JP2023503833A - タファミジスの結晶形及びその調製方法及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、化学結晶学の分野に関し、特に、タファミジス(tafamidis)の新規結晶形、その調製補法及び使用に関する。
タファミジスは、トランスサイレチン(TTR)を安定化することができ、天然のTTR四量体が単量体に解離するのを防ぎ、TTRアミロイド線維の形成を阻害し、トランスサイレチン媒介性アミロイドーシスを処置する際に使用される。タファミジスは、Pfizerが開発し、2019年からVYNDAMAXとして米国で販売されている。
結晶形とは、高度に秩序化された微視的構造で構成要素が配置され、あらゆる方向に広がる結晶格子を形成している固体物質のことである。多形とは、ある化合物が2個以上の結晶形で存在することができることである。異なる結晶形は、異なる物理化学的特性を有し、薬物のインビボ溶解及び吸収に影響することがあり、さらに薬物の臨床的有効性及び安全性にある程度の影響を与える。特に、いくつかの難溶性の薬物の場合、上記の結晶形の影響は、より大きくなるであろう。ゆえに、薬物の多形は、薬物研究及び薬物品質管理の重要な部分でもある。
「FDA Regulatory Classification of Pharmaceutical Co-Crystals Guidance for Industry」によると、医薬品の共結晶は、非イオン結合及び非共有結合によって会合した、同じ結晶格子内に規定の化学量論比で存在する、2つ以上の異なる分子(そのうちの1つがAPIである)から構成される結晶性材料である。医薬品の共結晶は、塩及び多形などの従来の固体状態のAPIよりすぐれた固体状態の形態を設計する機会を提供する。医薬品の共結晶は、製剤のバイオアベイラビリティ及び安定性を高めるため、並びに製剤の製造におけるAPIの加工性を向上させるために調合することができる。共結晶の別の利点は、塩形成の前提となるイオン化可能な官能基を欠くAPIに対して、多様な固体状態の形態を生成するという点である。
WO2016038500には、化合物Iの結晶形1/2/4/6が開示されており、形2はテトラヒドロフラン溶媒和物であり、形4/6は不安定であるので、形2/4/6は、薬物の開発に適さない。結晶形1は、形2/4/6よりも安定であるが、本開示の本発明者らは、結晶形1の溶解度が低いことを見出した。WO2019175263には、化合物Iの酢酸溶媒和物及び結晶形が開示されているが、本開示の本発明者らは、化合物Iのその結晶形が製剤では不安定であることを見出した。
従来技術の欠点を克服するために、本開示の発明者らは、化合物Iとフマル酸の共結晶形CSV、化合物Iとグルタル酸の共結晶形CSVI及び化合物Iとアジピン酸の共結晶形CSVIIを提供し、これらは、生理化学的特性、配合物の加工性及びバイオアベイラビリティに利点があり、例えば、融点、溶解性、吸湿性、精製能力、安定性、付着性、圧縮性、流動性、インビトロ及びインビボ溶解、並びにバイオアベイラビリティなどのうちの少なくとも1つの態様に利点がある。特に、化合物Iとフマル酸の共結晶形CSV、化合物Iとグルタル酸の共結晶形CSVI及び化合物Iとアジピン酸の共結晶形CSVIIは、安定性が良く、溶解性が高く、吸湿性が低く、溶解が高いことから、従来技術における問題を解決し、タファミジスを含む薬物の開発にとって大きな意義がある。
FDA Regulatory Classification of Pharmaceutical Co-Crystals Guidance for Industry
本開示の主な目的は、タファミジスの新規結晶形、その調製方法及び使用を提供することである。
本開示の目的によると、化合物Iとフマル酸との共結晶形CSV(本明細書中以下、結晶形CSVと称する)が提供される。
本開示の1つの態様によると、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.4°±0.2°、22.8°±0.2°及び20.8°±0.2°において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、2θ値が18.0°±0.2°、16.5°±0.2°及び9.6°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、2θ値が18.0°±0.2°、16.5°±0.2°及び9.6°±0.2°の3個において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、2θ値が15.6°±0.2°、19.2°±0.2°及び23.9°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、2θ値が15.6°±0.2°、19.2°±0.2°及び23.9°±0.2°の3個において特徴的なピークを示す。
本開示の別の態様によると、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.4°±0.2°、22.8°±0.2°、20.8°±0.2°、18.0°±0.2°、16.5°±0.2°、9.6°±0.2°、15.6°±0.2°、19.2°±0.2°及び23.9°±0.2°のうちの3個又は4個又は5個又は6個又は7個又は8個又は9個において特徴的なピークを示す。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVは、無水物(anhydrate)である。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVにおける化合物Iとフマル酸とのモル比は、1:0.5である。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVの粉末X線回折パターンは、実質的に図1に示されているとおりである。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVの熱重量分析曲線は、実質的に図2に示されている通りであり、図2は、150℃に加熱したときの約0.2%の重量減少を示している。その曲線は、150℃から225℃に加熱したときに約16.2%の重量減少を示しており、この重量減少は、フマル酸の喪失に対応する。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVの示差走査熱量測定曲線は、実質的に図6に示されている通りであり、図6は、265.2℃(オンセット温度)に加熱したときの吸熱ピークを示している。
本開示の目的によると、結晶形CSVを調製するためのプロセスも提供される。本製造方法は、タファミジス及びフマル酸をケトン、エステル、エーテル、又はアルコールとエーテルとの混合物に加え、撹拌して、結晶形CSVを得ることを含む。
さらに、フマル酸と化合物Iとのモル比は、好ましくは、1:1~3:1である。
さらに、前記ケトンは、好ましくはアセトンであり、前記エステルは、好ましくは酢酸エチルであり、前記エーテルは、好ましくはアニソール及びテトラヒドロフランであり、前記アルコールは、好ましくはn-ブチルアルコールである。
さらに、前記撹拌温度は、好ましくは、0~60℃であり、前記撹拌時間は、好ましくは、3~10日間である。
本開示の結晶形CSVは、以下の利点を有する:
(1)先行技術と比較して、結晶形CSVは溶解性がより大きい。特に、FeSSIF(飽食時人工腸液)における結晶形CSVの溶解性は、WO2016038500の結晶形1の溶解性の10倍である。
化合物Iは、難水溶性薬物であり、BCS IVに属する。高い溶解性は、薬物のインビボ吸収及びバイオアベイラビリティの改善に有益であるので、薬効を改善する。さらに、溶解性が高いおかげで、有効性に影響せずに薬物用量を減少させることが可能であり、それにより、薬物の副作用が低減し、薬物の安全性が改善される。
(2)先行技術と比較して、結晶形CSVは、インビトロ溶解がより良好である。pH6.8のリン酸緩衝食塩水(PBS)における結晶形CSV製剤の溶解は、WO2016038500の結晶形1の溶解よりも大きい。
結晶形が異なる薬物は、インビボ溶解速度が異なり、インビボにおける薬物の吸収、分布、排出及び代謝に直接的な影響を及ぼし、また、最終的には、それらのバイオアベイラビリティが異なることによって異なる臨床的有効性をもたらす場合がある。溶解は、薬物吸収の重要な前提条件である。インビトロ溶解が良好であると、インビボ吸収が高くなり、インビボ曝露が良好になり、それにより、薬物のバイオアベイラビリティ及び有効性が改善される。
(3)本開示の結晶形CSVは、吸湿性が低い。試験の結果、80%RH(相対湿度)における結晶形CSVの重量増加は0.09%であることを示している。結晶形CSVは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
高吸湿性は、化学分解及び結晶変換を引き起こす傾向があるので、吸湿性は、薬物の物理化学的安定性に直接影響する。さらに、高吸湿性は、薬物の流動性を低下させ、それにより、薬物の加工に影響する。さらに、吸湿性が高い原薬は、生産中及び保存中に低湿度の環境を必要とするため、生産の際の要件が厳しくなり、高コストを強いられる。より重要なことには、高吸湿性は、薬物中の医薬品有効成分の含有量のばらつきを引き起こす可能性があるので、薬物の品質に影響する。吸湿性が低い結晶形は、環境に関する要求がないことから、生産、保存及び品質管理のコストを削減でき、経済的価値が高い。
(4)本開示の結晶形CSVの原薬及び製剤は、安定性が良好である。結晶形CSV原薬の結晶状態は、25℃/60%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも6ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。製剤を形成するために結晶形CSVを賦形剤と混合し、25℃/60%RHの条件下で保存した後、結晶形CSV製剤の結晶状態は、少なくとも3ヶ月間変化しない。これらの結果は、結晶形CSV原薬及び製剤が、長期間の保存条件下で良好な安定性を有し、これは薬物の保存にとって有益であることを示す。
一方、結晶形CSV原薬の結晶状態は、40℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも6ヶ月間変化しない。結晶形CSV原薬の結晶状態は、60℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも2ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。製剤を形成するために結晶形CSVを賦形剤と混合し、40℃/75%RHの条件下で保存した後、結晶形CSV製剤の結晶状態は、少なくとも3ヶ月間変化しない。これらの結果は、結晶形CSV原薬及び製剤が、加速条件下及びストレス条件下において良好な安定性を有することを示す。加速条件下及びストレス条件下における良好な安定性は、薬物開発にとって非常に重要である。原薬及び製剤は、保存中、輸送中及び製造プロセス中に、天候、季節及び地域気候の差によって引き起こされる高温条件及び高湿度条件を経験する。結晶形CSV原薬及び製剤は、これらのストレス条件下において良好な安定性を有し、これは、ラベルに推奨されている条件で保存されなかったときの薬物の品質に対する影響を回避するのに有益である。
一方、結晶形CSVは、機械的安定性が良好である。結晶形CSVは、粉砕後の物理的安定性が良好である。粉砕及び粉末化は、薬物製造プロセスにおいて必要とされることが多い。原薬の良好な物理的安定性は、薬物の生産プロセス中の結晶化度の低下及び結晶変換といったリスクを低下させることができる。
結晶変換は、薬物の吸収を変化させることがあり、バイオアベイラビリティに影響を与え、それどころか毒性及び副作用を生じさせる可能性がある。良好な化学的安定性は、保存中に不純物が生成されないことを保証する。結晶形CSVは、良好な物理的及び化学的安定性を有することから、原薬及び製剤の一貫した品質及び制御可能な品質が保証され、結晶変換又は不純物生成に起因する品質、バイオアベイラビリティ及び毒性の変化を最小限に抑えることができる。
さらに、本開示の結晶形CSVは、以下の利点も有する:
(1)先行技術と比較して、本開示の結晶形CSVは、圧縮性がより良好である。結晶形CSVは圧縮性が良好なため、硬度/摩損度試験の不合格及び錠剤の割れの問題を回避できることから、調製プロセスをより信頼できるものにし、製品の外観及び製品の品質を改善する。良好な圧縮性は、圧縮率を高めることができ、プロセス効率をさらに高め、圧縮性改善賦形剤のコストを下げることができる。
本開示の目的によると、化合物Iとグルタル酸との共結晶形CSVI(本明細書中以下、結晶形CSVIと称する)が提供される。
本開示の1つの態様によると、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が14.1°±0.2°、19.1°±0.2°及び17.2°±0.2°において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、2θ値が10.0°±0.2°、22.5°±0.2°及び24.3°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、2θ値が10.0°±0.2°、22.5°±0.2°及び24.3°±0.2°の3個において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、2θ値が34.1°±0.2°、33.4°±0.2°、11.2°±0.2°及び35.5°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個又は4個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、2θ値が34.1°±0.2°、33.4°±0.2°、11.2°±0.2°及び35.5°±0.2°の4個において特徴的なピークを示す。
本開示の別の態様によると、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が14.1°±0.2°、19.1°±0.2°、17.2°±0.2°、10.0°±0.2°、22.5°±0.2°、24.3°±0.2°、34.1°±0.2°、33.4°±0.2°、11.2°±0.2°及び35.5°±0.2°のうちの3個又は4個又は5個又は6個又は7個又は8個又は9個又は10個において特徴的なピークを示す。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIの粉末X線回折パターンは、実質的に図15に示されている通りである。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIの熱重量分析曲線は、実質的に図17に示されている通りであり、図17は、200℃に加熱したときの約17.5%の重量減少を示しており、この重量減少は、グルタル酸の喪失に対応する。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIの示差走査熱量測定曲線は、実質的に図18に示されている通りであり、図18は、166.6℃(オンセット温度)に加熱したときの吸熱ピークを示している。
本開示の目的によると、結晶形CSVIを調製するためのプロセスも提供される。本製造方法は、タファミジス及びグルタル酸をエステルに加え、撹拌して、結晶形CSVIを得ることを含む。
さらに、グルタル酸と化合物Iとのモル比は、好ましくは、2:1~3:1である。
さらに、前記エステルは、好ましくは、酢酸エチルである。
さらに、前記撹拌温度は、好ましくは、0~40℃であり、前記撹拌時間は、好ましくは、3~10日間である。
本開示の結晶形CSVIは、以下の利点を有する:
(1)従来技術と比べて、結晶形CSVIは、高い溶解性を有する。化合物Iは、難水溶性薬物であり、BCS IVに属する。高い溶解性は、薬物のインビボ吸収及びバイオアベイラビリティの改善に有益であるので、薬効を改善する。さらに、溶解性が高いおかげで、有効性に影響せずに薬物用量を減少させることが可能であり、それにより、薬物の副作用が低減し、薬物の安全性が改善される。
(2)従来技術と比べて、結晶形CSVIは、インビトロ溶解が良好である。pH6.8 PBS+1%Tween80及びpH6.8 PBS+3%Tween80における結晶形CSVI製剤の溶解は、WO2016038500の結晶形1の溶解よりも高い。
薬物の結晶形が異なると、インビボ溶解速度が異なることがあり、これは薬物のインビボにおける吸収、分布、排出及び代謝に直接影響し、最終的には、バイオアベイラビリティが異なることに起因して臨床的有効性の違いにつながる。溶解は、薬物吸収の重要な前提条件である。インビトロ溶解が良好であると、インビボ吸収が高くなり、インビボ曝露が良好になり、それにより、薬物のバイオアベイラビリティ及び有効性が改善される。
(3)本開示の結晶形CSVIは、吸湿性が低い。試験結果は、80%RHにおける結晶形CSVIの重量増加が0.21%であることを示している。結晶形CSVIは、わずかに吸湿性である。
高吸湿性は、化学分解及び結晶変換を引き起こす傾向があるので、吸湿性は、薬物の物理化学的安定性に直接影響する。さらに、高吸湿性は、薬物の流動性を低下させ、それにより、薬物の加工に影響する。さらに、吸湿性が高い原薬は、生産中及び保存中に低湿度の環境を必要とするため、生産の際の要件が厳しくなり、高コストを強いられる。より重要なことには、高吸湿性は、薬物中の医薬品有効成分の含有量のばらつきを引き起こす可能性があるので、薬物の品質に影響する。吸湿性が低い結晶形は、環境に関する要求がないことから、生産、保存及び品質管理のコストを下げ、経済的価値が高い。
(4)本開示の結晶形CSVIの原薬は、安定性が良好である。結晶形CSVI原薬の結晶状態は、25℃/60%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも6ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。この結果は、結晶形CSVI原薬が、長期間の保存条件下で良好な安定性を有し、これは薬物の保存にとって有益であることを示す。
一方、結晶形CSVI原薬の結晶状態は、40℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも6ヶ月間変化しない。結晶形CSVI原薬の結晶状態は、60℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも2ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。これらの結果は、結晶形CSVI原薬が、加速条件下及びストレス条件下において良好な安定性を有することを示している。加速条件下及びストレス条件下における良好な安定性は、薬物開発にとって非常に重要である。原薬は、保存中、輸送中及び製造プロセス中に、天候、季節及び地域気候の差によって引き起こされる高温条件及び高湿度条件を経験する。結晶形CSVI原薬は、これらのストレス条件下において良好な安定性を有し、これは、ラベルに推奨されている条件で保存されなかったときの薬物の品質に対する影響を回避するのに有益である。
結晶変換は、薬物の吸収を変化させることがあり、バイオアベイラビリティに影響することがあり、毒性及び副作用を引き起こすことさえある。良好な化学的安定性は、保存中に不純物が生成されないことを保証する。結晶形CSVIは、良好な物理的及び化学的安定性を有することから、原薬及び製剤の一貫した品質及び制御可能な品質が確保され、結晶変換又は不純物生成に起因する品質、バイオアベイラビリティ及び毒性の変化を最小限に抑えることができる。
本開示の目的によると、化合物Iとアジピン酸との共結晶形CSVII(本明細書中以下、結晶形CSVIIと称する)が提供される。
本開示の1つの態様によると、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.9°±0.2°、18.8°±0.2°及び25.6°±0.2°において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、2θ値が24.1°±0.2°、11.3°±0.2°及び22.7°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、2θ値が24.1°±0.2°、11.3°±0.2°及び22.7°±0.2°の3個において特徴的なピークを示す。
さらに、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、2θ値が17.2°±0.2°、9.8°±0.2°及び17.0°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを示す。好ましくは、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、2θ値が17.2°±0.2°、9.8°±0.2°及び17.0°±0.2°の3個において特徴的なピークを示す。
本開示の別の態様によると、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.9°±0.2°、18.8°±0.2°、25.6°±0.2°、24.1°±0.2°、11.3°±0.2°、22.7°±0.2°、17.2°±0.2°、9.8°±0.2°及び17.0°±0.2°のうちの3個又は4個又は5個又は6個又は7個又は8個又は9個において特徴的なピークを示す。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIIの粉末X線回折パターンは、実質的に図25に示されているとおりである。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIIの熱重量分析曲線は、実質的に図26に示されている通りであり、図26は、200℃に加熱したときの約19.0%の重量減少を示しており、この重量減少は、アジピン酸の喪失に対応する。
いかなる制限も示唆されないが、結晶形CSVIIの示差走査熱量測定曲線は、実質的に図27に示されている通りであり、図27は、166.7℃(オンセット温度)に加熱したときの吸熱ピークを示している。
本開示の目的によると、結晶形CSVIIを調製するプロセスも提供される。そのプロセスは、タファミジス及びアジピン酸をエステルに加え、撹拌して、結晶形CSVIIを得ることを含む。
さらに、アジピン酸と化合物Iとのモル比は、好ましくは、1:1~3:1である。
さらに、前記エステルは、好ましくは、酢酸エチルである。
さらに、前記撹拌温度は、好ましくは、20~60℃であり、前記撹拌時間は、好ましくは、3~10日間である。
本開示の結晶形CSVIIは、以下の利点を有する:
(1)従来技術と比べて、結晶形CSVIIは、溶解性が高い。特に、SGF(人工胃液)における結晶形CSVIIの溶解性は、WO2016038500の結晶形1の溶解性より12倍高い。
化合物Iは、難水溶性薬物であり、BCS IVに属する。高い溶解性は、薬物のインビボ吸収及びバイオアベイラビリティの改善に有益であるので、薬効を改善する。さらに、溶解性が高いおかげで、有効性に影響せずに薬物用量を減少させることが可能であり、それにより、薬物の副作用が低減し、薬物の安全性が改善される。
(2)従来技術と比べて、結晶形CSVIIは、インビトロ溶解が良好である。pH6.8 PBS+1%Tween80における結晶形CSVII製剤の溶解は、WO2016038500の結晶形1の溶解よりも高い。
薬物の結晶形が異なると、インビボ溶解速度が異なることがあり、これは薬物のインビボにおける吸収、分布、排出及び代謝に直接影響し、最終的には、バイオアベイラビリティが異なることに起因して臨床的有効性の違いにつながる。溶解は、薬物吸収の重要な前提条件である。インビトロ溶解が良好であると、インビボ吸収が高くなり、インビボ曝露が良好になり、それにより、薬物のバイオアベイラビリティ及び有効性が改善される。
(3)本開示の結晶形CSVIIは、吸湿性が低い。試験結果は、80%RHにおける結晶形CSVIIの重量増加が0.04%であることを示している。結晶形CSVIIは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
高吸湿性は、化学分解及び結晶変換を引き起こす傾向があるので、吸湿性は、薬物の物理化学的安定性に直接影響する。さらに、高吸湿性は、薬物の流動性を低下させ、それにより、薬物の加工に影響する。さらに、吸湿性が高い原薬は、生産中及び保存中に低湿度の環境を必要とするため、生産の際の要件が厳しくなり、高コストを強いられる。より重要なことには、高吸湿性は、薬物中の医薬品有効成分の含有量のばらつきを引き起こす可能性があるので、薬物の品質に影響する。吸湿性が低い結晶形は、環境に関する要求が低いことから、生産、保存及び品質管理のコストを下げ、経済的価値が高い。
(4)本開示の結晶形CSVIIの原薬は、安定性が良好である。結晶形CSVII原薬の結晶状態は、25℃/60%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも3ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。製剤を形成するために結晶形CSVIIを賦形剤と混合し、30℃/60%RHの条件下で保存した後、結晶形CSVII製剤の結晶状態は、少なくとも3ヶ月間変化しない。これらの結果は、結晶形CSVII原薬及び製剤が、長期間の保存条件下で良好な安定性を有し、これは薬物の保存にとって有益であることを示している。
一方、結晶形CSVII原薬の結晶状態は、40℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも3ヶ月間変化しない。結晶形CSVII原薬の結晶状態は、60℃/75%RHの条件下で保存されたとき、少なくとも2ヶ月間変化しない。化学的純度は、99.9%超であり、保存中も実質的に変化しない。これらの結果は、結晶形CSVII原薬が、加速条件下及びストレス条件下において良好な安定性を有することを示している。加速条件下及びストレス条件下における良好な安定性は、薬物開発にとって非常に重要である。原薬は、保存中、輸送中及び製造プロセス中に、天候、季節及び地域気候の差によって引き起こされる高温条件及び高湿度条件を経験することになる。結晶形CSVII原薬は、これらのストレス条件下において良好な安定性を有し、これは、ラベルに推奨されている条件で保存されなかったときの薬物の品質に対する影響を回避するのに有益である。
結晶変換は、薬物の吸収を変化させることがあり、バイオアベイラビリティに影響することがあり、毒性及び副作用を引き起こすことさえある。良好な化学的安定性は、保存中に不純物が生成されないことを保証する。結晶形CSVIIは、良好な物理的及び化学的安定性を有することから、原薬及び製剤の一貫した品質及び制御可能な品質が確保され、結晶変換又は不純物生成に起因する品質、バイオアベイラビリティ及び毒性の変化を最小限に抑えることができる。
さらに、本開示の結晶形CSVIIは、以下の利点も有する:
(1)従来技術と比べて、本開示の結晶形CSVIIは、圧縮性が良好である。結晶形CSVIIは圧縮性が良好なため、硬度/摩損度試験の不合格及び錠剤の割れの問題を回避できることから、調製プロセスをより信頼できるものにし、製品の外観及び製品の品質を改善する。良好な圧縮性は、圧縮率を高めることができ、加工効率をさらに高め、圧縮性を改善する賦形剤のコストを下げる。
(2)従来技術と比べて、本開示の結晶形CSVIIは、付着性に優れている。付着性の評価結果は、結晶形CSVIIの付着量が従来技術の形の付着量よりも著しく低いことを示す。結晶形CSVIIは付着性が優れていることに起因して、乾式造粒プロセス中及び圧縮プロセス中の圧延機及び治工具への付着を減少させることができ、これは、製品の外観の改善及び重量のばらつきの改善にも有益である。さらに、結晶形CSVIIの優れた付着性は、原薬の凝集を減少させることができ、これは、原薬の分散、並びに原薬と他の装置との間の接着の減少、並びに製剤の混合の均一性及び含有量の均一性の改善に有益である。
本開示の目的によると、医薬組成物が提供され、前記医薬組成物は、治療有効量の結晶形CSV、結晶形CSVI又は結晶形CSVII、及び薬学的に許容され得る担体又は賦形剤を含む。
さらに、結晶形CSV、結晶形CSVI又は結晶形CSVIIは、トランスサイレチン媒介性アミロイドーシスによって引き起こされる疾患を処置する薬物を調製するために使用できる。
さらに、結晶形CSV、結晶形CSVI又は結晶形CSVIIは、トランスサイレチン媒介性アミロイドーシス及び/又はトランスサイレチンアミロイド心筋症を処置する薬物を調製するために使用できる。
本開示において、前記「撹拌」は、磁気撹拌又は機械的撹拌などの当該分野における従来の方法を用いて行われ、撹拌速度は、50~1800r/分であり、好ましくは、磁気撹拌の速度は、300~900r/分であり、機械的撹拌の速度は、100~300r/分である。
前記「分離」は、遠心分離又は濾過などの当該分野における従来の方法を用いて行われる。「遠心分離」の操作は、以下のとおりである:分離すべき試料を遠心管に入れ、次いで、すべての固体が遠心管の底に沈むまで、10000r/分の速度で遠心する。
前記「乾燥」は、室温又はそれより高い温度で行われる。乾燥温度は、室温から約60℃又は50℃又は40℃までである。乾燥時間は、2~48時間又は一晩であり得る。乾燥は、換気フード内、強制空気対流オーブン内又は真空オーブン内で行われる。
本開示において、「結晶」又は「結晶形」とは、本明細書中に示されるX線回折パターンによって特定される結晶又は結晶形のことを指す。当業者は、本明細書中で論じられる物理化学的特性が特徴付けられ得ることを理解できる。実験誤差は、装置の条件、試料調製及び試料純度に左右される。特に、当業者は一般に、X線回折パターンが通常は実験条件によって変動することを理解している。X線回折パターンにおける回折ピークの相対強度も実験条件によって変動することがあることを指摘することが必要である。ゆえに、回折ピーク強度の順序は、唯一の要因又は決定的要因とみなすことができない。実際に、粉末X線回折パターンにおける回折ピークの相対強度は、結晶の好ましい配向に関係し、本明細書中に示される回折ピーク強度は、例示であって、同一の回折ピーク強度は必要とされない。さらに、回折ピーク位置の実験誤差は、通常5%以下であり、これらの位置の誤差も考慮されるべきである。通常、±0.2°の誤差が許容される。さらに、試料の厚さなどの実験的要因に起因して、回折ピークの全体的なオフセットが引き起こされ、通常、一定のオフセットが許容される。したがって、本開示の結晶形は必ずしも本明細書中に示される例と全く同じX線回折パターンを有する必要はないことを当業者は理解するだろう。X線回折パターンが同じ又は類似の特徴的なピークを有する結晶形はいずれも、本開示の範囲内であるはずである。当業者は、本開示に示されるパターンと未知の結晶形のパターンが同じ結晶形を反映しているのか異なる結晶形を反映しているのかを特定するために、これらの2群のパターンを比較できる。
いくつかの実施形態において、本開示の結晶形CSV、結晶形CSVI及び結晶形CSVIIは、純粋であり、他の任意の結晶形を実質的に含まない。本開示において、用語「実質的に含まない」は、新規結晶形を説明するために使用されるとき、その新規結晶形における他の結晶形の含有量が、20%(w/w)未満、詳細には10%(w/w)未満、より詳細には5%(w/w)未満、さらにより詳細には1%(w/w)未満であることを意味する。
本開示において、用語「約」は、重量、時間、温度などのような測定可能な値に言及しているとき、特定の量の±10%、±5%、±1%、±0.5%又は±0.1%の変動を包含していることを意味する。
本開示は、本開示の結晶形の調製及び使用を詳細に説明する以下の例によってさらに例証される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法について多くの変更を行うことができることは、当業者には明らかである。
本開示において使用される略語は以下のように説明される。
XRPD:粉末X線回折
DSC:示差走査熱量測定
TGA:熱重量分析
DVS:動的蒸気収着
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
XRPD:粉末X線回折
DSC:示差走査熱量測定
TGA:熱重量分析
DVS:動的蒸気収着
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
[データ収集に使用した装置及び方法]
本開示における粉末X線回折パターン(製剤安定性研究のXRPDパターンを除く)は、Bruker D2 PHASER 粉末X線回折計によって取得した。本開示の粉末X線回折法のパラメータは、以下のとおりである:
X線反射:Cu、Kα
Kα1(Å):1.54060。Kα2(Å):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
本開示における粉末X線回折パターン(製剤安定性研究のXRPDパターンを除く)は、Bruker D2 PHASER 粉末X線回折計によって取得した。本開示の粉末X線回折法のパラメータは、以下のとおりである:
X線反射:Cu、Kα
Kα1(Å):1.54060。Kα2(Å):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
本開示における製剤安定性研究の粉末X線回折パターンは、Bruker D8 Discover粉末X線回折計によって取得した。本開示の粉末X線回折法のパラメータは、以下のとおりである:
X線反射:Cu、Kα
Kα1(Å):1.54056。Kα2(Å):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
電圧:40(kV)
電流:40(mA)
走査範囲(2θ):4.0°~40.0°
X線反射:Cu、Kα
Kα1(Å):1.54056。Kα2(Å):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
電圧:40(kV)
電流:40(mA)
走査範囲(2θ):4.0°~40.0°
本開示における示差走査熱量測定(DSC)データは、TA Q2000によって取得した。本開示のDSC法のパラメータは、以下の通りだった:
加熱速度:10℃/分
パージガス:窒素
加熱速度:10℃/分
パージガス:窒素
本開示における熱重量分析(TGA)データは、TA Q500によって取得した。本開示のTGA法のパラメータは、以下の通りだった:
加熱速度:10℃/分
パージガス:窒素
加熱速度:10℃/分
パージガス:窒素
動的蒸気収着(DVS)は、SMS(Surface Measurement Systems Ltd.)intrinsic DVS計測器により測定された。その制御ソフトウェアは、DVS-Intrinsicコントロールソフトウェアである。DVS試験の典型的なパラメータは、以下の通りである:
温度:25℃
ガス及び流速:N2、200mL/分
dm/dt:0.002%/分
RH範囲:0%RH~95%RH
温度:25℃
ガス及び流速:N2、200mL/分
dm/dt:0.002%/分
RH範囲:0%RH~95%RH
プロトン核磁気共鳴スペクトルデータ(1H NMR)は、Bruker Avance II DMX 400M HZ NMR分光計で収集した。1~5mgの試料を秤量し、0.5mLの重水素化ジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が2~10mg/mLの溶液を得た。
本開示における動的溶解度試験のUPLCパラメータを表1に示す。
本開示における純度試験のUPLCパラメータを表2に示す。
本開示における製剤溶解試験のUPLCパラメータを表3に示す。
特に断らない限り、以下の実施例は、室温で行った。前記「室温」は、特定の温度ではなく、10~30℃の温度範囲である。
本開示によれば、原材料として使用される化合物Iには、固体(結晶性又は非晶質)、油状物、液体及び溶液が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、原材料としての化合物Iは、固体である。
以下の実施例において使用される化合物Iは、従来技術の公知の方法、例えば、WO2016038500に開示されている方法によって調製することができる。
[実施例1 結晶形CSVの調製]
252.6mgのフマル酸をガラスバイアルに秤量し、次いで、18.0mLのアセトン及び312.0mgのタファミジス遊離酸を加えて、懸濁液を作製した。その懸濁液を室温で約5日間撹拌した。分離後、得られた固体を25℃で約1時間真空乾燥した。268.8mgの乾燥試料を別のガラスバイアルに秤量した。5.0mLの水を加え、その懸濁液を室温で約1時間撹拌した。次いで、4.0mLの水を加え、その懸濁液を一晩撹拌した。分離及び50℃での真空乾燥の後、結晶性固体を得た。得られた固体が結晶形CSVであることをXRPDによって確認した。そのXRPDパターンは、実質的に図1に示されている通りであり、XRPDデータを表4に示す。
252.6mgのフマル酸をガラスバイアルに秤量し、次いで、18.0mLのアセトン及び312.0mgのタファミジス遊離酸を加えて、懸濁液を作製した。その懸濁液を室温で約5日間撹拌した。分離後、得られた固体を25℃で約1時間真空乾燥した。268.8mgの乾燥試料を別のガラスバイアルに秤量した。5.0mLの水を加え、その懸濁液を室温で約1時間撹拌した。次いで、4.0mLの水を加え、その懸濁液を一晩撹拌した。分離及び50℃での真空乾燥の後、結晶性固体を得た。得られた固体が結晶形CSVであることをXRPDによって確認した。そのXRPDパターンは、実質的に図1に示されている通りであり、XRPDデータを表4に示す。
図2に示されている結晶形CSVのTGA曲線は、150℃に加熱されたとき約0.2%の重量減少、及び150℃から225℃に加熱されたとき約16.2%の重量減少を示しており、これは、フマル酸の喪失に対応する。
結晶形CSVの1H NMRスペクトルは、実質的に図3に示されている通りであり、これは、化合物Iと適合している。δ=6.63における化学シフトは、フマル酸の特徴的なピークである。この1H NMRスペクトルは、結晶形CSVにおいて、タファミジスとフマル酸とのモル比が1:0.5に等しいことを示している。対応するデータは、以下である:1H NMR(400MHz,DMSO)δ13.21(s,2H),8.29(d,J=1.0Hz,1H),8.17(d,J=1.9Hz,2H),8.05(dd,J=8.4,1.5Hz,1H),7.97(t,J=1.9Hz,1H),7.94(d,J=8.3Hz,1H),6.63(s,1H)。
[実施例2 結晶形CSVの調製]
14.1mgのタファミジス遊離酸及び12.0mgのフマル酸をガラスバイアルに秤量し、1.0mLのアセトンを加えて、懸濁液を作製した。その懸濁液を室温で約7日間撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。
14.1mgのタファミジス遊離酸及び12.0mgのフマル酸をガラスバイアルに秤量し、1.0mLのアセトンを加えて、懸濁液を作製した。その懸濁液を室温で約7日間撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。
得られた固体が結晶形CSVであることをXRPDによって確認した。そのXRPDパターンは、実質的に図4に示されている通りであり、XRPDデータを表5に示す。
[実施例3 結晶形CSVの調製]
5.02gのタファミジス遊離酸、1.88gのフマル酸及び約250mLのn-ブタノール/アニソール(1:4,v/v)溶媒を反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。100℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。その溶液を85℃に冷却し、約10.0mgの結晶形CSV種晶を加えた。約15分間熟成させた後、その懸濁液を5℃に冷却し、濾過した。湿ったケークを50℃で真空乾燥し、結晶性固体を得た。得られた固体が結晶形CSVであることをXRPDによって確認した。そのXRPDパターンは、実質的に図5に示されている通りであり、XRPDデータを表6に示す。
5.02gのタファミジス遊離酸、1.88gのフマル酸及び約250mLのn-ブタノール/アニソール(1:4,v/v)溶媒を反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。100℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。その溶液を85℃に冷却し、約10.0mgの結晶形CSV種晶を加えた。約15分間熟成させた後、その懸濁液を5℃に冷却し、濾過した。湿ったケークを50℃で真空乾燥し、結晶性固体を得た。得られた固体が結晶形CSVであることをXRPDによって確認した。そのXRPDパターンは、実質的に図5に示されている通りであり、XRPDデータを表6に示す。
[実施例4 結晶形CSVの調製]
30.00gのタファミジス遊離酸、11.63gのフマル酸及び約1350mLのn-ブタノール/アニソール(1:3,v/v)溶媒を2L反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。95℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。その透明の溶液を85℃に冷却し、約600.8mgの結晶形CSV種晶を加えた。約1時間熟成させた後、その懸濁液を2時間で5℃に冷却し、次いで、濾過した。湿ったケークをn-ヘプタンで洗浄し、50℃で真空乾燥して、結晶性固体を得た。その固体は、結晶形CSVであることが確認された。
30.00gのタファミジス遊離酸、11.63gのフマル酸及び約1350mLのn-ブタノール/アニソール(1:3,v/v)溶媒を2L反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。95℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。その透明の溶液を85℃に冷却し、約600.8mgの結晶形CSV種晶を加えた。約1時間熟成させた後、その懸濁液を2時間で5℃に冷却し、次いで、濾過した。湿ったケークをn-ヘプタンで洗浄し、50℃で真空乾燥して、結晶性固体を得た。その固体は、結晶形CSVであることが確認された。
結晶形CSVのDSC曲線は、実質的に図6に示されている通りであり、図6は、およそ265.2℃(オンセット温度)に1つの吸熱ピークを示している。
[実施例5 結晶形CSVの調製]
0.51gのタファミジス遊離酸、0.94gのフマル酸及び15mLのテトラヒドロフランを50mL反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。60℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。50℃に冷却した後、5.3mgの結晶形CSV種晶を加えた。約5分間熟成させた後、その懸濁液を25℃に冷却したところ、結晶性固体が得られた。その固体を試験したところ、結晶形CSVであることが確認された。
0.51gのタファミジス遊離酸、0.94gのフマル酸及び15mLのテトラヒドロフランを50mL反応容器に加え、その系を機械的に撹拌した。60℃に加熱すると、透明の溶液が得られた。50℃に冷却した後、5.3mgの結晶形CSV種晶を加えた。約5分間熟成させた後、その懸濁液を25℃に冷却したところ、結晶性固体が得られた。その固体を試験したところ、結晶形CSVであることが確認された。
[実施例6 結晶形CSVの動力学的溶解度]
薬物のインビボ性能を予測するために溶解性試験を使用する場合、インビトロ試験がインビボの条件を可能な限り厳密に模倣することが極めて重要となる。人工胃液(SGF)、飽食時人工腸液(FeSSIF)及び絶食時人工腸液(FaSSIF)を用いてインビボの条件を模倣し、経口投与された薬物に対する食物の影響を予測する。これらの媒体における溶解度は、インビボの溶解度に近い。
薬物のインビボ性能を予測するために溶解性試験を使用する場合、インビトロ試験がインビボの条件を可能な限り厳密に模倣することが極めて重要となる。人工胃液(SGF)、飽食時人工腸液(FeSSIF)及び絶食時人工腸液(FaSSIF)を用いてインビボの条件を模倣し、経口投与された薬物に対する食物の影響を予測する。これらの媒体における溶解度は、インビボの溶解度に近い。
20mgの結晶形CSV及び20mgのWO2016038500の結晶形1を3.0mLのSGF、3.0mLのFaSSIF及び3.0mLのFeSSIFに懸濁して、飽和溶液を得た。1時間平衡化させた後、飽和溶液における化合物Iの濃度(μg/mL)をUPLCによって測定した。結果を表7に示す。
結果は、SGF、FeSSIF及びFaSSIFにおける結晶形CSVの溶解度が従来技術の結晶形1の溶解度よりも高いことを示している。特に、FeSSIFにおいて、結晶形CSVの溶解度は、WO2016038500の結晶形1の溶解度の10倍である。
[実施例7 結晶形CSVの安定性]
およそ5mgの結晶形CSVの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び化学的不純物をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表8に示し、XRPDのオーバーレイを図7に示す。
およそ5mgの結晶形CSVの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び化学的不純物をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表8に示し、XRPDのオーバーレイを図7に示す。
結果は、結晶形CSVが25℃/60%RH及び40℃/75%RHにおいて少なくとも6ヶ月間安定であることを示している。これは、結晶形CSVが長期間と加速条件の両方において良好な安定性を有することを示している。結晶形CSVは、60℃/75%RHにおいて少なくとも2ヶ月間安定である。これは、結晶形CSVがストレス条件下において良好な安定性を有することを示している。
[実施例8 結晶形CSVの粉砕安定性]
一定量の結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を乳鉢において5分間、手作業で粉砕した。粉砕前及び粉砕後のXRPDパターンを収集し、図8及び図9に示す。
一定量の結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を乳鉢において5分間、手作業で粉砕した。粉砕前及び粉砕後のXRPDパターンを収集し、図8及び図9に示す。
結果は、結晶形CSVの結晶化度は粉砕後も実質的に変化せずに維持されているが、WO2016038500の結晶形1の結晶化度は低下することを示している。結晶形CSVは、WO2016038500の結晶形1よりも良好な機械的安定性を有する。
[実施例9 結晶形CSVの圧縮性]
ENERPAC手動打錠機を打錠に使用した。80mgの結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、φ6mmの丸形治具の金型に加え、手動にて10KNで圧縮し、次いで、弾性が完全に回復するまで、室温で24時間保存した。直径(D)及び厚さ(L)をノギスで調べた。硬度(H)をインテリジェント錠剤硬度計で調べた。粉末の引張強度を、以下の式:T=2H/πDL*9.8を用いて計算した。一定の力の下では、引張強度が大きいほど、圧縮性は良好である。結果を表9に示す。
ENERPAC手動打錠機を打錠に使用した。80mgの結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、φ6mmの丸形治具の金型に加え、手動にて10KNで圧縮し、次いで、弾性が完全に回復するまで、室温で24時間保存した。直径(D)及び厚さ(L)をノギスで調べた。硬度(H)をインテリジェント錠剤硬度計で調べた。粉末の引張強度を、以下の式:T=2H/πDL*9.8を用いて計算した。一定の力の下では、引張強度が大きいほど、圧縮性は良好である。結果を表9に示す。
結果は、結晶形CSVがWO2016038500の結晶形1よりも良好な圧縮性を有することを示している。
[実施例10 結晶形CSVの吸湿性]
結晶形CSVの吸湿性を調べるために、約10mgの試料を用いて動的蒸気収着(DVS)を適用した。0-95%-0RHのサイクルにおいて各相対湿度における重量増加を記録した。結果を図10に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図11に示した。80%RHにおける結晶形CSVの重量増加は、0.09%である。結晶形CSVは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
結晶形CSVの吸湿性を調べるために、約10mgの試料を用いて動的蒸気収着(DVS)を適用した。0-95%-0RHのサイクルにおいて各相対湿度における重量増加を記録した。結果を図10に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図11に示した。80%RHにおける結晶形CSVの重量増加は、0.09%である。結晶形CSVは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
吸湿性の説明及び定義(2015年版の中国薬局方における通則9103薬物吸湿性試験ガイドライン、25℃+/-1℃、80%RHにおける試験。第9版欧州薬局方5.11における吸湿性の定義は中国薬局方と一致する)。
-潮解性:十分な水が吸収されて溶液を形成する。
-非常に吸湿性:質量増加が15%以上である。
-吸湿性:質量増加が15%未満かつ2%以上である。
-わずかに吸湿性:質量増加が2%未満かつ0.2%以上である。
-非吸湿性又はほとんど非吸湿性:質量増加が0.2%未満である。
-潮解性:十分な水が吸収されて溶液を形成する。
-非常に吸湿性:質量増加が15%以上である。
-吸湿性:質量増加が15%未満かつ2%以上である。
-わずかに吸湿性:質量増加が2%未満かつ0.2%以上である。
-非吸湿性又はほとんど非吸湿性:質量増加が0.2%未満である。
[実施例11 製剤における結晶形CSVの安定性]
表10における処方及び表11における調製プロセスに従って結晶形CSV製剤を調製した。製剤化プロセスの前及び後に、XRPDパターンを収集した。XRPDのオーバーレイを図12に示す。結果は、結晶形CSVが製剤化プロセスにおいて安定であることを示している。
表10における処方及び表11における調製プロセスに従って結晶形CSV製剤を調製した。製剤化プロセスの前及び後に、XRPDパターンを収集した。XRPDのオーバーレイを図12に示す。結果は、結晶形CSVが製剤化プロセスにおいて安定であることを示している。
安定性の結果を表12に示し、XRPDのオーバーレイを図13に示す。結果は、製剤における結晶形CSVが25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件において少なくとも3ヶ月間安定であることを示している。
[実施例12 結晶形CSV製剤の溶解プロファイル]
結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を、表13及び表14における処方及び調製プロセスに従ってカプセル剤にした。pH6.8 PBSにおける累積溶解を種々の時点において測定した。溶解条件を表15に示す。溶解の結果を表16及び図14に示す。
結晶形CSV及びWO2016038500の結晶形1を、表13及び表14における処方及び調製プロセスに従ってカプセル剤にした。pH6.8 PBSにおける累積溶解を種々の時点において測定した。溶解条件を表15に示す。溶解の結果を表16及び図14に示す。
結晶形CSVは、pH6.8 PBSにおいてWO2016038500の結晶形1より高い累積薬物溶出度を示す。WO2016038500の結晶形1と比べて、結晶形CSVは、バイオアベイラビリティが良好である。
[実施例13 結晶形CSVIの調製]
15.4mgのタファミジス遊離酸及び19.3mgのグルタル酸を1.5mLガラスバイアルに秤量した。1.0mLの酢酸エチルを加えた。その懸濁液を室温で約7日間撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。
15.4mgのタファミジス遊離酸及び19.3mgのグルタル酸を1.5mLガラスバイアルに秤量した。1.0mLの酢酸エチルを加えた。その懸濁液を室温で約7日間撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。
得られた固体は、XRPDによって結晶形CSVIであることが確認された。そのXRPDパターンは、実質的に図15に示されている通りであり、XRPDデータを表17に示す。
[実施例14 結晶形CSVIの調製]
454.3mgのタファミジス遊離酸及び597.7mgのグルタル酸を20mLガラスバイアルに秤量した。10.0mLの酢酸エチルを加えた。室温で約6日間撹拌した後、分離及び30℃での約2.5時間の真空乾燥によって固体を得た。その固体を室温で約2日間、10.0mLの酢酸エチル中で撹拌した。次いで、134.4mgのグルタル酸を加え、さらに4日間撹拌した。固体を分離し、25℃で一晩真空乾燥した。その固体を20.0mLのn-ヘプタンに懸濁し、室温で1日間撹拌した。分離によって得られた固体を25℃で一晩真空乾燥した。20.5mgの乾燥固体を1.5mLガラスバイアルに秤量し、1.0mLのn-ヘプタン/酢酸エチル(4:1,v/v)を加えた。その懸濁液を室温で一晩撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。得られた固体は、XRPDによって結晶形CSVIであることが確認された。そのXRPDパターンは、実質的に図16に示されている通りであり、XRPDデータを表18に示す。
454.3mgのタファミジス遊離酸及び597.7mgのグルタル酸を20mLガラスバイアルに秤量した。10.0mLの酢酸エチルを加えた。室温で約6日間撹拌した後、分離及び30℃での約2.5時間の真空乾燥によって固体を得た。その固体を室温で約2日間、10.0mLの酢酸エチル中で撹拌した。次いで、134.4mgのグルタル酸を加え、さらに4日間撹拌した。固体を分離し、25℃で一晩真空乾燥した。その固体を20.0mLのn-ヘプタンに懸濁し、室温で1日間撹拌した。分離によって得られた固体を25℃で一晩真空乾燥した。20.5mgの乾燥固体を1.5mLガラスバイアルに秤量し、1.0mLのn-ヘプタン/酢酸エチル(4:1,v/v)を加えた。その懸濁液を室温で一晩撹拌した。分離によって結晶性固体を得た。得られた固体は、XRPDによって結晶形CSVIであることが確認された。そのXRPDパターンは、実質的に図16に示されている通りであり、XRPDデータを表18に示す。
結晶形CSVIのTGA曲線は、実質的に図17に示されている通りであり、図17は、200℃に加熱したときの約17.5%の重量減少を示しており、これは、グルタル酸の喪失に対応する。
結晶形CSVIのDSC曲線は、実質的に図18に示されている通りであり、図18は、およそ166.6℃(オンセット温度)に1つの吸熱ピークを示している。
結晶形CSVIの1H NMRスペクトルは、実質的に19に示されている通りであり、これは、化合物Iと適合している。δ=2.23及び1.69における化学シフトは、グルタル酸の特徴的なピークである。この1H NMRスペクトルは、結晶形CSVIにおいて、タファミジスとグルタル酸とのモル比が1:0.5に等しいことを示している。対応するデータは、以下である:1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.29(d,J=0.9Hz,1H),8.18(d,J=1.9Hz,2H),8.05(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),7.97(t,J=1.9Hz,1H),7.94(d,J=8.3Hz,1H),2.23(t,J=7.4Hz,2H),1.69(p,J=7.4Hz,1H).
[実施例15 結晶形CSVIの動力学的溶解度]
薬物のインビボ性能を予測するために溶解度試験を用いるとき、インビトロ試験がインビボの条件を可能な限り厳密に模倣することが極めて重要となる。
薬物のインビボ性能を予測するために溶解度試験を用いるとき、インビトロ試験がインビボの条件を可能な限り厳密に模倣することが極めて重要となる。
20mgの結晶形CSVI及び20mgのWO2016038500の結晶形1を3.0mLのSGFに懸濁して、飽和溶液を得た。1時間平衡化させた後、飽和溶液における化合物Iの濃度(μg/mL)をUPLCによって測定した。結果を表19に示す。
結果は、SGFにおける結晶形CSVIの溶解度がWO2016038500の結晶形1の溶解度よりも高いことを示している。
[実施例16 結晶形CSVIの安定性]
約5mgの結晶形CSVIの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び純度をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表20に示し、XRPDのオーバーレイを図20に示す。
約5mgの結晶形CSVIの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び純度をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表20に示し、XRPDのオーバーレイを図20に示す。
結果は、結晶形CSVIが25℃/60%RH及び40℃/75%RHにおいて少なくとも6ヶ月間安定であることを示している。これは、結晶形CSVIが長期間と加速条件の両方において良好な安定性を有することを示している。結晶形CSVIは、60℃/75%RHにおいて少なくとも2ヶ月間安定である。これは、CSVIがストレス条件下において良好な安定性を有することを示している。
[実施例17 結晶形CSVIの吸湿性]
約10mgの試料を用いて結晶形CSVIの吸湿性を調べるために、動的蒸気収着(DVS)を適用した。各相対湿度における重量増加を0-95%-0RHのサイクルにおいて記録した。結果を図21に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図22に示す。80%RHにおける結晶形CSVIの重量増加は、0.21%である。結晶形CSVIは、わずかに吸湿性である。
約10mgの試料を用いて結晶形CSVIの吸湿性を調べるために、動的蒸気収着(DVS)を適用した。各相対湿度における重量増加を0-95%-0RHのサイクルにおいて記録した。結果を図21に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図22に示す。80%RHにおける結晶形CSVIの重量増加は、0.21%である。結晶形CSVIは、わずかに吸湿性である。
[実施例18 結晶形CSVI製剤の溶解プロファイル]
結晶形CSVI及びWO2016038500の結晶形1を、表21における処方及び調製プロセスに従って錠剤にした。pH6.8 PBS+1%Tween80及びpH 6.8PBS+3%Tween80における累積溶解を種々の時点において測定した。溶解条件を表22及び表23に示す。溶解の結果を表24(図23)及び表25(図24)に示す。
結晶形CSVI及びWO2016038500の結晶形1を、表21における処方及び調製プロセスに従って錠剤にした。pH6.8 PBS+1%Tween80及びpH 6.8PBS+3%Tween80における累積溶解を種々の時点において測定した。溶解条件を表22及び表23に示す。溶解の結果を表24(図23)及び表25(図24)に示す。
結晶形CSVIは、pH6.8 PBS+1%Tween80及びpH6.8 PBS+3%Tween80における累積薬物溶出度がWO2016038500の結晶形1の累積薬物溶出度より高い。WO2016038500の結晶形1と比べて、結晶形CSVIは、バイオアベイラビリティが良好である。
[実施例19 結晶形CSVIIの調製]
308.9mgのタファミジス遊離酸及び145.9mgのアジピン酸を20mLガラスバイアルに秤量した。15mLの酢酸エチルを加えた。50℃で約5日間撹拌した後、さらに72.9mgのアジピン酸を加えた。50℃で約2日間撹拌した後、さらに29.1mgのアジピン酸を加えた。50℃で約6日間撹拌した後、その懸濁液を吸引濾過した。固体を25℃で約4.5時間、強制空気対流によって乾燥させた。その乾燥固体を室温で一晩、10mLのアセトン/n-ヘプタン(1:4,v/v)中で撹拌した。その懸濁液を吸引濾過し、得られた固体を30℃で一晩真空乾燥した。結晶性固体が得られた。
308.9mgのタファミジス遊離酸及び145.9mgのアジピン酸を20mLガラスバイアルに秤量した。15mLの酢酸エチルを加えた。50℃で約5日間撹拌した後、さらに72.9mgのアジピン酸を加えた。50℃で約2日間撹拌した後、さらに29.1mgのアジピン酸を加えた。50℃で約6日間撹拌した後、その懸濁液を吸引濾過した。固体を25℃で約4.5時間、強制空気対流によって乾燥させた。その乾燥固体を室温で一晩、10mLのアセトン/n-ヘプタン(1:4,v/v)中で撹拌した。その懸濁液を吸引濾過し、得られた固体を30℃で一晩真空乾燥した。結晶性固体が得られた。
得られた固体は、XRPDによって結晶形CSVIIであることが確認された。そのXRPDパターンは、実質的に図25に示されている通りであり、XRPDデータを表26に示す。
結晶形CSVIIのTGA曲線は、実質的に図26に示されている通りであり、図26は、200℃に加熱したときの約19.0%の重量減少を示しており、これは、アジピン酸の喪失に対応する。
結晶形CSVIIのDSC曲線は、実質的に図27に示されている通りであり、図27は、およそ166.7℃(オンセット温度)に1つの吸熱ピークを示している。
結晶形CSVIIの1H NMRスペクトルは、実質的に図28に示されている通りであり、これは、化合物Iと適合している。δ=2.21及び1.55~1.44における化学シフトは、アジピン酸の特徴的なピークである。この1H NMRスペクトルは、結晶形CSVIIにおいて、タファミジスとアジピン酸とのモル比が1:0.5に等しいことを示している。対応するデータは、以下である:1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.30(d,J=0.8Hz,1H),8.19(d,J=1.9Hz,2H),8.05(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),7.98(t,J=1.9Hz,1H),7.95(d,J=8.4Hz,1H),2.21(t,J=6.5Hz,2H),1.55-1.44(m,2H).
[実施例20 結晶形CSVIIの動力学的溶解度]
20mgの結晶形CSVII及び20mgのWO2016038500の結晶形1を3.0mLのSGF、3.0mLのFaSSIF及び3.0mLのFeSSIFに懸濁して、飽和溶液を得た。1時間平衡化させた後、飽和溶液における化合物Iの濃度(μg/mL)をUPLCによって測定した。結果を表27に示す。
20mgの結晶形CSVII及び20mgのWO2016038500の結晶形1を3.0mLのSGF、3.0mLのFaSSIF及び3.0mLのFeSSIFに懸濁して、飽和溶液を得た。1時間平衡化させた後、飽和溶液における化合物Iの濃度(μg/mL)をUPLCによって測定した。結果を表27に示す。
結果は、SGF、FaSSIF及びFeSSIFにおける結晶形CSVIIの溶解度が従来技術のWO2016038500の結晶形1の溶解度よりも高いことを示している。特に、SGFにおいて、結晶形CSVIIの溶解度は、WO2016038500の結晶形1の溶解度の12倍である。
[実施例21 結晶形CSVIIの安定性]
約5mgの結晶形CSVIIの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び純度をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表28に示し、XRPDのオーバーレイを図29に示す。
約5mgの結晶形CSVIIの固体試料を25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃/75%RHという異なる条件下で保存した。結晶形及び純度をそれぞれXRPD及びHPLCで調べた。結果を表28に示し、XRPDのオーバーレイを図29に示す。
結果は、結晶形CSVIIが25℃/60%RH及び40℃/75%RHにおいて少なくとも3ヶ月間安定であることを示している。これは、結晶形CSVIIが長期間と加速条件の両方において良好な安定性を有することを示している。結晶形CSVIIは、60℃/75%RHにおいて少なくとも2ヶ月間安定である。これは、結晶形CSVIIがストレス条件下において良好な安定性を有することを示している。
[実施例22 結晶形CSVIIの圧縮性]
ENERPAC手動タブレットプレス機を錠剤化に使用した。80mgの結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、φ6mmの丸形治具の型に加え、手動にて10KNで圧縮し、次いで、弾性が完全に回復するまで、室温で24時間保存した。直径(D)及び厚さ(L)をノギスで調べた。硬度(H)をインテリジェント錠剤硬度計で調べた。粉末の引張強度を、以下の式:T=2H/πDL*9.8を用いて計算した。一定の力の下では、引張強度が大きいほど、圧縮性は良好である。結果を表29に示す。
ENERPAC手動タブレットプレス機を錠剤化に使用した。80mgの結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、φ6mmの丸形治具の型に加え、手動にて10KNで圧縮し、次いで、弾性が完全に回復するまで、室温で24時間保存した。直径(D)及び厚さ(L)をノギスで調べた。硬度(H)をインテリジェント錠剤硬度計で調べた。粉末の引張強度を、以下の式:T=2H/πDL*9.8を用いて計算した。一定の力の下では、引張強度が大きいほど、圧縮性は良好である。結果を表29に示す。
結果は、結晶形CSVIIがWO2016038500の結晶形1よりも良好な圧縮性を有することを示している。
[実施例23 結晶形CSVIIの吸湿性]
約10mgの試料を用いて結晶形CSVIIの吸湿性を調べるために、動的蒸気収着(DVS)を適用した。各相対湿度における重量増加を0-95%-0RHのサイクルにおいて記録した。結果を図30に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図31に示す。80%RHにおける結晶形CSVIIの重量増加は、0.04%である。結晶形CSVIIは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
約10mgの試料を用いて結晶形CSVIIの吸湿性を調べるために、動的蒸気収着(DVS)を適用した。各相対湿度における重量増加を0-95%-0RHのサイクルにおいて記録した。結果を図30に示す。DVS試験の前及び後にXRPDパターンを収集し、図31に示す。80%RHにおける結晶形CSVIIの重量増加は、0.04%である。結晶形CSVIIは、非吸湿性であるか、又はほぼ非吸湿性である。
[実施例24 結晶形CSVIIの付着性]
30mgの結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、次いで、φ8mmの丸形治具の型に加え、10KNで圧縮し、30秒間保持した。そのパンチを計量し、そのパンチに貼り付いた材料の量を計算した。圧縮を2回繰り返し、圧縮中にパンチに貼り付いた材料の累積量、最大量及び平均量を記録した。詳細な実験結果を表30に示す。
30mgの結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を秤量し、次いで、φ8mmの丸形治具の型に加え、10KNで圧縮し、30秒間保持した。そのパンチを計量し、そのパンチに貼り付いた材料の量を計算した。圧縮を2回繰り返し、圧縮中にパンチに貼り付いた材料の累積量、最大量及び平均量を記録した。詳細な実験結果を表30に示す。
試験結果は、結晶形CSVIIの付着性が従来技術の形態の付着性より優れていることを示している。
[実施例25 結晶形CSVII製剤の溶解プロファイル]
結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を、表31おける処方及び調製方法に従って錠剤にした。pH6.8 PBS+1%Tween80における累積溶解を種々の時点において測定した。溶解の条件を表32に示す。溶解の結果を表33及び図32に示す。
結晶形CSVII及びWO2016038500の結晶形1を、表31おける処方及び調製方法に従って錠剤にした。pH6.8 PBS+1%Tween80における累積溶解を種々の時点において測定した。溶解の条件を表32に示す。溶解の結果を表33及び図32に示す。
結晶形CSVIIは、pH6.8 PBS+1%Tween80における累積薬物放出がWO2016038500の結晶形1の累積薬物放出より高い。WO2016038500の結晶形1と比べて、結晶形CSVIIは、バイオアベイラビリティが良好である。
[比較実施例1 製剤におけるWO2019175263の化合物Iの結晶形の安定性]
WO2019175263の化合物Iの結晶形を、表34及び表35における処方及び調製プロセスに従って製剤にした。製剤化プロセスの前及び後にXRPDパターンを収集した。結果は、WO2019175263における化合物Iの結晶形が製剤化プロセスにおいて不安定であることを示す。室温で撹拌している間に、形態変化が生じた。
WO2019175263の化合物Iの結晶形を、表34及び表35における処方及び調製プロセスに従って製剤にした。製剤化プロセスの前及び後にXRPDパターンを収集した。結果は、WO2019175263における化合物Iの結晶形が製剤化プロセスにおいて不安定であることを示す。室温で撹拌している間に、形態変化が生じた。
上に記載した実施例は、単に本開示の技術的概念及び特徴を例証するためのものであって、当業者が本開示を理解し、それによって実施できるようにすることを意図しており、本開示の保護範囲を限定すると結論づけるべきでない。本開示の趣旨に従ういずれの等価なバリエーション又は修正も、本開示の保護範囲に含まれるはずである。
Claims (19)
- タファミジスとフマル酸との共結晶である、タファミジスの結晶形CSV。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.4°±0.2°、22.8°±0.2°及び20.8°±0.2°において特徴的なピークを含む、請求項1に記載の結晶形CSV。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が18.0°±0.2°、16.5°±0.2°及び9.6°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを含む、請求項1に記載の結晶形CSV。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が15.6°±0.2°、19.2°±0.2°及び23.9°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを含む、請求項1に記載の結晶形CSV。
- 無水物(anhydrate)である、請求項1に記載の結晶形CSV。
- 請求項1に記載の結晶形CSVを調製するための製造方法であって、
タファミジス及びフマル酸をケトン、エステル、エーテル、又はアルコールとエーテルとの混合物に加え、撹拌して、結晶形CSVを得ることを含む、製造方法。 - タファミジスとグルタル酸との共結晶である、タファミジスの結晶形CSVI。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が14.1°±0.2°、19.1°±0.2°及び17.2°±0.2°において特徴的なピークを含む、請求項7に記載の結晶形CSVI。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が10.0°±0.2°、22.5°±0.2°及び24.3°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを含む、請求項7に記載の結晶形CSVI。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が34.1°±0.2°、33.4°±0.2°、11.2°±0.2°及び35.5°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個又は4個において特徴的なピークを含む、請求項7に記載の結晶形CSVI。
- 請求項7に記載の結晶形CSVIを調製するための製造方法であって、
タファミジス及びグルタル酸をエステルに加え、撹拌して、結晶形CSVIを得ることを含む、製造方法。 - タファミジスとアジピン酸との共結晶である、タファミジスの結晶形CSVII。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が13.9°±0.2°、18.8°±0.2°及び25.6°±0.2°において特徴的なピークを含む、請求項12に記載の結晶形CSVII。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が24.1°±0.2°、11.3°±0.2°及び22.7°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを含む、請求項12に記載の結晶形CSVII。
- 粉末X線回折パターンが、CuKα線を使用したとき、2θ値が17.2°±0.2°、9.8°±0.2°及び17.0°±0.2°のうちの1個又は2個又は3個において特徴的なピークを含む、請求項12に記載の結晶形CSVII。
- 請求項12に記載の結晶形CSVIIを調製するための製造方法であって、
タファミジス及びアジピン酸をエステルに加え、撹拌して、結晶形CSVIIを得ることを含む、製造方法。 - 治療有効量の請求項1に記載の結晶形CSV、請求項7に記載の結晶形CSVI又は請求項12に記載の結晶形CSVII、及び薬学的に許容され得る担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
- トランスサイレチン媒介性アミロイドーシスによって引き起こされる疾患を処置する薬物を調製するという用途のための、請求項1に記載の結晶形CSV、請求項7に記載の結晶形CSVI又は請求項12に記載の結晶形CSVII。
- トランスサイレチン家族性アミロイド多発ニューロパチー及び/又はトランスサイレチンアミロイド心筋症を処置する薬物を調製するという用途のための、請求項1に記載の結晶形CSV、請求項7に記載の結晶形CSVI又は請求項12に記載の結晶形CSVII。
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