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JP2024167492A - 固定構造及び固定方法 - Google Patents

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JP2024167492A
JP2024167492A JP2023083591A JP2023083591A JP2024167492A JP 2024167492 A JP2024167492 A JP 2024167492A JP 2023083591 A JP2023083591 A JP 2023083591A JP 2023083591 A JP2023083591 A JP 2023083591A JP 2024167492 A JP2024167492 A JP 2024167492A
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直道 寺澤
Naomichi Terasawa
真人 福田
Masato Fukuda
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Abstract

Figure 2024167492000001
【課題】木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース上に床部を設置した後に木質柱を施工性良く立設する。
【解決手段】ベース20に木質柱30を固定する固定構造1であって、ベース20には、当該ベース20に木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられている。そして、固定金物10は、当該固定金物10の高さ寸法が、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、当該固定金物10の下端がベース20に接した状態で、ベース20に取り付けられており、当該固定金物10と木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えている。第一挿通孔14及び第二挿通孔15は、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、固定構造及び固定方法に関する。
特許文献1には、床部を貫通するスタッドボルトによって、柱が、鉄骨造のベースフレームに固定された居住用ユニットが開示されている。この柱は、柱本体である柱用木材と、柱用木材の両端に取り付けられた結合金物と、を備えている。
特許文献2には、コーナー部に木質柱が立設された居住用ユニットが開示されている。この木質柱は、当該木質柱の下端部における直交して隣接する二つの側面が、平面視L字状の立ち上がり部に接し、ビス等によって固定されている。
特開2023-026817号公報 特開2021-152276号公報
特許文献1の場合、床部をベース上に設置した後に、柱を当該ベースに固定する。しかしながら、特許文献1の柱は、両端部が結合金物であるので、実質的には木質柱ではない。
一方、特許文献2の柱は、木質柱であり、立ち上がり部によって立設されている。したがって、特許文献1のベース(ベースフレーム)に、特許文献2の立ち上がり部を設ければ、木質柱をベースに固定できる。しかしながら、その場合、立ち上がり部に形成されている挿通孔(ビス等が挿通される挿通孔)が、ベース上に設置されている床部の上面よりも下側に位置する。そのため、木質柱がコーナー部に設置される柱である場合には、ベース上に床部を設置した後であっても、立ち上がり部によって当該木質柱を容易に立設できるが、木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される柱である場合には、ベース上に床部を設置した後に、立ち上がり部によって当該木質柱を立設することは困難である。
具体的には、特許文献2の立ち上がり部は、互いに直交する二つの面部によって構成されており、二つの面部のそれぞれに挿通孔が形成されている。すなわち、立ち上がり部には、互いに垂直な方向に貫通する挿通孔が設けられており、木質柱を立ち上がり部に固定する際には、互いに垂直な二つの方向からビス等が打ち込まれる。
したがって、特許文献1のベース(ベースフレーム)に、特許文献2の立ち上がり部を設ける場合、すなわち、ビス等が挿通される挿通孔が、ベース上に設置されている床部の上面よりも下側に位置する場合には、コーナー部以外の箇所に設置される木質柱に対しては、ベース上に床部を設置した後だと、床部が邪魔になって、互いに垂直な二つの方向のうち、少なくとも一の方向からビス等を打ち込むことができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース上に床部を設置した後に木質柱を施工性良く立設することである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、ベース20に木質柱30を固定する固定構造1であって、
前記ベース20には、当該ベース20に前記木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられており、
前記固定金物10は、
当該固定金物10の高さ寸法が、前記ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物10の下端が前記ベース20に接した状態で、前記ベース20に取り付けられており、
当該固定金物10と前記木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えており、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15は、前記ベース20上に設置される前記床部40の上面よりも上側に位置することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業を、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、請求項1に記載の固定構造1において、
前記木質柱30の下端部には、当該木質柱30の高さ方向に対して平行なホゾ穴31が設けられており、
前記固定金物10は、
前記木質柱30と係合する係合部11と、
前記係合部11と前記ベース20を連結する連結部16と、を備えており、
前記係合部11は、
上面が、前記木質柱30の下端面に接する水平板部12と、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15が設けられ、前記ホゾ穴31に挿入されるホゾ部13と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、木質柱30を固定金物10の係合部11に係合させるだけで、すなわち、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10の係合部11におけるホゾ部13を差し込んで、木質柱30の下端面を、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接した状態にするだけで、固定金物10に対する木質柱30の位置決めを行うことができる。したがって、木質柱30の位置決めが容易であるので、木質柱30を施工性良く立設することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図4、図6~図12に示すように、請求項2に記載の固定構造1において、
前記固定金物10の下端から前記水平板部12の上面までの寸法Hは、前記ベース20上に設置される前記床部40の高さ寸法と同一であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、木質柱30の下端面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の高さ位置が略一致した状態になるので、床部40と木質柱30の間における納まりや断熱性が良い上、木質柱30の強度低下を防止できる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、ベース20に木質柱30を固定する固定方法であって、
固定金物10を前記ベース20に取り付ける取付ステップと、
床部40を前記ベース20上に設置する設置ステップと、
前記取付ステップ及び前記設置ステップの後に、接合具50を用いて、前記固定金物10と前記木質柱30を接合する接合ステップと、を有し、
前記固定金物10は、
当該固定金物10の高さ寸法が、前記ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物10の下端が前記ベース20に接した状態で、前記ベース20に取り付けられており、
前記接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えており、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15は、前記ベース20上に設置される前記床部40の上面よりも上側に位置することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合ステップにおいて行う、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業を、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、請求項4に記載の固定方法において、
前記木質柱30の下端部には、
当該木質柱30の高さ方向に対して平行なホゾ穴31と、
前記ホゾ穴31に対して直交する第一貫通孔33及び第二貫通孔34と、が設けられており、
前記固定金物10は、
前記木質柱30と係合する係合部11と、
前記係合部11と前記ベース20を連結する連結部16と、を備えており、
前記係合部11は、
上面が、前記木質柱30の下端面に接する水平板部12と、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15が設けられ、前記ホゾ穴31に挿入されるホゾ部13と、を備えており、
前記接合ステップでは、
前記木質柱30の下端面が前記水平板部12の上面に接するまで、前記ホゾ穴31に前記ホゾ部13を差し込み、その状態で、
前記第一貫通孔33に前記接合具50を差し込むことで、当該接合具50を前記第一挿通孔14に貫通させるとともに、
前記第二貫通孔34に前記接合具50を差し込むことで、当該接合具50を前記第二挿通孔15に貫通させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、木質柱30を固定金物10の係合部11に係合させるだけで、すなわち、木質柱30の下端面が、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接するまで、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10の係合部11におけるホゾ部13を差し込むだけで、固定金物10に対する木質柱30の位置決めを行うことができる。したがって、木質柱30の位置決めが容易であるので、木質柱30を施工性良く立設することができる。
本発明によれば、木質柱がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース上に床部を設置した後に木質柱を施工性良く立設することができる。
固定構造の斜視図である。 固定構造の分解斜視図である。 固定金物が取り付けられた状態のベースの平面図である。 固定金物の斜視図である。 木質柱の斜視図である。 コーナー部における固定方法を説明する図である。 コーナー部における固定方法を説明する図である。 コーナー部における固定方法を説明する図である。 コーナー部以外の箇所における固定方法を説明する図である。 コーナー部以外の箇所における固定方法を説明する図である。 コーナー部以外の箇所における固定方法を説明する図である。 コーナー部以外の箇所における固定構造の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向(前後方向、左右方向、上下方向)は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
<固定構造>
図1は、本実施形態における固定構造1の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態における固定構造1の一例を示す分解斜視図である。
固定構造1は、固定金物10を介して、鉄骨造のベース20に木質柱30が固定された異種材固定構造である。
固定構造1は、ベース20と、固定金物10と、木質柱30と、を備えて構成される。
《ベース》
図3は、固定金物10が取り付けられた状態のベース20の一例を示す平面図である。
ベース20は、少なくとも、鉄骨柱21と、複数の鉄骨柱21間に架け渡された鉄骨天井梁22と、を備えて構成される。
なお、本実施形態のベース20は、鉄骨造であるが、これに限られるものではなく、ベース20は、例えば、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造であってもよいし、木造であってもよい。
本実施形態の鉄骨柱21は、建物における一階部分の柱であり、角形鋼管によって構成されている。なお、図3では、建物のコーナー部に設置される鉄骨柱21を示しているが、これに限られるものではなく、鉄骨柱21は、コーナー部以外の箇所にも設置可能である。また、鉄骨柱21は、角形鋼管に限られるものではなく、例えば、H型鋼であってもよいし、溝形鋼であってもよい。
本実施形態の鉄骨天井梁22は、建物における一階部分の天井梁であり、H型鋼によって構成されている。なお、鉄骨天井梁22は、H型鋼に限られるものではなく、例えば、溝形鋼であってもよいし、角形鋼管であってもよい。
ベース20上には、床部40が設置される。本実施形態の床部40は、木造であり、少なくとも、床用の木質パネル(図示省略)と、木質床梁41と、を備えて構成される。
木質パネルは、建築用パネルであり、縦横の框材が矩形状に組み立てられて矩形枠が構成され、この矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。その内部中空部(面材の裏側)には、通常、グラスウールやロックウールなどの断熱材が装填される。
床用の木質パネルは、例えば、高さ方向に直交する第一方向(前後方向)に対して平行な一対の木質床梁41と、高さ方向及び第一方向に直交する第二方向(左右方向)に対して平行な一対の木質床梁41と、がなす矩形領域内に配設されている。すなわち、床用の木質パネルを構成する框材の側面は、木質床梁41に接合されている。木質床梁41に木質パネルを接合するための接合手段は、接合具(ビス等)であってもよいし、接着剤であってもよいし、あるいはこれらの併用であってもよい。
本実施形態の床部40においては、床用の木質パネルの高さ寸法(上下方向の長さ)と、木質床梁41の梁成(上下方向の長さ)と、が同一に設定されている。また、本実施形態の床部40においては、床用の木質パネルの上面と、木質床梁41の上面と、が面一の状態になっている。
図6~図12に示すように、木質床梁41のうち、下面の全体がベース20の上面に接する木質床梁41は、ボルトナット締結によって、鉄骨天井梁22の上フランジに固定されている。すなわち、木質床梁41のうち、下面の全体がベース20の上面に接する木質床梁41は、ベース20に直接固定されている。
一方、図9~図11に示すように、木質床梁41のうち、下面の略全体がベース20の上面に接しない木質床梁41は、山形鋼42によって、鉄骨天井梁22の上フランジに固定されている木質床梁41(下面の全体がベース20の上面に接する木質床梁41)に連結されている。すなわち、木質床梁41のうち、下面の略全体がベース20の上面に接しない木質床梁41は、山形鋼42と、鉄骨天井梁22の上フランジに固定されている木質床梁41と、を介してベース20に固定されている。
図9~図12において、符号61は、壁用の木質パネルであり、符号62は、柱(例えば木質柱)である。本実施形態の鉄骨柱21は、建物における一階部分の柱であり、本実施形態の鉄骨天井梁22は、建物における一階部分の天井梁であるので、壁用の木質パネル61及び柱62は、鉄骨柱21等とともに、建物の一階に設置される壁部を構成している。
なお、図6~図8においては、壁用の木質パネル61や柱62の図示を省略している。
《固定金物》
図4は、固定金物10の一例を示す斜視図である。
固定金物10は、鉄骨柱21や鉄骨天井梁22などによって構成されるベース20の上面側に、木質柱30を固定するための連結部材である。
前述したように、本実施形態の鉄骨柱21は、建物における一階部分の柱であり、本実施形態の鉄骨天井梁22は、建物における一階部分の天井梁である。したがって、本実施形態の木質柱30は、建物における二階部分の柱である。
なお、木質柱30は、建物の二階以外のフロアに設置することも可能である。
すなわち、本実施形態のベース20は、建物の二階に設置される床部40を支持する構造体であるが、これに限られるものではなく、ベース20は、建物の一階に設置される床部40を支持する構造体(建物の基礎等を含む)であってもよいし、建物の三階以上のフロアに設置される床部40を支持する構造体であってもよい。
また、本実施形態の固定金物10は、建物の二階に設置される床部40を支持するベース20に、建物の二階に設置される木質柱30を固定するための連結部材であるが、これに限られるものではなく、固定金物10は、建物の一階に設置される床部40を支持するベース20に、建物の一階に設置される木質柱30を固定するための連結部材であってもよいし、建物の三階以上のフロアに設置される床部40を支持するベース20に、当該フロアに設置される木質柱30を固定するための連結部材であってもよい。
図4に示すように、固定金物10は、木質柱30と係合する係合部11と、係合部11とベース20を連結する連結部16と、を備えて構成される。
係合部11は、上面が木質柱30の下端面に接する水平板部12と、水平板部12の上面に立設されたホゾ部13と、を備える。
水平板部12は、金属製の板状部材(例えば鋼板)であり、平面視において、木質柱30の下端面よりも小さい形状をなしている。
本実施形態の水平板部12は、平面視正方形状である。固定金物10がベース20に取り付けられている状態においては、正方形状の水平板部12における第一の辺が、第一方向(前後方向)に対して平行になっており、かつ、正方形状の水平板部12における第二の辺(第一の辺に直交する辺)が、第二方向(左右方向)に対して平行になっている。
ホゾ部13は、金属製の棒状部材である。なお、ホゾ部13は、金属製のパイプ状部材等であってもよい。
ホゾ部13には、第一方向(前後方向)に貫通する第一挿通孔14と、第二方向(左右方向)に貫通する第二挿通孔15と、が交互に、当該ホゾ部13の高さ方向(上下方向)に沿って並ぶように設けられている。
なお、本実施形態においては、ホゾ部13に、二個の第一挿通孔14を設けているが、第一挿通孔14の個数はこれに限られるものではない。また、本実施形態においては、ホゾ部13に、二個の第二挿通孔15を設けているが、第二挿通孔15の個数はこれに限られるものではない。
連結部16の下端部は、下面がベース20の上面に接する水平板部17とされている。水平板部17は、金属製の板状部材(例えば鋼板)であり、平面視において、係合部11の水平板部12とほぼ一致する形状をなしている。
水平板部17には、当該水平板部17の厚さ方向(上下方向)に貫通する複数(本実施形態においては四つ)の貫通孔18が設けられている。貫通孔18には、固定金物10をベース20に固定するための固定具(ボルト等)が挿通される。なお、固定金物10をベース20に固定する手法は、本実施形態のように固定具を用いて固定する手法であってもよいし、水平板部17をベース20に溶接固定する手法であってもよいし、あるいはこれらの併用であってもよい。
固定金物10の高さ寸法は、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法(床部40を構成する床用の木質パネルの高さ寸法、床部40を構成する木質床梁41の梁成)よりも長く設定されている。
また、固定金物10は、連結部16における水平板部17(下側の水平板部)の下面から、係合部11における水平板部12(上側の水平板部)の上面までの寸法Hが、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法(床部40を構成する床用の木質パネルの高さ寸法、床部40を構成する木質床梁41の梁成)と同一に設定されている。
したがって、ベース20に取り付けられている固定金物10の第一挿通孔14及び第二挿通孔15は、当該ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置する。
《木質柱》
図5は、木質柱30の一例を示す斜視図である。
木質柱30は、四角柱状に形成された木製の柱である。本実施形態の木質柱30は、平面視正方形状である。
木質柱30の下端部には、固定金物10のホゾ部13を差し込み可能なホゾ穴31が形成されている。ホゾ穴31は、木質柱30の高さ方向(上下方向)に対して平行であり、下端が開放端になっている。
さらに、木質柱30の下端部には、固定金物10と木質柱30を接合するための接合具50(ドリフトピン等)を差し込み可能な第一貫通孔33及び第二貫通孔34が形成されている。
木質柱30を適正位置に配置した状態において、当該木質柱30の第一貫通孔33に接合具50を差し込むとともに、当該木質柱30の第二貫通孔34に接合具50を差し込むことで、当該木質柱30が固定金物10に固定されることとなる。これにより、固定金物10を介して、ベース20に木質柱30を固定することができる。
ここで、木質柱30を適正位置に配置した状態とは、木質柱30における四つの側面のうち、互いに対向する一対の第一側面が、第一方向(前後方向)に対して平行であるとともに、互いに対向する一対の第二側面(第一側面に直交する側面)が、第二方向(左右方向)に対して平行な状態であり、かつ、木質柱30のホゾ穴31に固定金物10のホゾ部13が差し込まれて、木質柱30の下端面が、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接している状態である。
具体的には、第一貫通孔33は、木質柱30における第一側面に対して平行な方向に貫通している。すなわち、第一貫通孔33は、木質柱30を適正位置に配置した状態においては、固定金物10の第一挿通孔14と同様に、第一方向(前後方向)に貫通した状態となる。さらに、第一貫通孔33は、木質柱30を適正位置に配置した状態において、固定金物10の第一挿通孔14と連通する位置に設けられている。したがって、木質柱30を適正位置に配置した状態において、図2に示すように、接合具50を、木質柱30の第一貫通孔33における一端側(前端側)から他端側(後端側)に向けて打ち込むことで、当該接合具50が、固定金物10の第一挿通孔14を貫通することとなる。
また、第二貫通孔34は、木質柱30における第二側面に対して平行な方向に貫通している。すなわち、第二貫通孔34は、木質柱30を適正位置に配置した状態においては、固定金物10の第二挿通孔15と同様に、第二方向(左右方向)に貫通した状態となる。さらに、第二貫通孔34は、木質柱30を適正位置に配置した状態において、固定金物10の第二挿通孔15と連通する位置に設けられている。したがって、木質柱30を適正位置に配置した状態において、図2に示すように、接合具50を、木質柱30の第二貫通孔34における一端側(左端側)から他端側(右端側)に向けて打ち込むことで、当該接合具50が、固定金物10の第二挿通孔15を貫通することとなる。
<固定方法>
次に、図6~図11を参照して、固定金物10を用いて、ベース20に木質柱30を固定する固定方法を説明する。
図6~図8は、本実施形態における固定方法であって、建物のコーナー部に設置される木質柱30の固定方法の一例を説明する図である。また、図9~図11は、本実施形態における固定方法であって、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30の固定方法の一例を説明する図である。
まず、図6及び図9に示すように、固定金物10をベース20に取り付ける(取付ステップ)。
具体的には、例えば、ベース20の上面における指定位置に固定金物10を載置し、その状態(すなわち、ベース20の上面と、固定金物10の下端(水平板部17の下面)と、が接した状態)で、ボルト等の固定具によって、固定金物10の水平板部17(下側の水平板部)をベース20の上面部に固定する。
次いで、図6及び図9に示すように、床部40をベース20上に設置する(設置ステップ)。
具体的には、例えば、ボルト及びナットや山形鋼42によって、木質床梁41をベース20に固定し、その後、第一方向に対して平行な一対の木質床梁41(第一方向に対して平行な隣り合う木質床梁41)と、第二方向に対して平行な一対の木質床梁41(第二方向に対して平行な隣り合う木質床梁41)と、がなす矩形領域内に床用の木質パネルを固定する。
次いで、図7及び図10に示すように、固定金物10と木質柱30を接合するための接合具50を用いて、固定金物10と木質柱30を接合する(接合ステップ)。
具体的には、木質柱30の下端面が、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に当接するまで、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10のホゾ部13を差し込んで、木質柱30の第一側面が第一方向に対して平行な状態となるように、木質柱30の向きを調整する。これにより、木質柱30が適正位置に配置された状態となる。そして、木質柱30を適正位置に配置した状態で、木質柱30の第一貫通孔33における一端側(前端側)から他端側(後端側)に向けて接合具50を打ち込むとともに、木質柱30の第二貫通孔34における一端側(左端側)から他端側(右端側)に向けて接合具50を打ち込む。
すなわち、木質柱30を適正位置に配置した状態で、木質柱30の第一貫通孔33に接合具50を差し込むことで、当該接合具50を固定金物10の第一挿通孔14に貫通させるとともに、木質柱30の第二貫通孔34に接合具50を差し込むことで、当該接合具50を固定金物10の第二挿通孔15に貫通させる。
接合具50の長さ寸法は、固定金物10のホゾ部13の直径よりも長く、木質柱30に設けられている貫通孔33,34の貫通方向寸法(貫通孔33,34の一端から他端までの長さ)よりも短く設定されている。そして、接合ステップにおいて接合具50を打ち込む際には、接合具50の両端が、固定金物10の挿通孔14,15から飛び出ている状態であり、かつ、木質柱30の貫通孔33,34から飛び出ていない状態となるまで打ち込む。
これにより、固定金物10と木質柱30が接合されて、図8及び図11に示すように、固定金物10を介してベース20に木質柱30が固定された固定構造1を形成することができる。
固定金物10は、連結部16における水平板部17(下側の水平板部)の下面から、係合部11における水平板部12(上側の水平板部)の上面までの寸法Hが、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法と同一に設定されている。
したがって、本実施形態の固定構造1においては、固定金物10の係合部11における水平板部12(上側の水平板部)の上面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の高さ位置が一致した状態(面一の状態)になっている。すなわち、本実施形態の固定構造1においては、木質柱30の下端面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の高さ位置が一致した状態(面一の状態)になっている。
<効果>
上記の実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
実施形態の固定構造1は、ベース20に木質柱30を固定する固定構造であって、ベース20には、当該ベース20に木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられている。そして、固定金物10は、当該固定金物10の高さ寸法が、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、当該固定金物10の下端(水平板部17の下面)がベース20に接した状態で、ベース20に取り付けられており、当該固定金物10と木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えており、第一挿通孔14及び第二挿通孔15は、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置する。
すなわち、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業(例えば、接合具50を打ち込む作業)を、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
仮に、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも下側に位置する場合には、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも下側の位置で接合作業を行わなければならない。
例えば、図9~図11に示す例において、固定金物10の連結部16が配設されている空間は、三つの木質床梁41によって囲まれており、前面、後面、左面、右面のうち、前面のみが開放されている。
したがって、仮に、図9~図11に示す例において、固定金物10を、連結部16を備えておらず係合部11のみを備える固定金物に替えた場合(すなわち、係合部11を、連結部16を介さず直接ベース20に固定した場合)には、前面、後面、左面、右面のうち、前面のみが開放された空間に係合部11が配設されて、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも下側に位置することとなる。この場合、係合部11に係合する木質柱30に対して、前後方向に(前面から後面に向けて)接合具50を打ち込むことはできるが、左右方向には、床部40(木質床梁41等)が邪魔になって接合具50を打ち込むことができない。
これに対し、実施形態の固定金物10は、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置するので、床部40が邪魔になることなく、前後方向にも、左右方向にも、接合具50を打ち込むことができる。
なお、図9~図11に示す例では、コーナー部以外の箇所に設置される木質柱30として、第一方向(前後方向)に対して平行な木質床梁41と、第二方向(左右方向)に対して平行な木質床梁41と、の交点に設置される柱を示しているが、これに限られるものではない。コーナー部以外の箇所に設置される木質柱30は、例えば図12に示すように、第一方向に対して平行な木質床梁41と、第二方向に対して平行な木質床梁41と、の交点以外の箇所に設置される柱であってもよい。
また、図9~図11に示す例では、第一方向(前後方向)に対して平行な木質床梁41を、山形鋼42と、第二方向(左右方向)に対して平行な木質床梁41と、を介してベース20に固定しているが、これに限られるものではない。例えば、第二方向(左右方向)に対して平行な鉄骨天井梁22に、ブラケット等によって、第一方向(前後方向)に対して平行な鉄骨天井梁22を連結し、その第一方向(前後方向)に対して平行な鉄骨天井梁22に、ボルトナット締結等によって、第一方向(前後方向)に対して平行な木質床梁41を固定するようにしてもよい。すなわち、第一方向(前後方向)に対して平行な木質床梁41は、ベース20に直接固定されるものであってもよい。
また、実施形態の固定構造1においては、木質柱30の下端部に、当該木質柱30の高さ方向に対して平行なホゾ穴31を設けて、固定金物10を、木質柱30と係合する係合部11と、係合部11とベース20を連結する連結部16と、を備えるものとし、係合部11を、上面が、木質柱30の下端面に接する水平板部12と、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が設けられ、ホゾ穴31に挿入されるホゾ部13と、を備えるものとすることが可能である。
このように構成することによって、木質柱30を固定金物10の係合部11に係合させるだけで、すなわち、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10の係合部11におけるホゾ部13を差し込んで、木質柱30の下端面を、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接した状態にするだけで、固定金物10に対する木質柱30の位置決め(上下方向の位置決め)を行うことができる。したがって、木質柱30の位置決めが容易であるので、木質柱30を施工性良く立設することができる。
なお、本実施形態のホゾ部13は、円柱状(あるいは円筒状)を呈しているが、これに限られるものではない。ホゾ部13は、例えば、角柱状(あるいは角筒状)を呈してもよい。
また、本実施形態のホゾ穴31は、円柱状を呈しているが、これに限られるものではなく、ホゾ部13を差し込み可能な形状を呈していればよい。
また、実施形態の固定構造1において、固定金物10の下端(連結部16の下端面、すなわち水平板部17の下面)から水平板部12(上側の水平板部)の上面までの寸法Hを、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法と同一にすることが可能である。
このように構成することによって、木質柱30の下端面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の高さ位置が略一致した状態になるので、床部40と木質柱30の間における納まりや断熱性が良い上、木質柱30の強度低下を防止できる。
第一挿通孔14及び第二挿通孔15が、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置するのであれば、固定金物10の下端から水平板部12の上面までの寸法Hを、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも短くすることも可能である。しかしながら、その場合、実施形態と比較して、第一挿通孔14及び第二挿通孔15の高さ位置は変わらずに、係合部11における水平板部12の高さ位置が変わる(水平板部12の位置が低くなる)ので、ホゾ穴31の深さ寸法(上下方向の長さ)が長くなる。ホゾ穴31の深さ寸法が長いほど、木質柱30の下端部が変形しやすい状態になり、木質柱30の強度が低下してしまう。よって、木質柱30の強度低下を防止する等の観点から、寸法Hは、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法以上が好ましい。
また、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置するのであれば、固定金物10の下端から水平板部12の上面までの寸法Hを、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長くすることも可能である。しかしながら、その場合、実施形態と比較して、係合部11における水平板部12の高さ位置が変わる(水平板部12の位置が高くなる)ので、木質柱30の下端面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の間に隙間が形成されることとなり、床部40と木質柱30の間における納まりが悪い。また、木質柱30の下端面と、ベース20上に設置されている床部40の上面と、の間に隙間が形成されると、当該隙間を通って熱が貫流することから、床部40と木質柱30の間における断熱性が悪くなる。よって、床部40と木質柱30の間における納まりや断熱性が良くする等の観点から、寸法Hは、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法以下が好ましい。
また、実施形態の固定方法は、ベース20に木質柱30を固定する固定方法であって、固定金物10をベース20に取り付ける取付ステップと、床部40をベース20上に設置する設置ステップと、取付ステップ及び設置ステップの後に、接合具50を用いて、固定金物10と木質柱30を接合する接合ステップと、を有する。そして、固定金物10は、当該固定金物10の高さ寸法が、ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、当該固定金物10の下端(水平板部17の下面)がベース20に接した状態で、ベース20に取り付けられており、接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15を備えており、第一挿通孔14及び第二挿通孔15は、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側に位置する。
すなわち、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合ステップにおいて行う、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業(例えば、接合具50を打ち込む作業)を、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、ベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
また、実施形態の固定方法においては、木質柱30の下端部に、当該木質柱30の高さ方向に対して平行なホゾ穴31と、ホゾ穴31に対して直交する第一貫通孔33及び第二貫通孔34と、を設けて、固定金物10を、木質柱30と係合する係合部11と、係合部11とベース20を連結する連結部16と、を備えるものとし、係合部11を、上面が、木質柱30の下端面に接する水平板部12と、第一挿通孔14及び第二挿通孔15が設けられ、ホゾ穴31に挿入されるホゾ部13と、を備えるものとすることが可能である。そして、接合ステップでは、木質柱30の下端面が水平板部12の上面に接するまで、ホゾ穴31にホゾ部13を差し込み、その状態で、接合具50を、木質柱30の側面のうち、第一挿通孔14の貫通方向(前後方向)に対して垂直な二つの側面(前側面、後側面)の一方から他方に向けて差し込むことで、当該第一挿通孔14に貫通させるとともに、接合具50を、木質柱30の側面のうち、第二挿通孔15の貫通方向(左右方向)に対して垂直な二つの側面(左側面、右側面)の一方から他方に向けて差し込むことで、当該第二挿通孔15に貫通させることが可能である。
このように構成することによって、木質柱30を固定金物10の係合部11に係合させるだけで、すなわち、木質柱30の下端面が、固定金物10の係合部11における水平板部12の上面に接するまで、木質柱30のホゾ穴31に、固定金物10の係合部11におけるホゾ部13を差し込むだけで、固定金物10に対する木質柱30の位置決め(上下方向の位置決め)を行うことができる。したがって、木質柱30の位置決めが容易であるので、木質柱30を施工性良く立設することができる。
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。実施形態の固定構造1は、一部に木材が使用されている(少なくとも木質柱30は木材である)ので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
1 固定構造
10 固定金物
11 係合部
12 水平板部
13 ホゾ部
14 第一挿通孔
15 第二挿通孔
16 連結部
20 ベース
30 木質柱
31 ホゾ穴
33 第一貫通孔
34 第二貫通孔
40 床部
50 接合具
H 固定金物の下端から水平板部の上面までの寸法
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、ベース20に木質柱30を固定する固定構造1であって、
前記ベース20は、鉄骨造であり、
前記ベース20には、当該ベース20に前記木質柱30を固定するための固定金物10が取り付けられており、
前記固定金物10は、
当該固定金物10の高さ寸法が、前記ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物10の下端が前記ベース20に接した状態で、前記ベース20と一体化されていない固定具を用いて前記ベース20に取り付けられており、
前記固定具が挿通される貫通孔18と、
当該固定金物10と前記木質柱30を接合するための接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15と、を備えており、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15は、前記ベース20上に設置される前記床部40の上面よりも上側に位置することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業を、鉄骨造のベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、鉄骨造のベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1~図12に示すように、ベース20に木質柱30を固定する固定方法であって、
前記ベース20と一体化されていない固定具を用いて、固定金物10を前記ベース20に取り付ける取付ステップと、
床部40を前記ベース20上に設置する設置ステップと、
前記取付ステップ及び前記設置ステップの後に、接合具50を用いて、前記固定金物10と前記木質柱30を接合する接合ステップと、を有し、
前記ベース20は、鉄骨造であり、
前記固定金物10は、
当該固定金物10の高さ寸法が、前記ベース20上に設置される床部40の高さ寸法よりも長く設定されており、
当該固定金物10の下端が前記ベース20に接した状態で、前記ベース20に取り付けられており、
前記固定具が挿通される貫通孔18と、
前記接合具50が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔14及び第二挿通孔15と、を備えており、
前記第一挿通孔14及び前記第二挿通孔15は、前記ベース20上に設置される前記床部40の上面よりも上側に位置することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、固定金物10における、ベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の部位に、接合具50が挿通される挿通孔14,15が設けられているので、接合ステップにおいて行う、接合具50を用いて固定金物10と木質柱30を接合する接合作業を、鉄骨造のベース20上に設置されている床部40の上面よりも上側の位置で行うことができる。
したがって、建物のコーナー部に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業だけでなく、建物のコーナー部以外の箇所に設置される木質柱30と固定金物10を接合する接合作業も、床部40に邪魔されることなく行うことができるので、木質柱30がコーナー部以外の箇所に設置される場合であっても、鉄骨造のベース20上に床部40を設置した後に木質柱30を施工性良く立設することができる。

Claims (5)

  1. ベースに木質柱を固定する固定構造であって、
    前記ベースには、当該ベースに前記木質柱を固定するための固定金物が取り付けられており、
    前記固定金物は、
    当該固定金物の高さ寸法が、前記ベース上に設置される床部の高さ寸法よりも長く設定されており、
    当該固定金物の下端が前記ベースに接した状態で、前記ベースに取り付けられており、
    当該固定金物と前記木質柱を接合するための接合具が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔及び第二挿通孔を備えており、
    前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔は、前記ベース上に設置される前記床部の上面よりも上側に位置することを特徴とする固定構造。
  2. 請求項1に記載の固定構造において、
    前記木質柱の下端部には、当該木質柱の高さ方向に対して平行なホゾ穴が設けられており、
    前記固定金物は、
    前記木質柱と係合する係合部と、
    前記係合部と前記ベースを連結する連結部と、を備えており、
    前記係合部は、
    上面が、前記木質柱の下端面に接する水平板部と、
    前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔が設けられ、前記ホゾ穴に挿入されるホゾ部と、を備えることを特徴とする固定構造。
  3. 請求項2に記載の固定構造において、
    前記固定金物の下端から前記水平板部の上面までの寸法は、前記ベース上に設置される前記床部の高さ寸法と同一であることを特徴とする固定構造。
  4. ベースに木質柱を固定する固定方法であって、
    固定金物を前記ベースに取り付ける取付ステップと、
    床部を前記ベース上に設置する設置ステップと、
    前記取付ステップ及び前記設置ステップの後に、接合具を用いて、前記固定金物と前記木質柱を接合する接合ステップと、を有し、
    前記固定金物は、
    当該固定金物の高さ寸法が、前記ベース上に設置される床部の高さ寸法よりも長く設定されており、
    当該固定金物の下端が前記ベースに接した状態で、前記ベースに取り付けられており、
    前記接合具が挿通される挿通孔として、互いに垂直な方向に貫通する第一挿通孔及び第二挿通孔を備えており、
    前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔は、前記ベース上に設置される前記床部の上面よりも上側に位置することを特徴とする固定方法。
  5. 請求項4に記載の固定方法において、
    前記木質柱の下端部には、
    当該木質柱の高さ方向に対して平行なホゾ穴と、
    前記ホゾ穴に対して直交する第一貫通孔及び第二貫通孔と、が設けられており、
    前記固定金物は、
    前記木質柱と係合する係合部と、
    前記係合部と前記ベースを連結する連結部と、を備えており、
    前記係合部は、
    上面が、前記木質柱の下端面に接する水平板部と、
    前記第一挿通孔及び前記第二挿通孔が設けられ、前記ホゾ穴に挿入されるホゾ部と、を備えており、
    前記接合ステップでは、
    前記木質柱の下端面が前記水平板部の上面に接するまで、前記ホゾ穴に前記ホゾ部を差し込み、その状態で、
    前記第一貫通孔に前記接合具を差し込むことで、当該接合具を前記第一挿通孔に貫通させるとともに、
    前記第二貫通孔に前記接合具を差し込むことで、当該接合具を前記第二挿通孔に貫通させることを特徴とする固定方法。
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