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JP2023082843A - 自立性包装袋 - Google Patents

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JP2023082843A
JP2023082843A JP2021196813A JP2021196813A JP2023082843A JP 2023082843 A JP2023082843 A JP 2023082843A JP 2021196813 A JP2021196813 A JP 2021196813A JP 2021196813 A JP2021196813 A JP 2021196813A JP 2023082843 A JP2023082843 A JP 2023082843A
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和敬 盧
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】モノマテリアル化の実現に有用であり且つ落下衝撃に対する十分な耐性を有する自立性包装袋を提供する。【解決手段】本開示の自立性包装袋は、第一の本体部と、第二の本体部と、第三の基材層及び第三のシーラント層を含む第三の積層フィルムで構成され且つ山折り部を有する底テープとをヒートシールして形成されたものである。第三のシーラント層は、50~150MPaのMD弾性率を有し且つ50~150MPaのTD弾性率を有するとともに、密度0.90~0.92g/cm3のポリエチレン樹脂を含み、第三の積層フィルムの単位断面積あたりの破断強度が25N/mm2以上である。【選択図】図1

Description

本開示は自立性包装袋に関する。
包装袋は、例えば、内容物の性質及び量、内容物の変質を抑えるための後処理、包装体(包装袋に内容物が収容されたもの)を運搬する形態、包装体を開封する方法、並びに、廃棄する方法によって、さまざまな素材が組み合わせて用いられている。
スタンディングパウチなどの自立性包装袋は、店頭の商品棚で商品を目立たせることが可能で、採用の範囲が広がっている。パウチが途中で折れ曲がることなく、全面が見えるようにするためには、パウチを構成する積層フィルムがある程度の剛性を有している必要がある。また、パウチの内容物が液体であれば、落下の衝撃で破袋して液体が漏洩しない強度が求められる。これらの機能に対応するため、ポリエステルフィルムやナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルムなどを組み合わせた積層体が用いられてきた(特許文献1,2参照)。
特開平7-237281号公報 特開平7-241967号公報
近年の環境問題への意識の高まりから、包装袋の分野においても省資源又は再利用が求められている。例えば、省資源の観点から、一つの詰め替えパウチに複数回分の詰め替え量が充填される傾向にある。しかし、内容物の容量が多くなれば、落下時の衝撃が大きくなるため、落下によって内容物が漏洩するリスクが高まる。落下耐性を向上させる手段として、パウチを構成するフィルム(例えば、シーラントフィルム)を厚くすることが考えられる。しかし、これはプラスチックの使用量削減に逆行するものである。
包材を構成する積層フィルムを同系統の材料で構成して、包材を一体の素材として再利用する技術も検討されている。これは包材のモノマテリアル化と称される。従来の包材は、上述のとおり、様々な異種材料を組み合わせることにより落下耐性をはじめとする要求物性を向上させてきた。しかし、包材を同系統の材料で構成する場合、十分な落下耐性を確保しにくいという課題がある。
本開示は、モノマテリアル化の実現に有用であり且つ十分な落下耐性を有する自立性包装袋を提供する。
本開示の一側面に係る自立性包装袋は、第一の基材層及び第一のシーラント層を含む第一の積層フィルムで構成された第一の本体部と、第二の基材層及び第二のシーラント層を含む第二の積層フィルムで構成された第二の本体部と、第三の基材層及び第三のシーラント層を含む第三の積層フィルムで構成され且つ山折り部を有する底テープとをヒートシールして形成されたものである。第三のシーラント層は、50~150MPaのMD弾性率を有し且つ50~150MPaのTD弾性率を有するとともに、密度0.85~0.94g/cmのポリエチレン樹脂を含み、第三の積層フィルムの単位断面積あたりの破断強度が25N/mm以上である。
本発明者は、ポリエステル樹脂によるモノマテリアル化を目指し、まず、第一、第二及び第三の積層フィルムをいずれも同一の構成とし且つこれらの積層フィルムの各層にポリエチレンフィルムを使用してスタンディングパウチを作製した。このスタンディングパウチに400ccの水を密封して落下耐性を評価した結果、底テープの山折り部に亀裂が発生する現象が高い頻度で発生した(後述の比較例1の結果を示す図8参照)。複合素材で構成された従来のスタンディングパウチでは、底部のシール部に破断が生じることが多く、この現象はポリエチレン樹脂によるモノマテリアル化が主因であると推察される。本発明者は、底テープの破断強度を高めるため、底テープの第三のシーラント層に着目し、その弾性率を比較的低く設定した。これにより、山折り部における亀裂が生じにくくなると考えた。多くの試作とその評価の結果、第三のシーラント層のMD弾性率及びTD弾性率をいずれも50~150MPaとすることで、山折り部に亀裂が生じる頻度が十分に低くなり、十分な落下耐性を有する自立性包装袋を安定的に得ることが可能となった。
本開示において、MD弾性率は、第三のシーラント層のMD(Machine Direction)の弾性率を意味し、第三のシーラント層のTD(Transverse Direction)の弾性率を意味する。弾性率及び破断強度は、JIS K7161に記載の方法に準拠して測定される値を意味する。測定は、幅15mm×長さ60mmの試料を測定対象とし、チャック間距離50mm、引張速度200mm/分の条件で実施する。測定された破断強度(N/15mm)の値を試料の断面積(試料の厚さ×15mm)で除すことにより、単位断面積あたりの破断強度が求められる。底テープの破断強度は、MD及びTDの両方が25N/mm以上であることが好ましい。
本開示によれば、モノマテリアル化の実現に有用であり且つ十分な落下耐性を有する自立性包装袋が提供される。
図1は本開示の一実施形態に係る自立性包装袋を模式的に示す正面図である。 図2は図1に示す自立性包装袋の構成を模式的に示す断面図である。 図3は図1に示す自立性包装袋を構成する一対の本体部と、底テープとを模式的に示す斜視図である。 図4は多層構造のシーラント層を備える底テープの一例を模式的に示す断面図である。 図5は実施例1の結果を示す図である。 図6は実施例2の結果を示す図である。 図7は実施例3の結果を示す図である。 図8は比較例1の結果を示す図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。ここでは、モノマテリアル化が実現されたスタンディングパウチを例に挙げて説明する。スタンディングパウチは、シャンプー、ハンドソープ、洗剤などの詰め替えパウチや、スープ、調味料などのパウチとして使用されるものである。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<スタンディングパウチ>
図1は本実施形態に係るスタンディングパウチ(自立性包装袋)を模式的に示す正面図である。図2はスタンディングパウチの構成を模式的に示す断面図である。これらの図に示すスタンディングパウチ10は、一対の本体部1,2(第一及び第二の本体部)と、底テープ3とをヒートシールして形成されている。一対の本体部1,2はいずれも、基材層L1(第一及び第二の基材層)と、シーラント層L2(第一及び第二のシーラント層)とを少なくとも含む積層フィルム1Fで構成されている。底テープ3は、基材層L3(第三の基材層)と、シーラント層L4(第三のシーラント層)とを少なくとも含む積層フィルム3Fで構成されている。ヒートシールによるスタンディングパウチの形成は、従来の方法と同様に実施することができる。
リサイクル適性の観点から、一対の本体部1,2及び底テープ3はいずれも、ポリエチレン系樹脂組成物で構成されている。スタンディングパウチ10のポリエチレン含有率は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは92質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。
(底テープ)
底テープ3は一つの山折り部3aを有する。すなわち、スタンディングパウチ10が自立した状態において、底テープ3は逆V字状に配置されている(図2,3参照)。上述のとおり、スタンディングパウチ10が落下による衝撃を受けても、底テープ3の山折り部3aに亀裂が生じないように工夫がされている。以下、底テープ3を構成するシーラント層L4及び基材層L3について説明する。
シーラント層L4は比較的低い弾性率を有する材料で構成されている。シーラント層L4のMD弾性率は、50~150MPaであり、好ましくは70~150MPaであり、より好ましくは90~150MPaである。この値が50MPa以上であることで底テープ3に十分な剛性を付与でき、他方、150MPa以下であることでシーラント層L4が落下の衝撃を吸収し得るとともに、底テープ3に十分な耐屈曲性を付与できる。シーラント層L4のTD弾性率は、50~150MPaであり、好ましくは70~130MPaであり、より好ましくは90~130MPaである。この値が50MPa以上であることで底テープ3に十分な剛性を付与でき、他方、150MPa以下であることでシーラント層L4が落下の衝撃を吸収し得るとともに、底テープ3に十分な耐屈曲性を付与できる。なお、図1における矢印MはMDを示し、矢印TはTDを示す。
シーラント層L4が上記弾性率の条件を満たす観点から、シーラント層L4は直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)及び超低密度ポリエチレン(VLDPE)の少なくとも一方を含むことが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンはエチレンとα-オレフィンの共重合体であり、上記観点から、好適なα-オレフィンとして、プロピレン(C3)、ブテン(C4)、ペンテン(C5)、ヘキセン(C6)ヘプテン(C7)及びオクテン(C8)が挙げられ、これらのうち、より好適なα-オレフィンとして、ヘキセン(C6)、ヘプテン(C7)及びオクテン(C8)が挙げられる。ヘキセン系直鎖状低密度ポリエチレンはエチレンとヘキセンの共重合体である。ヘプテン系直鎖状低密度ポリエチレンはエチレンとヘプテンの共重合体である。オクテン系直鎖状低密度ポリエチレンはエチレンとオクテンの共重合体である。
シーラント層L4に含まれるポリエチレン樹脂のメルトフローレート(以下、「MFR」という。)は、好ましくは5g/10分以下であり、より好ましくは0.5~4.5g/10分であり、更に好ましくは1~4g/10分である。この値が5g/10分以下のポリエチレン樹脂は構成樹脂の分子量が比較的高いものを含み、フィルム化後、衝撃に対する高い強度を発現する傾向にある。他方、この値が0.5g/10分以上であることで押出加工によるフィルム化への加工機負荷が低く加工しやすく、弾性率を低く保ちながら樹脂フィルムの引張強度が高くなる傾向にある。なお、本開示におけるMFRは、JIS K7210に記載の方法に準拠し、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定された値を意味する。
シーラント層L4の融点は、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは95~110℃である。低温シール性の観点から、シーラント層L4は融点110℃以下のポリエチレン樹脂を含むことが好ましい。本開示における融点は示差走査熱量計(DSC)を使用して測定された値を意味する。
シーラント層L4の厚さは、例えば、40~150μmであり、60~140μm又は80~120μmであってもよい。シーラント層L4に含まれるポリエチレン樹脂は一種であっても複数種であってもよい。シーラント層L4は単層であっても多層であってもよい。シーラント層L4は比較的低い密度のポリエチレン樹脂を含むことで、高い弾性と高い耐屈曲性の両方を高度に達成し得る。ポリエチレン樹脂の密度は、例えば、0.85~0.94g/cmであり、好ましくは0.90~0.92g/cmであり、0.85~0.915g/cmであってもよい。
シーラント層L4に含まれるポリエチレン樹脂の分散度(Mw/Mn)は、好ましくは7.0以上であり、7.5~15.0であってもよい。この値が7.0以上であることはポリエチレン樹脂の分子量分布が比較的ブロードであることを意味し、すなわち、ポリエチレン樹脂が低分子量成分から高分子量成分まで含むことを意味する。高分子量成分は破断強度の向上に寄与し、他方、低分子量成分は低温シール性を付与したり、樹脂粘性を下げて柔軟性を付与したり、加工性を向上させる効果を奏すると推察される。かかるポリエチレン樹脂は、十分な耐屈曲性を底テープ3に付与する効果を奏するとともに、シーラント層L4の低弾性化にも寄与すると推察される。ポリエチレン樹脂の分散度(Mw/Mn)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定することができる。
シーラント層L4が単層である場合、シーラント層L4における上記ポリエチレン樹脂の含有量は、シーラント層L4の質量基準で、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは60~100質量%であり、更に好ましくは70~95質量%である。この値が50質量%以上であることで、上記効果が十分に奏されるとともに、高度にモノマテリアル化を実現できる傾向にある。
シーラント層L4が多層である場合、シーラント層L4は、密度が0.85g/cm以上0.910g/cm未満のポリエチレン樹脂(以下「ポリエチレン樹脂A」という。)で構成されたA層と、密度が0.910g/cm以上0.925g/cm以下のポリエチレン樹脂(以下「ポリエチレン樹脂B」という。)で構成されたB層とを含んでもよい(図4参照)。シーラント層L4がA層を含むことで、優れた耐屈曲性をより高度に達成し得る。A層の厚さTaに対するB層の厚さTbの比(Tb/Ta)は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1.75~10であり、更に好ましくは2~10である。A層がヒートシール面を構成していることが好ましい。
基材層L3は、未延伸又は延伸のポリエチレン樹脂フィルムで構成されていることが好ましい。基材層L1が未延伸であることで、樹脂の配向性がほとんどなく、引っ張りやせん断のような外部応力に対して伸びやすく破断しにくい。他方、基材層L1が延伸であることで、一定の硬度を保持しつつ、突刺しや屈曲に対する高い耐性を達成しやすい。基材層L3の厚さは、例えば、5~200μmであり、5~100μm又は10~50μmであってよい。基材層L3は、シーラント層L4よりも、好ましくは20℃以上高い融点を有し、より好ましくは25℃以上高い融点を有する。両者の融点に差があることで、ヒートシール工程において、基材層L3の溶融を抑制できる。
基材層L3の融点は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは125℃以上である。基材層L3を構成するポリエチレンとして、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)が挙げられる。これらのうち、耐熱性の観点から、HDPE及びMDPEで密度が0.925g/cm以上のものを使用することが好ましい。特に、密度が0.93~0.98g/cmの範囲の高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
積層フィルム3Fの単位断面積あたりの破断強度は、25N/mm以上であり、好ましくは25~100N/mmであり、25~80N/mm又は25~50N/mmであってもよい。この値が25N/mm以上であることで引張応力に対する破断抑止効果が奏され、他方、100N/mm以下であることで、積層フィルム3Fの一部(例えば、基材層L3)の破断による衝撃を積層フィルム3Fが受けても、破断していない部分(例えば、シーラント層L4)が延伸することによって完全な破断を抑制できるという効果が奏される。本開示において、破断強度はJIS K7161に記載の方法に準拠して測定される値を意味する。測定は、幅15mm×長さ30mmの試料を測定対象とし、チャック間距離20mm、引張速度5mm/分の条件で実施する。測定された破断強度(N/15mm)の値を試料の断面積(試料の厚さ×15mm)で除すことにより、単位断面積あたりの破断強度が求められる。
(本体部)
本体部1,2はいずれも、基材層L1と、シーラント層L2とを含む積層フィルム1Fで構成されている。基材層L1を構成する材料は、基材層L3と同様であってよい。他方、シーラント層L2を構成する材料は、シーラント層L4を構成する材料と同様であってもよいし、異なってもよい。スタンディングパウチ10の自立性の観点から、シーラント層L2を構成する材料はシーラント層L4を構成する材料より強いコシを発現し得るものが好ましい。シーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂として、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)を使用し得る。これらのうち、0.90~0.92g/cmの密度を有するポリエチレンを用いることが好ましい。シーラント層L2を構成する樹脂の融点は、ヒートシール性の観点から、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは95~110℃である。
シーラント層L2の厚さは、例えば、30~150μmであり、60~150μmであってもよい。シーラント層L2の厚さを調整することで、積層フィルム1Fの折り曲げ性及び剛性を調整できる。
本開示における基材層及びシーラント層に含まれるポリエチレン樹脂は、石油由来のものに限定されず、その一部又は全部が生物由来の樹脂材料(例えば、バイオマス由来のエチレンを原材料に用いたバイオマスポリエチレン)であってもよい。バイオマス由来のポリエチレンの製造方法は、例えば、特表2010-511634号公報に開示されている。ポリエチレン樹脂は、市販のバイオマスポリエチレン(ブラスケム社製グリーンPE等)を含んでもよいし、使用済みのポリエチレン製品やポリエチレン製品の製造過程で発生した樹脂(いわゆるバリ)を原料とするメカニカルリサイクルポリエチレンを含んでもよい。
本開示における基材層及びシーラント層は、ポリエチレン樹脂以外の成分を含んでいてもよい。かかる成分としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、生分解性の樹脂材料(例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉等)などが挙げられる。基材層及びシーラント層は、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の添加剤を含んでもよい。スタンディングパウチ10におけるポリエチレン樹脂以外の成分の量は、スタンディングパウチ10の質量を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
以下、スタンディングパウチの具体的な構成について説明する。スタンディングパウチ10の底部は、図2に示すように、ヒートシール部5と、ヒートシール部6とによって構成されている。ヒートシール部5は、本体部1の底部1aと底テープ3の一方の底部3bとをヒートシールした部分である。ヒートシール部6は、本体部2の底部2aと底テープ3の他方の底部3cとをヒートシールした部分である。本体部1,2と底テープ3は、図1に示されるように、内容物を収容する領域の底部が曲面をなすように、上側が円弧状をなすようにヒートシールされている。なお、本発明者らの検討によると、従来のスタンディングパウチは、液状物が収容された状態において、底部が下方の向きで落下することが多く、また、このような状態で落下したときに、底部が破袋しやすい。
スタンディングパウチ10の底辺10aから山折り部3aまでの距離Lは、内容物の種類及び内容量に依存するが、例えば、35~60mmであり、37~50mm又は40~50mmであってもよい。距離Lが35mm以上であることでスタンディングパウチ10の落下耐性をより一層向上できる傾向にある。他方、距離Lが60mm以下であることでスタンディングパウチ10の十分な内容量を確保しやすい傾向にある。スタンディングパウチ10の幅Wも、内容物の種類及び内容量に依存するが、例えば、100~140mmであり、105~135mm又は110~130mmであってもよい。
スタンディングパウチ10の側部は、ヒートシール部7で構成されている。ヒートシール部7の幅は、例えば、3~18mmであり、7~15mmであってもよい。ヒートシール部7の幅が3mm以上であることでスタンディングパウチ10に十分な自立性を付与できる傾向にあり、他方、18mm以下であることでスタンディングパウチ10の十分な内容量を確保しやすい傾向にある。
図1に示されたとおり、スタンディングパウチ10は、底部10bの両サイドに局所的接合部9をそれぞれ有する。局所的接合部9は本体部1と本体部2とを接合している。すなわち、局所的接合部9は、底テープ3に設けられた切り欠き部8を通じて本体部1,2のシーラント層L2同士が局所的に接着している箇所である。図3に示されたように、底テープ3の切り欠き部8は、山折り部3aと底辺3d,3dとの間の領域であり且つ底テープ3の側部に設けられている。底部10bの両サイドに局所的接合部9が設けられていることで、スタンディングパウチ10の自立性及び落下耐性をより一層向上させることができる。
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スタンディングパウチ10をポリエチレンによるモノマテリアル化を実現する態様を例示したが、例えば、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂とを併用することにより、ポリオレフィンによるモノマテリアル化を実現してもよい。この場合、スタンディングパウチのポリオレフィン含有率は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは92質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。
上記実施形態においては、二層構成の積層フィルム1F,3Fを例示したが、積層フィルム1F,3Fは他の層を更に含んでもよい。例えば、水蒸気や酸素に対するガスバリア性向上の観点から、積層フィルム1F,3Fはガスバリア層を更に含んでもよい。ガスバリア層は、基材層とシーラント層との間に設けられてもよく、基材層のシーラント層とは反対側の面に設けられてもよい。積層フィルムの水蒸気透過量は、例えば、5g/m・dayであり、1g/m・day以下又は0.5g/m・day以下であってもよい。積層フィルムの酸素透過量は、例えば、1cc/m・atm・dayであり、0.5g/m・atm・day以下又は0.2g/m・atm・day以下であってもよい。積層体がガスバリア層を含むことで、内容物を水蒸気や酸素による劣化から保護し、長期的に品質を保持しやすくなる。
ガスバリア層の一例として、無機酸化物の蒸着層が挙げられる。無機酸化物の蒸着層を用いることにより、積層フィルムのリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてよい。無機酸化物の蒸着層の厚さは、例えば5~100nmとすることができ、10~50nmであってよい。厚さが5nm以上であることでバリア性が良好に発揮されやすく、厚さが100nm以下であることで、積層フィルムの可撓性が維持されやすい。蒸着層は、例えば物理気相成長法、化学気相成長法等によって形成することができる。
積層フィルムは、無機酸化物の蒸着層に代えて、あるいは加えて、金属層(金属箔)を含んでもよい。金属層としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。金属層を設ける場合、その厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の点から、7~50μmであってよく、9~15μmであってよい。
積層フィルムは、基材層とシーラント層との間にアンカーコート層を備えていてもよい。アンカーコート層は、積層フィルムのリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層でよく、アンカーコート剤を用いて形成することができる。アンカーコート剤としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。アンカーコート剤としては、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
積層フィルムは、例えば、印刷層を更に含んでもよい。印刷層は、基材層とシーラント層との間に設けられてもよく、基材層のシーラント層とは反対側の面に設けられてもよい。印刷層を設ける場合、印刷インキには塩素を含まないものを用いることが、印刷層が再溶融時に着色したり、臭いが発生したりすることを防ぐ観点から好ましい。また、印刷インキに含まれる化合物にはバイオマス材料を使用することが、環境配慮の観点から好ましい。
以下、本開示について実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に係るスタンディングパウチを作製するため、以下の材料を準備した。
<本体部>
・基材層…未延伸HDPEフィルム(厚さ:35μm、密度:0.948g/cm、融点:135℃)
・シーラント層…低温シール性LLDPEフィルム(密度:0.916g/cm、MFR:4.0g/10分、融点:102℃)
<底テープ>
・基材層…未延伸HDPEフィルム(厚さ:35μm、密度:0.948g/cm、融点:135℃)
・シーラント層用ポリエチレン樹脂A…ヘキセン系VLLDPE(密度:0.909g/cm、MFR:1.9g/10分、融点:97℃)
・シーラント層用ポリエチレン樹脂B…ヘキセン系LLDPE(密度:0.913g/cm、MFR:2.4g/10分、融点:113℃、126℃)
・シーラント層用ポリエチレン樹脂C…ヘキセン系VLLDPE(密度:0.880g/cm、MFR:2.2g/10分、融点:100℃)
・シーラント層用ポリエチレン樹脂D…ヘキセン系LLDPE(密度:0.913g/cm、MFR:8.0g/10分、融点:110℃、123℃)
・シーラント層用ポリエチレン樹脂E…ブテン系LLDPE(密度:0.916g/cm、MFR:4.0g/10分、融点:104℃)
<実施例1>
(底テープ用積層フィルムの作製)
ポリエチレン樹脂Aとポリエチレン樹脂Bをインフレーション押し出し機によってA層(厚さ:20μm)/B層(厚さ:80μm)の割合で二層構造のシーラント層を得た。上記シーラント層のB層側と底テープ用基材層を、接着剤層(厚さ:1~2μm)を介して貼り合わせることによって実施例1に係る積層フィルムを得た。
(スタンディングパウチの作製)
本体部用の基材層とシーラント層とを貼り合わせることによって本体部用積層フィルムを得た。この本体部用積層フィルムと、上記底テープ用積層フィルムとを使用し、トタニ技研工業社製の製袋機にてスタンディングパウチを作製した。パウチサイズは以下のとおりとした。
・天地:230mm
・幅:145mm
・折込幅:41mm
<実施例2>
底テープ用のシーラント層を二層構造とする代わりに、単層構造としたことの他は実施例1と同様にして、底テープ及びスタンディングパウチを作製した。底テープ用のシーラント層の樹脂として、ポリエチレン樹脂Aとポリエチレン樹脂Bを1:4の割合でブレンドしたものを使用した。
<実施例3>
底テープ用のシーラント層を二層構造とする代わりに、単層構造としたことの他は実施例1と同様にして、底テープ及びスタンディングパウチを作製した。底テープ用のシーラント層の樹脂として、ポリエチレン樹脂Bとポリエチレン樹脂Cを4:1の割合でブレンドしたものを使用した。
<比較例1>
(底テープ用積層フィルムの作製)
ポリエチレン樹脂Eを使用し、支持フィルムの表面上にE層(厚さ:80μm)を設けた。ポリエチレン樹脂Dを使用し、E層の表面上にD層(厚さ:20μm)を設けることによって、二層構造のシーラント層を得た。ポリエチレン樹脂Dとポリエチレン樹脂Eをインフレーション押し出し機によってD層(厚さ:20μm)/E層(厚さ:80μm)の割合で二層構造のシーラント層を得た。上記シーラント層のE層側と底テープ用基材層とを接着剤層(厚さ:1~2μm)を介して貼り合わせることによって比較例1に係る積層フィルムを得た。この底テープ用積層フィルムを使用したことの他は、実施例1と同様にしてスタンディングパウチを作製した。なお、ポリエチレン樹脂Dの分散度(Mw/Mn)は5.5であり、ポリエチレン樹脂Dはポリエチレン樹脂Aよりも分子量分布がシャープであった。
<底テープ用シーラント層の弾性率の測定>
実施例及び比較例の底テープ用シーラント層の弾性率をJIS K7161に記載の方法に準拠してそれぞれ測定した。測定は、幅15mm×長さ60mmの試料を測定対象とし、チャック間距離50mm、引張速度200mm/分の条件で実施した。各例のMD及びTDについて、それぞれ3回の測定を行った。表1に平均値を記載した。
<底テープ用積層フィルムの破断強度の測定>
実施例及び比較例の底テープ用積層フィルムの破断強度をJIS K7161に記載の方法に準拠してそれぞれ測定した。測定は、幅15mm×長さ60mmの試料を測定対象とし、チャック間距離50mm、引張速度200mm/分の条件で実施した。測定された破断強度(N/15mm)の値を試料の断面積(試料の厚さ×15mm)で除すことにより、単位断面積あたりの破断強度を求めた。各例のMD及びTDについて、それぞれ3回の測定を行った。表1に平均値を記載した。
Figure 2023082843000002
(落下試験)
実施例及び比較例のスタンディングパウチに400mlの冷水(5℃)をそれぞれ密封した。正立で1mの高さから密封体を最高で100回まで繰り返して落下させ、何回目の落下で破袋するか確認した。各例について、この試験を10回行った。表2に結果を示す。表中、落下回数が100回以上の試料は破袋しなかったことを意味する。図5~8に破断が生じた箇所を示す。
Figure 2023082843000003
1,2…本体部、1a,2a…底部、1F,3F…積層フィルム、3…底テープ、3a…山折り部、3b,3c…底部、3d…底辺、5,6,7…ヒートシール部、8…切り欠き部、9…局所的接合部、10…スタンディングパウチ、10a…底辺、10b…底部、L…距離、L1,L3…基材層、L2,L4…シーラント層、W…幅。

Claims (9)

  1. 第一の基材層及び第一のシーラント層を含む第一の積層フィルムで構成された第一の本体部と、
    第二の基材層及び第二のシーラント層を含む第二の積層フィルムで構成された第二の本体部と、
    第三の基材層及び第三のシーラント層を含む第三の積層フィルムで構成され且つ山折り部を有する底テープと、
    をヒートシールして形成されている自立性包装袋であって、
    前記第三のシーラント層は、50~150MPaのMD弾性率を有し且つ50~150MPaのTD弾性率を有するとともに、密度0.85~0.94g/cmのポリエチレン樹脂を含み、
    前記第三の積層フィルムの単位断面積あたりの破断強度が25N/mm以上である、自立性包装袋。
  2. 前記ポリエチレン樹脂の密度が0.90~0.92g/cmである、請求項1に記載の自立性包装袋。
  3. 前記ポリエチレン樹脂がヘキセン系直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1又は2に記載の自立性包装袋。
  4. 前記第三のシーラント層は、融点110℃以下のポリエチレン樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の自立性包装袋。
  5. 前記第三のシーラント層は、密度0.85g/cm以上0.910g/cm未満のポリエチレン樹脂Aで構成されたA層と、密度0.910g/cm以上0.94g/cm以下のポリエチレン樹脂Bで構成されたB層とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の自立性包装袋。
  6. 前記第一及び第二の基材層がHDPEフィルムで構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の自立性包装袋。
  7. ポリエチレンの含有率が90質量%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のスタンディングパウチ。
  8. 前記第一及び第二の基材層が延伸ポリプロピレンフィルムで構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の自立性包装袋。
  9. ポリオレフィンの含有率が90質量%以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の自立性包装袋。

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