JP2023163777A - 難燃剤造粒物、難燃剤造粒物の製造方法および使用 - Google Patents
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Abstract
Description
1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、融点が40℃以上150℃未満の非臭素系粉体状難燃剤を含む。
1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、液体の作用により結着可能な非臭素系粉体状難燃剤を含む。
1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、結着剤をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記非臭素系粉体状難燃剤の含有割合が、上記非臭素粉体状難燃剤と上記結着剤との合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
1つの実施形態においては、上記非臭素系粉体状難燃剤が、リン含有化合物系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、無機系難燃剤および金属塩系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記融点が40℃以上150℃未満の非臭素系粉体状難燃剤が、芳香族リン酸エステル化合物、芳香族縮合リン酸エステル化合物、環状ホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の別の局面によれば、上記難燃剤造粒物の製造方法が提供される。この製造方法は、上記非臭素系粉体状難燃剤と、水と、を混合する混合工程と、該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記非臭素系粉体状難燃剤と、水と、結着剤とを混合する混合工程と、該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
1つの実施形態においては、上記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む。
1つの実施形態においては、上記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、成形用材料または熱可塑性樹脂コンパウンドの原料としての、上記難燃剤造粒物の使用が提供される。
本発明の難燃剤造粒物は、非臭素系粉体状難燃剤が結着して構成される。非臭素系粉体状難燃剤は任意の適切な作用により結着させることができる。
本発明の効果が得られる限り、非臭素系粉体状難燃剤(粉体状難燃剤)の含有割合は、任意の適切な割合とされ得る。上記難燃剤造粒物が結着剤を含む場合、粉体状難燃剤の含有割合は、粉体状難燃剤と結着剤との合計量100重量部に対して、好ましくは50重量部~99.9重量部であり、より好ましくは60重量部~99.9重量部であり、さらに好ましくは80重量部~99.9重量部であり、特に好ましくは90重量部~99.9重量部であり、最も好ましくは95重量部~99.9重量部である。このような範囲であれば、本発明の効果が顕著となる。
本明細書において、「結着剤」は、非臭素系粉体状難燃剤を結着させる物質を意味する。上記結着剤の軟化温度は、40℃以上150℃未満であることが好ましい。このような範囲であれば、結着力に優れた難燃剤造粒物を得ることができる。より詳細には、上記範囲の軟化温度を有する結着剤は、難燃剤造粒物の造粒工程または加熱工程において、結着剤が溶融または軟化して粉体状難燃剤の表面に馴染み、再び冷却して固化することで、結着剤としての作用効果を良好に発揮することができる。上記結着剤の軟化温度は、好ましくは50℃以上145℃未満であり、より好ましくは60℃以上140℃未満であり、さらに好ましくは70℃以上135℃未満である。このような範囲であれば、本発明の効果が顕著となる。軟化温度は、融点またはガラス転移温度を意味し、示差走査型熱量計(DSC)で測定され得る。1つの実施形態においては、上記DSC測定において、吸熱あるいは発熱のピークが観測される場合において軟化温度は融点に相当し、また、ベースラインの不連続性が観測される場合において軟化温度はガラス転移温度に相当する。
上記難燃剤造粒物は、任意の適切な方法により、製造することができる。上記難燃剤造粒物は、例えば、上記粉体状難燃剤と、水と、必要に応じて添加される結着剤とを含む混合物を半湿式造粒法に供することにより得ることができる。
1つの実施形態においては、上記難燃剤造粒物は、その用途として、成形用材料、または熱可塑性樹脂コンパウンドの原料として供される。熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂が用いられる。
FMミキサー(日本コークス工業社製、商品名「5FM5C/I」;処理容積:5L)に、粉体状難燃剤(トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム塩、クラリアント社製、商品名「エキソリットOP1230」;平均粒子径:30μm、嵩密度:0.59kg/L;表中、「A-1」)100重量部を投入した。
FMミキサーの羽根は上羽根と下羽根の組み合わせとし、上羽根はY1羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、下羽根はS0羽根(商品名、日本コークス(株)製)を使用した。また、撹拌槽内には邪魔板(バッフル、もしくはデフレクターとも称す)を装着した。
上記粉体状難燃剤に対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水15重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水混合物を得た。
この含水混合物を、ディスクペレッター(ダルトン社製、商品名「ディスクペレッターF-5/11-175」)に投入し、ペレット状の造粒物前駆体を得た。この際、ダイスの孔径を3mmφとし、ダイスプレートの厚みを15mmとし、ダイス孔の有効長を12mmとし、ディスペレッターのローラーの回転数を108rpmとした。
得られた造粒物前駆体を、熱風式循環型乾燥機を用いて、140℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-1)を得た。得られた難燃剤造粒物(FRG-1)の外観写真を図1に示す。
FMミキサーに、粉体状難燃剤(エキソリットOP1230;表中、「A-1」)100重量部と、結着性粉体状難燃剤としての1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(商品名:PX-200、大八化学工業(株)製、融点:92℃;表中、「B-1」)3重量部を投入し、回転数1,000回転で2分間攪拌混合し、粉体混合物を得た。
FMミキサーの羽根の構成は実施例1と同じとした。
上記粉体混合物対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水15重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水粉体混合物を得た。
この含水粉体混合物を、実施例1と同様にディスクペレッターにより造粒し、熱風式循環型乾燥機を用いて、120℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-2)を得た。得られた難燃剤造粒物(FRG-2)の外観写真を図2に示す。
結着性粉体状難燃剤を、ホスファゼン(ホスホニトリル酸フェニルエステル)(商品名:ラビトルFP-110、(株)伏見製薬所製、融点:110℃;表中、「B-2」)3重量部に変更した以外は実施例2と同様の操作で、難燃剤造粒物(FRG-3)を得た。」
FMミキサーに、粉体状難燃剤(無処理水酸化マグネシウム粉末)(商品名:ジュンマグBF、ファイマテック(株)製、平均粒子径12μm;表中、「A-2」)100重量部と、結着性粉体状難燃剤としての1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(PX-200;表中、「B-1」))10重量部を投入し、回転数1,000回転で2分間攪拌混合し、粉体混合物を得た。
FMミキサーの羽根の構成は実施例1と同じとした。
上記粉体混合物対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水10重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水粉体混合物を得た。
この含水粉体混合物を、実施例1と同様にディスクペレッターにより造粒し、熱風式循環型乾燥機を用いて、120℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-4)を得た。
粉体状難燃剤を、1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(PX-200;表中、「B-1」))に変更し、造粒物前駆体の乾燥条件を、80℃で4時間とする以外は実施例1と同様にして、難燃剤造粒物(FRG-5)を得た。
参考例1は、実施例1と同じ組成であるが、FMミキサーの羽根を、上羽根はST羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、下羽根はA0羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、邪魔板を外し、上水15重量部を一度に、FMミキサーに投入し、回転数1,000rpmで5分間の攪拌処理を行い、粉体混合物とした例である。造粒と乾燥処理は実施例1と同じである(FRG-C1)。
結着性粉体状難燃剤を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして、難燃剤造粒物(FRG-C2)の製造を試みた。
実施例1~5、参考例1および比較例1で得られた難燃剤造粒物を下記の評価に供した。結果を表2に示す。
(1)造粒性
難燃剤造粒物の造粒性を以下の基準で評価した。
〇: 直径3mmφの造粒物が得られる。
△: 造粒物の形態になるが、結着力のばらつきが大きい。
×: 造粒物の形態になるが、結着力が不足して、崩壊しやすい。
(2)造粒速度
時間当たりの難燃剤造粒物の製造速度(kg/Hr)を算出した。
(3)嵩密度
乾燥後の難燃剤造粒物を1リットルの升に自然落下させ、すり切り一杯にして、正確に1リットルの容積ではかり取り、その重量を測定することで、難燃剤造粒物の嵩密度(単位:kg/L)を算出した。
(4)ペレットサイズ
難燃剤造粒物を20粒取り出し、ノギスを用いて、粒状物の長さと直径の平均値を算出した。
(5)水分量
赤外線水分計(ケット科学研究所製 FD-660)を用いて、難燃剤造粒物に残存する水分量(単位:重量%)を測定した。
(6)崩壊強度測定
木屋式硬度計(シロ産業社製、商品名「WPF1600-B」)を用いて、乾燥後の難燃剤造粒物の崩壊応力(単位:kg)を測定した。測定値は造粒物25粒の平均値とした。
参考例1は、粉体状難燃剤と結着剤と上水を一度に配合し、粉体攪拌能力が弱い羽根の組み合わせ(上羽根:ST羽根、下羽根:A0羽根)で混合物とした結果(FRG-C1)であるが、崩壊強度が安定しなかった。
一方、比較例1(FRG-C2)は、実施例4に比べて難燃剤造粒物の崩壊強度が劣る。
ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製、商品名「ユニチカナイロン6 A1030BRL-1」)75重量部と難燃剤造粒物(FRG-1)25重量部とを、二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM18SS」、L/D=48)に投入して、連続的に溶融混練を行い、ナイロン6樹脂と粉体状難燃剤(表1中、「A-1」)の樹脂組成物のペレットを製造した。
ポリアミド6のペレットと難燃剤造粒物(FRG-1)は、事前に予備混合を行い、フィーダーを介して、定量的に押出機の最上流部のホッパー位置から、二軸押出機に投入した。押出機のシリンダー温度は、押出機の中段部以降を230℃に設定した。二軸押出機の主スクリューの回転数を100rpmとし、吐出速度は5kg/Hrとした。溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押し出され、水冷バスで冷却し、長さ約3mmのペレットとした。
得られる樹脂組成物は、押出機への粉体状難燃剤(表1中「A-1」)の供給安定性に優れ、粉体状難燃剤A-1の溶融混練分散性にも優れ、ストランドの引き取り安定性に優れており、優れた難燃性を発現した。
表3に示す組成構成に変更した以外は、実施例6と同様にナイロン6樹脂と粉体状難燃剤(表1中、「A-1」)の樹脂組成物のペレットを製造した。得られる樹脂組成物は、いずれも生産安定性に優れ、粉体状難燃剤(A-1)の溶融混練分散性にも優れ、また、難燃性も優れていた。
ナイロン6を単独で押出機を通過させ、ペレット化した。
難燃剤造粒物(FRG-2)を使用せずに、粉体状難燃剤(A-1)を使用したこと以外は、実施例7と同様にして溶融混練を行い、ペレットの製造を試みた。シュート口で粉体状難燃剤(A-1)のブリッジが生じてしまい、安定な連続生産を行うことができなかった。
実施例7と比較例3の対比より、本発明の難燃剤造粒物は粉体状難燃剤の配合量が高配合割合の樹脂組成物を製造する場合においても、樹脂組成物を安定に連続生産することが可能となることが明らかである。
実施例6~8および比較例2、3で得られた樹脂組成物のペレットを下記の評価に供した。結果を表3に示す。
(a)難燃剤造粒物(もしくは粉体状難燃剤)のフィード特性
押出機投入口への連続投入状況を確認し、以下の基準で造粒性を評価した。
〇: 安定に供給できる。
×: 粉体状難燃剤の供給で、ブリッジあるいは装置壁面への付着が生じることがあり、フィードが不安定。
(b)分散性
樹脂と難燃剤造粒物の溶融混練における分散性を、溶融混合物のストランド表面の感触より、以下の基準で評価した。
〇: 表面が滑らかで分散性が良い。
×: 表面が荒れており、分散性が悪い。
(c)樹脂組成物ペレットの造粒安定性
ダイスから押出される難燃剤と熱可塑性ポリマーの溶融混練物のストランドの引き取り安定性を以下の基準で評価した。
〇: ストランドが切れることなく安定に樹脂組成物の造粒が行える。
×: 原料供給安定性が不安定なため、ストランド切れが発生する。
(d)難燃性評価
溶融混練物のストランドを約10cmに切り出し、スタンドに垂直に固定して、最下部にガスバーナー(炎高さ:1cm)を用いて着火させ、燃焼持続性を、以下の基準で評価した。
AA: ほとんど着火しない(難燃性に優れる)
A: 着火するが自己消化する(ドリッピングが生じる場合もある)
B: 消炎しない
FMミキサー(日本コークス工業社製、商品名「5FM5C/I」;処理容積:5L)に、粉体状難燃剤(トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム塩、クラリアント社製、商品名「エキソリットOP1230」;平均粒子径:30μm、嵩密度:0.59kg/L;表中、「A-1」)100重量部を投入した。
FMミキサーの羽根は上羽根と下羽根の組み合わせとし、上羽根はY1羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、下羽根はS0羽根(商品名、日本コークス(株)製)を使用した。また、撹拌槽内には邪魔板(バッフル、もしくはデフレクターとも称す)を装着した。
上記粉体状難燃剤に対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水15重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水混合物を得た。
この含水混合物を、ディスクペレッター(ダルトン社製、商品名「ディスクペレッターF-5/11-175」)に投入し、ペレット状の造粒物前駆体を得た。この際、ダイスの孔径を3mmφとし、ダイスプレートの厚みを15mmとし、ダイス孔の有効長を12mmとし、ディスペレッターのローラーの回転数を108rpmとした。
得られた造粒物前駆体を、熱風式循環型乾燥機を用いて、140℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-1)を得た。得られた難燃剤造粒物(FRG-1)の外観写真を図1に示す。
FMミキサーに、粉体状難燃剤(エキソリットOP1230;表中、「A-1」)100重量部と、結着性粉体状難燃剤としての1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(商品名:PX-200、大八化学工業(株)製、融点:92℃;表中、「B-1」)3重量部を投入し、回転数1,000回転で2分間攪拌混合し、粉体混合物を得た。
FMミキサーの羽根の構成は参考例2と同じとした。
上記粉体混合物対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水15重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水粉体混合物を得た。
この含水粉体混合物を、参考例2と同様にディスクペレッターにより造粒し、熱風式循環型乾燥機を用いて、120℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-2)を得た。得られた難燃剤造粒物(FRG-2)の外観写真を図2に示す。
FMミキサーに、粉体状難燃剤(無処理水酸化マグネシウム粉末)(商品名:ジュンマグBF、ファイマテック(株)製、平均粒子径12μm;表中、「A-2」)100重量部と、結着性粉体状難燃剤としての1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(PX-200;表中、「B-1」))10重量部を投入し、回転数1,000回転で2分間攪拌混合し、粉体混合物を得た。
FMミキサーの羽根の構成は参考例2と同じとした。
上記粉体混合物対し、攪拌羽を回転数1,000rpmで回転させながら、噴霧状に上水10重量部を、5分間を要して、連続的に噴霧注入し、含水粉体混合物を得た。
この含水粉体混合物を、参考例2と同様にディスクペレッターにより造粒し、熱風式循環型乾燥機を用いて、120℃で4時間乾燥させて、難燃剤造粒物(FRG-4)を得た。
粉体状難燃剤を、1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート(PX-200;表中、「B-1」))に変更し、造粒物前駆体の乾燥条件を、80℃で4時間とする以外は参考例2と同様にして、難燃剤造粒物(FRG-5)を得た。
参考例1は、参考例2と同じ組成であるが、FMミキサーの羽根を、上羽根はST羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、下羽根はA0羽根(商品名、日本コークス(株)製)とし、邪魔板を外し、上水15重量部を一度に、FMミキサーに投入し、回転数1,000rpmで5分間の攪拌処理を行い、粉体混合物とした例である。造粒と乾燥処理は参考例2と同じである(FRG-C1)。
参考例2、実施例2~5、参考例1および比較例1で得られた難燃剤造粒物を下記の評価に供した。結果を表2に示す。
(1)造粒性
難燃剤造粒物の造粒性を以下の基準で評価した。
〇: 直径3mmφの造粒物が得られる。
△: 造粒物の形態になるが、結着力のばらつきが大きい。
×: 造粒物の形態になるが、結着力が不足して、崩壊しやすい。
(2)造粒速度
時間当たりの難燃剤造粒物の製造速度(kg/Hr)を算出した。
(3)嵩密度
乾燥後の難燃剤造粒物を1リットルの升に自然落下させ、すり切り一杯にして、正確に1リットルの容積ではかり取り、その重量を測定することで、難燃剤造粒物の嵩密度(単位:kg/L)を算出した。
(4)ペレットサイズ
難燃剤造粒物を20粒取り出し、ノギスを用いて、粒状物の長さと直径の平均値を算出した。
(5)水分量
赤外線水分計(ケット科学研究所製 FD-660)を用いて、難燃剤造粒物に残存する水分量(単位:重量%)を測定した。
(6)崩壊強度測定
木屋式硬度計(シロ産業社製、商品名「WPF1600-B」)を用いて、乾燥後の難燃剤造粒物の崩壊応力(単位:kg)を測定した。測定値は造粒物25粒の平均値とした。
参考例1は、粉体状難燃剤と結着剤と上水を一度に配合し、粉体攪拌能力が弱い羽根の組み合わせ(上羽根:ST羽根、下羽根:A0羽根)で混合物とした結果(FRG-C1)であるが、崩壊強度が安定しなかった。
一方、比較例1(FRG-C2)は、実施例4に比べて難燃剤造粒物の崩壊強度が劣る。
ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製、商品名「ユニチカナイロン6 A1030BRL-1」)75重量部と難燃剤造粒物(FRG-1)25重量部とを、二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM18SS」、L/D=48)に投入して、連続的に溶融混練を行い、ナイロン6樹脂と粉体状難燃剤(表1中、「A-1」)の樹脂組成物のペレットを製造した。
ポリアミド6のペレットと難燃剤造粒物(FRG-1)は、事前に予備混合を行い、フィーダーを介して、定量的に押出機の最上流部のホッパー位置から、二軸押出機に投入した。押出機のシリンダー温度は、押出機の中段部以降を230℃に設定した。二軸押出機の主スクリューの回転数を100rpmとし、吐出速度は5kg/Hrとした。溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押し出され、水冷バスで冷却し、長さ約3mmのペレットとした。
得られる樹脂組成物は、押出機への粉体状難燃剤(表1中「A-1」)の供給安定性に優れ、粉体状難燃剤A-1の溶融混練分散性にも優れ、ストランドの引き取り安定性に優れており、優れた難燃性を発現した。
表3に示す組成構成に変更した以外は、参考例3と同様にナイロン6樹脂と粉体状難燃剤(表1中、「A-1」)の樹脂組成物のペレットを製造した。得られる樹脂組成物は、いずれも生産安定性に優れ、粉体状難燃剤(A-1)の溶融混練分散性にも優れ、また、難燃性も優れていた。
参考例3、実施例7~8および比較例2、3で得られた樹脂組成物のペレットを下記の評価に供し
た。結果を表3に示す。
(a)難燃剤造粒物(もしくは粉体状難燃剤)のフィード特性
押出機投入口への連続投入状況を確認し、以下の基準で造粒性を評価した。
〇: 安定に供給できる。
×: 粉体状難燃剤の供給で、ブリッジあるいは装置壁面への付着が生じることがあり、フィードが不安定。
(b)分散性
樹脂と難燃剤造粒物の溶融混練における分散性を、溶融混合物のストランド表面の感触より、以下の基準で評価した。
〇: 表面が滑らかで分散性が良い。
×: 表面が荒れており、分散性が悪い。
(c)樹脂組成物ペレットの造粒安定性
ダイスから押出される難燃剤と熱可塑性ポリマーの溶融混練物のストランドの引き取り安定性を以下の基準で評価した。
〇: ストランドが切れることなく安定に樹脂組成物の造粒が行える。
×: 原料供給安定性が不安定なため、ストランド切れが発生する。
(d)難燃性評価
溶融混練物のストランドを約10cmに切り出し、スタンドに垂直に固定して、最下部にガスバーナー(炎高さ:1cm)を用いて着火させ、燃焼持続性を、以下の基準で評価した。
AA: ほとんど着火しない(難燃性に優れる)
A: 着火するが自己消化する(ドリッピングが生じる場合もある)
B: 消炎しない
Claims (12)
- 非臭素系粉体状難燃剤が結着して構成される、難燃剤造粒物。
- 融点が40℃以上150℃未満の非臭素系粉体状難燃剤を含む、請求項1に記載の難燃剤造粒物。
- 液体の作用により結着可能な非臭素系粉体状難燃剤を含む、請求項1に記載の難燃剤造粒物。
- 結着剤をさらに含む、請求項1に記載の難燃剤造粒物。
- 前記非臭素系粉体状難燃剤の含有割合が、前記非臭素粉体状難燃剤と前記結着剤との合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である、請求項4に記載の難燃剤造粒物。
- 前記非臭素系粉体状難燃剤が、リン含有化合物系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、無機系難燃剤および金属塩系難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の難燃剤造粒物。
- 前記融点が40℃以上150℃未満の非臭素系粉体状難燃剤が、芳香族リン酸エステル化合物、芳香族縮合リン酸エステル化合物、環状ホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の難燃剤造粒物。
- 前記非臭素系粉体状難燃剤と、水と、を混合する混合工程と、
該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、
該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、
請求項1から7のいずれかに記載の難燃剤造粒物の製造方法。 - 前記非臭素系粉体状難燃剤と、水と、結着剤とを混合する混合工程と、
該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、
該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、
請求項4に記載の難燃剤造粒物の製造方法。 - 前記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む、請求項8に記載の難燃剤造粒物の製造方法。
- 前記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む、請求項8に記載の難燃剤造粒物の製造方法。
- 成形用材料または熱可塑性樹脂コンパウンドの原料としての、請求項1から7のいずれかに記載の難燃剤造粒物の使用。
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