JP2023508265A - 高圧ポンプ構成 - Google Patents

Abstract

本出願は、ガスの自己発火によるシールの燃焼を防止するための新規かつ革新的な高圧流体システムを提供する。提供されたシステムは、シールキャビティ内の死容積を減少させるためにカップシールのシールキャビティ内に配置されたＯリングを含む。死容積を減少させることにより、Ｏリングは、蓄積することができるガスの容積を減少させ、したがって、ガスが圧縮されるときにガスが自己発火しないように防止するのに役立つ。ガスが自己発火しないように防止することにより、提供されたシステムはシールの燃焼を防止するのに役立ち、それは早過ぎるカップシールの故障を防止し、流体汚染を防止するのに役立つ。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、２０１９年１２月２０日に出願された米国仮出願第６２／９５１，８６７号の優先権および利益を主張する。

本出願は、一般に、高圧流体システムに関する。より具体的には、本出願は、ガスの自己発火による高圧シールの燃焼を防止することに関する。

高圧流体混合器、高圧／高せん断流体プロセッサ、高圧衝突噴流反応器、および高圧ホモジナイザなどの高圧流体システムは、高圧ポンプを利用することができる。これらのマシンは、ラボ／ベンチトップマシン、パイロットスケールマシン、および生産スケールマシンなどのマサチューセッツ州ウエストウッドに位置するＩｄｅｘ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎのユニットであるＭｉｃｒｏｆｌｕｉｄｉｃｓ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌからの様々なシステムを含む。例えば、ラボ／ベンチトップマシンは、Ｍｉｃｒｏｆｌｕｉｄｉｃｓ ＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌからのＬＭ１０、ＬＭ２０、Ｍ１１０Ｐ、ＬＶ１ Ｌｏｗ Ｖｏｌｕｍｅ、Ｍ１１０Ｙ、およびＨＣ５０００／８０００の製品提供を含んでもよい。パイロットスケールマシンは、例えば、Ｍｉｃｒｏｆｌｕｉｄｉｃｓ ＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌからのＰｉｌｏｔ Ｓｃａｌｅ Ｍ１１０ＥＨおよびＰｉｌｏｔ Ｓｃａｌｅ Ｍ８１５の製品提供を含んでもよい。生産スケールマシンは、例えば、Ｍｉｃｒｏｆｌｕｉｄｉｃｓ ＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌからのＭ７００およびＭ７１０のシリーズ製品提供を含んでもよい。

ポンプは、チャネル内の加圧流体を移動させるプランジャを含む。流体が移動すると、それは、極めて高い圧力で、例えば、流体が高いせん断力を受ける狭いマイクロチャネルを通過し、かつ／または衝突噴流反応器に入ることができる。ポンプシステムは、シールキャビティを含むカップシールなどの高圧シールを含んでもよい。シールキャビティ内の空き空間は、シールキャビティ容積と呼ぶことができる。ガスは、シールキャビティ容積内に蓄積する可能性があり、プランジャが流体を移動させると捕捉されるようになる可能性がある。場合によっては、ガスは、例えば、不十分な流体プライミングおよび／または流体内部の過剰な同伴ガスのために蓄積する可能性がある。十分な容積のガスがシールキャビティ内に蓄積し、十分な量の圧力下で圧縮された場合、ガスは十分に熱くなって、シールに対して自己発火損傷、例えばシールの燃焼を引き起こす可能性がある。

同じ動作圧力がラボ、パイロット、および大生産量マシンにおいて取得され得る場合も、上述されたシール燃焼は、同伴または捕捉されるガスの量がより多く、自己発火の可能性がより高くなる大生産量マシンにおいて、より大きな懸念事項となり得る。ガスが自己発火すると、ガスは、流体漏れを防止するために使用されるシールなどの、自己発火したガスの近くの様々なシステム部品を燃焼させる可能性がある。シール燃焼は、悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、シール燃焼は、処理されている流体の汚染を引き起こす可能性があり、それは医薬品または他の高純度流体を調製する場合に特に有害となり得る。シール燃焼はまた、シールを通常より早く故障させる可能性がある。低圧流体システムは、通常、ガスを自己発火させるのに十分高い圧力を生成しない。したがって、ガスの自己発火によるシールの燃焼をより良好に防止する高圧流体システム設計が必要とされる。

本出願は、ガスの自己発火によるシールの燃焼を防止するための新規かつ革新的な高圧流体システムを提供する。提供されたシステムは、シールキャビティ容積を減少させるためにカップシールのシールキャビティ内に配置されたＯリングなどのインサートを含む。シールキャビティ容積を減少させることにより、インサートは、蓄積することができるガスの容積を減少させ、したがって、ガスが圧縮されるときにガスが自己発火しないように防止するのに役立つ。ガスが自己発火しないように防止することにより、提供されたシステムはシールの燃焼を防止するのに役立ち、それは早過ぎるカップシールの故障を防止し、流体汚染を防止するのに役立つ。

本明細書の開示に照らして、決して本発明の範囲を限定することなく、別段明記しない限り、本明細書に列挙された本出願の任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１の態様では、高圧流体システムは、流体を受け入れるように適合されたチャネルおよびプランジャを含むポンプ本体を含む。チャネルは、チャネルの内径が増大するリップを含むように構成される。システムはまた、シールキャビティを含むカップシールを含む。カップシールは、チャネルのリップに配置される。この例では、システムは、カップシールのシールキャビティ内に配置されたインサートをさらに含む。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第２の態様では、ポンプ本体は、５，０００ｐｓｉ以上の流体圧力に耐えるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第３の態様では、ポンプ本体は、５，０００ｐｓｉと５０，０００ｐｓｉとの間の流体圧力に耐えるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第４の態様では、チャネルはリップにおいて９０度の角度を含むように構築される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第５の態様では、プランジャは、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の外径を含む。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第６の態様では、インサートはＯリングである。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第７の態様では、カップシールは、インサートがシールキャビティ内に配置されずに、シールキャビティの空の容積が約０．５立方インチ（８．１９立方ｃｍ）以上であるように構築される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第８の態様では、カップシールおよびインサートは、インサートがシールキャビティ内に配置され、シールキャビティの空の容積が、ガスが自己発火するのに十分な容積に蓄積するためには不十分であるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第９の態様では、カップシールおよびインサートは、インサートがシールキャビティ内に配置され、シールキャビティの空の容積が０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下であるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１０の態様では、チャネルは、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の直径を有し、チャネル内の流体容積は、約０．１立方インチ（１．６４立方ｃｍ）と７０立方インチ（１，１４７立方ｃｍ）との間であり、インサートがシールキャビティ内に配置され、シールキャビティの空の容積は、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１１の態様では、インサートは、エラストマ、プラスチック、または金属から構築される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１２の態様では、インサートは、ニトリル、ＥＰＤＭ、フルオロエラストマ、ネオプレン、超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエラストマ、もしくはシリコーン、またはそれらの組合せから構築される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１３の態様では、高圧流体システムは、流体を受け入れるように適合されたチャネルおよびプランジャを含むポンプ本体を含む。チャネルは、チャネルの内径が増大するリップを含むように構成される。システムはまた、シールキャビティを含むカップシールを含む。カップシールは、チャネルのリップに配置され、ポンプ本体は、カップシールのシールキャビティ内に延在するリップにある突起を含むように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１４の態様では、突起は、突起がシールキャビティ内に延在し、シールキャビティの空の容積が、ガスが自己発火するのに十分な容積に蓄積するためには不十分であるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１５の態様では、突起は、突起がシールキャビティ内に延在し、シールキャビティの空の容積が０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下であるように構成される。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１６の態様では、プランジャは、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の直径を有し、チャネル内の流体容積は、約０．１立方インチ（１．６４立方ｃｍ）と７０立方インチ（１，１４７立方ｃｍ）との間であり、インサートがシールキャビティ内に配置され、シールキャビティの空の容積は、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である。

別段明記しない限り、本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わされ得る本出願の第１６の態様では、ポンプ本体は、５，０００ｐｓｉと５０，０００ｐｓｉとの間の流体圧力に耐えるように構成され、インサートがシールキャビティ内に配置され、シールキャビティの空の容積は、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である。

本出願の一態様による、ポンプの一部の断面図である。 本出願の一態様による、高圧流体システムの断面図である。 本出願の一態様による、カップシールのシールキャビティの中を見るカップシールの図である。 本出願の一態様による、シールキャビティ内に配置されたインサートを含む図２Ａのカップシールを示す図である。 本出願の一態様による、図２Ｂに示された平面Ａ－Ａにおけるシール構成の断面図である。 焦げ付きのカップシールの斜視図を示す写真である。 ガスの自己発火の発生を防止したインサートとともに利用されるカップシールの斜視図を示す写真である。 本開示の一態様による、高圧流体システムの断面図である。

本出願は、ガスの自己発火によるシールの燃焼を防止するための新規かつ革新的なシステムを提供する。提供されたシステムは、シールキャビティを有するカップシール、シールキャビティ内のインサート、およびポンプチャネルリップを含んでもよく、それらのすべては、自己発火に必要な臨界圧縮比を低減するのに寄与する。提供されたシステムは、カップシールのシールキャビティ内にインサートを含めることにより、ガスが蓄積するために利用可能な空間を最小化する。例えば、インサートは、カップシールのシールキャビティ内に嵌合するＯリングまたは別の適切な構成要素であってもよい。インサートがない場合、シールキャビティ容積は、自己発火のために十分なガス容積を蓄積することを可能にするのに十分な大きさである。インサートは、カップシールのシールキャビティ容積の少なくとも一部を除去するのに役立つ。例えば、インサートは、シールキャビティ容積の大部分を除去することができる。提供されたシステムは、典型的なシステムのカップシールキャビティ容積と比較して、システムのカップシールのシールキャビティ内の容積を減少させるが、提供されたシステムは、カップシールの性能を維持する。例えば、提供されたシステムは、カップシールが高圧サイクル下で機能することを可能にする（例えば、圧力がシールカップのシールキャビティの内部にアクセスすることを可能にする）。ガスが蓄積するための利用可能な空間を最小化することは、高圧下でのガスの圧縮発火を防止するのに役立ち、したがって、結果として生じるシールの燃焼を防止するのに役立つ。シールの燃焼を防止するのに役立つことにより、提供されたシステムは、早過ぎるシールの故障を防止するのに役立ち、流体汚染を防止するのに役立つ。
第１のシステム実施形態

図１Ａは、例示的なポンプ本体１０２を含む例示的なポンプの一部の断面図を示す。ポンプ本体１０２は、ポンプ本体１０２の少なくとも一部を通って延在するチャネル１２０を含む。チャネル１２０の一部は、プランジャ１０４がプランジャ１０４とチャネル１２０の壁との間で十分な流体とともに並進することを可能にしながら、プランジャ（例えば、プランジャ１０４）の外径と実質的に一致する（例えば、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）との間の）直径を含む。

チャネル１２０は、図示されたように、チャネル１２０の直径が変化するリップ１２２を含む。例えば、リップ１２２において、チャネル１２０の直径は、上述されたようにプランジャ１０４に実質的に一致する直径からより大きい直径まで増大する。より大きい直径を有するチャネル１２０の一部は、より小さい直径を有するチャネル１２０の一部と同心であってもよい。リップ１２２は、いくつかの例では、チャネル１２０内の直径の増大をもたらすために、図示されたように９０度の角度で構成されてもよい。他の例では、リップ１２２は、チャネル１２０の直径の変化をもたらすために他の適切な角度で構成されてもよい。

少なくともいくつかの態様では、キャップ１０６は、ポンプ本体１０２に固定されてもよい。例えば、１つまたは複数のボルト１２４Ａ、１２４Ｂは、キャップ１０６をポンプ本体１０２に固定することができる。様々な態様では、ワッシャ１０８は、キャップ１０６とポンプ本体１０２との間に示されたように配置されてもよい。

図１Ｂは、本出願の一態様による、例示的な高圧流体システム１００、例えば、高圧増強ポンプの断面図を示す。システム１００は、ポンプ本体１０２と、ポンプ本体１０２のチャネル１２０内のプランジャ１０４とを含んでもよい。プランジャ１０４は、チャネル１２０内の流体１１２を移動させることができる。いくつかの例では、プランジャ１０４は、約１／８インチ（０．３１８ｃｍ）～約６インチ（１５．２４ｃｍ）の範囲内の外径を有してもよい。いくつかの例では、プランジャ１０４は、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の範囲内の外径を有してもよい。他の例では、プランジャ１０４は別の適切な外径を有してもよい。

システム１００は、プランジャ１０４がチャネル１２０内の流体１１２を移動させるのに適したストローク長を有するように構成される。いくつかの例では、プランジャ１０４は、約２．５インチ（６．３５ｃｍ）～約１８インチ（４５．７２ｃｍ）の範囲内の長さに等しいストローク長を有する。いくつかの例では、プランジャ１０４は、約２．５インチ（６．３５ｃｍ）～約１０インチ（２５．４ｃｍ）の範囲内の長さに等しいストローク長を有する。システム１００はまた、軸受１１８を含んでもよい。ポンプ本体１０２、キャップ１０６、ワッシャ１０８、および軸受１１８の各々の一方の側のみが図に示されているのは、図が断面図であり、各構成要素が図の他方の側に続いているためであることを諒解されたい。

様々な例では、システム１００はまた、カップシール１１４のシールキャビティ２００（図２Ａ）内に配置されたインサート１１６を含んでもよい。そのような例では、カップシール１１４およびインサート１１６は、ポンプ本体１０２のチャネル１２０のリップ１２２に配置される。インサート１１６は、カップシール１１４のシールキャビティ２００の容積の一部を除去し、したがって、ガスが蓄積するための容積を除去する。

例えば、８インチ（２０．３２ｃｍ）のストロークを有する１インチ（２．５４ｃｍ）の直径のプランジャ１０４（したがって、１インチ（２．５４ｃｍ）よりわずかに大きい直径のチャネル１２０）は、約６．２８立方インチ（１０２．９立方ｃｍ）のチャネル１２０内の流体容積に対応する。この例では、インサート１１６なしで、チャネル１２０内に配置されたカップシール１１４内のシールキャビティ２００の空の容積が約０．５立方インチ（８．１９立方ｃｍ）に等しくなり得るように、カップシール１１４が使用されてもよい。本発明者らは、１インチ（２．５４ｃｍ）の直径のプランジャおよび対応するサイズのカップシール１１４を含む典型的な高圧流体システムの場合、約０．５立方インチ（８．１９立方ｃｍ）以上の空のシールキャビティ２００の容積が、ガスを自己発火させることができる容積までガスが蓄積するのに十分であることを示した。対照的に、インサート１１６がカップシール１１４のシールキャビティ２００内に配置された提供されたシステム１００は、空のシールキャビティ２００の容積を減少させる。少なくとも一例では、インサート１１６は、空のシールキャビティ２００の容積を０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）まで減少させる。本発明者らは、１インチ（２．５４ｃｍ）の直径のプランジャおよび対応するサイズのカップシール１１４を含む提供されたシステム１００の一例において、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下の空のシールキャビティ２００の容積が、ガスが自己発火するのに十分な容積までガスが蓄積しないように防止することを示した。したがって、インサート１１６を有するシステム１００は、自己発火を防止するのに役立つ。

上記の例の量は、提供されたシステム１００のインサート１１６がどのように空のシールキャビティ容積を減少させて自己発火を防止するのに役立つかを実証するための単なる一例であることを諒解されたい。提供されたシステム１００の他の例では、プランジャ１０４は、上記の例とは異なる対応するサイズのカップシール１１４に対応する他の適切な直径を有してもよい。異なるサイズのカップシール１１４は、インサートの有無にかかわらず、異なる空のシールキャビティ容積２００を有してもよい。しかしながら、これらの例のいずれにおいても、カップシール１１４のシールキャビティ２００内のインサート１１６の使用は、空のシールキャビティ２００の容積を減少させて自己発火を防止するのに役立つ。

システム１００は、高い流体圧力で動作することができる。例えば、システム１００は、５，０００ｐｓｉ以上の流体圧力で動作することができる。動作範囲はまた、１０，０００～４０，０００ｐｓｉ、２０，０００～４０，０００ｐｓｉ、および３０，０００～４０，０００ｐｓｉを含んでもよい。いくつかの例では、システム１００は、４０，０００ｐｓｉ以上、例えば、４０，０００～５０，０００ｐｓｉの追加範囲の流体圧力で動作することができる。

図２Ａは、例示的なカップシール１１４のシールキャビティ２００の中を見る図における例示的なカップシール１１４を示す。少なくともいくつかの態様では、カップシール１１４は、カップシール１１４の一端で互いに一体になった外壁２０２および内壁２０４を含む。カップシール１１４の反対側の端部において、外壁２０２および内壁は互いに分離しており、それによってカップシール１１４内にシールキャビティ２００が形成される。図２Ｂは、シールキャビティ２００内に配置されたインサート１１６（例えば、Ｏリング）を有する図２Ａのカップシール１１４を示す。図２Ｃは、図２Ｂに示された平面Ａ－Ａにおいてそのシールキャビティ２００内に配置されたインサート１１６を有するカップシール１１４の断面図を示す。

いくつかの態様では、カップシール１１４は、約０．１インチ（０．２５４ ｃｍ）～約０．５インチ（１．２７ｃｍ）の範囲内の量に等しい高さＷを有してもよい。一例では、カップシール１１４は、０．２５インチ（０．６３５ｃｍ）に等しい高さＷを有してもよい。他の態様では、カップシール１１４は、別の適切な高さＷを有してもよい。いくつかの態様では、カップシール１１４は、約０．１８７インチ（０．４７５ｃｍ）～約０．７５インチ（１．９１ｃｍ）の範囲内の量に等しい幅Ｚを有してもよい。いくつかの態様では、カップシール１１４は、約０．１８７インチ（０．４７５ｃｍ）～約０．４６９インチ（１．１９ｃｍ）の範囲内の量に等しい幅Ｚを有してもよい。他の態様では、カップシール１１４は、別の適切な幅Ｚを有してもよい。

カップシール１１４は、様々な態様において、図２Ａおよび図２Ｂに示された円形断面を有してもよい。そのような態様では、カップシール１１４は、当業者によって諒解されるように、カップシール１１４が使用されるプランジャ１０４の外径よりもわずかに大きい内径を有してもよい。そのような態様では、インサート１１６はまた、円形であってもよく、インサート１１６が図２Ｂに示されたシールキャビティ２００内に嵌合するような内径および外径を有してもよい。他の態様では、カップシール１１４は、正方形、八角形、十角形などの別の適切な形状を有してもよい。そのような他の態様では、インサート１１６は、カップシール１１４の形状に対応する形状を有してもよい。

様々な態様では、カップシール１１４および／またはインサート１１６は、ニトリル、ＥＰＤＭ、フルオロエラストマ－ＦＫＭ（例えば、Ｖｉｔｏｎ（登録商標））、ネオプレン、超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリテトラフルオロエチレン－ＰＴＦＥ（例えば、Ｔｅｆｌｏｎ（登録商標））、パーフルオロエラストマ－ＦＦＫＭ（例えば、Ｋａｌｒｅｚ（登録商標））、シリコーン、または他の適切なエラストマもしくはプラスチックなどの、エラストマまたはプラスチックのうちの１つまたは複数から作製されてもよい。他の態様では、カップシールおよび／またはインサート１１６は、高圧用途に適した他の材料から作製されてもよい。例えば、いくつかの態様では、インサート１１６は、鋼、ステンレス鋼、金属合金、または他の適切な金属などの金属から作製されてもよい。いくつかの態様では、インサート１１６は、エラストマ、プラスチック、および／または金属の組合せから作製されてもよい。いくつかの態様では、カップシール１１４およびインサート１１６は、同じ材料から作製される。他の態様では、カップシール１１４およびインサート１１６は、異なる材料から作製されてもよい。
第１のシステム実施形態の例示的な検証

本発明者らは、上述されたように構成されたシステム（例えば、システム１００）が、シールの燃焼をもたらす自己発火を防止するのに役立つことを実証した。この有利な効果を実証するために、Ｍｉｃｒｏｆｌｕｉｄｉｃｓ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｍ７２５０－３０高圧流体プロセッサマシンが、高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）から構築されたカップシールとともに３０ｋｐｓｉの流体圧力で使用された。マシンは、（１）インサートをもたないカップシール３００（図３Ａ）、および（２）インサートとしてＯリング３１４（図３Ｂ）を有するカップシール３１２（図３Ｂ）の２つの別々のインスタンスで動作した。Ｏリング３１４は、パーフルオロエラストマ－ＦＦＫＭ（例えば、Ｋａｌｒｅｚ（登録商標））から構築された。

図３Ａは、動作後のカップシール３００の斜視図を示す写真である。図示されたように、カップシール３００は焦げ３０２を含む。焦げ３０２は、マシンの動作中に発生した蓄積ガスの自己発火の結果であった。図３Ｂは、マシンの動作後のカップシール３１２のシールキャビティ内に配置されたＯリング３１４を含むカップシール３１２の斜視図を示す写真である。Ｏリング３１４が挿入されたカップシール３１２は、マシン内のカップシール３００と交換され、システム内のガスが自己発火しないように防止した。図示されたように、カップシール３１２およびＯリング３１４の両方は、焼損を免れている。本発明者らはまた、Ｏリング３１４の代わりにポリテトラフルオロエチレン－ＰＴＦＥ（例えば、Ｔｅｆｌｏｎ（登録商標））から構築されたＯリングを試験し、ＰＴＦＥのＯリングも焼損を免れるという同様の結果を達成した。
第２のシステム実施形態

図４は、例示的な高圧流体システム４００、例えば、高圧増強ポンプの断面図を示す。高圧流体システム４００は、高圧流体システム１００に対する本出願の代替実施形態である。高圧流体システム４００では、ポンプ本体１０２は、リップ１２２においてポンプ本体１０２から外側に延在する突起４０２を含むように構成される。カップシール（例えば、カップシール１１４）がリップに配置されると、突起４０２はカップシール１１４のシールキャビティ２００内に延在する。高圧流体システム１００の例示的な実施形態では、突起４０２は、インサート１１６と同様に空のシールキャビティ２００の容積を減少させてガスの自己発火を防止することにより、高圧流体システム１００内で使用されるインサート１１６に取って代わる。また、突起４０２とカップシール１１４との間には、単に２つの構成要素を示す目的で間隙が示されており、通常、それらは互いに接触してガス蓄積のための容積を減少させることを諒解されたい。

本明細書で使用される場合、「約」、「おおよそ」、および「実質的に」は、数字の範囲内の数、例えば、参照された数の－１０％～＋１０％、好ましくは参照された数の－５％～＋５％、より好ましくは参照された数の－１％～＋１％、最も好ましくは参照された数の－０．１％～＋０．１％の範囲を指すと理解される。

さらに詳述することなく、当業者は、特許請求された発明を最大限に利用するために前述の説明を使用することができると考えられる。本明細書に開示された例および実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、決して本出願の範囲を限定するものではない。説明された基本原理から逸脱することなく、上述された実施形態の詳細に変更が加えられてもよいことは、当業者には明らかであろう。言い換えれば、上記の説明で具体的に開示された実施形態の様々な修正および改善は、添付の特許請求の範囲内にある。例えば、記載された様々な実施形態の特徴の任意の適切な組合せが考えられる。

Claims (20)

1. 流体を受け入れるように適合されたチャネルおよびプランジャを含むポンプ本体であって、前記チャネルが、前記チャネルの内径が増大するリップを含むように構成される、ポンプ本体と、
   シールキャビティを含むカップシールであって、前記カップシールが前記チャネルの前記リップに配置される、カップシールと、
   前記カップシールの前記シールキャビティ内に配置されたインサートと
   を備える、高圧流体システム。
2. 前記ポンプ本体が、５，０００ｐｓｉ以上の流体圧力に耐えるように構成される、請求項１に記載の高圧流体システム。
3. 前記ポンプ本体が、５，０００ｐｓｉと５０，０００ｐｓｉとの間の流体圧力に耐えるように構成される、請求項１に記載の高圧流体システム。
4. 前記チャネルが、前記リップにおいて９０度の角度を含むように構築される、請求項１に記載の高圧流体システム。
5. 前記プランジャが、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の外径を含む、請求項１に記載の高圧流体システム。
6. 前記インサートがＯリングである、請求項１に記載の高圧流体システム。
7. 前記カップシールが、前記インサートが前記シールキャビティ内に配置されずに、前記シールキャビティの空の容積が約０．５立方インチ（８．１９立方ｃｍ）以上であるように構築される、請求項１に記載の高圧流体システム。
8. 前記カップシールおよび前記インサートが、前記インサートが前記シールキャビティ内に配置され、前記シールキャビティの空の容積が、ガスが自己発火するのに十分な容積に蓄積するためには不十分であるように構成される、請求項１に記載の高圧流体システム。
9. 前記インサートが前記シールキャビティ内に配置され、前記シールキャビティの前記空の容積が０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である、請求項１に記載の高圧流体システム。
10. 前記チャネルが、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の直径を有し、前記チャネル内の流体容積が、約０．１立方インチ（１．６４立方ｃｍ）と７０立方インチ（１，１４７立方ｃｍ）との間であり、前記インサートが前記シールキャビティ内に配置され、前記シールキャビティの前記空の容積が、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である、請求項１に記載の高圧流体システム。
11. 前記インサートが、エラストマ、プラスチック、または金属から構築される、請求項１に記載の高圧流体システム。
12. 前記インサートが、ニトリル、ＥＰＤＭ、フルオロエラストマ、ネオプレン、超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエラストマ、もしくはシリコーン、またはそれらの組合せから構築される、請求項１１に記載の高圧流体システム。
13. 流体を受け入れるように適合されたチャネルおよびプランジャを含むポンプ本体であって、前記チャネルが、前記チャネルの内径が増大するリップを含むように構成される、ポンプ本体と、
    シールキャビティを含むカップシールであって、前記カップシールが前記チャネルの前記リップに配置される、カップシールと
    を備え、
    前記ポンプ本体が、前記シールキャビティ内に延在する前記リップにある突起を含むように構成される、
    高圧流体システム。
14. 前記ポンプ本体が、５，０００ｐｓｉ以上の流体圧力に耐えるように構成される、請求項１３に記載の高圧流体システム。
15. 前記ポンプ本体が、５，０００ｐｓｉと５０，０００ｐｓｉとの間の流体圧力に耐えるように構成される、請求項１３に記載の高圧流体システム。
16. 前記突起が、前記突起が前記シールキャビティ内に延在し、前記シールキャビティの前記空の容積が、ガスが自己発火するのに十分な容積に蓄積するためには不十分であるように構成される、請求項１３に記載の高圧流体システム。
17. 前記突起が前記シールキャビティ内に延在し、前記シールキャビティの前記空の容積が０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である、請求項１３に記載の高圧流体システム。
18. 前記プランジャが、約７／１６インチ（１．１１ｃｍ）～約３インチ（７．６２ｃｍ）の間の外径を含み、前記チャネル内の流体容積が、約０．１立方インチ（１．６４立方ｃｍ）と７０立方インチ（１，１４７立方ｃｍ）との間であり、前記インサートが前記シールキャビティ内に配置され、前記シールキャビティの前記空の容積が、０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である、請求項１３に記載の高圧流体システム。
19. 前記チャネルが、前記リップにおいて９０度の角度を含むように構築される、請求項１３に記載の高圧流体システム。
20. 前記ポンプ本体が、５，０００ｐｓｉと５０，０００ｐｓｉとの間の流体圧力に耐えるように構成され、前記インサートが前記シールキャビティ内に配置され、前記シールキャビティの前記空の容積が０．０４立方インチ（０．６５立方ｃｍ）以下である、請求項１３に記載の高圧流体システム。
    

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