558、23588、24632、24632a、24632b、24632c、24632d、24632e)をさらに含み、このポンプ開口部は、医療装置の遠位セグメントがアダプタの内側にあるとき、ポンプ開口部を通して中空シリンダの内側部からガスをポンピングすること(またはその内側部にガスを流入させること)を可能にする。いくつかの実施形態では、アダプタ(22300)は、無菌バリアをさらに含み、無菌バリアは、遠位開口部と流体連通し、アダプタの外側部から当該遠位開口部を通して中空シリンダの内側部への混入物の侵入を防止するように構成される。いくつかの実施形態では、無菌バリアは一方向弁(22370)である。いくつかの実施形態では、無菌バリアは無菌フィルタである。
いくつかの実施形態では、アダプタ(22300)は、外部真空シール(22380)をさらに含み、外部真空シールは、アダプタの外周部に沿って位置決めされ、アダプタと装置のスロットの内壁部との間のギャップを、アダプタがスロットに挿入されるとき、密閉するように構成される。
またさらに、本発明の態様によれば、医療手技のために上述のように医療装置(22400)を準備するための操作ユニット(22420)と共に使用するためのアダプタ(22300)が提供され、アダプタは、操作ユニット及び医療装置から係脱可能である。アダプタは中空シリンダ(22312)を含み、中空シリンダは、医療装置の遠位セグメントを受容する寸法に作られてそれを受容するように構成された開口部(22314)と、中空シリンダの遠位端部(22316)との間に延在する。さらにアダプタはシール(22320)を含み、シールは、中空シリンダ内に位置決めされ、シールと中空シリンダの遠位端部との間に中空シリンダの遠位部(22302)を画定する。シールは、Lの第一周縁部と1.5L超の第二周縁部との間の範囲内の外周部を有する遠位セグメントを密嵌する寸法に作られる。またアダプタは、中空シリンダの外側の外部接点(22332a、22332b)を、中空シリンダの内側の導電体(22334a、22334b)に電気接続する電気フィードスルー(22330a、22330b)をさらに含む。
本開示の態様によれば、単一の患者で実施される医療手技のために少なくとも第一医療装置及び第二医療装置を準備する方法も提供される。各医療装置は、光学部材を含む遠位セグメントを有する。第一及び第二医療装置の一方の遠位セグメントの周縁部はLであり、他方の医療装置の遠位セグメントの周縁部は1.2Lよりも大きい。方法は、電源と電気接続してプラズマチャンバ内にプラズマ発生EM場を印加するように構成された少なくとも1つの電極(22430)を含むプラズマチャンバ(スロット22422内にアダプタ22300があるときにアダプタの遠位部22302)を設けることを含む。またプラズマチャンバは、開口部(22314)及びシール(22320)を含み、このシールは、シールを通して開口部に、第一及び第二医療装置のそれぞれの遠位セグメントを受容する寸法に作られ、それを受容するように構成される。さらに方法は、第一医療装置の遠位セグメントを、開口部を通してプラズマチャンバに挿入することを含むため、シール及び遠位端部が合わさり開口部を密閉する。さらに方法は、EM力を電源から少なくとも1つの電極に供給することにより、プラズマ発生EM場を印加し、光学部材の近傍にプラズマを発生させることを含む。そして方法は、遠位セグメントを挿入するステップと、第二医療装置にEM力を供給するステップとを繰り返すことをさらに含む。いくつかの実施形態では、医療装置は内視鏡であり、一方は直径Dを有する遠位部材を含み、他方は直径2Dを有する遠位部材を含む。
そしてまた、本発明の態様によれば、可撓性材料で作られた適応的シール(22320)がさらに提供される。シールは、外側チューブ(22322)及び内側環状リング(22324)が組み合わされた形状に作られ、内側環状リングは、外側チューブとシールの中央開口部(22328)との間に少なくとも1つの波頭部(22326)を有する波状曲線に沿って半径方向に延在する。そのため、中央開口部内に位置決めされ、Lの第一周縁部と1.5Lの第二周縁部との間の範囲内の滑らかな周縁部を有する部材の外面に適応的シールが密嵌するように構成される。本明細書では滑らかな周縁部は、凸形状の輪郭を描き、角部または鋭い縁部を有しない凸状曲線を意味するものである。
いくつかの実施形態では、外側チューブは円形シリンダである。いくつかの実施形態では、可撓性材料はシリコーンである。いくつかの実施形態では、可撓性材料は、25~90ショアの間の硬さを有する。いくつかの実施形態では、内側環状リングは、少なくとも2つまたは少なくとも3つの波頭部を有する波状曲線に沿って半径方向に延在する。
そしてまた、本発明の態様によれば、チューブに挿入された部材を使用してチューブを密閉する方法がさらに提供される。方法は、適応的シール22320を設けることと、シールの外側チューブ(22322)がチューブの内壁部と合致するように密閉されるチューブ(例えば、中空シリンダ22312)内に適応的シールを配置することと、シールの外側チューブに挿入された少なくとも1つのより小さいチューブ(第二中間セグメント22344の縁部)を使用して、チューブに適応的シールを締着するため、チューブとより小さいチューブとの間のギャップが密閉されることとを含む。さらに方法は、部材を適応的シールの中央開口部に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、より小さいチューブはリングである。
いくつかの開示された実施形態は、機器の処理を含む。本明細書で使用される場合、「機器」は、特定の機能を実行するように構成された任意のコンポーネントまたはデバイスを含み得る。非限定的な例として、機器は、医療装置、または身体を検査する、診断する、及び/または治療するように構成された装置を含み得る。いくつかの実施形態によれば、機器を処理するための装置が提供される。そのような装置は、物質及び/またはエネルギーを機器に与えるように、またはその他の方法で機器の1つもしくは複数の特性を変更するように構成された任意のコンポーネントまたはデバイスを含み得る。例えば、「機器を処理する」ための装置の非限定的な例は、機器をクリーニングするもしくは無菌にするための装置、機器の表面品質を変更する(例えば、機器をより親水性もしくは疎水性にする)ための装置、機器の外観を変更するための装置、または材料を機器に蓄積させるもしくは機器から除去するための装置を含み得る。
いくつかの実施形態は、真空環境中で機器を処理すること含むことができる。「真空環境」は、圧力が大気圧より低い任意の完全封入空間または部分封入空間を含み得る。例えば、真空環境は、プラズマ形成を可能にするのに十分な大気圧をわずかに下回る圧力または大気圧より低い圧力を有し得る。「真空環境」は、さらにまたは代替に、実質的に全てのガス及び他の材料が(例えば、真空ポンプを用いて、使用される真空ポンプの制約内で)除去された密閉容積を指し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された装置は、装置及び/または機器が真空環境中に配置されている間に、機器を処理することができる。さらに、または代替に、本明細書に開示された装置は、機器を処理する過程で真空環境を利用することができる。真空環境の形成位置のいくつかの非限定的な例は、シース410の内側部322(図3A~図3C)、閉空間520(図4)、プラズマ発生ゾーン716(図7)、中空シリンダ22312の遠位部22302(図22C)、及び/または中空シリンダ24630の遠位部24634(図24)を含む。
いくつかの実施形態は、異なる寸法の機器を処理することを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「寸法」は、長さ、幅、広さ、深さ、高さ、直径、半径、円周、表面積、断面積、距離、斜辺、及び弧長を含むがこれらに限定されない、任意の測定可能な程度の物を含むことができる。従って、本明細書に開示された装置は、1つ以上の寸法内で変動する複数の機器の部分を処理するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、開示された装置の1つ以上のコンポーネントは、異なる寸法の機器を収容するために調整可能であってもよく、または柔軟性であってもよい。
いくつかの開示された実施形態は、チャネルを有する筐体を含む。そのような筐体は、別のデバイスまたはコンポーネントを部分的か全体的かいずれかで包むまたは囲むように構成された任意の構造体、ケーシング、バリア、フレーム、またはカバーを含むことができる。例えば、筐体は、気密またはハーメチックシールされた環境を与えるように構成されてよく、その内に別のデバイスまたはコンポーネントを配置することができる。いくつかの実施形態では、チャネルは、本明細書に記載された「孔部」だけでなく、筐体の外側の領域から筐体の内部空間または容積への任意の開口部または通路を含み得る。チャネルを有する筐体のいくつかの非限定的な例には、中空シリンダ312(内部空間またはチャネルを有する)、内部チャネル714を有するシース800(図8A~図8B)、内部チャネル1104を有するシース718(図11)、及び内部チャネル22313を有する中空シリンダ22312(図22A)が含まれる。
いくつかの実施形態では、筐体は、使い捨てシースである。本明細書に使用される場合、「使い捨て」という用語は、一回のみ(または限られた時間)使用されてから、廃棄されることを意図した物品を指し得る。例えば、「使い捨て」物品は、単一操作もしくは手技での使用を意図したものであってもよく、または一回患者の体内に挿入された後、取り出されて廃棄されてもよい。本開示の他の箇所で論じられるように、「シース」という用語は、物体の周りに密嵌するカバーまたは支持構造体を指し得る。例えば、シースは、医療機器の光学素子を封入し得る。例示的な一実施形態では、シースは、細長い、可撓性で、使い捨てのチューブであり得、医療機器が別のデバイスまたは患者の体内に挿入されるとき、シース内に医療機器の一部を保定する。例えば、図1Aの保護シュラウド110、図2の保護シュラウド310、及び図8Aのシース800は、開示された実施形態による、使い捨てであってもよいシースのいくつかの非限定的な例である。別の例として、保護シュラウド310は、内視鏡380の遠位端部382(図2)を受容するサイズ(例えば、寸法)に作られてもよく、遠位端部382にビューポート390が設けられる。従って、保護シュラウド310は、使い捨てシースの別の例であってもよい。
いくつかの実施形態では、チャネルは、細長いツールを受容するように構成される。本明細書で使用される場合、「受容する」という用語は、物体を保持する、封入する、支持する、またはその他の方法で収容する能力を指し得る。例えば、物体は、筐体の外側の領域からチャネルに挿入されてもよく(従って、チャネルは物体を受容してもよく)、任意選択でチャネルから取り外されてもよい。また本明細書で使用される場合、細長いツールは、その幅よりも長い長さを有するデバイスまたはコンポーネントを含んでよい。例えば、細長いツールは、その幅の2倍の長さ、その幅の3倍の長さ、またはその長さと幅との間の任意のその他の所望の比率を有してもよい。細長いツールのいくつかの非限定的な例には、内視鏡、針、カテーテル、チューブ、シリンジ、ガイドワイヤ、及び電線が含まれることができる。いくつかの実施形態では、チャネルは、細長い物体の全体を受容するサイズに作られてもよく、それを受容するように構成されてもよい。さらに、または代替に、チャネルは、細長いツールの一部を、細長いツールの別の部分がチャネルの外側に留まっている間、受容するサイズに作られてもよく、受容するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、チャネルは、様々な直径の細長いツールを受容するように構成される。例えば、チャネルは、複数の細長いツールを受容するように構成されてもよく、各ツールは異なる外径を有してもよい。複数の細長いツールは、チャネル内に順次に受容されてもよい(例えば、第一ツールを挿入して取り外してから、第二ツールを挿入し、以下同様である)。さらに、または代替に、複数の細長いツールをチャネル内に一斉に受容することができる(つまり、複数のツールをチャネル内に同時に受容することができる)。非限定的な例として、図12は、開口部1210及び内部チャネル1212を有するシース800を示す。チャネル1212は、異なる外径を有することができる複数の細長いツール1220及び1222(例えば、内視鏡)を受容するように構成されることができる。例えば、ツール1220は、ツール1222の外径「d」の2倍の大きさの「2d」の外径を有してもよい。様々な直径を有するにもかかわらず、細長いツール1220及び1222の両方は、開口部1210を通過してチャネル1212に入ることができる。
いくつかの実施形態では、筐体は、真空チャンバ領域及び非真空領域に分割される。本明細書に使用される場合、真空チャンバ領域は、筐体内の大気圧より低い圧力を有する空間を指し得る。例えば、真空チャンバ領域は、ガス及び他の材料の一部または全部を(例えば1つ以上の真空ポンプによって)除去することを可能にすることにより、真空チャンバ領域内の圧力が大気圧より低い圧力に低下するように設計された空間を指し得る。いくつかの実施形態では、真空チャンバ領域は、0.1atm~0.01atmの間の圧力を有し得る。また本明細書に使用される場合、非真空領域は、真空チャンバ領域よりも高い圧力を有する筐体内の空間を指し得る。いくつかの実施形態では、非真空領域は、大気圧に等しい圧力を有してもよい(例えば、非真空領域は外部環境に開放されてもよい)。代替に、非真空領域は、真空チャンバ領域の圧力よりも高い、大気圧より低い圧力を有してもよい。代替に、非真空領域は、大気圧よりも高い圧力を有してもよい。いくつかの実施形態では、装置は、真空チャンバ領域及び非真空領域の一方または両方の内の圧力を調整するように構成された機構(例えば、1つ以上の真空ポンプ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置は、真空チャンバ領域及び非真空領域が、ある特定の時点で(例えば、細長いツールがチャネルから取り外されるときに)等しい圧力を有し、他の時点で(例えば、細長いツールがチャネル内に受け入れられるときに)異なる圧力を有するように構成されてもよい。
一例として、図3Aのシース(またはシュラウド)310は、外部環境(外側部324)に対して開放されるように構成される近位領域314から、真空シール320を介して、分離される大気圧より低い内側領域322を含む(すなわち、大気圧より低い環境を維持するように構成される)。いくつかの実施形態では、流体(例えば、空気)は、ホース364を介して内側領域322から取り除かれることにより、内側領域322内に真空を生成することができる。別の例として、図22Cのアダプタ22300は、適応的真空シール22320によって遠位部22302(真空チャンバ領域の一例)及び近位部22315(非真空領域の一例)に分割される中空シリンダ22312を含む。遠位部22302が近位部22315よりも低い圧力を有している状態で、それらの部の間に圧力差が確立されて、維持されることができる。
いくつかの開示された実施形態は、環状シールを含む。本明細書に使用される場合、「シール」は、第一領域から第二領域への流体(例えば、空気)の通過または漏れを防止するように構成された素子、デバイス、または装置を指し得る。例えば、「シール」は、2つの領域間の圧力差を維持するように構成されたデバイスまたは装置を指し得る。いくつかの実施形態では、シールは、高圧の第一領域と低圧の第二領域との間の連結部または通路内に設けられることができ、第一領域から第二領域への流体の流れを遮断することができる。いくつかの実施形態では、シールは(例えば、流体通過を可能にするために、または別のデバイスを受容するために)取り除かれてもよく、または破壊されてもよい。さらに、または代替に、シールを調整して、または変形させて、シールによって、またはシールを介して材料の通過を可能にしてもよい。また本明細書で使用される場合、「環状」という用語は、「リング形状」を意味し得、またはそれを通して延在する1つ以上の開口部を有する物体を指し得る。従って、環状シールは、2つの領域間の流体の流動または漏れを防止するように構成されたリング形状の装置またはデバイスを指し得る。いくつかの実施形態は、単一環状シールを含んでもよい。代替の実施形態は、2つの環状シール、3つの環状シール、4つの環状シール、または任意のその他の適切な数の環状シールを含んでもよい。環状シールのいくつかの非限定的な例には、フランジガスケット、Oリング、ピストンリング、または周縁部もしくは周辺部の周りにバリアを形成するように構成された任意のその他の構造体が含まれる。
いくつかの実施形態では、環状シールは、真空チャンバ領域と非真空領域との間に配置される。上述のように、真空チャンバ領域は、非真空領域より低い圧力を維持するように構成され得る。従って、環状シールは、真空チャンバ領域及び非真空領域を連結する流路内に設けられ得、流体が非真空領域から真空チャンバ領域に通過するのを遮断し得ることにより、これらの間の圧力差を維持し得る。一例として、図12は、遠位部1214と近位部1216との間の内に設けられたリング形状シール1200を有するシース800を示す。細長い装置(例えば、ツール1220またはツール1222)がチャネル1212内に受容されるとき、シール1200は、遠位部1214を近位部1216から分離する流体密封シールを設けるようにツールの外面に圧接してもよい。その結果、それらの部の間に圧力差が維持されることができる(遠位部1214は近位部1216よりも低い圧力を有することができる)。
いくつかの実施形態では、環状シールは可撓性材料から形成される。例えば、環状シールは、シールが破損することなく、加えられた力によって曲がり得る、または圧縮され得るように弾力的であってもよい。可撓性材料のいくつかの非限定的な例には、ゴム、合成ゴム(例えば、EPDMゴム、フルオロエラストマー、ニトリルゴム、もしくはシリコーンゴム)、サーモプラスチック(例えば、PEBA、熱可塑性ポリウレタン、もしくは熱可塑性エラストマー)、または流体の流動を防止することができる任意の他の適切な材料が含まれ得る。いくつかの実施形態では、環状シールは、一般的なロックウェルA硬さ値に基づいて、25ショア~90ショアの範囲内の硬さを有する。いくつかの実施形態では、環状シールは、一般的なロックウェルA硬さ値に基づいて、35ショア~65ショアの範囲内の硬さを有する。例えば、環状シールは、シールが圧縮されたまたはその他の方法で変形された後にその元の形状に戻り得るように、塑性変形に十分に抵抗性であってもよい。従って、環状シールは、大きい圧力差または別の力がそれに加えられるとき、その形状(ひいては、流体シールとして機能するその能力)を失わない。
いくつかの実施形態では、上述のように、環状シールは開口部を含む。開口部は、物体がシールの開口部を通って前進し得るように、シールの1つの端部からのもう1つの端部まで延在し得る。環状シールは、1つの開口部、2つの開口部、3つの開口部、または任意のその他の適切な数の開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、環状シールの開口径は4.5mm未満である。本明細書で使用される場合、「開口径」は、環状シールを通る開口部の直径を指し得る。いくつかの実施形態では、シールの開口径は、開口部が付勢されていない位置内にある(すなわち、開口部を広げるまたは拡大させる力が加えられていない)とき、4.5mm未満であり得る。非限定的な例として、図12に示される環状シール1200は、4.5mm未満の直径を有し得る開口部1230を含む。いくつかの実施形態では、環状シールの開口部の直径は、ツールの挿入時に変化するように構成される。例えば、上述のように、環状シールは、可撓性材料で構成されてもよい。その結果、開口部は、開口部の直径よりも大きい直径を有するツールを収容するためにより大きくなり得る(すなわち、より大きい直径を有するように伸縮性であり得る)。ツールが開口部から取り出されるとき、開口部は、構成される弾力的な材料により、その元の形状及びサイズに戻り得る。
いくつかの実施形態では、環状シールはフラップを含む。本明細書に使用される場合、「フラップ」は、環状シールの残部の1つの側部のみに連結される構成部品を指し得る。その結果、フラップは、環状シールとの連結点を中心として蝶着されてもよく、または枢動してもよい。いくつかの実施形態では、フラップは、環状シールの開口部の周囲に延在することができる。例えば、フラップは、開口部の直径全体の周りに延在し得ることにより、フラップも環状であり得る(すなわち、フラップを通る開口部が存在し得る)。代替に、フラップは、環状シールの外面に連結されてもよい。非限定的な例として、図12は、開口部1230を有する環状シール1200と、シールの環状側壁部1234を中心として枢動することができるフラップ1232とを示す。またフラップ1232は環状であってもよく、シールの開口部1230もフラップを通る開口部であってもよい。
いくつかの実施形態では、環状シールは筐体のチャネル内に設けられる。例えば、環状シールは、筐体の内壁部の上に取り付けられてもよく、またはその他の方法でその内壁部に連結されてもよい。その結果、細長いツールがチャネル内に前進するとき、環状シールはツールと接触するようになることができる。いくつかの実施形態では、環状シールのフラップは、筐体の壁部からチャネル内に内向きに延出するように構成される。例えば、環状シールは、筐体の側壁部の上に配置されてもよい。フラップは、筐体の内壁部からチャネルの中心の方に内向きに延出することにより、チャネルよりも小さい直径を有する開口部を設けることができる。非限定的な例として、図12は、チャネル1212内に位置している環状シール1200を有するシース800を示す。フラップ1232がシース800の側壁部からチャネル1212の中心の方に内向きに延出するように構成されるため、環状シール1200はシース800の側壁部の上に着座し得る。代替の実施形態では、環状シールは、筐体の異なる部分内に設けられる。
いくつかの実施形態では、環状シールは、環状シールを通して挿入されたツールの壁部に対して真空シールを形成するように構成される。本明細書で使用される場合、「真空シール」は、それらの間(すなわち、環状シールと他の物体との間)に流体密封シールを設けるのに十分な力によって、別の物体に圧接する環状シールの能力を指し得る。例えば、環状シールの弾力的な材料により、環状シールを通る開口部は、伸縮性であり得、通過する物体(例えば、環状シールの開口部を通り前進するツール)を収容するために、より大きくなり得る。しかしながら、材料の可撓性及び硬さの両方に起因して、開口部の周りの材料は物体に圧接し、流体密封シールを確立するのに十分な力をかけることができる。従って、環状シール(真空チャンバ領域内など)の1つの側部の上に真空が作り出されるとき、環状シールは、非真空領域と真空チャンバ領域との間で流体が漏れることを遮断し得るため、圧力差を維持し得る。
さらに、その弾力的な特性により、環状シールは、異なる形状及び寸法を有するツールを収容し、それに対して真空シールを形成するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、環状シールは、その内に第一ツールが挿入されるときに第一ツールの壁部に対して、またその内に第二ツールが挿入されるときに第二ツールの壁部に対して真空シールを形成するように構成され、第一ツールは第二ツールの直径よりも少なくとも1.5倍大きい直径を有する。さらに、または代替に、環状シールは、それぞれの長さ、幅、表面積、及び断面積などの異なる他の寸法を有するツールに対して真空シールを形成するように構成され得る。非限定的な例として、図12は、第一ツール1220及び第二ツール1222の両方を受容するように構成された環状シール1200を有するシース800を示す。示される例では、第一ツール1220は、第二ツール1222の直径dよりも2倍大きい直径2dを有し得るが、ツールは、1.5~4の間の比率を有する他の相対直径を有し得る。環状シール1200は、第一ツール1220が開口部1230に挿入される場合、第一ツール1220に対して真空シールを形成するように構成され得る。また環状シール1200は、第二ツール1222が開口部1230に挿入される場合、第二ツール1222に対して真空シールを形成するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、第一ツール及び第二ツールは、異なるサイズの光学医用スコープである。本明細書で使用される場合、光学医用スコープは、体内の腔もしくは臓器を可視化するために、または医療手技を支援するために、体内の開口部(例えば、外科用開口部、または口もしくは肛門などの既存の開口部)に挿入されるように構成された器具を指し得る。例えば、光学医用スコープは、本開示の他の箇所で定義されるように、内視鏡を含むことができる。光学医用スコープは、スコープの遠位端部またはその付近に、少なくとも1つの撮像機構(例えば、小型カメラ)を含むことができる。さらに、または代替に、光学医用スコープは、その遠位端部またはその付近に光源を含んでよい。第一光学医用スコープ及び第二光学医用スコープは、異なる直径、異なる長さ、異なる幅、異なる表面積、及び異なる断面積のうちの少なくとも1つなど、異なるサイズを有する。しかしながら、その弾力的な構造及び環状形状に起因して、環状シールは、異なるサイズの医用スコープに適合し、これらに対して密閉するように構成される。
いくつかの実施形態では、環状シールは、0.5mm~8mmの第一範囲内のツール直径に調整するように構成される。第一範囲は、例えば、第二ツールの外径値(すなわち、第一及び第二ツールのうちの小さい方)に対応してもよい。さらに、または代替に、環状シールは、2mm~12mmの第二範囲内のツール直径に調整するように構成される。第二範囲は、例えば、第一ツールの外径値(すなわち、第一及び第二ツールのうちの大きい方)に対応してもよい。いくつかの実施形態では、環状シールは、2mm~12mmの間の直径を有する第一ツールに対して真空シールを形成するように構成され、そのうえ0.5mm~8mmの間の直径を有するより小さい第二ツールに対して真空シールを形成するように構成される。上述のように、第一ツールは、第二ツールの直径より少なくとも1.5倍大きい、より大きい直径を有してもよい。
いくつかの実施形態では、環状シールは、第一ツール及び第二ツールに対して真空シールを順次に形成するように構成される。例えば、環状シールは、チャネルから第一ツールが抜き出された後、第二ツールがチャネルに挿入されるとき、真空チャンバ領域を密閉することを可能にするサイズに作られる。換言すれば、環状シールは、その内に第一ツールが挿入されるとき、第一ツールに対して真空シールを形成するように構成されることにより、真空チャンバ領域と非真空領域との間の圧力差を維持することができる。次いで第一ツールを取り外して、第二ツールを環状シールに挿入することができる。その後、環状シールは、より小さい第二ツールに対して真空シールを形成することができることにより、真空チャンバ領域と非真空領域との間に圧力差を確立して維持することができる。
上述のように、第一ツール及び第二ツールは、いくつかの開示された実施形態では光学医用スコープである。これらのような医用スコープ(すなわち、第一ツール及び第二ツール)はそれぞれ光学素子を有する。本明細書で使用される場合、光学医用スコープの光学素子は、スコープ上に位置決めされた、またはスコープに連結されたコンポーネントまたは表面を含み得、これらを通して、光を通過させる、及び/または反射する。光学素子は、レンズ、偏光子、回折格子、プリズム、反射鏡、フィルタ、のぞき窓、鏡、保護窓、または光を通過させるもしくは反射する任意のその他のコンポーネントのうちの1つ以上を含んでもよい。例として、図1Bは、物体200(例えば、内視鏡)を示し、この物体は、物体の遠位端部210に配置され得る、撮像機構の窓またはレンズのような光学素子220を含む。別の例として、図7には、内視鏡など、物体708の光学素子706が示される。光学素子706は、中空体の臓器または腔の画像をキャプチャするように構成された撮像機構のレンズであってもよい。
いくつかの実施形態では、真空チャンバ領域は、各光学素子をプラズマに曝露する処理中に、その内に各光学素子を収容するように構成される。本開示の他の箇所で論じられるように、撮像レンズなどの光学素子をプラズマで処理し、それらの親水性を高めることができると、通過する光にディストーションを起こさない薄い水層の形成が可能になるため、光学素子の曇りが防止される。いくつかの実施形態では、真空チャンバ領域は、プラズマ雲を形成し得る大気圧より低い容積(例えば、本開示の他の箇所で論じられるように、プラズマ発生ゾーン)に対応し得る。従って、真空チャンバ領域は、光学素子を処理するために真空チャンバ領域内にプラズマ雲を形成している間、各光学素子を収容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、真空チャンバ領域は、環状シールが第一ツールまたは第二ツールの少なくとも1つに対して真空シールを形成するとき、約0.3atm未満の真空を維持するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、真空チャンバ領域は、環状シールが第一ツールまたは第二ツールの少なくとも1つに対して真空シールを形成するとき、約0.1atm未満の真空を維持するように構成される。環状シールは、挿入されたツールに対して真空シールを形成するように構成されることから、真空チャンバ領域は気密であり得るため、ガス及び他の分子は、所望の圧力(例えば、0.1atm~0.01atmの間の真空)を達成するまで、真空チャンバ領域から除去され得る。非限定的な例として、図7は、プラズマ発生ゾーン716(これは真空チャンバ領域の例であり得る)内に収容される光学素子706を有するツール708(例えば、内視鏡)を示す。プラズマ発生ゾーン716は、環状シールが形成した真空シールにより気密であり得るため、プラズマ発生ゾーン内に所望の真空圧力を(例えば、直列に連結された複数の真空ポンプを使用して)確立し得る。図7には示されていないが、装置500は、異なるサイズの他のツールの上にもプラズマ処理を実行するように構成される。
いくつかの実施形態では、筐体は、再利用可能なハウジング内にある。本開示の他の箇所に論じられるように、ハウジングは、プラズマ発生装置のコンポーネントを覆う、及び/または保護する任意の構造体、ケーシング、フレーム、筐体、または支持体を含むことができる。例えば、ハウジングは、プラズマを生じる反応を引き起こすように構成されるプラズマ発生装置のコンポーネント(例えば、真空チャンバ、1つまたは複数の電極対、及び反応ガスを供給するための機構)を覆い、保護することができる。本明細書で使用される「再利用可能」という用語は、複数回または複数の機会に使用されることができる器具を指し得る。例えば、再利用可能なハウジングは、複数の治療セッション中、及び/または複数の患者の治療のために使用されてもよい。例えば、再利用可能なハウジングは、複数の患者に安全に使用され得るためにクリーニングが簡単であるように構成されてもよい。図7に示されるハウジング710及び図21Aに示される操作ユニット21120は、開示された実施形態では再利用可能であってよいハウジングの例である。
いくつかの実施形態では、環状シールは、再利用するように構成される。例えば、環状シールは、再利用か異なる筐体への挿入かいずれかのために、筐体から取り外され、無菌にされ、筐体に戻され得る。代替に、筐体全体(環状シールを含む)は、無菌にされ、再利用されるように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、筐体は、ハウジングに取り外し可能に挿入されるサイズに作られる。例えば、ハウジングは、少なくとも1つの孔部、キャビティ、または中空の内部チャンバを含み得、これは、単独で、または筐体がその内に細長いツールを受容している間のいずれかで、筐体の少なくとも一部を保持しても、または収容してもよい。筐体を(例えば、細長いツールのプラズマ処理のために)ハウジング内に収容することができ、その後、この筐体(及び細長いツール)をハウジングから取り出すことができる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、電圧降下を誘起することにより、真空チャンバ領域内にプラズマを発生させるための電気回路を収容し得る。例えば、本開示の他の箇所で論じられるように、電極対は筐体とハウジングとの間に設けられることができる。いくつかの実施形態では、第一電極は筐体上に位置していてよく、第二電極はハウジング上に位置していてよい。代替の実施形態では、両方の電極は筐体の上に位置していてもよく、または両方の電極はハウジングの上に位置決めされてもよい。後者の状況では、筐体は、筐体をハウジングに挿入するとき、電極間に延在することができる。筐体、それに続いてツールがハウジングに挿入されるとき、電極対及び関連する電気回路(例えば、電源)を含む回路は、閉じられ得、電極間に電流を駆動して、真空チャンバ領域内でプラズマ発生のための電離場を発生させ得る。換言すると、筐体とハウジングとの間の電気回路を閉じると、電離場に関連する電圧降下が起こり、プラズマの発生が誘起される。
いくつかの実施形態では、筐体は、ハウジングによって識別可能であるように構成される。本明細書で使用される場合、「識別可能」という用語は、筐体を識別するためにハウジングまたは別の装置によって使用され得る、信号及び/またはエネルギーをハウジングに送信するための筐体の能力を指し得る。例えば、トランスポンダを筐体及びハウジングのうちの1つの上に設けてよく、受信器をもう1つの上に設けてよい。トランスポンダは、受動型(例えば、反射器)であってよく、及び/または能動型(例えば、エネルギー源によってエネルギーが供給される)であってよい。筐体がハウジング内で明確に規定された位置に適切に配置されるとき、トランスポンダは、筐体のアイデンティティまたはハウジングに対するその位置を証明することができる信号及び/またはエネルギーを送信することができ、それを受信器が受信する。いくつかの実施形態では、トランスポンダは、磁石、鏡、コードステッカ、RFIDチップ、またはスマートカードのうちの少なくとも1つを含むことができる。図25A~図25Eには、操作ユニット24610(ハウジングの一例)のスロット24640内に取り外し可能に受容されるアダプタ24620(筐体の一例)を示す非限定的な例が提供されている。アダプタ24620は、トランスポンダ24654を含むことができ、このトランスポンダは、アダプタ24620が操作ユニット24610に対して特定の位置に配置されるとき、アダプタ24620を識別する、及び/またはアダプタの位置を証明する信号及び/またはエネルギーを受信器24652に送信するように構成され得る。開示された実施形態では、トランスポンダは、磁石(24654a)、鏡(24654b)、光源、光学フィルタ、コードステッカ(24654c)、RFIDチップ(24654d)、またはスマートカード(24654e)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
いくつかの開示された実施形態は、真空環境中で寸法の異なる機器を処理するための方法を含む。実施形態は、第一治療セッション中に、取り外し可能な第一筐体をハウジングに挿入することを含み、この取り外し可能な第一筐体は、様々なツールサイズに調整するように構成された第一環状シールによって分離された真空チャンバ領域及び非真空領域に分割される。本明細書で使用される場合、治療セッションは、患者に対して実施される診断、療法、及び/または外科手術を指すことができる。治療セッションの非限定的な例には、内視鏡手技が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本開示の他の箇所に開示されるように、環状シールは、可撓性材料から形成され、4.5mm未満の開口径を有する。例示するために、図26には、真空環境中で寸法の異なる機器を処理するための例示的な方法2610のフローチャートが示されている。方法2610は、第一治療セッション中にハウジングに取り外し可能な第一筐体を挿入することを有することができるステップ2612を含むことができる。
またいくつかの開示された実施形態は、第一治療セッション中に、取り外し可能な第一筐体に細長い第一ツールを挿入することを含み、細長い第一ツールは第一寸法の第一領域を有する。細長い第一ツールの第一領域は、ツールの遠位部及び/またはツールの別の適切な部分を含んでもよい。例えば、方法2610は、第一治療セッション中に細長い第一ツールを取り外し可能な第一筐体に挿入することを含み得るステップ2614を含むことができる。
またいくつかの開示された実施形態は、細長い第一ツールの挿入時に、第一寸法の第一領域を第一環状シールで密閉することも含む。例えば、密閉することは、第一環状シールを利用して、細長い第一ツールの直径に対して真空シールを形成することを含み得る。例示するために、方法2610は、第一寸法を有する細長い第一ツールの第一領域を第一環状シールで密閉することを含むステップ2616を含んでよい。
さらにいくつかの開示された実施形態は、真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第一ツールを第一筐体内に維持することを含む。本明細書で使用される場合、部分真空は、大気圧より低い圧力を有する封入空間を指し得る。本開示の他の箇所で論じられるように、少なくとも部分真空は、複数の真空ポンプが直列に連結されている真空チャンバ内で確立されてもよい。いくつかの実施形態は、第一治療セッション中に、例えば細長い第一ツールを(例えば、表面処理として)プラズマに曝露するために、真空チャンバ領域内にプラズマを発生させることを含む。細長い第一ツールが第一環状シールで密閉されている間にプラズマを発生させることができ、少なくとも部分真空を真空チャンバ内に確立する。例示するために、方法2610は、プラズマによって細長いツールを処理するなどのために、真空チャンバ領域内での真空の確立中、第一筐体内に第一ツールを維持することを有するステップ2618を含んでもよい。
さらにいくつかの開示された実施形態は、細長い第一ツールを第一筐体から抜き出すことを含む。例示するために、方法2610は、細長い第一ツールを第一筐体から抜き出すことを有するステップ2620を含むことができる。
いくつかの開示された実施形態は、第二治療セッション中、ハウジングに取り外し可能な第二筐体を挿入することも含む。例えば、細長い第一ツールを抜き出した後、第一筐体をハウジングから抜き出すことができ、第二治療セッション中、取り外し可能な第二筐体をハウジングに挿入することができる。従って、ハウジングは(例えば、異なる患者及び/または異なるタイプの治療のために)異なる治療セッションを実施するために使用されることができるように再利用可能であってもよい。取り外し可能な第二筐体は、第一環状シールに対応する配置内の第二環状シールによって分離された第二真空チャンバ領域及び第二非真空領域に分割されてもよい。実施形態は、第二治療セッション中、取り外し可能な第二筐体に細長い第二ツールを挿入することを含むこともできる。細長い第二ツールは、細長い第一ツールの第一寸法とは異なる第二寸法を有する第二領域(例えば、その遠位部)を有してよい。例えば、第二領域は、長さ、幅、高さ、直径、半径、円周、表面積、断面積、または弧長のうちの少なくとも1つが第一領域と異なってよい。また実施形態は、細長い第二ツールの挿入時、第二寸法の第二領域を第二環状シールを用いて密閉すること(例えば、第二環状シールを使用して細長い第二ツールと共に真空シールを確立すること)を含んでもよい。また実施形態は、第二真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第二ツールを第二筐体内に維持することを含んでもよい。また実施形態は、細長い第二ツールを第二筐体から抜き出すことを含んでよい。
さらに、または代替に、いくつかの開示された実施形態は、第二治療セッション中にハウジング及び取り外し可能な第一筐体の両方を再利用することを含む。例えば、細長い第一ツールを抜き出した後、第一筐体及びハウジングを(例えば、環状シールのクリーニング及び/または交換により)衛生処理して、次いで第二治療セッションに(例えば、異なる患者及び/または異なるタイプの治療に)使用することができる。実施形態は、第二治療セッション中、ハウジング内に取り外し可能な第一筐体を維持することを含む。また実施形態は、第二治療セッション中、細長い第二ツールを取り外し可能な第一筐体に挿入することも含む。細長い第二ツールは、第一寸法とは異なる第二寸法の第二領域(例えば、その遠位部)を有してよい。また実施形態は、細長い第二ツールの挿入時に、第二寸法の第二領域を第一環状シールで密閉することを含む。またいくつかの実施形態は、真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第二ツールを第一筐体内に維持することを含む。また実施形態は、細長い第二ツールを第一筐体から抜き出すことを含む。
いくつかの開示された実施形態は、第二治療セッション中に、第二真空チャンバ領域内にプラズマを発生させることを含む。取り外し可能な第二筐体がハウジングに挿入されており、細長い第二ツールが第二環状シール内に密閉されており、第二真空チャンバ領域内で少なくとも部分真空を維持している間、プラズマを発生させることができる。さらに、または代替に、取り外し可能な第一筐体がハウジングに挿入されており、細長い第二ツールが第一筐体の第一環状シール内に密閉されており、第一真空チャンバ領域内で少なくとも部分真空を維持している間、プラズマを発生させることができる。開示された実施形態は、細長い第二ツールの表面処理などのために、細長い第二ツールをプラズマに曝露することを含む。
開示された実施形態は、システム及び/または方法として、少なくとも1つのプロセッサによって実装されるかどうかにかかわらず、及び/または非一時的なコンピュータ可読媒体上に実行可能な命令として格納されるかどうかにかかわらず、以下の箇条書きされた特徴のいずれか1つを単独で、または1つ以上の他の箇条書された特徴と組み合わせて含むことができる。
・物体を処理するためのプラズマ発生装置、
・ハウジング、
・物体の収容を可能にするように構成されたハウジング内のプラズマ発生ゾーン、
・エネルギーを供給して、物体の親水性を所望のレベルまで高めるためのプラズマ処理を実行するための回路、
・プラズマ処理中に少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、
・少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータに基づいて、プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるための閾値未満であると決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
・プラズマ処理の不具合を指示する通知を出力すること、
・プラズマ処理中にプラズマ発生ゾーン内の圧力を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、
・圧力が圧力レンジ外であるとき、プラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定すること、
・プラズマ処理中にプラズマを発生させる電極での電圧を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、
・検知された電圧が電圧レンジ外であるとき、プラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定すること、
・プラズマ処理中にプラズマ周波数を検知することによって、少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、
・検知されたプラズマ周波数がプラズマ周波数レンジ外であるとき、プラズマ処理が閾値を満たすことができないと決定すること、
・プラズマ処理を実行するためにプラズマ発生ゾーンにガスを流入させるように構成されたガスリザーバ、
・プラズマ処理がガスの特性に基づいて閾値を満たすことができないと決定すること、
・圧力センサ、電圧センサ、またはプラズマ周波数センサのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのセンサ、
・光学素子を含む物体、
・内視鏡である物体、
・内視鏡の遠位端部を受容する寸法に作られた係脱可能なシースを含むプラズマ発生装置、
・シース内の内視鏡の遠位端部にプラズマ処理を適用するように構成されたプラズマ発生ゾーン、
・医療機器の少なくとも一部である物体、
・医療手技中に医療機器を使用する前にプラズマ処理の不具合を示す通知を出力すること、
・所定の持続時間にプラズマ処理を維持すること、
・プラズマ処理のために発生したプラズマの特性に基づいた所定の持続時間、
・物体の物性に基づいた所定の持続時間、
・物体の所望のレベルの親水性に基づいた所定の持続時間、
・プラズマ処理が閾値を下回ると決定することに応答して、後続のプラズマ処理の持続時間を増加させること、
・物体の少なくとも一部をプラズマ活性化ゾーンに曝露する様式で物体を保定するように構成されたキャビティに関連するプラズマ発生ゾーン、
・物体が誘電体バリアの第二側部の上に配置されている間、誘電体バリアの第一側部の上にプラズマ雲を収容するように構成されたプラズマ発生ゾーン、
・プラズマ活性化ゾーン内にプラズマ雲の形成を引き起こすように作動するように構成されたプラズマ発生機、
・物体の親水性を所望のレベルまで高めるのに十分な期間、プラズマ発生機を作動させること、
・プラズマ処理後の少なくとも1時間、物体の表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有するような物体の所望のレベルの親水性、
・プラズマを発生させて物体を処理するための方法、
・プラズマ発生ゾーンへの物体の進入を識別すること、
・エネルギーを供給してプラズマをプラズマ発生ゾーン内に発生させるための回路を作動させて、物体の親水性を所望のレベルまで高めるためのプラズマ処理を実行すること、
・プラズマ処理中に少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定すること、
・少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータに基づいて、プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるための閾値未満であると決定すること、
・プラズマ処理の不具合を示す通知を出力すること、
・命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、プラズマを発生させて物体を処理するための操作を少なくとも1つのプロセッサに実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体、
・プラズマ発生ゾーンへの物体の進入を識別すること、
・エネルギーを供給してプラズマをプラズマ発生ゾーン内に発生させるための回路を作動させて、物体の親水性を所望のレベルまで高めるためのプラズマ処理を実行すること、
・プラズマ処理中に少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータを測定すること、
・少なくとも1つのプラズマ活性化パラメータに基づいて、プラズマ処理が物体の親水性を所望のレベルまで高めるための閾値未満であると決定すること、
・プラズマ処理の不具合を示す通知を出力すること、
・細長いツールをプラズマによって処理するための装置、
・ハウジング、
・ハウジング内の孔部、
・ハウジングの表面上に、その内への細長いツールの挿入のために開口端部を有する孔部、
・孔部の少なくとも一部内に真空を引き起こすための少なくとも1つの真空ポンプ、
・細長いツールが孔部に挿入されるときを決定するための挿入検出器、
・孔部の少なくとも一部内での負圧の程度を決定するためにハウジングに関連する真空センサ、
・孔部内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生機、
・少なくとも1つのプロセッサ、
・細長いツールが孔部内にあることを示す挿入信号を挿入検出器から受信すること、
・挿入信号に応答して、少なくとも1つの真空ポンプを作動させて、負圧を孔部の少なくとも一部内に発生させること、
・真空センサから信号を受信し、そこから、孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であると決定すること、
・孔部の少なくとも一部内の負圧がプラズマ発生に十分であるという決定が行われた後、プラズマ発生機を作動させることにより、細長いツールの遠位端部領域をプラズマに曝露すること、
・孔部であって、そこにシースを受け入れるように構成され、シースは細長いツールを受け入れるサイズに作られる、孔部、
・シース内にプラズマ発生を引き起こすこと、
・孔部内のシース内での細長いツールの挿入を感知し、シース内への細長いツールの挿入を感知すると自動的にプラズマ発生プロセスを開始するように構成される挿入検出器、
・遠位端部領域内に位置した光学素子を有するスコープである細長いツール、
・光学素子の外面を親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機の作動を維持すること、
・ディスプレイ、
・プラズマ発生機の処理状態を示す信号をディスプレイに出力すること、
・真空ポート及びその内の真空シールを含むシース、
・孔部内に位置しているときにシース内に負圧を生じることを可能にするために少なくとも1つの真空ポンプと流体連通可能な真空ポート、
・シースへの細長いツールの挿入時に、細長いツールと係合して、細長いツールの遠位側部の上に負圧を維持するように構成された真空シール、
・孔部であって、その内に電気接点を含み、電気接点はシース上の接点に係合することにより、シース内でのプラズマ発生を可能にするように構成される、孔部、
・メンテナンスを必要とする前に残りのプラズマ処理の回数を計算すること、
・プラズマ発生機または少なくとも1つの真空ポンプのうちの少なくとも1つの不具合を検知し、不具合インジケータを出力すること、
・光学素子が所定のレベルの親水性を達成するために十分に処理されていないとき、警告信号を出力すること、
・レンズを含む細長いツール、
・レンズを超親水性にするのに十分な期間、プラズマ発生機を作動させること、
・誘電体バリアの放電を引き起こすように構成されたプラズマ発生機、
・少なくとも1000ボルトの電圧降下を引き起こす様式でプラズマ発生機を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
・細長いツールをプラズマによって処理するための方法、
・細長いツールがハウジングの孔部内にあることを検知すること、
・細長いツールであって、その遠位端部上に光学素子を含む、細長いツール、
・検知時に、光学素子の領域内の孔部の少なくとも一部内に負圧を発生させること、
・負圧の期間中にプラズマ発生機を作動させることにより、光学素子の表面を親水性にするのに十分な期間に光学素子をプラズマに曝露すること、
・細長いツールが孔部内にあることを検知することに応答して自動的に、負圧を発生させて、プラズマ発生機を作動させること、
・光学素子の表面を親水性にするのに十分な期間、
・光学素子の表面を超親水性にするのに十分な期間、
・孔部であって、その内にシースを受容するように構成される、孔部、
・細長いツールを受容するサイズに作られたシース、
・細長いツールの遠位端部領域をシース内のプラズマに曝露すること、
・光学素子が十分な親水性を達成するために十分に処理されていない場合、警告信号を出力すること、
・プラズマ発生機を作動させると、誘電体バリアが放電すること、
・体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制するための装置、
・ハウジング、
・ハウジング内のキャビティであって、キャビティはその内に医療機器の少なくとも一部を取り外し可能に保定するサイズに作られ、この一部は光学素子を含む、キャビティ、
・キャビティ内のプラズマ活性化ゾーンであって、医療機器の少なくとも一部がキャビティ内に保定されるとき、光学素子がプラズマ活性化ゾーン内に位置しているように配置される、プラズマ活性化ゾーン、
・光学素子の近傍のプラズマ活性化ゾーン内にプラズマ雲の形成を引き起こすように作動するように構成されたプラズマ発生機、
・体腔に挿入する前に光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させるように構成されたコントローラ、
・細長いシャフトを有するスコープを含む医療機器であって、キャビティは細長いシャフトを受容するために細長いチャネルを含み、プラズマ活性化ゾーンは細長いチャネルの遠位端部に近接して位置している、医療機器、
・腹腔鏡または内視鏡を含むスコープ、
・細長いシャフトの遠位端部上にレンズ素子を含む光学素子、
・光学素子を含む細長いシャフトの一部を包囲するシースを受容するサイズに作られる細長いチャネル、
・誘電材料から形成されるシース、
・光学素子がプラズマ活性化ゾーン内にあるとき、シースが光学素子を包囲するように構成されるハウジング、
・シース内にプラズマ雲を発生させるように構成される装置、
・シースを受容するように構成されるキャビティであって、シースはその内にシース電極を含み、外部電気接点を含み、キャビティは内部接点を含み、内部接点は、シースがキャビティ内に位置しているとき、外部接点と電気接続を形成することにより、シース電極にエネルギーを供給することを可能にするように構成される、キャビティ、
・シース電極の領域内のシース内に少なくとも部分真空を確立するように構成された少なくとも1つのポンプ、
・ハウジングであって、その内にハウジング電極を含む、ハウジング、
・シースが細長いチャネルに挿入されるとき、シース電極と電気回路を形成するように構成されるハウジング電極、
・シース電極に電力を伝達するための回路、
・相互連結された複数のポンプを含む少なくとも1つのポンプ、
・体腔に挿入する前に光学素子を超親水性にするのに十分な期間にプラズマ発生機を作動させるように構成されるコントローラ、
・誘電体バリアの放電によってプラズマ雲の形成を引き起こすように構成されるプラズマ発生機、
・体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制する方法、
・医療機器の少なくとも一部をキャビティ内に取り外し可能に挿入することであって、この一部は光学素子を含む、挿入すること、
・医療機器の少なくとも一部がキャビティ内に保定されるとき、光学素子をキャビティ内側のプラズマ活性化ゾーン内に置くこと、
・光学素子の近傍のプラズマ活性化ゾーン内にプラズマ雲の形成を引き起こすようにプラズマを発生させること、
・光学素子を親水性にするのに十分な期間にプラズマ雲を維持すること、
・親水性光学素子を体腔に挿入すること、
・プラズマ活性化ゾーンを含む領域内で少なくとも部分真空を確立すること、
・体腔に挿入する前に光学素子を超親水性にするのに十分な期間にプラズマ雲を維持すること、
・誘電体バリアの放電によって達成されるプラズマ雲の形成を引き起こすこと、
・光学素子上の結露ディストーションを抑制するための装置、
・ハウジング、
・ハウジング内のチャンバ、
・ハウジング内の電気回路、
・チャンバに関連しているプラズマ活性化領域であって、その光学素子の光学面をプラズマ活性化領域に曝露する様式で光学素子を保定するように構成される、プラズマ活性化領域、
・誘電体バリアの第一側部の上でガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域、
・誘電体バリアの第一側部の上に位置した第一電極との電気接続を形成するように構成された電気回路、
・電気回路に接続され、プラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの第二側部上に位置している第二電極、
・少なくとも1つのプロセッサ、
・第一電極と第二電極との間に電圧降下に関連する電場を引き起こすことにより、プラズマ活性化領域内でプラズマを発生させるように、電気フローを回路によって制御すること、
・光学面を親水性にするのに十分な期間に発生したプラズマをプラズマ発生領域内に維持すること、
・レンズを含む光学素子、
・レンズの表面である光学面、
・光学素子が細長いツールの遠位端部に近接している状態で、細長いツールを受け入れるように構成されたチャンバ、
・ハウジングから取り外し可能である誘電体バリア及び第一電極、
・チャンバ内のガスから第二電極を絶縁するように構成された誘電体バリア、
・約0.3mm~約3mmの間の誘電体バリアの厚さ、
・電圧降下を少なくとも800Vにするように構成されたプラズマ発生場アプリケータを含むハウジング内の電気回路、
・電圧降下を少なくとも1000Vにするように構成されたプラズマ発生場アプリケータを含むハウジング内の電気回路、
・空気であるガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域、
・不活性であるガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域、
・プラズマ活性化領域内に少なくとも部分真空を引き起こすための少なくとも1つのポンプ、
・0.1atm未満の部分真空に関連するガス圧、
・光学素子と第二電極との間のギャップを維持するためのストッパ、
・第一電極と第二電極との間の誘電体バリアとして機能するストッパ、
・光学素子上の結露ディストーションを抑制するための方法、
・ハウジング内のプラズマ発生領域に挿入された光学素子を検知すること、
・誘電体バリアの第一側部の上でガスを収容するように構成されたプラズマ活性化領域、
・誘電体バリアの第一側部上に位置した第一電極を、プラズマ活性化領域に対向する、誘電体バリアの第二側部上に位置した第二電極と電気接続すること、
・1000V超の電位降下に関連する電場を、第一電極と第二電極との間に印加することにより、プラズマ活性化領域内にプラズマを発生させること、
・光学面を親水性にするのに十分な期間に発生したプラズマをプラズマ発生領域内に維持すること、
・細長いシャフトを有する医療機器の一部である光学素子、
・細長いシャフトの遠位端部上にレンズを含む光学素子、
・腹腔鏡または内視鏡である医療機器、
・1分未満の活性化電場である、光学面を親水性にするのに十分な期間、
・10秒未満の活性化電場である、光学面を親水性にするのに十分な期間、
・5秒未満の活性化電場である、光学面を親水性にするのに十分な期間、
・真空環境中で異なる寸法の機器を処理するための装置、
・様々な直径の細長いツールを受容するためのチャネルを有する筐体、
・真空チャンバ領域及び非真空領域に分割される筐体、
・真空チャンバ領域と非真空領域との間に配置された環状シール、
・環状シールであって、可撓性材料から形成され、その内に第一ツールが挿入されるときに第一ツールの壁部に対して、またその内に第二ツールが挿入されるときに第二ツールの壁部に対して真空シールを形成するように構成され、第一ツールは第二ツールの直径よりも少なくとも1.5倍大きい直径を有する、環状シール、
・異なるサイズの光学医用スコープ、
・異なるサイズの医用スコープに適合し、これに対して密閉するように構成された環状シール、
・光学素子をそれぞれ有する医用スコープ、
・各光学素子をプラズマに曝露する処理中に、内部に光学素子を収容するように構成される真空チャンバ領域、
・チャネルから第一ツールが抜き出された後、第二ツールがチャネルに挿入されるとき、真空チャンバ領域を密閉することを可能にするサイズに作られた環状シール、
・0.5mm~8mmの範囲内のツール直径に調整するように構成された環状シール、
・2mm~12mmの範囲内のツール直径に調整するように構成された環状シール、
・4.5mm未満である環状シールの開口径、
・25ショア~90ショアの範囲内の硬さを有する環状シール、
・開口部及び開口部の直径を含む環状シールであって、開口部の直径はツール挿入時に変化するように構成される、環状シール、
・使い捨てシースである筐体、
・再利用可能なハウジング内の筐体、
・再利用するように構成された環状シール、
・フラップを含む環状シール、
・筐体の壁部からチャネル内へ内向きに延出するように構成された環状シールのフラップ、
・環状シールが第一ツールまたは第二ツールの少なくとも1つに対して真空シールを形成するとき、約0.3atm未満の真空を維持するように構成された真空チャンバ領域、
・電圧降下を誘起することにより、真空チャンバ領域内にプラズマを発生させるための電気回路を収容するハウジング内に取り外し可能に挿入されるサイズに作られた筐体、
・ハウジングによって識別可能であるように構成された筐体、
・真空環境中で異なる寸法の機器を処理するための方法、
・第一治療セッション中に、ハウジングに取り外し可能な第一筐体を挿入すること、
・様々なツールサイズに調整するように構成された第一環状シールによって分離された真空チャンバ領域及び非真空領域に分割される取り外し可能な第一筐体、
・第一治療セッション中に、取り外し可能な第一筐体に細長い第一ツールを挿入すること、
・第一寸法の第一領域を有する細長い第一ツール、
・細長い第一ツールの挿入時、第一環状シールによって第一寸法の第一領域を密閉すること、
・真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第一ツールを第一筐体内に維持すること、
・細長い第一ツールを第一筐体から抜き出すこと、
・第二治療セッション中に、ハウジングに取り外し可能な第二筐体を挿入すること、
・第一環状シールに対応する配置では第二環状シールによって分離された第二真空チャンバ領域及び第二非真空領域に分割される取り外し可能な第二筐体、
・第二治療セッション中に、細長い第二ツールを取り外し可能な第二筐体に挿入すること、
・第一寸法とは異なる第二寸法の第二領域を有する細長い第二ツール、
・細長い第二ツールの挿入時、第二環状シールによって第二寸法の第二領域を密閉すること、
・第二真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第二ツールを第二筐体内に維持すること、
・第二筐体から細長い第二ツールを抜き出すこと、
・第二治療セッション中、ハウジング内に取り外し可能な第一筐体を維持すること、
・第二治療セッション中、細長い第二ツールを取り外し可能な第一筐体に挿入すること、
・第一寸法とは異なる第二寸法の第二領域を有する細長い第二ツール、
・細長い第二ツールの挿入時、第一環状シールによって第二寸法の第二領域を密閉すること、
・真空チャンバ領域内での少なくとも部分真空の確立中、細長い第二ツールを第一筐体内に維持すること、
・第一筐体から細長い第二ツールを抜き出すこと、
・第一治療セッション中に、真空チャンバ領域内でプラズマを発生させること、
・第二治療セッション中に、第二真空チャンバ領域内でプラズマを発生させること、
・細長い第一ツールをプラズマに曝露すること、
・細長い第二ツールをプラズマに曝露すること、
・可撓性材料から形成され、4.5mm未満の開口径を有する環状シール、
・物体を処理するためのプラズマ発生装置、
・ハウジング、
・物体の収容を可能にするように構成されたハウジング内のプラズマ発生ゾーン、
・プラズマ発生ゾーン内でプラズマの形成を可能にするためのプラズマ発生機、
・ハウジング内の複数の真空ポンプであって、各ポンプが真空入口を有する、複数の真空ポンプ、
・ハウジング内の複数のコンジットであって、複数の真空ポンプを直列で連結することで、作動時に、直列のポンプがプラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こす、複数のコンジット、
・物体がプラズマ発生ゾーンの領域内にある間、複数の真空ポンプを同時に動作させるように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
・0.1atm~0.01atmの間の真空を引き起こすように構成された直列のポンプ、
・真空が直列のポンプによって引き起こされた後、プラズマ発生機を作動させるように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
・物体の一部を親水性にするのに十分な期間にプラズマを発生させるように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
・少なくとも3つのポンプを含む複数のポンプ、
・少なくとも4つのポンプを含む複数のポンプ、
・少なくとも5つのポンプを含む複数のポンプ、
・内視鏡の光学面を含む物体、
・誘電体バリアによって包囲された光学面を収容することを可能にするように構成されたプラズマ発生ゾーン、
・プラズマ発生ゾーンからポンピングされた空気を濾過するように構成された少なくとも1つのフィルタ、
・誘電体ケーシングによって包囲された物体の収容を可能にするように構成されたプラズマ発生ゾーン、
・ケーシング内での真空形成を可能にするために一方向弁を含む誘電体ケーシング、
・物体及び誘電体ケーシングがハウジングに挿入されるとき、物体を処理するために、プラズマ発生ゾーン内でのプラズマ形成を可能にするように構成されたプラズマ発生機、
・誘電体ケーシングの一部内に少なくとも部分真空を引き起こすように構成された直列のポンプ、
・物体がプラズマ発生ゾーンの領域内にあることを示す挿入信号を受信すること、
・挿入信号に応答して、直列のポンプを作動させて、プラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こすこと、
・プラズマ発生ゾーン内の真空がプラズマ発生に十分であると決定すること、
・プラズマ発生ゾーン内の真空がプラズマ発生に十分であるという決定が行われた後、プラズマ発生機を作動させることにより、物体の少なくとも一部をプラズマに曝露すること、
・物体を処理するためのプラズマ発生方法、
・ハウジング内のプラズマ発生ゾーンに物体を挿入すること、
・物体がプラズマ発生ゾーンの領域内にある間、複数の真空ポンプを同時に動作させて、プラズマ発生ゾーン内に真空を引き起こすこと、
・ハウジング内に直列で連結された真空ポンプ、
・プラズマ発生ゾーン内で真空が引き起こされている間、プラズマ発生機を作動させることにより、物体をプラズマに曝露すること、
・0.1atm~0.01atmの間の圧力を有する真空、
・物体の一部を親水性にするのに十分な期間にプラズマを発生させること、
・少なくとも3つのポンプを含む複数の真空ポンプ、
・体腔に挿入するように構成された医療機器の光学素子上の結露ディストーションを抑制する方法、
・医療機器の光学素子を処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすること、
・光学素子が超親水性である医療機器を体腔に挿入すること、
・超親水性光学素子を水分に曝露することで、水分が光学素子の少なくとも1つの表面上に薄膜バリアを形成することにより、結露ディストーションを抑制すること、
・光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にするのに十分な期間に液体が光学素子と接触していることを維持することを含む、光学素子を処理すること、
・スコープである医療機器、及びスコープの遠位端部上に位置している光学素子、
・内視鏡、十二指腸鏡、または腹腔鏡のうちの少なくとも1つであるスコープ、
・手術腔または自然オリフィスである体腔、
・真空チャンバ内で行われる、光学素子を処理すること、
・医療機器を体腔に挿入する前に、光学素子に液体を塗布すること、
・光学面をプラズマに曝露することを含む、光学素子を処理すること、
・光学面を溶液によってコーティングすることを含む、光学素子を処理すること、
・光学素子を処理した後の少なくとも1時間、光学素子の少なくとも1つの表面に当たる液滴が10度未満の接触角を有することを可能にすることを含む、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすること、
・8.5度未満である接触角、
・7.5度未満である接触角、
・30秒未満の間に光学素子を処理することを含む、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすること、
・光学素子の少なくとも1つの表面を経時的に劣化する超親水性状態にすることを含む、光学素子を処理すること、
・24時間以内に起こる、光学素子の少なくとも1つの表面の超親水性状態の劣化、
・医療機器を体腔に挿入した後、光学素子を再処理して、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすること、
・光学素子を処理してから24時間以内に少なくとも1回追加して、光学素子を再処理し、光学素子の少なくとも1つの表面を超親水性にすること、
・バッテリ駆動式プラズマ発生機によって少なくとも1回の追加の再処理を実行することを含む、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理、
・処理と少なくとも1回の追加の再処理との間にバッテリ駆動式プラズマ発生機を充電することなく、バッテリ駆動式プラズマ発生機を使用することを含む、光学素子の少なくとも1回の追加の再処理、ならびに
・メンテナンスが必要になる前に実行されることができる、光学素子の残りの処理の回数を推定すること。
本明細書に開示されるシステム及び方法は、従来のアプローチに勝る従来のものではない改善を含む。開示された実施形態の説明は、網羅的ではなく、開示される詳細な形態または実施形態に限定されない。実施形態の修正及び適合は、本明細書の考慮事項、及び開示された実施形態の実施から明らかになるであろう。さらに、開示された実施形態は、本明細書に記載の例に限定されない。
前述の説明は、図示の目的で提示されている。これは、網羅的ではなく、開示された詳細な形態または実施形態に限定されない。実施形態の修正及び適合は、本明細書の考慮事項、及び開示された実施形態の実施から明らかになるであろう。例えば、記載された実装は、ハードウェア及びソフトウェアを含むが、本開示に即したシステム及び方法は、ハードウェア単独として実装されてもよい。
本開示の特徴及び利点は詳細な明細書から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内に含まれる全てのシステム及び方法を網羅することを意図したものである。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」及び「an」は、「1つ以上」を意味する。同様に、複数形の用語の使用は、それが所与の文脈の中で明白でない限り、必ずしも複数を示すものではない。「及び」または「または」などの単語は、特に別段の指示がない限り「及び/または」を意味する。さらに、本開示を検討することにより多数の修正形態及び修正形態が容易に生じることから、本開示を、図示されて記載された正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、従って、本開示の範囲内に入る、全ての適切な修正形態及び均等物を用いることができる。
本明細書の記載された説明及び方法に基づいたコンピュータプログラムは、ソフトウェア開発者のスキル内である。種々の機能、スクリプト、プログラムまたはモジュールは、種々のプログラミング技法を用いて作成されることができる。例えば、プログラム、スクリプト、関数、プログラムセクションまたはプログラムモジュールは、JAVASCRIPT、C、C++、JAVA、PHP、PYTHON、RUBY、PERL、BASH、またはその他のプログラミングもしくはスクリプト言語を含む、言語内で、またはそれらの言語によって設計されることができる。1つまたは複数のこれらのようなソフトウェアセクションまたはモジュールは、コンピュータシステム、非一時的なコンピュータ可読媒体、または既存の通信ソフトウェアに統合されてよい。またプログラム、モジュール、またはコードは、ファームウェアまたは回路ロジックとして実装されてもよく、または複製されてもよい。
さらに、例示的な実施形態が本明細書に説明されているが、その範囲は、本開示に基づいた均等な要素、修正、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施形態にまたがる態様のもの)、適応、または変更を有するあらゆる全ての実施形態を含むことができる。特許請求の範囲内の要素は、特許請求の範囲内で使用されている文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例、または本出願の審査中に記載された例に限定されるべきではなく、これらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。さらに、開示された方法のステップは、ステップを再順序付けすること、またはステップを挿入することもしくは削除することによるものを含む、いずれかの方法で修正されてもよい。従って、本明細書及び実施例は、例示的なものにすぎないと見なされることが意図され、真の範囲及び趣旨は、次の特許請求の範囲及びそれら均等物の全範囲によって示される。