JP2023077884A - 車両用シート、エアバッグモジュール支持構造、及び車両用シートの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグモジュール、力布、及び、力布をサイドフレームに結合させるためのワイヤ部材を備えた車両用シートにおいて、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとの結合を確認し易くする。【解決手段】車両用シートは、サイドフレーム17と、サイドフレーム17に結合されたブラケット側接続部55、及び、掛止孔が形成されたブラケット側平板部56を備えたブラケット50と、掛止孔に掛け止めされた掛止部65を備えたワイヤ部材と、ブラケット側接続部に結合されたリテーナ側接続部70、及びブラケット側平板部にワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部71を備えたリテーナ52と、エアバッグモジュール12と、パッド部材10と、表皮材11と、延長部に係止された力布42とを有し、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部にはそれぞれ掛止孔の後方に切欠部60、80が設けられている。【選択図】図3
Description
エアバッグを備えた車両用シート、エアバッグモジュール支持構造、及び車両用シートの組立方法に関する。
後部座席用の車両用シートであって、前方に展開するエアバッグがシートバック内に設けられたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1の車両用シートは、シートバックの骨格を形成する左右一対のサイドフレームと、そのサイドフレームに取り付けられたエアバッグモジュールと、展開時にエアバッグの膨張による応力を表皮材の破断部に伝達する力布と、力布をサイドフレームに連結させる線状部材とを備えている。線状部材は両端においてサイドフレームに設けられた貫通孔やその縁部に掛け止めされている。
このような車両用シートでは、エアバッグの展開方向を適切に案内するため、線状部材と力布との結合部分をサイドフレームの前縁に近づけることが好ましい。更に、エアバッグ展開時に線状部材に加わる荷重をサイドフレームにより効果的に伝達させるため、線状部材とサイドフレームとの結合部分をサイドフレームの前縁により近づけることが好ましい。
車両用シートはサイドフレームの前側にクッション性を有するパッド部材を配置した後、表皮部材を被せることによって組み立てられる。線状部材とサイドフレームとの結合位置をサイドフレームの前縁に近い位置に設けると、サイドフレームの前側にパッド部材を配置した後に、線状部材(ワイヤ部材)がサイドフレームに適切に掛け止めされているかを確認することが難しい。
本発明は以上の背景を鑑み、エアバッグモジュール、力布、及び、力布をサイドフレームに結合させるためのワイヤ部材を備えた車両用シートにおいて、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとの結合を確認し易くすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シート(1)は、左右一対のサイドフレーム(17)を含むシートフレーム(9)と、一方の前記サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部(55)、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部(56)を備えたブラケット(50)と、前記掛止孔に掛け止めされた掛止部(65)、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部(66)を備えたワイヤ部材と、前記一方の前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部(70)、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部(71)を備えたリテーナ(52)と、前記リテーナ側平板部の左右外面に結合されたエアバッグモジュール(12)と、前記シートフレームの前側に支持されたパッド部材(10)と、前記パッド部材の前面を覆う表皮材(11)と、一端において前記表皮材に縫合され、他端において前記ワイヤ部材の前記延長部に係止された他端を備えた力布(42)とを有し、前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部にはそれぞれ前記掛止孔の後方に前後方向に貫通する切欠部(60、80)が設けられていることを特徴とする。
この態様によれば、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記ブラケットは前記ブラケット側平板部の前縁から前記サイドフレームに結合されたブラケット前端部(59)を備えるとよい。
この態様によれば、ブラケット及びサイドフレームの結合がより強固になる。これにより、エアバッグモジュールがより強固にサイドフレームに支持され、エアバッグの展開方向が安定する。
また、本発明の一態様によれば、前記ブラケット及び前記サイドフレームとは一体に形成されているとよい。
この態様によれば、車両用シートを構成する部品点数を減らすことができ、車両用シートの構成が簡素になる。
また、本発明の一態様によれば、前記ブラケット側接続部は前記サイドフレームの後面に結合されたブラケット側結合部(57)、及び前記ブラケット側結合部の左右外縁から斜め前方に延出するブラケット側斜面部(58)を有し、前記ブラケット側平板部は前記ブラケット側斜面部の前縁に接続され、前記リテーナ側接続部は前記ブラケット側斜面部の左右外面に締結されているとよい。
エアバッグが展開したときには、エアバッグから後方に向く反力が接続部に加わる。この態様によればブラケット側接続部にブラケット側斜面部を設けることによって、エアバッグから加わる後方に向く反力により確実に対抗することができる。これにより、エアバッグをより適正に展開させることができる。また、ブラケット側斜面部が左右外縁から斜め前方に延出しているため、ブラケット及びリテーナの後方からリテーナ側接続部とブラケット側斜面部とを締結することができるとともに、ブラケット及びリテーナの左右外方へのサイドフレームからの突出量を低減することができ、車両用シートの左右方向の幅を小さくすることができる。
また、本発明の一態様によれば、前記延長部の前端には前記力布が係止される力布係止部(68)が設けられ、前記力布係止部は前記リテーナ側平板部の前縁の前方、且つ前記ブラケット側平板部の前縁の前方に位置しているとよい。
この態様によれば、力布係止部がリテーナ側平板部の前縁の前方、且つブラケット側平板部の前縁の前方に設けられているため、リテーナ側平板部及びブラケット側平板部に阻害されることなく、力布を容易に力布係止部に係止することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記力布係止部は前記掛止部に対して左右外方に位置しているとよい。
この態様によれば、力布係止部がサイドフレームからより離れた位置となるため、力布係止部がサイドフレームに触れにくくなる。これにより、力布係止部とサイドフレームとが接触することによる異音の発生を防止することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記力布係止部が前記エアバッグモジュールの左右内方の側面に当接しているとよい。
この態様によれば、力布係止部をエアバッグモジュールの側面に当接させることで、力布係止部の揺動を抑えることができる。これにより、力布係止部がサイドフレームに触れにくくなり、力布係止部とサイドフレームとが接触することによる異音の発生を防止することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るエアバッグモジュール支持構造(23)は、車両用シートの骨格を形成するフレーム(9)の左右外面に結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部(55)、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部(56)を備えたブラケット(50)と、前記掛止孔に掛け止めされた掛止部(65)、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部(66)を備えたワイヤ部材(51)と、前記フレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部(70)、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部(71)を備えたリテーナ(52)とを有し、前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部には前記掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部(60、80)が設けられているとよい。
この態様によれば、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シート(1)の組立方法は、左右一対のサイドフレームを含むシートフレーム(9)と、前記サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部(55)、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部(56)を備えたブラケット(50)と、前記掛止孔に掛け止めされた掛止部(65)、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部(66)を備えたワイヤ部材(51)と、前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部(70)、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部(71)を備えたリテーナ(52)とを有し、前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部には前記掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部(60、80)が設けられたシートフレームの組立方法であって、前記ワイヤ部材の前記掛止部を前記掛止孔に掛け止めする工程と、前記リテーナ側接続部を前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合させる工程とを順に含むとよい。
この態様によれば、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、シートフレームの組立後に、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
以上の態様によれば、車両用シートが、左右一対のサイドフレームを含むシートフレームと、サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び掛止部からブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、サイドフレーム又はブラケット側接続部に結合され、ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及びリテーナ側接続部から前方に延びて、ブラケット側平板部にワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナと、リテーナ側平板部の左右外面に結合されたエアバッグモジュールと、シートフレームの前側に支持されたパッド部材と、パッド部材の前面を覆う表皮材と、一端において表皮材に縫合され、他端においてワイヤ部材の延長部に係止された他端を備えた力布とを有し、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部にはそれぞれ掛止孔の後方に前後方向に貫通する切欠部が設けられている構成によれば、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
また、上記の態様において、ブラケットはブラケット側平板部の前縁からサイドフレームに結合されたブラケット前端部を備える構成によれば、ブラケット及びサイドフレームの結合がより強固になる。これにより、エアバッグモジュールがより強固にサイドフレームに支持され、エアバッグの展開方向が安定する。
また、上記の態様において、ブラケット及びサイドフレームとは一体に形成されている構成によれば、車両用シートを構成する部品点数を減らすことができ、車両用シートの構成が簡素になる。
また、上記の態様において、ブラケット側接続部はサイドフレームの後面に結合されたブラケット側結合部、及びブラケット側結合部の左右外縁から斜め前方に延出するブラケット側斜面部を有し、ブラケット側平板部はブラケット側斜面部の前縁に接続され、リテーナ側接続部はブラケット側斜面部の左右外面に締結されている構成によればブラケット側接続部にブラケット側斜面部を設けることによって、エアバッグから加わる後方に向く反力により確実に対抗することができる。これにより、エアバッグをより適正に展開させることができる。また、ブラケット側斜面部が左右外縁から斜め前方に延出しているため、ブラケット及びリテーナの後方からリテーナ側接続部とブラケット側斜面部とを締結することができるとともに、ブラケット及びリテーナの左右外方へのサイドフレームからの突出量を低減することができ、車両用シートの左右方向の幅を小さくすることができる。
また、上記の態様において、延長部の前端には力布が係止される力布係止部が設けられ、力布係止部はリテーナ側平板部の前縁の前方、且つブラケット側平板部の前縁の前方に位置している構成によれば、力布係止部がリテーナ側平板部の前縁の前方、且つブラケット側平板部の前縁の前方に設けられているため、リテーナ側平板部及びブラケット側平板部に阻害されることなく、力布を容易に力布係止部に係止することができる。
また、上記の態様において、力布係止部は掛止部に対して左右外方に位置している構成によれば、力布係止部がサイドフレームからより離れた位置となるため、力布係止部がサイドフレームに触れにくくなる。これにより、力布係止部とサイドフレームとが接触することによる異音の発生を防止することができる。
また、上記構成に加えて、力布係止部が前記エアバッグモジュールの左右内方の側面に当接している構成によれば、力布係止部をエアバッグモジュールの側面に当接させることで、力布係止部の揺動を抑えることができる。これにより、力布係止部がサイドフレームに触れにくくなり、力布係止部とサイドフレームとが接触することによる異音の発生を防止することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るエアバッグモジュール支持構造は、エアバッグ支持構造は、車両用シートの骨格を形成するフレームの左右外面に結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、前記掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、前記フレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナとを有し、前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部には前記掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部が設けられている構成を有するため、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用シートの組立方法であって、左右一対のサイドフレームを含むシートフレームと、サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び掛止部からブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、サイドフレーム又はブラケット側接続部に結合され、ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及びリテーナ側接続部から前方に延びて、ブラケット側平板部にワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナとを有し、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部が設けられたシートフレームの組立方法であって、ワイヤ部材の基端を掛止孔に掛け止めする工程と、リテーナ側接続部をサイドフレーム又はブラケット側接続部に結合させる工程とを順に含む構成によれば、リテーナ側接続部及びブラケット側接続部には掛止孔に整合する位置に前後方向に貫通するリテーナ側切欠部が設けられることで、シートフレームの組立後に、リテーナ及びブラケットの後方から、掛止部が掛止孔に掛け止めされていることを視認することができる。これにより、組立時にワイヤ部材とサイドフレームとが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用シートを自動車の助手席に適用した実施形態を説明する。以下では、車両用シートに着座する人の前方を基準として、前後、左右及び上下方向を記載する。また、左右外方とは左右方向であって着座する人から離れる方向を意味し、左右内方と左右方向であって着座する人に近づく方向を意味する。
図1に示すように、本発明に係る車両用シート1は、自動車のフロア2上に設けられ、着座者の臀部を支持するシートクッション4と、シートクッション4の後部に支持され、背凭れとして機能するシートバック5と、各シートバック5の上部に設けられたヘッドレスト6とを有する。
シートバック5は上下に延び、前方を向く面を有する略直方体状をなしている。シートバック5の前面には乗員の背中を支持する支持面7が形成されている。シートバック5はその下端において、公知のリクライニング機構を介して、シートクッション4を構成するフレームの後端に回動可能に結合されている。
次に、シートバック5の構造について、図2、図3及び図4を参照して説明する。図3に示すように、シートバック5は、骨格としてのシートバックフレーム9と、シートバックフレーム9(シートフレーム)に支持されたパッド部材10と、パッド部材10の表面に設けられ、シートバック5の外面を構成する表皮材11と、シートバックフレーム9に支持されたエアバッグモジュール12を有している。
図2に示すように、シートバックフレーム9は、シートバック5の骨格を形成し、略四角形な枠型をなすシートバックフレーム枠部15を備えている。シートバックフレーム枠部15は上下に延びる左右一対のサイドフレーム17(サイドメンバ)と、左右に延びて左右のサイドフレーム17のそれぞれの上端に結合するクロスメンバとしてのアッパフレーム18と、左右に延びて左右のサイドフレーム17のそれぞれの下部に結合するクロスメンバとしてのロアフレーム(不図示)とを含む。左右のサイドフレーム17の上部をそれぞれ構成するサイドフレーム上部17Uとアッパフレーム18とは、1本の円形のパイプ材19を逆U字状の門型に屈曲させることによって形成されている。左右のサイドフレーム17の下部をそれぞれ構成するサイドフレーム下部17Dは、左右方向を向く面を有する板金部材20によって形成されている。板金部材20は上部において、パイプ材19の端部にそれぞれシート内方の面において溶接されている。板金部材20の前後縁はそれぞれシート内方に向かって折り曲げられている。左右のサイドフレーム17の下端は、シートクッション4を構成するフレームにリクライニング機構を介して回動可能に結合している。
左右のサイドフレーム17の間に弾性部材21が掛け渡されている。弾性部材21の前面には前後方向を向く主面を有する板状の架設部材22が設けられている。架設部材22は弾性部材の弾性力によってサイドフレーム17に対して前後に変位し、弾性力を以て乗員の背部を支持する。本実施形態では架設部材22は板状部材を用いて形成されているが、板状部材には限定されず、ランバーサポート機能をもたらす構成(例えば、ばね等)によって形成される公知の構成であってよい。
エアバッグモジュール12は、左側のサイドフレーム下部17Dの左側面にエアバッグモジュール支持構造23を介して結合されている。エアバッグモジュール12は、サイドフレーム17の延在方向に沿って延びる略直方体状をなし、その長手方向の面の少なくとも一つがシート外方(左方)を向くように配置されている。
図3に示すように、エアバッグモジュール12は、エアバッグ25と、エアバッグ25の内部にガスを放出し、エアバッグ25を前方に膨張展開させるインフレータ26と、エアバッグ25及びインフレータ26を収容する略直方体状のケース27とを備えている。インフレータ26は略円柱状をなし、その外周面に径外方向に突出する雄ねじ部28を備えている。
ケース27は略直方体状をなし、左側面に開口を備えたケース本体30と、ケース本体30の開口を覆う樹脂製の蓋体31とによって構成されている。ケース本体30は略四角形状の底壁30Aと、底壁の外周縁に結合された側壁とを備えた有底な略四角筒状をなしている。底壁30Aの外面を含むケース本体30の外側面は樹脂によって被覆されている。ケース本体30の底壁には所定の位置にその厚さ方向に貫通する貫通孔30Bが設けられている。エアバッグ25はケース本体30に折り畳まれて収容されている。
蓋体31は略長方形状をなし、左右方向を向く樹脂製の板状をなしている。本実施形態では、蓋体31の外周縁にはケース本体30の側に四角筒状に突出し、ケース本体30の開口に嵌め合う筒状部分31Aが結合されている。その筒状部分の外周面には、周方向外方に突出した複数の係止爪31Bが形成されている。ケース本体30の側壁には貫通孔30Cが複数設けられ、係止爪はその貫通孔にそれぞれ係止されている。これにより、蓋体31はケース本体30に結合されている。
蓋体31にはその前縁、及び上下縁に沿って溝状の脆弱部31Cが設けられ、後縁に沿って薄肉となったヒンジ31Dが設けられている。これにより、蓋体31に左方に向く荷重が加わると、蓋体31が脆弱部31Cにおいて開裂し、蓋体31の中央部分がヒンジ31Dを中心に回動して、ケース本体30が開口する。
パッド部材10は、ポリウレタンフォーム等の可撓性を有するクッション材から形成されている。パッド部材10は、図3に示すように、支持面7の後方に位置する前面部34と、前面部34の左側縁から後方に延びる左側面部35とを含んでいる。前面部34と左側面部35とはそれぞれ別体のクッション材によって構成されている。前面部34はサイドフレーム17の前方を通過して、エアバッグモジュール12の左前方に延びている。左側面部35はエアバッグモジュール12の左前方から後方に延びて、エアバッグモジュール12の左方を通過し、サイドフレーム17の後端左方に達している。
表皮材11は布や皮等の複数のシート状部材を縫合することによって形成されている。表皮材11は前面部34の表面を覆う前部シート材37と、左側面部35の左側面を覆う左側部シート材38とを有している。前部シート材37の左縁と左側部シート材38の前縁とは互いに縫合されて、縫合部40を形成している。この縫合部40は、表皮材11において、他の縫合部分に比べて小さい荷重によって破断する脆弱部として機能する。図1に示すように、縫合部40はシートバック5の左前縁に沿って上下に延在している。
車両用シート1には、エアバッグ25の展開を案内するための力布42が設けられている。力布42は布製の部材であり、端部において縫合部40に縫合されるとともに、エアバッグモジュール支持構造23を介してサイドフレーム17に結合されている。これにより、エアバッグ25が前方に膨張すると力布42に荷重が加わり、縫合部40が開裂する。
シートバックフレーム9の後側には表皮材11と同様に布や皮等のシート状部材によって形成されたバックシート材44が設けられている。バックシート材44の一端は左側部シート材38の後縁に線ファスナ46を介して結合されている。
図1に示すように、車両用シート1の下部には、助手席に着座した乗員に加わる荷重を検出するためのセンサ47が設けられている。センサ47は例えば、乗員が装着したシートベルトに加わる張力を検出する張力センサや、車両用シート1に加わる加速度を検出する加速度センサであってもよい。車両用シート1の下部には、センサ47及びインフレータ26に電気的に接続され、センサ47によって検出された荷重に基づいて、インフレータ26の駆動を制御する制御装置48が設けられている。なお、本実施形態では、センサ47及び制御装置48は車両用シート1に設けられていたが、車両用シート1が搭載される車両のいかなる位置に設けられていてもよい。
次に、エアバッグモジュール支持構造23について詳細に説明する。上述したように、エアバッグモジュール支持構造23はエアバッグモジュール12をサイドフレーム17に結合させるとともに、力布42をサイドフレーム17に結合させる機能を有する。以下のエアバッグモジュール支持構造23の説明においては、シートバックフレーム9の表側(支持面側)を前方と記載し、シートバックフレーム9の裏側を後方と記載する。更に、サイドフレーム17の延在方向を基準として上下方向を記載する。
図3に示すように、エアバッグモジュール支持構造23は、サイドフレーム下部17Dに設けられたブラケット50と、力布42をブラケット50に結合させるワイヤ部材51と、エアバッグモジュール12を保持するリテーナ52とを有している。
ブラケット50は折曲加工された板金部材であり、サイドフレーム17の一部を構成する。ブラケット50は、サイドフレーム下部17Dの後面に結合され、サイドフレーム下部17Dの左方に延びるブラケット側接続部55と、ブラケット側接続部55の左縁(左右外縁)から前方に延びる板状をなすブラケット側平板部56とを有している。ブラケット側接続部55は、サイドフレーム下部17Dの後面に結合されたブラケット側結合部57と、ブラケット側結合部57の左縁(左右外縁)から左方に向かって斜め前方に延出したブラケット側斜面部58を有している。ブラケット側平板部56は後端においてブラケット側斜面部58の前縁に接続されている。本実施形態では、ブラケット50は更にブラケット側平板部56の前縁から右方に延び、サイドフレーム下部17Dの前面に達する板状のブラケット前端部59を備えている。ブラケット側結合部57がサイドフレーム下部の後面に、ブラケット前端部59がサイドフレーム下部17Dの前面にそれぞれ溶接されることで、ブラケット50はサイドフレーム下部17Dに固定されている。これにより、ブラケット側平板部56によってサイドフレーム下部17Dの外側面輪郭17C(図6を参照)からシート外方(左方)側に離間した板状部分17Sがサイドフレーム17に形成される。
本実施形態では、図6に示すように、ブラケット50は略方形な一枚の板金部材を一つの辺に沿って折り曲げることで形成されている。ブラケット側結合部57、ブラケット側斜面部58、ブラケット側平板部56、及びブラケット前端部59はそれぞれ上下方向に延びる略方形をなしている。図4及び図6に示すように、ブラケットにはブラケット側結合部57の右縁とブラケット側平板部56の後縁との間において、上縁及び下縁がそれぞれ互いに近接する方向に略方形に切欠かれることによりブラケット側切欠部60が形成されている。これにより、ブラケット側斜面部58及びブラケット側結合部57の上下方向の幅は、ブラケット側平板部56の上下方向の幅よりも小さくなっている。
図6に示すように、ブラケット側平板部56には厚さ方向に貫通する2つの掛止孔62が上下に並ぶように設けられている。2つの掛止孔62はそれぞれ対応するブラケット側切欠部60の前方に位置している。より詳細には上側の掛止孔62Aは上側のブラケット側切欠部60Aの下縁よりも上方に位置し、下側の掛止孔62Bは下側のブラケット側切欠部60Bの上縁よりも下方に位置している。
図7に示すように、ワイヤ部材51は金属丸棒が折曲加工されることにより形成されている。ワイヤ部材51は掛止孔62に左外方からそれぞれ掛け止めされる一対のワイヤ掛止部65と、ワイヤ掛止部65のそれぞれに接続してブラケット側平板部56の左側面に沿って前方に延出する一対のワイヤ延長部66とを有している。ワイヤ延長部66の前端にはそれぞれを互いに接続し、上下に延在する力布係止部68が設けられている。本実施形態ではワイヤ掛止部65はワイヤ部材51の端部がフック状(J字状)に曲げ加工されることにより形成されている。
図8に示すように、リテーナ52はブラケット側接続部55、より詳細にはブラケット側平板部56に結合され、ブラケット側平板部56の左右外方に延びるリテーナ側接続部70と、リテーナ側接続部70の左縁から前方に延びて、ブラケット側平板部56にワイヤ部材51を介して対峙するリテーナ側平板部71を備えている。本実施形態では、リテーナ側接続部70はブラケット側斜面部58の左右外面に沿うように前方に向かって左方に傾斜する板状をなし、ブラケット側斜面部58の左右外面に両者を挿通するボルトによって締結されている。但し、この態様には限定されず、例えば、リテーナ側接続部70はサイドフレーム下部17Dの後面に溶接等により結合されていてもよい。図3に示すように、リテーナ側平板部71には厚さ方向に貫通する貫通孔74が設けられ、その貫通孔74をエアバッグモジュール12の雄ねじ部28が通過している。雄ねじ部28がリテーナ52に締結されることで、エアバッグモジュール12はリテーナ52に結合されている。すなわち、エアバッグモジュール12はエアバッグモジュール支持構造23によってサイドフレーム17に結合されて支持される。但し、図8においては、エアバッグモジュール12は二点鎖線で示されている。
図3に示すように、ブラケット側平板部56及びリテーナ側平板部71とは左右方向に離間し、その間をワイヤ延長部66がそれぞれ通過している。ブラケット50及びリテーナ52が結合することで、ワイヤ延長部66がブラケット側平板部56及びリテーナ側平板部71によって挟持され、ワイヤ部材51の脱落が防止されている。このように、リテーナ52はエアバッグモジュール12をサイドフレーム17に結合させるとともに、ブラケット50と協働してワイヤ部材51の脱落を防止する機能を奏する。
図8に示すように、リテーナ52はブラケット50と同様に略方形な一枚の板金部材を折り曲げることによって形成され、リテーナ側接続部70、及びリテーナ側平板部71はそれぞれサイドフレーム17の延在方向に沿って延びる略方形をなしている。リテーナ52にはリテーナ側接続部70の後縁とリテーナ側平板部71の後縁との間において上縁及び下縁からそれぞれ互いに近接する方向に略方形に切欠かれた上下一対のリテーナ側切欠部80が設けられている。これにより、リテーナ側接続部70の上下方向の幅はリテーナ側平板部71の上下方向の幅よりも小さくなっている。またリテーナ側接続部70の上下方向の幅はブラケット側斜面部58の上下方向の幅と概ね等しく、リテーナ側平板部71の上下方向の幅はブラケット側平板部56の上下方向の幅と概ね等しい。リテーナ側平板部71の上縁及び下縁がそれぞれブラケット側平板部56の上縁及び下縁に整合し、リテーナ側接続部70の上縁及び下縁がそれぞれブラケット側斜面部58の上縁及び下縁に整合している。図4に示すように、リテーナ側切欠部80とブラケット側切欠部60とは互いに重なり、リテーナ側切欠部80はブラケット側切欠部60の後方、且つ2つの掛止孔62の後方に位置している。より詳細には、上側のリテーナ側切欠部80Aは上側の掛止孔62Aの後方に位置し、下側のリテーナ側切欠部80Bは下側の掛止孔62Bの後方に位置している。
図8に示すように、リテーナ52には掛止孔62の前方において上縁及び下縁それぞれが互いに近接する方向に略方形に切欠かれたリテーナ側副切欠部82が形成されている。図6に示すように、ブラケット50にも同様に、掛止孔62の前方において上縁及び下縁から互いに近接する方向に切欠かれ、リテーナ側副切欠部82に整合するブラケット側補助切欠部84が設けられている。ワイヤ延長部66はそれぞれ、ワイヤ掛止部65から前方に向かって延び、リテーナ側副切欠部82及びブラケット側補助切欠部84に達する内水平部86と、内水平部86の前端から上下方向に沿ってブラケット側平板部56及びリテーナ側平板部71から離反する方向に延びる垂直部87と、垂直部87の延出端から前方に延び、リテーナ側平板部71及びブラケット側平板部56の前縁よりも前側に達する外水平部88とを有している。これにより、図8に示すように、ワイヤ延長部66はブラケット側平板部56及びリテーナ側平板部71の間から、前方(すなわちブラケット側結合部57に対して離反する方向)に突出し、ワイヤ延長部66の前端はリテーナ側平板部71の前縁及びブラケット側平板部56の前縁よりも前方に位置する。よって、ワイヤ延長部66の前端を上下に接続する力布係止部68はブラケット側平板部56の前縁の前方、且つリテーナ側平板部71の前縁よりも前方に設けられている。また、2つのワイヤ延長部66の前端間の距離が後端間の距離よりも上下方向に離間するように設定されることで、力布係止部68が長くなり、上下方向に広い範囲でエアバッグ25の展開方向を案内することができる。
図3に示すように、ワイヤ延長部66は外水平部88において前方に向かって左外方に緩やかに湾曲している。これにより、ワイヤ延長部66の前端はワイヤ掛止部65に比べて左外方に位置している。本実施形態では更に、ワイヤ延長部66の前端及び力布係止部68はそれぞれエアバッグモジュール12の右側面、より詳細にはケース本体30の底壁30Aの右外面に当接している。
力布42は縫合部40から前面部34と左側面部35との間を通過して車両用シート1の内側へ延び、力布係止部68に達するように配置されている。力布42の車両用シート1の内側の端部にはフック92が縫合され、フック92が力布係止部68に掛け止めされることにより、力布42がサイドフレーム17に結合される。すなわち、力布42は一端(前端)において表皮材11に縫合され、他端(後端)においてワイヤ部材51の延長部の前端、より詳細には、ワイヤ部材51の力布係止部68に係止された他端を有している。このように、力布42はエアバッグモジュール支持構造23によってサイドフレーム17に結合される。
次に、このように構成した車両用シート1の組立方法、及びその効果について説明する。作業者は、車両用シート1の組立において、図6に示すように、予め組み立てられたシートバックフレーム枠部15に、ブラケット50のブラケット側結合部57をサイドフレーム下部17Dの後面に溶接する工程を行う。これにより、ブラケット50をサイドフレーム下部17Dに固定される。その後、組立作業者は、表皮材11を被せたパッド部材10をシートバックフレーム9の前側に配置して、図7に示すように、掛止孔62にワイヤ部材51のワイヤ掛止部65を掛け止めし、その後、力布42のフック92を力布係止部68に掛け止めする工程を行う。次に、組立作業者は、図8に示すように、リテーナ52にエアバッグモジュール12を結合させた後、リテーナ側接続部70をブラケット側斜面部58に締結する工程を行う。その後、表皮材11とバックシート材44とを結合させることで、車両用シート1は組み立てられる。
リテーナ52をブラケット50に締結する工程において、ワイヤ部材51はブラケット50に掛け止めされているのみであるため、ワイヤ部材51がブラケット50から脱落する虞がある。このようなワイヤ部材51の脱落の有無を確認するため、リテーナをブラケット50に締結する工程(図8)において、車両用シート1を組み立てる組立作業者が目視によりワイヤ掛止部65と掛止孔62との係合を確認できることが好ましい。
ブラケット50及びリテーナ52にはそれぞれ掛止孔62の後方に位置する切欠部60、80が設けられている。これにより、図5に示すように、組立作業者がシートバックフレーム9の後方から両切欠部60、80を介してワイヤ掛止部65と掛止孔62との係合を目視することができる。これにより、組立時にワイヤ部材51とサイドフレーム17とが適切に結合しているかを容易に確認することができる。
車両の衝突等によって所定値以上の荷重が車両用シート1に着座した乗員に加わると、その荷重がセンサ47によって検知されて、インフレータ26が駆動する。これにより、エアバッグ25がシートバック5の前方に向かって膨張して乗員の左側方に展開する。このとき、ブラケット側平板部56にはエアバッグ25から後方に向く反力が加わり、ブラケット側接続部55の前縁には後方に向く荷重が加わる。
本実施形態では、ブラケット側接続部55の前部には斜め前方に延出したブラケット側斜面部58が設けられている。よって、ブラケット側接続部55の前縁に後方に向く荷重が加わると、ブラケット側斜面部58がその荷重に対抗する。これにより、エアバッグ展開時のブラケットの変形がより確実に防止でき、エアバッグをより適正に展開させることができる。
図3に示すように、ブラケット側斜面部58がブラケット側結合部57の左端から斜め前方に延出している。これにより、ブラケット側斜面部58がブラケット側結合部57の左端から前方に延出している場合とは異なり、後方からブラケット50及びリテーナ52を締結することができる。これにより、パッド部材10がシートバックフレーム9の前側に配置されている場合でも、リテーナ52をブラケット50に容易に締結することができる。また、ブラケット側斜面部58を左方に延びるように形成した場合に比べて、ブラケット50及びリテーナ52のサイドフレーム17からの左右外方への突出量を低減することができる。これにより、車両用シート1の左右方向の幅を小さくすることができる。
図8に示すように、力布係止部68がリテーナ側平板部71の前縁の前方、且つブラケット側平板部56の前縁の前方に設けられている。よって、リテーナ側平板部71及びブラケット側平板部56に阻害されず、力布係止部68にフック92を掛け止めすることができる。
また、ワイヤ部材51はワイヤ掛止部65においてブラケット50の掛止孔62に掛け止めされ、内水平部86においてブラケット50及びリテーナ52によって挟持された片持ち状態でサイドフレーム17に支持されている。よって、車両用シート1に加わる振動によって、ワイヤ延長部66の前端及び力布係止部68は揺動して、サイドフレーム下部17Dに接触し、異音を発生させる虞がある。本実施形態においては、図3に示すように、ワイヤ部材51は外水平部88において左外方、すなわちサイドフレーム下部17Dから離れる方向に湾曲している。これにより、ワイヤ延長部66の前端及び力布係止部68はワイヤ掛止部及び掛止孔に対して左外方に位置し、ワイヤ延長部66の前端及び力布係止部68がサイドフレーム下部17Dから離れた位置にある。これにより、ワイヤ延長部66及び力布係止部68がサイドフレーム下部17Dに接触し難くなる。よって、ワイヤ延長部66及び力布係止部68と、サイドフレーム下部17Dとの接触による異音の発生を防止することができる。
図3に示すように、力布係止部68をエアバッグモジュール12の右側面に当接させることで、力布係止部68に摩擦力が働き、力布係止部68の揺動を抑えることができる。これにより、力布係止部68がサイドフレーム17に触れにくくなり、力布係止部68とサイドフレーム17とが接触することによる異音の発生を防止することができる。更に、本実施形態では、底壁30Aの外面を含むケース本体30の外側面は樹脂によって被覆されている。すなわち、力布係止部68が当接するエアバッグモジュール12の右側面は樹脂によって被覆されているため、エアバッグモジュール12の右側面が金属によって構成される場合に比べて、力布係止部68がエアバッグモジュール12の右側面に当接することによる異音の発生が防止されている。
上記実施形態では、ブラケット50がブラケット側結合部57に加えて、ブラケット前端部59においてサイドフレーム下部17Dに結合している。これにより、ブラケット50とサイドフレーム17との結合が強固になるため、エアバッグ25の展開方向をより安定させることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、車両用シート1は助手席を構成していたがこの態様には限定されない。例えば、車両用シート101は図9及び図10に示すように、2列目以降の後部座席を構成してもよい。
上記実施形態では、エアバッグモジュール12はシートバック5に設けられていたが、この態様には限定されない。例えば、図11に示すように、エアバッグモジュール12はシートクッション4に設けられ、シートクッション4を構成するクッションフレーム201のサイドフレーム202に結合されていてもよい。
上記実施形態では、サイドフレーム下部17Dとブラケット50とは別体の部材によって構成されていたが、サイドフレーム下部17Dとブラケット50とは一体の部材によって構成されていてもよい。例えば、サイドフレーム下部17Dの側壁を切り起こすことによって、ブラケット側平板部56とブラケット側接続部55とを構成してもよい。サイドフレーム下部17Dとブラケット50とは一体の部材によって構成することで、車両用シート1を構成する部品点数を減らすことができ、車両用シート1の構成が簡素になる。
上記実施形態では、エアバッグモジュール12は左側のサイドフレーム下部17Dに結合されていたが、この態様には限定されず、エアバッグモジュール12が左右のサイドフレーム17の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、エアバッグモジュール12は右側のサイドフレーム下部17Dに結合されていてもよく、左右両側のサイドフレーム下部17Dにそれぞれエアバッグモジュール12が結合されていてもよい。
1 :車両用シート
9 :シートバックフレーム
10 :パッド部材
11 :表皮材
12 :エアバッグモジュール
17 :サイドフレーム
42 :力布
50 :ブラケット
51 :ワイヤ部材
52 :リテーナ
55 :ブラケット側接続部
56 :ブラケット側平板部
57 :ブラケット側結合部
58 :ブラケット側斜面部
60 :切欠部
62 :掛止孔
65 :ワイヤ掛止部
66 :ワイヤ延長部
68 :力布係止部
70 :リテーナ側接続部
71 :リテーナ側平板部
80 :切欠部
9 :シートバックフレーム
10 :パッド部材
11 :表皮材
12 :エアバッグモジュール
17 :サイドフレーム
42 :力布
50 :ブラケット
51 :ワイヤ部材
52 :リテーナ
55 :ブラケット側接続部
56 :ブラケット側平板部
57 :ブラケット側結合部
58 :ブラケット側斜面部
60 :切欠部
62 :掛止孔
65 :ワイヤ掛止部
66 :ワイヤ延長部
68 :力布係止部
70 :リテーナ側接続部
71 :リテーナ側平板部
80 :切欠部
Claims (9)
- 左右一対のサイドフレームを含むシートフレームと、
一方の前記サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、
前記掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、
前記一方の前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナと、
前記リテーナ側平板部の左右外面に結合されたエアバッグモジュールと、
前記シートフレームの前側に支持されたパッド部材と、
前記パッド部材の前面を覆う表皮材と、
一端において前記表皮材に縫合され、他端において前記ワイヤ部材の前記延長部に係止された他端を備えた力布とを有し、
前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部にはそれぞれ前記掛止孔の後方に前後方向に貫通する切欠部が設けられていることを特徴とする車両用シート。 - 前記ブラケットは前記ブラケット側平板部の前縁から前記サイドフレームに結合されたブラケット前端部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
- 前記ブラケット及び前記サイドフレームとは一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
- 前記ブラケット側接続部は前記サイドフレームの後面に結合されたブラケット側結合部、及び前記ブラケット側結合部の左右外縁から斜め前方に延出するブラケット側斜面部を有し、
前記ブラケット側平板部は前記ブラケット側斜面部の前縁に接続され、
前記リテーナ側接続部は前記ブラケット側斜面部の左右外面に締結されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1つの項に記載の車両用シート。 - 前記延長部の前端には前記力布が係止される力布係止部が設けられ、
前記力布係止部は前記リテーナ側平板部の前縁の前方、且つ前記ブラケット側平板部の前縁の前方に位置していることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。 - 前記力布係止部は前記掛止部に対して左右外方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
- 前記力布係止部が前記エアバッグモジュールの左右内方の側面に当接していることを特徴とする請求項6に記載の車両用シート。
- 車両用シートの骨格を形成するフレームの左右外面に結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、
前記掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、
前記フレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナとを有し、
前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部には前記掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部が設けられていることを特徴とするエアバッグモジュール支持構造。 - 左右一対のサイドフレームを含むシートフレームと、
前記サイドフレームに結合され、左右外方に延びるブラケット側接続部、及び、前記ブラケット側接続部の左右外縁から前方に延びる板状をなし、左右に貫通する掛止孔が形成されたブラケット側平板部を備えたブラケットと、
前記掛止孔に掛け止めされた掛止部、及び前記掛止部から前記ブラケット側平板部の左右外面に沿って前方に延びる延長部を備えたワイヤ部材と、
前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合され、前記ブラケット側平板部の左右外方に延びるリテーナ側接続部、及び前記リテーナ側接続部から前方に延びて、前記ブラケット側平板部に前記ワイヤ部材を介して対峙するリテーナ側平板部を備えたリテーナとを有し、
前記リテーナ側接続部及び前記ブラケット側接続部には前記掛止孔に整合する位置にそれぞれ前後方向に貫通する切欠部が設けられた車両用シートの組立方法であって、
前記ワイヤ部材の前記掛止部を前記掛止孔に掛け止めする工程と、
前記リテーナ側接続部を前記サイドフレーム又は前記ブラケット側接続部に結合させる工程とを順に含むことを特徴とする車両用シートの組立方法。
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