JP2023089661A - 色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型の色素増感太陽電池を提供すること。【解決手段】色素増感太陽電池は、第1の基板に形成された電極と、電極の上に形成される電子輸送層と、電子輸送層の上に形成され、電子捕集剤と色素とを含む光吸収層と、第1の基板と対向した配置される第2の基板に形成された対向電極と、対向電極の上に形成される触媒層と、光吸収層と触媒層との間に充填される電解液とを備える。電極と電子輸送層及び対向電極と触媒層のうちの少なくとも何れか一方は、同一パターンで形成されている。【選択図】図1
Description
本開示は、色素増感太陽電池に関する。
太陽電池は、IoT(Internet of Things)デバイス用の電源及びエナジーハーベスティング素子として期待されている。太陽電池は、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、有機系太陽電池に大別される。有機系太陽電池の中で、色素増感太陽電池(Dye sensitized Solar Cell: DSC)が知られている。色素増感太陽電池は、光を吸収するための色素と、電解液とを用いた酸化還元反応によって発電する。色素増感太陽電池に用いられる電解液には、固体型電解液と液体型電解液とがある。近年、色素増感太陽電池の小型化が求められている。
山中良亮,"色素増感太陽電池",シャープ技報,シャープ株式会社,2010年2月,第100巻,p32-35
本開示は、小型の色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
一態様の色素増感太陽電池は、第1の基板に形成された電極と、電極の上に形成される電子輸送層と、電子輸送層の上に形成され、電子捕集剤と色素とを含む光吸収層と、第1の基板と対向した配置される第2の基板に形成された対向電極と、対向電極の上に形成される触媒層と、光吸収層と触媒層との間に充填される電解液とを備える。電極と電子輸送層及び対向電極と触媒層のうちの少なくとも何れか一方は、同一パターンで形成されている。
本開示によれば、小型の色素増感太陽電池を提供することができる。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す図である。第1の実施形態に係る色素増感太陽電池1は、複数の色素増感太陽電池のユニットU1、U2、U3、U4が直列接続されて構成される色素増感太陽電池モジュールである。図1では、ユニットの数は、4つである。ユニットの数は、4つに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す図である。第1の実施形態に係る色素増感太陽電池1は、複数の色素増感太陽電池のユニットU1、U2、U3、U4が直列接続されて構成される色素増感太陽電池モジュールである。図1では、ユニットの数は、4つである。ユニットの数は、4つに限定されるものではない。
図1に示すように、色素増感太陽電池1のそれぞれのユニットU1、U2、U3、U4は、第1の基板11と第2の基板12との間に形成される。第1の基板11は、ガラス基板等の透明基板である。第2の基板12は、第1の基板11と対向するように配置される。第2の基板12は、第1の基板11と同様に、ガラス基板等の透明基板である。
第1の基板11のそれぞれのユニットの位置には、電極13が形成されている。電極13の間隔は、例えば隣接する電極間でのリーク電流等の影響がない程度の間隔である。電極13は、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)といった透明導電酸化膜(TCO)によって形成される。それぞれの電極13は、対応するユニットのアノード電極として用いられる。また、色素増感太陽電池1における端のユニットであるユニットU1及びU4のうちの一方のユニット、図1ではユニットU4に形成される電極13は、色素増感太陽電池1の外部に引き出されている。引き出された電極13には、端子131が形成されている。端子131からは配線が引き出されている。この配線は、図示しない負荷の一端に接続される。
第2の基板12のそれぞれのユニットの位置には、対向電極14が形成されている。対向電極14の間隔は、例えば隣接する電極間でのリーク電流等の影響がない程度の間隔である。対向電極14は、電極13と同様、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)といった透明導電酸化膜(TCO)によって形成される。それぞれの対向電極14は、対応するユニットのカソード電極として用いられる。また、色素増感太陽電池1における端のユニットであるユニットU1及びU4のうちのもう一方のユニット、図1ではユニットU1に形成される対向電極14は、色素増感太陽電池1の外部に引き出されている。引き出された対向電極14には、端子141が形成されている。端子141からは配線が引き出されている。この配線は、図示しない負荷のもう一端に接続される。
それぞれのユニットのアノード電極を構成する電極13の上には電子輸送層15が形成されている。電子輸送層15は、酸化チタン(TiOx)の金属酸化膜で構成される。電子輸送層15は、金属よりも高抵抗なTCOで構成される電極13による損失を抑制するために設けられ得る。また、電子輸送層15が形成されることにより、電子輸送層15の上にさらに形成される光吸収層16の密着性が向上する。ここで、実施形態においては、電極13と電子輸送層15のそれぞれの主面、すなわち最も面積の広い面は、同一のサイズ及び同一の形にパターニングされる。つまり、電子輸送層15は、電極13を覆い隠すように電極13と一体的に形成される。さらに、電極13と電子輸送層15とは一体的に形成されるため、ユニットU4における電極13と同様にユニットU4における電子輸送層15も色素増感太陽電池1の外部に引き出されている。なお、電子輸送層15は、電極13よりも薄く形成されることが望ましく、例えば0nmよりも厚く、10nm以下の薄い層であることが望ましい。
それぞれの電子輸送層15の上には、光吸収層16が形成されている。光吸収層16は、電子捕集剤に色素が吸着されて構成された層である。電子捕集剤は、例えば微小な酸化物半導体、例えば酸化チタン(TiO2)の集積体である。色素は、例えばルテニウム(Ru)色素(RU)(N719色素等)等である。電子捕集剤は、酸化チタンに限らず、例えば酸化亜鉛、酸化錫、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化インジウム及びその複合体等であってもよい。また、色素は、N719色素に限らない。例えば、ルテニウム系色素として、N3色素、BlackDyeや、純粋有機色素として、D149、キサンテン、PVK、メロシアニン、オキサジン等が用いられてもよい。
それぞれのユニットのカソード電極を構成する対向電極14の上には触媒層17が形成されている。触媒層17は、例えば白金層である。実施形態においては、対向電極14と触媒層17のそれぞれの主面、すなわち最も面積の広い面は、同一のサイズ及び同一の形にパターニングされる。つまり、触媒層17は、対向電極14を覆い隠すように対向電極14と一体的に形成される。さらに、対向電極14と触媒層17とは一体的に形成されるため、ユニットU1における対向電極14と同様にユニットU1における触媒層17も色素増感太陽電池1の外部に引き出されている。なお、触媒層17は、対向電極14よりも薄く形成されることが望ましく、例えば0nmよりも厚く、10nm以下の薄い層であることが望ましい。
それぞれのユニットの光吸収層16と触媒層17との間には、電解液18が充たされている。電解液18の溶媒としては、例えばアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸エチレン等が用いられ得る。電解液18の溶質としては、例えばヨウ素(I2)、1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPImI)、ヨウ化リチウム(LiI)、4-tert-ブチルピリジン(TBP)等が用いられ得る。図1に示すように、電解液18は、それぞれのユニットU1とユニットU2の間の境界位置、ユニットU2とユニットU3の間の境界位置、ユニットU3とユニットU4の間の境界位置にそれぞれ設けられる上下導通封止材19によって仕切られている。上下導通封止材19は、オレフィン樹脂等の耐溶媒性に優れた樹脂に金属粒子を含む導電剤を含有させることによって構成されている。上下導通封止材19は、第1の基板11と第2の基板12とを貼り合わせるとともに、対向する電極間に設けられることでユニット間を導通させる。つまり、ユニットU1とユニットU2の間の境界位置に設けられる上下導通封止材19は、ユニットU1の電極13とユニットU2の対向電極14とを導通させる。ユニットU2とユニットU3の間の境界位置に設けられる上下導通封止材19は、ユニットU2の電極13とユニットU3の対向電極14とを電子輸送層15及び触媒層17を介して導通させる。ユニットU3とユニットU4の間の境界位置に設けられる上下導通封止材19は、ユニットU3の電極13とユニットU4の対向電極14とを導通させる。これにより、ユニットU1、U2、U3、U4は直列接続される。
さらに、色素増感太陽電池1の最外周部における電子輸送層15と触媒層17との間には外部封止材20が形成されている。外部封止材20は、第1の基板11と第2の基板12とを貼り合わせるとともに、電解液18の外部への漏れ出しを防止する。つまり、電解液18は、第1の基板11と、第2の基板12と、上下導通封止材19と、外部封止材20とによって封止されている。外部封止材20は、例えば樹脂である。
図2は、1つのユニットにおける発電原理を説明するための図である。ここで、図2は、ユニットU4を示している。しかしながら、ユニットU1、U2、U3も同様の発電原理に従って発電する。また、以下の例では電子捕集剤は酸化チタン(TiO2)であり、色素はルテニウム(Ru)色素であり、電解液18はヨウ素(I)電解液であるとする。
まず、色素増感太陽電池1に光が入射すると、その光は基板に形成された色素16aによって吸収される。色素16aは、光を吸収することによって励起する。反応式は、例えば以下の式(1)で示される。
Ru→Ru++e- (1)
Ru→Ru++e- (1)
励起された色素16aから放出された電子(e-)は、例えば多孔質の酸化チタン(TiO2)で構成される電子捕集剤16bに注入される。電子捕集剤16bに注入された電子は、ユニットU4のアノード電極である電極13に移動する。
一方、電子(e-)を失った色素16aは、電解液18中の例えばヨウ化物イオン(I-)から、電子を供給される。電解液18中のヨウ化物イオン(I-)は、電子(e-)を色素16bに供給すると三ヨウ化物イオン(I3
-)になる。反応式は、例えば以下の式(2)、式(3)で示される。
Ru+e-→Ru (2)
3I-→I3 -+2e- (3)
Ru+e-→Ru (2)
3I-→I3 -+2e- (3)
このような酸化反応によって生じた三ヨウ化物イオン(I3
-)は、ユニットU4のカソード電極である対向電極14から電子(e-)を受け取ろうとする。このとき、対向電極14と電極13との間には、電位差が発生する。対向電極14と電極13との間に負荷が接続されていれば、電極13まで移動した電子は、負荷を通って対向電極14まで移動する。そして、対向電極14に達した電子は、三ヨウ化物イオン(I3
-)によって吸収される。このような還元反応により、三ヨウ化物イオン(I3
-)はヨウ化物イオン(I-)に戻る。反応式は、例えば以下の式(4)で示される。
I3 -+2e-→3I- (4)
I3 -+2e-→3I- (4)
以上の酸化還元反応が繰り返されることにより、色素増感太陽電池1のユニットは発電する。このような酸化還元反応が起きるためには、励起状態の色素16aのエネルギー準位は、電子捕集剤16bのエネルギー準位よりも高く、かつ、基底状態の色素16aのエネルギー準位は、電解液18のエネルギー準位より低いという関係を要する。
ここで、図1に示す色素増感太陽電池1では、複数のユニットが直列接続されている。この場合において、ユニットU1に光が入射した場合、図2を参照して説明した原理に従って色素から電子が放出される。色素から放出された電子は、電子捕集剤に受け渡され、その後にアノード電極に移動する。ここで、ユニットU1のアノード電極である電極13は、上下導通封止材19を介してユニットU2のカソード電極である対向電極14と接続されている。したがって、ユニットU1のアノード電極に移動した電子は、ユニットU2のカソード電極に移動する。このユニットU2のカソード電極に移動した電子は、ユニットU2における還元反応に用いられる。
同様に、ユニットU2における酸化反応に伴って色素から放出された電子は、ユニットU2のアノード電極からユニットU3のカソード電極に移動する。そして、ユニットU3のカソード電極に移動した電子は、ユニットU3における還元反応に用いられる。また、同様に、ユニットU3における酸化反応に伴って色素から放出された電子は、ユニットU3のアノード電極からユニットU4のカソード電極に移動する。そして、ユニットU4のカソード電極に移動した電子は、ユニットU4における還元反応に用いられる。
さらに、ユニットU4における酸化反応に伴って色素から放出された電子は、ユニットU4のアノード電極に移動する。ユニットU4のアノード電極は、負荷に接続される。したがって、ユニットU4のアノード電極まで移動した電子は、負荷を介してユニットU1のカソード電極まで移動する。そして、ユニットU1のカソード電極に移動した電子は、ユニットU1における還元反応に用いられる。
以上のようなそれぞれのユニットでの酸化還元反応が繰り返されることにより、色素増感太陽電池1は発電する。色素増感太陽電池1は、図2で示した単一のユニットよりも高い発電効率を有する。
次に、第1の実施形態の色素増感太陽電池1の製造方法を説明する。図3A-図3Gは、第1の実施形態の色素増感太陽電池1の製造工程を示す図である。実施形態では、アノード電極が形成されるアノード基板とカソード電極が形成されるカソード基板とを別々に形成した後、両者を貼り合わせることによって色素増感太陽電池1が製造される。
まず、アノード基板の製造方法について図3A-図3Cを参照して説明する。図3Aに示すように、ガラス基板等の第1の基板11に、透明導電酸化膜13a及び電子輸送層15aが順次に成膜される。透明導電酸化膜13aは、例えばITO膜である。電子輸送層15aは、例えばTiOx膜である。透明導電酸化膜13a及び電子輸送層15aの成膜の仕方は、特定の手法に限定されない。透明導電酸化膜13a及び電子輸送層15aが第1の基板11に成膜された後、電子輸送層15aの上に電極13の形状に合わせてマスクMが形成される。ここで、前述したように、ユニットU4の電極13は外部に引き出される。このため、ユニットU4の部分のマスクMは、引き出し分が考慮されて他の部分のマスクMよりも大きく形成される。
続いて、透明導電酸化膜13aのためのエッチング液、例ではITOエッチング液を用いて透明導電酸化膜13aがエッチングされる。ここで、電子輸送層15aが例えば10nm以下の薄い層として成膜されている場合、電子輸送層15aは、ITOエッチング液を用いることでもエッチングされ得る。つまり、実施形態では、電子輸送層15aと透明導電酸化膜13aとはITOエッチング液によってまとめてエッチングされ得る。したがって、エッチング時間は、電子輸送層15aのエッチング時間と透明導電酸化膜13aのエッチング時間とを合わせた時間として設定され得る。透明導電酸化膜13aのエッチングの完了後、マスクMが除去される。これにより、図3Bに示すように、電極13と電子輸送層15とが第1の基板11に形成される。
続いて、図3Cに示すように、それぞれのユニットの電子輸送層15の上に光吸収層16が形成される。このために、まず、電子捕集剤としての例えばTiO2のペーストがそれぞれのユニットの電子輸送層15の上にスクリーン印刷及びディスペンスといった手法で製膜される。そして、それぞれのユニットの電子輸送層15に製膜されたTiO2のペーストが高温で焼成される。さらに、焼成されたTiO2に色素が沈着される。これにより、光吸収層16が形成される。このようにして、アノード基板が製造される。
次に、カソード基板の製造方法について図3D-図3Eを参照して説明する。図3Dに示すように、ガラス基板等の第2の基板12に、透明導電酸化膜14a及び触媒層17aが順次に成膜される。透明導電酸化膜14aは、例えばITO膜である。触媒層17aは、例えばPt膜である。透明導電酸化膜14a及び触媒層17aの成膜の仕方は、特定の手法に限定されない。透明導電酸化膜14a及び触媒層17aが第2の基板12に成膜された後、触媒層17aの上に対向電極14の形状に合わせてマスクMが形成される。ここで、前述したように、ユニットU1の対向電極14は外部に引き出される。このため、ユニットU1の部分のマスクMは、引き出し分が考慮されて他の部分のマスクMよりも大きく形成される。
続いて、透明導電酸化膜14aのためのエッチング液、例ではITOエッチング液を用いて透明導電酸化膜14aがエッチングされる。ここで、触媒層17aが例えば10nm以下の薄い層として成膜されている場合、触媒層17aは、ITOエッチング液を用いることでもエッチングされ得る。つまり、実施形態では、触媒層17aと透明導電酸化膜14aとはITOエッチング液によってまとめてエッチングされ得る。したがって、エッチング時間は、触媒層17aのエッチング時間と透明導電酸化膜14aのエッチング時間とを合わせた時間として設定され得る。透明導電酸化膜14aのエッチングの完了後、マスクMが除去される。これにより、図3Eに示すように、対向電極14と触媒層17とが第2の基板12に形成される。このようにして、カソード基板が製造される。
アノード基板及びカソード基板が製造された後、図3Fに示すようにして、アノード基板とカソード基板とが上下導通封止材19及び外部封止材20を介して貼り合わされる。前述したように、上下導通封止材19は、隣り合うユニットの対向電極14と電極13とを電子輸送層15及び触媒層17を介して導通させるようにこれらの電極の間に設けられる。また、外部封止材20は、色素増感太陽電池1の最外周部における電子輸送層15と触媒層17との間に設けられ、第1の基板11と第2の基板12とを貼り合わせる。
最後に、図3Gに示すようにして、色素増感太陽電池1の各ユニットに電解液18が充填される。電解液18の充填のさせ方は、特定の手法に限定されない。それぞれのユニットに電解液18が充填されることで、色素増感太陽電池1の製造が完了する。
以上説明したように第1の実施形態によれば、アノード基板を構成する電極13と電子輸送層15とが同一のサイズ及び同一の形にパターニングされる。つまり、電子輸送層15は、電極13を覆い隠すように電極13と一体的に形成される。同様に、カソード基板を構成する対向電極14と触媒層17とが同一のサイズ及び同一の形にパターニングされる。つまり、触媒層17は、対向電極14を覆い隠すように対向電極14と一体的に形成される。これにより、それぞれ1回のエッチングによってアノード基板及びカソード基板が製造され得る。
また、第1の実施形態では、電子輸送層15の形成及び触媒層17の形成にリフトオフ工程が不要である。リフトオフ工程では、レジストの残渣が発生しやすい。レジストの残渣が発生してしまうと、レジストの上にのってしまった金属酸化膜又は白金によって、隣接するユニット間での電極のショートが発生する可能性がある。隣接するユニット間での電極のショートを考慮すると、ユニットの間隔を拡げる必要がある。実施形態では、リフトオフ工程が不要であるので、ユニットの間隔を拡げる必要がなくなる。結果として、小型の色素増感太陽電池が製造され得る。
また、第1の実施形態では、電極13に対しては電子輸送層15が電解液18に対する保護膜として機能する。同様に、対向電極14に対しては触媒層17が電解液18に対する保護膜として機能する。これにより、電極13及び対向電極14には、電解液18による腐食が発生しにくい。
[変形例]
第1の実施形態の変形例を説明する。第1の実施形態では、色素増感太陽電池1は、4個のユニットが直列に接続されて構成されている。しかしながら、色素増感太陽電池1は、1個のユニットだけで構成されていてもよい。
第1の実施形態の変形例を説明する。第1の実施形態では、色素増感太陽電池1は、4個のユニットが直列に接続されて構成されている。しかしながら、色素増感太陽電池1は、1個のユニットだけで構成されていてもよい。
また、第1の実施形態では、例えばITOエッチング液を用いたウェットエッチングによってエッチングが実施される。これに対し、例えばF(フッ素)系のガスを用いたドライエッチングによってエッチングが実施されてもよい。
また、第1の実施形態では、電子輸送層15は電極13の主面にのみ形成され、また、触媒層17は対向電極14の主面にのみ形成される。これに対し、電子輸送層15は電極13の側面にかけても形成されてよく、また、触媒層17は対向電極14の側面にかけても形成されてよい。これにより、電極13及び対向電極14の電解液18による腐食の防止の効果がより高められることが期待される。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を説明する。図4は、第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す図である。ここで、図4において、図1と同一の構成については図1と同様の参照符号を付すことで説明を省略する。すなわち、図4において、アノード基板の構成は、図1と同様である。したがって、以下では、カソード基板の構成について説明がされる。
次に、第2の実施形態を説明する。図4は、第2の実施形態に係る色素増感太陽電池の構成の一例を示す図である。ここで、図4において、図1と同一の構成については図1と同様の参照符号を付すことで説明を省略する。すなわち、図4において、アノード基板の構成は、図1と同様である。したがって、以下では、カソード基板の構成について説明がされる。
第2の実施形態においては、第2の基板12に遮光性の対向電極21が形成される。対向電極21は、例えばモリブデン(MO)系金属膜、クロム(Cr)系金属膜といった光反射性を有する金属膜であって、入射した光を反射する。例えば、対向電極21は、対向電極14と同様に、カソード電極として動作するとともに、第1の基板11から入射し、光吸収層16で吸収されなかった光を光吸収層16に戻す働きもする。これにより、発電効率の向上が期待される。
ここで、対向電極21に形成される触媒層17も、対向電極21と同一のサイズ及び同一の形にパターニングされる。つまり、触媒層17は、対向電極21を覆い隠すように対向電極21と一体的に形成される。
第2の実施形態における色素増感太陽電池1の製造方法は、基本的には図3A-図3Gで示した工程で実施される。第1の実施形態においては、対向電極14のエッチングにITOエッチング液によるウェットエッチングを用いることができたが、第2の実施形態ではITOエッチング液は用いられ得ない。第2の実施形態では、対向電極21のエッチングには例えばF(フッ素)系のガスを用いたドライエッチングが用いられる。
以上のような第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第2の実施形態では、反射型の色素増感太陽電池が製造され得る。
[変形例]
第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例を説明する。前述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、アノード基板とカソード基板に1つずつ端子が形成されている。これに対し、端子は、アノード基板とカソード基板の一方にまとめて形成されてもよい。例えば、図5Aで示すように、カソード基板における両端の対向電極14が引き出され、それぞれの対向電極14に端子141が形成されてもよい。同様に、例えば、図5Bで示すように、アノード基板における両端の電極13が引き出され、それぞれの電極13に端子131が形成されてもよい。
第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例を説明する。前述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、アノード基板とカソード基板に1つずつ端子が形成されている。これに対し、端子は、アノード基板とカソード基板の一方にまとめて形成されてもよい。例えば、図5Aで示すように、カソード基板における両端の対向電極14が引き出され、それぞれの対向電極14に端子141が形成されてもよい。同様に、例えば、図5Bで示すように、アノード基板における両端の電極13が引き出され、それぞれの電極13に端子131が形成されてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1 色素増感太陽電池、11 第1の基板、12 第2の基板、13 電極、14 対向電極、15 電子輸送層、16 光吸収層、16a 色素、16b 電子捕集剤、17 触媒層、18 電解液、19 上下導通封止材19、20 外部封止材、21 対向電極。
Claims (5)
- 第1の基板に形成された電極と、
前記電極の上に形成される電子輸送層と、
前記電子輸送層の上に形成され、電子捕集剤と色素とを含む光吸収層と、
前記第1の基板と対向した配置される第2の基板に形成された対向電極と、
前記対向電極の上に形成される触媒層と、
前記光吸収層と前記触媒層との間に充填される電解液と、
を具備し、
前記電極と前記電子輸送層及び前記対向電極と前記触媒層のうちの少なくとも何れか一方は、同一パターンで形成されている、
色素増感太陽電池。 - 前記電極及び前記対向電極は、透明電極である、
請求項1に記載の色素増感太陽電池。 - 前記電極は、透明電極であり、
前記対向電極は、光反射性を有する電極である、
請求項1に記載の色素増感太陽電池。 - 前記電子輸送層は、前記電極に対して薄く形成され、
前記触媒層は、前記対向電極に対して薄く形成される、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。 - 前記電極と、
前記電子輸送層と、
前記光吸収層と、
前記対向電極と、
前記触媒層と、
前記電解液と、
をそれぞれ含む複数のユニットを有し、
前記複数のユニットのうちの隣り合う第1のユニットと第2のユニットとは上下導通封止材によって仕切られており、
前記上下導通封止材は、前記第1のユニットの前記触媒層と前記第2のユニットの前記電子輸送層との間に設けられ、前記第1のユニットの前記触媒層と前記第2のユニットの前記電子輸送層とを介して前記第1のユニットの前記対向電極と前記第2のユニットの前記電極とを導通させている、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。
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JP2021204297A JP2023089661A (ja) | 2021-12-16 | 2021-12-16 | 色素増感太陽電池 |
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JP2021204297A JP2023089661A (ja) | 2021-12-16 | 2021-12-16 | 色素増感太陽電池 |
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2021
- 2021-12-16 JP JP2021204297A patent/JP2023089661A/ja active Pending
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