JP2024027966A - ゲーム制御装置、ゲームシステム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はゲーム制御装置、ゲームシステム及びプログラムに関する。
従来、様々なゲームプログラムを実行し、ユーザがコントローラ等の操作部を操作することによってゲームを楽しむことができるゲーム装置が普及している。例えば、従来の野球ゲームの投球操作においては、投手キャラクタが投球可能な複数の球種の中から任意の球種をユーザが選択して、投手キャラクタに投球させることが可能となっている。
上記従来のゲームでは、投手キャラクタを操作するユーザは、当該投手キャラクタにとって最も強い球種(いわゆる決め球)を多投する傾向があり、ゲームが単調になりユーザに飽きられてしまう恐れがあった。
一方、現実の野球では、投手が同じ球種を多投することで打者の目が慣れて、打者に痛打される確率が高くなるというデメリットがある。
そこで、本発明の目的の一つは、例えば、同じ球種の多投等による「目の慣れ」をゲームに効果的に反映させて興趣性の高いゲームを実現することにある。
本発明の一態様によるゲーム制御装置は、移動体を複数回数移動させるゲームを制御するものであって、ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する移動パラメータ決定手段と、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体を移動させる移動制御手段と、前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に、前記移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報を画面に表示する移動予測情報表示手段と、過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段とを含み、前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する。
本発明の他の一態様によるゲームシステムは、サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、移動体を複数回数移動させるゲームを制御するゲームシステムであって、ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する移動パラメータ決定手段と、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体を移動させる移動制御手段と、前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に、前記移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報を画面に表示する移動予測情報表示手段と、過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段とを含み、前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
[1.ゲーム装置の構成]
図1は、ゲーム装置10(ゲーム制御装置の一例)のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
ユーザが操作するゲーム装置10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム装置10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
[1.ゲーム装置の構成]
図1は、ゲーム装置10(ゲーム制御装置の一例)のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
ユーザが操作するゲーム装置10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム装置10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
ゲーム装置10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18と、記録媒体ドライブ19とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインBUSを介して相互に接続されている。なお、バスラインBUSと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム装置10は、表示部20及び音声出力部21を備えている。
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム装置10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。
なお、表示部20は、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部20が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部20はゲーム装置10の構成には含まれない。
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。音声出力部21はスピーカーを含む。
なお、音声出力部21も、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるスピーカー(テレビジョンのスピーカーを含む)、ヘッドホン又はイヤホン等であってもよい。このように、音声出力部21が外部接続されるスピーカー等の場合、当該音声出力部21はゲーム装置10の構成には含まれない。
なお、音声出力部21も、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるスピーカー(テレビジョンのスピーカーを含む)、ヘッドホン又はイヤホン等であってもよい。このように、音声出力部21が外部接続されるスピーカー等の場合、当該音声出力部21はゲーム装置10の構成には含まれない。
記録媒体ドライブ19としては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体RMとしては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブ19は、記録媒体RMから画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
ゲーム装置10は、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、一方のゲーム装置10を操作するユーザAと、他方のゲーム装置10を操作するユーザBとが、ネットワークを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、各ゲーム装置10がサーバにログインし、当該サーバによってマッチングされたゲーム装置10間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム装置10間のデータのやり取りを、サーバを経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
ゲーム装置間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
一方、P2P等で接続されるゲーム装置10間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム装置10間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム装置10では、複数台のゲーム装置間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
上述のようにゲーム装置10としては、据置型のゲーム機、携帯型のゲーム機、スマートフォン等の様々な形態を適用できるが、以下では、ゲームコントローラを操作部16とする据置型等のゲーム装置10である場合を例に挙げて説明する。ゲームコントローラは、ケーブル等の有線を介してゲーム装置10に接続されてもよいし、赤外線やBluetooth(登録商標)等の無線を介してゲーム装置10に接続されてもよい。ゲームコントローラの操作状態は一定周期毎(例えば、1フレーム:1/60秒毎)にスキャンされ、そのスキャン結果を示す情報が、ゲームコントローラからゲーム装置10へ送信される。なお、画面一体型等のゲーム装置10において、画面がタッチパネルになっている場合には、ユーザが指またはスタイラスペン等で画面に接触することにより、各種操作ができるようにしてもよい。
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲーム装置10では、例えば、野球、サッカー、テニス、バレーボール、クリケット等を題材としたスポーツゲーム等、各種ゲームを実行できる。以下では、ゲーム装置10で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲーム装置10では、例えば、野球、サッカー、テニス、バレーボール、クリケット等を題材としたスポーツゲーム等、各種ゲームを実行できる。以下では、ゲーム装置10で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
本実施形態の野球ゲームでは、例えば、ゲーム内で使用可能なキャラクタとして実在の野球選手を模した選手キャラクタが提供される。すなわち、実在の野球選手の名前が設定され、かつ、当該野球選手の能力や実績に基づいて能力パラメータが設定された選手キャラクタが提供される。なお、選手キャラクタは、例えば、架空の野球選手を示す選手キャラクタであってもよい。また、本実施形態の野球ゲームには、オリジナルの選手キャラクタを育成するゲームモードが搭載されている。この育成モードで育成が完了したオリジナルの選手キャラクタを、実在の野球選手を模した選手キャラクタとともに、種々のゲームモードで使用できるようにしてもよい。
本実施形態の野球ゲームには、前記育成モードの他にも様々なゲームモードが搭載されている。例えば、ユーザがコンピュータ(CPU)を相手に対戦を楽しむコンピュータ対戦モード(またはCPU対戦モードとも称される)がある。また、例えば、1台のゲーム端末10に2つ以上のコントローラを接続して2人のユーザが対戦できるオフライン対戦モードもある。また、本実施形態の野球ゲームには、ユーザが他のユーザと通信対戦できる通信対戦モードも搭載されている。この通信対戦モードでは、ユーザは、ネットワークNを介して、遠隔地の他のユーザと、オンラインでリアルタイム対戦が可能である。以下では、2人のユーザがオンラインでリアルタイム対戦を行う場合を例に挙げて説明する。
前記リアルタイム対戦では、例えば、ユーザのチームと、対戦相手のチーム(ネットワークN上の他のユーザの野球チーム)との試合が、それぞれのゲーム装置10における操作に基づいて、通信対戦で進行する。例えば、ユーザが守備側で、対戦相手のユーザが攻撃側であれば、対戦相手のユーザの操作(投球操作又は守備操作)に応じて選手キャラクタが投球又は守備を行い、ユーザの操作(打撃操作又は走塁操作)に応じて選手キャラクタが打撃又は走塁を行う。このようなアクションゲームでは、選手キャラクタに対する各ユーザの操作に基づいて、ゲーム内の試合の状況が更新されていく。このリアルタイム対戦は、eスポーツ(electronic sports)でも利用される対戦方式である。
本実施の形態の野球ゲームでは、投手の投球内容に応じて、打者側の画面に表示する、投球されたボールの回転状態を示すシーム(ボールの縫い目)の表示開始タイミングを変更する。例えば、投手が同じ球種を連投したり、多投したりすると、打者に対してシームを表示するタイミングを早める。打者に対するシームの表示開始タイミングを早めると、打者はいち早く球種を察知してボールの軌道の変化方向および変化量を予測できるようになる。このように、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで、打者の「目の慣れ」を表現する。また、例えば、投手が同じ投球コース(同一と評価される投球コース)にボールを集める投球をした場合も、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現してもよい。また、例えば、投手が同じ様な球速(同一と評価される球速)のボールを多投した場合も、同様に「目の慣れ」を表現してもよい。シームの表示開始タイミングを変更する以外にも、シームの大きさ、濃度、色、点滅の状態等を変更することによっても、打者の「目の慣れ」を表現することができる。
(同じ球種の多投)
以下には、主に、投手が同じ球種を多投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
以下には、主に、投手が同じ球種を多投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
まず、投手キャラクタが投球できる球種等のパラメータについて説明する。図2は、投手キャラクタのパラメータの一例を示す図である。ユーザが複数の投手キャラクタの中から1つを選択して能力を確認するための操作を行うことにより、画面の領域A100には選択した投手キャラクタの能力パラメータ等が表示される。表示領域A101には、投手キャラクタのポジション、名前、背番号、投球フォームおよび利き腕の情報が表示される。表示領域A102には、投手キャラクタの選手ランクが表示される。この選手ランクが高いほど、総合能力が高いことを示す。表示領域A103には、投手キャラクタの「スタミナ」および「疲労回復」のパラメータが表示される。「スタミナ」パラメータはスタミナの多さを示し、「疲労回復」パラメータは疲労の回復力を示す。「スタミナ」および「疲労回復」とも、高い順にS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクで表示される。
表示領域A111~A116には、投手キャラクタの持ち球(投球可能な球種)の情報が表示される。ここでは、投手の利き腕が左の場合を示す。球種は、ストレート系、右方向(水平方向右向き)に変化するスライダー系、右下方向に変化するカーブ系、下方向(鉛直方向)に変化するフォーク系、左下方向に変化するシンカー系、左方向(水平方向左向き)に変化するシュート系の6つのカテゴリーに分類される。前記の変化の方向は、投手側からホームベースの方を見た場合の方向であり、投手の利き腕が右の場合は、左右の方向が逆になる。投手キャラクタによって、ストレートの最高球速は異なっている。また、変化球(ストレート以外の球種)は、球種ごとに球速、変化する方向、変化量が異なっている。また、同じ変化球の球種でも、投手キャラクタの能力に応じて、変化量が異なっている。
ストレート系球種としては、例えば、ストレート、ツーシーム、ムービングファスト、超スローボール等がある。スライダー系球種としては、例えば、スライダー、高速スライダー、カットボール等がある。カーブ系球種としては、例えば、カーブ、スローカーブ、ドロップ、ドロップカーブ、スラーブ、ナックルカーブ等がある。フォーク系球種としては、例えば、フォーク、パーム、チェンジアップ、V(Vertical)スライダー、ナックル、SFF(Split Finger Fastball)等がある。シンカー系球種としては、例えば、シンカー、スクリュー、高速シンカー、サークルチェンジ等がある。シュート系変化球としては、例えば、シュート、高速シュート、シンキングツーシーム等がある。その他にも、ゲーム内で独自に軌道を規定したオリジナル球種を設けてもよい。
表示領域A111はストレート系、表示領域A112はスライダー系、表示領域A113はカーブ系、表示領域A114はフォーク系、表示領域A115はシンカー系、表示領域A116はシュート系の球種の情報をそれぞれ表示する。表示領域A111~A116のそれぞれには、投球可能な球種の名前、当該球種の「球威」および「コントロール」の情報が含まれる。表示領域A111~A116にそれぞれ表示される2つのアルファベットは、左側が球威、右側がコントロールのパラメータを示し、高い順にS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクで表示される。
また、表示領域A111には、ストレートの最高球速の情報も表示される。また、表示領域A112~A116には、各変化球の変化量を示すゲージとしての機能を有するアイコンが表示される。ここで、変化球の変化量とは、投手キャラクタの能力パラメータの一つであり、変化球の曲がりの大きさを示すものである。換言すれば、投手キャラクタが変化球を投げた場合のボールの軌道の変化の大きさを示すものである。変化量は、「1」~「7」の7段階で示され、「1」が最も変化量が小さく、「7」が最も変化量が大きい。図2に示す例では、投手キャラクタは、「高速スライダー」の変化量が「2」、「カーブ」の変化量が「6」、「フォーク」の変化量が「2」、シンカーの変化量が「4」、「高速シュート」の変化量が「3」の能力を有することを示している。
投手キャラクタによって、投球可能な球種、球種毎の球威、コントロールおよび変化量は異なる。図2に例示する投手キャラクタの場合、6つの球種を持ち球とするが、持ち球が5つ以下または7つ以上の投手キャラクタも存在する。また、同一カテゴリーの球種(すなわち、同じ変化方向の球種)を複数有する投手キャラクタも存在する。各ユーザがゲームで使用する投手キャラクタは、ユーザ自身が複数の投手キャラクタの中から選択可能としてもよいし、ゲーム運営者が予め定めた投手キャラクタとしてもよい。
次に、投球操作について説明する。図3には、投手キャラクタPCを操作するユーザのゲーム装置10-1に表示される画面G10の一例を示している。画面G10は、球種選択操作を行うための投球画面の一例を示す。図3に示すように、投球の場面では、投手キャラクタPCの後方に配置された仮想カメラで撮像した画像が、画面G10に表示される。画面G10には、投手キャラクタPC、打者キャラクタBT、捕手キャラクタCT、ストライクゾーンSZ、球種選択用アイコンPT等が表示される。
なお、図3では省略しているが、画面G10には、主審キャラクタ、現在のイニング、得点、ボールカウント、アウトカウント、打席に立っている打者キャラクタBTの情報(名前、打率等の打撃成績、能力パラメータ、得意ゾーン、苦手ゾーン等)、投手キャラクタPCの情報(名前、防御率等の投手成績、持ち球、能力パラメータ等)、走者の情報、現在の風向き及び風の強さ(風速)の情報等も表示される。
投球操作を行うユーザは、球種の選択、投球位置(投球コース)の指定およびボールリリースタイミングの指定ができる。球種の選択に関し、例えば、画面G10には球種選択用アイコンPTが表示される。ユーザは、この球種選択用アイコンPTを見ながらコントローラ(アナログスティックまたは方向キー等)を操作して球種を選択する。
図3に示す球種選択用アイコンPTの例では、中央に位置するパラメータ表示部PT7の周囲に、6本のラインPT1~PT6が延びている。PT1が「ストレート系」、PT2が「スライダー系」、PT3が「カーブ系」、PT4が「フォーク系」、PT5が「シンカー系」、PT6が「シュート系」の球種を選択するためのラインである。ラインPT1~PT6のそれぞれには、投手キャラクタPCの持ち球の球種が設定されている。投手キャラクタPCによって持ち球は異なるので、投手キャラクタPCが変わればラインPT1~PT6に設定される球種も異なる。図2に例示する投手キャラクタPCの場合、PT1に「ストレート」、PT2に「高速スライダー」、PT3に「カーブ」、PT4に「フォーク」、PT5に「シンカー」、PT6に「高速シュート」の球種が設定され、6種類の球種から1つを選択可能である。
ユーザの操作によって選択されている球種は、選択球種表示領域A11に表示される。図3では、「カーブ」が選択されている例を示している。また、現在選択中の球種の「球威」および「コントロール」のランクが、パラメータ表示部PT7に表示される。また、現在選択中のラインPT3には、球種の「変化量」がゲージの長さにより表示される。ユーザは、球種を選択した状態で、コントローラの所定のボタンを押すことで球種の選択を確定する。
球種の選択が確定した後は、図4に例示する画面G20に遷移する。画面G20は、投球位置指定操作を行うための投球画面の一例を示す。画面G20には、初期位置(例えばストライクゾーンSZの真ん中)に、投球位置を指定するための投球カーソルP21が表示される。ユーザは、コントローラ(アナログスティックまたは方向キー等)を操作して、投球カーソルP21を移動させることにより投球位置を指定できる。なお、図4では表示を省略しているが、投球カーソルP21には、矢印等により変化球の変化方向および変化量も示される。ユーザは、投球カーソルP21を任意の位置まで移動させて、コントローラの所定のボタンを押すことで投球位置の指定を確定する。なお、投球位置の指定には制限時間(例えば5秒間)が設けられている。この制限時間内に投球位置の指定を確定する操作をしなければ、制限時間の経過タイミングにおける投球カーソルP21の位置に基づいて、投球位置の指定が確定する。
投球位置の指定が確定した後は、投手キャラクタPCが投球モーション(投球動作)を開始する。そして、投手キャラクタPCがボールをリリースする所定時間前になると、図5に例示する画面G30には、サークルP31が出現する。画面G30は、ボールリリースタイミング指定操作を行うための投球画面の一例を示す。サークルP31は、円形の投球カーソルP21と同心円であり、且つ、投球カーソルP21よりも大きい。そしてサークルP31は、その径が徐々に小さくなって収束する。サークルP31の円周と投球カーソルP21の円周とが重なるタイミング(これを「べストピッチタイミング」と称する)で、ユーザがボールリリースタイミング指定操作を行うことができれば、最も球威のある球を投げることができる。一方、べストピッチタイミングからズレたタイミングでボールリリースタイミング指定操作を行った場合は、当該ズレの大きさに応じて球威が低下したり、コントロールの乱れが生じたりする。
ボールリリースタイミング指定操作の後、選択された球種、当該球種のパラメータ、指定された投球位置、入力されたボールリリースタイミングに基づいて、既知のアルゴリズムを適用して、ボールの球速や軌道が演算される。そして、ストライクゾーンSZを含む投球可能領域におけるボールの最終的な到達点の位置(最終的な投球位置)が決定される。このようにして、投球パラメータ(球種、球速、軌道、投球位置等)が決定される。そして、図6に例示するように、投手キャラクタPCが投球したボールBLが3次元ゲーム空間内を移動する動画が投球画面G40に表示される。また、投球画面G40にも、投球可能領域において、打者側の画面に表示される後述の投球予測点PP(図10参照)と同じ位置関係を示す投球予測点P41が表示される。
次に、前述の投球操作を行ったユーザと対戦する相手ユーザによる打撃操作について説明する。
図7には、打者キャラクタBTを操作する相手ユーザのゲーム装置10-2に表示される画面G50の一例を示している。画面G50は、投手キャラクタPCが投球モーションに入る前の打撃画面の一例を示す。打撃の場面では、ホームベースHBの後方に配置された仮想カメラで撮像した画像が、画面G50に表示される。画面G50には、投手キャラクタPC、打者キャラクタBT、ホームベースHB、ストライクゾーンSZ、ミートカーソルMC等が表示される。
図7には、打者キャラクタBTを操作する相手ユーザのゲーム装置10-2に表示される画面G50の一例を示している。画面G50は、投手キャラクタPCが投球モーションに入る前の打撃画面の一例を示す。打撃の場面では、ホームベースHBの後方に配置された仮想カメラで撮像した画像が、画面G50に表示される。画面G50には、投手キャラクタPC、打者キャラクタBT、ホームベースHB、ストライクゾーンSZ、ミートカーソルMC等が表示される。
なお、図7では省略しているが、画面G50には、現在のイニング、得点、ボールカウント、アウトカウント、打席に立っている打者キャラクタBCの情報(名前、打率等の打撃成績、能力パラメータ等)、投手キャラクタPCの情報(名前、防御率等の投手成績、持ち球、能力パラメータ等)、走者の情報、現在の風向き及び風の強さ(風速)の情報等も表示される。
ホームベースHBの上方に設けられるストライクゾーンSZは、投手キャラクタPCが投球した球が到達することでストライクとして判定される領域である。打者キャラクタBTは、ストライクゾーンSZおよびその周辺のボールゾーンを含む打撃可能領域A51内において、投球されたボールを打撃可能である。打撃可能領域A51は、例えばバッテリー間(投手と捕手との間)を結ぶ水平な方向(すなわち、投球方向)に対して垂直な面上の領域であり、ストライクゾーンSZを含む。領域A52は、ストライクゾーンSZおよび打撃可能領域A51と同一面上にあり、投手キャラクタPCが投げたボールが到達可能な投球可能領域(到達可能領域の一例)を示す。この投球可能領域A52は、打撃可能領域A51を含み、打撃可能領域A51よりも大きい領域である。これは、投手キャラクタPCが投げるボールは、バットBT1が届かない位置やデッドボールになる位置にも投球され得るからである。図7に点線で示す打撃可能領域A51および投球可能領域A52は、視覚可能に表示されないが、表示されるようにしてもよい。
ミートカーソルMCは、投手キャラクタPCが投球したボールに対する打撃位置または打撃領域(バットBT1がボールに当たる位置または領域)を指定するためのオブジェクトである。ミートカーソルMCは、打撃可能領域A51に設けられ、ユーザの操作に基づいて打撃可能領域A51内を移動可能である。ミートカーソルMCの初期位置は、例えば、ストライクゾーンSZの中心、すなわち打撃可能領域の中心に設定される。例えば、ミートカーソルMCは1球毎に初期位置に設定され、ユーザがコントローラを操作して任意の位置に移動させる。
ミートカーソルMCの大きさは、基本的に、打者キャラクタBTのミート能力によって決定される。打者キャラクタBTのミート能力が高いほど、ミートカーソルMCが大きく設定される。また、ユーザの操作に基づいて、通常打撃モードと強振打撃モードを切り替えることができる。強振打撃モードでは、ミートカーソルMCが通常打撃モードの場合よりも小さくなり、投球されたボールをミートすることが難しくなる一方、打球が飛び易くなる。図7の例では、強振打撃モードのミートカーソルMCが表示されている。
打撃操作は、投球されたボールBLが投球可能領域A52に到達する位置(「到達点」と称する)にミートカーソルMCを移動させる操作と、ボールBLが到達点に到達するタイミングを見計らって、打撃タイミング(バットを振るタイミング)を指定する操作とを含む。本実施の形態のゲームでは、ボールBLがリリースされた後に、投球予測点PP(図9および図10参照)が表示される例を示す。この投球予測点PPは、投球可能領域A52に到達(着弾)するボールBLの到達点を予測するためのオブジェクトである。投球予測点PPは、「着弾点」等とも称される。よって、打撃操作をするユーザは、ボールBLがリリースされた後は、3次元ゲーム空間を移動するボールBLとともに、投球予測点PPを見ながら、ミートカーソルMCを移動させる操作を行う。
投手キャラクタPCを操作するユーザが、前述した球種の選択および投球位置の指定を確定した後、図7の画面G50では投手キャラクタPCが投球モーションを開始する。本実施形態のゲームでは、投手キャラクタPCが投球モーションを開始すると、ストライクゾーンSZが消去される。なお、ストライクゾーンSZの表示については、ボールリリースまで、またはボールリリース後も継続表示してもよい。
図8は、投手キャラクタPCがボールBLをリリースした直後の打撃画面G60の一例を示す。ボールBLのリリース直後には、まだ投球予測点PPは表示されていない。図9は、投球可能領域A52に投球予測点PPの表示が開始された打撃画面G70の一例を示す図である。ボールBLがリリースされてから所定の時間後に、投球可能領域A52に投球予測点PP(到達予測点の一例)の表示が開始される。本実施形態のゲームでは、投球予測点PPの表示開始タイミングと、投球予測点PPに表示されるシームSE(図10参照)の表示開始タイミングとが必ずしも一致しない(詳細は後述する)。また、ボールBLがリリースされてから投球予測点PPの表示が開始されるまでの期間は、一定(固定)であってもよいし、球種によって変化してもよいし、同じ球種でも投球比率によって変化してもよい(詳細は後述する)。
投球予測点PPが最初に表示される位置は、投球されたボールBLの軌道が変化しなければ投球可能領域A52に到達する位置である。例えば、ストレートの球種が投球された場合、投球されたボールBLの軌道は変化球のように途中で変化しないため、投球予測点PPは表示当初の位置から移動しない。すなわち、ストレートの球種が投球された場合、投球可能領域A52に表示される投球予測点PPは、表示当初から最終的なボールBLの到達位置に表示される。
但し、投球予測点PPは、必ずしも表示当初から最終的なボールBLの到達位置に表示されのではなく、変化球の場合はボールBLの移動中の軌道変化に応じて、投球可能領域A52内で投球予測点PPが移動する。図11には、一例として、左投げの投手キャラクタPCがカーブ(または、右投げの投手キャラクタPCがシンカー)を投球した場合のボールBLの軌道変化に伴って、投球可能領域A52内で投球予測点PPが移動する状態を示している。なお、図11では、ボールBLと投球予測点PPの表示及び挙動を説明するため、それ以外の画像は省略している。
3次元ゲーム空間を移動するボールBLの軌道の変化(変化方向および変化量)は、投球可能領域A52の面(xy平面)上に投影され、投球予測点PPの移動として表現される。すなわち、変化球の場合、ボールBLの進行方向(z軸方向)に対して垂直な平面(xy平面)上において、水平方向および/または垂直方向にボールBLの座標位置が変化するので、このボールBLの位置変化が、投球可能領域A52における投球予測点PPの位置変化として反映(投影)される。前述のとおり、ストレートの球種の場合、投球予測点PPは移動しないので、ストレートの軌道からの変化(変化方向および変化量)が、投球可能領域A52内の投球予測点PPの移動に反映されることになる。
図10は、投球予測点PPにシームSEの表示が開始された打撃画面G80の一例を示す図である。図10の打撃画面G80では、図9の打撃画面G70で投球予測点PPの表示が開始されてから所定の時間後に、投球予測点PPへのシームSEの表示が開始された例を示している。シームSEは、ボールBLの移動中の回転状態を示すものである。投球されたボールの回転に伴い、投球予測点PPには、打者から見たシームSEの時系列変化の動画が表示される。投球されたボールBLの球種に応じて、シームSEの回転方向、回転軸および回転速度が設定されている。よって、球種が異なれば、シームSEの回転方向、回転軸または回転速度の少なくとも1つが異なる。
図12は、球種によってシームSEの回転方向、回転軸または回転速度が異なることを説明するための図である。図12の例では、投手の利き腕が左の場合に、打者から見たシームSEの見え方が、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、「シンカー」、「シュート」の各球種により、どのように異なるかを示している。図12において一点鎖線で示す軸が、各球種の回転軸である。また、図13は、「ストレート」および「スライダー」の球種をそれぞれ例に挙げて、投球予測点PPに表示されるシームSEの見え方の時系列的な変化の一例を示している。
図12に例示するように、「ストレート」の回転方向および回転軸は、「フォーク」と同じであるがそれ以外と異なっている。また、「ストレート」の回転速度は、「フォーク」の回転速度よりも大きい。よって、打撃操作を行うユーザが、シームSEの回転状態を見極めれば、「ストレート」の球種を特定し得る。また、「スライダー」、「カーブ」、「シンカー」または「シュート」は、それぞれ図12の他の球種と回転方向が異なる。
なお、例えば、カーブ系のカテゴリーの球種の場合、カーブ、スローカーブ、ドロップ、ドロップカーブ、スラーブ、ナックルカーブ等の球種があり、同一カテゴリーに含まれる球種の場合は、基本的に同様の回転軸および回転方向となる。しかし、同一カテゴリーに含まれる球種であっても、球種によって回転速度が異なる。例えば、カーブの方がスローカーブよりも回転速度が大きい。また、同一カテゴリーに含まれる球種であっても、球種によって回転軸の傾きが若干違うものもある。また、同一カテゴリーに含まれる球種であっても、球種によって投手のボールの握り方に違いがあり、当該握り方の違いから同じ方向に回転してもシームSEの模様の見え方が異なる。従って、どの球種も、シームSEの回転状態を見極めれば、球種の特定も可能である。
なお、打撃操作を行うユーザが、シームSEの回転状態の見え方に慣れなければ、具体的な球種の特定には困難を伴うが、これがゲーム性を高める要素ともなり得る。また、ユーザがシームSEの回転状態の見え方にある程度慣れれば、シームSEの回転方向、回転軸または回転速度から、どの方向にどの程度、ボールBLまたは投球予測点PPが移動するのかを予想することは可能である。
打撃操作を行うユーザは、上述のように投球予測点PPに表示されるシームSEの回転方向、回転軸、回転速度等から球種を判断する(いわゆる球種を読む)。また、当該ユーザは、読んだ球種と、現在の投球予測点PPの位置とを併せて考慮し、最終的なボールBLの到達点を推測する。そして、当該ユーザは、推測した最終的な到達点にミートカーソルMCを移動させ、打撃のタイミングを計り打撃操作を行う。したがって、シームSEの表示を開始するタイミングを早めるほど、打撃操作を行うユーザが球種を見極める時間が長くとれるため、打撃操作を行うユーザには有利となる。
本実施形態のゲームでは、所定期間(1打席内、1イニング内または1試合内等)の球種毎の投球比率に基づいて、シームSEの表示開始のタイミングを決定する。すなわち、今回(現在)の投球で使用される球種と同じ球種の所定期間内の投球比率によって、シームSEの表示開始タイミングを変更する。以下には、所定期間を現在の1打席内とした場合を例に挙げて説明する。
図14は、投手キャラクタPCがボールBLをリリースしてからシームSEの表示が開始されるまでの時間を球種毎に示す「シーム表示開始タイミングテーブルTBL103」の一例を示す。図14に記載の投球比率とは、投手側ユーザの球種選択操作に基づいて決定された「今回の投球の球種」と同じ球種の、現在の打席における比率である。すなわち、現在の打席における現時点までの投球(相手チームの投球)を対象として、「今回の投球の球種」と同じ球種の比率が「投球比率」として算出される。
図15は、投球比率の区分(「低」、「普通」、「高」)を決定するためのテーブルの一例を示す図である。この例では、25%以下を「低」、26%~74%を「普通」、75%以上を「高」として、投球比率を3段階に区分している。図15の例では、小数点以下は四捨五入、切り捨て、または切り上げされる。これは一例であり、各区分の比率の範囲は任意に設定可能である。また、投球比率を2段階または4段階以上に区分してもよい。
ここで、投球比率算出の具体例を示す。現在打席に立っている打者キャラクタBTに対して、投手キャラクタPCが既に4球を投球しているものとする。そして、4球のうち、「ストレート」が1球と「カーブ」が3球とが投球されていたものとする。この投球内容の履歴は、ゲーム装置10のRAM13または補助記憶装置14に記憶されている。ここで、5球目となる「今回の投球の球種」が「ストレート」の場合、現在の打席でのこれまでの「ストレート」の投球比率は25%(1/4)であり、図15の比率テーブルに基づいて、投球比率「低」が適用される。また、「今回の投球の球種」が「カーブ」の場合、現在の打席でのこれまでの「カーブ」の投球比率は75%(3/4)であり、投球比率「高」が適用される。また、「今回の投球の球種」が「ストレート」と「カーブ」以外の球種の場合、当該球種の現在の打席でのこれまでの投球比率は0%であり、投球比率「低」が適用される。
なお、バリエーションとしては、投球比率を算出する場合に、今回の投球を含めて投球比率を算出してもよい。例えば、上記の具体例において5球目となる「今回の投球の球種」が「ストレート」の場合、投球比率を80%(1/5)と計算してもよい。なお、今回の投球を含めて投球比率を算出する場合、現在の打席の1球目に投げる球種は、必ず投球比率が100%となる。つまり、その打席で初めて投球される球種(よって、本来、当該球種には目が慣れていないはず)であるのに、投球比率が「高」となってしまう。よって、この場合、少なくとも1球目は、投球比率によってシームSEの表示開始タイミングを変更する制御の適用対象外とする必要がある。
今回の投球を含めずに投球比率を算出する場合は、現在の打席の1球目に投げる球種は、必ず投球比率が0%(低)となり、1球目から、投球比率によってシームSEの表示開始タイミングを変更する制御の適用対象としてもよい。
なお、本実施形態のゲームでは、各打席の1球目は適用せずに、2球目以降に、投球比率によってシームSEの表示開始タイミングを変更する制御を適用するものとする。すなわち、各打席の1球目は、どの球種が投球される場合でも、図14に例示する「シーム表示開始タイミングテーブル」の投球比率「普通」が適用される。
「今回の投球の球種」が「ストレート」の場合、図14に例示するように、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、投球比率「低」で「7フレーム」、投球比率「普通」で「5フレーム」、投球比率「高」で「3フレーム」である。
図16は、「ストレート」が投球された場合に投球可能領域A52に表示される投球予測点PPおよびシームSEの一例をフレーム毎に示す図である。
「ストレート」の投球比率が「高」の場合、ボールリリースから3フレーム目に投球予測点PPおよびシームSEの表示が開始される。4フレーム以降も「ストレート」のボールBLの回転状態を示すシームSEが表示される。
「ストレート」の投球比率が「高」の場合、ボールリリースから3フレーム目に投球予測点PPおよびシームSEの表示が開始される。4フレーム以降も「ストレート」のボールBLの回転状態を示すシームSEが表示される。
また、「ストレート」の投球比率が「普通」の場合、ボールリリースから3フレーム目に投球予測点PPの表示が開始されるがシームSEは未だ表示されない。その後、5フレーム目にシームSEの表示が開始され、それ以降も「ストレート」のボールBLの回転状態を示すシームSEが表示される。
また、「ストレート」の投球比率が「低」の場合、、ボールリリースから3フレーム目に投球予測点PPの表示が開始されるがシームSEは未だ表示されない。その後、7フレーム目にシームSEの表示が開始され、それ以降も「ストレート」のボールBLの回転状態を示すシームSEが表示される。
また、図14に例示するように、「今回の投球の球種」が「カーブ」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、投球比率「低」で「10フレーム」、投球比率「普通」で「7フレーム」、投球比率「高」で「4フレーム」である。
なお、図14では、「ストレート」および「カーブ」の2種類の球種のみを示し、その他の球種については省略しているが、その他の球種についても、球種毎に、投球比率に応じたシーム表示開始タイミングが設定されている。
図14に示すように、どの球種も、投球比率が高くなるほど、シームSEの表示開始タイミングが早くなる。これにより、投手側のユーザが同じ球種を多投すると、対戦相手の打者側のユーザにとってはシームSEの表示開始タイミングが早くなる。よって、打者側ユーザは、いち早く球種を察知して、最終的な投球位置を推測してミートカーソルMCを移動させることができる。このように、投手側のユーザが同じ球種を多投した場合に、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早めて打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現できる。
ところで、従来のゲームでは、投手側のユーザは、投手キャラクタPCにとって最も強い球種(例えば、最も球威パラメータが大きい球種)を多投する傾向があった。これは、弱い球よりも強い球の方が痛打される可能性が低く、且つ、従来のゲームでは同じ球種を多投することによるデメリットも少ないためである。しかし、現実の野球では、同じ球種を多投することで打者の目が慣れて(軌道やテンポに慣れて)、痛打される確率が高くなるというデメリットがある。一方、従来のゲームでは、投手側のユーザが最も強い球種を多投しても、打者側のユーザにとって多少目が慣れることがあっても痛打に至るほどではなく、投手側のユーザのリスクとしては小さい。これに対して、本実施の形態のゲームでは、上述のとおり、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現し、投手側のユーザが同じ球種を多投した場合のデメリットを、ゲームに効果的に反映させている。
また、図14に示すように、どの球種も、投球比率が低くなるほど、シームSEの表示開始タイミングを遅くしている。すなわち、投手側のユーザが投球比率の低い球種を投球した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを遅くして打者側を不利とすることで、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。
また、図14に例示するように、球速が速い球、例えば「ストレート」の場合、比較的早いタイミングでシームSEの表示が開始される。これは、球速が速い球の場合、シームSEの表示開始が遅いと、打者側の打撃操作の対応が間に合わないことも考慮したものである。また、球速が遅い球、例えば「カーブ」の場合、より球速が速い球よりも遅いタイミングでシームSEの表示が開始される。これは、速い球よりも遅い球の方が、ボールBLのリリースから投球可能領域A52に到達するまでの時間に余裕があるからである。すなわち、球速が速い球も遅い球も、同じタイミングでシームSEの表示を開始すれば、打者側のユーザにとっては遅い球の方が有利となってしまう。そうなると、投手側のユーザとしては、遅い球を選択し難くなるので、これを回避するために、球速が遅い球(例えば「カーブ」)の場合、より球速が速い球(例えば「ストレート」)よりも遅いタイミングでシームSEの表示が開始されるようにしている。
上記のように、本実施の形態のゲームでは、球種に応じて、または球速に応じて、シームSEの表示開始タイミングを設定しており、球種または球速によってシームSEの表示開始タイミングを異ならせている。これにより、どの球種でも、またはどの球速でも、ゲームバランスのとれた興趣性の高いゲームを実現できる。
また、図14に例示するように、ボールBLの球速が遅いほど、投球比率の違いによるシームSEの表示開始タイミングの変化の程度を大きくし、当該変化がより際立つようにしている。
ところで、投球予測点PPの表示開始タイミングとシームSEの表示開始タイミングは、必ずしも一致する必要はなく、本実施の形態では、以下に説明するように設定されている。
図17は、図14に示す「シーム表示開始タイミングテーブルTBL103」について、ボールリリースから投球予測点PPの表示開始までの期間を括弧書きで示したものである。この図17の例では、基本的に、どの球種のどの投球比率であっても、ボールリリースから投球予測点PPの表示開始までの期間を「3フレーム」に設定している。
図17の例では、「ストレート」においては、投球比率「高」の場合は、投球予測点PPおよびシームSEの表示開始タイミングは同じであるが、投球比率「普通」および「低」の場合は、それぞれ投球予測点PPの表示開始後に「2フレーム」および「4フレーム」遅れてシームSEの表示が開始される。また、「ストレート」より低速の「カーブ」においては、投球比率「高」、「普通」および「低」の場合、それぞれ投球予測点PPの表示開始後に「1フレーム」、「4フレーム」および「7フレーム」遅れてシームSEの表示が開始される。また、「スローカーブ」等のさらに低速の球種においては、投球比率「高」、「普通」および「低」の場合、それぞれ投球予測点PPの表示開始後に「2フレーム」、「6フレーム」および「10フレーム」遅れてシームSEの表示が開始される。
バリエーションとしては、図18に例示するように、どの球種であっても、投球予測点PPの表示開始タイミングを、基本的に、投球比率「普通」の場合のシームSEの表示開始タイミングとしてもよい。但し、投球比率「高」の場合、投球比率「普通」の場合よりもシームSEの表示開始タイミングが早くなるので、それに合せて投球予測点PPの表示開始タイミングも早くする。図18の例の場合、投球後の投球予測点PPの表示開始タイミングは、球種によって変化する。また、同じ球種でも、投球比率によって投球予測点PPの表示開始タイミングが変化する。
その他のバリエーションとしては、投球予測点PPの表示開始タイミングを、ボールリリースと同時、または各球種の投球比率「高」のシームSEの表示開始タイミングよりも早いタイミングとしてもよい。この場合、どの球種およびどの投球比率であっても、投球予測点PPの表示開始から遅延してシームSEの表示が開始されることになる。
上記では、現在の打席内の球種毎の投球比率に基づいて、シームSEの表示開始タイミングを決定する例を説明したが、他の期間(例えば1イニング内、1試合内等)を対象とした投球比率を適用する場合は次のとおりである。例えば、適用期間を1イニング内とする場合、現在のイニングの開始から現在までの対戦相手側の全ての投球を対象として、球種毎の投球比率を算出する。また、適用期間を1試合内とする場合、試合開始から現在までの対戦相手側の全ての投球を対象として、球種毎の投球比率を算出する。そして、図14および図15のテーブルに基づいて、シームSEの表示開始タイミングを決定すればよい。
図19は、ボールBLが投球可能領域A52に到達する直前の打撃画面G90の一例を示す。投手キャラクタPCが投球したボールBLが投球可能領域A52に到達するタイミングで、ボールBLの中心はBL投球予測点PPの中心と重なる。打撃操作を行うユーザは、ボールBLの最終的な到達点にミートカーソルMCを移動させ、ボールBLが到達点に到達するタイミングを見計らって、打撃タイミングを指定する。
基本的に、ミートカーソルMCとボールBL(または到達点)との位置関係および打撃タイミングに基づいて、ミートできたかそれとも空振りかが決定され、ミートできた場合は、打球の方向、角度および速度が決定される。例えば、投球可能領域A52におけるミートカーソルMCの中心とボールBLの中心とが所定距離よりも離間していると、空振りとなる。前記所定距離は、ミートカーソルMCの大きさ(打者キャラクタBTのミート能力)により変化し、ミートカーソルMCが大きいほど前記所定距離も大きくなり、ボールBLをミートし易くなる。また、ボールBLが投球可能領域A52に到達するタイミングを含む打撃可能期間から外れたタイミングで打撃タイミングを指定すると、空振りとなる。前記打撃可能期間は、例えば、ボールBLが投球可能領域A52に到達するタイミングの前後2フレームの合計4フレーム期間である。
つまり、投球可能領域A52におけるミートカーソルMCの中心とボールBLの中心とが所定距離以内であり、且つ、打撃可能期間に打撃タイミングを指定した場合に、ボールBLを打ち返すことができる。ミートできた場合は、打球の方向、角度、速度および軌道を含む打球のパラメータが決定される。また、打者キャラクタBTの能力パラメータ(「弾道」、「ミート」、「パワー」、打撃に関する特殊能力等)も併せて考慮されて、打球のパラメータが決定される。また、投手キャラクタPCと打者キャラクタBTとの相性や能力差、風向き、風量等も併せて考慮されて、打球のパラメータが決定されるようにしてもよい。上述のユーザによる打撃操作の結果としての打球の方向、角度、速度および軌道の演算は、既知のアルゴリズムを適用できる。そして、決定された打球のパラメータに基づいて、打球がゲーム空間を移動する動画が画面に表示される。なお、打球の移動中の動画等は画面に表示せずに、打撃結果(例えば、アウト、安打、本塁打等)のみを画面に表示してもよい。
(同じ球種の連投)
以下には、バリエーションとして、投手が同じ球種を連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
以下には、バリエーションとして、投手が同じ球種を連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
図20は、投手キャラクタPCがボールBLをリリースしてからシームSEの表示が開始されるまでの時間を、同じ球種の連投の程度によって変更する「シーム表示開始タイミングテーブル」の一例を示す。図20の例では、「今回の投球の球種」が「ストレート」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、連投でなければ「7フレーム」、2連投であれば「5フレーム」、3連投以上であれば「3フレーム」である。また、「今回の投球の球種」が「カーブ」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、連投でなければ「10フレーム」、2連投であれば「7フレーム」、3連投以上であれば「4フレーム」である。なお、図20では、「ストレート」および「カーブ」の2種類の球種のみを示し、その他の球種については省略しているが、その他の球種についても、球種毎に、同じ球種の連投の程度に応じたシーム表示開始タイミングが設定されている。
図20に例示するように、どの球種も、同じ球種の連投数が多くなるほど、シームSEの表示開始タイミングを早くしている。すなわち、投手側のユーザが同じ球種を連投した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早くして打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。
(同一と評価される球速の多投または連投)
以下には、バリエーションとして、投手が同一と評価される球速の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
以下には、バリエーションとして、投手が同一と評価される球速の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
図21は、投手キャラクタPCがボールBLをリリースしてからシームSEの表示が開始されるまでの時間を、同一と評価される球速の投球比率によって変更する「シーム表示開始タイミングテーブル」の一例を示す。この図21では、球速によって球種を「高速球種」、「中速球種」および「低速球種」の3つに分類し、この球速分類毎にシームSEの表示開始タイミングを設定している。「高速球種」(球速分類ID=S1)には、例えば、ストレート、高速シュート等の比較的球速が速い球種が含まれ、球速が同一と評価される。また、「中速球種」(球速分類ID=S2)には、例えば、カーブ、スライダー等の、「高速球種」よりも球速が遅い球種が含まれ、球速が同一と評価される。また、「低速球種」(球速分類ID=S3)には、例えば、スローカーブ、ナックル等の、「中速球種」よりも球速が遅い球種が含まれ、球速が同一と評価される。
図21のテーブルの例では、「今回の投球の球種」が「ストレート」等の「高速球種」に含まれる球種の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、投球比率「低」で「7フレーム」、投球比率「普通」で「5フレーム」、投球比率「高」で「3フレーム」である。また、「今回の投球の球種」が「カーブ」等の「中速球種」に含まれる球種の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、投球比率「低」で「10フレーム」、投球比率「普通」で「7フレーム」、投球比率「高」で「4フレーム」である。また、「今回の投球の球種」が「スローカーブ」等の「低速球種」に含まれる球種の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、投球比率「低」で「13フレーム」、投球比率「普通」で「9フレーム」、投球比率「高」で「5フレーム」である。
図22は、投手キャラクタPCがボールBLをリリースしてからシームSEの表示が開始されるまでの時間を、同一の球速と評価される球の連投の程度によって変更する「シーム表示開始タイミングテーブル」の一例を示す。「今回の投球の球種」が「高速球種」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、「高速球種」の連投でなければ「7フレーム」、2連投であれば「5フレーム」、3連投以上であれば「3フレーム」である。また、「今回の投球の球種」が「中速球種」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、「中速球種」の連投でなければ「10フレーム」、2連投であれば「7フレーム」、3連投以上であれば「4フレーム」である。また、「今回の投球の球種」が「低速球種」の場合、ボールBLがリリースされてからシームSEの表示開始までの期間は、「低速球種」の連投でなければ「13フレーム」、2連投であれば「9フレーム」、3連投以上であれば「5フレーム」である。
図21または図22に例示するように、どの球速分類においても、同一の球速と評価される球の投球比率が高くなるほど、または同一の球速と評価される球の連投数が多くなるほど、シームSEの表示開始タイミングを早くしている。すなわち、投手側のユーザが同一の球速と評価される球を多投または連投した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早くして打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。
なお、上記の例では、同一の球速と評価される球を、球種によって分類したが、球速範囲によって分類してもよい。例えば、145km/h以上を「高速」、115km/h以上、且つ、145km/h未満を「中速」、115km/h未満を「低速」として、3つの球速帯に分類し、図21または図22のテーブルを適用してもよい。
(同一と評価される投球位置の多投または連投)
以下には、バリエーションとして、投手が同一と評価される投球位置(投球コース)の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
以下には、バリエーションとして、投手が同一と評価される投球位置(投球コース)の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームの表示開始タイミングを早めることで「目の慣れ」を表現する例を説明する。
図24に示すように、ストライクゾーンSZは複数の区分領域に分割される。ここでは、ストライクゾーンSZを、縦3×横3の9個のマス目に分割して、各マス目を分割領域SZ1~SZ9とする。右打者の場合、分割領域SZ1は「内角高め」、SZ2は「真ん中高め」、SZ3は「外角高め」、SZ4は「内角中央」、SZ5は「真ん中」、SZ6は「外角中央」、SZ7は「内角低め」、SZ8は「真ん中低め」、SZ9は「外角低め」の投球コースである。ストライクゾーンSZのそれぞれの区分領域SZ1~SZ9には、これらを一意に識別するための「区分領域ID」が設定される。そして、同一の区分領域に含まれる投球位置は、同一であると評価される。
また、ストライクゾーンSZ周辺のボールゾーンに投球位置がある場合は、当該ボールゾーンの投球位置と隣接する区分領域SZ1~SZ9の投球位置と同一であると評価してもよい。例えば、「内角高め」のボールゾーンへの投球は、分割領域SZ1への投球と同一と評価してもよい。あるいは、ボールゾーンの投球位置は、ストライクゾーンSZ内の投球位置とは異なるものとして扱ってもよい。
そして、例えば、図14および図15に示すテーブルを適用して、同一の投球位置と評価される球の投球比率が高くなるほど、シームSEの表示開始タイミングが早くなるように制御する。あるいは、例えば、図20に示すテーブルを適用して、同一の投球位置と評価される球の連投数が多くなるほど、シームSEの表示開始タイミングが早くなるように制御する。すなわち、投手側のユーザが同一の投球位置と評価される球を多投または連投した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早くして打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現する。
(同一と評価される投球パラメータの回数に基づく制御)
図15に例示したテーブルは、「今回の投球の投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)」と同一と評価される投球の投球比率の算出結果に基づいて、投球比率の区分「低」、「普通」または「高」を決定するためのものである。この図15のテーブルに代えて、図23に例示するテーブルを適用してもよい。図23は、投手側のユーザの操作に基づいて決定された「今回の投球の投球パラメータ」と同一と評価される投球の回数によって、投球比率の区分を決定するためのテーブルの一例を示す。この例では、直近10球の投球のうち「今回の投球の投球パラメータ」と同一と評価される投球の回数が1球以下の場合「低」、2球~4球の場合「普通」、5球以上の場合「高」として、投球比率を3段階に区分している。そして、図23のテーブルにより決定された投球比率の区分「低」、「普通」または「高」に基づいて、図14、図17、図18または図21のシーム表示開始タイミングテーブルを適用して、シーム表示開始タイミングを決定することにより、同一と評価される投球パラメータの回数に基づく制御が可能である。
図15に例示したテーブルは、「今回の投球の投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)」と同一と評価される投球の投球比率の算出結果に基づいて、投球比率の区分「低」、「普通」または「高」を決定するためのものである。この図15のテーブルに代えて、図23に例示するテーブルを適用してもよい。図23は、投手側のユーザの操作に基づいて決定された「今回の投球の投球パラメータ」と同一と評価される投球の回数によって、投球比率の区分を決定するためのテーブルの一例を示す。この例では、直近10球の投球のうち「今回の投球の投球パラメータ」と同一と評価される投球の回数が1球以下の場合「低」、2球~4球の場合「普通」、5球以上の場合「高」として、投球比率を3段階に区分している。そして、図23のテーブルにより決定された投球比率の区分「低」、「普通」または「高」に基づいて、図14、図17、図18または図21のシーム表示開始タイミングテーブルを適用して、シーム表示開始タイミングを決定することにより、同一と評価される投球パラメータの回数に基づく制御が可能である。
以上のように、本実施形態のゲームは、投手側のユーザが同一と評価される投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早めて打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。また、投手側のユーザが投球比率または投球回数の小さい低い投球パラメータの球を投球した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを遅くして打者側を不利とすることで、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図25は、ゲーム装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図25に示すように、ゲーム装置10はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、ROM12、RAM13、及び補助記憶装置14の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
図25は、ゲーム装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図25に示すように、ゲーム装置10はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、ROM12、RAM13、及び補助記憶装置14の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL101、キャラクタテーブルTBL102、シーム表示開始タイミングテーブルTBL103およびゲーム管理データDT104等を記憶する。なお、シーム表示開始タイミングテーブルTBL103(図14参照)については既に説明済みであるため、ここではその説明を省略する。
ユーザ情報テーブルTBL101には、ユーザのユーザIDと関連付けて、ユーザ名、ユーザのゲームレベル、ユーザが使用可能な(例えばユーザが所持する)キャラクタの情報、所持アイテムの情報、所持ポイントの情報等が記憶される。
キャラクタテーブルTBL102には、ゲーム内で用いられる全てのキャラクタの情報が記憶される。このキャラクタテーブルTBL102には、各キャラクタを一意に識別するキャラクタID、選手名、能力パラメータの情報等が含まれる。能力パラメータの情報としては、打者キャラクタの場合は、弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、捕球、特殊能力等が含まれる。また、投手キャラクタの場合は、スタミナ、疲労回復、投球可能な球種(持ち球)、各持ち球のコントロール・球威・球速・変化量、および特殊能力等が含まれる。
ゲーム管理データDT104は、ゲームの進行管理に必要な各種データを含む。図26は、ゲーム管理データDT104のデータ構成の一例を示す。
ゲーム管理データDT104は、ユーザチームデータDT1041、相手チームデータDT1042、ゲーム状況データDT1043、投球パラメータデータDT1044、投球予測点表示開始タイミングデータDT1045、シーム表示開始タイミングデータDT1046および打撃結果データDT1047等を含む。
ゲーム管理データDT104は、ユーザチームデータDT1041、相手チームデータDT1042、ゲーム状況データDT1043、投球パラメータデータDT1044、投球予測点表示開始タイミングデータDT1045、シーム表示開始タイミングデータDT1046および打撃結果データDT1047等を含む。
ユーザチームデータDT1041は、ユーザの野球チームを構成する選手キャラクタの情報、打順およびポジション(守備位置)を含むチームオーダーの情報である。相手チームデータDT1042は、ユーザの対戦相手の野球チームを構成する選手キャラクタの情報、打順およびポジションを含むチームオーダーの情報である。
ゲーム状況データDT1043は、現在の野球の試合の状況を示す情報であり、現在のイニング、得点、マウンドに立っている投手キャラクタPC、打席に立っている打者キャラクタBT、ボールカウント、アウトカウント、出塁状況、現在の風向き、風の強さ等の情報を含む。
投球パラメータデータDT1044は、ユーザの投球操作に基づいて決定された、今回(現在)の投球パラメータ(球種、球速、軌道、投球位置等)の情報である。この投球パラメータの情報は、投球の度に履歴情報としても記憶される。投球予測点表示開始タイミングデータDT1045は、現在の投球に適用される投球予測点PPの表示開始タイミングの情報である。シーム表示開始タイミングデータDT1046は、現在の投球に適用されるシームSEの表示開始タイミングの情報である。打撃結果データDT1047は、現在の投球に対する打撃結果の情報である。
本実施の形態のゲーム装置10は、移動体を複数回数移動させるゲームを制御する。前述の野球ゲームの例では、ゲーム装置10は、ゲーム空間内で投手キャラクタPCが打者キャラクタBTを打ち取るために投げたボールBLを移動させる。
ここで、「移動体」とは、ゲーム空間を移動可能なゲーム要素である。移動体が移動可能な「ゲーム空間」は、例えば、3つの座標軸が関連付けられた仮想的な3次元空間であってもよいし、2つの座標軸が関連付けられた仮想的な2次元平面であってもよい。
「移動体」は、例えば空中、地上、地下、水上または水中を移動し得る。野球、サッカー、その他の球技ゲームの例では、選手キャラクタが投げたり、蹴ったり、ラケット等で打ったりすることにより、空中を移動したり地上を転がりながら移動したりするボールが、「移動体」の一例に相当する。また、アクションゲーム等の各種ゲームで使用される弓矢、砲弾、ミサイル、円盤、モンスターまたは魚雷等の軌道変化を伴って移動し得るオブジェクトも「移動体」の一例に相当する。
「移動体」は、例えばボールのように投手キャラクタ等の移動体送出オブジェクトを介して移動するものであってもよいし、例えば円盤やモンスター等のように前記移動体送出オブジェクトを介すことなく移動するものであってもよい。
「移動体」は、例えば空中、地上、地下、水上または水中を移動し得る。野球、サッカー、その他の球技ゲームの例では、選手キャラクタが投げたり、蹴ったり、ラケット等で打ったりすることにより、空中を移動したり地上を転がりながら移動したりするボールが、「移動体」の一例に相当する。また、アクションゲーム等の各種ゲームで使用される弓矢、砲弾、ミサイル、円盤、モンスターまたは魚雷等の軌道変化を伴って移動し得るオブジェクトも「移動体」の一例に相当する。
「移動体」は、例えばボールのように投手キャラクタ等の移動体送出オブジェクトを介して移動するものであってもよいし、例えば円盤やモンスター等のように前記移動体送出オブジェクトを介すことなく移動するものであってもよい。
図25に示す制御部110は、移動パラメータ決定部111(移動パラメータ決定手段の一例)、移動制御部112(移動制御手段)、移動予測情報表示部113(移動予測情報表示手段)および履歴記憶制御部114(履歴記憶制御手段の一例)を含む。
移動パラメータ決定部111は、ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する機能を有する。
ここで、「移動パラメータ」は、移動体を移動させるために使用されるパラメータである。例えば、移動体の軌道変化に関するパラメータ(例えば野球ゲームの球種)、移動体の到達位置に関するパラメータ(例えば野球ゲームの投球位置)、移動体の移動速度に関するパラメータ(例えば野球ゲームの球速)が、「移動パラメータ」の一例に相当する。また、後述する移動パターン(例えば野球ゲームの投球パターン)が、「移動パラメータ」の一例に相当する。
また、前記「ユーザの操作」は、移動体の移動パラメータを決定するための操作である。このユーザの操作は、複数の選択肢の中から1つを選択する操作であってもよいし、当該選択肢を伴わない操作であってもよい。
例えば、野球ゲームにおけるストレート、カーブ、スライダー、フォーク等の球種は、移動体の一例としてのボールの軌道変化を示す移動パラメータに相当し、「複数の球種の中から1つを選択する操作」は、前記ユーザの操作の一例に相当する。また、例えば、球種によってボールの握り方が異なっており、ボールの握り方が変わればボールに加えられる回転が変わり、それによってボールの軌道が変わるので、ボールの握り方は軌道変化を生じさせる要素である。よって、「複数のボールの握り方の中から1つを選択する操作」も、前記ユーザの操作の一例に相当する。また、ボールの回転方向または回転数によってボールの軌道が変わるので、ボールの回転方向または回転数は軌道変化を生じさせる要素であり、「複数のボールの回転方向または回転数の中から1つを選択する操作」も、前記ユーザの操作の一例に相当する。なお、選択肢を伴わず、例えばボールの回転方向や回転数を、タッチ操作や数値入力等で直接指定する操作であってもよい。
例えば、野球ゲームにおけるストレート、カーブ、スライダー、フォーク等の球種は、移動体の一例としてのボールの軌道変化を示す移動パラメータに相当し、「複数の球種の中から1つを選択する操作」は、前記ユーザの操作の一例に相当する。また、例えば、球種によってボールの握り方が異なっており、ボールの握り方が変わればボールに加えられる回転が変わり、それによってボールの軌道が変わるので、ボールの握り方は軌道変化を生じさせる要素である。よって、「複数のボールの握り方の中から1つを選択する操作」も、前記ユーザの操作の一例に相当する。また、ボールの回転方向または回転数によってボールの軌道が変わるので、ボールの回転方向または回転数は軌道変化を生じさせる要素であり、「複数のボールの回転方向または回転数の中から1つを選択する操作」も、前記ユーザの操作の一例に相当する。なお、選択肢を伴わず、例えばボールの回転方向や回転数を、タッチ操作や数値入力等で直接指定する操作であってもよい。
また、移動体の到達位置に関するパラメータを決定するためのユーザの操作に関し、野球ゲームの例では、「ストライクゾーンおよびその周辺の領域における投球位置(位置座標)を指定する操作」は、前記ユーザの操作の一例に相当する。あるいは、ストライクゾーンおよびその周辺の領域を複数の区分領域に分割(例えば3×3の9つに分割)し、区分領域を選択することにより大まかな投球コースを選択する操作であってもよい。
また、移動体の移動速度に関するパラメータを決定するためのユーザの操作に関し、野球ゲームの例では、「球速を数値入力等で指定する操作」は、前記ユーザの操作の一例に相当する。また、ストレートやカーブ等の球種によって球速は異なっているので、複数の球種の中から1つを選択すれば、結果的に選択した球種に関連付けられた球速を選択したことになる。よって、「複数の球種の中から1つを選択する操作」は、移動速度に関するパラメータを決定するためのユーザの操作の一例に相当する。
また、例えばサッカーゲームにおいて、キックの種類によってボールに加えられる回転が変わり、それによってボールの軌道が変わる場合、キックの種類は軌道を変化させる要素であり、「複数のキックの種類の中から1つを選択する操作」は、前記ユーザの操作の一例に相当する。
また、ユーザの操作は、例えば、物理的なボタン等の操作、タッチインターフェースに対するタッチ入力操作、ポインティングディバイスを用いた操作、または音声入力による操作等であってもよい。
また、前記「ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する」に関し、例えば野球ゲームの例では、ユーザの操作により選択または指定された球種(球種の変化量)、投球位置、または球速をそのまま移動パラメータとして決定してもよいし、その他の操作の結果や投手キャラクタの能力等により補正された球種の変化量、投球位置、または球速を移動パラメータとして決定してもよい。例えば、ユーザの操作により選択または指定された球種の変化量、投球位置、または球速は、ボールのリリースタイミングを指定するユーザの操作の結果に基づいて、球種の変化量、投球位置、または球速の少なくとも1つを補正し、補正後のパラメータを移動パラメータとして決定してもよい。また、例えば、投手キャラクタのコントロールの能力に基づいて、ユーザの操作により指定された投球位置を補正し、補正後の投球位置を移動パラメータとして決定してもよい。
前述の野球ゲームの例では、移動パラメータ決定部111は、ユーザの投球操作に基づいて、投球パラメータ(球種、球速、または投球位置)を決定する機能を有する。
また、移動制御部112は、前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体を移動させる機能を有する。前述の野球ゲームの例では、移動制御部112は、ユーザの投球操作に基づいて移動パラメータ決定部111によって決定された投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)に基づいて、投手キャラクタPCからリリースされたボールBLをゲーム空間内で移動させる。
また、移動予測情報表示部113は、前記移動制御部112による前記移動体の移動開始後に、前記移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報を画面に表示する機能を有する。
ここで、「軌道」とは、移動体が移動する経路のことをいう。また、「軌道変化」とは、移動中の移動体の回転状態等により軌道が曲がって変化することをいう。移動体の回転状態だけではなく、重力、風向き、風量、または水流等の移動体に作用する外力の影響を含めて、移動中の移動体に「軌道変化」を生じさせるようにしてもよい。
「軌道変化」には、「軌道の変化方向」と「軌道の変化量」との少なくとも一方を含む。ここで、「軌道の変化量」とは、移動体の軌道の変化の大きさを示すものである。野球ゲームの例では、カーブやスライダー等の変化球の曲がりの大きさが「軌道の変化量」の一例に相当する。なお、現実世界では、投手が投球したストレートの軌道も、重力により若干軌道が鉛直下向きに変化するが、ゲーム上はストレートの軌道の変化量を「0」としてもよい。もちろん、ストレートの軌道の変化量を「0」以外にしてもよい。
「軌道変化」には、「軌道の変化方向」と「軌道の変化量」との少なくとも一方を含む。ここで、「軌道の変化量」とは、移動体の軌道の変化の大きさを示すものである。野球ゲームの例では、カーブやスライダー等の変化球の曲がりの大きさが「軌道の変化量」の一例に相当する。なお、現実世界では、投手が投球したストレートの軌道も、重力により若干軌道が鉛直下向きに変化するが、ゲーム上はストレートの軌道の変化量を「0」としてもよい。もちろん、ストレートの軌道の変化量を「0」以外にしてもよい。
また、「移動予測情報」とは、移動体の移動中の軌道変化を予測するために画面の所定の位置に表示される情報である。ここで、「移動体の移動中の軌道変化を予測する」とは、移動体が移動する軌道の変化方向と、軌道の変化量の少なくとも1つを予測することである。なお、「移動体の移動中の軌道変化を予測する」には、軌道が変化しないことを予測(例えば、野球ゲームでストレートの球種が投球されたと予測)することも含まれる。
例えば、移動中の移動体がどのように回転しているかが分かれば、移動体の軌道変化を予測することができる。よって、「移動体の移動中の回転状態を示す情報」が「移動予測情報」の一例に相当する。ここで、「回転状態」には、回転方向、回転軸、回転速度の少なくとも1つが含まれる。例えば、移動中の移動体の回転に伴い、移動体の表面に形成された1以上のオブジェクト(例えば、曲線、直線、点または模様)の時系列変化を表示する動画情報等が、「移動体の移動中の回転状態を示す情報」の一例に相当する。前述の野球ゲームの例では、投球されたボールBLの回転に伴い、所定方向(例えばボールの進行方向下流から上流への方向)から見たシームSEの時系列変化を表示する動画情報が、「移動体の移動中の回転状態を示す情報」の一例に相当する。
また、例えば移動体の軌道の変化方向を矢印等のオブジェクトの向きで、移動体の軌道の変化量を矢印等のオブジェクトの長さ、太さ、濃度、色等で示す情報が「移動予測情報」の一例に相当する。
ここで、「移動予測情報」は、移動体とは異なる位置に表示することができる。例えば、移動中の移動体の到達予測点(着弾点等とも称される)に「移動予測情報」を表示してもよい。前述の野球ゲームの例では、「移動予測情報」の一例としてのシームSEを投球予測点PPに表示する例を示した。これに限らず、シームSE(またはシームSE以外の「移動予測情報」)は、投球予測点PPとは異なる位置に表示してもよい。一例を挙げると、図27に示すように、ボールBLの回転状態を示すシームSEをホームベースHBに表示することができる。あるいは、例えば、シームSEを投手キャラクタPCの後方(例えばバックスクリーンの位置等)に表示してもよい。
シームSEを投球予測点PP以外に表示する場合、投球予測点PPが表示される前に、シームSEを表示することも可能である。例えば、投球予測点PPの表示開始タイミングを、投球比率の区分に依らず、投球比率「普通」の場合のシームSEの表示開始タイミングとする。この場合、投球比率「高」では、投球比率「普通」の場合よりもシームSEの表示開始タイミングが早くなるので、シームSEの表示が開始された後に、遅れて投球予測点PPの表示が開始されることになる。
上記の例に限らず、画面の任意の位置に「移動予測情報」を表示することができる。
なお、「移動予測情報」を、移動中の移動体またはその周辺に表示してもよい。
なお、前述の野球ゲームの場合、投手キャラクタPCからリリースされたボールBLの表面にはシームが存在する。つまり、ゲーム空間内を移動するボールBLには、リリース直後からシームが表示されていることになる。しかしながら、ゲーム空間内を移動するボールBLは、リリース直後からホームベースHBの手前に来るまで、ユーザが視認するには小さ過ぎるため、移動中のボールBLの表面に存在するシーム(およびシームの回転状態)をユーザは視認できない。すなわち、ユーザが移動中のボールBLの表面に存在するシームを見てボールBLの球種を判断したり、ボールBLの軌道変化を予測することは不可能である。よって、前述の野球ゲームの場合では、移動中のボールBLの表面に存在するシームは「移動予測情報」には該当しない。「移動予測情報」は、ユーザが視認可能であり、ユーザが「移動予測情報」を見て移動体の移動中の軌道変化を予測できるものでなければならない。
なお、「移動予測情報」を、移動中の移動体またはその周辺に表示してもよい。
なお、前述の野球ゲームの場合、投手キャラクタPCからリリースされたボールBLの表面にはシームが存在する。つまり、ゲーム空間内を移動するボールBLには、リリース直後からシームが表示されていることになる。しかしながら、ゲーム空間内を移動するボールBLは、リリース直後からホームベースHBの手前に来るまで、ユーザが視認するには小さ過ぎるため、移動中のボールBLの表面に存在するシーム(およびシームの回転状態)をユーザは視認できない。すなわち、ユーザが移動中のボールBLの表面に存在するシームを見てボールBLの球種を判断したり、ボールBLの軌道変化を予測することは不可能である。よって、前述の野球ゲームの場合では、移動中のボールBLの表面に存在するシームは「移動予測情報」には該当しない。「移動予測情報」は、ユーザが視認可能であり、ユーザが「移動予測情報」を見て移動体の移動中の軌道変化を予測できるものでなければならない。
なお、移動中の移動体を、移動開始直後からユーザが視認可能な大きさとした場合、移動中の移動体にシーム等の「移動予測情報」を表示することができる。そして、前述の野球ゲームの場合と同様にして、「移動予測情報」の表示開始タイミングを制御すれば、「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現できる。この場合、移動体の表面に「移動予測情報」になり得るシーム等の模様が存在しても、移動体の移動開始から「移動予測情報」の表示開始タイミングまでの間は、敢えて前記模様を表示しないようにすればよい。
また、履歴記憶制御部114は、過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる機能を有する。
ここで、「履歴情報」とは、過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する情報である。「履歴情報」には、少なくとも前回(直前に)移動された移動体の移動パラメータに関する情報を含めることが望ましい。例えば、前回のみの履歴情報であってもよいし、所定期間(野球ゲームの場合、1打席内、1イニング内または1試合内等)に移動された移動体の移動パラメータに関する履歴情報であってもよい。また、直近の所定の移動回数(例えば、直近10回、20回または50回等)の履歴情報であってもよい。
野球ゲームの例では、1打席内、1イニング内、1試合内または直近10球内等で投球されたボールの球種、投球位置、球速の少なくとも1つの情報を、「履歴情報」とすることができる。
野球ゲームの例では、1打席内、1イニング内、1試合内または直近10球内等で投球されたボールの球種、投球位置、球速の少なくとも1つの情報を、「履歴情報」とすることができる。
例えば、投球された球種を1球毎に記憶した情報が「履歴情報」の一例に相当する。また、例えば、1打席内、1イニング内、1試合内、または直近のn球内(nは1以上の自然数)に投球された球種毎の投球回数または投球比率の情報が、「履歴情報」の一例に相当する。
また、例えば、投球位置の履歴情報の場合、投球された1球毎の投球位置(座標位置)の情報を履歴情報としてもよい。あるいは、図24に例示するように、ストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZおよびその周辺を含む領域)を複数の区分領域SZ1~SZ9に分割し、投球位置が含まれる区分領域の情報を履歴情報としてもよい。また、例えば、1打席内、1イニング内、1試合内、または直近のn球内に投球された投球位置が含まれる区分領域毎の投球回数または投球比率の情報を、「履歴情報」としてもよい。
また、例えば、球速の履歴情報の場合、投球された1球毎の球速の数値情報を履歴情報としてもよい。あるいは、球速を複数の速度帯に分類し、球速が含まれる速度帯の情報を履歴情報としてもよい。一例を挙げると、高速(例えば145km/h以上)、中速(例えば115km/h以上、145km/h未満)、低速(例えば115km/h未満)の3段階の速度帯に分類し、球速が含まれる速度帯の情報を履歴情報としてもよい。なお、例えば90km/h未満、90km/h台、100km/h台、…150km/h台、160km/h以上というように、より細かく分類した速度帯を適用してもよい。あるいは、前述の野球ゲームで例示したように、球速によって球種を「高速球種」、「中速球種」、「低速球種」等に分類し、投球された球種が属する球種分類の情報を履歴情報としてもよい。また、例えば、1打席内、1イニング内、1試合内、または直近のn球内に投球された球速(または球種)が含まれる速度帯(または球種分類)毎の投球回数または投球比率の情報を、「履歴情報」としてもよい。
また、履歴情報には、実際に移動が行われた結果の情報(例えば、操作の結果やキャラクタの能力等により上述の移動パラメータの補正が行われる場合、補正後の移動パラメータ)を適用してもよい。あるいは、履歴情報には、ユーザの操作により選択または指定された移動パラメータ(例えば、前記補正が行われる場合、補正前の移動パラメータ)を適用してもよい。
前述の野球ゲームの例では、履歴記憶制御部114は、過去に投球された投球パラメータ(球種、球速、または投球位置等)に関する履歴情報を、記憶装置(例えばRAM13または補助記憶装置14)に記憶させる。
そして、前記移動予測情報表示部113は、前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する機能を有する。
ここで、「移動予測情報の表示態様」とは、移動予測情報の画面への表示の仕方のことをいう。例えば、移動体の移動開始後に表示される移動予測情報の表示開始タイミングを変更することが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。また、例えば、画面に表示される移動予測情報の濃度または透明度を変更することにより、移動予測情報の視認のし易さを変えることが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。また、例えば、画面に表示される移動予測情報の大きさを変更することにより、移動予測情報の視認のし易さを変えることが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。
また、例えば、画面に表示される移動予測情報の色を変更することにより、移動予測情報の視認のし易さを変えることが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。例えば、移動予測情報が表示される位置の背景の色と移動予測情報の表示色との間の「色のコントラスト」が高いほど、移動予測情報が視認し易くなる。よって、移動予測情報の表示色の色相、明度、彩度の少なくとも1つを変更して背景の色とのコントラストを変えることが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。
また、例えば、画面に表示される移動予測情報の点滅の状態を変更することにより、移動予測情報の視認のし易さを変えることが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。ここで、点滅とは、光っている点灯状態と、光が消えている消灯状態とを繰り返すことである。点灯状態では移動予測情報が光りにより見え難くなる。よって、例えば、移動予測情報を点滅させた場合は、点滅させない場合よりも移動予測情報が見え難くなる。また、点滅において、点灯状態の光の強さを強くしたり、あるいは点滅1サイクルにおける点灯の割合(デューティ比)を大きくすることにより、移動予測情報が見え難くなる。よって、移動予測情報の点滅の有無、点灯状態の光の強さまたは点滅1サイクルにおけるデューティ比を変更することが、「移動予測情報の表示態様を変更する」ことの一例に相当する。
また、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータ」とは、今回の移動(野球ゲームの例では今回の投球)に用いられる移動パラメータである。「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づく」とは、今回の移動に用いられる移動パラメータと、過去の移動に用いられた移動パラメータに関する履歴情報とを、移動予測情報の表示態様の変更制御に用いることをいう。野球ゲームの例では、今回の投球に用いられる球種、投球位置または球速と、過去の投球に用いられた球種、投球位置または球速に関する履歴情報とに基づいて、画面に表示される移動予測情報の一例としてのシームSEの表示開始タイミング、濃度、大きさ、色または点滅等の表示態様を変更する。
例えば、今回の投球に用いられた「球種」の1打席内、1イニング内、1試合内、直近n球内等)の投球比率(対象期間内の全投球に対する比率)に基づいて、ボールリリース後のシームSEの表示開始タイミング等の表示態様を変更することが、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する」の一例に相当する。
また、例えば、今回の投球に用いられた「球種」の1打席内、1イニング内、1試合内、直近n球内等)の投球回数に基づいて、ボールリリース後のシームの表示開始タイミング等の表示態様を変更することが、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する」の一例に相当する。
また、例えば、今回の投球に用いられた「球種」の1打席内、1イニング内、1試合内、直近n球内等)の投球回数に基づいて、ボールリリース後のシームの表示開始タイミング等の表示態様を変更することが、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する」の一例に相当する。
具体例としては、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、ボールリリース後のシームの表示開始タイミングを早くする。また、例えば、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、シームの表示濃度を高くする(または透明度を低くする)。また、例えば、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、シームの表示サイズを大きくする。また、例えば、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、移動予測情報の色と背景色とのコントラストが高くなるように、移動予測情報の色を変更する。また、例えば、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、移動予測情報の点滅状態について、点滅1サイクルにおける点灯の割合を小さくする。
ここで、前記投球比率または前記投球回数の算出に際して、今回の投球を含めて前記投球比率または前記投球回数を算出してもよいし、今回の投球を含めずに前記履歴情報だけで前記投球比率または前記投球回数を算出してもよい。
また、例えば、今回の投球に用いられた「球種」が連続して投球された回数に基づいて、ボールリリース後のシームSEの表示開始タイミング、濃度、大きさ、色または点滅等の表示態様を変更することが、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する」の一例に相当する。
また、今回の投球の直前に、今回の投球に用いられた「球種」とは異なる「球種」が2回以上連投された後に、今回の投球に用いられた「球種」が投球された場合に、ボールリリース後のシームSEの表示開始タイミング、濃度、大きさ、色または点滅等の表示態様を、前記連投がなかった場合とは異ならせることが、「前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更する」の一例に相当する。この具体例については後述する。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、移動パラメータ決定部111によって決定された今回の移動パラメータとしての投球パラメータと、過去の投球パラメータに関する履歴情報とに基づいて、シームSEの表示態様を変更する。これにより、今回の投球パラメータと同一と評価される過去の投球パラメータの比率等に応じて、シームSEの表示の仕方(換言すれば、シームSEの見え方)が変化し、打者の「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現することができる。
ここで、前記移動パラメータには、前記移動体の前記軌道変化に関するパラメータを含めることが好ましい。また、前記移動体の前記軌道変化に関するパラメータは、球種とすることが好ましい。この構成では、野球ゲームにおいて、投手が投げるボールBLの球種に対する打者の「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
また、前記移動パラメータには、所定の到達可能領域への前記移動体の到達位置に関するパラメータを含めることが好ましい。前述の野球ゲームの例では、移動パラメータを、投球可能領域A52へのボールBLの投球位置とすることが好ましい。この構成では、野球ゲームにおいて、投手が投げるボールBLの投球位置に対する打者の「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
また、前記移動パラメータは、前記移動体の移動速度に関するパラメータを含めることが好ましい。前述の野球ゲームの例では、移動パラメータを、投手キャラクタPCが投げるボールBLの球速、球速帯または球速によって分類された球種分類等とすることができる。この構成では、野球ゲームにおいて、投手が投げるボールBLの球速に対する打者の「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
前記移動予測情報は、前記移動体の移動中の回転状態を示す情報であることが好ましい。前述の野球ゲームの例では、移動予測情報は、投球されたボールBLの回転状態を示すシームSEである。
この構成によれば、移動中のボールBLを見て打撃操作を行うユーザは、ボールBLの回転状態を示すシームSEから、球種を判断したり、ボールBLの軌道変化(変化方向および/または変化量)を予測したりすることができる。そして、前述のように、シームSEの表示態様を変更する(例えば、表示タイミング、大きさ、濃度、色、点滅の状態を変更する)ことにより、ボールBLの軌道変化の予測のし易さが変わり、「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映することができる。
この構成によれば、移動中のボールBLを見て打撃操作を行うユーザは、ボールBLの回転状態を示すシームSEから、球種を判断したり、ボールBLの軌道変化(変化方向および/または変化量)を予測したりすることができる。そして、前述のように、シームSEの表示態様を変更する(例えば、表示タイミング、大きさ、濃度、色、点滅の状態を変更する)ことにより、ボールBLの軌道変化の予測のし易さが変わり、「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映することができる。
また、移動予測情報表示部113によって実行される前記移動予測情報の前記表示態様の変更には、前記移動制御部112による前記移動体の移動開始後に表示される前記移動予測情報の表示開始タイミングの変更を含めることが好ましい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113によって、ボールBLのリリース後に表示されるシームSEの表示開始タイミングが変更される。この構成では、シームSEの表示開始タイミングが早いほど、打者側のユーザは、いち早くボールBLの軌道変化を予測でき、有利となる。よって、前記表示タイミングを早くすると「目の慣れ」を、遅くすると「目の不慣れ」を、それぞれゲーム上で効果的に表現できる。
また、前記移動予測情報表示部113は、前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと同一と評価される移動パラメータの比率または回数を算出し、前記比率または前記回数が大きいほど、前記移動予測情報の前記表示開始タイミングを早くすることが好ましい。
ここで、「移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと同一と評価される移動パラメータ」とは、今回の移動(野球ゲームの例では今回の投球)に用いられる移動パラメータと同一と評価される移動パラメータをいう。
例えば、今回の投球の移動パラメータとしての球種が「カーブ」の場合、同一と評価される移動パラメータを同じ球種の「カーブ」とすることができる。
また、例えば全ての球種を複数のカテゴリーに分類し、同一のカテゴリーに属する球種は同一と評価してもよい。例えば、ストレート、ストレート系変化球、スライダー系変化球、カーブ系変化球、フォーク系変化球、シンカー系変化球、シュート系変化球の7つに分類する。一例としてカーブ系変化球のカテゴリーにはカーブ、スローカーブ、ドロップ等の球種が含まれ、これらの球種は同一と評価される。
また、前述のようにストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZおよびその周辺を含む領域)を複数の区分領域に分割し、同一の区分領域に含まれる投球位置は、同一と評価してもよい(図24参照)。
また、球速を複数の速度帯(例えば、高速、中速、低速)に分類、または球速によって球種を分類(例えば、「高速球種」、「中速球種」、「低速球種」)した上で、同一の速度帯または同一の球種分類に含まれる球速は、同一と評価してもよい。
例えば、今回の投球の移動パラメータとしての球種が「カーブ」の場合、同一と評価される移動パラメータを同じ球種の「カーブ」とすることができる。
また、例えば全ての球種を複数のカテゴリーに分類し、同一のカテゴリーに属する球種は同一と評価してもよい。例えば、ストレート、ストレート系変化球、スライダー系変化球、カーブ系変化球、フォーク系変化球、シンカー系変化球、シュート系変化球の7つに分類する。一例としてカーブ系変化球のカテゴリーにはカーブ、スローカーブ、ドロップ等の球種が含まれ、これらの球種は同一と評価される。
また、前述のようにストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZおよびその周辺を含む領域)を複数の区分領域に分割し、同一の区分領域に含まれる投球位置は、同一と評価してもよい(図24参照)。
また、球速を複数の速度帯(例えば、高速、中速、低速)に分類、または球速によって球種を分類(例えば、「高速球種」、「中速球種」、「低速球種」)した上で、同一の速度帯または同一の球種分類に含まれる球速は、同一と評価してもよい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、移動パラメータ決定部111によって決定された今回の投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)と同一と評価される投球パラメータの投球比率または投球回数を算出し、前記投球比率または前記投球回数が大きいほど、シームSEの表示開始タイミングを早くして、「目の慣れ」を疑似的に表現する。この構成によれば、投手側のユーザにとっては、同一と評価される投球パラメータばかりを選択するような操作をすれば、打者側のユーザが有利になるので、過去の投球パラメータの比率または回数を考慮しながら、今回の投球パラメータを決定することを要求される。これにより、ゲームの興趣性を高めることができる。
また、前記移動予測情報表示部113は、前記移動制御部112によって移動される前記移動体の移動速度が大きいほど、前記移動予測情報の前記表示開始タイミングを早くすることが好ましい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、前記移動制御部112によって移動されるボールBLの移動速度が大きいほど、シームSEの表示開始タイミングを早くする。例えば、シームSEの表示開始タイミングをどの球速でも同じにすると、ボールBLの球速が速いほど、打者側のユーザの対応が間に合わなくなる可能性が高くなる。また、球速が遅いほど打者側のユーザが対応する時間に余裕が生じるので、シームSEの表示開始タイミングをどの球速でも同じにすれば、打者側のユーザにとっては球速が遅いほど有利となってしまう。そこで、上記の構成では、球速が速いほど、シームSEの表示開始タイミングを早めることで、どの球速であってもゲームバランスのとれた興趣性の高いゲームを実現している。
また、前記移動予測情報表示部113は、前記移動制御部112によって移動される前記移動体の移動速度が小さいほど、前記比率または前記回数の違いによる前記表示開始タイミングの変化の程度を大きくすることが好ましい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、前記移動制御部112によって移動されるボールBLの球速が遅いほど、前述の投球比率または投球回数の違いによるシームSEの表示開始タイミングの変化の程度を大きくする。図14の例では、球速が速い「ストレート」の場合、シームSEの表示開始タイミングは、投球比率「低」と「普通」の間、および「普通」と「高」との間でそれぞれ「2フレーム」の違いがある。これに対して、より球速が遅い「カーブ」の場合、シームSEの表示開始タイミングは、投球比率「低」と「普通」の間、および「普通」と「高」との間でそれぞれ「3フレーム」の違いがある。
球速が速い球の場合、打撃操作をするユーザの対応時間が短いため、シームSEの表示開始タイミングが少し違うだけで、有利、不利が明確となる。一方、より球速が遅い球の場合、打撃操作をするユーザは、球速が速い球よりもシームSEを長く見て対応することが可能であり、シームSEの表示開始タイミングが多少違うだけでは、有利、不利がそれほど明確にはなり難い。そこで、本実施の形態のゲームでは、球速が遅いほど、投球比率の違いによる表示開始タイミングの変化の程度を大きくすることで、当該変化がより際立つようにしている。これにより、バランスのとれた興趣性の高いゲームを実現できる。
また、図28に例示するように、ゲーム装置10の制御部110は、到達予測点表示部115(到達予測点表示手段の一例)を含む構成とすることができる。この到達予測点表示部115は、前記移動制御部112による前記移動体の移動開始後に、所定の到達可能領域に、前記移動体の前記軌道変化に応じて移動する到達予測点を表示する機能を有する。
ここで、「到達可能領域」とは、移動体の移動する方向に設けられた、移動体が到達(着弾)可能な所定の領域である。例えば、移動体の移動する方向に対して略垂直な、ゲーム空間内の垂直方向に沿った面上の所定の領域を「到達可能領域」とすることができる。
前述の野球ゲームの例では、ストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZ及びその周辺のボールゾーン)を含む投球可能領域A52が、「到達可能領域」の一例に相当する。また、サッカーゲームでは、ゴールエリアを含む領域が、「到達可能領域」の一例に相当する。これは一例であり、ゲームに応じて任意の位置に「到達可能領域」を設けることができる。
前述の野球ゲームの例では、ストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZ及びその周辺のボールゾーン)を含む投球可能領域A52が、「到達可能領域」の一例に相当する。また、サッカーゲームでは、ゴールエリアを含む領域が、「到達可能領域」の一例に相当する。これは一例であり、ゲームに応じて任意の位置に「到達可能領域」を設けることができる。
移動体が到達可能領域に到達した場合、当該移動体に作用が及ぼされ得るようにしてもよい。ここで、「移動体に作用が及ぼされ得る」とは、移動体に何らかの影響を与えることができることをいう。例えば、移動体を打ち返す、捕らえる、弾く、消去する、破壊する、変形させる、色を変える等が、「移動体に及ぼされる作用」の一例に相当する。野球ゲームの例では、移動体の一例としての投球されたボールBLが、到達可能領域の一例としての投球可能領域A52付近に到達したタイミングで、打者キャラクタBTにより打ち返され得る。また、サッカーゲームのPK戦の例では、移動体の一例としてのキックされたボールが、到達可能領域の一例としてのゴールエリアまたはその周辺の領域付近に到達したタイミングで、ゴールキーパーキャラクタにより弾いたり捕球したりされ得る。
移動体が到達可能領域に到達した後、当該移動体が到達可能領域を通過可能としてもよいし、移動体が到達可能領域を通過せずに止まるようにしてもよい。
移動体が到達可能領域に到達した後、当該移動体が到達可能領域を通過可能としてもよいし、移動体が到達可能領域を通過せずに止まるようにしてもよい。
また、前記「到達予測点」とは、移動体の移動開始後に到達可能領域に表示され、到達可能領域に到達(着弾)する移動体の到達位置を予測するためのものである。「到達予測点」は、「着弾点」等とも称される。この「到達予測点」は、必ずしも表示当初から最終的な到達位置に表示されのではなく、移動体の移動中の軌道変化に応じて到達予測点も移動する。例えば、到達予測点は、移動中の移動体の位置を、略リアルタイムで到達可能領域に投影したものとすることができる。前述の野球ゲームの例では、投球予測点PPが「到達予測点」の一例に相当する。
なお、例えば、ストレートの球種が投球された場合のように、移動体の移動中に軌道変化が生じない場合には、表示当初から最終的な到達位置に到達予測点が表示されてもよい。
なお、例えば、ストレートの球種が投球された場合のように、移動体の移動中に軌道変化が生じない場合には、表示当初から最終的な到達位置に到達予測点が表示されてもよい。
画面に表示される到達予測点は、点である必要はなく、所定の大きさ及び形状を有する領域であってもよい。到達予測点の大きさ又は形状は、ゲーム内容に応じて任意に設定可能である。例えば、到達予測点の大きさ及び形状は、到達可能領域に到達した際の移動体の大きさ及び形状と、同一または相似形とすることができる。なお、到達予測点の大きさ又は形状を移動体の大きさ又は形状とは異なるようにしてもよい。
到達予測点は、移動体の移動開始後、所定の非表示期間の経過後に表示が開始されるようにしてもよい。移動体の移動開始から到達予測点の表示開始までの前記非表示期間は、常に固定であってもよいし、例えば、球種や球速等の条件によって変化させてもよい。あるいは、到達予測点は、移動体の移動開始後すぐに(前記非表示期間なし)に表示が開始されるようにしてもよい。
そして、前記移動予測情報表示部113は、前記移動予測情報を前記到達予測点に表示することが好ましい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、移動予測情報の一例としてのシームSEを、到達予測点の一例としての投球予測点PPに表示する。通常、打者側のユーザは、移動中のボールBLだけでなく投球予測点PPも見ながら打撃操作を行う。よって、投球予測点PPに移動予測情報としてのシームSEを表示することにより、打者側のユーザは、投球予測点PPを見ながら同時に移動予測情報を確認することが可能となり好ましい。
また、前記移動予測情報表示部113は、前記移動パラメータ決定部111によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記到達予測点が表示されてから前記到達予測点に前記移動予測情報を表示するまでの期間を変更するようにしてもよい。
前述の野球ゲームの例では、移動予測情報表示部113は、移動パラメータ決定部111によって決定された今回の投球パラメータと、過去の投球パラメータに関する履歴情報とに基づいて、投球予測点PPが表示されてから当該投球予測点PPにシームSEを表示するまでの期間を変更する。図17の例では、投球される球種が「ストレート」の場合は次のとおりである。すなわち、投球比率「高」の場合は、投球予測点PPおよびシームSEの表示開始タイミングは同じである。一方、投球比率「普通」および「低」の場合は、それぞれ投球予測点PPの表示開始後に「2フレーム」および「4フレーム」遅れてシームSEの表示が開始される。また、「ストレート」より低速の「カーブ」の場合は次のとおりである。すなわち、投球比率「高」、「普通」および「低」の場合、それぞれ投球予測点PPの表示開始後に「1フレーム」、「4フレーム」および「7フレーム」遅れてシームSEの表示が開始される。
上記の構成によれば、常に投球予測点PPの表示と同時にシームSEが表示されるのではなく、投球予測点PPが表示されてからシームSEが表示されるまでの期間は、ユーザの操作により決定された今回の投球パラメータと、過去の投球パラメータに関する履歴情報とに基づいて変更される。例えば、今回の投球パラメータと同一と評価される過去の投球パラメータの投球比率、投球回数、連続回数等に応じて、投球予測点PPが表示されてからシームSEが表示されるまでの期間が変更される。これにより、シームSEの表示開始タイミングが変更される。投球予測点PPを見ながら打撃操作をするユーザにとって、投球予測点PPが表示されてからシームSEが表示されるまでの期間が短いほど打撃操作がし易くなり、「目の慣れ」を表現できる。このように、投球予測点PPが表示されてからシームSEが表示されるまでの期間を変更することにより、「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲーム上で効果的に表現することができる。
また、前記移動予測情報表示部113は、所定条件を満たしてから、前記移動予測情報の表示態様の変更を適用するようにしてもよい。
ここで、「所定条件」は、移動予測情報表示手段による移動予測情報の表示態様の変更処理を開始するための条件である。前述の野球ゲームでは、「所定条件」を投球2球目として、打者の「目の慣れ」を、投球2球目以降に反映する例を示した。例えば、1打席内の投球比率に基づいてシームSEの表示開始タイミングを決定する場合、各打席の1球目は予め定められた(デフォルトの)シームSEの表示開始タイミングを適用する。そして、各打席の2球目以降に、投球比率に応じてシームSEの表示開始タイミングを変更する。また、1試合内の投球比率に基づいてシームSEの表示開始タイミングを決定する場合、試合開始後の1球目のみデフォルトのシームSEの表示開始タイミングを適用し、2球目以降は投球比率に応じてシームSEの表示開始タイミングを変更する。ところで、現実の野球では、1打席毎に打者が変わるが、ゲームでは1打席毎に打者キャラクタBTが変わっても、同じユーザが打撃操作を繰り返す。そこで、1試合をとおしての投球比率等に基づいて打者の「目の慣れ」を反映することも好ましい構成といえる。
上記に限らず、例えば、「所定条件」を投球4球目としてもよい。野球にはP/PA(Pitch per Plate Appearances:1打席あたりの被投球数)という打者に対する指標がある。このP/PAが「4」を超えると、その打者は優秀とされる。そこで、「所定条件」を投球4球目として、選球眼の優秀な打者の「目の慣れ」を、投球4球目以降に反映する。また、「所定条件」を投球数ではなく、対戦打者が2人目等としてもよい。P/PAは平均3.8程度と考えると、投球4球目は対戦打者が2人目以降になることから、試合開始後の対戦打者2人目以降に、投球比率等に基づいて打者の「目の慣れ」を反映させる。
以上の例はあくまで一例であり、これらに限らず、様々な条件を「所定条件」として設定可能である。
以上の例はあくまで一例であり、これらに限らず、様々な条件を「所定条件」として設定可能である。
上記の構成によれば、初球から打者の「目の慣れ」をゲーム上で表現するのではなく、所定条件を満たしてからシームSE等の移動予測情報の表示態様の変更を適用することによって、「目の慣れ」をゲーム上で表現する。これにより、ユーザは、所定条件を満たすまでは自由に球種等の投球パラメータを決定できるが、所定条件を満たしてからは、打者の「目の慣れ」を考慮して投球パラメータを決定する必要性が生じる。これにより、ゲーム性を高めることができる。
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲーム装置10で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、2人のユーザが、通信対戦により前述の野球ゲームの試合を実行する場合を想定する。すなわち、一方のユーザのゲーム装置10と、他方のユーザのゲーム装置10とが、ネットワークを介して対戦を実行する。例えば、2つのゲーム装置10間でP2P接続により直接通信が行われ、互いの操作の情報または操作に基づいた処理情報等が送受信され、2つのゲーム装置10が連携しながらゲームが進行する。
次に、本実施の形態のゲーム装置10で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、2人のユーザが、通信対戦により前述の野球ゲームの試合を実行する場合を想定する。すなわち、一方のユーザのゲーム装置10と、他方のユーザのゲーム装置10とが、ネットワークを介して対戦を実行する。例えば、2つのゲーム装置10間でP2P接続により直接通信が行われ、互いの操作の情報または操作に基づいた処理情報等が送受信され、2つのゲーム装置10が連携しながらゲームが進行する。
図29および図30は、ゲーム装置10の処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム装置10のCPU11)が実行することにより実現される。
投手側のユーザは、図3に例示する投球画面G10において、所定の球種選択操作により、投手キャラクタPCの持ち球の中からこれから投球する球種を選択する(S100)。また、投手側のユーザは、図4に例示する投球画面G20において、投球カーソルP21を移動させる操作等により、投球位置を指定する(S102)。また、投手側のユーザは、図5に例示する投球画面G30において、所定のボールリリースタイミング指定操作により、ボールリリースタイミングを指定する(S104)。投手側のユーザのこれらの操作に基づいて、制御部110は、投球パラメータ(球種、球速、軌道、投球位置等)を決定する(S106)。そして、制御部110は、決定した投球パラメータの情報を、図26の投球パラメータデータDT1044として記憶する。すなわち、制御部110は、決定した投球パラメータの情報を、投球の度に履歴情報として記憶装置に記憶させる(S106)。
S108では、制御部110は、今回の投球が2球目以降であるか否かを判断する。すなわち、制御部110は、シームSEの表示態様を変更する処理を実行するための所定条件の一例としての「2球目以降」を満たしているか否かを判断する。ここで2球目以降の場合(S108でYES)、制御部110は、今回の投球パラメータと過去の投球パラメータの履歴情報とに基づいて、投球比率を算出する(S110)。具体的には、過去の投球パラメータの履歴情報を参照して、今回の投球の球種と同じ球種の投球比率を算出する。そして、制御部110は、算出した投球比率に基づいて、シームSEの表示開始タイミングを決定する(S112)。例えば、制御部110は、図15のテーブルを参照し、投球比率の区分(「低」、「普通」または「高」)を決定する。そして、制御部110は、図14、図17または図18のテーブルを参照し、投球比率の区分に応じたシームSEの表示開始タイミングを決定する。ここで、シームSEの表示開始タイミングは、例えば、ボールリリースからのフレーム数として決定される。そして、制御部110は、決定したシームSEの表示開始タイミングの情報を、図26のシーム表示開始タイミングデータDT1046として記憶する。
また、制御部110は、投球予測点PPの表示開始タイミングを決定する。例えば、図17に例示するように、投球予測点PPの表示開始タイミングは、球種および投球比率によらず、固定値(例えばボールリリースから3フレーム)としてもよい。あるいは図18に例示するように、球種または投球比率に応じて投球予測点PPの表示開始タイミングが変化するようにしてもよい。そして、制御部110は、決定した投球予測点PPの表示開始タイミングの情報を、図26の投球予測点表示開始タイミングデータDT1045として記憶する。
一方、今回の投球が1球目の場合(S108でNO)、シームSEの表示態様を変更する処理を実行するための所定条件を満たさない。よって、この場合、制御部110は、投球予測点PPおよびシームSEの表示開始タイミングを、デフォルトに決定する(S116)。例えば、図17または図18に例示するテーブルを参照し、投球比率「普通」の投球予測点PPおよびシームSEの表示開始タイミングを適用する。そして、制御部110は、決定したこれらの表示開始タイミングの情報を、図26の投球予測点表示開始タイミングデータDT1045およびシーム表示開始タイミングデータDT1046として記憶する。
そして、制御部110は、投手キャラクタPCからボールBLをリリースさせて、ボールBLの移動を開始させる(S118)。なお、投手側のユーザのゲーム装置10の表示部20には、図6に例示するように投球画面G40が表示され、打者側のユーザのゲーム装置10の表示部20には、図8に例示するように打撃画面G60が表示される。すなわち、投手側と打者側とでは、仮想カメラの撮像方向が異なるが、投球されたボールBLが3次元ゲーム空間を移動される画面が同期して表示される。
そして、打者側のユーザのゲーム装置10の制御部110は、前記投球予測点表示開始タイミングデータDT1045に基づいて、投球可能領域A52における投球予測点PPの表示を開始する(S120)。これにより、図9に例示するように、打者側のユーザの打撃画面G70には、投球予測点PPが表示される。
なお、投手側のユーザの投球画面にも、投球予測点PPが表示されるようにしてもよい。
なお、投手側のユーザの投球画面にも、投球予測点PPが表示されるようにしてもよい。
そして、打者側のユーザのゲーム装置10の制御部110は、前記シーム表示開始タイミングデータDT1046に基づいて、投球予測点PPへのシームSEの表示を開始する(S122)。これにより、図10に例示するように、打者側のユーザの打撃画面G80には、投球予測点PPにシームSEが表示される。
なお、投手側のユーザの投球画面にも、投球予測点にシームが表示されるようにしてもよい。
なお、投手側のユーザの投球画面にも、投球予測点にシームが表示されるようにしてもよい。
なお、投球予測点PPおよびシームSEの表示開始タイミングが同じ場合もあり得る(図17または図18参照)。この場合には、ステップS120およびS122が同時に実行され、投球予測点PPおよびシームSEが同時に表示されることになる。
図11に例示するように、制御部110は、ボールBLの移動中の軌道変化に応じて、投球予測点PPを移動させる。すなわち、投球予測点PPは、必ずしも表示当初から最終的なボールBLの到達位置に表示されるわけではない。よって、打者側のユーザは、ボールBLの軌道の変化方向および変化量(すなわち、投球予測点PPの移動方向および移動量)を予測して、ミートカーソルMCを移動させる必要がある。なお、フローチャートでは記載を省略しているが、制御部110は、打者側のユーザの操作に基づいて、ミートカーソルMCを移動させる。
シームSEが表示されたことにより、打者側のユーザは、当該シームSEの回転状態(回転方向、回転軸、回転速度等)を見て、投球されたボールBLの球種を判断したり、ボールBLの軌道の変化方向および変化量(すなわち、投球予測点PPの移動方向および移動量)を予測したりすることができる。
その後、制御部110は、打者側のユーザによる打撃タイミング指定操作が行われたか否かを判定する(S124)。打撃タイミング指定操作が行われることなく(S124でNO)、投球されたボールBLがストライクゾーンSZ後方の捕手の位置まで到達すれば、制御部110は、見逃しと判定する。見逃しと判定した場合(S126でYES)、または見逃しになる前に、打撃タイミング指定操作が行われた場合(S124でYES)、制御部110は、投球・打撃結果を決定する(S128)。例えば、制御部110は、打者がボールBLを見逃した場合は、ストライクまたはボールを決定し、打撃操作が行われた場合には、打撃できた(バットにボールが当たった)か否かを決定する。また、打撃できた場合には、制御部110は、既知のアルゴリズムを適用して、打球の方向、角度、速度および軌道を演算し、打球を移動させる。なお、打球の移動中の動画等は画面に表示せずに、例えば、打撃結果(例えばヒット、アウト等)を示す文字情報等を画面に表示してもよい。また、制御部110は、決定した打撃結果の情報を、図26の打撃結果データDT1047として記憶する。また、制御部110は、ボールカウント、アウトカウント、出塁状況、得点等のゲーム状況データDT1043を更新する。
その後、制御部110は、現在の打席の投球を継続するか否かを判断する(S130)。すなわち、制御部110は、アウト、ヒットまたは四死球以外であれば、現在の打席の投球を継続すると判断し(S130でYES)、ステップS100に戻って、次の投球に対する処理に移行する。一方、制御部110は、現在の打席についてアウト、ヒットまたは四死球の結果が出た場合は、現在の打席の投球は終了したと判断し(S130でNO)、1打席の処理を終了する。そして、1打席毎に図29および図30に例示した処理が実行される。
なお、図29および図30のフローチャートでは、今回の投球の球種と同じ球種の投球比率が高いほど、シームSEの表示開始タイミングを早くして、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現する処理例を示した。前記処理において、球種に代えて、球速、投球位置、投球パターン等を適用してもよいし、投球比率に代えて投球回数、連続回数等を適用してもよい。また、球種、球速、投球位置、投球パターンのそれぞれの投球比率等を算出し、そのうちの1つでも投球比率が「高」になった場合は、シームSEの表示開始タイミングを通常時よりも早くして、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現してもよい。
[5.まとめ]
以上に説明した実施形態に係るゲーム装置10は、投手側のユーザが特定の投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早めて打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。また、投手側のユーザが投球比率または投球回数の小さい低い投球パラメータの球を投球した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを遅くして打者側を不利とすることで、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。よって、本実施の形態のゲームでは、投手側のユーザは同一と評価される特定の球種、球速または投球位置等の球の多投または連投を避け、様々な球種等を織り交ぜながら投球のバリエーションを増やすことになる。このため、投手側および打者側の両ユーザにとって、投打の駆け引きをより楽しめるゲームを実行することが可能となる。
以上に説明した実施形態に係るゲーム装置10は、投手側のユーザが特定の投球パラメータ(球種、球速または投球位置等)の球を多投または連投した場合に、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早めて打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。また、投手側のユーザが投球比率または投球回数の小さい低い投球パラメータの球を投球した場合には、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを遅くして打者側を不利とすることで、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現している。よって、本実施の形態のゲームでは、投手側のユーザは同一と評価される特定の球種、球速または投球位置等の球の多投または連投を避け、様々な球種等を織り交ぜながら投球のバリエーションを増やすことになる。このため、投手側および打者側の両ユーザにとって、投打の駆け引きをより楽しめるゲームを実行することが可能となる。
[6.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
[6-1]以上では、投手側のユーザが、球種、投球位置およびリリースタイミングをそれぞれ指定する投球操作を行う例を示したが、次のようにしてもよい。例えば、投手側のユーザの操作により指定するのは球種のみであり、ユーザの操作により指定されない球速や投球位置についてはCPUが自動で決定するようにしてもよい。同様に、投手側のユーザの操作により指定するのは球種、球速、投球位置という複数の投球パラメータのうちの何れか1つまたは2つであり、ユーザの操作により指定されない投球パラメータについてはCPUが自動で決定するようにしてもよい。
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
[6-1]以上では、投手側のユーザが、球種、投球位置およびリリースタイミングをそれぞれ指定する投球操作を行う例を示したが、次のようにしてもよい。例えば、投手側のユーザの操作により指定するのは球種のみであり、ユーザの操作により指定されない球速や投球位置についてはCPUが自動で決定するようにしてもよい。同様に、投手側のユーザの操作により指定するのは球種、球速、投球位置という複数の投球パラメータのうちの何れか1つまたは2つであり、ユーザの操作により指定されない投球パラメータについてはCPUが自動で決定するようにしてもよい。
[6-2]投球予測点PPへのシームSEの表示が開始されるタイミングは、ボールBLが投手キャラクタPCよりリリースされてから投球可能領域A52に到達するまでの何れかのタイミングであればよい。但し、投球予測点PPへのシームSEの表示が開始されるタイミングは、変化球のボールBLの軌道が変化し始める前であることが望ましい。この場合、打撃操作を行うユーザは、ボールBLの軌道が変化し始める前に、シームSEの回転状態を確認して、ボールBLの最終的な到達点予測して、ミートカーソルMCを移動させることができる。
バリエーションとしては、投球比率または投球回数が所定の閾値よりも低い場合(例えば投球比率が「低」の場合)、変化球のボールBLの軌道の変化が始まった後に、シームSEの表示が開始されるようにしてもよい。これにより、投球比率または投球回数が所定の閾値よりも低い球種等の打者の「目の不慣れ」がより明確になる。
バリエーションとしては、投球比率または投球回数が所定の閾値よりも低い場合(例えば投球比率が「低」の場合)、変化球のボールBLの軌道の変化が始まった後に、シームSEの表示が開始されるようにしてもよい。これにより、投球比率または投球回数が所定の閾値よりも低い球種等の打者の「目の不慣れ」がより明確になる。
[6-3]次に示すように、連続した複数の投球からなる「投球パターン」を繰り返すことで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現してもよい。例えば、2球毎に外角と内角とを繰り返す投球パターンや、3球毎に外角高め→外角低め→内角低めを繰り返す投球パターン等を、AI(Artificial Intelligence)等により制御部110が検出する。投球パターン(移動体の移動パターンの一例)は、前記のような投球位置に関する投球パターンだけでなく、球種に関する投球パターンまたは球速に関する投球パターンも含まれる。球種に関する投球パターンの一例としては、2球毎に特定の2つの球種(例えばストレートとカーブ)を繰り返したり、3球毎に特定の3つの球種を繰り返したりするものがある。また、球速に関する投球パターンの一例としては、2球毎に特定の2つの球速帯(例えば高速帯と低速帯)を繰り返すものがある。
そして、制御部110は、検出した投球パターンの発生率、発生回数または連続回数に基づいて、シームSEの表示開始タイミング等の「移動予測情報の表示態様」を変更する。すなわち、今回の投球が過去に発生した投球パターンと同一の投球パターンの一部であると履歴情報より判断した場合、当該投球パターンの過去の発生率、発生回数または連続回数が大きいほど、シームSEの表示開始タイミングを早くして、当該投球パターンへの「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現してもよい。
[6-4]次に示すように、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現してもよい。例えば、現実の野球では、敢えてストレートを2球続けて、結果として打者にストレートに目が慣れるようにし、その後、ストレート以外の変化球を投げると、打者は普通に変化球を打つよりも目がついていかないため、打ち難くなるということがある。これをゲーム上で疑似的に表現するために、制御部110は、同じ球種を複数回続けて連投した後に、連投した球種とは別の球種を投球した場合は、当該連投がなかった場合と較べてシームSEの表示開始タイミングを遅くする。これにより、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現する。
なお、ゲームバランスを考慮して、同じ球種を複数回続けて連投した場合には、当該連投がない場合と較べてシームSEの表示開始タイミングを早くし、その後に連投した球種とは別の球種を投球した場合には、当該連投がなかった場合と較べてシームSEの表示開始タイミングを遅くしてもよい。
上記の構成により、打者の「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現できれば、投手側のユーザが、例えば次のような実践的な戦略を立てることも可能となり、リアリティのある興趣性の高いゲームを実現できる。
すなわち、野球では、1打席に3球のボール球を投げることが許容されているので、投手側のユーザはストライクばかりを投げるのではなく、敢えてボール球を混ぜながら投球を組み立てる。例えば、投手側のユーザは、初球、ストレートの球種を選択してストライクを取った場合、2球目にボールコースにストレートを投げて、敢えてストレートを2球続ける。つまり、前回の投球と同じ球種で一球外して、その球種に対して敢えて打者の目が慣れるようにする。この場合、シームSEの表示開始タイミングが早くなるものの、ボールコースへの投球であるため、打者は打たずに見逃す可能性が高い。そして、次の3球目で、投手側のユーザがストレート以外の球種を投げれば、シームSEの表示開始タイミングが遅くなる(打者の目がついていかない)ので、その打者を打ち取り易くなる(またはストライクを取り易くなる)。
すなわち、野球では、1打席に3球のボール球を投げることが許容されているので、投手側のユーザはストライクばかりを投げるのではなく、敢えてボール球を混ぜながら投球を組み立てる。例えば、投手側のユーザは、初球、ストレートの球種を選択してストライクを取った場合、2球目にボールコースにストレートを投げて、敢えてストレートを2球続ける。つまり、前回の投球と同じ球種で一球外して、その球種に対して敢えて打者の目が慣れるようにする。この場合、シームSEの表示開始タイミングが早くなるものの、ボールコースへの投球であるため、打者は打たずに見逃す可能性が高い。そして、次の3球目で、投手側のユーザがストレート以外の球種を投げれば、シームSEの表示開始タイミングが遅くなる(打者の目がついていかない)ので、その打者を打ち取り易くなる(またはストライクを取り易くなる)。
上記の構成において、シームSEの表示開始タイミングを変更する代わりに、又はシームSEの表示開始タイミングを変更することに加えて、シームSEの濃度、大きさ、色または点滅等を変更してもよい。また、同じ球種を複数回投げた後に、別の球種を投げる場合について例示したが、同一と評価される投球位置または球速を複数回投げた後に、別の投球位置または球速のボールを投げる場合も同様である。
[6-5]投手キャラクタPCにとって強い球種(例えば球威のレベルが高い球種)を多投することを効果的に抑制できる下記の構成を採用してもよい。
すなわち、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種のそれぞれに「投球が行われる度に変動する変動パラメータ」を関連付ける。この変動パラメータの初期値はどの球種も同一ではなく、球種によってウエイトが設けられている。例えば、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種のうち、球威が所定のレベル(例えばC)以上の球種には、変動パラメータの初期値が「50」に設定され、球威が所定のレベル未満の球種には、変動パラメータの初期値が「0」に設定される。なお、この例では2段階に変動パラメータの初期値を設定しているが、これに限定されない。球種のパラメータ(例えば球威、変化量等)が高いほど変動パラメータの初期値が高くなるように設定すればよい。
すなわち、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種のそれぞれに「投球が行われる度に変動する変動パラメータ」を関連付ける。この変動パラメータの初期値はどの球種も同一ではなく、球種によってウエイトが設けられている。例えば、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種のうち、球威が所定のレベル(例えばC)以上の球種には、変動パラメータの初期値が「50」に設定され、球威が所定のレベル未満の球種には、変動パラメータの初期値が「0」に設定される。なお、この例では2段階に変動パラメータの初期値を設定しているが、これに限定されない。球種のパラメータ(例えば球威、変化量等)が高いほど変動パラメータの初期値が高くなるように設定すればよい。
そして、制御部110は、投手キャラクタPCが投球する毎に、投球に使用された球種に関連付けられた変動パラメータを、例えば「4」だけ増加させる一方、それ以外の球種に関連付けられた変動パラメータを、例えば「2」だけ減少させる。なお、変動パラメータの値は0よりも小さくならないようにしてもよい。そして、制御部110は、今回(現在)の投球の球種に関連付けられている変動パラメータの現在の値に基づいて、シームSEの表示態様を変更する。この一例を以下に示す。
図31は、変動パラメータに基づいて区分を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図31の例では、今回の投球の球種に関連付けられている変動パラメータの現在の値が30以下の場合「低」、31~69の場合「普通」、70以上の場合「高」として、3段階に区分している。なお、2段階または4段階以上に区分してもよい。
そして、制御部110は、図31に例示するテーブルにより決定された投球比率の区分「低」、「普通」または「高」に基づいて、図14、図17、図18または図21のシーム表示開始タイミングテーブルを援用して、シームSEの表示開始タイミングを決定する。
そして、制御部110は、図31に例示するテーブルにより決定された投球比率の区分「低」、「普通」または「高」に基づいて、図14、図17、図18または図21のシーム表示開始タイミングテーブルを援用して、シームSEの表示開始タイミングを決定する。
上記の構成によれば、投手キャラクタPCが投球可能な球種のうち、パラメータ(例えば球威、変化量等)の高い球種ほど、シームSEの表示開始タイミングが早くなり易い。よって、投手側のユーザがパラメータの高い球種を多投することを効果的に抑制できる。
[6-6]上記の「6-5」に記載の構成のバリエーションを以下に説明する。「6-5」に記載の構成では、球種によって変動パラメータの初期値を異ならせる例を示したが、変動パラメータの初期値をどの球種も同じにしてもよい。例えば、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種のそれぞれに関連付けられる変動パラメータの初期値を全て同一の所定値(例えば「50」等)に設定し、それ以外は「6-5」に記載の構成を採用する。この構成の場合、投手側のユーザが同じ球種を多投した場合に、打者に対するシームSEの表示開始タイミングを早めて打者側を有利とすることで、打者の「目の慣れ」をゲーム上で疑似的に表現できる。
[6-7]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカーのPK戦、テニス、バレーボール、クリケット等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「移動体を複数回数移動させるゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
[6-8]以上では、本発明の一態様によるゲーム制御装置をゲーム装置10によって実現する例を示したが、以下に示すようにゲームシステムとして構成してもよい。
図32はゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末40-n(nは正の整数。40-1、40-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末40-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末40-nは同様の構成であるため、単に「ゲーム端末40」と記載して説明する。
図32はゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末40-n(nは正の整数。40-1、40-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末40-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末40-nは同様の構成であるため、単に「ゲーム端末40」と記載して説明する。
サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースに記憶して管理する。データベースはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM33は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末40との間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
ゲーム端末40(端末装置の一例)は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末40は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、携帯情報端末、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
ゲーム端末40は、主に、CPU41、ROM42、RAM43、補助記憶装置44、通信部45、操作部46および表示部47を備え、これらはバスラインを介して相互に接続されている。ゲーム端末40のこれらの構成要素41~47は、図1に例示するゲーム装置10の構成要素11~16、20と同様の構成であり、その説明は省略する。
ゲーム端末40は、主に、CPU41、ROM42、RAM43、補助記憶装置44、通信部45、操作部46および表示部47を備え、これらはバスラインを介して相互に接続されている。ゲーム端末40のこれらの構成要素41~47は、図1に例示するゲーム装置10の構成要素11~16、20と同様の構成であり、その説明は省略する。
サーバ30とゲーム端末40とは、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明したゲーム装置10の各種機能の一部をゲーム端末40のCPU41によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。または、以上に説明したゲーム装置10の各種機能のすべてをゲーム端末40のCPU41によって実現してもよい。あるいは、以上に説明したゲーム装置10の各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
ゲーム装置10の各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現する構成では、サーバ30は、ゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式でゲーム端末40に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをユーザに提供する。このクラウドゲーミングを提供するサービス形態では、ユーザのゲーム端末40にゲーム専用のソフトウェアをダウンロード又はインストールする必要がなく、ゲーム端末40をネットワークNに接続できる環境であれば、ユーザはどこでも気軽にサーバ30から提供されるゲームサービスを楽しむことができる。
[6-9]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置10またはゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10またはゲームシステム1内の記憶装置、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
[6-10]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム装置10またはゲームシステム1を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
[7.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10、30、40)は、移動体(BL)を複数回数移動させるゲームを制御するゲーム制御装置であって、ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータ(例えば球種、球速、投球位置または投球パターン)を決定する移動パラメータ決定手段(111)と、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体(BL)を移動させる移動制御手段(112)と、前記移動制御手段(112)による前記移動体(BL)の移動開始後に、前記移動体(BL)の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報(SE)を画面に表示する移動予測情報表示手段(113)と、過去に移動された前記移動体(BL)の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段(114)とを含み、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報(SE)の表示態様を変更する(例えば、表示タイミング、大きさ、濃度、色、点滅の状態等を変更する)。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、業務用ゲーム機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、業務用ゲーム機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
14)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、当該サーバ(30)と通信可能な端末装置(40)とを含み、移動体(BL)を複数回数移動させるゲームを制御するものであって、ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータ(例えば球種、球速、投球位置または投球パターン)を決定する移動パラメータ決定手段(111)と、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体(BL)を移動させる移動制御手段(112)と、前記移動制御手段(112)による前記移動体(BL)の移動開始後に、前記移動体(BL)の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報(SE)を画面に表示する移動予測情報表示手段(113)と、過去に移動された前記移動体(BL)の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段(114)とを含み、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報(SE)の表示態様を変更する(例えば、表示タイミング、大きさ、濃度、色、点滅の状態等を変更する)。
15)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~13)のいずれかに記載のゲーム制御装置(10、30、40)、又は、14)に記載のゲームシステム(1)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
16)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、15)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
17)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10、30、40)又はゲームシステム(1)の制御方法は、移動体(BL)を複数回数移動させるゲームを制御する方法であり、ユーザの操作に基づいて、前記移動体(BL)の移動パラメータを決定する移動パラメータ決定ステップ(S106)と、前記移動パラメータ決定ステップ(S106)によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体(BL)を移動させる移動制御ステップ(S118)と、前記移動制御ステップ(S118)による前記移動体(BL)の移動開始後に、前記移動体(BL)の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報(SE)を画面に表示する移動予測情報表示ステップ(S122)と、過去に移動された前記移動体(BL)の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御ステップ(S106)とを含み、前記移動予測情報表示ステップ(S122)は、前記移動パラメータ決定ステップ(S106)によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報(SE)の表示態様を変更する。
上記1)、14)~17)に記載の態様によれば、ユーザの操作により決定された今回(現在)の移動パラメータと、過去の移動パラメータに関する履歴情報とに基づいて、移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報の表示態様を変更する。例えば、今回の移動パラメータと同一と評価される過去の移動パラメータの比率等に応じて、移動予測情報の表示態様を変更する。これにより、移動予測情報の表示の仕方(換言すれば、移動予測情報の見え方)が変化し、移動体を見て操作等する相手(相手ユーザまたは相手ユーザが操作するオブジェクト)の「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲーム上で疑似的に表現することができる。よって、ユーザは、例えば相手の「目の慣れ」を生じさせないように、過去の移動パラメータを考慮しながら、今回の移動パラメータを決定することを要求される。以上より、移動予測情報の表示の仕方(見え方)によって「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させた興趣性の高いゲームを実現できる。
2)本発明の一態様では、上記1)、14)~17)の何れかに記載の態様において、前記移動予測情報(SE)は、前記移動体(BL)の移動中の回転状態(例えば、回転方向、回転軸、回転速度の少なくとも1つ)を示す情報(例えば、投球されたボールの回転状態をシームの時系列変化により示す動画情報)であってもよい。
上記2)に記載の態様によれば、移動中の移動体を見て操作等する相手ユーザは、移動体の移動中の回転状態を示す情報から、移動体の軌道変化(変化方向および/または変化量)を予測することができる。そして、上記1)で説明したように、移動体の移動中の回転状態を示す情報の表示態様を変更する(例えば、表示タイミング、大きさ、濃度、色、点滅の状態を変更する)ことにより、移動体の軌道変化の予測のし易さが変わる。例えば、移動体の移動中の回転状態を示す情報の表示タイミングが早いほど、いち早く移動体の軌道変化を予測でき、有利となる。このように移動体の移動中の回転状態を示す情報の表示態様を変更することにより、「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映することができる。
3)本発明の一態様では、上記1)、2)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動予測情報(SE)の前記表示態様の変更には、前記移動制御手段(112)による前記移動体(BL)の移動開始後に表示される前記移動予測情報(SE)の表示開始タイミングの変更が含まれるようにしてもよい。
上記3)に記載の態様において、例えば、移動体の移動中の回転状態を示す情報の表示タイミングが早いほど、移動中の移動体を見て操作等する相手ユーザは、いち早く移動体の軌道変化を予測でき、有利となる。よって、前記表示タイミングを早くすると「目の慣れ」を、遅くすると「目の不慣れ」を、それぞれゲーム上で疑似的に表現できる。
4)本発明の一態様では、上記3)に記載の態様において、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータと同一と評価される移動パラメータの比率または回数を算出し、前記比率または前記回数が大きいほど、前記移動予測情報(SE)の前記表示開始タイミングを早くしてもよい。
上記4)に記載の態様によれば、今回(現在)の移動パラメータと同一と評価される過去の移動パラメータの比率または回数が大きいほど、移動予測情報の表示開始タイミングを早くする。例えば、野球ゲームでは、今回と同じ球種で過去に投球した比率または回数が大きいほど、移動予測情報の表示開始タイミングを早くして、「目の慣れ」を疑似的に表現する。よって、ユーザにとっては、同一と評価される移動パラメータばかりを選択するような操作をすれば、相手が有利になるので、過去の移動パラメータの比率または回数を考慮しながら、今回の移動パラメータを決定することを要求される。これにより、ゲームの興趣性を高めることができる。
5)本発明の一態様では、上記3)又は4)に記載の態様において、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動制御手段(112)によって移動される前記移動体(BL)の移動速度が大きいほど、前記移動予測情報(SE)の前記表示開始タイミングを早くしてもよい。
例えば、移動体の移動開始後における移動予測情報の表示開始タイミングを、どの移動速度でも同じにすると、移動体の移動速度が大きいほど、当該移動体を見て操作等する相手ユーザの対応が間に合わなくなる可能性が高くなる。また、移動体の移動速度が小さいほど、相手ユーザが対応する時間に余裕が生じるので、移動体の移動開始後における移動予測情報の表示開始タイミングを、どの移動速度でも同じにすれば、相手ユーザにとっては移動速度が小さい方が有利となってしまう。そこで、上記5)に記載の態様では、移動体の移動速度が大きいほど、移動予測情報の表示開始タイミングを早めることで、どの移動速度であっても、ゲームバランスのとれた興趣性の高いゲームを実現できる。
6)本発明の一態様では、上記3)ないし5)の何れかに記載の態様において、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動制御手段(112)によって移動される前記移動体(BL)の移動速度が小さいほど、前記比率または前記回数の違いによる前記表示開始タイミングの変化の程度を大きくしてもよい。
例えば、移動体の移動速度が大きい場合、当該移動体を見て操作等する相手ユーザの対応時間が短いため、移動予測情報の表示開始タイミングが少し違うだけで、有利、不利が明確となる。一方、移動体の移動速度が小さい場合、相手ユーザは、移動速度が大きい場合よりも移動予測情報を長く見て対応することが可能であり、移動予測情報の表示開始タイミングが多少違うだけでは、有利、不利がそれほど明確にはなり難い。そこで、上記6)に記載の態様では、移動体の移動速度が小さいほど、前記比率または前記回数の違いによる表示開始タイミングの変化の程度を大きくすることで、当該表示開始タイミングの変化がより際立つようにしている。これにより、バランスのとれた興趣性の高いゲームを実現できる。
7)本発明の一態様では、上記1)~6)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動制御手段(112)による前記移動体(BL)の移動開始後に、所定の到達可能領域(A52)に、前記移動体(BL)の前記軌道変化に応じて移動する到達予測点(PP)を表示する到達予測点表示手段(115)をさらに備え、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動予測情報(SE)を前記到達予測点(PP)に表示してもよい。
上記7)に記載の態様によれば、移動体の移動開始後に到達可能領域に表示される到達予測点に、移動予測情報が表示される。ここで、到達予測点は、到達可能領域において移動体の軌道変化に応じて移動するものである。よって、移動中の移動体を見て操作等する相手ユーザは、到達予測点も見ながら必要な操作をすることになる。この到達予測点に移動予測情報を表示することにより、相手ユーザは、到達予測点を見ながら同時に移動予測情報を確認することが可能となり好ましい。
8)本発明の一態様では、上記7)に記載の態様において、前記移動予測情報表示手段(113)は、前記移動パラメータ決定手段(111)によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記到達予測点(PP)が表示されてから前記到達予測点(PP)に前記移動予測情報(SE)を表示するまでの期間を変更するようにしてもよい。
上記8)に記載の態様によれば、常に到達予測点の表示と同時に移動予測情報が表示されるのではなく、到達予測点が表示されてから到達予測点に移動予測情報が表示されるまでの期間は、ユーザの操作により決定された今回の移動パラメータと、過去の移動パラメータに関する履歴情報とに基づいて変更される。例えば、今回の移動パラメータと同一と評価される過去の移動パラメータの比率等に応じて、到達予測点が表示されてから到達予測点に移動予測情報が表示されるまでの期間が変更される。これにより、移動予測情報の表示開始タイミングが変更される。到達予測点を見ながら操作する相手ユーザにとって、到達予測点が表示されてから到達予測点に移動予測情報が表示されるまでの期間が短いほど操作がし易くなり、「目の慣れ」を表現できる。このように、到達予測点が表示されてから到達予測点に移動予測情報が表示されるまでの期間を変更することにより、「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲーム上で効果的に表現することができる。
9)本発明の一態様では、上記1)~8)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動予測情報表示手段(113)は、所定条件(例えば、投球2球目、4球目、対戦打者が「2人目」等)を満たしてから、前記移動予測情報(SE)の表示態様の変更を適用してもよい。
上記9)に記載の態様によれば、ゲーム開始後における移動体(BL)の最初の移動から、相手の「目の慣れ」をゲーム上で表現するのではなく、所定条件を満たしてから、移動予測情報の表示態様の変更を適用することによって、「目の慣れ」をゲーム上で表現する。これにより、ユーザは、所定条件を満たすまでは自由に移動パラメータを決定できるが、所定条件を満たしてからは、「目の慣れ」を考慮して移動パラメータを決定する必要性が生じる。これにより、ゲーム性を高めることができる。
10)本発明の一態様では、上記1)~9)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動パラメータは、前記移動体(BL)の前記軌道変化に関するパラメータ(例えば球種)を含むようにしてもよい。
上記10)に記載の態様によれば、移動体の軌道変化に対する「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
11)本発明の一態様では、上記10)に記載の態様において、前記移動体(BL)の前記軌道変化に関するパラメータは、球種であってもよい。
上記11)に記載の態様によれば、野球ゲームにおいて、投手キャラクタが投球する球種に対する「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
12)本発明の一態様では、上記1)~11)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動パラメータは、所定の到達可能領域への前記移動体(BL)の到達位置に関するパラメータ(例えば投球位置)を含むようにしてもよい。
上記12)に記載の態様によれば、移動体の到達位置に対する「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
13)本発明の一態様では、上記1)~12)、14)~16)の何れかに記載の態様において、前記移動パラメータは、前記移動体(BL)の移動速度(例えば球速)に関するパラメータを含むようにしてもよい。
上記13)に記載の態様によれば、移動体の移動速度に対する「目の慣れ」または「目の不慣れ」をゲームに効果的に反映させることができる。
なお、発明を実施するための形態においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の技術思想と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、10…ゲーム装置、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、16…操作部、20…表示部、30…サーバ、40…ゲーム端末、50…ゲームコントローラ、100…データ記憶部、110…制御部、111…移動パラメータ決定部、112…移動制御部、113…移動予測情報表示部、114…履歴記憶制御部、115…到達予測点表示部、TBL101…ユーザ情報テーブル、TBL102…キャラクタテーブル、TBL103…シーム表示開始タイミングテーブル、DT104…ゲーム管理データ、PC…投手キャラクタ、BT…打者キャラクタ、SZ…ストライクゾーン、MC…ミートカーソル、BL…ボール、PP…投球予測点、SE…シーム、A51…打撃可能領域、A52…投球可能領域
Claims (15)
- 移動体を複数回数移動させるゲームを制御するゲーム制御装置であって、
ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する移動パラメータ決定手段と、
前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体を移動させる移動制御手段と、
前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に、前記移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報を画面に表示する移動予測情報表示手段と、
過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段とを含み、
前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更するゲーム制御装置。 - 前記移動予測情報は、前記移動体の移動中の回転状態を示す情報である請求項1に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動予測情報の前記表示態様の変更には、前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に表示される前記移動予測情報の表示開始タイミングの変更が含まれる請求項1に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと同一と評価される移動パラメータの比率または回数を算出し、前記比率または前記回数が大きいほど、前記移動予測情報の前記表示開始タイミングを早くする請求項3に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動予測情報表示手段は、前記移動制御手段によって移動される前記移動体の移動速度が大きいほど、前記移動予測情報の前記表示開始タイミングを早くする請求項3に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動予測情報表示手段は、前記移動制御手段によって移動される前記移動体の移動速度が小さいほど、前記比率または前記回数の違いによる前記表示開始タイミングの変化の程度を大きくする請求項4に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に、所定の到達可能領域に、前記移動体の前記軌道変化に応じて移動する到達予測点を表示する到達予測点表示手段をさらに備え、
前記移動予測情報表示手段は、前記移動予測情報を前記到達予測点に表示する請求項1に記載のゲーム制御装置。 - 前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記到達予測点が表示されてから前記到達予測点に前記移動予測情報を表示するまでの期間を変更する請求項7に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動予測情報表示手段は、所定条件を満たしてから、前記移動予測情報の表示態様の変更を適用する請求項1に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動パラメータは、前記移動体の前記軌道変化に関するパラメータを含む請求項1に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動体の前記軌道変化に関するパラメータは、球種である請求項10に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動パラメータは、所定の到達可能領域への前記移動体の到達位置に関するパラメータを含む請求項1に記載のゲーム制御装置。
- 前記移動パラメータは、前記移動体の移動速度に関するパラメータを含む請求項1に記載のゲーム制御装置。
- サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、移動体を複数回数移動させるゲームを制御するゲームシステムであって、
ユーザの操作に基づいて、前記移動体の移動パラメータを決定する移動パラメータ決定手段と、
前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータに基づいて、前記移動体を移動させる移動制御手段と、
前記移動制御手段による前記移動体の移動開始後に、前記移動体の移動中の軌道変化を予測するための移動予測情報を画面に表示する移動予測情報表示手段と、
過去に移動された前記移動体の前記移動パラメータに関する履歴情報を記憶装置に記憶させる履歴記憶制御手段とを含み、
前記移動予測情報表示手段は、前記移動パラメータ決定手段によって決定された前記移動パラメータと前記履歴情報とに基づいて、前記移動予測情報の表示態様を変更するゲームシステム。 - 請求項1ないし13の何れか1項に記載のゲーム制御装置または請求項14に記載のゲームシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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2022
- 2022-08-19 JP JP2022131203A patent/JP2024027966A/ja active Pending
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