(本開示の概要)
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
本開示の一態様に係る撮像装置は、第1導電型の第1拡散領域および前記第1導電型の第2拡散領域を含む半導体基板と、前記第1拡散領域に接続され、半導体を含む第1プラグと、前記第2拡散領域に接続され、半導体を含む第2プラグと、前記第1プラグに電気的に接続された光電変換部と、を備える。前記半導体基板に垂直な方向から見たとき、前記第2プラグの面積は、前記第1プラグの面積よりも大きい。
半導体基板の表面では、結晶の欠陥に起因するリーク電流が流れやすい。当該リーク電流は、半導体基板の表面に沿って広がる空乏層が大きい程、流れやすい。これに対して、本態様に係る撮像装置によれば、光電変換部に電気的に接続された第1プラグの面積が小さくなるので、半導体基板の表面において第1プラグの電位の影響を受ける範囲が狭くなる。このため、半導体基板の表面に沿った、第1拡散領域からの空乏層の広がりを抑制することができる。これにより、本態様に係る撮像装置によれば、リーク電流、すなわち、暗電流を抑制することができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る撮像装置は、さらに、前記半導体基板上に位置する絶縁膜を備え、前記第1プラグは、前記第1拡散領域に接し、前記絶縁膜を貫通する第1コンタクトと、前記第1コンタクト上に位置し、前記第1コンタクトよりも前記半導体基板に垂直な方向から見たときの面積が大きい第1パッドと、を含み、前記第2プラグは、前記第2拡散領域に接し、前記絶縁膜を貫通する第2コンタクトと、前記第2コンタクト上に位置し、前記第2コンタクトよりも前記半導体基板に垂直な方向から見たときの面積が大きい第2パッドと、を含み、前記半導体基板に垂直な方向から見たとき、前記第2パッドの面積は、前記第1パッドの面積よりも大きくてもよい。
これにより、第1拡散領域に接続された第1プラグの第1パッドの面積が小さくなるので、第1パッドの電位の影響を受ける範囲が狭くなる。このため、半導体基板の表面に沿った、第1拡散領域からの空乏層の広がりを抑制することができる。したがって、第1拡散領域からの、または、第1拡散領域へのリーク電流を抑制することができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る撮像装置は、さらに、前記第1拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第1ゲートを含む第1トランジスタと、前記第2拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第2ゲートを含む第2トランジスタと、を備え、前記第2パッドの前記第2ゲートの幅方向に平行な方向の長さは、前記第1パッドの前記第1ゲートの幅方向に平行な方向の長さよりも長くてもよい。
これにより、幅方向を短くすることで、容易に第1パッドの面積を小さくすることができる。
また、例えば、前記第2パッドと前記第2ゲートとの距離は、前記第1パッドと前記第1ゲートとの距離よりも長くてもよい。
これにより、第1パッドとゲート電極との距離が短くなるので、ゲート電極側に形成される空乏層の広がりを抑制することができる。したがって、第1拡散領域からの、または、第1拡散領域へのリーク電流を抑制することができる。
また、例えば、前記半導体基板に垂直な方向から見たとき、前記第2コンタクトの面積は、前記第1コンタクトの面積よりも大きくてもよい。
これにより、第1プラグの第1コンタクトと第1拡散領域との接触面積が小さくなるので、第1コンタクトに含まれる不純物が第1拡散領域の内部に拡散する量を少なくすることができる。第1拡散領域の接合部における不純物の濃度が小さくなるので、接合部における電界強度を緩和することができる。これにより、第1拡散領域からの空乏層の広がりを抑制することができるので、リーク電流を抑制することができる。
また、例えば、前記第1プラグおよび前記第2プラグは、前記第1導電型の不純物を含み、前記第2プラグ中の前記第1導電型の不純物の濃度は、前記第1プラグ中の前記第1導電型の不純物の濃度よりも高くてもよい。
これにより、第1プラグに含まれる不純物の濃度が低くなるので、第1プラグに含まれる不純物が第1拡散領域の内部に拡散する量を少なくすることができる。第1拡散領域の接合部における不純物の濃度が小さくなるので、接合部における電界強度を緩和することができる。これにより、第1拡散領域からの空乏層の広がりを抑制することができるので、リーク電流を抑制することができる。
また、例えば、さらに、前記第1拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第1ゲートを含む第1トランジスタと、前記第2拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第2ゲートを含む第2トランジスタと、を備え、前記第2パッドの前記第2ゲートの長さ方向に平行な方向の長さは、前記第1パッドの前記第1ゲートの長さ方向に平行な方向の長さよりも長くてもよい。なお、前記半導体基板に垂直な方向から見たとき、ゲートの長さ方向は、ゲートの幅方向と直交する方向である。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部、又はブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは一つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システム又は装置は、ソフトウェアが記録されている一つ又は複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、重複する説明を省略または簡略化することがある。
また、図面に示す各種の要素は、本開示の理解のために模式的に示したにすぎず、寸法比および外観などは実物と異なり得る。つまり、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
また、本明細書において、平行または一致などの要素間の関係性を示す用語、および、円形または矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「上方」および「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)および下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。具体的には、撮像装置の受光側を「上方」とし、受光側と反対側を「下方」とする。各部材の「上面」、「下面」についても同様に、撮像装置の受光側に対向する面を「上面」とし、受光側と反対側に対向する面を「下面」とする。なお、「上方」、「下方」、「上面」および「下面」などの用語は、あくまでも部材間の相互の配置を指定するために用いており、撮像装置の使用時における姿勢を限定する意図ではない。また、「上方」および「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。また、本明細書において、「平面視」とは、半導体基板に垂直な方向から見たときのことを言う。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る撮像装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置100は、半導体基板60に形成された複数の画素10および周辺回路40を有する。各画素10は、半導体基板60の上方に配置された光電変換部12を含む。つまり、本開示に係る撮像装置の一例として、積層型の撮像装置100について説明する。
図1に示す例では、画素10が、m行n列のマトリクス状に配置されている。ここで、mおよびnはそれぞれ、2以上の整数である。画素10は、半導体基板60に例えば2次元に配列されることにより、撮像領域R1を形成する。上述したように、各画素10は、半導体基板60の上方に配置された光電変換部12を含んでいる。そのため、撮像領域R1は、半導体基板60のうち、光電変換部12によって覆われている領域として規定される。なお、図1では、各画素10の光電変換部12は、説明を容易にする観点から、空間的に互いに分離されて示されているが、複数の画素10の光電変換部12は、互いに間隔をあけずに半導体基板60上に配置され得る。
画素10の数および配置は、図示する例に限定されない。例えば、撮像装置100に含まれる画素10の数は、1つであってもよい。この例では、各画素10の中心が正方格子の格子点上に位置しているが、画素10の配置はそのようになっていなくてもよい。例えば、各中心が、三角格子、六角格子などの格子点上に位置するように複数の画素10を配置してもよい。また、例えば、画素10を1次元に配列すれば、撮像装置100をラインセンサとして利用し得る。
図1に例示する構成では、周辺回路40は、垂直走査回路46および水平信号読み出し回路48を含んでいる。垂直走査回路46は、行走査回路とも呼ばれ、複数の画素10の各行に対応して設けられたアドレス信号線34との接続を有する。水平信号読み出し回路48は、列走査回路とも呼ばれ、複数の画素10の各列に対応して設けられた垂直信号線35との接続を有する。図1において模式的に示すように、これらの回路は、撮像領域R1の外側の周辺領域R2に配置される。周辺回路40は、信号処理回路、出力回路、制御回路、および、各画素10に所定の電圧を供給する電源などをさらに含んでいてもよい。周辺回路40の一部は、画素10の形成された半導体基板60とは異なる他の基板上に配置されていてもよい。
図2は、本実施の形態に係る撮像装置100の回路構成を示す図である。図2では、図面が複雑となることを避けるために、図1に示す複数の画素10のうち、2行2列に配列された4つの画素10を示している。
各画素10の光電変換部12は、光の入射を受けて正および負の電荷、典型的には正孔-電子対を発生させる。各画素10の光電変換部12は、蓄積制御線39との接続を有しており、撮像装置100の動作時、蓄積制御線39には所定の電圧が印加される。所定の電圧を蓄積制御線39に印加することにより、光電変換によって生成された正および負の電荷のうち、一方の電荷を選択的に電荷蓄積領域に蓄積することができる。以下では、光電変換によって生成された正および負の電荷のうち、正の電荷を信号電荷として利用する場合を例示する。
各画素10は、光電変換部12に電気的に接続された信号検出回路14を含む。図2に例示する構成において、信号検出回路14は、増幅トランジスタ22およびリセットトランジスタ26を含む。この例では、信号検出回路14は、さらに、アドレストランジスタ24を含んでいる。後に図面を参照して詳しく説明するように、信号検出回路14の増幅トランジスタ22、リセットトランジスタ26およびアドレストランジスタ24は、典型的には、光電変換部12を支持する半導体基板60に形成された電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)である。以下では、特に断りの無い限り、トランジスタとしてNチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)を用いる例を説明する。なお、FETの2つの拡散層のうちどちらがソースおよびドレインに該当するかは、FETの極性およびその時点での電位の高低によって決定される。そのため、どちらがソースおよびドレインであるかはFETの作動状態によって変動しうる。
図2において模式的に示すように、増幅トランジスタ22のゲートは、光電変換部12に電気的に接続されている。光電変換部12によって生成された信号電荷は、光電変換部12と増幅トランジスタ22との間の電荷蓄積ノードNDと接続された電荷蓄積領域に蓄積される。なお、電荷蓄積ノードNDとは、電荷蓄積領域と増幅トランジスタ22のゲートと光電変換部12の下部電極とを電気的に接続している配線、および電荷蓄積領域に相当する。
増幅トランジスタ22のドレインは、撮像装置100の動作時に各画素10に所定の電源電圧VDDを供給する電源配線32に接続されている。電源配線32に接続された電源(図示せず)は、ソースフォロア電源とも呼ばれる。電源電圧VDDは、例えば3.3V程度であるが、これに限らない。増幅トランジスタ22は、光電変換部12によって生成された信号電荷の量に応じた信号電圧を出力する。増幅トランジスタ22のソースは、アドレストランジスタ24のドレインに接続されている。
アドレストランジスタ24のソースには、垂直信号線35が接続されている。図1および図2に示すように、垂直信号線35は、複数の画素10の列ごとに設けられており、垂直信号線35の各々には、負荷回路42およびカラム信号処理回路44が接続されている。負荷回路42は、増幅トランジスタ22とともにソースフォロア回路を形成する。
アドレストランジスタ24のゲートには、アドレス信号線34が接続されている。アドレス信号線34は、複数の画素10の行ごとに設けられる。アドレス信号線34は、垂直走査回路46に接続されており、垂直走査回路46は、アドレストランジスタ24のオンおよびオフを制御する行選択信号をアドレス信号線34に印加する。これにより、読み出し対象の行が垂直方向である列方向に走査され、読み出し対象の行が選択される。垂直走査回路46は、アドレス信号線34を介してアドレストランジスタ24のオンおよびオフを制御することにより、選択した画素10の増幅トランジスタ22の出力を、対応する垂直信号線35に読み出すことができる。アドレストランジスタ24の配置は、図2に示す例に限定されず、増幅トランジスタ22のドレインと電源配線32との間であってもよい。
アドレストランジスタ24を介して垂直信号線35に出力された、画素10からの信号電圧は、垂直信号線35に対応して複数の画素10の列ごとに設けられた複数のカラム信号処理回路44のうち、対応するカラム信号処理回路44に入力される。カラム信号処理回路44および負荷回路42は、上述の周辺回路40の一部であり得る。
カラム信号処理回路44は、相関2重サンプリングに代表される雑音抑圧信号処理およびアナログ-デジタル変換などを行う。カラム信号処理回路44は、水平信号読み出し回路48に接続されている。水平信号読み出し回路48は、複数のカラム信号処理回路44から水平共通信号線49に信号を順次読み出す。
図2に例示する構成において、信号検出回路14は、ドレインが電荷蓄積ノードNDに接続されたリセットトランジスタ26を含む。リセットトランジスタ26のゲートには、垂直走査回路46との接続を有するリセット信号線36が接続される。リセット信号線36は、アドレス信号線34と同様に複数の画素10の行ごとに設けられる。垂直走査回路46は、アドレス信号線34に行選択信号を印加することにより、リセットの対象となる画素10を行単位で選択することができる。また、垂直走査回路46は、リセットトランジスタ26のオンおよびオフを制御するリセット信号を、リセット信号線36を介してリセットトランジスタ26のゲートに印加することにより、選択された行のリセットトランジスタ26をオンとすることができる。リセットトランジスタ26がオンとされることにより、電荷蓄積ノードNDの電位がリセットされる。
この例では、リセットトランジスタ26のソースが、複数の画素10の列ごとに設けられたフィードバック線53のうちの1つに接続されている。すなわち、この例では、光電変換部12の電荷を初期化するリセット電圧として、フィードバック線53の電圧が電荷蓄積ノードNDに供給される。ここでは、上述のフィードバック線53は、複数の画素10の列ごとに設けられた反転増幅器50のうちの対応する1つにおける出力端子に接続されている。反転増幅器50は、上述の周辺回路40の一部であり得る。
複数の画素10の列のうちの1つに注目する。図2に示すように、反転増幅器50の反転入力端子は、その列の垂直信号線35に接続されている。また、反転増幅器50の出力端子と、その列に属する1以上の画素10とが、フィードバック線53を介して接続されている。撮像装置100の動作時、反転増幅器50の非反転入力端子には、所定の電圧Vrefが供給される。その列に属する1以上の画素10のうちの1つを選択し、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ26をオンとすることにより、その画素10の出力を負帰還させる帰還経路を形成することができる。帰還経路の形成により、垂直信号線35の電圧が、反転増幅器50の非反転入力端子への入力電圧Vrefに収束する。換言すれば、帰還経路の形成により、電荷蓄積ノードNDの電圧が、垂直信号線35の電圧がVrefとなるような電圧にリセットされる。電圧Vrefとしては、電源電圧および接地電圧の範囲内の任意の大きさの電圧を用い得る。例えば、電圧Vrefは、0V以上3.3V以下の範囲内の電圧である。一例として、電圧Vrefは、1Vまたは1V近傍の正電圧である。反転増幅器50をフィードバックアンプと呼んでもよい。このように、撮像装置100は、反転増幅器50を帰還経路の一部に含むフィードバック回路16を有する。
よく知られているように、トランジスタのオンまたはオフに伴い、kTCノイズと呼ばれる熱ノイズが発生する。リセットトランジスタ26のオンまたはオフに伴って発生するノイズは、リセットノイズと呼ばれる。電荷蓄積領域の電位のリセット後、リセットトランジスタ26をオフとすることによって発生したリセットノイズは、信号電荷の蓄積前の電荷蓄積領域に残留してしまう。しかしながら、リセットトランジスタ26のオフに伴って発生するリセットノイズは、フィードバック回路16を利用することによって低減することが可能である。フィードバック回路16を利用したリセットノイズの抑制の詳細は、特許文献1において説明されている。参考のために、特許文献1の開示内容の全てを本明細書に援用する。
図2に例示する構成では、帰還経路の形成により、熱ノイズの交流成分がリセットトランジスタ26のソースにフィードバックされる。図2に例示する構成では、リセットトランジスタ26のオフの直前まで帰還経路が形成されるので、リセットトランジスタ26のオフに伴って発生するリセットノイズを低減することが可能である。
図3は、本実施の形態に係る撮像装置100の画素10内のレイアウトを示す平面図である。図3は、図4に示す画素10を、半導体基板60に垂直な方向から見たときの、半導体基板60に形成された各素子の配置を模式的に示している。具体的には、図3は、画素10に含まれる増幅トランジスタ22、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ26の配置を示している。ここでは、増幅トランジスタ22およびアドレストランジスタ24は、紙面における上下方向に沿って直線状に配置されている。
図4は、本実施の形態に係る撮像装置100の画素10のデバイス構造を示す概略断面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿って画素10を切断し、矢印方向に展開した場合の断面図である。
なお、図3および図4において、n型不純物領域である第1拡散領域67nは、リセットトランジスタ26のドレイン領域であり、電荷蓄積領域である。
図3および図4に示すように、本実施の形態に係る撮像装置100における画素10は、第1導電型の不純物を含み、光電変換部12によって変換された信号電荷を蓄積する第1拡散領域67nをソースおよびドレインの一方とし、第1導電型の不純物を含む第2拡散領域68anをソースおよびドレインの他方として含むリセットトランジスタ26を備える。リセットトランジスタ26は、第1拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第1ゲートを備える第1トランジスタの一例である。
本実施の形態では、第1導電型は、n型である。つまり、第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anは、n型不純物領域である。例えば、第1拡散領域67nのn型不純物の濃度は、第2拡散領域68anのn型不純物の濃度よりも小さい。第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anはそれぞれ、半導体基板60中の異なる位置に設けられている。
さらに、画素10は、増幅トランジスタ22およびアドレストランジスタ24を備える。増幅トランジスタ22およびアドレストランジスタ24は、第2拡散領域をソースおよびドレインの一方として含み、第2ゲートを備える第2トランジスタの一例である。増幅トランジスタ22は、n型不純物を含む第2拡散領域68bnをソースおよびドレインの一方として含み、n型不純物を含む第3拡散領域68cnをソースおよびドレインの他方として含む。アドレストランジスタ24は、n型不純物を含む第2拡散領域68dnをソースおよびドレインの一方として含み、n型不純物を含む第3拡散領域68cnをソースおよびドレインの他方として含む。第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnはそれぞれ、半導体基板60中の異なる位置に設けられたn型不純物領域の一例である。
このとき、第1拡散領域67nのn型不純物の濃度は、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnのn型不純物の濃度よりも小さくてもよい。これにより、第1拡散領域67nと半導体基板60との接合部における接合濃度が小さくなるため、接合部における電界強度を緩和することができる。そのため、電荷蓄積領域である第1拡散領域67nからの、または、第1拡散領域67nへのリーク電流が低減される。
また、本実施の形態に係る撮像装置100では、半導体基板60は第2導電型の不純物を含む。第2導電型は、第1導電型とは異なる導電型であり、本実施の形態ではp型である。第1拡散領域67nに含まれるn型不純物および半導体基板60に含まれるp型不純物の濃度は、例えば1×1016atoms/cm3以上5×1016atoms/cm3以下であってもよい。これにより、第1拡散領域67nと半導体基板60との接合濃度が小さくなり、接合部における電界強度の上昇を抑制することができる。そのため、接合部におけるリーク電流を低減することができる。
図4に模式的に示すように、画素10は、概略的には、半導体基板60の一部と、半導体基板60の上方に配置された光電変換部12と、配線構造80とを含む。配線構造80は、光電変換部12と半導体基板60との間に形成された層間絶縁層90内に配置され、半導体基板60に形成された増幅トランジスタ22と光電変換部12とを電気的に接続する構造を含む。ここでは、層間絶縁層90は、絶縁層90a、絶縁層90b、絶縁層90cおよび絶縁層90dの4層の絶縁層を含む積層構造を有する。配線構造80は、配線層80a、配線層80b、配線層80cおよび配線層80dの4層の配線層と、これらの配線層間に配置されたプラグpa1、プラグpa2、プラグpa3、プラグpa4、プラグpa5、プラグpa6、プラグpa7、プラグpb、プラグpcおよびプラグpdを有する。
また、配線層80aは、配線構造80に含まれる複数の配線層のうち半導体基板60に最も近い層である。具体的には、配線層80aは、コンタクトプラグcp1、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4、ならびに、ゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eを含む。なお、言うまでもないが、層間絶縁層90中の絶縁層の数および配線構造80中の配線層の数は、この例に限定されず、任意に設定可能である。
光電変換部12は、層間絶縁層90上に配置される。光電変換部12は、層間絶縁層90上に形成された画素電極12a、画素電極12aに対向する透明電極12c、および、画素電極12aと透明電極12cとの間に配置された光電変換層12bを含む。光電変換部12の光電変換層12bは、有機材料またはアモルファスシリコンなどの無機材料から形成され、透明電極12cを介して入射した光を受けて、光電変換により正および負の電荷を生成する。光電変換層12bは、典型的には、複数の画素10にわたって連続的に形成される。光電変換層12bは、平面視において、半導体基板60の撮像領域R1の大部分を覆う一枚の平板状に形成されている。つまり、光電変換層12bは、複数の画素10によって共用されている。言い換えると、画素10ごとに設けられた光電変換部12は、光電変換層12bの、画素10ごとに異なる部位を備える。また、光電変換層12bは、有機材料から構成される層と無機材料から構成される層とを含んでいてもよい。光電変換層12bは、画素10ごとに分離して設けられていてもよい。
透明電極12cは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電性材料から形成され、光電変換層12bの受光面側に配置される。透明電極12cは、典型的には、光電変換層12bと同様に、複数の画素10にわたって連続的に形成される。つまり、透明電極12cは、複数の画素10によって共用されている。言い換えると、画素10ごとに設けられた光電変換部12は、透明電極12cの、画素10ごとに異なる部位を備える。透明電極12cは、画素10ごとに分離して設けられていてもよい。
図4において図示が省略されているが、透明電極12cは、上述の蓄積制御線39との接続を有する。撮像装置100の動作時、蓄積制御線39の電位を制御して透明電極12cの電位と画素電極12aの電位とを異ならせることにより、光電変換で生成された信号電荷を画素電極12aによって収集することができる。例えば、透明電極12cの電位が画素電極12aの電位よりも高くなるように、蓄積制御線39の電位を制御する。具体的には、例えば10V程度の正電圧を蓄積制御線39に印加する。このことにより、光電変換層12bで発生した正孔-電子対のうち、正孔を画素電極12aによって信号電荷として収集することができる。画素電極12aで収集された信号電荷は、配線構造80を介して第1拡散領域67nに蓄積される。
画素電極12aは、アルミニウム、銅などの金属、金属窒化物、または、不純物がドープされることにより導電性が付与されたポリシリコンなどから形成される電極である。画素電極12aは、隣接する他の画素10の画素電極12aから空間的に分離されることにより、他の画素10の画素電極12aから電気的に分離されている。
半導体基板60は、図4に示すように、支持基板61と、支持基板61上に形成された1以上の半導体層とを含む。ここでは、支持基板61として、p型シリコン(Si)基板を例示する。この例では、半導体基板60は、支持基板61上のp型半導体層61p、p型半導体層61p上のn型半導体層62n、n型半導体層62n上のp型半導体層63pおよびp型半導体層63p上のp型半導体層65pを有する。p型半導体層63pは、支持基板61の全面にわたって形成される。p型半導体層65pは、p型半導体層65pよりも不純物の濃度が低いp型不純物領域66pと、p型不純物領域66p中に形成された第1拡散領域67nと、第2拡散領域68an、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dnと、第3拡散領域68cnと、素子分離領域69とを有する。
p型半導体層61p、n型半導体層62n、p型半導体層63pおよびp型半導体層65pの各々は、典型的には、エピタキシャル成長で形成した半導体層への不純物のイオン注入によって形成される。p型半導体層63pおよびp型半導体層65pにおける不純物濃度は、互いに同程度であり、かつ、p型半導体層61pの不純物濃度よりも高い。p型半導体層61pとp型半導体層63pとの間に配置されたn型半導体層62nは、信号電荷を蓄積する電荷蓄積領域である第1拡散領域67nへの、支持基板61または周辺回路40からの少数キャリアの流入を抑制する。撮像装置100の動作時、n型半導体層62nの電位は、図1に示す撮像領域R1の外側に設けられるウェルコンタクト(不図示)を介して制御される。
また、この例では、半導体基板60は、p型半導体層61pおよびn型半導体層62nを貫通するようにしてp型半導体層63pおよび支持基板61の間に設けられたp型領域64を有する。p型領域64は、p型半導体層63pおよびp型半導体層65pと比較して高い不純物濃度を有し、p型半導体層63pと支持基板61とを電気的に接続する。撮像装置100の動作時、p型半導体層63pおよび支持基板61の電位は、撮像領域R1の外側に設けられる基板コンタクト(不図示)を介して制御される。p型半導体層63pに接するようにp型半導体層65pを配置することにより、撮像装置100の動作時に、p型半導体層65pの電位を、p型半導体層63pを介して制御することが可能である。
半導体基板60には、増幅トランジスタ22、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ26が形成される。リセットトランジスタ26は、第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anと、半導体基板60上に形成された絶縁層70の一部と、絶縁層70上のゲート電極26eとを含んでいる。ゲート電極26eは、第1ゲートの一例であり、具体的には、リセットトランジスタ26のゲートとして機能する。第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anは、リセットトランジスタ26のドレイン領域およびソース領域としてそれぞれ機能する。第1拡散領域67nは、光電変換部12によって生成された信号電荷を一時的に蓄積する電荷蓄積領域として機能する。
増幅トランジスタ22は、第2拡散領域68bnおよび第3拡散領域68cnと、絶縁層70の一部と、絶縁層70上のゲート電極22eとを含んでいる。ゲート電極22eは、第2ゲートの一例であり、具体的には、増幅トランジスタ22のゲートとして機能する。第2拡散領域68bnおよび第3拡散領域68cnは、増幅トランジスタ22のドレイン領域およびソース領域としてそれぞれ機能する。
第2拡散領域68bnと第1拡散領域67nとの間には素子分離領域69が配置される。素子分離領域69は、例えばp型の不純物拡散領域である。素子分離領域69の不純物濃度は、p型半導体層65pおよびp型不純物領域66pの不純物濃度より高い。素子分離領域69により、増幅トランジスタ22とリセットトランジスタ26とが電気的に分離される。
図4において模式的に示すように、第1拡散領域67nと素子分離領域69とは、第1拡散領域67nがp型不純物領域66p中に形成されることにより、互いに接しないように配置される。例えば、素子分離領域69としてp型不純物領域を用いた場合、第1拡散領域67nと素子分離領域69とが接していると、接合部におけるp型不純物濃度およびn型不純物濃度の双方が高くなる。そのため、第1拡散領域67nと素子分離領域69との接合部周辺に、この高い接合濃度に起因したリーク電流が発生しやすい。換言すれば、第1拡散領域67nと素子分離領域69とが互いに接しないように配置されることで、素子分離領域69に高濃度のp型不純物領域を用いても、pn接合濃度の上昇を抑制し、リーク電流を抑制することができる。また、素子分離領域69としてSTI(Shallow Trench Isolation)を用いる方法があるが、この場合もSTI側壁部での結晶欠陥に起因したリーク電流を低減するために、第1拡散領域67nとSTIとが互いに接しないように配置されてもよい。
素子分離領域69は、互いに隣接する画素10間にも配置されており、これらの間で、信号検出回路14同士を電気的に分離する。ここでは、素子分離領域69は、増幅トランジスタ22およびアドレストランジスタ24の組の周囲と、リセットトランジスタ26の周囲とに設けられる。
アドレストランジスタ24は、第3拡散領域68cnおよび第2拡散領域68dnと、絶縁層70の一部と、絶縁層70上のゲート電極24eとを含んでいる。ゲート電極24eは、第2ゲートの一例であり、具体的には、アドレストランジスタ24のゲートとして機能する。この例では、アドレストランジスタ24は、第3拡散領域68cnを増幅トランジスタ22と共有することにより、増幅トランジスタ22に電気的に接続されている。第3拡散領域68cnは、アドレストランジスタ24のドレイン領域として機能し、第2拡散領域68dnは、アドレストランジスタ24のソース領域として機能する。
この例では、リセットトランジスタ26のゲート電極26e、増幅トランジスタ22のゲート電極22eおよびアドレストランジスタ24のゲート電極24eを覆うように絶縁層71が設けられている。絶縁層71は、例えば、シリコン酸化膜である。絶縁層71は、複数の絶縁層を含む積層構造を有していてもよい。
図4および図5に示すように、絶縁層71上には、コンタクトプラグcp1のサイドウォール73と、ゲート電極26eのサイドウォール74とが位置している。サイドウォール73およびサイドウォール74は、例えば、シリコン窒化膜で形成される。サイドウォール73およびサイドウォール74は、コンタクトプラグcp1とゲート電極26eとの間を埋め込んでいる。つまり、コンタクトプラグcp1とゲート電極26eとの間の部分において、サイドウォール73およびサイドウォール74とが平面視において第1拡散領域67nを覆っている。
したがって、コンタクトプラグcp1とゲート電極26eとの間の部分において、第1拡散領域67nが絶縁層70および絶縁層71だけによって覆われている場合と比較して、第1拡散領域67nに対するダメージおよび金属の拡散による汚染を低減することができる。第1拡散領域67nに対するダメージとは、例えば第1拡散領域67nの形成後のプロセスで用いられるプラズマによるダメージである。プラズマによるダメージとは、例えば加速されたイオンの衝突による物理的なダメージ、および光による欠陥の生成である。光とは、例えば紫外線である。本実施の形態では、後述するようにパッドcp1bとゲート電極26eとの距離を近づけている。そのことにより、コンタクトプラグcp1とゲート電極26eとの間の部分をサイドウォール73とサイドウォール74とで埋め込むことが容易になっている。サイドウォール73を設けず、サイドウォール74のみでコンタクトプラグcp1とゲート電極26eとの間の部分を埋め込んでもよい。他のコンタクトプラグとゲート電極との間をサイドウォールで埋め込んでもよい。この場合、他の不純物領域に対しても同様の効果が得られる。
絶縁層70および絶縁層71は、複数のコンタクトホールを有する。ここでは、図4に示すように、絶縁層70および絶縁層71に、コンタクトホールh1、コンタクトホールh2、コンタクトホールh3、コンタクトホールh4、コンタクトホールh5、コンタクトホールh6、コンタクトホールh7、コンタクトホールh8、コンタクトホールh9、コンタクトホールh10およびコンタクトホールh11が設けられている。コンタクトホールh1-h4はそれぞれ、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、第1拡散領域67n、ならびに、第2拡散領域68an、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dnに重なる位置に形成されている。コンタクトホールh1-h4は、絶縁層70を貫通する貫通孔である。コンタクトホールh1-h4の位置にはそれぞれ、コンタクトプラグcp1-cp4が配置されている。絶縁層70の膜厚は、例えば10nmであるが、これに限らない。
コンタクトホールh5-h7はそれぞれ、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、ゲート電極26e、ゲート電極22eおよびゲート電極24eに重なる位置に形成されている。コンタクトホールh5-h7は、絶縁層71を貫通する貫通孔である。コンタクトホールh5-h7の位置にはそれぞれ、プラグpa3、プラグpa2、プラグpa4が配置されている。
コンタクトホールh8-h11はそれぞれ、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、コンタクトプラグcp1-cp4に重なる位置に形成されている。コンタクトホールh8-h11は、絶縁層71を貫通する貫通孔である。コンタクトホールh8-h11の位置にはそれぞれ、プラグpa1、プラグpa5、プラグpa6、プラグpa7が配置されている。
図4に例示する構成において、配線層80aは、コンタクトプラグcp1-cp4、ならびに、ゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eを有する層であり、典型的には、n型不純物がドープされたポリシリコン層である。配線層80aは、配線構造80に含まれる配線層のうち、半導体基板60の最も近くに配置されている。
配線層80bならびにプラグpa1-pa7は、絶縁層90a内に配置されている。配線層80bは、絶縁層90a内に配置されており、上述の垂直信号線35、アドレス信号線34、電源配線32、リセット信号線36およびフィードバック線53などをその一部に含み得る。
プラグpa1は、コンタクトプラグcp1と配線層80bとを接続している。プラグpa2は、ゲート電極22eと配線層80bとを接続している。つまり、第1拡散領域67nと増幅トランジスタ22のゲート電極22eとは、コンタクトプラグcp1、プラグpa1およびプラグpa2、ならびに、配線層80bを介して互いに電気的に接続されている。
プラグpa3は、配線層80bに含まれるリセット信号線36とゲート電極26eとを接続している。プラグpa4は、配線層80bに含まれるアドレス信号線34とゲート電極24eとを接続している。プラグpa5は、配線層80bに含まれるフィードバック線53とコンタクトプラグcp2とを接続している。プラグpa6は、配線層80bに含まれる電源配線32(図4には示していない)とコンタクトプラグcp3とを接続している。プラグpa7は、配線層80bに含まれる垂直信号線35とコンタクトプラグcp4とを接続している。
この構成により、垂直信号線35は、プラグpa7およびコンタクトプラグcp4を介して第2拡散領域68dnに接続されている。アドレス信号線34は、プラグpa4を介してゲート電極24eに接続されている。電源配線32は、プラグpa6およびコンタクトプラグcp3を介して第2拡散領域68bnに接続されている。リセット信号線36は、プラグpa3を介してゲート電極26eに接続されている。フィードバック線53は、プラグpa5およびコンタクトプラグcp2を介して第2拡散領域68anに接続されている。
なお、垂直信号線35、アドレス信号線34、電源配線32、リセット信号線36およびフィードバック線53の少なくとも1つは、配線層80bではなく、配線層80cまたは80dに含まれてもよい。
絶縁層90b内に配置されたプラグpbは、配線層80bと配線層80cとを接続している。同様に、絶縁層90c内に配置されたプラグpcは、配線層80cと配線層80dとを接続している。絶縁層90d内に配置されたプラグpdは、配線層80dと光電変換部12の画素電極12aとを接続している。配線層80b-80d、ならびに、プラグpa1-pa7およびプラグpb-pdは、典型的には、銅またはタングステンなどの金属、金属窒化物、または金属酸化物などの金属化合物などから形成される。
プラグpa1、プラグpa2、プラグpb-pd、配線層80b-80d、コンタクトプラグcp1は、光電変換部12と半導体基板60に形成された信号検出回路14とを電気的に接続する。プラグpa1、プラグpa2、プラグpb-pd、配線層80b-80d、コンタクトプラグcp1、光電変換部12の画素電極12a、増幅トランジスタ22のゲート電極22e、および、第1拡散領域67nは、光電変換部12によって生成された信号電荷を蓄積する電荷蓄積ノードとして機能する。
ここで、半導体基板60に形成されたn型不純物領域に着目する。半導体基板60に形成されたn型不純物領域のうち、第1拡散領域67nは、pウェルとしてのp型半導体層65p内に形成されたp型不純物領域66p内に配置される。第1拡散領域67nは、半導体基板60の表面の近傍に形成されており、その少なくとも一部は、半導体基板60の表面に位置している。p型不純物領域66pおよび第1拡散領域67nの間のpn接合によって形成される接合容量は、信号電荷の少なくとも一部を蓄積する容量として機能し、電荷蓄積ノードの一部を構成する。
図4に例示する構成において、第1拡散領域67nは、第1領域67aおよび第2領域67bを含む。第1拡散領域67nの第1領域67aの不純物濃度は、第2拡散領域68an、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnよりも低い。第1拡散領域67n中の第2領域67bは、第1領域67a内に形成されており、第1領域67aよりも高い不純物濃度を有する。また、第2領域67b上にコンタクトホールh1が位置しており、コンタクトホールh1を介して第2領域67bにコンタクトプラグcp1が接続されている。
上述したように、p型半導体層63pに隣接してp型半導体層65pを配置することにより、撮像装置100の動作時にp型半導体層65pの電位を、p型半導体層63pを介して制御することが可能である。このような構造の採用により、光電変換部12との電気的接続を有するコンタクトプラグcp1と半導体基板60とが接触する部分である、第1拡散領域67nの第2領域67bの周囲に、相対的に不純物濃度の低い領域である、第1拡散領域67nの第1領域67aおよびp型不純物領域66pを配置することが可能になる。コンタクトプラグcp1と半導体基板60との接続部分である第2領域67bの不純物濃度を相対的に高くすることにより、コンタクトプラグcp1と半導体基板60との接続部分の周囲に空乏層が広がること、すなわち、空乏化を抑制する効果が得られる。
このように、コンタクトプラグcp1と半導体基板60とが接触する部分の周囲の空乏化を抑制することにより、コンタクトプラグcp1と半導体基板60との界面における半導体基板60の欠陥準位に起因するリーク電流を抑制し得る。また、比較的高い不純物濃度を有する第2領域67bにコンタクトプラグcp1を接続することにより、コンタクト抵抗を低減する効果が得られる。
コンタクトプラグcp1は、半導体を含む第1プラグの一例であり、第1拡散領域67nに接続されている。コンタクトプラグcp1は、光電変換部12に電気的に接続されている。ここで、電気的に接続されているとは、光電変換部12の画素電極12aと実質的に電位が等しくなることを意味する。なお、配線抵抗は考慮していない。
コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4はそれぞれ、半導体を含む第2プラグの一例である。コンタクトプラグcp2は、第2拡散領域68anに接続されている。コンタクトプラグcp3は、第2拡散領域68bnに接続されている。コンタクトプラグcp4は、第2拡散領域68dnに接続されている。コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4は、光電変換部12には電気的に接続されていない。本実施の形態では、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4は、互いに同じ構成を有する。以下では、図5を用いて、コンタクトプラグcp1およびコンタクトプラグcp3の各々の具体的な構成について説明する。
図5は、本実施の形態に係る撮像装置の2つのコンタクトプラグの近傍を拡大して示す断面図である。具体的には、図5は、図4に示される断面図において、コンタクトプラグcp1およびコンタクトプラグcp3を含む範囲を拡大して示している。
図5に示すように、コンタクトプラグcp1は、コンタクトcp1aと、パッドcp1bとを有する。コンタクトcp1aおよびパッドcp1bはそれぞれ、コンタクトプラグcp1の一部である。コンタクトプラグcp1は、ポリシリコンなどの導電性の半導体材料を用いて形成されている。コンタクトプラグcp1は、第1導電型の不純物を含んでいる。第1導電型の不純物は、例えば、リンなどのn型不純物である。
コンタクトcp1aは、第1コンタクトの一例であり、第1拡散領域67nに接し、絶縁層70を貫通している。具体的には、コンタクトcp1aは、コンタクトホールh1を充填するように設けられている。コンタクトcp1aの平面視形状は、コンタクトホールh1の平面視形状に一致する。コンタクトcp1aの平面視形状は、図3に示すように、例えば、円形であるが、矩形であってもよい。
パッドcp1bは、第1パッドの一例であり、コンタクトcp1a上に位置し、コンタクトcp1aよりも半導体基板60に垂直な方向から見たときの面積が大きい。パッドcp1bは、平面視において、図3に示すように、コンタクトcp1aを完全に覆っている。コンタクトcp1aは、パッドcp1bの中央に位置している。パッドcp1bの平面視形状は、例えば矩形であるが、これに限らない。パッドcp1bの平面視形状が、コンタクトプラグcp1の平面視形状に一致する。
図5に示すように、コンタクトプラグcp3は、コンタクトcp3aと、パッドcp3bとを有する。コンタクトcp3aおよびパッドcp3bはそれぞれ、コンタクトプラグcp3の一部である。コンタクトプラグcp3は、ポリシリコンなどの導電性の半導体材料を用いて形成されている。コンタクトプラグcp3は、第1導電型の不純物を含んでいる。第1導電型の不純物は、例えば、リンなどのn型不純物である。本実施の形態では、コンタクトプラグcp3の不純物の濃度は、コンタクトプラグcp1の不純物の濃度に等しい。
コンタクトcp3aは、第2コンタクトの一例であり、第2拡散領域68bnに接し、絶縁層70を貫通している。具体的には、コンタクトcp3aは、コンタクトホールh3を充填するように設けられている。コンタクトcp3aの平面視形状は、コンタクトホールh3の平面視形状に一致する。コンタクトcp3aの平面視形状は、図3に示すように、例えば円形であるが、矩形であってもよい。
パッドcp3bは、第2パッドの一例であり、コンタクトcp3a上に位置し、コンタクトcp3aよりも半導体基板60に垂直な方向から見たときの面積が大きい。パッドcp3bは、平面視において、図3に示すように、コンタクトcp3aを完全に覆っている。コンタクトcp3aは、パッドcp3bの中央に位置している。パッドcp3bの平面視形状は、例えば矩形であるが、これに限らない。パッドcp3bの平面視形状が、コンタクトプラグcp3の平面視形状に一致する。
本実施の形態では、図3に示すように、平面視において、コンタクトプラグcp1の面積は、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4の各々の面積よりも小さい。言い換えると、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4の各々の面積はそれぞれ、コンタクトプラグcp1の面積よりも大きい。例えば、平面視において、コンタクトプラグcp1は、画素10に含まれる複数のプラグの中で最小の面積を有する。
例えば、平面視において、パッドcp1bの面積は、パッドcp3bの面積より小さい。本実施の形態では、コンタクトcp1aの面積は、コンタクトcp3aの面積に等しい。
また、本実施の形態では、図3に示されるように、パッドcp3bの幅W3が、パッドcp1bの幅W1より長い。幅W1は、パッドcp1bの、リセットトランジスタ26のゲート電極26eの幅方向に平行な方向の長さである。幅W3は、パッドcp3bの、増幅トランジスタ22のゲート電極22eの幅方向に平行な方向の長さである。例えば、幅W1は、画素10に含まれる他のコンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4のいずれのパッドの幅よりも短い。
上述したように、コンタクトプラグcp1は、第1拡散領域67nの第2領域67bに接続されている。第2領域67bは、コンタクトホールh1を介して、コンタクトプラグcp1から熱拡散した不純物を含む。不純物は、例えばn型不純物である。n型不純物は、例えばリンである。上述したように、平面視において、コンタクトプラグcp1の面積は、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4の各々の面積よりも小さい。したがって、コンタクトプラグcp1に含まれる不純物の量を、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4に含まれる不純物の量よりも小さくすることができる。このため、コンタクトプラグcp1の下に形成される第2領域67bの不純物濃度を、コンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4の各々の下に形成される領域の不純物濃度よりも低濃度にすることができる。これにより、第2領域67bの周囲の接合リークを抑制することができる。
また、この例では、第2領域67bとp型不純物領域66pとの間に、第2領域67bよりも不純物濃度の低い第1領域67aが介在し、第2領域67bとp型半導体層65pとの間にも第1領域67aが介在している。第2領域67bの周囲に相対的に不純物濃度の低い第1領域67aを配置することにより、第1拡散領域67nとp型半導体層65pまたはp型不純物領域66pとのpn接合によって形成される電界強度を緩和し得る。この電界強度が緩和されることにより、pn接合によって形成される電界に起因するリーク電流が抑制される。
図6は、本実施の形態に係る撮像装置100のパッドcp1bの幅を変化させた場合の、コンタクトプラグcp1の近傍の電子およびホールの濃度分布を示す図である。図6の部分(a)に示す濃度分布は、コンタクトプラグcp1がパッドcp1bを有しない場合、言い換えると、パッドcp1bの幅W1がコンタクトcp1aの幅に等しい場合を示している。図6の部分(a)において、コンタクトcp1aの幅は90nmである。図6の部分(b)、(c)および(d)に示す濃度分布はそれぞれ、パッドcp1bと半導体基板60の表面との距離が50nmであり、かつ、パッドcp1bの幅W1が200nm、300nmおよび400nmの場合を示している。図6の部分(e)に示す濃度分布は、パッドcp1bの幅W1がコンタクトcp1aの幅に対して十分に大きい場合、具体的には、シミュレーション上で無限大とみなせる場合を示している。図6の部分(f)、(g)および(h)に示す濃度分布はそれぞれ、パッドcp1bと半導体基板60の表面との距離が10nmであり、パッドcp1bの幅W1が200nm、300nmおよび400nmの場合を示している。図6に示す例では、各パッドには0.5Vの電圧が印加されている。
また、図6の各濃度分布において、電子を多く含む領域には、密度の大きいドットの網掛けを付しており、正孔を多く含む領域には、密度の小さいドットの網掛けを付している。各領域内に描かれた実線は、電子または正孔の等濃度線である。電子を多く含む領域は、具体的には、電子の濃度が1×1014/cm3以上になる領域である。正孔を多く含む領域は、具体的には、正孔の濃度が1×1014/cm3以上になる領域である。電子を多く含む領域は、コンタクトプラグcp1のコンタクトcp1aから第1拡散領域67nの内部に広がっていることが分かる。
電子を多く含む領域と正孔を多く含む領域との間が、空乏層に相当する。半導体基板60の表面における空乏層の幅を両矢印で示しており、各分布図における空乏層の幅を数値で図示している。
図6に示すように、パッドcp1bの幅が大きくなる程、すなわち、パッドcp1bの面積が大きくなる程、空乏層の幅が大きくなっていることが分かる。言い換えると、パッドcp1bの幅が小さくなる程、すなわち、パッドcp1bの面積が小さくなる程、空乏層の幅が小さくなる。パッドcp1bと半導体基板60の表面との距離が50nmの場合および10nmの場合のいずれの場合も、同じ傾向が見られる。したがって、コンタクトプラグcp1の面積を小さくすることで、半導体基板60の表面の空乏層の面積が小さくなる。
なお、パッドcp1bの面積が小さくなるほど空乏層の幅が小さくなる理由は、以下のように推察される。光電変換部12で発生した電荷のうち、信号電荷はコンタクトプラグcp1を介して第1拡散領域67nに蓄積される。信号電荷が例えば正孔であるとき、コンタクトプラグcp1は正に帯電する。つまり、コンタクトプラグcp1の電位が上昇する。このとき、パッドcp1bから半導体基板60の表面に対して正の電界がかかる。正の電界の影響により、半導体基板60中の多数キャリアである正孔が、平面視においてパッドcp1bの外側に向かって押し出される。このことにより、半導体基板60の表面の空乏層の面積が増加する。
また、本実施の形態では、図3に示されるように、距離L3が距離L1より長い。距離L1は、パッドcp1bとゲート電極26eとの距離である。距離L3は、パッドcp3bとゲート電極22eとの距離である。例えば、距離L1は、画素10に含まれる他のコンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4の各々のパッドと、各パッドに最も近いゲート電極との距離のいずれよりも短い。
電荷蓄積領域として機能する第1拡散領域67nに接続されるコンタクトプラグcp1と、第1拡散領域67nをドレインまたはソースとして含むリセットトランジスタ26のゲート電極26eとの距離を短くすることで、空乏層がゲート電極26e側に広がることを抑制することができる。
このように、第1拡散領域67nとp型不純物領域66pとの間に空乏層領域が形成される。一般的に、半導体基板60の内部における結晶欠陥密度よりも、半導体基板60の表面付近における結晶欠陥密度の方が高い。そのため、第1拡散領域67nとp型不純物領域66pとが接合する部分であるpn接合部に形成される空乏層領域のうち、半導体基板60の内部のpn接合部に形成される空乏層領域よりも、半導体基板60の表面付近の接合部に形成される空乏層領域の方がリーク電流は大きくなる。
また、半導体基板60の表面の接合部に形成される空乏層領域(以下、「界面空乏層」と記載する)の面積が増大すると、リーク電流が増大し易い。言い換えると、半導体基板60の表面に露出する界面空乏層の面積を小さくすることで、リーク電流を抑制することができる。例えば、界面空乏層の面積を最小にしてもよい。
本実施の形態では、上述したように、平面視において、第1拡散領域67nに接続されたコンタクトプラグcp1の面積が、第2拡散領域68bnに接続されたコンタクトプラグcp3の面積よりも小さい。これにより、図6で示したように、第1拡散領域67nの近傍に広がる界面空乏層の面積を小さくすることができる。したがって、第1拡散領域67nからの、または、第1拡散領域67nへのリーク電流を抑制することができる。
また、界面空乏層の面積を小さくするために、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、第1拡散領域67nの面積を、第2拡散領域68anよりも小さくなるように形成してもよい。例えば、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、第1拡散領域67nの面積は、第2拡散領域68anの面積の1/2以下であってもよい。また、このとき、第1拡散領域67nのチャネル幅方向の幅は、第2拡散領域68anのチャネル幅方向の幅の1/2以下であってもよい。なお、第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anは、チャネル幅方向の幅およびチャネル長方向の長さのどちらか一方が同じ大きさであってもよい。また、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、第1拡散領域67nの面積は、他の第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnの各々の面積よりも小さくなるように形成されてもよい。
また、第1拡散領域67nおよびp型不純物領域66pの周囲に、ゲートおよびコンタクトプラグの形成後に素子分離領域69を形成する場合を考える。素子分離領域69は、第1拡散領域67nおよびコンタクトプラグcp1の形成後に形成される。素子分離領域69は、第1拡散領域67nに対してコンタクトプラグcp1よりも外側に形成される。したがって、コンタクトプラグcp1の面積が大きいと、第1拡散領域67nおよびp型不純物領域66pと素子分離領域69との間隔が拡がる。このため、空乏層領域が拡がって接合リークが増大する。また、コンタクトプラグcp1に、素子分離領域69を形成するための、コンタクトプラグcp1と逆極性の不純物が導入される可能性がある。このことにより、例えばコンタクト抵抗の増加の問題が発生する。コンタクトプラグcp1の面積が大きい場合、導入される不純物の量も多くなるため、コンタクト抵抗の増加の程度も大きくなると考えられる。一方、コンタクトプラグcp1の面積を小さくすることで、接合リークの増大およびコンタクト抵抗の増加を抑制することができる。
また、第1拡散領域67nおよび第2拡散領域68anの面積はそれぞれ、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、リセットトランジスタ26のゲート電極26eと重なる部分の面積を除いて求めてもよい。同様に、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnの面積はそれぞれ、半導体基板60に垂直な方向から見たとき、増幅トランジスタ22のゲート電極22eおよびアドレストランジスタ24のゲート電極24eと重なる部分の面積を除いて求めてもよい。半導体基板60に垂直な方向から見たとき、ゲート電極22e、ゲート電極24e、ゲート電極26eと重なる部分は、ゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eと重ならない部分に比べて、製造時に損傷を受けにくい。製造時に受ける損傷の例としては、ドライエッチング工程で用いるプラズマ処理によるもの、および、レジストを剥離する際のアッシング処理によるものが挙げられる。このことから、ゲート電極22e、ゲート電極24e、ゲート電極26eと重なる部分においては、リーク電流が発生しにくい。したがって、界面空乏層の面積を小さくする上では、第1拡散領域67n、第2拡散領域68bnおよび第2拡散領域68dn、ならびに、第3拡散領域68cnについて、ゲート電極22e、ゲート電極24e、ゲート電極26eと重なっていない部分の面積の影響だけを考慮してもよいためである。
また、第1拡散領域67nの面積を小さくすることにより、第1拡散領域67nに形成されたコンタクトホールh1とゲート電極26eとの間の距離は、例えば、第2拡散領域68anに形成されたコンタクトホールh2とゲート電極26eとの間の距離よりも短くなる。つまり、図3に示すように、コンタクトプラグcp1のパッドcp1bとゲート電極26eとの距離L1が、コンタクトプラグcp2のパッドとゲート電極26eとの距離より短くなる。上述したように、第1拡散領域67nは不純物濃度が低いため、第2拡散領域68anよりも抵抗値が高くなる。したがって、コンタクトホールh1とゲート電極26eとの距離を短くすることにより、第1拡散領域67nでの電流経路が短くなるため、第1拡散領域67nでの抵抗値が小さくなる。
また、第1拡散領域67nに形成されたコンタクトホールh1とゲート電極26eとの距離は、第2拡散領域68bnに形成されたコンタクトホールh3とゲート電極22eとの距離より短くてもよく、第2拡散領域68dnに形成されたコンタクトホールh4とゲート電極24eとの距離よりも短くてもよい。つまり、距離L1は、コンタクトプラグcp3のパッドcp3bとゲート電極22eとの距離L3より短くてもよい。あるいは、距離L1は、コンタクトプラグcp4のパッドとゲート電極24eとの距離より短くてもよい。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図7は、本変形例に係る撮像装置の画素10A内のレイアウトを示す平面図である。画素10Aは、実施の形態1に係る画素10と比較して、コンタクトcp1Aaの面積が異なる。
具体的には図7に示すように、画素10Aは、実施の形態1に係る画素10と比較して、コンタクトプラグcp1の代わりにコンタクトプラグcp1Aを備える。コンタクトプラグcp1Aは、コンタクトcp1Aaと、パッドcp1bとを有する。
半導体基板60に垂直な方向から見たとき、コンタクトcp1Aaの面積は、コンタクトcp3aの面積より小さい。例えば、コンタクトcp1Aaの面積は、コンタクトcp3の面積の半分以下であってもよい。また、コンタクトcp1Aaの面積は、コンタクトプラグcp2およびコンタクトプラグcp4の各々のコンタクトの面積より小さくてもよい。つまり、コンタクトcp1Aaの面積は、画素10A内に含まれる全てのコンタクトプラグの各コンタクトのうち、最小の面積であってもよい。
このように、コンタクトcp1Aaを他のコンタクトプラグcp2、コンタクトプラグcp3およびコンタクトプラグcp4のコンタクトよりも小さくすることで、コンタクトcp1Aaを介して第1拡散領域67nに熱拡散する不純物の濃度を低減させることができる。これにより、コンタクトプラグcp1Aの直下の第1拡散領域67n内で、コンタクトプラグcp1Aに含まれる不純物が拡散する領域の広がりが抑制される。具体的には、n型不純物の高濃度領域が第1拡散領域67n内で広がりにくくなる。したがって、例えばp型の素子分離領域69を第1拡散領域67nに近づけたとしても、第1拡散領域67n内のn型不純物の高濃度領域とp型の素子分離領域69との界面の電界強度を一定以下に抑えることができる。したがって、第1拡散領域67n内のn型不純物の高濃度領域とp型の素子分離領域69との界面の電界強度を一定以下に抑制しつつ、n型不純物の高濃度領域とp型の素子分離領域69との距離を一定以下にすることができる。これにより、界面空乏層の広がりを抑制することができるので、リーク電流の増大を抑制することができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図8は、本変形例に係る撮像装置の画素10B内のレイアウトを示す平面図である。画素10Bは、実施の形態1に係る画素10と比較して、コンタクトプラグcp1中の不純物の濃度が異なる。
具体的には、図8に示すように、画素10Bは、実施の形態1に係る画素10と比較して、コンタクトプラグcp1の代わりにコンタクトプラグcp1Bを備える。コンタクトプラグcp1Bに含まれる不純物の濃度は、コンタクトプラグcp3に含まれる不純物の濃度より低い。また、例えば、コンタクトプラグcp1Bに含まれる不純物の濃度は、コンタクトプラグcp2およびコンタクトプラグcp4の各々に含まれる不純物の濃度より低くてもよい。つまり、コンタクトプラグcp1B中の不純物の濃度は、画素10B内に含まれる全てのコンタクトプラグ中の各不純物の濃度のうち、最小の濃度であってもよい。
このように、コンタクトプラグcp1中の不純物の濃度を他のコンタクトプラグcp2、cp3、cp4中の不純物の濃度よりも低くすることで、コンタクトプラグcp1から第1拡散領域67nに熱拡散する不純物の濃度を低減させることができる。これにより、変形例1と同様の理由により、リーク電流の増大を抑制できる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図9は、本実施の形態に係る撮像装置の画素10C内のレイアウトを示す平面図である。図10は、本実施の形態に係る撮像装置の画素10Cのデバイス構造を示す概略断面図である。図10は、図9中のX-X線に沿って画素10Cを切断し、矢印方向に展開した場合の断面図である。図10に示す画素10Cと、図4に示す画素10との間の主な相違点は、ゲート電極とコンタクトプラグとが別の配線層で形成されている点である。
具体的には、図9および図10に示すように、画素10Cは、実施の形態1に係る画素10と比較して、新たに、コンタクトプラグcp5、コンタクトプラグcp6およびコンタクトプラグcp7、ならびに、絶縁層72を備える点が相違する。
絶縁層72は、絶縁層71上に設けられている。本実施の形態では、コンタクトホールh1-h7はそれぞれ、絶縁層71だけでなく、絶縁層72も貫通する貫通孔である。コンタクトホールh5、コンタクトホールh6およびコンタクトホールh7の位置にそれぞれ、コンタクトプラグcp5、コンタクトプラグcp6およびコンタクトプラグcp7が配置されている。絶縁層72は、例えば、シリコン酸化膜である。絶縁層72は、複数の絶縁層を含む積層構造を有していてもよい。
コンタクトプラグcp5は、プラグpa3とゲート電極26eとを接続している。図9に示すように、コンタクトプラグcp5は、平面視においてゲート電極26eと重複する位置に設けられている。
コンタクトプラグcp6は、プラグpa2とゲート電極22eとを接続している。図9に示すように、コンタクトプラグcp6は、平面視においてゲート電極22eと重複する位置に設けられている。
コンタクトプラグcp7は、プラグpa4とゲート電極24eとを接続している。図9に示すように、コンタクトプラグcp7は、平面視においてゲート電極24eと重複する位置に設けられている。
例えば、実施の形態1では、コンタクトプラグcp1-cp4とゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eとが同じ配線層で、同じ不純物を含む材料で形成されている。これに対して、本実施の形態では、コンタクトプラグcp1-cp7とゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eとは異なる配線層で形成されている。
なお、コンタクトプラグcp1-cp7の材料とゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eとの材料は同じであってもよく、異なっていてもよい。また、例えば、コンタクトプラグcp1-cp7とゲート電極22e、ゲート電極24eおよびゲート電極26eとがポリシリコン材料で形成される場合、ポリシリコン中の不純物の濃度が異なっていてもよい。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、平面視において、コンタクトプラグcp1の面積をコンタクトプラグcp2、cp3、cp4よりも小さくすることで、コンタクトプラグcp1による電界の影響を低減し、半導体基板60の界面空乏層の面積を縮小することができる。これにより、第1拡散領域67nからの、または、第1拡散領域67nへのリーク電流を低減することができる。
(他の実施の形態)
以上、本開示に係る撮像装置について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態および変形例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態および変形例に施したもの、並びに実施の形態および変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
例えば、光電変換部12は、半導体基板60内に形成されたフォトダイオードであってもよい。つまり、撮像装置100は、積層型の撮像装置でなくてもよい。
また、例えば、第1拡散領域67nに接続されたコンタクトプラグcp1のパッドcp1bの幅W1と、第2拡散領域68bnに接続されたコンタクトプラグcp3のパッドcp3bの幅W3とは等しくてもよい。この場合、パッドcp1bの長さが、パッドcp3bの長さより短くてもよい。ここで、パッドcp1bの長さは、パッドcp1bの、ゲート電極26eの長さ方向に平行な方向の長さである。パッドcp3bの長さは、パッドcp3bの、ゲート電極22eの長さ方向に平行な方向の長さである。これにより、パッドcp1bの面積が、パッドcp3bの面積より小さくなってもよい。また、パッドcp1bの幅W1および長さの両方がそれぞれ、パッドcp3bの幅W3および長さより短くてもよい。パッドcp1bと、コンタクトプラグcp2およびコンタクトプラグcp4の各々のパッドとも同様の関係を有してもよい。
また、例えば、撮像装置100が備える複数の画素は、構成が互いに等しくなくてもよい。例えば、撮像装置100は、画素10、画素10A、画素10Bおよび画素10Cのうち少なくとも2つを備えてもよい。
また、本開示の実施の形態および変形例によれば、リーク電流による影響を低減し得るので、高画質で撮像を行うことが可能な撮像装置が提供される。なお、上述の増幅トランジスタ22、アドレストランジスタ24およびリセットトランジスタ26の各々は、NチャネルMOSFETであってもよいし、PチャネルMOSFETであってもよい。各トランジスタがPチャネルMOSFETである場合、第1導電型の不純物がp型不純物であり、第2導電型の不純物がn型不純物である。これらのトランジスタの全てがNチャネルMOSFETまたはPチャネルMOSFETのいずれかに統一されている必要もない。画素中のトランジスタの各々をNチャネルMOSFETとし、信号電荷として電子を用いる場合には、これらのトランジスタの各々におけるソースおよびドレインの配置を互いに入れ替えればよい。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。