JP2024071233A - 差動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デファレンシャルケースとリングギヤとのボルト締結および溶接を廃止してリングギヤを小径化し、適切に、小型軽量化を図ることが可能な差動装置を提供する。
【解決手段】デファレンシャルケース3と、デファレンシャルケース3の外周部分に取り付けられ、デファレンシャルケース3に一体となって回転するリングギヤ4とを備え、回転軸線AL方向で互いに対向する第1回転軸1と第2回転軸2との間の差動回転を可能にする差動装置Dにおいて、デファレンシャルケース3は、二つに分割した第1ケース3aと第2ケース3bとを組み付けて構成される分割構造になっており、リングギヤ4は、第1ケース3aの外周部分にはめ合わされており、リングギヤ4をはめ合わせた第1ケース3aに、第2ケース3bを組み付けて接合することにより、デファレンシャルケース3とリングギヤ4とを一体化する。
【選択図】図1
【解決手段】デファレンシャルケース3と、デファレンシャルケース3の外周部分に取り付けられ、デファレンシャルケース3に一体となって回転するリングギヤ4とを備え、回転軸線AL方向で互いに対向する第1回転軸1と第2回転軸2との間の差動回転を可能にする差動装置Dにおいて、デファレンシャルケース3は、二つに分割した第1ケース3aと第2ケース3bとを組み付けて構成される分割構造になっており、リングギヤ4は、第1ケース3aの外周部分にはめ合わされており、リングギヤ4をはめ合わせた第1ケース3aに、第2ケース3bを組み付けて接合することにより、デファレンシャルケース3とリングギヤ4とを一体化する。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両に搭載され、左右の駆動軸に動力を伝達する差動装置に関するものである。
特許文献1には、デファレンシャルケースとリングギヤとの間の溶接部位を少なくすることを目的とした差動装置が記載されている。この特許文献1に記載された差動装置は、駆動ギヤからトルクを受けるリングギヤ、リングギヤと一体に回転するデファレンシャルケース、および、デファレンシャルケースの胴部に内蔵される差動機構を備えている。リングギヤは、駆動ギヤと噛み合うギヤ部、および、ギヤ部の内周に一体に形成されたリム部を有している。リングギヤのリム部は、デファレンシャルケースの胴部の外周部に非溶接状態で嵌合する。更に、リングギヤのリム部は、デファレンシャルケースの胴部との嵌合部から軸方向に離間し、かつ、その嵌合部分よりも径方向の内側の位置で、デファレンシャルケースの胴部に溶接される。
例えば、トランスアクスルのような車両の減速機(変速機)の小型軽量化を図るためには、減速機の中でも終減速装置を構成するリングギヤおよび差動装置(デファレンシャルギヤユニット)の小径化や小型化が求められる。一般に、リングギヤは、差動装置のデファレンシャルケースにボルト締結で取り付けられているが、リングギヤを小径化することにより、ボルトを配置するためのスペースを確保することが難しくなる。そこで、例えば、上記の特許文献1に記載された差動装置のように、デファレンシャルケースとリングギヤとを溶接して差動装置を形成する技術が開発されている。特許文献1に記載された差動装置では、リングギヤのリム部とデファレンシャルケースの胴部とが嵌合されるとともに、そのリム部の一部分(被固定部)がデファレンシャルケースに溶接される。そのため、デファレンシャルケースとリングギヤとのボルト締結を廃止することができ、その分、リングギヤの小径化、および、差動装置の小型化を図ることができる。
しかしながら、デファレンシャルケースとリングギヤとを溶接することにより、溶接熱による割れや変形あるいはひずみ等が発生し、品質の低下を招いてしまう懸念がある。上記の特許文献1に記載された差動装置では、従来と比較して、デファレンシャルケースとリングギヤとの間の溶接部位が少なくなってはいるものの、依然として、デファレンシャルケースとリングギヤとが溶接されている。車両用の差動装置におけるデファレンシャルケースは、通常、鋳鉄やダクタイル鋳鉄等を材料にして、鋳造によって成形加工される。一方、リングギヤは、通常、炭素鋼やクロムモリブデン鋼等を材料にして、鍛造によって成形加工される。したがって、デファレンシャルケースとリングギヤとの溶接は、異なる材料同士をつなぎ合わす異材溶接となり、同種の材料同士の溶接と比較して溶接割れや溶接歪みが発生しやすい。そのような溶接による歪みや変形の影響がリングギヤに及んでしまうと、ギヤの歯当たりが悪くなってしまい、ギヤノイズや振動が増大してしまうおそれがある。
この発明は、上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、デファレンシャルケースとリングギヤとのボルト締結および溶接を廃止してリングギヤを小径化することにより、適切に、小型軽量化を図ることが可能な差動装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、デファレンシャルケースと、前記デファレンシャルケースの外周部分に取り付けられ、前記デファレンシャルケースに一体となって回転するリングギヤとを備え、回転軸線方向で互いに対向する第1回転軸と第2回転軸との間の差動回転を可能にする、または、差動回転を許容する差動装置であって、前記デファレンシャルケースは、少なくとも、二つに分割した第1ケースと第2ケースとを組み付けて構成される分割構造になっており、前記リングギヤは、前記第1ケースの外周部分にはめ合わされており、前記リングギヤをはめ合わせた前記第1ケースに、前記第2ケースを組み付けて接合することにより、前記デファレンシャルケースと前記リングギヤとが一体化されていることを特徴とするものである。
また、この発明における前記第1ケースと前記第2ケースとは、前記リングギヤをはめ合わせた前記第1ケースに対して、前記回転軸線方向で前記第2ケースを前記リングギヤに突き合わせることによって組み付けられ、前記リングギヤの前記回転軸線方向で前記第2ケースに対向する部分、および、第2ケースの前記回転軸線方向で前記リングギヤに対向する部分に、それぞれ、前記回転軸線方向に突き合わせられる際に互いにはまり合うはめ合い部が形成された構成であってもよい。
また、この発明における前記第1ケースと前記第2ケースとは、溶接によって接合された構成であってもよい。
そして、この発明における前記第1ケースと前記第2ケースとは、ボルト締結によって接合された構成であってもよい。
この発明の差動装置では、デファレンシャルケースは、第1ケースと第2ケースとに分けられた分割構造になっている。すなわち、第1ケースと第2ケースと組み付けて接合することにより、デファレンシャルケースが構成される。一方、リングギヤは、例えば、スプライン締結や圧入等により、第1ケースの外周部分に取り付けられる。そして、リングギヤを取り付けた第1ケースと第2ケースとを接合することにより、デファレンシャルケースが構成される。それとともに、それらデファレンシャルケースとリングギヤとが一体に固定される。したがって、リングギヤは、直接的には、ボルト締結および溶接のいずれも適用されることなく、デファレンシャルケースに固定される。ボルト締結を用いずにリングギヤをデファレンシャルケースに取り付けることにより、ボルトの配置スペースが不要になり、その分、リングギヤを小径化することができる。そのため、差動装置の一層の小型軽量化を図ることができる。また、溶接を用いずにリングギヤをデファレンシャルケースに取り付けることにより、熱による歪みや変形、あるいは、溶接不良など、溶接がリングギヤに及ぼす影響を排除することができる。そのため、精度よく差動装置を構成することができ、ギヤノイズや振動を抑制することができる。
また、この発明の差動装置では、リングギヤをはめ合わせた状態の第1ケースに第2ケースを組み付けて、回転軸線方向でリングギヤと第2ケースとを突き合わせることにより、デファレンシャルケースとリングギヤとが一体に固定される。その際に、リングギヤと第2ケースとのそれぞれの当接部分には、例えば、いわゆるいんろう構造の凹部と凸部のようなはめ合い部が形成されている。そのため、第2ケースは、位置決めされつつ、第1ケースおよびリングギヤに組み付けられる。したがって、分割構造のデファレンシャルケースを、容易に、かつ、精度よく構成することができる。また、デファレンシャルケースに対してリングギヤを、容易に、かつ、精度よく取り付けて固定することができる。
また、この発明の差動装置では、第1ケースと第2ケースとを溶接で接合することにより、デファレンシャルケースが構成される。第1ケースおよび第2ケースは、互いに同種の材料を用いることができるので、それら第1ケースと第2ケースとを容易に溶接することができる。そして、リングギヤは、直接、溶接されることはない。そのため、溶接がリングギヤに及ぼす影響を極力排除して、差動装置を構成することができる。
そして、この発明の差動装置では、第1ケースと第2ケースとをボルト締結で接合することにより、デファレンシャルケースが構成される。そのため、溶接がリングギヤおよびデファレンシャルケースに及ぼす影響を完全に排除して、差動装置を構成することができる。
したがって、この発明の差動装置によれば、デファレンシャルケースとリングギヤとのボルト締結を廃止して、リングギヤを小径化することができる。その際、溶接がリングギヤおよびデファレンシャルケースに及ぼす影響を、極力、もしくは、完全に排除することができる。そのため、容易に、かつ、適切に、小型軽量化された差動装置を構成することができる。ひいては、そのような小型軽量化した差動装置Dが組み込まれるトランスアクスルを、容易に、かつ、適切に、小型軽量化することができる。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図1に、この発明の実施形態で対象にする差動装置Dの一例を示してある。図1に示す差動装置Dは、例えば、終減速機として車両(図示せず)に搭載され、左右の駆動軸(図示せず)の差動回転を可能にする。もしくは、差動回転を許容する。差動装置Dは、主要な構成要素として、第1回転軸1、第2回転軸2、および、デファレンシャルケース3を備えている。また、差動装置Dに一体となるリングギヤ4を備えている。この他に、差動装置Dは、デファレンシャルピニオンやサイドギヤ等から構成される一般的な差動歯車機構を備えているが、図1、および、後述する図2では、図示を省略してある。なお、この発明の実施形態における差動装置Dは、例えば、FR車両(図示せず)に搭載されるいわゆる縦置きのエンジン(図示せず)から、プロペラシャフト等(図示せず)を介して動力伝達される構成であってもよい。あるいは、この発明の実施形態における差動装置Dは、例えば、FF車両(図示せず)や四輪駆動車両(図示せず)に搭載されるいわゆる横置きのエンジン(図示せず)から、トランスアクスルの変速機構等(図示せず)を介して動力伝達される構成であってもよい。
第1回転軸1および第2回転軸2は、同一の回転軸線AL上に、かつ、回転軸線AL方向で互いに対向して配置されている。第1回転軸1および第2回転軸2は、それぞれ、後述するデファレンシャルケース3に回転可能に支持されている。第1回転軸1および第2回転軸2は、それぞれ、上記のような差動歯車機構(具体的には、一対のサイドギヤ)に連結されており、それら第1回転軸1と第2回転軸2との間の差動回転が可能なように構成されている。差動装置Dを車両に搭載する場合、第1回転軸1および第2回転軸2は、それぞれ、車両の左右の駆動軸を構成する。もしくは、車両の左右の駆動軸に連結される。
デファレンシャルケース3は、差動装置Dの外殻を形成している。デファレンシャルケース3は、上記のように、差動歯車機構を内蔵するとともに、第1回転軸1および第2回転軸2を回転可能に支持している。デファレンシャルケース3の外周部分には、後述するリングギヤ4が取り付けられている。デファレンシャルケース3とリングギヤ4とは一体に回転する。そして、この発明の実施形態におけるデファレンシャルケース3は、少なくとも、二つに分割した第1ケース3aと第2ケース3bとを組み付けて構成する分割構造になっている。それら第1ケース3aと第2ケース3bと組み付けることにより、デファレンシャルケース3を構成するとともに、デファレンシャルケース3の外周部分に配置したリングギヤ4を固定して一体化するように構成されている。それら第1ケース3aおよび第2ケース3bとリングギヤ4との組み付け部分、ならびに、固定方法等の詳細については後述する。
リングギヤ4は、デファレンシャルケース3の外周部分に取り付けられている。図1に示す例では、リングギヤ4の内周部分およびデファレンシャルケース3の外周部分(具体的には、後述する第1ケース3aの外周部分)に形成されたスプライン5により、デファレンシャルケース3に一体となって回転するように、リングギヤ4とデファレンシャルケース3とがはめ合わされている。リングギヤ4は、例えば、ドライブピニオン(図示せず)と噛み合わされ、ドライブピニオンから動力伝達される。したがって、リングギヤ4は、ドライブピニオンから伝達されるトルクを受けて、デファレンシャルケース3に一体となって回転する。なお、リングギヤ4とデファレンシャルケース3の第1ケースとの締結は、上記のようなスプライン締結に限定されない。例えば、上記のスプライン5に替えて、セレーション(図示せず)により、リングギヤ4とデファレンシャルケース3とを一体的に締結してもよい。あるいは、圧入やキー構造(図示せず)による回り止めを用いてリングギヤ4とデファレンシャルケース3とを締結した構成であってもよい。
前述したように、この発明の実施形態における差動装置Dは、デファレンシャルケース3とリングギヤ4と間のボルト締結および溶接を廃止して、リングギヤ4を小径化し、差動装置Dの小型軽量化を図ることを目的としている。そのために、この発明の実施形態における差動装置Dでは、上記のように分割構造としたデファレンシャルケース3の第1ケース3aと第2ケース3bとを組み付けて接合することにより、デファレンシャルケース3の外周部分に、リングギヤ4を固定して一体化するように構成されている。
図1に示す例では、デファレンシャルケース3の第1ケース3aと第2ケース3bと溶接によって接合することにより、デファレンシャルケース3の外周部分に、リングギヤ4が一体的に固定されている。具体的には、デファレンシャルケース3の第1ケース3aおよび第2ケース3bに溶接接合部6が設けられている。溶接接合部6は、溶接突起部6a、溶接穴部6b、および、溶接部6cから構成されている。
溶接突起部6aは、第1ケース3aに形成されている。第1ケース3aは、その外周部分にリングギヤ4がはめ合わされて取り付けられている。それとともに、第1ケース3aは、内蔵する差動歯車機構を組み込むための開口部3cを有している。第1ケース3aに第2ケース3bを組み付けて接合することにより、開口部3cが塞がれて、デファレンシャルケース3が構成される。その第1ケース3aの開口側(図1の(a)の右側)の先端部分に、溶接突起部6aが形成されている。溶接突起部6aは、後述する溶接穴部6bに対応する形状に成形されており、第1ケース3aに第2ケース3bが組み付けられることにより、溶接穴部6bにはまり込む。
溶接穴部6bは、第2ケース3bに形成されている。第2ケース3bは、上記のように、第1ケース3aの開口部3cを塞ぐ円形の蓋状の部材である。その第2ケース3bに、第2ケース3bの厚さ方向(図1の(a)の左右方向)に貫通する溶接穴部6bが形成されている。溶接穴部6bは、上記の溶接突起部6aに対応する位置で、かつ、溶接突起部6aに対応する形状に成形されている。
溶接部6cは、上記のような第1ケース3aの溶接突起部6aと、第2ケース3bの溶接穴部6bとを、溶接して接合した部分である。溶接突起部6aに溶接突起部6aがはまり込んだ状態で、それら溶接突起部6aと溶接突起部6aとを溶接することにより、その接合部分が溶接部6cになっている。したがって、上記のような溶接突起部6a、溶接穴部6b、および、溶接部6cにより、溶接接合部6が構成されている。
更に、第1ケース3aおよび第2ケース3bには、それら第1ケース3aと第2ケース3bとが回転軸線方向に突き合わせられる際に互いにはまり合うはめ合い部7が形成されている。上記のように、第1ケース3aと第2ケース3bとは、リングギヤ4をはめ合わせた第1ケース3aに対して、回転軸線AL方向で第2ケース3bをリングギヤ4に突き合わせることによって組み付けられている。はめ合い部7は、第2ケース3bの回転軸線AL方向でリングギヤ4に対向する部分に形成された凸部7a、および、リングギヤ4の回転軸線AL方向で第2ケース3bに対向する部分に形成された凹部7bから構成されている。
具体的には、第2ケース3bのリングギヤ4に対向する側(図1の(a)の左側)の側面3dに、回転軸線AL方向に突出する凸部7aが形成されている。図1に示す例では、凸部7aは、側面3dから円筒形状で突出するように形成されている。凸部7aは、後述するリングギヤ4の凹部7bに対応する形状および外径で成形されている。
一方、リングギヤ4の第2ケース3bに対向する側(図1の(a)の左側)の端面4aに、上記の第2ケース3bの凸部7aとはまり合う凹部7bが形成されている。図1に示す例では、リングギヤ4の端面4aにおける内周部分が、凹部7bになっている。凹部7bは、上記の凸部7aに対応する形状および内径で成形されている。凸部7aおよび凹部7bは、例えば、それら凸部7aと凹部7bとがすきまばめであまり合う程度に形成されている。そのため、第2ケース3bの凸部7aおよびリングギヤ4の凹部7bは、いわゆるいんろう構造になっており、凸部7aと凹部7bとが互いにはまり合うことにより、第2ケース3bとリングギヤ4とが位置決めされ、それら第2ケース3bとリングギヤ4とが精度よく組み付けられる。すなわち、第1ケース3aと第2ケース3bとが精度よく組み付けられ、デファレンシャルケース3が精度よく構成される。
また、リングギヤ4をはめ合わせた第1ケース3aに対して、回転軸線AL方向で第2ケース3bをリングギヤ4に突き合わせる際に、第1ケース3aと第2ケース3bの当接よりも、リングギヤ4と第2ケース3bが先に当接するように、上記のようなはめ合い部7、すなわち、第2ケース3bの凸部7a、および、リングギヤ4の凹部7bが形成されている。したがって、第1ケース3aに第2ケース3bが組み付けられることにより、リングギヤ4の凹部7bに第2ケース3bの凸部7aがはまり込む。それとともに、リングギヤ4の端面4aと第2ケース3bの側面3dとが当接し、リングギヤ4の回転軸線AL方向における移動や抜け出しが規制される。
この発明の実施形態における差動装置Dは、次の図2に示すように構成することもできる。図2に示す例では、デファレンシャルケース3の第1ケース3aと第2ケース3bとボルト締結によって接合することにより、デファレンシャルケース3の外周部分に、リングギヤ4が一体的に固定されている。なお、この図2に示す差動装置Dにおける各部の構成について、前述の図1で示した構成と同じ部分は、図1と同じ参照符号を付けてある。
具体的には、デファレンシャルケース3の第1ケース3aおよび第2ケース3bに、それら第1ケース3aと第2ケース3bとを回転軸線方向に突き合せて接合するためのボルト締結部8が設けられている。ボルト締結部8は、ボルト穴部8a、ねじ穴部8b、および、ボルト8cから構成されている。
ボルト穴部8aは、第2ケース3bの回転軸線AL方向でリングギヤ4に対向する部分で、かつ、第2ケース3bの外周に近い部分に形成されている。ボルト穴部8aは、第2第2ケース3bの厚さ方向(図2の左右方向)に貫通する貫通穴であり、後述するボルト8cが挿入される。
ねじ穴部8bは、リングギヤ4の回転軸線AL方向で、上記のボルト穴部8aに対向する部分および位置に形成されている。ねじ穴部8bは、後述するボルト8cがねじ込まれるボルト穴であり、ボルト8cの雄ねじに対応する雌ねじが形成されている。
ボルト8cは、第1ケース3aと第2ケース3bとを接合する締結ボルトである。図2に示すように、第1ケース3aおよびリングギヤ4と第2ケース3bとが組み付けられた状態で、ボルト穴部8aに挿入したボルト8cをねじ穴部8bにねじ込んで締め付けることにより、第1ケース3aと第2ケース3bとが接合され、デファレンシャルケース3が構成されている。それとともに、デファレンシャルケース3とリングギヤ4とが一体に固定されている。すなわち、差動装置Dが構成されている。
以上のように、この発明の実施形態における差動装置Dでは、リングギヤ4をはめ合わせた状態の第1ケース3aに第2ケース3bを組み付けて、回転軸線AL方向でリングギヤ4と第2ケース3bとを突き合わせることにより、デファレンシャルケース3とリングギヤ4とが一体に固定される。その際に、リングギヤ4と第2ケース3bとのそれぞれの当接部分には、例えば、いわゆるいんろう構造の凹部7bと凸部7aのようなはめ合い部7が形成されている。そのため、第2ケース3bは、位置決めされつつ、第1ケース3aおよびリングギヤ4に組み付けられる。したがって、分割構造のデファレンシャルケース3を、容易に、かつ、精度よく構成することができる。また、デファレンシャルケースに対してリングギヤ4を、容易に、かつ、精度よく取り付けて固定することができる。
また、上記の図1に示した例では、第1ケース3aと第2ケース3bとを溶接で接合することにより、デファレンシャルケース3が構成される。第1ケース3aおよび第2ケース3bは、互いに同種の材料(例えば、鋳鉄やダクタイル鋳鉄等)を用いることができるので、それら第1ケース3aと第2ケース3bとを容易に溶接することができる。そして、リングギヤ4は、直接、溶接されることはない。そのため、溶接がリングギヤ4に及ぼす影響を極力排除して、差動装置Dを構成することができる。
そして、上記の図2に示した例では、第1ケース3aと第2ケース3bとをボルト締結で接合することにより、デファレンシャルケース3が構成される。そのため、溶接がリングギヤ4およびデファレンシャルケース3に及ぼす影響を完全に排除して、差動装置Dを構成することができる。
したがって、この発明の実施形態における差動装置Dによれば、デファレンシャルケース3とリングギヤ4とのボルト締結を廃止して、リングギヤ4を小径化することができる。また、デファレンシャルケース3とリングギヤ4との直接的な溶接を廃止して、溶接がリングギヤ4およびデファレンシャルケース3に及ぼす影響を、極力、もしくは、完全に排除することができる。そのため、容易に、かつ、適切に、小型軽量化された差動装置Dを構成することができる。そして、そのように小型軽量化した差動装置Dを組み込んでトランスアクスルを構成することにより、容易に、かつ、適切に、トランスアクスルの小型軽量化を実現することができる。
1 第1回転軸
2 第3回転軸
3 デファレンシャルケース
3a 第1ケース
3b 第2ケース
3c (第1ケースの)開口部
3d (第2ケースの)側面
4 リングギヤ
4a 端面
5 スプライン
6 溶接接合部
6a 溶接突起部
6b 溶接穴部
6c 溶接部
7 はめ合い部
7a 凸部
7b 凹部
8 ボルト締結部
8a ボルト穴部
8b ねじ穴部
8c ボルト
D 差動装置
AL 回転軸線
2 第3回転軸
3 デファレンシャルケース
3a 第1ケース
3b 第2ケース
3c (第1ケースの)開口部
3d (第2ケースの)側面
4 リングギヤ
4a 端面
5 スプライン
6 溶接接合部
6a 溶接突起部
6b 溶接穴部
6c 溶接部
7 はめ合い部
7a 凸部
7b 凹部
8 ボルト締結部
8a ボルト穴部
8b ねじ穴部
8c ボルト
D 差動装置
AL 回転軸線
Claims (4)
- デファレンシャルケースと、前記デファレンシャルケースの外周部分に取り付けられ、前記デファレンシャルケースに一体となって回転するリングギヤとを備え、回転軸線方向で互いに対向する第1回転軸と第2回転軸との間の差動回転を可能にする差動装置であって、
前記デファレンシャルケースは、少なくとも、二つに分割した第1ケースと第2ケースとを組み付けて構成される分割構造になっており、
前記リングギヤは、前記第1ケースの外周部分にはめ合わされており、
前記リングギヤをはめ合わせた前記第1ケースに、前記第2ケースを組み付けて接合することにより、前記デファレンシャルケースと前記リングギヤとが一体化されている
ことを特徴とする差動装置。 - 請求項1に記載の差動装置であって、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、前記リングギヤをはめ合わせた前記第1ケースに対して、前記回転軸線方向で前記第2ケースを前記リングギヤに突き合わせることによって組み付けられ、
前記リングギヤの前記回転軸線方向で前記第2ケースに対向する部分、および、第2ケースの前記回転軸線方向で前記リングギヤに対向する部分に、それぞれ、前記回転軸線方向に突き合わせられる際に互いにはまり合うはめ合い部が形成されている。
ことを特徴とする差動装置。 - 請求項1または2に記載の差動装置であって、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、溶接によって接合されている
ことを特徴とする差動装置。 - 請求項1または2に記載の差動装置であって、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、ボルト締結によって接合されている
ことを特徴とする差動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022182068A JP2024071233A (ja) | 2022-11-14 | 2022-11-14 | 差動装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|
JP2022182068A Pending JP2024071233A (ja) | 2022-11-14 | 2022-11-14 | 差動装置 |
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