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JP2024044658A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2024044658A JP2022150320A JP2022150320A JP2024044658A JP 2024044658 A JP2024044658 A JP 2024044658A JP 2022150320 A JP2022150320 A JP 2022150320A JP 2022150320 A JP2022150320 A JP 2022150320A JP 2024044658 A JP2024044658 A JP 2024044658A
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実 林崎
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Abstract

【課題】励磁コイルの通電時の発熱を低減する。【解決手段】定着装置は、導電層を有する筒状の回転体と、回転体の内部空間に挿通された磁性コアと、磁性コアの外周側を回転体の周方向に周回しながら回転体の母線方向に延びる螺旋状に形成された励磁コイルであって、交流電流を流すことで導電層に電流を誘導するための交番磁界を発生させる励磁コイルと、を備え、電流によって加熱された回転体を用いて画像を記録材に定着させる定着装置であって、励磁コイルの母線方向に隣り合う導体間の距離をL1(mm)とし、励磁コイルの導体と磁性コアとの間の距離をL2(mm)とするとき、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0である。【選択図】図8

Description

本発明は、画像を記録材に定着させる定着装置、及び記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、記録材に転写された現像剤像(トナー像)を加熱して記録材に定着させる定着装置(像加熱装置)が用いられる。定着装置の加熱方式としては、励磁コイルが発生する交番磁界により、導体層(発熱層)を有する回転体を直接発熱させる誘導加熱方式が知られている。特許文献1には、磁性コアの周囲にPPS樹脂層を形成し、樹脂層に食い込ませながら励磁コイルを巻き回す構成が記載されている。
特開2020-38351号公報
しかしながら、上記文献に記載の励磁コイルは、励磁コイルの導体間の距離や励磁コイルの導体と磁性コアとの間の距離については考慮されていなかった。そのため、近接効果によって励磁コイルの抵抗が増加し、励磁コイルの通電時の発熱量が増大する可能性があった。励磁コイルが通電によって自己発熱すると、磁性コアが昇温して磁気飽和が生じやすくなる等の影響が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の内部空間に挿通された磁性コアと、前記磁性コアの外周側を前記回転体の周方向に周回しながら前記回転体の母線方向に延びる螺旋状に形成された励磁コイルであって、交流電流を流すことで前記導電層に電流を誘導するための交番磁界を発生させる励磁コイルと、を備え、前記電流によって加熱された前記回転体を用いて画像を記録材に定着させる定着装置であって、前記励磁コイルの前記母線方向に隣り合う導体間の距離をL1(mm)とし、前記励磁コイルの導体と前記磁性コアとの間の距離をL2(mm)とするとき、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0である、ことを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
実施例1に係る画像形成装置の概略図。 実施例1に係る定着装置の断面図。 実施例1に係る定着装置の側面図。 実施例1に係る定着装置の回路図。 実施例1に係る磁界発生ユニットの説明図(a、b)。 磁性コアの温度と磁束密度との関係を示すグラフ。 連続プリント時間と磁性コアの温度との関係を示すグラフ。 励磁コイルの導体同士の近接効果を説明するための模式図(a)及びグラフ(b)。 励磁コイルと磁性コアとの近接効果を説明するための模式図(a)及びグラフ(b)。 実施例2に係る磁界発生ユニットの説明図(a、b)。 実施例3に係る磁界発生ユニットの説明図(a、b)。 実施例4に係る磁界発生ユニットの説明図。 距離L1,L2の説明図(a、b)。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施例1》
図1は実施例1に係る画像形成装置100の概略図である。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に基づいて記録材Pに画像を形成するレーザービームプリンタである。記録材Pとしては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシート材を使用可能である。
画像形成装置100は、給送部102、画像形成部103、定着装置200、制御回路10を備える。画像形成部103は、例えば直接転写型の電子写真ユニットである。この電子写真ユニットは、像担持体としての感光ドラムと、像担持体に作用するプロセス手段と、を含む。プロセス手段の例は、帯電装置、露光装置、現像装置、クリーニング装置、露光装置である。
画像形成動作において、給送部102は記録材収容部に積載され収容された記録材Pを1枚ずつ給送する。画像形成部103では、帯電装置が感光ドラムの表面を帯電させ、露光装置が画像情報に基づいてレーザ光を照射することで感光ドラムの表面に静電潜像を形成する。現像装置は、トナー(現像剤)を用いて静電潜像をトナー像(現像剤像)に現像する。転写装置は、感光ドラム上に形成されたトナー像を、給送部102から給送されてきた記録材Pに転写する。これにより、記録材Pに未定着トナー像としての画像が形成される。
画像形成部103を通過した記録材Pは、定着装置200に搬送される。定着装置200は、記録材Pを搬送しながら記録材上の画像を加熱することで、画像を記録材Pに定着させる。定着装置200の詳細は後述する。定着装置200を通過した記録材Pは、成果物として装置外部に排出される。
以上の一連の画像形成動作は、制御手段としての制御回路10によって制御される。制御回路10は、プログラムを実行するプロセッサ(CPU)と、該プログラムを格納した非一過性記憶媒体としてのメモリと、を有する。
なお、上記の画像形成部103は一例であり、例えば中間転写型の電子写真ユニットを用いてもよい。この場合、像担持体に形成されたトナー像は、中間転写ベルト等の中間転写体に一次転写された後、中間転写体から記録材Pに二次転写される。また、画像形成部103は、複数色のトナーを用いてカラー画像を形成するものであってもよい。
(定着装置)
次に、本実施例に係る誘導加熱方式の定着装置200について、図2、図3を用いて説明する。
図2は、定着装置200の断面図である。定着装置200は、定着フィルム1と、ガイド部材6と、ステイ5と、磁界発生ユニット4と、加圧ローラ8と、を有する。
以下の説明において、定着フィルム1の母線方向(定着フィルム1及び加圧ローラ8の回転軸線方向)を、定着装置200の長手方向X又は単に長手方向Xと呼ぶ。長手方向Xは、定着ニップNにおける記録材搬送方向と直交する方向である。
定着フィルム1は、筒状の定着部材(加熱回転体)である。定着フィルム1は、耐熱性及び可撓性を有するフィルム材からなる無端状のフィルム部材である。定着フィルム1は、発熱層として電気伝導性を有する導電層を有する。
磁界発生ユニット4は、定着フィルム1の発熱層を発熱させるための交番を発生させる磁界発生手段である。磁界発生ユニット4は、磁性コア2と励磁コイル3とを有し、定着フィルム1の内部空間に挿通される。磁界発生ユニット4の詳細は後述する。
ガイド部材6は、定着フィルム1の内部空間に配置され、定着フィルム1を挟んで加圧ローラ8と当接するように配置される。ガイド部材6は、定着フィルム1の回転軌道を案内する。ガイド部材6は、耐熱性を有する樹脂材料からなり、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂で形成される。ガイド部材6の定着フィルム1との摺動面(図中下面)には、定着ニップNの形状を決めるニップ形成部材7(摺動部材、ニップ加圧板)が設けられる。
ステイ5は、ガイド部材6を支持し、定着フィルム1、ガイド部材6及び磁界発生ユニット4を含む加熱ユニット(フィルムアセンブリ)に剛性を持たせる構造部材である。ステイ5が付勢部材(後述の加圧バネ17a,17b)によって付勢されることで、ガイド部材6は定着フィルム1を挟んで加圧ローラ8に圧接される。これにより、ニップ形成部材7と加圧ローラ8との間に所定幅の定着ニップNが形成される。
加圧ローラ8は、加圧部材の例である。加圧ローラ8は、画像形成装置100が備える駆動源Mによって、図中反時計周りに回転駆動される。
図3は、定着装置200の側面図である。ステイ5の長手方向両端部は定着フィルム1の外方に突出する。加圧バネ17a,17bは、定着装置200の枠体に固定されたバネ受部18a,18bとステイ5の両端部とにそれぞれ接続され、ステイ5を加圧ローラ8の側に付勢する。これにより、ニップ形成部材7が定着フィルム1を介して加圧ローラ8に押し付けられ、定着ニップNに加圧力が発生する。
また、定着装置200の長手方向両端部には、フランジ12a,12bが配置される。フランジ12a,12bは、定着フィルム1の長手端の内面を支持する支持面と、定着フィルム1の長手端と対向するフランジ部と、を有し、定着フィルム1の回転軌跡及び長手方向位置を規制する。
更に、定着装置200は、定着フィルム1の表面温度を検知する温度検知手段としてサーミスタ等の温度検知素子9を有する。温度検知素子9は、定着フィルム1の表面温度に応じた信号を出力する。温度検知素子9の信号は、制御回路10に入力される。制御回路10は、温度検知素子9からの信号に基づいて、磁界発生ユニット4を駆動するための高周波インバータ11を制御する。制御回路10は、定着フィルム1の表面温度を画像の定着に適した所定の目標温度で維持するように、高周波インバータ11を制御する。
高周波インバータ11は、制御回路10の制御信号に基づいた周波数・振幅のスイッチング電流を不図示の給電接点を介して磁界発生ユニット4のコイルに給電する。そして、磁界発生ユニット4が発生する交番磁界に応じて、定着フィルム1の発熱層(導電層)に誘導電流(定着フィルム1を回転方向に周回する周回電流)が流れることで、定着フィルム1が発熱する。
画像の定着時(画像形成動作時)には、駆動源Mによって加圧ローラ8が回転駆動される。定着フィルム1は、定着ニップNにおいて加圧ローラ8から受ける摩擦力により、加圧ローラ8に追従して回転する。未定着トナー像T(図2)を担持する記録材Pが定着装置200に搬送されてくると、定着装置200は定着ニップNにおいて定着フィルム1と加圧ローラ8の間に記録材Pを挟持して搬送する。これと同時に、定着装置200は、誘導加熱によって加熱された定着フィルム1により記録材P上の未定着トナー像Tを加熱する。これにより未定着トナー像Tが溶融し、記録材Pに定着した画像が得られる。
なお、磁界発生ユニット4の磁性コア2の材質は、約150℃~200℃付近の飽和磁束密度が高く、ヒステリシス損が小さく、比透磁率の高い材料で形成されることが望ましい。磁性コア2は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)、やパーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体である。
(高周波インバータ)
図4は、励磁コイル3に交流電流を流すコイル駆動回路としての高周波インバータ11の回路構成図である。なお、図4において定着フィルム1及び磁界発生ユニット4は、等価回路としての抵抗34及びインダクタンス35に置き換えた。
高周波インバータ11は、商用交流電源21から清流手段としてのダイオードブリッジ22を介して電力を供給される。高周波インバータ11は、ステップダウンコンバータ回路19と、ハーフブリッジインバータ回路20(電融共振回路)と、を備える。
ステップダウンコンバータ回路19は、コンデンサ23と、スイッチ素子24と、駆動回路32(第1の駆動回路)と、ダイオード25と、インダクタンス26と、を有する。制御回路10は、スイッチ素子24のオンオフ制御を行う駆動回路32により、ステップダウンコンバータ回路19の出力電圧(ハーフブリッジインバータ回路20への入力電圧)を制御することができる。
ハーフブリッジインバータ回路20は、コンデンサ27,30,31と、スイッチ素子28,29と、駆動回路33(第2の駆動回路)と、抵抗34と、インダクタンス35と、を有する。制御回路10は、スイッチ素子28,29のオンオフ制御を行う駆動回路33により、ハーフブリッジインバータ回路20の動作周波数を制御することができる。
商用交流電源21から入力された交流電圧は、ダイオードブリッジ22で整流され、ステップダウンコンバータ回路19に入力される。温度検知素子9の信号(温度検知信号)が制御回路10に入力され、制御回路10は温度検知信号に応じたデューティのPWM信号36をステップダウンコンバータ回路19に出力する。ステップダウンコンバータ回路19は、このデューティ制御されたPWM信号36に応じて電圧振幅を制御し、制御された電圧がハーフブリッジインバータ回路20に入力する。ハーフブリッジインバータ回路20は、スイッチ素子28,29の開閉を交互に切り替えるための切換信号37を制御回路10から入力される。切換信号37は、コンデンサ31とインダクタンス35で構成される直列共振回路の共振周波数と略一致した周波数で駆動される。この切換信号37によって、励磁コイル3の不図示の給電接点に所定周波数の交番電圧V1が入力される。
ここで、商用交流電源21の実効電圧をVac_rms(V)、交番電圧V1の実効電圧をV1_rms(V)、PWM信号36のデューティをDpwmとすると、以下の関係となる。
Figure 2024044658000002
ただし、以上で説明した高周波インバータ11の回路構成は例示であり、磁界発生ユニット4を駆動するための交番電圧を生成する回路構成及びその制御方式は、既知の回路構成に置き換えてもよい。
(磁界発生ユニット及び加熱原理)
本実施例における磁界発生手段としての磁界発生ユニット4の構成と加熱原理について、図5(a、b)を用いて説明する。図5(a)は、磁界発生ユニット4の概略図である。磁性コア2は、例えば、長手方向Xに延伸する1本の棒状(円柱状)のフェライトコアである。図で示すとおり、磁性コア2の長手方向Xの一方の端部からもう一方の端部に向かって、励磁コイル3が磁性コア2の周囲に螺旋状に巻き回される。つまり、励磁コイル3は、磁性コア2の外周側を定着フィルム1の周方向に周回しながら定着フィルム1の母線方向に延びる螺旋状に形成される。
励磁コイル3は、複数本の巻線を並走するように配置する場合がある。本実施例では2本の巻線(3a,3b)を並走させる。つまり、一方の巻線を第1巻線3aとし、他方の巻線を第2巻線3bとすると、第2巻線3bは第1巻線3aに沿って巻き回される。第1巻線3a及び第2巻線3bは、それぞれが螺旋状に形成され、且つ、互いに略平行である。また、第1巻線3a及び第2巻線3bは、高周波インバータ11と並列に接続され、それぞれが前述の交番電圧V1を印加される。
このように、励磁コイル3を複数本の巻線3a,3bが並走する構成とすることは次のような利点がある。即ち、誘導加熱方式の定着装置では、発熱量を確保するために励磁コイルに比較的大きな電流を流すことになる。そのため、励磁コイルを1本の巻線で構成すると、定格電流(許容電流)との関係で芯線が太い巻線を使用することになる。これに対し、複数本の巻線を並走させた励磁コイルを用いることで、個々の巻線に流れる電流を小さくすることができるので、芯線がより細い巻線を使用することができる。これにより、磁界発生ユニット4をよりコンパクトな構成とすることができ、定着フィルム1の周長を短くすることができ、定着装置の短手断面の小サイズかが可能となるといった利点がある。
なお、励磁コイル3を構成する巻線の本数に特に限定はなく、実施例4(図12)を用いて後述するように1本の巻線で励磁コイル3を構成してもよい。複数本の巻線で励磁コイル3を構成する場合、巻線のピッチを考えると並走する巻線の数は2~4本程度が好ましい。また、高周波インバータとの接続構成の大型化(特に、コネクタのピン数又はコネクタの大きさ)を避ける観点では、巻線の本数を2本とすると好適である。
また、本実施例では第1巻線3aと第2巻線3bが実質的に長手方向Xの同じ範囲に亘って巻き回されるが、第1巻線3aと第2巻線3bとで範囲が異なる構成としてもよい。また、第1巻線3aと第2巻線3bに印加する交番電圧を互いに独立に制御可能な構成とすることもできる。
励磁コイル3には、高周波インバータ11で生成された交番電圧V1に応じたスイッチング電流が流れる。図5(a)は、ある特定の時点(長手方向Xの一方側から他方側に向かう電流(矢印I1)が増大している瞬間)の様子を示す。この場合、励磁コイル3を流れる電流の増大に応じて、励磁コイル3の内側の磁性コア2を長手方向Xの一方側から他方側に向かい、励磁コイル3の外側を長手方向Xの反対側に向かって戻るような磁界Bが発生する。この磁界Bは、定着フィルム1の内側の空間を定着フィルム1の回転軸方向(長手方向X)の第1方向に向かい、主に定着フィルム1の外側の空間を第1方向とは反対の第2方向に戻る磁力線で表すことができる。
図5(a)において、定着フィルム1の一部分を環状の回路Sとして模式的に示す。定着フィルム1の発熱原理は、ファラデーの法則に従う。ファラデーの法則とは、「回路Sの中の磁界を変化させると、その回路の中に電流を流そうとする誘導起電力が生じ、誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例する」というものである。
図5(a)に示す磁性コア2の長手方向Xにおける中央部に回路Sを置き、励磁コイル3にスイッチング電流を流す場合を考える。スイッチング電流を流すことで、磁力線が磁性コア2の内部を通るような交番磁界が形成される。その時、回路Sに発生する誘導起電力は以下の式に従い、垂直に貫く磁束Φの時間変化に比例する。
Figure 2024044658000003
ただし、V:誘導起電力、N:コイル巻き数、ΔΦ/Δt:微小時間Δtでの回路を垂直に貫く磁束の変化である。
この誘導起電力Vにより、定着フィルム1に磁界Bを打ち消す向きの周回電流(誘導電流)I2が流れる結果、定着フィルム1はジュール熱により発熱する。なお、スイッチング電流の向きが反転する度に磁界Bの向きも反転し、定着フィルム1に流れる誘導電流の向きも反転する。
このように、磁界発生ユニット4は、励磁コイル3にスイッチング電流を流すことで、定着フィルム1の誘導電流を誘起して発熱させるための交番磁界を発生させる磁界発生手段として機能する。また、磁性コア2は、励磁コイル3によって発生する磁界の磁束(磁力線)を誘導し、磁路を形成する部材(磁路形成部材)として機能する。
図5(b)は、図5(a)において点線で示す領域A1の断面図である。励磁コイル3を構成する第1巻線3a及び第2巻線3bは、銅線等の導体14と、導体14の周囲を覆う絶縁被覆13と、を有する。絶縁被覆13は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂を好適に用いることができる。本実施例では、絶縁性の樹脂層としての絶縁被覆13により、励磁コイル3の導体間の距離及び励磁コイル3の導体と磁性コア2との間の距離を確保することにより、後述するように、近接効果の影響を緩和する。
なお、本実施例のような絶縁被覆13は弾性があるため、励磁コイル3を磁性コア2に巻き回す際、絶縁被覆13が緩衝材となって磁性コア2への圧力負荷を軽減できるという利点もある。
本実施例の導体14は例えば銅線(単線)であるが、銅以外の材料であってもよく、また、撚り線であってもよい。例えば、ニッケルめっき軟銅線で構成された撚り線でもよい。
(磁性コアの温度と磁気飽和の関係)
図6は、磁性コア2の温度(コア温度)と磁束密度との関係を示すグラフである。図中の飽和磁束領域は、磁性コア2が磁気飽和するときの磁束密度とコア温度との関係を示す。磁性コア2が磁気飽和すると、磁性コア2の透磁率が非常に小さい値となってしまうため、励磁コイル3に大電流が流れてしまい、回路故障の原因となる可能性がある。そのため、飽和磁束領域以外の領域で磁性コア2を使用することが望ましい。本実施例は磁性コア2の磁束密度を205mTと想定しており、この場合、磁気飽和しない最大コア温度は220℃となる。つまり、本実施例の定着装置は、磁性コア2の温度が予め設定された温度としての220℃を超えない条件で使用することが望ましい。
図7は、画像形成装置100が複数枚の記録材に対して連続的に画像形成動作(連続プリント)を実行したときの経過時間(連続プリント時間)と、コア温度との関係を示す。コア昇温温度D1,D2は、いずれも十分な連続プリント時間T1が経過したことで熱飽和したときのコア温度を示す。
連続プリント中は、コア温度が徐々に上昇し、外部の熱源から磁性コア2に供給される熱量と磁性コア2から流出する熱量とが釣り合う(熱飽和する)とコア温度は略一定となる。熱源には、誘導電流によって発熱する定着フィルム1だけでなく、交流電流の通電時のジュール熱によって自己発熱(自己昇温)した励磁コイル3が含まれる。
ここで、コア昇温温度D1は、励磁コイル3の自己昇温が大きい場合であり、磁性コア2が熱飽和する温度(D1)は222℃であった。そのため、連続プリント中に磁性コア2の温度が220℃を超える可能性があることになる。そこで、連続プリントの実行時にはコア温度が220℃を超える前にプリント速度(スループット)を低下させる等して回路故障を回避することが考えられるが、画像形成装置の生産性が低下してしまう。
一方、コア昇温温度D2は、励磁コイル3の自己昇温が小さい場合である。この場合、磁性コア2が熱飽和する温度(D2)は218℃であった。そのため、この場合は連続プリントを継続しても磁性コア2の温度が220℃を超えることはなく、画像形成装置の生産性が維持される。
このように、画像形成装置の生産性低下につながる磁性コア2の時期飽和を抑制するには、磁性コア2の昇温を低減することが望ましく、磁性コア2の昇温の要因の1つである励磁コイル3の自己発熱を低減することが望ましい。
また、励磁コイル3の自己発熱が大きい場合、励磁コイル3を構成する巻線の耐熱温度を高くするために巻線の材料が制限されたり、巻線の電気抵抗が増大することで定着装置のエネルギー消費が増大したりする懸念もある。このような点でも、励磁コイル3の自己発熱を低減することが望ましい。
(近接効果)
次に、励磁コイル3の隣り合う導体間の距離と、励磁コイル3と磁性コア2との間の距離について説明する。
まず、励磁コイル3の隣り合う導体間の距離と近接効果について説明する。図8(a)は、並走する2本の導体14a,14bを近接させたときの近接効果を説明するための模式図である。この図は、導体14a,14bのそれぞれを、手前から奥側に向かう向きの電流15a,15bが流れている瞬間を示す。また、説明のため、導体14aが発生する磁界の磁束51のみを表記し、導体14bの磁束は不図示とする。導体14a,14bの間の距離L1(mm)は、非常に小さいものとする。
導体14a,14bにスイッチング電流が流れると、各導体14a,14bの周囲に磁界が発生する。導体14bは、近接する導体14aが発生させる磁界の影響を受けるため、磁束51を打ち消すように磁場を発生させる。その結果、近接効果が発生し、ほとんどの電流は導体14bのうち近接する導体14aから遠い側のエリア16bしか流れなくなる。導体14aについても、導体14bが発生させる磁界の影響を受け、ほとんどの電流は導体14aのうち近接する導体14bから遠い側のエリア16aしか流れなくなる。その結果、励磁コイル3の抵抗値が大きくなり、電力損失(銅損)が増え、励磁コイル3の自己昇温が増大する。
図8(b)は、図8(a)で説明した導体間の距離L1に対する抵抗値変化率Rac1/R0の関係を示したものである。R0は、スイッチング電流を導体に流した際、近接効果の影響がない状態で、表皮効果を含めた導体14a,14bの抵抗値である。また、Rac1は、近接効果を含む導体14a,14bの抵抗値を示す。図8(b)は、下記の文献に記載の計算式を元に、導体14a,14bの径を1.0mm、スイッチング電流の周波数を100kHz、磁性コア2の半径を5mmとして算出した結果である。
(参考文献)H.B.Dwight,- Proximity Effect in Wires and Thin Tubes Tras. A.I.E.E., 1923, p850-859
図8(b)に示すとおり、励磁コイル3の導体間の距離L1(mm)について、L1=0.02の場合には、抵抗値変化率Rac1/R0は約1.5となった。つまり、隣り合う導体間の間隔が0.02mmのときは、近接効果によって励磁コイル3の抵抗値が大幅に増加する。一方、距離L1が長くなる程、抵抗値変化率Rac1/R0は漸減し、1に近付いていく。
次に励磁コイル3と磁性コア2との間の距離と近接効果について説明する。図9(a)は、磁性コア2と励磁コイル3を近接させたときの近接効果を表す模式図である。この図は、導体14を、手前から奥側に向かう向きの電流15が流れている瞬間を示す。導体14と磁性コア2との間の距離L2(mm)は、非常に小さいものとする。
導体14にスイッチング電流が流れると、磁性コア2の矢印の方向に磁束が発生する。導体14は、磁性コア2の磁界の影響を大きく受け、その磁束を打ち消す方向に磁束50を発生させる。その結果、近接効果が発生して、ほとんどの電流は導体14のうち磁性コア2から遠い側のエリア16しか流れなくなる。励磁コイル3の抵抗値が大きくなり、電力損失(銅損)が増え、励磁コイル3の自己昇温が増大する。
図9(b)は、図9(a)で説明した励磁コイル3と磁性コア2との間の距離L2に対する抵抗値変化率Rac2/R0の関係を示す。導体14の径、スイッチング電流の周波数、磁性コア2の半径は、図8(b)で計算した条件と同じである。
図9(b)に示すとおり、励磁コイル3の導体14と磁性コア2との間の距離L2(mm)について、L2=0.02の場合には、抵抗値変化率Rac2/R0が約1.5倍となった。つまり、励磁コイル3と磁性コア2との間隔が0.02mmのときは、近接効果によって励磁コイル3の抵抗値が大幅に増加する。
ここで、L2<0.7の範囲では、距離L2が長くなるほど抵抗値変化率Rac2/R0は減少する。しかし、L2>0.7の範囲では、距離L2が長くなるほど抵抗値変化率Rac2/R0は増大する。これは、励磁コイル3は磁性コア2の外周面から距離L2だけ離れて巻き回されるため、L2の値が大きいほど巻線の周回長が長くなり、巻線の全長に応じて抵抗値(Rac2)が増大するためである。つまり、L2<0.7の範囲では、近接効果の低減の影響が巻線の周回長の増大の影響を上回って抵抗値変化率Rac2/R0は減少する一方、L2>0.7の範囲では、後者が前者を上回って抵抗値変化率Rac2/R0は増大する。
以上説明したように、励磁コイル3の抵抗値は、距離L1,L2に応じて変化する。そこで、本実施例の定着装置では、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0を満たすように励磁コイル3を構成する。
励磁コイル3の導体間の距離L1が0.1mmより大きいとき、図8(b)の抵抗値変化率Rac1/R0は1.4未満であった。そのため、L1>0.1とすることで、隣り合う導体同士の近接効果による励磁コイル3の抵抗値の増大を抑制し、抵抗値と比例関係にある励磁コイル3の通電時の発熱を低減することができる。
また、励磁コイル3の導体14と磁性コア2との間の距離L2が0.11mm(≒0.1mm)から1.98mm(≒2.0mm)の範囲のとき、図9(b)の抵抗値変化率Rac2/R0は1.41未満であった。そのため、0.1<L2<2.0とすることで、励磁コイル3と磁性コア2との間での近接効果による励磁コイル3の抵抗値の増大を抑制し、抵抗値と比例関係にある励磁コイル3の通電時の発熱を低減することができる。
ここで、抵抗値変化率Rac1/R0=1.5又はRac2/R0=1.5のとき、連続プリント時の磁性コア2の熱飽和温度は図7のコア昇温温度D1(>220℃)となる。このとき、励磁コイル3の自己昇温は50℃とする。上記のようにL1,L2を設定することで励磁コイル3の抵抗値の増大が低減されるので、励磁コイル3の通電時の発熱が低減される結果、磁性コア2の熱飽和温度は図7のコア昇温温度D2(<220℃)となる。
このように、本実施例によれば、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
また、図8(b)の結果によれば、L1≧0.20のとき、抵抗値変化率Rac1/R0は1.3以下となり、更にL1≧0.38のとき、抵抗値変化率Rac1/R0は1.2以下となった。従って、好ましくはL1≧0.20、より好ましくはL1≧0.38を満たすように励磁コイル3を構成することで、導体同士の近接効果による励磁コイル3の抵抗値の増大を更に低減し、励磁コイル3の通電時の発熱を更に低減することができる。
また、図9(b)の結果によれば、0.15≦L2≦1.78のとき抵抗値変化率Rac2/R0は1.38以下となった。また、0.19≦L2≦1.59のとき、抵抗値変化率Rac2/R0は1.35以下となった。更に0.31≦L2≦1.21のとき抵抗値変化率Rac2/R0は1.30以下となった。従って、好ましくは0.15≦L2≦1.78、より好ましくは0.19≦L2≦1.59を満たすように励磁コイル3を構成する。これにより、磁性コア2との近接効果による励磁コイル3の抵抗値の増大を更に低減し、励磁コイル3の通電時の発熱を更に低減することができる。
一例として、励磁コイル3を構成する巻線の絶縁被覆13の厚みで前述の距離L1、L2を確保することができる。この場合、巻線として絶縁被覆13の厚さが0.1mmより大きく2.0mm未満のものを用いる。また、第1巻線3a及び第2巻線3bは互いに接触した状態(図13(a)においてx=0)で磁性コア2に巻き回す。これにより、前述のL1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0の関係を満足することができ、励磁コイルの自己昇温を抑制することができる。なお、第1巻線3aと第2巻線3bとの間に隙間を設けて距離L1を確保してもよい。また、磁性コア2の外周に樹脂層を介して励磁コイル3を巻き回すことで距離L2を確保してもよい。
ところで、上の説明では距離L1には上限を設けていないものの、距離L1が非常に大きいと定着フィルム1の発熱量が長手方向Xで不均一となる可能性がある。長手方向Xの両端部付近では、長手中央部に比べて定着フィルム1の発熱層に作用する磁界が相対的に弱くなることで発熱量が不足する場合がある。その対策として、励磁コイル3の長手方向両端部付近での巻線ピッチを長手中央部の巻線ピッチよりも短くすることが考えられるが、距離L1が大き過ぎると、定着フィルム端部の発熱量の不足を補えない場合がある。そのため、距離L1は、定着フィルム1の熱伝導性等の具体的構成に応じて、定着フィルム1の温度ムラによる画像不良等の弊害が生じないように設定すればよい。
(L1,L2についての補足)
距離L1,L2について、定義及びその測定方法を補足する。励磁コイル3の導体間の距離L1は、励磁コイル3が磁性コア2の周りで巻き回されている範囲において、長手方向X(定着フィルム1の母線方向)に隣り合う導体間の平均距離を表す。
本実施例では、励磁コイル3が並走する第1巻線3a及び第2巻線3bによって構成されるため、距離L1は第1巻線3aの導体14と第2巻線3bの導体14との間の平均距離に相当する。ただし、後述する実施例4のように、「長手方向Xに隣り合う導体」は1本の同じ巻線の導体であってもよい。
図13(a)を用いて距離L1の測定方法を説明する(実施例4の場合は後述する)。第1巻線3aの最外周面と第2巻線3bの最外周面との間の距離をxとし、第1巻線3aの絶縁被覆13の厚さをy1とし、第2巻線3bの絶縁被覆13の厚さをy2とする。導体14間の距離L1は、xとy1とy2の和である。平均化のため、長手方向Xの複数位置で距離xを測定し、xとy1とy2の和の平均値を距離L1とすることが望ましい。なお、シース処理をしたリッツ線のように複数層の絶縁被覆を有する場合、y1,y2は、導体の最外周部から巻線の最外周面までの距離(各絶縁層の厚さの合計)とする。
励磁コイル3の導体と磁性コア2との間の距離L2は、励磁コイル3が磁性コア2の周りで巻き回されている範囲における、磁性コア2の外周面から励磁コイル3の導体までの平均距離である。
図13(b)を用いて距離L2の測定方法を説明する。励磁コイル3の巻線の最外周面と磁性コア2の外周面2aとの間の距離をzとし、巻線の絶縁被覆13の厚さをyとする。励磁コイル3の導体と磁性コア2との間の距離L2は、zとyの和である。
本実施例では、励磁コイル3が直接、磁性コア2の外周面に巻き回されている。そのため、距離L2は、励磁コイル3を構成する巻線の絶縁被覆13の厚さyに等しい。磁性コア2との接触による絶縁被覆13の弾性変形は小さいため、距離L2の計算では無視する。
(変形例)
実施例1では、絶縁被覆13としてPTFEを用いる例を説明したが、絶縁被覆13として他の材料を用いてもよく、例えばPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などの耐熱性に優れたフッ素樹脂を用いてもよい。
《実施例2》
実施例2に係る構成を説明する。以下、実施例1と共通の参照符号を付した要素は、実施例1で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる部分を主に説明する。
図10(a)は、実施例2に係る磁界発生手段としての磁界発生ユニット4を示す概略図であり、図10(b)はその断面図である。本実施例では、絶縁性を有する樹脂製の筒40に磁性コア2が挿通され、励磁コイル3は筒40の外周に巻き回される。筒40は、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)で形成される。励磁コイル3は、実施例1と同様のPTFE線を巻線として用いることができる。また、励磁コイル3は、第1巻線3aと第2巻線3bとが長手方向Xに隣り合って並走する構成とすることができる。
第1巻線3a及び第2巻線3bの絶縁被覆の厚みw1は、例えば0.2mmとする。また、筒40の厚さw2は、例えば0.5mmとする。この場合、第1巻線3a及び第2巻線3bを互いに接触させて磁性コア2に巻き回すと、励磁コイル3の導体間の距離L1は0.4mm(図13(a)においてx=0、y1=y2=0.2)となる。また、励磁コイル3の導体と磁性コア2との間の距離L2は、巻線の外周面と磁性コア2の外周面との間に筒40が介在するため、0.7mm(図13(b)においてz=0.5、y=0.2)となる。これにより、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0を満足することができる。
したがって、本実施例の構成によっても、近接効果の影響を低減することができ、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
なお、本実施例のように磁性コア2に外嵌する筒40を介して励磁コイル3を巻き回す場合、励磁コイル3の絶縁被覆13及び筒40は、それぞれが距離L1,L2を確保するための絶縁性の樹脂層として機能する。
《実施例3》
実施例3に係る構成を説明する。以下、実施例1と共通の参照符号を付した要素は、実施例1で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる部分を主に説明する。
図11(a)は、実施例3に係る磁界発生手段としての磁界発生ユニット4を示す概略図であり、図11(b)はその断面図である。本実施例では、実施例1のPTFE線の代わりにエナメル線41を巻線として使用し、実施例2と同様の筒40の外周に励磁コイル3を巻き回す。筒40は、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)で形成される。また、励磁コイル3は、2本のエナメル線41が長手方向Xに隣り合って並走する構成とすることができる。
筒40の厚さw2は、例えば0.5mmとする。また、並走する2本のエナメル線41間の距離xは、専用のコイル巻き工具を用いて、例えば0.5mmに設定する。この場合、エナメル線41の絶縁被膜の厚さは小さいので、励磁コイル3の導体間の距離L1は0.5mm(図13(a)においてx=0.5、y1=y2≒0)となる。また、励磁コイル3の導体と磁性コア2との間の距離L2は、筒40の厚さである0.5mm(図13(b)においてz=0.5、y≒0)となる。これにより、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0を満足することができる。
したがって、本実施例の構成によっても、近接効果の影響を低減することができ、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
《実施例4》
実施例4に係る構成を説明する。以下、実施例1と共通の参照符号を付した要素は、実施例1で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる部分を主に説明する。
図12は、実施例4に係る磁界発生手段としての磁界発生ユニット4を示す概略図である。本実施例の励磁コイル3は、1本の巻線で構成される。この場合、励磁コイル3の導体間の距離L1は、同一の巻線の長手方向Xに隣り合う部分同士の導体間の距離xに基づいて算出する。距離xは、励磁コイル3の巻線の一部である第1部分3-1の外周面と、第1部分3-1から磁性コア2の周りを1周巻き回されて長手方向Xにおいて第1部分3-1に隣り合う励磁コイル3の第2部分3-2の外周面と、の間の距離である。また、巻線が絶縁被覆を有する場合は、第1部分3-1及び第2部分3-2の絶縁被覆の厚さを図13(a)のy1,y2として距離xに加算した値が距離L1となる。
なお、図12に示すように励磁コイル3の巻線ピッチが長手方向Xで一定でない場合、巻線ピッチが最も短い領域を基準にして算出した距離L1がL1>0.1を満たすようにすることで、近接効果の影響をより確実に低減することができる。
本実施例の構成によっても、L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0を満足するように構成することで、近接効果の影響を低減することができ、励磁コイルの通電時の発熱を低減可能な定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
(その他の実施形態)
定着装置(像加熱装置)は、熱定着の原理を利用して画像に光沢を付与し、又は溶融させたトナーを介してシート同士を接着(圧着)する装置を含む。
《本開示のまとめ》
本開示には、少なくとも以下の各構成が含まれる。
(構成1)
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の内部空間に挿通された磁性コアと、
前記磁性コアの外周側を前記回転体の周方向に周回しながら前記回転体の母線方向に延びる螺旋状に形成された励磁コイルであって、交流電流を流すことで前記導電層に電流を誘導するための交番磁界を発生させる励磁コイルと、
を備え、前記電流によって加熱された前記回転体を用いて画像を記録材に定着させる定着装置であって、
前記励磁コイルの前記母線方向に隣り合う導体間の距離をL1(mm)とし、前記励磁コイルの導体と前記磁性コアとの間の距離をL2(mm)とするとき、
L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0である、
ことを特徴とする定着装置。
(構成2)
前記励磁コイルは、第1巻線と、前記第1巻線に沿って巻き回された第2巻線と、を含み、
前記距離L1は、前記第1巻線及び前記第2巻線の導体間の距離である、
ことを特徴とする構成1に記載の定着装置。
(構成3)
前記励磁コイルは、1本の巻線で構成され、
前記距離L1は、前記巻線の前記母線方向に隣り合う部分同士の導体間の距離である、
ことを特徴とする構成1に記載の定着装置。
(構成4)
前記励磁コイルの導体同士の間、及び、前記励磁コイルの導体と前記磁性コアの外周面との間に設けられた絶縁性の樹脂層を更に備える、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
(構成5)
前記樹脂層は、前記励磁コイルの導体を覆う絶縁被覆を含む、
ことを特徴とする構成4に記載の定着装置。
(構成6)
前記励磁コイルは、前記磁性コアの外周面に巻き回されており、
前記絶縁被覆の厚さは、0.1mmより大きく2.0mm未満である、
ことを特徴とする構成5に記載の定着装置。
(構成7)
前記樹脂層は、フッ素樹脂である、
ことを特徴とする構成4乃至6のいずれかに記載の定着装置。
(構成8)
前記樹脂層は、前記励磁コイルを内側に挿通された樹脂製の筒を含み、
前記励磁コイルは、前記筒の外周面に巻き回されている、
ことを特徴とする構成4又は5に記載の定着装置。
(構成9)
L1≧0.20である、
ことを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の定着装置。
(構成10)
L1≧0.38である、
ことを特徴とする構成1乃至9のいずれかに記載の定着装置。
(構成11)
0.15≦L2≦1.78である、
ことを特徴とする構成1乃至9のいずれかに記載の定着装置。
(構成12)
0.19≦L2≦1.59である、
ことを特徴とする構成1乃至10のいずれかに記載の定着装置。
(構成13)
記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像を前記記録材に定着させる構成1乃至12のいずれかに記載の定着装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
1…回転体(定着フィルム)/2…磁性コア/3…励磁コイル/13…樹脂層(絶縁被覆)/14…導体/40…樹脂層(筒)/X…回転体の母線方向

Claims (13)

  1. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の内部空間に挿通された磁性コアと、
    前記磁性コアの外周側を前記回転体の周方向に周回しながら前記回転体の母線方向に延びる螺旋状に形成された励磁コイルであって、交流電流を流すことで前記導電層に電流を誘導するための交番磁界を発生させる励磁コイルと、
    を備え、前記電流によって加熱された前記回転体を用いて画像を記録材に定着させる定着装置であって、
    前記励磁コイルの前記母線方向に隣り合う導体間の距離をL1(mm)とし、前記励磁コイルの導体と前記磁性コアとの間の距離をL2(mm)とするとき、
    L1>0.1、且つ、0.1<L2<2.0である、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記励磁コイルは、第1巻線と、前記第1巻線に沿って巻き回された第2巻線と、を含み、
    前記距離L1は、前記第1巻線及び前記第2巻線の導体間の距離である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記励磁コイルは、1本の巻線で構成され、
    前記距離L1は、前記巻線の前記母線方向に隣り合う部分同士の導体間の距離である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記励磁コイルの導体同士の間、及び、前記励磁コイルの導体と前記磁性コアの外周面との間に設けられた絶縁性の樹脂層を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記樹脂層は、前記励磁コイルの導体を覆う絶縁被覆を含む、
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記励磁コイルは、前記磁性コアの外周面に巻き回されており、
    前記絶縁被覆の厚さは、0.1mmより大きく2.0mm未満である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記樹脂層は、フッ素樹脂である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  8. 前記樹脂層は、前記励磁コイルを内側に挿通された樹脂製の筒を含み、
    前記励磁コイルは、前記筒の外周面に巻き回されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  9. L1≧0.20である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. L1≧0.38である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 0.15≦L2≦1.78である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 0.19≦L2≦1.59である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像を前記記録材に定着させる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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