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JP2024169207A - モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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JP2024169207A
JP2024169207A JP2023086478A JP2023086478A JP2024169207A JP 2024169207 A JP2024169207 A JP 2024169207A JP 2023086478 A JP2023086478 A JP 2023086478A JP 2023086478 A JP2023086478 A JP 2023086478A JP 2024169207 A JP2024169207 A JP 2024169207A
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Abstract

Figure 2024169207000001
【課題】モータ駆動制御装置のコストを低減することが可能となる。
【解決手段】モータ駆動制御装置1は、モータ2の駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号Sdを生成しモータ2の通電制御を行う制御回路10と、駆動制御信号Sdに応じてモータ2を駆動する駆動回路20と、を備える。制御回路10は、制御パラメータの値を変更しながらモータ2を駆動し、モータ2の駆動時にモータ2に供給される電流である駆動電流Imを測定し、駆動電流Imの測定値が最小になる制御パラメータの値を探索する制御パラメータ探索モードと、制御パラメータ探索モードによって探索した制御パラメータの値を用いて駆動制御信号を生成し、モータ2を駆動する通常モードとを動作モードとして有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法に関する。
単相モータを駆動するためのモータ駆動制御装置が知られている(特許文献1参照)。
特許第6671516号公報
モータを高効率で駆動するためには、モータ駆動制御装置に設定されるモータの駆動制御のための制御パラメータを最適化する必要がある。例えば、単相モータを駆動するモータ駆動制御装置において、単相モータのコイルに電圧を印加するタイミング(位相)を指定する進角値と、コイルを励磁した後にコイルの電流を回生させる期間の長さを指定する回生時間とをそれぞれ適切な値に設定することにより、単相モータを高効率で駆動することが可能となる。
従来、回生時間および進角値等の制御パラメータの最適値は、モータ駆動制御装置の製造時において設定されていた。例えば、モータ駆動制御装置の製造時において、作業者がモータ駆動制御装置の制御パラメータの値の組み合わせを変更しながらモータを駆動したときのモータの効率を測定し、測定した効率が最も高くなる条件を見つけ出し、その条件での制御パラメータの値を最適値としてモータ駆動制御装置に設定していた。そのため、モータ駆動制御装置の製造において、制御パラメータの最適値を見つけ出すために多くの人手作業が必要となり、コストの増大を招いていた。
本発明は、上述した課題を解消するためのものであり、モータ駆動制御装置のコストを低減することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、モータの駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号を生成し、前記モータの通電制御を行う制御回路と、前記駆動制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動回路と、を備え、前記制御回路は、前記制御パラメータの値を変更しながら前記モータを駆動し、前記モータの駆動時に前記モータに供給される電流である駆動電流を測定し、前記駆動電流の測定値が最小になる前記制御パラメータの値を探索する制御パラメータ探索モードと、前記制御パラメータ探索モードによって探索した前記制御パラメータの値を用いて前記駆動制御信号を生成し、前記モータを駆動する通常モードと、を動作モードとして有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、モータ駆動制御装置のコストを低減することが可能となる。
実施の形態に係るモータ駆動制御装置を備えたモータユニットの構成を示す図である。 実施の形態に係るモータ駆動制御装置の構成を示す図である。 第1通電制御を説明するための図である。 第2通電制御を説明するための図である。 第1回生制御を説明するための図である。 第2回生制御を説明するための図である。 実施の形態に係るモータ駆動制御装置による通電パターンの切替手順と各通電パターンにおける各スイッチ素子のオン・オフ状態の一例を示す図である。 図4に示す制御番号の昇順にモータの通電パターンを切り替えたときの信号の変化の一例を示すタイミングチャートである。 制御パラメータ探索モードにおける制御回路の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1)は、モータ(2)の駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号(Sd)を生成し、前記モータの通電制御を行う制御回路(10)と、前記駆動制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動回路(20)と、を備え、前記制御回路は、前記制御パラメータの値を変更しながら前記モータを駆動し、前記モータの駆動時に前記モータに供給される電流である駆動電流(Im)を測定し、前記駆動電流の測定値が最小になる前記制御パラメータの値を探索する制御パラメータ探索モードと、前記制御パラメータ探索モードによって探索した前記制御パラメータの値を用いて前記駆動制御信号を生成し、前記モータを駆動する通常モードと、を動作モードとして有することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御パラメータは、前記モータのコイル(Lm)に電圧を印加するタイミングを指定する進角値(θ)と、前記コイルの電流を回生させる期間の長さを指定する回生時間(Tr)とを含んでもよい。
〔3〕上記〔2〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御回路は、前記動作モードを決定する動作モード決定部(11)と、前記動作モード決定部によって決定された前記動作モードに基づいて前記進角値および前記回生時間を決定するパラメータ決定部(12)と、前記パラメータ決定部によって決定された前記進角値および前記回生時間と、前記モータの回転状態を示す回転状態信号(Sp)とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する通電切替制御部(13)と、前記駆動電流を測定する電流測定部(14)と、記憶部(15)と、を含み、前記パラメータ決定部は、前記動作モードが前記制御パラメータ探索モードである場合に、前記進角値および前記回生時間をそれぞれ設定して前記通電切替制御部に与えるとともに設定した前記進角値および前記回生時間に基づいて前記モータを回転させたときの前記駆動電流の測定値を取得することを、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を変更しながら繰り返し実行し、前記駆動電流の測定値が最も小さくなる前記進角値および前記回生時間を前記進角値の最適値および前記回生時間の最適値として前記記憶部に記憶し、前記パラメータ決定部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記記憶部に記憶されている前記進角値の最適値および前記回生時間の最適値を前記通電切替制御部に与えてもよい。
〔4〕上記〔3〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記パラメータ決定部は、前記制御パラメータ探索モードにおいて、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を所定の範囲内で単位量ずつ変化させることにより、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を変更してもよい。
〔5〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記モータは、単相モータであってもよい。
〔6〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータユニット(4)は、上記〔1〕乃至〔5〕の何れか一つのモータ駆動制御装置(1)と、前記モータ(2)と、を備えることを特徴とする。
〔7〕本発明の代表的な実施の形態に係る方法は、モータの駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号を生成し、前記モータの通電制御を行う制御回路と、前記駆動制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動回路と、を備えたモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法である。本方法は、前記制御回路が、前記制御パラメータの値を変更しながら前記モータを駆動し、前記モータの駆動時に前記モータに供給される電流である駆動電流を測定し、前記駆動電流の測定値が最小になる前記制御パラメータの値を探索する第1ステップ(S1~S12)と、前記制御回路が、前記第1ステップにおいて探索した前記制御パラメータの値を用いて前記駆動制御信号を生成し、前記モータを駆動する第2ステップと、を含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態≫
図1は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット4の構成を示す図である。
図1に示されるモータユニット4は、モータ駆動制御装置1と、モータ2と、位置センサ3とを備えている。
モータ2は、例えば、単相モータであり、例えば、1相のコイル(巻線)Lmを備えたブラシレスDCモータである。例えば、モータ2の出力軸にはインペラ5が連結されている。図1に示すように、モータユニット4は、インペラ5とともに一つのファン(ファンモータ)6を構成していてもよい。
位置センサ3は、モータ2の回転子(ロータ)の回転に応じた位置検出信号Spを生成する装置である。位置センサ3は、例えば、ホール(HALL)素子である。例えば、モータ2のコイルLmに対応した1つのホール素子が、位置センサ3として、モータ2のロータの周囲に配置されている。ホール素子は、ロータの磁極を検出し、ロータの回転に応じて電圧が変化するホール信号を生成して出力する。例えば、ホール素子は、ロータの磁極の位置に応じて電圧値が変化する正の極性を有するホール信号(HP)および負の極性を有するホール信号(HN)を生成し、位置検出信号Spとして出力する。
モータ駆動制御装置1は、モータ2の駆動を制御する装置である。モータ駆動制御装置1は、位置センサ3から出力されたホール信号に基づいて、モータ2の回転位置や回転数情報等の情報を得ることでモータ2の回転状態を検出し、モータ2の駆動を制御する。
なお、位置センサ3として、上述したホール素子に代えて、例えば、エンコーダやレゾルバなどを設け、それらの検出信号を位置検出信号Spとしてモータ駆動制御装置1に入力してもよい。また、モータ駆動制御装置1が位置センサレス方式に基づいてモータ2の駆動制御を行う場合には、位置センサ3を設けなくてもよい。
図2は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、モータ駆動制御装置1は、例えば、制御回路10と、駆動回路20と、電流センサ30とを備えている。
モータ駆動制御装置1には、外部の直流電源から直流電圧Vddが供給される。直流電圧Vddは、図示されない保護素子等を経由して制御回路10および駆動回路20にそれぞれ供給される。なお、制御回路10に直流電圧Vddが直接供給されるのではなく、例えば、レギュレータ回路によって直流電圧Vddを降圧した電圧が制御回路10に供給されてもよい。
電流センサ30は、モータ2に供給される電流(以下、「駆動電流」とも称する。)Imを検出する装置である。電流センサ30は、例えば、直流電圧Vddが供給される電源ラインLvddとグラウンド電位GNDに接続された接地ラインLgndとの間に、駆動回路20と直列に接続されたシャント抵抗を含む。例えば、電流センサ30は、駆動電流Imがシャント抵抗に流れることにより、シャント抵抗の両端に発生した電圧を電流検出信号Siとして出力する。
電流センサ30は、図2に示すように直流電圧Vddが供給される電源ラインと駆動回路20との間に直列に接続されていてもよいし、駆動回路20と接地ラインLgndとの間に直列に接続されていてもよい。なお、電流センサ30は、駆動電流Imを検出可能な装置であればよく、電流センサ30の種類や設置箇所等は上述の例に限定されない。
制御回路10は、モータ駆動制御装置1の動作を統括的に制御するための回路である。本実施の形態において、制御回路10は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM、およびフラッシュメモリ等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路と、がバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置である。より具体的には、制御回路10は、例えば、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。
なお、制御回路10と駆動回路20とは、一つの半導体集積回路装置(IC:Integrated Circuit)としてパッケージ化されていてもよいし、個別の集積回路装置として夫々パッケージ化されて回路基板に実装され、回路基板上で互いに電気的に接続されていてもよい。
制御回路10には、位置センサ3から出力された位置検出信号Spが入力される。制御回路10には、外部(例えば、上位システム)から駆動指令信号Scが入力される。更に、制御回路10には、電流センサ30から出力された電流検出信号Siが入力される。
制御回路10は、駆動指令信号Scと、位置検出信号Spと、電流検出信号Siと、モータ2の駆動を制御するための制御パラメータと、に基づいて駆動制御信号Sdを生成し、駆動回路20に与えることにより、モータ2の駆動を制御する。
駆動指令信号Scは、モータ2の駆動状態を指定する信号である。例えば、駆動指令信号Scは、モータ2の駆動開始や駆動停止等を指示する信号である。
本実施の形態において、駆動指令信号Scは、後述する動作モードを指定する情報を含む。例えば、駆動指令信号Scは、動作モードとして通常モードまたは制御パラメータ探索モードを指定する情報を含む。
なお、本実施の形態では、一例として、制御回路10(モータ駆動制御装置1)が、モータ2の回転速度が所定値で一定になるように駆動制御信号Sdを生成するクローズドループ制御を行うのではなく、所定の制御パラメータにしたがってモータ2を駆動するオープンループ制御を行うものとして説明する。
駆動制御信号Sdは、例えば、モータ2の駆動を制御するための信号である。例えば、駆動制御信号Sdは、後述するインバータ回路22の各スイッチ素子Q1~Q4のオン/オフをさせる4種類の駆動信号H1,H2,L1,L2に夫々対応する2値信号である。
なお、制御回路10の詳細については、後述する。
駆動回路20は、制御回路10から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、モータ2を駆動する回路である。駆動回路20は、直流電圧Vddが供給される電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間でモータ2のコイルLmの接続先を切り替えて、モータ2を駆動する。具体的には、駆動回路20は、インバータ回路22およびプリドライブ回路21を有する。
インバータ回路22は、電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間に接続され、プリドライブ回路21から入力された駆動信号H1,H2,L1,L2に基づいて、モータ2を駆動する回路である。
例えば、インバータ回路22は、第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q3、および第4スイッチ素子Q4と、還流ダイオードD1~D4と、第1端子P1および第2端子P2を有している。
なお、以下の説明において、第1スイッチ素子Q1、第2スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q3および第4スイッチ素子Q4を、単に「スイッチ素子Q1~Q4」と表記する場合がある。
スイッチ素子Q1~Q4は、トランジスタである。例えば、スイッチ素子Q1,Q3は、Pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、スイッチ素子Q2,Q4は、Nチャネル型のMOSFETである。なお、スイッチ素子Q1~Q4は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他の種類のパワートランジスタであってもよい。
スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とは、電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間に直列に接続されて、一つのスイッチングレグ(アーム)を構成している。同様に、スイッチ素子Q3とスイッチ素子Q4とは、電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間に直列に接続されて、もう一つのスイッチングレグを構成している。
第1スイッチ素子Q1のオン・オフは、駆動信号H1によって切り替えられる。第2スイッチ素子Q2のオン・オフは、駆動信号L1によって切り替えられる。第3スイッチ素子Q3のオン・オフは、駆動信号H2によって切り替えられる。第4スイッチ素子Q4のオン・オフは、駆動信号L2によって切り替えられる。
還流ダイオードD1~D4は、各スイッチ素子Q1~Q4に並列に接続されている。例えば、還流ダイオードD1~D4は、それぞれ、各スイッチ素子Q1~Q4が含む寄生ダイオードである。各還流ダイオードD1~D4のカソード電極が電源ラインLvdd側に接続され、各還流ダイオードD1~D4のアノード電極が接地ラインLgnd側に接続されている。なお、還流ダイオードD1~D4として、各スイッチ素子Q1~Q4の寄生ダイオードに加えて、別途、ダイオードを接続してもよい。
第1端子P1および第2端子P2は、インバータ回路22をモータ2のコイルLmに接続するための端子である。第1端子P1には、第1スイッチ素子Q1と第2スイッチ素子Q2が接続され、第2端子P2には、第3スイッチ素子Q3と第4スイッチ素子Q4とが接続される。具体的には、スイッチ素子Q1のドレイン電極とスイッチ素子Q2のドレイン電極とが第1端子P1に接続され、スイッチ素子Q3のドレイン電極とスイッチ素子Q4のドレイン電極とが第2端子P2に接続されている。図2に示すように、第1端子P1と第2端子P2との間に、モータ2のコイルLmの両端が接続される。
プリドライブ回路21は、制御回路10から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、駆動信号H1,H2,L1,L2を生成する回路である。
例えば、プリドライブ回路21は、駆動制御信号Sdに基づいて、インバータ回路22のスイッチ素子Q1~Q4としての各トランジスタの制御電極(ゲート電極)を駆動するために十分な電力を供給する4種類の駆動信号H1,L1,H2,L2をそれぞれ生成する。
これらの駆動信号H1,L1,H2,L2がインバータ回路22の各スイッチ素子Q1~Q4のゲート電極に入力されることにより、各スイッチ素子Q1~Q4がオン・オフ動作(スイッチング動作)を行う。例えば、スイッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子Q2,Q3とが交互にオン・オフ動作を行うことにより、電源ラインLvddからモータ2のコイルLmに供給されるコイル電流ILの向きが交互に切り替わり、モータ2が回転する。
次に、制御回路10について詳細に説明する。
制御回路10は、例えば、モータ2の駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号Sdを生成しモータ2の駆動を制御する機能と、モータ2を効率よく駆動するための制御パラメータの最適値を探索する機能と、を有している。
具体的には、制御回路10は、動作モードとして、通常モードと制御パラメータ探索モードとを有している。
通常モードは、制御回路10が、制御パラメータ探索モードによって探索した制御パラメータを用いて駆動制御信号Sdを生成し、モータ2を駆動する動作モードである。
制御パラメータ探索モードは、制御回路10が、制御パラメータを変更しながらモータ2を駆動し、モータ2の駆動時にモータに供給される電流である駆動電流Imを測定し、駆動電流Imの測定値が最小になる制御パラメータを探索する動作モードである。
先ず、制御回路10によるモータ2の駆動方法の概要について説明する。
制御回路10は、駆動制御信号Sdを生成することにより、モータ2のコイルLmに流れるコイル電流ILの向きを切り替える通電切替制御を行う。
本実施の形態において、通電切替制御とは、インバータ回路22を構成する各スイッチ素子Q1~Q4のオン状態(PWM(Pulse Width Modulation)制御するための制御状態も含む)とオフ状態の組み合わせを切り替えることにより、モータ2のコイルLmの通電状態(以下、「通電パターン」とも称する)を切り替える制御をいう。
制御回路10は、通電切替制御として、例えば、第1通電制御、第2通電制御、第1回生制御、および第2回生制御を切り替える。以下、各制御内容について、図3A乃至図3Dを用いて説明する。
図3Aは、第1通電制御を説明するための図である。
第1通電制御とは、第1端子P1から第2端子P2に向かう方向(第1方向)d1にコイル電流ILが流れるように、電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間にモータ2のコイルLmを接続させる駆動制御信号Sdを生成する制御である。
制御回路10は、第1通電制御として、例えば、駆動信号H2によってスイッチ素子Q3をオフさせ、駆動信号L1によってスイッチ素子Q2をオフさせ、駆動信号L2によってスイッチ素子Q4をオンさせ、駆動信号H1によってスイッチ素子Q1をオンさせるように駆動制御信号Sdを生成する。これにより、図3Aに示すように、モータ2のコイルLmには、第1端子P1から第2端子P2に向かう方向(第1方向)d1にコイル電流ILが流れる。このときのコイル電流ILの大きさはスイッチ素子Q1,Q4がオンしている期間の長さが大きいほど大きくなる。このとき、駆動信号H1はPWM信号であってもよい。
図3Bは、第2通電制御を説明するための図である。
第2通電制御とは、第2端子P2から第1端子P1に向かう方向(第1方向d1と反対の第2方向)d2にコイル電流ILが流れるように、電源ラインLvddと接地ラインLgndとの間にモータ2のコイルLmを接続させる駆動制御信号Sdを生成する制御である。
制御回路10は、第2通電制御として、例えば、駆動信号H1によってスイッチ素子Q1をオフさせ、駆動信号L2によってスイッチ素子Q4をオフさせ、駆動信号L1によってスイッチ素子Q2をオンさせ、駆動信号H2によってスイッチ素子Q3をオンさせるように駆動制御信号Sdを生成する。これにより、図3Bに示すように、モータ2のコイルLmには、第2端子P2から第1端子P1に向かう方向(第2方向)d2に、コイル電流ILが流れる。このときのコイル電流ILの大きさはスイッチ素子Q2,Q3がオンしている期間の長さが大きいほど大きくなる。このとき、駆動信号H2はPWM信号であってもよい。
回生制御とは、コイル電流ILが接地ラインLgndに回生するように、モータ2のコイルLmの両端を接地ラインLgndに接続させる駆動制御信号Sdを生成する制御である。本実施の形態では、回生制御のうち、第1方向d1のコイル電流ILを接地ラインLgndに回生させる制御を第1回生制御と称し、第2方向d2のコイル電流ILを接地ラインLgndに回生させる制御を第2回生制御と称する。
図3Cは、第1回生制御を説明するための図である。
制御回路10は、第1回生制御として、例えば、駆動信号H1によってスイッチ素子Q1をオフさせ、駆動信号L1によってスイッチ素子Q2をオフさせ、駆動信号H2によってスイッチ素子Q3をオフさせ、駆動信号L2によってスイッチ素子Q4をオンさせるように駆動制御信号Sdを生成する。これにより、図3Cに示すように、第1方向d1のコイル電流ILは、グラウンド電位GNDから還流ダイオードD2およびスイッチ素子Q4を通って、グラウンド電位GNDに回生する。
図3Dは、第2回生制御を説明するための図である。
制御回路10は、第2回生制御として、例えば、駆動信号H1によってスイッチ素子Q1をオフさせ、駆動信号H2によってスイッチ素子Q3をオフさせ、駆動信号L2によってスイッチ素子Q4をオフさせ、駆動信号L1によってスイッチ素子Q2をオンさせるように駆動制御信号Sdを生成する。これにより、図3Dに示すように、第2方向d2のコイル電流ILは、グラウンド電位GNDから還流ダイオードD4およびスイッチ素子Q2を通って、グラウンド電位GNDに回生する。
次に、制御回路10によるモータ2の通電切替制御の具体的な処理手順について詳細に説明する。
図4は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置による通電パターンの切替手順と各通電パターンにおける各スイッチ素子Q1乃至Q4のオン・オフ状態の一例を示す図である。
図4において、第1通電制御の制御番号を“1”とし、第1回生制御の制御番号を“2”とし、第2通電制御の制御番号を“3”とし、第2回生制御の制御番号を“4”としている。
図5は、図4に示す制御番号の昇順にモータ2の通電パターンを切り替えたときの信号の変化の一例を示すタイミングチャートである。
図5には、図4に示す制御番号の昇順に駆動回路20(インバータ回路22)を制御したときの、位置検出信号Spとしてのホール信号HP,HNの波形と、インバータ回路22の第1端子P1および第2端子P2の電圧の波形と、駆動電流Imの波形が、それぞれ示されている。図5において、図5の上方から、制御番号、ホール信号HP,HN、第1端子P1および第2端子P2の電圧、駆動電流Imの順に各波形が示されている。
本実施の形態に係る制御回路10は、例えば、図4に示す制御番号1、2、3、4の順番(昇順)でモータの通電パターンを切り替えることを繰り返すことにより、モータ2を回転させる。換言すれば、制御回路10は、第1通電制御(図3A)と第2通電制御(図3B)との間に第1回生制御(図3C)または第2回生制御(図3D)を挟んだ上で、第1通電制御と第2通電制御を交互に切り替えることにより、モータ2のコイル電流ILの向きを交互に切り替えて、モータ2を回転させる。
ここで、制御回路10は、モータ2の回転位置(位置検出信号Sp)と設定された制御パラメータとに基づいて、第1通電制御、第2通電制御、第1回生制御、および第2回生制御を適切なタイミングで切り替えることにより、モータ2を回転させる。
本実施の形態に係る制御パラメータには、例えば、モータ2のコイルLmに電圧を印加する(励磁する)タイミングを指定する進角値θと、コイルLmの電流を回生させる期間の長さを指定する回生時間Trとが含まれる。なお、制御パラメータには、モータ2の駆動を制御するために必要な他のパラメータが含まれていてもよい。
図5に示すように、制御回路10は、第1通電制御(制御番号1)および第2通電制御(制御番号3)を開始するタイミングを、例えば、位置検出信号Sp(ホール信号HP,HN)の電圧レベルが切り替わるタイミングと進角値θとに基づいて決定する。更に、制御回路10は、回生制御(第1回生制御と第2回生制御)を開始するタイミングを、位置検出信号Sp(ホール信号HP,HN)の電圧レベルが切り替わるタイミングと回生時間Trとに基づいて決定する。
図5から理解されるように、制御パラメータとしての進角値θおよび回生時間Trの大きさが変更されると、駆動電流Imの波形が変化し、駆動電流Imの実効値(RMS)が変化する。そして、駆動電流Im(実効値)が小さくなるほど、モータ2の効率が高くなる。
そこで、制御回路10は、制御パラメータ探索モードにおいて、駆動電流Imが最も小さくなる制御パラメータ(進角値θと回生時間Tr)の最適値を探索するとともに、通常モードにおいて、制御パラメータ探索モードで探索した制御パラメータの最適値を用いて上述した通電切替制御を行うことにより、モータ2を高効率で駆動する。
以下、上述した機能を実現するための制御回路10の具体的な構成について説明する。
図2に示すように、制御回路10は、上述した機能を実現するための構成要素として、動作モード決定部11、パラメータ決定部12、通電切替制御部13、電流測定部14、および記憶部15を有している。
これらの構成要素は、例えば、上述した制御回路10としてのプログラム処理装置(MCU)のプログラム処理によって実現される。具体的には、上述した制御回路10を構成するプロセッサが、メモリに格納されたプログラムにしたがって各種の演算を実行し、制御回路10内のA/D変換回路等の周辺回路を制御することにより、動作モード決定部11、パラメータ決定部12、通電切替制御部13、電流測定部14、および記憶部15が実現される。
なお、動作モード決定部11、パラメータ決定部12、通電切替制御部13、電流測定部14、および記憶部15の一部または全部が、専用ロジック回路やアナログ回路等の専用ハードウェア回路によって実現されていてもよい。
動作モード決定部11は、制御回路10の動作モードを決定する機能部である。動作モード決定部11は、初期状態として動作モードを通常モードに設定する。動作モード決定部11は、所定の条件を満たしたことを検出した場合に、動作モードを通常モードと制御パラメータ探索モードとの間で切り替える。
例えば、動作モード決定部11は、制御回路10に入力された駆動指令信号Scによって動作モードを切り替えることができる。具体的には、駆動指令信号Scが動作モードとして通常モードを指定する情報を含む場合に、動作モード決定部11は、制御回路10の動作モードを通常モードに設定する。一方、駆動指令信号Scが動作モードとして制御パラメータ探索モードを指定する情報を含む場合に、動作モード決定部11は、制御回路10の動作モードを制御パラメータ探索モードに設定する。
なお、動作モードの指定は、駆動指令信号Scとは別の信号によって指定されてもよいし、モータ2の駆動状態等が予め設定された条件を満足した場合に、動作モード決定部11が動作モードを切り替えてもよい。
記憶部15は、制御回路10の上述した機能を実現するために必要な各種データを記憶するための機能部である。例えば、記憶部15には、回生時間Trの最適値である回生時間Tr_opと、進角値θの最適値である進角値θ_opとが記憶される。また、記憶部15には、制御パラメータ探索モードにおいて回生時間Trを変化させるときの変化量の最小単位である単位回生時間Δtと、制御パラメータ探索モードにおいて進角値θを変化させるときの変化量の最小単位である単位進角値Δθとが記憶される。更に、記憶部15には、後述する電流測定部14によって測定された駆動電流Imの値(例えばRMS)である駆動電流値が記憶される。
電流測定部14は、駆動電流Imを測定するための機能部である。電流測定部14は、電流センサ30から出力された電流検出信号Siに基づいて、駆動電流Imを測定する。電流測定部14は、例えば、単位時間毎に取得した電流検出信号Siの値に基づいて、公知の演算手法により駆動電流Imの実効値(RMS)を算出し、駆動電流値(RMS)として記憶部15に記憶する。
通電切替制御部13は、駆動制御信号Sdを生成する機能部である。通電切替制御部13は、パラメータ決定部12によって決定された進角値θおよび回生時間Trと、モータの回転状態を示す回転状態信号とに基づいて駆動制御信号Sdを生成することにより、通電切替制御を行う。通電切替制御部13は、例えば、図5に示した切替順序でモータ2の通電パターンが切り替わるように駆動制御信号Sdを生成する。
ここで、回転状態信号は、例えば、上述した位置検出信号Sp(ホール信号HP,HN)である。なお、モータ駆動制御装置1が位置センサレス方式に基づいてモータ2の駆動制御を行う場合には、回転状態信号は、モータ2の回転状態を表す他の信号であってもよい。例えば、モータ2の逆起電圧を検出してモータ2の駆動制御を行う場合には、モータ2の逆起電圧の検出結果を示す信号を回転状態信号としてもよい。
通電切替制御部13は、回転状態信号としての位置検出信号Sp(ホール信号HP,HN)の電圧レベルの切り替わりを検出することにより、位置検出信号Spの周期(モータ2の回転速度)を算出する。通電切替制御部13は、図5に示すように、位置検出信号Spの電圧レベルが切り替わるタイミングと後述するパラメータ決定部12から与えられた進角値θとに基づいて、通電制御(第1通電制御および第2通電制御)を開始するタイミングを決定する。
例えば、通電切替制御部13は、位置検出信号Spの1周期から位置検出信号Spの電圧レベルが切り替わる時点を推定し、推定した時点よりも進角値θに相当する時間だけ早い時点において第1通電制御(制御番号1)および第2通電制御(制御番号3)を開始するように駆動制御信号Sdを生成する。
また、通電切替制御部13は、第1通電制御と第2通電制御の間に回生制御を実行する。例えば、通電切替制御部13は、位置検出信号Spの電圧レベルが切り替わるタイミングと後述するパラメータ決定部12から与えられた回生時間Trとに基づいて、回生制御(第1回生制御と第2回生制御)を行うタイミングを決定する。
例えば、通電切替制御部13は、第1通電制御(制御番号1)および第2通電制御(制御番号3)を開始する時点よりも回生時間Trだけ早い時点において第1回生制御(制御番号2)および第2回生制御(制御番号4)を開始するように駆動制御信号Sdを生成する。
パラメータ決定部12は、制御パラメータを決定する機能部である。パラメータ決定部12は、動作モード決定部11によって決定された動作モードに応じて、進角値θおよび回生時間Trを決定し、通電切替制御部13に与える。
例えば、動作モードが制御パラメータ探索モードである場合に、パラメータ決定部12は、進角値θの値および回生時間Trの値を変更しながらモータ2を駆動したときの駆動電流Imを測定し、駆動電流Imが最も小さい進角値θの値および回生時間Trの値を探索する。
具体的には、パラメータ決定部12は、制御パラメータ探索モードにおいて、進角値θおよび回生時間Trをそれぞれ設定して通電切替制御部13に与えるとともに、設定した進角値θおよび回生時間Trに基づいてモータ2を回転させたときの駆動電流Imの測定値を取得することを、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を変更しながら繰り返し実行する。
より具体的には、パラメータ決定部12は、制御パラメータ探索モードにおいて、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を所定の範囲内で単位量ずつ変化させることにより、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を変更する。
ここで、例えば、進角値θの値を変化させるときの単位量は、単位進角値Δθとして記憶部15に記憶され、回生時間Trの値を変化させるときの単位量は、単位回生時間Δtとして記憶部15に記憶されている。なお、単位進角値Δθおよび単位回生時間Δtは、駆動指令信号Scとともに制御回路10に入力されてもよい。
例えば、パラメータ決定部12は、制御パラメータ探索モードにおいて、記憶部15に記憶されている単位進角値Δθを読み出して、進角値θの値を所定の範囲(例えば、電気角で0°≦θ≦30°の範囲)内において単位進角値Δθずつ変化させる。例えば、パラメータ決定部12は、進角値θを0°から30°まで単位進角値Δθずつ増加させ、進角値θを増加させる毎に、駆動電流Imの測定値を取得する。
例えば、パラメータ決定部12は、記憶部15に記憶されている単位回生時間Δtを読み出して、回生時間Trの値を所定の範囲(例えば、電気角換算で0°≦θ≦30°の範囲)内において単位回生時間Δtずつ変化させる。例えば、パラメータ決定部12は、回生時間Trを0°から30°まで単位回生時間Δtずつ増加させ、回生時間Trを増加させる毎に、駆動電流Imの測定値を取得する。
パラメータ決定部12は、駆動電流Imの測定値が最も小さくなる進角値θおよび回生時間Tr(組み合わせ)を進角値θの最適値(進角値θ_op)および回生時間Trの最適値(回生時間Tr_op)としてそれぞれ選択し、記憶部15に記憶する。
なお、進角値θの変更可能な範囲(例えば、0°≦θ≦30°)および回生時間Trの変更可能な範囲(例えば、0°≦θ≦30°)は、予め記憶部15に設定されていてもよいし、駆動指令信号Scとともに制御回路10に入力されてもよい。
一方、動作モードが通常モードである場合、パラメータ決定部12は、記憶部15に記憶されている進角値θの最適値(進角値θ_op)および回生時間Trの最適値(回生時間Tr_op)を通電切替制御部13に与える。
次に、制御パラメータ探索モードにおける制御回路10の動作の流れについて説明する。
図6は、制御パラメータ探索モードにおける制御回路10の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
例えば、動作モードとして制御パラメータ探索モードを指定する駆動指令信号Scが制御回路10に入力された場合、制御回路10において動作モード決定部11が動作モードを制御パラメータ探索モードに設定することにより、制御回路10が制御パラメータ探索モードでの動作を開始する。
制御パラメータ探索モードにおいて、先ず、パラメータ決定部12は、進角値θを初期化する(ステップS1)。例えば、パラメータ決定部12は、進角値θを初期値θ0に設定する(θ=θ0)。進角値θの初期値θ0は、例えば、進角値θの変更可能な範囲(例えば、0°≦θ≦30°)の最小値(0°)であり、予め記憶部15に記憶されている。
次に、パラメータ決定部12は、進角値θの変更が可能か否かを判定する(ステップS2)。例えば、パラメータ決定部12は、進角値θが、進角値θの変更可能な範囲(例えば、0°≦θ≦30°)内にあるか否かを判定することにより、進角値θの変更が可能か否かを判定する。
進角値θが進角値θの変更可能な範囲内にない場合(ステップS2:NO)、パラメータ決定部12は、進角値θの変更が不可能と判定し、制御回路10は制御パラメータ探索モードでの動作を終了する。
一方、進角値θが進角値θの変更可能な範囲内にある場合(ステップS2:YES)、パラメータ決定部12は、進角値θの変更が可能と判定し、進角値θを変更する(ステップS3)。具体的には、パラメータ決定部12は、その時点で設定されている進角値θxに単位進角値Δθを加算した値(θ=θx+Δθ)を進角値θとして設定する。
次に、パラメータ決定部12は、回生時間Trを初期化する(ステップS4)。例えば、パラメータ決定部12は、回生時間Trを初期値Tr0に設定する(Tr=Tr0)。回生時間Trの初期値Tr0は、例えば、回生時間Trの変更可能な範囲(例えば、電気角換算値で0°≦θ≦30°)の最小値(0°)であり、予め記憶部15に記憶されている。
次に、パラメータ決定部12は、回生時間Trの変更が可能か否かを判定する(ステップS5)。例えば、パラメータ決定部12は、回生時間Trが、回生時間Trの変更可能な範囲(例えば、0°≦Tr≦30°)内にあるか否かを判定することにより、回生時間Trの変更が可能か否かを判定する。
回生時間Trが回生時間Trの変更可能な範囲内にない場合(ステップS5:NO)、パラメータ決定部12は、回生時間Trの変更が不可能と判定し、制御回路10はステップS2に戻る。
一方、回生時間Trが回生時間Trの変更可能な範囲内にある場合(ステップS5:YES)、パラメータ決定部12は、回生時間Trの変更が可能と判定し、回生時間Trを変更する(ステップS6)。具体的には、パラメータ決定部12は、その時点で設定されている回生時間Trxに単位回生時間Δtを加算した値(Tr=Trx+Δt)を回生時間Trとして設定する。
次に、制御回路10は、モータ2の駆動を開始する(ステップS7)。具体的には、パラメータ決定部12が、ステップS3で設定した進角値θとステップS6で設定した回生時間Trとを通電切替制御部13に与えることにより、駆動制御信号Sdの生成を通電切替制御部13に指示する。これにより、通電切替制御部13が、設定された進角値θおよび回生時間Trと位置検出信号Spとに基づいて、上述した手法により通電切替制御を行うことにより、モータ2が回転する。
次に、制御回路10は、モータ2が所定の動作状態になったか否かを判定する(ステップS8)。ここで、所定の動作状態とは、例えば、モータ2の回転速度が安定した状態(例えば、回転速度の変動が±10%以内)である。例えば、制御回路10は、モータ2の駆動を開始(進角値θおよび回生時間Trを更新)してから所定時間の経過後に、位置検出信号Spの周期、すなわちモータ2の回転速度が安定したか否か判定することにより、モータ2が所定の動作状態になったか否かを判定する。
例えば、所定時間の経過後にモータ2の回転速度が安定していない場合(ステップS8:NO)、制御回路10は、モータ2が所定の動作状態になっていないと判定し、ステップS5に戻る。
一方、モータ2の回転速度が安定している場合(ステップS8:YES)、制御回路10は、モータ2が所定の動作状態になったと判定し、駆動電流Imを測定する(ステップS9)。具体的には、電流測定部14が、上述した手法により、電流検出信号Siに基づいて駆動電流Im(実効値)を算出し、記憶部15に記憶する。
このとき、記憶部15には、既に測定された駆動電流Imの測定値のうち最も小さい測定値が最小電流値Im_minとして記憶部15に記憶され、当該最小電流値Im_minを測定したときの進角値θおよび回生時間Trが最小電流値Im_minに対応付けられて記憶部15に記憶されている。
次に、パラメータ決定部12が、ステップS9において測定した駆動電流Imの測定値が最小電流値Im_minを更新したか否かを判定する(ステップS10)。具体的には、パラメータ決定部12は、ステップS9において取得した駆動電流Imの測定値と記憶部15に記憶されている最小電流値Im_minとを比較し、駆動電流Imの測定値が最小電流値Im_minより小さいか否かを判定する。
ステップS9において取得した駆動電流Imの測定値が最小電流値Im_min以上である場合(ステップS10:NO)、制御回路10(パラメータ決定部12)は、記憶部15に記憶されている最小電流値Im_minを更新することなくステップS5に戻り、ステップS5からステップS8までの処理を再度実行する。
一方、ステップS9において取得した駆動電流Imの測定値が最小電流値Im_minより小さい場合(ステップS10:YES)、パラメータ決定部12は、記憶部15に記憶されている最小電流値Im_minをステップS9において取得した駆動電流Imの測定値によって更新する(ステップS11)。
次に、パラメータ決定部12は、ステップS11において最小電流値Im_minとなった駆動電流Imを測定したときの進角値θおよび回生時間Trを、進角値の最適値θ_opおよび回生時間の最適値Tr_opとして記憶部15にそれぞれに記憶する(ステップS12)。その後、制御回路10は、ステップS5に戻り、ステップS5からステップS12までの処理を再度実行する。
制御回路10は、制御パラメータ探索モードにおいて、上記手順にしたがって各ステップに係る処理を実行することにより、駆動電流Imの値が最も小さくなる進角値θと回生時間Trの組み合わせを見つけ出すことが可能となる。そして、制御回路10は、通常モードにおいて、制御パラメータ探索モードにおいて見つけ出した進角値θと回生時間Trの組み合わせを最適な制御パラメータとして用いてモータ2の駆動制御を実行する。これにより、通常モードにおいてモータ2を高効率で駆動することが可能となる。
以上、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1において、制御回路10は、制御パラメータの値を変更しながらモータ2を駆動し、モータ2の駆動時にモータ2に供給される電流である駆動電流Imを測定し、駆動電流Imの測定値が最小になる制御パラメータの値を探索する制御パラメータ探索モードと、制御パラメータ探索モードによって探索した制御パラメータを用いて駆動制御信号Sdを生成し、モータ2を駆動する通常モードと、を動作モードとして有する。
これによれば、モータ駆動制御装置1において制御回路10の動作モードを制御パラメータ探索モードに設定することにより、制御回路10自身が制御パラメータを変更しながらモータの効率を測定し、測定した効率が最も高くなる条件(制御パラメータの最適値)を自動で見つけ出すことできる。これにより、モータ2を高効率で駆動するための制御パラメータの最適値を見つけ出すための人手作業を減らすことができ、モータ駆動制御装置のコストを削減することが可能となる。
一方、動作モードを通常モードに設定することにより、制御回路10は、制御パラメータ探索モードによって探索した最適な制御パラメータを用いてモータ2の駆動制御を行うので、通常モードにおいてモータ2を高効率で駆動することが可能となる。
また、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1において、制御パラメータは、モータ2のコイルに電圧を印加するタイミング(位相)を指定する進角値θと、コイルの電流を回生させる期間の長さを指定する回生時間Trとを含む。
これによれば、単相モータを駆動するモータ駆動制御装置において、単相モータを効率よく駆動するために必要なパラメータである進角値θおよび回生時間Trの最適値を容易に探索することができるので、単相モータ用のモータ駆動制御装置のコストを削減することが可能となる。
また、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1において、制御回路10のパラメータ決定部12は、動作モードが制御パラメータ探索モードである場合に、進角値θおよび回生時間Trをそれぞれ設定して通電切替制御部13に与えるとともに、設定した進角値θおよび回生時間Trに基づいてモータ2を回転させたときの駆動電流Imの測定値を取得することを、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を変更しながら繰り返し実行する。そして、パラメータ決定部12は、駆動電流Imの測定値が最も小さくなる進角値θおよび回生時間Trを進角値θの最適値および回生時間Trの最適値として記憶部15に記憶する。
これによれば、モータ駆動制御装置1において、モータ2を高効率で駆動するための進角値θおよび回生時間Trの最適値の組み合わせを効率よく探索することが可能となる。
また、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1において、制御回路10のパラメータ決定部12は、制御パラメータ探索モードにおいて、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を所定の範囲内で単位量(Δθ、Δt)ずつ変化させることにより、進角値θおよび回生時間Trの少なくとも一方の値を変更する。
これによれば、モータ2を高効率で駆動するための進角値θおよび回生時間Trの最適値を漏れなく且つ効率よく探索することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、制御パラメータ探索モードにおいて、進角値θおよび回生時間Trの両方の値を変化させて最適な進角値θおよび回生時間Trの組み合わせを探索するものとして説明したが、これに限られない。例えば、進角値θおよび回生時間Trの一方を固定し他方を変化させて、最適な進角値θおよび回生時間Trの組み合わせを探索してもよい。また、制御パラメータは、進角値θおよび回生時間Trに限られず、モータの駆動制御に必要な他のパラメータも、最適値の探索対象としてもよい。例えば、三つの制御パラメータを用いてモータの駆動制御を行う場合、制御パラメータ探索モードにおいて、三つの制御パラメータの値の組み合わせを変更しながらモータ2を駆動し、最適な制御パラメータの値の組み合わせを探索してもよい。この場合、上述の例と同様に、少なくとも一つの制御パラメータを変化させ、他の制御パラメータを固定値としてもよい。
また、上記実施の形態において、モータ2の種類は、ブラシレスDCモータに限定されない。
また、上記実施の形態において、第1(第2)通電制御時にスイッチ素子Q1(Q3)をオンし、スイッチ素子Q2(Q4)をオフする場合を例示したが、これに限られない。例えば、相補PWM制御となるように、スイッチ素子Q2(Q4)をスイッチ素子Q1(Q3)と反対の極性でPWM駆動してもよい。
また、上記実施の形態では、駆動指令信号Scが、動作モードを指定する情報を含む場合を例示したが、これに限られず、モータ2の目標回転速度を指定する情報を含んでいてもよい。この場合、制御回路10は、位置検出信号Spに基づいて算出したモータ2の回転速度が駆動指令信号Scで指定された目標回転速度に一致するように、制御パラメータ(進角値θおよび回生時間Tr)を用いて駆動制御信号Sdを生成するクローズドループ制御を行ってもよい。
また、上述のフローチャートは一例であって、これらに限定されるものではなく、例えば、各ステップ間に他の処理が挿入されていてもよいし、処理が並列化されていてもよい。
1…モータ駆動制御装置、2…モータ、3…位置センサ、4…モータユニット、5…インペラ、6…ファン、10…制御回路、11…動作モード決定部、12…パラメータ決定部、13…通電切替制御部、14…電流測定部、15…記憶部、20…駆動回路、21…プリドライブ回路、22…インバータ回路、D1~D4…還流ダイオード、Q1…第1スイッチ素子、Q2…第2スイッチ素子、Q3…第3スイッチ素子、Q4…第4スイッチ素子、Lvdd…電源ライン、Lgnd…接地(グラウンド)ライン、Vdd…直流電圧(直流電源)、Lm…コイル、IL…コイル電流、Im…駆動電流、P1…第1端子、P2…第2端子、θ…進角値、Tr…回生時間、Δθ…単位進角値、Δt…単位回生時間、d1…第1方向、d2…第2方向。

Claims (7)

  1. モータの駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号を生成し、前記モータの通電制御を行う制御回路と、
    前記駆動制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記制御パラメータの値を変更しながら前記モータを駆動し、前記モータの駆動時に前記モータに供給される電流である駆動電流を測定し、前記駆動電流の測定値が最小になる前記制御パラメータの値を探索する制御パラメータ探索モードと、前記制御パラメータ探索モードによって探索した前記制御パラメータの値を用いて前記駆動制御信号を生成し、前記モータを駆動する通常モードと、を動作モードとして有する
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御パラメータは、前記モータのコイルに電圧を印加するタイミングを指定する進角値と、前記コイルの電流を回生させる期間の長さを指定する回生時間とを含む
    モータ駆動制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御回路は、
    前記動作モードを決定する動作モード決定部と、
    前記動作モード決定部によって決定された前記動作モードに基づいて前記進角値および前記回生時間を決定するパラメータ決定部と、
    前記パラメータ決定部によって決定された前記進角値および前記回生時間と、前記モータの回転状態を示す回転状態信号とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する通電切替制御部と、
    前記駆動電流を測定する電流測定部と、
    記憶部と、を含み、
    前記パラメータ決定部は、前記動作モードが前記制御パラメータ探索モードである場合に、前記進角値および前記回生時間をそれぞれ設定して前記通電切替制御部に与えるとともに設定した前記進角値および前記回生時間に基づいて前記モータを回転させたときの前記駆動電流の測定値を取得することを、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を変更しながら繰り返し実行し、前記駆動電流の測定値が最も小さくなる前記進角値および前記回生時間を前記進角値の最適値および前記回生時間の最適値として前記記憶部に記憶し、
    前記パラメータ決定部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記記憶部に記憶されている前記進角値の最適値および前記回生時間の最適値を前記通電切替制御部に与える
    モータ駆動制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記パラメータ決定部は、前記制御パラメータ探索モードにおいて、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を所定の範囲内で単位量ずつ変化させることにより、前記進角値および前記回生時間の少なくとも一方の値を変更する
    モータ駆動制御装置。
  5. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記モータは、単相モータである
    モータ駆動制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
    前記モータと、を備える
    モータユニット。
  7. モータの駆動を制御するための制御パラメータに基づいて駆動制御信号を生成し、前記モータの通電制御を行う制御回路と、前記駆動制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動回路と、を備えたモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法であって、
    前記制御回路が、前記制御パラメータの値を変更しながら前記モータを駆動し、前記モータの駆動時に前記モータに供給される電流である駆動電流を測定し、前記駆動電流の測定値が最小になる前記制御パラメータの値を探索する第1ステップと、
    前記制御回路が、前記第1ステップにおいて探索した前記制御パラメータの値を用いて前記駆動制御信号を生成し、前記モータを駆動する第2ステップと、を含む
    モータ駆動制御方法。
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