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JP2023092167A - 柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料 - Google Patents

柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料 Download PDF

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JP2023092167A
JP2023092167A JP2021207195A JP2021207195A JP2023092167A JP 2023092167 A JP2023092167 A JP 2023092167A JP 2021207195 A JP2021207195 A JP 2021207195A JP 2021207195 A JP2021207195 A JP 2021207195A JP 2023092167 A JP2023092167 A JP 2023092167A
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JP
Japan
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alcohol
taste beverage
packaged
concentration
taste
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Application number
JP2021207195A
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English (en)
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宣光 林
Norimitsu Hayashi
昌樹 田中
Masaki Tanaka
久美誉 角田
Kumiyo Kakuda
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Asahi Breweries Ltd
Original Assignee
Asahi Breweries Ltd
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Abstract

【課題】低アルコールでありながらも、柑橘風味を損なうことなく酒感が増強された容器詰アルコールテイスト飲料の提供。【解決手段】アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、アスコルビン酸とチモールを含有し、アスコルビン酸濃度が100~1500ppmである、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料、及びアスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整する工程と、チモールを原料として含有させる工程と、を含み、アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造する、容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法、及び柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料の香味向上方法に関する。
原料用アルコールや、焼酎、ジン、ウォッカ等の蒸留酒をベース酒とし、このベース酒に、果汁、フレーバー、甘味料、及び酸味料等を添加し、風味を付したアルコール飲料が広く好まれている。近年は、その手軽さから、容器に充填されたRTD(Ready To Drink)飲料として、缶入り酎ハイ等に代表される容器詰アルコール飲料の市場が拡大している。中でも、柑橘類の果汁、エキスや、柑橘系の香味を有する香料を添加して柑橘系果実の香味を付与した柑橘風味の低アルコール飲料は、柑橘系果実特有の香気や、さわやかな酸味が多くの人に好まれて人気がある。
アルコール濃度が3.5%程度以下の低アルコール飲料や、酒類と類似した風味を有するノンアルコール飲料は、健康上の理由や、あまり酔わずに本格的なお酒の味わいやアルコールを飲む場の雰囲気を楽しみたい人々に支持され、そのニーズが増えてきている。しかしながら、低アルコール飲料やノンアルコール飲料には、アルコール濃度が低いために、アルコール自体が有する特有のコク感や味の厚み、複雑味が不足することにより、本格的なお酒の味わいが乏しくなるという問題がある。
低アルコール飲料であっても、本格的なお酒の味わいやアルコール感が得られるように香味を改善する技術が幾つか報告されている。例えば、特許文献1には、エタノール濃度が1.0v/v%未満である飲料において、飲料中のシトロネロール(Citronellol)濃度を特定の範囲内に調整することによって、酒感を付与できることが記載されている。また、特許文献2には、アルコール濃度が低い又はアルコールを含有していない柑橘風味を有する飲料において、飲料中のコハク酸と乳酸の濃度を特定の範囲内に調整することによって、自然なアルコール感が付与又は増強され、アルコール感、果汁感、及び後口のすっきり感のバランスがとれた好ましい香味に改善できることが記載されている。その他、特許文献3には、アルコール濃度が低い又はアルコールを含有していない柑橘風味を有する飲料において、15ppb以上のチモール(Thymol)を含有させることにより、柑橘の劣化臭をマスキングできることが記載されている。
特開2012-249560号公報 特開2017-212968号公報 特開2019-37171号公報
本発明は、低アルコールでありながらも、柑橘風味を損なうことなく酒感が増強された容器詰アルコールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、アルコール濃度が3.5v/v%以下の柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料に対して、アスコルビン酸とチモールを含有させ、かつアスコルビン酸濃度を特定の範囲内に調整することによって、柑橘風味を損なうことなく酒感を増強できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料、容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法、及び容器詰アルコールテイスト飲料の香味改善方法は、下記[1]~[12]である。
[1] アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、
アスコルビン酸とチモールを含有し、
アスコルビン酸濃度が100~1500ppmであることを特徴とする、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料。
[2] チモール濃度が10~300ppbである、前記[1]の容器詰アルコールテイスト飲料。
[3] アスコルビン酸濃度(ppm)に対するチモール濃度(ppb)の比率が0.05~2.0である、前記[1]又は[2]の容器詰アルコールテイスト飲料。
[4] さらに、10~300ppbのシトロネロールを含有する、前記[1]~[3]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[5] 柑橘類の果汁の含有率が10.0w/v%以下である、前記[1]~[4]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[6] エキス分が6.0w/v%以下である、前記[1]~[5]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[7] 甘味値が10.0g/100mL以下である、前記[1]~[6]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[8] クエン酸に換算した酸度が0.35g/100mL以下である、前記[1]~[7]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[9] 炭酸ガスを含有する、前記[1]~[8]のいずれかの容器詰アルコールテイスト飲料。
[10] 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、前記[9]の容器詰アルコールテイスト飲料。
[11] アスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整する工程と、
チモールを原料として含有させる工程と、
を含み、
アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造することを特徴とする、容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法。
[12] アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料において、
アスコルビン酸とチモールを含有させ、かつアスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整することを特徴とする、容器詰アルコールテイスト飲料の香味改善方法。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、アルコール濃度が低い又はアルコールを含有していないにもかかわらず、柑橘風味を損なうことなく酒感が増強されており、嗜好性が高い。
また、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法や容器詰アルコールテイスト飲料の香味改善方法により、アルコール濃度が低い又はアルコールを含有していないにもかかわらず、酒感が増強された、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料が製造できる。
本発明及び本願明細書において、「容器詰アルコールテイスト飲料」とは、容器に充填されたアルコールテイスト飲料を意味する。
本発明及び本願明細書において、「アルコール飲料」とは、エタノールを含有する飲料であればよく、発泡性飲料であってもよく、非発泡性飲料であってもよい。また、発酵工程を経て製造される飲料であってもよく、発酵工程を経ずに製造される飲料であってもよい。すなわち、本発明におけるアルコール飲料には、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、焼酎、ラム酒、スピリッツ、及びジン等の蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料;ビールテイストアルコール飲料(ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有するアルコール飲料)、発泡ワイン、シードル等の発泡性のアルコール飲料;蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料を、ジュース、清涼飲料、サイダー、ラムネ、炭酸水等のノンアルコール飲料と混合したチューハイ、カクテル等が挙げられる。
本発明及び本願明細書において、「アルコールテイスト飲料」とは、アルコール飲料、又は、エタノールを含有していないものの、香味上いずれかのアルコール飲料を想起させる呈味を有する飲料を意味する。
本発明及び本願明細書において、「酒感」とは、アルコール自体が有する特有のコク感や、味の厚みや複雑味等により総合的に感じられる「酒らしい味わい」を意味する。
本発明及び本願明細書において、「柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料」とは、柑橘類が有する風味を備えた容器詰アルコールテイスト飲料を意味する。本発明における柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料としては、喫飲者にいずれかの柑橘類の果実を想起させる風味を有するアルコールテイスト飲料であれば、特に限定されるものではなく、柑橘類の果汁やエキスを含有するアルコールテイスト飲料や、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を含有するアルコールテイスト飲料が挙げられる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、かつアスコルビン酸とチモールを含有し、アスコルビン酸濃度が100~1500ppmである。アルコール濃度が低い又はアルコールを含有していない柑橘風味を有する飲料では、柑橘特有の爽やかさ及び複雑味、すなわち柑橘らしさと、酒感とは、両立し難い。酒感を増強すると、柑橘らしさが損なわれる傾向にある。これに対して、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、十分量のアスコルビン酸を含有することにより酒感が増強され、かつチモールを含有することにより、柑橘風味も酒感と共に向上させることができる。すなわち、アルコール濃度が3.5v/v%以下である柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料に、アスコルビン酸とチモールを含有させ、かつアスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整することにより、柑橘風味を損なうことなく酒感が増強された、嗜好性の高い容器詰アルコールテイスト飲料を製造できる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアルコール濃度は、3.5v/v%以下の範囲内であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアルコール濃度としては、0.1~3.5v/v%であることが好ましく、0.5~3.5v/v%であることがより好ましい。また、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、エタノールを含有していない、すなわちアルコール濃度0v/v%であってもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアスコルビン酸濃度は、100~1500ppmの範囲内であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアスコルビン酸濃度としては、150ppm以上であることが好ましく、200ppm以上であることがより好ましい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアスコルビン酸濃度としては、1000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましく、250ppm以下であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料に、アスコルビン酸を含有させる手段は特に限定されない。例えば、アスコルビン酸を原料として用いることにより、アスコルビン酸を含有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物に由来するアスコルビン酸であってもよく、アスコルビン酸を含有する果汁等であってもよい。
なお、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のアスコルビン酸の濃度は、例えば、ヨウ素滴定反応、インドフェノール反応、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)法等の常法により定量することができる。
チモール(CAS No:89-83-8)は、ユズやタイム(ハーブ)等に含まれているモノテルペンであり、独特の爽快感や、薬品臭とも表現される香気を有する。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のチモール濃度は、アスコルビン酸によって低下する柑橘風味を向上させることが可能な濃度であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のチモール濃度としては、十分な柑橘風味向上効果が得られることから、10ppb以上であることが好ましく、25ppb以上であることがより好ましく、40ppb以上であることがさらに好ましく、50ppb以上であることがよりさらに好ましい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のチモール濃度としては、チモール自体の香味が飲料に与える好ましくない影響を抑えられる点から、300ppb以下であることが好ましく、250ppb以下であることがより好ましく、200ppb以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料における、アスコルビン酸濃度(ppm)に対するチモール濃度(ppb)の比率([チモール濃度(ppb)]/[アスコルビン酸濃度(ppm)])(以下、「Thym/AsA比」ということがある。)は、チモールが、アスコルビン酸存在下での柑橘風味向上効果が得られる比率であればよく、特に限定されるものではない。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のThym/AsA比としては、0.05以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.25以上であることがさらに好ましい。また、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のThm/AsA比としては、チモール自体の香気成分による影響が抑えられる点から、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料に、チモールを含有させる手段は特に限定されない。例えば、チモールを原料として用いることにより、チモールを含有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物に由来するチモールであってもよく、チモールを含有する香料であってもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料としては、チモールによる柑橘風味向上効果とアスコルビン酸による酒感増強効果の両方がともにより強く発揮されることから、さらにシトロネロール(CAS No:106-22-9)を含有することが好ましい。シトロネロールは、柑橘類の他、ホップやレモングラスなどに含まれているモノテルペンである。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料がシトロネロールを含有する場合には、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のシトロネロール濃度としては、10ppb以上であることが好ましく、25ppb以上であることがより好ましく、40ppb以上であることがさらに好ましく、50ppb以上であることがよりさらに好ましい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のシトロネロール濃度としては、300ppb以下が好ましく、250ppb以下がより好ましく、200ppb以下がさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料に、シトロネロールを含有させる手段は特に限定されない。例えば、シトロネロールを原料として用いることにより、シトロネロールを含有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物から抽出・精製されたシトロネロールであってもよく、シトロネロールを含有する香料であってもよい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料としては、柑橘類の果汁、精油、又はシトロネロールを含有している柑橘系香料を原料として製造することが好ましい。
なお、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のチモール及びシトロネロールの濃度は、例えば、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)により定量することができる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、柑橘風味を有する。柑橘類としては、みかん、オレンジ、夏みかん、レモン、ゆず、すだち、カボス、グレープフルーツ、シークワァーサー、はっさく、ライム等が挙げられる。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の柑橘風味は、1種類の柑橘類の風味であってもよく、2種類以上の柑橘類の風味を組み合わせたものであってもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、例えば、柑橘類の果実の果汁、柑橘類の果皮の精油、又は柑橘系香料を原料として含有させることにより製造できる。果汁や果皮の精油は、常法により調製されたものを用いることができる。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料としては、柑橘類の果汁等に加えて又は果汁等に代えて、柑橘類の果実又は果皮を含有させることもできる。これらの果汁等は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
柑橘系香料としては、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を有する香料が挙げられる。例えば、レモンの特徴的な香気成分としては、シトラール、リモネン、ネロール、ゲラニオール、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル等が挙げられ、シトラールはレモン由来の精油に含まれる含酸素化合物の半分以上を占める。グレープフルーツの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、ヌートカトン等が挙げられる。ユズの特徴的な香気成分としては、リナロール、ユズノン(登録商標)、N-メチルアントラニル酸メチル等が挙げられる。オレンジの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、リナロール、酢酸ゲラニル、シネンサール等が挙げられる。
柑橘系香料としては、例えば、柑橘類の果実の果皮等から香気成分をアルコール等の溶媒で抽出したものやこれを減圧蒸留や常圧蒸留等により濃縮したものを用いることができる。その他、飲料に添加される各種の市販の柑橘系香料を適宜用いることもできる。これらの柑橘系香料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
一般的に、柑橘類の果汁の含有量が多い飲料ほど、柑橘風味が強くなり、柑橘類の果汁の含有量が少ない飲料ほど、柑橘風味が弱くなる。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料としては、チモールによる柑橘風味向上効果がより充分に発揮されることから、飲料全量に対する柑橘類の果汁の含有率は、10.0w/v%以下であることが好ましく、5.0w/v%以下であることがより好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のエキス分は、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のエキス分としては、6.0w/v%以下であることが好ましく、5.0w/v%以下であることがより好ましく、0.5~5.0w/v%であることが好ましく、1.0~3.0w/v%であることがより好ましい。
なお、エキス分とは、飲料中に含まれる不揮発性固形分の含有量を示す数値である。エキス分は、15℃のときにおいて原容量100cm中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。エキス分の測定は、第四回改正国税庁所定分析法注解(平成5年2月20日、第四回改正版、財団法人日本醸造協会発行)を用いて行うことができる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の甘味値は特に限定されるものではない。柑橘風味を有する飲料において、甘味は、柑橘由来の酸味をまろやかにして飲料としての嗜好性を向上させられる呈味であるが、甘味が強すぎると、柑橘風味がやや弱められるおそれがある。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の甘味値としては、10.0g/100mL以下が好ましく、6.0g/100mL以下がより好ましく、0.5~6.0g/100mLであることがさらに好ましく、1.0~6.0g/100mLであることがよりさらに好ましい。
本発明及び本願明細書において、「甘味値」とは、飲料の甘さの強さを示すパラメータであり、飲料中に含まれる甘味料の含有量を、甘味の観点からショ糖に換算して求めたパラメータである。具体的には、飲料に含まれる各甘味料について、その濃度(g/100mL)に、当該甘味料の「甘味度」を乗じることにより、ショ糖に換算した時の各甘味料の含有量(g/100mL)が求められる。そして、飲料に含まれる全甘味料についてのショ糖換算含有量の合計値(g/100mL)が、飲料の「甘味値」として求められる。
なお、「甘味度」とは、ショ糖と比較した時の各甘味料の甘味の強さを示すパラメータであり、本発明においては、「甘味度」として、「飲料用語事典、平成11年6月25日発行、株式会社ビバリッジジャパン社、資11」の値を採用する。甘味度の値に幅がある場合には、その中央値を採用する。例えば、代表的な甘味料の甘味度は、例えば、ブドウ糖が0.65、果糖が1.5、スクラロースが600、アセスルファムカリウムが200、アスパルテームが200である。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の糖質含有量は、特に限定されるものではない。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料の糖質含有量としては、6.0g/100mL以下であることが好ましく、3.0g/100mL以下であることがより好ましい。
なお、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質は、栄養表示基準(一部改正平成21年消費者庁告示第9号)の別表第2に記載の方法(当該食品の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定する)に従って算出できる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、酸味料を含有していてもよい。酸味料としては、リン酸、有機酸、又はこれらの塩を用いることができる。有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、及びフマル酸等の有機酸が挙げられる。また、リン酸や有機酸の塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩が挙げられる。これらの酸味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のクエン酸換算した酸度は、特に限定されるものではなく、飲料の種類や求める製品品質等を考慮して適宜調整することができる。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のクエン酸換算した酸度としては、1.0g/100mL以下であることが好ましく、0.5g/100mL以下であることがより好ましく、0.35g/100mL以下であることがさらに好ましい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料のクエン酸換算した酸度としては、0.01g/100mL以上であることが好ましく、0.15g/100mL以上であることがより好ましい。
なお、飲料のクエン酸換算した酸度は、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号)の8頁、総酸(遊離酸)にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。詳細には、酸度は、以下の方法により測定できる。
まず、試料1~50mLを正確に量りとり、水で適宜希釈する。これを、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pHメーターで8.2を終点とし、下記の式により算出する。式中、「A」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液による滴定量(mL)であり、「f」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液の力価であり、Wは試料重量(g)である。また、「0.0064」は、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する無水クエン酸の重量(g)である。
[クエン酸換算酸度(%)]=A×f×100/W×0.0064
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、炭酸ガスを含有していない非発泡性飲料であってもよく、炭酸ガスを含有する発泡性飲料であってもよい。本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料が発泡性飲料の場合、炭酸ガス圧は、0.5~5.0ガスボリューム(GV)であることが好ましく、1.0~4.0GVであることがより好ましく、1.5~3.5GVであることがさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、各種アルコールをベース酒として製造することもできる。ベース酒とするアルコールは、原料用アルコールであってもよく、常法により製造された酒類であってもよい。当該酒類としては、蒸留酒であってもよく、醸造酒であってもよい。蒸留酒としては、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、焼酎、ラム酒、ジン等が挙げられ、リキュールであってもよい。醸造酒としては、ビール、ワイン、シードル等が挙げられる。
原料用アルコールとしては、好ましくは、廃糖蜜を発酵させて高度(例えばアルコール濃度が9v/v%以上)に精製したものが用いられる。原料用アルコールは、安価であることから、製造コストを低減できる。また、原料用アルコールは、他のベース酒として香気成分の含有量が少ないため、すっきりとした味わいの飲料を得やすくなる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、アスコルビン酸による酒感増強効果とチモールによる柑橘風味向上効果を損なわない限りにおいて、アスコルビン酸及びチモールに加えて、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、リモネン、果汁、果実、果皮、酸味料、炭酸ガス、炭酸水、甘味料、清涼飲料水、水溶性食物繊維、着色料、起泡剤、タンパク質若しくはその分解物、酵母エキス、原料水、酸化防止剤、乳化剤等が挙げられる。
甘味料としては、ショ糖、液糖、オリゴ糖、デキストリン、でんぷん、甘味系アミノ酸、高甘味度甘味料等が挙げられる。当該高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース等が挙げられる。これらの甘味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。これらの水溶性食物繊維は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
起泡剤としては、例えば、大豆ペプチド、大豆サポニン、アルギン酸エステル、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの起泡剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
タンパク質分解物としては、例えば、大豆タンパク分解物等が挙げられる。これらのタンパク質分解物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
着色料としては、例えば、カラメル色素等の飲食品に一般的に使用される色素等が挙げられる。これらの着色料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸やビタミンC等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
乳化剤としては、例えば、レシチン、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、例えば、アスコルビン酸やチモールをはじめとする各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料及びアルコールを混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、及びアルコール、必要に応じて原料水を混合してもよい。さらに、原料水に原料を加熱したものを入れてもよく、調製した調合液を加熱してもよい。
調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料が発泡性アルコールテイスト飲料の場合、例えば、原料として炭酸水や、サイダーやラムネ等の発泡性清涼飲料を用いることにより製造できる。また、炭酸ガス以外の原料を全て混合した調合液を調製した後、この調合液に炭酸ガスを導入することによっても、発泡性アルコールテイスト飲料を製造できる。炭酸ガスの導入は、常法により行うことができる。
製造されたアルコールテイスト飲料を容器に充填して密封することにより、容器詰アルコールテイスト飲料が製造できる。容器への充填及び密封は、常法により行うことができる。また、容器詰アルコールテイスト飲料の空寸部には、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを充填させてもよい。これらの不活性ガスにより、容器内に存在する酸素を減少させることができる。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではなく、ツーピース飲料缶、スリーピース飲料缶、ボトル缶、可撓性容器、ガラス瓶などを用いることができる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂をボトル形状等に成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料が発泡性飲料の場合、耐圧性の高い容器を使用する。現在、流通しているアルミニウム(合金)製ツーピース飲料缶やアルミニウム(合金)製ボトル缶のメーカー保証耐圧は、高いもので686kPa程度であり、実際の耐圧を考慮すると加熱殺菌を要する場合はおおよそ3.2GV以下、加熱殺菌が不要な場合はおおよそ3.8GV以下となる。
また、本発明に係る容器詰アルコールテイスト飲料は、その製造工程において、必要に応じて加熱殺菌処理を行う。加熱殺菌処理は、容器に充填前に行ってもよく、容器充填後に行ってもよい。殺菌方法としては、UHT(超高温)殺菌処理、パストライザー殺菌処理、レトルト殺菌処理等の常法により行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
アスコルビン酸を各種濃度で含有させた柑橘風味を有する低アルコール濃度の容器詰アルコールテイスト飲料を製造し、アスコルビン酸の酒感等に対する影響を調べた。
原料用アルコール(アルコール濃度95容量%)、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、シトラスフレーバー(チモール及びシトロネロールはいずれも非含有)、アスコルビン酸、及び炭酸水を用いて、アルコール濃度(v/v%)、アスコルビン酸濃度(ppm)、甘味値、エキス分(w/v%)、及びクエン酸換算酸度(g/100mL)が表1に記載の値である、柑橘風味を有するアルコールテイスト飲料を製造し、容器に充填した。各容器詰アルコールテイスト飲料のガス圧は2.5GV(ガスボリューム)に調整した。
製造した各容器詰アルコールテイスト飲料について、訓練された識別能力のあるパネル5名により、酒感、金属的なえぐみ、柑橘風味の複雑さ、及び飲料としての美味しさについて、官能評価を行った。官能評価は、アスコルビン酸を添加していないサンプルを対照(評点0)とする7段階(-3~+3)の相対評価を行った。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。表1に記載のサンプル1-1~1-5の官能評価は、サンプル1-0を対照として行った。
具体的には、酒感、金属的なえぐみ、及び柑橘風味の複雑さについては、対照よりかなり強い場合に+3点、対照より強い場合に+2点、対照よりやや強い場合に+1点、対照と同程度の場合に0点、対照よりやや弱い場合に-1点、対照より弱い場合に-2点、対照よりかなり弱い場合に-3点、と評価した。飲料としての美味しさについては、かなり美味しい場合に+3点、美味しい場合に+2点、やや美味しい場合に+1点、可もなく不可もない場合に0点、やや不味い場合に-1点、不味い場合に-2点、かなり不味い場合に-3点、と評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2023092167000001
表1に示すように、柑橘風味を有するアルコール濃度3v/v%のアルコールテイスト飲料において、アスコルビン酸を200~1500ppm含有する場合には、アスコルビン酸の添加量に比例して酒感が増強された。一方で、アスコルビン酸由来のオフフレーバーである金属的なえぐみも、添加量に比例して増加した。このため、柑橘風味を有する低アルコール濃度のアルコールテイスト飲料にアスコルビン酸を配合することにより、酒感は増強されるものの、飲料としての美味しさは損なわれることがわかった。
[実施例1]
アスコルビン酸を含有する柑橘風味を有する低アルコール濃度の容器詰アルコールテイスト飲料に、各種濃度でチモールを含有させて、チモールの酒感や柑橘風味等に対する影響を調べた。
原料としてチモールをさらに用い、かつ果糖ぶどう糖液糖に加えて又は代えてアセスルファムカリウムを用いた以外は、参考例1と同様にして、アルコール濃度(v/v%)、アスコルビン酸濃度(ppm)、チモール濃度(ppb)、甘味値、エキス分(w/v%)、及びクエン酸換算酸度(g/100mL)が表2及び3に記載の値である、柑橘風味を有するアルコールテイスト飲料を製造し、容器に充填した。
製造した各容器詰アルコールテイスト飲料について、参考例1と同様にして、官能評価を行った。表2及び3に記載のサンプル2-1~2-9の官能評価は、サンプル2-0を対照として行った。評価結果を表2及び3に示す。
Figure 2023092167000002
Figure 2023092167000003
サンプル2-0~2-4の比較から、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料においては、アスコルビン酸とチモールを併用して含有させることによって、アスコルビン酸を単独で含有させた容器詰アルコールテイスト飲料よりも、酒感と柑橘風味の複雑さ(柑橘らしさ)の両方を増大させることができ、さらに、アスコルビン酸に由来する金属的なえぐみも減弱させられることがわかった。このアスコルビン酸とチモールの併用効果は、チモールの含有量依存的に強くなっていた。
また、サンプル2-3とサンプル2-5の比較から、チモールを併用することによって得られる酒感増大効果、柑橘風味の複雑さの増大効果、及び金属的なエグミの低減効果は、いずれも、アルコール濃度が0.5v/v%の場合でも、3.0v/v%の場合と同様に奏されることが確認された。サンプル2-6~サンプル2-9の比較から、チモール併用による酒感増大効果、柑橘風味の複雑さの増大効果、及び金属的なエグミの低減効果は、エキス分や甘味値をより高くした場合や、高甘味度甘味料を使用した場合でも、同様に奏されることが確認された。
これらの結果から、アスコルビン酸を含有させた柑橘風味を有する低アルコール濃度の容器詰アルコールテイスト飲料において、チモールを含有させることにより、嗜好性を低下させることなく、酒感を増強させられることが明らかとなった。
[実施例2]
アスコルビン酸を含有する柑橘風味を有する低アルコール濃度の容器詰アルコールテイスト飲料に、各種濃度でチモール及びシトロネロールを含有させて、チモール及びシトロネロールの酒感や柑橘風味等に対する影響を調べた。
原料としてシトロネロールをさらに用いた以外は、実施例1と同様にして、アルコール濃度(v/v%)、アスコルビン酸濃度(ppm)、チモール濃度(ppb)、シトロネロール濃度(ppb)、甘味値、エキス分(w/v%)、及びクエン酸換算酸度(g/100mL)が表4及び5に記載の値である、柑橘風味を有するアルコールテイスト飲料を製造し、容器に充填した。
製造した各容器詰アルコールテイスト飲料について、参考例1と同様にして、官能評価を行った。表4及び5に記載のサンプル3-1~3-11の官能評価は、サンプル3-0を対照として行った。評価結果を表4及び5に示す。
Figure 2023092167000004
Figure 2023092167000005
サンプル3-1~サンプル3-3及び実施例1のサンプル2-3の比較から、アスコルビン酸とチモールを併用することによって得られる酒感増強効果、柑橘風味の複雑さの増大効果、及び金属的なエグミの低減効果は、シトロネロールを併用した場合にも得られること、特に、酒感増強効果と柑橘風味の複雑さの増大効果は、シトロネロールの含有量依存的に高くなることがわかった。また、サンプル3-4~サンプル3-5及び実施例1のサンプル2-4が示すように、チモールの含有量が高い場合には、チモール単独で充分な効果が得られるものの、シトロネロールを併用することにより、飲料としての美味しさは改善された。
また、サンプル3-6~サンプル3-11の結果から、アスコルビン酸とチモールとシトロネロールを併用することによって得られる酒感増大効果、柑橘風味の複雑さの増大効果、及び金属的なエグミの低減効果は、いずれも、アルコール濃度が0.5v/v%の場合でも、3.0v/v%の場合と同様に奏されること、エキス分や甘味値をより高くした場合や、高甘味度甘味料を使用した場合でも、同様に奏されることが確認された。
これらの結果から、柑橘風味を有する低アルコール濃度の容器詰アルコールテイスト飲料において、アスコルビン酸、チモール、及びシトロネロールを含有させることにより、酒感が増大されるのに加えて、金属的なえぐみが低減され、柑橘風味の複雑さが向上し、嗜好性が顕著に改善されることがわかった。

Claims (12)

  1. アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、
    アスコルビン酸とチモールを含有し、
    アスコルビン酸濃度が100~1500ppmであることを特徴とする、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料。
  2. チモール濃度が10~300ppbである、請求項1に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  3. アスコルビン酸濃度(ppm)に対するチモール濃度(ppb)の比率が0.05~2.0である、請求項1又は2に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  4. さらに、10~300ppbのシトロネロールを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  5. 柑橘類の果汁の含有率が10.0w/v%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  6. エキス分が6.0w/v%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  7. 甘味値が10.0g/100mL以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  8. クエン酸に換算した酸度が0.35g/100mL以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  9. 炭酸ガスを含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  10. 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、請求項9に記載の容器詰アルコールテイスト飲料。
  11. アスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整する工程と、
    チモールを原料として含有させる工程と、
    を含み、
    アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料を製造することを特徴とする、容器詰アルコールテイスト飲料の製造方法。
  12. アルコール濃度が3.5v/v%以下であり、柑橘風味を有する容器詰アルコールテイスト飲料において、
    アスコルビン酸とチモールを含有させ、かつアスコルビン酸濃度を100~1500ppmに調整することを特徴とする、容器詰アルコールテイスト飲料の香味改善方法。
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