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JP2023516416A - ポリアスパラギン酸エステルをベースとする硬化性コーティング組成物のための構成部分一式 - Google Patents

ポリアスパラギン酸エステルをベースとする硬化性コーティング組成物のための構成部分一式 Download PDF

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JP2023516416A JP2022553076A JP2022553076A JP2023516416A JP 2023516416 A JP2023516416 A JP 2023516416A JP 2022553076 A JP2022553076 A JP 2022553076A JP 2022553076 A JP2022553076 A JP 2022553076A JP 2023516416 A JP2023516416 A JP 2023516416A
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Abstract

本発明は、硬化性コーティング組成物、好ましくは硬化性クリアコートコーティング組成物の調製のための構成部分一式に関するものであり、これは、第1の容器に、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性化合物(A)、第2の容器に、ポリイソシアネート(B)、及び第3の容器に、モノアルコール及びアルコキシモノアルコールから選択される溶媒(S1)を含む。ここでUVA及び/又はHALS添加剤が、任意に第1及び/又は第3の容器に含有され、そして第2の溶媒(S2)が任意に第2又は第3の容器に含有される。さらに、本発明は、その構成部分一式から調製されたコーティング組成物と、任意に前処理されそして任意に予備コーティングされた基材上に少なくとも1つのコーティングを調製するための方法と、その方法から得られたコーティングされた基材とに関するものである。

Description

本発明は、硬化性コーティング組成物、好ましくは硬化性クリアコートコーティング組成物の調製のための構成部分一式に関するものであり、これは、第1の容器に、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性化合物(A)、第2の容器に、ポリイソシアネート(B)、及び第3の容器に、モノアルコール及びアルコキシモノアルコールから選択される溶媒(S1)を含む。ここでUVA及び/又はHALS添加剤が、任意に第1及び/又は第3の容器に含有され、そして第2の溶媒(S2)が任意に第2及び/又は第3の容器に含有される。さらに、本発明は、その構成部分一式から調製されたコーティング組成物と、任意に前処理されそして任意に予備コーティングされた基材上に少なくとも1つのコーティングを調製するための方法と、その方法から得られたコーティングされた基材とに関するものである。
イソシアネート化学に基づくコーティング組成物は、当技術分野において周知であり、そしてコーティング産業において非常に多様な用途において、例えばプライマー、ベースコート及びクリアコートに、高品質品の塗装、例えば自動車のオリジナルコーティング(OEM)及び車両修理コーティングなどにおいて、使用されている。イソシアネートをベースとするコーティング組成物には、例えば、ジイソシアネート、ポリイソシアネート、及び/又はイソシアネート反応生成物などの成分を含む樹脂から形成されたポリウレタン又はポリウレアコーティングが含まれる。これらの樹脂が様々なメカニズムによって硬化することで樹脂成分間に共有結合が形成され、それによって架橋ポリマーネットワークが生成される。コーティング対象の基材又は物品に所望の特性を付与するコーティング組成物を開発するために、多大な努力が払われてきた。例えば、磨耗、化学物質、腐食、熱又は機械的衝撃から保護するためのコーティングが開発されている。
ポリアスパラギン酸エステルをベースとするポリウレアコーティングは、自動車産業、特に車両再仕上げ用途の分野で商業的に使用されており、多くの成功を収め、アスパラギン酸エステル化合物の、ポリオール(ポリウレタンコーティング組成物の主剤である)と比較して一般的に低い粘度と、そしてさらに、アスパラギン酸エステル化合物のアミノ基の、脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネートのイソシアネート基に対する高い反応性の恩恵を受けている。故に、ポリアスパラギン酸コーティング組成物は、その硬化速度が、室温であってもポリウレタンコーティング組成物の硬化速度よりも速く、且つその機械的強度が優れているという特性を有する。
アスパルテートをベースとするコーティング組成物は、当技術分野において周知である。例えば、EP0403921には、ポリイソシアネート成分と特定の第2級ポリアミンを含有するイソシアネート反応性成分に基づくバインダーとを有するコーティング組成物が記載されている。これらの第2級ポリアミンはポリアスパラギン酸誘導体とも呼ばれ、そして第1級ポリアミン及びマレイン酸又はフマル酸のジエステルに基づく。EP0470461にも、車両の再仕上げ用途のための2成分コーティング組成物が記載されており、この組成物は、ポリイソシアネート成分と、3,3’-ジメチル4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン及びマレイン酸ジエチルエステルから調製されたイソシアネート反応性第2級ジアミンとを含有する。イソシアネート反応性成分は、さらに、ポリヒドロキシポリアクリレート又はポリヒドロキシポリアクリレートとポリエステルポリオールとの混合物からなるヒドロキシル官能性成分を含有する。EP0939091A1はさらに、希釈溶媒を添加して、コーティング組成物(このようなコーティング組成物は、貯蔵中のポットライフを通常減少させるアミン官能性化合物を含む)の反応又は相互作用を遅くし、コーティングフィルム適用後の反応を遅くさせないことを開示している。WO2011/126562A1はさらに、ポリアスパラギン酸エステル成分と、脂肪族の及び脂環式のイソシアネート官能性材料の混合物との反応生成物を含むポリウレアコーティング組成物を開示しており、これは硬化速度及び金属基材への付着性を改善する。アスパラギン酸エステル化合物と、脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物(この中のイソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレトジオン基、アロファネート基、ビウレット基及び/又はウレトンイミノ基の含有量(モル%)は特定の関係を満たす)とによって形成された高固形分又は無溶媒の脂肪族ポリアスパラギン酸コーティング組成物が、EP3594300に開示されている。
しかしながら、上記のアスパルテートベースの2成分コーティング組成物の一般的な欠点は、硬化性ポリアスパラギン酸エステル化合物を含有する成分が、貯蔵中に黄変によって著しく変色することである。このように、硬化性アスパルテートを含むコーティング組成物も貯蔵中に変色又は黄変する傾向があるので、例えば、得られたコーティングの最終色は、もはや所望の又は目標とする色と一致しない。
WO2004/063242には、アスパラギン酸化合物及びポリイソシアネート硬化剤を含有するコーティング組成物が開示されている。このコーティング組成物は、二置換のフェノール酸化防止剤又はヒドロペルオキシド分解剤を含有する。酸化防止剤又は分解剤の存在は、UV光に対する良好な耐性を有するコーティングをもたらす。酸化防止剤をアスパルテートベースの成分を含有する2Kコーティング組成物に添加して、室温、又は例えば50℃の高温での貯蔵中の変色/黄変を抑制することが、EP2829562A1に開示されている。
WO2015/13050A1には、さらに、このようなアスパルテートベースの2Kコーティング組成物の貯蔵中の変色又は黄変がUV吸収剤によって誘発されることが開示され、解決策として鎖延長型アスパルテートが提案されている。
しかしながら、この色不安定性又は黄変を、ポリアスパラギン酸エステルをベースとするポリウレアコーティングについて、貯蔵時、特に50℃までの高温での貯蔵時に、又は一般的にコーティング配合物中に他の光安定剤、例えばヒンダードアミン光安定剤と共に含まれるUV吸収剤と組み合わせたときに回避するための、技術的に簡易であり且つ満足のいく解決策を提供することは、これまで不可能であった。さらに、前記の黄変しないポリウレアコーティングの引っかき抵抗性は、ポットライフに悪影響を与えることなく改善されるものであった。
EP0403921 EP0470461 EP0939091A1 WO2011/126562A1 EP3594300 WO2004/063242 EP2829562A1 WO2015/13050A1
よって本発明の目的は、ポリアスパラギン酸エステルをベースとする低温硬化ポリウレアコーティングを提供することであり、特に、自動車OEM仕上げ及び自動車再仕上げにおけるクリアコートとして使用することができ、貯蔵時の変色又は黄変を室温(すなわち23℃)及び高温(例えば50℃以下)で、特に一般的に使用されるUV吸収剤及び/又はHALS添加剤の存在下で生じることがなく、技術的に実行が容易であり、低温においてさえ迅速な硬化速度に関して、ポリアスパラギン酸エステルをベースとするポリウレアコーティングの優れた性能に悪影響を及ぼさず、優れた機械的強度及びポットライフを有する、ポリアスパラギン酸エステルベースの多成分コーティング組成物を提供することである。
上記の目的は、特許請求の範囲に記載の主題によって、及び以下に記載するその主題の好ましい実施形態によって、達成される。
従って、本発明の第1の主題は、3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であり、ここで、
a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に溶媒(S2)を含有し、そして
容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に添加剤(AD)を含有するものであり、
溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする。
上記に特定した構成部分一式(kit-of-parts)は、以下、「発明の構成部分一式」又は「本発明の構成部分一式」とも呼ばれ、よって本発明の主題である。
本発明のさらなる主題は、本発明の構成部分一式の少なくとも容器C1、C2、及びC3を混合することによって調製される、コーティング組成物、好ましくはクリアコートコーティング組成物である。
上記に特定したコーティング組成物は、以下、「発明のコーティング組成物」又は「本発明のコーティング組成物」とも呼ぶ。
本発明の別の主題は、少なくとも1つのコーティング層を基材上に調製するための方法を提供することであり、前記方法は、以下の工程:
(1) 任意に、少なくとも1つのベースコート組成物を基材の少なくとも一部に適用して、少なくとも1つのベースコート層を形成する工程、
(2) 本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物、又は本発明のコーティング組成物を、基材の少なくとも一部に、又は工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層に直接適用して、クリアコート層を形成する工程、
(3) 工程(2)で形成されたクリアコート層を硬化させるか、又は工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層が存在する場合には、それを工程(2)で形成されたクリアコート層と一緒に硬化させる工程
を含む。
上記に特定した方法は、以下、「発明の方法」又は「本発明の方法」とも呼ぶ。
本発明のさらなる主題は、本発明の方法によって調製されたコーティング又は多層効果及び/又は色コーティング、及び本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物、又は本発明のコーティング組成物、又はコーティング層を調製するための本発明の方法を、コーティングとして、好ましくはクリアコートとして、自動車の仕上げにおいて、仕上げの修理のために、自動車の再仕上げのために、及び/又は自動車の中又は上に設置するための部品、プラスチック基材、又は商用車のコーティングのために、及び/又は任意の種類の品目のコーティングのために、使用する方法である。
本発明の好ましい実施形態は、以下の記載及び従属請求項から明らかである。
先行技術に照らして、本発明の基礎となる主題が、技術的に容易な解決策によって達成できたことは、当業者にとって驚きであり、且つ予測不可能であった。その解決策は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含む成分を、2成分コーティング組成物において一般的に行われるように、ポリイソシアネート(B)から分離するだけでなく、これに加えて特定の溶媒(S1)及び任意の溶媒(S2)からも分離することである。これら溶媒は本発明の過程において、貯蔵時にポリアスパラギン酸エステルを含む成分の変色又は黄変の主なさらなる理由であるとして同定された。さらに、貯蔵時のポリアスパラギン酸エステルを含む成分の黄変の別の発生源は、特に50℃までの高温において、溶媒(S1)及び溶媒(S2)の添加時に観察された黄変ほど顕著ではないものの、OEM及び/又は再仕上げ用途のためのコーティング組成物中に典型的に添加されるUVA及びHALS添加剤の組み合わせに起因するものとして同定された。
本発明の文脈において公的規格への言及がなされる場合、これは、別段の記載がない限り、出願日に最新であった規格のバージョン、又はその日に最新のバージョンが存在しない場合は、最後の最新バージョンを意味する。
請求項を含む本開示において、他に示す場合を除き、量又は特性を表すあらゆる数は、あらゆる場合において「約」という用語によって前置され、修正されるものと理解されるべきである。よって反対に示されない限り、以下の記載で述べる任意の数値パラメータは、本開示による組成物及び方法において得ようとする所望の特性に応じて変化し得る。少なくとも、そして特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、本明細書に記載された各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、且つ通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。
また、本明細書に記載する任意の数値範囲は、そこに包含されるあらゆる副次的範囲を含むことが意図されている。例えば、「1~10」の範囲は、記載された最小値1と、記載された最大値10との間(及びそれらを含む)のあらゆる副次的範囲、すなわち、最小値が1以上で最大値が10以下である副次的範囲を含むことが意図されている。本明細書に記載する任意の最大数値制限は、その中に包含されるあらゆるより低い数値制限を含むことが意図され、そして本明細書に記載する任意の最小数値制限は、その中に包含されるあらゆるより高い数値制限を含むことが意図される。
本明細書で使用される文法的な冠詞「one」、「a」、「an」、及び「the」には、別段の指示がない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」が含まれることが意図される。よって本明細書では、冠詞は、冠詞の文法的対象の1つ又は複数の(すなわち、少なくとも1つ)を指すのに使用される。本発明の意味における「少なくとも1つ」という用語は、それぞれの化合物が1種類以上の化合物を含む、好ましくは1種類以上の化合物からなることを意味する。例として、「溶媒(S1)」は、1つ以上の溶媒(S1)を意味し、それ故、可能性として、1つを超える溶媒(S1)が考えられ、そして採用され、又は使用される。
本発明の意味における形容詞「任意」には、それぞれの化合物又は成分が存在してもしなくてもよいことを意味する。例として、「容器C2及び/又は容器C3が任意に溶媒(S2)を含有する」場合、前記容器C2及び/又は容器C3は、そのような溶媒(S2)が存在する場合には溶媒(S2)を含んでよく、又は溶媒(S2)が存在しない場合には、そのような溶媒(S2)を含まない。
本発明のこの明細書では、便宜上、「ポリマー」及び「樹脂」は、樹脂、オリゴマー、及びポリマーを包含するように交換可能に使用される。
本発明の構成部分一式
本発明による構成部分一式は、少なくとも3つの別々の成分又は容器C1、C2、及びC3を含む多成分系である。ここでポリアスパラギン酸エステル化合物はアミノ基を有し、このアミノ基はポリイソシアネートの好ましくは遊離又はブロックされていないイソシアネート官能基と、室温でさえ且つ追加の硬化触媒がなくても反応する。少なくともそのポリアスパラギン酸エステル化合物は、望ましくない早期反応を避けるために、適用前に互いに別々に貯蔵しなければならない。驚くべきことに、本発明内では、特定の溶媒(S1)及び溶媒(S2)がポリアスパラギン酸エステル化合物と相互作用し、貯蔵時にポリアスパラギン酸エステル化合物を含む成分の望ましくない変色又は黄変をもたらすことが確認された。故に溶媒(S1)及び任意の溶媒(S2)も、ポリアスパラギン酸エステル化合物と同じ化合物又は容器内に貯蔵されない。溶媒(S1)のイソシアネート反応性基、すなわちヒドロキシル基と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート官能基との間の別の望ましくない反応は、少なくとも溶媒(S1)を含む第3の容器又は成分を提供するという、技術的に簡易な解決策につながる。任意の溶媒(S2)はポリイソシアネートと早期相互作用しないので、溶媒(S2)は、存在する場合、ポリイソシアネート(B)と共に同じ容器又は成分中に貯蔵できるが、第3の成分中に溶媒(S1)と共に貯蔵することが好ましい。さらに、OEM又は再仕上げコーティング組成物において典型的に含まれるUVA及び/又はHALS添加剤の添加剤パッケージは、溶媒(S1)及び溶媒(S2)についてここで示した強い黄変の傾向ほど顕著ではないものの、貯蔵時、特に50℃以下の高温での貯蔵時に、ポリアスパラギン酸エステルを含む化合物の変色又は黄変のさらなる原因であることが確認された。これが理由で、UVA及び/又はHALS添加剤は、存在する場合、好ましくは、第3の成分中に溶媒(S1)と共に含まれる。
容器C1
容器C1は、少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有する。従ってイソシアネート反応性成分(A)は、フィルム形成を担うコーティング組成物の架橋性樹脂、オリゴマー又はポリマーを表す。これらの樹脂には、架橋されたポリマーネットワークを様々なメカニズムによって形成するポリイソシアネート(B)のイソシアネート官能基と反応性である官能基が含まれる。
ポリアスパラギン酸エステル化合物は、ポリアスパルテート又はポリアスパラティックとも呼ばれる。前記化合物は、米国特許第5,821,326号、第5,236,741号、第6,169,141号、第6,911,501号、及び第7,276,572号に従って調製され、これら各開示全体を、参照により本明細書に組み込む。
本発明による使用のための好適なポリアスパラギン酸エステルには、式(I)

X-[NH-C(COOR)R-C(COOR)RH] (I)

(式中、Xは、100℃以下の温度でイソシアネート基に対して不活性であるn価の有機基を表し、好ましくは脂肪族、芳香脂肪族又は脂環式ポリアミン、より好ましくはジアミンからアミノ基を除去することにより得られた基、より好ましくはそれにより得られた炭化水素基であり、
及びRは、同一であるか又は異なり、そして100℃以下の温度でイソシアネート基に対して不活性である有機基、好ましくは、1~9個の炭素原子を含有するアルキル基、及びより好ましくはメチル、エチル又はブチル基を表し、又はR及びRは、β-炭素原子と共に脂環式又は複素環式環を形成し、
及びRは、同一であるか又は異なり、そして水素又は100℃以下の温度でイソシアネート基に対して不活性である有機基を表し、
nは2以上の値の整数、好ましくは2~6、より好ましくは2~4、最も好ましくは2を表す)
に対応するものが含まれる。
これらのポリアスパラギン酸エステルは、WO2011/126562A1に記載されているように、任意に置換されたマレイン酸又はフマル酸エステルをポリアミンと反応させることによって調製される。同文献には、好適な任意に置換されたマレイン酸又はフマル酸エステルが記載されており、これは式(II)

OOC-CR=CR-COOR (II)

(式中、R、R、R及びRは、上に定義した通りである)
に対応する。
ポリアスパラギン酸エステルの調製に使用するのに好適な任意に置換されたマレイン酸又はフマル酸エステルの例には、マレイン酸及びフマル酸のジメチル、ジエチル及びジブチル(例えばジ-n-ブチル)エステル、そして2位及び/又は3位でメチルにより置換された対応するマレイン酸又はフマル酸エステルが含まれる。
ポリアスパラギン酸エステルを調製するのに好適なポリアミンには、式(III)

X-(-NH (III)

(式中、X及びnは、先に定義した通りである)
に対応するものが含まれる。
ポリアミンには、400~約10,000、好ましくは400~約6,000の分子量を有する高分子量アミン、及び400未満の分子量を有する低分子量アミンが含まれる。分子量は数平均分子量(Mn)であり、そして末端基分析(NH数)により決定される。これらのポリアミンの例は、アミノ基が脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族炭素原子に結合しているものである。
好適な低分子ポリアミンには、エチレンジアミン、1,2-及び1,3-プロパンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,3-及び1,4-ブタンジアミン、1,3-及び1,5-ペンタンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジアミン、2,2,4-及び/又は2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、トリアミノノナン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,4-及び/又は2,6-ヘキサヒドロトルイレンジアミン、2,4’-及び/又は4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン(例えば3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン及び3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン)、1,3-及び/又は1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-ビス(メチルアミノ)-シクロヘキサン、1,8-p-メンタンジアミン、ヒドラジン、セミカルバジドカルボン酸のヒドラジド、ビス-ヒドラジド、ビス-セミカルバジド、フェニレンジアミン、2,4-及び2,6-トルイレンジアミン、2,3-及び3,4-トルイレンジアミン、2,4’-及び/又は4,4’-ジアミノジフェニルメタン、アニリン/ホルムアルデヒド縮合反応により得られた高官能性ポリフェニレンポリメチレンポリアミン、N,N,N-トリス-(2-アミノ-エチル)アミン、グアニジン、メラミン、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、3,3’ジアミノ-ベンジジン、ポリオキシプロピレンアミン、ポリオキシ-エチレンアミン、2,4-ビス-(4’-アミノベンジル)-アニリン及びそれらの混合物が含まれる。
好ましいポリアミンは、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)、ビス-(4-アミノシクロ-ヘキシル)メタン、ビス-(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)-メタン、1,6-ジアミノ-ヘキサン、2-メチルペンタメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリアミノ-ノナン、2,4-及び/又は2,6-トルイレンジアミン、及び4,4’-及び/又は2,4’-ジアミノ-ジフェニルメタンである。
好適な高分子量ポリアミンには、既知のポリウレタン、特にポリエーテルのポリヒドロキシル化合物から調製されたものが含まれる。ポリアミンは、ポリヒドロキシル化合物を過剰の後述するポリイソシアネート(B)と反応させてNCOプレポリマーを形成し、続いて末端イソシアネート基をアミノ基に加水分解することによって調製される。好ましくは、ポリアミンは、ポリヒドロキシル化合物の末端ヒドロキシ基をアミノ基に変換することによって、例えばアミノ化によって調製される。好ましい高分子量ポリアミンは、アミン末端ポリエーテル、例えばHuntsman International,LLC社から入手可能なJeffamine(登録商標)樹脂である。
上述の出発材料からのポリアスパラギン酸エステル化合物の調製は、例えば、0~100℃の温度で、少なくとも1つ、好ましくは1つのオレフィン二重結合が各第1級アミノ基に存在するような割合で出発材料を使用して実施される。反応後、過剰の出発材料は蒸留により除去してよい。反応は無溶媒で、又は好適な溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ジオキサン及びこのような溶媒の混合物の存在下で行ってよい。好ましくは、ポリアスパラギン酸エステル化合物は無溶媒である。
好ましくは、約400~3000mPa*s、好ましくは約600~2500mPa*s、非常に好ましくは約800~2000mPa*sの25℃での粘度を有するポリアスパラギン酸エステル化合物を利用する。
別の好ましい実施形態では、ポリアスパラギン酸エステル化合物は、約200~500、好ましくは約210~400、非常に好ましくは約220~300の当量を有する。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、ポリアスパラギン酸エステル化合物は、約150~250、好ましくは約175~225、及び非常に好ましくは約190~210mgKOH/gのアミン価を有する。
開示する本発明において有用性が見出されるポリアスパラギン酸エステル化合物は市販されており、例えば、Covestro社からDesmophen(登録商標)NHとして入手可能である。
イソシアネート反応性成分(A)はまた、さらなる化合物(R)、例えば、イソシアネート反応性基を有し且つ上記のポリアスパラギン酸エステル化合物とは異なる架橋性樹脂、オリゴマー又はポリマーを含んでもよい。このようなさらなるイソシアネート反応性オリゴマー及びポリマーの例には、(i)ポリ(メタ)アクリレート、より具体的にはヒドロキシ官能性及び/又はカルボキシレート官能性及び/又はアミン官能性ポリ(メタ)アクリレート、(ii)ポリウレタン、より具体的にはヒドロキシ官能性及び/又はカルボキシレート官能性及び/又はアミン官能性ポリウレタン、(iii)ポリエステル、より具体的にはポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール、(iv)ポリエーテル、より具体的にはポリエーテルポリオール、(v)前記ポリマー中のコポリマー、及び(vi)それらの混合物が含まれる。「ポリ(メタ)アクリレート」という用語は、ポリアクリレートとポリメタクリレートの両方を指す。従って、ポリ(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートから構成され、そしてさらなるエチレン性不飽和モノマー、例えばアルキル(メタ)アクリレート、スチレン又は(メタ)アクリル酸を含む。「(メタ)アクリロイル」という用語はそれぞれ、本発明の意味において、メタクリロイル化合物、アクリロイル化合物、及びそれらの混合物を包含する。しかしながら好ましくは、容器C1又は容器C1、C2、及び/又はC3には、さらなる化合物(R)は存在しない。
少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物は、好ましくは、約50質量%を超える、好ましくは約65質量%を超える、より好ましくは約80又は90質量%~約100質量%の総量(固形分含量)で、各場合にイソシアネート反応性成分(A)の総質量に基づいて存在する。最も好ましくは、イソシアネート反応性成分(A)は、ポリアスパラギン酸エステル化合物からなる。
少なくとも1つのイソシアネート反応性成分(A)を、好ましくはバインダーの一部としてのポリマー樹脂として、上記の量で使用することにより、優れた品質、特に付着性、再コーティング性、外観、及び低温硬化速度を有するコーティング層の形成が保証される。
本発明の好ましい実施形態では、容器C1は、溶媒(S1)及び/又は溶媒(S2)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は溶媒(S1)及び/又は溶媒(S2)なし)の総量で、各場合に容器C1の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C1は、如何なる溶媒(S1)及び/又は溶媒(S2)も含まない。
本発明の別の好ましい実施形態では、容器C1は、添加剤(AD)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は添加剤(AD)なし)の総量で、各場合に容器C1の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C1は、如何なる添加剤(AD)も含まない。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、容器C1は、溶媒(S1)、溶媒(S2)及び/又は添加剤(AD)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は、溶媒(S1)、溶媒(S2)及び/又は添加剤(AD)なし)の総量で、各場合に容器C1の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C1は、如何なる溶媒(S1)、溶媒(S2)及び/又は添加剤(AD)も含まない。
本発明の特に好ましい実施形態では、容器C1は、i)少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物及び任意の化合物(R)を含む、好ましくはこれらからなるイソシアネート反応性成分(A)、ii)任意のさらなる添加剤(AD2)、及びiii)任意の溶媒(S3)を含み、好ましくはこれらからなる。
容器C2
容器C2は、少なくとも1つのポリイソシアネート(B)を含有する。好ましくは、ポリイソシアネートは、多成分コーティング組成物のハードナー又は硬化剤を表す。そのハードナーは多液型製品の1成分であり、一緒に混合すると、相補的な反応性化合物、すなわちポリマー樹脂との化学反応によって、所望の特性を有するコーティングフィルムを形成する。ポリイソシアネート(B)のイソシアネート官能基は、好適な反応条件下で、イソシアネート反応性成分(A)の相補的イソシアネート反応性官能基、例えばポリアスパラギン酸エステル化合物のアミノ官能基及び任意のさらなる化合物(R)の官能基との架橋反応を受け、バインダーの架橋によってコーティング又はフィルムを形成することができる。さらなる化合物(R)が存在する場合、本発明の構成部分一式は、イソシアネート反応性基を有するさらなる化合物(R)の官能基との化学反応を受けるのみであるさらなる架橋剤も含有してよい。従ってポリイソシアネート及びポリマー樹脂はフィルム形成に関与し、バインダーの大部分を表す。「バインダー」という用語は、本発明の意味において、且つDIN EN ISO4618(ドイツ版、日付:2007年3月)と一致して、好ましくは、硬化時のフィルム形成に関与する本発明の構成部分一式又はコーティング組成物の硬化性の不揮発性画分を指し、これらに含まれる如何なる顔料及びフィラーも除き、そしてより具体的には、ポリアスパラギン酸エステル化合物及びポリイソシアネート(B)とのフィルム形成に関与する任意のさらなる化合物(R)を指す。特定の条件下における蒸発により得られた残渣質量としての不揮発性画分は、実施例のセクションに記載の方法によって決定してよい。
本明細書で使用する用語「ポリイソシアネート」は、2つ以上のイソシアネート基を含有する化合物を指す。本明細書で使用する用語「ジイソシアネート」は、2つのイソシアネート基を含有する化合物を指す。故にジイソシアネートは、ポリイソシアネートの部分集合である。
好ましくは、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基は、ブロックされていない、ブロックされている、又はブロックされていないポリイソシアネートとブロックされているポリイソシアネートとの混合物である。ブロックされていないイソシアネート基は、「遊離」イソシアネート基とも呼ばれることがある。
ブロックされていないポリイソシアネート、すなわち、少なくとも2つの遊離イソシアネート基を含有する化合物を使用することが特に好ましい。
少なくとも1つのポリイソシアネート(B)は、脂肪族イソシアネート官能性材料と脂環式イソシアネート官能性材料との組み合わせを含んでよい。脂肪族イソシアネート官能性材料は、脂肪族ジイソシアネートとヒドロキシ官能性エーテル化合物との反応生成物を含んでよい。脂環式イソシアネート官能性材料は、脂環式ジイソシアネートと単官能アルコール化合物との反応生成物を含んでよい。脂肪族イソシアネート官能性材料及び脂環式イソシアネート官能性材料はそれぞれ、イソシアヌレート、イミノオキサジアジン、ウレトジオン、アロファネート、ビウレット及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含んでもよい。脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料は、2より大きいイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートから製造してもよく、及び/又はそれを含んでもよい。
イソシアヌレートは、ポリイソシアネートの環状三量化によって調製してよい。三量化は、例えば、3当量のポリイソシアネートを反応させて、1当量のイソシアヌレート環を生成することによって行われる。ポリイソシアネートの3当量は、同じポリイソシアネート化合物の3当量を含んでよく、又は2つ又は3つの異なるポリイソシアネート化合物の様々な混合物を含んでもよい。三量化触媒として、例えば、ホスフィン、マンニッヒ塩基、及び第3級アミン、例えば、1,4-ジアザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアルキルピペラジン等の化合物を使用してよい。イミノオキサジアジンは、ポリイソシアネートの非対称環状三量化によって調製してよい。ウレトジオンは、ポリイソシアネートの二量化により調製してよい。アロファネートは、ポリイソシアネートとウレタンの反応によって調製してよい。ビウレットは、2当量のポリイソシアネートに少量の水を加え、ビウレット触媒の存在下でわずかに上昇させた温度で反応させることにより調製してよい。ビウレットは、ポリイソシアネートと尿素の反応によって調製してもよい。
イソシアヌレート、イミノオキサジアジン、ビウレット、ウレトジオン及びアロファネートの製造において有用性が見出され、そして脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料の製造において、少なくともポリアスパラギン酸エステルを含むポリマー樹脂との架橋剤として使用するためのポリイソシアネートとしての有用性が見出されるポリイソシアネートには、脂肪族及び脂環式ジイソシアネート、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2’,5トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」)、4,4’-ジイソシアナトシクロヘキシルメタン(「HMDI」)、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート又は「IPDI」)、ビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(「H12MDI」)、ビス-(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)メタン、1,1,6,6-テトラメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、p-又はm-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、及びこれらの任意の組み合わせが含まれる。先に述べたポリイソシアネートの可撓性は、前記脂肪族及び脂環式ポリイソシアネートのポリオール及び/又はポリエステル、例えば、旭化成からDuranate(商標)として市販されているポリオール及び/又はポリエステル鎖延長HDI及びIPDIなどによる鎖延長によって改善される。脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料の製造において有用性が見出されるさらなるポリイソシアネート(様々なジイソシアネートを含む)には、米国特許第4,810,820号、第5,208,334号、第5,124,427号、第5,235,018号、第5,444,146号、及び第7,038,003号に記載のポリイソシアネートが含まれ、これら各々の全体を参照により本明細書に組み込む。上記で特定され組み込まれたポリイソシアネートの任意の組み合わせも、脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料を製造するために使用してよい。
ポリイソシアネート(B)は、脂肪族イソシアネート官能性材料として、15を超えるNCO含有量を有することが好ましいヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(HDIホモポリマー)をベースとする脂肪族イソシアネートポリマー、及び/又は10を超えるNCO含有量を有することが好ましいヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をベースとする脂肪族イソシアネートポリマーを含んでよい。
本発明の好ましい実施形態では、ポリイソシアネート(B)は、約80mPa*s~500mPa*s、好ましくは約100~300mPa*sの25℃における粘度を有する第1の脂肪族イソシアネート官能性材料、約500mPa*s~1500mPa*s、好ましくは約800mPa*s~1300mPa*sの25℃における粘度を有する第2の脂肪族イソシアネート官能性材料、及び脂環式イソシアネート官能性材料を含み、好ましくはこれらからなる。
HDlベースの脂肪族イソシアネート官能性材料は、少なくとも4の平均イソシアネート官能価、-40℃未満のガラス転移温度、及び/又は10質量%未満の%NCOを含んでいてよい。HDIベースの脂肪族イソシアネート官能性材料は、HDIイソシアヌレート三量体を本質的に含まなくてよい。
ポリイソシアネート(B)は、平均イソシアネート官能価が少なくとも2.3、ガラス転移温度が25℃~65℃の間、及び/又は%NCOが10質量%~47質量%であるIPDlベースの脂環式イソシアネート官能性材料を含んでよい。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのポリイソシアネート(B)は、約1~60質量%、好ましくは約5~50質量%、より好ましくは約10~40質量%、非常に好ましくは約15~40質量%の総量で、各場合に構成部分一式の総質量に基づいて存在する。
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのポリイソシアネート(B)は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの脂肪族イソシアネート官能性材料と少なくとも1つの脂環式イソシアネート官能性材料とを含み、好ましくは脂環式イソシアネート官能性材料は、約50質量%を超える、好ましくは約60質量%を超える、非常に好ましくは約70質量%を超える総量で、各場合にポリイソシアネート(B)に含有される脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料の総質量に基づいて存在する。
本発明の好ましい実施形態では、容器C2は、溶媒(S1)及び/又は添加剤(AD)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は溶媒(S1)及び/又は添加剤(AD)なし)の総量で、各場合に容器C2の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C2は、如何なる溶媒(S1)及び/又は添加剤(AD)も含まない。
本発明の別の好ましい実施形態では、容器C2は、溶媒(S2)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は溶媒(S2)なし)の総量で、各場合に容器C2の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C2は、如何なる溶媒(S2)も含まない。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、容器C2は、溶媒(S1)、溶媒(S2)、及び/又は添加剤(AD)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%(又は溶媒(S1)、溶媒(S2)、及び/又は添加剤(AD)なし)の総量で、各場合に容器C2の総質量に基づいて含む。故に、最も好ましくは、容器C2は、如何なる溶媒(S1)、溶媒(S2)及び/又は添加剤(AD)も含まない。
本発明の特に好ましい実施形態では、容器C2は、i)ポリイソシアネート(B)、ii)任意のさらなる添加剤(AD2)、及びiii)任意の溶媒(S3)を含み、好ましくはこれらからなる。
容器C3
容器C3は、少なくとも1つの溶媒(S1)を含有する。溶媒(S1)は、本発明の意味において、且つDIN EN ISO4618(英語版、日付:2015年1月)と一致して、好ましくは、単一の液体又は液体のブレンドを指し、これは所定の使用条件下で揮発性であって、コーティング材料又は組成物に添加され、粘度を低下させるか又は他の特性に影響を与える。従って溶媒(S1)はシンナーを表す。
容器C3は、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択される少なくとも1つの溶媒(S1)を含有する。
本発明によるモノアルコールは、飽和炭素原子に結合した1個のヒドロキシル官能基(OH)を有する有機化合物であり、ここで飽和炭素原子は、アルキル基Rの一部である。前記モノアルコールは、一般式R-OHで表され、そして第1級(RCHOH)、第2級(RCHOH)及び第3級(RCOH)アルコールが含まれる。
本発明によるアルコキシモノアルコールは、一般式R”-O-R’OH(式中、R’及びR”はアルキル基を表す)の有機化合物である。故に、アルコキシモノアルコールは有機化合物として記載してもよく、ここで一般式R”-Oを有するアルコキシ基が、一般式R’-OHで表されるモノアルコールに結合している。
本発明によるモノアルコール及びアルコキシモノアルコールを表す一般式のアルキル基R、R’及びR”は、互いに独立して、脂肪族炭化水素に由来する一般式C2m+1の1価のラジカルの任意の系列である。本明細書において使用する「脂肪族」という用語は、構成炭素原子の置換又は非置換の直鎖、分岐鎖、及び/又は環状鎖の配置を特徴とする有機化合物を指す。脂肪族化合物は、化合物の分子構造の一部として芳香族環を含有しない。本明細書において、「脂環式」という用語は、閉環構造における炭素原子の配置によって特徴付けられる有機化合物を指す。脂環式化合物は、化合物の分子構造の一部として芳香環を含有しない。故に脂環式化合物は、脂肪族化合物の部分集合である。よって脂肪族組成物は、脂肪族化合物及び/又は脂環式化合物を含んでよい。
本発明において好ましくは、モノアルコール及びアルコキシモノアルコールのアルキル基R、R’、及びR”は、構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する。
本発明において、1個以上、より好ましくは2~6個、さらにより好ましくは3~4個、又は最も好ましくは4個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来するモノアルコール及びアルコキシモノアルコールのアルキル基R及びR”、及び1個以上、より好ましくは2~6個、さらにより好ましくは2~3個、又は最も好ましくは2個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来するアルキル基R’が、特に好ましい。
本発明により溶媒(S1)として特に好適なモノアルコールの非限定的な例は、メタノール、エタノール、n-及びイソ-プロパノール、及び1-ブタノール(n-ブタノール)、2-ブタノール(sec-ブタノール)、2-メチルプロパン-1-オール(イソ-ブタノール)、及び2-メチルプロパノール(tert-ブタノール)を含むブタノールであり、特に好ましいのはn-及びイソ-プロパノール、及びn-、sec-及びイソ-ブタノール、最も好ましくはイソ-ブタノールである。
本発明により溶媒(S1)として特に好適なアルコキシモノアルコールの非限定的な例はグリコールエーテルであり、ここでグリコールエーテルはエチレングリコール又はプロピレングリコールのアルキルエーテルをベースとする有機化合物の一群であり、例えば2-ブトキシエタノールである。
本発明の最も好ましい実施形態では、溶媒(S1)は、2-メチルプロパン-1-オール(イソ-ブタノール)及び2-ブトキシエタノールから選択される。
好ましくは、少なくとも1つの溶媒(S1)は、30質量%以下、好ましくは0.01~20質量%、非常に好ましくは0.1~10質量%の総量で、各場合に構成部分一式の総質量に基づいて存在する。
本発明の別の好ましい実施形態では、溶媒(S1)は、80質量%を超える、好ましくは90質量%を超える、より好ましくは95又は98質量%~100質量%、最も好ましくは100質量%の総量で、各場合に構成部分一式中の溶媒(S1)の総質量に基づいて容器C3中に存在する。故に、最も好ましくは、構成部分一式の総質量又は全体に存在する溶媒(S1)の総量が、容器C3内に含まれる。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、容器C3は、i)溶媒(S1)、ii)添加剤(AD)、iii)任意の溶媒(S2)、iv)任意の溶媒(S3)、及びv)任意の添加剤(AD2)を含み、好ましくはこれらからなる。
溶媒(S2)
本発明の構成部分一式は、容器C2及び/又はC3中に少なくとも1つの溶媒(S2)をさらに含むことができ、ここで溶媒(S2)はケトンを表す。存在する場合、溶媒(S2)は、好ましくは容器C3に含有される。溶媒(S2)は、本発明の意味において、且つDIN EN ISO4618(英語版、日付:2015年1月)と一致して、好ましくは、単一の液体又は液体のブレンドを指し、これは所定の乾燥条件下で揮発性であり、且つこれにバインダーが溶解する。溶媒(S2)は、室温(すなわち23℃)で液体である。
本発明によるケトンは、一般式RC(=O)Rで表される官能基を有する有機化合物であり、式中、R及びRは、カルボニル基C=O(炭素-酸素二重結合)に直接結合した種々の炭素含有置換基であり、対称(置換基R及びRが同一)及び非対称のケトン(置換基R及びRが異なる又は同一ではない)が含まれる。好ましくは、本発明によるケトンは非対称である。
好ましくは、本発明による炭素含有置換基R及びRはアルキル基である。本発明によるアルキル基R又はRは、脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列である。故にアルキル基R及びRは、飽和基である。本明細書において使用する「脂肪族」という用語は、構成炭素原子の置換又は非置換の直鎖、分岐鎖、及び/又は環状鎖の配置を特徴とする有機化合物を指す。脂肪族化合物は、化合物の分子構造の一部として芳香族環を含有しない。本明細書において、「脂環式」という用語は、閉環構造における炭素原子の配置によって特徴付けられる有機化合物を指す。脂環式化合物は、化合物の分子構造の一部として芳香環を含有しない。故に脂環式化合物は、脂肪族化合物の部分集合である。よって脂肪族組成物は、脂肪族化合物及び/又は脂環式化合物を含んでよい。
本発明において好ましくは、アルキル基R及びRは、構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列である。
本発明において、アルキル基R及びRが、互いに独立して、構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列であることが特に好ましく、ここでR及び/又はRは、1個以上、より好ましくは1~5個、さらにより好ましくは1又は5個の炭素原子を含有するアルキル基C2p+1である。
本発明において、アルキル基R及びRが、互いに独立して、構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列であることが特に好ましく、ここでR及び/又はRは、1個以上、より好ましくは1~5個、さらにより好ましくは1又は5個の炭素原子を含有するアルキル基C2p+1である。
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明によるケトンは非対称であり、そして官能基R及びRを有する。ここでR及びRは互いに独立して、構成炭素原子の直鎖又は分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列であり、R及び/又はRは、1個以上、より好ましくは1~5個、さらにより好ましくは1又は5個の炭素原子を含有するアルキル基C2m+1である。
本発明の別の好ましい実施形態では、溶媒(S2)は、一般式RC(=O)Rで表される非対称ケトンから選択され、式中、R及びRはカルボニル基C=O(炭素-酸素二重結合)に直接結合した同一ではないアルキル基であり、R(又はRのそれぞれ)は、1~4個、好ましくは1~3個、より好ましくは1又は2個、最も好ましくは1個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖状配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列であり、そしてR(又はRのそれぞれ)は、1~6個、好ましくは3~6個、より好ましくは4又は5~6個、最も好ましくは5個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖又は分岐状の、好ましくは分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列である。
従って溶媒(S2)として本発明により特に好適なケトンの非限定的な例は、一般式RC(=O)Rで表される非対称ケトンから選択され、Rは、メチル、エチル、n-及びイソ-プロピル、及びn-ブチル、ブタン-2-イル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)及びtert-ブチルを含むブチルから選択される、特に好ましくはメチルである置換基であり、そしてRはメチル、エチル、n-及びイソ-プロピル、n-ペンチル、2-メチルブタン-2-イル(tert-ペンチル)、2,2-ジメチルプロピル(ネオ-ペンチル)、3-メチルブチル(イソ-ペンチル)、ペンタン-2-イル(sec-ペンチル)、ペンタン-3-イル(3-ペンチル)、3-メチルブタン-2-イル(sec-イソペンチル)及び2-メチルブチル(活性ペンチル)を含むペンチル、及びn-、イソ-、tert-及びネオ-ヘキシルを含むヘキシル、特に好ましくはn-ペンチル、2-メチルブタン-2-イル(tert-ペンチル)、2,2-ジメチルプロピル(ネオ-ペンチル)、及び3-メチルブチル(イソ-ペンチル)から選択される置換基である。
本発明の最も好ましい実施形態では、溶媒(S2)は、5-メチルヘキサン-2-オン(MIAK)である。
溶媒(S2)が構成部分一式に少しでも含まれる場合、少なくとも1つの溶媒(S2)は、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、非常に好ましくは10質量%以下の総量で、各場合に構成部分一式中の総質量に基づいて存在することが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態では、溶媒(S2)は、容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3中に、80質量%を超える、好ましくは90質量%を超える、より好ましくは95又は98質量%~100質量%、最も好ましくは100質量%の総量で、各場合に構成部分一式中の溶媒(S2)の総質量に基づいて存在する。故に、最も好ましくは、構成部分一式の総質量又は全体に存在する溶媒(S2)の総量が、容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3内に含有される。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、容器C1及び/又は容器C2は、溶媒(S2)を5質量%未満、好ましくは1質量%未満、非常に好ましくは0質量%(又は溶媒(S2)なし)の総量で、各場合に容器C1及び/又は容器C2の総質量に基づいて含有する。最も好ましくは、容器C1及び容器C2は、溶媒(S2)を含有しないか、又は溶媒(S2)を含まない。
故に、本発明の別の好ましい実施形態は、3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であり、ここで、
a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、溶媒(S2)を含有し、そして
容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に添加剤(AD)を含有するものであり、
溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする。
溶媒(S3)
本発明の構成部分一式は、さらに、容器C1、C2、及び/又はC3の任意の1つに、「溶媒」、「希釈剤」及び「シンナー」のクラスから選択され、溶媒ベースのコーティング組成物に一般的に使用される溶媒(S1)及び溶媒(S2)とは異なるか又は同一でない、少なくとも1つのさらなる溶媒(S3)、例えばブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロパニルアセテート(MPA)、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、Solvesso100又はHydrosol(登録商標)(APAL社から)、エステル、例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテート又はエチルエトキシプロピオネート、アミド、メチラール、ブチラール、1,3-ジオキソラン、グリセロールホルマール、炭化水素、及びこれらの混合物を含むことができる。好ましい有機溶媒(S3)はエステルであり、非常に好ましくはn-ブチルアセテート及び/又は1-メトキシプロピルアセテート及び/又は2-ブトキシエチルアセテートである。
「希釈剤」という用語は、本発明の意味において、且つDIN EN ISO4618(英語版、日付:2015年1月)と一致して、好ましくは、単一又はブレンドされた揮発性液体を指し、これは、バインダーが溶解する「溶媒」ではないが、バインダーが溶解する「溶媒」と併用してよく、如何なる有害な影響も生じない。本発明による「シンナー」及び「溶媒」という用語は、溶媒(S1)及び溶媒(S2)のセクションにおいて、上でさらに定義されている。
溶媒(S1)、溶媒(S2)及び溶媒(S3)は互いに異なるか、又は、換言すれば、同一の化合物ではない。
添加剤(AD)
本発明の構成部分一式の容器C1及び/又はC3、好ましくは容器C3は、UV吸収剤(UVA)及び/又はヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される1つ以上の添加剤(AD)を含んでよい。
UV吸収剤(UVA)は一般に、有害なUV光を吸収し、それを無害な熱に変換することができる有機分子であり、そして2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール(BTZ)、2-ヒドロキシベンゾフェノン(BP)、ヒドロキシフェニル-s-トリアジン(HPT)、及びオキサニリド、又はこれらの混合物のクラスからのUV吸収剤が含まれる。本発明の構成部分一式における使用に好適なUVAは、ポリマー及び塗料における使用で当業者に知られているあらゆる市販のUVAであり、そして例えば、VALET Andreas,BRAIG Adalbert,Light Stabilizers for Coatings,Hannover:Vincentz Network,2017年、改訂第2版、第23~35頁に記載されており、これらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。開示する本発明において有用性が見出されるUV吸収剤は、例えば、Tinuvin(登録商標)としてBASF社から市販されている。
好ましくは、UVAは2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール(BTZ)のUV吸収剤クラスから選択される。そのような好ましいUV吸収剤(UVA)の例には、限定するものではないが、Tinuvin(登録商標)384が含まれる。
ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、市販のポリマーを安定化するために使用される立体障害アミンであり、最も一般的には2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの誘導体である。本発明の構成部分一式で使用するためのHALSは、ポリマー及び塗料における使用で当業者に知られているあらゆる市販のHALSであり、例えば、VALET Andreas,BRAIG Adalbert,Light Stabilizers for Coatings,Hannover:Vincentz Network,2017年、改訂第2版、第36~45頁に記載されており、この開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。開示する本発明において有用性が見出されるHALSは、例えば、Tinuvin(登録商標)としてBASF社から市販されている。
好ましいHALSには、限定するものではないが、Tinuvin(登録商標)123、Tinuvin(登録商標)144、及びTinuvin(登録商標)292が含まれ、これらはすべてBASF社から市販されている。
本発明の特に好ましい実施形態では、添加剤(AD)は、UVA及び/又はHALSから選択され、UVAは2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾールであり、そしてHALSは、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートの混合物である。
存在する場合、少なくとも1つの添加剤(AD)は、0.001~10質量%の総量、好ましくは0.01~5質量%の総量、非常に好ましくは0.1~1質量%の総量で、各場合に構成部分一式の総量に基づいて含まれることが好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、添加剤(AD)は、少しでも存在する場合、容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3に、80質量%を超える、好ましくは90質量%を超える、より好ましくは95又は98質量%~100質量%、最も好ましくは100質量%の総量で、各場合に構成部分一式中の添加剤(AD)の総質量に基づいて含有される。故に、最も好ましくは、構成部分一式の総質量又は全体の添加剤(AD)(存在する場合)の総量が、容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3内に含有される。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、容器C2は、添加剤(AD)を5質量%未満、好ましくは1質量%未満、非常に好ましくは0質量%(又は添加剤(AD)なし)の総量で、各場合に容器C2の総質量に基づいて含有する。最も好ましくは、容器C2は添加剤(AD)を含有しない。
故に、本発明の別の好ましい実施形態は、3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であり、ここで、
a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に溶媒(S2)を含有し、そして
容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、添加剤(AD)を含有するものであり、
溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする。
本発明の別の明白に好ましい実施形態は、3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であり、ここで、
a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、溶媒(S2)を含有し、そして
容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、添加剤(AD)を含有するものであり、
溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする。
本発明のなお別の明白に好ましい実施形態は、3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であり、ここで、
a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
容器C3は、溶媒(S2)を含有し、そして
容器C3は、添加剤(AD)を含有するものであり、
溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする。
さらなる添加剤(AD2)
本発明の構成部分一式は、容器C1、C2、及び/又はC3の任意の1つに、コーティング組成物、好ましくはクリアコーティング組成物に慣例的に含有される少なくとも1つのさらなる添加剤(AD2)をさらに含むことができる。添加剤(AD2)は、添加剤(AD)と同一ではない。添加剤(AD2)の例は、以下のとおりである:
- スリップ添加剤
- 表面処理されたシリカのナノ粒子分散体
- 酸化防止剤、例えば立体障害フェノール酸化防止剤及び有機リン酸化防止剤
- 重合阻害剤
- 消泡剤
- 湿潤剤、例えばシロキサン、フッ素化合物、カルボン酸モノエステル、リン酸エステル、ポリアクリル酸及びこれらのコポリマー、又はポリウレタン
- 付着促進剤、例えばトリシクロデカンジメタノール
- 流れ制御剤
- フィルム形成補助剤、例えばセルロース誘導体
- フィラー、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子、さらなる詳細については、Roempp Lexikon「Lacke and Druckfarben」Georg Thieme Verlag,Stuttgart,1998年、第250~252頁を参照
- レオロジー制御添加剤、例えば特許WO94/22968、EP-A-0276501、EP-A-0249201又はWO97/12945から公知の添加剤、架橋ポリマー微粒子、例えばEP-A-0008127に開示されているもの、無機フィロシリケート、例えばモンモリロナイト型のアルミニウム-マグネシウムシリケート、ナトリウム-マグネシウム及びナトリウム-マグネシウム-フッ素-リチウムフィロシリケート、Aerosils(登録商標)などのシリカ、又はイオン性及び/又は会合性基を含有する合成ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン-無水マレイン酸コポリマー又はエチレン-無水マレイン酸コポリマー及びそれらの誘導体、又は疎水的に修飾されたエトキシル化ウレタン又はポリアクリレート
- 難燃剤、及び/又は
- 水スカベンジャ―
- 硬化触媒
- 顔料。
本発明によれば、構成部分一式が、容器C1、C2、及び/又はC3の任意の1つに、硬化触媒から選択される少なくとも1つの添加剤(AD2)を含む場合が有利である。前記硬化触媒は、主に、ポリイソシアネート(B)の官能基と、少なくとも1つのイソシアネート反応性成分(A)、例えばポリアスパルテートエステルベースの化合物の相補的な反応性官能基又はさらなる化合物(R)との間の反応を触媒するのに役立つ。少なくとも1つの触媒は、好ましくは、ビスマスカルボキシレート、リチウムカルボキシレート、スズカルボキシレート、スズメルカプチド、ジルコニウムキレート、アルミニウムキレート、亜鉛錯体、亜鉛カルボキシレート、第3級アミン、及びこれらの混合物から、より好ましくはスズカルボキシレートから、非常に好ましくはジオクチルスズジラウレート及び/又は1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンから選択される。
さらに、本発明によれば、本発明の構成部分一式が、容器C1、C2、及び/又はC3の任意の1つ、好ましくは容器C1に、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体から選択される少なくとも1つの添加剤(AD2)を含む場合が有利である。表面処理されたシリカナノ粒子の前記分散体は、例えば、BYK Additives&Instruments社から、NanoBYK、すなわちNanoBYK3650及び3652として市販されている。好ましくは、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体から選択されるこのような添加剤(AD2)は、0.5~5.0質量%、より好ましくは0.9~4.5質量%、さらにより好ましくは1.5~3.0質量%の総量で、各場合に本発明の構成部分一式の総量に基づいて存在する。
好ましくは、本発明の構成部分一式は、さらなる酸化防止剤を含有しないか、又は立体障害フェノール酸化防止剤及び/又は有機リン酸化防止剤を含む酸化防止剤成分を含まない。
本発明の別の好ましい実施形態では、構成部分一式は如何なるヒドロペルオキシド分解剤も含まない。
少なくとも1つの添加剤(AD2)は、好ましくは、30%以下の総量で、非常に好ましくは20%以下の総量で、各場合に本発明の構成部分一式の総量に基づいて存在する。
本発明の構成部分一式は、ベースコート、トップコート又はプライマーを調製するために使用してもよい。よって本発明の構成部分一式は、効果顔料を含む顔料、及び任意にフィラーを含有することができる。
ベースコート及びトップコートコーティング組成物に利用してよい効果顔料の非限定的な例には、金属、真珠光沢、及び色可変効果フレーク顔料が含まれる。金属(真珠光沢、及び色可変を含む)トップコートの色は、1つ以上の特別なフレーク顔料を使用して製造される。金属ベースコートの色は、アルミニウムフレーク顔料、コーティングされたアルミニウムフレーク顔料、銅フレーク顔料、亜鉛フレーク顔料、ステンレス鋼フレーク顔料、及び青銅フレーク顔料のような金属フレーク顔料を使用して、及び/又は二酸化チタンでコーティングされた雲母顔料及び酸化鉄でコーティングされた雲母顔料のような処理された雲母を含む真珠光沢フレーク顔料を使用して製造され、異なる角度で見たときに異なる外観(反射率の程度又は色)をコーティングに与える。金属フレークは、コーンフレーク型、レンズ状、又は循環抵抗性であってよく、雲母は、天然、合成、又は酸化アルミニウム型であってよい。フレーク顔料は凝集せず、そして高剪断下で粉砕されない。なぜなら、高剪断はフレーク又はその結晶形態を壊し又は曲げ、ゴニオアパレント効果を減少させるか又は破壊するからである。フレーク顔料は、低剪断下で攪拌することにより、バインダー成分中に十分に分散される。フレーク顔料(単数又は複数)は、コーティング組成物中に約0.01質量%~約50質量%又は約15質量%~約25質量%の量で、各場合に総バインダー質量に基づいて含まれていてよい。市販のフレーク顔料の非限定的な例には、BASF Corporation社から入手可能なPALIOCROME(登録商標)顔料が含まれる。
ベースコート及びモノコートトップコートコーティング組成物に利用してよい他の好適な顔料及びフィラーの非限定的な例には、無機顔料、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、黄土、シエナ土、アンバー、ヘマタイト、リモナイト、赤色酸化鉄、透明赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、茶色酸化鉄、酸化クロムグリーン、ストロンチウムクロメート、亜鉛ホスフェート、シリカ、例えばヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、重晶石、フェリックアンモニウムフェロシアニド(プルシアンブルー)、及びウルトラマリン、及び有機顔料、例えば金属化及び非金属化アゾレッド、キナクリドンレッド及びバイオレット、ペリレンレッド、銅フタロシアニンブルー及びグリーン、カルバゾールバイオレット、モノアリーリド及びジアリーリドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムに基づくナノ粒子等が含まれる。顔料(単数又は複数)は、好ましくは、樹脂又はポリマー中に、又は顔料分散剤、例えば前述の種類のバインダー樹脂を用いて、既知の方法により分散させる。一般に、顔料及び分散樹脂、ポリマー、又は分散剤は、十分に高いせん断下で接触させて、顔料凝集体を一次顔料粒子まで分解し、そして顔料粒子の表面を分散樹脂、ポリマー、又は分散剤で濡らす。凝集体の分解及び一次顔料粒子の濡れは、顔料の安定性及び発色に重要である。顔料及びフィラーは、コーティング組成物の総質量に基づいて、典型的には約60質量%以下の量で利用してよい。使用する顔料の量は、顔料の性質、及び生成しようとする色の深度及び/又は効果の強度、及び顔料系コーティング組成物中の顔料の分散性にも依存する。顔料含有量は、各場合に顔料系コーティング組成物の総質量に基づいて、好ましくは0.5質量%~50質量%、より好ましくは1質量%~30質量%、非常に好ましくは2質量%~20質量%、及びより具体的には2.5質量%~10質量%である。
本発明の特に好ましい実施形態では、本発明の構成部分一式は、透明な顔料系トップコートコーティング組成物(色付きクリアコート)、及び顔料を含まないクリアコートコーティング組成物を調製するために使用してもよい。従って本発明の構成部分一式は、透明な顔料系トップコートコーティングを作るのに必要なガラスフレークを含有することもできる。ガラスフレークは、好ましくは、コーティング組成物の総質量に基づいて、0.001~0.8質量%の量で存在する。このような色付きクリアコートは、コーティング、好ましくは多層コーティングで車両又は他の表面をコーティングする際に達成できる装飾効果の幅を拡大するために、ますます頻繁に使用されている。
本発明の構成部分一式から調製された本発明のコーティング組成物
本発明のコーティング組成物は多液型製品であり、ここで「多液型製品」という用語は、2つ以上、例えば3つの別々の成分又は容器で供給され、製造者によって特定された割合で使用前に混合しなければならないコーティング材料又はコーティング組成物を説明するものである。
一般に、そのような多液型製品のポリマー樹脂及びハードナー又は硬化剤は、適用の直前にのみ混合される。「適用の直前」という用語は、当業者には周知である。実際の適用前に成分を混合することによってすぐに使用できるコーティング組成物が調製される時間的な期間は、コーティング用途のポットライフに依存する。
本発明によるコーティング組成物は、本発明の構成部分一式から、構成部分一式の少なくとも3つの別々の容器C1、C2、及びC3を混合することによって調製される。この方式で調製されたコーティング組成物は、適用にすぐに使用可能である。
好ましくは、本発明の構成部分一式から調製された本発明のコーティング組成物は、クリアコートコーティング組成物である。
本発明の或る特定の実施形態では、コーティング組成物は、容器C1、C2、及びC3を含む本発明の構成部分一式から調製してよく、これは、少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物を含む、好ましくはポリアスパラギン酸エステル化合物からなるイソシアネート反応性成分(A)を含む容器C1、及びポリイソシアネート(B)を含む容器C2を、約0.5:10~10:0.5、ある実施形態では約0.5:5~5:0.5、ある実施形態では約0.5:3~3:0.5、ある実施形態では約0.5:1.5~1:0.5、及びある実施形態では1:1のNH:NCO比で混合することにより行う。イソシアネート反応性成分(A)が、ポリアスパラギン酸エステル化合物に加えて、OH基などのイソシアネート反応性基を有するさらなる化合物(R)も含有する場合、上記のNH及びさらなるイソシアネート反応性基:NCOの比に従うため、当業者は、ポリアスパラギン酸エステル化合物のNH官能基の量を、さらなる化合物(R)のさらなるイソシアネート反応性官能基、例えばOH基を考慮に入れて調節することができる。
本発明の別の好ましい実施形態では、コーティング組成物は、本発明の構成部分一式から、容器C1、C2、及びC3を、約100:90:5~100:110:50、好ましくは約100:100:20~100:100:40の体積比v/v/vで混合することによって、調製してよい。
混合は手動で行ってよく、適切な量の第1の成分A)を容器に導入し、対応する量の第2の成分B)、第3の成分C)、及び任意のさらなる成分と混合する。しかしながら、3つ以上の成分の混合は、自動混合システムによって自動的に行うこともできる。このような自動混合システムは、混合ユニット、より具体的にはスタティックミキサー、及びイソシアネート反応性成分(A)、ポリイソシアネートを含有する第2の成分(B)、及び溶媒(S1)を供給するための少なくとも3つの装置、より具体的にはギアポンプ及び/又は圧力弁を含むことができる。スタティックミキサーは、市販のヘリカルミキサーでよく、これは噴霧器の約50~100cm前の材料供給ラインに設置される。好ましくは、3つの成分の十分な混合を得るために、12~18個の混合要素(各要素は長さ1cm、直径6~8mm)を使用する。材料供給ラインの詰まりを防ぐために、ヘリカルミキサーだけでなく、下流のホースライン及び噴霧器も7~17分ごとに第1の成分で洗浄される(flushed)ように、混合ユニットがプログラムされているのが好ましい。組成物がロボットによって適用される場合、この洗浄操作は、ロボットヘッドが予め設定された静止位置にあるときに行われる。ホースラインの長さに応じて、約50~200mlがキャッチ容器に廃棄される。この手順の好ましい変形は、混合された離型剤組成物の半連続的な搬送である。組成物を定期的に(7~17分毎に、同様にキャッチ容器中に)強制的に出す場合、廃棄物の量を最小(約10~50ml)に低減することが可能である。さらに、洗浄対象のミキサーから噴霧器までのホースライン及び噴霧器に提供してもよい。この洗浄操作は、特にシステムの長時間のダウンタイム後又はシフトの終了時に行うことが、機器の長寿命及び組成物の継続した品質を確実とするために好ましい。
手動混合の場合、及び自動混合のための成分を供給する場合の両方において、別々の成分は、好ましくはそれぞれ15~70℃、より好ましくは15~40℃、より具体的には20~30℃の温度を有する。
本発明のコーティング組成物は、フィルム形成組成物であり、そしてクリアコート、ベースコート、トップコート又はプライマーとして好適である。よって本発明のコーティング組成物は、効果顔料、ガラスフレーク、及び任意にフィラーを含む顔料を含有することができる。
本発明のコーティング組成物の特に好ましい実施形態は、透明な顔料系トップコートコーティング組成物(色付きクリアコート)、及び顔料を含まないクリアコートコーティング組成物の形態である。
本発明による構成部分一式について述べたことは、本発明のコーティング組成物のさらなる好ましい実施形態に関して、特に、少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物及び任意のさらなる化合物(R)を含むイソシアネート反応性成分(A)、ポリイソシアネート(B)、溶媒(S1)、添加剤(AD)、及び任意の成分、例えば溶媒(S2)、溶媒(S3)、及び表面処理されたシリカナノ粒子の分散体及び/又は触媒を含む添加剤(AD2)の好ましい実施形態に関して、準用される。
少なくとも1つのコーティング、好ましくは多層コーティングを基材上に調製するための発明の方法
本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物、又は本発明のコーティング組成物は、好ましくは、クリアコート組成物として、コーティング、好ましくは多層コーティングを基材上に調製する方法において使用される。
従って本発明の第3の主題は、基材(S)上に少なくとも1つのコーティングを製造する方法であって、この方法は、以下の工程を含む:
工程(1):少なくとも1つのベースコート組成物を、基材(S)の少なくとも一部に適用して、少なくとも1つのベースコート層を形成する任意の工程、
工程(2):本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物又は本発明のコーティング組成物を、コーティング対象の基材(S)の少なくとも一部に、又は直接工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層に適用して、コーティング層、好ましくはクリアコート層を形成する工程、
工程(3):工程(2)で形成されたコーティング層を硬化させるか、又は工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層(存在する場合)と、工程(2)で形成されたコーティング層とを一緒に硬化させる工程。
工程(1):
本発明のコーティング方法の任意の工程(1)において、ベースコート組成物を基材(S)の少なくとも一部に適用して、ベースコート層を形成する。コーティング層の形成は、好ましくは、適用したコーティング組成物をフラッシュオフすることによって実施する。これは、通常、例えば5~120℃、好ましくは5~45℃又は15~25℃の範囲の温度、約10~100%、好ましくは約40~70%の相対湿度で、30秒~30分間の持続時間の、組成物中に存在する揮発性有機化合物、例えばシンナー、希釈剤及び溶媒などの能動的又は受動的蒸発を意味する。組成物は、適用直後及びフラッシュオフの開始時にまだ流動可能であるので、フラッシュオフ段階中に均一で滑らかなコーティングフィルムを形成することができる。しかしながら、フラッシュオフ後のコーティング組成物から得られた層は、まだ使用可能な状態ではない。それは実際には、例えば、もはや流動性ではないが、まだ軟質又は粘着性であり、部分的に乾燥したのみであり得る。ダストフリータイムと呼ばれることもある。特に、コーティング組成物から得られた層は、以下に記載するように、まだ硬化していない。
工程(2):
本発明のコーティング方法の工程(2)において、上記の本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物又は本発明のコーティング組成物を、基材(S)の少なくとも一部に適用するか、又は工程(1)においてベースコート組成物が基材(S)の少なくとも一部に適用された場合、好ましくは、少なくとも部分的に乾燥させたベースコート層に直接適用して、コーティング層、好ましくは、クリアコート層を形成する。ベースコート層を形成するための、好ましくは上記のコーティング層の形成は、好ましくは、適用された本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物又は本発明のコーティング組成物をフラッシュオフすることによって行う。これは、通常、例えば5~120℃、好ましくは5~45℃又は15~25℃の範囲の温度、約10~100%、好ましくは約40~70%の相対湿度で、30秒~30分間の持続時間の(ダストフリータイム)、組成物中に存在する揮発性有機化合物、例えばシンナー、希釈剤及び溶媒などの能動的又は受動的蒸発を意味する。組成物は、適用直後及びフラッシュオフの開始時にまだ流動可能であるので、フラッシュオフ段階中に均一で滑らかなコーティングフィルムを形成することができる。しかしながら、フラッシュオフ後のコーティング組成物から得られた層は、まだ使用可能な状態ではない。それは実際には、例えば、もはや流動性ではないが、まだ軟質又は粘着性であり、部分的に乾燥したのみであり得る。特に、コーティング組成物から得られた層は、以下に記載するように、まだ硬化していない。
好ましくは、工程(1)でベースコート組成物を適用する場合、本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物又は工程(2)の本発明のコーティング組成物の適用は、ウェット・オン・ウェットで行う。ウエットオンウエット適用の技術は当業者に知られており、これは、前のコーティング組成物が完全に乾燥又は硬化する前にさらなるコーティング組成物を適用し、次いで複合フィルムを単一の実体として乾燥させる技術を意味する。
別の実施形態では、ベースコート層は、本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物又は本発明のコーティング組成物の適用前に乾燥及び硬化させてもよい。
工程(3):
本発明の方法の工程(3)において、第1の変形では、工程(2)で適用されたコーティング組成物を硬化させ、又は第2の変形では、工程(1)及び(2)で適用されたコーティング組成物を一緒に硬化させる。これは、これらのコーティング組成物及びポリマー材料の使用可能な状態への変換を指し、前記の硬化させた組成物及びポリマー材料を含む成分が意図した通りに使用及び輸送できる状態を意味する。従って、硬化した組成物及びポリマー材料は、特に、もはや軟質又は粘着性ではなく、代わりに固体コーティングフィルム、固体ポリマー材料又は固体成分のそれぞれに調整されたものである。フィルム又は材料又は成分は、架橋条件にさらに曝露されても、硬度又は付着性などのその特性に如何なる実質的な変化ももはや示さない。
工程(1)及び/又は(2)で適用される組成物の場合、硬化は化学的硬化によって実施される。本発明の文脈では、「化学的に硬化可能な」、及び用語「化学的硬化」はそれぞれ、イソシアネート反応性化合物(A)の官能基、ポリイソシアネート(B)及び任意にさらなる反応性化合物の化学反応によって開始される、組成物の架橋(硬化した組成物の形成)を指す。化学的に硬化可能であると表される組成物の硬化においては、無論、ポリマー鎖のインターローピング(interloping)を指す、物理的な硬化も常に存在する場合がある。物理的硬化が主要な割合を占めることさえある。それでも、この種の組成物は、化学的に硬化可能なフィルム形成成分を少なくとも比例的に含む場合、化学的に硬化可能であると呼ばれる。硬化の促進は、硬化触媒などの触媒によって可能である。硬化は、又は触媒の添加に加えて、熱エネルギー又は化学線放射によるこの化学反応のエネルギー活性化でもさらに促進させることができ、用語「化学線による化学的硬化」は、電磁放射、例えば電子ビーム、NIR又はUV放射の使用による組成物の硬化を意味する。よってフィルムは、適用したコーティング組成物又はコーティング材料の連続した層であり、フィルムの形成は、適用したコーティング組成物又はコーティング材料が、液体から固体の状態へ乾燥及び/又は硬化によって移行することである。両方の変化は同時に進行することができる。よって工程(1)における任意に適用されたベースコートの少なくとも部分的な乾燥(フラッシュオフ)及び工程(2)における本発明のコーティング組成物の少なくとも部分的な乾燥(フラッシュオフ)のプロセスは、工程(3)における(化学的)硬化と重り合うか、又は密接に関連する。特に、工程(3)において熱エネルギーなどのさらなるエネルギー活性化が提供されない場合(これが好ましい)、部分的乾燥(ダストフリータイム)から硬化までの過程には、はっきりとした移行が観察されないことがある。両プロセスは、同時に発生する。
好ましくは、工程(3)における硬化又は一緒の硬化は、約5~120℃、好ましくは約5~45℃又は約15~25℃の温度で、約10~100%、好ましくは約40~70%の相対湿度で、30~90分間、好ましくは50~80分間行う。
任意の工程(1)及び工程(2)によるコーティングの適用から工程(3)の終了までの、使用可能な又は硬化したコーティングが得られるまでの合計時間は、任意の工程(1)及び工程(2)について開示されたフラッシュオフ時間と工程(3)の硬化時間との合計の範囲内であるか、又はこの範囲内であることが理解されるべきである。
本発明の方法で好ましく利用される基材(S)は、金属基材と、プラスチック基材と、プラスチック及び金属部品を含有する基材とから選択することができる。好適な金属基材は、アルミニウム基材、銅基材、亜鉛基材、マグネシウム基材、及びこれらの金属の合金からなる基材、及び鋼成分から選択される。「プラスチック基材」という用語は、ポリマー材料からなる基材に関する。プラスチック基材のための好適なポリマー材料は、(i)極性プラスチック、例えばポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド及びこれらのプラスチックのブレンド、(ii)合成樹脂、例えばポリウレタンRIM、SMC、BMC、ABS、及び(iii)高ゴム含量のポリエチレン及びポリプロピレン型のポリオレフィン基材、例えばPP-EPDM、及び表面活性化ポリオレフィン基材から選択される。また、種々の上述の材料からなる基材をコーティングするか、既にコーティングされた基材、例えば車両、航空機又はボート及びこれらの部品、特に車体又は外部取付用の部品をコーティングすることも可能である。故に基材(S)は、ベースコートで、又は好ましくは欠陥を有する多層コーティングでコーティングされた、任意に前処理された金属又はプラスチック基材であってよい。
基材(S)を、所望される場合は直接、サンディング操作なしで、及び任意の簡単な洗浄後に、任意の工程(1)及び工程(2)によるコーティング組成物でコーティングし、1つ以上のベースコート層及び/又は1つ以上のクリアコート層を形成してよい。好ましくは、本発明によりコーティングした基材にプライマー-サーフェサーコートは適用せず、その代わりに、ベースコート組成物及び/又はトップコートコーティング組成物、より具体的にはクリアコート組成物を、基材(S)に直接適用する。使用できるベースコート材料は、原則として、OEM仕上げ又は再仕上げにおいて従来から使用されているあらゆるベースコート材料であり、水系及び溶媒系ベースコートが含まれる。そのようなベースコート材料は、例えば、BASF Coatings GmbH社から入手可能である。
本発明の方法によるコーティング組成物の適用は、コーティング技術において既知且つ慣用の、液体コーティング材料を適用するための方法、例えばスプレー、ナイフコーティング、カーテンコーティング、真空コーティング、圧延、注入、浸漬、スピンコーティング、スキージ、刷毛塗り、又は噴出(squirting)などによって、又はスクリーン、グラビア、フレキソ印刷又はオフセット印刷などの印刷技術によって、及びまた転写方法によって行っても良い。好ましくはスプレー塗布方法、例えば、圧縮空気噴霧(空気圧塗布)、エアレススプレー、高速回転、静電スプレー適用(ESTA)を、任意に高温スプレー塗布、例えば熱風(高温噴霧)などと併用する。非常に特に好ましくは、本発明のコーティング組成物は、空気圧スプレー塗布又は静電スプレー適用を介して適用する。本発明のコーティング組成物は、コーティング層が好ましくは5~100μm、好ましくは30~60μmの乾燥膜厚を有するように適用する。
本発明の構成部分一式及び本発明のコーティング組成物について述べたことは、本発明のコーティングプロセスのさらに好ましい実施形態に関しても準用される。
本発明のコーティングされた基材
本発明のコーティングプロセスの結果は、本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物から得られた、又は本発明のコーティング組成物の、コーティング又は多層効果及び/又はカラーコーティングでコーティングされた基材(S)である。
本発明の構成部分一式から調製されたコーティング組成物、又は本発明のコーティング組成物、又は基材上にコーティング層又はマルチコート層を調製するための本発明の方法から調製されたコーティング組成物、又は本発明の方法から得られたコーティングされた基材は、多数の分野で使用することができる。例には、自動車の仕上げにおける、仕上げの修理のための、自動車の再仕上げのための、及び/又は自動車の中又は上に設置するための部品、プラスチック基材、又は商用車のコーティングのための、及び/又は任意の種類の品目のコーティングのための使用が含まれる。
本発明の構成部分一式、本発明のコーティング組成物及び本発明の方法について述べたことは、本発明のコーティングされた成分のさらに好ましい実施形態に関して準用される。
これより実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明を説明することを意図しており、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。当技術分野における通常の技術を有する者は、実施例の変形が、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲内で可能であることを理解するであろう。以下、実施例中の「部」、「%」及び「比」という用語は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」、「質量%」及び「質量比」を表す。
決定の方法
固形分含量(固体、不揮発性画分)
不揮発性画分は、ASTM D2369(日付:2015年)に準拠して決定した。この手順において、あらかじめ乾燥させておいたアルミニウム皿に2gの試料を量り取り、その試料を乾燥キャビネット中110℃で60分間乾燥させ、デシケーター内で冷却してから、再秤量した。導入した試料の総量に対する残留物は、不揮発性画分に相当する。
数平均及び質量平均分子量の決定
数平均分子量(M)は、DIN55672-1(2016年3月)に準拠してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。この方法は、数平均分子量の他に、質量平均分子量(M)及び多分散性d(質量平均分子量(M)の数平均分子量(M)に対する比)の決定にも使用することができる。テトラヒドロフランを溶離剤として使用した。決定は、ポリスチレン標準に対して実施した。カラム材料は、スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーからなっていた。
黄色度
黄色度の指標として、試料のAPHA色を分光光度法により決定し、DIN EN ISO6271:2015に準拠した白金/コバルト単位(Pt/Co単位)で表した。100を超える値は許容できないと見なした。
研磨後の引っかき抵抗性能
研磨後の引っかき抵抗性の指標として、試験対象のコーティング材料の試料を、ウエットインウェットで本発明による方法で適用した。第1の工程で、市販の黒色水性ベースコートを、16μm±2μmの乾燥層膜厚で、重力供給カップガンを用いて、Bonder金属パネル(市販のカソード電着被覆及び市販の従来の溶媒系プライマーサーフェイサーでコーティングされている)に適用し、ベースコート層を15分間、21℃±2℃の温度で、50%±10%の相対湿度で乾燥させた(ダストフリータイム)。第2の工程で、試験対象のコーティング材料を、約40μm±5μmの乾燥層膜厚で、重力供給カップガンを用いて、前に適用した第1の工程のベースコート層に適用した。試験対象のコーティング材料の乾燥、及びベースコート層と試験対象のコーティング材料とから形成されたマルチコート層の硬化を、90分後に、21℃±2℃の温度、50%±10%の相対湿度で、完了した。
周囲温度で2時間保存した後、サンディング部位を硬化したクリアコートパネルに適用した(3M社の偏心性圧縮空気振動サンダーを使用、10000rpm、サンディングディスク:3M Finesse-it Trizact50079)。このサンディング部位はその後、研磨ペーストによって、粗い研磨工程(回転研磨操作800~1000rpm、ペースト:3M50417 Fast Cut Plusサンディングペースト、研磨パッド:3M50487緑色研磨フォーム)、及びより細かい研磨工程(回転研磨操作1200~1500rpm、ペースト:3M80349 Perfect-it Extra Fine Plus研磨ペースト、研磨パッド:3M50488黄色研磨フォーム)で研磨した。研磨ペーストをマイクロファイバー布で除去した後、研磨表面の引っかきの外観及び光沢保持を目視で検査し、3(許容不可、長さ3.0cm以上の引っかきが50cmの距離から肉眼で観察できる)から1(許容可能、目に見える引っかきがない、又は長さ0.5cm未満の引っかきが50cmの距離から肉眼で観察できる)のスケールに分類した。
ポットライフ
ポットライフとは、DIN4mmカップ(DIN53211)で23℃における試験対象試料の動粘度が24sを超える時間と定義される。少なくとも28分のポットライフが許容可能である。
材料
Desmophen(登録商標)NH1420、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)-メタンから調製されたポリアスパラギン酸エステル(アミン価195~205)、Covestro AG社、ドイツ。
Desmodur(登録商標)N3600、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(HDIホモポリマー)をベースとする脂肪族イソシアネートポリマー(NCO含有量23.0、25℃での粘度1100mPas*s、当量183、固形分含量100%)、Covestro社、ドイツ。
Desmodur(登録商標)Z4470MPA/X、イソホロンジイソシアネートトリマー(IPDIトリマー)をベースとする脂肪族ポリイソシアネート(NCO含有量11.9、25℃での粘度1500mPas*s、当量360、1-メトキシプロピルアセテート-2/キシレン1:1中の固形分含量70%)、Covestro社、ドイツ。
Tolonate(商標)X FLO100、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をベースとする脂肪族イソシアネートポリマー(NCO含有量12.3±1.0%、25℃での粘度140±80mPas*s、当量341、固形分含量100%)、Vencorex社、France。
Tinuvin(登録商標)384、化学構造:95%のベンゼンプロパン酸、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-、C7~9-分岐状及び直鎖状アルキルエステル、5%の1-メトキシ-2-プロピルアセテートを有する液体UV吸収剤(UVA)、BASF SE社、ドイツ。
Tinuvin(登録商標)292、化学構造a)ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びb)メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートを有する液体ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、BASF SE社、ドイツ。
BYK302、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、Byk Chemie GmbH社、ドイツ。
NanoBYK3650、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体、Byk Chemie GmbH社、ドイツ。
溶媒のn-ブチルアセテートは、BASF SE社、ドイツ、Oxea GmbH社、ドイツ、又はIneo社から市販されている。
溶媒の5-メチルヘキサン-2-オン(MIAK)は、Eastman社から市販されている。
溶媒の2-メチルプロパン-1-オール(イソブタノール)は、BASF SE社、ドイツ、Oxea GmbH社、ドイツ、Ineos社、又はSasol社から市販されている。
溶媒の2-ブトキシエタン-1-オールは、BASF SE社、ドイツ、Ineos社、Dow社、米国、又はSasol社から市販されている。
溶媒の1-メトキシ-2-プロパニルアセテート(MPA)は、BASF SE社、ドイツ、Shell社、又はDow社、米国から市販されている。
溶媒の4-メチルペンタン-2-オン(MIBK)は、Arkema社、Celanese社、米国、Dow社、米国、Eastman社、Sasol社又はShell社から市販されている。
溶媒のキシレンは、Total社、Arsol社、又はRaffenerie Heide社から市販されている。
1.ポリアスパラギン酸エステル、UVA及び/又はHALS添加剤を含む成分の調製
コーティング組成物の成分を、ポリアスパラギン酸エステルDesmophen(登録商標)NH1420を用いて、典型的なUVA及び/又はHALS添加剤と組み合わせて、表1に示すように配合した。
Figure 2023516416000001
ポリアスパラギン酸エステル及びUVA及び/又はHALS添加剤を含有する成分の色安定性を、APHA色の決定により、上記の方法によって、成分を混合した直後(t=0)、及び50℃で1週間、2週間、及びその後3週間保存した後に、検査した。
表1の結果が明らかに示しているのは、配合(1A)(配合(1A)は、如何なるUVA又はHALS添加剤又は追加の溶媒も含まない)のAPHA色の非常に遅い増加と比較して、Tinuvin(登録商標)292の例示的なHALS添加剤としての添加(配合1B)、Tinuvin(登録商標)384の例示的なUVA添加剤としての添加(配合1C)、又はHALS及びUVA添加剤の組み合わせの典型的なUVA/HALSパッケージとしての添加(配合1D)は、時間の経過と共にAPHA色のかなりの増加をもたらし、HALS添加剤を含む配合物については、50℃での3週間の保存後に既に、ちょうど許容可能な黄色度100が得られたことである。よって、Tinuvin(登録商標)292及び/又はTinuvin(登録商標)384を例示的なUVA/HALS添加剤としてポリアスパラギン酸エステルを含む同じ成分に添加すると、貯蔵中に黄色度が生じる。
2.ポリアスパラギン酸エステル、UVA及びHALS添加剤及び選択された有機溶媒を含む成分の調製
コーティング組成物の成分は、表2に示すように、ポリアスパラギン酸エステルDesmophen(登録商標)NH1420を、典型的なUVA及びHALS添加剤及び選択された溶媒と組み合わせて配合した。
Figure 2023516416000002
ポリアスパラギン酸エステル、UVA及びHALS添加剤及び特定の溶媒を含有する成分の色安定性を、APHA色の決定により、上記の方法によって、成分を混合した直後(t=0)、及び50℃で1週間、2週間、及びその後3週間保存した後に、検査した。
表2の結果から、ヒドロキシル基含有有機溶媒である2-メチルプロパン-1-オール(配合2F)及び2-ブトキシエタン-1-オール(配合2G)を配合物に添加してから1週間以内に既に、成分のAPHA色の強い増加が示され、一方で、遊離ヒドロキシル基を含まない有機溶媒、例えば1-メトキシ-2-プロパニルアセテート、4-メチルペンタン-2-オン及びキシレンの添加(配合2H~2J)は、ゆっくりではあるが、50℃で3週間の貯蔵後に、黄変の指標として依然として許容可能なAPHA色の増加が示された。
よって、ヒドロキシル官能基を有するモノアルコール及びアルコキシモノアルコールの例としての2-メチルプロパン-1-オール及び2-ブトキシエタン-1-オールは、ポリアスパラギン酸エステル及びUVA/HALSパッケージと組み合わせると、貯蔵中に強い黄変をもたらした。
3.別々に調製された3つの成分(A)、(B)、及び(C)からの多成分コーティング組成物の調製
本発明による多成分コーティング組成物の3つの別々に調製された成分(A)、(B)、及び(C)を配合した。ここで、成分(C)は、多成分コーティング組成物全体のUVA添加剤、HALS添加剤、及び例示的なアルコキシモノアルコールとしての2-ブトキシエタン-1-オールの全量を含んでいた。さらに、本発明の非顔料系のコーティング組成物は、表3に示すように、別々に調製した成分(A)、(B)、及び(C)を、A100部+B100部+C10部の体積比v/v/vで激しく混合及び均質化することによって調製した。
Figure 2023516416000003
3つの個々の成分A、B、及びCの色安定性を、APHA色の決定により、上記の方法によって、個々の成分を混合した直後(t=0)、及び50℃で1週間、2週間、及びその後3週間保存した後に、検査した。
表3の結果から、ポリアスパラギン酸エステル及び有機溶媒(遊離ヒドロキシル基を含まない溶媒又はケトンである溶媒)としてn-ブチルアセテートを含む成分AのAPHA色が、非常に安定で低いことが示された。同様のことが、3つのイソシアネート基含有化合物及びn-ブチルアセテートの組合せを含む成分Bを説明する。UVA及びHALS添加剤及び例示的なアルコキシモノアルコールとしての2-ブトキシエタン-1-オールを含む第3の成分Cのみが、50℃での3週間の貯蔵後に、20ポイントのAPHA色のわずかな重大ではない増加を示した。
3つの別々の成分(A)、(B)、及び(C)の激しい混合によって、多成分非顔料系コーティング組成物V1を調製した。APHA色の直接決定(t=0)は40という低い値を示し、配合2E~2Jの成分の混合直後に決定したAPHA色の初期値と同一であった。成分混合後の室温(23℃)で約37分のポットライフでは、APHA色のさらなる測定は実施できなかった。
4.表面処理されたシリカナノ粒子の分散体から選択された添加剤(AD2)を含む、別々に調製された3つの成分(A)、(B)、及び(C)を含む多成分コーティング組成物の調製
別の実験のセットでは、多成分コーティング組成物を、V1をコーティングするために、セクション3、表3に上述したように調製し、これによって、V1をコーティングするための上記の所与の配合物に加えて、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体(Nanobyk3650)から選択された添加剤(AD2)を、0質量%、2質量%、4質量%及び10質量%のそれぞれの総量で、各場合に成分(A)の総質量に基づいて、成分(A)に添加した。故に、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体から選択された添加剤(AD2)は、0質量%、0.9質量%、1.9質量%及び4.5質量%のそれぞれの総量で、各場合にコーティング組成物の総質量に基づいて添加された。これにより、表4に示すように、さらなる本発明のコーティング組成物V2、V3及びV4を調製した。
Figure 2023516416000004
コーティング組成物V1~V4のポットライフは、個々の成分を混合した直後に上記の方法により決定した。表4の結果から、添加した表面処理されたナノ粒子分散体(NanoBYK3650)の量の増加に伴って、ポットライフが37分(コーティングV1、0%)から、依然として許容可能な29分(コーティングV3、4%)にわたって、許容不可能な15分(コーティングV4、10%)に減少することが示された。
上記の方法により、本発明によるコーティングV1~V4の研磨後の引っかき抵抗性能を決定した。表4の結果から、研磨後の引っかき抵抗性能が、コーティング配合物に添加した表面処理されたナノ粒子分散体(NanoBYK3650)の量の増加に伴って改善されることが示された。
さらに、コーティングV3の6週間のリフロー後の光沢保持を、DIN55654:2015-08に厳密に準拠し、20°の角度で、3M社の2μm及び9μmの研磨紙を用いた線形摩耗試験機(クロックメータ)によって適用した引っかきで決定した。68%及び67%の良好な光沢保持値を得た。
許容可能なポットライフに対する要求と、研磨後の高い引っかき抵抗性能との間の最適なバランスが、表面処理されたナノ粒子分散体(NanoBYK3650)4質量%を含む本発明のコーティング組成物V3で達成されたようであった。

Claims (15)

  1. 3つの別々の容器C1、C2、及びC3を含む、硬化性コーティング組成物の調製のための構成部分一式であって、ここで、
    a) 容器C1は、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むイソシアネート反応性成分(A)を含有し、
    b) 容器C2は、ポリイソシアネート(B)を含有し、
    c) 容器C3は、溶媒(S1)を含有し、
    容器C2及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に溶媒(S2)を含有し、そして
    容器C1及び/又は容器C3、好ましくは容器C3は、任意に添加剤(AD)を含有するものであり、
    溶媒(S1)が、モノアルコール及びアルコキシモノアルコール、好ましくはアルコキシモノアルコールから選択され、
    溶媒(S2)が、ケトンであり、そして
    添加剤(AD)が、UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択されることを特徴とする、構成部分一式。
  2. 容器C1が、溶媒(S1)、溶媒(S2)及び/又は添加剤(AD)を10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、及び最も好ましくは0質量%の総量で、各場合に容器C1の総質量に基づいて含む、請求項1に記載の構成部分一式。
  3. 前記モノアルコールが、メタノール、エタノール、n-及びイソ-プロパノール、及び1-ブタノール(n-ブタノール)、2-ブタノール(sec-ブタノール)、2-メチルプロパン-1-オール(イソ-ブタノール)、及び2-メチルプロパノール(tert-ブタノール)を含むブタノールから選択され、好ましくはn-及びイソ-プロパノール、及びn-、sec-及びイソ-ブタノール、最も好ましくはイソ-ブタノールである、請求項1又は2に記載の構成部分一式。
  4. 前記アルコキシモノアルコールが、グリコールエーテルから選択され、好ましくは2-ブトキシエタノールである、請求項1から3のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  5. 溶媒(S2)が、一般式RC(=O)Rで表される非対称ケトンであり、式中、R及びRはカルボニル基C=Oに直接結合した同一ではないアルキル基であり、Rは、1~4個、好ましくは1~3個、より好ましくは1又は2個、最も好ましくは1個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖状配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列であり、そしてRは、1~6個、好ましくは3~6個、より好ましくは4又は5~6個、最も好ましくは5個の炭素原子を含有する構成炭素原子の直鎖又は分岐状の、好ましくは分岐状の配置を有する、非置換の脂肪族炭化水素に由来する一般式C2p+1の1価のラジカルの任意の系列である、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  6. 溶媒(S2)が5-メチルヘキサン-2-オンである、請求項1から5のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  7. UV吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤から選択される添加剤(AD)の、前記構成部分一式中の前記添加剤(AD)の総質量に基づく全量が容器C3に含まれる、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  8. 前記ポリアスパラギン酸エステル化合物が、約200~500、好ましくは約210~400、非常に好ましくは220~300の当量を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  9. 容器C1、C2及び/又はC3のいずれか1つ、好ましくは容器C1が、表面処理されたシリカナノ粒子の分散体から選択される添加剤(AD2)を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  10. 前記少なくとも1つのポリイソシアネート(B)が、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの脂肪族イソシアネート官能性材料、及び少なくとも1つの脂環式イソシアネート官能性材料を含み、好ましくは前記脂環式イソシアネート官能性材料が、約50質量%を超える、好ましくは約60質量%を超える、非常に好ましくは約70質量%を超える総量で、各場合にポリイソシアネート(B)に含有される脂肪族及び脂環式イソシアネート官能性材料の総質量に基づいて存在する、請求項1から9のいずれか1項に記載の構成部分一式。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の構成部分一式から、少なくとも容器C1、C2及びC3を混合することにより調製された、コーティング組成物、好ましくはクリアコートコーティング組成物。
  12. 少なくとも1つのポリアスパラギン酸エステル化合物を含む、好ましくはポリアスパラギン酸エステル化合物からなる前記イソシアネート反応性成分(A)を含む容器C1と、前記ポリイソシアネート(B)を含む容器C2とを、0.5:10~10:0.5、好ましくは0.5:5~5:0.5、より好ましくは0.5:3~3:0.5、さらにより好ましくは約0.5:1.5~1.5:0.5、最も好ましくは0.5:1.1~1.1:0.5又は1:1のNH:NCO比で混合する、請求項11に記載のコーティング組成物。
  13. 以下の工程:
    (1) 任意に、少なくとも1つのベースコート組成物を基材の少なくとも一部に適用して、少なくとも1つのベースコート層を形成する工程、
    (2) 請求項1から10のいずれか1項に記載の構成部分一式から調製されたコーティング組成物、又は請求項11又は12に記載のコーティング組成物を、前記基材の少なくとも一部に、又は直接工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層に適用して、コーティング層、好ましくはクリアコート層を形成する工程、
    (3) 工程(2)で形成されたクリアコート層を硬化させるか、又は工程(1)で形成された少なくとも1つのベースコート層が存在する場合には、それを工程(2)で形成されたクリアコート層と一緒に硬化させる工程、
    を含む、少なくとも1つのコーティングを基材(S)上に調製するための方法。
  14. 前記基材(S)が、ベースコートで、又は好ましくは欠陥を有する多層コーティングでコーティングされた、任意に前処理されている金属又はプラスチック基材である、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項13又は14に記載の方法によって得られたコーティングされた基材(S)。
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