JP2023528406A - ウイルス精製のための材料及び方法 - Google Patents
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Abstract
クロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えばMNase)を用いたAAV粒子の精製方法、及びAAV粒子とクロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えばMNase)とを含む組成物が記載されている。AAV粒子の精製のためのクロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えば、MNase)を含む組成物及びキットも提供される。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,449号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,492号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,531号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,549号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,631号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,643号、及び2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,731号に対する優先権の利益を主張するものであり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
本出願は、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,449号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,492号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,531号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,549号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,631号、2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,643号、及び2020年6月2日出願の米国特許出願第63/033,731号に対する優先権の利益を主張するものであり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
アデノ随伴ウイルス(Adeno-associated virus、AAV)は、標的細胞に核酸を送達するように操作することができる非エンベロープウイルスであり、遺伝子治療及び遺伝子送達用途において有用なビヒクルとして浮上している。ウイルスDNAを欠く組換えAAV(Recombinant AAV、rAAV)は、本質的に、細胞膜を横断するように操作されたタンパク質ベースのナノ粒子であり、最終的に、その核酸というカーゴを細胞の核内に輸送及び送達することができる。持続的な遺伝子発現、広範な組織向性を有してヒト集団において天然に存在すること、非組込み性、非病原性、低い免疫原性、有糸分裂後細胞の感染性、及び他のウイルス系と比較した場合の相対的な産生の容易さといった、このウイルスによって付与される特性は、ヒトでの使用の迅速な拡大をもたらした。rAAVを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく遺伝子送達ベクターは、広範な用途のために安全かつ有効なものとして再び登場してきた。
臨床環境におけるAAV(例えば、rAAV)の使用は、遺伝子治療における使用に適した十分なウイルス力価も有する、非常に大量の純粋なAAV粒子を生成することができる産生系及び精製系に対する緊急のニーズを明確に示している。しかし、現在の技術は、全ての不純物、例えば、ベクター産物が生成される産生系の成分に由来する、残留レベルのタンパク質及び核酸などを除去することができない。したがって、高度に純粋なAAV粒子及び高いウイルス力価を有するAAV粒子の組成物の産生に対して、未だ満たされていないニーズが存在している。
一態様では、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法であって、当該方法は、(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む。
一実施形態では、本方法は、AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子を結合するのに十分な時間にわたりインキュベートすることを更に含む。
一実施形態では、本方法は、固体支持体を洗浄することを更に含む。一実施形態では、洗浄することは、高pH緩衝液を含む。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0より大きい。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH9.5である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.2である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.3である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.4である。
一実施形態では、本方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む。
一実施形態では、上清は、清澄化された上清である。
一実施形態では、ステップ(a)のベンゾナーゼ(登録商標)組成物は、を更に含む。
一実施形態では、インキュベーションは、約10分間~約1時間である。一実施形態では、インキュベーションは、約20分間~約40分間である。一実施形態では、インキュベーションは、約30分間である。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(micrococcal nuclease、MNase)である。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。一実施形態では、MNaseは、結合されたAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる。
一実施形態では、AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して、固体支持体から溶出される。一実施形態では、溶出は、低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH3.0未満である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH2.5である。
一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である。
一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、本方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。
一実施形態では、溶出は、低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む。一実施形態では、中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む。
一実施形態では、溶出は、エタノールを更に含む。一実施形態では、エタノールは、約5%~約40%である。一実施形態では、エタノールは、約10%~約30%である。一実施形態では、エタノールは、約15%~約25%である。一実施形態では、エタノールは、約20%のエタノールである。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞DNAを実質的に含まない。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、DNA結合タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、増加したウイルス力価を有する。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む。一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(dynamic light scatter、DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比(full-to-empty capsid ratio)を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。
一態様では、AAV粒子のウイルス力価を増加させるための方法であって、(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法が本明細書で提供される。
一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む。
一実施形態では、精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む。
一実施形態では、本方法は、AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子を結合するのに十分な時間にわたりインキュベートすることを更に含む。
一実施形態では、本方法は、固体支持体を洗浄することを更に含む。一実施形態では、洗浄することは、高pH緩衝液を含む。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0より大きい。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH9.5である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.2である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.3である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.4である。
一実施形態では、本方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む。
一実施形態では、上清は、清澄化された上清である。
一実施形態では、ステップ(a)のベンゾナーゼ(登録商標)組成物は、を更に含む。
1つの実施形態では、インキュベーションは、約10分間~約1時間である。一実施形態では、インキュベーションは、約20分間~約40分間である。一実施形態では、インキュベーションは、約30分間である。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。一実施形態では、MNaseは、結合されたAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる。
一実施形態では、AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して、固体支持体から溶出される。一実施形態では、溶出は、低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH3.0未満である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH2.5である。
一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である。
一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、本方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。
一実施形態では、溶出は、低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む。一実施形態では、中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む。
一実施形態では、溶出は、エタノールを更に含む。一実施形態では、エタノールは、約5%~約40%である。一実施形態では、エタノールは、約10%~約30%である。一実施形態では、エタノールは、約15%~約25%である。一実施形態では、エタノールは、約20%のエタノールである。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞DNAを実質的に含まない。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、DNA結合タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない。
一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む。一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。
一態様では、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む精製方法によってAAV粒子が精製された、精製されたAAV粒子の組成物が本明細書で提供される。一実施形態では、精製方法は、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む。
一実施形態では、精製方法は、AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子を結合するのに十分な時間にわたりインキュベートすることを更に含む。
一実施形態では、精製方法は、固体支持体を洗浄することを更に含む。一実施形態では、洗浄することは、高pH緩衝液を含む。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0より大きい。一実施形態では、高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH9.5である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.2である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.3である。一実施形態では、高pH緩衝液は、約pH10.4である
一実施形態では、精製方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む。
一実施形態では、上清は、清澄化された上清である。
一実施形態では、精製方法は、ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む。
一実施形態では、精製方法は、低pH緩衝液による溶出を含む。一実施形態では、精製方法は、低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH3.0未満である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH1.5である。一実施形態では、低pH緩衝液は、約pH2.5である。
一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である。一実施形態では、低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である。
一実施形態では、精製方法は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。一実施形態では、精製方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む。
一実施形態では、溶出は、低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む。一実施形態では、中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む。
一実施形態では、溶出は、エタノールを更に含む。一実施形態では、エタノールは、約5%~約40%である。一実施形態では、エタノールは、約10%~約30%である。一実施形態では、エタノールは、約15%~約25%である。一実施形態では、エタノールは、約20%のエタノールである。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、不純物を実質的に含まない。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、クロマチン結合DNAを実質的に含まない。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、宿主細胞DNAを実質的に含まない。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である。一実施形態では、宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、DNA結合タンパク質を実質的に含まない。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、組成物は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、陰イオン交換クロマトグラムによって測定される場合、低減されたポストプロダクトAAV粒子画分ピークを含む。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合、増加したウイルス力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む。一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する。
一実施形態では、組成物は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。一実施形態では、組成物は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。一実施形態では、組成物は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。
一実施形態では、精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、260nmでの吸光度が低下したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。一実施形態では、精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、280nmでの吸光度が低下したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼはMNaseである。
一態様では、クロマチン結合DNAを実質的に含まないAAV粒子の産生に使用するための組成物であって、(a)AAV粒子を含む上清と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む組成物が本明細書で提供される。
一実施形態では、組成物はベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。一実施形態では、MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する。
別の一態様では、(a)AAV粒子を含む上清と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む組成物が本明細書で提供される。
一実施形態では、組成物はベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。一実施形態では、MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、AAV粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である。
一実施形態では、MNaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される際、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一態様では、(a)ベンゾナーゼ(登録商標)と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含むキットが本明細書で提供される。
一実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。一実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。一実施形態では、MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、AAV粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である。
一実施形態では、MNaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される際、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する。
一態様では、精製されたAAV粒子中の不純物を減少させるための手段を含む組成物が、本明細書で提供される。
一実施形態では、不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。一実施形態では、不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である。
別の一態様では、AAV粒子のウイルス力価を増加させるための手段を含む組成物が、本明細書で提供される。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
更に別の一態様では、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含む組成物が、本明細書で提供される。一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
別の一態様では、AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含む組成物が、本明細書で提供される。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である。
一態様では、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む組成物が、本明細書で提供される。
一態様では、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む組成物が、本明細書で提供される。
一態様では、AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段と、残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2の手段と、を含む組成物が、本明細書で提供される。
一態様では、(i)AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を除去するためのステップを含む、AAV粒子を精製する方法が、本明細書で提供される。一実施形態では、本方法は、(ii)残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2のステップを更に含む。一実施形態では、本方法は、(iii)ウイルス力価を増加させるための第3のステップを更に含む。
一態様では、不純物を実質的に含まない、精製されたAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステムが、本明細書で提供される。一実施形態では、不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。一実施形態では、不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である。
一態様では、増加したウイルス力価を有するAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステムが、本明細書で提供される。
一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一態様では、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含むシステムが、本明細書で提供される。一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一態様では、AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含むシステムが、本明細書で提供される。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である。
一態様では、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含むシステムが、本明細書で提供される。
一態様では、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含むシステムが、本明細書で提供される。
一態様では、AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段と、宿主産生から残留核酸を除去するための第2の手段と、を含むシステムが、本明細書で提供される。
本発明の他の態様、特徴、及び利点は、発明の詳細な説明、並びにその好ましい実施形態及び添付の特許請求の範囲を含む以下の開示より明らかとなろう。
上記の概要、及び本出願の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解されるであろう。しかしながら、本出願は、図面に示される実施形態そのものに限定されないことを理解するべきである。
MNase処理が、AAV粒子のアフィニティークロマトグラフィーに影響を及ぼさないことを示す。ウイルス粒子を含有する上清を通常のpH(7.5)でカラムに結合させ、ベンゾナーゼ(登録商標)を、MNaseと共に(図1A)又はMNaseなしで(図1B)、AAVX含有結合ウイルスに直接添加した。このステップにおけるMNaseの添加は、クロマトグラムの形状又はウイルス粒子の収量に影響を与えなかった。
MNase処理が、AAV粒子のアフィニティークロマトグラフィーに影響を及ぼさないことを示す。ウイルス粒子を含有する上清を通常のpH(7.5)でカラムに結合させ、ベンゾナーゼ(登録商標)を、MNaseと共に(図1A)又はMNaseなしで(図1B)、AAVX含有結合ウイルスに直接添加した。このステップにおけるMNaseの添加は、クロマトグラムの形状又はウイルス粒子の収量に影響を与えなかった。
MNaseの添加が、AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を放出させたことを示す。図2Aは、無処理(第1のレーン)、2.5U/mLのMNase、又は60U/mLのMNaseの30分後に、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、産生物ピーク(左)に対応する試料画分を収集した後のゲル電気泳動及び銀染色(右)を示す。60U/mLのMNaseは、約10kDa付近に強いバンドを生じ、これはヒストンの予測された分子量付近である。ポストプロダクトピーク画分から試料を採取し、電気泳動を実施して、試料中に存在し得るあらゆるクロマチンを可視化した(図6B)。結果は、アフィニティー捕捉クロマトグラフィー中のMNaseによる処理が、rAAV8粒子からクロマチンを除去するのに十分であることを示した。レーン1は1kbラダーであり、レーン2は、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットを使用して、懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子であり、レーン3はレーン2の試料の1:10希釈であり、レーン4は、トランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子であり、レーン5はレーン4の試料の1:10希釈であり、レーン6は、トランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生され、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化させたrAAV8粒子であり、レーン7は、レーン6の試料の1:10希釈である。
MNaseの添加が、AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を放出させたことを示す。図2Aは、無処理(第1のレーン)、2.5U/mLのMNase、又は60U/mLのMNaseの30分後に、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、産生物ピーク(左)に対応する試料画分を収集した後のゲル電気泳動及び銀染色(右)を示す。60U/mLのMNaseは、約10kDa付近に強いバンドを生じ、これはヒストンの予測された分子量付近である。ポストプロダクトピーク画分から試料を採取し、電気泳動を実施して、試料中に存在し得るあらゆるクロマチンを可視化した(図6B)。結果は、アフィニティー捕捉クロマトグラフィー中のMNaseによる処理が、rAAV8粒子からクロマチンを除去するのに十分であることを示した。レーン1は1kbラダーであり、レーン2は、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットを使用して、懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子であり、レーン3はレーン2の試料の1:10希釈であり、レーン4は、トランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子であり、レーン5はレーン4の試料の1:10希釈であり、レーン6は、トランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生され、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化させたrAAV8粒子であり、レーン7は、レーン6の試料の1:10希釈である。
接着細胞培養物におけるAAV粒子産生中の最小限の細胞死が、アフィニティー捕捉中に、有意でないポストプロダクトピークを生じることを示す。
クロマチン消化のための60U/mLのMNase処理(図4B)が、MNase処理されないAAV粒子精製(図4A)と比較した場合に、AAV粒子精製を強化することを示す。ポストプロダクトピークに対する、260nm(RNA/DNA)吸光度の大きな寄与は、MNase処理後に、280nm(タンパク質)吸光度ピークと同様に大きく減少する。
クロマチン消化のための60U/mLのMNase処理(図4B)が、MNase処理されないAAV粒子精製(図4A)と比較した場合に、AAV粒子精製を強化することを示す。ポストプロダクトピークに対する、260nm(RNA/DNA)吸光度の大きな寄与は、MNase処理後に、280nm(タンパク質)吸光度ピークと同様に大きく減少する。
MNaseで処理した又は処理されなかった試料を含むrAAV8粒子からのクロマトグラムのオーバーレイを示す。MNaseの添加は、DNA/RNA(260nm)(図5A)及びタンパク質(280nm)(図5B)に対するポストプロダクトピーク高さの有意な減少を引き起こし、これは、ポストプロダクトピークが、ウイルス外で結合したクロマチンを含有するAAV粒子であること、及びMNase処理がAAV粒子の精製を強化したことを示した。
MNaseで処理した又は処理されなかった試料を含むrAAV8粒子からのクロマトグラムのオーバーレイを示す。MNaseの添加は、DNA/RNA(260nm)(図5A)及びタンパク質(280nm)(図5B)に対するポストプロダクトピーク高さの有意な減少を引き起こし、これは、ポストプロダクトピークが、ウイルス外で結合したクロマチンを含有するAAV粒子であること、及びMNase処理がAAV粒子の精製を強化したことを示した。
MNase処理が、正常なAAV粒子精製操作の間に、クロマチンが消化及び除去されることを可能にすることを示す。陰イオン交換クロマトグラフィー後のポストプロダクトピークの銀染色分析は、約20kDaのバンドを含む、非MNase消化試料中に存在するタンパク質不純物を明らかにした(図6A)。レーン1は、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサーを使用して懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生したrAAV8粒子であり、レーン2は、エンハンサーを含まない懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子であり、レーン3は、エンハンサーを含まない懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生され、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化されたrAAV8粒子である。
MNaseなし(図7A)又はMNaseが2.5U/mL(図7B)から、MNaseが60U/mL(図7C)へのMNase量の増加が、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおけるクロマチン結合AAV粒子を減少させたことを示す。
MNaseなし(図7A)又はMNaseが2.5U/mL(図7B)から、MNaseが60U/mL(図7C)へのMNase量の増加が、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおけるクロマチン結合AAV粒子を減少させたことを示す。
MNaseなし(図7A)又はMNaseが2.5U/mL(図7B)から、MNaseが60U/mL(図7C)へのMNase量の増加が、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおけるクロマチン結合AAV粒子を減少させたことを示す。
ポストプロダクトピークの検査が、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサーを使用して又はエンハンサーなしで産生された、MNase処理しなかった試料において、目に見える沈殿物を示したことを示す。しかし、MNaseによる消化は、ウイルス粒子の凝集及び沈殿を妨げた。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理なしの高/低pH溶出(図9A)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理なしのクエン酸塩溶出(図9B)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理なしの低pH溶出(図9C)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理ありの高/低pH溶出(図9D)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理ありのクエン酸塩溶出(図9E)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、3つの異なるタイプの溶出を使用した、MNase処理されなかった試料と比較した場合に、プロダクトピーク画分中のDNAの量を増加させたことを示す。MNase処理有の低pH溶出(図9F)。レーン1(酵素負荷、「L」)、レーン2(酵素ウォッシュアウト、「W」)、レーン3(高pHウォッシュ「H」又は空レーン「X」)、レーン4(アニオン交換プロダクトピーク「P」)、レーン5(アニオン交換ポストプロダクトピーク「PP」)、及びレーン6(AAVXストリップピーク「S」)。
MNase処理が、MNase処理されていない試料及びExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサーを使用して生成された試料と比較した場合に、ウイルス力価(図10A)を増加させ、産生されたポストプロダクトの量を減少させたことを示す。
MNase処理が、MNase処理されていない試料及びExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサーを使用して生成された試料と比較した場合に、細胞あたりのゲノムコピー(図10B)を増加させ、産生されたポストプロダクトの量を減少させたことを示す。
MNase処理が、MNase処理されていない試料及びExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサーを使用して生成された試料と比較した場合に、総ゲノムコピー数(図10C)を増加させ、産生されたポストプロダクトの量を減少させたことを示す。
細胞あたりのゲノムコピー(GC/細胞)の増加(図11A)が、3つの異なる溶出緩衝液(クエン酸塩、低pH、及び低/高pH)の各々について、MNase処理されていない試料(四角)と比較した場合に、MNase処理された試料(丸)において一貫して観察されたことを示す。
全ゲノムコピー数の増加(図11B)が、3つの異なる溶出緩衝液(クエン酸塩、低pH、及び低/高pH)の各々について、MNase処理されていない試料(四角)と比較した場合に、MNase処理された試料(丸)において一貫して観察されたことを示す。
MNase処理が、MNase処理されていないプロダクト画分(左上)と比較した場合に、高/低pH溶出プロダクト画分(右上)の感染性を増加させ、MNase処理されていないポストプロダクト画分(左下)と比較した場合に、MNase処理されたポストプロダクト画分(右下)の感染性を減少させたことを示す。
MNase処理が、MNase処理されていないプロダクト画分(左上)と比較した場合に、クエン酸塩溶出プロダクト画分(右上)の感染性を増加させ、MNase処理されていないポストプロダクト画分(左下)と比較した場合に、MNase処理されたポストプロダクト画分(右下)の感染性を減少させたことを示す。
MNase処理が、MNase処理されていないプロダクト画分(左上)と比較した場合に、低pH溶出プロダクト画分(右上)の感染性を増加させ、MNase処理されていないポストプロダクト画分(左下)と比較した場合に、MNase処理されたポストプロダクト画分(右下)の感染性を減少させたことを示す。
酵素による処理をされていないか又はベンゾナーゼ(登録商標)のみで処理された試料が、銀染色によって測定した場合に、不純物を含有することを示す。図15Aは、オンカラムでの酵素による処理をされていない精製AAV試料を示す。PE=溶出前ピーク、E=溶出、R=未透過液(100kDaアミコン)、F=濾液、S=ストリップ。マーカーサイズの単位はkDaである。
酵素による処理をされていないか又はベンゾナーゼ(登録商標)のみで処理された試料が、銀染色によって測定した場合に、不純物を含有することを示す。図15Bは、ベンゾナーゼ(登録商標)のみで処理された試料を示す図である。PE=溶出前ピーク、E=溶出、R=未透過液(100kDaアミコン)、F=濾液、S=ストリップ。マーカーサイズの単位はkDaである。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びMNase処理の前、アフィニティークロマトグラフィー中に適用される高pH洗浄緩衝液が、AAV粒子精製後の不純物の量を、銀染色によって測定した場合に、減少させることを示す。図16Aは、高pH(9.5)洗浄+オンカラムでのベンゾナーゼ(登録商標)処理/MNase処理及びクエン酸塩(pH1.5)溶出に供したAAV試料を示す。3つの強いバンドは、VP1、VP2、及びVP3に対応する。W=洗浄ピーク、E=溶出ピーク、R=未透過液(100kDaアミコン)、F=濾液、S=ストリップピーク。マーカーサイズの単位はkDaである。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びMNase処理の前、アフィニティークロマトグラフィー中に適用される高pH洗浄緩衝液が、AAV粒子精製後の不純物の量を、銀染色によって測定した場合に、減少させることを示す。図16Bは、高pH(10.2)洗浄+オンカラムでのベンゾナーゼ(登録商標)処理/MNase処理及びリン酸(pH1.5)溶出に供したAAV試料を示す図である。3つの強いバンドは、VP1、VP2、及びVP3に対応する。W=洗浄ピーク、E=溶出ピーク、R=未透過液(100kDaアミコン)、F=濾液、S=ストリップピーク。マーカーサイズの単位はkDaである。
表5に記載の異なる精製条件を使用したウイルス精製の概要を示す。図17Aは、精製されたAAV粒子の銀染色を示す。3つの強いバンドは、VP1、VP2、及びVP3に対応する。C=クエン酸塩、pH2.5、P=リン酸、pH1.5、「+1」=pH10.3、「+2」=pH9.5、「+3」=pH10.2、「+4」=pH10.4、*=(C2H5)NCL陰イオン交換溶出。
表5に記載の異なる精製条件を使用したウイルス精製の概要を示す。図17Bは、DNAアガロースゲル電気泳動及びAAV内に含まれるITR導入遺伝子の存在を示す。C=クエン酸塩、pH2.5、P=リン酸、pH1.5、「+1」=pH10.3、「+2」=pH9.5、「+3」=pH10.2、「+4」=pH10.4、*=(C2H5)NCL陰イオン交換溶出。
AAV粒子精製の純度を改善するために、不純物及びDNAをどのように除去することができるかについてのスキームを示す。
エタノールを含むように溶出条件を改変することにより、陰イオン交換カラムからのウイルスの回収率を改善することができることを示す。図19Aは、ベンゾナーゼ(登録商標)処理及び高pH洗浄の後に、リン酸(pH1.5)を使用して溶出された試料を示す。矢印は、カラムストリッピング後に検出された残留ウイルスを示す。
エタノールを含むように溶出条件を改変することにより、陰イオン交換カラムからのウイルスの回収率を改善することができることを示す。図19Bは、ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びMNase処理、並びに高pH洗浄の後に、リン酸(pH1.5)を使用して溶出された試料を示す。矢印は、カラムストリッピング後に検出された残留ウイルスを示す。
エタノールを含むように溶出条件を改変することにより、陰イオン交換カラムからのウイルスの回収率を改善することができることを示す。図19Cは、ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びMNase処理、並びに高pH洗浄の後に、リン酸(pH1.5)及び20%エタノールを使用して溶出された試料を示す。矢印は、カラムストリッピング後に検出された残留ウイルスを示す。
酵素による処理を行わなかった場合(図20A)の動的光散乱(DLS)からの結果並びにタンパク質凝集(Tagg)曲線及び融解(Tm)曲線を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理のみを行った場合(図20B)の動的光散乱(DLS)からの結果並びにタンパク質凝集(Tagg)曲線及び融解(Tm)曲線を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びMNase処理を行った場合(図20C)の動的光散乱(DLS)からの結果並びにタンパク質凝集(Tagg)曲線及び融解(Tm)曲線を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理あり、MNase処理なし、高pH洗浄あり、及びリン酸溶出ありの場合(図20D)の動的光散乱(DLS)からの結果並びにタンパク質凝集(Tagg)曲線及び融解(Tm)曲線を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理あり、MNase処理あり、高pH洗浄あり、及びリン酸溶出ありの場合(図20E)の動的光散乱(DLS)からの結果並びにタンパク質凝集(Tagg)曲線及び融解(Tm)曲線を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理もMNase処理もなし(「酵素なし」)で精製を行った場合、(2)ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びクエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩(アフィニティー)」)を行った場合、(3)ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びクエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩」)を行った場合、(4)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、MNase処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、Phos」)を行った場合、(5)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、高pH(pH10.3)洗浄、及びリン酸溶出による精製(「B、pH10.3、Phos」)を行った場合、並びに(6)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、MNase処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、pH10.3、Phos」)を行った場合の宿主細胞DNAを検出するためにAlphaLISAを使用した生のカウント数(図21A)を示す。
ベンゾナーゼ(登録商標)処理もMNase処理もなし(「酵素なし」)で精製を行った場合、(2)ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びクエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩(アフィニティー)」)を行った場合、(3)ベンゾナーゼ(登録商標)処理及びクエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩」)を行った場合、(4)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、MNase処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、Phos」)を行った場合、(5)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、高pH(pH10.3)洗浄、及びリン酸溶出による精製(「B、pH10.3、Phos」)を行った場合、(6)ベンゾナーゼ(登録商標)処理、MNase処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、pH10.3、Phos」)を行った場合の宿主細胞DNAを検出するためにAlphaLISAを使用した濃度結果(図21B)を示す。
AAV粒子試料画分を収集した後の、ゲル電気泳動及び銀染色を示し、そのAAV粒子試料画分が、それぞれプロトコル#1後のプロダクトピークに対応するAAV粒子試料画分(レーン1)、プロトコル#2後のプロダクトピークに対応するAAV粒子試料画分(レーン2)、及びプロトコル#2後のポストプロダクトピークに対応するAAV粒子試料画分(レーン3)である。
「背景技術」において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載し、これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。本明細書に引用する全ての特許、公開された特許出願及び刊行物は、参照によってあたかもその全体が本明細書に記載されているように組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意する必要がある。
別途記載のない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、一連の全ての要素を指すと理解されるべきである。当業者であれば、単なる通常の実験手順を使用するだけで、本明細書に記載した本発明の具体的な実施形態に対して多くの同等物を認識するか、又は確認することができよう。かかる均等物は、本発明によって包含されることが意図される。
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈上必要としない限り、「含む(comprise)」という用語並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、指定の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、任意の他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを意味すると理解されるであろう。本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」又は「含む(including)」という用語に置き換えることができ、又はときに本明細書で使用するとき、「有する(having)」という用語に置き換えることもできる。
本明細書で使用するとき、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素において指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書で使用するとき、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップは除外しない。本出願の態様又は実施形態に関連して本明細書で使用するとき、本開示の範囲を変化させるために、「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」、及び「有する」という上記用語のいずれかを、「からなる」又は「から本質的になる」という用語に置き換えることができる。
本明細書で使用するとき、複数の列挙された要素間の「及び/又は」という接続的な用語は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしに第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書で使用するとき、「及び/又は」という用語の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用性もまた、意味に含まれ、したがって、「及び/又は」という用語の要件を満たすことが理解される。
本明細書で使用される場合、「精製する」という用語は、不純物(例えば、宿主細胞タンパク質、クロマチン、及び/又は核酸)を除去し、AAV粒子を濃縮させることができる任意の技術を意味することが意図される。AAV粒子を精製するための例示的な技術としては、例えば、遠心分離(例えば、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせ)、クロマトグラフィー(例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィー)、濾過、又はそのような技術の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。精製は、一段階精製技術、又は2つ以上のタイプの精製技術を組み合わせた多段階精製技術を含み得るということが理解される。
本明細書で使用される場合、用語「アデノ随伴ウイルス(AAV)」は、全ての異なるAAV血清型を含む天然に存在する形態、並びにAAVの天然に存在しない形態(例えば、組換えrAAV、及び偽型)の両方、及びそれらの改変体を意味することが意図される。AAVウイルスは、レップ遺伝子(AAVのライフサイクルに必要なRep78、Rep68、Rep52、Rep40として翻訳される)及びキャップ遺伝子(VP1、VP2、VP3-カプシドタンパク質として翻訳される)からなる。
本明細書で使用される場合、用語「ウイルス粒子」又は「AAV粒子」は、宿主細胞の外側のAAVウイルスの完全な感染形態を意味することが意図され、これは、核酸を含み、そしてキャプシドと呼ばれるタンパク質の保護コートによって取り囲まれる。
本明細書で使用される場合、用語「力価」は、所定の容量中のウイルスの量を意味することが意図される。ウイルス力価は、「物理的力価」又は「機能的力価」を含み得る。物理的力価は、どれだけのウイルスが存在するかの尺度であり、一般に、1mL当たりのウイルス粒子数(VP/mL)、又は1mL当たりのゲノムコピー数(GC/mL)として表される。機能的力価又は感染力価は、どれだけのウイルスが実際に標的細胞に感染するかの尺度であり、一般に、1mL当たりの形質導入単位(TU/mL)の形態で、又はアデノウイルスについては1mL当たりのプラーク形成単位(pfu/mL)若しくは1mL当たりの感染単位(ifu/mL)として表される。機能的力価は、一般に、物理的力価よりも、通常、約10~約100倍低いことが理解される。
本明細書で使用される場合、「十分な量」という用語は、例えば、アフィニティー支持体などの固体支持体へのAAV粒子の結合、又はAAV粒子を含有する試料からの不純物(例えば、宿主細胞タンパク質、クロマチン、及び/又は核酸)の除去など、所望の効果をもたらすか、又は所望の結果を達成することができる量を意味することが意図される。
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、AAV粒子の試料に関して使用される場合には、AAV粒子の試料が、対応する陰性対照試料と比較した場合に、約50%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満の不純物を含むことを意味することが意図される。例示的な不純物としては、宿主細胞タンパク質、及びウイルス外のクロマチン結合DNAが挙げられるが、これらに限定されない。試料は、1つ以上の不純物を「実質的に含まない」ことができるが、少量の(例えば、検出不能なレベルの)なんらかの不純物を有し続け、「実質的に含まない」ことは、全ての不純物の完全な除去を必要としないということが更に理解される。
特に断らない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、典型的には、記載される値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1mg/mL~10mg/mLの濃度範囲は、0.9mg/mL~11mg/mLを含む。本明細書で使用するとき、数値範囲の使用は、文脈上そうでない旨が明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
本出願の読者を助けるため、明細書の記載は、様々な段落若しくはセクションに分けられているか、又は本出願の様々な実施形態に向けられている。これらの分離は、段落又はセクション又は実施形態の実体を別の段落又はセクション又は実施形態の実体から切り離すものと見なされるべきではない。反対に、当業者であれば、本明細書の記載が広範な用途を有し、想到され得る様々な段落、パラグラフ、及び文章の全ての組み合わせを包含することを理解するであろう。いかなる実施形態の考察も、単なる例示であることを意味するものであり、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施例に限定されることを示唆することを意図するものではない。例えば、本明細書で提供される精製技術のタイプは、本明細書で提供されるAAV粒子の産生のための様々な例示的方法のいずれかと組み合わせることができる。本出願は、特定の組み合わせが明示的に記載されているか否かにかかわらず、適用可能な構成要素の任意のものを、任意の組み合わせで使用することを企図する。
クロマチン-DNAヌクレアーゼを使用して、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法、組成物、キット、及びシステムが本明細書において提供される。小規模産生のためのAAV粒子を精製するための様々な精製技術(例えば、密度勾配遠心分離)、又は大規模産生のためのAAV粒子を精製するための様々な精製技術(例えば、イオン交換クロマトグラフィーを含むアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、及び疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそのような技術の組み合わせ)が当該技術分野において既知である(例えば、Burova and Ioffe,Gene Therapy(2005)12,S5-S17を参照されたい)。しかしながら、一般に高純度の生成物を生じる技術を用いても、AAV粒子製造において遭遇するプロセス関連不純物が問題となり得る。例えば、本明細書に提供されるように、本開示は、ウイルス外のクロマチン結合AAV粒子が、精製されたAAV粒子生成物において検出され得る重要な不純物を代表し、これが、精製された生成物の目に見える沈殿を引き起こす可能性があり、例えば、AAV粒子の下流での適用に対して問題となり得る(例えば、ウイルス感染性を制限するようなものなど)ことを提供する。したがって、本開示は、最終精製産物の純度及び/又は力価を高めるために、AAV粒子を精製するための当該技術分野で公知の様々な方法のいずれかに組み込むことができる。
クロマチンは、DNA、タンパク質、及び関連タンパク質の複合体である。クロマチン中の主要なタンパク質はヒストンである。ヒストンは、H1、H2A、H2B、H3、及びH4と呼ばれる小さな正に荷電したタンパク質のファミリーであり、負に荷電したDNAに強く接着し、ヌクレオソームと呼ばれる複合体を形成する。AAV粒子と結合したクロマチンは、DNAがヒストンによって保護され、ヌクレアーゼにはアクセスできないので、一般にヌクレアーゼに対する耐性を有する。
クロマチン結合タンパク質としては、とりわけ、例えば、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(例えば、ポリコーム群(pCg)タンパク質EZH2、DOTL1、PRMT5)、ヒストンデメチラーゼ(例えば、LSD1、JmjC-ドメイン含有ヒストンデメチラーゼ)、ブロモドメイン含有のBETファミリー(例えば、BRD2、BRD3、及びBRD4、並びにBRDT)などが挙げられる。更なるクロマチン修飾タンパク質及びDNA結合タンパク質としては、例えば、亜鉛フィンガー(ZnF)タンパク質又は他のDNA結合タンパク質が挙げられる。
したがって、本開示は、特定のタイプのヌクレアーゼ、クロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えば、小球菌ヌクレアーゼ、MNase)を、任意のタイプのAAV粒子精製方法に追加することにより、下流での精製中に回収されるAAV粒子の品質、並びに回収されるAAV粒子の収率を有意に改善することができるということを提供する。
したがって、いくつかの実施形態では、(a)AAV粒子を含む上清をクロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(b)AAV粒子を精製することと、を含む、AAV粒子を精製するための方法が、本明細書において提供される。
上記のように、AAV粒子は、当該技術分野で既知の種々の方法を使用して精製され得るが、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、任意のタイプのAAV粒子精製方法と組み合わされ得る。一般に、精製は、遠心分離、クロマトグラフィー、若しくは濾過、又は場合によってはそれらの組み合わせを伴う。いくつかの実施形態では、精製は、2つのステップの精製プロトコルを含むことができ、例えば、2つのクロマトグラフィーのステップ、又はクロマトグラフィーと超遠心分離/濾過との組み合わせを含み得る。例として、2つのステップの精製プロトコルは、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、ヘパリンアフィニティー樹脂を使用するもの)と、それに続くイオン交換カラム上での仕上げとによる精製を含むことができる。別の例示的な2つのステップの精製プロトコルは、超遠心分離(例えば、イオジキサノール密度超遠心分離)と、それに続くクロマトグラフィー(例えば、ヘパリンアフィニティー精製などのアフィニティークロマトグラフィー)と、を伴い得る。
精製プロセスで使用される出発材料の濾過及び/又は遠心分離は、例えば細胞デブリ及び/又は細胞断片などのバルク不純物の一部を除去するのに役立ち得る。したがって、いくつかの実施形態では、上清は清澄化された上清である。ある特定の実施形態では、濾過及び/又は遠心分離が、例えば、クロマトグラフィー精製などの1つ以上の追加の精製ステップの前に実施される。上清を清澄化するための様々な方法が、当該技術分野で既知である。例えば、0.2μmフィルターを使用して上清を清澄化することができる。具体的な実施形態では、清澄化された上清は、精製の1つ以上の更なるステップの前に、ベンゾナーゼ(登録商標)で処理され得る。
AAV粒子の精製のための遠心分離技術としては、例えば、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。例示的なタイプの密度勾配遠心分離は、強い遠心力場に供された場合に密度勾配を形成する、CsClを伴い得る。例えば、ウイルスがCsCl塩中で平衡に達するまで遠心分離される場合、それらは汚染物質から分離され、それらの浮遊密度に基づいて集団で回収される。いくつかの実施形態では、AAV粒子の精製は、複数のCsCl勾配遠心分離ステップを含む。AAV粒子の精製のための別の例示的な密度培地は、イオジキサノールを含むことができる。いくつかの実施形態では、AAV粒子の精製は、予備精製ステップとしての密度勾配遠心分離(例えば、不連続イオジキサノール勾配遠心分離)と、それに続くアフィニティークロマトグラフィーウイルス精製ステップ、例えばヘパリン化支持マトリックスクロマトグラフィー又はイオン交換クロマトグラフィーなどによるものを含み得る。
いくつかの実施形態では、AAV粒子の精製は、クロマトグラフィーを伴う。例えば、大規模量のAAV粒子の精製は、一般的に、溶液(移動相)中の分子が、固定材料(固相又は固体支持体)との化学的又は物理的相互作用の差異に基づいて分離される、ある形態のクロマトグラフィーを含む。例示的なタイプのクロマトグラフィーとしては、例えば、ゲル濾過(サイズ排除クロマトグラフィー又はSECとも呼ばれる)が挙げられ、これは、多孔質の樹脂材料を用いて、分子を分子のサイズに基づいて分離するものである(すなわち、物理的排除)。別の例示的なタイプのクロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー(アフィニティー精製とも呼ばれる)である。
特定の実施形態では、クロマトグラフィーはクロマトグラフィーカラムを伴う。本明細書に開示されるように、様々なタイプのクロマトグラフィーカラムを使用して、AAV粒子を精製することができる。ある特定の実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、モノリスである。モノリスは、多くの相互接続されたチャネルを有する均質な固定相の単一ブロックを有するクロマトグラフィーカラムである。モノリスの固定相は、異なる特性を有する異なる種類の生体分子の精製を可能にする、様々な化学的性質のものであり得る。しかしながら、カラムはモノリスである必要はなく、ビーズ、多孔質粒子ベースのカラム、及び膜吸着体も使用できるということが理解される。
アフィニティークロマトグラフィーは、標的分子へのリガンド結合又は標的分子との特異的イオン相互作用などの分子間の特異的結合相互作用を利用する。例示的なタイプのアフィニティークロマトグラフィーは、ウイルスキャプシドと、クロマトグラフィーマトリックスに結合された特定の生物学的リガンド又はレセプターとの間の可逆的相互作用に基づいて、タンパク質及び核酸汚染物からウイルス粒子を分離することを伴う。いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーによる精製は、負に荷電したセルロースアフィニティー媒体硫酸セルロファインを含むことができる。代替的なアフィニティー精製アプローチは、モノクローナル抗体(例えば、A20)によるAAV粒子(例えば、AAV2粒子)の認識に基づくものであり、アセンブルされていないカプシドタンパク質の分離を可能にする。アフィニティークロマトグラフィーの更なる例示的な例としては、ヘパリンアフィニティーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、精製されるAAV粒子のAAVカプシド血清型又は偽型に特異的であり得る。例えば、いくつかのAAV血清型(例えば、AAV1、4、及び5など)は、ヘパリンカラムにあまり効率的に結合しない。したがって、いくつかの実施形態では、例えばAAV5粒子の捕捉のためのアフィニティーマトリックスは、CNBr活性化セファロースに共有結合した、ムチンと呼ばれるシアル酸を豊富に有するタンパク質を含むことができる。あるいは、PDGFR-α及びPDGFR-βは、例えばAAV5粒子の捕捉のための特異的分子として使用することができる。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーはイオン交換クロマトグラフィーである。イオン交換クロマトグラフィーは、固相材料との全体的なイオン相互作用の強度に従って、分子を分離することを含む。イオン交換クロマトグラフィーによる精製は、ウイルスキャプシドの外側のタンパク質の正味の電荷に基づく。表面タンパク質の正味の電荷は、露出したアミノ酸基のpHに依存する。
イオン交換クロマトグラフィーの1つの例示的なタイプは、陰イオン交換クロマトグラフィーであり、これは、分子をそれらの正味の表面電荷に基づいて分離するために使用される。陰イオン交換クロマトグラフィーは、正味の負の表面電荷を有する分子に対する親和性を有する、正に荷電したイオン交換樹脂を使用する。上記で提供された例は、例示的であることが意図され、本開示と共に使用され得るクロマトグラフィーのタイプを網羅することは意図されないことが理解される。
本明細書において提供されるように、AAV粒子を精製するプロセスにおいて使用され得る精製の1つの例示的なタイプは、アフィニティークロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、固体支持体(例えば、アフィニティー支持体)に化学的に固定化又は「結合」された特定のリガンドを含むことができ、その結果、複合混合物がカラムを通過すると、リガンドに対する特異的結合親和性を有する分子が結合する。他の実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーは、特異的正味表面電荷に基づくイオン相互作用を伴い得るが、そのため、それらの正味表面電荷に基づいて固体支持体に対する特異的結合親和性を有する分子が結合される。
いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーはイオン交換クロマトグラフィーである。前述したように、イオン交換クロマトグラフィーは、親和性支持体などの固相材料との全体的なイオン相互作用の強度に従って、分子を分離する。いくつかの実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーである。陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して、正味の表面電荷に基づいて分子を分離することができる。例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーは、正味の負の表面電荷を有する分子に対する親和性を有する、正に荷電したイオン交換樹脂を使用する。
上述したように、クロマトグラフィーは、一般に、固定材料(固相又は固体支持体)との化学的又は物理的相互作用の差に基づいて、分離される溶液(移動相)中の分子と関わる。クロマトグラフィーの種々の形態はまた、必要に応じて、固体支持体から不要な成分を除去するための洗浄を伴い得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、固体支持体を洗浄することを伴う。他の試料成分が洗い流された後、結合した分子は支持体から剥がされ(すなわち、溶出され)、元々の試料から精製される。
AAV粒子の溶出は、直線勾配溶出又は段階的均一濃度の溶出のいずれかによって溶出することができる。多くの場合、勾配溶出を用いて、溶出条件を最適化することができる。目的のタンパク質の溶出プロファイルが確立され、どのイオン強度又はpHでタンパク質が溶出するかが分かると、精製プロセスを加速するために段階的溶出を使用することができる。AAV粒子を精製するために使用されるクロマトグラフィーのタイプに依存して、溶出条件は、競合リガンドを伴うか、又はpH、イオン強度、若しくは極性を変化させることを伴う。標的タンパク質は、精製及び濃縮された形態で溶出され得る。例えば、イオン交換クロマトグラフィーについて、最終生成物は、それらの正味の表面電荷に依存する順序で溶出され得る。7.5に近いpI値を有する試料は、より低いイオン強度で溶出し、非常に低いpI値を有する試料は、高い塩濃度で溶出する。
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して溶出され得る。特定の実施形態では、高pH緩衝液は、低pH緩衝液の使用の直前に使用され、「高/低pH緩衝液」と呼ばれる。具体的な実施形態では、低いpHは約2.5である。いくつかの実施形態では、低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である。特定の実施形態では、低pH緩衝液は弱酸を含む。
本明細書で提供されるように、溶出ステップへのエタノールの添加は、イオン交換カラムからのウイルスの回収を改善することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溶出緩衝液はエタノールを含むことができる。いくつかの実施形態では、エタノールは、約5%~約40%のエタノールであり得る。いくつかの実施形態では、エタノールは、約10%~約30%のエタノールであり得る。いくつかの実施形態では、エタノールは、約15%~約25%のエタノールであり得る。具体的な実施形態では、エタノールは、約20%のエタノールであり得る。
低pH緩衝液を使用して行われる溶出は、しばしば、溶出緩衝液が直ちに中和されることを必要とする。したがって、いくつかの実施形態では、溶出は、緩衝液のpHを中和することを更に含む。具体的な実施形態では、中和は、ビス-トリス-プロパン(BTP)を添加することを含む。ある特定の実施形態では、中和することは、トリスを添加することを含む。Ad又はAAVの精製の手順のために使用される多くのクロマトグラフィー溶出緩衝液は、インビボでの操作に適していないので、分解又は濃縮のような追加の精製ステップが必要であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、精製はまた、AAVウイルス粒子の分解及び/又は濃縮を含む。
したがって、いくつかの実施形態では、(a)AAV粒子を含む上清を固体支持体と共に、AAV粒子を結合させるのに十分な時間インキュベートすることと、(b)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(c)精製されたAAV粒子を溶出させることと、を含む、AAV粒子を精製するための方法が、本明細書で提供される。クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触させることはまた、AAV粒子の結合の前に行われ得るということが理解される。したがって、いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法であって、(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(b)AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子を結合させるのに十分な時間インキュベートすることと、(c)精製されたAAV粒子を溶出させることと、を含む方法が本明細書で提供される。同様に、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触させることは、固体支持体の設定において組み合わされる必要はなく、当該技術分野で既知の任意のAAV粒子精製技術と組み合わされ得るということもまた理解される。ある特定の実施形態では、精製されたAAV粒子は、AAV粒子を仕上げるための1つ以上の追加の精製に供される。例えば、粒子は、アフィニティークロマトグラフィーによって精製され得るが、次いで、異なるタイプのクロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー)によって仕上げられ得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、試料を溶出させる前に、固体支持体を洗浄することを更に含む。本明細書中に記載されるように、支持体から、非結合試料成分を洗浄除去することは、標的とリガンドとの間の結合相互作用を維持する適切な緩衝液を使用して行われ得る。洗浄により、いくつかの結合していない汚染物質を除去することができる。いくつかの実施形態では、非特異的結合相互作用は、低い濃度の界面活性剤を添加することによって、又は結合緩衝液及び/若しくは洗浄緩衝液中の塩濃度を適度に調整することによって、最小限に抑えることができる。
本明細書で提供されるように、いくつかの実施形態では、AAV粒子の純度は、高いpHで洗浄することによって増加させることができる。例えば、バルク回収物をアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、次いで高pH緩衝液で洗浄して不純物を除去することができる。いくつかの実施形態では、高pH洗浄の後に、ベンゾナーゼ及び/又はクロマチン-DNAヌクレアーゼによる、オンカラムでの酵素処理が続く。ある特定の実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH9より大きい。いくつかの実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH9.5~pH10.9である。他の実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH9.5である。いくつかの実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH10.2である。いくつかの実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH10.3である。いくつかの実施形態では、高pH洗浄緩衝液は、pH10.4である。
いくつかの実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)(EC3.1.31.1)である。黄色ブドウ球菌から単離されたMNaseは、核酸(DNA及び/又はRNA)を消化することができる非特異的エンド-エキソヌクレアーゼ活性を有するホスホジエステラーゼである。MNaseは、障害物(ヌクレオソーム又は他の核酸結合タンパク質)に達するまで、2つのヌクレオソームを接続するリンカー領域内の露出した核酸を消化する。MNaseは、細胞溶解物から核酸を除去し、クロマチン結合タンパク質を放出するのに好適であり得るが、DNaseは、ヌクレオソーム枯渇DNA又は「ヌクレオソームを含まない」DNAを優先的に切断する。MNaseは、二本鎖、一本鎖、環状及び直鎖状核酸を消化する。いくつかの実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mL(U/mL)より大きい。ある特定の実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。具体的な実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。より具体的な実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。いくつかの実施形態では、MNaseは、MNaseの活性を有するポリペプチドである。一実施形態では、MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、AAV粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む。一実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む。
一実施形態では、MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、物理的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される。一実施形態では、ウイルス力価は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約3倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約7倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価は、約80倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、ウイルス力価比は、約2倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約5倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約10倍以上増加する。一実施形態では、ウイルス力価比は、約25倍以上増加する。
一実施形態では、MNaseは、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である。一実施形態では、完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である。
一実施形態では、MNaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。一実施形態では、MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される際、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する。
一実施形態では、MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する。
クロマチン-DNAヌクレアーゼが、AAV粒子及び遊離核酸とウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を放出するのに必要な時間の長さの決定は、当業者の技能の範囲内である。ある特定の実施形態では、インキュベーションは、約10分間~約1時間である。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約20分間~約40分間である。具体的な実施形態では、インキュベーションは約30分間である。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物はまた、ベンゾナーゼ(登録商標)ヌクレアーゼ(セラチア・マルセッセンス由来のエンドヌクレアーゼ;酵素委員会(EC)番号:3.1.30.2)を含み得る。ベンゾナーゼ(登録商標)は、アクセス可能なDNA及びRNA(例えば、非クロマチンDNA)を分解することができる、無差別的なエンドヌクレアーゼである。それは、DNA及びRNAの全ての形態(例えば、一本鎖、二本鎖、直鎖状及び環状)を攻撃及び分解し、広範囲の操作条件にわたって有効である。例えば、天然又は熱変性したDNA及びRNAを消化することができる。
ベンゾナーゼ(登録商標)の添加は、粗試料中に存在するヌクレアーゼ感受性核酸を除去、例えば、宿主産生細胞から、残留核酸を除去するのに役立ち得る。ベンゾナーゼ(登録商標)の添加は、遊離核酸を消化するために、例えばタンパク質試料中の粘度を低下させるために含めることができるが、それ自体では、AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を放出させるには不十分である。いくつかの実施形態では、ベンゾナーゼ(登録商標)及びクロマチン-DNAヌクレアーゼは、一緒にインキュベートされる。具体的な実施形態では、ベンゾナーゼ(登録商標)及びクロマチン-DNAヌクレアーゼは、アフィニティー交換クロマトグラフィー後に、一緒にインキュベートされる。しかしながら、ベンゾナーゼ(登録商標)処理は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと同時に行われる必要はないことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、ベンゾナーゼ(登録商標)は、精製前にバルク収集物に添加される。任意のベンゾナーゼ(登録商標)生成物が、本開示に適していることが更に理解される。
本開示は、ある特定の実施形態では、例示的なエンドヌクレアーゼとしてベンゾナーゼ(登録商標)の使用を記載するが、残留宿主細胞DNAを低減することができる任意のヌクレアーゼ、又は残留宿主細胞DNAを低減することができるヌクレアーゼの活性を有するポリペプチドを使用することができるということが理解される。このような代替的なヌクレアーゼとしては、例えば、クリオナーゼ(低温菌、Shewanella sp.に由来する組換えエンドヌクレアーゼ)、塩活性ヌクレアーゼ(salt active nuclease、SAN)、又はDNase I(商標)を挙げることができる。
本明細書で提供されるように、AAV粒子を含有する試料をMNaseと接触させることは、クロマチン結合DNA、宿主細胞タンパク質を除去し、MNaseで処理していない試料と比較した場合に、AAV粒子の全体的な収率を改善することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書において提供される方法を用いて調製された精製AAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない。特定の実施形態では、精製AAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、増加した収率を有する。
本明細書で提供されるように、本開示は、AAV粒子の精製におけるクロマチン-DNAヌクレアーゼの使用が、ウイルス力価を増加させるために使用され得るということを提供する。したがって、いくつかの実施形態では、AAV粒子の力価を増加させるための方法であって、(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの実施形態では、増加したウイルス力価は、総ゲノムコピー、並びに細胞あたりのゲノムコピー(すなわち、物理的力価)の増加を含み得る。他の実施形態では、増加したウイルス力価は、機能的力価の増加を含み得る。更なる実施形態では、増加したウイルス力価は、物理的力価及び機能的力価の両方の増加を含み得る。
物理的力価は、例えば、ELISA、ウイルスゲノムRNAの測定(例えば、qRT-PCR又はノーザンブロッティングによる)などの非機能的方法を使用して決定することができる。機能的力価は、どれだけのウイルスが標的細胞に入るかを測定し、ベクターが抗生物質耐性遺伝子を含有する場合、又はベクターが蛍光タンパク質を含有する場合、抗生物質選択後のコロニー形成単位の数の評価、標的細胞のフローサイトメトリー又は免疫蛍光分析を含み得る。あるいは、ベクターが蛍光タンパク質を発現しない場合には、qPCRによる細胞あたりの組み込まれたプロウイルスDNAコピーの数の決定は、機能的力価を評価するための迅速かつ容易な方法を提供する。
力価の増加は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触していないAAV粒子を含む上清と比較した場合に、1.0より大きい任意の整数の倍数での変化を含み得る。いくつかの実施形態は、倍数での変化は、1.5倍超、2.0倍超、5.0倍超、10倍超、50倍超、又は100倍超である。機能的力価は、一般に、物理的力価よりも、通常10~100倍低いことが理解される。したがって、いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は、1.5倍超、2.0倍超、5.0倍超、10倍超、50倍超、又は100倍超である。具体的な実施形態において、物理的力価の増加は、1.5倍超である。いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は、2.0倍超である。いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は、5.0倍超である。いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は10倍超である。いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は、50倍超である。いくつかの実施形態では、物理的力価の増加は、100倍超である。他の実施形態では、機能的力価の増加は、1.5倍超、2.0倍超、5.0倍超、10倍超、50倍超、又は100倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、1.5倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、1.5倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、2.0倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、5.0倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、10倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、50倍超である。いくつかの実施形態では、機能的力価の増加は、100倍超である。
本明細書で提供されるように、本開示は、AAV精製プロセスへのクロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えば、MNase)の添加が、プロダクト画分のウイルス力価を増加させ得ること、かつポストプロダクト画分のウイルス力価を減少させ得ること、を実証するものである。したがって、ウイルス力価の増加はまた、AAVプロダクト画分のAAVポストプロダクト画分に対する比率として記載され得る。したがって、一部の態様では、増加したウイルス力価は、クロマチン-DNAヌクレアーゼ(例えば、MNase)と接触していないAAV粒子に対して、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス力価比の増加は、1.5倍超、2.0倍超、5.0倍超、10倍超、50倍超、又は100倍超である。具体的な実施形態では、ウイルス力価比の増加は、約2倍以上である。他の実施形態では、ウイルス力価比の増加は、約5倍以上である。更に他の実施形態では、ウイルス力価比の増加は、約10倍以上である。他の実施形態では、ウイルス力価比の増加は、約25倍以上である。
本明細書に記載されるように、本開示の方法は、不純物を実質的に含まない高純度AAV粒子の産生に関する。AAVの物理的特性(例えば、AAV粒径)を測定するための様々な技術が、当該技術分野において既知である。例えば、粒径及び凝集を測定するための例示的な技術としては、動的光散乱法(DLS)、静的光散乱法(SLS)、DLS及びSLS、並びに透過型電子顕微鏡法(TEM)が挙げられる(例えば、Stetefeld J,et al.,Biophys Rev.2016;8(4):409~427を参照のこと)。
DLSは、AAV開発の分野において十分に確立された分析技術である。その主な用途は、凝集体形成について試験することである。大きな種に対するその高い感度のために、凝集によって引き起こされる小さな不純物でさえ検出することができる。DLSをSLSと組み合わせることも可能である。DLSでは、溶液中の粒子の流体力学的サイズ及びサイズ分布を得ることができる。時間及び温度の関数としてこの測定値を調べることは興味深いことであり得る。例えば、低温ではタンパク質は安定であり得、反復可能なサイズ(及び散乱強度)測定値を示し得るが、典型的にはある高温(Tagg)では、タンパク質分子はオリゴマー化又は凝集する傾向を示す。これが起こる温度は、タンパク質それ自体に加えて緩衝液組成に依存する。したがって、DLS、又はDLSとSLSとの組み合わせは、機器使用者が、融解温度(Tm)、凝集温度(Tagg)及び開始温度(Tonset)をスクリーニングすることを可能にする。Tmとほぼ同様のTaggを有する試料は、不純物を実質的に含まない高度に純粋なAAV粒子を示す。
したがって、本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、精製されたAAV粒子は、DLSによって測定される場合、Taggの約10℃未満以内のTmを有する。ある特定の実施形態では、精製されたAAV粒子は、DLSによって測定される場合、Taggの約5℃未満以内のTmを有する。更なる実施形態では、精製されたAAV粒子は、DLSによって測定される場合、Taggの2℃未満以内のTmを有する。
本開示はまた、AAV粒子の精製プロセスへのMNaseの添加が、回収される完全なカプシドの量を増加させ得ることを実証する。本開示のいくつかの態様では、精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。他の実施形態では、精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。なお更なる実施形態では、精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む。
本開示はまた、本明細書で提供される方法のいずれかによって産生されるAAV粒子の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、可視の又は肉眼では見ることができない(すなわち、巨視的又は微視的)沈殿物を、実質的に含まない。ある特定の実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、クロマチン結合DNAを実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、DNA結合タンパク質及び/又はクロマチン関連タンパク質を実質的に含まない。具体的な実施形態では、DNA結合タンパク質は、ヒストン(例えば、H1、H2A、H2B、H3、及びH4)を含み、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、ヒストンを実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、増加したウイルス力価を有する。具体的な実施形態では、ウイルス力価は物理的力価を含む。他の実施形態では、ウイルス力価は、機能的力価を含む。具体的な実施形態では、組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、陰イオン交換クロマトグラムによって測定される場合、低減されたポストプロダクトピークを有する。より具体的な実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼはMNaseである。
(a)AAV粒子を含む上清と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼとを含む組成物も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、組成物はベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む。具体的な実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼはMNaseである。
本開示はまた、クロマチン結合DNAを実質的に含まないAAV粒子の産生に使用するための組成物であって、(a)AAV粒子を含む上清と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物はベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む。具体的な実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼはMNaseである。
組成物に適したMNaseの濃度の決定は、当業者の技能の範囲内である。いくつかの実施形態では、MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい。特定の実施形態では、MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい。具体的な実施形態では、MNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである。いくつかの具体的な実施形態では、上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである。
(a)ベンゾナーゼ(登録商標)と、(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含むキットも本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、クロマチン-DNAヌクレアーゼはMNaseである。特定の実施形態において、MNaseは、AAV粒子精製を強化するのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、MNaseは、クロマチン結合タンパク質を放出するのに十分な量で存在する。
種々のシステム及び粒子産生プラットフォームが、AAV粒子の作製のために現在使用されており、当該技術分野で既知であり、これらの各々は、本明細書中に記載される精製方法、組成物、及びシステムにおける使用に好適である。AAV粒子の大規模な生成のための例示的な方法及びシステムは、例えば、哺乳動物細胞におけるプラスミドDNAトランスフェクション、安定な哺乳動物細胞株のAd感染、組換え単純ヘルペスウイルス(recombinant herpes simplex virus、rHSV)による哺乳動物細胞の感染、及び組換えバキュロウイルスによる昆虫細胞の感染を伴い得る(例えば、Penaud-Budloo M.et al.,Mol Ther Methods Clin Dev.2018 Jan 8;8:166-180を参照のこと)。
AAV粒子の産生のための例示的な方法又はシステムは、例えば、ヒト胚性HEK293細胞のプラスミドトランスフェクションである。例えば、HEK293細胞は、無機化合物(例えば、リン酸カルシウム)、有機化合物(例えば、ポリエチレンイミン(PEI))、又は非化学薬品(例えば、電気穿孔)のいずれかを用いて、目的の遺伝子を含むプラスミド及び1つ又は2つのヘルパープラスミドで同時にトランスフェクトされ得る。ヘルパープラスミドは、4つのRepタンパク質(Rep78、Rep68、Rep52、Rep40)、3つのAAV構造タンパク質(VP1、VP2、及びVP3)、AAP、並びにアデノウイルス補助機能E2A、E4、及びVA RNAの発現を可能にする。AAV複製に必要な、更なるアデノウイルスE1A/E1Bの補因子は、HEK293プロデューサー細胞において発現され得る。プラスミドは、細菌起源及び抗生物質耐性遺伝子を使用した大腸菌における従来の技術によって、又はミニサークル(minicircle、MC)技術によって産生され得る。プロデューサー細胞(例えば、HEK293プロデューサー細胞)は、接着培養物又は懸濁培養物であり得る。
産生のための別の例示的な方法又はシステムは、rHSVベクターでの哺乳動物細胞の感染を含む。ハムスターBHK21細胞株又はHEK293及び誘導体などの細胞を、2つのrHSVに感染させることができるが、そのうち一方は、AAV ITR(rHSV-AAV)によって囲まれた目的の遺伝子を有し、他方は、AAV粒子の産生のための所望の血清型(rHSV-repcap)のAAVレップ及びキャップORFを有する。
AAV粒子産生のための安定なプロデューサー細胞株は、AAV粒子の産生のための更なる例示的なシステムを提供する。例えば、安定なプロデューサー細胞株は、細胞株(例えば、HEK293細胞、HeLa細胞、又は誘導体)から誘導し得るが、産生されるAAVレップ及びキャップ遺伝子(パッケージング細胞株)及び/又はAAVゲノム(例えば、rAAVゲノム)を導入することにより遺伝子操作され得る(プロデューサー細胞)。AAV粒子の産生のための別の例示的な安定細胞株としては、通常毒性のあるAAV複製(rep、レップ)遺伝子並びにAAVカプシド(cap、キャップ)遺伝子、及び導入遺伝子を組み込む安定細胞株が挙げられる(例えば、その全体が本明細書に開示される米国特許出願第62/877,508号を参照されたい)。
プロデューサー細胞株は哺乳動物細胞株である必要はなく、昆虫細胞のような非哺乳動物細胞及び酵母が産生のために使用され得るということが更に理解される。AAV粒子の産生に適した非哺乳動物プラットフォームの例示的な例としては、バキュロウイルス-Sf9昆虫細胞プラットフォームが挙げられる。AAV粒子の産生に適した非哺乳動物細胞株は、トランスフェクション法を使用して、又は安定な細胞株として生成可能である(例えば、Mietzsch M.et al.Hum.Gene Ther.2014;25:212-222;Mietzsch M.et al.Hum.Gene Ther.Methods.2017;28:15-22を参照のこと)。上記のAAV粒子産生プラットフォームの例は、例示的であり、限定することを意図しないと理解され、様々な産生プラットフォームのいずれも、本明細書に記載される精製方法及び組成物と組み合わせることができる。
本明細書で使用される場合、「ベクター」は、遺伝物質を細胞に運ぶために使用される核酸分子であり、複製及び/又は発現され得る。本開示を考慮して当業者に既知の任意のベクターを使用することができる。ベクターの例としては、プラスミド、ウイルスベクター(バクテリオファージ、動物ウイルス、及び植物ウイルス)、コスミド、及び人工染色体(例えば、YAC)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ベクターはDNAプラスミドである。当業者は、本開示を考慮して、標準的な組換え技術によって本出願のベクターを構築することができる。
本出願のベクターは、発現ベクターであり得る。本明細書で使用される場合、用語「発現ベクター」は、転写され得るRNAをコードする核酸を含む任意の型の遺伝子構築物をいう。発現ベクターとしては、これらに限定されるものではないが、DNAプラスミド及びウイルスベクターなどの、組換えタンパク質を発現させるためのベクター、及びDNAプラスミド及びウイルスベクターなどの、対象の体内に核酸を送達させて対象の組織で発現させるためのベクターなどが挙げられる。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、望ましいタンパク質の発現レベルなどの要因に依存し得るということが、当業者には理解されよう。
本願のいくつかの実施形態では、ベクターは、非ウイルスベクターである。非ウイルスベクターの例としては、これらに限定されるものではないが、DNAプラスミド、細菌人工染色体、酵母人工染色体、バクテリオファージなどが挙げられる。好ましくは、非ウイルスベクターは、DNAプラスミドである。「DNAプラスミドベクター」、「プラスミドDNA」又は「プラスミドDNAベクター」と互換的に使用される「DNAプラスミド」は、適切な宿主細胞中で自己複製することができる二本鎖の一般的に環状のDNA配列を指す。コードされたポリヌクレオチドの発現のために使用されるDNAプラスミドは、典型的には、複製起点、マルチクローニング部位、及び選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子であり得る)を含む。使用され得る好適なDNAプラスミドの例としては、周知の発現系(原核生物系及び真核生物系の両方を含む)において使用するための市販の発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、pSE420(Invitrogen社(カリフォルニア州サンディエゴ)製)は、大腸菌におけるタンパク質の産生及び/又は発現のために使用され得るものであり、pYES2(Invitrogen,Thermo Fisher Scientific社製)は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)株における産生及び/又は発現のために使用され得るものであり、MAXBAC(登録商標)は、完全バキュロウイルス発現系(Thermo Fisher Scientific)であり、昆虫の細胞内での産生及び/又は発現のための使用され得るものであり、pcDNA(商標)又はpcDNA3(商標)(Life Technologies,Thermo Fisher Scientific社製)は、哺乳動物細胞における高いレベルの構成タンパク質の発現に使用され得るものであり、pVAX又はpVAX-1(Life Technologies,Thermo Fisher Scientific社製)は、ほとんどの哺乳動物細胞における目的のタンパク質の高レベルな一過性発現のために使用され得るものである。任意の市販のDNAプラスミドの骨格は、宿主細胞におけるタンパク質発現を最適化する、例えば、特定のエレメント(例えば、複製起点及び/又は抗生物質耐性カセット)の配向を逆転させるように、プラスミドに対して内因性のプロモーター(例えば、抗生物質耐性カセット中のプロモーター)を置き換えるように、かつ/又は転写されたタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列(例えば、抗生物質耐性遺伝子のコード配列)を置き換えるように、日常的な技術及び容易に入手可能な出発物質を使用することによって改変され得る。(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual,Second Ed.Cold Spring Harbor Press(1989)を参照)。
好ましくは、DNAプラスミドは、哺乳動物宿主細胞におけるタンパク質発現に適した発現ベクターである。哺乳動物宿主細胞におけるタンパク質発現に適した発現ベクターとしては、pUC、pcDNATM、pcDNA3TM、pVAX、pVAX-1、ADVAX、NTC8454などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ベクターは、pUC複製起点及びアンピシリン耐性遺伝子を含むpUC57に基づき得る。それは更に、ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子プロモーター、ピューロマイシンN-アセチルトランスフェラーゼコード領域、及びウシ成長ホルモン遺伝子由来のポリアデニル化シグナルから構築された哺乳動物ピューロマイシン耐性遺伝子カセットを含み得る。ベクターはまた、エプスタイン・バーウイルス(Epstein Barr Virus、EBV)OriP複製起点フラグメントを含み得るが、これは、EBVの「ダイアド対称性」領域及び「反復ファミリー」領域の複合体を表す。
本願のベクターはまた、ウイルスベクターであり得る。一般に、ウイルスベクターは、非感染性にされた改変ウイルスDNA又はRNAを保有する遺伝子操作されたウイルスであるが、依然としてウイルスプロモーター及び導入遺伝子を含有し、したがってウイルスプロモーターを介した導入遺伝子の翻訳を可能にする。ウイルスベクターはしばしば感染配列を欠いているので、それらは、大規模トランスフェクションのためにはヘルパーウイルス又はパッケージング株を必要とする。使用され得るウイルスベクターの例としては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、痘瘡ウイルスベクター、腸内ウイルスベクター、ベネズエラウマ脳炎ウイルスベクター、セムリキ森林ウイルスベクター、タバコモザイクウイルスベクター、レンチウイルスベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない。ベクターはまた、非ウイルスベクターであってもよい。
例示的なウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、例えば、組換えアデノウイルスベクターである。本明細書で使用される場合、用語「組換えアデノウイルスベクター」及び「組換えアデノウイルスベクター」及び「組換えアデノウイルス粒子」は、交換可能に使用され、そしてポリヌクレオチドが引き続いて発現されるように、目的のポリヌクレオチドを真核生物細胞に挿入するように設計され、遺伝子操作されたアデノウイルスを指す。本発明のウイルスベクターとして使用することができるアデノウイルスの例としては、血清型Ad2、Ad5、Ad11、Ad12、Ad24、Ad26、Ad34、Ad35、Ad40、Ad48、Ad49、Ad50、Ad52(例えば、RhAd52)、及びPan9(AdC68としても知られる)を有するか、又はそれらに由来するものが挙げられる。これらのベクターは、例えば、ヒト、チンパンジーから由来し得る(例:ChAd1、ChAd3、ChAd7、ChAd8、ChAd21、ChAd22、ChAd23、ChAd24、ChAd25、ChAd26、ChAd27.1、ChAd28.1、ChAd29、ChAd30、ChAd31.1、ChAd32、ChAd33、ChAd34、ChAd35.1、ChAd36、ChAd37.2、ChAd39、ChAd40.1、ChAd41.1、ChAd42.1、ChAd43、ChAd44、ChAd45、ChAd46、ChAd48、ChAd49、ChAd49、ChAd50、ChAd67、又はSA7P)か、又はアカゲザルアデノウイルス(例えばrhAd51、rhAd52、又はrhAd53)に由来し得る。組換えアデノウイルスベクターは、例えば、ヒトアデノウイルス(HAdV又はAdHu)、又はチンパンジー若しくはゴリラアデノウイルス(ChAd、AdCH、又はSAdV)などのサルアデノウイルス、又はアカゲザルアデノウイルス(rhAd)に由来し得る。
好ましくは、アデノウイルスベクターは、組換えヒトアデノウイルスベクター、例えば組換えヒトアデノウイルス血清型5、又は組換えヒトアデノウイルス血清型26、4、35、7、48などのいずれか1つである。本願に有用な組換えウイルスベクターは、本開示を考慮して、当該技術分野で既知の方法を使用して調製することができる。例えば、遺伝暗号の縮重を考慮して、同じポリペプチドをコードするいくつかの核酸配列を設計することができる。目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、任意選択でコドン最適化され得るが、それにより、宿主細胞(例えば、細菌細胞又は哺乳動物細胞)における適切な発現を確実にする。コドン最適化は、当該技術分野において広く適用されている技術であり、コドン最適化ポリヌクレオチドを得るための方法は、本開示を考慮すれば当業者に周知であろう。
天然に存在しない核酸分子又はベクターは、1つ以上の発現カセットを含み得る。「発現カセット」は、RNA及びタンパク質を作製するための細胞機構を指向する、核酸分子又はベクターの一部である。発現カセットは、プロモーター配列と、オープンリーディングフレームと、任意選択的にポリアデニル化シグナルを含む3’非翻訳領域(untranslated region、UTR)と、を含み得る。オープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)は、開始コドンから終止コドンへの目的のタンパク質(例えば、Rep、Cap、組換え酵素、又は目的の組換えタンパク質)のコード配列を含むリーディングフレームである。発現カセットの調節エレメントは、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に操作可能に連結され得る。
本願の天然に存在しない核酸分子又はベクターは、様々な制御配列を含有することができる。本明細書で使用される場合、用語「制御配列」は、複製、複写、転写、スプライシング、翻訳、安定及び/又は宿主細胞又は生物への核酸又はその誘導体の1つ(すなわち、mRNA)の輸送を含む核酸分子の機能制御を可能にするか、貢献するか、又は調節する任意の配列をいう。調節エレメントとしては、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、翻訳終止コドン、リボソーム結合エレメント、転写ターミネーター、選択マーカー、複製起点などが挙げられるが、これらに限定されない。
天然に存在しない核酸分子又はベクターは、目的のタンパク質の発現を制御するために、好ましくは発現カセット内にプロモーター配列を含み得る。「プロモーター」という用語は、その従来の意味で使用され、操作可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を開始するヌクレオチド配列を指す。プロモーターは、転写されたヌクレオチド配列の近くの同じ鎖上に位置する。プロモーターは、常時発現型、誘導型、又は抑制型であり得る。プロモーターは、天然又は合成であり得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、相同プロモーター(すなわち、ベクターと同じ遺伝子源に由来する)又は異種プロモーター(すなわち、異なるベクター又は遺伝子源に由来する)であり得る。例えば、使用されるベクターがDNAプラスミドである場合、プロモーターは、プラスミドに対して内因性であり得る(同種)か、又は他の供給源に由来し得る(異種)。好ましくは、プロモーターは、発現カセット内、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの上流に位置する。
使用され得るプロモーターの例としては、シミアンウイルス40(simian virus 40、SV40)由来のプロモーター、マウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus、MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)プロモーター(例えば、ウシ免疫不全ウイルス(bovine immunodeficiency virus、BIV)末端反復配列(long terminal repeat、LTR)プロモーター)、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(avian leukosis virus、ALV)プロモーター、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)プロモーター(例えば、CMV最初期プロモーター(CMV-IE))、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、又はラウス肉腫ウイルス(Rous sarcoma virus、RSV)プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。プロモーターはまた、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、又はヒトメタロチオネインのようなヒト遺伝子由来のプロモーターであり得る。プロモーターは、天然又は合成の、筋肉又は皮膚特異的プロモーターなどの組織特異的プロモーターであってもよい。好ましくは、プロモーターは、強力な真核生物プロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(nt-672~+15)、EF1-αプロモーター、ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子プロモーターなど)である。
非自然発生核酸分子又はベクターは、発現転写物を安定化させ、RNA転写物の核輸送を向上させ、かつ/又は転写翻訳カップリングを改善する、追加のポリヌクレオチド配列を更に含むことができる。そのような配列の例としては、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサー配列が挙げられる。ポリアデニル化シグナルは、通常、ベクターの発現カセット内の目的のタンパク質(例えば、Rep、Cap、組換え酵素)のコード配列の下流に位置する。エンハンサー配列は、転写因子によって結合したときに関連する遺伝子の転写を向上させる調節DNA配列である。エンハンサー配列は、好ましくはプロモーター配列の下流にあり、ベクターの発現カセット内のコード配列の下流又は上流にあり得る。
本開示を考慮して当業者に既知の任意のポリアデニル化信号を使用することができる。例えば、ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル(AAV2ポリアデニル化信号(bp4411~4466、NC_001401)、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子由来のポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bovine growth hormone、bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(human growth hormone、hGH)ポリアデニル化シグナル、又はヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルであり得る。好ましくは、ポリアデニル化シグナルは、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、GenBank受託番号NC_001401のヌクレオチド配列のヌクレオチド番号4411~4466を有するAAV2のポリアデニル化シグナル、又はSV40ポリアデニル化シグナルである。
本開示を考慮して当業者に既知の任意のエンハンサー配列を使用することができる。例えば、エンハンサー配列は、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、又はウイルスエンハンサー(例えば、CMV、HA、RSV、若しくはEBV由来のエンハンサー)であり得る。特定のエンハンサーの例としては、ウッドチャックHBV転写後制御要素(Woodchuck HBV Post-transcriptional regulatory element、WPRE)、ヒトアポリポタンパク質A1前駆体(ApoA1)由来のイントロン/エキソン配列、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1、HTLV-1)末端反復配列(long terminal repeat、LTR)の非翻訳R-U5ドメイン、スプライシングエンハンサー、合成ウサギβ-グロビンイントロン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、エンハンサー配列は、AAVのP5プロモーターを含む。P5プロモーターは、レップ遺伝子のコード配列内のシス作用性Rep依存性エレメント(cis-acting Rep-dependent element、CARE)の一部である。CAREは、シスで存在する場合、複製及びキャプシド形成を増強することが示された。CAREはまた、いくつかのAAV粒子プロデューサー細胞株におけるように、染色体に組み込まれたレップ遺伝子(AAV ITRが存在しない場合)の増幅のために重要である。理論に束縛されるものではないが、キャップコード配列の下流に配置されたP5プロモーターは、キャップ発現、したがってAAV粒子収量を増加させるためのエンハンサーとして潜在的に作用し、染色体に組み込まれた遺伝子を増幅するためのエンハンサー活性も提供すると考えられる。
天然に存在しない核酸分子又はベクター、例えば、DNAプラスミドはまた、細菌細胞(例えば、大腸菌)におけるプラスミドの選択及び維持のための細菌複製起点及び抗生物質耐性発現カセットを含み得る。複製起点(origin of replication、ORI)は、複製が開始される配列であり、プラスミドが細胞内でコピー及び生存することを可能にする。本出願における使用に適したORIの例としては、ColE1、pMB1、pUC、pSC101、R6K、及び15A、好ましくはpUCが挙げられるが、これらに限定されない。
細菌細胞における選択及び維持のためのベクターは、典型的には、抗生物質耐性遺伝子に操作可能に連結されたプロモーター配列を含む。好ましくは、抗生物質耐性遺伝子に操作可能に連結されたプロモーター配列は、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列に操作可能に連結されたプロモーター配列とは異なる。抗生物質耐性遺伝子はコドン最適化することができ、抗生物質耐性遺伝子の配列組成は通常、細菌(例えば、大腸菌)のコドン使用頻度に合わせて調整される。本開示を考慮して当業者に既知の任意の抗生物質耐性遺伝子が使用され得るが、カナマイシン耐性遺伝子(Kanr)、アンピシリン耐性遺伝子(Ampr)、及びテトラサイクリン耐性遺伝子(Tetr)、並びにクロラムフェニコール、ブレオマイシン、スペクチノマイシン、カルベニシリンなどに対する耐性を付与する遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の特定の実施形態が本明細書に記載される。前述の説明を読むと、開示された実施形態の変形形態は、当業者に明らかになり得、必要に応じてそのような変形形態を採用し得ることが予想される。したがって、本発明が、本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されること、並びに本発明が、適用法によって許可されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正物及び同等物を含むことが意図される。また、全ての可能性のあるこれらの変形形態における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書において別途記載のない限り、又は文脈が明らかに矛盾しない限り、本明細書に包含される。本発明の多くの実施形態が説明されてきた。しかしながら、様々な修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実行され得ることが、理解されるであろう。したがって、実施例のセクションにおける説明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するのではなく、例示することを意図するものである。
実施形態
本発明は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
本発明は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
1組の実施形態では、以下が提供される。
A1.アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法であって、当該方法は、
(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、
(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法。
A2.精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載の方法。
A3.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A2に記載の方法。
A4.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A2に記載の方法。
A5.AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態A4に記載の方法。
A6.固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態A5に記載の方法。
A7.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態A6に記載の方法。
A8.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態A7に記載の方法。
A9.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態A7に記載の方法。
A10.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態A7に記載の方法。
A11.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態A7に記載の方法。
A12.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態A7に記載の方法。
A13.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態A7に記載の方法。
A14.方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A4~A13のいずれか1つに記載の方法。
A15.
アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態A14に記載の方法。
A16.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態A15に記載の方法。
A17.上清は、清澄化された上清である、実施形態A1~A16のいずれか1つに記載の方法。
A18.ステップ(a)の組成物は、ベンゾナーゼを更に含む、実施形態A1~A17のいずれか1つに記載の方法。
A19.インキュベーションは、約10分間~約1時間である、実施形態A1~A18のいずれか1つに記載の方法。
A20.インキュベーションは、約20分間~約40分間である、実施形態A19に記載の方法。
A21.インキュベーションは、約30分間である、実施形態A19又はA20に記載の方法。
A22.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態A1~A21のいずれか1つに記載の方法。
A23.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態A22に記載の方法。
A24.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態A23に記載の方法。
A25.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態A23又はA24に記載の方法。
A26.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態A23~A25のいずれか1つに記載の方法。
A27.MNaseは、結合したAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる、実施形態A22~A26のいずれか1つに記載の方法。
A28.AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して固体支持体から溶出される、実施形態A5~A27のいずれか1つに記載の方法。
A29.低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態A28に記載の方法。
A30.低pH緩衝液は、約pH3.0未満である、実施形態A28又はA29に記載の方法。
A31.低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態A30に記載の方法。
A32.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態A30に記載の方法。
A33.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態A30に記載の方法。
A34.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態A28~A33のいずれか1つに記載の方法。
A35.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態A34に記載の方法。
A36.低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である、実施形態A34に記載の方法。
A37.アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A14~A36のいずれか1つに記載の方法。
A38.方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A37に記載の方法。
A39.低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態A28~A38のいずれか1つに記載の方法。
A40.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態A39に記載の方法。
A41.約5%~約40%のエタノールを更に含む、実施形態A28~A40のいずれか1つに記載の方法。
A42.約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態A41に記載の方法。
A43.約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態A41又はA42に記載の方法。
A44.約20%のエタノールを含む、実施形態A41~A43のいずれか1つに記載の方法。
A45.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない、実施形態A1~A44のいずれか1つに記載の方法。
A46.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態A1~A45のいずれか1つに記載の方法。
A47.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A48.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A49.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A50.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態A1~A49のいずれか1つに記載の方法。
A51.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で生成された精製AAV粒子と比較した場合、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態A50に記載の方法。
A52.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態A51に記載の方法。
A53.精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態A1~A52のいずれか1つに記載の方法。
A54.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、増加したウイルス力価を有する、実施形態A1~A53のいずれか1つに記載の方法。
A55.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態A54に記載の方法。
A56.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態A54に記載の方法。
A57.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A58.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A59.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A60.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A61.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A62.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む、実施形態A1~A61のいずれか1つに記載の方法。
A63.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A64.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A65.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A66.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A67.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態A1~A66のいずれか1つに記載の方法。
A68.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態A67に記載の方法。
A69.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態A67に記載の方法。
A70.精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A1~A69のいずれか1つに記載の方法。
A71.精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A70に記載の方法。
A72.精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A70に記載の方法。
A73.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態A1~A72のいずれか1つに記載の方法。
A74.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態A1~A73のいずれか1つに記載の方法。
A1.アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法であって、当該方法は、
(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、
(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法。
A2.精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A1に記載の方法。
A3.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A2に記載の方法。
A4.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態A2に記載の方法。
A5.AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態A4に記載の方法。
A6.固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態A5に記載の方法。
A7.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態A6に記載の方法。
A8.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態A7に記載の方法。
A9.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態A7に記載の方法。
A10.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態A7に記載の方法。
A11.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態A7に記載の方法。
A12.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態A7に記載の方法。
A13.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態A7に記載の方法。
A14.方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A4~A13のいずれか1つに記載の方法。
A15.
アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態A14に記載の方法。
A16.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態A15に記載の方法。
A17.上清は、清澄化された上清である、実施形態A1~A16のいずれか1つに記載の方法。
A18.ステップ(a)の組成物は、ベンゾナーゼを更に含む、実施形態A1~A17のいずれか1つに記載の方法。
A19.インキュベーションは、約10分間~約1時間である、実施形態A1~A18のいずれか1つに記載の方法。
A20.インキュベーションは、約20分間~約40分間である、実施形態A19に記載の方法。
A21.インキュベーションは、約30分間である、実施形態A19又はA20に記載の方法。
A22.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態A1~A21のいずれか1つに記載の方法。
A23.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態A22に記載の方法。
A24.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態A23に記載の方法。
A25.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態A23又はA24に記載の方法。
A26.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態A23~A25のいずれか1つに記載の方法。
A27.MNaseは、結合したAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる、実施形態A22~A26のいずれか1つに記載の方法。
A28.AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して固体支持体から溶出される、実施形態A5~A27のいずれか1つに記載の方法。
A29.低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態A28に記載の方法。
A30.低pH緩衝液は、約pH3.0未満である、実施形態A28又はA29に記載の方法。
A31.低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態A30に記載の方法。
A32.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態A30に記載の方法。
A33.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態A30に記載の方法。
A34.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態A28~A33のいずれか1つに記載の方法。
A35.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態A34に記載の方法。
A36.低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である、実施形態A34に記載の方法。
A37.アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A14~A36のいずれか1つに記載の方法。
A38.方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態A37に記載の方法。
A39.低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態A28~A38のいずれか1つに記載の方法。
A40.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態A39に記載の方法。
A41.約5%~約40%のエタノールを更に含む、実施形態A28~A40のいずれか1つに記載の方法。
A42.約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態A41に記載の方法。
A43.約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態A41又はA42に記載の方法。
A44.約20%のエタノールを含む、実施形態A41~A43のいずれか1つに記載の方法。
A45.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない、実施形態A1~A44のいずれか1つに記載の方法。
A46.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態A1~A45のいずれか1つに記載の方法。
A47.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A48.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A49.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態A46に記載の方法。
A50.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態A1~A49のいずれか1つに記載の方法。
A51.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で生成された精製AAV粒子と比較した場合、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態A50に記載の方法。
A52.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態A51に記載の方法。
A53.精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態A1~A52のいずれか1つに記載の方法。
A54.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、増加したウイルス力価を有する、実施形態A1~A53のいずれか1つに記載の方法。
A55.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態A54に記載の方法。
A56.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態A54に記載の方法。
A57.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A58.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A59.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A60.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A61.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態A54~A56のいずれか1つに記載の方法。
A62.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む、実施形態A1~A61のいずれか1つに記載の方法。
A63.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A64.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A65.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A66.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態A62に記載の方法。
A67.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態A1~A66のいずれか1つに記載の方法。
A68.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態A67に記載の方法。
A69.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態A67に記載の方法。
A70.精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A1~A69のいずれか1つに記載の方法。
A71.精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A70に記載の方法。
A72.精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態A70に記載の方法。
A73.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態A1~A72のいずれか1つに記載の方法。
A74.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態A1~A73のいずれか1つに記載の方法。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
B1.AAV粒子のウイルス力価を増加させるための方法であって、当該方法は、
(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、
(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法。
B2.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態B1に記載の方法。
B3.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態B1に記載の方法。
B4.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態B1に記載の方法。
B5.精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載の方法。
B6.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B5に記載の方法。
B7.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B5に記載の方法。
B8.AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態B7に記載の方法。
B9.固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態B8に記載の方法。
B10.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態B9に記載の方法。
B11.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態B10に記載の方法。
B12.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態B10に記載の方法。
B13.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態B10に記載の方法。
B14.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態B10に記載の方法。
B15.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態B10に記載の方法。
B16.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態B10に記載の方法。
B17.方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B7~B16のいずれか1つに記載の方法。
B18.アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態B17に記載の方法。
B19.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態B18に記載の方法。
B20.上清は、清澄化された上清である、実施形態B1~B19のいずれか1つに記載の方法。
B21.ステップ(a)の組成物は、ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態B1~B20のいずれか1つに記載の方法。
B22.インキュベーションは、約10分間~約1時間である、実施形態B1~B21のいずれか1つに記載の方法。
B23.インキュベーションは、約20分間~約40分間である、実施形態B22に記載の方法。
B24.インキュベーションは、約30分間である、実施形態B22又はB23に記載の方法。
B25.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態B1~B24のいずれか1つに記載の方法。
B26.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態B25に記載の方法。
B27.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態B26に記載の方法。
B28.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態B26又はB27に記載の方法。
B29.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態B26~B28のいずれか1つに記載の方法。
B30.MNaseは、結合されたAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる、実施形態B26~B29のいずれか1つに記載の方法。
B31.AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して溶出される、実施形態B1~B30のいずれか1つに記載の方法。
B32.低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態B31に記載の方法。
B33.低pH緩衝液は、約pH3.0未満である、実施形態B31又はB32に記載の方法。
B34.低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態B33に記載の方法。
B35.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態B33に記載の方法。
B36.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態B33に記載の方法。
B37.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態B31~B36のいずれか1つに記載の方法。
B38.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態B37に記載の方法。
B39.低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である、実施形態B37に記載の方法。
B40.アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B14~B39のいずれか1つに記載の方法。
B41.方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B40に記載の方法。
B42.低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態B31~B41のいずれか1つに記載の方法。
B43.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態B42に記載の方法。
B44.約5%~約40%のエタノールを更に含む、実施形態B31~B43のいずれか1つに記載の方法。
B45.約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態B44に記載の方法。
B46.約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態B44又はB45に記載の方法。
B47.約20%のエタノールを含む、実施形態B44~B46のいずれか1つに記載の方法。
B48.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合AAVを実質的に含まない、実施形態B1~B47のいずれか1つに記載の方法。
B49.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態B1~B48のいずれか1つに記載の方法。
B50.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B51.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B52.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B53.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態B1~B52のいずれか1つに記載の方法。
B54.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態B53に記載の方法。
B55.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態B54に記載の方法。
B56.精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態B1~B55のいずれか1つに記載の方法。
B57.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B58.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B59.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B60.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B61.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B62.MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比が増加する、実施形態B1~B61のいずれか1つに記載の方法。
B63.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B64.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B65.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B66.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B67.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態B1~B66のいずれか1つに記載の方法。
B68.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態67に記載の方法。
B69.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態B67に記載の方法。
B70.精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B1~B69のいずれか1つに記載の方法。
B71.精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B70に記載の方法。
B72.精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B70に記載の方法。
B73.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態B1~B72のいずれか1つに記載の方法。
B74.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態B1~B73のいずれか1つに記載の方法。
B1.AAV粒子のウイルス力価を増加させるための方法であって、当該方法は、
(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、
(b)AAV粒子を精製することと、を含む方法。
B2.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態B1に記載の方法。
B3.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態B1に記載の方法。
B4.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態B1に記載の方法。
B5.精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B1に記載の方法。
B6.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B5に記載の方法。
B7.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態B5に記載の方法。
B8.AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態B7に記載の方法。
B9.固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態B8に記載の方法。
B10.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態B9に記載の方法。
B11.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態B10に記載の方法。
B12.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態B10に記載の方法。
B13.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態B10に記載の方法。
B14.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態B10に記載の方法。
B15.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態B10に記載の方法。
B16.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態B10に記載の方法。
B17.方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B7~B16のいずれか1つに記載の方法。
B18.アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態B17に記載の方法。
B19.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態B18に記載の方法。
B20.上清は、清澄化された上清である、実施形態B1~B19のいずれか1つに記載の方法。
B21.ステップ(a)の組成物は、ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態B1~B20のいずれか1つに記載の方法。
B22.インキュベーションは、約10分間~約1時間である、実施形態B1~B21のいずれか1つに記載の方法。
B23.インキュベーションは、約20分間~約40分間である、実施形態B22に記載の方法。
B24.インキュベーションは、約30分間である、実施形態B22又はB23に記載の方法。
B25.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態B1~B24のいずれか1つに記載の方法。
B26.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態B25に記載の方法。
B27.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態B26に記載の方法。
B28.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態B26又はB27に記載の方法。
B29.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態B26~B28のいずれか1つに記載の方法。
B30.MNaseは、結合されたAAV粒子を含有する固体支持体と共にインキュベートされる、実施形態B26~B29のいずれか1つに記載の方法。
B31.AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して溶出される、実施形態B1~B30のいずれか1つに記載の方法。
B32.低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態B31に記載の方法。
B33.低pH緩衝液は、約pH3.0未満である、実施形態B31又はB32に記載の方法。
B34.低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態B33に記載の方法。
B35.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態B33に記載の方法。
B36.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態B33に記載の方法。
B37.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態B31~B36のいずれか1つに記載の方法。
B38.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態B37に記載の方法。
B39.低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である、実施形態B37に記載の方法。
B40.アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B14~B39のいずれか1つに記載の方法。
B41.方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態B40に記載の方法。
B42.低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態B31~B41のいずれか1つに記載の方法。
B43.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態B42に記載の方法。
B44.約5%~約40%のエタノールを更に含む、実施形態B31~B43のいずれか1つに記載の方法。
B45.約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態B44に記載の方法。
B46.約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態B44又はB45に記載の方法。
B47.約20%のエタノールを含む、実施形態B44~B46のいずれか1つに記載の方法。
B48.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合AAVを実質的に含まない、実施形態B1~B47のいずれか1つに記載の方法。
B49.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態B1~B48のいずれか1つに記載の方法。
B50.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B51.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B52.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態B49に記載の方法。
B53.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態B1~B52のいずれか1つに記載の方法。
B54.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態B53に記載の方法。
B55.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態B54に記載の方法。
B56.精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態B1~B55のいずれか1つに記載の方法。
B57.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B58.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B59.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B60.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B61.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態B1~B56のいずれか1つに記載の方法。
B62.MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比が増加する、実施形態B1~B61のいずれか1つに記載の方法。
B63.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B64.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B65.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B66.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態B62に記載の方法。
B67.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態B1~B66のいずれか1つに記載の方法。
B68.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態67に記載の方法。
B69.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態B67に記載の方法。
B70.精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B1~B69のいずれか1つに記載の方法。
B71.精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B70に記載の方法。
B72.精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態B70に記載の方法。
B73.精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態B1~B72のいずれか1つに記載の方法。
B74.精製されたAAV微粒子は、MNase非接触で精製されたAAV微粒子と比較した場合に、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態B1~B73のいずれか1つに記載の方法。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
C1.AAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む精製方法によって精製されている、精製されたAAV粒子の組成物。
C2.精製方法は、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C1に記載の組成物。
C3.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C2に記載の組成物。
C4.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C2に記載の組成物。
C5.精製方法は、AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態C4に記載の組成物。
C6.精製方法は、固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態C5に記載の組成物。
C7.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態C6に記載の組成物。
C8.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態C7に記載の組成物。
C9.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態C7に記載の組成物。
C10.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態C7に記載の組成物。
C11.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態C7に記載の組成物。
C12.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態C7に記載の組成物。
C13.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態C7に記載の組成物。
C14.精製方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C4~C13のいずれか1つに記載の組成物。
C15.アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態C14に記載の組成物。
C16.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態C15に記載の組成物。
C17.上清は、清澄化された上清である、実施形態5~16のいずれか1つに記載の組成物。
C18.精製方法は、ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態C1~C17のいずれか1つに記載の組成物。
C19.精製方法は、低pH緩衝液での溶出を含む、実施形態C5~C18のいずれか1つに記載の組成物。
C20.精製方法は、低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態C19に記載の組成物。
C21.低pH緩衝剤は、約pH3.0未満である、実施形態C19又はC20に記載の組成物。
C22.低pH緩衝剤は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C23.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C24.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C25.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態C19~C24のいずれか1つに記載の組成物。
C26.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態C25に記載の組成物。
C27.低pH緩衝剤は、リン酸緩衝液である、実施形態C25に記載の組成物。
C28.精製方法は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C14~C27のいずれか1つに記載の組成物。
C29.精製方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C28に記載の組成物。
C30.精製方法は、低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態C19~C29のいずれか1つに記載の組成物。
C31.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態C30に記載の組成物。
C32.精製方法は、約5%~約40%エタノールによる溶出を更に含む、実施形態C19~C31のいずれか1つに記載の組成物。
C33.精製方法は、約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態C32に記載の組成物。
C34.精製方法は、約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態C32又はC33に記載の組成物。
C35.精製方法は、約20%のエタノールを含む、実施形態C32~C34のいずれか1つに記載の組成物。
C36.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、不純物を実質的に含まない、実施形態C1~C35のいずれか1つに記載の組成物。
C37.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、クロマチン結合DNAを実質的に含まない、実施形態C1~C36のいずれか1つに記載の組成物。
C38.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態C1~C37のいずれか1つに記載の組成物。
C39.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C40.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C41.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C42.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態C1~C41のいずれか1つに記載の組成物。
C43.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態C1~C42のいずれか1つに記載の組成物。
C44.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態C43に記載の組成物。
C45.組成物は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態C1~C44のいずれか1つに記載の組成物。
C46.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、陰イオン交換クロマトグラムによって測定される場合、低減されたポストプロダクトAAV粒子画分ピークを含む、実施形態C1~C45のいずれか1つに記載の組成物。
C47.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、増加したウイルス力価を含む、実施形態C1~C45のいずれか1つに記載の組成物。
C48.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C49.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C50.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C51.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C52.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C53.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C54.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C55.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C56.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む、実施形態C1~C55のいずれか1つに記載の組成物。
C57.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C58.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C59.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C60.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C61.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態C1~C60のいずれか1つに記載の組成物。
C62.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態C61に記載の組成物。
C63.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態C61に記載の組成物。
C64.組成物は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C1~C63のいずれか1つに記載の組成物。
C65.組成物は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C64に記載の組成物。
C66.組成物は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C64に記載の組成物。
C67.精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、260nmでの吸光度が低下したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態C1~C66のいずれか1つに記載の組成物。
C68.精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、280nmにおける吸光度が減少したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態C1~C67のいずれか1つに記載の組成物。
C69.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、MNaseである、実施形態C1~C68のいずれか1つに記載の組成物。
C1.AAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む精製方法によって精製されている、精製されたAAV粒子の組成物。
C2.精製方法は、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C1に記載の組成物。
C3.遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C2に記載の組成物。
C4.クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態C2に記載の組成物。
C5.精製方法は、AAV粒子を含む上清を、固体支持体と共に、AAV粒子に結合するのに十分な時間インキュベートすることを更に含む、実施形態C4に記載の組成物。
C6.精製方法は、固体支持体を洗浄することを更に含む、実施形態C5に記載の組成物。
C7.洗浄することは、高pH緩衝液を含む、実施形態C6に記載の組成物。
C8.高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、実施形態C7に記載の組成物。
C9.高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、実施形態C7に記載の組成物。
C10.高pH緩衝液は、約pH9.5である、実施形態C7に記載の組成物。
C11.高pH緩衝液は、約pH10.2である、実施形態C7に記載の組成物。
C12.高pH緩衝液は、約pH10.3である、実施形態C7に記載の組成物。
C13.高pH緩衝液は、約pH10.4である、実施形態C7に記載の組成物。
C14.精製方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C4~C13のいずれか1つに記載の組成物。
C15.アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態C14に記載の組成物。
C16.イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、実施形態C15に記載の組成物。
C17.上清は、清澄化された上清である、実施形態5~16のいずれか1つに記載の組成物。
C18.精製方法は、ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態C1~C17のいずれか1つに記載の組成物。
C19.精製方法は、低pH緩衝液での溶出を含む、実施形態C5~C18のいずれか1つに記載の組成物。
C20.精製方法は、低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、実施形態C19に記載の組成物。
C21.低pH緩衝剤は、約pH3.0未満である、実施形態C19又はC20に記載の組成物。
C22.低pH緩衝剤は、約pH1.5~約pH2.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C23.低pH緩衝液は、約pH1.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C24.低pH緩衝液は、約pH2.5である、実施形態C21に記載の組成物。
C25.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、実施形態C19~C24のいずれか1つに記載の組成物。
C26.低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、実施形態C25に記載の組成物。
C27.低pH緩衝剤は、リン酸緩衝液である、実施形態C25に記載の組成物。
C28.精製方法は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C14~C27のいずれか1つに記載の組成物。
C29.精製方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、実施形態C28に記載の組成物。
C30.精製方法は、低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、実施形態C19~C29のいずれか1つに記載の組成物。
C31.中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、実施形態C30に記載の組成物。
C32.精製方法は、約5%~約40%エタノールによる溶出を更に含む、実施形態C19~C31のいずれか1つに記載の組成物。
C33.精製方法は、約10%~約30%のエタノールを含む、実施形態C32に記載の組成物。
C34.精製方法は、約15%~約25%のエタノールを含む、実施形態C32又はC33に記載の組成物。
C35.精製方法は、約20%のエタノールを含む、実施形態C32~C34のいずれか1つに記載の組成物。
C36.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、不純物を実質的に含まない、実施形態C1~C35のいずれか1つに記載の組成物。
C37.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、クロマチン結合DNAを実質的に含まない、実施形態C1~C36のいずれか1つに記載の組成物。
C38.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含まない方法によって精製された組成物と比較した場合に、宿主細胞DNAを実質的に含まない、実施形態C1~C37のいずれか1つに記載の組成物。
C39.宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C40.宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C41.宿主細胞DNAの濃度は、1ng/mL未満である、実施形態C38に記載の組成物。
C42.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、実施形態C1~C41のいずれか1つに記載の組成物。
C43.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、実施形態C1~C42のいずれか1つに記載の組成物。
C44.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態C43に記載の組成物。
C45.組成物は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、実施形態C1~C44のいずれか1つに記載の組成物。
C46.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、陰イオン交換クロマトグラムによって測定される場合、低減されたポストプロダクトAAV粒子画分ピークを含む、実施形態C1~C45のいずれか1つに記載の組成物。
C47.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、増加したウイルス力価を含む、実施形態C1~C45のいずれか1つに記載の組成物。
C48.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C49.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C50.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態C47に記載の組成物。
C51.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C52.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C53.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C54.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C55.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態C47~C50のいずれか1つに記載の組成物。
C56.組成物は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む、実施形態C1~C55のいずれか1つに記載の組成物。
C57.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C58.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C59.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C60.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態C56に記載の組成物。
C61.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態C1~C60のいずれか1つに記載の組成物。
C62.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、実施形態C61に記載の組成物。
C63.精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、実施形態C61に記載の組成物。
C64.組成物は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C1~C63のいずれか1つに記載の組成物。
C65.組成物は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C64に記載の組成物。
C66.組成物は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、実施形態C64に記載の組成物。
C67.精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、260nmでの吸光度が低下したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態C1~C66のいずれか1つに記載の組成物。
C68.精製されたAAV粒子は、クロマチン-DNAヌクレアーゼと接触していない組成物と比較した場合に、280nmにおける吸光度が減少したAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、実施形態C1~C67のいずれか1つに記載の組成物。
C69.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、MNaseである、実施形態C1~C68のいずれか1つに記載の組成物。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
D1.クロマチン結合DNAを実質的に含まないAAV粒子の産生における使用のための組成物であって、その組成物は、
(a)AAV粒子を含む上清と
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、組成物。
D2.ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態D1に記載の組成物。
D3.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態D1又はD2に記載の組成物。
D4.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態D3に記載の組成物。
D5.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態D4に記載の組成物。
D6.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態D4又はD5に記載の組成物。
D7.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態D4~D6のいずれか1つに記載の組成物。
D8.MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する、実施形態D3に記載の組成物。
D9.組成物であって、
(a)AAV粒子を含む上清と
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、組成物。
D10.ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態D9に記載の組成物。
D11.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態D9又はD10に記載の組成物。
D12.MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態D11に記載の組成物。
D13.MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態D11に記載の組成物。
D14.MNaseの濃度は、30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態D11に記載の組成物。
D15.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態D11~D13のいずれか1つに記載の組成物。
D16.MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D17.AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む、実施形態D16に記載の組成物。
D18.AAV微粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む、実施形態D16又はD17に記載の組成物。
D19.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態D17に記載の組成物。
D20.MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D21.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D22.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D23.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D24.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D25.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D26.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D27.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D28.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D29.MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D20~D28のいずれか1つに記載の組成物。
D30.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D31.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D32.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D33.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D34.MNaseが、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D35.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D36.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D37.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D38.Mnaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D39.MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D40.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D41.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D42.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D1.クロマチン結合DNAを実質的に含まないAAV粒子の産生における使用のための組成物であって、その組成物は、
(a)AAV粒子を含む上清と
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、組成物。
D2.ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態D1に記載の組成物。
D3.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態D1又はD2に記載の組成物。
D4.上清中のMNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態D3に記載の組成物。
D5.上清中のMNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態D4に記載の組成物。
D6.上清中のMNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態D4又はD5に記載の組成物。
D7.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態D4~D6のいずれか1つに記載の組成物。
D8.MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する、実施形態D3に記載の組成物。
D9.組成物であって、
(a)AAV粒子を含む上清と
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、組成物。
D10.ベンゾナーゼ(登録商標)を更に含む、実施形態D9に記載の組成物。
D11.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態D9又はD10に記載の組成物。
D12.MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態D11に記載の組成物。
D13.MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態D11に記載の組成物。
D14.MNaseの濃度は、30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態D11に記載の組成物。
D15.上清中のMNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態D11~D13のいずれか1つに記載の組成物。
D16.MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D17.AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む、実施形態D16に記載の組成物。
D18.AAV微粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む、実施形態D16又はD17に記載の組成物。
D19.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態D17に記載の組成物。
D20.MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D21.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D22.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D23.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態D20に記載の組成物。
D24.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D25.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D26.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D27.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D28.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態D20~D23のいずれか1つに記載の組成物。
D29.MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D20~D28のいずれか1つに記載の組成物。
D30.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D31.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D32.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D33.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態D29に記載の組成物。
D34.MNaseが、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D35.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D36.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D37.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態D34に記載の組成物。
D38.Mnaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D39.MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D40.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D41.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む、精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
D42.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を生成するのに十分な量で存在する、実施形態D11に記載の組成物。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
E1.キットであって、
(a)ベンゾナーゼ(登録商標)と、
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、キット。
E2.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態E1に記載のキット。
E3.MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態E2に記載のキット。
E4.MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態E2に記載のキット。
E5.MNaseの濃度は、30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態E2に記載のキット。
E6.MNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態E2に記載のキット。
E7.MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E8.MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2又はE7に記載のキット。
E9.AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、DNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む、実施形態E8に記載のキット。
E10.AAV粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む、実施形態E8又はE9に記載のキット。
E11.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態E9に記載のキット。
E12.MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E13.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態E12に記載のキット。
E14.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態E12に記載のキット。
E15.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態E12に記載のキット。
E16.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E17.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E18.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E19.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E20.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E21.MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E12~E20のいずれか1つに記載のキット。
E22.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E23.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E24.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E25.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E26.MNaseは、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E27.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態E26に記載のキット。
E28.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態E26に記載のキット。
E29.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態E26に記載のキット。
E30.MNaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E31.MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E32.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E33.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E34.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E1.キットであって、
(a)ベンゾナーゼ(登録商標)と、
(b)クロマチン-DNAヌクレアーゼと、を含む、キット。
E2.クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、実施形態E1に記載のキット。
E3.MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、実施形態E2に記載のキット。
E4.MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、実施形態E2に記載のキット。
E5.MNaseの濃度は、30単位/mL~約100単位/mLである、実施形態E2に記載のキット。
E6.MNaseの濃度は、約60単位/mLである、実施形態E2に記載のキット。
E7.MNaseは、AAV粒子と結合したクロマチンを消化するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E8.MNaseは、AAV粒子不純物を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2又はE7に記載のキット。
E9.AAV粒子不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、DNA結合タンパク質のうちの1つ以上を含む、実施形態E8に記載のキット。
E10.AAV粒子不純物は、巨視的不純物及び微視的不純物を含む、実施形態E8又はE9に記載のキット。
E11.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態E9に記載のキット。
E12.MNaseは、AAV粒子のウイルス力価を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E13.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態E12に記載のキット。
E14.ウイルス力価は、物理的力価を含む、実施形態E12に記載のキット。
E15.ウイルス力価は、機能的力価を含む、実施形態E12に記載のキット。
E16.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E17.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E18.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E19.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E20.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態E12~E15のいずれか1つに記載のキット。
E21.MNaseは、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E12~E20のいずれか1つに記載のキット。
E22.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E23.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E24.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E25.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態E21に記載のキット。
E26.MNaseは、完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E27.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態E26に記載のキット。
E28.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態E26に記載のキット。
E29.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態E26に記載のキット。
E30.MNaseは、260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E31.MNaseは、280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E32.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E33.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
E34.MNaseは、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約2℃未満以内の融解温度(Tm)を含む精製されたAAV粒子を産生するのに十分な量で存在する、実施形態E2に記載のキット。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
F1.精製されたAAV粒子中の不純物を減少させるための手段を含む、組成物。
F2.不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される、実施形態F1に記載の組成物。
F3.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態F2に記載の組成物。
F4.不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である、実施形態F1に記載の組成物。
F5.AAV粒子のウイルス力価を増加させるための手段を含む、組成物。
F6.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F7.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F8.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F9.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F10.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F11.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F12.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F13.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F14.プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含む、組成物。
F15.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F16.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F17.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F18.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F19.AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含む、組成物。
F20.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F21.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F22.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F23.260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む、組成物。
F24.280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む、組成物。
F25.AAV粒子にウイルス外で複合体化されたDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段、並びに残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2の手段を含む、組成物。
F26.AAV粒子を精製する方法であって、(i)AAV粒子にウイルス外で複合体化されたDNA結合タンパク質を除去するステップを含む、方法。
F27.(ii)残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2のステップを更に含む、実施形態F26に記載の方法。
F28.(iii)ウイルス力価を増加させるための第3のステップを更に含む、実施形態F26又はF27に記載の方法。
F1.精製されたAAV粒子中の不純物を減少させるための手段を含む、組成物。
F2.不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される、実施形態F1に記載の組成物。
F3.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態F2に記載の組成物。
F4.不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である、実施形態F1に記載の組成物。
F5.AAV粒子のウイルス力価を増加させるための手段を含む、組成物。
F6.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F7.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F8.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態F5に記載の組成物。
F9.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F10.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F11.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F12.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F13.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態F5~F8のいずれか1つに記載の組成物。
F14.プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含む、組成物。
F15.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F16.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F17.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F18.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態F14に記載の組成物。
F19.AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含む、組成物。
F20.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F21.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F22.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態F19に記載の組成物。
F23.260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む、組成物。
F24.280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含む、組成物。
F25.AAV粒子にウイルス外で複合体化されたDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段、並びに残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2の手段を含む、組成物。
F26.AAV粒子を精製する方法であって、(i)AAV粒子にウイルス外で複合体化されたDNA結合タンパク質を除去するステップを含む、方法。
F27.(ii)残留宿主産生細胞核酸及び/又はタンパク質を除去するための第2のステップを更に含む、実施形態F26に記載の方法。
F28.(iii)ウイルス力価を増加させるための第3のステップを更に含む、実施形態F26又はF27に記載の方法。
別の組の実施形態では、以下が提供される。
G1.実質的に不純物を含まない、精製されたAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステム。
G2.不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される、実施形態G1に記載のシステム。
G3.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態G2に記載のシステム。
G4.不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である、実施形態G1に記載のシステム。
G5.増加したウイルス力価を有するAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステム。
G6.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G7.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G8.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G9.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G10.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G11.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G12.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G13.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G14.プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含むシステム。
G15.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G16.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G17.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G18.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G19.AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含むシステム。
G20.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G21.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G22.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G23.260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含むシステム。
G24.280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるための手段を含むシステム。
G25.AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段と、宿主産生細胞から残留核酸を除去するための第2の手段と、を含むシステム。
G1.実質的に不純物を含まない、精製されたAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステム。
G2.不純物は、宿主細胞DNA、宿主細胞タンパク質、クロマチン結合DNA、及びDNA結合タンパク質からなる群から選択される、実施形態G1に記載のシステム。
G3.DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、実施形態G2に記載のシステム。
G4.不純物は、巨視的不純物、微視的不純物、又はその両方である、実施形態G1に記載のシステム。
G5.増加したウイルス力価を有するAAV粒子を作製及び取得するための手段を含むシステム。
G6.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価、機能的ウイルス力価、又はその両方を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G7.ウイルス力価は、物理的ウイルス力価を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G8.ウイルス力価は、機能的ウイルス力価を含む、実施形態G5に記載のシステム。
G9.ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G10.ウイルス力価は、約2倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G11.ウイルス力価は、約3倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G12.ウイルス力価は、約7倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G13.ウイルス力価は、約80倍以上増加する、実施形態G5~G8のいずれか1つに記載のシステム。
G14.プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分のウイルス力価比を増加させるための手段を含むシステム。
G15.ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G16.ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G17.ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G18.ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、実施形態G14に記載のシステム。
G19.AAV粒子の完全なカプシド対空のカプシドの比を増加させるための手段を含むシステム。
G20.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約50%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G21.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約60%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G22.完全なカプシド対空のカプシドの比は、約70%超である、実施形態G19に記載のシステム。
G23.260nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させる手段を含むシステム。
G24.280nmでの吸光度によって測定される場合、AAV粒子ポストプロダクト画分を減少させるための手段を含むシステム。
G25.AAV粒子にウイルス外で複合体化したDNA結合タンパク質を除去するための第1の手段と、宿主産生細胞から残留核酸を除去するための第2の手段と、を含むシステム。
本出願の以下の実施例は、本出願の本質を更に説明するためのものである。当業者は、広い発明概念から逸脱することなく、上で説明される実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、本説明によって定義されるように本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図するものと理解される。
(実施例I)
精製後に不純物として同定された、AAV粒子と結合したウイルス外DNA結合タンパク質
本実施例は、AAV粒子の下流精製に続いて、AAV粒子と結合する残留DNA結合タンパク質/クロマチン複合体が、クロマチン-DNAヌクレアーゼ、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)の添加によって検出及び放出され得ることを確立する。
精製後に不純物として同定された、AAV粒子と結合したウイルス外DNA結合タンパク質
本実施例は、AAV粒子の下流精製に続いて、AAV粒子と結合する残留DNA結合タンパク質/クロマチン複合体が、クロマチン-DNAヌクレアーゼ、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)の添加によって検出及び放出され得ることを確立する。
簡潔に述べると、AAV8粒子を含有する懸濁培養物の清澄化された(0.2μmで濾過された)上清を、CIMmultus QA-モノリシックカラム(BIA Separations)を使用する陰イオン交換仕上げステップと組み合わせた市販のPOROS CaptureSelect AAVX親和性樹脂(Thermo)を使用するアフィニティー交換クロマトグラフィーに供した。AAV粒子産生培養物からの清澄化した上清を、5.5mL/分の一定流速でPOROSカラムにロードした。ウイルス含有上清を、通常のpH(7.5)でカラムに結合させた。粘度を低下させ、経時的なプレカラム圧力上昇を低下させるために、精製中に5U/mLのベンゾナーゼ(登録商標)を添加した。続いて、ウイルスを低pH(2.5)のクエン酸緩衝液を用いて溶出させ、直ちにBTP(pH10.2)で中和した。
ウイルス精製の第2の段階は、ウイルスについて予測されるpKaよりも高いpHである、pH10の高イオン強度緩衝液を使用する陰イオン交換仕上げを伴った。このpHで、AAV粒子はモノリスに強固に結合し、ウイルス凝集を減少させ、更に残留宿主細胞タンパク質又はDNAを排除する。漸増塩勾配を用いてウイルスを溶出し、「完全カプシド」対「空カプシド」を含有するDNA間の電荷の差に基づいて、所望のウイルス集団をプロダクトピークとして分離した。しかしながら、複数種の「ポストプロダクトピーク」が、アニオン交換仕上げ中に日常的に観察された。
これらのポストプロダクトピークの溶出プロファイルが不均一であり、プロダクトピークと比較した場合に、より高いイオン強度を必要としたことを考慮すると、ウイルスのこれらの画分が依然として高電荷タンパク質と結合し得ることが疑われた。この観察に基づいて、AAV粒子とベンゾナーゼ(登録商標)消化に耐性があるDNA含有複合体との間の相互作用を調査した。ベンゾナーゼ(登録商標)は、ヌクレオソームDNAの消化において比較的無効であり、したがって、これらのウイルス粒子を溶出するために必要とされるより高いイオン強度が、AAV粒子と結合する残留DNA結合タンパク質/クロマチン複合体の直接的な結果であるかどうかの調査を実施した。
クロマチン構造がAAV粒子とウイルス外で結合しているという仮説を試験するために、カプシドを、MNaseを単独で又はベンゾナーゼ(登録商標)と組み合わせて使用して、核酸酵素消化の増加に供した。ベンゾナーゼ(登録商標)を、MNaseと共に又はそれなしで、AAVX含有結合ウイルスに直接添加した。このステップを30分間保持して、DNA及びクロマチン結合DNAを消化させた。漸増量のMNaseを、アフィニティークロマトグラフィーステップの間に、「オンカラム」でのベンゾナーゼ(登録商標)ステップに、組み合わせて又は単独で添加した。結果は、クロマトグラムの形状が、MNaseなし(図1A)又はMNaseあり(図1B)で処理した試料について同じであり、MNaseがウイルスの収量に影響を及ぼさないことを示した。
ポストカラム酵素洗浄物を収集し、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)に供し、続いてDNA結合タンパク質の存在について調べるため銀染色を行った。銀染色分析は、最適な(60U/mL)MNase処理試料においてのみ同定可能な約10kDaの単一タンパク質バンドの存在を示した(図2A、第3のレーン)。ベンゾナーゼ(登録商標)単独を含む又は含まない最適以下(2.5U/mL)濃度のMNaseは、ウイルス外結合DNA結合タンパク質の放出において非効率的であった(図2A、第2のレーン)。これは、60U/mLのMNaseが、クロマチン結合DNA結合タンパク質を放出させることができたということを示した。
更に、ポストプロダクトピーク画分を電気泳動によって分析して、試料中に存在し得るあらゆるクロマチンを可視化した。結果は、アフィニティー捕捉クロマトグラフィー中のMNaseによる処理が、ポストプロダクトピーク画分からクロマチンを除去するのに十分であったことを示した(図2B)。具体的には、以下の試料を分析した:ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットを使用して懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生されたrAAV8粒子の、未希釈試料(レーン2)及び1:10希釈試料(レーン3);トランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞において産生されたrAAV8粒子の、未希釈試料(レーン4)及び1:10希釈試料(レーン5);並びにトランスフェクションキットなしで懸濁Expi293F(商標)細胞において産生されたrAAV8粒子を、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化させたrAAV8粒子の未希釈試料(レーン6)及び1:10希釈試料(レーン7)。結果は、MNase処理されていない試料(例えば、レーン2及び4)についてのポストプロダクトピーク中に、目に見える高分子量のDNAが存在することを示しており、これは、クロマチンが大きすぎてゲルを透過できないことから、クロマチンを示していた。対照的に、MNase処理をした試料(例えば、レーン6)には、高分子量のDNAは存在しなかった。
これらの結果は、AAV粒子が、AAV粒子と結合する残留DNA結合タンパク質/クロマチン複合体を含有すること、及び精製プロセスにMNaseを含めることによって複合体を破壊することができることを示した。
(実施例II)
MNaseの添加により、陰イオン交換溶出プロファイルが改善される。
本実施例は、クロマチン-DNAヌクレアーゼ、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)の添加が、下流での精製の間に回収されるAAV粒子の品質を有意に改善することを立証する。
MNaseの添加により、陰イオン交換溶出プロファイルが改善される。
本実施例は、クロマチン-DNAヌクレアーゼ、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)の添加が、下流での精製の間に回収されるAAV粒子の品質を有意に改善することを立証する。
ウイルス外のクロマチン結合AAV粒子は望ましくない生成物であり、精製された生成物の目に見える沈殿を引き起こす可能性があり、これはいかなる製剤研究にとっても問題となり得るものである。更に、増加したクロマチン/DNA結合タンパク質は、望ましくない混入物であり、その両方が宿主細胞タンパク質/DNA混入を増加させ得る。クロマチン結合AAV粒子の問題を克服するために、本研究は、クロマチン-DNAヌクレアーゼ、MNaseを、精製中に添加することができ、AAV粒子の精製の改善をもたらすことを実証した。
接着細胞を使用したAAV粒子の産生は、最小限の細胞死をもたらすこと、及び陰イオン交換クロマトグラムによるわずかなポストプロダクトピークの産生をもたらすことが観察された(図3)。対照的に、懸濁細胞培養における生存率は、接着細胞培養と比較した場合に、低下し(50~70%に近づく)、優勢なポストプロダクトピークをもたらした(図4A)。しかしながら、アフィニティークロマトグラフィーステップ中にMNaseを添加すると、陰イオン交換クロマトグラフィー中のポストプロダクトピークの高さを低下させ、これは、生成物の純度の改善を示した(図4B)。具体的には、60U/mLのMNaseによる処理は、ポストプロダクトピークの大きな260nm(DNA/RNA)吸光度ピーク及び280nm(タンパク質)吸光度ピークの両方を低下させた(図4B)。MNaseによる処理あり又はなしの懸濁培養から産生されたrAAV8粒子のアフィニティー交換クロマトグラムを重ねて、DNA/RNA(260nm)及びタンパク質(280nm)についてのポストプロダクトピーク高さを直接比較すると、クロマチンを消化させるためのMNaseによる処理が、AAV粒子の精製を強化し、そして残留宿主細胞タンパク質汚染を検出不能なレベルまで有意に低下させるという更なる証拠(それぞれ、図5A及び図5B)を提供した。特に、核酸スペクトル(260nm)で観察された、ポストプロダクトピーク高さの低下は非常に有意であり、ピーク高さ及び面積において90%超の減少であると推定された(図5A)。加えて、タンパク質スペクトル(280nm)でも、ポストプロダクトピークの低下が観察された(図5B)。
更に、陰イオン交換クロマトグラフィー後のポストプロダクトピークの銀染色分析は、MNaseで消化されていない試料中に存在するタンパク質不純物(約10kDaのバンドを含む)を明らかにし、これは、MNaseにより消化された試料中には存在しなかったDNA結合タンパク質の存在を示すものである(図6A)。ゲル電気泳動によって分離され、銀染色を使用して染色された試料どうしの比較により、ヒストンの予想サイズに近い約10kDaの分子量に対応するかすかなバンドが明らかになった。具体的には、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサー(Thermo Fisher Scientific)を使用して懸濁Expi293F(商標)細胞(Thermo Fisher Scientific)において産生されたrAAV8粒子(レーン1)と、エンハンサーを含まない懸濁Expi293F(商標)細胞において産生されたrAAV8粒子(レーン2)と、エンハンサーを含まない懸濁Expi293F(商標)細胞において産生され、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化させたrAAV8粒子(レーン3)とを分析した。矢印は、10kDaバンドが、MNaseで消化させなかった試料中に存在したが、MNaseで消化させた試料には存在しなかったことを示す(図6A)。大量のクロマチン結合DNAが通常、精製中にAAV粒子とウイルス外で結合しているという更なる証拠は、ポストプロダクトピーク画分中のAAV粒子を溶出させるのに塩の増加が必要であるという観察、及びヒストンなどのDNA結合タンパク質が高度に正に荷電している(陰イオン交換体のように挙動する)という事実によって提供された。
溶出緩衝液が陰イオン交換溶出プロファイルに影響を及ぼしたかどうかを判定するために、3つの異なる溶出緩衝液(リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、及び高pH緩衝液)を使用した。プロダクトピーク(「ピークA」)についての面積の測定は、260nm及び280nmの両方について、ポストプロダクトピーク(ピークAを超えて検出される任意の更なるピーク)と比較した場合に、MNaseによる処理が、全ての緩衝液についてプロダクトピーク中のDNA/RNAの量を改善することを明らかにした(表1)。
まとめると、これらの知見は、大量のクロマチン結合DNAが、通常、精製の間にAAV粒子とウイルス外で結合していること、及びMNaseによる処理がAAV粒子の精製を強化し得ることを示した。
(実施例III)
MNaseを増加させると、陰イオン交換クロマトグラフィーにおけるポストプロダクトピークが低下した。
本実施例は、アフィニティー精製中にMNaseを添加する量を増加させると、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおいて、クロマチン結合したAAV粒子を減少させたことを証明する。
MNaseを増加させると、陰イオン交換クロマトグラフィーにおけるポストプロダクトピークが低下した。
本実施例は、アフィニティー精製中にMNaseを添加する量を増加させると、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおいて、クロマチン結合したAAV粒子を減少させたことを証明する。
MNaseの最適範囲を決定するために、試料をMNaseで処理しなかった(図7A)か、又は異なる量のMNase、例えば、2.5U/mL(図7B)若しくは60U/mL(図7C)で処理した。アフィニティークロマトグラフィーの結果は、より多量のMNaseが、MNaseなし(図7A)又は少量のMNase(図7B)と比較した場合に、ポストプロダクトピークを減少させたことを示した(図7C)。
これらの結果は、アフィニティー精製中のMNase添加量の増加により、陰イオン交換クロマトグラフィー仕上げステップにおいて、クロマチン結合AAV粒子が減少することを実証し、60U/mLのMNaseが、クロマチン結合AAV粒子を減少させるのに有効な濃度であることを証明した。
(実施例IV)
MNaseによる消化は、AAV粒子の凝集を防止し、AAV粒子の沈殿を減少させた。
この実施例は、MNase消化がAAV粒子の凝集及び沈殿を防止したことを立証する。
MNaseによる消化は、AAV粒子の凝集を防止し、AAV粒子の沈殿を減少させた。
この実施例は、MNase消化がAAV粒子の凝集及び沈殿を防止したことを立証する。
ポストプロダクトピーク画分を肉眼で検査した。その検査において、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットエンハンサー(Thermo Fisher Scientific)を使用して懸濁Expi293F(商標)細胞(Thermo Fisher Scientific)中で産生され、その後のMNase処理をしなかったrAAV8粒子、又はエンハンサーなしで懸濁Expi293F(商標)細胞中で産生され、その後のMNase処理をしなかったrAAV8粒子は、肉眼による検査で、視認可能な沈殿物を有していることが判明した(図8)。対照的に、エンハンサーなしで懸濁Expi293F(商標)細胞において産生され、その後、60U/mLのMNaseを用いて25℃で30分間消化させたrAAV8粒子は、視認できるような沈殿物を有さなかった(図8)。
このデータは、MNaseによる消化が、AAV粒子の凝集及び沈殿を防止することを実証した。
(実施例VI)
MNaseによる処理は、AAV粒子の力価を増加させた。
この実施例は、MNaseによる処理を、異なる精製プロトコルに加えた場合に、AAV粒子の力価を増加させたことを立証する。
MNaseによる処理は、AAV粒子の力価を増加させた。
この実施例は、MNaseによる処理を、異なる精製プロトコルに加えた場合に、AAV粒子の力価を増加させたことを立証する。
MNaseによる処理が、異なる溶出方法に適合するかどうかを判定するために、高/低pH溶出法、クエン酸塩溶出法、及び低pH溶出法を使用して、3つの異なるタイプの溶出を実施した。ゲル電気泳動後、SYBR Gold染色を用いて、MNaseによる処理あり又はなしの場合のDNA収量間の、定性的比較を行った(図9A~図9F)。結果は、3つの異なるタイプの溶出法:高/低pH溶出、クエン酸塩溶出、及び低pH溶出を使用して、MNaseで処理した試料が、MNaseで処理していない試料と比較した場合に、プロダクトピーク中のDNA量が増加したことを示した(図9A~図9F)。
加えて、1mLあたりのゲノムコピー(GC/mL)の力価(図10)、1細胞あたりのゲノムコピー(GC/細胞)(図10B)、及び総ゲノムコピー数(図10C)の定量化により、MNaseによる処理が、ExpiFectamine(商標)293トランスフェクションキットのエンハンサー(Thermo Fisher Scientific)あり又はなしの、MNaseで処理していない試料と比較した場合に、所望のプロダクトのウイルス力価を増加させ、望ましくないポストプロダクトの量を減少させるということを明らかにした。
図11A及び図11Bに示されるように、細胞あたりのゲノムコピー(GC/細胞)(図11A、表2)及び全ゲノムコピー(図11B、表3)の増加は、3つの異なる溶出緩衝液(すなわち、クエン酸、低pH、及び低/高pH)の各々について、MNaseで処理した試料において一貫して観察された。
まとめると、これらのデータは、MNaseによる処理が、AAV粒子の力価を増加させたこと、及びAAV粒子の力価の増加が溶出緩衝液に依存しなかったことを示す。
(実施例V)
MNaseによる処理は、プロダクト画分の機能的力価を増加させた。
この実施例は、MNaseによる処理が、プロダクト画分のより大きな感染性によって証明されるように、プロダクト画分の機能的力価を増加させたことを立証する。
MNaseによる処理は、プロダクト画分の機能的力価を増加させた。
この実施例は、MNaseによる処理が、プロダクト画分のより大きな感染性によって証明されるように、プロダクト画分の機能的力価を増加させたことを立証する。
MNaseを使用して生成されたウイルスの機能的力価を評価するために、標的細胞に、MNaseを用いて処理された又は処理されなかった、プロダクト画分又はポストプロダクト画分のいずれかから収集された赤色蛍光タンパク質を発現するウイルス粒子を形質導入した。標的細胞が感染性の代用として赤色蛍光タンパク質発現に何らかの差を示すかどうかを判定することによって、機能的力価を測定した。
簡単に説明すると、試料をMNaseを用いて処理し、又は処理せずに、高/低pH(図12)、クエン酸塩(図13)、又は低pH(図14)で溶出させ、プロダクトウイルス画分及びポストプロダクトウイルス画分を回収した。次いで、画分を細胞と接触させ、感染多重度(multiplicity of infection、MOI)を測定して、機能的力価レベルを決定した。
プロダクト画分の感染性プロファイルは、MNaseによる処理が、異なる溶出緩衝液の各々について、より大きなMOIを生じたことを示した(表4)。対照的に、ポストプロダクトの画分の感染性プロファイルは、MNaseによる処理が、異なる溶出緩衝液の各々について、減少したMOIを生じることを示した。
これらの結果は、MNaseによる処理が、異なる溶出緩衝液の各々について、プロダクト画分の機能的力価を増加させたが、ポストプロダクト画分については増加させなかったことを示した。
(実施例VI)
高pHによる洗浄は、AAVの純度を改善した。
この実施例は、AAVのアフィニティー交換クロマトグラフィー中の高pH洗浄が、AAVの純度を改善することができたことを立証する。
高pHによる洗浄は、AAVの純度を改善した。
この実施例は、AAVのアフィニティー交換クロマトグラフィー中の高pH洗浄が、AAVの純度を改善することができたことを立証する。
AAVを精製するための最適条件を決定するために、AKTAシステムを使用し、精製中に試料を様々な洗浄及び/又は酵素処理条件に供した。異なる精製条件を表5に要約する。
簡潔に述べると、バルク回収及びベンゾナーゼ(登録商標)による処理の後、粗試料をアフィニティークロマトグラフィーに供した。表5に示すように、特定の条件(すなわち、条件4~10)下で、アフィニティーカラムを、pH9.5~pH10.9の範囲の高pH緩衝液で洗浄した。更に、表5に示されるように、試料は、ベンゾナーゼ(登録商標)でもMNaseでも処理されなかった(条件1)か、ベンゾナーゼ(登録商標)のみでオンカラムで処理された(条件2及び7)か、又はベンゾナーゼ(登録商標)とMNaseとでオンカラムで処理された(条件3~5及び8~10)かのいずれかとした。アフィニティーカラムからの溶出は、クエン酸塩、pH2.5(条件1、2、及び4)、又はリン酸(H3PO4)、pH1.5(条件3、及び5~10)を用いて行った。
アフィニティークロマトグラフィーによる精製後、次いで、CIM QA(第四級アミン)モノリスカラムを使用して、陰イオン交換クロマトグラフィーによって試料を仕上げた。その後、試料を、10mM~200mMのNaCl直線勾配を用いて溶出し、20mMのBTP、pH10.2(条件1~9)中で中和するか、又は0~300mM(C2H5)NCl直線勾配を用いて溶出し、20mMのトリスpH9.0(条件10)中で中和した。
精製した試料を回収し、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis、SDS-PAGE)に供し、続いて銀染色を行った。いかなる酵素処理も含まない条件(条件1)又はベンゾナーゼ(登録商標)による処理のみを含む条件(条件2)において、溶出されたAAVは、大量の不純物を有することが判明した(それぞれ、図15A及び図15B)。例えば、VP1、VP2、及びVP3に対応する3つの強いバンドに加えて、銀染色によって検出される多くの他のタンパク質不純物が存在した。対照的に、アフィニティークロマトグラフィー精製ステップ(条件4)中に、pH9.5での洗浄を用いてAAV試料を精製した場合には、溶出画分中の不純物はかなり少なかった(図16A)。更なる改善が、アフィニティークロマトグラフィー精製ステップ中にpH10.4での洗浄を使用して観察された(図16B)。しかしながら、pH10.9でアフィニティーカラムを洗浄すると、ウイルスの大きな損失をもたらした。異なる精製条件の比較は、ベンゾナーゼ(登録商標)及びMNaseによる処理と組み合わせた場合、pH10.9未満の高pH洗浄条件が、高度に純粋なAAV試料をもたらしたことを示した(図17A)。更に、精製されたAAV試料のDNAアガロースゲル電気泳動は、AAV内に含まれるITR導入遺伝子の存在を示した。
これらの結果は、アフィニティークロマトグラフィー精製中に高pH(約pH9.5~pH10.4)で洗浄を行うと、精製されたAAVの純度を改善し得ることを示した(図18)。
(実施例VII)
溶出条件の改変は、ウイルスの回収を改善する。
本実施例は、低pH緩衝液及びエタノールによる溶出により、精製されたAAVの純度を改善することができたことを立証する(図19)。
溶出条件の改変は、ウイルスの回収を改善する。
本実施例は、低pH緩衝液及びエタノールによる溶出により、精製されたAAVの純度を改善することができたことを立証する(図19)。
残留ウイルスが陰イオン交換クロマトグラフィーカラム上に残っているかどうかを判定するために、試料を、2つの異なる溶出条件を含む3つの別個の条件下で処理した。簡単に説明すると、試料を、ベンゾナーゼ(登録商標)で処理し、MNaseによって処理し又は処理せずに、アフィニティークロマトグラフィー精製に供し、先に記載したように陰イオン交換クロマトグラフィーによって仕上げた。次いで、20%エタノールを含む又は含まない低pH緩衝液(リン酸、pH1.5)を使用して試料を溶出した。
結果は、ベンゾナーゼのみで処理され(すなわち、MNaseによる処理なし)、高pH緩衝液で洗浄され、リン酸(pH1.5)で溶出された試料において、示されたクロマトグラフィーピーク(矢印参照)によって強調されるように、残留ウイルスがストリッピング後にカラム上に残っていたことを示した(図19A)。アフィニティークロマトグラフィー精製ステップ中に、MNaseを添加すると、カラムストリップ中の残留ウイルスを減少させることができた(矢印参照)(図19B)。カラムからのウイルスの溶出は、クロマトグラフィーピーク(矢印参照)がほぼ存在しないことによって示されるように(図19C)、溶出中に20%エタノールを添加することによって更に改善された(矢印参照)。
まとめると、これらの結果は、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムからのウイルスの回収が、溶出の間のエタノールの添加によって更に改善され得ることを示した。
(実施例VIII)
MNaseによる処理は、動的光散乱(DLS)及びTm/Taggによって測定される不純物の除去を改善した。
本実施例は、MNaseによる処理が、動的光散乱(DLS)によって測定されるような不純物の除去、及びタンパク質凝集温度Taggがウイルスの融解と一致する温度の決定を改善したことを立証する。
MNaseによる処理は、動的光散乱(DLS)及びTm/Taggによって測定される不純物の除去を改善した。
本実施例は、MNaseによる処理が、動的光散乱(DLS)によって測定されるような不純物の除去、及びタンパク質凝集温度Taggがウイルスの融解と一致する温度の決定を改善したことを立証する。
AAV血清型同一性の決定因子としての熱安定性は、当該技術分野において既知であり、AAV粒子試料中の不純物を検出するために使用することもできる。例えば、不純物が除去されると、タンパク質凝集の開始(Tagg)はウイルスの融解温度(Tm)と一致する。
上記の以前の結果と一致して、動的光散乱(DLS)及びTm/Taggアッセイは、MNaseにより、AAV粒子からの不純物の除去が改善されることを確認することができた。具体的には、ベンゾナーゼ(登録商標)でもMNaseでも処理されなかった試料においては、Tagg及びTmは、10℃を超えて異なることが見出された(図20A)。ベンゾナーゼ(登録商標)の添加は不純物の除去を改善したが、ベンゾナーゼ(登録商標)とMNaseとを一緒に用いると、Tagg及びTmの一致が改善を示した(図20B及び図20C)。
MNaseで処理し、高pH条件下で溶出した試料においても、不純物の低減における改善が観察された。具体的には、ベンゾナーゼ(登録商標)及びMNaseで処理し、リン酸(pH10.3)で溶出した試料(図20E)についてのTagg及びTmの一致性は、ベンゾナーゼ(登録商標)のみで処理し、リン酸(pH10.3)で溶出した試料(図20D)と比較した場合に、高まっていた。
まとめると、これらの結果は、MNaseによる処理がAAV粒子試料中の不純物の量を減少させることができ、高pH条件と組み合わせたMNaseによる処理が、不純物の量を更に減少させることができることを確認した。
(実施例IX)
精製中のMNaseによる処理は、残留宿主細胞DNAを減少させる。
この実施例は、宿主細胞DNAが、MNaseによる処理によって有意に減少され得ることを立証する。
精製中のMNaseによる処理は、残留宿主細胞DNAを減少させる。
この実施例は、宿主細胞DNAが、MNaseによる処理によって有意に減少され得ることを立証する。
陰イオン交換(AEX)精製後のAAV粒子試料中に、残留宿主細胞DNAが存在するかどうかを判定するために、AlphaLISAアッセイを実施して、分析物として宿主細胞DNAを検出した。AlphaLISAビーズベースの技術は、PerkinElmerの増幅発光近接ホモジニアスアッセイに依存し、発光酸素チャネリング化学を使用して宿主細胞DNAを検出する(Beaudet et al.,Nat Methods 5,an8-an9,(2008)を参照)。
AEX精製後の残留宿主細胞DNAの分析を、6つの異なる条件下で調製された試料中のAlphaLISAによって測定した。(1)ベンゾナーゼ(登録商標)もMNaseも用いない精製(「酵素なし」)、(2)ベンゾナーゼ(登録商標)による処理を行い、クエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩(アフィニティー)」)を行った場合、(3)ベンゾナーゼ(登録商標)による処理及びクエン酸塩溶出による精製(「B、クエン酸塩」)を行った場合、(4)ベンゾナーゼ(登録商標)による処理、MNaseによる処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、Phos」)を行った場合、(5)ベンゾナーゼ(登録商標)による処理、高pH(pH10.3)洗浄、及びリン酸溶出による精製(「B、pH10.3、Phos」)を行った場合、並びに(6)ベンゾナーゼ(登録商標)による処理、MNaseによる処理、及びリン酸溶出による精製(「B、M、pH10.3、Phos」)を行った場合。標準曲線を作成して、存在する宿主細胞DNAの濃度レベルを外挿した。
結果は、MNaseで処理した試料において、宿主細胞DNAのレベルが有意に減少したことを示した(図21A及び図20B)。注目すべきことに、ベンゾナーゼ(登録商標)、MNase、及びリン酸溶出(「B、M、pH10.3、Phos」)による精製は、ほぼ検出不可能なレベルの宿主細胞DNAをもたらした(図21A及び図21B)。
これらの結果は、MNaseによる処理が、AAV粒子試料由来の宿主細胞DNAを有意に減少させることを示した。
(実施例X)
MNaseによる処理は、精製プロセスを改善する。
この実施例は、本明細書で提供される精製プロセスが、目下の最新技術も超越する改善を表すことを示す。
MNaseによる処理は、精製プロセスを改善する。
この実施例は、本明細書で提供される精製プロセスが、目下の最新技術も超越する改善を表すことを示す。
陰イオン交換及びベンゾナーゼ(登録商標)を使用するAAV粒子の精製の現在の方法が、説明されている(Wang C,et al.,Mol Ther Methods Clin Dev.2019;15:257-263を参照)。しかしながら、MNaseは、そのような方法では使用されていない。
MNaseによる処理を含む本明細書中に記載される精製方法が、上記の現在の精製方法よりも良好に機能し得るか否かを判定するために、MNaseによる処理プロトコル(プロトコル#1)を、Wangらの方法(プロトコル#2)を使用して得られた画分と比較した。
簡単に説明すると、Wangらによる精製法を、アフィニティー樹脂によって行った。カラムにロードする前に、バルクAAVプールを、50U/mLのベンゾナーゼ(登録商標)で、37℃で1時間処理し、10,000×gで15分間の遠心分離によって清澄化し、続いて1.2mm及び0.45mmフィルターを通して連続的に濾過した。低pH緩衝液を用いてカラムからAAVを溶出させた。並行して、異なるセットの試料を、MNaseによる処理を含む本明細書に記載の方法に従って精製した。
プロトコル#1とプロトコル#2との比較は、MNaseによる処理が、銀染色によって測定した場合に、AAV粒子の試料中に存在する不純物の量を大きく減少させることができたことを明らかにした(図22)。
したがって、この実施例は、MNaseを使用する本明細書中で提供される精製方法が、AAV精製のために使用される方法を超える改善を示すことを立証している。
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当業者は、広い発明概念から逸脱することなく、上で説明される実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、本説明によって定義されるように本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図するものと理解される。
Claims (74)
- アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を精製するための方法であって、前記方法は、
(a)AAV粒子を含む上清を、クロマチン-DNAヌクレアーゼを含む組成物と接触させることと、
(b)前記AAV粒子を精製することと、を含む、方法。 - 前記精製することは、遠心分離、クロマトグラフィー、濾過、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記遠心分離は、密度勾配遠心分離、超遠心分離、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
- 前記クロマトグラフィーは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
- AAV粒子を含む前記上清を、固体支持体と共に、前記AAV粒子を結合するのに十分な時間にわたりインキュベートすることを更に含む、請求項4に記載の方法。
- 前記固体支持体を洗浄することを更に含む、請求項5に記載の方法。
- 前記洗浄することは、高pH緩衝液を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、pH9.0より大きい、請求項7に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、pH9.0とpH11の間である、請求項7に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、約pH9.5である、請求項7に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、約pH10.2である、請求項7に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、約pH10.3である、請求項7に記載の方法。
- 前記高pH緩衝液は、約pH10.4である、請求項7に記載の方法。
- 前記方法は、1回以上のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、請求項4~13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む、請求項15に記載の方法。
- 前記上清は、清澄化された上清である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(a)の前記組成物は、ベンゾナーゼ(Benzonase、登録商標)を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記インキュベーションは、約10分間~約1時間である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記インキュベーションは、約20分間~約40分間である、請求項19に記載の方法。
- 前記インキュベーションは、約30分間である、請求項19又は20に記載の方法。
- 前記クロマチン-DNAヌクレアーゼは、小球菌ヌクレアーゼ(MNase)である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記上清中の前記MNaseの濃度は、2.5単位/mLより大きい、請求項22に記載の方法。
- 前記上清中の前記MNaseの濃度は、10単位/mLより大きい、請求項23に記載の方法。
- 前記上清中の前記MNaseの濃度は、約30単位/mL~約100単位/mLである、請求項23又は24に記載の方法。
- 前記上清中の前記MNaseの濃度は、約60単位/mLである、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記MNaseは、結合されたAAV粒子を含有する前記固体支持体と共にインキュベートされる、請求項22~26のいずれか一項に記載の方法。
- 前記AAV粒子は、低pH緩衝液を使用して、前記固体支持体から溶出される、請求項5~27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液の前に、高pH緩衝液を更に含む、請求項28に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、約pH3.0未満である、請求項28又は29に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、約pH1.5~約pH2.5である、請求項30に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、約pH1.5である、請求項30に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、約pH2.5である、請求項30に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、又はリン酸緩衝液である、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、クエン酸緩衝液である、請求項34に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液は、リン酸緩衝液である、請求項34に記載の方法。
- 前記アフィニティークロマトグラフィー精製は、2回のアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、請求項14~36のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーがその後に続くアフィニティークロマトグラフィー精製を含む、請求項37に記載の方法。
- 前記低pH緩衝液のpHを中和することを更に含む、請求項28~38のいずれか一項に記載の方法。
- 中和することは、ビス-トリス-プロパン(BTP)又はトリス緩衝液を添加することを含む、請求項39に記載の方法。
- 約5%~約40%のエタノールを更に含む、請求項28~40のいずれか一項に記載の方法。
- 約10%~約30%のエタノールを含む、請求項41に記載の方法。
- 約15%~約25%のエタノールを含む、請求項41又は42に記載の方法。
- 約20%のエタノールを含む、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、クロマチン結合DNAを実質的に含まない、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞DNAを実質的に含まない、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
- 前記宿主細胞DNAの濃度は、2ng/mL未満である、請求項46に記載の方法。
- 前記宿主細胞DNAの濃度は、1.5ng/mL未満である、請求項46に記載の方法。
- 前記宿主細胞DNAの前記濃度は、1ng/mL未満である、請求項46に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、宿主細胞タンパク質を実質的に含まない、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合、DNA結合タンパク質を実質的に含まない、請求項50に記載の方法。
- 前記DNA結合タンパク質は、ヒストンを含む、請求項51に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、巨視的不純物及び微視的不純物を実質的に含まない、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、増加したウイルス力価を有する、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、物理的力価を含む、請求項54に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、機能的力価を含む、請求項54に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、約2倍から約100倍に増加される、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、約2倍以上増加する、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、約3倍以上増加する、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、約7倍以上増加する、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価は、約80倍以上増加する、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、プロダクトAAV粒子画分対ポストプロダクトAAV粒子画分の増加したウイルス力価比を含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルス力価比は、約2倍以上増加する、請求項62に記載の方法。
- 前記ウイルス力価比は、約5倍以上増加する、請求項62に記載の方法。
- 前記ウイルス力価比は、約10倍以上増加する、請求項62に記載の方法。
- 前記ウイルス力価比は、約25倍以上増加する、請求項62に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約10℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、請求項1~66のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の約5℃未満以内のTmを有する、請求項67に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、動的光散乱(DLS)によって測定される場合、凝集温度(Tagg)の2℃未満以内の融解温度(Tm)を有する、請求項67に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、約50%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、約60%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、請求項70に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、約70%超の完全なカプシド対空のカプシドの比を含む、請求項70に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、減少した260nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法。
- 前記精製されたAAV粒子は、MNase非接触で精製されたAAV粒子と比較した場合に、減少した280nmでの吸光度を有するAAV粒子ポストプロダクト画分を含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の方法。
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