[go: up one dir, main page]

JP2023176740A - 有機リン化合物の製造方法 - Google Patents

有機リン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023176740A
JP2023176740A JP2022089178A JP2022089178A JP2023176740A JP 2023176740 A JP2023176740 A JP 2023176740A JP 2022089178 A JP2022089178 A JP 2022089178A JP 2022089178 A JP2022089178 A JP 2022089178A JP 2023176740 A JP2023176740 A JP 2023176740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
organic phosphorus
group
phosphorus compound
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022089178A
Other languages
English (en)
Inventor
務 高嶋
Tsutomu Takashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Eneos Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eneos Corp filed Critical Eneos Corp
Priority to JP2022089178A priority Critical patent/JP2023176740A/ja
Publication of JP2023176740A publication Critical patent/JP2023176740A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】収率が高く、製造コストを低減できる有機リン化合物の製造方法の提供。
【解決手段】特定の化合物と有機リチウム化合物とを反応させて、Liを有するジフェニルホスフィン化合物を得る工程と、該化合物と、ジハロホスフィン化合物とを反応させて、式(4)で表される有機リン化合物を得る工程と、を含む有機リン化合物の製造方法である。
Figure 2023176740000027

(式中、RおよびRは、H、または連結基を介して芳香環を形成してもよい;Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機リン化合物の製造方法に関する。
有機リン化合物は、例えば、難燃剤、可塑剤、殺虫剤、医農薬、金属錯体の配位子等の様々な製品に幅広く使用されている化学物質である。特に、有機リン化合物は、機能性材料として電子材料分野等の様々な分野において工業的に注目されている。近年では、鉄系触媒の配位子として様々な有機リン化合物の開発が行われている。
例えば、非特許文献1では、原料として(2-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンを用いたビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの合成方法が開示されている。
Organometallics 2015, 34, 5009-5014
しかし、特許文献1に記載の合成方法では、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの収率が36%と低かった。そのため、製造コストが高く、実用化には改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、収率が高く、製造コストを低減できる有機リン化合物の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、反応工程を工夫することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記式(1):
Figure 2023176740000001
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、または、連結基を介して芳香環を形成してもよい。)
で表される化合物と有機リチウム化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上-50℃以下の温度で反応させて、下記式(2):
Figure 2023176740000002
(式(2)中、RおよびRは、式(1)と同様である。)
で表される化合物を得る第1の工程と、
前記第1の工程で得られた上記式(2)で表される化合物と、下記式(3):
Figure 2023176740000003
(式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す。)
で表される化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上0℃以下の温度下で反応させた後、前記有機溶媒の還流温度で反応させて、下記式(4):
Figure 2023176740000004
(式(4)中、RおよびRは、式(2)と同様であり、Rは、式(3)と同様である。)
で表される有機リン化合物を得る第2の工程と、
を含む、有機リン化合物の製造方法。
[2] 前記有機リチウム化合物が、ブチルリチウムである、[1]に記載の有機リン化合物の製造方法。
[3] 前記第1の工程における有機溶媒が、エーテル系溶媒を含む、[1]または[2]に記載の有機リン化合物の製造方法。
[4] 前記第2の工程における有機溶媒が、エーテル系溶媒を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の有機リン化合物の製造方法。
[5] 前記第2の工程において、前記有機溶媒の還流温度が20℃以上90℃以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の有機リン化合物の製造方法。
[6] 前記第2の工程での反応時間が0.1時間以上5時間以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の有機リン化合物の製造方法。
[7] 前記第2の工程において、反応系内に飽和食塩水およびアルコール性水溶液の少なくとも1種を添加して反応を失活させる、[1]~[6]のいずれかに記載の有機リン化合物の製造方法。
[8] 前記第2の工程で得られた上記式(4)で表される化合物を精製する第3の工程をさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の有機リン化合物の製造方法。
本発明によれば、収率が高く、製造コストを低減できる有機リン化合物の製造方法を提供することができる。
[有機リン化合物の製造方法]
本発明による有機リン化合物の製造方法は、第1の工程および第2の工程を含むものであり、第3の工程をさらに含んでもよい。以下、各工程について詳述する。
(第1の工程)
第1の工程は、下記式(1):
Figure 2023176740000005
で表される化合物と有機リチウム化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上-50℃以下の温度で反応させて、下記式(2):
Figure 2023176740000006
(式(2)中、RおよびRは、式(1)と同様である。)
で表される化合物を得る工程である。
上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、または、連結基を介して芳香環を形成してもよい。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、およびアントラセン環が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
上記式(1)で表される原料化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023176740000007
有機リチウム化合物としては、アルキルリチウムを用いることが好ましい。アルキルリチウムのアルキル基の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4である。アルキル基は、直鎖状および分岐鎖状のいずれであってもよい。アルキルリチウムとしては、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム(n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム)が挙げられる。ブチルリチウムの中でも、反応性の観点から、n-ブチルリチウムを用いることが好ましい。
第1の工程における雰囲気としては、特に限定されないが、酸素等による影響を抑制する観点から、不活性気体雰囲気下が好ましく、窒素又はアルゴン雰囲気下がより好ましい。
第1の工程における反応温度は、-100℃以上-50℃以下であり、好ましくは-95℃以上-55℃以下であり、より好ましくは-90℃以上-60℃以下である。第1の工程における反応温度が上記数値範囲内であれば、副生成物の発生を抑制し、収率を向上させることができる。
第1の工程における反応時間は、特に制限されないが、好ましくは0.1時間以上5時間以下であり、より好ましくは0.2時間以上4時間以下であり、さらに好ましくは0.5時間以上3時間以下である。第1の工程における反応時間が上記数値範囲内であれば、製造工程の時間を短縮し、製造効率を向上させることができる。
上記式(1)で表される化合物と有機リチウム化合物の添加量は、反応が進行すれば特に限定されないが、上記式(1)で表される化合物1molに対して、有機リチウム化合物1.0~2.0molであることが好ましく、1.0~1.5molであることがより好ましい。
第1の工程で用いる有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、o-,m-,p-キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ヘキサフルオロベンゼン、m-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α-トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の含フッ素有機溶媒等が挙げられる。これらの中でも、エーテル系溶媒を用いることが好ましい。
上記式(2)中、RおよびRは、式(1)と同様である。また、上記式(2)中、RおよびRの好ましい態様も、上記式(1)中のRおよびRの好ましい態様と同様である。
上記式(2)で表される化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023176740000008
(第2の工程)
第2の工程は、第1の工程で得られた上記式(2)で表される化合物と、下記式(3):
Figure 2023176740000009
で表される化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上0℃以下の温度下で反応させた後(第1段階)、前記有機溶媒の還流温度で反応させて(第2段階)、下記式(4):
Figure 2023176740000010
で表される有機リン化合物を得る工程である。
上記式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す。脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1~20であり、より好ましくは3~15である。
上記の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、およびアリールオキシ基等が挙げられる。
上記の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、2-メチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2-エチルブチル基、イソプロピル基、2-ブチル基、シクロヘキシル基、3-ペンチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基、2-ブチルオクチル基等の直鎖状、分岐鎖状のアルキル基;2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2,4-ペンタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基が挙げられる。
上記の芳香族炭化水素基は、ヘテロ原子を含むものであってもよい。上記の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;チエニル基、フリル基、ピリジル基等の芳香族ヘテロ環炭化水素基; ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等の芳香族炭化水チオ基;ピリジルチオ基、チエニルチオ基等の芳香族ヘテロ環炭化水素チオ基;フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等の芳香族炭化水素オキシカルボニル基;ピリジルオキシカルボニル基等の芳香族ヘテロ環炭化水素オキシカルボニル基;ベンゼンスルホニル基、モノフルオロベンゼンスルホニル基等のアリールスルホニル基;チエニルスルホニル基等のヘテロアリールオキシスルホニル基等が挙げられる。
上記式(3)で表される化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023176740000011
Figure 2023176740000012
Figure 2023176740000013
Figure 2023176740000014
第2の工程における雰囲気としては、特に限定されないが、酸素等による影響を抑制する観点から、不活性気体雰囲気下が好ましく、窒素又はアルゴン雰囲気下がより好ましい。
第2の工程では、第1段階の低温で反応させた後、一旦室温付近まで温度を上昇させ、第2段階の高温で反応させる。
第2の工程における第1段階の反応温度は、-100℃以上0℃以下であり、好ましくは-95℃以上-25℃以下であり、より好ましくは-90℃以上-50℃以下である。第2の工程における第1段階の反応温度が上記数値範囲内であれば、副生成物の発生を抑制し、収率を向上させることができる。
第2の工程における第2段階の反応温度は、有機溶媒の還流温度であり、使用する有機溶媒の種類に応じて適宜、調節することができる。第2の工程における第2段階の反応温度は、例えば、好ましくは20℃以上90℃以下であり、より好ましくは30℃以上85℃以下であり、より好ましくは40℃以上80℃以下である。第2の工程における第2段階の反応温度が上記数値範囲内であれば、反応を効率良く促進し、製造工程の時間を短縮することができる。
第2の工程における反応時間(第1段階および第2段階の合計時間)は、特に制限されないが、好ましくは0.1時間以上5時間以下であり、より好ましくは0.2時間以上4時間以下であり、さらに好ましくは0.5時間以上3時間以下である。第2の工程における反応時間が上記数値範囲内であれば、製造工程の時間を短縮し、製造効率を向上させることができる。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物の添加量は、反応が進行すれば特に限定されないが、上記式(2)で表される化合物1molに対して、上記式(3)で表される化合物0.5~1.0molであることが好ましく、0.5~0.7molであることがより好ましい。
第2の工程で用いる有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、o-,m-,p-キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ヘキサフルオロベンゼン、m-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α-トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の含フッ素有機溶媒等が挙げられる。これらの中でも、エーテル系溶媒を用いることが好ましい。
上記式(4)中、RおよびRは、式(2)と同様である。また、上記式(4)中、RおよびRの好ましい態様も、上記式(2)中のRおよびRの好ましい態様と同様である。
上記式(4)中、Rは、式(3)と同様である。また、上記式(4)中、Rの好ましい態様も、上記式(3)中のRの好ましい態様と同様である。
上記式(4)で表される化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023176740000015
Figure 2023176740000016
Figure 2023176740000017
Figure 2023176740000018
Figure 2023176740000019
Figure 2023176740000020
第2の工程においては、有機溶媒の還流温度での反応の後、反応系内に反応失活剤を添加して、反応を止めることが好ましい。反応失活剤としては、特に限定されず、従来公知の物を用いることができる。反応失活剤としては、例えば、飽和食塩水およびアルコール性水溶液等が挙げられる。アルコール性水溶液としては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
(第3の工程)
第3の工程は、第2の工程で得られた上記式(4)で表される化合物を精製する工程である。精製方法は、特に限定されず、従来公知の精製方法を適用することができる。精製方法としては、例えば、再結晶、分液、減圧ろ過、溶媒留去、有機溶媒による洗浄、および超音波洗浄等が挙げられる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
反応容器の中に、(2-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィン1.025g、n-ブチルリチウム0.197g、およびテトラヒドロフラン(THF)7mLを加え、窒素雰囲気下、-78℃で1時間反応させた。続いて、反応容器の中に、ジクロロフェニルホスフィン0.270gを加え、-78℃で1時間反応させた。その後、反応温度を上げ、THFの還流温度(約65℃)で1時間還流させて、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンを合成した。一連の反応を下記式で示す。
Figure 2023176740000021
次に、反応容器の中に、飽和食塩水50mLを加えて、反応を失活させた。得られた反応生成物に塩化メチレンを加えて溶媒抽出を行い、さらに硫酸ナトリウムを加えて脱水を行った。その後、有機層の有機溶媒を減圧下で蒸発させて、粗結晶を回収した。粗結晶をメタノール中で超音波洗浄を行い、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの結晶を得た。得られたビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの収率は79%であった。
[比較例1]
非特許文献1(Organometallics 2015, 34, 5009-5014)に記載の方法に従って、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンを合成した。具体的には、反応容器の中に、(2-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィン2.600g、n-ブチルリチウム0.512gのノルマルヘキサン溶液5mL、およびジエチルエーテル30mLを加え、窒素雰囲気下、-40℃で10分間反応させた後、室温で2時間反応させた。続いて、反応容器の中に、ジクロロフェニルホスフィン0.682gのジエチルエーテル溶液10mLを加え、室温で終夜反応させて、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンを合成した。反応中には、白色固体が析出してこれをろ過した。
次に、得られた白色固体をジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥した。続いて、塩化メチレンを加えて溶媒抽出を行い、有機層の有機溶媒を減圧下で蒸発させて、粗結晶を回収した。次に、粗結晶を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル充填、塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒使用)を用いて精製し、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの結晶を得た。得られたビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの収率は36%であった。
上記の実施例1および比較例1を比較すると、実施例1では、製造工程における溶媒量を削減しながら、ビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンの収率を向上させることができた。したがって、本発明の製造方法によれば、製造コストを削減することができる。
(Fi系触媒の性能評価)
上記の実施例1で得られたビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィンを用いて、下記の方法によりFi系触媒を合成し、Fi系触媒の性能評価を行った。
具体的には、上記の実施例で得られたビス[2-(ジフェニルフォスフィノ)フェニル]フェニルホスフィン0.070g、ベンゾチオフェン0.135g、鉄(III)アセチルアセトナート0.035gの脱水THF溶液3mLを添加し、室温で攪拌してFi系触媒を合成した。
続いて、合成したFi系触媒、2モル/L規定のトリメチルアルミニウムのトルエン溶液0.50mL、シュウ酸ジエチル0.073gを添加し、70℃の一定温度の条件で反応させた。下記反応式における目的化合物への転化率を算出し、Fi系触媒のカップリング性能を評価した。反応後、9時間で転化率は53%に達しており、Fi系触媒が優れた反応活性を有することを確認できた。
Figure 2023176740000022

Claims (8)

  1. 下記式(1):
    Figure 2023176740000023
    (式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、または、連結基を介して芳香環を形成してもよい。)
    で表される化合物と有機リチウム化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上-50℃以下の温度で反応させて、下記式(2):
    Figure 2023176740000024
    (式(2)中、RおよびRは、式(1)と同様である。)
    で表される化合物を得る第1の工程と、
    前記第1の工程で得られた上記式(2)で表される化合物と、下記式(3):
    Figure 2023176740000025
    (式(3)中、Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す。)
    で表される化合物とを、有機溶媒の存在下、-100℃以上0℃以下の温度下で反応させた後、前記有機溶媒の還流温度で反応させて、下記式(4):
    Figure 2023176740000026
    (式(4)中、RおよびRは、式(2)と同様であり、Rは、式(3)と同様である。)
    で表される有機リン化合物を得る第2の工程と、
    を含む、有機リン化合物の製造方法。
  2. 前記有機リチウム化合物が、ブチルリチウムである、請求項1に記載の有機リン化合物の製造方法。
  3. 前記第1の工程における有機溶媒が、エーテル系溶媒を含む、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
  4. 前記第2の工程における有機溶媒が、エーテル系溶媒を含む、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
  5. 前記第2の工程において、前記有機溶媒の還流温度が20℃以上90℃以下である、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
  6. 前記第2の工程での反応時間が0.1時間以上5時間以下である、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
  7. 前記第2の工程において、反応系内に飽和食塩水およびアルコール性水溶液の少なくとも1種を添加して反応を失活させる、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
  8. 前記第2の工程で得られた上記式(4)で表される化合物を精製する第3の工程をさらに含む、請求項1または2に記載の有機リン化合物の製造方法。
JP2022089178A 2022-05-31 2022-05-31 有機リン化合物の製造方法 Pending JP2023176740A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022089178A JP2023176740A (ja) 2022-05-31 2022-05-31 有機リン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022089178A JP2023176740A (ja) 2022-05-31 2022-05-31 有機リン化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023176740A true JP2023176740A (ja) 2023-12-13

Family

ID=89122895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022089178A Pending JP2023176740A (ja) 2022-05-31 2022-05-31 有機リン化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023176740A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Malan et al. Facile Suzuki-Miyaura coupling of activated aryl halides using new CpNiBr (NHC) complexes
CN112675919A (zh) 氮杂环卡宾基混配型镍(II)配合物在合成α-苄基苯并呋喃类化合物中的应用
CN112645909A (zh) 一种合成α-苄基苯并呋喃类化合物的方法
CN111468191A (zh) 一种钌卡宾催化剂的合成方法
CN116410224B (zh) 一种环戊二烯三氯化钛的合成工艺
CN117820316A (zh) 一种手性吲哚并二氢吡啶并吲哚类化合物及其合成方法
JP2023176740A (ja) 有機リン化合物の製造方法
CN114853658B (zh) 一种9-(4-溴苯基)咔唑的合成方法
CN112675920B (zh) 一类单手性中心催化剂及其制备和催化合成手性醇类化合物和手性α-烯丙醇的方法
CN114907404B (zh) 5-(2-(二取代膦基)苯基)-1-烷基-1h-吡唑膦配体及其制备方法和应用
CN116284156A (zh) 一种咔唑取代的三碟烯茂金属化合物及其应用
CN115960142A (zh) 一种含环内锇亚乙烯键金属杂环化合物及其合成方法与应用
CN111662147B (zh) 制备二炔及其类似物的方法
JPS6116376B2 (ja)
CN109369515B (zh) 一种不饱和双键取代的碳环衍生物的合成方法
CN114437143A (zh) 一种吡啶基桥联双四唑廉价金属配合物及其制备和应用
CN111732552A (zh) 一种钯催化合成1,3-噁唑-2-硫酮的方法
KR20200018346A (ko) 신규 촉매 화합물 및 이를 이용한 아크릴레이트의 합성 방법
CN110305171A (zh) 含双噁唑啉衍生的氮杂环卡宾配体和亚磷酸酯配体的混配型镍(ii)配合物的制备及应用
CN117700459B (zh) 一类苯并五元c-p环骨架单膦配体的合成方法及应用
CN114790221B (zh) 一种基于吲哚骨架的pcp钳形配体的合成及应用
CN117720537B (zh) 一种轴手性吲哚-呋喃类催化剂及其制备方法与应用
CN109180725B (zh) 一种炔基磷酸酯的制备方法
JP5283984B2 (ja) 遷移金属化合物の製造方法
CN108690086B (zh) 一种含高空间位阻基团修饰的Pd-NHC配合物及用途