JP2024077764A - 銀被覆材の製造方法、銀被覆材および通電部品 - Google Patents
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Abstract
Description
前記下部銀めっき層の上に、ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質を含む銀めっき液を用いた電気めっき法により上部銀めっき層を形成する上部銀めっき工程と、
前記下部銀めっき層および上部銀めっき層を250~400℃の温度域に3~60秒保持する熱処理工程と、
を含む銀被覆材の製造方法。
[2]前記下部銀めっき層の平均厚さが0.06~3.0μmである、上記[1]に記載の銀被覆材の製造方法。
[3]前記上部銀めっき層の平均厚さが0.3~10.0μmである、上記[1]または[2]に記載の銀被覆材の製造方法。
[4]前記上部銀めっき工程で使用する銀めっき液は、ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質を0.01~0.80モル/Lの濃度で含むものである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[5]前記上部銀めっき工程において、前記ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質が、メルカプトベンゾチアゾールおよびその誘導体から選ばれる1種以上の物質である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[6]前記上部銀めっき工程において、前記ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質が、ベンゾチアゾール類およびそのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の物質である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[7]前記下部銀めっき工程に供する前記素材は、銅または銅合金を基材に持つものである、上記[1]~[6]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[8]前記下部銀めっき工程に供する前記素材は、前記下部銀めっき層を形成する表面にニッケルめっき層を有するものである、上記[1]~[7]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[9]前記下部銀めっき層は、銀ストライクめっき層と、その上の銀めっき層からなるものである、上記[1]~[8]のいずれかに記載の銀被覆材の製造方法。
[10]銅または銅合金を基材に持つ素材の表面に銀被覆層が形成されている銀被覆材であって、XPS(X線光電子分光分析法)による前記銀被覆層の深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、銀の原子割合が最大値の1/2に減少する深さ位置の累積スパッタ時間をt0(分)とし、銀のプロファイル曲線上で、累積スパッタ時間がt0/2より小さい領域(試料最表面側)での銀の原子割合最大点を点P1、累積スパッタ時間がt0/2より大きい領域(試料中心側)での銀の原子割合最大点を点P2、点P1と点P2の間での銀の原子割合最小点を点Qとするとき、点Qでの銀の原子割合Ag(Q)と点P1での銀の原子割合Ag(P1)の比Ag(Q)/Ag(P1)が0.90以下、前記Ag(Q)と点P2での銀の原子割合Ag(P2)の比Ag(Q)/Ag(P2)が0.90以下、点Qに相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.15以上、かつ点P2に相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.10以下である銀被覆材。
[11]前記銀被覆層の銀の平均結晶子径が20nm以上である、上記[10]に記載の銀被覆材。
[12]上記[10]または[11]に記載の銀被覆材を材料に用いた通電部品。
まず、上記の素材(被めっき材)の上に、ベンゾチアゾール類およびその誘導体を含まない銀めっき液を用いて下部銀めっき層を形成する。「ベンゾチアゾール類およびその誘導体を含まない銀めっき液」は、後述の上部銀めっき工程と区別するための規定である。すなわち、下部銀めっき工程では、従来一般的な公知の手法で銀めっき層を形成させることができる。銀ストライクめっき工程と、通常の銀めっき工程を行うといった、複数のめっき工程によって実施することも可能である。下部銀めっき層中の炭素および硫黄の混入量は、一般的なシアン系の銀めっき液(例えば光沢銀めっき液、無光沢銀めっき液など)を使用した電気銀めっき層と同等レベルまでは十分に許容される。具体的には、銀めっき液中のベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質の濃度は、例えば0.001モル/L以下の範囲であり、銀めっき層中の炭素と銀の原子数の比を表すC/Ag原子比が0.020以下、硫黄と銀の原子数の比を表すS/Ag原子比が0.003以下であることが好ましい。通常、銀ストライクめっき層の形成、その上への銀めっき層の形成とも、シアン系の銀めっき液を使用した電気銀めっき法を採用すればよい。シアン化合物以外の錯化剤を使用した銀めっき液の適用も排除されない。下部銀めっき層の平均厚さは0.06~3.0μmの範囲で設定することが好ましく、0.1~1.0μmの範囲で設定することがより好ましい。経済性を考慮すると、後述の上部銀めっき層の平均厚さに対し0.5倍以下の範囲で設定することが好ましい。
例えばシアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])とシアン化カリウム(KCN)を含む水溶液からなる銀めっき液中において、電流密度1~10A/dm2、通電時間1~90秒の範囲で設定した条件にて電気銀めっきを施すことができる。その銀めっき液には、必要に応じて光沢剤などの添加成分(例えばセレン)を含有させることができる。このような条件で得られる銀めっき層4は、99.0質量%以上のAgを含有する銀のめっき層であることが好ましい。
次に、上記の下部銀めっき層20の上に、炭素と硫黄を含む銀めっき層を形成させる。下部銀めっき層20の厚さ中央付近についてのXPS(X線光電子分光分析法)による測定データにおいて、炭素と銀の原子数の比を表すC/Ag原子比が例えば0.050~0.200、硫黄と銀の原子数の比を表すS/Ag原子比が例えば0.005~0.050である銀めっき層を形成させることが好ましい。このような炭素と硫黄を含む上部銀めっき層は30、例えば以下のような電気銀めっき法によって形成させることができる。
銀めっき液としては、シアン含有銀めっき液を使用することが好ましい。シアン含有銀めっき液の主成分であるシアン含有物質、銀含有物質に関しては、従来公知のものが適用できる。例えば、シアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])またはシアン化銀(AgCN)と、シアン化カリウム(KCN)またはシアン化ナトリウム(NaCN)とを含有する水溶液が好適である。
上部銀めっき層30を形成させるための電気銀めっきは、液温15~50℃で行われるのが好ましく、液温18~47℃で行われるのがさらに好ましい。この電気銀めっきの電流密度は例えば0.5~12A/dm2の範囲で設定することができ、0.5~10A/dm2で行うことがより好ましい。欠陥の少ない良好な銀めっき層を効率良く形成するためには、2A/dm2以上の電流密度を確保することが好ましく、3A/dm2以上とすることがより好ましい。めっき時間は、この電気銀めっきによって形成される上部銀めっき層30の平均厚さが例えば0.3~10.0μm、より好ましくは0.5~3.0μmの範囲となるように、用途に応じて設定すればよい。
特許文献1に開示されるように、添加剤としてベンゾチアゾール類またはその誘導体を使用した銀めっき液で電気銀めっきを行うと、銀被覆層の耐摩耗性を顕著に向上させることができる。その反面、厳しい曲げ加工を施した箇所での銀被覆層の耐剥離性に関しては、従来一般的な銀めっき材よりも低下してしまう。発明者らの検討によれば、上記のように隣接する下部銀めっき層20と上部銀めっき層30とによって構成される銀被覆層に対して、250~400℃の温度域に3~60秒保持する熱処理補施すことによって、耐摩耗性の改善効果を維持したまま、厳しい曲げ加工部での銀被覆層40の耐剥離性をも従来一般的な銀めっき材と同等以上に回復させることができる。
上記の下部銀めっき工程、上部銀めっき工程および熱処理工程を経て得られた、本発明に従う銀被覆材は、微摺動磨耗に対する耐久性が顕著に改善されており、かつ厳しい曲げ加工を施した部位での銀被覆層の耐剥離性についても一般的な銀めっき材と同様に優れている。その銀被覆層は上述のように、深さ方向最表面寄りの領域と基材寄りの領域の両方において銀濃度が高く、それらの間の領域では銀濃度が低くなっている。また、銀被覆中の炭素は、深さ方向中央寄りに濃化する傾向が見られ、特に銀被覆層の基材寄りには銀濃度が高く、かつ炭素濃度が低い領域が形成されている。より具体的には、本発明の好ましい態様である銀被覆材の銀被覆層は、XPS(X線光電子分光分析法)による前記銀被覆層の深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、銀の原子割合が最大値の1/2に減少する深さ位置の累積スパッタ時間をt0(分)とし、銀のプロファイル曲線上で、累積スパッタ時間がt0/2より小さい領域(試料最表面側)での銀の原子割合最大点を点P1、累積スパッタ時間がt0/2より大きい領域(試料中心側)での銀の原子割合最大点を点P2、点P1と点P2の間での銀の原子割合最小点を点Qとするとき、点Qでの銀の原子割合Ag(Q)と点P1での銀の原子割合Ag(P1)の比Ag(Q)/Ag(P1)が0.90以下、前記Ag(Q)と点P2での銀の原子割合Ag(P2)の比Ag(Q)/Ag(P2)が0.90以下、点Qに相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.15以上、かつ点P2に相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.10以下であることによって特定される。
上記の銀被覆材を公知の方法で加工して、コネクタ、スイッチ、リレーなどの通電部品を得ることができ、特に高耐圧部品にも適用可能である。本発明に従う銀被覆材を用いた通電部品では、上述した銀被覆層が接触相手材と摺接し得る部分を構成する構造を有していることが、効果的である。
(前処理)
基材として、無酸素銅(C1020、1/2H)からなる67mm×50mm×0.3mmの圧延板を用意した。アルカリ脱脂液中でこの基材を陰極、ステンレス鋼板を陽極として、電圧5Vで30秒間電解脱脂を施し、基材を水洗した後、3%硫酸水溶液中に15秒間浸漬することにより酸洗した。このようにして表面を清浄化した基材に対して、以下に示す工程を順次施し、銀被覆材を作製した。
スルファミン酸ニッケル四水和物540g/L、塩化ニッケル25g/L、およびホウ酸35g/Lを含む水溶液からなる無光沢ニッケルめっき液中において、前処理を行った基材を陰極とし、ニッケル電極板を陽極として、スターラーにより500rpmで撹拌しながら液温50℃、電流密度7A/dm2の条件で70秒間電気めっきを行って、基材上に無光沢下地ニッケルめっき層を形成した。この板材試料の表面中央部において、下地ニッケルめっき層の厚さを蛍光X線膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、SFT-110A)により測定したところ、1μmであった。
銀ストライクめっき工程
シアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])3g/L、およびシアン化カリウム(KCN)90g/Lを含む水溶液からなる銀ストライクめっき液中において、上記の下地ニッケルめっき層が形成された板材試料を陰極とし、白金で被覆したチタン電極板を陽極として、スターラーにより500rpmで撹拌しながら室温(25℃)において電流密度2.0A/dm2で10秒間電気めっきを行って、平均厚さ0.01μm程度の銀ストライクめっき層を形成した。その後、水洗して銀ストライクめっき液を十分に洗い流した。
シアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])175g/L、シアン化カリウム(KCN)95g/Lを含み、さらにセレン濃度が37mg/Lとなる量のセレノシアン酸カリウム(KSeCN)を含む水溶液からなる銀めっき液中において、上記の銀ストライクめっき層が形成された板材試料を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラーにより500rpmで撹拌しながら液温18℃、電流密度7A/dm2の条件で4秒間電気めっきを行って、銀めっき層を形成した。この板材試料の表面中央部において、ここで形成した銀めっき層と銀ストライクめっき層とからなる下部銀めっき層の厚さを上記の蛍光X線膜厚計により測定したところ、0.2μmであった。
シアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])175g/L、シアン化カリウム(KCN)95g/L、およびベンゾチアゾール類またはその誘導体に該当する物質として2-メルカプトベンゾチアゾールナトリウム(C7H4NNaS2)30g/L(=0.16モル/L)を含む水溶液からなる銀めっき液中において、上記の下部銀めっき層が形成された板材試料を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラーにより500rpmで撹拌しながら液温35℃、電流密度7A/dm2の条件で18秒間電気めっきを行って、上部銀めっき層を形成した。なお、銀めっき液中のフリーシアンの濃度は38g/Lである。この板材試料の表面中央部において、下部銀めっき層と上部銀めっき層のトータル厚さを上記の蛍光X線膜厚計により測定したところ、1.2μmであった。このようにして、板材の両面に下部銀めっき層と上部銀めっき層を有する銀被覆材を得た。
表1中に各銀めっき層の厚さを示してある。上部銀めっき層の厚さは、下部銀めっき層と上部銀めっき層のトータル厚さの測定値から、下部銀めっき層厚さの測定値を差し引いた値を記載してある(以下の各例において同様。)。本例の場合、上部銀めっき層の厚さは1.2μm-0.2μm=1μmと求まる。
卓上ホットスターラーの温調機能を利用して上記の上部銀めっき工程で得られた板材試料の銀被覆層に熱処理を施した。具体的には、卓上ホットスターラーの温度を300℃に設定し、温度が設定値に安定したのち、板材試料を卓上ホットスターラーのフラットな盤面上に載置し、板材試料の片側の銀被覆層を卓上ホットスターラーの盤面と密着させた。載置開始から30秒後に板材試料を卓上ホットスターラーの盤面から離し、常温の空気中で放冷した。すなわち載置時間は30秒である。この実験では片側表面からの加熱としたが、別途予備実験によるヒートカーブの測定により、卓上ホットスターラーの盤面に対して反対側の表面まで急速に昇温し、両側の銀被覆層の最高到達温度Tmaxはともに卓上ホッとスターラーの設定温度とほぼ等しくなること、および両側の銀被覆層が250℃以上Tmax(℃)以下の温度域に保持される時間は載置時間とほぼ同じとなることが確認された。したがって、本例では、両側の銀被覆層いずれにおいても250℃以上300℃(Tmax)以下の温度域に保持される時間は30秒であるとみなすことができる。
このようにして熱処理工程を終えた銀被覆材を得た。
(180°曲げ試験)
供試材である板材について180°曲げ加工を施したのち、その曲げ部を概ね元の板形状まで曲げ戻し、曲げ部の外側表面および内側表面を観察することにより銀被覆層の剥離が生じるかどうかを検査した。この試験で曲げ部の外側表面と内側表面のいずれにも銀被覆層の剥離(脱落)および浮きが認められなかったものを◎(耐剥離性:優秀)、曲げ部の外側表面と内側表面のいずれにも銀被覆層の剥離(脱落)が認められないが、少なくとも一方の銀被覆層に軽微な浮きが認められたものを○(耐剥離性:良好)、曲げ部の外側表面と内側表面の少なくとも一方の銀被覆層に銀被覆層の剥離(脱落)が認められたものを×(耐剥離性:不良)とし、○評価以上を合格と判定した。
本例で得た銀被覆材は◎評価であった。
供試材である銀被覆材を2枚用意し、一方をインデント加工(内側R=1.5mm)して圧子として使用し、他方を平板状の評価試料として使用し、精密摺動試験装置(株式会社山崎精機研究所製、CRS-G2050-DWA)により、評価試料に圧子を一定の荷重(5N)で押し当てながら、微摺動の往復動作(摺動距離0.1mm、摺動速度0.2mm/s)を継続し、接触抵抗が0.5mΩを超えたときの往復摺動回数を、当該銀被覆層の耐久回数とした。この条件での耐久回数が3500回以上であれば、当該銀被覆層は微摺動に対する優れた耐摩耗性を有すると判断できる。したがって、耐久回数が3500回未満のものを×評価(耐微摺動摩耗性:不十分)、3500回以上5000回未満のものを○評価(耐微摺動摩耗性:良好)、5000回以上のものを◎評価(耐微摺動摩耗性:優秀)とし、○評価以上を合格と判定した。
本例で得た銀被覆材の耐久回数は3700回であり、○評価であった。
供試材表面の銀被覆層について、上記の精密摺動試験装置を用いて接触抵抗を測定した。その結果、本例の銀被覆材の接触抵抗は0.23mΩであった。
供試材の銀被覆層について、X線回折装置(株式会社リガク製の全自動多目的水平型X線回折装置、Smart Lab)によって測定したCu-Kα線によるX線回折パターンに基づき、銀結晶の(111)面、(200)面、(220)面および(311)面の各々の結晶面に垂直方向の結晶子径を、各々のピークの半価幅からシェラー(Scherrer)の式によりそれぞれ算出し、各結晶面の配向比率による重みづけをして、各結晶面の結晶子径の加重平均により平均結晶子径を算出した。ここで、シェラーの定数を0.9400とした。
半価幅の測定には、2θが38°付近に現れる(111)ピークと、44°付近に現れる(200)ピークと、64°付近に現れる(220)ピークと、77°付近に現れる(311)ピーク)を使用した。
上記の配向比率として、Cu管球、Kβフィルタ法を用いて、走査範囲2θ/θを走査して得られたX線回折パターンに基づく銀めっき皮膜の(111)面、(200)面、(220)面および(311)面の各々のX線回折ピークの強度を、JCPDSカードNo.40783に記載された各々の相対強度比(粉末測定時の相対強度比)((111):(200):(220):(311)=100:40:25:26)で割ることにより補正して得られた値(補正強度)を使用した。
その結果、本例で得た銀被覆材における銀被覆層の平均結晶子径は60.2nmであった。
以上の結果を表1にまとめて示す。
熱処理工程において、卓上ホットスターラーの設定温度を350℃とし、卓上ホットスターラーへの載置時間を5秒としたことを除き、実施例1と同様の方法で銀被覆材を作製した。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が◎評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性も◎評価(耐久回数8200回)であった。また、接触抵抗は0.23mΩ、銀被覆層の平均結晶子径は25.0nmであった。
熱処理工程において、卓上ホットスターラーの設定温度を350℃とし、卓上ホットスターラーへの載置時間を10秒としたことを除き、実施例1と同様の方法で銀被覆材を作製した。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が◎評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性も◎評価(耐久回数10000回)であった。また、接触抵抗は0.18mΩ、銀被覆層の平均結晶子径は88.8nmであった。
熱処理工程を実施せず、実施例1と同様の方法で上部銀めっき工程までを終えた段階の銀被覆材を供試材とした。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が×評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性が◎評価(耐久回数6000回)であった。また、接触抵抗は0.29mΩ、銀被覆層の平均結晶子径は16.6nmであった。
熱処理を行わない場合には、厳しい曲げ加工を施した部位での銀被覆層の耐剥離性は改善されないことがわかる。
下部銀めっき工程で銀ストライクめっき層のみを形成しメインの銀めっき層の形成を省略したこと、および熱処理工程を省略したことを除き、実施例1と同様の方法で銀被覆材を作製した。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が×評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性が○評価(耐久回数4800回)であった。
この銀被覆材は特許文献1に開示の技術に相当するものである。この場合、厳しい曲げ加工を施した部位での銀被覆層の耐剥離性に劣ることがわかる。
下部銀めっき工程で銀ストライクめっき層のみを形成しメインの銀めっき層の形成を省略したこと、および熱処理工程において、卓上ホットスターラーの設定温度を300℃とし、卓上ホットスターラーへの載置時間を10秒としたことを除き、実施例1と同様の方法で銀被覆材を作製した。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が○評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性が×評価(耐久回数1800回)であった。
本例で形成した銀ストライクめっき層は平均厚さ0.01μm程度と非常に薄いので、これは下部銀めっき層とはみなされない。下部めっき層を形成しなかった場合には、熱処理工程を実施しても、厳しい曲げ加工を施した部位での耐剥離性と、耐微摺動摩耗性の改善を両立させることができなかった。
下部銀めっき工程と上部銀めっき工程を下記の銀めっき工程に変えたこと、および熱処理工程を省略したことを除き、実施例1と同様の方法で銀被覆材を作製した。
実施例1と同様の方法で銀ストライクめっき層を形成させた。
次いで、シアン化銀カリウム(K[Ag(CN)2])175g/L、シアン化カリウム(KCN)95g/Lを含み、さらにセレン濃度が69mg/Lとなる量のセレノシアン酸カリウム(KSeCN)を含む水溶液からなる銀めっき液中において、上記の銀ストライクめっき層が形成された板材試料を陰極とし、銀電極板を陽極として、スターラーにより500rpmで撹拌しながら液温18℃、電流密度5A/dm2、通電時間120秒の条件で電気めっきを行って、銀めっき層を形成した。この板材試料の表面中央部において、ここで形成した銀めっき層と銀ストライクめっき層とからなる銀被覆層の厚さを上記の蛍光X線膜厚計により測定したところ、5μmであった。
この銀被覆層は炭素や硫黄の導入を意図しためっき層ではなく、公知の光沢銀めっき層であるので、表1中には便宜上「下部銀めっき層」の欄に厚さを示してある(後述の比較例5においても同様。)。
めっき液にベンゾチアゾール類またはその誘導体を使用して得た銀被覆層を持たない場合、耐微摺動摩耗性に劣ることがわかる。
セレノシアン酸カリウム(KSeCN)をセレン濃度が37mg/Lとなる量で含む銀めっき液を使用したこと、および電気めっき時の電流密度5A/dm2から7A/dm2に、通電時間を120秒から90秒にそれぞれ変えたことを除き、比較例4と同様の方法で銀被覆材を作製した。この板材試料の表面中央部において、ここで形成した銀めっき層と銀ストライクめっき層とからなる銀被覆層の厚さを上記の蛍光X線膜厚計により測定したところ、5μmであった。
本例で得た銀被覆材は、180°曲げ試験による耐剥離性が◎評価、微摺動耐久試験による耐微摺動摩耗性が×評価(耐久回数1500回)であった。また、接触抵抗は0.18mΩ、銀被覆層の平均結晶子径は75.0nmであった。
比較例4と同様、本例からも、めっき液にベンゾチアゾール類またはその誘導体を使用して得た銀被覆層を持たない場合、耐微摺動摩耗性に劣ることがわかる。
参考のため、比較例1(熱処理なし)、および実施例3(熱処理条件;最高到達温度350℃、250℃以上最高到達温度以下の温度域での保持時間10秒)で得られた銀被覆層についての、XPS(X線光電子分光分析法)による深さ方向の元素濃度プロファイル測定結果を例示する。測定は以下のようにして行った。
X線光電子分光分析装置として、アルバック・ファイ株式会社製、PHI5000 VersaProbeIIIを使用した。測定は、到達真空度:10-7Pa、励起源:単色化AlKα、出力:25W、加速電圧:15kV、ビームサイズを100μmΦ、入射角:90degとし、電子中和銃によりエミッション電流:20μA、バイアス電圧:1.0V、加速電圧30.0Vで電子線を、またアルゴンイオン銃によりイオン種:Ar+、加速電圧:0.11kV、エミッション電流:7mAでアルゴンイオンをそれぞれ照射しながら、光電子取り出し角:45deg、積算回数:5回、積分時間:40ms(20ms×2)、パスエネルギー:140eV、測定エネルギー間隔:0.25eV/stepとして行った。
深さ方向の分析のための表面スパッタは、アルゴンイオン銃によりイオン種:Ar+、加速電圧:4kV、エミッション電流:20mA、掃引領域:2.7mm×2.7mm、スパッタレート:20nm/分(SiO2換算)の条件で行った。各測定深さに調整するためのスパッタ時間の間隔は、各例とも、累積スパッタ時間20分までは1分間隔、それ以降は4分間隔とした。
原子濃度を求めるためのスペクトル種として、Agは3d軌道の結合エネルギー(Ag3d)のピーク、Cは1s軌道の結合エネルギー(C1s)のピーク、Sは2p軌道の結合エネルギー(S2p)のピークをそれぞれ用い、バックグラウンド処理にはShirley法を使用した。
2 下地めっき層
3 銀ストライクめっき層
4 銀めっき層
10 素材
20 下部銀めっき層
30 上部銀めっき層
40 銀被覆層
次に、上記の下部銀めっき層20の上に、炭素と硫黄を含む銀めっき層を形成させる。下部銀めっき層20の厚さ中央付近についてのXPS(X線光電子分光分析法)による測定データにおいて、炭素と銀の原子数の比を表すC/Ag原子比が例えば0.050~0.200、硫黄と銀の原子数の比を表すS/Ag原子比が例えば0.005~0.050である銀めっき層を形成させることが好ましい。このような炭素と硫黄を含む上部銀めっき層30は、例えば以下のような電気銀めっき法によって形成させることができる。
特許文献1に開示されるように、添加剤としてベンゾチアゾール類またはその誘導体を使用した銀めっき液で電気銀めっきを行うと、銀被覆層の耐摩耗性を顕著に向上させることができる。その反面、厳しい曲げ加工を施した箇所での銀被覆層の耐剥離性に関しては、従来一般的な銀めっき材よりも低下してしまう。発明者らの検討によれば、上記のように隣接する下部銀めっき層20と上部銀めっき層30とによって構成される銀被覆層に対して、250~400℃の温度域に3~60秒保持する熱処理を施すことによって、耐摩耗性の改善効果を維持したまま、厳しい曲げ加工部での銀被覆層40の耐剥離性をも従来一般的な銀めっき材と同等以上に回復させることができる。
Claims (12)
- 素材上に、ベンゾチアゾール類およびその誘導体を含まない銀めっき液を用いて下部銀めっき層を形成する下部銀めっき工程と、
前記下部銀めっき層の上に、ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質を含む銀めっき液を用いた電気めっき法により上部銀めっき層を形成する上部銀めっき工程と、
前記下部銀めっき層および上部銀めっき層を250~400℃の温度域に3~60秒保持する熱処理工程と、
を含む銀被覆材の製造方法。 - 前記下部銀めっき層の平均厚さが0.06~3.0μmである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記上部銀めっき層の平均厚さが0.3~10.0μmである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記上部銀めっき工程で使用する銀めっき液は、ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質を0.01~0.80モル/Lの濃度で含むものである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記上部銀めっき工程において、前記ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質が、メルカプトベンゾチアゾールおよびその誘導体から選ばれる1種以上の物質である、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記上部銀めっき工程において、前記ベンゾチアゾール類およびその誘導体から選ばれる1種以上の物質が、ベンゾチアゾール類およびそのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の物質である、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記下部銀めっき工程に供する前記素材は、銅または銅合金を基材に持つものである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記下部銀めっき工程に供する前記素材は、前記下部銀めっき層を形成する表面にニッケルめっき層を有するものである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 前記下部銀めっき層は、銀ストライクめっき層と、その上の銀めっき層からなるものである、請求項1に記載の銀被覆材の製造方法。
- 銅または銅合金を基材に持つ素材の表面に銀被覆層が形成されている銀被覆材であって、XPS(X線光電子分光分析法)による前記銀被覆層の深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、銀の原子割合が最大値の1/2に減少する深さ位置の累積スパッタ時間をt0(分)とし、銀のプロファイル曲線上で、累積スパッタ時間がt0/2より小さい領域(試料最表面側)での銀の原子割合最大点を点P1、累積スパッタ時間がt0/2より大きい領域(試料中心側)での銀の原子割合最大点を点P2、点P1と点P2の間での銀の原子割合最小点を点Qとするとき、点Qでの銀の原子割合Ag(Q)と点P1での銀の原子割合Ag(P1)の比Ag(Q)/Ag(P1)が0.90以下、前記Ag(Q)と点P2での銀の原子割合Ag(P2)の比Ag(Q)/Ag(P2)が0.90以下、点Qに相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.15以上、かつ点P2に相当する深さ位置でのC/Ag原子比が0.10以下である銀被覆材。
- 前記銀被覆層の銀の平均結晶子径が20nm以上である、請求項10に記載の銀被覆材。
- 請求項10または11に記載の銀被覆材を材料に用いた通電部品。
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