本明細書に記載されるシステム、方法、及びデバイスは、革新的な態様を有し、そのどれもがその望ましい特性に不可欠なものというわけではなく、単独でその望ましい特性の要因となるわけでもない。ここで、特許請求の範囲の範囲を限定することなく、有利な特徴のいくつかについて概要を示す。
本開示の一態様は、プラスチック材料を含む一体型本体部分を含む呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。本体部分は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する上ストラップを含む。本体部分はまた、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する下ストラップを含む。本体部分は、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間の接合部を含む。接合部は、ベース部と、ベース部と上ストラップ及び下ストラップのうちの1つとの間の移行領域とを含む。ベース部は幅を画定する。移行領域の幅は、接合部のベース部の幅及び移行領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅よりも小さい。
いくつかの構成では、移行領域の幅は、移行領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約2分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、移行領域の幅は、移行領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約3分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、移行領域は、接合部のベース部の幅及び/又は移行領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅よりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、移行領域の長さは、移行領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約3分の2又は2分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、移行領域はスロットによって画定され、スロットは、接合部のベース部の幅及び/又はスロットに隣接する各々の上ストラップ若しくは下ストラップの幅よりも小さい最大幅を有する。
いくつかの構成では、接合部は、接合部及び上ストラップと下ストラップとの間を通過する軸線を中心に対称である。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップのそれぞれは、第1の厚みを有する主ストラップ部と、第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する少なくとも1つのフランジ部とを含み、主ストラップ部は、ストラップの長さの全体に沿って延び、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの大部分に沿って延びる。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの一部分のみに沿って延びる。
いくつかの構成では、主ストラップ部又は主ストラップ部とフランジは、ストラップの長さに沿った任意の場所にてストラップの幅の全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部は、ストラップの上縁部及び下縁部のうちの1つの全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部は、ストラップの中央部の全幅を画定する。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの中央部の両側部に位置する第1のフランジ部と第2のフランジ部とを含む。
いくつかの構成では、使用中、第1のフランジ部及び第2のフランジ部のそれぞれは、使用者の頭部の各側部の実質的に全体に沿って延びる。
いくつかの構成では、上ストラップの長さは第1の長さであり、下ストラップの長さは第2の長さであり、第2の長さは第1の長さよりも大きい。
いくつかの構成では、下ストラップの幅は上ストラップの幅よりも大きい。
いくつかの構成では、上ストラップの中央部は、下ストラップの中央部の長さよりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、移行領域は第1の移行領域であり、接合部は第2の移行領域を更に含み、第1の移行領域は、ベース部と上ストラップとの間に位置し、第2の移行領域は、ベース部と下ストラップとの間に位置する。
いくつかの構成では、第2の移行領域の幅は、第1の移行領域の幅よりも大きい。
いくつかの構成では、本体部分は、布帛内層と、布帛外層と、内部プラスチック層であって、内部プラスチック層を、布帛内層と布帛外層との間の空間に溶融状態で導入し、硬化させることにより一体構造体として永久的に接合された内部プラスチック層とを含む。
いくつかの構成では、布帛内層及び布帛外層は編まれている。
いくつかの構成では、布帛内層と布帛外層とは接合されて、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿って縁部布帛層を形成する。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿った縁部布帛層の厚みは、布帛内層及び布帛外層の厚みよりも大きい。
いくつかの構成では、後部分は、内部プラスチック層を内包するように構成されている少なくとも1つの布帛層を更に含む。少なくとも1つの布帛層は少なくとも1つの幅を含み得る。少なくとも1つの幅は、移行領域に隣接して配置された移行領域幅を含み得る。
いくつかの構成では、少なくとも1つの布帛層は、少なくとも1つの上ストラップ布帛層と少なくとも1つの下ストラップ布帛層とを含み得る。
いくつかの構成では、少なくとも1つの幅は、少なくとも1つの上ストラップ布帛層の上ストラップ幅と、少なくとも1つの下ストラップ布帛層の下ストラップ幅とを含み得る。
いくつかの構成では、少なくとも1つの布帛層は、上ストラップに沿った上ストラップ幅と、下ストラップに沿った下ストラップ幅とを含み得る。
いくつかの構成では、移行領域幅は、上ストラップ幅と同じ又は同様であり得る。
いくつかの構成では、移行領域幅は、下ストラップ幅と同じ又は同様であり得る。
いくつかの構成では、下ストラップ幅は、上ストラップ幅よりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、少なくとも1つの布帛層の移行領域幅は、接合部の移行領域の幅よりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、少なくとも1つの布帛層は、移行領域に隣接する少なくとも1つの布帛フラップを含み得る。少なくとも1つの布帛フラップの幅は、移行領域の幅が最小の場所において最大であり得る。
いくつかの構成では、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間の接合部は第1の接合部であり、上ストラップの第2の端部と下ストラップの第2の端部との間に第2の接合部を更に含み、第2の接合部は、ベース部と上ストラップ及び下ストラップの1つ又は両方との間の移行領域を含む。
本開示の一態様は、上記の後部分のいずれかとサイドストラップの対とを含む呼吸マスクヘッドギアを含む。サイドストラップのそれぞれは、第1の接合部及び第2の接合部の各々1つから延びる。サイドストラップのそれぞれは、後部分の本体部分のプラスチック材料に結合された長尺状プラスチック部材を含む。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれの長尺状プラスチック部材は、重ね成形された接続部によって、本体部分のプラスチック材料に結合されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、長尺状プラスチック部材の端部にハブを含み、ハブは、後部分の本体部分を形成する溶融プラスチック材料を受け入れるように構成されたポートを含む。
いくつかの構成では、ハブは、ポートに接続された流路を更に含み、流路は、溶融プラスチック材料がハブを出て、内側布帛層と外側布帛層との間の空間に流れ込むことを可能にするように構成されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、後部分の布帛内層及び布帛外層に接続された布帛内層及び布帛外層を更に含む。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は相対的に弾性であり、後部分の布帛内層及び布帛外層は相対的に非弾性である。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は、後部分の布帛内層及び布帛外層と共に単一の編まれた構造体として形成されている。
本開示の一態様は、上述のヘッドギアのいずれか1つと、呼吸マスクと、呼吸マスクに結合されている第1の方向ロック及び第2の方向ロックとを含む呼吸マスクアセンブリを含む。サイドストラップそれぞれの長尺状プラスチック部材はフィラメント部を含み、サイドストラップそれぞれのフィラメント部は、第1の方向ロック及び第2の方向ロックの各々1つを通過し、第1の方向ロック及び第2の方向ロックのそれぞれは、サイドストラップを延長する傾向にある第1の方向におけるフィラメント部の動きに対する第1の抵抗力及びサイドストラップを短縮する傾向にある第2の方向におけるフィラメント部の動きに対する第2の抵抗力を提供するように構成されており、第1の抵抗力は第2の抵抗力よりも大きい。
いくつかの構成では、第1の抵抗力は、呼吸マスクによって発生する吹き飛ばし力(blow-off force)に応じた第1の方向におけるフィラメント部の動きを防ぐように構成されている。
いくつかの構成では、第2の抵抗力は、弾性力によりフィラメント部を第2の方向に移動させてサイドストラップを短縮することができるように、サイドストラップの内側布帛層及び外側布帛層の弾性力よりも小さい。
いくつかの構成では、呼吸マスクはネーザルマスクである。
本開示の一態様は、プラスチック材料を含む一体型本体部分を含む呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。本体部分は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する上ストラップを含む。本体部分はまた、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する下ストラップを含む。本体部分は、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間の接合部であって、ベース部と、ベース部と上ストラップ及び下ストラップのうちの1つとの間のリビングヒンジとを含む、接合部を含む。
いくつかの構成では、リビングヒンジは、接合部のベース部の幅及び/又はリビングヒンジが接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅よりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、リビングヒンジの長さは、リビングヒンジが接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約3分の2又は2分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、リビングヒンジはスロットによって画定される。
いくつかの構成では、接合部は、接合部及び上ストラップと下ストラップとの間を通過する軸線を中心に対称である。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップのそれぞれは、第1の厚みを有する主ストラップ部と、第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する少なくとも1つのフランジ部とを含み、主ストラップ部は、第1の接合部から第2の接合部までストラップの長さの全体に沿って延び、少なくとも1つのフランジ部はストラップの長さの大部分に沿って延びる。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの一部分のみに沿って延びる。
いくつかの構成では、主ストラップ部又は主ストラップ部とフランジは、ストラップの長さに沿った任意の場所にてストラップの幅の全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部は、ストラップの上縁部及び下縁部のうちの1つの全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部はストラップの中央部の全幅を画定する。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの中央部の両側部に位置する第1のフランジ部と第2のフランジ部とを含む。
いくつかの構成では、使用中、第1のフランジ部及び第2のフランジ部のそれぞれは、使用者の頭部の各側部の実質的に全体に沿って延びる。
いくつかの構成では、上ストラップの長さは第1の長さであり、下ストラップの長さは第2の長さであり、第2の長さは第1の長さよりも大きい。
いくつかの構成では、下ストラップの幅は上ストラップの幅よりも大きい。
いくつかの構成では、上ストラップの中央部は下ストラップの中央部の長さよりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、リビングヒンジは第1のリビングヒンジであり、接合部は第2のリビングヒンジを更に含み、第1のリビングヒンジは、ベース部と上ストラップとの間に位置し、第2のリビングヒンジは、ベース部と下ストラップとの間に位置する。
いくつかの構成では、本体部分は、布帛内層と、布帛外層と、内部プラスチック層であって、内部プラスチック層を、布帛内層と布帛外層との間の空間に溶融状態で導入し、硬化させることにより一体構造体として永久的に接合された内部プラスチック層とを含む。
いくつかの構成では、布帛内層及び布帛外層は編まれている。
いくつかの構成では、布帛内層と布帛外層とは接合されて、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿って縁部布帛層を形成する。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿った縁部布帛層の厚みは、布帛内層及び布帛外層の厚みよりも大きい。
いくつかの構成では、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間の接合部は第1の接合部であり、上ストラップの第2の端部と下ストラップの第2の端部との間に第2の接合部を更に含み、第2の接合部は、ベース部と上ストラップ及び下ストラップの1つ又は両方との間のリビングヒンジとを含む。
本開示の一態様は、上述の後部分のいずれか1つとサイドストラップの対とを含む呼吸マスクヘッドギアを含む。サイドストラップのそれぞれは、第1の接合部及び第2の接合部の各々1つから延びる。サイドストラップのそれぞれは、後部分の本体部分のプラスチック材料に結合された長尺状プラスチック部材を含む。
いくつかの構成では、サイドストラップそれぞれの長尺状プラスチック部材は、重ね成形された接続部によって、本体部分のプラスチック材料に結合されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、長尺状プラスチック部材の端部にハブを含み、ハブは、後部分の本体部分を形成する溶融プラスチック材料を受け入れるように構成されたポートを含む。
いくつかの構成では、ハブは、ポートに接続された流路を更に含み、流路は、溶融プラスチック材料がハブを出て、内側布帛層と外側布帛層との間の空間に流れ込むことを可能にするように構成されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、後部分の布帛内層及び布帛外層に接続された布帛内層及び布帛外層を更に含む。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は相対的に弾性であり、後部分の布帛内層及び布帛外層は相対的に非弾性である。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は、後部分の布帛内層及び布帛外層と共に単一の編まれた構造体として形成されている。
本開示の一態様は、上述のヘッドギアのいずれかと、呼吸マスクと、呼吸マスクに結合されている第1の方向ロック及び第2の方向ロックとを含む呼吸マスクアセンブリを含む。サイドストラップそれぞれの長尺状プラスチック部材はフィラメント部を含み、サイドストラップそれぞれのフィラメント部は、第1の方向ロック及び第2の方向ロックの各々1つを通過し、第1の方向ロック及び第2の方向ロックのそれぞれは、サイドストラップを延長する傾向にある第1の方向におけるフィラメント部の動きに対する第1の抵抗力及びサイドストラップを短縮する傾向にある第2の方向におけるフィラメント部の動きに対する第2の抵抗力を提供するように構成されており、第1の抵抗力は第2の抵抗力よりも大きい。
いくつかの構成では、第1の抵抗力は、呼吸マスクによって発生する吹き飛ばし力に応じた第1の方向におけるフィラメント部の動きを防ぐように構成されている。
いくつかの構成では、第2の抵抗力は、弾性力によりフィラメント部を第2の方向に移動させてサイドストラップを短縮することができるように、サイドストラップの内側布帛層及び外側布帛層の弾性力よりも小さい。
いくつかの構成では、呼吸マスクはネーザルマスクである。
本開示の一態様は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の第1の長さとを有する上ストラップを含む呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。後部分はまた、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の第2の長さとを有する下ストラップを含む。上ストラップの第1の端部は下ストラップの第1の端部に接続されており、上ストラップの第2の端部は下ストラップの第2の端部に接続されている。第2の長さは第1の長さよりも大きい。
本開示の一態様は、プラスチック材料を含む一体型本体部分を含む呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。本体部分は、下縁部と、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する上ストラップを含む。本体部分はまた、上縁部と、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する下ストラップを含む。上ストラップの下縁部と下ストラップの上縁部との間に離隔距離が画定される。接合部が、上ストラップの端部と下ストラップの端部との間に位置する。接合部は、ベース部と、ベース部と上ストラップ及び下ストラップのうちの1つとの間のフレックス領域とを含む。フレックス領域は、フレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップを接合部のベース部に対して枢動させ、離隔距離を増加させるように構成されている。
いくつかの構成では、接合部は、上ストラップと下ストラップとの間に少なくとも約90度の角度が形成されるまで、離隔距離を増加させるように構成されている。
いくつかの構成では、接合部は、上ストラップと下ストラップとの間に少なくとも約135度の角度が形成されるまで、離隔距離を増加させるように構成されている。
いくつかの構成では、フレックス領域の幅は、フレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約2分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、フレックス領域の幅は、フレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約3分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、フレックス領域は、接合部のベース部の幅及び/又はフレックス領域が接合された各々の上ストラップ若しくは下ストラップの幅よりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、フレックス領域の長さは、フレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅の約3分の2又は2分の1よりも小さい。
いくつかの構成では、フレックス領域は、接合部のベース部の幅及び/又はスロットに隣接する各々の上ストラップ若しくは下ストラップの幅よりも小さい最大幅を有するスロットによって画定される。
いくつかの構成では、接合部は、接合部及び上ストラップと下ストラップとの間を通過する軸線を中心に対称である。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップのそれぞれは、第1の厚みを有する主ストラップ部と、第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する少なくとも1つのフランジ部とを含み、主ストラップ部は、ストラップの長さの全体に沿って延び、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの大部分に沿って延びる。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの一部分のみに沿って延びる。
いくつかの構成では、主ストラップ部又は主ストラップ部とフランジは、ストラップの長さに沿った任意の場所にてストラップの幅の全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部は、ストラップの上縁部及び下縁部のうちの1つの全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部はストラップの中央部の全幅を画定する。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの中央部の両側部に位置する第1のフランジ部と第2のフランジ部とを含む。
いくつかの構成では、使用中、第1のフランジ部及び第2のフランジ部のそれぞれは、使用者の頭部の各側部の実質的に全体に沿って延びる。
いくつかの構成では、上ストラップの長さは第1の長さであり、下ストラップの長さは第2の長さであり、第2の長さは第1の長さよりも大きい。
いくつかの構成では、下ストラップの幅は上ストラップの幅よりも大きい。
いくつかの構成では、上ストラップの中央部は、下ストラップの中央部の長さよりも小さい長さを画定する。
いくつかの構成では、フレックス領域は第1のフレックス領域であり、接合部は、第2のフレックス領域を更に含み、第1のフレックス領域は、ベース部と上ストラップとの間に位置し、第2のフレックス領域は、ベース部と下ストラップとの間に位置する。
いくつかの構成では、本体部分は、布帛内層と、布帛外層と、内部プラスチック層であって、内部プラスチック層を、布帛内層と布帛外層との間の空間に溶融状態で導入し、硬化させることにより一体構造体として永久的に接合された内部プラスチック層とを含む。
いくつかの構成では、布帛内層及び布帛外層は編まれている。
いくつかの構成では、布帛内層と布帛外層とは接合されて、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿って縁部布帛層を形成する。
いくつかの構成では、上ストラップ及び下ストラップの上縁部及び下縁部に沿った縁部布帛層の厚みは、布帛内層及び布帛外層の厚みよりも大きい。
いくつかの構成では、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間の接合部は第1の接合部であり、後部分は、上ストラップの第2の端部と下ストラップの第2の端部との間に第2の接合部を更に含む。第2の接合部は、ベース部と上ストラップ及び下ストラップの1つ又は両方との間のフレックス領域を含む。
本開示の一態様は、上述の後部分のいずれかとサイドストラップの対とを含み、サイドストラップのそれぞれは、第1の接合部及び第2の接合部の各々1つから延び、サイドストラップのそれぞれは、後部分の本体部分のプラスチック材料に結合された長尺状プラスチック部材を含む呼吸マスクヘッドギアを含む。
いくつかの構成では、サイドストラップそれぞれの長尺状プラスチック部材は、重ね成形された接続部によって、本体部分のプラスチック材料に結合されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、長尺状プラスチック部材の端部にハブを含み、ハブは、後部分の本体部分を形成する溶融プラスチック材料を受け入れるように構成されたポートを含む。
いくつかの構成では、ハブは、ポートに接続された流路を更に含み、流路は、溶融プラスチック材料がハブを出て、内側布帛層と、外側布帛層との間の空間に流れ込むことを可能にするように構成されている。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、後部分の布帛内層及び布帛外層に接続された布帛内層及び布帛外層を更に含む。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は相対的に弾性であり、後部分の布帛内層及び布帛外層は相対的に非弾性である。
いくつかの構成では、サイドストラップの布帛内層及び布帛外層は、後部分の布帛内層及び布帛外層と共に単一の編まれた構造体として形成されている。
本開示の一態様は、上述のヘッドギアのいずれかと、呼吸マスクと、呼吸マスクに結合されている第1の方向ロック及び第2の方向ロックとを有する呼吸マスクアセンブリを含む。サイドストラップそれぞれの長尺状プラスチック部材はフィラメント部を含む。サイドストラップそれぞれのフィラメント部は、第1の方向ロック及び第2の方向ロックの各々1つを通過する。第1の方向ロック及び第2の方向ロックのそれぞれは、サイドストラップを延長する傾向にある第1の方向におけるフィラメント部の動きに対する第1の抵抗力及びサイドストラップを短縮する傾向にある第2の方向におけるフィラメント部の動きに対する第2の抵抗力を提供するように構成されている。第1の抵抗力は第2の抵抗力よりも大きい。
いくつかの構成では、第1の抵抗力は、呼吸マスクによって発生する吹き飛ばし力に応じた第1の方向におけるフィラメント部の動きを防ぐように構成されている。
いくつかの構成では、第2の抵抗力は、弾性力によりフィラメント部を第2の方向に移動させてサイドストラップを短縮することができるように、サイドストラップの内側布帛層及び外側布帛層の弾性力よりも小さい。
いくつかの構成では、呼吸マスクはネーザルマスクである。
本開示の一態様は、プラスチック材料を含む一体型本体部分を含む呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。本体部分は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する上ストラップを含む。本体部分はまた、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有する下ストラップを含む。本体部分は、第1の接合部及び第2の接合部を含む。第1の接合部は、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間に位置し、第2の接合部は、上ストラップの第2の端部と下ストラップの第2の端部との間に位置する。上ストラップ及び下ストラップのそれぞれは、第1の厚みを有する主ストラップ部と、第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する少なくとも1つのフランジ部とを含む。主ストラップ部は、第1の接合部から第2の接合部まで、ストラップの長さの全体に沿って延びる。少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの大部分に沿って延びる。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの長さの一部分のみに沿って延びる。
いくつかの構成では、主ストラップ部又は主ストラップ部とフランジは、ストラップの長さに沿った任意の場所にてストラップの全幅を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部は、ストラップの上縁部及び下縁部のうちの1つの全体を画定する。
いくつかの構成では、主ストラップ部はストラップの中央部の全幅を画定する。
いくつかの構成では、少なくとも1つのフランジ部は、ストラップの中央部の両側部に位置する第1のフランジ部と第2のフランジ部とを含む。
いくつかの構成では、使用中、第1のフランジ部及び第2のフランジ部のそれぞれは、使用者の頭部の各側部の実質的に全体に沿って延びる。
いくつかの構成では、上ストラップの長さは第1の長さであり、下ストラップの長さは第2の長さであり、第2の長さは第1の長さよりも大きい。
いくつかの構成では、第1の接合部及び第2の接合部のそれぞれは、ベース部と、ベース部と上ストラップ及び下ストラップの1つ又は両方との間のフレックス領域とを含み、フレックス領域は、フレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップをベース部に対して枢動させ、上ストラップの下縁部と下ストラップの上縁部との間の離隔距離を増加させるように構成されている。
いくつかの構成では、ベース部は幅を画定し、フレックス領域は、接合部のベース部の幅及びフレックス領域が接合された各々の上ストラップ又は下ストラップの幅よりも小さい幅を画定する移行領域を含む。
いくつかの構成では、フレックス領域はリビングヒンジを含む。
本開示の一態様は、長尺状プラスチック部材と支持ハウジングとをそれぞれ含み得る呼吸マスクヘッドギアのサイドストラップの対を含む。長尺状プラスチック部材は、第1の部分と、第2の部分と、ハブと、移行部とを含み得る。第1の部分は、第1の端部及び第2の端部を含み得る。第2の端部は、長尺状プラスチック部材から半径方向外向きに延びる機械的停止部を含み得る。機械的停止部は、拡張ハードストップを画定し得る。第2の幅は、第1の部分の幅よりも小さくなり得る。ハブは、第2の端部に対向する第1の端部を含み得る。ハブの第2の端部は、引込みハードストップを画定し得る当接面を含み得る。ハブの第2の端部は、第1の部分の第1の端部に隣接し得る。移行部は、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部との間に配置され得る。支持ハウジングは、長尺状プラスチック部材の少なくとも一部分を拘束するように構成され得る。支持ハウジングは、長尺状プラスチック部材を受け入れるように構成された内部チャネルを画定し得る。支持ハウジングは、外側カラーと、内側カラーと、外側カラーと、内側カラーとの間の中間部とを含み得る。
いくつかの構成では、外側カラーの外側壁は、ハブの当接面に当接するように構成されている、外側カラーの第1の当接面を画定し得、外側カラーの内側壁は、機械的停止部に当接するように構成されている第2の当接面を画定し得る。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、最大長さと最小長さとを含み得る少なくとも1つの長さを更に含み得る。
いくつかの構成では、サイドストラップの対は、外側カラーの第1の当接面がハブの当接面に当接するときに、最小長さを含み得る。
いくつかの構成では、サイドストラップの対は、外側カラーの第2の当接面が機械的停止部に当接するときに、最大長さを含み得る。
いくつかの構成では、ハブは実質的に矩形を含み得、ハブの長さはハブの幅よりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、ハブは、第2の側部に対向する第1の側部を含み得る。第1の側部の長さは、第2の側部の長さよりも大きくされ得る。第1の側部の幅は、第2の側部の幅よりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の幅は、第1の部分の第1の側部とハブの第1の側部の第1の外縁部との間で測定され得る。第2の側部の幅は、第1の部分の第2の側部とハブの第2の側部の第2の外縁部との間で測定され得る。
いくつかの構成では、ハブ及び第1の部分は、各々の外部表面及び内部表面を含み得る。
いくつかの構成では、第1の部分の外部表面は、ハブの外部表面と連続し得る。
いくつかの構成では、ハブはハブ厚みを含み得、第1の部分は第1の厚みを含み得る。ハブ厚みは、第1の厚みよりも大きくされ得る。ハブ厚みは、ハブの外部表面と内部表面との間で測定され得る。第1の厚みは、第1の部分の外部表面と内部表面との間で測定され得る。
いくつかの構成では、ハブの内部表面は、第1の部分の内部表面からオフセットし得る。
いくつかの構成では、ハブの内部表面と第1の部分との間のオフセットは、ハブの当接面を画定し得る。
本開示の一態様は、上記のストラップの対のいずれかと後部分と含む呼吸マスクヘッドギアを含む。後部分は、プラスチック材料を含む一体型本体部分を含み得る。一体型本体部分は、上ストラップと、下ストラップと、第1の接合部と、第2の接合部とを含み得る。上ストラップは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有し得る。下ストラップは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の長さと、幅とを有し得る。第1の接合部は、上ストラップの第1の端部と下ストラップの第1の端部との間に配置され得る。第2の接合部は、上ストラップの第2の端部と下ストラップの第2の端部との間に配置され得る。サイドストラップのそれぞれは、第1の接合部及び第2の接合部の各々1つから延び得る。サイドストラップそれぞれのハブの第1の端部は、第1の接合部及び第2の接合部の各々1つに重ね成形され得る。サイドストラップそれぞれのハブの第2の端部は覆われないままであり得る。
本開示の一態様は、長尺状プラスチック部材をそれぞれ含み得る呼吸マスクヘッドギアのサイドストラップの対を含む。長尺状プラスチック部材は、第1の部分と、第2の部分と、ハブとを含む。第1の部分は、第1の端部と、第2の端部と、内部表面と、外部表面と、第1の部分の内部表面と、外部表面との間で測定された第1の部分厚みとを含み得る。第2の部分の幅は、第1の部分の幅よりも小さくされ得る。ハブは、第2の端部に対向する第1の端部と、第2の側部に対向する第1の側部と、内部表面と、第1の部分の外部表面と連続する外部表面と、ハブの内部表面と外部表面との間で測定されたハブ厚みとを含み得る。ハブ厚みは、第1の部分厚みよりも大きくされ得る。ハブの第2の端部は、第1の部分の第1の端部に隣接することができ、引込みハードストップを画定し得る当接面を含み得る。ハブの第1の側部と第2の側部は、ハブの第1の端部と第2の端部との間に延びることができ、第1の部分の長手方向軸線によって分離され得る。ハブの第1の側部の第1の長さは、ハブの第2の側部の第2の長さよりも大きくされ得る。ハブの第1の側部の第1の幅は、ハブの第2の側部の第2の幅よりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の第1の幅は、第1の部分の長手方向軸線とハブの第1の側部の第1の外縁部との間で測定され得る。ハブの第1の外縁部は、第1の部分の長手方向軸線に実質的に平行であり得る。
いくつかの構成では、ハブの第2の側部の第2の幅は、第1の部分の長手方向軸線とハブの第2の側部の第2の外縁部との間で測定され得る。ハブの第2の外縁部は、第1の部分の長手方向軸線に実質的に平行であり得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の第1の長さは、ハブの第1の端部と第2の端部との間で測定され得る。
いくつかの構成では、ハブの第2の側部の第2の長さは、ハブの第1の端部と第2の端部との間で測定され得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の第1の端部は、ハブの第2の側部の第1の端部と連続し得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の第2の端部は、ハブの第2の側部の第2の端部からオフセットし得る。
いくつかの構成では、ハブの第1の側部の第2の端部とハブの第2の側部の第2の端部との間のオフセットは、方向付け切欠部を画定し得る。
いくつかの構成では、ハブの内部表面は、第1の部分の内部表面からオフセットし得る。
いくつかの構成では、ハブの内部表面と第1の部分の内部表面との間のオフセットは、ハブの当接面を画定し得る。当接面は、ハブの第2の端部に位置し得る。
いくつかの構成では、第1の部分の第2の端部は、第1の部分の外部表面から半径方向外向きに延びる機械的停止部を含み得る。機械的停止部は、拡張ハードストップを画定し得る。
いくつかの構成では、機械的停止部は、歯縁部及び傾斜面を含み得る。
いくつかの構成では、サイドストラップのそれぞれは、長尺状プラスチック部材の少なくとも一部分を拘束するように構成されている支持ハウジングを含み得る。支持ハウジングは、長尺状プラスチック部材を受け入れるように構成された内部チャネルを画定し得る。支持ハウジングは、外側カラーと、内側カラーと、外側カラーと、内側カラーとの間の中間部とを含み得る。
いくつかの構成では、支持ハウジングは、内部側と外部側とを含み得る。支持ハウジングの中間部の外部側は長尺状開口部を含み得る。支持ハウジングの内部側は連続的な壁を含み得る。
いくつかの構成では、外側カラーは、ハブの当接面と当接するように構成され得る。
いくつかの構成では、外側カラーは、長尺状プラスチック部材の機械的停止部と当接するように構成され得る。
本開示の一態様は、3次元形状に成形された溶融プラスチックの一体構造体から形成され得る呼吸マスクヘッドギアの後部分を含む。溶融プラスチックの一体構造体は、一体成形された上ストラップと一体成形された下ストラップとを含み得る。一体成形された上ストラップは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の第1の長さとを有し得る。一体成形された上ストラップは、使用者の頭部の上部分の形状に近似する又は一致するように構成された第1の曲率を含み得る。一体成形された下ストラップは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の第2の長さとを有し得る。一体成形された下ストラップは、使用者の頭部の下部分又は後部分の形状に近似する又は一致するように構成された第2の曲率を含み得る。上ストラップの第1の端部は、下ストラップの第1の端部と共に第1の接合部を形成することができ、上ストラップの第2の端部は、下ストラップの第2の端部と共に第2の接合部を形成し得る。
いくつかの構成では、第2の長さは第1の長さよりも大きくされ得る。
いくつかの構成では、後部分は、成形された複合構造体を含み得る。成形された複合構造体は、互いに永久接続された少なくとも1つの布帛層と少なくとも1つのプラスチック層とを有し得る。
いくつかの構成では、後部分の使用者接触面は、面一の表面を含み得る。面一の表面は、厚さの変化をほとんど有することができない。
いくつかの構成では、第1の接合部及び/又は第2の接合部は、ベース部及びフレックス領域を含み得る。フレックス領域は、ベース部と上ストラップ及び下ストラップのうちの1つとの間に配置され得る。
いくつかの構成では、上ストラップ及び/又は下ストラップは、上ストラップ及び/又は下ストラップの隣接部よりも大きい厚みを有する相対的により硬い又は強化された部分を含み得る。
いくつかの構成では、上ストラップ及び/又は下ストラップは、上ストラップ及び/又は下ストラップの隣接部よりも小さい厚みを有する1つ以上の相対的により硬くない部分を含み得る。
いくつかの構成では、第1の接合部及び/又は第2の接合部は、約60~100度、約70~90度、又は約75~80度の初期角度を有して形成されている。
本開示の前述の及び他の特徴は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面が本開示によるいくつかの実施形態のみを示し、その範囲を限定するものとみなされるものではないことを理解した上で、本開示を、添付の図面の使用を通じて、更に具体的且つ詳細に説明する。
ここで、全体を通して同一番号が同様の又は類似の要素を指す添付の図を参照し、システム、構成要素並びに組立及び製造方法の実施形態について説明する。以下、いくつかの実施形態、例及び説明を開示するが、本明細書に記載される本発明は、具体的に開示されている実施形態、例、及び説明以外にも及び、本発明の他の用途及びその明白な修正物及び均等物を含み得ることは当業者には理解されるであろう。本明細書に示される説明で使用される用語は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明と共に使用されているという理由だけで、限定又は制限されて解釈されることを意図するものではない。更に、本発明の実施形態は、いくつかの新規な特徴を含み得、単一の特徴が単独でその望ましい特性の要因となるわけではなく、本明細書に記載されている本発明の実施に不可欠というわけでもない。
以下の説明では、特定の用語が参照目的でのみ使用される場合があり、したがって、限定を意図するものではない。例えば、「上方(above)」及び「下方(below)」などの用語は、参照される図面内での方向を指す。「前(front)」、「後(back)」、「左(left)」、「右(right)」、「後部(rear)」及び「側部(side)」などの用語は、記載されている構成要素又は要素を記述する本文及び関連図面を参照することにより明らかになる、一貫しているが任意の基準座標系内における構成要素又は要素の一部の向き及び/又は位置を記述するものである。更に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語が、別個の構成要素を記述するために使用される場合がある。そのような用語は、上記で具体的に言及した語、その派生語、及び類似の趣旨の語を含む場合がある。
システム概要
図1は、気道陽圧(PAP)療法(例えば、持続的陽圧呼吸(CPAP)療法)又は非侵襲的換気(NIV)療法の使用者に呼吸ガスを供給するのに好適な例示的な呼吸治療システムを示す。例示的な呼吸治療システム100は、ガス源102と、加湿器104と、患者インターフェイスアセンブリ150と、加湿器104(又はガス源102)を患者インターフェイスアセンブリ150に接続する呼吸ガス回路106とを含んでもよい。ガス源102は、一定量の呼吸ガスを加湿器104に提供することができる。ガス源102はブロワを含んでもよく、ブロワにおいて、インペラ112により、呼吸ガス例えば周囲空気がガス源ケーシングの入口110を通してガス源102に引き込まれる。インペラ112の回転速度は、ガス源102に引き込まれる空気の量及び呼吸治療システム100に送達される呼吸ガスの供給量を調整するために調節されてもよい。呼吸ガスは、システム100の使用者が呼吸可能な任意の単一のガス又は複数のガスを含んでもよい。
ガス源102を出る呼吸ガスの圧力及び/又は流量は、コントローラ114によって調整されてもよい。コントローラ114は、1つ以上の所定のアルゴリズムに従って及び使用者入力116を介して提供され得る1つ以上の使用者入力に従って、インペラ112の回転速度を調整してもよい。
図示されるガス源102は、能動制御式フロージェネレータである。適切な圧力又は流れ調整を備えた圧縮空気シリンダなどの他のガス源も呼吸ガスを供給するために使用されてよい。ガス源102の出口は、別個の加湿器104に結合されてもよい。加湿器104は、呼吸ガスを送達する前に、例えば使用者に送達する前に加熱及び/又は加湿するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、加湿器は、ガス供給部と統合されている。加湿器104は、ベース120及び加湿器チャンバ122を含んでもよい。チャンバ122は、水などの加湿流体124を保持するように構成されてもよく、チャンバ122を充填又は交換することを可能にするために、加湿器ベース120から係脱されてもよい、例えば、一時的に係脱又は永久的に係脱されてもよい。加湿器104は、ガス源102からチャンバ入口126を通してガスを受け取る。加湿器ベース120は、ヒータプレート130などのヒータを含み得る。チャンバ122は、加湿器ベース120と係合されると、ヒータプレート130上に載る。ヒータプレート130は、熱、例えば電気抵抗によって発生した熱をチャンバ122に放散する。チャンバ122は、ヒータプレート130によって発生した熱を加湿流体124に効率的に伝えることを可能にするために、熱伝導ベースを有することが好ましい。コントローラ114はまた、加湿器104、特にヒータプレート130への電気エネルギーの供給を制御し、加湿器104の任意の機能、例えば、使用者に供給される呼吸ガスの温度及び湿度を調整することができる。
呼吸ガスは、チャンバ出口132と、患者インターフェイスアセンブリ150に搬送中に呼吸ガスを加熱又は加温する(例えば、熱く又は温かく維持する)ための加熱又は加温要素、例えばヒータ線を組み込み得る導管の形態の呼吸ガス回路106とを介して使用者に供給され得る。ヒータ線に供給される電気エネルギーは、コントローラ114によって制御されてもよい。コントローラ114は、圧力、流れ、温度及び/又は湿度などであるがこれらに限定されない呼吸ガスの特性を監視するために、呼吸治療システムの全体にわたる制御ネットワークに組み込まれた1つ以上のセンサからフィードバックを受け取ってもよい。
患者インターフェイスアセンブリ150は、ガス、例えば、加湿器104からの加熱及び加湿ガスが使用者の呼吸器系に送達され得るように、使用者を呼吸治療システム100と結合する。ガスが使用者の鼻及び口に送達される際に、呼吸ガスは、最適温度及び湿度(例えば、27~37℃の温度。加温され、水蒸気で完全に飽和している)にて又はその近辺で使用者に送達され得る。健康な成人の肺内の条件(37℃、湿度44mg/L)を模すことで、分泌に影響する呼吸器疾患を有する使用者の健康な粘液線毛機能を維持することに役立つことができ、またあらゆる患者において、ガスを加湿することは快適性及びコンプライアンスの維持に役立つ。本明細書に開示されるものなどの患者インターフェイスアセンブリ150のいくつかの異なるスタイルが例示的なシステム100又は類似のシステムにおいて使用され得る。
インターフェイスアセンブリ概要
図2は、図1のシステム100において使用され得る例示的な患者インターフェイスアセンブリ150を示す。患者インターフェイスアセンブリ150は、概して、インターフェイス(例えば、マスク)152及びヘッドギア構成(「ヘッドギア」)154を含む。インターフェイス152は、呼吸ガスの流れを使用者の気道に送達するように構成されている。ヘッドギア154は、インターフェイス152を使用者上の所定の位置に固定するように構成されている。
図示されるインターフェイス152は、呼吸チャンバを画定し得るマスクである。特に、図示されるインターフェイス152は、呼吸ガスの流れを使用者の鼻孔に直接送達するように構成された鼻要素(例えば、鼻ピロー)を有する直接ネーザルマスクである。マスク152はまた、使用者の顔面上に、1つ若しくは両方の鼻孔及び/又は鼻要素を取り囲むシール(例えば、二次シール)を作成することができる。しかしながら、他の適切なインターフェイスもまたヘッドギア154と共に使用され得る、及び/又はヘッドギア154は、異なるタイプのインターフェイスと共に使用するために修正され得る。例えば、インターフェイスは、使用者の鼻孔の1つ又は両方を取り囲む封止面を画定し、直接鼻要素を省略したネーザルマスクであり得る。ネーザルマスク152の文脈で説明される患者インターフェイスアセンブリ150の様々な特徴、態様及び利点は、例えば、使用者の鼻及び口の周りを封止する口鼻マスク及びフルフェイスマスク、使用者の口の周りを封止する口マスク、及び使用者の鼻の下を封止する鼻ピロー又は他の種類のマスクを含むがこれらに限定されない任意の他のインターフェイス構成で使用され得ることも理解されるであろう。
マスク152は、フレーム156とクッション又はシール158とを含み得る。シール158は、フレーム156に直接結合され得る、又はフレーム156に接続可能なクッションモジュールの一部分を形成し得る。このようなクッションモジュールは、シール158の材料よりも硬質の材料から作製された相対的に剛性のハウジングを含み得る。相対的に剛性のハウジングはフレーム156と接続し得る。相対的に剛性のハウジングは、フレーム156に取り外し可能に接続されてもよい。相対的に剛性のハウジングは、フレーム156の一部分と係合して、クッションモジュール、ゆえにシール158をフレーム156に接続するクリップ部を組み込んでもよい。
マスク152はまた、マスク152を呼吸導管(例えば、呼吸ガス回路106)に接続するように構成された接続管164を含み得る。接続管164は、フレーム156又はクッションモジュール160(例えば、ハウジング)などのマスク152の任意の適切な部分によって支持され得る。図示される構成では、接続管164は、マスク152の協働部に直接接続されている。接続管164は、マスク152の協働部に永久的に又は取り外し可能に接続されてもよい。他の構成では、マスク152は、エルボであり得る又はエルボを含み得るコネクタによって呼吸導管に接続され得る。
マスク152はまた、呼気及び余分な呼吸ガスがマスク152の呼吸チャンバから出ることを可能にするための排気口又は通気口を含み得る。いくつかの構成では、通気口は、複数の通気穴を含むバイアス流通気口であり得る。バイアス流通気口は、マスクフレーム156に、又はクッションモジュール若しくは接続管164などのマスク152の他の適切な部分に位置し得る。いくつかの構成では、バイアス流通気口は、拡散部を含み得、拡散部は、排出されるガスを拡散して、排出されるガスの速度及び/又は排出されるガスによって発生した雑音を低減するために、複数の通気穴を覆っている。拡散部は、清掃又は交換のためにマスク152から取り外し可能であり得る、又は拡散部材料を金型内に配置し、その後、適切なプラスチック材料(例えば、ポリカーボネート)を金型内に注入して一体構造体を作成する重ね成形法などによってマスク152の一部分に永久的に取り付けられ得る。拡散部材料は、フレーム156に直接重ね成形されてもよい。他の実施形態では、拡散部材料はクリップに重ね成形されてもよい。クリップは、マスク152の別の部分にある相補的な係合特徴に係合するための係合部を有し、これは、マスク152のその部分にクリップ(及び関連拡散部材料)を取り付けるためのものである。
ヘッドギア154はマスク152に結合されている。ヘッドギア154は、マスク152のフレーム156に結合され得る。フレーム156又はマスク152は、フレーム156又はマスク152の各側に単一のヘッドギアマウントを含むことが好ましい。図示される構成では、ヘッドギア154は、使用者の頭部の各側部に設けられたヘッドギアストラップを含み、ヘッドギアストラップは使用者の耳の概ね上方の位置で分岐し、上ストラップ部と下ストラップ部とを形成する。各側のストラップは互いに別個のものであり得る、又はヘッドギア154は、使用者の頭部を取り囲む閉ループ構造を形成することができ、フレーム156又はマスク152に接続する表面接続部を有する。ヘッドギア154について以下で更に詳細に説明する。
ヘッドギア
図2~図20は、上述のヘッドギア154の一例を示す。図示される構成では、ヘッドギア154は、概して、前部分200及び後部分210を有する。前部分200は、マスク152に接続するように構成されており、マスク152と後部分210との間に、使用者の頭部の各側部に沿って延びる。後部分210は、使用者の頭部の後方部分に係合するように構成されている。
図示される前部分200は、インターフェイスアセンブリ150の各側にあるクリップなどの適切なコネクタを介してマスク152に接続するストラップ212を含む。図示される構成では、インターフェイスアセンブリ150の各側のストラップ212は互いに別個のものであり、マスク152に別々に接続する。前ストラップ212は互いに鏡像であり得る。したがって、本明細書で特に指示のない限り、1つのストラップ212に関して本明細書に記載される詳細は、対称な状態を除いて、他方のストラップ212にも当てはまるものとみなされ得る。
各ストラップ212は、マスク152から、使用者の頬を横切って、後部分210との接合部220まで延びる。ストラップ212は使用者の頭部の側面に概ね沿って延びるため、ストラップ212は、本明細書では「サイドストラップ」と呼ばれ得る。図示される構成では、各サイドストラップ212は、マスク152に近い方の端部から接合部220に近い方の端部に向かってわずかに上向き方向に延びる。各サイドストラップ212は、使用者の耳の上方の位置に向かって又はこの位置に延びる。いくつかの構成では、サイドストラップ212それぞれの後方端部は、使用者の耳のラインの真上又は上方に及び使用者の耳のわずかに前方又はわずかに後方に位置し得る。
上述のように、ヘッドギア154は各側で分岐し、各側にある単一ストラップ212を有する前部分200から2つのストラップ部を有する後部分210に移行する。特に、ヘッドギア154の後部分210は、第1の又は上ストラップ部又はストラップ230と第2の又は下ストラップ部又はストラップ232とを含む。上ストラップ230及び下ストラップ232のそれぞれは、使用者の頭部の背面の周りに延び、サイドストラップ212に接続するように構成されている。例えば、図2に示されるように、上ストラップ230は、接合部220から上向き方向に延び、下ストラップ232は、接合部220から下向き方向に延びる。換言すると、上ストラップ230と下ストラップ232は、互いに間隔を空けて配置されている。
いくつかの構成では、ヘッドギア154の後部分210は、上ストラップ230と下ストラップ232とが互いに対して移動することを可能にするように構成されている。例えば、後部分210は、上ストラップ230及び下ストラップ232が上ストラップ230と下ストラップ232との間に画定される角度240(図3)の調節を可能にするために移動することができるように構成され得る。角度240は、上ストラップ230及び下ストラップ232の各々の中心線(例えば、幾何学的中心線)の間に画定され得る。
上ストラップ230と下ストラップ232の相対位置はまた、ストラップ230とストラップ232との間の離隔距離242(図5)によって説明され得る。離隔距離242は、上ストラップ230及び下ストラップ232の所与の相対位置における上ストラップ230及び下ストラップ232上の任意の2つの位置間の距離と定義され得る。例えば、上ストラップ230は、外側又は上縁部244と内側又は下縁部246とを有し得る。下ストラップ232は、内側又は上縁部250と外側又は下縁部252とを有し得る。離隔距離242は、上ストラップ230の縁部244、246と下ストラップ232の縁部250、252との間に画定され得る。利便性のために、本明細書では、離隔距離242は、ヘッドギア154を前後方向に貫通する中心線又は垂直方向の中心平面に沿って取られた、上ストラップ230の下縁部246と下ストラップ232の上縁部250との間の直線距離として示される。
ヘッドギア154の後部分210は、緩められた又は中立位置において特定の角度240及び/又は離隔距離242を画定し得る。緩められた又は中立位置は、成形される実施形態においては、成形された又は成形ツールによって画定された、後部分210の位置であり得る。緩められた又は中立位置は、後部分210を変形させる傾向にある外力が印加されていない後部分210の位置であり得る。このような角度240又は離隔距離242は、静止角度240又は静止離隔距離242と呼ばれ得る。
上述のように、後部分210は、角度240及び/又は離隔距離242の調節を可能にするために、上ストラップ230と下ストラップ232との相対運動を可能にするように構成され得る。後部分210は、上ストラップ230と下ストラップ232との相対運動を可能にし、静止角度240又は静止離隔距離242であり得る初期角度240又は離隔距離242に対する角度240及び/又は離隔距離242の増加をもたらすように構成され得る。後部分210は、上ストラップ230と下ストラップ232との相対運動を可能にし、静止角度240又は静止離隔距離242であり得る初期角度240又は離隔距離242に対する角度240及び/又は離隔距離242の減少をもたらすように構成され得る。後部分210は、上ストラップ230と下ストラップ232との相対運動を可能にし、静止角度240又は静止離隔距離242であり得る初期角度240又は離隔距離242に対する角度240及び/又は離隔距離242の増加又は減少のいずれかをもたらすように構成され得る。このような構成により、後部分210を様々な頭部形状及び/又は使用者の好みに合わせることができる。更に、外力が後部分210から取り除かれると、後部分210は、静止角度240又は静止離隔距離242であり得る初期角度240若しくは離隔距離242に向けて又は初期角度240若しくは離隔距離242に戻るように構成され得る。即ち、後部分210は、材料の選択、形状、又はこれらの組み合わせの結果、弾性復帰力を有し得る。更に、静止離隔距離242は、ストラップ230とストラップ232との間にいくらかの空間又は間隙が設けられるようにゼロよりも大きいことが好ましい。このことは、ストラップ230、232が離隔を提供するように設計されていることを使用者に対して示唆し得る。
いくつかの構成では、後部分210は、上ストラップ230が使用者の頭部の頂部をヘッドギア154の一方の側から他方の側に通過するように又は通過するよう調節され得るように構成されている。上ストラップ230は、使用者の頭頂骨上に位置し得る。いくつかの構成では、上ストラップ230は、使用者の前頭骨上に位置するように及び/又は使用者の後頭骨上に位置するように調節可能であり得る。後部分210は、下ストラップ232が使用者の頭部の背面を、ヘッドギア154の一方の側から他方の側に通過するように又は通過するよう調節され得るように構成され得る。下ストラップ232は、使用者の後頭骨上に位置し得る。いくつかの構成では、下ストラップ232は、使用者の頭頂骨上に位置するように調節可能であり得る。
いくつかの構成では、後部分210は、約60~100度、約70~90度、又は約75~80度の静止角度240を有するように形成されている。いくつかの構成では、後部分210は、約77度の静止角度240を有するように形成されている。いくつかの構成では、後部分210は、約20度未満、約10度未満、又は約0度の最小角度240に、又は離隔距離242がゼロになるまで調節可能であり得る。いくつかの構成では、後部分210は、少なくとも約90度、少なくとも約120度、少なくとも約135度、少なくとも約150度、又は少なくとも約170度の最大角度240に調節可能であり得る。いくつかの構成では、後部分210は、約180度以上の最大角度240に調節可能であり得る。
ヘッドギア154の少なくとも一部分は、互いに永久接続された少なくとも1つの布帛層と少なくとも1つのプラスチック層とを有する成形された複合構造体として作製され得る。いくつかの構成では、少なくとも後部分210は、そのような成形された複合構造体として作製されている。図示される構成では、図7に示されるように、上ストラップ230と下ストラップ232と接合部220とを含む後部分210は、2つの布帛層(例えば、内部又は内層260及び外部又は外層262)と、布帛層260と布帛層262との間に位置するプラスチックコア270とを有する成形された複合構造体である。後部分210は、金型内の布帛層260と布帛層262との間の空間に溶融プラスチックを適用し、溶融プラスチックを硬化させて、型穴の形状に対応する形状のプラスチックコア270を形成することによって一体構造体として形成され得る。布帛層260と布帛層262は互いに別個のものであり得、プラスチックコア270を介して接合され得る又は接続され得る(例えば、プラスチックコア270を包囲する管状構造体)。後部分210の複合構造体については、以下で更に詳細に説明する。
ヘッドギア154の一部分又は全体は半剛性であり得る。図示される構成では、サイドストラップ212、接合部220、上ストラップ230、及び下ストラップ232のいずれか1つ、任意の組み合わせ、又は全てが半剛性であり得る。本明細書で使用する場合、半剛性とは、ヘッドギア154の半剛性部分がその自重下でその形状を概ね保持することができるものの、半剛性部分が使用者の頭部の周りで曲がることを可能にするためのいくらかの可撓性を有することを意味する。いくつかの構成では、ヘッドギア154の半剛性部分は、1つの方向においてより剛性が高く、第2の方向においてより剛性が低い。例えば、ヘッドギア154の半剛性部分は、垂直方向において又は使用者の顔面に沿って実質的に剛性であり得、水平方向において又は使用者に向かう方と使用者から離れる方において相対的に可撓性であり得る。
図3~図6は、布帛層260、262のない、ヘッドギア154の後部分210のプラスチックコア270を示す。図示される構成では、後部分210のプラスチックコア270は、プラスチック材料を含む一体型本体部分として作製されている。即ち、接合部220と上ストラップ230と下ストラップ232とは、一部品の一体構造体として作製されている。上ストラップ230は、第1の端部280及び第2の端部282を有する。第1の長さ又は上ストラップ長さ284が、第1の端部280と第2の端部282との間に画定される。同様に、下ストラップ232は、第1の端部290及び第2の端部292を有する。第2の長さ又は下ストラップ長さ294が、第1の端部290と第2の端部292との間に画定される。図示される構成では、下ストラップ長さ294は、上ストラップ長さ284よりも大きい。しかしながら、他の構成では、上ストラップ長さ284は、下ストラップ長さ294よりも大きくされ得る、又は2つの長さ284、294は等しくされ得る若しくは実質的に等しくされ得る。
図5に示されるように、上ストラップ230はまた、幅300を画定する。同様に、下ストラップ232は幅302を画定する。幅300、302の1つ又は両方は、ストラップ230、232の各々の長さ284、294に沿って変化し得る。例えば、ストラップ230、232の端部280、282、290、292における又はその近辺における幅300、302は、上ストラップ230及び下ストラップ232の各々の中央部310、312における又はその近辺における幅300、302よりも小さくされ得る。図示される構成では、下ストラップ232の幅302は、上ストラップ230の幅300よりも大きい。対応する位置(例えば、端部280、282、290、292又は中央部310、312)において、下ストラップ232の幅302は、上ストラップ230の幅300よりも大きくされ得る。代替的に又は追加的に、下ストラップ232の全体に沿った幅302は、上ストラップ230の全体に沿った幅300よりも大きくされ得る。換言すると、下ストラップ232の幅302の最小値は、上ストラップ230の幅300の最大値よりも大きくされ得る。上ストラップ230の幅300と下ストラップ232の幅302との間の差は、使用者がストラップ230、232を区別すること、したがって、後部分210及び/又はヘッドギア154を適切に方向付けることを支援することができる。いくつかの構成では、上ストラップ230の幅300は約15mmであり、下ストラップ232の幅302は約17.5mmである。これらの幅300、302は、ストラップ230、232の最小幅、最大幅、又は平均幅であり得る。
上述のように、ヘッドギア154の後部分210は、上ストラップ230と下ストラップ232との間の相対運動を可能にし、ストラップ230とストラップ232との間の角度240又は離隔距離242の調節を可能にするように構成されている。いくつかの構成では、相対運動の大部分又は全部が、ストラップ230、232の端部280、282、290、292間の接合部220によって提供される。各接合部220は、ストラップ230とストラップ232との間の相対運動を可能にする又は容易にするように構成され得る。接合部220は、接合部220に対する上ストラップ230及び下ストラップ232の1つ又は両方の運動を可能に又は容易にし得る。図示される構成では、接合部220は互いの鏡像である。したがって、本明細書では、利便性のために1つの接合部220について説明する。特に指示のない限り、1つの接合部220の説明は、対称な状態を除いて、他方の接合部220に等しく適用され得る。
図4を参照すると、接合部220は、接合部220の端部部分(例えば、前方端部部分)であり得るベース部350を含む。接合部220はまた、ベース部350と、上ストラップ230及び下ストラップ232の1つ又は両方との間の移行領域352を含む。図示される構成では、上ストラップ230及び下ストラップ232のそれぞれは、移行領域352(例えば、第1の移行領域及び第2の移行領域)によって、接合部220のベース部350に接合されている。移行領域352は互いに離散し、ベース部350によって分離されている。しかしながら、他の構成では、移行領域352は互いに接続され得る、又は単一の移行領域352が、上ストラップ230及び下ストラップ232の両方をベース部350に接合し得る。
各移行領域352は、接合部220のベース部350に対する各々のストラップ230、232の運動(例えば、角運動)を可能にするように構成されている。いくつかの構成では、移行領域352はまた、各々のストラップ230、232のねじり運動を可能にし、これにより、ストラップ230、232を、特定の使用者の頭部形状により良く適合するようにすることができる。移行領域352は、移行領域352の大きさ及び/又は形状、材料の選択、又はこれらの組み合わせなどの任意の適切なメカニズムによってこの運動を可能に又は容易にし得る。図示される構成では、移行領域352は、ベース部350及び関連ストラップ230、232の1つ又は両方に対して大きさ(例えば、幅及び/又は厚み)が減少した局所的領域である。
移行領域352に隣接し移行領域352を含む接合部220及びストラップ230、232の構造は、上記の運動を可能にする又は容易にするフレックス領域354を形成する。フレックス領域354は移行領域352を含み、接合部220のベース部350の一部分及びストラップ230、232の一部分を含んでもよい。即ち、ベース部350に対する上ストラップ230及び/又は下ストラップ232の曲げ運動は、移行領域352に隣接するベース部350の一部分及び/又はストラップ230、232の一部分のいくらかの曲げ又は変形をもたらし得る。フレックス領域354は、図3に示される破線領域によって全般的に示される。フレックス領域354は、接合部220及びストラップ230、232のベース部350などの後部分210の大幅に大きな構造に比べると、移行領域352と実質的に同様の大きさであり得る。したがって、本明細書に記載される移行領域352に対する寸法及び相対的な大きさはフレックス領域354に等しく当てはまり得る。
移行領域352並びに/又は移行領域352及び/若しくはフレックス領域354に隣接し且つ移行領域352及び/若しくはフレックス領域354を含む接合部220及びストラップ230、232の構造は、リビングヒンジ構造を形成し得る。たわみジョイント、たわみ軸受、又は曲げ軸受と呼ばれる場合があり得るリビングヒンジは、2つの相対的により剛性の高いセグメント又は部分を接合する材料の可撓性セグメント又は部分である。ヒンジは可撓性であり、曲げることが可能であり、取り付けられたセグメント又は部分の運動を可能にする。リビングヒンジは、典型的には、リビングヒンジが接続する2つのより剛性の高い部分と同じ材料から作られている。これは、本明細書に開示される一体型後部分210に当てはまる。リビングヒンジは、典型的には、剛性部分をヒンジのラインに沿って曲げられるようにするために、薄くされる又は切削される。リビングヒンジは、画定されたピボット構造を含まない。リビングヒンジの低摩耗及び最小限の摩擦は、多くの調節サイクルに曝される場合があり、手の力が弱い及び/又は器用さが低い人により使用される可能性のある調節可能な後部分210にとって有利になる。リビングヒンジは、接合部220及びストラップ230、232のベース部350などの後部分210の大幅に大きな構造に比べると、移行領域352及び/又はフレックス領域354と大きさが実質的に同様であり得る。したがって、移行領域352及び/又はフレックス領域354に関して本明細書に記載される寸法及び相対的な大きさはリビングヒンジにも等しく当てはまり得る。
ベース部350は、最大幅であり得る幅360を画定する。各移行領域352もまた、最小幅であり得る幅362を画定する。移行領域352の幅362は、ベース部350の幅360よりも小さくされ得る。移行領域352の幅362は、移行領域352が接合される関連ストラップ230、232の幅300、302よりも小さくされ得る。移行領域352の幅362は、ベース部350の幅360及び関連ストラップ230、232の幅300、302の両方よりも小さくされ得る。
移行領域352の低減された幅362は、ストラップ230、232の回転運動を容易にし、上述のように、ストラップ230、232の相対位置の調節を可能にし得る。いくつかの構成では、移行領域352の幅362は、移行領域352が接合された上ストラップ230又は下ストラップ232の各々の1つの幅300、302の約2分の1よりも小さい又は約3分の1よりも小さい。いくつかの構成では、移行領域352の幅362は、約10mm未満、約8mm未満、又は約7mm未満である。いくつかの構成では、移行領域352の幅362は、約3mm~7mm、又は約5mmである。
移行領域352は長さ364を画定する。長さ364は、ベース部350と関連ストラップ230、232との間の接合部220の幅減少部分の長さであり得る。上述のように、好ましくは、移行領域352は大きさが減少した局所的領域である。したがって、移行領域352の大きさ(例えば、長さ364)は、関連ストラップ230、232の大きさ(例えば、長さ284、294)に比べて小さい。いくつかの構成では、移行領域352の長さ364は、ベース部350の幅360及び/又は移行領域352が接合された上ストラップ230若しくは下ストラップ232の各々の1つの幅300、302よりも小さい。いくつかの構成では、移行領域352の長さ364は、移行領域352が接合された上ストラップ230又は下ストラップ232の各々の1つの幅300、302の約3分の2又は2分の1よりも小さい。いくつかの構成では、移行領域352の長さ364は、約10mm未満、約8mm未満、又は約7mm未満である。いくつかの構成では、移行領域352の長さ364は、約3mm~7mm、又は約5mmである。
各移行領域352は、後部分210のプラスチックコア270によって形成されたスロット370によって少なくとも部分的に画定される。図示される構成では、スロット370は互いに接続されている。スロット370はまた、上ストラップ230と下ストラップ232との間(下縁部246と、上縁部250との間)の空間に接続されている。図示される構成では、スロット370は協働して略円弧状の又は一部環状の開口部を画定する。スロット370はまた、ベース部350の丸みのある突起372によって部分的に画定される。いくつかの構成では、スロット370は、互いに同様の大きさ及び/又は形状である。いくつかの構成では、接合部220は、接合部220及び上ストラップ230と下ストラップ232との間を通る軸線374(図3)を中心に対称又は実質的に対称であり得る。各スロット370は幅376(例えば最大幅)を画定し得る。スロット370の幅376は、ベース部350の幅360及び/又はスロット370に隣接して位置する上ストラップ230若しくは下ストラップ232の各々の1つの幅300、302よりも小さくされ得る。
図示される構成では、上ストラップ230及び下ストラップ232のそれぞれは、本明細書では主ストラップ部380と呼ばれる、相対的により硬い又は強化された部分を含む。好ましくは、上ストラップ230及び下ストラップ232の1つ又は両方はまた、本明細書ではフランジ部382と呼ばれる1つ以上の相対的により硬くない部分を含む。主ストラップ部380は、フランジ部382と比較して厚みのあるリブの形態である。主ストラップ部380は、通常使用の結果、ヘッドギア154の後部分210に印加される、例えば吹き飛ばし力及び/又は引張力などの張力の大部分又は全部に適応するように構成され得る。フランジ部382は、使用者の頭部に印加される力を、主ストラップ部380のみの場合に比べてより広い面積にわたって分散させるように構成され得る。フランジ部382はまた、ストラップ230、232の幅及び/又は長さに沿った可変曲げ特性をヘッドギア154の後部分210に与えるために、主ストラップ部380よりも可撓性を高くされ得る。
図7を参照すると、主ストラップ部380は、第1の厚み390を画定し得、フランジ部382は第2の厚み392を画定し得る。第2の厚み392は、第1の厚み390よりも小さくされ得る。又は換言すると、第1の厚み390は、第2の厚み392よりも大きくされ得る。いくつかの構成では、第1の厚み390は、約1.5~5mm、約2~3mm、又は約2~2.5mmであり得る。第2の厚み392は、約1~2.5mm、約1~2mm、又は約1~1.5mmであり得る。相対厚み390、392は、上記範囲又は寸法に包含される任意の値又は相対比率を含み得る。厚み390、392は、カバー層260、262を含み得る又は省略し得る。カバー層260、262の寸法について、以下で更に説明する。
図示される構成では、主ストラップ部380は、上ストラップ230及び下ストラップ232の1つ又は両方の長さ284、294の全体又は実質的に全体に沿って延びている。このような構成により、ヘッドギア154の後部分210は、使用中に予想される力に適応するための十分な強度又は剛性を有する。例えば、図4に示すように、接合部220のベース部350は、主ストラップ部380の厚み390と同じ又は同様の厚みを有し得る。主ストラップ部380及び/又はベース部350は、図4及び図7に示されるように、快適性を低下させる又は快適性が低下した見た目を使用者に与える可能性のある縁部を避けるために、縁部に向けて丸み又はテーパが付けられ得る。図示されるように、ベース部350はまた、スロット370に向けて丸み又はテーパが付けられ得る。
いくつかの構成では、主ストラップ部380は、ストラップ230、232のうちの1つ又は両方の縁部に沿って設けられている。いくつかの構成では、主ストラップ部380は、ストラップ230、232のうちの1つ又は両方の縁部の全体を画定する。図示される構成では、主ストラップ部380は、上ストラップ230の上縁部244の全体を画定する。しかしながら、主ストラップ部380は、上縁部244の全体未満を画定し得る。図示される構成では、主ストラップ部380は、下ストラップ232の下縁部252の全体を画定する。しかしながら、主ストラップ部380は、下縁部252の全体未満を画定し得る。このような構成は、ストラップ230、232内のねじれを促し、その結果、上ストラップの上縁部及び下ストラップの下縁部が上ストラップの下縁部及び下ストラップの上縁部の各々の前又は前方に配置される。ストラップ230、232のこのような向きは、ほとんどの頭部形状に合う又は適応する。他の構成では、これらの構成は逆にすることができ、主ストラップ部380は、上ストラップ230の下縁部246及び/又は下ストラップ232の上縁部250の一部分又は全体を画定し得る。
好ましくは、フランジ部382は、ストラップ230、232の長さ284、294の大部分に沿って延びる。いくつかの構成では、フランジ部382は、長さ284、294の一部分のみに沿って延びる。図示される構成では、フランジ部382は、上及び下ストラップ230、232それぞれの中央部310、312の各側部に設けられている。各ストラップのフランジ部382は共に、ストラップ230、232の長さ284、294の少なくとも約2分の1、少なくとも約3分の2、又は約3分の2に沿って延びる。フランジ部382は、使用中、使用者の頭部の各側部の実質的に全体に沿って延びるように構成され得る。
図5に示されるように、図示される各ストラップ230、232の中央部310、312は全体的に主ストラップ部380によって画定される。換言すると、主ストラップ部380は、中央部310、312の一部又は全部内のストラップ230、232の全幅300、302に延びる。図示される構成では、主ストラップ部380は、中央部310、312の各側部において幅がテーパし、フランジ部382も同様に、後部分210の側部又は端部から中央部310、312に向かう方向に幅がテーパする。
いくつかの構成では、主ストラップ部380又は主ストラップ部380とフランジ382は共に、ストラップ230、232の長さ284、294に沿った任意の位置においてストラップ230、232の幅300、302の全体を画定する。上記のように、図示される構成では、主ストラップ部380は、ストラップ230、232の中央部310、312の幅300、302の全体を画定する。このような構成は、使用者による装着及び取り外しを容易にするために、ストラップ230、232が中立状態において相対的に大きな弧を維持することを可能にし得る。更に、中央部310、312(装着されているときには後部分)にかかる荷重は、端部部分(装着されているときには側部部分)にかかる荷重よりも大きい。したがって、中央部310、312における耐ねじり及び/又は折れ曲がり性がより大きいことが望ましい。
いくつかの構成では、上ストラップ230の中央部310内の中央部310又は主ストラップ部380の長さ400は、下ストラップ232の中央部310内の中央部310又は主ストラップ部380の長さ402と異なり得る。図5に示されるように、上ストラップ230の長さ400は、下ストラップ232の長さ402よりも小さい。したがって、下ストラップ232は、上ストラップ230よりも大きな弧(例えば、より大きな直径)を有することができ、これにより、使用者によるストラップ203、232の区別を容易にすることができる及び/又は典型的な使用者の頭部形状により良く適合させることができる。いくつかの構成では、長さ400は、約50mm~100mm、約60mm~90mm、約70mm~80mm、又は約75mmであり得る。長さ402は、約75mm~125mm、約85mm~115mm、約95mm~105mm、又は約100mmであり得る。他の構成では、この構成は逆にすることができ、長さ400は、長さ402よりも大きくされ得る、又は長さ400、402は同じにされ得る。長さ400、402は、中央部310、312内の主ストラップ部380の最大長さ、最小長さ又は平均長さと定義され得る。
上記のように、後部分210は、成形プラスチック構造体から作製され得る又は成形プラスチック構造体を含み得る。図示される構成では、後部分210は、一体型プラスチック構造体(例えば、プラスチックコア270)を含む。プラスチックコア270は、例えば、図3~図5に示されるような3次元形状に成形され得る。3次元成形形状は、後部分210の中立形状と同じ又は同様であり得る。他の構成では、プラスチックコア270は、平らな形状などの異なる形状に成形され得る。平らなプラスチックコア270は、ヘッドギア154が使用者の頭部に適用されたときなどに、使用者によって所定の形状に形成され得る。他の構成では、平らなプラスチックコア270は、製造プロセス中或いは使用前に3次元形状に形成され得る。例えば、図6に示されるように、上ストラップ230又は下ストラップ232の1つ又は両方(図示例では上ストラップ230)は、成形或いは形成される際に2つの部分に分裂又は分割することができる。分割されたストラップ230、232の端部は、その後、適切な結合構成又はプロセスによって、例えば接着接合などによって接合され得る。また、上記のように、後部分210はまた、1つ以上の布帛層260、262を含み得る。分割されたストラップ230、232の端部はまた、布帛層260、262によって全体的に又は部分的に接合され得る。
プラスチックコア270は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせから作製され得る。いくつかの構成では、プラスチックコア270は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの熱可塑性エラストマー(TPE)材料から作製され得る。このような材料の一例は、Colombes、FranceのArkema S.A.によってPebax(登録商標)のブランド名で販売されている。特に、材料は、Pebax(登録商標)2533であり得る。いくつかの構成では、材料は、約10~40ショアD、約20~30ショアD、又は約22~27ショアDのショア硬さを有し得る。このような材料により、いくらかの弾性を有する又はある量の伸縮を可能にするプラスチックコア270を得ることができる。以下で更に説明するように、布帛層260、262又は他のカバーリングにより、プラスチックコア270の弾性を変更することができる。代替的に、プラスチックコア270は、望ましい量の可撓性を提供することができるシリコーン材料から作製され得る。上記範囲内などの低いショア硬さは、ヘッドギア154の後部分210に「硬い織物」の手触りをもたらす。換言すると、ヘッドギア154の後部分210は、布帛カバーリングを有するプラスチックストラップではなく硬い布帛ストラップとして使用者により認識される。有利には、開示される後部分210は、柔らかい風合い、触感、視覚的訴求力、及び可撓性などの典型的な布帛ヘッドギアストラップの特性を与えはするものの、プラスチックの形状記憶を有する。上及び下ストラップ230、232は可撓性であるが、ヘッドギア154の後部分210の構造は、典型的な布帛ストラップのようにストラップ230、232が折れたり又は絡まったりすることなく維持される。このような構成は、ヘッドギア154の使用性及び利便性を高める。
図7及び図8を参照すると、上述のように、プラスチックコア270は、層260、262などの1つ以上の布帛層によって被覆され得る。いくつかの構成では、プラスチックコア270の片側(例えば、内部側又は外部側)のみが布帛層によって被覆されている。図示される構成では、プラスチックコア270の、内部側及び外部側の両方が、布帛層260、262によって被覆されている。上述のように、布帛層260、262は、互いに別個のものであり得る(及びプラスチックコアによって接合され得る)又は互いに直接接合され得る。上記のように及び本明細書で以下に更に説明するように、布帛層260、262は、単一の構造体(例えば、編まれた管状の構造体などの管状構造体)として形成され得る。
形成される際、布帛層260、262は、互いに隣接して配置され得る、又は内部側と外部側との間のプラスチックコア270の縁部(例えば、使用中は上縁部及び下縁部)に沿って接合され得る。布帛層260、262は、上縁部及び下縁部のそれぞれに突出縁部410を有するように構成され得る。突出縁部410は、プラスチックコア270を越えて延びる布帛層260、262の長さによって画定され得る。突出縁部410は、突出縁部410のない設計と比べると、プラスチックコア270の縁部に沿ってパッドの増加を提供することができるため、使用者に対して快適性の向上及び/又は快適性を向上させた見た目を提供することができる。いくつかの構成では、突出縁部410は、約0.5mm~3mm、約0.75mm~2mm、又は約1mmの幅412を有し得る。いくつかの構成では、突出縁部410は、約0.3mm~2mm、約0.4mm~1mm、約0.4mm、又は約0.3mmの厚み414を有し得る。各層260、262の厚みは、約0.2mm~1mm、約0.2mm~0.5mm、又は約0.2mmであり得る。したがって、いくつかの構成では、突出縁部410の幅及び/又は厚みは、個々の層260、262の厚みよりも大きくされ得る。突出縁部410はまた、追加の快適性を提供するために、層260と層262との間に空気(又は他のガス)空間を含み得る。いくつかの構成では、突出縁部410は、後部分210の上ストラップ230及び下ストラップ232に沿って設けられている。突出縁部410はまた、接合部220の外縁部に設けられ得る。しかしながら、好ましくは、突出縁部410は、スロット370によって画定される接合部220の内縁部から省略される。このような構成は、可撓性を高めることができる、又は突出縁部410が接合部220の内縁部に沿って設けられている場合に存在していたはずの更なる塊による上ストラップ230及び/若しくは下ストラップ232の可撓性の阻害を少なくとも回避することができる。
図8は、ヘッドギア154の後部分210を形成するために使用され得る金型ツール420を示す。上述のように、布帛層260、262は、型穴422金型ツール420の一部分又は半分424、426内に配置され得る。金型ツール420は、布帛層260、262の突出縁部410を形成する停止部428を含む。停止部428は、突出縁部410を収容するような大きさ及び形状の空間を画定し得るが、プラスチック材料がほとんど又は全く入ることができないほど十分に小さい。したがって、プラスチックコア270は、図に示されるような、停止部428に隣接する金型ツール420の部分の形状によって画定される丸みのある上縁部及び下縁部を有する形状を有し得る。プラスチックコア270を形成し、布帛層260、262をプラスチックコア270に永久的に結合するために、溶融プラスチック材料を布帛層260、262間の金型ツール420の型穴422に導入し、硬化させる。
図2に示されるように、布帛層260、262はまた、ヘッドギア154の前部分200又はサイドストラップ212の一部分又は全体に沿って延び得る。サイドストラップ212は、ヘッドギア154が様々な使用者に適合することを可能にするために並びに/又はヘッドギア154の装着及び取り外しを容易にするために、長さを変化させることができることが望ましい場合がある。いくつかの構成では、ヘッドギア154は、個々の使用者に適したサイズへの簡単な調節を提供するように構成されている。
いくつかの構成では、マスクアセンブリ150は、マスク152とヘッドギア154との間の異なる運動方向に対して異なる抵抗を提供する1つ以上の方向ロック430(図2及び図12)を用いてもよい。例えば、方向ロック430は、互いに離れる第1の方向におけるマスク152及びヘッドギア154の運動に対する第1の抵抗を提供することができ、それにより、マスク152及びヘッドギア154によって画定される閉ループの周囲又は周長を増加させる。方向ロック430は、互いの方に向かう第2の方向におけるマスク152及びヘッドギア154の運動に対する第2の抵抗を提供することができ、それにより、マスク152及びヘッドギア154によって画定される閉ループの周囲又は周長を減少させる。第1の抵抗力は第2の抵抗力よりも大きい。
このような構成により、使用者への簡単な装着のために、閉ループの周長の減少に対する相対的に低い抵抗が存在し、且つ例えば吹き飛ばし力及び/又は引張力などの使用中の通常の若しくは予想される力に応じた閉ループの周長の増加を阻止する又は防止するために、閉ループの周長の増加に対する相対的に高い抵抗が存在する。好ましくは、第1の抵抗力は、マスクアセンブリ150の装着又は取り外しを可能にするために使用者により加えられる手動力により打ち勝つことができるように構成される。更に、第2の抵抗力は、相対的に小さい弾性力が適切な弾性部材(又はばね又は付勢機構)により提供され、マスク152とヘッドギア154を互いの方に向けて自動的に移動させて閉ループの周長を特定の使用者に適したサイズに向けて又はこのサイズに減少させることができるほど十分に低い。
使用時、使用者は、マスク152を自身の顔面上の所定の位置に配置し、方向ロック430により提供される第1の抵抗力に打ち勝って、ヘッドギア154の後部分210を引き、ヘッドギア154の後部分210が使用者の頭部の後部分上に配置され得るように閉ループ周長を増加させることができる。使用者は、ヘッドギア154の後部分210を放すことができ、適切な弾性部材により閉ループ周長を減少させ、方向ロック430によって提供される第2の抵抗力に打ち勝って、マスクアセンブリ150を特定の使用者の適切な閉ループ周長に向けて又はこの長さに移動させることができる。治療が開始されると、方向ロック430は、使用中の通常の又は予想される力に応じた閉ループ周長の増加を阻止する又は防止する。治療が終了すると、使用者は、ヘッドギア154の後部分210を掴み、第1の抵抗力に打ち勝ち、閉ループ周長を増加させて、マスクアセンブリ150を取り外すことができる。
いくつかの構成では、上述のように、サイドストラップ212は、マスクアセンブリ150の閉ループ周長の変化を提供する。更に、サイドストラップ212、特に布帛層260、262は、方向ロック430により提供される第2の抵抗力に反して閉ループ周長を減少させる傾向にある弾性力を提供する。いくつかの構成では、方向ロック430は、マスクアセンブリ150の各側に位置する。方向ロック430は、マスク152によって支持され得、関連サイドストラップ212の一部分と相互作用することができる。したがって、第1の抵抗力は、関連サイドストラップ212の延長運動を阻止することができ、第2の抵抗力は、関連サイドストラップ212の短縮運動を阻止することができる。サイドストラップ212は、マスク152とヘッドギア154の後部分210との間に延びることができると共に、マスク152とヘッドギア154の後部分210とに接続され、サイドストラップを短縮する傾向にある弾性又は付勢力を印加することができ、閉ループ周長を低減することができる又はマスク154をヘッドギアの後部分210に向けて移動させることができる。
いくつかの構成では、布帛層260、262は協働して、ヘッドギア154の前部分200及び後部分210の両方のためのカバー440を形成する。カバー440は一体構造体であり得る。いくつかの構成では、ヘッドギア154の後部分210に位置するカバー440の部分442は非弾性又は相対的に非弾性であり、ヘッドギア154の前部分200又はサイドストラップ212に位置するカバー440の部分444は弾性又は相対的に弾性である。上述のように、カバー440は、編まれた構造体によって形成され得る。編まれた構造体の利点は、相対的非弾性部442と相対的弾性部444とが一体又は単一部品構造として形成され得ることである。
上述のように、プラスチックコア270は、いくらかの弾性を有する又はいくらかの量の伸縮を可能にする材料から作製され得る。非弾性材料、相対的に非弾性の材料、又はカバー440の後部分442の概ね非弾性の特性により、プラスチックコア270の弾性又は伸縮能を変更することができる。コア270の弾性又は伸縮可能な材料とカバー440の非弾性材料とを組み合わせた結果、後部分210は、相対的に非弾性又は実質的に非弾性となり得るものの、有利なレベルの可撓性を提供することができる。カバー440とプラスチックコア270との間の永久接続により、許容できる伸縮量を上回ることがほとんどない相対的に高レベルの可撓性を促進する又は強化することができる。得られる後部分210は、非伸縮性又は実質的に非伸縮性とみなされ得る。本明細書で使用する場合、実質的に非伸縮性のヘッドギア構成要素は、許容できる伸縮量を上回ることはなく、インターフェイスを、所望の治療を送達するための適切な位置において、使用者の顔面上の所定の位置に維持することができる。
いくつかの構成では、編まれた管状カバー440は、本明細書に記載されるプロセス及び材料などの適切な材料を使用した適切な編プロセスによって形成され得る。編まれたカバー440は、サイドストラップ212、上ストラップ230、及び下ストラップ232のうちの1つ以上を含む単一部品として形成され得る。換言すると、編まれたカバー440は、サイドストラップ212から接合部220を介した上及び下ストラップ230、232への分岐を含む単一部品を編むことにより形成され得る。
編まれたカバー440は、金型ツール420の型穴によって部分的に決定されるヘッドギア154の最終形状に近似する又は実質的に一致する形状に編まれ得る。このような構成により、ステッチ構造及び編方向は、金型ツール420の型穴によって決定されるプラスチックコア270の形状に概ね又は実質的に一致する。得られるヘッドギア154の後部分210はプラスチックコア270の曲率に一致する編まれた縁部を有し、平らなシート材料から作られた布帛カバーリングに比べて材料の堆積及び/又は集積を低減することができる。
図1及び図9A~図10を参照すると、上記のように、カバー440の異なる部分442、444は、異なる材料又は異なる材料の組み合わせで作製され得る。例えば、図示される構成では、編まれたカバー440の後部又は非弾性部442は、第1の糸又はフィラメントタイプなどの第1の材料450(例えば、図10の網掛けされた繊維)を使用して作成される。いくつかの構成では、第1の材料450は、ナイロン(例えば、テクスチャードナイロン)である又はナイロン(例えば、テクスチャードナイロン)を含む。テクスチャードナイロンは、使用者の頭部の背面においてバルク及び安定性並びに使用者にとって快適な質感を提供する。図示される構成では、前部分200又はサイドストラップ212では、第2の糸又はフィラメントタイプなどの第2の材料452(例えば、図10の網掛けされていない繊維)を用いる。いくつかの構成では、第2の材料452は、エラスタン材料(例えばLycra)である又はエラスタン材料(例えばLycra)を含む。いくつかの構成では、第2の材料452は、ナイロンが巻かれた(例えば、二重にナイロンが巻かれた)エラスタンである。
図10に示されるように、後部分442と前部分444との間の移行部は、第1の材料450及び第2の材料452の両方を含み得る。移行部において、第1の材料450及び第2の材料452の両方は、特定数の列にわたって編まれている。このようなプロセスは、添え糸編みと呼ばれる。移行部及び添え糸編みの目的は、非弾性部442と弾性部444との間の接合部に補強及び強度を提供することである。いくつかの構成では、添え糸編みは、上ストラップ230又は下ストラップ232のうちの1つの大部分又は全体に及び得る。このような構成は、ストラップ230、232間に異なる質感を提供し得ると共に、使用者が上ストラップ230と下ストラップ232とを区別するのを支援し得る。
いくつかの構成では、カバー440は横方向に編むことができ、1つのサイドストラップ212から始めて、後部分210の上及び下ストラップ230、232に進み、他方のサイドストラップ212で終了する。或いは、カバー440は、上から下に又は下から上に編まれ得る。第1のサイドストラップ212と後部分201との間の移行部において、上ストラップ230又は下ストラップ232のうちの1つに上述の添え糸編み手法が適用され、第2の材料452から第1の材料450に移行することができる。上ストラップ230又は下ストラップ232のうちの1つにおいて、弾性部444の第2の材料452の糸又はフィラメントが切断されると、第1の材料450の追加の糸又はフィラメントが導入されて編まれ、上ストラップ230及び下ストラップ232の他方を形成することができる。後部分210が編まれると、添え糸編み手法は繰り返すことができ、第2のサイドストラップ212は第2の材料452から形成され得る。
図2及び図9A~図9Dを参照すると、ヘッドギア154の異なる部分間(例えば、ストラップ212、230、232間)の区別を容易にするための色、パターン及び/若しくは質感のバリエーションをヘッドギア154に提供するために、又は視覚的若しくは質感的な関心を提供するために、又はこれらの両方のために、カバー440を作製するために使用される材料は様々であり得る。図2及び図9A~図9Dに示されるように、ヘッドギア154の後部分210の一部分又は全体に第1の色を提供してもよく、前部分200の一部分又は全体に第2の異なる色を提供してもよい。図9Dに示されるように、前部分200と後部分210との間の移行部は、段階的移行部として機能するためのストライプ又はバンドなどの更なる色又はデザインを含み得る。更に、前部分200及び後部分210のいずれか又は両方は、複数の色、パターン、又は質感を含み得る。
図9A~図9Cはまた、接合部220の形状の可能なバリエーションを示す。例えば、スロット370(図4)は、ベース部350、移行領域352、又はストラップ230、232の端部280、282、290、292のうちの1つ以上に異なる形状を提供するために異なる形状を取ることができる。スロット370の例示的な形状は、三角形、四辺形(例えば、斜方形、菱形(図9C)、正方形、台形)、五角形(図9A)、その他の多角形、丸形又は円形(図9B)、上記の組み合わせなどを含み得る。代替的な接合部220の更なる例は、図23A~図23Dを参照して本明細書に開示される。
上述のように、マスクアセンブリ150は、マスク152とヘッドギア154との間の異なる運動方向に対して異なる抵抗を提供する1つ以上の方向ロック430を用いる。サイドストラップ212は、マスクアセンブリ150の閉ループ周長の変化を提供すると共に、方向ロック430によって提供される第2の抵抗力に反して閉ループ周長を低減する傾向にある弾性力を提供する。図示される構成では、方向ロック430は、マスクアセンブリ150の各側に位置し、関連サイドストラップ212の一部分と相互作用する。図11及び図12に示されるように、ヘッドギア154は、ヘッドギア154の後部分210に結合され、サイドストラップ212に沿って延び、方向ロック430に係合する長尺状プラスチック部材460を含む(図11)。図示される構成では、長尺状プラスチック部材460は、カバー440内又はカバー440の層260と層262との間に延びる。
図示される長尺状プラスチック部材460は、第1の部分462及び第2の部分464を含む。第1の部分462は相対的により厚い部分であり、第2の部分464は相対的により薄い部分である。第1の部分462と第2の部分464との間の厚みの相対的な差は、1つ又は両方の断面寸法におけるものであり得る。しかしながら、図示される構成では、長尺状プラスチック部材460は一定の厚みを有し、第1の部分462と第2の部分464との間の幅(又は使用中の向きでは高さ)が変化する。第1の部分462は、少なくともカバー440単体と比較して、サイドストラップ212の少なくとも一部分にある程度の剛性を提供することができる。第2の部分464は、方向ロック430と接続し得る。図示される構成では、長尺状プラスチック部材460は矩形又は略矩形断面形状を有する。
図11に示されるように、長尺状プラスチック部材460の第2の部分464は方向ロック430に係合する。方向ロック430は、長尺状プラスチック部材460と方向ロック430との間の異なる相対運動の方向に対して上記の異なる抵抗を生じさせるための任意の適切な構成であり得る。いくつかの構成では、方向ロック430は1つ以上のロック要素470を含み得る。ロック要素470は、支持物又はハウジング472内において移動可能(例えば、枢動可能)であり得る。長尺状プラスチック部材460の第2の部分464は、ハウジング472及びロック要素470の孔を通過する。方向ロック430に対する長尺状プラスチック部材460の運動により、方向ロック430が第1の抵抗力を示す第1の位置と方向ロック430が第2の抵抗力を示す第2の位置との間でロック要素470を移動させることができる。
第2の部分464と反対側の長尺状プラスチック部材460の端部はハブ466を含む。ハブ466は、ヘッドギア154の後部分210に対する長尺状プラスチック部材460の接続を容易にすることができる。ハブ466は後部分210に係合することができる。いくつかの構成では、ハブ466又はハブ466及び長尺状プラスチック部材460の第1の部分462の隣接部は、図11に示されるように、重ね成形されたジョイントにより、後部分210に接合され得る。特に、後部分210のプラスチックコア270は、ハブ466若しくはハブ466及び長尺状プラスチック部材460の第1の部分462の隣接部上に又はこれを覆って重ね成形され得る。ハブ466は、接合部222のベース部350内に位置し得る。いくつかの構成では、ハブ466の長さ467は、約5mm~10mm、約6mm~9mm、約7mm~8mm、又は約7.5mmであり得る。
ハブ466は、一般に、プラスチックコア270の成形又は長尺状プラスチック部材460に対するプラスチックコア270の重ね成形を容易にするように構成され得る。図13~図18を参照すると、ハブ466は、プラスチックコア270を形成する溶融プラスチック材料を受け入れるように構成された入口又はポート480を含み得る。いくつかの構成では、ポート480の直径は、約1mm~5mm、2mm~4mm、又は約3mmであり得る。ハブ466は、内部チャネル又は流路482を含み得る。内部チャネル又は流路482はポート480に接続し、ハブ466の外部表面に開かれている。図示される構成では、流路482はハブ466の全体にわたって幅方向に延びる。いくつかの構成では、流路482の長さ481は、約1mm~5mm、約2mm~4mm、又は約2.5mmであり得る。いくつかの構成では、流路482の厚み又は高さ483は、約0.5mm~3mm、約1mm~2mm、又は約1mmであり得る。ポート480内に受け入れられた溶融プラスチック材料は、流路482を通過しハブ466から出て、プラスチックコア270を作成することができる。
図示される構成では、ハブ466は、第1の壁又はキャップ490と第2の壁又はキャップ492とを含む。第1のキャップ490は、使用中にヘッドギア154の外部側に位置する外部側キャップ490であり得、第2のキャップ492は、使用中にヘッドギア154の内部側に位置する内部側キャップ492であり得る。外部側キャップ490と内部側キャップ492は別々に又は別々の状態で形成され、共に結合されて、ハブ466を形成することができる。例えば、外部側キャップ490は、長尺状プラスチック部材460の第1の部分462に接続され得る。内部側キャップ492は、ヒンジ接続部494によって外部側キャップ490に接続され得る。しかしながら、この構成は逆にすることができる。
上記のように、外部側キャップ490と内部側キャップ492は接続されてハブ466を形成することができる。例えば、外部側キャップ490と内部側キャップ492は、キャップ490とキャップ492の位置合わせ又は接続を容易にするための協働接続又は位置合わせ特徴を含み得る。図示される構成では、外部側キャップ490は、1つ以上(例えば、一対)の位置合わせ又は接続穴500を含み得、内部側キャップ492は、接続穴500内に受け入れられる1つ以上(例えば、一対)の位置合わせ又は接続ピン502を含み得る。しかしながら、この構成もまた逆にすることができる。
ハブ466は、外部側キャップ490と内部側キャップ492が図13に示されるように同一平面上にある向きに配置された状態で成形され得る或いは作製され得る。成形後、内部側キャップ492は、ヒンジ494を曲げることにより外部側キャップ490に接続されて、図14~図18に示されるようなハブ466を作成することができる。図示される構成では、外部側キャップ490及び内部側キャップ492のそれぞれは、流路482の深さの一部分を画定する。しかしながら、他の構成では、外部側キャップ490及び内部側キャップ492のいずれか一方が、流路482の深さの全体を画定し得る。
図19及び図20を参照すると、長尺状プラスチック部材460は、プラスチックコア270と重ね成形する前に、カバー440に挿入される。図19及び図20では、明確化のために、サイドストラップ212の一部分は切り取られている(破線で示される)。特に、長尺状プラスチック部材460は、図19の矢印により示されるように、カバー440のサイドストラップ部444の開いた前方端部に挿入され得る。プラスチックコア270の接合部220を取り囲むカバー440の部分は、ハブ466のポート480と同様の大きさ及び/若しくは形状又はハブ466のポート480よりもわずかに小さな大きさ及び/若しくは形状を有する孔510を含み得る。他の構成では、孔510は、大きさ及び/又は形状がポート480よりもわずかに大きくされ得る。他の構成では、孔510は省略することができ、溶融プラスチック材料は、編まれたカバー440を直接通過することができる、又は成形器具(例えば、注入針)の一部分が編まれたカバー440の糸間の間隙などを通り、編まれたカバー440を通過することができる。孔510は、編プロセスによって又は編プロセスの後に作成され得る。長尺状プラスチック部材460は、図20に示されるように、ポート480が孔510と位置合わせされるように、カバー440内に配置される。
カバー220及び長尺状プラスチック部材460は、図8の金型ツール420などの金型ツール内に配置され得る。長尺状プラスチック部材460は、金型ツール420内における長尺状プラスチック部材460の位置決め又は適切な位置を維持することを支援するための特徴を含み得る。例えば、ハブ466に隣接する長尺状プラスチック部材460の第1の部分462は、1つ以上の位置合わせ特徴又は位置合わせ穴512を含み得る。1つ以上の位置合わせ特徴又は位置合わせ穴512は、金型ツール420内の適切な構造体(例えば、ピン又は突出部)と協働して、長尺状プラスチック部材460を型穴422内の所望の位置に固定する。
金型ツール420は、孔510とハブ466のポート480とに位置合わせされる型穴422の入口又はランナ(図示せず)を画定し得る。プラスチックコア270を形成する溶融プラスチック材料は、入口又はランナを通して型穴422に導入され、孔510、ポート480及び流路482を通過し、カバー440の後部分442の層260と層262との間の空間に入り、カバー440内のプラスチックコア270を形成することができる。ポート480に対向して位置する内部側キャップ392は、入口又はランナから直接注入された溶融プラスチックが、編まれたカバーを貫通することを阻止する又は防止することができる。図20は、プラスチックコア270が内部に形成され、カバー440の後部分442に永久接続されたヘッドギアの後部分210を示す。マスク152のフレーム156に接続するための適切なコネクタ(図示せず)が、プラスチックコア270の形成と同じ又は異なるプロセスで行われ得る重ね成形などの任意の適切な構成又はプロセスによって、カバー440のサイドストラップ部444の自由端に結合され得る。
図21は、代替的なハブ466を有する長尺状プラスチック部材460の代替的な実施形態を示す。他の点においては、長尺状プラスチック部材460は、上述の長尺状プラスチック部材460と同じ又は同様であり得る。図21のハブ466は、前実施形態の外部側キャップ490に概ね対応し得る単一壁490を含む。少なくともいくつかの条件下では、溶融プラスチックの流れを遮断する又は方向転換するための内部側キャップ492又はポート480に対向する他の構造を有する必要がない場合がある。このような状況では、簡略化されたハブ466構成を使用することができる。
図22は、単一の円形スロット370を含む代替的な接合部220を示す。円形スロット370は、接合部220のベース部350と各上ストラップ230及び下ストラップ232との間に移行領域352を形成する。図示される構成では、円形スロット370は、移行領域352を形成する丸みのある縁部371を有し得る。移行領域352は、上述の実施形態と同じ又は類似の調節特性を有するヘッドギア154の後部分210を提供することができる。
図23A~図23Dは、上述の実施形態と同じ又は類似の調節特性を同じく提供し得る追加の更なる代替的な接合部220を示す。図23Aの接合部220は、接合部220のベース部350と各上ストラップ230及び下ストラップ232との間の移行領域352及びフレックス領域354を作成する略三角形のスロット370を含む。図23Bの接合部220は、接合部220のベース部350と各上ストラップ230及び下ストラップ232との間の移行領域352及びフレックス領域354を作成する略菱形のスロット370を含む。図23Cの接合部220は、接合部220のベース部350と各上ストラップ230及び下ストラップ232との間の移行領域352及びフレックス領域354を作成する略五角形のスロット370を含む。図23Dの接合部220は、接合部220のベース部350と各上ストラップ230及び下ストラップ232との間の移行領域352及びフレックス領域354を作成する略円形スロット370を含む。図23dの接合部220は、移行領域352とストラップ230、232との間の移行がより緩やかである。
ヘッドギア154の後部分210Aの別の構成が図24~図26に示されている。図24~図26は、図2~図20を参照して説明した後部分210に類似する後部分210Aの構成を示し、類似の特徴を有し得る。同じ、実質的に同じ、又は対応する特徴の参照番号は、同じ最初の3桁を共有する場合がある。本明細書の任意の構成において開示される任意の構成要素は、任意の他の構成で使用され得る。
上記のように、少なくとも後部分210Aは、成形された複合構造体として作製され得る。図示される構成では、図24~図26に示されるように、上ストラップ230Aと下ストラップ232Aと接合部220Aとを含む、後部分210Aは、少なくとも1つの布帛層(例えば、2つの布帛層)を含み得る布帛カバー440Aを有し、プラスチックコア270Aが布帛カバー440A内に位置する成形された複合構造体であり得る。図24~図26では、内部プラスチックコア270A及び外部布帛カバー440Aは実線で示されているが、プラスチックコア270Aは、前の構成と同様に、布帛カバー440Aの内部にあると理解される。後部分210Aは、溶融プラスチックを金型内の布帛カバー440A内の空間に適用し、溶融プラスチックを硬化させて、型穴の形状に対応する形状のプラスチックコア270Aを形成することにより一体構造体として形成され得る。布帛カバー440Aの2つの布帛層は互いに別個のものであり得、プラスチックコア270Aを介して接合され得る又は接続され得る(例えば、プラスチックコア270Aを包囲する管状構造体)。後部分210Aの複合構造体については、以下で更に詳細に説明する。
図示される構成では、プラスチックコア270Aは、例えば、使用者の頭部の形状に近似する又は一致するように構成された曲線を持つ3次元プラスチックコア270Aを形成する予め形成された起伏が付けられた金型ツールを使用して3次元形状に成形され得る。この3次元ツールは、後部分210Aの異なる部分が互いに連続して形成されるように、プラスチックコア270Aを3次元形状に成形することを可能にする。例えば、上ストラップ230Aと下ストラップ232Aは、接続される又は組み合わされる必要がある2つ以上の部品で形成されるのではなく、連続的である。連続的なストラップ230A、232Aは、後部分210Aが使用中により快適になり得るように、後部分210Aが滑らかで連続的な表面を有することを可能にする。いくつかの構成では、複数のストラップ212A、230A、232Aのうちの1つ以上は、ストラップ212A、230A、232Aが伸縮する若しくは曲がる能力を有しない又はそのような能力が限定されるように、非弾性であるように構成され得る。いくつかの構成では、後部分210Aの使用者接触面は、使用者の快適性を高めるために厚みの変化がほとんどない面一の表面を有し得る。
いくつかの構成では、上ストラップ230Aと下ストラップ232Aは、典型的な使用者の頭部形状により良好に適応する及び/又は使用者の頭部上におけるストラップ230A、232Aの適切な位置づけを容易にするために、互いに異なる長さ及び/又は幅を有し得る。上記のように及び図24及び図25に示されるように、上ストラップ230Aは、下ストラップ232Aの第2の長さ又は下ストラップ長さ294Aと異なり得る第1の長さ又は上ストラップ長さ284Aを含み得る。図示される構成では、下ストラップ長さ294Aは、上ストラップ長さ284Aよりも大きくされてもよい。いくつかの構成では、下ストラップ長さ294Aは、約150mm~350mm、約175mm~325mm、約200mm~300mm、約225mm~275mm、又は約254mmであり得る。いくつかの構成では、上ストラップ長さ284Aは、約140mm~340mm、約160mm~320mm、約180m~300mm、約200mm~280mm、約220mm~260mm、又は約241mmであり得る。いくつかの構成では、上ストラップ長さ284Aに対する下ストラップ長さ294Aの比率は、約1.0~1.3、約1.1~1.2、又は約1.054であり得る。他の構成では、上ストラップ長さ284Aは、下ストラップ長さ294Aよりも大きくされ得る、又は2つの長さ284A、294Aは等しくされ得る又は実質的に等しくされ得る。
いくつかの構成では、上ストラップ230Aの幅300Aと下ストラップ232Aの幅302Aは等しくされ得る又は実質的に等しくされ得る。いくつかの構成では、幅300A、302Aは、約10mm~20mm、約12mm~18mm、約14mm~18mm、又は約14mmであり得る。これらの幅300A、302Aは、ストラップ230A、232Aの最小幅、最大幅又は平均幅であり得る。しかしながら、他の構成では、ストラップ230A、232Aの幅300A、302Aは互いに異なり得る。即ち、上ストラップ230Aの幅300Aは、下ストラップ232Aの幅302Aよりも小さく又は大きくされ得る。
いくつかの構成では、後部分210Aは、異なる頭囲を有する使用者に適応するために異なる大きさを含み得る。例えば、後部分210Aは、以下のサイズ、即ち、極小(XS)、小(S)、中(M)、大(L)、及び極大(XL)のうちの2つ以上を含み得る。極大後部分210Aの上及び下ストラップ230A、232Aの長さ及び/又は幅は、極小後部分の上及び下ストラップ230A、232Aの長さ及び/又は幅よりも大きくてもよい。
いくつかの構成では、上ストラップ230A及び/又は下ストラップ232Aは、ストラップ230A、232Aの隣接部よりも大きい厚みを有し得る相対的により硬い又は強化された部分(即ち、主ストラップ部380A)を含み得る。これらの構成では、上ストラップ230A及び/又は下ストラップ232Aは、主ストラップ部380Aよりも薄い厚みを有し得る1つ以上の相対的により硬くない部分(即ち、フランジ部382A)を含み得る。図24及び図25に示されるように、下ストラップ232Aの中央部312Aは、主ストラップ部380Aによって画定され得る。フランジ部382Aは、主ストラップ部380Aの両側部に配置され得る。主ストラップ部380Aの長さは、約40mm~60mm、約45mm~55mm、又は約53mmであり得る。いくつかの構成では、ストラップ230A、232Aの1つのみが、相対的により硬い又は強化された部分(即ち、主ストラップ部380A)を含む。図示される構成では、下ストラップ232Aのみが、相対的により硬い又は強化された部分(即ち、主ストラップ部380A)を含む。この構成は、使用者が使用時に後部分210Aの正しい向きを判断するのを支援する触覚及び視覚的な向き特徴を提供する。しかしながら、他の構成においては、配置は、上ストラップ230Aのみが、相対的により硬い又は強化された部分(即ち、主ストラップ部380A)を含むように、逆にすることができる。
図26は、上ストラップ230Aと下ストラップ232Aとサイドストラップ212Aとの間の接合部220Aの拡大図を示す。図示される構成では、接合部220Aは、プラスチックコア270Aによって画定される実質的にU字形のスロット370Aを含み得、接合部220Aのベース部350Aと上ストラップ230A及び下ストラップ232Aの1つとの間に移行領域352A、352B及びフレックス領域354A、354B(図25)を作成する。いくつかの構成では、上ストラップ230Aの第1の移行領域352Aの幅362Aは、下ストラップ232Aの移行領域352Bの幅362Bと異なり得る。例えば、第1の移行領域352Aの幅362Aは、第2の移行領域352Bの幅362Bよりも小さくてもよい又は大きくてもよい。いくつかの構成では、移行領域352A、352Bの相対的な幅は、プラスチックコア270Aによって画定される各ストラップ230A、232Aの相対的な体積に関連し又は比例し、この差は、長さ及び/又は厚みの差に関連し得る。即ち、より大きな体積のプラスチック材料を有するストラップ230A、232Aは、より大きな幅362A、362Bの移行領域352A、352Bを有し得る。いくつかの構成では、第1の移行領域352Aの幅362Aは約3.5mmであってもよく、第2の移行領域352Bの幅362Bは約4mmであってもよい。製造時、第2の移行領域352Bのより大きな幅362Bは、ポート480Aからの溶融プラスチック材料のより大きな流れを促進し得る。これは、主ストラップ部380Aを有するより長い下ストラップ232Aを形成するために必要な場合がある。
いくつかの構成では、図26に示されるように、編まれたカバー440Aは、編まれたカバー440Aの長さにわたって一定又はほぼ一定の幅を含み得る。編まれたカバー440Aの一定又はほぼ一定の幅により、編プロセスにかかる時間を低減することができる。更に、上記のように、プラスチックコア270Aの移行領域352A、352Bは、接合部220Aのベース部350A及び/又は上ストラップ230A及び/若しくは下ストラップ232Aに対して低減された幅362A、362B(図25)を有し得る。いくつかの構成では、編まれたカバー440Aが移行領域352A、352Bに沿って滑らかな曲線を有するように、編まれたカバー440Aは、移行領域352A、352Bにわずかなテーパを有し得る。例えば、編まれたカバー440Aの最広部から最狭部への、編まれたカバー440Aの幅の減少は、約10%~30%又は約15%~25%であり得る。製造中、編まれたカバー440Aの幅は、例えば、接合部220Aのベースにおける編まれたカバー440Aの長さを最小限にするために、編まれたカバー440Aのニットを上ストラップ230Aと下ストラップ232Aとが接触する接合部220Aに向かって締め付けることによりテーパし得る。
いくつかの構成では、編まれたカバー440Aは、移行領域352A、352Bのそれぞれに隣接する布帛フラップ602、604を形成し得る。各布帛フラップ602、604は、プラスチックコア270Aによって支持されておらず、対応するストラップ230A、232Aの幅に対して幅が大きい、編まれたカバー440Aの領域である。いくつかの構成では、カバー440Aは、内部突出縁部410A(即ち、上ストラップ230Aの下縁部及び下ストラップ232Aの上縁部)及び外部突出縁部410B(即ち、上ストラップ230Aの上縁部及び下ストラップ232Aの下縁部)を含み得る。いくつかの構成では、布帛フラップ602、604は、突出縁部410A、410Bと同じ又は類似のプロセスを使用して形成され得る。いくつかの構成では、布帛フラップ602、604は、内部突出縁部410Aと連続し得る。いくつかの構成では、布帛フラップ602、604の幅606は、突出縁部410A、410Bの幅よりも大きくされ得る。好ましくは、各布帛フラップ602、604は、突出縁部410A、410Bのいずれか1つよりも大幅に広く、いくつかの構成では、突出縁部410A、410Bのいずれか1つの少なくとも2倍の広さであってもよい。いくつかの構成では、各布帛フラップ602、604は、布帛フラップ602、604に対応するいずれかの位置における対応するストラップ230A、232Aの幅の少なくとも約4分の1、少なくとも約3分の1若しくは少なくとも約2分の1である、又は対応するストラップ230A、232Aの最大幅である。例えば、布帛フラップ602、604の幅606は、約2mm~7mm、約3mm~6mm、約4mm~6mm、又は約5.8mmであり得る。いくつかの構成では、布帛フラップ602、604は、約15mm~40mm、約20mm~35mm、約25mm~30mm、又は約26mmの長さ608(例えば、接合部220と突出縁部410との間の)を有し得る。いくつかの構成では、布帛フラップ602、604の幅606は、編まれたカバー440Aが1つの部分から別の部分に(例えば、布帛フラップ602、604から突出縁部410Aに)滑らかに移行するように、布帛フラップ602、604の長さ608に沿って変化し得る。
ハブ466Aの別の構成が図27~図29に示される。図27~図29は、図11~図21を参照して説明した類似の特徴を有し得るハブ466に類似するハブ466Aの構成を示す。同じ、実質的に同じ、又は対応する特徴の参照番号は、同じ最初の3桁を共有する場合がある。本明細書の任意の構成において開示される任意の構成要素は任意の他の構成で使用され得る。
図27~図29を参照すると、ハブ466Aは実質的に矩形を含み得る。例えば、ハブ466Aの長さ712、716はハブ466Aの幅717よりも大きくされ得る。いくつかの構成では、ハブ466Aの長さ712、716は、約10mm~15mm、約12mm~14mm、又は約13mmであり得る。いくつかの構成では、ハブ466Aの幅717は、約5mm~10mm、約7mm~8mm、又は約9mmであり得る。いくつかの構成では、ハブ466Aの厚み718は、約1mm~5mm、約2mm~4mm、又は約2mmであり得る。いくつかの構成では、ポート480Aの直径は、約1mm~5mm、約2mm~4mm、又は約2mmであり得る。図示される構成に示されるように、ポート480Aは、ポート480Aが接合部220A(図26)の中央の位置又はこれに近い位置と位置合わせされるように、ハブ466Aに配置され得る。いくつかの構成では、ポート480はハブ466の他の場所に配置され得る。
いくつかの構成では、ハブ466Aは、第1の側部部分702及び第2の側部部分704を含み得る。ハブ466Aは、使用される際に製品の任意の向きにおいて使用され得る。いくつかの構成では、ハブ466Aの第1の側部部分702は、相対的に下向きに又は下ストラップ232Aと同じ側に方向付けることができ、ハブ466Aの第2の側部部分702は、相対的に上向きに又は上ストラップ234Aと同じ側に方向付けることができ、その逆もまた然りである。換言すると、第1の側部部分702は、長尺状プラスチック部材460Aの長手方向軸線706の一方の側にあることができ、第2の側部部分704は他方の側にあることができる。いくつかの構成では、(図27及び図28に示される向きに対する)ハブ466Aの垂直の向きは、ヘッドギア154の一方の側から他方の側へと反転させる又は逆向きにすることができる。このような構成により、ハブ466Aを含む単一の長尺状プラスチック部材460Aを、ヘッドギア154の各側で使用することを可能にし、これにより、ヘッドギア154の各側に異なるハブ466Aを使用する設計と比較して、製造及び保管コストが低下すると共に、製造プロセスが簡略化される。
いくつかの構成では、ハブ466Aは、1つ以上の軸線に対して又はハブ466Aの1つ以上の方向において非対称であり得る。例えば、ハブ466Aは、長尺状プラスチック部材460Aの長手方向軸線706に沿って又はその周りで非対称であり得る。例えば、第1及び第2の側部部分702、704は、各々の幅710、712及び長さ714、716を有し得る。第1の側部部分702の第1の幅710及び第1の長さ712は、第2の側部部分704の第2の幅714及び第2の長さ716よりも大きくされ得る。或いは、第2の幅714及び第2の長さ716は、第1の幅710及び第1の長さ712よりも大きくされ得る、第1の幅710及び第1の長さ712と同じ、又は実質的に同じであり得る。いくつかの構成では、第1の幅710は、約2mm~5mm、約3mm~4mm、又は約3.25mmであり得る。いくつかの構成では、第1の長さ712は、約10mm~15mm、約12mm~13mm、又は約13mmであり得る。いくつかの構成では、第2の幅714は、約1mm~4mm、約2mm~3mm、又は約2.25mmであり得る。いくつかの構成では、第2の長さ716は、約10mm~15mm、約11mm~14mm、又は約11.25mmであり得る。いくつかの構成では、ハブは、第1又は第2の側部部分702、704の長さ712、716の中央を通って延びるハブ466Aの垂直軸線の周りで非対称であり得る。いくつかの構成では、ハブは、長尺状プラスチック部材460Aの第1の部分462Aの長手方向軸線706及びハブ466Aの垂直軸線の両方の周りで非対称であり得る。
図示される構成に示されるように、第2の側部部分704は、方向付け切欠部708を含み得る及び/又は第1の側部部分702は方向付けキー709を含み得る。いくつかの構成では、ハブ466Aは、長尺状プラスチック部材460Aの第1の部分462Aと一体化され得る又はこれに取り付けられ得る第1の端部701と第2の端部703とを含み得る。図示される構成では、ハブ466Aの第1の端部701は、第1及び第2の側部部分702、704のそれぞれに沿って連続的であり得る。また、ハブ466Aの第2の端部703は、第1の側部部分702の第2の端部711が第2の側部部分704の第2の端部713からオフセットするように、オフセット707を含み得る。いくつかの構成では、ハブ466Aの第2の端部703は連続的であり得るが、ハブ466Aの第1の端部701はオフセットを含み得る。いくつかの構成では、両端部701、703は連続的であり得る又はオフセットを含み得る。製造中、ハブ466Aと長尺状プラスチック部材460Aの第1の部分462Aは、ハブ466Aをプラスチックコア270Aに重ね成形するために、上述の3次元金型ツール又は図8に関連して説明した金型ツール420の型穴に入れられ得る。この重ね成形プロセスは、本開示の別の場所に記載されている重ね成形プロセスと同じであり得る又は類似し得る。方向付け切欠部708、方向付けキー709及び/又はハブ466Aの非対称性により、長尺状プラスチック部材460Aが不正確に組み立てられるリスクを低下させることができる。例えば、ハブ466Aの非対称性により、図27及び図28に示される2つの向きに関する誤った向きを防止することができる。更に、上記のように、ハブ466Aの向きは、ヘッドギア154の各側で異なり得る。
ヘッドギア154のサイドストラップ212Aの別の構成が図30A~図32に示されている。この構成のサイドストラップ212Aと前述の構成との違いは、以下で詳述する支持構造体728が付加されていることである。
いくつかの構成では、支持構造体728は、ヘッドギア154の後部分210Aに取り付けられ得る。例えば、図30A~図30Dを参照すると、長尺状プラスチック部材460Aは、支持構造体728と係合され得る、支持構造体728によって支持され得る、又は支持構造体728によって少なくとも部分的に拘束され得る。例えば、支持構造体728は、剛性又は半剛性材料(例えば、プラスチック)を含み得、その長さを通して延びるチャネルを有する長尺体を有し得る。長尺状プラスチック部材460Aは、チャネルを通過することができ、支持構造体728は、長尺状プラスチック部材460Aの少なくとも一部分を拘束することができる。いくつかの構成では、支持構造体728は、内側カラー724及び外側カラー720を含み得る。装着されたときに、内側カラー724は、支持構造体728の内側に配置され得、外側カラー720は、支持構造体728の外側に配置され得る。以下に詳述するように、使用者は、サイドストラップ212Aの長さを変えるために、長尺状プラスチック部材460Aを支持構造体728内で移動させることができる。
いくつかの構成では、編まれたカバー440Aは、支持構造体728を内包することができる。いくつかの構成では、編まれたカバー440Aは、長尺状プラスチック部材460A及び/又は支持構造体728の一部分(例えば、一方の側)を覆うことができる。いくつかの構成では、支持構造体728は、矩形断面と、使用者の顔面と逆に面する外部側730と、使用者の顔面に面する内部側(図示せず)とを含み得る。支持構造体728の内部側は中実の壁を有し得る一方で、支持構造体728の外部側730は、支持構造体728の長さの一部に延びる開口部734を有し得る。例えば、開口部734は、内側カラー720と外側カラー724との間の長さの間に延び得る。
図28~図30Dを参照すると、いくつかの構成では、ハブ466Aの外部表面736は、長尺状プラスチック部材460Aの第1の部分462Aの外部表面738と厚さ方向に位置合わせされ得る又は連続し得る。いくつかの構成では、図29に示されるように、ハブ466Aの内部表面740は、長尺状プラスチック部材460Aの第1の部分462Aの内部表面742からオフセットし得る。2つの内部表面740、742間のオフセットにより、高さの段階を作ることができ、これにより、以下に詳述するように、支持構造体728が当接することができる当接壁746を作成することができる。いくつかの構成では、ハブ466Aの少なくとも一部分は、重ね成形された後部分210によって覆われていない。例えば、図26に示されるように、ハブ466Aの外側部分は、当接壁746が接合部220Aの内側壁を越えて延びることができるように、接合部220Aと重ね成形され得る。いくつかの構成では、外部表面736、738は互いにオフセットし得るが、内部表面740、742は互いに連続し得る。いくつかの構成では、外部表面736、738及び内部表面740、742の両方が、互いにオフセットし得る又は互いに連続し得る。
上記のように及び図31及び図32を参照すると、長尺状プラスチック部材460Aは、相対的により広い第1の部分462Aと相対的により狭い第2の部分464Aとを含み得る。いくつかの構成では、第1の部分462Aは、約3.5mmの幅を有し得る一方で、第2の部分464Aは、約0.86mmの幅を有し得る。いくつかの構成では、長尺状プラスチック部材460Aは、第1の部分462Aと第2の部分464Aとの間に、長尺状プラスチック部材460Aの幅がより広い第1の部分462Aからより狭い第2の部分464Aにテーパする移行領域748を含み得る。一例では、移行領域748を含む第1の部分462Aの長さは約100mmであり得、第2の部分464Aの長さは約95mmであり得る。しかしながら、これらの長さは、方向ロック430の他の特徴に応じて可変であり得る。
図示される構成では、長尺状プラスチック部材460Aは、支持構造体728と係合するように構成された機械的停止特徴726を含み得る。図30A及び図30Cは、サイドストラップ212Aが最小長さである及び/又は支持構造体728の外側カラー720がハブ466Aに当接している完全に引き込まれた構成にあるサイドストラップ212Aを示す。図30Dは、サイドストラップ212Aが部分的に延びた長さである部分的に延びた構成にあるサイドストラップ212Aを示す。図30B及び図31は、サイドストラップ212Aが最大長さである及び/又は機械的停止特徴726が支持構造体728の外側カラー720に当接している完全に延びた構成にあるサイドストラップ212Aを示す。いくつかの構成では、機械的停止特徴726は、第1の部分462Aと第2の部分464Aとの間に配置され得る。機械的停止特徴726は、移行領域748に又はその近辺に配置され得る。いくつかの構成では、機械的停止特徴726は剛性の構成を有することができ、長尺状プラスチック部材460Aから半径方向外向きに突出する突出部、出っ張り、突起、バー、又はリブである。図示される例では、機械的停止特徴726は、傾斜縁部727及び歯状縁部725を有し得る。製造中、長尺状プラスチック部材460Aの第2の部分464Aは、支持構造体728のカラー720、724に通過させることができる。傾斜縁部727は、第1の部分462Aも外側カラー720に通過させることを可能にし得る。
いくつかの構成では、支持構造体728の外側カラー720は長尺状プラスチック部材460Aと係合し、長尺状プラスチック部材460Aを拘束するように構成され得る。例えば、図30Aに示される完全に引き込まれた構成において、外側カラー720の外側壁は、当接壁746(図29)とハブ466Aの第1の側部702とに当接し、長尺状プラスチック部材460Aが方向ロック430を通して引き込み方向に更に引っ張られることを阻止することができる。この当接は、長尺状プラスチック部材460Aが方向ロック430を通して延びることができる量の非弾性限界を形成し得る。換言すると、この限界は、カバー440(図2)の弾性部444の弾性特性に依存しない場合がある。更に、この位置において、サイドストラップ212Aはその最小長さであり得、ヘッドギアは最小ヘッドギアサイズであり得る。いくつかの構成では、図30Bに示されるように、長尺状プラスチック部材460Aは、停止部726の歯状縁部725が外側カラー720の内側壁に当接するまで方向ロック430の第1の抵抗に打ち勝つことにより延長方向に移動し得る。この当接により、長尺状プラスチック部材460Aが方向ロック430から引かれ得る量を制限することができる。更に、この位置において、サイドストラップ212Aはその最大長さであり得、ヘッドギアは最大ヘッドギアサイズであり得る。全般的に類似の構造を有し、類似の用途で使用される長尺状部材(例えば、フィラメント)、支持構造体、及び機械的停止特徴の例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2020/096467号パンフレットに開示されている。
図示される構成では、外側カラー720の両側は、長尺状プラスチック部材460Aの最小位置及び最大位置を画定する(ハブ466A及び機械的停止部726との相互作用により)。しかしながら、長尺状プラスチック部材460Aの任意の適切な表面と支持構造体728との間の相互作用、係合、又は物理的接触が最小及び最大位置又は範囲を画定する他の構成も可能である。例えば、カラー720、724と機械的停止部726との間の当接が長尺状プラスチック部材460Aの運動を制限するように構成されるように長尺状プラスチック部材460Aをこれらのカラー720、724に滑り込ませると、機械的停止部726は、カラー720、724に当接するように構成され得る。例えば、機械的停止部726は、完全に引き込まれた位置において、内側カラー724の外側壁に当接し、長尺状プラスチック部材460Aが方向ロック430を通して引き込み方向に更に引かれることを阻止するように構成され得る。
結論
本明細書に記載される実施形態には多くの変更及び修正を施すことができることは強調されるべきであり、その要素は、とりわけ許容可能な例として理解されるべきである。そのような修正及び変更は全て、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。更に、本明細書に記載される工程のいずれも、同時に又は本明細書で順序付けられた工程とは異なる順序で実施され得る。更に、明らかなように、本明細書に開示される特定の実施形態の特徴及び特性は、異なる手法で組み合わせて更なる実施形態を形成することができ、これらは全て、本開示の範囲内にある。
本明細書で使用される条件付きの文言、例えばとりわけ、「~できる(can)」、「~得る(could)」、「~かもしれない(might)」、「~てもよい(may)」、「例えば(e.g.)」などは、特に明示されない限り、又は使用される文脈内で理解される限り、その特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含み、他の実施形態が含まないことを伝えることを一般に目的とする。したがって、このような条件付きの文言は、特徴、要素及び/又は状態が1つ以上の実施形態に何としても必要であること、又は考案者の入力若しくは指示を伴って若しくは伴わずに、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が含まれるかどうか、又は任意の特定の実施形態において実施されるかどうかを決定するための論理を1つ以上の実施形態が必ずしも含むことを示唆することを一般に目的とするものではない。
更に、本明細書では以下の用語が使用されている場合がある。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で別段の明確な指示のない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、項目への言及は、1つ以上の項目への言及を含む。用語「1つ(ones)」は、1つ、2つ以上を指し、一般に、数量のいくつか又は全ての選択に適用される。用語「複数(plurality)」は、2つ以上の項目を指す。用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、数量、寸法、大きさ、形式、パラメータ、形状、及び他の特性が正確である必要はなく、当業者に周知の許容可能な公差、変換効率、四捨五入、測定誤差など及び他の要素を反映して、所望のとおりに、近似され得る及び/又は大きく若しくは小さくされ得ることを意味する。用語「実質的に(substantially)」は、列挙した特性、パラメータ、又は値が正確に達成される必要はないものの、例えば、公差、測定誤差、計測精度限界、及び当業者に周知の他の要素を含む偏差又は変動が、その特性が提供しようとする効果を排除しない量において発生し得ることを意味する。
本明細書では、数値データは、範囲形式で表現又は提示される場合がある。そのような範囲形式は単に利便性及び簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙される数値を含むように柔軟に解釈されるのみならず、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されたかのごとく、その範囲内に包含される個々の数値又は部分範囲の全てを含むようにも解釈されるべきであることは理解されたい。例として、「約1~5」の数値範囲は、約1~約5の明示的に列挙した値を含むものと解釈されるべきのみならず、示された範囲内の個々の値及び部分範囲を含むようにも解釈されるべきである。したがって、この数値範囲に含まれるのは、2、3及び4などの個々の値並びに例えば「約1~約3」、「約2~約4」及び「約3~約5」、「1~3」、「2~4」、「3~5」などの部分範囲である。この同じ原則が1つの数値のみを示す範囲(例えば、「約1よりも大きい」)にも適用され、範囲の広さ又は記載されている特性を問わず適用されるべきである。利便性のため、複数の項目が共通のリスト内に示される場合がある。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個の及び固有の要素として個々に識別されるかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストの個々の要素は、それと反対の指示なくして、それらが共通グループ内に提示されていることのみに基づいて同じリストの任意の他の要素の事実上の均等物として解釈されるべきではない。更に、用語「及び」及び「又は」が項目のリストと共に使用される場合、これらは、列挙された項目のいずれか1つ以上が単独で、又は他の列挙された項目と組み合わせて使用され得るという点で、広義に解釈されるものとする。用語「代替的に(alternatively)」は、文脈で明示的に示されることのない限り、2つ以上の選択肢の1つを選択することを指し、選択を、列挙された選択肢のみに、又は一度に、列挙された選択肢の1つのみに限定することを意図するものではない。