発明の詳細な説明
定義
明確さおよび一貫性のために、本特許文書全体を通して以下の定義を使用する。
本明細書で使用される場合、「投与すること」とは、本発明の化合物または他の治療、療法または処置を、処置を必要とする個体に、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤などの経口剤形;IV、IM、IPなどの注射剤形;クリーム、ゼリー、散剤およびパッチを含む経皮剤形;頬側剤形;吸入用粉末、スプレー、懸濁液など;ならびに直腸坐剤を含むが、これに限定されない、治療的に有用な形態および治療的に有用な量で個体の体内に導入することができる形態で提供することを指す。医療従事者は、化合物をサンプルの形態で個体に直接提供することができ、または化合物の口頭もしくは書面での処方箋を提供することにより化合物を個体に間接的に提供することができる。また、例えば、個体は、医療従事者の関与なしに単独で化合物を得ることができる。化合物が個体に投与されると、身体は化合物によって何らかの方法で変換される。本発明の化合物が1またはそれを超える他の薬剤と組み合わせて提供される場合、「投与」は、化合物および他の薬剤が、同時にまたは異なる時間に投与されることを含むと理解される。組み合わせの薬剤が同時に投与される場合、それらを単一の組成物で共に投与することができ、またはそれらを別々に投与することができる。好ましい投与方法は、様々な要因、例えば医薬製剤の成分、疾患の部位、および疾患の重症度に応じて異なる可能性がある。
「組成物」という用語は、合成、予備配合、プロセス内試験(例えば、TLC、HPLC、NMRサンプル)などの間に得られる/調製される組成物などの、少なくとも1つの追加の成分と組み合わせた、本発明の化合物の塩、溶媒和物、および水和物を含むがこれらに限定されない、化合物またはその結晶形態を指す。
本明細書で使用される「水和物」という用語は、非共有結合分子間力によって結合された化学量論量または非化学量論量の水をさらに含む、本発明の化合物またはその塩を指す。
「処置を必要とする」という用語、および処置を指す場合の「それを必要とする」という用語は、個体もしくは動物が処置を必要とする、または処置から利益を得ることを介護者(例えば、ヒトの場合、医師、看護師、診療看護師など;非ヒト哺乳動物を含む動物の場合、獣医)が行う判断を意味するために、互換的に使用される。この判断は、介護者の専門知識の範囲内であるが、本発明の化合物によって処置可能である疾患、症状または障害の結果として、個体もしくは動物が病気である、または病気になるという知識を含む、多種多様の要因に基づいて行われる。したがって、本発明の化合物は、保護的または予防的な方法で使用することができ;あるいは本発明の化合物を使用して、疾患、症状または障害を軽減、阻害または緩和することができる。
「個体」または「対象」という用語は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、およびヒトなどの哺乳動物を含む、任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、「個体」はヒトを指す。臨床試験またはスクリーニングまたは活性実験の文脈では、対象は、潜在的なM4媒介障害も症候もない健康被験者もしくは健康参加者、または医療専門家によって決定された医学的処置を必要とする障害もしくは症状の診断を受けた被験者もしくは参加者であり得る。臨床試験以外の文脈では、障害または症状の診断を受けた医療専門家の管理下にある対象は、典型的には患者として記載される。
「小児対象」という用語は、診断または処置時に21歳未満の対象を指す。「小児の」という用語は、新生児(出生から生後1ヶ月まで)乳幼児(1ヶ月から2歳まで);小児(2歳から12歳まで);および青年(12歳から21歳(22歳の誕生日まで、ただしこれを含まない))を含む様々な亜集団にさらに分けることができ、例えばBerhmanら、Textbook of Pediatrics,15th Ed.Philadelphia:W.B.Saunders Company,1996;Rudolphら、Rudolph’s Pediatrics,21st Ed.New York:McGraw-Hill,2002;およびAveryら、Pediatric Medicine,2nd Ed.Baltimore:Williams&Wilkins;1994を参照のこと。
「医薬的に許容され得る」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症のない、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な化合物(およびその塩)、組成物、ならびに/または剤形を指す。
「医薬組成物」という用語は、本発明の化合物の塩、溶媒和物および水和物を含むが、これに限定されない、少なくとも1つの有効成分を含む特定の組成物を指し、これにより組成物は、哺乳動物(例えば、限定されないが、ヒト)における規定された効能のある成果についての調査に適する。当業者は、有効成分が当業者の必要性に基づいて所望の効能のある成果を有するか否かを判定するのに適切な技術を理解および認識する。
「処方すること」という用語は、薬物または他の治療、療法、もしくは処置の使用を指示、認可、または推奨することを指す。いくつかの実施形態では、医療提供者は、個体への化合物、投与計画、または他の処置の使用を口頭で助言、推奨、または認可する。医療提供者は、化合物、投与計画または処置のための書面による処方箋を提供してもしなくてもよい。さらに、医療提供者は、個体に化合物または処置を提供してもしなくてもよい。例えば、医療提供者は、化合物を提供することなく、化合物を得る場所について個体に助言することができる。いくつかの実施形態では、医療提供者は、化合物、投与計画、または処置のための書面による処方箋を個体に提供することができる。処方箋は、紙に書かれたり、または電子媒体に記録されたりすることができる。さらに、処方箋は、薬局または調剤薬局に(口頭で)電話されたり、または(書面で)ファックス送信したりできる。いくつかの実施態様では、化合物または処置のサンプルが個体に与えられる。本明細書で使用される場合、化合物のサンプルを与えることは、化合物の暗黙の処方を構成する。世界中の異なる医療制度は、化合物または処置を処方および投与するために異なる方法を使用し、これらの方法は本明細書の開示に包含される。医療提供者は、例えば、医師、看護師、診療看護師、または本明細書に開示される障害のための化合物(薬物)を処方もしくは投与することができる他の医療専門家を含むことができる。さらに、医療提供者は、例えば保険提供者を含む、個体が化合物または薬物を受けることを推奨、処方、投与または予防することができる者を含むことができる。
「予防する」、「予防すること」、および「予防」という用語は、特定の障害に関連する1またはそれを超える症候の発生または発症の排除または軽減を指す。例えば、「予防する」、「予防すること」、および「予防」という用語は、障害の少なくとも1つの症候を最終的に示し得るが、まだ示していない個体への防御的または予防的ベースでの治療の投与を指すことができる。そのような個体は、バイオマーカーの存在など、疾患のその後の発生と相関することが知られているリスク因子に基づいて特定することができる。あるいは、予防治療は、リスク因子の事前の特定なしに予防措置として投与することができる。障害の少なくとも1つのエピソードおよび/または症候の発症の遅延も、予防または防御と考えることができる。
「溶媒和物」という用語は、化学量論量または非化学量論量の溶媒の1またはそれを超える分子を含む、本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)の固体形態を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。あるいは、溶媒は有機溶媒であり得る。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、t-ブタノール、アセトン、エチルメチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび酢酸エチルが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)の溶媒和物を調製するためのプロセスは、(a)本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)と溶媒との反応;(b)本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)および溶媒の溶液からの複合体の析出;ならびに(c)本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)および溶媒の溶液からの複合体の結晶化を含み得る。溶媒和物は結晶形態であり得る。あるいは、溶媒和物は非晶質形態であり得る。
「処置する」、「処置すること」、および「処置」という用語は、対象(例えば、患者)の疾患、障害または症状の医学的管理を指す(例えば、Stedman’s Medical Dictionaryを参照のこと)。一般に、適切な用量および処置計画は、治療上の利益を提供するのに十分な量のM4アンタゴニストを提供する。本明細書に記載されるM4アンタゴニスト化合物(複数可)が投与される対象に対する治療上の利益としては、例えば臨床成果の改善が挙げられ、その目的は、疾患に関連する望ましくない生理学的変化を予防もしくは減速もしくは遅延する(減少させる)こと、またはそのような疾患の拡大もしくは重症度を予防もしくは減速もしくは遅延する(減少させる)ことである。1またはそれを超えるM4アンタゴニストの有効性は、処置される疾患から生じるまたは疾患に関連する症候の減退、減少または軽減;症候の発生の低下;生活の質の改善;より長い無病状態(すなわち、疾患の診断が行われる基準に基づいて、対象が症候を示す可能性または傾向を低下させること);疾患の程度の漸減;疾患の安定化(すなわち、悪化しない)状態;疾患進行の遅延または減速;疾患状態の緩和または一時的緩和;ならびに検出可能であれ検出不能であれ(部分的であれ全体的であれ)寛解および/または全生存期間を含むが、これに限定されない、有益なまたは所望の臨床結果を含み得る。
「治療有効量」という用語は、組織、系、動物、またはヒトにおいて、個体、研究者、獣医、医師、または他の臨床医もしくは介護者によって求められている生物学的または医学的応答を誘発する、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩の量、または本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩を含む医薬組成物の量を指し、この応答は、1またはそれを超える以下のものを含むことができる:
(1)障害を予防すること、例えば、疾患、症状、または障害の素因を有し得るが、関連する病理または総体的徴候をまだ経験または呈示していない個体において疾患、症状、または障害を予防すること;
(2)障害を阻害すること、例えば、関連する病態または総体的徴候を経験または呈示している個体において疾患、症状、または障害を阻害すること(すなわち、病態および/または総体的徴候のさらなる進行を停止させること);ならびに
(3)障害を緩和すること、例えば、関連する病態または総体的徴候を経験または呈示している個体において疾患、症状、または障害を緩和すること(すなわち、病態および/または総体的徴候を逆転させること)。
化学基、部分またはラジカル
「アミノ」という用語は、基-NH2を指す。
「C6~C10アリール」という用語は、単環または2個の縮合した環を含むことができ、フェニルおよびナフタレニルなどの、芳香族である6~10個の炭素原子を含有する飽和環系を指す。1またはそれを超える置換基が「アリール」環上に存在する場合、置換基は、任意の利用可能な環炭素に結合することができる。
「C1~C6アルキル」および「C1~C4アルキル」という用語は、1~6個の炭素(すなわち、「C1~C6アルキル」)または1~4個の炭素(すなわち、「C1~C4アルキル」)を含有する飽和直鎖または分枝炭素ラジカルを指す。いくつかの実施形態は、1~5個の炭素(すなわち、C1~C5アルキル)であり、いくつかの実施形態は、1~4個の炭素(すなわち、C1~C4アルキル)であり、いくつかの実施形態は、1~3個の炭素(すなわち、C1~C3アルキル)であり、いくつかの実施形態は、1または2個の炭素である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオ-ペンチル、1-メチルブチル[すなわち、-CH(CH3)CH2CH2CH3]、2-メチルブチル[すなわち、-CH2CH(CH3)CH2CH3]、n-ヘキシルなどが挙げられる。
「C1~C6アルキルアミノ」という用語は、NH基に結合した1個のC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは本明細書に記載されるのと同じ意味を有する。いくつかの実施形態は、「C1~C2アルキルアミノ」である。いくつかの例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、s-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、t-ブチルアミノなどが挙げられる。
「C1~C6アルキルカルバモイル」という用語は、カルバモイル基の窒素に結合した単一のC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、カルバモイルおよびC1~C6アルキルは、本明細書で見出されるのと同じ定義を有する。いくつかの実施形態は、C1~C4アルキルカルボキサミドを含む。いくつかの実施形態は、C1~C2アルキルカルボキサミドを含む。例としては、N-メチルカルボキサミド、N-エチルカルボキサミド、N-n-プロピルカルボキサミド、N-イソプロピルカルボキサミド、N-n-ブチルカルボキサミド、N-s-ブチルカルボキサミド、N-イソブチルカルボキサミド、N-t-ブチルカルボキサミドなどが挙げられる。
「C1~C4アルキレン」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和脂肪族2価ラジカルを指す。いくつかの実施形態は、1~3個の炭素を含有する(すなわち、「C1~C3アルキレン」)。いくつかの実施形態は、1個または2個の炭素を含有する(すなわち、「C1~C2アルキレン」)。いくつかの実施形態は、1個の炭素原子を含有する(すなわち、CH2)。例としては、メチレン(すなわち、CH2)、エチレン(すなわち、CH2CH2)、n-プロピレン(すなわち、CH2CH2CH2)、プロパン-1,1-ジイル[すなわち、CH(CH2CH3)]、プロパン-1,2-ジイル[すなわち、CH2CH(CH3)]、n-ブチレン(すなわち、CH2CH2CH2CH2)などが挙げられる。
「C1~C6アルコキシ」という用語は、酸素原子に直接結合したC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは、本明細書に見出されるのと同じ定義を有する。いくつかの実施形態は、1~5個の炭素を含有する(すなわち、C1~C5アルコキシ)。いくつかの実施形態は、1~4個の炭素を含有する(すなわち、C1~C4アルコキシ)。いくつかの実施形態は、1~3個の炭素を含有する(すなわち、C1~C3アルコキシ)。いくつかの実施形態は、1個または2個の炭素を含有する。例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、イソブトキシ、ses-ブトキシなどが挙げられる。
「C1~C6アルコキシカルボニル」という用語は、酸素がカルボニル基の炭素に結合している単一のC1~C6アルコキシ基からなるラジカルを指し、C1~C6アルコキシは、本明細書で見出されるのと同じ定義を有する。例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどが挙げられる。
「C1~C6アルキルカルボニル」という用語は、カルボニル基に直接結合したC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは、本明細書に見出されるのと同じ定義を有する。例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、2-メチルブタノイル、3-メチルブタノイル、ピバロイルなどが挙げられる。
「C1~C6アルキルスルファニル」または「C1~C6アルキルチオ」という用語は、硫黄原子に直接結合したC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは、本明細書で見出されるのと同じ定義を有する。例としては、メチルスルファニル(すなわち、-S-CH3)、エチルスルファニル(すなわち、-S-CH2CH3)、n-プロピルスルファニル(すなわち、-S-CH2CH2CH3)、イソプロピルスルファニル、n-ブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、t-ブチルスルファニルなどが挙げられる。
「C1~C6ハロアルキル」という用語は、1またはそれを超えるハロゲンで置換されたC1~C6アルキル基からなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは、本明細書に見出されるのと同じ定義を有する。C1~C6ハロアルキルは、完全に置換され得、その場合、式CnL2n+1によって表すことができ、式中、Lはハロゲンであり、「n」は1、2、3、4、5または6である。1を超えるハロゲンが存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択され得る。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~5個の炭素を含有する(すなわち、C1~C5ハロアルキル)。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~4個の炭素を含有する(すなわち、C1~C4ハロアルキル)。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1~3個の炭素を含有する(すなわち、C1~C3ハロアルキル)。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1個または2個の炭素を含有する。ハロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、4,4,4-トリフルオロブチルなどが挙げられる。
「C1~C6アルキルスルフィニル」という用語は、式:-S(=O)-のスルホキシドラジカルの硫黄に結合したC1~C6アルキルラジカルからなるラジカルを指し、C1~C6アルキルは、本明細書に記載されるのと同じ定義を有する。例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、t-ブチルスルフィニルなどが挙げられる。
「カルボニル」という用語は、基-C(=O)-を指す。
「C3~C7シクロアルキル」という用語は、3~7個の炭素を含有する飽和環ラジカルを指す。いくつかの実施形態は、3~6個の炭素を含有する。いくつかの実施形態は、3~5個の炭素を含有する。いくつかの実施形態は、5~7個の炭素を含有する。いくつかの実施形態は、3~4個の炭素を含有する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
「C2~C6ジアルキルアミノ」という用語は、2個のアルキル基で置換されたアミノ基からなるラジカルを指し、2個のアルキル基が合わせて2個のアルキル基の間で合計6個の炭素原子を超えない限り、アルキル基は同じであるまたは異なることができる。いくつかの実施形態は、C2~C4ジアルキルアミノを含む。いくつかの例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、メチルブチルアミノ、メチルペンチルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、ジプロピルアミノ、プロピルイソプロピルアミノなどが挙げられる。
「C2~C6ジアルキルカルバモイル」という用語は、カルバモイル基の窒素に結合した2個のアルキル基からなるラジカルを指し、2個のアルキル基は合わせて、2個のアルキル基の間で合計6個の炭素原子を超えない。いくつかの実施形態は、C2~C4ジアルキルアミノカルボキサミドを含む。例としては、ジメチルカルバモイル、エチル(メチル)カルバモイル、ジエチルカルバモイル、メチル(プロピル)カルバモイル、ブチル(メチル)カルバモイルなどが挙げられる。
「C5~C8ビシクロアルカニル」という用語は、1またはそれを超える「架橋原子」を介して互いに結合している「橋頭原子」と呼ばれる2個の原子の存在を特徴とする、環状アルキル系を指す。例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタンなどが挙げられる。
「C6~C8ビシクロアルケニル」という用語は、1またはそれを超える「架橋原子」を介して互いに結合された「橋頭原子」と呼ばれる2個の原子の存在を特徴とし、1個の二重結合を含有するが、橋頭炭素が二重結合の一部でない(すなわち、C6~C8ビシクロアルケニル基はブレット則に従う)、環状アルキル系を指す。例としては、ビシクロ[2.1.1]ヘキサ-2-エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エニル、ビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エニル、ビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エニル、ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-エニル、ビシクロ[3.2.1]オクタ-6-エン-2-イルなどが挙げられる。
「カルバモイル」という用語は、基-C(=O)NH2を指す。
「シアノ」という用語は、基-CNを指す。
「エチレン」という用語は、基-CH2CH2-を指す。
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロ、クロロまたはブロモである。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロである。
「5~10員ヘテロアリール」という用語は、単環または2個の縮合した環中に5~10個の環原子を含有し、O、S、NおよびNHから選択される少なくとも1つの環基を環系中に有する芳香族環系を指す。いくつかの実施形態は、「5~6員ヘテロアリール」であり、単環中に5~6個の環原子を含有し、O、S、NおよびNHから選択される少なくとも1つの環基を環中に有する芳香環を指す。いくつかの実施形態では、「5~10員ヘテロアリール」は、フラニル、チオフェニル(すなわち、チエニル)、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、1H-インドリル、ベンゾ[b]チオフェニルなどを指す。いくつかの実施形態では、「5~10員ヘテロアリール」は、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、1H-インドリル、キノキサリニル、チアジアゾリルなどを指す。ヘテロアリール基のチオフェニル(チエニル)、チオフェン-2-イル(チエン-2-イル)およびチオフェン-3-イル(チエン-3-イル)という場合、それらはそれぞれ以下の構造に対応することが理解される:
「3~7員ヘテロシクリル」という用語は、3~7個の環原子を含有する非芳香族環系であって、O、S、S(=O)、S(=O)2、およびNHから独立して選択される1、2、または3個の環基を環系中に有する、非芳香族環系を指す。いくつかの実施形態では、「3~7員ヘテロシクリル」は、3~7個の環原子を含有する非芳香族環ラジカルであって、O、S、S(=O)、S(=O)2、およびNHから独立して選択される1個または2個の環基を環系中に有する、非芳香族環ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、「3~6員ヘテロシクリル」は、3~6個の環原子を含有する非芳香族環ラジカルであって、O、S、S(=O)、S(=O)2、およびNHから独立して選択される1個または2個の環基を環系中に有する、非芳香族環ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、「4~6員ヘテロシクリル」は、4~6個の環原子を含む非芳香族環ラジカルであって、O、S、S(=O)、S(=O)2、およびNHから独立して選択される1個または2個の環基を環系中に有する、非芳香族環ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、環系中の1個または2個の環基は、OおよびNHから独立して選択される。「ヘテロシクリル」基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル、オキソラニル(テトラヒドロフラニル)、オキサニル(テトラヒドロピラニル)などが挙げられる。
「ニトロ」という用語は、基-NO2を指す。
本発明の化合物
本発明の一態様は、とりわけ、式(Ia)のある2-アザスピロ[3.3]ヘプタン化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1、R
2、R
3およびR
4はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)
またはその医薬的に許容され得る塩を包含する。
R
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン(すなわち、CH
2CH
2)基に結合していることが理解される。したがって、R
3およびR
4は、同じ炭素または隣接する炭素に結合せず、代わりにR
3およびR
4は、それらが結合されているピペラジンと共に以下の環系を形成し、式中:
a)R
3およびR
4はそれぞれ独立して、HおよびC
1~C
4アルキルから選択される(すなわち、式(Ia-1)、(Ia-2)、および(Ia-3));または
b)R
3およびR
4は一緒にされて、CH
2(すなわち、式(Ia-4)、(Ia-5)、および(Ia-6));CH
2-CH
2(すなわち、式(Ia-7)、(Ia-8)、(Ia-9);およびCH
2-O-CH
2(すなわち、式(Ia-10)および(Ia-11))から選択される架橋基を形成する:
式(Ia-1)~(Ia-11)の各々の残りの部分は、明示的に示されていないが、以下の部分構造を指すことがさらに理解され:
式(Ia-1)~(Ia-11)のうちのいずれか1つとこの部分構造との組み合わせから生じる変数は、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有し、式(Ia-1)の例を以下に示す:
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明されている本発明のある特徴は、単一の実施形態では組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。本明細書に記載の一般化学式、例えば式(Ia)、(Ia-1)、(Ia-2)、(Ia-3)、(Ia-4)、(Ia-5)、(Ia-6)、(Ia-7)、(Ia-8)、(Ia-9)、(Ia-10)、(Ia-11)、(IIa)、(IIc)、(IIe)、(IIg)、(IIi)、(IIk)、(IIIa)、(IIIc)および図に開示された式に含まれる変数(例えば、X、Y、Z、R1、R2、R3およびR4)、によって表される化学基に関する実施形態のすべての組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物(すなわち、単離、キャラクタリゼーション、生物学的活性についての試験を行うことができる化合物)をもたらす化合物を包含する限り、あらゆる組み合わせが個別におよび明示的に列挙されているかのように、本発明に具体的に包含される。加えて、そのような変数を説明する実施形態に列挙された化学基のすべての部分的組み合わせ、ならびに本明細書に記載された使用および医学的適応症のすべての部分的組み合わせもまた、化学基のあらゆる部分的組み合わせならびに使用および医学的適応症の部分的組み合わせが本明細書において個別かつ明示的に列挙されているかのように、本発明に具体的に包含される。
本明細書で使用される場合、「置換された」は、化学基の少なくとも1つの水素原子が非水素置換基または基によって置き換えられていることを示し、非水素置換基または基は1価または2価であり得る。化学基または置換基が2価である場合、この基は別の置換基または基でさらに置換されると理解される。本明細書における化学基が「置換された」場合、それは完全置換価まで有し得る。例えば、メチル基は1個、2個または3個の置換基で置換することができ、メチレン基は1個または2個の置換基で置換することができ、フェニル基は1個、2個、3個、4個、または5個の置換基で置換することができ、ナフチル基は1個、2個、3個、4個、5個、6個、または7個の置換基で置換することができるなどである。同様に、「1またはそれを超える置換基で置換された」とは、1個から基によって物理的に許容され得る置換基の総数までの置換基によって置換された基の置換を指す。本明細書で使用される場合、「必要に応じて置換された」とは、「非置換」または基で「置換された」基を指すと理解される。したがって、基が「1またはそれを超える置換基によって必要に応じて置換された」場合、その基は「非置換」または「置換された」のいずれかであり、置換されている場合、その基は、上記のように、1個からその基によって物理的に許容され得る置換基の総数までの置換基で置換されていると理解される。いくつかの実施形態では、基は「1個、2個、3個または4個の置換基によって必要に応じて置換する」ことができる。いくつかの実施形態では、基は「1個、2個または3個の置換基によって必要に応じて置換する」ことができる。いくつかの実施形態では、基は「1個または2個の置換基によって必要に応じて置換する」ことができる。いくつかの実施形態では、基は「1個の置換基によって必要に応じて置換する」ことができる。さらに、基が1個を超える置換基によって置換されている場合、置換基は同一であることができる、または異なることができる。
式(Ia)およびそれに関連する式の化合物は、1またはそれを超えるキラル中心を有し得、したがってエナンチオマーおよび/またはジアステレオ異性体として存在することができると理解および認識される。したがって、式(Ia)および本開示を通して使用される式の化合物は、別途特に明記または示されない限り、ラセミ体を含むが、これらに限定されない、すべてのそのようなエナンチオマー、ジアステレオ異性体、およびそれらの混合物を包含することが理解される。
X基
いくつかの実施形態では、Xは、OまたはNHである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
本発明の一態様は、式(IIIa)の化合物:
(式中、Y、Z、R
1、R
2、R
3およびR
4はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
本発明の一態様は、式(IIIc)の化合物
(式中、Y、Z、R
1、R
2、R
3およびR
4はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
Y基
いくつかの実施形態では、YはCH2であるか、または存在しない。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
Z基
いくつかの実施形態では、Zは、C1~C4アルキレンであるか、または存在しない。
いくつかの実施形態では、Zは、C1~C4アルキレンである。
いくつかの実施形態では、ZはCH2である。
いくつかの実施形態では、Zは存在しない。
R1基
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルアミノ、C1~C6アルキルカルボニル、C1~C6アルキルカルバモイル、C1~C6アルキルスルファニル、C2~C6ジアルキルアミノ、C2~C6ジアルキルカルバモイル、C1~C6スルフィニル、C3~C10シクロアルキル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6ハロアルキル、アミノ、カルバモイル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルカルボニル、C1~C6アルキルスルファニル、C1~C6スルフィニル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6ハロアルキル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、1、2、3または4個の基でそれぞれ必要に応じて置換されたC6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、基は、本明細書で上記および下記されるR1に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R1は、1、2または3個の基でそれぞれ必要に応じて置換されたC6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、基は、本明細書で上記および下記されるR1に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R1は、1個または2個の基でそれぞれ必要に応じて置換されたC6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、基は、本明細書で上記および下記されるR1に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R1は、1個の基でそれぞれ必要に応じて置換されたC6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、基は、本明細書で上記および下記されるR1に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルカルボニル、C1~C6アルキルスルファニル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6ハロアルキル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルカルボニル、C1~C6アルキルスルファニル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6ハロアルキル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、キノキサリニルおよびチアジアゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、キノキサリニルおよびチアジアゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、キノキサリニルおよびチアジアゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、フェニル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリミジン-2-イルおよびキノキサリン-2-イルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェニル、3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,6-ジメチルピラジン-2-イル、3-シアノ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-シアノ-4-フルオロフェニル、3-シアノ-5-フルオロフェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-シアノ-2,5-ジフルオロフェニル、4-シアノ-2-フルオロフェニル、4-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、4-メチルピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメトキシ)ピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-(トリフルオロメトキシ)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-アセチルピラジン-2-イル、5-ブロモ-4-(メチルスルファニル)ピリミジン-2-イル、5-クロロピラジン-2-イル、5-クロロピリミジン-2-イル、5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル、5-シアノピラジン-2-イル、5-シアノピリジン-2-イル、5-シアノピリミジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、5-メトキシピリミジン-2-イル、5-ニトロピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、6-シアノピラジン-2-イル、6-フルオロキノキサリン-2-イル、6-メトキシ-3-ニトロピリジン-2-イル、6-メトキシピラジン-2-イル、6-メトキシキノキサリン-2-イルおよびキノキサリン-2-イルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3,4,5-トリフルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3,6-ジメチルピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3-シアノ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3-シアノ-4-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、3-シアノ-5-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-(トリフルオロメトキシ)フェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-(トリフルオロメチル)フェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-シアノ-2,5-ジフルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-シアノ-2-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、4-メチルピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(ジフルオロメトキシ)ピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(ジフルオロメチル)ピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(メトキシカルボニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(トリフルオロメトキシ)ピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-アセチルピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-ブロモ-4-(メチルスルファニル)ピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-クロロピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-クロロピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-シアノピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-シアノピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-シアノピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-フルオロピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-メトキシピリミジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、5-ニトロピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-シアノピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-フルオロキノキサリン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-メトキシ-3-ニトロピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-メトキシピラジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、6-メトキシキノキサリン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R1は、キノキサリン-2-イルである。
R2基
いくつかの実施形態では、R2は、C1~C4アルキル、C1~C6アルコキシ、カルバモイル、シアノ、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6スルホニルおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C5~C8ビシクロアルカニル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、1、2、3または4個の基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C5~C8ビシクロアルカニル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、基は、本明細書で上記および下記されるR2に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R2は、1、2または3個の基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C5~C8ビシクロアルカニル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、基は、本明細書で上記および下記されるR2に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R2は、1または2個の基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C5~C8ビシクロアルカニル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、基は、本明細書で上記および下記されるR2に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。いくつかの実施形態では、R2は、1個の基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C5~C8ビシクロアルカニル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、基は、本明細書で上記および下記されるR2に関連する基のリストのいずれかから選択することができる。
いくつかの実施形態では、R2は、C1~C4アルキル、C1~C6アルコキシ、カルバモイル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシ、メチル、ジフルオロメトキシおよびメチルスルホニルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシおよびメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C6~C10アリール、C1~C6アルキル、C3~C7シクロアルキル、C6~C8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、C1~C4アルキル、C1~C6アルコキシ、カルバモイル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1H-インドリル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ブチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサニルおよびフェニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシおよびメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1H-インドール-5-イル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル、ブチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサン-4-イルおよびフェニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、1H-インドール-5-イル、2,2-ジメチルシクロプロピル、2,2-ジメチルプロピル、2,6-ジフルオロフェニル、2-シアノフェニル、2-フルオロフェニル、3,3-ジメチルブチル、3,4-ジフルオロフェニル、3-カルバモイルフェニル、3-シアノ-4-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4,4,4-トリフルオロブチル、4-カルバモイルフェニル、4-シアノフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサン-4-イルおよびフェニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、1H-インドール-5-イルである。
いくつかの実施形態では、R2は、2,2-ジメチルシクロプロピルである。
いくつかの実施形態では、R2は、2,2-ジメチルプロピルである。
いくつかの実施形態では、R2は、2,6-ジメチルフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、2-シアノフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、2-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、3,3-ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態では、R2は、3,4-ジフルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、3-カルバモイルフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、3-シアノ-4-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、3-フルオロフェニルである
いくつかの実施形態では、R2は、4,4,4-トリフルオロブチルである。
いくつかの実施形態では、R2は、4-カルバモイルフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、4-シアノフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、4-フルオロフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、4-メトキシフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、R2は、シクロヘキシルである。
いくつかの実施形態では、R2は、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態では、R2はオキサン-4-イルである。
いくつかの実施形態では、R2はフェニルである。
R3基
いくつかの実施形態では、R3は、HおよびC1~C4アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、Hである。
いくつかの実施形態では、R3は、C1~C4アルキルである。
いくつかの実施形態では、R3は、メチルである。
R4基
いくつかの実施形態では、R4は、HおよびC1~C4アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、Hである。
いくつかの実施形態では、R4は、C1~C4アルキルである。
いくつかの実施形態では、R4は、メチルである。
ある組み合わせ
一緒にされた基ZおよびR2
いくつかの実施形態では、ZおよびR2は一緒に、以下から選択される基を形成する:(1H-インドール-5-イル)メチル、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,6-ジフルオロフェニル)メチル、(2-シアノフェニル)メチル、(2-フルオロフェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)メチル、(3-カルバモイルフェニル)メチル、(3-シアノ-4-フルオロフェニル)メチル、(3-フルオロフェニル)メチル、(4-カルバモイルフェニル)メチル、(4-シアノフェニル)メチル、(4-フルオロフェニル)メチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル、(シクロヘキシル)メチル、(シクロプロピル)メチル、(オキサン-4-イル)メチル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、4,4,4-トリフルオロブチルおよびベンジル。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(1H-インドール-5-イル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(2,6-ジフルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(2-シアノフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(2-フルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(3,4-ジフルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(3-カルバモイルフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(3-シアノ-4-フルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(3-フルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(4-カルバモイルフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(4-シアノフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(4-フルオロフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(4-メトキシフェニル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(シクロヘキシル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(シクロプロピル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、(オキサン-4-イル)メチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、2,2-ジメチルプロピルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、2-メチルプロピルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、3,3-ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、4,4,4-トリフルオロブチルである。
いくつかの実施形態では、一緒にされたZおよびR2は、ベンジルである。
R3およびR4基
いくつかの実施形態では、R3およびR4は、それぞれHである。
本発明の一態様は、式(IIa)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、R3は、C1~C4アルキルであり、R4は、Hである。
いくつかの実施形態では、R3は、メチルであり、R4は、Hである。
本発明の一態様は、式(IIc)の化合物:
(式中、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(IIc)における立体化学が、C(2)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIc)における立体化学が、C(2)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(IIe)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(IIe)における立体化学が、C(3)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIe)における立体化学が、C(3)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は、それぞれC1~C4アルキルである。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は、それぞれメチルである。
本発明の一態様は、式(IIg)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(IIi)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(IIk)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(IIk)における立体化学が、C(3)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIk)における立体化学が、C(3)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は一緒にされて、CH2、CH2-CH2、およびCH2-O-CH2から選択される架橋基を形成する。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は一緒にされて、CH2である架橋基を形成する。
本発明の一態様は、式(Ia-4)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(Ia-4)におけるC(1)炭素についての立体化学は(R)であり、C(4)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(Ia-4)におけるC(1)炭素についての立体化学は(S)であり、C(4)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(Ia-5)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は一緒にされて、CH2-CH2である架橋基を形成する。
本発明の一態様は、式(Ia-7)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、式(Ia-7)におけるC(1)炭素についての立体化学は(R)であり、C(4)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(Ia-7)におけるC(1)炭素についての立体化学は(S)であり、C(4)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(Ia-8)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、R3およびR4は一緒にされて、CH2-O-CH2である架橋基を形成する。
本発明の一態様は、式(Ia-10)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(Ia-11)の化合物:
(式中、X、Y、Z、R
1およびR
2はすべて、本明細書で上記および下記されるのと同じ定義を有する)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
ある組み合わせ
本発明の一態様は、式(IIIa)の化合物:
(式中、
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6ハロアルキル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり;
R
2は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
6アルコキシ、カルバモイル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリール、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
6~C
8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、HおよびC
1~C
4アルキルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIIa)の化合物:
(式中
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニルおよびチアジアゾリルから選択され;
R
2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシおよびメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1H-インドリル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ブチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサニルおよびフェニルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、Hおよびメチルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIIa)の化合物:
(式中
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、3,4,5-トリフルオロフェニル、3-シアノ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-シアノ-4-フルオロフェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-シアノ-2-フルオロフェニル、5-(ジフルオロメトキシ)ピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-クロロピラジン-2-イル、5-クロロピリミジン-2-イル、5-シアノピラジン-2-イル、5-シアノピリジン-2-イル、5-シアノピリミジン-2-イル、5-メトキシピリミジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イルおよび6-シアノピラジン-2-イルから選択され;
Z-R
2は一緒にされて、(1H-インドール-5-イル)メチル、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,6-ジフルオロフェニル)メチル、(2-シアノフェニル)メチル、(2-フルオロフェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)メチル、(3-カルバモイルフェニル)メチル、(3-シアノ-4-フルオロフェニル)メチル、(3-フルオロフェニル)メチル、(4-カルバモイルフェニル)メチル、(4-シアノフェニル)メチル、(4-フルオロフェニル)メチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル、(シクロヘキシル)メチル、(シクロプロピル)メチル、(オキサン-4-イル)メチル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、4,4,4-トリフルオロブチルおよびベンジルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、Hおよびメチルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIIc)の化合物:
(式中、
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルカルボニル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6ハロアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C
1~C
6アルコキシカルボニルおよびC
1~C
6アルキルスルファニルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり;
R
2は、C
1~C
4アルキルおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリール、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
6~C
8ビシクロアルケニルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、HおよびC
1~C
4アルキルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIIc)の化合物:
(式中
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、アセチル、ブロモ、シアノ、フルオロ、メトキシ、メチル、ニトロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、メトキシカルボニルおよびメチルスルファニルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニルおよびキノキサリニルから選択され;
R
2は、メチルおよびフルオロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、2,2-ジメチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル、シクロヘキシル、シクロプロピルおよびフェニルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、Hおよびメチルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIIc)の化合物:
(式中
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェニル、3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、3,4,5-トリフルオロフェニル、3,6-ジメチルピラジン-2-イル、3-シアノ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-シアノ-5-フルオロフェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-シアノ-2,5-ジフルオロフェニル、4-シアノ-2-フルオロフェニル、4-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、4-メチルピリミジン-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-(トリフルオロメトキシ)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-アセチルピラジン-2-イル、5-ブロモ-4-(メチルスルファニル)ピリミジン-2-イル、5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル、5-シアノピラジン-2-イル、5-シアノピリミジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、5-ニトロピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、6-フルオロキノキサリン-2-イル、6-メトキシ-3-ニトロピリジン-2-イル、6-メトキシピラジン-2-イル、6-メトキシキノキサリン-2-イルおよびキノキサリン-2-イルから選択され;
Z-R
2は一緒にされて、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,6-ジフルオロフェニル)メチル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル、(シクロヘキシル)メチル、2,2-ジメチルプロピル、3,3-ジメチルブチルおよびベンジルから選択され;ならびに
R
3およびR
4は、Hおよびメチルからそれぞれ独立して選択され、ならびにR
3およびR
4は、ピペラジン環の異なるエチレン基に結合している)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の一態様は、式(IIi)の化合物:
(式中、
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルカルボニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6ハロアルキル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり;ならびに
R
2は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
6アルコキシ、カルバモイル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリール、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
6~C
8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、R1は、6員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルである。
いくつかの実施形態では、ZはCH2である。
いくつかの実施形態では、Zは存在しない。
いくつかの実施形態では、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、R2はC6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはOである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、Xは、Oである。さらなる実施形態では、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはNHである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHである。さらなる実施形態では、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
本発明の一態様は、式(IIi)の化合物:
(式中
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニルおよびキノキサリニルから選択され;ならびに
R
2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシおよびメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1H-インドリル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ブチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサニルおよびフェニルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルである。
いくつかの実施形態では、ZはCH2である。
いくつかの実施形態では、Zは存在しない。
いくつかの実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
本発明の一態様は、式(IIi)の化合物:
(式中
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、3,4,5-トリフルオロフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、4-メチルピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメトキシ)ピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-(トリフルオロメトキシ)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-アセチルピラジン-2-イル、5-ブロモ-4-(メチルスルファニル)ピリミジン-2-イル、5-クロロピラジン-2-イル、5-クロロピリミジン-2-イル、5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル、5-シアノピラジン-2-イル、5-シアノピリジン-2-イル、5-シアノピリミジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、5-メトキシピリミジン-2-イル、5-ニトロピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、6-シアノピラジン-2-イル、6-フルオロキノキサリン-2-イル、6-メトキシ-3-ニトロピリジン-2-イルおよびキノキサリン-2-イルから選択され;ならびに
Z-R
2は一緒にされて、(1H-インドール-5-イル)メチル、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,6-ジフルオロフェニル)メチル、(2-シアノフェニル)メチル、(2-フルオロフェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)メチル、(3-カルバモイルフェニル)メチル、(3-シアノ-4-フルオロフェニル)メチル、(3-フルオロフェニル)メチル、(4-カルバモイルフェニル)メチル、(4-シアノフェニル)メチル、(4-フルオロフェニル)メチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル、(シクロヘキシル)メチル、(シクロプロピル)メチル、(オキサン-4-イル)メチル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、4,4,4-トリフルオロブチルおよびベンジルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIi)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(6)炭素については(S)である。
本発明の一態様は、式(IIg)の化合物:
(式中、
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルキルカルボニル、C
1~C
6アルキルスルファニル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
6ハロアルキル、シアノ、ハロゲンおよびニトロから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり;ならびに
R
2は、C
1~C
4アルキル、C
1~C
6アルコキシ、カルバモイル、シアノおよびハロゲンから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、C
6~C
10アリール、C
1~C
6アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
6~C
8ビシクロアルケニル、5~10員ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、R1は、6員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルである。
いくつかの実施形態では、ZはCH2である。
いくつかの実施形態では、Zは存在しない。
いくつかの実施形態では、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、R2はC6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはOである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOである。さらなる実施形態では、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはNHである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHである。さらなる実施形態では、R2は、C6~C10アリールである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は6員ヘテロアリールであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールである。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、R2はC6~C10アリールであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
本発明の一態様は、式(IIg)の化合物:
(式中
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
Zは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、アセチル、ブロモ、クロロ、シアノ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロメチル、フルオロ、メトキシ、メトキシカルボニル、メチル、メチルスルファニル、ニトロ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニルおよびキノキサリニルから選択され;ならびに
R
2は、カルバモイル、シアノ、フルオロ、メトキシおよびメチルから選択される1またはそれを超える基でそれぞれ必要に応じて置換された、1H-インドリル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ブチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、オキサニルおよびフェニルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルである。
いくつかの実施形態では、ZはCH2である。
いくつかの実施形態では、Zは存在しない。
いくつかの実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については、(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはOであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、またはピリミジニルであり、XはNHであり、ZはCH2であり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。さらなる実施形態では、R2はフェニルである。
本発明の一態様は、式(IIg)の化合物:
(式中
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CH
2であるか、または存在せず;
R
1は、3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、3,4,5-トリフルオロフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、4-メチルピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメトキシ)ピリミジン-2-イル、5-(ジフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-(トリフルオロメトキシ)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル、5-アセチルピラジン-2-イル、5-ブロモ-4-(メチルスルファニル)ピリミジン-2-イル、5-クロロピラジン-2-イル、5-クロロピリミジン-2-イル、5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル、5-シアノピラジン-2-イル、5-シアノピリジン-2-イル、5-シアノピリミジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、5-メトキシピリミジン-2-イル、5-ニトロピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル、6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル、6-シアノピラジン-2-イル、6-フルオロキノキサリン-2-イル、6-メトキシ-3-ニトロピリジン-2-イルおよびキノキサリン-2-イルから選択され;ならびに
Z-R
2は一緒にされて、(1H-インドール-5-イル)メチル、(2,2-ジメチルシクロプロピル)メチル、(2,6-ジフルオロフェニル)メチル、(2-シアノフェニル)メチル、(2-フルオロフェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)メチル、(3-カルバモイルフェニル)メチル、(3-シアノ-4-フルオロフェニル)メチル、(3-フルオロフェニル)メチル、(4-カルバモイルフェニル)メチル、(4-シアノフェニル)メチル、(4-フルオロフェニル)メチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル、(シクロヘキシル)メチル、(シクロプロピル)メチル、(オキサン-4-イル)メチル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、4,4,4-トリフルオロブチルおよびベンジルから選択される)、またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはNHである。
いくつかの実施形態では、YはCH2である。
いくつかの実施形態では、Yは存在しない。
いくつかの実施形態では、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、式(IIg)における立体化学が、C(2)炭素については(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルである。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(R)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(R)である。
いくつかの実施形態では、XはOであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
いくつかの実施形態では、XはNHであり、Z-R2はベンジルであり、C(2)炭素についての立体化学は(S)であり、C(5)炭素については(S)である。
本発明のいくつかの実施形態は、以下の表Aの化合物から選択される1またはそれを超える化合物およびその医薬的に許容され得る塩のあらゆる組み合わせを含み、各化合物に関連する化合物番号および化学名は、本開示の他の箇所で使用される。表Aは、本発明のある化合物を与える。
さらに、本発明の化学属および個々の化合物、例えば表Aに見出される化合物は、すべての考えられる立体異性体およびすべてのその医薬的に許容され得る塩を包含する。
本明細書に記載の化合物は、非対称(例えば、1またはそれを超える立体中心を有する)であり得る。エナンチオマーおよびジアステレオマーなどのすべての立体異性体は、別途指示しない限り、意図される。1またはそれを超えるキラル中心を有する本明細書に記載される任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に指示されていない場合、各中心は独立して、(R)配置もしくは(S)配置、またはそれらの混合物であり得ることが理解される。したがって、本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋であってもよく、エナンチオマー的に濃縮されていてもよく、ラセミ混合物であってもよく、ジアステレオマー的に純粋であってもよく、ジアステレオマー的に濃縮されていてもよく、または立体異性体混合物であってもよい。エナンチオマー的に純粋なまたはエナンチオマー的に濃縮された形態の調製は、ラセミ混合物の分割によって、またはエナンチオマー的に純粋なもしくは濃縮された出発物質を使用することによって、または立体選択的もしくは立体特異的合成によって達成され得る。立体化学の定義は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、E.L.Eliel,S.H.Wilen&L.N.Mander,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley&Sons,Inc.,New York,NY,1994において入手可能である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物がキラルであるか、またはさもなければ1またはそれを超える立体中心を含む場合、化合物は、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、または約99%超のエナンチオマー過剰率またはジアステレオマー過剰率で調製することができる。
化合物のラセミ混合物の分割は、当分野で公知である多数の方法のいずれかによって行うことができる。例示的な方法としては、塩基性基を含有するラセミ化合物と共にキラル分割有機酸を使用する分別再結晶が挙げられる。分別再結晶法に好適な分割剤は、例えば光学活性酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のD型およびL型または様々な光学活性カンファースルホン酸である。分別結晶法に好適な他のキラル分割剤としては、メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えばSおよびR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。同様に、キラル分割塩基を使用する分別再結晶が、塩基性基を含有するラセミ化合物と共に利用することができる。
ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムでの溶離によって行うこともできる。好適な溶離溶媒組成物は、当業者が決定することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約99.9%のエナンチオマー過剰率、または前述の数字のいずれかによって定義される範囲内のエナンチオマー過剰率を有する本発明の化合物を調製することができる。
さらに、本明細書に記載の化合物が1またはそれを超える二重結合(例えば、C=C、C=Nなど)または他の幾何学的不斉中心を含む場合、別途明記しない限り、化合物はEおよびZ幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)の両方を含むと理解される。本明細書に記載される化合物のシスおよびトランス幾何異性体は、異性体の混合物として、または分離された異性体形態として単離され得る。
本明細書中に記載される化合物には、互変異性形態も含まれる。互変異性形態は、同時のプロトン移動を伴う、単結合と隣接する二重結合との交換から生じる。互変異性形態は、同じ実験式および全電荷を有する異性体のプロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、ならびにプロトンが、複素環系の2またはそれを超える位置を占有し得る環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールが挙げられる。互変異性形態は、平衡状態にあることができるか、または適切な置換により1つの形態に立体的に固定することができる。
本発明の化合物およびその医薬的に許容され得る塩は、水および溶媒などの他の物質と共に、例えば水和物または溶媒和物の形態で見出すことができる。固体状態の場合、本明細書に記載の化合物およびその塩は、様々な形態で発生し得、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態をとり得る。化合物は、結晶形態、非晶質形態、溶媒和形態などの任意の固体形態であってもよく、別途明確に指示されない限り、本明細書における化合物およびその塩への言及は、化合物の任意の固体形態を読み取るものとして理解されるべきである。
本明細書に記載される化合物は、遊離酸または遊離塩基の形態などの中性形態で使用され得る。または、化合物は、酸付加塩または塩基付加塩の形態で使用され得る。「医薬的に許容され得る塩」という用語は、医薬での使用に生物学的または他の点で望ましくないものではない酸性または塩基性部分を有する化合物の塩を指す。多くの場合、本明細書に開示される化合物は、酸性または塩基性部分(例えば、アミノおよび/もしくはカルボキシル基、またはそれらに類似する基)の存在によって酸塩および/または塩基塩を形成することができる。医薬的に許容され得る酸付加塩は、塩基性部分を有する化合物を無機酸および有機酸と化合させることによって形成することができる。塩を調製するために使用され得る無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩を調製するために使用され得る有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。医薬的に許容され得る塩基付加塩は、酸性部分を有する化合物を無機塩基および有機塩基と化合させることによって形成することができる。塩を調製するために使用され得る無機塩基としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩などが挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩またはリン酸塩である。塩を調製するために使用され得る有機塩基としては、例えば第1級、第2級および第3級アミン、天然型置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンなどが挙げられる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を、少なくとも化学量論量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒;一般にエーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールもしくはブタノール)またはアセトニトリル(ACN)などの非水性媒体の中で、またはその2つの混合物中で反応させることによって調製することができる。好適な塩のリストは、それぞれ参照により本明細書にその全体が組み入れられている、WO 87/05297;Johnstonら,published September 11,1987;Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418;およびJ.Pharm.Sci.,66,2(1977)に見出される。本開示の医薬塩の調製および選択のための参考文献は、参照により本明細書にその全体が組み入れられている、P.H.Stahl&C.G.Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts,Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離」という語句は、化合物が形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されている化合物を指す。部分分離は、例えば本発明の化合物が濃縮された組成物を含むことができる。実質的な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の本発明の化合物またはその塩を含有する組成物を含むことができる。
多形体および擬多形体
多形性は、単一成分物質が、結晶格子内の分子の異なる配置および/または立体配座を有する2またはそれを超える結晶相として存在する能力である。多形体は、液体または気体状態で同じ特性を示すが、固体状態では異なる挙動を示す。
単一成分多形体の他に、化合物(例えば、薬物)は、塩および他の多成分結晶相としても存在することができる。例えば、溶媒和物および水和物は、ホストとして化合物を含み、溶媒または水分子のいずれかをそれぞれゲストとして含有し得る。同様に、ゲスト化合物が室温にて固体である場合、得られた形態は共結晶と呼ばれることが多い。塩、溶媒和物、水和物および共結晶も同じく多形性を示し得る。同じ化合物ホストを共有するが、ゲストに関して異なる結晶相は、互いに擬多形体と呼ばれ得る。
溶媒和物は、一定の結晶格子内に結晶化溶媒の分子を含有する。結晶化溶媒が水である溶媒和物は、水和物と呼ばれる。水は大気の構成成分であるため、薬物の水和物はかなり容易に形成され得る。
例として、Stahlyは、「多種多様の構造タイプ」から成る245の化合物の多形スクリーンを公開し、それらのうちの約90%が複数の固体形態を示すことが明らかにした。全般に、およそ半分の化合物は、多形性であり、1~3の形態を有することが多い。化合物のうちの約3分の1が水和物を形成し、および約3分の1が溶媒和物を形成した。64の化合物の共結晶スクリーンからのデータは、60%が水和物または溶媒和物以外の共結晶を形成したことを示した(G.P.Stahly,Crystal Growth&Design(2007),7(6),1007-1026)。
同位体
本明細書に開示および記載される化合物によって、文脈が明確に別途指示しない限り、化合物の各位置の原子は独立して:1)天然に通常見出されるものに比例する量の化学元素の同位体分布、または2)天然に通常見出されるものとは異なる比例量の同位体分布を有することができる。特定の化学元素は、原子の核内のプロトンの数によって定義される原子番号を有する。各原子番号は具体的な元素を特定するが、同位体は特定しない。所与の元素の原子は、その中性子数を広範な範囲で有し得る。核内のプロトンおよび中性子の両方の数は原子の質量数であり、所与の元素の各同位体は異なる質量数を有する。1またはそれを超える原子が、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で化学元素の同位体分布を有する化合物は、一般に同位体標識化合物と呼ばれる。化合物構造で表される各化学元素は、上記元素の任意の同位体分布を含み得る。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、限定されないが、プロチウム(1H)および重水素(2H)を、天然に通常見出されるものに対する比例量および天然に通常見出されるものとは異なる比例量で含む、水素の同位体分布であることができる。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈が別途明確に示さない限り、各原子のすべての潜在的な同位体分布を包含する。同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体が挙げられる。当業者が認識するように、本明細書に開示および記載される化合物のいずれかは、放射性同位体を含み得る。したがって、1またはそれを超える原子が天然に通常見出されるものとは異なる同位体分布を有する、例えば天然に見出されるよりも2Hもしくは3Hの割合がより大きい、または11C、13Cもしくは14Cの割合がよりも大きい、本明細書中に開示および記載されるような化合物の使用も企図される。一般的な例として、制限なく、水素の同位体としては、プロチウム(1H)、重水素(2H)およびトリチウム(3H)が挙げられる。炭素の同位体としては、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)および炭素-14(14C)が挙げられる。窒素の同位体としては、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)および窒素-15(15N)が挙げられる。酸素の同位体としては、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)および酸素-18(18O)が挙げられる。フッ素の同位体としては、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)およびフッ素-19(19F)が挙げられる。リンの同位体としては、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、リン-34(34P)、リン-35(35P)およびリン-36(36P)が挙げられる。硫黄の同位体としては、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)および硫黄-38(38S)が挙げられる。塩素の同位体としては、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)および塩素-37(37Cl)が挙げられる。臭素の同位体としては、臭素-75(75Br)、臭素-76(76Br)、臭素-77(77Br)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)および臭素-82(82Br)が挙げられる。ヨウ素の同位体としては、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-124(124I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-131(131I)およびヨウ素-135(135I)が挙げられる。いくつかの実施形態では、化合物のいずれの位置の原子も各化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する。いくつかの実施形態では、化合物の1つの位置の原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。いくつかの実施形態では、化合物の少なくとも2つの位置の原子は独立して、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。いくつかの実施形態では、化合物の少なくとも3つの位置の原子は独立して、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。いくつかの実施形態では、化合物の少なくとも4つの位置の原子は独立して、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。いくつかの実施形態では、化合物の少なくとも5つの位置の原子は独立して、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。いくつかの実施形態では、化合物の少なくとも6つの位置の原子は独立して、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものとは異なる比例量で有する(残りの原子は、化学元素の同位体分布を、天然に通常見出されるものに対する比例量で有する)。
ある化合物、例えば3Hおよび14Cなどの放射性同位体を組み込んだ化合物は、薬物または基質組織分布アッセイにおいても有用である。トリチウム(3H)および炭素-14(14C)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出可能性のために特に好ましい。天然に通常見出されるよりも大きい比例量の重水素(2H)などの同位体を有する化合物は、例えば、インビボ半減期の増加または投与量要件の減少など、より大きな代謝安定性から生じるある治療上の利点を与え得る。同位体標識化合物は、一般に、化学分野で慣用的に実施される手順を行うことによって調製することができる。そのような同位体の摂動または濃縮を測定する質量分析などの方法は容易に利用可能であり、放射性同位体である同位体については、HPLCまたはGCに関連して使用される無線検出器などの追加の方法が利用可能である。
本明細書で使用される場合、「同位体変異体」は、そのような化合物を構成する1またはそれを超える原子の同位体を非天然の割合で含有する化合物を意味する。ある実施形態では、化合物の「同位体変異体」は、プロチウム(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)およびヨウ素-131(131I)を含むが、これに限定されない、1またはそれを超える同位体を非天然の割合で含有する。ある実施形態では、化合物の「同位体変異体」は、安定な形態、すなわち非放射性である。ある実施形態では、化合物の「同位体変異体」は、水素(1H)、重水素(2H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)および酸素-18(18O)を含むが、これに限定されない、1またはそれを超える同位体を非天然の割合で含む。ある実施形態では、化合物の「同位体変異体」は、不安定な形態、すなわち放射性である。ある実施形態では、本発明の化合物の「同位体変異体」は、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)および酸素-15(15O)を含むが、これに限定されない、1またはそれを超える同位体を非天然の割合で含む。本明細書で提供される化合物において、任意の水素は、例として主同位体形態として2Hを含むことができ、または任意の炭素は、例として主同位体形態として13Cを含み、または任意の窒素は、例として主同位体形態として15Nを含むことができ、任意の酸素は、例として主同位体形態として18Oを含むことができることが理解されよう。ある実施形態では、化合物の「同位体変異体」は、重水素(2H)を非天然の割合で含む。
本明細書で提供される化合物に関して、特定の原子位置が重水素または「D」または「d」を有するとして指定される場合、その位置での重水素の存在量は、約0.015%である重水素の天然存在量よりも実質的に大きいことが理解される。重水素を有するとして指定された位置は、典型的には、ある実施形態では、各指定された重水素位置において、少なくとも3500(52.5%重水素組み込み)、少なくとも4000(60%重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%重水素組み込み)、少なくとも5000(75%重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5%重水素組み込み)、少なくとも6000(90%重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%重水素組み込み)、少なくとも6600(99%重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素組み込み)の最小同位体濃縮係数を有する。
放射性同位体を有機化合物に組み込むための合成方法は、本発明の化合物に適用可能であり、当分野で周知である。例えば、標的分子にトリチウムの活性レベルを組み込むこれらの合成方法は、以下の通りである。
A.トリチウムガスを用いた接触還元:この手順は通常比活性の高い生成物を与え、ハロゲン化または不飽和前駆体を必要とする。
B.ナトリウムボロヒドリド[3H]を用いた還元:この手順はかなり安価であり、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなどの還元性官能基を含有する前駆体を必要とする。
C.水素化アルミニウムリチウム[3H]を用いた還元:この手順は、ほぼ理論的な比活性で生成物を与える。この手順もまた、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなどの還元性官能基を含有する前駆体を必要とする。
D.トリチウムガス曝露標識:この手順は、好適な触媒の存在下で、交換可能なプロトンを含有する前駆体をトリチウムガスに曝露することを含む。
E.ヨウ化メチル[3H]を用いたN-メチル化:この手順は、通常、高比活性ヨウ化メチル(3H)で適切な前駆体を処理することによって、O-メチルまたはN-メチル(3H)生成物を調製するために用いられる。この方法により、例えば約70~90Ci/mmolなどのより高い比活性が一般に可能となる。
125Iの活性レベルを標的分子に組み込む合成方法は、以下を含む。
A.Sandmeyerおよび同様の反応:この手順は、アリールアミンまたはヘテロアリールアミンをジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩などのジアゾニウム塩に変換し、次いで、Na125Iを使用して125I標識化合物に変換する。代表的な手順は、Zhu,G-D.および共同研究者によってJ.Org.Chem.,2002,67,943-948で報告された。
B.フェノール類のオルト125ヨウ素化-この手順によって、Collier,T.L.および共同研究者によってJ.Labelled Compd.Radiopharm.,1999,42,S264-S266で報告されたように、フェノールのオルト位置における125Iの組み込みが可能となる。
C.125Iによるアリールおよびヘテロアリールブロミド交換:この方法は、一般に2ステッププロセスである。第1のステップは、トリアルキルスズハライドもしくはヘキサアルキルジスズ[例えば(CH3)3SnSn(CH3)3]の存在下で、例えばPd触媒反応[すなわちPd(Ph3P)4]を使用する、またはアリールもしくはヘテロアリールリチウムによる、アリールまたはヘテロアリールブロミドの、対応するトリアルキルスズ中間体への変換である。代表的な手順は、Le Bas,M.-D.および共同研究者によってJ.Labelled Compd.Radiopharm.,2001,44,S280-S282で報告された。
本発明の化合物の放射性標識形態は、化合物を同定/評価するためのスクリーニングアッセイに使用することができる。一般的には、新たに合成または同定された化合物(すなわち、試験化合物)は、本明細書に開示される化合物の放射性標識形態のM4受容体への結合を低減する能力について評価することができる。M4受容体への結合について試験化合物が本発明の化合物の放射性標識形態と競合する能力は、その結合親和性に相関する。
障害、使用および処置方法
本明細書に開示および記載される化合物は、ムスカリン性受容体アンタゴニストである。したがって、化合物およびその塩またはそれらの多形体は、受容体と接触させることによってムスカリン性受容体(例えば、ムスカリン性受容体4)に拮抗する方法に使用することができる。いくつかの実施形態では、化合物およびその塩または多形体は、有効量の化合物またはその塩を投与することによって、それを必要とする患者のムスカリン性受容体4(すなわち、M4)に拮抗する方法に使用することができる。いくつかの実施形態では、接触はインビボである。いくつかの実施形態では、接触はエクスビボである。
本明細書で提供される化合物は選択的であることができる。本明細書で使用される場合、「選択的」という用語は、化合物が、少なくとも1つの他のムスカリン性受容体(例えば、M1、M2、M3および/またはM5)と比較して、より大きな親和性または効力でM4受容体に拮抗することを意味する。いくつかの実施形態では、選択性は、本明細書中に記載されるアッセイによって測定される場合、少なくとも1つの他のムスカリン性受容体に対して少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍である。
トゥレット症候群(TS)、アルツハイマー病(AD)、統合失調症、レビー小体型認知症(LBD)、統合失調症に関連する認知障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、振戦、ジスキネジア、日中の過度の眠気、ジストニア、舞踏病、レボドパ誘発性ジスキネジア、注意欠陥多動性障害(ADHD)、脳性麻痺、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、ハンチントン病(HD)およびハンチントン病に関連する舞踏病を含むが、これに限定されない神経疾患/障害または症候を処置または予防する(すなわち発生の可能性を低減する)方法が、本明細書で提供される。これらの疾患/障害または症候のいくつかは認知障害と見なされ(例えば、アルツハイマー病)、他の疾患は神経学的運動疾患/障害と見なされるが、いくつかは認知および運動の両方の欠損またはそれらに関連する症状を有する(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病)。
本明細書に記載の神経学的症状、疾患または障害または症候を処置することに関する、M4アンタゴニストなどのムスカリン性受容体アンタゴニストの有効性は、医療および臨床分野の当業者によって容易に決定することができる。例えば、身体検査、患者の自己評価、臨床症候の評価およびモニタリング、臨床検査、物理試験、および診査手術を含む分析試験および方法の実施を含む、特定の疾患または障害または症候に適した、当業者に周知である診断方法の1つまたは任意の組み合わせが、対象の健康状態およびアンタゴニストの有効性をモニタリングするために使用され得る。本明細書中に記載される処置方法の効果は、アンタゴニストを含む医薬組成物を投与されたことがある特定の疾患または障害に罹患しているまたはそのリスクがある患者の症候を、アンタゴニストで処置されなかったまたはプラセボ処置を投与された患者と比較するなど、当分野における公知の技術を使用して分析することができる。
本明細書に開示される化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)は、いくつかの疾患、障害、症状または症候の処置または予防に有用である。当業者は、疾患、障害もしくは症候、または処置もしくは予防の方法が本明細書に開示される場合、そのような開示が第2の医療用途(例えば、疾患、障害または症候の処置における使用のための化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体、疾患、障害または症候の処置のための化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体の使用、ならびに疾患、障害または症候の処置のための医薬品の製造における化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体の使用)を包含することを認識するであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)は、疾患、障害または症候の処置または予防に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)は、疾患、障害または症候のサブタイプの処置または予防に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)は、疾患または障害の症候の処置または予防に有用である。
本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)によって神経疾患、障害または症候を処置または予防する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)によって神経疾患、障害または症候を処置する方法である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)によって神経疾患、障害または症候を予防する方法である。
神経疾患、障害または症候を処置または予防するのに有用な本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)が本明細書で提供される。神経疾患、障害または症候を処置するのに有用な本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)が本明細書で提供される。M4活性に関連する神経疾患、障害または症候を予防するために有用な本発明の化合物(およびその医薬的に許容され得る塩または多形体)が本明細書で提供される。
本発明の一態様は、個体における神経疾患、障害または症候を処置または予防する方法であって、それを必要とする個体に治療有効量の本発明による化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩;本発明の医薬製品;または本発明の医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
本発明の一態様は、個体におけるムスカリン性受容体4(M4)媒介疾患、障害または症候を処置または予防する方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本発明による化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体;本発明の医薬製品;または本発明の医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
本発明の一態様は、個体における神経疾患、障害または症候を処置または予防するための医薬品の製造における、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体の使用に関する。
本発明の一態様は、個体におけるムスカリン性受容体4(M4)媒介疾患、障害または症候を処置または予防するための医薬品の製造における、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体の使用に関する。
本発明の一態様は、治療によるヒトまたは動物の身体の処置または防御の方法に使用するための、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体;本発明の医薬製品;または本発明の医薬組成物に関する。
本発明の一態様は、個体における神経疾患、障害または症候を処置または予防するための方法に使用するための、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体;本発明の医薬製品;または本発明の医薬組成物に関する。
本発明の一態様は、個体におけるムスカリン性受容体4(M4)媒介性神経疾患、障害または症候を処置または予防するための方法に使用するための、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩もしくは多形体;本発明の医薬製品;または本発明の医薬組成物に関する。
本発明の一態様は、患者における神経疾患、障害または症候を処置するための化合物、その医薬的に許容され得る塩または結晶形態の使用に関する。
本発明の一態様は、患者における神経疾患、障害または症候を処置する医薬品を製造するための、化合物、その医薬的に許容され得る塩または結晶形態の使用に関する。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、トゥレット症候群(TS)、アルツハイマー病(AD)、統合失調症、レビー小体型認知症(LBD)、統合失調症に関連する認知障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、振戦、ジスキネジア、日中の過度の眠気、ジストニア、舞踏病、レボドパ誘発性ジスキネジア、注意欠陥多動性障害(ADHD)、脳性麻痺、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、ハンチントン病(HD)、ならびにハンチントン病に関連する舞踏病から選択される。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、トゥレット症候群(TS)である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、統合失調症である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、進行性核上性麻痺である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は振戦である。いくつかのさらなる実施形態では、神経疾患、障害または症候は、パーキンソン振戦である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、パーキンソニズムである。いくつかのさらなる実施形態では、パーキンソニズムは薬物誘発性パーキンソニズムである。いくつかのさらなる実施形態では、パーキンソニズムの1またはそれを超える症候は、振戦、運動緩徐、硬直および姿勢不安定性から選択される。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、パーキンソン病(PD)である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、レビー小体型認知症(LBD)である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、レボドパ誘発性ジスキネジアである。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候はハンチントン病(HD)である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、日中の過度の眠気である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、ジストニアである。いくつかの実施形態では、ジストニアは全身性ジストニアである。いくつかのさらなる実施形態では、全身性ジストニアは、オッペンハイムジストニアまたはDYT1ジストニアである。いくつかの他のさらなる実施形態では、全身性ジストニアは、非DYT1全身性ジストニアである。いくつかの実施形態では、ジストニアは限局性ジストニアである。いくつかの実施形態では、ジストニアは感染症によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ジストニアは、出生時傷害によって引き起こされる。さらなる実施形態では、出生時傷害は脳性麻痺である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、ジスキネジアである。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、統合失調症に関連する認知障害である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、舞踏病である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、ハンチントン病(HD)に関連する舞踏病である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、脳性麻痺である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、注意欠陥多動性障害(ADHD)である。
いくつかの実施形態では、神経疾患、障害または症候は、アルツハイマー病(AD)である。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、および最も好ましくはヒトを含む、任意の動物を指す。臨床試験またはスクリーニングまたは活性実験の文脈では、対象は、潜在的なM4媒介障害も症候もない健康被験者もしくは健康参加者、または医療専門家によって決定された医学的処置を必要とする障害もしくは症状の診断を受けた被験者もしくは参加者であり得る。臨床試験以外の文脈では、障害または症状の診断を受けた医療専門家の管理下にある対象は、典型的には患者として記載される。
「小児対象」という用語は、本明細書で使用される場合、診断または処置時に21歳未満の対象を指す。「小児の」という用語は、新生児(出生から生後1ヶ月まで)乳幼児(1ヶ月から2歳まで);小児(2歳から12歳まで);および青年(12歳から21歳(22歳の誕生日まで、ただしこれを含まない))を含む様々な亜集団にさらに分けることができ、例えばBerhmanら、Textbook of Pediatrics,15th Ed.Philadelphia:W.B.Saunders Company,1996;Rudolphら、Rudolph’s Pediatrics,21st Ed.New York:McGraw-Hill,2002;およびAveryら、Pediatric Medicine,2nd Ed.Baltimore:Williams&Wilkins;1994を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「処置する」、および「処置」という用語は、対象(すなわち、患者)の疾患、障害、症候または症状の医学的管理を指す(例えば、Stedman’s Medical Dictionaryを参照のこと)。一般に、適切な用量および処置計画は、治療上および/または予防上の利益を提供するのに十分な量のM4アンタゴニストを提供する。「処置する」または「処置」という用語は、疾患、障害、またはこの疾患もしくは障害に関連する望ましくない生理学的変化または症候を減速、遅延、低減または逆転させることを含む。「処置する」または「処置」という用語は、そのような疾患、障害または症候の拡張または重症度の予防、減速または遅延させることも含む。本明細書で論じるように、1またはそれを超えるM4アンタゴニストによる処置の有効性は、処置される疾患または障害から生じるまたは疾患に関連する症候の減退、減少または軽減;処置される疾患または障害に関連する症候の発生の低下;生活の質の改善;より長い無病状態(すなわち、疾患または障害の診断が行われる基準に基づいて、対象が症候を示す可能性または傾向を低下させること);疾患の程度の漸減;疾患または障害の安定化(すなわち、悪化しない)状態;疾患または障害進行の遅延または減速;疾患または障害状態の緩和または一時的緩和;ならびに検出可能であれ検出不能であれ寛解(部分的であれ全体的であれ)および/または全生存期間を含むが、これに限定されない、有益なまたは所望の臨床結果を含み得る。
「処置する」および「処置」という用語は、対象が処置を受けなかった場合に予想される生存と比較した際の生存の延長も意味し得る。処置を必要とする対象として、疾患または障害を既に有する対象、ならびに疾患または障害に罹患しやすいまたは疾患または障害を発症するリスクがある対象、ならびに疾患、症状、障害または症候が予防される(すなわち、疾患または障害の発生または再発の可能性を低下させる)対象が挙げられる。
「予防すること」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載の疾患もしくは症状、またはその症候の全体または一部の発症、再発または広がりの予防を意味する。
「投与」または「投与する」という用語は、哺乳動物、鳥類、魚類または両生類を含む脊椎動物または無脊椎動物に投薬量の化合物または医薬製剤を与える方法を指す。好ましい投与方法は、様々な要因、例えば医薬製剤の成分、疾患の部位、および疾患の重症度に応じて異なる可能性がある。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、所望の効果を達成するのに十分である、本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩の量、または本発明の化合物もしくはその医薬的に許容され得る塩を含む医薬組成物の量であり、疾患症状の性質および重症度、ならびに化合物の効力に従って変化することができる。治療効果は、疾患の1またはそれを超える症候のある程度の軽減であり、疾患を治癒することを含むことができる。「治癒すること」とは、活動性疾患の症候が解消されることを意味する。しかし、治癒が得られた後であっても、疾患のある長期的または永続的な影響(例えば、広範囲の組織損傷など)が存在する可能性がある。
医薬組成物、製剤および剤形
本開示はさらに、本明細書に開示および記載される本発明の化合物(例えば、本明細書に記載の特定の化合物を含む式(Ia)の化合物)またはその医薬的に許容され得る塩のいずれか、および賦形剤、例えば医薬的に許容され得る賦形剤を含む、神経疾患または障害などのM4媒介疾患または障害を処置する方法に使用するための組成物を提供する。医薬的に許容され得る賦形剤は、原薬の活性を妨害しない生理学的および医薬的に好適な非毒性不活性材料または成分であり、賦形剤は担体とも呼ばれ得る。本明細書に記載の製剤化方法および賦形剤は例示的であり、決して限定的ではない。医薬的に許容され得る賦形剤は、医薬分野で周知であり、例えばRoweら、Handbook of Pharmaceutical Excipients:A Comprehensive Guide to Uses,Properties,and Safety,5th Ed.,2006,and in Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されている。例示的な医薬的に許容され得る賦形剤としては、生理的pHの滅菌生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水が挙げられる。医薬組成物中には保存剤、安定化剤、染料、緩衝剤などが提供され得る。さらに、酸化防止剤および懸濁化剤も使用され得る。
液体溶液として製剤化された組成物では、許容され得る担体および/または希釈剤には生理食塩水および滅菌水が含まれ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および他の一般的な添加剤が含まれ得る。組成物は、M4アンタゴニストに加えて、希釈剤、分散剤および界面活性剤、結合剤および滑沢剤を含有する丸剤、カプセル剤、顆粒剤または錠剤としても製剤化され得る。当業者は、適切な様式で、上記のRemingtonに開示されているものなどの許容されている実務に従って、M4アンタゴニストをさらに製剤化し得る。
投与方法としては、好ましくは上で論じたような医薬組成物の形態での、本明細書に記載されるM4アンタゴニストの全身投与が挙げられる。本明細書で使用される場合、全身投与として、経口および非経口投与方法が挙げられる。経口投与では、好適な医薬組成物としては、散剤、顆粒剤、丸剤、錠剤およびカプセル剤、ならびに液剤、シロップ剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。これらの組成物は、香味料、保存剤、懸濁化剤、増粘剤および乳化剤、ならびに他の医薬的に許容され得る添加剤も含み得る。非経口(parental)投与では、本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)は、M4アンタゴニストに加えて、緩衝剤、酸化防止剤、静菌剤、およびそのような溶液に一般に用いられる他の添加剤を含有し得る水性注射液中で調製することができる。
経口投与のための医薬調製物は、任意の適切な方法によって、典型的には、化合物(複数可)を液体もしくは微粉化固体担体、またはその両方と必要な割合で均一に混合し、次いで必要に応じて、混合物を処理し、所望ならば好適な助剤を添加した後、得られた混合物を所望の形状に形成して錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。
結合剤、充填剤、アジュバント、担体、許容され得る湿潤剤、錠剤化滑沢剤および崩壊剤などの従来の賦形剤は、経口投与のための錠剤およびカプセル剤に使用され得る。経口投与用の液体調製物は、液剤、乳剤、水性または油性懸濁剤およびシロップ剤の形態であり得る。または、経口調製物は、使用前に水または別の好適な液体ビヒクルで再構成することができる乾燥粉剤の形態であり得る。懸濁化剤または乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含む)、防腐剤および香味剤および着色剤などの追加の添加剤が液体製剤に添加され得る。非経口剤形は、本発明の化合物を好適な液体ビヒクルに溶解させ、凍結乾燥前に溶液を濾過滅菌するか、または単に適切なバイアルもしくはアンプルに充填し密封することによって調製され得る。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」の文脈で定義される「原薬」は、一般に治療上の利益を提供しないと認識される「不活性成分」に対して、主要な薬理学的効果を提供する、本明細書に開示および記載される化合物のいずれか1つなどの医薬組成物の成分を指す。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、組成物に添加されて、制限なく、かさ、稠度、安定性、結合能力、滑沢、崩壊能力などを組成物に提供する物質を指す。「希釈剤」は賦形剤の一種であり、薬理活性を欠くが、医薬的に必要または所望であり得る医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤を使用して、質量が小さすぎて製造および/または投与できない、効力ある薬物のかさを増加させ得る。希釈剤は、注射、摂取または吸入によって投与される薬物を溶解するための液体でもあり得る。医薬的に許容され得る賦形剤は、原薬の活性を妨害しない生理学的および医薬的に好適な非毒性不活性材料または成分である。医薬的に許容され得る賦形剤は、医薬分野で周知であり、例えばRoweら、Handbook of Pharmaceutical Excipients:A Comprehensive Guide to Uses,Properties,and Safety,5th Ed.,2006,and in Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005))に記載されている。医薬組成物中には保存剤、安定化剤、染料、緩衝剤などが提供され得る。さらに、酸化防止剤および懸濁化剤も使用され得る。液体溶液として製剤化された組成物では、許容され得る担体および/または希釈剤には生理食塩水および滅菌水が含まれ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および他の一般的な添加剤が含まれ得る。いくつかの実施形態では、希釈剤は、制限なく、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝水溶液であり得る。組成物は、本明細書に開示および記載される化合物に加えて、希釈剤、分散剤および界面活性剤、結合剤、および滑沢剤を含有するカプセル剤、顆粒剤または錠剤としても製剤化され得る。当業者は、適切な様式で、および上記Remingtonに開示されているものなどの許容されている実務に従って、本明細書に開示および記載されている化合物をさらに製剤化し得る。
本発明の一態様は、本発明による化合物またはその医薬的に許容され得る塩と、医薬的に許容され得る担体とを混合するステップを含む、医薬組成物を調製する方法に関する。
本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む医薬組成物の製造において、原薬は、典型的には賦形剤と混合(すなわち、混和)され、賦形剤によって希釈され、または例えばカプセル、サシェ、紙もしくは他の容器の形態のそのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、原薬のためのビヒクル、担体または媒体として作用する固体、半固体または液体材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、(固体としてまたは液体媒体の)エアロゾル剤、軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射液、ならびに滅菌包装散剤の形態であることができる。
散剤、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒剤などの固体形態の医薬組成物を調製するために、賦形剤は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤またはカプセル化材料としても作用し得る、1またはそれを超える物質であることができる。使用直前に経口投与用の液体形態の調製物に変換されることを目的とする固体形態の調製物も含まれる。そのような液体形態としては、液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。これらの調製物は、原薬の他に、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、溶解化剤などを含有し得る。
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリドの混合物またはココアバターなどの低融点ワックスが最初に溶融され、原薬が撹拌などによってその中に均一に分散される。次いで、溶融した均質混合物を好都合なサイズの型に注入して、冷却し、それによって固化させる。
経膣投与に好適な製剤は、原薬に加えて、当分野で適切であることが公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーとして提供され得る。
液体形態調製物は、液剤、懸濁剤および乳剤、例えば水または水-プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射液調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中の液剤として製剤化することができる。注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁剤は、好適な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁剤でもあり得る。用いられ得る許容され得るビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油が用いられ得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤などの形態をとり得、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの製剤化剤を含有し得る。または、医薬組成物は、使用前に好適なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するために、滅菌固体の無菌単離または溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であり得る。
医薬組成物は、水溶液剤、水性アルコール液剤、固体懸濁剤、乳剤、リポソーム懸濁剤、または再構成のための凍結乾燥粉末として製剤化され得る。そのような医薬組成物は、直接、またはさらなる希釈/再構成のための混合物として投与され得る。投与経路としては、静脈内ボーラス、静脈内輸液、灌注および滴下により添加注入が挙げられる。好適な溶媒としては、水、アルコール、PEG、プロピレングリコールおよび脂質が挙げられる。酸、例えばHClまたはクエン酸を使用するpH調整を使用して溶解度を上昇させ、得られた組成物を無菌濾過などの当分野で公知の好適な滅菌手順に供することができる。いくつかの実施形態では、水溶液のpHは、約2.0~約4.0である。いくつかの実施形態では、水溶液のpHは、約2.5~約3.5である。
経口使用に適した水性製剤は、原薬を水に溶解または懸濁し、所望により好適な着色剤、香味剤、安定化剤および増粘剤を添加することによって調製することができる。
経口使用に好適な水性懸濁剤は、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または他の周知の懸濁化剤などの粘性材料によって、微粉化原薬を水に分散させることによって作製することができる。
表皮への局所投与では、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩は、ゲル、軟膏、クリームもしくはローションとして、または経皮パッチとして製剤化され得る。また、口内への局所投与に好適な製剤としては、風味が付与された基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に原薬を含むロゼンジ剤、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中に原薬を含むトローチ剤、ならびに好適な液体担体中に原薬を含むマウスウォッシュが挙げられる。軟膏およびクリームは、例えば好適な増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性基剤を用いて製剤化され得る。ローションは、水性または油性基剤を用いて製剤化され得、一般に1またはそれを超える乳化剤、安定化剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤も含有する。いくつかの実施形態では、局所製剤は、1またはそれを超える従来の担体を含有することができる。いくつかの実施形態では、軟膏は、水および例えば流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリンなどから選択される1またはそれを超える疎水性担体を含有することができる。クリームの担体組成物は、グリセロールおよび1またはそれを超える他の成分、例えばグリセリンモノステアレート、PEG-グリセリンモノステアレートおよびセチルステアリルアルコールと組み合わせた水をベースとすることができる。ゲルは、例えばグリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどの他の成分と好適に組み合わせて、イソプロピルアルコールおよび水を使用して製剤化することができる。
液剤または懸濁剤は、従来の手段によって、例えばスポイト、ピペットまたはスプレーを用いて鼻腔に直接適用され得る。製剤は、単回または複数回用量形態で提供され得る。スポイトまたはピペットの後者の場合、これは患者が適切な所定量の液剤または懸濁剤を投与することによって達成され得る。スプレーの場合、これは例えば定量噴霧スプレーポンプによって達成され得る。
気道への投与も、好適な噴射剤を含む加圧パックで提供されるエアロゾル製剤によって達成され得る。本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩あるいはそれらを含む医薬組成物をエアロゾル、例えば経鼻エアロゾルとしてまたは吸入によって投与する場合、これは例えばスプレー、ネブライザ、ポンプネブライザ、吸入装置、計量吸入器またはドライパウダー吸入器を使用して行うことができる。エアロゾルとしての本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)の投与のための医薬形態は、当業者に周知の方法によって調製することができる。それらの調製のために、例えば、本発明の化合物(またはその医薬的に許容され得る塩)の水、水/アルコール混合物または適切な生理食塩水中の液剤または分散剤は、慣用的な添加剤、例えばベンジルアルコール、または他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを向上させるための吸収促進剤、可溶化剤、分散剤などを使用して用いることができ、適切な場合には、慣用的な噴射剤としては、例えば二酸化炭素、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはジクロロテトラフルオロエタンなどのCFCなどが挙げられる。エアロゾルは、レシチンなどの界面活性剤も好都合に含有し得る。薬物の用量は、計量弁を設けることによって制御され得る。
または、医薬組成物はドライパウダー、例えばラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体およびポリビニルピロリドン(PVP)などの好適な粉末基剤中の化合物の粉末ミックスの形態で提供され得る。好都合には、粉末担体は鼻腔内でゲルを形成する。散剤組成物は、例えば散剤が吸入器によって投与され得るゼラチンまたはブリスターパックなどのカプセルまたはカートリッジ中の単位用量形態で提供され得る。
本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩は、急速溶解または徐放性組成物であって、生分解性急速溶解または徐放性担体(例えば、ポリマー担体など)を含む組成物によっても投与され得る。急速溶解または徐放性担体は当分野で周知であり、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩をその中に捕捉し、好適な環境(例えば、水性、酸性、塩基性など)で急速またはゆっくりのどちらかで分解/溶解する複合体を形成するために使用される。
医薬調製物は、好ましくは単位剤形である。このような形態では、調製物は、原薬の適切な量を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、バイアルまたはアンプル中に包装された調製物であることもでき、包装は包装された錠剤、カプセル剤および散剤などの調製物の個別の量を含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくはロゼンジ剤自体であることができ、または包装形態の適切な数のこれらのいずれかであることができる。
経口投与用の錠剤またはカプセル剤および静脈内投与用の溶液が好ましい組成物である。
組成物は、単位剤形で製剤化することができ、各投薬量は原薬または等価質量の原薬を含有する。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位投薬量として好適な製剤の物理的に別個の単位を指し、各単位は、本明細書に記載されるように、好適な賦形剤と連携して、所望の治療効果を生じるように計算された原薬の所定量を含有する。
本明細書に記載の組成物は、当分野で公知の手順を用いることにより、対象への投与後に原薬の即時および/または時限放出(長期放出、持続放出、制御放出、または徐放とも呼ばれる)を提供するように製剤化することができる。例えば、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む錠剤をコーティングまたは他の方法で配合して、長期作用の利点を与える剤形を提供することができる。例えば、錠剤は、内部投薬成分および外側投薬成分を含むことができ、後者は前者を覆うエンベロープの形態である。2つの成分は、胃内での崩壊に抵抗し、内部成分を無傷で十二指腸内へ通過させる、または放出を遅延させるように機能する、腸溶層によって分離することができる。多種多様の材料をこのような腸溶層またはコーティングに使用することができ、このような材料としては、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。
原薬を含む液体形態は、経口または注射による投与のために組み込むことができ、水溶液剤、好適に風味が付与されたシロップ剤、水性または油懸濁剤、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油または落花生油などの食用油で風味が付与された乳剤、ならびに同様の賦形剤を含む。
本明細書に記載の医薬組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌することができ、または滅菌濾過され得る。水溶液は、そのまま使用するために包装する、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体と合わせられる。化合物調製物のpHは、典型的には3~11、より好ましくは5~9、最も好ましくは7~8である。前述の賦形剤の特定の使用は、医薬的に許容され得る塩の形成をもたらし得ることが理解される。
吸入または吹送のための組成物としては、医薬的に許容され得る水性もしくは有機溶媒またはそれらの混合物中の液剤および懸濁剤、ならびに散剤が挙げられる。液体または固体組成物は、本明細書に記載の好適な賦形剤を含有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所または全身効果のために経口または経鼻呼吸路によって投与される。組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧装置から直接的に吸入され得る、または噴霧装置は、フェイスマスクテントもしくは断続的陽圧呼吸機に取り付けられ得る。液剤、懸濁剤または散剤組成物は、適切な方法で製剤を送達する装置から経口的または経鼻的に投与することができる。
組成物は、所望ならば、原薬を含有する1またはそれを超える単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサ機器で提供され得る。パックは、例えばブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔を含み得る。パックまたはディスペンサ機器には、投与のための説明書が添付され得る。パックまたはディスペンサはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関が規定した形態で、容器に関連する注記が添付され得、この注記は、ヒトまたは獣医学的投与のための薬物形態の機関による承認を反映している。そのような注記は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル、または承認された製品添付文書であり得る。適合性医薬担体中に製剤化された本明細書に記載の化合物を含むことができる組成物も調製され、適切な容器に入れられ、適応症の処置のためにラベル付けされ得る。
本明細書で使用される場合、「用量」または「投薬量」は、患者が1回に摂取すべき原薬の測定量を指す。原薬が遊離塩基または遊離酸ではないある実施形態では、量は、遊離塩基または遊離酸の対応する量に対するモル当量である。
錠剤などの固体組成物を調製するために、原薬は賦形剤と混合されて、成分の均一な混合物を含有する固体予備製剤組成物を形成し得る。これらの予備製剤組成物を均質と称する場合、原薬は、典型的には、組成物が錠剤およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化できるように、組成物全体にわたって均一に分散される。
本明細書に記載される1またはそれを超える化合物の、通常、経口または注射用用量での、単位用量を有するキットが提供される。そのようなキットは、単位用量を含有する容器、対象の病理学的症状を処置する際の薬物の使用および付随する利益について記載する情報添付文書、ならびに必要に応じて組成物を送達するための器具または機器を含み得る。
投与スケジュール/量
本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩は、広い投薬量範囲にわたって有効であり得、一般に治療有効量で投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、通常、処置される症状、選択された投与経路、実際の投与化合物、個々の対象の年齢、体重および応答、対象の症候の重症度などを含む関連状況に従って、医師によって決定されることが理解される。
対象に投与される化合物または組成物の量はまた、投与されているもの、防御または治療などの投与の目的、対象の状態、投与様式などに応じても変化する。治療用途では、組成物は、疾患に既に罹患している対象に、疾患およびその合併症の総体的徴候および/または病態を治癒または少なくとも部分的に停止させるのに十分な量で投与することができる。治療有効用量は、処置されている疾患症状、ならびに疾患の重症度、対象の年齢、体重および全身状態などの要因に応じた主治医の判断に依存する。
所望の用量は、好都合には、単回用量で提示され得る、または適切な間隔で投与される分割用量として、例えば1日当たり2、3、4またはそれを超えるサブ用量として提示され得る。サブ用量自体は、例えば、いくつかの別個の緩やかに間隔を空けた投与にさらに分割され得る。1日用量は、とりわけ比較的多量の投与が適切であると考えられる場合、数回、例えば2回、3回または4回の部分投与に分割することができる。適切であれば、個々の挙動に応じて、指示された1日用量から上方または下方に逸脱することが必要であり得る。
本明細書に記載の剤形は、原薬として、本明細書に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、溶媒和物もしくは水和物のいずれかを含み得ることは当業者には明らかとなる。本明細書に記載された以外の、適切な水和物および溶媒和物を作製および同定するための典型的な手順は、当業者に周知であり、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている、Polymorphism in Pharmaceutical Solids,ed.Harry G.Britain,Vol.95,Marcel Dekker,Inc.,New York,1999内のK.J.Guillory,’’Generation of Polymorphs,Hydrates,Solvates,and Amorphous Solids’’の 202~209頁を参照のこと。したがって、本発明の一態様は、熱重量分析(TGA)、TGA質量分析、TGA赤外分光法、粉末X線回折(PXRD)、カールフィッシャー滴定、高分解能X線回折などの当分野で公知の方法によって単離およびキャラクタリゼーションすることができる、本明細書に記載の化合物および/またはそれらの医薬的に許容され得る塩の水和物および溶媒和物を投与する方法に関する。
実施例
本発明の化合物の合成
詳細な化合物合成方法は、本明細書で提供される実施例に記載されている。化学分野の当業者は、本明細書に記載される特定の化合物を含む式(Ia)およびそれに関連する式の化合物を、これらの方法もしくは同様の方法または当業者によって実施される他の方法によって作製することができるであろう。一般に、出発成分は市販の化学物質であり、市販の供給元から得られ得る、または市販の化学物質および/もしくは化学文献に記載されている化合物から出発して、当業者に公知である有機合成技術に従って作製され得る。上記および下記の本明細書に記載される化合物は、MarvinSketch 18.24.0またはChemDraw Professional 18.2.0.48に従って命名される。ある例では、一般名が使用される場合、これらの一般名は当業者によって認識されることが理解される。
一般に、本明細書中に記載される反応において使用される化合物は、市販の化学物質および/または化学文献に記載される化合物から出発して、当業者に公知である有機合成技術に従って作製され得る。「市販の化学物質」は、Acros Organics(ピッツバーグ、ペンシルベニア州)、Aldrich Chemical(ミルウォーキー、ウィスコンシン州、Sigma ChemicalおよびFlukaを含む)、Apin Chemicals Ltd.(ミルトンパーク、英国)、Avocado Research(ランカシャー、英国)、BDH Inc.(トロント、カナダ)、Bionet(コーンウェル、英国)、Chemservice Inc.(ウェストチェスター、ペンシルベニア州)、Crescent Chemical Co.(ホーポージ、ニューヨーク州)、Eastman Organic Chemicals,Eastman Kodak Company(ロチェスター、ニューヨーク州)、Fisher Scientific Co.(ピッツバーグ、ペンシルベニア州)、Fisons Chemicals(レスターシャー、英国)、Frontier Scientific(ローガン、ユタ州)、ICN Biomedicals,Inc.(コスタメサ、カリフォルニア州)、Key Organics(コーンウェル、英国),Lancaster Synthesis(ウィンダム、ニューハンプシャー州)、Maybridge Chemical Co.Ltd.(コーンウェル、英国)、Parish Chemical Co.(オレム、ユタ州)、Pfaltz&Bauer,Inc.(ウォーターバリー、コネチカット州)、Polyorganix(ヒューストン、テキサス州)、Pierce Chemical Co.(ロックフォード、イリノイ州)、Riedel de Haen AG(ハノーバー、ドイツ)、Spectrum Quality Product,Inc.(ニューブランズウィック、ニュージャージー州)、TCI America(ポートランド、オレゴン州)、Trans World Chemicals,Inc.(ロックビル、メリーランド州)およびWako Chemicals USA,Inc.(リッチモンド、バージニア州)を含む、標準の市販供給元から入手され得る。
ある中間体は市販されている、または本明細書で提供される方法に従って調製することができ、例としては、2,5-ジフルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)ベンゾニトリル、3-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)ベンゾニトリル、1-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピペラジン、2-(ピペラジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール、tert-ブチルN-{2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}カルバメート、tert-ブチル((2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)メチル)カルバメートおよびtert-ブチル6-(ヒドロキシメチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートが挙げられる。
当業者に公知である方法は、様々な参考図書およびデータベースを通じて特定され得る。本開示の化合物の調製に有用な反応物質の合成を詳述している、または調製について記載している論文を参照する適切な参考図書および専門書としては、例えばSynthetic Organic Chemistry,John Wiley&Sons,Inc.,New York;S.R.Sandlerら、Organic Functional Group Preparations,2nd Ed.,Academic Press,New York,1983;H.O.House,Modern Synthetic Reactions,2nd Ed.,W.A.Benjamin,Inc.Menlo Park,Calif.1972;T.L.Gilchrist,Heterocyclic Chemistry,2nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1992;J.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure,4th Ed.,Wiley Interscience,New York,1992が挙げられる。本開示の化合物の調製に有用な反応物質の合成について詳述している、または調製について記載している論文を参照する追加の適切な参考図書および専門書としては、例えば、Fuhrhop,J.and Penzlin G.Organic Synthesis:Concepts,Methods,Starting Materials,Second,Revised and Enlarged Edition(1994)John Wiley&Sons ISBN:3 527-29074-5;Hoffman,R.V.Organic Chemistry,An Intermediate Text(1996)Oxford University Press,ISBN 0-19-509618-5;Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition(1999)Wiley-VCH,ISBN:0-471-19031-4;March,J.Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,4th Edition(1992)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-60180-2;Otera,J.(editor)Modern Carbonyl Chemistry,(2000)Wiley-VCH,ISBN:3-527-29871-1;Patai,S.,Patai’s 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups,(1992)Interscience ISBN:0-471-93022-9;Quin,L.D.ら、A Guide to Organophosphorus Chemistry,(2000)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-31824-8;Solomons,T.W.G.Organic Chemistry,7th Edition(2000)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-19095-0;Stowell,J.C.,Intermediate Organic Chemistry,2nd Edition(1993)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-57456-2;Industrial Organic Chemicals:Starting Materials and Intermediates:An Ullmann’s Encyclopedia,(1999)John Wiley&Sons,ISBN:3-527-29645-X,8巻;Organic Reactions,(1942-2019)John Wiley&Sons,95巻以降;ならびにChemistry of Functional Groups,John Wiley&Sons,ハードカバー版(86)および電子版(26)が挙げられる。
特定のおよび類似の反応物はまた、ほとんどの公共図書館および大学図書館ならびにオンラインデータベース(ワシントンD.C.のアメリカ化学会(American Chemical Society)に、さらなる詳細について連絡することができる。)で入手可能な米国化学会のケミカルアブストラクツサービス(Chemical Abstract Service of the American Chemical Society)によって調製された公知の化学物質のインデックスを通じて特定され得る。公知であるがカタログにおいて市販されていない化学製品は、公知の方法に従って受注化学合成企業により製造され得、そこで多くの標準的な化学製品供給企業(例えば、前に列挙したような)が受注合成サービスを提供する。
ある省略形
本明細書には多数の省略形が含まれ、その定義を以下の表に列挙する。
以下の実施例は、本開示の実施形態を実証するために含まれる。しかし当業者は、本開示に照らして、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、なお同様または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
分析HPLC分析を、UV検出器(Dionex(商標)UVD 170u UV/VIS検出器)、コロナアレイ検出器(Thermo(商標)Veo(商標)RS)および質量分析計(Dionex MSQ Plus(商標))を備えたLC-MSシステムで行った。逆相分取HPLC精製を、0.05% TFAを含有するACN/水勾配を使用して、PhenomenexによるLCMSシステムC18 Kinetix 5μ 100A 150×21.2mmカラムで行った。すべての最終化合物を分析HPLCによって分析し、純度について210、254および280nMでピークを監視した。Broad Band NMRプローブを備えたBruker 400MHz分光計で、DMSO-d6などの適切なNMR溶媒中で1Hを記録した。1H化学シグナルは、残留溶媒シグナルを基準として使用して百万分率(ppm)で与えられる。化学シフトはppm(δ)で表され、結合定数(J)はヘルツ(Hz)で報告される。別途明記しない限り、反応は乾燥窒素雰囲気下で行った。
実施例1:中間体2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-アミン(中間体1A)の調製。
tert-ブチルN-{2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}カルバメート(2.5g、11.8mmol、1.0当量)のジクロロエタン(100mL)溶液にベンズアルデヒド(1.8mL、17.7mmol、1.5当量)を添加した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(7.5g、35.4mmol、3.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を慎重に希釈し、水素の発生が停止するまで、飽和NaHCO
3と共に撹拌した。水性混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮した。シリカゲルカラム(80g)にDCMを用いて装入し、DCM中のMeOHの漸増勾配(0~15%)で25分間にわたって流下させて、Boc保護中間体を得た:
単離したBoc保護中間体をDCM(35mL)に再溶解させ、TFA(5mL)で処理して、室温にて一晩撹拌した。追加のTFA(2.5mL)を添加し、完了するまで混合物を撹拌した。反応を飽和NaHCO3で慎重にクエンチして、2M NaOHによってpH>10とし、5:1 DCM:2-プロパノールによって抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-アミン(中間体1A、2.3g、11.4mmol、2ステップで97%)を黄色液体として得た。
本発明の化合物を調製するための、以下を含む他の有用な中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
実施例2:2-[(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体2A)の調製
tert-ブチル(2R,5S)-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(0.43g、2.0mmol、1.0当量)および2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(0.36g、2.0mmol、1.0当量)の固体混合物に、ACN(5mL)、続いてトリエチルアミン(1.1mL、8.0mmol、4.0当量)を添加した。得られた混合物を75℃にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を真空中で濃縮し、ジオキサン(6mL)に再溶解させ、ジオキサン中4M HCl(1.5mL)で処理し、50℃にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を真空中で濃縮し、飽和NaHCO3溶液で希釈した。水性混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、2-[(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体2A、0.33g、1.3mmol、2ステップで65%)を半固体として得た。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
中間体2-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N,N-ジメチルピリミジン-5-カルボキサミド塩酸塩(2BK)の調製。
1,4-ジオキサン(12)中に(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン(0.40g、1.9mmol、1.0当量)、2-クロロピリミジン-5-カルボン酸(0.30g、1.9mmol、1.0当量)およびTEA(0.53mL、3.8mmol、2.0当量)を含有する溶液を、マイクロ波反応器内で30分間、150℃にて加熱した。得られた混合物を6N HClで酸性化してpH2とし、生成物を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、置換ピペラジンをベージュ色固体として得た(0.31g、0.92mmol、粗生成物49%):
置換ピペラジン中間体(0.20g、0.60mmol、1.0当量)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(0.23g、0.60mmol、1.0当量)およびジメチルアミン塩酸塩(0.049g、0.60mmol、1.0当量)の乾燥DCM(10.0mL)溶液に、DIPEA(0.42mL、1.2mmol、2.0当量)を添加した。得られた溶液を室温にて一晩撹拌した。反応物を真空中で濃縮した。シリカゲルカラム(12g)にDCMを用いて装入し、ヘキサン中の酢酸エチルの漸増勾配(0~100%)で8分間にわたって、次いで100%酢酸エチルで5分間にわたって流下させて、Boc保護中間体を得た:
単離したBoc保護中間体を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させ、1,4-ジオキサン中の4N HCl(2mL)で処理し、室温にて一晩撹拌した。反応物をジエチルエーテルで希釈し、得られた固体を真空濾過によって回収して、2-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N,N-ジメチルピリミジン-5-カルボキサミド塩酸塩(2BK、0.14g、0.47mmol、2ステップで78%)を白色粉末として得た。
実施例3:2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体3A)の調製。
(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン(1.1g、10mmol、1.0当量)および2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.8g、10mmol、1.0当量)のACN(40mL)溶液に、トリエチルアミン(5.6mL、40mmol、4.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除去し、真空中で濃縮して、2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体3A、2.6g、10mmol)を淡橙色固体として定量的収率で得た。
本発明の化合物の調製に有用な他の中間体を、上記の実質的に同じ手順(すなわち、室温にて一晩)を用いて作製したが、加熱が必要な場合がある。この手順によって調製される中間体には、以下が含まれる:
実施例4:1-[3-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル]ピペラジン(中間体4A)の調製。
tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(0.41g、2.2mmol、1.0当量)および4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)ピリジンヒドロブロミド(0.68g、2.2mmol、1.0当量)のジオキサン(12mL)溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(0.63g、6.6mmol、3.0当量)、ラセミ体2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1、1’-ビナフチル(41mg、0.07mmol、0.03当量)、最後にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(201mg、0.22mmol、0.10当量)を添加した。得られた混合物を95℃まで一晩撹拌した。続いて、混合物を冷却し、EtOAcで希釈して、セライト(登録商標)のパッドに通し、真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(40g)によって精製し、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(0~50%)で20分間にわたって流下させた。単離した物質をDCM(2mL)に溶解させ、ジオキサン中の4M HCl(1mL)溶液で処理して、室温にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を濾過し、DCMで洗浄して、淡黄色固体として単離された1-[3-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル]ピペラジンの塩酸塩(中間体4A、0.32g、1.2mmol、2ステップで55%)を得た。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、触媒2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)をRuPhos-G3-パラダサイクルで置き換えることを除いて、上記と実質的に同じ手順を使用して作製した。
実施例5:(3R,5R)-3,5-ジメチル-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン(中間体5A)の調製。
(2R,6R)-2,6-ジメチルピペラジンジ塩酸塩(1.0g、5.3mmol、1.0当量)および1-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.2g、5.3mmol、1.0当量)のジオキサン(12mL)溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(1.5g、16mmol、3.0当量)、ラセミ体2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1、1’-ビナフチル(0.10g、0.16mmol、0.03当量)、最後にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.5g、1.6mmol、0.10当量)を添加した。得られた混合物を95℃まで一晩撹拌した。続いて、混合物を冷却し、EtOAcで希釈して、セライト(登録商標)のパッドに通し、真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(80g)によって精製し、DCM中のメタノールの漸増勾配(0~20%)で20分間にわたって流下させ、褐色油として単離された(3R,5R)-3,5-ジメチル-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン(中間体5A、0.55g、2.1mmol、40%)を得た。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、触媒2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)をRuPhos-G3-パラダサイクルで置き換えることを除いて、上記と実質的に同じ手順を使用して作製した。
実施例6:(2R,5S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,5-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物1)の調製。
2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-アミン(中間体1A、0.26g、1.3mmol)の乾燥ACN(6.5mL)溶液に、カルボニルジイミダゾール(0.21g、1.3mmol)を添加した。得られた混合物を室温にて1時間撹拌した。混合物のアリコート(0.1mL、0.015mmol、1当量)に、2-[(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体2A、5.8mg、0.022mmol、1.5当量)およびDIPEA(15μL)の乾燥ACN(0.3mL)溶液を添加し、室温にて一晩撹拌した(追加のアリコートを使用し、2-[(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンの代わりに適切な第2級アミンを使用して、表1に挙げた残りの化合物を調製した)。続いて、MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、(2R,5S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,5-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物1)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物1、表1に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例7:(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボニルクロリド(中間体7A)の調製。
0℃に冷却した2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピラジン(2.6g、10mmol、1.0当量)のACN(70mL)懸濁液に、トリホスゲン(3.6g、12mmol、1.2当量)、続いてピリジン(1.2mL、15mmol、1.5当量)を滴下により添加した。得られた混合物を室温まで加温して、一晩撹拌した。得られた淡橙色懸濁液を真空中で濃縮して、橙色固体を得た。固体をEtOAcに再懸濁させ、30分間急速に撹拌し、濾過した。濾液を真空中で濃縮乾固して、(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボニルクロリド(中間体7A、1.9g、5.9mmol、59%)を淡橙色固体として得、これをさらに精製せずに使用した。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
実施例8:(2R,6S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物62)の調製。
(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボニルクロリド(中間体7A、0.30g、0.93mmol、1.0当量)およびtert-ブチル6-アミノ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.20g、0.93mmol、1.0当量)の固体混合物に、ACN(4mL)、続いてDIPEA(0.61mL、3.7mmol、4.0当量)を添加した。得られた混合物を50℃にて一晩撹拌した。続いて、混合物を真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(24g)によって精製し、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(0~100%)で25分間にわたって流下させて、Boc保護中間体を得た:
単離したBoc保護中間体をDCM(4mL)に再溶解させ、TFA(1mL)で処理して、室温にて一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、MeOHに再溶解させて、MP-カーボネート樹脂と合わせてTFAを除去した。樹脂を濾過により除去し、濾液を濃縮して、遊離アミン(59mg、0.15mmol、2ステップで16%)を透明膜として得た。
エタノール(0.5mL)中の遊離アミンの一部(8.0mg、0.020mmol、1.0当量)に、ベンズアルデヒド(4.0μL、0.040mmol、2.0当量)、ナトリウムシアノボロヒドリド(2.5mg、0.040mmol、2.0当量)、続いて酢酸(1.1μL、0.020mmol、1.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。続いて、MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、(2R,6S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物62)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物62、表2に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例9:(2R,6S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物96)の調製。
トリホスゲン(0.12g、0.40mmol、0.4当量)のDCM(2mL)溶液に、2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体3A、0.26g、1.0mmol、1.0当量)およびTEA(0.42mL、3.0mmol、3.0当量)のDCM(2mL)溶液を滴下により添加した。10分間撹拌した後、TEA(0.42mL、3.0mmol、3.0当量)を含むDCM(2mL)中のtert-ブチル6-アミノ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.23g、1.1mmol、1.1当量)の溶液で混合物を処理して、得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。得られた懸濁液を真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(24g)によって精製し、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(5~100%)で25分間にわたって流下させて、Boc保護中間体(すなわち、tert-ブチル6-((2R,6S)-2,6-ジメチル-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキサミド)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート)を得た:
単離したBoc保護中間体をDCM(3mL)に再溶解させ、TFA(0.5mL)で処理して、室温にて一晩撹拌した。反応を飽和NaHCO3で慎重にクエンチして、5:1 DCM:2-プロパノールによって抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、遊離アミン(32mg、0.08mmol、2ステップで20%)を透明膜として得た。
ジクロロエタン(0.5mL)中の遊離アミンの一部(10mg、0.025mmol、1.0当量)に、ベンズアルデヒド(3.7μL、0.037mmol、1.5当量)、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(16mg、0.075mmol、3.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。続いて、MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、(2R,6S)-N-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキサミド(化合物96)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 8.71 (s, 2H), 7.33-7.20 (m, 5H), 6.50 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 4.23 (m, 2H), 4.04 (m, 1H), 3.50 (s, 2H), 3.15 (m, 4H), 3.06 (s, 2H), 2.31 (m, 2H), 2.04 (m, 2H), 1.05 (d, J = 6.8, 6H).
以下の表は、表題化合物(化合物96、表3に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。以下の例外:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドの代わりにナトリウムシアノボロヒドリドまたはナトリウムシアノボロジュウテリドを用いて、重水素化化合物を上記のように調製した。
化合物96の塩酸塩は、遊離塩基(2.2g、4.5mmol、1.0当量)をメチルtert-ブチルエーテル(1.0L)に溶解させ、ジエチルエーテル中の2.0M HCl溶液(2.4mL、4.7mmol、1.05mmol)を撹拌しながら滴下により添加することによって調製した。得られた乳状懸濁液を濃縮乾固し、ペンタン(1.0L)に再懸濁させ、急速に一晩撹拌した。得られた白色粉末を窒素雰囲気下で真空濾過によって回収し、乳鉢および乳棒で粉砕し、高真空下で乾燥させて残留溶媒を除去して、化合物96のHCl塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 10.92 (s, 1H), 8.71 (s, 2H), 7.52 (m, 2H), 7.44 (m, 3H), 6.57 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.29 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 4.22 (m, 2H), 4.12-4.00 (m, 4H), 3.91 (m, 1H), 3.16 (dd, J = 12.7, 4.2 Hz, 2H), 2.56 (m, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 1.05 (d, J = 6.8, 6H).
化合物26、化合物35および化合物106のHCl塩を、化合物96のHCl塩を調製するための上記の実施例に記載されたのと実質的に同様に調製した。
実施例10:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A)の調製
2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール塩酸塩(4.6g、30.7mmol、1.0当量)のジクロロエタン(160mL)懸濁液に、ベンズアルデヒド(4.6mL、46.0mmol、1.5当量)、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(32g、153mmol、5.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。形成された懸濁液を慎重に希釈し、水素の発生が停止するまで、飽和NaHCO3と共に撹拌した。水性混合物を5:1 DCM:2-プロパノールで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(120g)によって精製し、DCM中のMeOHの漸増勾配(0~20%)で20分間にわたって流下させて、50% MeOHでフラッシングして、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A、6.1g、30.0mmol、98%)を橙色液体として得た。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
実施例11:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル4-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物102)の調製。
2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A)(0.10g、0.49mmol、1.0当量)の乾燥ACN(2.5mL)溶液に、カルボニルジイミダゾール(0.08g、0.49mmol、1.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて1時間撹拌した。得られた溶液のアリコート(0.5mL、0.10mmol、1当量)に、乾燥ACN(0.3mL)中の3-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)ベンゾニトリル(20mg、0.20mmol、1.0当量)およびDIPEA(100μL)を添加し、反応物を80℃にて一晩撹拌した(さらなるアリコートを使用して、3-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)ベンゾニトリルの代わりに適切な第2級アミンを使用して、表4に挙げた残りの化合物を調製した)。MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル4-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物102)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物102、表4に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
化合物106:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.50 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.32 - 7.18 (m, 5H), 4.79 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 4.68 (s, 1H), 4.30 (s, 1H), 4.14 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.73 - 3.64 (m, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.39 (dt, J = 14.3, 4.9 Hz, 2H), 3.13 (d, J = 17.0 Hz, 4H), 2.50 - 2.42 (m, 2H), 2.19 - 2.09 (m, 2H), 1.12 (dd, J = 14.6, 6.5 Hz, 6H).
実施例12:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-シアノピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物130)の調製。
2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A、22mg、0.11mmol、1.0当量)およびKHMDS(33mg、0.16mmol、1.5当量)の固体混合物に、乾燥THF(0.5mL)を添加した。得られた混合物を室温にて10分間撹拌し、次いで(2R,6S)-4-(5-シアノピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボニルクロリド(中間体7B)(30mg、0.11mmol、1.0当量)によって処理した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、濾過し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-シアノピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物130)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物130、表5に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例13:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,5S)-2,5-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物136)の調製。
トリホスゲン(11mg、0.04mmol、0.4当量)のDCM(0.25mL)溶液に、2-[(2S,5R)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体2A、26mg、0.1mmol、1.0当量)およびTEA(42μL、0.3mmol、3.0当量)のDCM(0.5mL)溶液を滴下により添加した。同時に、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A、20mg、0.10mmol、1.0当量)のTHF(0.5mL)溶液をKHMDS(30mg、0.15mmol、1.5当量)で処理して、得られた混合物を室温にて10分間撹拌して懸濁液を得た。続いて、懸濁液をDCM混合物に一度に添加して、得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物を濾過し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,5S)-2,5-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物136)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物136、表6に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例14:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6R)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物139)の調製。
tert-ブチル6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.22g、1.0mmol、1.0当量)のTHF(3mL)溶液に、KHMDS(0.24g、1.2mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を室温にて10分間撹拌した。続いて、懸濁液を(2R,6R)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボニルクロリド(中間体7E、0.32g、1.0mmol、1.0当量)のTHF(2mL)懸濁液に一度に添加し、得られた混合物を室温にて一晩撹拌して懸濁液を得た。懸濁液を真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(24g)によって精製し、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(5~70%)で25分間にわたって流下させて、Boc保護中間体(すなわち、tert-ブチル6-(((2R,6R)-2,6-ジメチル-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)オキシ)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート)を得た。
単離したBoc保護中間体をDCM(3mL)に再溶解させ、TFA(0.50mL)で処理し、室温にて一晩撹拌した。反応を飽和NaHCO3で慎重にクエンチして、5:1 DCM:2-プロパノールによって抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、遊離アミン(40mg、0.10mmol、2ステップで10%)を透明膜として得た。
ジクロロエタン(0.5mL)中の遊離アミンの一部(10mg、0.025mmol、1.0当量)に、ベンズアルデヒド(3.7μL、0.037mmol、1.5当量)、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(16mg、0.075mmol、3.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6R)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物139)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物139、表7に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
化合物141:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.54 - 8.45 (m, 2H), 7.34 - 7.18 (m, 5H), 4.80 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 13.4 Hz, 2H), 4.26 - 4.15 (m, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.23 (dd, J = 13.4, 4.6 Hz, 2H), 3.17 (s, 2H), 3.13 (s, 2H), 2.52 - 2.44 (m, 2H), 2.16 - 2.06 (m, 2H), 1.13 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
実施例15:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物147)の調製。
トリホスゲン(0.12g、0.40mmol、0.4当量)のDCM(1.5mL)溶液に、2-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(中間体2A、0.26g、1.0mmol、1.0当量)およびTEA(0.42mL、3.0mmol、3.0当量)のDCM(1.5mL)溶液を滴下により添加した。同時に、tert-ブチル6-ヒドロキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.26g、1.2mmol、1.2当量)のTHF(3mL)溶液にKHMDS(0.24g、1.2mmol、1.2当量)を添加し、得られた混合物を室温にて10分間撹拌して、懸濁液を得た。続いて、懸濁液をDCM混合物に一度に添加して、得られた混合物を室温にて一晩撹拌して懸濁液を得た。懸濁液を真空中で濃縮した。粗物質を、DCMを使用するシリカゲルカラム(24g)によって精製し、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(5~60%)で25分間にわたって流下させて、Boc保護中間体(tert-ブチル6-(((2R,6S)-2,6-ジメチル-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)オキシ)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート)を得た。
単離したBoc保護中間体をDCM(4mL)に再溶解させ、TFA(0.75mL)で処理し、室温にて一晩撹拌した。反応を飽和NaHCO3で慎重にクエンチして、5:1 DCM:2-プロパノールによって抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して固体を除去し、真空中で濃縮して、遊離アミン(64mg、0.16mmol、2ステップで16%)を透明膜として得た。
ジクロロエタン(0.5mL)中の遊離アミンの一部(10mg、0.025mmol、1.0当量)に、ベンズアルデヒド(3.7μL、0.037mmol、1.5当量)、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(16mg、0.075mmol、3.0当量)を添加した。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。MeOHを用いて混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物147)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物147、表8に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。以下の例外:ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドの代わりにナトリウムシアノボロヒドリドまたはナトリウムシアノボロジュウテリドを用いて、重水素化化合物を上記のように調製した。
化合物147の塩酸塩は、遊離塩基(0.67g、1.4mmol、1.0当量)を塩化メチレン(25mL)に溶解させ、ジエチルエーテル中の2.0M HCl溶液(0.77mL、1.5mmol、1.1当量)を撹拌しながら滴下により添加することによって調製した。得られた溶液を濃縮乾固し、ペンタン(75mL)に再懸濁させ、急速に一晩撹拌した。得られた白色粉末を窒素雰囲気下で真空濾過によって回収し、乳鉢および乳棒で粉砕し、高真空下で乾燥させて残留溶媒を除去して、化合物147のHCl塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 10.42 (s, 1H), 8.71 (s, 2H), 7.48 - 7.44 (m, 5H), 4.83 (tt, J = 7.2, 7.1 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.32 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.24 - 3.96 (m, 6H), 3.20 (dd, J = 13.3, 4.4 Hz, 2H), 2.72 - 2.67 (m, 1H), 2.62 - 2.56 (m, 1H), 2.34 - 2.22 (m, 2H), 1.11 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
実施例16:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体16A)の調製。
窒素下で火炎乾燥したフラスコに、トリホスゲン(1.66g、5.60mmol、0.4当量)、続いて無水DCM(93mL)を添加した。溶液を0℃まで冷却した後、無水DCM(31mL)中のtert-ブチル(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(3.00g、14.00mmol、1.0当量)およびピリジン(1.48mL、14.00当量、1.0当量)を滴下により添加した。反応物を室温にて1時間撹拌し、次いで水およびDCMで希釈した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert-ブチル(3R,5S)-4-(カルボノクロリドイル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.50g、9.03mmol、収率65%)を黄色油として得た。塩化カルバモイルをさらに精製することなく使用した。
無水THF(22mL)中に2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(中間体10A、1.84g、9.03mmol、1.0当量)およびKHDMS(3.61g、18.10mmol、2.0当量)を含有する溶液を室温にて15分間撹拌した。溶液に、無水ACN(22mL)中の(3R,5S)-4-(カルボノクロリドイル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.50g、9.03mmol、1.0当量)を添加し、反応物を50℃にて一晩撹拌した。完了時に、反応物を真空中で濃縮した。粗物質をDCMおよびシリカゲルと共に無水装入した。シリカゲルカラム(80g)に無水装入して、ヘキサン中のEtOAcの漸増勾配(0~100%)で25分間にわたって、次いで100% EtOAcで15分間流下させ、1-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}4-tert-ブチル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(2.45g、5.52mmol、収率61%)を得た。
1-{2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル}4-tert-ブチル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(2.45g、5.52mmol、1.0当量)の無水DCM(54mL)溶液を0℃まで冷却した後、TFA(6.0mL、78.43mmol、14.2当量)を添加した。次いで、反応物を室温まで加温して、一晩撹拌した。次いで、反応物を真空中で部分濃縮して、飽和炭酸ナトリウムで塩基性とした。遊離アミンを大量のDCMで抽出した。合わせた有機物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体16A、1.89g、5.50mmol、収率99%)を無色油として得た。
本発明の化合物の調製に有用な、以下を含む他の中間体を、上記の実質的に同じ手順を用いて作製した:
実施例17:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物157)の調製。
乾燥ACN(400μL)中に2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体16A、10mg、0.029mmol、1.0当量)、2-クロロ-5-フルオロピリミジン(5.8mg、0.044mmol、1.5当量)およびDIPEA(20μL、0.12mmol、4.0当量)を含有する溶液を50℃にて一晩加熱した。次いで、MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物157)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物157、表9に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例18:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-(キノキサリン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物172)の調製。
脱気トルエン(300μL)中に2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体16A、10mg、0.029mmol、1.0当量)、2-クロロキノキサリン(4.8mg、0.029mmol、1.0当量)およびナトリウムtert-ブトキシド(7.0mg、0.073mmol、2.5当量)を含有する溶液を窒素でパージした後、RhuPhos Pd Generation 2(2.2mg、0.0029mmol、0.1当量)を添加した。混合物を90℃にて2時間加熱した後、室温まで冷却した。次いで、MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-(キノキサリン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物172)を得た。
以下の表は、表題化合物(化合物172、表10に挙げる最初の化合物)および本実施例に記載したのと実質的に同様に調製した本発明の他の化合物について観測したイオンm/z比を与える。
実施例18A:調製2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6R)-4-(6-フルオロキノキサリン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物362)。
2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(0.10g、0.49mmol、1.0当量)の乾燥DCM(0.24mL)溶液に、N,N’-ジスクシンイミジルカーボネート(0.14g、0.54mmol、1.1当量)を添加した。反応物を室温にて一晩撹拌した。得られた溶液のアリコート(0.049mL、0.10mmol、1.0当量)に、乾燥DCM(0.049mL)中の2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-6-フルオロキノキサリン塩酸塩(0.031g、0.10mmol、1.0当量)、4-DMAP(0.024g、0.20mmol、2.0当量)およびTEA(0.028mL、0.20mmol、2.0当量)を添加し、反応物を室温にて2時間、次いで、不完全であれば40℃にて一晩撹拌した(追加のアリコートを使用し、2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-6-フルオロキノキサリン塩酸塩の代わりに適切な第2級アミン塩酸塩を使用して残りの化合物を調製した)。MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6R)-4-(6-フルオロキノキサリン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物362)を得た。
他のカルバメート化合物を、実施例14、15、17、18および18Aに示したのと同様に調製した。以下の表は、表題化合物について観測したイオンのm/z比を与える。
実施例18B:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-(ジメチルホスホリル)ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物529)の調製
実施例18Aに、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-ヨードピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレートを調製した。
上記2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-ヨードピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(0.020g、0.037mmol、1.0当量)および(メチルホスホノイル)メタン(3.0μL、0.037mmol、1.0当量)の脱気1,4-ジオキサン(0.20mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.4mg、0.0037mmol、0.10当量)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.64mg、0.0011mmol、0.030当量)およびTEA(5.7μL、0.041mmol、1.1当量)の脱気1,4-ジオキサン(0.20mL)溶液を添加した。得られた反応物を室温にて一晩撹拌した。MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-(ジメチルホスホリル)ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物529)を得た。表題化合物について観測したイオンのm/z比は498.3である。
実施例18C:2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-[5-(シクロブチルメトキシ)ピリミジン-2-イル]-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物530)の調製
脱気1,4-ジオキサン(0.50mL)中に2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-(5-ヨードピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(0.020g、0.037mmol、1.0当量)、シクロブチルメタノール(0.031mg、0.037mmol、1.0当量)および炭酸セシウム(0.018g、0.056mmol、1.5当量)を含有する溶液に、CuI(0.18mg、2.5mol%)および1,10-フェナントロリン(1.3mg、20mol%)を添加した。得られた反応物を室温にて72時間撹拌した。MeOHを用いて反応混合物を総体積1mLまで希釈し、分取クロマトグラフィーに直接供して、2-ベンジル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(2R,6S)-4-[5-(シクロブチルメトキシ)ピリミジン-2-イル]-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物530)を得た。表題化合物について観測したイオンのm/z比は506.4である。
実施例19:結合アッセイ。
化合物の結合親和性(Ki)を、ヒトM4受容体を発現するCHO細胞由来の膜への放射性リガンド結合の阻害によって測定した。以前に記載されたように窒素キャビテーションおよび分画遠心分離によって、膜を調製した(Hoareら、Mol.Pharmacol.2003 Mar;63(3):751-65)。用いた放射性リガンドは、トリチウム化N-メチルスコポラミンであり、1.5nMの濃度で使用した。10μM~32pMの範囲の化合物の12の濃度の用量応答を使用した。アッセイ緩衝液は、pH7.4にpH調整した50mM HEPES、100mM NaCl、5mM MgCl2、1mMエチレンジアミン四酢酸であった。膜、放射性リガンドおよび化合物を、96ウェルプレートにおいて、総体積150μLで37℃にて90分間、共にインキュベートした。次いで、細胞膜を捕捉するためにポリエチレンイミンで前処理したガラス繊維フィルター上で、急速真空濾過を使用してアッセイを回収することによって、受容体結合放射性リガンドを回収した。採取および放射能計数は、以前に記載されたように行った(例えばHoareら、Mol.Pharmacol.2003 63(3):751-65);Erratum at Mol.Pharmacol.2005 Jul;68(1):260を参照のこと)。
実施例に記載され、上記の表に挙げたある例示された化合物の結合親和性は、M
4受容体に対して1μM未満である。より具体的には、表11に挙げる各化合物についてのM
4受容体に対する特異性は、以下の通りである:(1)「+」は、化合物がM
4受容体に対して1μM(1,000nM)未満であるが100nMに等しいかまたはそれを超えるK
iを有したことを意味する;(2)「++」は、化合物がM
4受容体に対して100nM未満であるが10nMまたはそれを超えるK
iを有したことを意味する;および(3)「+++」は、化合物がM
4受容体に対して10nM未満のK
iを有したことを意味する。
実施例20:機能的アッセイ。
アセチルコリン応答の機能的拮抗作用を、蛍光ベース機能的カルシウムアッセイを使用して評価した。ムスカリン性受容体へのアセチルコリン結合は、Gタンパク質を活性化する。ヒトムスカリン性4受容体(CHRM4)は、CHO-K1細胞で安定に発現され、無差別型Gα16構築物が同時トランスフェクトされる。この細胞株は、PerkinElmer(製品番号ES-213-A)を通じて市販されていた。リガンド結合後、Gα16サブユニットの活性化によって、小胞体からのカルシウムの放出が誘導される。リガンドスクリーニングの前に、受容体発現細胞に蛍光カルシウム指示薬FLIPRカルシウム6(Molecular Devices)を添加した。化合物のアンタゴニスト活性を、アセチルコリン応答の阻害についてのEC
50として求めた。使用したアッセイ緩衝液は、緩衝液(1×Hank’s平衡塩類溶液+20mM HEPES緩衝液、pH7.4)および細胞培地(Ham’s F-12、10% FBS、0.4mg/mLジェネティシン、0.25mg/mLゼオシン)の1:1溶液であった。アッセイの前日に、ウェル当たり4×103細胞をアッセイプレートに培地25μL中で播種し、37℃および5% CO2で一晩インキュベートした。翌日、カルシウム6色素25μLを各ウェルに添加し、37℃および5% CO
2でさらに2時間インキュベートした。試験化合物(10μM~100pMの範囲の11濃度の用量応答)を0.56% v/vの最終DMSO濃度まで細胞に添加した。1時間後、100nMの最終濃度までアセチルコリンを機器によって添加し、カルシウムフラックス依存性蛍光をリアルタイムで測定した。使用したアセチルコリンの濃度は、最大応答の80%を刺激する濃度であった。表12に挙げる各化合物のIC
50値は以下の通りである:(1)「+」は、化合物が1μM(1,000nM)未満であるが100nMに等しいかまたはそれを超えるIC
50値を有したことを意味する;(2)「++」は、化合物が100nM未満であるが10nMまたはそれを超えるIC
50値を有したことを意味する;および(3)「+++」は、化合物がM
4受容体に対して10nM未満のIC
50値を有したことを意味する。
実施例21:電気生理学的アッセイ。
成体(>8週齢)メスのLister hoodedラット(Harlan、英国)を断頭屠殺し、脳を取り出し、スクロース(202)、KCl(2)、KH2PO4(1.25)、MgSO4(10)、CaCl2(0.5)、NaHCO3(26)、グルコース(10)(mM)を含有する氷冷酸素化スクロースKrebs’培地に投入する。脳を中線に沿って二等分して、振動ミクロトーム(Integraslice;Campden Instruments Ltd.、ラフバラー、英国)を用いて300μM矢状スライスを作製する。次いで酸素化Krebs’溶液(mM)を含有する室温の回収チャンバにスライスを移す:NaCl(124)、KCl(2)、KH2PO4(1.25)、MgSO4(1)、CaCl2(2)、NaHCO3(26)、グルコース(10)。回復の少なくとも1時間後、個々のスライスを界面記録チャンバに移し、そこでKrebs’溶液(33℃)で灌流する。CA1の放射状層に配置されたKrebs’充填ガラスマイクロピペット(抵抗2~5mΩ)を介してAxoprobe 1A増幅器(Axon Instruments Ltd.、米国)を用いて細胞外電位記録を行い、CED1401インターフェースを介してデジタル化し(10kHz)、Spike2ソフトウェア(Cambridge Electronic Design Ltd.、ケンブリッジ、英国)を用いてコンピュータに保存する。CA3-CA1境界付近の放射状層に配置された双極刺激電極によって、フィールド興奮性シナプス後電位(fEPSP)応答が誘起される(40ms離れた一対の0.02msパルス;10秒毎に適用;最大スパイクフリー応答の約60%に調整)。
コリン作動薬カルバコール(アセチルコリンエステラーゼによる分解に耐性のアザ-アセチルコリン)を使用して、ムスカリン性受容体を刺激する。M1ムスカリン性受容体は、選択的M1アンタゴニストである5μM VU0255035を使用してブロックされる。生じた阻害シグナルは、M4活性化剤VU010010に対するその感受性に基づいて、主にM4媒介性である。fEPSPのこのM4媒介阻害に対するM4アンタゴニストの効果を、カルバコールの適用の20分前に化合物を添加することによって測定する。
実施例22:6-OHDAの外科的病変および行動試験手順。
6-OHDA病変プロトコル:オスSprague-Dawleyラットをイソフルランで麻酔し、定位フレームに入れる。6-OHDAの注射の30分前に、ラットにデシプラミン(15mg/kg、i.p.)を投与して、ノルアドレナリン作動性細胞への毒素の侵入を防止した。一側性病変を、左右の内側前脳束に以下の座標:ブレグマに対してAP-4.4.mm;L±1.2mm;V-7.8mm(Paxinos and Watson,2007)で6-OHDA(8μg/4μL/部位/ラット;流量1μL/分;0.02%アスコルビン酸を含む0.9% NaClに溶解)またはビヒクルを注射することによって誘導する。ラットを14日間回復させ、次いでノベルティ(ラットを新しいケージに入れる、30分)によって誘導される自発運動活性およびアポモルヒネ(0.2mg/kg、s.c.)によって誘導される別方向への(対側性)回転行動について試験する。
実験動物選択基準:アポモルヒネ処置後に5回転/分を超える活性を有するラットのみを試験に登録し、基準を満たさないラットは研究から除外される(典型的には20%)。次いで、4週間連続して週に1回、各群について回転活動を記録する。
実施例23:ハロペリドール誘発性カタレプシー。
イリノイ州インディアナポリスのEnvigoによる若齢成体オスSprague-Dawley(SD)ラット(175~200グラム)を使用する。到着時に、ラットを換気ケージにケージあたり3匹収容し、試験前に少なくとも7日間順応させる。室温を22±1℃に維持し、相対湿度を約50%に維持した12/12時間の明暗サイクル(06.00に点灯)で動物を維持する。不断給餌給水させる。動物を処置群に無作為に割り付ける。実験は、動物の明サイクル期の間に行う。
バー試験を使用してカタレプシーを評価する。ラットの前足をプレキシグラスプラットフォームの上の6インチ高くした水平な金属バー上に置き、試行ごとに時間を最長60秒間記録する。動物の前足がプラットフォームに戻ったとき、または60秒後に試験は終了する。試験を3回繰り返し、3回の試行の平均をカタレプシーの強度指数として報告する。ラットを少なくとも1時間実験室に入れて、試験前に実験室条件に順応させる。ラットにビヒクルまたは化合物を注射し、ハロペリドール注射の30分後および60分後にカタレプシーを評価する。データは、分散分析(ANOVA)と後続のDunnettの事後比較によって分析する。
実施形態の様々な変更は、本明細書に記載されたものに加えて、前述の説明から当業者には明らかとなる。そのような変更も、添付の特許請求の範囲内に当てはまるものとする。本出願で引用されたすべての特許、特許出願および刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられている。