JP2024111764A - 送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置及び当該運搬装置を使用した資材の運搬方法 - Google Patents

Abstract

【課題】鉄塔間に張られた送電線に搬送器を吊るして牽引することにより前記搬送器に吊るした資材を容易に運搬する。
【解決手段】送電線Ａに吊架するキャリア運搬器１は本体２の上部に送電線Ａの２箇所に掛けるローラ組６を設け、当該本体２の下部に第１レバーブロック（登録商標）１２を設け、前記本体２に巻き上げ用横行ロープ１３の一端を固定し、当該巻き上げ用横行ロープ１３の他端は吊り荷用金車１４を通り、前記本体２の下端に垂下した吊り荷用補助金車１５に通して前記送電線Ａに沿って延ばし、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１で地上に降ろしてウインチ１９に巻き付け、当該ウインチ１９に一端を固定した横行ロープ２０の他端を当該資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１の上部に立ち上げて前記送電線Ａに沿って延ばし、資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２上部で折り返し、当該横行ロープ２０の他端を前記キャリア運搬器１の本体２に固定した。
【選択図】図１

Description

この発明は、送電線等の鉄塔に鉄塔等の修理や部材の取替え等の工事に使用する資材の運搬に用いる簡易キャリア運搬装置及び当該運搬装置を使用した資材の運搬方法に関するもので、鉄塔に張られた送電線を用いた運搬装置及び運搬方法に関するものである。

送電線は、発電所から遠隔の各地に電力を供給するため、多数の鉄塔に支持されて長距離にわたって布設されている。この送電線や鉄塔は定期的に保守・点検が行われている。その中でも山間部に位置する送電線や鉄塔を保守・点検する場合、送電線に沿った道がなく、交換部材等の資材の運搬が困難となる。

そこで、従来は特許文献１のように、山の下から山間部等の所望の鉄塔箇所まで索道を設け、当該索道によって必要な資材を前記鉄塔に運搬していた。

しかしながら、このような索道を設けるには樹木を伐採して道を作り、当該道に沿って索道を設けなければならず、手間のかかる作業を要していた。そこで、特許文献２のように、わざわざ樹木を伐採して道を切り開き、そこに索道を設けるのではなく、鉄塔間に主索及び曳索を渡した運搬設備を設けたものが開発された。

特許文献２のものは、主索及び曳索を空中にかけ渡すと共に、補修用資材を支持する搬器を主索に吊るした状態で、搬器を曳索による牽引により主索に沿って移動させることにより、補修用資材を運搬する補修用資材の運搬設備であって、主索及び曳索が、既設の複数の送電鉄塔間に掛け渡されていた状態で、各々の送電鉄塔によって支持されているものである。

実開昭５７―１６３４６６号公報 特開２００９―２６１１２４号公報

特許文献２のものは、索条体が既設の送電鉄塔によって支持されることから、索条体を支持する支持柱を別途新たに建設した索道を設ける必要がない。しかしながら、送電鉄塔に索条体及びこれを支持する部材を設けなければならず、手間や費用がかかるものである。

そこで、この発明は上述の課題を解決するため、資材運搬用の索条体を設けず、鉄塔間に張られた送電線に搬送器を吊るし、これを牽引することにより前記搬送器を移動させて資材を運搬する簡易キャリア運搬器を設けることにより、索道等の運搬設備を設けずに容易に資材を運搬できる、運搬装置及び当該運搬装置を用いた資材の運搬方法を提供することを目的としたものである。

請求項１の発明は、鉄塔間で資材を運搬する装置において、送電線に吊架したキャリア運搬器を設け、当該キャリア運搬器は本体の上部に送電線の間隔を空けた２箇所に掛けるローラを設け、当該本体の下部に、本体の下方で吊り荷を支持する第１荷締め機（以下レバーブロック「登録商標」という）を設け、前記本体に巻き上げ用横行ロープの一端を固定し、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材を吊った吊り荷用金車の下部を通り、さらに前記本体の後部下端に垂下した吊り荷用補助金車の上部を通して前記送電線に沿って延ばし、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材運搬発進箇所鉄塔で金車を介して地上に降ろし、当該箇所でウインチに巻き付け、当該ウインチに一端を固定した横行ロープの他端を当該資材運搬発進箇所鉄塔の上部に設けた金車に掛けて、前記送電線に沿って延ばし、資材運搬到達箇所鉄塔上部で金車を介して折り返し、当該横行ロープの他端を前記キャリア運搬器の本体の先端部に固定し、前記本体の後端部に、前記巻き上げ用横行ロープを固定する第２荷締め機（以下レバーブロック「登録商標」という）を設けた、送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置とした。

また、請求項２の発明は、前記キャリア運搬器の本体は前記２箇所のローラを支持する上部フレームと、前記第１レバーブロック（登録商標）、前記吊り荷用補助金車、前記第２レバーブロック（登録商標）の固定、及び、前記巻き上げ用横行ロープ及び前記横行ロープの他端の固定箇所を有する横長の基板とから成り、これらの上部フレームと基板とは、当該上部フレームの前後下端部と当該基板の前後上端部を揺動自在な接続手段で接続した、請求項１に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置とした。

請求項３の発明は、前記キャリア運搬器の本体の２箇所のローラは、各ローラが１つの支持フレームで前後に軸支された２個のローラから成り、前記支持フレームの中央部が前記上部フレームに軸支され、前記２箇所のローラの前後下方に補助ローラが夫々設けられ、当該各補助ローラは軸受けフレームの一端に軸支され、前記上部フレームの下部から斜め外方に突出したアームの先端で前記軸受けフレームの他端が回転自在に支持され、常時前記軸受けフレームの一端が上方に回転するよう付勢するバネ材が設けられた、請求項２に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置とした。

また、請求項４の発明は、前記キャリア運搬器の本体に一端を固定した巻き上げ用横行ロープの一端から一定長離れた箇所にコネクターを設け、当該巻き上げ用横行ロープを前記ウインチにより巻き上げて、前記第１レバーブロック（登録商標）を吊り荷用金車に接続した状態で、前記コネクターに前記第２レバーブロック（登録商標）を係止する構成とした、請求項１又は２に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置とした。

また、請求項５の発明は、請求項１に記載の簡易キャリア運搬装置を用い、資材運搬発進箇所鉄塔付近で、巻き上げ用ロープを前記ウインチにより緩めて、吊り荷用金車を地上付近まで降ろし、当該吊り荷用金車に吊り荷を吊り下げ、前記巻き上げ用横行ロープを前記ウインチで巻き上げ、前記第１レバーブロック（登録商標）に前記吊り荷用金車を連結し、また、第２レバーブロック（登録商標）に前記巻き上げ用横行ロープを固定し、この状態で前記横行ロープの一端を前記ウインチで巻き上げることにより、前記キャリア運搬器が送電線に沿って走行し、資材運搬到達箇所鉄塔に到達し後、前記ウインチの巻き上げを停止し、第２レバーブロック（登録商標）を巻き上げ用横行ロープから外し、第１レバーブロック（登録商標）を吊り荷用金車から外し、前記ウインチで巻き上げ用横行ロープを繰り出して、吊り荷用金車及び吊り荷を地上近くまで下ろす、送電線を用いた資材の運搬方法とした。

請求項１及び５の発明によれば、鉄塔間に補修機材等の資材を運搬するに際して、従来のように索道を設ける必要がなく、また、資材運搬用の索条体を鉄塔に支持させる必要もない。鉄塔の送電線にキャリア運搬器を載せ、当該キャリア運搬器に吊り荷を吊るし、資材を運搬する鉄塔間に張った横行ロープや巻き上げ用横行ロープで前記キャリア運搬器を引っ張れば運搬ができ、資材の運搬が容易にできる。また、この装置は資材の運搬が済めば、容易に撤去でき、資材の運搬作業全体を容易且つ迅速に行うことができる。

また、請求項２の発明によれば、前記キャリア運搬器の本体が、上部フレームと基板とに分かれ、基板が上部フレームに対して揺動自在に接続されているため、キャリア運搬器を横行用ロープ又は巻き上げ用横行ロープで牽引する際、送電線に載ったローラが送電線に設けたスリーブ等の突出箇所でも、当該突出箇所の衝撃を上部フレームと基板との接続部の揺動自在な接続手段で吸収でき、基板及び吊り荷に衝撃が伝わらずスムーズにキャリア運搬器が移動できる。

また、請求項３の発明によれば、キャリア運搬器は２箇所でローラにより送電線に支持され、なおかつ、各ローラは２個のローラから成り、当該２個のローラを１個の支持フレームで支持され、各支持フレームの中央部で上部フレームに回転自在に夫々されているため、送電線にカウンターウエイト等の突起物があっても２個二組のローラでこれらの突起物を乗り越えられる。さらに、各組のローラの前又は後の位置に下から補助ローラが突出して送電線を上下のローラで挟持できるため、送電線からの脱線の恐れがない。

また、請求項４の発明によれば、キャリア運搬器を移動させる際、巻き上げ用横行ロープを第２レバーロック（登録商標）で固定しなければならないが、当該巻き上げ用横行ロープにコネクターが設けられているため、当該コネクターに第２レバーロック（登録商標）を係止すればよく、上記固定作業が簡単にできる。

この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置の、搬送時の概略側面図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置の、荷上げ・荷下ろし時の概略側面図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置のキャリア運搬器の拡大側面図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における資材運搬発進箇所の鉄塔の側面図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における資材運搬到達箇所の鉄塔の側面図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順１の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順２の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順３の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順４の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順５の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順６の概要図である。 この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を使用した資材の運搬方法における手順７の概要図である。

（実施の形態例１）
この発明の実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を図１～図５に基づいて説明する。

まず、当該簡易キャリア運搬装置に用いるキャリア運搬器１を図３に基づいて説明する。送電線Ａに走行自在に吊架するキャリア運搬器１の本体２は、送電線Ａに掛けるローラを有する上部フレーム３と横長の縦板から成る基板４とから成る。これらの上部フレーム３と基板４とは、クレビスボルトやシャックルを用いた揺動自在な接続手段５によって相互に揺動自在に接続されている。

前記上部フレーム３には脚立状のフレームからなり、上部の前部及び後部（図３では左右方向の端部）に２個のローラ組６を１組とした２組のローラ組６、６が設けられている。各ローラ組６は１つの支持フレーム７で２個のローラが回転自在に支持されており、当該各支持フレーム７はその中央部で前記上部フレーム３に回転自在に支持されている。

また、前記各組のローラ組６の前下方又は後下方に補助ローラ８が夫々設けられ、当該各補助ローラ８は軸受けフレーム９の一端に軸支され、前記上部フレーム３の下部から夫々外側斜め上方に突出したアーム１０の先端で前記軸受けフレーム９の他端が回転自在に支持されている。また、前記軸受けフレーム９の一端と前記上部フレーム３の上端中央部との間にスプリングバネ１１が設けられ、当該スプリングバネ１１により各軸受けフレーム９の先端が常時上方に回転するよう付勢されている。

前記基板４の前部（図３において左端部）下端部から、本体２の下方で吊り荷を支持する第１レバーブロック（登録商標）１２が垂下され、また、当該第１レバーブロック（登録商標）１２より前方の基板４の下端部に、巻き上げ用横行ロープ１３の一端が固定され、当該巻き上げ用横行ロープ１３の他端は、当該巻き上げ用横行ロープ１３に支持された吊り荷用金車１４の下部を通り、さらに前記基板４の後部（図３において右端部）下端部から垂下した吊り荷用補助金車１５の上部を通して前記送電線Ａに沿って延ばされている。

前記吊り荷用金車１４の下部には吊り荷を係止するフック１４ａが設けられている。また、前記基板４の後部（図３において右端部）には第２レバーブロック（登録商標）１６が設けられている。さらに、前記基板４に一端を固定した巻き上げ用横行ロープ１３の、前記吊り荷用金車１４に至るまでの間の箇所にはコネクター１７が設けられている。

前記送電線Ａに沿って延ばされている巻き上げ用横行ロープ１３の他端は、図４に示すように、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１で複数の金車１８、１８を介して下方に引き下げられ、地上に設けたウインチ１９に巻き付け固定されている。また、当該ウインチ１９に一端が固定された横行ロープ２０の他端が前記鉄塔Ｂ１の上方に立ち上げられ、当該鉄塔Ｂ１の上部に設けた金車２１を介して送電線Ａに沿って伸ばされている。

また、当該横行ロープ２０は、図５に示すように、資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２で複数のリターン金車２２に掛けられて折り返されて再び送電線Ａに沿い他端が、図３に示すように、キャリア運搬器１の基板４の前部（図３において左端部）に固定されている。

当該実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置は以上の構成であり、当該簡易キャリア運搬装置を使用して、資材を前記資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１から前記資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２まで運搬する方法について説明する。

まず、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１付近の送電線Ａに前記前記キャリア運搬器１を掛ける。それには前記２組のローラ組６を送電線Ａに載せ、前後の補助ローラ８を送電線Ａの下方に位置させる。これにより各補助ローラ８はスプリングバネ１１の力で送電線Ａに圧接し、前記各ローラ組６と各補助ローラ８により送電線Ａを挟持する。

この状態で、図２に示すように、前記ウインチ１９を動かして巻き上げ用横行ロープ１３を緩めて、吊り荷用金車１４を地上付近まで下ろす。そして、運搬資材である吊り荷２３を吊り荷用金車のフック１４ａに引っ掛け、前記ウインチ１９を逆回転させ、巻き上げ用横行ロープ１３を巻き上げる。これにより吊り荷２３は上昇し、キャリア運搬器１のすぐ下まで達すると、前記ウインチ１９の作動を止め、図１に示すように、第１レバーブロック（登録商標）１２を吊り荷用金車１４の上部に係止、接続する。また、この状態で前記第２レバーブロック（登録商標）１６を前記巻き上げ用横行ロープ１３のコネクター１７に係止、固定する。

これにより、横行ロープ２０と巻き上げ用横行ロープ１３とはキャリア運搬器１の基板４を挟んで一本に繋がる。そして前記ウインチ１９を作動させて横行ロープ１３を巻き上げると、前記キャリア運搬器１は吊り荷２３を吊り上げた状態で横行ロープ２０に牽引されて送電線Ａに沿って移動する。そして例えば、ウインチ１９を逆回転させてれば、巻き上げ用横行ロープ１３に牽引されて上記とは反対方向に移動する。

次に当該実施の形態例１の簡易キャリア運搬装置を用いた資材の運搬方法についての実施例を図６から図１２に基づいて説明する。

まず、手順１として、図６に示すように、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１から資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２の間の送電線Ａに宙乗器２４を載せ、当該送電線Ａの難着雪リングやカウンターウエイト等（図示省略）を宙乗器２４を移動させながら作業員が撤去する。これと同時に延線ロープ２５を中央で折り返したループ状のものを前記宙乗器２４で引張り延線する。この延線ロープ２５の延線時に、垂れ下がり防止用として送電線Ａの中間箇所に吊り金車２６を付ける。

次に手順２として図７に示すように、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１から資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２の間で延線ロープ２５から強度の高い特強ロープ２７に引き換えて当該特強ロープ２７の端部（ジョイント）が資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１箇所で切り離せるようにする。そして前記特強ロープ２７がループ状になった後、送電線Ａの中間箇所に取り付けた吊り金車２６を回収しながら宙乗器２４を運搬到達箇所鉄塔Ｂ２から資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１まで戻す。また、資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２では、特強ロープ２７の折り返し部を当該鉄塔Ｂ２の上部に設けた複数のリターン金車２２に夫々掛ける。

そして、手順３として図８に示すように、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１箇所で切り離した特強ロープ２６を前記横行ロープ２０として使用し、その一端を前記キャリア運搬器１の基板４の先端に接続する。また、巻き上げ用横行ロープ１３の一端を、前述のようにキャリア運搬器１の基板４の吊り荷用補助金車１５に通して、吊り荷用金車１４に掛け、その後基板４の下端部に固定する。また、当該巻き上げ用横行ロープ１３の他端は前記鉄塔Ｂ１の上部に設けた前記金車１８に掛けて地上に降ろし前記ウインチ１９に固定する。

その後、手順４では図９に示すように、キャリア運搬器１の吊り荷用金車１４に運搬資材である吊り荷２３を引っ掛ける。続いて手順５の図１０に示すように、前記ウインチ１９により巻き上げ用横行ロープ１３を巻き上げて、キャリア運搬器１の第１レバーブロック（登録商標）１２を吊り荷用金車１４の上部箇所に係止する。また、第２レバーブロック（登録商標）１６を巻き上げ用横行ロープ１３のコネクター１７に係止する。

次に手順６として図１１に示すように、前記ウインチ１９により横行ロープ２０を巻き上げてキャリア運搬器１を、資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１箇所から資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２箇所まで移動させる。

そして、手順７として図１２に示すように、キャリア運搬器１が資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２に到達した後、前記巻き上げ用横行ロープ１３の第２レバーブロック（登録商標）１６を前記コネクター１７から外し、また第１レバーブロック（登録商標）１２を吊り荷用金車１４の上部箇所から外す。そして前記ウインチ１９を作動させて巻き上げ用横行ロープ２０を繰り出し、吊り荷用金車１４ともども吊り荷２３を地上に下ろす。その際、前記第１レバーブロック（登録商標）１２は送電線Ａ端部のがいし連ヨークに取り付けることによりキャリア運搬器１の逸走防止となる。

また、運搬資材である吊り荷２３を資材運搬到達箇所鉄塔Ｂ２箇所に降ろした後、当該鉄塔Ｂ２箇所の撤去材を吊り荷２３としてキャリア運搬器１に吊るし、前記と逆の手順で資材運搬発進箇所鉄塔Ｂ１まで運搬し、地上に降ろす。この様にして新規な資材や撤去材等の資材の運搬作業が終了した後、宙乗器を使って送電線Ａに難着雪リングやカウンターウエイトを取り付ける。

上記実施の形態例１ではローラ組６を２組設けたが、１個のローラを間隔を空けて設けてもよい。また、上記実施の形態例１では１台のウインチ１９に巻き上げ用横行ロープ１３と横行ロープ２０の端部を巻きけているが、これらは２台のウインチを使用してもよい。
また、上記実施の形態例１では第１荷締め機及び第２荷締め機を夫々レバーブロック（登録商標）としたが、他の荷締め機であってもよい。

Ａ 送電線 Ｂ１ 資材運搬発進箇所鉄塔
Ｂ２ 資材運搬到達箇所鉄塔
１ キャリア運搬器 ２ 本体
３ 上部フレーム ４ 基板
５ 揺動自在な接続手段 ６ ローラ組
７ 支持フレーム ８ 補助ローラ
９ 軸受けフレーム １０ アーム
１１ スプリングバネ １２ 第１レバーブロック（登録商標）
１３ 巻き上げ用横行ローラ １４ 吊り荷用金車
１４ａ フック １５ 吊り荷用補助金車
１６ 第２レバーブロック（登録商標）
１７ コネクター １８ 金車
１９ ウインチ ２０ 横行ロープ
２１ 金車 ２２ リターン金車
２３ 吊り荷 ２４ 宙乗器
２５ 延線ロープ ２６ 吊り金車
２７ 特強ロープ

請求項１に係る発明は、鉄塔間で資材を運搬する装置において、
送電線に吊架したキャリア運搬器を設け、当該キャリア運搬器は送電線上に間隔を空けて２箇所に掛けるローラを本体の上部に設け、当該本体の下部に、本体の下方で吊り荷を支持する第１荷締め機（以下レバーブロック「登録商標」という）を設け、前記本体に巻き上げ用横行ロープの一端を固定し、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材を吊った吊り荷用金車の下部を通り、さらに前記本体の後部下端に垂下した吊り荷用補助金車の上部を通して前記送電線に沿って延ばし、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材運搬発進箇所鉄塔の上部に設けた金車を介して地上に降ろし、当該資材運搬発進箇所鉄塔下の地上でウインチに巻き付け、
また、当該ウインチに一端を固定した横行ロープの他端を前記資材運搬発進箇所鉄塔の上部に設けた金車に掛けて、前記送電線に沿って延ばし、資材運搬到達箇所鉄塔の上部で金車を介して折り返し、当該横行ロープの他端を前記キャリア運搬器の本体の先端部に固定し、
前記本体の後端部に、前記巻き上げ用横行ロープを固定する第２荷締め機（以下レバーブロック「登録商標」という）を設けた、送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置とした。

Claims (5)

1. 鉄塔間で資材を運搬する装置において、
   送電線に吊架したキャリア運搬器を設け、当該キャリア運搬器は本体の上部に送電線の間隔を空けた２箇所に掛けるローラを設け、当該本体の下部に、本体の下方で吊り荷を支持する第１荷締め機を設け、前記本体に巻き上げ用横行ロープの一端を固定し、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材を吊った吊り荷用金車の下部を通り、さらに前記本体の後部下端に垂下した吊り荷用補助金車の上部を通して前記送電線に沿って延ばし、当該巻き上げ用横行ロープの他端は資材運搬発進箇所鉄塔箇所で金車を介して地上に降ろし、当該箇所でウインチに巻き付け、
   また、当該ウインチに一端を固定した横行ロープの他端を当該資材運搬発進箇所鉄塔の上部に設けた金車に掛けて、前記送電線に沿って延ばし、資材運搬到達箇所の鉄塔上部で金車を介して折り返し、当該横行ロープの他端を前記キャリア運搬器の本体の先端部に固定し、
   前記本体の後端部に、前記巻き上げ用横行ロープを固定する第２荷締め機を設けたことを特徴とする、送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置。
2. 前記キャリア運搬器の本体は前記２箇所のローラを支持する上部フレームと、
   前記第１荷締め機、前記吊り荷用補助金車、前記第２荷締め機の固定、及び、前記巻き上げ用横行ロープの一端及び前記横行ロープの他端の固定箇所を有する横長の基板とから成り、
   これらの上部フレームと基板とは、当該上部フレームの前後下端部と当該基板の前後上端部を揺動自在な接続手段で接続したことを特徴とする、請求項１に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置。
3. 前記キャリア運搬器の本体の２箇所のローラは、各ローラが１つの支持フレームで前後に軸支された２個のローラから成り、前記支持フレームの中央部が前記上部フレームに軸支され、前記２箇所のローラの前後下方に補助ローラが夫々設けられ、当該各補助ローラは軸受けフレームの一端に軸支され、前記上部フレームの下部から斜め外方に突出したアームの先端で前記軸受けフレームの他端が回転自在に支持され、常時前記軸受けフレームの一端が上方に回転するよう付勢するバネ材が設けられたことを特徴とする、請求項２に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置。
4. 前記キャリア運搬器の本体に一端を固定した巻き上げ用横行ロープの一端から一定長離れた箇所にコネクターを設け、
   当該巻き上げ用横行ロープを前記ウインチにより巻き上げて前記第１荷締め機を吊り荷用金車に接続した状態で、前記コネクターに前記第２荷締め機を係止する構成としたことを特徴とする、請求項１又は２に記載の送電線を用いた資材の簡易キャリア運搬装置。
5. 請求項１に記載の簡易キャリア運搬装置を用い、資材運搬発進箇所鉄塔付近で、巻き上げ用ロープを前記ウインチにより緩めて、吊り荷用金車を地上付近まで降ろし、当該吊り荷用金車に吊り荷を吊り下げ、
   前記巻き上げ用横行ロープを前記ウインチで巻き上げ、前記第１荷締め機に前記吊り荷用金車を連結し、また、第２荷締め機に前記巻き上げ用横行ロープを固定し、
   この状態で前記横行ロープの一端を前記ウインチで巻き上げることにより、前記キャリア運搬器が送電線に沿って走行し、
   資材運搬到達箇所鉄塔に到達し後、前記ウインチの巻き上げを停止し、第２荷締め機を巻き上げ用横行ロープから外し、第１荷締め機を吊り荷用金車から外し、前記ウインチで巻き上げ用横行ロープを繰り出して、吊り荷用金車及び吊り荷を地上近くまで下ろすことを特徴とする、送電線を用いた資材の運搬方法。

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