JP2024166935A - 非線形光学顕微鏡 - Google Patents
非線形光学顕微鏡 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2024166935A JP2024166935A JP2023083372A JP2023083372A JP2024166935A JP 2024166935 A JP2024166935 A JP 2024166935A JP 2023083372 A JP2023083372 A JP 2023083372A JP 2023083372 A JP2023083372 A JP 2023083372A JP 2024166935 A JP2024166935 A JP 2024166935A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- sample
- objective lens
- component
- optical microscope
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/62—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
- G01N21/63—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
- G01N21/65—Raman scattering
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B21/00—Microscopes
- G02B21/06—Means for illuminating specimens
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B21/00—Microscopes
- G02B21/36—Microscopes arranged for photographic purposes or projection purposes or digital imaging or video purposes including associated control and data processing arrangements
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Immunology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pathology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Abstract
【課題】 一次光との相互作用が担保され、試料のラマン散乱光に係る情報を高感度に取得することが可能な非線形光学顕微鏡を提供する。
【解決手段】 非線形光学顕微鏡であって、ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され一次光を集光し試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を第1の対物レンズと共有し試料の前方に配置される第2の対物レンズと、第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 非線形光学顕微鏡であって、ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され一次光を集光し試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を第1の対物レンズと共有し試料の前方に配置される第2の対物レンズと、第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非線形光学効果を利用して試料の情報を光学的に取得するための非線形光学顕微鏡に関する。
非線形光学過程を利用した非線形光学顕微鏡は、照射光の光強度に対する試料の非線形性応答を含む非線形光散乱を検出することで、試料に含まれる分子振動などの分子情報に基づいたイメージングを行うことができる。このとき散乱光に含まれる情報は集光した1点で発生したものと見なされるため、集光したスポットを試料内で2次元または3次元に走査することで、試料の2次元または3次元の分子情報を含む画像が得られる。このような非線形光学過程として、多光子吸収蛍光、第二次高調波発生、コヒーレントアンチストークスラマン散乱や誘導ラマン散乱などが知られている。
非特許文献1では、ポンプ光と高速変調されたストークス光を試料に照射することで、ストークス光の変調に従って誘導ラマン散乱効果によりポンプ光が微小に変動する。ここでストークス光の変調周波数に基づいてポンプ光を位相検出することで、ポンプ光の変動成分のみを高感度に検出している。
また特許文献1では、コヒーレントアンチストークスラマン(CARS)散乱において、表裏非対称な試料の照射光透過側に反射フィルタと検出器、照射光反射側に検出器を設けている。反射フィルタは試料から生じたCARS光を通過し、ポンプ光とストークス光を反射させることで、試料から生じる双方向のCARS光を取得することができる。最後にこれら双方向のCARS光を取得した出力値の差分に基づき試料のCARS背景光を除去することで信号対雑音比(SNR、SN比)を向上させている。
Science. 2008 December 19; 322(5909): 1857-1861
従前の非線形光学顕微鏡では、試料と一次光とのラマン散乱の相互作用が低いため非線形散乱光の信号レベルおよびラマン散乱光像の信号耐雑音比が不足する場合があり優位な信号や、像の視認性が低いため有意な画像所見が得にくい場合があった。
非特許文献1および特許文献1では、非線形光学過程によって生じる散乱光からバイアス成分を除去することで低レベルの信号を取得しているが、検出する非線形散乱光(ラマン散乱光)の強度自体を増やす構成ではなかった。
本発明は、入射光と試料との相互作用を担保し、試料における誘導ラマン散乱光に係る情報を高感度に取得することが可能な非線形光学顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る非線形光学顕微鏡は、ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、
前記試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡と、を有する。
前記第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、
前記試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡と、を有する。
また、本発明の実施形態に係る非線形光学顕微鏡は、ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置され、前記試料からの二次光のうち前方に出射される成分の入射を前記第2の対物レンズを介して受け反射し三次光として前記第2の対物レンズを介して前記試料に入射させる反射部と、
前記試料から後方に出射される光のうち、前記一次光と前記三次光のそれぞれにより前記試料から発生した第1のラマン散乱光成分と第2のラマン散乱光成分とを光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する。
前記第2の対物レンズより前方に配置され、前記試料からの二次光のうち前方に出射される成分の入射を前記第2の対物レンズを介して受け反射し三次光として前記第2の対物レンズを介して前記試料に入射させる反射部と、
前記試料から後方に出射される光のうち、前記一次光と前記三次光のそれぞれにより前記試料から発生した第1のラマン散乱光成分と第2のラマン散乱光成分とを光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する。
本発明によれば、入射光と試料との相互作用を担保し、試料における誘導ラマン散乱光に係る情報を高感度に取得することが可能な非線形光学顕微鏡を提供することが可能となる。
<第1の実施形態>
図1を用いて、第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡1000について説明する。
図1を用いて、第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡1000について説明する。
本実施形態では、試料に生ずる非線形光学過程のうち誘導ラマン散乱を検出する非線形光学顕微鏡について説明する。ただし、本発明は誘導ラマン散乱以外の非線形光学散乱に適用することもできる。図1は本発明による非線形光学顕微鏡の好適な形態の1例を示す図である。
なお、本願明細書において、前方、後方を用いる場合があり、前方、後方は、試料108と、着目しているポンプ光の進行方向と、を基準として用いる。第2の対物レンズの110は試料108の前方に配置される。かかる第2の対物レンズ110の配置に関する「前方」は、ポンプ光1111、プローブ光1121を含む一次光1100と、試料108と、を基準として規定され、一次光1100の進行方向に沿って、試料108から遠ざかる側を意味する。同様にして、かかる第1の対物レンズ107の配置に関する「後方」は、一次光1100の進行方向と逆方向に沿って、試料108から遠ざかる側を意味する。
(一次光光源)
一次光光源100は、ポンプ光1111を出射するポンプ光光源101とプローブ光1121を出射するプローブ光光源102と、ポンプ光1111とプローブ光1121とを合波するダイクロイックミラー105と、を有する。
一次光光源100は、ポンプ光1111を出射するポンプ光光源101とプローブ光1121を出射するプローブ光光源102と、ポンプ光1111とプローブ光1121とを合波するダイクロイックミラー105と、を有する。
なお、ポンプ光1111は励起光1111と換言する場合がある。ダイクロイックミラー105は、合波部105と換言する場合がある。
(ポンプ光光源) 次に、ポンプ光1111を出射するポンプ光光源101について説明する。ポンプ光光源101から出射されたポンプ光1111は、ダイクロイックミラー105へ入射する。ここで、ポンプ光1111は、パルス光が採用される。パルス光であるポンプ光1111は、試料108における非線形光学効果の発生効率の観点から、フェムト秒からピコ秒程度のオーダのパルス幅を有する短パルス光が採用される。また、ポンプ光1111のパルスの繰り返し周波数は、ポンプ光1111の強度揺れの影響を緩和する観点から1MHz以上が採用されるが、この限りではない。ポンプ光1111の波長、パルス幅、繰り返し周波数を満たすものとして近赤外帯で発振するチタンサファイアレーザが採用される場合がる。チタンサファイアレーザをポンプ光光源101に用いる場合、ポンプ光1111の波長は、700nm以上1000nm以下の範囲に設定される。
(プローブ光光源)
次に、プローブ光1121を出射するプローブ光光源102について説明する。ポンプ光1111と同様の理由で、プローブ光1121は、フェムト秒からピコ秒オーダのパルス幅を有する短パルス光が採用される。プローブ光1121の波長は、ポンプ光1111の波長とは異なったものが採用される。プローブ光1121の波長は、検出する分子情報のラマンシフト(波数)に換算される波長程度、ポンプ光1111と異なる波長が採用される場合がある。ポンプ光光源101がチタンサファイアレーザの場合、プローブ光1022の波長は1000nm以上1100nm以下の範囲を掃引できる光源採用される場合がある。
次に、プローブ光1121を出射するプローブ光光源102について説明する。ポンプ光1111と同様の理由で、プローブ光1121は、フェムト秒からピコ秒オーダのパルス幅を有する短パルス光が採用される。プローブ光1121の波長は、ポンプ光1111の波長とは異なったものが採用される。プローブ光1121の波長は、検出する分子情報のラマンシフト(波数)に換算される波長程度、ポンプ光1111と異なる波長が採用される場合がある。ポンプ光光源101がチタンサファイアレーザの場合、プローブ光1022の波長は1000nm以上1100nm以下の範囲を掃引できる光源採用される場合がある。
プローブ光光源102は、YbファイバーレーザやErファイバーレーザなどの光ファイバーレーザが採用される場合がある。またプローブ光1121のパルス繰り返し周波数は、ポンプ光1111のパルス繰り返し周波数の1/2とされる。ポンプ光1111の繰り返し周波数をプローブ光1121の2倍にすることで、試料108の非線形光学効果により得られるラマン散乱光の生成周波数を含む変調信号を、プローブ光1022と同じパルス繰り返し周波数で検出することができる。一方、ポンプ光1111とプローブ光1121のパルス繰り返し周波数を一致させて、ポンプ光1111またはプローブ光1121に対して強度変調を与えた形態が、第1の実施形態の変形形態として含まれる。
(一次光の光路)
プローブ光1121は、光学遅延系103および導光ミラー104を介し、ダイクロイックミラー105で反射し、ポンプ光1111と同軸で合波される。ダイクロイックミラー105で合波する際に、ポンプ光1111とプローブ光1121のパルスが時間的に一致するように光学遅延系103を用いてプローブ光1121の光路長さが調整される。ここでポンプ光1111およびプローブ光1121は偏光ビームスプリッタである半透過鏡106を透過する直線偏光方位を有しているため、低い光損失をもって透過鏡106を透過する。ポンプ光1111およびプローブ光1121は、半透鏡106により一部透過し、第1の対物レンズ107により試料108内に集光される。一次光光源100から試料108までの光路が、一次光(1111、1121)の光路区間に該当する。
プローブ光1121は、光学遅延系103および導光ミラー104を介し、ダイクロイックミラー105で反射し、ポンプ光1111と同軸で合波される。ダイクロイックミラー105で合波する際に、ポンプ光1111とプローブ光1121のパルスが時間的に一致するように光学遅延系103を用いてプローブ光1121の光路長さが調整される。ここでポンプ光1111およびプローブ光1121は偏光ビームスプリッタである半透過鏡106を透過する直線偏光方位を有しているため、低い光損失をもって透過鏡106を透過する。ポンプ光1111およびプローブ光1121は、半透鏡106により一部透過し、第1の対物レンズ107により試料108内に集光される。一次光光源100から試料108までの光路が、一次光(1111、1121)の光路区間に該当する。
(二次光に含まれる前方散乱光と後方散乱光)
試料108から前方に出射する二次前方散乱光1200fsは、二次前方散乱ポンプ光成分1211fsおよび二次前方散乱プローブ光成分1221fsを含む。二次前方散乱光1200fsは、第2の対物レンズ110により平行光化され、さらに試料108の前方に位置する反射部111に入射する。本願明細書において、半透鏡106は、ハーフミラー106と換言される場合があるが、半(ハーフ)は、透過率Tと反射率Rの比が、0.5/0.5=1である形態に限定されない。また、本願明細書において、平行光化は、試料108が含む分子の分子振動に対応するラマンシフトとポンプ光1111とプローブ光1121の波数差とが一致していると、誘導ラマン散乱効果が発生する。誘導ラマン散乱効果により、試料108からの二次信号(散乱信号)に含まれるポンプ光成分の強度が僅かに減少し、プローブ光成分の強度が僅かに増大する。試料108からの二次光に含まれる二次光前方散乱成分1200fsは、図1のように、前方散乱ポンプ光1211fsと前方散乱プローブ光1221fsを含む。同様にして、試料108からの二次光に含まれる二次光後方散乱成分は、図1のように、後方散乱ポンプ光1211bsと後方散乱プローブ光1221bsと、を含む。従来の誘導ラマン散乱顕微鏡の構成では、試料108からの二次光のうち前方散乱か後方散乱のいずれかの成分を検出の対象としなかったのに対して、本実施形態の構成では、前方と後方の両散乱成分を検出対象としている点で採光効率が高い。
試料108から前方に出射する二次前方散乱光1200fsは、二次前方散乱ポンプ光成分1211fsおよび二次前方散乱プローブ光成分1221fsを含む。二次前方散乱光1200fsは、第2の対物レンズ110により平行光化され、さらに試料108の前方に位置する反射部111に入射する。本願明細書において、半透鏡106は、ハーフミラー106と換言される場合があるが、半(ハーフ)は、透過率Tと反射率Rの比が、0.5/0.5=1である形態に限定されない。また、本願明細書において、平行光化は、試料108が含む分子の分子振動に対応するラマンシフトとポンプ光1111とプローブ光1121の波数差とが一致していると、誘導ラマン散乱効果が発生する。誘導ラマン散乱効果により、試料108からの二次信号(散乱信号)に含まれるポンプ光成分の強度が僅かに減少し、プローブ光成分の強度が僅かに増大する。試料108からの二次光に含まれる二次光前方散乱成分1200fsは、図1のように、前方散乱ポンプ光1211fsと前方散乱プローブ光1221fsを含む。同様にして、試料108からの二次光に含まれる二次光後方散乱成分は、図1のように、後方散乱ポンプ光1211bsと後方散乱プローブ光1221bsと、を含む。従来の誘導ラマン散乱顕微鏡の構成では、試料108からの二次光のうち前方散乱か後方散乱のいずれかの成分を検出の対象としなかったのに対して、本実施形態の構成では、前方と後方の両散乱成分を検出対象としている点で採光効率が高い。
(走査方法)
本実施形態の非線形光学顕微鏡2000は、試料108は、載置部118を介して試料走査部109に保持されている。かかる構成を採用することで、試料108は、試料走査部109により一次光1100の光軸に対して交差する方向に二次元に移動するように構成されている。本実施形態の試料108は、一次光1100の光軸に対して垂直な面を走査面として二次元に移動する。試料走査部109は、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110で共有される焦点を試料108に対して走査する走査手段であると換言される。試料走査部109は、一次光1100の光軸方向と交差する方向に載置部118を移動させる走査手段であると換言される。
本実施形態の非線形光学顕微鏡2000は、試料108は、載置部118を介して試料走査部109に保持されている。かかる構成を採用することで、試料108は、試料走査部109により一次光1100の光軸に対して交差する方向に二次元に移動するように構成されている。本実施形態の試料108は、一次光1100の光軸に対して垂直な面を走査面として二次元に移動する。試料走査部109は、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110で共有される焦点を試料108に対して走査する走査手段であると換言される。試料走査部109は、一次光1100の光軸方向と交差する方向に載置部118を移動させる走査手段であると換言される。
(二次光のうちの前方散乱成分)
第2の対物レンズ110により略平行光となった前方散乱ポンプ光1211fsおよび前方散乱プローブ光1121fsは、正反射するように第2の対物レンズ110の前方に設けられた反射部111により進行方向が反転される。試料108の第1の対物レンズ107の焦点と重なる領域から射出された光は、第2の対物レンズ110により略平行光に変換され後述する反射部110に向かって進行する。ここで、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110は、互いの焦点の少なくとも一部を共有するように、試料108を挟んで対向配置されている。前方散乱ポンプ光1211fs、前方散乱プローブ光1121fsは、それぞれ、二次光前方散乱成分1200fsのポンプ光成分1211fs、プローブ光成分1221fsと換言される場合がある。
第2の対物レンズ110により略平行光となった前方散乱ポンプ光1211fsおよび前方散乱プローブ光1121fsは、正反射するように第2の対物レンズ110の前方に設けられた反射部111により進行方向が反転される。試料108の第1の対物レンズ107の焦点と重なる領域から射出された光は、第2の対物レンズ110により略平行光に変換され後述する反射部110に向かって進行する。ここで、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110は、互いの焦点の少なくとも一部を共有するように、試料108を挟んで対向配置されている。前方散乱ポンプ光1211fs、前方散乱プローブ光1121fsは、それぞれ、二次光前方散乱成分1200fsのポンプ光成分1211fs、プローブ光成分1221fsと換言される場合がある。
(三次光)
図1のように、反射部111で進行方向が反転した二次光前方散乱成分1200fsは、第2の対物レンズ110を介して試料108への再入射する機会があることから、三次光1300として示している。三次光1300は、三次光のポンプ光成分1311、三次光のプローブ光成分1321と、を含む。
図1のように、反射部111で進行方向が反転した二次光前方散乱成分1200fsは、第2の対物レンズ110を介して試料108への再入射する機会があることから、三次光1300として示している。三次光1300は、三次光のポンプ光成分1311、三次光のプローブ光成分1321と、を含む。
(四次光に含まれる前方散乱成分)
三次光のポンプ光成分1311および三次光のプローブ光成分1321は、第2の対物レンズ110を介して試料108と重なる焦点に集光され、試料108と相互作用して散乱し四次光として試料108から出射する。
三次光のポンプ光成分1311および三次光のプローブ光成分1321は、第2の対物レンズ110を介して試料108と重なる焦点に集光され、試料108と相互作用して散乱し四次光として試料108から出射する。
試料108から出射した四次光のうち、第1の対物レンズ107の側に向かって進行する前方散乱成分1400fsは、ポンプ光成分に該当する1411fsとプローブ光成分に該当する1421fsとを含む。ポンプ光成分に該当する1411fsとプローブ光成分に該当する1421fsは、第1の対物レンズ107を介して同軸に略平行化され、半透過鏡106で反射され、主光軸である一次光1100の光軸から第1のフィルタ112に向かうように分岐される。
分岐された四次光の前方散乱成分1400fs(1411fs、1421fs)は、第1のフィルタ112により光学的に分離される。本実施形態では、四次光の前方散乱成分1400fsのうちポンプ光成分1411fsが受光レンズ113を介して前方光検出器604で検出される。
前方光検出器604は、第1のフィルタ112により選択された光として、二次光の後方散乱光1200bsに含まれるポンプ光成分1211bsと、四次光の前方散乱光1400fsに含まれるポンプ光成分1411fsと、を検出する。第1のフィルタ112は、ポンプ光成分を透過しプローブ光成分を減衰する分光投下特性を有すると換言される。前方光検出器604が検出するポンプ光成分1211bsとポンプ光成分1411fsは、いずれも、一次光1100と三次光1300に起因して試料108で生じた誘導ラマン散乱効果を反映した信号である。
本実施形態の誘導ラマン散乱顕微鏡2000は、第2の対物レンズ110の前方に設けた反射部111により、前方光検出器604が検出する信号が、三次光1300に起因するポンプ光成分1411fsの分だけ少なくとも増感される。
試料108の第1の対物レンズ107の焦点と重なる領域から射出された光は、第1の対物レンズ107により略平行光に変換される。わずかに強度が減少した三次光のポンプ光成分1311、および、わずかに強度が増大した三次光のプローブ光成分1321は、第2の対物レンズ110により試料108に集光され誘導ラマン散乱効果を生じさせる。かかる三次光1300による誘導ラマン散乱効果により、誘導ラマン散乱効果がないときに比べて四次光1400のポンプ光成分1411は三次光のポンプ光成分1311に比べて加算的に強度が減少する。同様にして、かかる三次光1300による誘導ラマン散乱効果により、誘導ラマン散乱効果がないときに比べて四次光1400のプローブ光成分1421の強度は三次光のプローブ光成分1321に対して増大する。
前方光検出器604は、検出した光を制御部115が読み取り制御処理が可能な出力信号に変換する。第1のフィルタ112は三次光のポンプ光成分1311を選択的に透過させているが、三次光のプローブ光成分1321を選択的に透過するものであってもよい。
(制御部と画像化)
制御部115は、前方光検出器604の出力信号と試料走査部109からの走査信号を受信し、かかる出力信号と走査信号とに基づいた画像化信号を生成し、生成した画像化信号を画像処理部116に出力する。画像処理部116は、受信した画像化信号を画像処理し画像化する。画像処理部116は、コンピュータ、ワークステーション等の計算機が採用される。画像処理部116は、コンピュータ116と換言される場合がある。制御部115は、光源100が一次光1100を出射する時刻と、後方光検出器114がパルス光を検出する時刻と、に基づいて、試料108から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を構成する要素であると換言される。
制御部115は、前方光検出器604の出力信号と試料走査部109からの走査信号を受信し、かかる出力信号と走査信号とに基づいた画像化信号を生成し、生成した画像化信号を画像処理部116に出力する。画像処理部116は、受信した画像化信号を画像処理し画像化する。画像処理部116は、コンピュータ、ワークステーション等の計算機が採用される。画像処理部116は、コンピュータ116と換言される場合がある。制御部115は、光源100が一次光1100を出射する時刻と、後方光検出器114がパルス光を検出する時刻と、に基づいて、試料108から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を構成する要素であると換言される。
また、後方光検出器の出力信号をより増感するために、不図示のロックインアンプを用いて、プローブ光1121のパルス繰り返し周波数信号を参照入力としたロックイン検出などを行う形態が採用される場合がある。以上、本実施形態に係る非線形光学顕微鏡1000は、一次光1100ならびに三次光1300を含む入射光と試料108との相互作用を担保し、試料108における誘導ラマン散乱光に係る情報を高感度に取得することが可能となる。
本実施形態は、二次光1200の前方散乱成分1200fsのポンプ光成分1211fsおよびプローブ光成分1221fsを反射部111で反射させ、三次光1300を試料108に再帰させる形態を採用しているがこれに限らない。例えば、反射部111の代わりに不図示の光ファイバーを採用する形態が第1の実施形態の変形形態となる。かかる光ファイバーを用いて、二次光1200の前方散乱成分1200fsのポンプ光成分1211fsおよびプローブ光成分1221fsを反転させることもできる。
<第2の実施形態>
図2、図3を用いて、第2の実施形態に係る非線形光学顕微鏡2000について説明する。
図2、図3を用いて、第2の実施形態に係る非線形光学顕微鏡2000について説明する。
非線形光学顕微鏡2000は、多重反射により、試料108へのプローブ光の入射回数を高めるための後方部分透過鏡201と、散乱時相取得部202と、を有する点において、少なくとも、非線形光学顕微鏡1000と相違する。
(後方部分透過鏡)
後方部分透過鏡201は、第1の対物レンズ107と半透鏡106との間に配置される光学要素である。後方部分透過鏡201は、一次光1100の光束の一部と後方散乱光1200bsの光束の一部とを透過する後方透過部(不図示)と、後方散乱光1200bsの光束の残部の少なくとも一部を反射する後方反射部(不図示)と、を含む光学要素である。
後方部分透過鏡201は、第1の対物レンズ107と半透鏡106との間に配置される光学要素である。後方部分透過鏡201は、一次光1100の光束の一部と後方散乱光1200bsの光束の一部とを透過する後方透過部(不図示)と、後方散乱光1200bsの光束の残部の少なくとも一部を反射する後方反射部(不図示)と、を含む光学要素である。
非線形光学顕微鏡2000は、試料108に対して2回を超えて励起光およびプローブ光を含む集束光を入射させる形態であると換言される。後方部分透過鏡201は、ポンプ光1111およびプローブ光1121を含む一次光1100の光束の一部を透過し、同光束の一部を反射する部分透過鏡である。後方部分透過鏡201は、半透鏡106と第1の対物レンズ107の間に配置され、ポンプ光成分1411fsおよびプローブ光成分1421fsを含む四次光の前方散乱成分1400fsの光束を、第1の対物レンズ107へ向けて反射する。後方部分透過鏡201により光束の一部が反射された四次光の前方散乱成分1400fsは、一次光1100の光束の後方部分透過鏡201により透過成分と同様にして、試料108からの誘導ラマン散乱光を発生させる。後方部分透過鏡201により光束の一部が反射された四次光の前方散乱成分1400fsは、五次光による六次光後方散乱成分、七次光による八次光の前方散乱成分を誘導ラマン散乱に寄与する成分として前方光検出器604が受光する成分に加算する。一方、部分透過鏡201を採用する本実施形態の非線形光学顕微鏡2000は、光束の一部に対する反射による増感効果と光束の一部に対する透過によるトリミング効果が生じる点で、第1の実施形態の非線形光学顕微鏡1000と相違する。
本実施形態の非線形光学顕微鏡2000において、後方部分透過鏡201により、半透過鏡106と反射部111の間の区間を往復する光線は複数存在する。試料108の画像化に用いる一次光1100のポンプ光成分1111を元とする三次光としての励起光を三次光1300のポンプ光成分1311として図2に示した。また、一次光1100のプローブ光成分1121を元とするプローブ光を三次光1300のプローブ光成分1321として図2に示した。
反射部111から第2の対物レンズ110へ進行する三次光1300のポンプ光成分1311およびプローブ光成分1321は、第2の対物レンズ110、試料108、第1の対物レンズ107を通過する。次に、ポンプ光成分1311およびプローブ光成分1321を含む三次光1300は、第1の実施形態と同様にして、四次光の前方散乱成分1400fsとして後方部分透過鏡201に向かう。後方部分透過鏡201にて四次光の前方散乱成分1400fsの光束は、その一部が透過し、半透鏡106、第1のフィルタ112、受光レンズ113、を順に介して前方光検出器604が検出する。
(散乱時相取得部)
次に、散乱時相取得部202について、図2、図3を用いて説明する。
次に、散乱時相取得部202について、図2、図3を用いて説明する。
前方光検出器604は、三次光1300のポンプ光成分1311とともに、反射部111と後方部分透過鏡201を往復するポンプ光成分が受光され光検出される。このため、三次光1300のポンプ光成分1311のみに由来する信号を、前方光検出器604の出力信号から分離する必要がある。
散乱時相取得部202は、ポンプ光光源101からの出力信号を時相基準として前方光検出器604が検出した検出信号から、第N次のポンプ光入射による散乱光かの情報を取得する。散乱時相取得部202は、前方光検出器604の出力信号と後方光検出器114の出力信号とを比較すること可能なように構成されていると換言される。ここで、Nは整数が採用される。制御部115は、散乱時相取得部202からの情報に基づき、第N次の散乱光であることを特定する。画像処理部116は、制御部115からの信号に基づき誘導ラマン散乱像を取得する。散乱時相取得部202は、光源100が一次光1100を出射する時刻300と、後方光検出器114がパルス光を検出する時刻301、302~と、に基づいて、試料108から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を構成すると換言される。
散乱時相取得部202が、三次光1300のポンプ光成分1311の信号を前方光検出器604の出力信号から分離する方法について図3を用いて説明する。図3は、励起光のタイミングチャート(a)と光検出のタイミングチャート(b)を含んでいる。
ポンプ光光源101から出力される励起光出力のタイミングチャート(a)において、横軸は時刻を、縦軸は励起光出力を、それぞれ示している。また、前方光検出器604が検出する検出信号のタイミングチャート(b)において、縦軸は受光強度を、横軸は時刻をそれぞれ示している。図3のタイミングチャート(a)、(b)は、共通の基準時刻と単位時間で表示を互いに揃えている。
励起光源100からの励起光出力300の励起時刻の間隔をΔT0とすると、一次光1100のポンプ光成分1111の繰り返し周波数(1/ΔT0 Hz)で周期的に励起される。
一方、前方光検出器604の光検出信号の経時的なパターンは、図3(b)に示すように、繰り返し励起周期ΔT0の期間内に所定のパターンを呈する。励起光出力300により試料108が一次光1100で1回励起され二次光1200の後方散乱成分1211bsに対応する検出信号は301として示されている。検出信号301は、励起タイミング信号300から、ポンプ光光源101と試料108、試料108と半透過鏡106、半透過鏡106から前方光検出器604までの各区間の延べ光学距離に対応する光の進行に要する時間差ΔT1だけ遅延している。
また、同様にして、二次光1200の前方散乱成分1211fsが反射部111により反射された三次光1300で2回目に励起された四次光1400の前方散乱成分1400fsに対応する検出信号は302として図3(b)に示されている。検出信号302は、検出信号301から、試料108と反射部111との光学距離の往復分の時間差ΔT2だけ遅延している。
また、四次光1400の前方散乱成分1400fsが部分透過鏡201により試料108に向けて反射され不図示の五次光として3回目に励起された六次光の後方散乱成分に対応する検出信号は303として図3(b)に示されている。検出信号303は、検出信号302から、試料108と部分透過鏡201との光学距離の往復分の時間差ΔT3だけ遅延している。
さらにまた、六次光の前方散乱成分が反射部111により試料108に向けて反射され不図示の七次光として4回目に励起された八次光の前方散乱成分に対応する検出信号は304として図3(b)に示されている。検出信号304は、検出信号303から、試料108と反射部111との光学距離の往復分の時間差ΔT2だけ遅延している。
部分透過鏡201と反射部111との間に発生する試料108への多重の再帰光と試料108からの多重の誘導ラマン散乱光の発光は繰り返されるが、高N次に対応する光検出信号の強度は減衰され図3(b)では、五次以降が省略されている。
したがって自然数nとして励起光出力300と試料108をn回目に励起したポンプ光成分に対応する光検出信号の時刻ΔL(n)は、以下で示される。ただし、明らかに、ΔT1>ΔT2、ΔT1>ΔT3、ΔT4=ΔT1―ΔT3である。
ΔL(n)=ΔT4+INT((n+1)/2)×ΔT3+INT(n/2)×ΔT2
(式1)
ΔL(n)=ΔT4+INT((n+1)/2)×ΔT3+INT(n/2)×ΔT2
(式1)
ここで、ΔT4は、ポンプ光光源101と部分透過鏡201、部分透過鏡201と半透過鏡106、半透過鏡106と前方光検出器604、の各区間の延べ光学距離に対応する光の信号に要する時間である。また、INT(#)は、#を超えない最大の整数を意味する演算子である。
散乱時相取得部202は、既知の時間差ΔT0、ΔT4、ΔT2、ΔT3と、所定のn値に基づき、励起光光源100と前方光検出器604、それぞれの出力信号に基づいて、信号の時相に関する情報を取得する。さらに、散乱時相取得部202は、取得した時相に関する情報に基づき、所定の励起次数nの信号を分離するための分離信号を制御部115に出力することができる。
なお、ΔLnは、検出する第n次の検出信号に対応する光学観測系の信号対雑音比を考慮して、検出期間のサンプリング対象とするns次とする検出信号と、非サンプリング対象とするnu次(nu=ns+1)とを設定することができる。
なお、図2では三次光1300のポンプ光成分1311を反射配置で取得したが、これに限るものではない。例えば、反射部111の代わりに不図示の前方部分透過鏡を配置し、部分反射ミラーと一部透過する励起光およびプローブ光をフィルタにより分離して光検出器で検出してもよい。
<第3の実施形態>
図4、図5を用いて、第3の実施形態に係る非線形光学顕微鏡3000について説明する。
図4、図5を用いて、第3の実施形態に係る非線形光学顕微鏡3000について説明する。
非線形光学顕微鏡3000は、走査手段として、試料走査部109の代わりに第1の走査ミラー4021、第2の走査ミラー4022と、を含む光軸走査部406を有する点において少なくとも、非線形光学顕微鏡1000、2000のそれぞれと相違する。
(光軸走査部)
光軸走査部406は、互いに同期して互いの法線を歳差動作させ、互いの法線が平行な関係を維持するように対向配置された第1の走査ミラー4021、第2の走査ミラー4022を含む。光軸走査部406は、一次光1100の光軸を光軸と交差する方向に移動させるように構成される。光軸走査部406は、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110で共有される焦点を試料108に対して走査する走査手段であると換言される。一次光1100を構成するポンプ光1111およびプローブ光1121は、第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022によりポンプ光1111およびプローブ光1121の進行方向に直交する面と平行な方向に角度偏位が与えられる。かかる直交する面と平行な方向は、かかる面内の2方向とすることで試料108は、二次元に点走査される。第1の走査ミラー4021、第2の走査ミラー4022を含む光軸走査部406は、第1の対物レンズの焦点が試料108の試料面内に沿って走査されるように一次光1100の光軸に度偏位を与える手段であると換言される。
光軸走査部406は、互いに同期して互いの法線を歳差動作させ、互いの法線が平行な関係を維持するように対向配置された第1の走査ミラー4021、第2の走査ミラー4022を含む。光軸走査部406は、一次光1100の光軸を光軸と交差する方向に移動させるように構成される。光軸走査部406は、第1の対物レンズ107と第2の対物レンズ110で共有される焦点を試料108に対して走査する走査手段であると換言される。一次光1100を構成するポンプ光1111およびプローブ光1121は、第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022によりポンプ光1111およびプローブ光1121の進行方向に直交する面と平行な方向に角度偏位が与えられる。かかる直交する面と平行な方向は、かかる面内の2方向とすることで試料108は、二次元に点走査される。第1の走査ミラー4021、第2の走査ミラー4022を含む光軸走査部406は、第1の対物レンズの焦点が試料108の試料面内に沿って走査されるように一次光1100の光軸に度偏位を与える手段であると換言される。
第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022は、具体的にはガルバノスキャナやレゾナントスキャナ、あるいはポリゴンスキャナであってもよい。第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022は光軸走査部406に接続され、角度偏位情報を制御部115に出力するものとする。
2方向に角度偏位が与えられたポンプ光1111およびプローブ光1121はレンズ4031、レンズ4032を介して第1の対物レンズ107により試料108中に集光され、第2の対物レンズ110により角度偏位をもった略平行光として進行する。さらにポンプ光1111およびプローブ光1121は1/4波長版404で円偏光に変換されたのちにレンズ405によって、レンズ405の結像面4051に結像する。
(結像光学系と走査光学系)
ここで第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022を出射するポンプ光1111およびプローブ光1121が結像面4051において結像するまでの結像光学系と光軸走査系との詳細を図5を用いて説明する。
ここで第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022を出射するポンプ光1111およびプローブ光1121が結像面4051において結像するまでの結像光学系と光軸走査系との詳細を図5を用いて説明する。
光軸中心501は、レンズ、ミラーなどの光学素子の中心軸と一致するように配置されている。第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022において角度偏位がゼロの場合において、ポンプ光1111およびプローブ光1121は光軸中心501に沿って進行し、レンズによる結像および集光作用をうける。第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022において角度偏位が与えられた場合において、励起光およびプローブ光の進行およびレンズによる結像、集光作用を光束502としてあらわしている。
光束502の光束径は、ポンプ光光源101またはプローブ光光源102から出射されるポンプ光1111またはプローブ光1121のビーム径であってもよく、またビームエキスパンダにより任意に拡大されたビーム径であってもよい。光束502はレンズ4031に入射し、レンズ4032との中間位置にあるレンズ4031の中間結像面4033での結像を介してレンズ4032から出射し、第1の対物レンズ107へ入射する。
またレンズ4031、レンズ4032は第2の走査ミラー4022の回転面504と第1の対物レンズ107の入射瞳面503とが共役となるように配置される。なお、レンズ4031、レンズ4032の配置は第1の対物レンズ107の入射瞳面503と第1の走査ミラー4021の回転面505とが共役であってもよい。
また、第1の走査ミラー4021の回転面505と第2の走査ミラー4022の回転面504の二等分面と共役であってもよい。光束502は第1の対物レンズ107の入射瞳面503に対して角度偏位をもって入射し、試料108中の試料面内の光軸中心501と2次元方向に偏位をもって集光する。
試料108中に集光した光束は第2の対物レンズ110により角度偏位をもった平行な光束として出射し、1/4波長版404を透過し、レンズ405によりレンズ405の結像面4051に結像される。レンズ405の結像面4051の位置にミラー407を配置することで、光束502はレンズ405の結像面4051に結像するに至る経路上を逆進させることができる。なおレンズ405の結像面4051は平面であり、したがってミラー407は平面ミラーであるが、レンズ405の結像面4051が湾曲している場合は、湾曲面と一致するように凹面ミラーあるいは凸面ミラーであってもよい。
以上説明したように、第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022によって与えられる一次光、三次光、五次光の奇数次の光軸の角度偏位に応じて光束502は、第1の対物レンズ107による集光点(焦点)は試料108面内に走査される。さらにレンズ405の結像面4051にミラー407を配置することで、第1の対物レンズ107による焦点と重なる領域を有して光束501を集光させることができる。
次に、本実施形態の非線形光学顕微鏡3000における、n次(nは奇数)の励起光に起因する誘導ラマン散乱光の検出の機構は、第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡1000と共通するため以下省略する。
<第4の実施形態>
図6を用いて、第4の実施形態に係る非線形光学顕微鏡4000について説明する。
図6を用いて、第4の実施形態に係る非線形光学顕微鏡4000について説明する。
非線形光学顕微鏡4000は、反射部111の代わりに、前方部分透過鏡611、第2のフィルタ603、前方光検出器604、ミラー微動機構605、を含む前方光検出系を有する点において、非線形光学顕微鏡3000と相違する。
以下、第3の実施形態の非線形光学顕微鏡3000と本実施形態の非線形光学顕微鏡4000との相違点に絞って説明し、その他の第3の実施形態との共通点についての説明は省略する。
(前方部分透過鏡を含む前方光検出系)
第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022を走査駆動した状況下を考える。前方部分透過鏡601により二次光1200の前方散乱成分1200fsの光束が部分的に透過した成分は、前方散乱ポンプ光1211fsと前方散乱プローブ光1221fsを含む光束が透過された成分である。二次光1200の前方散乱成分1200fsの光束のうち、前方部分透過鏡601、受光レンズ602、第2のフィルタ603を介した光束に含まれる前方散乱ポンプ光1211fの光束の一部を、前方光検出器604は受光し検出する。前方部分透過鏡601は、二次光1200のうち前方散乱成分1200fsの光束の一部を透過する前方透過部と、前方散乱成分1200fsの光束の残部の少なくとも一部を第2の対物レンズの側に反射する前方反射部と、を含む光学要素であると換言される。
第1の走査ミラー4021および第2の走査ミラー4022を走査駆動した状況下を考える。前方部分透過鏡601により二次光1200の前方散乱成分1200fsの光束が部分的に透過した成分は、前方散乱ポンプ光1211fsと前方散乱プローブ光1221fsを含む光束が透過された成分である。二次光1200の前方散乱成分1200fsの光束のうち、前方部分透過鏡601、受光レンズ602、第2のフィルタ603を介した光束に含まれる前方散乱ポンプ光1211fの光束の一部を、前方光検出器604は受光し検出する。前方部分透過鏡601は、二次光1200のうち前方散乱成分1200fsの光束の一部を透過する前方透過部と、前方散乱成分1200fsの光束の残部の少なくとも一部を第2の対物レンズの側に反射する前方反射部と、を含む光学要素であると換言される。
制御部115は、第1の実施形態、第3の実施形態と同様にして、光軸走査部406の角度偏位情報と、後方光検出器114の出力信号に係る情報と、に基づいて第1の画像化信号を生成し、生成した第1の画像化信号を画像処理部116に出力する。
また、制御部115は、光軸走査部406の角度偏位情報と、前方光検出器604の出力信号に係る情報と、に基づいて第2の画像化信号を生成し、生成した第2の画像化信号を画像処理部116に出力する。
画像処理部116は、第1の画像化信号に基づいて、試料108に関する後方散乱像を取得し、第2の画像化信号に基づいて試料108に関する前方散乱像を取得する。画像処理部116は、後方光検出器114の出力信号と前方光検出器604の出力信号との差分に関する情報を取得する取得部116であると換言される。
ここで、前方部分透過鏡601の角度、位置誤差があると以下のような問題が生じる。第2の対物レンズ110が試料108中に形成する三次光1300の集光スポット(焦点)と、第1の対物レンズ107が試料108中に形成する一次光1100の集光スポット(焦点)の位置が異なる場合が生ずる。この集光スポット(焦点)の位置ずれのため、後方散乱像と前方散乱像に像ずれが生じる。
画像処理部116は、後方散乱像と前方散乱像のずれ量に関する情報に基づいて、後方散乱像と前方散乱像の画像ずれを低減する処理を行うように構成してもよい。
画像処理部116は、ミラー微動機構605を駆動する駆動信号、または、前方部分透過鏡601の走査位置に関する情報に基づいて、ミラー微動機構605または光軸走査部406の少なくともいずれかにフィードバック制御する方法が採用される。かかるフィードバック制御により、2つ対物レンズ107、110の焦点(集光スポット)の領域が一致することに対応する効果が得られる。かかるフィードバック制御により、後方散乱像と前方散乱像の位置ずれが低減され、試料108に関する撮影画像空間解像度を向上させる。
また、後方散乱像と前方散乱像は、ポンプ光光源101およびプローブ光光源102の出力パルス光の強度揺れの影響を同時に含む場合がある。前方散乱像と前方散乱像とは、試料厚と一次光に対する光学密度の関係から、試料108に対する相互作用の影響度が対象な場合といずれかが強い非対称の場合がある。これら要因により非線形光学過程による励起光の変動が異なる場合があるため、後方散乱像と前方散乱像の差分を取得することは、励起光やプローブ光の強度揺れ、試料厚と一次光波長の選択に関してロバストな観察を行うことができる。後方散乱像と前方散乱像の差分を取得する際、前方部分透過鏡601の反射率あるいは透過率に基づいて検出信号に対する所定の重みを付与してもよい。
なお、本発明は、以下の構成1~16に対応する非線形光学顕微鏡を含む。
・構成1
ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、
前記試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。
ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、
前記試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。
・構成2
ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置され、前記試料からの二次光のうち前方に出射される成分の入射を前記第2の対物レンズを介して受け反射し三次光として前記第2の対物レンズを介して前記試料に入射させる反射部と、
前記試料から後方に出射される光のうち、前記一次光と前記三次光のそれぞれにより前記試料から発生した第1のラマン散乱光成分と第2のラマン散乱光成分とを光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。
ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置され、前記試料からの二次光のうち前方に出射される成分の入射を前記第2の対物レンズを介して受け反射し三次光として前記第2の対物レンズを介して前記試料に入射させる反射部と、
前記試料から後方に出射される光のうち、前記一次光と前記三次光のそれぞれにより前記試料から発生した第1のラマン散乱光成分と第2のラマン散乱光成分とを光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。
・構成3
前記反射部は、前記第2の対物レンズの前記焦点と共役な位置と重なって位置する構成1または2に係る非線形光学顕微鏡。
前記反射部は、前記第2の対物レンズの前記焦点と共役な位置と重なって位置する構成1または2に係る非線形光学顕微鏡。
・構成4
前記一次光を透過し、前記一次光が通過する方向と逆方向に前記第1の対物レンズを通過する光を前記一次光と光軸と交差する方向に反射し前記一次光の光路から分岐する半透鏡を有し、
前記後方光検出器は、前記半透鏡を介して分岐された分岐光を受光するように配置される構成1または2に係る非線形光学顕微鏡。
前記一次光を透過し、前記一次光が通過する方向と逆方向に前記第1の対物レンズを通過する光を前記一次光と光軸と交差する方向に反射し前記一次光の光路から分岐する半透鏡を有し、
前記後方光検出器は、前記半透鏡を介して分岐された分岐光を受光するように配置される構成1または2に係る非線形光学顕微鏡。
・構成5
前記第1の対物レンズと前記半透鏡との間に、前記一次光の光束の一部と前記後方散乱光の光束の一部とを透過する後方透過部と、前記後方散乱光の前記光束の残部の少なくとも一部を反射する後方反射部と、を含む後方部分透過鏡を有する構成4に係る非線形光学顕微鏡。
前記第1の対物レンズと前記半透鏡との間に、前記一次光の光束の一部と前記後方散乱光の光束の一部とを透過する後方透過部と、前記後方散乱光の前記光束の残部の少なくとも一部を反射する後方反射部と、を含む後方部分透過鏡を有する構成4に係る非線形光学顕微鏡。
・構成6
前記反射部は、前記二次光のうち前方散乱成分の光束の一部を透過する前方透過部と、前記前方散乱成分の前記光束の残部の少なくとも一部を前記2の対物レンズの側に反射する前方反射部と、を含む前方部分透過鏡を有する構成4に係る非線形光学顕微鏡。
前記反射部は、前記二次光のうち前方散乱成分の光束の一部を透過する前方透過部と、前記前方散乱成分の前記光束の残部の少なくとも一部を前記2の対物レンズの側に反射する前方反射部と、を含む前方部分透過鏡を有する構成4に係る非線形光学顕微鏡。
・構成7
前記試料からの前記二次光のうち前記前方部分透過鏡を透過した光束に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第2のフィルタを有する構成6に係る非線形光学顕微鏡。
前記試料からの前記二次光のうち前記前方部分透過鏡を透過した光束に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第2のフィルタを有する構成6に係る非線形光学顕微鏡。
・構成8
前記第2のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する前方光検出器をさらに有し、
前記前方光検出器の出力信号と前記後方光検出器の出力信号とを比較する散乱時相取得部を有する構成7に係る非線形光学顕微鏡。
前記第2のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する前方光検出器をさらに有し、
前記前方光検出器の出力信号と前記後方光検出器の出力信号とを比較する散乱時相取得部を有する構成7に係る非線形光学顕微鏡。
・構成9
前記散乱時相取得部の出力に基づいて前記前方部分透過鏡の配置を調整する調整部をさらに有する構成8に係る非線形光学顕微鏡。
前記散乱時相取得部の出力に基づいて前記前方部分透過鏡の配置を調整する調整部をさらに有する構成8に係る非線形光学顕微鏡。
・構成10
前記後方光検出器の出力信号と前記前方光検出器の出力信号との差分に関する情報を取得する取得部を有する構成7に係る非線形光学顕微鏡。
前記後方光検出器の出力信号と前記前方光検出器の出力信号との差分に関する情報を取得する取得部を有する構成7に係る非線形光学顕微鏡。
・構成11
前記第1の対物レンズと前記第2の対物レンズで共有される前記焦点を前記試料に対して走査する走査手段を有する構成1~10のいずれかの構成に係る非線形光学顕微鏡。
前記第1の対物レンズと前記第2の対物レンズで共有される前記焦点を前記試料に対して走査する走査手段を有する構成1~10のいずれかの構成に係る非線形光学顕微鏡。
・構成12
前記走査手段は、前記一次光の光軸方向と交差する方向に前記載置部を移動させる試料走査部を含む構成11に係る非線形光学顕微鏡。
前記走査手段は、前記一次光の光軸方向と交差する方向に前記載置部を移動させる試料走査部を含む構成11に係る非線形光学顕微鏡。
・構成13
前記走査手段は、前記一次光の光軸を前記光軸と交差する方向に移動させる光軸走査部を含む構成11に係る非線形光学顕微鏡。
前記走査手段は、前記一次光の光軸を前記光軸と交差する方向に移動させる光軸走査部を含む構成11に係る非線形光学顕微鏡。
・構成14
前記光軸走査部は、前記第1の対物レンズの前記焦点が前記試料面内に沿って走査されるように前記一次光の光軸に角度偏位を与える走査ミラーを含む構成13に係る非線形光学顕微鏡。
前記光軸走査部は、前記第1の対物レンズの前記焦点が前記試料面内に沿って走査されるように前記一次光の光軸に角度偏位を与える走査ミラーを含む構成13に係る非線形光学顕微鏡。
・構成15
前記ポンプ光、前記プローブ光はいずれもパルス光を含む構成1~14いずれかの構成に係る非線形光学顕微鏡。
前記ポンプ光、前記プローブ光はいずれもパルス光を含む構成1~14いずれかの構成に係る非線形光学顕微鏡。
・構成16
前記光源が前記一次光を出射する時刻と、前記光検出器がパルス光を検出する時刻と、に基づいて、前記試料から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を有する構成15に係る非線形光学顕微鏡。
前記光源が前記一次光を出射する時刻と、前記光検出器がパルス光を検出する時刻と、に基づいて、前記試料から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を有する構成15に係る非線形光学顕微鏡。
101 ポンプ光光源
102 プローブ光光源
1011 ポンプ光
1021 プローブ光
105 ダイクロイックミラー
106 半透鏡
107 第1の対物レンズ
108 試料
118 載置部
110 第2の対物レンズ
111 反射部
112 第1のフィルタ
114 後方光検出器
102 プローブ光光源
1011 ポンプ光
1021 プローブ光
105 ダイクロイックミラー
106 半透鏡
107 第1の対物レンズ
108 試料
118 載置部
110 第2の対物レンズ
111 反射部
112 第1のフィルタ
114 後方光検出器
Claims (16)
- ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置される反射部と、
前記試料から後方に出射される光に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。 - ポンプ光とプローブ光を少なくとも含む一次光を出射する光源と、載置部に載置された試料の後方に配置され前記一次光を集光し前記試料に対し入射させる第1の対物レンズと、焦点の少なくとも一部を前記第1の対物レンズと共有し前記試料の前方に配置される第2の対物レンズと、
前記第2の対物レンズより前方に配置され、前記試料からの二次光のうち前方に出射される成分の入射を前記第2の対物レンズを介して受け反射し三次光として前記第2の対物レンズを介して前記試料に入射させる反射部と、
前記試料から後方に出射される光のうち、前記一次光と前記三次光のそれぞれにより前記試料から発生した第1のラマン散乱光成分と第2のラマン散乱光成分とを光学的に選択する第1のフィルタと、前記第1のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する後方光検出器と、を有する非線形光学顕微鏡。 - 前記反射部は、前記第2の対物レンズの前記焦点と共役な位置と重なって位置する請求項1または2に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記一次光を透過し、前記一次光が通過する方向と逆方向に前記第1の対物レンズを通過する光を前記一次光と光軸と交差する方向に反射し前記一次光の光路から分岐する半透鏡を有し、
前記後方光検出器は、前記半透鏡を介して分岐された分岐光を受光するように配置される請求項1または2に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記第1の対物レンズと前記半透鏡との間に、前記一次光の光束の一部と前記後方散乱光の光束の一部とを透過する後方透過部と、前記後方散乱光の前記光束の残部の少なくとも一部を反射する後方反射部と、を含む後方部分透過鏡を有する請求項4に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記反射部は、前記二次光のうち前方散乱成分の光束の一部を透過する前方透過部と、前記前方散乱成分の前記光束の残部の少なくとも一部を前記2の対物レンズの側に反射する前方反射部と、を含む前方部分透過鏡を有する請求項4に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記試料からの前記二次光のうち前記前方部分透過鏡を透過した光束に含まれるポンプ光成分とプローブ光成分のうちいずれか一方を光学的に選択する第2のフィルタを有する請求項6に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記第2のフィルタにより選択された成分または選択されなかった成分のいずれかを検出する前方光検出器をさらに有し、
前記前方光検出器の出力信号と前記後方光検出器の出力信号とを比較する散乱時相取得部を有する請求項7に記載の非線形光学顕微鏡。 - 前記散乱時相取得部の出力に基づいて前記前方部分透過鏡の配置を調整する調整部をさらに有する請求項8に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記後方光検出器の出力信号と前記前方光検出器の出力信号との差分に関する情報を取得する取得部を有する請求項7に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記第1の対物レンズと前記第2の対物レンズで共有される前記焦点を前記試料に対して走査する走査手段を有する請求項1または2に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記走査手段は、前記一次光の光軸方向と交差する方向に前記載置部を移動させる試料走査部を含む請求項11に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記走査手段は、前記一次光の光軸を前記光軸と交差する方向に移動させる光軸走査部を含む請求項11に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記光軸走査部は、前記第1の対物レンズの前記焦点が前記試料面内に沿って走査されるように前記一次光の光軸に角度偏位を与える走査ミラーを含む請求項13に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記ポンプ光、前記プローブ光はいずれもパルス光を含む請求項1または2に記載の非線形光学顕微鏡。
- 前記光源が前記一次光を出射する時刻と、前記光検出器がパルス光を検出する時刻と、に基づいて、前記試料から射出されたラマン散乱光を経時的に分離する分離手段を有する請求項15に記載の非線形光学顕微鏡。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023083372A JP2024166935A (ja) | 2023-05-19 | 2023-05-19 | 非線形光学顕微鏡 |
PCT/JP2024/017343 WO2024241902A1 (ja) | 2023-05-19 | 2024-05-10 | 非線形光学顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023083372A JP2024166935A (ja) | 2023-05-19 | 2023-05-19 | 非線形光学顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024166935A true JP2024166935A (ja) | 2024-11-29 |
Family
ID=93589153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023083372A Pending JP2024166935A (ja) | 2023-05-19 | 2023-05-19 | 非線形光学顕微鏡 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024166935A (ja) |
WO (1) | WO2024241902A1 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7339148B2 (en) * | 2002-12-16 | 2008-03-04 | Olympus America Inc. | Confocal microscope |
JP6036684B2 (ja) * | 2011-03-07 | 2016-11-30 | 株式会社ニコン | 非線形顕微鏡及び非線形観察方法 |
WO2013084621A1 (ja) * | 2011-12-05 | 2013-06-13 | ソニー株式会社 | 測定装置及び測定方法 |
JP7122786B2 (ja) * | 2019-04-30 | 2022-08-22 | アトナープ株式会社 | 測定システム |
JP7677803B2 (ja) * | 2021-02-10 | 2025-05-15 | 株式会社 資生堂 | ラマン分光法による皮膚内部の水のイメージング方法 |
-
2023
- 2023-05-19 JP JP2023083372A patent/JP2024166935A/ja active Pending
-
2024
- 2024-05-10 WO PCT/JP2024/017343 patent/WO2024241902A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2024241902A1 (ja) | 2024-11-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4854878B2 (ja) | レーザー顕微鏡 | |
JP4862164B2 (ja) | パルスレーザ光のタイミング調整装置、調整方法及び光学顕微鏡 | |
US7474411B2 (en) | System and method to reduce laser noise for improved interferometric laser ultrasound detection | |
US9170411B2 (en) | Scanning optical microscope | |
CN110579462B (zh) | 一种基于高重频飞秒激光的时间分辨宽谱cars光谱成像装置 | |
US20150204790A1 (en) | Stimulated raman scattering measurement apparatus | |
US9709786B2 (en) | Non-linear microscopy and non-linear observation method | |
US10914676B2 (en) | Observation apparatus and observation method | |
JP6768289B2 (ja) | 走査型顕微鏡 | |
JP5577998B2 (ja) | 非線形顕微鏡及び非線形観察方法 | |
US7385693B2 (en) | Microscope apparatus | |
JP2024166935A (ja) | 非線形光学顕微鏡 | |
JP7555807B2 (ja) | 赤外レーザ顕微鏡 | |
JP5521901B2 (ja) | 非線形顕微鏡及び非線形観察方法 | |
JP6655966B2 (ja) | 走査型顕微鏡 | |
JP4895522B2 (ja) | 顕微鏡装置 | |
EP1879015B1 (en) | Heterodyne laser doppler probe and measurement system using the same | |
JP2017102265A (ja) | 走査型顕微鏡 | |
JP4895519B2 (ja) | 顕微鏡装置 | |
JP2016029340A (ja) | 計測装置 | |
JP2025088185A (ja) | 顕微鏡 | |
JPH05273129A (ja) | 光エコー顕微鏡 | |
JPH05273130A (ja) | 光エコー顕微鏡 | |
JPH0815155A (ja) | 光学的検査方法および光学的検査装置 | |
CN119779480A (zh) | 联合受激傅里叶变换相干拉曼光谱探测系统 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20231213 |