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JP2024171028A - エチレン・(メタ)アクリレート共重合体 - Google Patents

エチレン・(メタ)アクリレート共重合体 Download PDF

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JP2024171028A
JP2024171028A JP2023087867A JP2023087867A JP2024171028A JP 2024171028 A JP2024171028 A JP 2024171028A JP 2023087867 A JP2023087867 A JP 2023087867A JP 2023087867 A JP2023087867 A JP 2023087867A JP 2024171028 A JP2024171028 A JP 2024171028A
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Abstract

【課題】 熱酸化劣化に対して安定化されたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を提供する。
【解決手段】 一般式
Figure 2024171028000008
(ここで、R1は炭素数1~10の一価の脂肪族炭化水素基であり、R2は水素原子またはメチル基である)で表されるフェノチアジン誘導体化合物を0.01~3重量%、エチレン単量体を20~55重量%、(メタ)アクリレート単量体を40~75重量%および架橋部位単量体を0.1~5重量%の割合で共重合させたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明はエチレン・(メタ)アクリレート共重合体に関する。さらに詳しくは、熱酸化劣化に対して安定化されたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体に関する。
エチレン・(メタ)アクリレート共重合体から製造されるエラストマー性架橋部材は、耐熱性および耐油性に優れ、自動車エンジン周辺機器のシーリング材やホース部品等に用いられる。
エチレン・(メタ)アクリレート共重合体は、原料モノマーの重合、残モノマー除去、乾燥工程などを経て製造される。
ここで、製造工程全体を通じて熱による共重合体の変質を防止するため、重合工程後予め酸化防止剤を添加することが一般的に行われる。
また、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体から製造されるエラストマー性架橋部材に関しては、酸素、光、熱、オゾン等による酸化劣化を防止するために、その成形加工段階において新たに酸化防止剤が添加される。
このように、二度にわたる酸化防止剤の添加が行われ、その都度、計量、添加、混合工程が必要となる。
また、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体の架橋物に関しては、酸化防止剤の表面移行、熱による酸化防止剤の揮散、水、油脂、有機溶剤等による抽出などにより、架橋物中の酸化防止剤が時間の経過とともに失われ、結果的にその製品寿命が著しく損なわれることがある。
その対応策として、長年にわたって、アミン系酸化防止剤の高分子量化および高融点化の検討がなされているが、そこではゴムに対する分散性およびゴム内部での移行性が低下するなどの問題がある。
一方、エラストマー性重合体の変性反応により、ジフェニルアミノ構造を重合体に導入する方法がいくつか開示されている(特許文献1~2、非特許文献1)。これらの方法は、もととなる共重合体を製造した後に、ジフェニルアミノ基を導入する変性工程がさらに必要となり、製造コストの面から実用的ではない。
また、重合性不飽和基を有するジフェニルアミン誘導体化合物を、重合性不飽和単量体と共重合することでジフェニルアミノ基を高分子鎖に導入する方法も提案されている。例えば、N-(4-アニリノフェニル)メタクリルアミドをブタジエンおよびアクリロニトリルと共重合する方法(非特許文献2)、N-(4-アニリノフェニル)メタクリルアミドをアルキルアクリレート単量体と共重合する方法などが知られている(特許文献3)。しかしながら、N-(4-アニリノフェニル)メタクリルアミドのジフェニルアミノ基はラジカル重合反応を抑制する作用があるため有効な方法とは言い難い。
非特許文献3では、重合性不飽和基としてビニル基を有するフェノチアジン誘導体化合物の単独重合体を、ゴムの酸化防止剤として使用する試みが検討されている。しかしながら、高分子量の単独重合体は得られておらず、それはフェノチアジンの10位の窒素原子上の水素原子に起因すると推測されている。
また、非特許文献4~6では、重合性不飽和基としてビニル基を有しかつ10位の窒素原子に脂肪族炭化水素基が結合したフェノチアジン誘導体化合物が公知である。
しかしながら、上記各文献には、重合性不飽和基としてビニル基を有しかつ10位の窒素原子に脂肪族炭化水素基が結合したフェノチアジン誘導体化合物と重合性不飽和単量体との共重合体において、共重合されたフェノチアジン誘導体化合物が酸化防止機能を発現し、共重合体を熱酸化劣化に対して安定化しうることについては、何ら記載されていない。
特開平4-264106号公報 特開平5-230132号公報 特開2009-209268号公報
Rubber Chem.Technol., 45巻、204頁(1972) Rubber Chem.Technol., 52巻、883頁(1979) Russian Journal of Applied Chemistry,76巻、1327頁(2003) Macromolecules,20巻、978頁(1987) Energy Environment.Sci.,10巻、2334頁(2017) Organic Letters、23巻、4564頁(2021)
本発明の目的は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、熱酸化劣化に対して安定化されたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を提供することにある。
本発明の目的は、一般式
Figure 2024171028000001
(ここで、R1は炭素数1~10の一価の脂肪族炭化水素基であり、R2は水素原子またはメチル基である)で表されるフェノチアジン誘導体化合物を0.01~3重量%、エチレン単量体を20~55重量%、(メタ)アクリレート単量体を40~75重量%および架橋部位単量体を0.1~5重量%の割合で共重合させたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体によって達成される。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体は、共重合体製造工程における熱履歴による熱劣化または熱酸化劣化を防止することが可能となる。
例えば、共重合体重合工程後の残留溶媒または単量体除去を目的とした押出乾燥工程の前に、その変質を防止するために酸化防止剤が添加されるが、本発明のエチレン・(メタ)アクリレートではそれを省略することができる。さらに、製造された共重合体を空気中で長期間貯蔵することを可能とする。このように、本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体は、その生産性および貯蔵安定性の向上に寄与するといったすぐれた効果を奏する。
また、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体を用いた架橋性組成物の製造工程においては、架橋物の使用環境に応じた酸化防止剤を新たに添加する工程を省くことができ、生産工程を簡略化できる。
さらに、本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を架橋してなるゴム部材は、酸化防止剤の表面移行、熱による酸化防止剤の揮散、および水、油脂や有機溶剤等の液状媒体による酸化防止剤の抽出が抑制される。結果的に、従来の酸化防止剤に比べて酸化防止成分の使用量を大幅に低減することができ、かつ多様な使用環境下におけるゴム部材の長寿命化を可能とする。
本発明は、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体に係るものであり、一般式
Figure 2024171028000002
(ここで、R1は炭素数1~10の一価の脂肪族炭化水素基であり、R2は水素原子またはメチル基である)で表されるフェノチアジン誘導体化合物、エチレン単量体、(メタ)アクリレート単量体および架橋部位単量体を含有して構成される。
一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体化合物において、R1の具体的としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソプロピル基、2-ブチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基、第3ブチル基、1,1-ジメチル-1-プロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-アダマンチル基等が挙げられる。
フェノチアジン誘導体化合物〔I〕の具体例として、2-エテニル-10-メチル-10H-フェノチアジン、2-(1-メチルエテニル)-10-メチル-10H-フェノチアジン、3-エテニル-10-メチル-10H-フェノチアジン、3-(1-メチルエテニル)-10-メチル-10H-フェノチアジン等が挙げられる。
フェノチアジン誘導体化合物〔I〕の製造方法に特に制限は無く、ジフェニルアミンまたは10H-フェノチアジンを出発原料として製造することができる。例えば非特許文献5および6にはそれぞれ、3-エテニル-10-メチル-10H-フェノチアジン、2-(1-メチルエテニル)-10-メチル-10H-フェノチアジンを製造する方法が記載されている。
フェノチアジン誘導体化合物〔I〕において、10位の窒素原子に脂肪族炭化水素基が結合することによって、フェノチアジン特有のフリーラジカル捕捉作用が抑制され、結果的に種々の重合性不飽和単量体とのラジカル共重合が可能となりかつ高分子量の共重合体を製造することができる。
一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体化合物、エチレン単量体、(メタ)アクリレート単量体および架橋部位単量体との共重合体中、〔I〕は約0.01~3重量%、好ましくは約0.05~1重量%の割合で用いられる。これより少ない割合で用いられると、十分な酸化防止効果が見込まれず、一方これより多い割合で用いられたとしても、酸化防止効果の向上は見込まれず、不経済である。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を構成するエチレン単量体は、共重合体中約20~55重量%、好ましくは30~50重量%である。エチレン単量体がこれより少ないと、耐熱性が低下する。また、これより多いと、エラストマー性が低下し、結果的に架橋物の伸びの低下を引き起こす傾向にある。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を構成する(メタ)アクリレート単量体は、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体である。具体的には炭素数1~20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数7~20のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数2~20のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種類の(メタ)アクリレートが用いられる。ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタアクリレートを表す。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート等が用いられる。
アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばベンジル(メタ)アクリレート等が用いられる。
また、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等が用いられる。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体は、共重合体中約40~75重量%、好ましくは50~70重量%である。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体を構成する架橋部位単量体としては、α,β-不飽和カルボン酸単量体が用いられる。
α,β-不飽和カルボン酸単量体としては、一塩基性α,β-不飽和カルボン酸、二塩基性α,β-不飽和カルボン酸またはそれのモノアルキルエステルが挙げられる。
一塩基性α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
二塩基性α,β-不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
二塩基性α,β-不飽和カルボン酸モノアルキルエステルとしては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸のモノアルキルエステル等が挙げられる。具体例として、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn-プロピル、マレイン酸モノイソプロピル、マレイン酸モノn-ブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸モノn-ヘキシル、マレイン酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn-プロピル、フマル酸モノイソプロピル、フマル酸モノn-ブチル、フマル酸モノイソブチル、フマル酸モノn-ヘキシル、フマル酸モノシクロヘキシル等が挙げられる。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体中の架橋部位単量体は、0.1~5重量%、好ましくは0.5~3重量%の割合で共重合される。
また、これら本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体の主要成分以外に、必要に応じて他の重合性不飽和単量体を用いることができる。
重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピレン、ピペリレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、シクロペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
共重合体の製造方法は特に限定されないが、ラジカル溶液重合法など種々の重合方法を適宜用いることができる。一般には、高圧法低密度ポリエチレンの製造設備およびその技術を利用して製造することができ、例えば塊状重合法により、70~350MPa、好ましくは100~250MPaの重合圧力で、また100~300℃、好ましくは150~270℃の重合温度で、ラジカル重合法で製造される。重合圧力が70MPa未満では、重合体の分子量が低くなり、成形性、樹脂組成物の樹脂物性が悪化する。一方、350MPaを超えると、製造コストを高めるだけで、実質的には無意味である。また、重合温度が100℃ 未満では重合反応が安定せず、共重合体への転化率が低下し、経済的に問題がある。一方、300℃を超えると、共重合体の分子量が低下すると同時に、暴走反応の危険性が生じる。
重合反応は、少なくとも1種のフリーラジカル重合開始剤の存在下で行われる。ラジカル重合に使用されるフリーラジカル重合開始剤は遊離基を発生させる化合物が選択され、例えば酸素、ジ第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、第3ブチルパーオキシイソブチレート、第3ブチルパーオキシネオデカネート、第3ブチルパーオキシピバレート、第3ブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1-ビス第3ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2-ビス第3ブチルパーオキシオクタン等のパーオキシケタール、第3ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。
本発明のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体は、用いられた架橋部位単量体の種類に応じた架橋剤とともに、架橋性エチレン・(メタ)アクリレート共重合体組成物を形成することができる。
ここで、例えば架橋部位単量体がα,β-不飽和カルボン酸単量体の場合には、多価アミン化合物が架橋剤として用いられる。
多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、4,4′-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、エチレンジアミン、エチレンジアミンカルバメート、シクロヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミンベンゾエート、ジアミノ変性シロキサン、4,4′-メチレンビスシクロヘキシルアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、4,4′-メチレンビスシクロヘキシルアミン-シンナムアルデヒド付加物、N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、4,4′-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4′-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミン、p,p′-エチレンジアニリン、4,4′-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4′-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン等が挙げられる。
多価アミン化合物による架橋に際しては、架橋促進剤としてグアニジン化合物、ジアザビシクロアルケン化合物またはその有機酸塩等が用いられる。
グアニジン化合物としては、テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン等が挙げられ、好ましくは1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジンまたはそれらの組み合わせである。
ジアザビシクロアルケン化合物としては、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンが好ましい。
ジアザビシクロアルケン化合物の有機酸塩としては、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンの有機酸塩が好ましい。
1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンの有機酸塩に用いられる有機酸としては、有機一塩基酸または有機二塩基酸が挙げられる。
有機一塩基酸としては、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、n-カプリン酸、n-ラウリン酸、p-トルエンスルホン酸、フェノール等が挙げられる。有機二塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸等が挙げられ、炭素数6~18のモノカルボン酸またはジカルボン酸が好ましい。
架橋は、約120~250℃で約1~60分間行われる一次架橋および必要に応じて約120~200℃で約1~20時間行われるオーブン架橋(二次架橋)により実施される。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は効果を含めてこの実施例に限定されるものではない。
参考例
-フェノチアジン誘導体化合物(I-A)の製造-
Figure 2024171028000003
化合物(a)の製造
〔第1工程〕〔PTZ〕→(a):
攪拌装置、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および排出管を備えた容量5Lの五口フラスコに、十分に脱水したN,N-ジメチルホルムアミド2.0Lを投入し、窒素雰囲気下で系内の温度を10℃以下に冷却した。水素化ナトリウム(純度60%)103.4g(2.59モル)を加えて10分間攪拌した後、系内温度を10℃以下に保ちながらフェノチアジン〔PTZ〕401.0g(2.01モル)を数回に分けて加えて30分間反応させた。系内温度を10℃以下に保ちながら、ヨードメタン312.3g(2.20モル)を滴下し、さらに1時間反応を行った。反応終了後、反応混合物を10重量%塩化ナトリウム水溶液4Lに加えた。析出した無色の固体を濾別し、ついで蒸留水4Lで洗浄した。得られた固体を約50℃の温酢酸エチル2.5Lに溶解させた後、下層(水層)を分離した。上層(有機層)を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで不溶物を濾別した。濾液から揮発性成分を減圧下で留去し、粗生成物を451.4g(粗収率105%)得た。これをイソオクタン0.7Lで洗浄(脱脂)することで、10-メチル-10H-フェノチアジン(a)を、僅かに灰色がかった結晶性の固体として421.2g得た(収率98.7%)。
Figure 2024171028000004
1H NMR(400MHz、Acetone-d6、δ ppm):
3.39 (s、3H、N-CH 3)
6.91-6.98 (m、4H、Ar)
7.14 (dd、J=7.6Hz、J=1.6Hz、2H、Ar)
7.21 (td、J=7.6Hz、J=1.6Hz、2H、Ar)
化合物(b)の製造
〔第2工程〕(a)→(b):
攪拌装置、滴下ロート、温度計、ガス導入口、ガス排出口および還流冷却管を備えた容量3Lの五口フラスコに、十分に脱水したN,N-ジメチルホルムアミド0.7Lを投入した。窒素雰囲気下で、系内の内温を10℃以下に保ちながら、ホスホリルクロリド509g(3.32モル)を滴下して加え、さらに30分間反応を行った。次に、上記第1工程で得られた10-メチル-10H-フェノチアジン(a) 291.2g(1.37モル)を加え、60℃で17時間反応を行った。反応終了後、氷水浴で冷却した50重量%酢酸ナトリウム水溶液2.3kgに内容物を注ぎ、さらに水酸化ナトリウム194gを加えpH6以上とした。得られた溶液を、氷水浴で冷却しながら2時間静置した。沈殿した固体を濾別した後蒸留水3Lで洗浄し、無機電解質類を溶解させた。残った茶褐色の固体を約50℃の温酢酸エチル1.5Lに溶解させ、下層(水槽)を分離した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾別した後、濾液から揮発性成分を減圧下で留去し、赤褐色の油状物質として粗生成物329.0g(粗収率99.9%)を得た。粗生成物を酢酸エチル約1Lに溶解し、シリカゲル(担体:ワコーゲルC300)カラムを通し低Rf成分を除去した。溶出液から揮発性成分を減圧下で留去することで黄色の固体を321.6g(収率97.6%)得た。さらに酢酸エチル320mlを用いて再結晶することにより、黄色結晶として10-メチル-10H-フェノチアジン-3-カルボアルデヒド(b)を308.2g(収率93.6%)得た。
Figure 2024171028000005
1H NMR(400MHz、Acetone d6、δ ppm):
3.49 (s、3H、N-CH 3)
7.00-7.06 (m、2H、Ar)
7.10 (d、J=8.4Hz、1H 、Ar)
7.15-7.19 (m、1H、Ar)
7.22-7.28 (m、1H、Ar)
7.61 (d、J=1.6Hz、1H、Ar)
7.75 (dd、J=8.4Hz、J=1.6Hz、1H、Ar)
9.85 (s、1H、-CHO)
化合物(I-A)の製造
〔第3工程〕(b)→(I-A):
攪拌装置、温度計、ガス導入管およびガス排出管を備えた容量5Lの五口フラスコに、テトラヒドロフラン2.3Lを投入し、反応容器内を窒素で置換しながら内温を10℃以下に冷却した。カリウム第3ブトキシド175.0g(1.56モル)、次いでメチルトリフェニルホスホニウムブロミド557.3g(1.56モル)を加えて、30分間反応を行った。これに化合物(b)313.7g(1.30モル)を加えて、-10~40℃で1時間反応させ、反応混合物を得た。
反応混合物を、10重量%塩化ナトリウム水溶液1.7Lに加え、反応を停止した。有機層を回収する一方、水層を酢酸エチルで抽出し、これを先の有機層と混合した。この混合液に0.35gのp-メトキシフェノールを添加し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後不溶物を濾別し、濾液から減圧下で揮発性成分を留去することで、淡黄色固体を718.4g得た。これを乳鉢で粉砕し、粉末状とした。粉末状の淡黄色固体を2.1Lのエタノールに溶解した後、少量の不溶物を濾別した後、濾液を5℃以下で一晩放置し、〔I-A〕を晶析させた。晶析した黄色結晶は、286.3g(収率92.0%)であった。さらに、晶析した黄色結晶286.3gに対して3.3Lのエタノールを用いて同様の操作を行い、淡黄色結晶として〔I-A〕を259.2g(収率83.3%)得た。
Figure 2024171028000006
融点 102℃
1H NMR(400MHz、CDCl3、δ ppm):
3.37 (s、3H、N-CH 3)
5.14 (d、J=10.8Hz、1H、CH 2=CH-PTZ(フェノチア
ジン基に対してトランス))
5.61 (d、J=17.6Hz、1H、CH 2=CH-PTZ(フェノチア
ジン基に対してシス))
6.59 (dd、J=10.8Hz、17.6Hz、1H、CH2=CH-PTZ)
6.75 (d、J=8.4Hz、1H、Ar)
6.81 (d、J=9.2Hz、1H、Ar)
6.92 (td、J=7.6Hz、1.2Hz、1H、Ar)
7.11-7.23 (m、4H、Ar)
実施例1
容積5Lオートクレーブを有する高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を使用し、反応器入口におけるモノマー組成が、参考例で得られた化合物〔I-A〕0.1重量%、エチレン91.2重量%、アクリル酸メチル8.6重量%およびマレイン酸モノエチル0.11重量%となるように反応器に注入した。反応開始剤としてジ-2-エチルへキシルパーオキシジカーボネートを使用し、重合温度165℃、重合圧力 165MPaの条件下で重合した。その他の製造例も、モノマー組成、重合温度、重合圧力を調整することにより製造し、エチレン・メチルアクリレート共重合体A(エチレン:メチルアクリレート:マレイン酸モノエチル:〔I-A〕重量比=37.8:60.0:2.0:0.2)を得た。
比較例1
化合物〔I-A〕を用いない以外はエチレン・メチルアクリレート共重合体Aと同様にしてエチレン・メチルアクリレート共重合体B(エチレン:メチルアクリレート:マレイン酸モノエチル重量比=38.0:60.0:2.0)を得た。
実施例2
エチレン・メチルアクリレート共重合体A 100重量部
SRFカーボンブラック(東海カーボン製品シーストGS) 45 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品TST) 1.0 〃
ステアリルアミン(花王製品ファーミン80) 1.0 〃
ヘキサメチレンジアミンカーバメート 1.5 〃
(ユニマテック製品ケミノックスAC6F)
Vulcofac ACT55(Safic-Alcan社製品) 2.0 〃
以上の各成分の内、エチレン・メチルアクリレート共重合体A、カーボンブラックおよびステアリン酸をバンバリーミキサで混和した後、混和物に残りの各成分を加えてオープンロールで混和し、エチレン・メチルアクリレート共重合体組成物を得た。これを100トンプレス成形機により、180℃で10分間の一次架橋を行い、さらに175℃で4時間の二次架橋を行い、厚さ約2mmのシート状架橋物を得た。
比較例2
実施例2において、エチレン・メチルアクリレート共重合体Aの代りにエチレン・メチルアクリレート共重合体Bが用いられ、さらに酸化防止剤4,4′-ビス(α、α)ジメチルベンジルジフェニルアミン(大内新興化学製品ノクラックCD)が2.0重量部用いられた。
比較例3
実施例2において、エチレン・メチルアクリレート共重合体Aの代りにエチレン・メチルアクリレート共重合体Bが用いられた。
以上の実施例2、比較例2~3で得られたエチレン・メチルアクリレート共重合体組成物の架橋物の常態物性の測定および空気加熱老化試験が行われた。

常態物性:JIS K6251、JIS K6253準拠
空気加熱老化試験:JIS K6257準拠(175℃、72時間)
得られた結果は、次の表に示される。


測定結果 実施例2 比較例2 比較例3
常態物性
硬度 (Duro A) 64 63 63
破断時強度 (MPa) 18.2 17.4 18.0
破断時伸び (%) 360 380 380
熱老化試験(175℃、500時間)
硬度変化 (Duro A) +6 +3 +13
破断時強度変化率 (%) -20 -33 -50
破断時伸び変化率 (%) -35 -28 -60

Claims (5)

  1. 一般式
    Figure 2024171028000007
    (ここで、R1は炭素数1~10の一価の脂肪族炭化水素基であり、R2は水素原子またはメチル基である)で表されるフェノチアジン誘導体化合物を0.01~3重量%、エチレン単量体を20~55重量%、(メタ)アクリレート単量体を40~75重量%および架橋部位単量体を0.1~5重量%の割合で共重合させたエチレン・(メタ)アクリレート共重合体。
  2. (メタ)アクリレート単量体がメチルアクリレートである請求項1記載のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体。
  3. 架橋部位単量体がα,β-不飽和カルボン酸単量体である請求項1記載のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体
  4. 請求項1記載のエチレン・(メタ)アクリレート共重合体に架橋剤を配合してなる架橋性エチレン・(メタ)アクリレート共重合体組成物。
  5. 請求項4記載の架橋性エチレン・(メタ)アクリレート共重合体組成物の架橋成型物。
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