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JP2024152801A - スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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JP2024152801A JP2024130960A JP2024130960A JP2024152801A JP 2024152801 A JP2024152801 A JP 2024152801A JP 2024130960 A JP2024130960 A JP 2024130960A JP 2024130960 A JP2024130960 A JP 2024130960A JP 2024152801 A JP2024152801 A JP 2024152801A
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Abstract

【課題】本発明は、重合時の生産性を確保しつつ分子量を高めたスチレン系樹脂を有するスチレン系樹脂組成物、および、その製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(a)と、炭素数4~15のアルコール類(b)と、当該アルコール類(b)以外の溶媒(c)と、を含み、前記アルコール類(b)の含有量が樹脂組成物100質量%に対して10質量ppm以上であり、前記溶媒(c)の含有量に対する前記アルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上であることを特徴とする。本発明のスチレン系樹脂組成物の製造方法は、重合溶液の前記アルコール類(b)の含有量が、当該アルコール類(b)と前記溶媒(c)との合計含有量100質量%に対して15質量%以上となる条件下で前記スチレン系樹脂(a)を重合する工程を備えることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂組成物およびその製造方法に関する。
スチレン系樹脂は、耐熱性、透明性、成型性、剛性に優れ、且つ比較的安価なことから、弁当、惣菜等の食品の容器包装材料、住宅の断熱材用の発泡ボード、テレビの拡散板等に広く用いられている。一般的に、スチレン系樹脂においてはより高い強度が求められているが、スチレン系樹脂では分子量が高いほど強度が優れることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-3531号公報
ここで、スチレン系樹脂の分子量は、一般的に重合時において、重合温度、重合時間、溶媒量、開始剤の種類や添加量、連鎖移動剤の種類や添加量等の条件を調整することによって制御することができる。具体的には、スチレン系樹脂の分子量の向上は、例えば重合温度を下げたり、開始剤の添加量を減らしたり、あるいは重合時間を延ばしたりすること等により行うことができる。しかし、これら方法では、重合によって得られるスチレン系樹脂の分子量を向上することができるものの、スチレン系樹脂の生産性(例えば重合時の仕込み量に対して得られるスチレン系樹脂量(反応器ポリマー率))が低下していた。したがって、生産性と高分子量化による強度向上とを同時に満足することが困難という課題があった。また、得られたスチレン系樹脂はさらに所望の用途に用いるために溶融させる等して加工されるが、上記課題を解決するにあたっては、当該加工を経ても分子量が維持されることも肝要であった。
そこで、本発明が解決する課題は、重合時の生産性を確保しつつ分子量を高めたスチレン系樹脂を有するスチレン系樹脂組成物を提供すること、および、そのような樹脂組成物を得ることが可能なスチレン系樹脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記問題点に鑑みて鋭意研究を進めた結果、アルコールを特定の含有量で含むとともに、溶媒とアルコールを特定の含有量比で含むように重合したスチレン系樹脂組成物において、重合時の生産性や樹脂の分子量を高めることができる手法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]スチレン系樹脂(a)と、炭素数4~15のアルコール類(b)と、当該アルコール類(b)以外の溶媒(c)と、を含むスチレン系樹脂組成物であって、
前記アルコール類(b)の含有量が樹脂組成物100質量%に対して10質量ppm以上であり、
前記溶媒(c)の含有量に対する前記アルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物。
[2]前記スチレン系樹脂(a)に含まれるスチレン系単量体単位の含有量が70%以上である、上記[1]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[3]前記スチレン系樹脂(a)に含まれるスチレン系単量体単位の含有量が90質量%以上である、上記[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂組成物。
[4]前記スチレン系樹脂(a)がスチレン系単量体の単独重合体である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[5]メルトフローレートが0.5~4.5g/10分である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[6]ビカット軟化温度が100℃以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物。
[7]重合溶液の前記アルコール類(b)の含有量が、当該アルコール類(b)と前記溶媒(c)との合計含有量100質量%に対して14質量%以上となる条件下で、前記スチレン系樹脂(a)を重合する工程を備えることを特徴とする、上記[1]~[6]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、重合時の生産性を確保しつつ分子量を高めたスチレン系樹脂を有するスチレン系樹脂組成物を提供すること、および、そのような樹脂組成物を得ることが可能なスチレン系樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[スチレン系樹脂組成物]
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(a)と、炭素数4~15のアルコール類(b)と、当該アルコール類(b)以外の溶媒(c)と、を含み、アルコール類(b)の含有量が樹脂組成物100質量%に対して10質量ppm以上であり、溶媒(c)の含有量に対するアルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上であることを特徴とする。これにより、重合時の生産性を確保しつつ、分子量が高いスチレン系樹脂とすることができる。
なお、以下、炭素数4~15のアルコール類(b)を単にアルコール類(b)と、アルコール類(b)以外の溶媒(c)を単に溶媒(c)とも称す。
<スチレン系樹脂(a)>
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物はスチレン系樹脂(a)を含む。スチレン系樹脂(a)としては、スチレン系単量体の単独重合体、または、スチレン系単量体と必要に応じてこれと共重合可能な他の単量体との共重合体とすることができる。
また、スチレン系樹脂(a)は、ゴム成分存在下で重合してゴム変性してもよい。ゴム成分としては、ゴム状重合体であることが好ましく、ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体などを使用できる。その中でも、ポリブタジエンまたはスチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレン-ブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体は1種以上用いることができる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを用いることもできる。このようなゴム変性スチレン系樹脂の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体)等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。特に工業的観点からスチレンが好ましい。スチレン系単量体としては、これらを単独または混合して使用できる。
スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体の共重合体としては、スチレン系単量体と共重合可能であれば特に限定されず、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-ヘキシル、及び(メタ)アクリロニトリル等のビニル系化合物、並びにジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸、マレイミド、及び核置換マレイミド等が挙げられる。この中でも、ビニル系化合物を含有することが好ましく、より好ましくは、メタクリル酸を含有することである。
スチレン系樹脂(a)中のスチレン系単量体単位の含有量としては、スチレン系樹脂を構成する単量体単位の合計量を100質量%とした際に、70質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは97質量%以上である。含有量が70質量%未満では、スチレン系樹脂の特徴である樹脂の成形性、流動性が低下してしまい、好ましくない。
なお、スチレン系樹脂(a)が、スチレン系単量体と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体である場合には、スチレン系樹脂(a)中のスチレン系単量体単位の含有量の上限値は、98質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%である。また、スチレン系樹脂(a)が、ポリスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体である場合には、スチレン系樹脂(a)がスチレン系単量体単位からなることが好ましいが、例えば、スチレン系単量体単位以外の単量体単位が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下で含まれることは許容される。
その他単量体を共重合した際のスチレン系樹脂(a)中のスチレン系単量体単位とその他の単量体単位の含有量は、樹脂を核磁気共鳴測定装置(H-NMR)で測定したときのスペクトルの積分比から求めることができる。
本実施形態において、スチレン系樹脂(a)の重量平均分子量(Mw)は、10万~40万であることが好ましく、更に好ましくは13万~35万である。重量平均分子量が10万~40万である場合、衝撃強度と流動性とのバランスに優れる樹脂が得られる。重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定できる。
<炭素数4~15のアルコール類(b)>
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は炭素数4~15のアルコール類(b)を含む。アルコール類(b)としては、水酸基を1つ以上含む炭素数4~15のアルコール類であり、炭素鎖中に酸素や窒素などのヘテロ原子を含んでもよく、炭素鎖中に2重結合、3重結合、エステル結合、アミド結合、など、単結合以外の結合を含んでもよい。
アルコール類(b)は、スチレン系樹脂(a)を重合する際に重合溶液中に存在させることが好ましいところ、炭素数3以下のアルコール類ではスチレン系樹脂(a)に対する溶解性が低いためにポリマーの析出が生じ、安定した生産が難しい。また炭素数16以上のアルコール類では、スチレン系樹脂組成物を用いて成形する際等において、成形品等に残留しやすくなり、例えば得られた成形体の耐熱温度が低下する。また、当該炭素数16以上のアルコール類の残留量を低減するには、高温で成形等する必要があり、この場合、高温によりスチレン系樹脂(a)の分子量が低下する。または、成形等を行う際に、当該アルコールによって臭気が生じ作業性が低下する。
アルコール類(b)としては、特に限定されないが、例えば、n-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、3-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3ペンタノール、2,2-ジメチル-1-ブタノール、2,3-ジメチル-1-ブタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、6-メチル-1-ヘプタノール、2-メチルヘプタン-2-オール、1-ノナノール、3-メチルオクタン-3-オール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-アミノエタノール、6-アミノ-ヘキサノール、2-(メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、2-(エチルチオ)エタノール、2-(プロピルチオ)エタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、3-メチル-3-ブテン-1-オール、3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブテン、ポリエチレングリコールモノエーテル類、アリルアルコール類、などが挙げられる。
アルコール類(b)としては、スチレン系樹脂に対する溶解性、耐熱性、加工過程での分子量低下の抑制、成型時の低臭気化等の観点から炭素数4~14のアルコールが好ましく、特に炭素数5~12が好ましい。
アルコール類(b)の沸点としては100℃以上290℃以下が好ましく、更に好ましくは120℃以上260℃以下、よりさらに好ましくは130℃以上230℃以下である。アルコール類(b)の沸点が100℃未満であると、樹脂混濁の原因となる傾向があり、290℃超であると、樹脂組成物中のアルコール類の残留量が多くなり、樹脂組成物の耐熱性、加工過程での分子量低下、成型時の臭気等の原因となり得る。
本実施形態においてスチレン系樹脂組成物100質量%中の、アルコール類(b)の含有量は、10ppm以上であり、好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは50ppm以上である。
スチレン系樹脂組成物中のアルコール類(b)の含有量が10ppm以上になることにより、当該スチレン系樹脂組成物中のスチレン系樹脂(a)の重合時の生産性を確保しつつ、得られたスチレン系樹脂(a)の分子量を向上させることができる。
具体的には、スチレン系樹脂(a)を重合する際に、溶媒中にアルコール類(b)が一定量存在するように重合することにより、樹脂重合において生産性が低下するような条件にすることなく、スチレン系樹脂(a)の分子量を向上させることができる。なお、通常、スチレン系樹脂(a)を重合後、残留する単量体、アルコール類(b)、後述の溶媒(c)を含む重合溶液を脱揮するが、通常の条件下で脱揮することで、アルコール類(b)の含有量が10ppm以上となるとともに、重合時のスチレン系樹脂(a)の分子量を、脱揮工程を経ても維持することができる。
なお、スチレン系樹脂組成物中のスチレン系樹脂(a)の分子量の向上の観点からは、スチレン系樹脂組成物中のアルコール類(b)の含有量の上限は特に限定されないが、良好な外観、耐熱性の観点からは、スチレン系樹脂組成物中のアルコール類(b)の含有量は700ppm以下であることが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは300ppm以下、よりさらに好ましくは200ppm以下である。
また本実施形態において、後述の溶媒(c)の含有量に対するアルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上であり、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは3.0以上である。上述のようにアルコール類(b)含有量が10ppm以上であり、且つ、溶媒(c)の含有量に対するアルコール類(b)の含有量の比が0.5以上であることにより、製造時の生産性を損なうことなく、スチレン系樹脂(a)の分子量を高めることができ、強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
具体的には、スチレン系樹脂(a)を重合する際に、溶媒(c)中にアルコール類(b)を存在するように重合することにより、スチレン系樹脂(a)の分子量を向上させることができるが、重合溶液中の重合溶媒(アルコール類(b)と溶媒(c)の合計)内に、アルコール類(b)以外の溶媒(c)が多く含まれると、アルコール類(b)による分子量向上の効果が低減する。しかし、スチレン系樹脂組成物(スチレン系樹脂(a)の重合後)中の溶媒(c)の含有量に対するアルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上になるように、スチレン系樹脂(a)を重合することにより、アルコール類(b)による分子量向上の効果を十分に得ることができる。
なお、上述のように通常、スチレン系樹脂(a)を重合後、重合溶液を脱揮するが、通常の条件下で脱揮することで、重合溶液中のアルコール類(b)の含有量と溶媒(c)の含有量との比が脱揮工程を経ても維持される。
炭素数4~15のアルコール類(b)の樹脂組成物への添加方法については特に制限はないが、スチレン系樹脂(a)の重合時に重合溶液中に添加する方法が好ましい。
<アルコール類(b)以外の溶媒(c)>
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物はアルコール類(b)以外の溶媒(c)を含む。溶媒(c)としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系樹脂を重合する際に用いることができる重合溶媒を用いることができ、具体的には、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、並びにヘキサン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。それぞれ、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒(c)の沸点としては、100℃以上230℃以下が好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下である。当該沸点が100℃未満であると、反応器圧の観点から好ましくなく、また、沸点が230℃超であると、脱揮工程で十分に除去できず、樹脂組成物の耐熱性低下、加工過程での分子量低下、臭気の原因等となり得ることから好ましくない。また、重合生成物の溶解性を損なわない範囲で、他の有機溶媒、例えばアルコール類やポリオキシエチレン誘導体を混合することができる。
本実施形態においてスチレン系樹脂組成物100質量%中の、溶媒(c)の含有量は、5~500ppmであることが好ましく、より好ましくは10~300ppmであり、更に好ましくは10~200ppmである。当該範囲になることにより、スチレン系樹脂(a)の製造時に適切に重合しやすくなるとともに、樹脂組成物の耐熱性低下、加工過程での分子量低下、臭気の原因等となることを防止することができる。
<その他の成分>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物には、スチレン系樹脂において使用が一般的な各種添加剤を、公知の作用効果を達成するために添加することもできる。例えば安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油等があげられる。また、スチレン-ブタジエンブロック共重合体やMBS樹脂等の補強材についても物性を損なわない範囲で添加してもよい。配合の方法については特に規定はないが、例えば、重合時に添加して重合する方法や、重合後溶融混練する前に、ブレンダーであらかじめ添加剤を混合し、その後、押出機やバンバリーミキサー等にて溶融混錬する方法等が挙げられる。
本実施形態において、上述のようにスチレン系樹脂組成物には各種添加剤を添加させることができるが、スチレン系樹脂組成物中のスチレン系樹脂(a)の含有量は、特に限定されないが95質量%以上であることが好ましく、より好ましくは97質量%であり、さらに好ましくは99質量%以上である。
また、本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は、上記のアルコール類(c)以外のアルコール類も、本発明の効果を損なわない範囲で添加することもできる。
<スチレン系樹脂組成物の物性>
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度は、100℃以上であることが好ましい。当該範囲にすることで、熱湯と接触する食品包装材料にも好適に用いることもできる。当該ビカット軟化温度は、ISO306に準拠して、荷重50N、昇温速度50℃/hの条件で測定することができる。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物のメルトフローレートは0.5~4.5g/10分の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0~3.5g/10分であり、さらに好ましくは1.5~2.5g/10分である。メルトフローレートを0.5g/10分以上にすることにより、反応器から良好に払い出すことができ、4.5g/10分以下にすることにより、強度に優れたスチレン系樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物中に存在する、スチレン系樹脂(a)を構成する単量体の含有量は、スチレン系樹脂組成物100質量%としたときに、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下であり、さらに好ましくは600ppm以下である。スチレン単量体を含む単量体の合計量を1000ppm以下とすることにより、本実施形態のスチレン系樹脂組成物を用いたシート押出時のダイス出口周りの臭気が改善される。また樹脂の色調も改良される。スチレン系樹脂(a)を構成する各単量体の残存量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
<スチレン系樹脂組成物の製造方法>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(a)の製造(重合)を経ることで得ることができる。
スチレン系樹脂(a)の重合方法としては、特に制限はないが、例えばラジカル重合法、その中でも、塊状重合法又は溶液重合法を好ましく採用できる。
具体的には、重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒(アルコール類(b)および溶媒(c)を含む)等の揮発分を除去する脱揮工程と、を備える。
以下、本実施形態に係る重合方法について説明する。
本実施形態において、スチレン系樹脂(a)を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤を含有させる。重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
スチレン系樹脂(a)の重合時には必要に応じて連鎖移動剤を使用することもできる。連載移動剤の例としては、例えば、αメチルスチレンリニアダイマー、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン等を挙げることができる。
スチレン系樹脂(a)の重合時に、スチレンの2量体や3量体が生成しうる。このスチレンの2量体や3量体の生成量は重合開始の方法で異なり、すなわち重合開始剤として有機過酸化物若しくはアゾ系重合開始剤を使用すること、又は熱開始のみとすることの間で異なる。スチレンの2量体や3量体の生成量は有機過酸化物を使用する場合が最も少なく、熱開始のみの場合が最も多い。スチレンの2量体、3量体は、押出機での押出時のダイス出口への目やにの付着、或いは射出成形時の金型への目やにの付着等で不具合を生じさせる場合がある。従って、重合開始方法としては有機過酸化物の使用が最も好ましい。スチレン系樹脂組成物100質量%中のスチレンの2量体と3量体の合計量は少ないほど好ましいが、より好ましくは0.7質量%以下、更により好ましくは0.6質量%以下である。スチレンの2量体と3量体としては1,3-ジフェニルプロパン、2,4-ジフェニル-1ブテン、1,2-ジフェニルシクロブタン、1-フェニルテトラリン、2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン、1-フェニル-4-(1’-フェニルエチル)テトラリン等が挙げられる。
重合方法としては、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。重合溶媒としては、上述のアルコール類(b)および溶媒(c)を用いることができる。
本実施形態において、重合溶媒(上述のアルコール類(b)および溶媒(c)を含む)は、スチレン系樹脂(a)を構成する全単量体100質量部に対して、3~25質量部の範囲で使用するのが好ましく、より好ましくは5~20質量部の範囲である。全単量体100質量部に対して重合溶媒25質量部を超えると、重合速度が低下し、且つ得られる樹脂の機械的強度が低下する傾向がある。また、3質量部未満では重合時に除熱の制御が難しくなる恐れがある。全単量体100質量部に対して3~25質量部の割合で添加しておくことが、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
また、本実施形態において、スチレン系樹脂(a)の重合時には、アルコール類(b)と溶媒(c)との合計含有量100質量%に対するアルコール類(b)の含有量を次の条件下で重合することが好ましい。すなわち、アルコール類(b)と溶媒(c)との合計含有量100質量%に対するアルコール類(b)の含有量は、14質量%以上となることが好ましく、より好ましくは17質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、特に好ましくは25質量%以上である。アルコール類(b)と溶媒(c)との合計含有量に対するアルコール類(b)の含有量が14質量%以上であれば、重合時に分子量増加効果が得られ、強度に優れたスチレン系樹脂を得ることができる。
また、本実施形態において、重合工程後脱揮工程を行う際の重合溶液は、ポリマー成分を除く溶液成分(アルコール類(b)、溶媒(c)、未反応のモノマー等を含む)中のアルコール類(b)の含有量が5質量%以上であることが好ましい。このような含有量になるよう重合することで、より重合時に分子量増加効果が得られ、強度に優れたスチレン系樹脂を得ることができる。
本実施形態において、スチレン系樹脂(a)を得るための重合工程で用いる装置は、特に制限はなく、スチレン系樹脂(a)の重合方法に従って適宜選択すればよい。例えば、塊状重合による場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。
また、本実施形態において、スチレン系樹脂(a)を重合する重合工程の後の脱揮工程についても特に制限はない。重合工程を塊状重合で行う場合、重合工程を、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで進め、ついで、脱揮工程において、未反応モノマー等の揮発分を除去するために、既知の方法にて脱揮処理する。例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、150~280℃程度であり、好ましくは160~260℃であり、更に好ましくは160~240℃である。脱揮温度を150℃以上とすることで未反応スチレンモノマーを効率的に除去することができ、280℃以下とすることで、スチレン系樹脂(a)の熱分解による低分子量化を抑制することができる。また脱揮処理の圧力は、通常0.13~4.0kPa程度であり、好ましくは0.13~3.0kPaであり、より好ましくは0.13~2.0kPaである。また、脱揮工程での滞留時間は、通常2.0時間未満であり、好ましくは1.5時間未満、より好ましくは1.2時間未満である脱揮工程での滞留時間を2.0時間未満にすることで、スチレン系樹脂(a)の分解が進行し、分子量低下や組成物の単量体含有量の増加を防ぐことができる。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、及び揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
次に本発明を実施例及び比較例により詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における樹脂及び押出シート等の分析、評価方法は、下記の通りである。
(1)スチレン系単量体単位及びその他単量体単位のスチレン系樹脂中の含有量の測定
スチレン系樹脂中のスチレン系単量体単位及びその他単量体単位の含有量を、核磁気共鳴(H-NMR)装置で測定したスペクトルの積分比から定量した。
試料調製:樹脂75mgをd-クロロホルム 0.75mLに溶解した。
測定機器:日本電子 JNM ECA-500
測定条件:測定温度 60℃、観測核 H、積算回数 32回、繰返し時間 45秒
(2)重量平均分子量の測定
スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定した。
装置:東ソー製HLC―8220
分別カラム:東ソー製TSK gel Super HZM-H(内径4.6mm)を直列に2本接続
ガードカラム:東ソー製TSK guard column Super HZ-H
測定溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
試料濃度:測定試料5mgを10mLの溶媒に溶解し、0.45μmのフィルターでろ過を行った。
注入量:10μL
測定温度:40℃
流速:0.35mL/分
検出器:紫外吸光検出器(東ソー製UV-8020、波長254nm)
検量線の作成には東ソー製のTSK標準ポリスチレン11種類(F-850、F-450、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000)を用いた。1次直線の近似式を用いて検量線を作成した。
(3)メルトマスフローレート(MFR)の測定
スチレン系樹脂組成物のメルトマスフローレート(g/10分)は、ISO1133に準拠して、200℃、49Nの荷重条件にて測定した。
(4)ビカット軟化温度の測定
スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度をISO306に準拠して測定した。荷重は50N、昇温速度は50℃/hとした。
(5)スチレン系単量体、アルコール類および溶媒の含有量の測定
スチレン系樹脂組成物の質量を100質量%としたときの、スチレン系単量体、アルコール類および溶媒の含有量をガスクロマトグラフィーにて測定した。
・試料調製:樹脂2.0gをメチルエチルケトン20mLに溶解後、更に標準物質(トリフェニルメタン)入りのメタノール5mLを加えポリマー成分を再沈させ、上澄み液を採取し、測定液とした。
・測定条件
機器:Agilent社製 6850 シリーズ GCシステム
検出器:FID
カラム:HP-1(100%ジメチルポリシロキサン)30m、
膜厚0.25μm、0.32mmφ
注入量:1μL(スプリットレス)
カラム温度:40℃で2分保持→20℃/分で320℃まで昇温→
320℃で15分保持
注入口温度:250℃
検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
(6)ダイス出口の臭気判定
スチレン系樹脂組成物を用いて、30mmφ短軸シート押出機でのシート押出時に、ダイス出口の臭気を確認し、以下の評価基準でダイス出口の臭気を判定した。
〇:臭いを殆ど感じない
×:臭いを感じた
(7)ポリマー生産性の算出
スチレン系樹脂の製造時のポリマー生産性は、以下の式により単位時間当たりのポリマー生産量を算出することで求めた。
{反応器ポリマー率(質量%)}×{反応液供給レート(kg/h)}
={ポリマー生産性(kg/h)}
なお、反応器ポリマー率は、重合反応中の反応器から直接抜いたポリマー液の質量を秤量したのち、230℃に加熱された減圧乾燥機にて2.0kPa以下の減圧下で15分間減圧乾燥後の質量を秤量して以下の式で算出した。
[{減圧乾燥後(g)}/{減圧乾燥前(g)}]×100
={反応器ポリマー率(質量%)}
以下、実施例、比較例について説明する。
[実施例1]
スチレン85.5質量部、エチルベンゼン10.5質量部、2-エチル-1-ヘキサノール4.0質量部、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(PHC、日油(株)製、商品名:パーヘキサ(登録商標)C)0.025質量部からなる重合原料組成液を、0.72kg/時の速度で、容量が3.6リットルの完全混合型反応器に、更には未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去するため、熱交換器を有する脱揮槽(170℃、1.5kPa)と単軸押出機(230℃、1.5kPa)を連結した2段の脱揮装置に連続的に順次供給した。完全混合反応器の重合温度は142℃とした。脱揮された未反応ガスは-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収し、ポリマー分は樹脂ペレットとして回収した。反応器出の重合液中のポリマー分は、重合液を230℃、0.3kPaの減圧下で15分間乾燥後、(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量×100%)により測定したところ、65.8質量%であった。上述の分析法によって得られた物性を表1に示す。
[実施例2~13]
実施例2~13は、表1に示すように条件を変更したこと以外は実施例1と同様の方法でスチレン系樹脂組成物を作製した。
[比較例1~4、8~9]
表2に示すように条件を変更した以外は実施例1と同様の方法でスチレン系樹脂組成物を作製した。比較例1~4、7~8では組成物中にアルコール類(b)が含まれないため分子量増加の効果を得られなかった。
[比較例5]
表2に示すように条件を変更した以外は実施例1と同様の条件でスチレン系樹脂組成物の作製を試みた。比較例5では実施例4と比較し、使用するアルコールを2-エチルヘキサノールを2-プロパノール(C3)に変更したところ、重合生成物に対する溶解性が乏しく析出し、スチレン系樹脂を得ることができなかった。
[比較例6]
表2に示すように条件を変更した以外は実施例1と同様の条件でスチレン系樹脂組成物を作製した。比較例6では実施例4と比較し、使用するアルコールを2-エチルヘキサノールをイソステアリルアリコール(C18)に変更したところ、比較例4と比べてビカット軟化温度に劣る結果となった。また、比較例6以外の実施例、比較例では、臭気判定の評価は臭いを殆ど感じなかった(評価判定○)のに対して、比較例6では、アルコールを含む残存揮発成分の量が多くなり、臭気の点でも劣る結果(評価結果×)となった。
[比較例7]
比較例6の条件で残留アルコール類低減のために脱揮系滞留時間を延ばしたところ、スチレン系樹脂の熱分解が進行し、アルコールによる分子量増加の効果が得られなかった。
[比較例10]
表2に示すように条件を変更した以外は実施例1と同様の条件でスチレン系樹脂組成物を作製した。比較例10では実施例2と比較し、アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量の比が低く、十分な分子量増加効果が確認できなかった。
[比較例11]
表2に示すように、実施例4相当の重量平均分子量が得られるように比較例2の温度条件を変更してスチレン系樹脂組成物を作製した。比較例10では実施例4と同様の分子量のスチレン系樹脂組成物が得られたが、実施例4と比較して生産性が低下した。
[比較例12、13]
表2に示すような条件に変更した以外は実施例1と同様の条件でスチレン系樹脂組成物を作製した。比較例12では比較例11と比較し、アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量の比が低く、十分な分子量増加効果が確認できなかった。
Figure 2024152801000001
Figure 2024152801000002
本発明にて得られるスチレン系樹脂組成物は生産性・耐熱性を損ねることなく強度に優れる。そのため本発明のスチレン系樹脂組成物は、押出成形でも非発泡シートや発泡シート、それらを用いた食品包装容器や、射出成形による成形品(電気製品部品、玩具、日用品、各種工業部品)などに幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (1)

  1. スチレン系樹脂(a)と、炭素数4~15のアルコール類(b)と、当該アルコール類(b)以外の溶媒(c)と、を含むスチレン系樹脂組成物であって、
    前記アルコール類(b)の含有量が樹脂組成物100質量%に対して10質量ppm以上であり、
    前記溶媒(c)の含有量に対する前記アルコール類(b)の含有量の比(アルコール類(b)の含有量/溶媒(c)の含有量)が0.5以上であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物。
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