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JP2024168708A - 剥離剤組成物及び剥離シート - Google Patents

剥離剤組成物及び剥離シート Download PDF

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JP2024168708A JP2023085604A JP2023085604A JP2024168708A JP 2024168708 A JP2024168708 A JP 2024168708A JP 2023085604 A JP2023085604 A JP 2023085604A JP 2023085604 A JP2023085604 A JP 2023085604A JP 2024168708 A JP2024168708 A JP 2024168708A
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Kento Shiragami
中 小林
Ataru Kobayashi
俊明 井原
Toshiaki Ihara
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Abstract

【課題】付加反応性が高すぎず、調製後のゲルの発生を防ぎ、重剥離を達成できる架橋構造を形成することのできる、無溶剤タイプの剥離剤組成物、及びそれを用いて形成された剥離シートを提供する。
【解決手段】 特定範囲の質量部の下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、特定範囲の粘度で、特定範囲のビニル価である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン(B)R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(C)25℃で液状のオレフィン(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(E)白金族金属系触媒
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた重剥離効果を与える付加反応硬化型の剥離剤組成物、及びこれを用いた剥離シートに関する。より詳細には、溶剤系やエマルジョン系ではない剥離剤組成物に関するものであり、より好ましくは無溶剤タイプの剥離剤組成物に関する物である。
従来、紙やプラスチック等の基材と粘着材料との接着、固着を防止するために、基材面にオルガノポリシロキサン組成物の硬化皮膜を形成させて剥離特性を付与させている。上述の基材面にオルガノポリシロキサン硬化皮膜を形成させる方法としては、付加反応による剥離性皮膜形成方法が硬化性に優れることから広く用いられている。
この付加反応による剥離性皮膜形成方法には、オルガノポリシロキサン組成物を有機溶剤に溶解させたタイプ、乳化剤を用いて水に分散させてエマルションにしたタイプ、オルガノポリシロキサンのみからなる無溶剤タイプがあるが、溶剤タイプは人体や環境に対して有害な場合があるという欠点を有するため、安全性の面から溶剤タイプから無溶剤タイプへの切り替えが進んでいる。
一般に、剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物には、目的に応じ種々の剥離力を持つものが求められており、重剥離が必要な用途に対しては、MQレジンと呼ばれる三次元網状のオルガノポリシロキサン(M単位とはR’SiO1/2単位、Q単位とはSiO4/2単位を意味する。R’は1価炭化水素基)を添加した組成物が広く使われている。
しかしながら、アルケニル基含有MQレジンは樹脂状または高粘度の化合物である場合が多く、多量に添加する場合は有機溶剤に希釈しなければ使用することができない。また、少量の添加であれば無溶剤で使用することも可能であるが、その場合は重剥離効果が不十分である。
特許文献1は、(a1)M単位とQ単位のモル比が0.6~1.0であり、水酸基又はアルコキシ基の含有量が0.3~2.0質量%の範囲にあるMQ型レジン100質量部と(a2)水酸基又はアルコキシ基を有する平均重合度100~1,000の鎖状ポリジオルガノシロキサン20~150質量部を縮合反応させたオルガノポリシロキサン樹脂-オルガノポリシロキサン縮合反応物からなる剥離調整剤である。この特許文献1は、実施例における剥離力は縮合反応物無添加の比較例と比べて低速(0.3m/min)において1.4倍~2.2倍にしか上昇しておらず、十分な重剥離化効果が得られていない。これは使用される(a1)の水酸基又はアルコキシ基の含有量が0.3~2.0質量%の範囲と低く、(a2)との反応点が少なく、十分な縮合による架橋構造を持っていないためであると推測される。また(a1)成分と(a2)成分の縮合反応に手間がかかるため、より簡便で安価な方法で製造できる重剥離組成物が望まれている。
特許文献2は、反応性シロキサンポリマー、シロキサン架橋剤、触媒の混合物に剥離調整剤として感圧接着剤を配合することにより、重剥離化を達成している。しかし、感圧接着剤の配合量を増やすと接着剤としての効果が発現すると考えられるので重剥離化には限界があり、実施例からも十分な重剥離効果が得られているとは言えない。また、感圧接着剤は高粘度でありトルエン等の溶剤中で希釈されていることが一般的だが、近年の脱溶剤化の傾向から組成物に添加するためには溶剤をα-オレフィン等に置換する必要が出てきてしまう。
特許文献3は、アルケニル基含有MQレジンと、5~80センチポアズの低粘度を有する有機官能性シロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの混合物であり、有機官能性シロキサンの付加反応性が高いため、容易に架橋構造を形成し重剥離を達成することができる。しかし、発明者らが上記の組成を再現したところ、反応性の高さゆえに調製後すぐに付加反応物と思われるシリコーンゲル物が組成物中に形成されてしまうことが分かった。触媒を加えた直後は触媒の濃度分布に偏りが生じてしまい、室温で架橋が進んでしまうものと考えられる。
特開2010-37557号公報 特表2007-523225号公報 特表2017-523258号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、付加反応性が高すぎず、調製後のゲルの発生を防ぎ、それでいて優れた重剥離を達成できる架橋構造を形成することのできる、無溶剤タイプの剥離剤組成物、及び該組成物の硬化被膜が形成された剥離シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物を提供する。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して20~65質量部、
(B)R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~80質量部、
(C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0~20質量部、
(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
(E)白金族金属系触媒:有効量
このような剥離剤組成物であれば、無溶剤タイプで、付加反応性が高すぎず、調製後のゲルの発生を防ぎ、それでいて優れた重剥離を達成できる架橋構造を形成することができる。
また、本発明では、前記(A)成分が下記平均組成式(1):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(1)
(式中、Rは独立に、アルケニル基を表し、Rは独立に、アルケニル基を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、a、b、c、d、e、f及びgは互いに独立に、0以上の数であり、0≦a、0≦b、2≦a+b、3≦c、50≦d、90≦c+d≦400、0≦e≦8、3≦b+c+e、0≦f≦8、0≦g≦8、0≦f+g≦8)で表されるものであることが好ましい。
このような(A)成分であれば、より好ましい剥離剤組成物の粘度及び硬化物の剥離力を得ることができる。
また、本発明では、前記(B)成分が下記平均組成式(2)で表されるものであるのが好ましい。
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(2)
(式中、Rは互いに独立に炭素数2~8のアルケニル基であり、Rは互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全Rの少なくとも80モル%はメチル基であり、h、i、j、k、l、m及びnは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、i+j+l>0 、l+m+n>0であり、かつ、h+i+j+k+l+m+n=1である)
このような(B)成分であれば、より好ましい重剥離効果を得ることができる。
また、本発明では、前記(C)成分が、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン、又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンであるのが好ましい。
このような(C)成分であれば、剥離剤組成物を低粘度化でき、架橋密度が高くなりすぎないので好ましい。
また、本発明では、前記(D)成分が、下記平均組成式(3):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 (3)
(式中、Rは独立に、水素原子を表し、Rは独立に、水素原子以外の、非置換または置換の1価炭化水素基であり、p、q、r、s、t、u及びvは互いに独立に、0以上の数であり、0≦p、0≦q、0≦p+q、0≦r、40≦s、90≦r+s≦400、0≦t≦8、2≦q+r+t、0≦u≦8、0≦v≦8、0≦u+v≦8)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に側鎖に少なくとも2個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上である直鎖または分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサンであるのが好ましい。
このような(D)成分であれば、剥離剤組成物がより好適な粘度で取扱い性や塗工精度がより好ましいものとなる。
また、本発明では、下記式で表されるオルガノポリシロキサン(F)を0~20質量部含むのが好ましい。ただし、1≦p≦20、Xはメチル基、メトキシ基、ビニル基から選択される基、または、酸素原子で環状構造を与えるものである。
Figure 2024168708000001
このような(F)成分を含む場合には、より好適な剥離剤組成物を得ることができる。
また、本発明では、剥離剤組成物の25℃での粘度が50~1000mPa・sであるのが好ましい。
このような粘度であると、基材上に硬化皮膜を形成する際の塗工ができ、均一な皮膜となるので好ましい。
また、本発明では、剥離剤組成物に溶剤を含まないのが好ましい。
このような溶剤を含まない剥離剤組成物であると、人体や環境に対する安全性が高いので好ましい。
また、本発明では、シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、前述の剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シートを提供する。
このような剥離シートであると、優れた重剥離の剥離シートとなるので好ましい。
また、本発明では、剥離シートが前記硬化皮膜に25mm幅のポリエステル粘着テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が3.0N/25mm以上を有するのが好ましい。
このような剥離シートであると、確実に重剥離の効果が高いので好ましい。
本発明の剥離剤組成物は、従来の重剥離組成物と比較しても非常に大きな剥離力を得ることができる。また優れたポットライフを有し、硬化後の経時における剥離力の低下も少ないため、重剥離用の剥離シートの材料として有用である。そして、このような剥離剤組成物を用いて優れた剥離シートが提供される。
上述のように、付加反応性が高すぎず、調製後のゲルの発生を防ぎ、それでいて優れた重剥離を達成できる架橋構造を形成することのできる、無溶剤タイプの剥離剤組成物、及び該組成物の硬化被膜が形成された剥離シートの開発が求められていた。
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下であるである直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサンと、(B)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂と、(C)25℃で液状のオレフィンと、(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(E)白金族金属触媒からなる組成物が、重剥離効果に優れ、硬化後の経時における剥離力の低下が抑制され、さらに組成物が優れたポットライフを有することを見出し、本発明をなすに至った。特にケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンを使用することで、本発明の組成物は、付加反応性が高すぎないながらも無溶剤で非常に重剥離の剥離シートを提供することが可能となる。
即ち、本発明は、下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物である。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して20~65質量部、
(B)R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~80質量部、
(C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0~20質量部、
(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
(E)白金族金属系触媒:有効量
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、「Me」はメチル基を表し、「Vi」はビニル基を表す。
[(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンである。
(A)成分は、組成物の粘度及び硬化物の剥離力を調整させるための成分であり、具体的には下記平均組成式(1):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(1)
(式中、Rは独立に、アルケニル基を表し、Rは独立に、アルケニル基を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、a、b、c、d、e、f及びgは互いに独立に、0以上の数であり、0≦a、0≦b、2≦a+b、3≦c、50≦d、90≦c+d≦400、0≦e≦8、3≦b+c+e、0≦f≦8、0≦g≦8、0≦f+g≦8)で表され、(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個、好ましくは3~50個、より好ましくは3~30個有する直鎖状オルガノポリシロキサンである。該オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度5,000mPa・s以下、好ましくは3,000mPa・s以下、より好ましくは1,500mPa・s以下を有するのがよい。主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。粘度が上記上限値以内であると、硬化物の架橋密度を低下させることなく、目標とする重剥離効果を得ることができるため好ましい。下限値100mPa・s以上、好ましくは200mPa・s以上であるのがよい。粘度が上記下限値を下回ると、組成物中にシリコーンゲル物が生じやすくなる場合があるため好ましくない。
さらにシリコーンゲル物は生じなくとも、組成物の粘度が著しく高くなるといった問題が生じるおそれがある。なお、本発明において粘度の測定は、25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度の値である(以下、同様)。
(A)成分のビニル価は、0.05以上0.3mol/100g以下である。(A)成分のビニル価が0.05mol/100g未満であると硬化性が低下する場合がある。一方、ビニル価が0.3mol/100gを超えると硬化被膜の離形性が低下する場合がある。ビニル価としては、特に0.07以上0.2mol/100g以下が好ましい。
上記式(1)において、a、b、c、d、e、f及びgは互いに独立に、0以上の数であり、0≦a、0≦b、2≦a+b、3≦c、50≦d、90≦c+d≦400、0≦e≦8、3<b+c+e、0≦f≦8、0≦g≦8、0≦f+g≦8である。好ましくは、2≦a≦20、2≦b≦20、4≦a+b≦20、3≦c≦40、55≦d≦220、95≦c+d≦250、0≦e≦5、5≦b+c+e≦60、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦f+g≦5である。
前記ケイ素原子に結合したアルケニル基は、好ましくは炭素原子数2~8、より好ましくは2~4を有すればよい。例えば、ビニル基、アリール基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。該ケイ素原子に結合したアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子中において、分子鎖側鎖に加えて分子鎖末端に存在してもよい。
前記アルケニル基以外の、ケイ素原子に結合する有機基は、脂肪族不飽和結合を有しないものであれば特に限定されない。例えば、非置換または置換の、炭素原子数が、通常、1~12、好ましくは1~10の一価炭化水素基とすることができる。該非置換または置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基; フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基; ベンジル基、及びフェネチル基等のアラルキル基; これらの基の水素原子の一部または全部が塩素原子、フッ素原子、及び臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3-クロロプロピル基、及び3,3,3-トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
(A)成分の量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し20~65質量部であり、好ましくは22~55質量部であり、より好ましくは25~50質量部である。(A)成分の含有量が上記下限値未満では、得られる組成物の粘度が著しく高くなってしまい、取扱性や塗工精度が低下する。また(A)成分の量が上記上限値を超えると、硬化物の架橋密度が低下してしまい、目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
(A)直鎖状オルガノポリシロキサンとしては例えば、下記に示す構造が挙げられる。式中、Rはメチル基またはビニル基であり、尚、(A)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
Figure 2024168708000002
Figure 2024168708000003
Figure 2024168708000004
Figure 2024168708000005
Figure 2024168708000006
Figure 2024168708000007
[(B)三次元網状オルガノポリシロキサン]
(B)成分は、R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である)である。
(B)成分は、重剥離効果を付与するための成分であり、具体的には下記平均組成式(2):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(2)
(式中、Rは互いに独立に炭素数2~8のアルケニル基であり、Rは互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全Rの少なくとも80モル%はメチル基であり、h、i、j、k、l、m及びnは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、i+j+l>0 、l+m+n>0であり、かつ、h+i+j+k+l+m+n=1である)で表される。(B)成分は25℃において蝋状もしくは固体であることが好ましい。ここで「蝋状」とは、25℃において、10,000Pa・s以上、特に100,000Pa・s以上の、ほとんど自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)を意味する。
上記式(2)において、h、i、j、k、l、m及びnは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、i+j+l>0、l+m+n>0であり、かつ、h+i+j+k+l+m+n=1である。好ましくは、
hは0~0.65の数であり、特に0.2~0.4であることが好ましい。
iは0~0.12の数であり、特に0.03~0.07であることが好ましい。
jは0~0.2の数であり、特に0~0.1であることが好ましい。
kは0~0.2の数であり、特に0~0.1であることが好ましい。
lは0~0.2の数であり、特に0~0.1であることが好ましい。
mは0~0.2の数であり、特に0~0.1であることが好ましい。
nは0~0.6の数であることが好ましく、特に0.23~0.6であることが好ましい。
また、好ましくはi+j+lは0~0.5であり、特に0~0.2であることが好ましく、好ましくはl+m+nは0.1~0.8であり、特に0.2~0.6であることが好ましい。
上記式(2)において、Rで表されるアルケニル基としては、前記(A)成分にて例示したケイ素原子結合アルケニル基が挙げられ、特にはビニル基が好ましい。Rで表される、アルケニル基以外の、非置換または置換の一価炭化水素基としては、前記(A)成分にて例示したケイ素原子結合アルケニル基以外の有機基が挙げられる。中でもメチル基が好ましく、全Rの少なくとも80モル%、好ましくは90~98%がメチル基であるのがよい。メチル基の割合が全Rの80モル%以上であると上述した(A)成分との相溶性に優れ、剥離剤組成物が白濁分離することなく、均一な被膜が得られる。
(B)成分中、ケイ素原子に結合したアルケニル基の含有量は、(B)成分100g当たり、0.01~1molの範囲であることが好ましく、0.05~0.2molの範囲であることがより好ましく、0.06~0.1molの範囲であることがさらに好ましい。アルケニル基の含有量が0.01~1molの範囲を満たすと、架橋反応が十分に進行し、より高硬度の硬化物が得られる。
(B)成分の量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し35~80質量部であり、好ましくは40~60質量部であり、より好ましくは45~50質量部である。(B)成分の含有量が上記上限値超えでは、得られる組成物の粘度が著しく高くなってしまい、取扱性や塗工精度が低下する。また(B)成分の量が上記下限値未満では、硬化物の架橋密度が低下してしまい、目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
(B)成分のオルガノポリシロキサン樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。
(MeSiO1/2(ViMeSiO1/2(SiO4/2
(ViMeSiO1/2(SiO4/2
(ViMeSiO)(MeSiO)(MeSiO3/2
(ViMeSiO1/2(MeSiO)(ViSiO3/2
(ViMeSiO1/2(MeSiO)(MeSiO3/2
(MeSiO1/2(ViMeSiO1/2(MeSiO)(MeSiO3/2
(MeSiO1/2(ViMeSiO1/2(MeSiO)(ViMeSiO)(MeSiO3/2
(式中、h、i、j、k、l、mおよびnは、上記平均組成式(2)で定義したとおりである。)
特にMeSiO1/2、ViMeSiO1/2及びSiO4/2単位で構成されたオルガノポリシロキサン樹脂を用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサン樹脂を用いることで、得られる硬化物の架橋密度が十分高いものとなり、所望する重剥離効果を得ることが可能となる。尚、(B)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[(C)液状オレフィン]
(C)成分は、25℃で液状のオレフィンである。
(C)成分は、少量添加で組成物を低粘度化できる、いわゆる減粘剤である。25℃で液状の形態を有しているオレフィンであれば特に限定されず、公知のオレフィンの中から適宜選択すればよいが、特にはモノオレフィンが好ましい。例えば、ジオレフィンの場合、架橋密度が高くなりすぎるため剥離時に剥離音が生じる恐れがある。好ましくは、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンであるのがよい。
従来、オルガノポリシロキサン組成物の粘度を下げるためには溶剤を添加する、もしくは低粘度のオルガノポリシロキサン成分を添加する等の方法が採られていたが、揮発性が高い溶剤を使用する場合、人体や環境に対して有害となることがあり、安全性の面を考慮すると溶剤の使用は好ましくない。また、揮発性の低い低粘度のオルガノポリシロキサン成分を添加することでも粘度を下げることはできるが、本発明者が鋭意検討した結果、炭化水素系の化合物に比べると減粘効果は低い。そのため、低粘度オルガノポリシロキサン成分の添加で粘度を下げるためには、該成分を大量に添加する必要が生じ、その結果目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
これに対し、25℃で液状のオレフィン(特に好ましくは、炭素原子数10~18の直鎖状又は炭素数10以上の分岐状モノオレフィン)は、オルガノポリシロキサン組成物に対する減粘効果が高いため少量で低粘度化が可能であり、重剥離効果を損なうことがない。また、オルガノポリシロキサン組成物(特にSiH)との反応性基(特にオレフィン部位)を有しているため、硬化皮膜に取り込まれ、揮発したり、テープへ移行したりすることがない。従って、剥離剤組成物の粘度をコントロールする上で、非常に有用である。
本発明において、オレフィンは直鎖状及び分岐状のいずれであってもよいが、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンであるのが好ましい。直鎖状のモノオレフィンとしては、炭素原子数10~18が好ましく、より好ましくは12~18である、更に好ましくは14~18である。モノオレフィンの炭素原子数が上記上限値以内であれば25℃で液状であるので好ましい。また、モノオレフィンの炭素原子数が上記下限値以上であると、揮発性が低いため、人体や環境に対する安全性が高い。このような直鎖状のモノオレフィンとしては、例えば、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、及び1-オクタデセン等が挙げられる。より詳細には、商品名「リニアレン」(出光興産株式会社製)のシリーズ(例えば、商品名「リニアレン14」、「リニアレン16」、「リニアレン18」等)の市販品を用いることができる。
分岐状のモノオレフィンは、揮発性の観点から、炭素原子数10以上が好ましく、より好ましくは15以上である。炭素原子数の上限は特に制限されるものでなく、25℃で液状であればよい。好ましくは50以下であり、更に好ましくは40以下である。また、下記に例示されるHSダイマー A-20Pのように、分岐状モノオレフィンが2種以上の混合である場合、炭素原子数50超を有する分岐状モノオレフィンが少量混合していてもよい。このような分岐状のモノオレフィンとしては、例えば、下記式で表される商品名「HSダイマー」(豊国製油株式会社製)のシリーズ(例えば、商品名「A-20」、「A-20P」等)の市販品を用いることができる。(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
HSダイマー A-20
Figure 2024168708000008
HSダイマー A-20P
Figure 2024168708000009
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0~20質量部であり、好ましくは0.1~18質量部であり、より好ましくは1~15質量部であり、さらに好ましくは4~12質量部である。(C)成分の量が上記上限値を超えると、得られる組成物の粘度が低くなりすぎてしまい塗工性が低下する。(C)成分を配合する場合、(C)成分の量が上記下限値以上であれば減粘剤としての効果が得られるので好ましい。
[(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(D)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、SiH基という)を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。付加反応型シリコーン組成物に使用される公知のオルガノハイドロジェンシロキサンを使用できる。例えば、下記平均組成式(3):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 (3)
(式中、Rは独立に、水素原子を表し、Rは独立に、水素原子以外の、非置換または置換の1価炭化水素基であり、p、q、r、s、t、u及びvは互いに独立に、0以上の数であり、0≦p、0≦q、0≦p+q、0≦r、40≦s、90≦r+s≦400、0≦t≦8、2≦q+r+t、0≦u≦8、0≦v≦8、0≦u+v≦8)で表される。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分中に含まれるアルケニル基と(D)成分中のSiH基とが付加反応して架橋構造を形成する。即ち(D)成分は架橋剤として機能する。(D)成分は25℃での粘度1,000mPa・s以下を有するのが好ましく、より好ましくは100~500mPa・sであり、さらに好ましくは100~200mPa・sである。粘度が上記上限値以内であると、組成物全体も高粘度にならず、取扱性や塗工精度が良好である。粘度は、25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度の値である。(D)成分の配合量は、架橋バランスの観点から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分中の全アルケニル基の個数に対する(D)成分中のSiH基の個数比が0.5~5.0、好ましくは0.7~3.0となる量が好ましい。(D)成分の量が上記範囲を満たさないと、架橋バランスが不適切となることがある。
(D)成分中、上記SiH基の含有量は、(D)成分100g当たり、0.1~2molの範囲が好ましく、0.2~1.7molの範囲がより好ましい。上記平均組成式(3)において、R6で表される、水素原子以外の、非置換又は置換の1価炭化水素基は、上記(A)成分の為に例示した、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基が挙げられる。好ましくはメチル基であり、全R6の少なくとも50モル%、典型的には60~100モル%がメチル基であることが好ましい。メチル基の割合が全Rの50モル%以上の場合、(A)成分及び(B)成分との相溶性に優れ、剥離剤組成物が白濁せず、相分離しない。上記平均組成式(3)において、p、q、r、s、t、u及びvは互いに独立に、0以上の数であり、0≦p、0≦q、0≦p+q、0≦r、40≦s、90≦r+s≦400、0≦t≦8、2≦q+r+t、0≦u≦8、0≦v≦8、0≦u+v≦8である。好ましくは、0≦p≦20、0≦q≦20、0≦p+q≦20、3≦r≦60、50≦s≦200、95≦r+s≦250、0≦t≦5、5≦q+r+t≦70、0≦u≦5、0≦v≦5、0≦u+v≦5である。
上記(D)成分はSiH基を、一分子中に少なくとも2個有し、通常2~200個であり、好ましくは3~100個有する。該SiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置してもよく、またこの両方に位置してもよい。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、及び三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常100~300個、好ましくは100~200個程度が望ましい。
上記平均組成式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。(D)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(D)成分としては、例えば、下記式で表される環状シロキサン又は直鎖状シロキサンが挙げられる。
Figure 2024168708000010
Figure 2024168708000011
Figure 2024168708000012
Figure 2024168708000013
Figure 2024168708000014
[(E)白金族金属系触媒]
(E)成分の白金族金属系触媒は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分と(D)成分の付加反応を促進するための触媒であり、いわゆるヒドロシリル化反応を促進するものとして当業者に公知のものはいずれも使用することができる。このような白金族金属系触媒としては、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等の触媒が挙げられ、これらの中で特に白金系触媒が好ましく用いられる。この白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液又はアルデヒド溶液、塩化白金酸の各種オレフィン又はビニルシロキサンとの錯体、白金の各種オレフィン又はビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
(E)成分の配合量は、触媒としての所謂有効量であればよい。例えば、良好な硬化皮膜を得ると共に経済的な見地から、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の合計質量に対して白金族金属の質量換算として0.1~1000ppm、より好ましくは1~500ppmの範囲であればよい。
[その他の成分]
本発明の剥離剤組成物には、上記(A)~(E)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。例えば以下の成分が挙げられる。これらその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のアルケニル基含有化合物
本発明の組成物には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外にも、(D)成分と付加反応するアルケニル基含有化合物を、適宜配合してもよい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のこのようなアルケニル基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも1個のアルケニル基を有する(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。特に、以下の構造の(F)成分を0~20質量部含むことが好ましい。
Figure 2024168708000015
(1≦p≦20、Xはメチル基、メトキシ基、ビニル基から選択される基、または、酸素原子で環状構造を与えるもの)
酸素原子で環状構造を与えるものというのは、Xが酸素原子となる場合は、式の左右のSiがOでシロキサン結合を介してつながり、環構造になることを意味する。
・付加反応制御剤
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(E)白金族金属系触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを好ましく使用できる。例えば、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1-エチニルシクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量は従来公知の方法に従い、適宜調整することができる。付加反応制御剤を適量添加することにより、剥離剤組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性により優れたものとなる。
・その他の任意成分
更に、必要に応じて、公知の酸化防止剤、顔料、安定剤、帯電防止剤、消泡剤、密着向上剤、増粘剤、又はシリカ等の無機充填剤を配合することができる。配合量は従来技術に従い適宜選択することができる。
[剥離剤組成物]
本発明の組成物は、25℃における粘度50~1000mPa・sを有するのが好ましい。より好ましくは80~500mPa・sである。粘度が上記範囲内であると、基材上に硬化皮膜を形成する際に塗工でき、均一な皮膜となるので好ましい。本発明の組成物は溶媒を必要としないことから、無溶媒型剥離剤組成物とすることができる。
[剥離シート用組成物の製造方法]
本発明の剥離剤組成物の製造方法は特に制限されるものでないが、上記(A)~(D)成分及び任意成分を予め均一に混合した後、(E)触媒を使用直前に添加する方法が、ポットライフの面で望ましい。
[剥離シート]
本発明は、更にシート状基材と、該基材表面の片面又は両面に上記剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シートを提供する。塗工方法は特に制限されないが、例えば、本発明の組成物を、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、及びワイヤーバーコーター等による塗工、スクリーン塗工、浸漬塗工、又はキャスト塗工等の塗工方法を用いて、紙、フィルム等のシート状基材の片面又は両面上に、0.01~100g/m塗工した後、50~200℃の範囲の温度で1~120秒間加熱することにより、基材上に硬化皮膜を形成させることができる。基材の両面に剥離層を作る場合は、基材の片面ずつ硬化皮膜の形成操作を行なうことが好ましい。
シート状基材は、紙及び公知の各種フィルム等を含む。該基材としては、例えば、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、及びクレーコート紙等の各種コート紙、ユポ等合成紙、ポリエチレンフィルム、及びCPPやOPP等のポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリフェノールフィルム、及びポリカーボネートフィルム等が挙げられる。また人工皮革、セラミックシート、及び両面セパレーター等の製造用の工程紙であってもよい。これらの基材と剥離層(硬化皮膜)との密着性を向上させるために、基材面にコロナ処理、エッチング処理、プライマー処理あるいはプラズマ処理したものを用いてもよい。
剥離シートの製造方法としてより詳細には、例えば、ポリラミネート紙基材上に本発明の剥離剤組成物を1.0~1.5g/m塗工した後、140℃で30秒間加熱することにより作製することができる。
剥離シートは硬化皮膜に25mm幅のポリエステル粘着テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が3.0N/25mm以上を有するのが好ましい。上限としては、特に限界は無いが、剥離力が高すぎると粘着テープと皮膜間で凝集破壊を起こす可能性があるため、20.0N/25mm以下とすることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に挙げる粘度はいずれも25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した値である。また下記において、部は質量部を表す。なお以下、Me及びViはそれぞれメチル基、ビニル基を表す。
実施例及び比較例で用いた各成分は以下の通りである。以下において、ビニル価とは各成分100gに対するビニル基のmol数であり、SiH基含有量とは各成分100gに対するSiH基のmol数である。粘度は25℃における値である。また、括弧内に示される各シロキサン単位の結合順序は下記に制限されるものでない。
(A)成分
(A1)(ViMeSiO1/2(MeSiO)120(ViMeSiO)18
ビニル価:0.187mol/100g、粘度:300mPa・s
(A2)(ViMeSiO1/2(MeSiO)95(ViMeSiO)
ビニル価:0.068mol/100g、粘度:200mPa・s
(A3)(ViMeSiO1/2(MeSiO)210(ViMeSiO)10
ビニル価:0.071mol/100g、粘度:840mPa・s
(a4)(ViMeSiO1/2(MeSiO)101
ビニル価:0.027mol/100g、粘度:190mPa・s
(a5)(ViMeSiO1/2(MeSiO)157(MeSiO3/2
ビニル価:0.026mol/100g、粘度:250mPa・s
(a6)(ViMeSiO1/2(MeSiO)10
ビニル価:0.211mol/100g、粘度:9.0mPa・s
(a7)(ViMeSiO1/2(MeSiO)60
ビニル価:0.039mol/100g、粘度:100mPa・s
(B)成分
(B1)(MeSiO1/20.38(ViMeSiO1/20.06(SiO4/20.56
ビニル価:0.086mol/100g、25℃で固体
(C)成分
(C1)1-テトラデセン(出光興産株式会社製リニアレン14)
ビニル価:0.51mol/100g、粘度:2.4mPa・s
(D)成分
(D1)(MeSiO1/2(MeHSiO)30(MeSiO)70
SiH基含有量:1.098mol/100g、粘度:119mPa・s
(D2)(MeSiO1/2(MeHSiO)50(MeSiO)48
SiH基含有量:0.791mol/100g、粘度:118mPa・s
(E)成分
(E1)触媒:白金-ビニルシロキサン錯体
(F)成分
(F1)(MeSiO3/2-ViMeSiO1/2)n
ビニル価:0.53mol/100g、粘度:25mPa・s
(G)成分(その他の成分)
(G1)付加反応制御剤(ポットライフ延長剤):1-エチニルシクロヘキサノール
[実施例1]
上記(A1)平均式:(ViMeSiO1/2(MeSiO)120(ViMeSiO1/218で表される直鎖状ジメチルポリシロキサンと、上記(B1)平均式(MeSiO1/20.38(ViMeSiO1/20.06(SiO4/20.56で表されるオルガノシロキサンのキシレン溶液とを、固形分換算で質量比40.0/40.0の割合で混合した。該混合液から150℃で20mmHg以下の減圧下でキシレンを除去し、冷却した後に、上記(C1)1-テトラデセン6.0質量部、上記(D1)平均式:(MeSiO1/2(MeHSiO)30(MeSiO)70で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン25.2質量部、上記(F)2.8質量部、上記(G)1-エチニルシクロヘキサノール0.2質量部を混合し、透明液体を得た。(上記(A1)、(B1)及び(C1)成分中のアルケニル基の合計物質量に対する(D1)成分中のSiH基の物質量比、すなわちH/Viは1.8である)。
上記で得た混合物に、上記(E)触媒を上記(A1)、(B1)、(C1)及び(D1)成分の合計質量に対して白金質量換算で100ppmになるよう添加し、撹拌混合することで、粘度223mPa・sの透明な組成物を得た。
[実施例2~6、比較例1~4]
実施例1と同じ手順にて、下記表1、2に示す組成で、(A)成分と(B)成分を混合した後に、減圧留去にて(B)成分中のキシレンを除去し、次いで(C)成分、(D)成分、(F)成分および(G)成分を混合した後、(E)白金触媒を混合し、実施例2~6及び比較例1~4の組成物を得た。下記表1~2に各成分の配合量を示す。得られた組成物を用いて後述の方法で塗工品(剥離シート)を作製、評価した。
[剥離力]
得られた組成物をポリエチレンラミネート紙の表面に1.0~1.1g/m塗布し、140℃の熱風式乾燥機中で30秒間加熱して硬化皮膜を形成した。得られた硬化皮膜を25℃で1日間セパレーターエージング後、硬化皮膜表面に25mm幅のポリエステル粘着テープ(NO.31B 75ハイ、日東電工製商品名)を貼り合わせ、70℃下荷重20gf/cmで1日間貼り合わせエージングさせた。その後、該テープの一端を剥がし、該端部を、基材であるポリエチレンラミネート紙に対して180°の角度の方向に、剥離速度0.3m/minで引張り、引張試験機を用いて剥離力(N/25mm)を測定した。なお引張試験機は、株式会社島津製作所AGS-50G型を使用した。
[残留接着率]
上記セパレーターエージング後の硬化皮膜表面に、25mm幅のポリエステル粘着テープ(NO.31B75ハイ、日東電工製商品名)を貼り合わせ、70℃下荷重20gf/cmで1日間貼り合わせエージングさせた。そのテープを硬化皮膜から剥がし、25μmのPETフィルムに貼り合わせ、2kgのテープローラーで1往復圧着後、引張試験機を用いて180°の角度で0.3m/分で剥離し、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定した。比較として、硬化皮膜の代わりにテフロン(登録商標)板に貼り合わせた上記ポリエステル粘着テープについて、上記と同様にして、剥離させるのに要する力F(N/25mm)を測定した。剥離層から剥離した後の上記ポリエステル粘着テープには、テフロン(登録商標)板から剥離した上記ポリエステル粘着テープと比較して何%の接着力が残っているか(残留接着率(%))を、式:F/F×100により計算した。
[処理浴ゲル発生有無]
下記表1、2に示す成分(E)を除いた組成を調製後、成分(E)を添加し撹拌した後に処理浴容器の壁面や処理浴中にシリコーンゲル物が付着又は浮遊していないかどうかを確認した。シリコーンゲル物が確認されなかった場合は〇、シリコーンゲル物が確認された場合は×とした。結果を表1、2に示す。
Figure 2024168708000016
Figure 2024168708000017
実施例1~6の結果より、本発明の剥離剤組成物は25℃において500mPa・s以下という、無溶剤タイプの重剥離剤組成物として好適な粘度を有している。該組成物を用いて得られる剥離シートは、3.0N/25mm以上の高い剥離力を有している。また、付加反応性を抑えた側鎖アルケニル基を有しながら高いビニル価を持つオルガノポリシロキサンを用いていることによって、組成物調製直後のシリコーンゲル物の発生を抑制することができる。
一方で、側鎖にアルケニル基を有さずビニル価の低いオルガノポリシロキサンを用いた系(比較例1、2、4)では、架橋密度が低くなってしまうために剥離力が軽くなってしまう。両末端アルケニル基含有短鎖ポリオルガノシロキサンを用いた系(比較例3)では、高い剥離力を示すもののその反応性の高さゆえに処理浴を調製後にシリコーンゲル物が発生しやすい結果となった。以上の結果より、比較例1~4に示された組成物は本発明が目的とする用途には好適ではない。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]:下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して20~65質量部、
(B)R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~80質量部、
(C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0~20質量部、
(D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
(E)白金族金属系触媒:有効量
[2]:前記(A)成分が下記平均組成式(1):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(1)
(式中、Rは独立に、アルケニル基を表し、Rは独立に、アルケニル基を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、a、b、c、d、e、f及びgは互いに独立に、0以上の数であり、0≦a、0≦b、2≦a+b、3≦c、50≦d、90≦c+d≦400、0≦e≦8、3≦b+c+e、0≦f≦8、0≦g≦8、0≦f+g≦8)で表されるものである、[1]に記載の剥離剤組成物。
[3]:前記(B)成分が下記平均組成式(2)で表される、[1]又は[2]に記載の剥離剤組成物。
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(2)
(式中、Rは互いに独立に炭素数2~8のアルケニル基であり、Rは互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全Rの少なくとも80モル%はメチル基であり、h、i、j、k、l、m及びnは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、i+j+l>0 、l+m+n>0であり、かつ、h+i+j+k+l+m+n=1である)
[4]:前記(C)成分が、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン、又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンである、[1]~[3]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物。
[5]:前記(D)成分が、下記平均組成式(3):
(R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 (3)
(式中、Rは独立に、水素原子を表し、Rは独立に、水素原子以外の、非置換または置換の1価炭化水素基であり、p、q、r、s、t、u及びvは互いに独立に、0以上の数であり、0≦p、0≦q、0≦p+q、0≦r、40≦s、90≦r+s≦400、0≦t≦8、2≦q+r+t、0≦u≦8、0≦v≦8、0≦u+v≦8)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に側鎖に少なくとも2個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上である直鎖または分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである、[1]~[4]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物。
[6]:下記式で表されるオルガノポリシロキサン(F)を0~20質量部含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物。ただし、1≦p≦20、Xはメチル基、メトキシ基、ビニル基から選択される基、または、酸素原子で環状構造を与えるものである。
Figure 2024168708000018
[7]:25℃での粘度が50~1000mPa・sである、[1]~[6]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物。
[8]:溶剤を含まない、[1]~[7]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物。
[9]:シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、[1]~[8]のいずれか1つに記載の剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シート。
[10]:前記硬化皮膜に25mm幅のポリエステル粘着テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が3.0N/25mm以上を有する[9]に記載の剥離シート。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (10)

  1. 下記(A)~(E)成分を含む、剥離剤組成物。
    (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に側鎖に少なくとも3個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上、ビニル価が0.05以上0.3mol/100g以下である直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン:該(A)成分及び下記(B)成分の合計100質量部に対して20~65質量部、
    (B)R’SiO1/2単位、及び、SiO4/2単位及び/又はR’SiO3/2単位を有し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン(前記各式において、R’は不飽和結合を有してよい、置換又は非置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基である):前記(A)成分及び該(B)成分の合計100質量部に対して35~80質量部、
    (C)25℃で液状のオレフィン:(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0~20質量部、
    (D)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分中のアルケニル基の合計個数に対して該(D)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数比が0.5~5となる量、及び
    (E)白金族金属系触媒:有効量
  2. 前記(A)成分が下記平均組成式(1):
    (R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(1)
    (式中、Rは独立に、アルケニル基を表し、Rは独立に、アルケニル基を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、a、b、c、d、e、f及びgは互いに独立に、0以上の数であり、0≦a、0≦b、2≦a+b、3≦c、50≦d、90≦c+d≦400、0≦e≦8、3≦b+c+e、0≦f≦8、0≦g≦8、0≦f+g≦8)で表されるものである、請求項1記載の剥離剤組成物。
  3. 前記(B)成分が下記平均組成式(2)で表される、請求項1に記載の剥離剤組成物。
    (R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2(2)
    (式中、Rは互いに独立に炭素数2~8のアルケニル基であり、Rは互いに独立に、アルケニル基でない、非置換または置換の、炭素数1~12の1価炭化水素基であり、但し、全Rの少なくとも80モル%はメチル基であり、h、i、j、k、l、m及びnは、互いに独立に、0以上の数であり、但し、i+j+l>0 、l+m+n>0であり、かつ、h+i+j+k+l+m+n=1である)
  4. 前記(C)成分が、炭素原子数10~18の直鎖状モノオレフィン、又は炭素原子数10以上の分岐状モノオレフィンである、請求項1に記載の剥離剤組成物。
  5. 前記(D)成分が、下記平均組成式(3):
    (R SiO1/2(R SiO1/2(RSiO)(R SiO)(RSiO3/2(RSiO3/2(SiO4/2 (3)
    (式中、Rは独立に、水素原子を表し、Rは独立に、水素原子以外の、非置換または置換の1価炭化水素基であり、p、q、r、s、t、u及びvは互いに独立に、0以上の数であり、0≦p、0≦q、0≦p+q、0≦r、40≦s、90≦r+s≦400、0≦t≦8、2≦q+r+t、0≦u≦8、0≦v≦8、0≦u+v≦8)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に側鎖に少なくとも2個有し、25℃における粘度が100mPa・s以上である直鎖または分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである、請求項1記載の剥離剤組成物。
  6. 下記式で表されるオルガノポリシロキサン(F)を0~20質量部含む、請求項1に記載の剥離剤組成物。ただし、1≦p≦20、Xはメチル基、メトキシ基、ビニル基から選択される基、または、酸素原子で環状構造を与えるものである。
    Figure 2024168708000019
  7. 25℃での粘度が50~1000mPa・sである、請求項1に記載の剥離剤組成物。
  8. 溶剤を含まない、請求項1に記載の剥離剤組成物。
  9. シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、請求項1~8のいずれか1項に記載の剥離剤組成物を硬化して成る硬化皮膜とを有する剥離シート。
  10. 前記硬化皮膜に25mm幅のポリエステル粘着テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が3.0N/25mm以上を有する請求項9記載の剥離シート。
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