JP2023061765A - power transmission device - Google Patents
power transmission device Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023061765A JP2023061765A JP2021171886A JP2021171886A JP2023061765A JP 2023061765 A JP2023061765 A JP 2023061765A JP 2021171886 A JP2021171886 A JP 2021171886A JP 2021171886 A JP2021171886 A JP 2021171886A JP 2023061765 A JP2023061765 A JP 2023061765A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- output shaft
- peripheral surface
- outer peripheral
- axle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- General Details Of Gearings (AREA)
- Motor Or Generator Frames (AREA)
Abstract
【課題】車軸の外周面と電動機の出力軸の内周面との間のオイル流路へのオイルの供給が妨げられることを防ぐ。【解決手段】動力伝達装置10は、ケース100と、筒状のモータ出力軸51を備えた電動機と、モータ出力軸51の内部を貫通しており、変速機構が変速したモータ出力軸51の回転を車輪へと伝達する第1車軸91とを有する。ケース100は、第1車軸91の外周面及びモータ出力軸51の内周面で区画されるオイル流路74と、モータ出力軸51の中心軸線Cに沿う方向でのオイル流路74の端に繋がっており、モータ出力軸51の中心軸線Cを中心とする環状のオイル溜まり70と、オイル溜まり70の外周面70Aで開口している供給油路72と、オイル溜まり70の外周面70Aから突出する突起80と、を有する。【選択図】図4An object of the present invention is to prevent the supply of oil to an oil flow path between the outer peripheral surface of an axle and the inner peripheral surface of an output shaft of an electric motor from being blocked. A power transmission device (10) penetrates through a case (100), an electric motor having a cylindrical motor output shaft (51), and the inside of the motor output shaft (51). to the wheels. The case 100 has an oil flow path 74 defined by the outer peripheral surface of the first axle 91 and the inner peripheral surface of the motor output shaft 51 , and the end of the oil flow path 74 in the direction along the central axis C of the motor output shaft 51 . An annular oil reservoir 70 centered on the central axis C of the motor output shaft 51, a supply oil passage 72 opening at an outer peripheral surface 70A of the oil reservoir 70, and a supply oil passage 72 protruding from the outer peripheral surface 70A of the oil reservoir 70. and a protrusion 80 that [Selection drawing] Fig. 4
Description
この発明は、動力伝達装置に関する。 The present invention relates to power transmission devices.
特許文献1に開示された動力伝達装置は、ケース、電動機、変速機構、及び車軸を有する。ケースは、電動機、及び変速機構を収容している。電動機は、筒状の出力軸を有する。変速機構は、電動機の出力軸の回転速度を変速して車軸に出力する。車軸は、電動機の出力軸と同軸になっている。そして、車軸は、出力軸の内部を貫通している。車軸は、変速機構から入力されたトルクを車輪に伝達する。 A power transmission device disclosed in Patent Document 1 has a case, an electric motor, a transmission mechanism, and an axle. The case accommodates the electric motor and the transmission mechanism. The electric motor has a cylindrical output shaft. The speed change mechanism changes the rotation speed of the output shaft of the electric motor and outputs it to the axle. The axle is coaxial with the output shaft of the electric motor. The axle passes through the inside of the output shaft. The axle transmits torque input from the transmission mechanism to the wheels.
また、動力伝達装置は、ケース内に、キャッチタンク、及び油路を有する。キャッチタンクは、変速機構のギヤが回転する際に巻き上げたオイルを貯留している。油路は、キャッチタンクで貯留しているオイルを、潤滑が必要な部位へと導く。 Also, the power transmission device has a catch tank and an oil passage within the case. The catch tank stores oil that is drawn up when the gears of the transmission mechanism rotate. The oil passage guides the oil stored in the catch tank to the parts that require lubrication.
特許文献1のように、車軸が出力軸を貫通している構造において、車軸と出力軸との隙間を油路の一部として利用することが考えられる。しかしながら、車軸、及び出力軸は回転可能であるため、これらの回転に引きずられてオイルが速やかに流通しないことがある。特許文献1の技術では、この点について何ら検討しておらず、改善の余地がある。 In a structure in which the axle passes through the output shaft as in Patent Document 1, it is conceivable to use the gap between the axle and the output shaft as part of the oil passage. However, since the axle and the output shaft are rotatable, the oil may not flow quickly due to their rotation. The technique of Patent Document 1 does not consider this point at all, and there is room for improvement.
上記課題を解決するための動力伝達装置は、ケースと、前記ケース内に位置し、筒状の出力軸を備えた電動機と、前記ケース内に位置し、前記出力軸の回転速度を変速する変速機構と、前記出力軸と同軸であるとともに前記出力軸の内部を貫通しており、前記変速機構が変速した前記出力軸の回転を車輪へと伝達する車軸と、前記車軸の外周面、及び前記出力軸の内周面で区画されるオイル流路と、を有し、前記ケースは、前記出力軸の中心軸線に沿う方向での前記オイル流路の端に繋がっており、外径が前記出力軸の内径よりも大きく、且つ前記中心軸線を中心とする環状のオイル溜まりと、前記オイル溜まりの外周面で開口している供給油路と、前記オイル溜まりの外周面から突出する突起と、を有する。 A power transmission device for solving the above problems includes a case, an electric motor provided in the case and having a cylindrical output shaft, and a speed changer positioned in the case for changing the rotational speed of the output shaft. a mechanism, an axle that is coaxial with the output shaft and penetrates the interior of the output shaft and transmits rotation of the output shaft changed by the speed change mechanism to wheels; an outer peripheral surface of the axle; an oil passage defined by the inner peripheral surface of the output shaft, wherein the case is connected to an end of the oil passage in a direction along the central axis of the output shaft, and the outer diameter is the output An annular oil reservoir larger than the inner diameter of the shaft and centered on the central axis, a supply oil passage opening at the outer peripheral surface of the oil reservoir, and a projection protruding from the outer peripheral surface of the oil reservoir. have.
上記構成において、オイルは、供給油路からオイル溜まりを経てオイル流路へと至る。ここで、出力軸は相当に高い回転速度で回転し得る。出力軸が高い回転速度で回転すると、供給油路からオイル溜まりへと流入したオイルが出力軸に引きずられて、オイルには中心軸線を中心とする環状の流れが生じる。その結果、オイルには、出力軸の回転に伴う強い遠心力が作用する。そして、オイルは、オイル溜まりの外周面に張り付くようにして当該外周面に沿って流れる。その結果、供給油路からオイル溜まりを経てオイル流路へと至るオイルの流れが妨げられることになる。この点、上記構成のように突起を設けている場合、突起は、オイル溜まりの外周面に沿うオイルの流れを途中で遮る。これにより、オイルがオイル溜まりの外周面に張り付くようにして流れることを防げる。したがって、オイル流路へのオイルの供給が妨げられることを防げる。 In the above configuration, the oil flows from the supply oil passage through the oil reservoir to the oil passage. Here, the output shaft can rotate at considerably high rotational speeds. When the output shaft rotates at a high rotational speed, the oil that has flowed from the supply oil passage into the oil reservoir is dragged by the output shaft, and an annular flow occurs in the oil around the central axis. As a result, a strong centrifugal force accompanying the rotation of the output shaft acts on the oil. Then, the oil flows along the outer peripheral surface of the oil reservoir so as to stick to the outer peripheral surface. As a result, the flow of oil from the supply oil passage to the oil flow path through the oil reservoir is impeded. In this respect, when the protrusion is provided as in the above configuration, the protrusion interrupts the oil flow along the outer peripheral surface of the oil reservoir. This prevents the oil from sticking to the outer peripheral surface of the oil reservoir and flowing. Therefore, it is possible to prevent the supply of oil to the oil flow path from being blocked.
以下、動力伝達装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両500は、動力伝達装置10、及び動力伝達装置10から動力の伝達を受ける2つの車輪93を有する。なお、本実施形態の車両500は、電動式の4輪駆動車両である。そして、2つの車輪93は、車両500の後輪である。すなわち、動力伝達装置10は、後輪用のものである。
An embodiment of a power transmission device will be described below with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1 ,
動力伝達装置10は、ケース100を有する。ケース100は、中空である。ケース100は、車両500の車体フレームに固定されている。なお、上記のとおり、動力伝達装置10は、後輪用のものである。このことから、ケース100は、車両500における後寄りの部分に位置している。
The
動力伝達装置10は、電動機50を有する。電動機50は、動力伝達装置10の駆動源である。電動機50は、ケース100内に位置している。電動機50は、ステータ53、ロータ52、及び出力軸(以下、モータ出力軸と記す。)51を有する。ステータ53は、略筒状である。ステータ53は、ケース100に固定されている。ロータ52は、ステータ53の内部に位置している。ロータ52は、略筒状である。ロータ52の中心軸線Cは、ステータ53の中心軸線Cと一致している。ロータ52は、ステータ53に対して回転可能である。モータ出力軸51は、略筒状である。モータ出力軸51は、ロータ52の内部を貫通している。モータ出力軸51の中心軸線Cは、ロータ52の中心軸線Cと一致している。モータ出力軸51は、ロータ52と一体回転する。
The
なお、以下では、モータ出力軸51の中心軸線Cに沿う2つの方向のうち一方を第1方向C1、第1方向C1とは反対方向を第2方向C2と呼称する。モータ出力軸51は、ロータ52から視て第1方向C1でモータ用軸受け17によって回転可能に支持されている。なお、本実施形態において、第1方向C1、及び第2方向C2は、車両500が走行する際の進行方向、及び重力方向の双方に対して略直交している。以下では、重力方向を下方、それとは反対方向を上方と呼称する。
In the following, one of the two directions along the central axis C of the
動力伝達装置10は、変速機構30を有する。変速機構30は、ケース100内に位置している。変速機構30は、入力軸60、カウンタ軸31、第1ドライブギヤ32、第1ドリブンギヤ33、第2ドライブギヤ34、及び第2ドリブンギヤ35を有する。
The
入力軸60は、筒状である。入力軸60の内径、及び外径は、モータ出力軸51の内径、及び外径と略一致している。入力軸60は、モータ出力軸51から視て第2方向C2に位置している。入力軸60は、モータ出力軸51における第2方向C2の端に連結している。入力軸60とモータ出力軸51とはスプライン嵌合で一体になっている。入力軸60の中心軸線Cは、モータ出力軸51の中心軸線Cと一致している。入力軸60は、軸受け22によって回転可能に支持されている。軸受け22は、環状の外輪と、外輪よりも径の小さい環状の内輪と、これら外輪と内輪との間を転動する複数の転動体とを有する周知の構成になっている。なお、以下の説明において、軸受け22以外の他の軸受についても同様に周知の構成になっている。そのため、一部の軸受けに関して詳しい説明を省略する。
The
第1ドライブギヤ32は、入力軸60に連結している。第1ドライブギヤ32は、入力軸60と一体回転する。第1ドライブギヤ32は、第1ドリブンギヤ33と噛み合っている。第1ドリブンギヤ33の外径は、第1ドライブギヤ32の外径よりも大きい。第1ドリブンギヤ33は、カウンタ軸31に連結している。カウンタ軸31は、一対の軸受け23で回転可能に支持されている。なお、カウンタ軸31は、入力軸60と平行に配置されている。
The
第2ドライブギヤ34は、第1ドリブンギヤ33と同様、カウンタ軸31に連結している。そして、第2ドライブギヤ34は、第1ドリブンギヤ33と一体回転する。第2ドライブギヤ34は、第2ドリブンギヤ35と噛み合っている。第2ドリブンギヤ35の外径は、第2ドライブギヤ34の外径よりも大きい。上記変速機構30においては、上記した各ギヤの外径の大小関係に因り、入力軸60の回転速度よりも第2ドリブンギヤ35の回転速度のほうが低くなる。このように、変速機構30は、入力軸60、すなわちモータ出力軸51の回転速度を減速させる。
The
動力伝達装置10は、第1車軸91、第2車軸92、及びディファレンシャル40を有する。第1車軸91、及び第2車軸92は、棒状である。第1車軸91、及び第2車軸92の径は、モータ出力軸51の内径よりも小さい。ディファレンシャル40は、デフケース42、及び差動機構44を有する。デフケース42は、変速機構30の入力軸60から視て第2方向C2に位置している。デフケース42は、略筒状である。デフケース42の中心軸線は、モータ出力軸51の中心軸線Cと平行になっている。デフケース42は、一対の軸受け27によって回転可能に支持されている。デフケース42は、変速機構30の第2ドリブンギヤ35と連結している。デフケース42は、第2ドリブンギヤ35と一体回転する。差動機構44は、デフケース42内に位置している。差動機構44は、第1車軸91、及び第2車軸92に連結している。差動機構44は、第1車軸91、及び第2車軸92をモータ出力軸51と同軸上で保持している。差動機構44は、デフケース42の回転を第1車軸91、及び第2車軸92に伝達する。その際、差動機構44は、第1車軸91、及び第2車軸92に回転速度の差が生じることを許容する。なお、図1では、差動機構44の構造を簡略化して図示している。
The
第1車軸91は、差動機構44から視て第1方向C1に位置している。第1車軸91は、変速機構30の入力軸60、及びモータ出力軸51の内部を貫通し、さらにケース100における第1方向C1の端の壁部を貫通している。そして、第1車軸91における第1方向C1の端は、ケース100の外部で車輪93に連結している。第1車軸91がモータ出力軸51を貫通していることに付随して、第1車軸91の中心軸線Cとモータ出力軸51の中心軸線Cとは一致している。なお、第1車軸91の外周面とモータ出力軸51の内周面との間には、隙間がある。また、第1車軸91は、車軸用軸受け18で回転可能に支持されている。これら隙間、及び車軸用軸受け18の詳細については、ケース100における第1方向C1の端の壁部との関連において後で詳しく説明する。
The
第2車軸92は、差動機構44から視て第2方向C2に位置している。第2車軸92は、ケース100における第2方向C2の端の壁部を貫通している。そして、第2車軸92における第2方向C2の端は、ケース100の外部で車輪93に連結している。第1車軸91、及び第2車軸92は、ディファレンシャル40、及び変速機構30を介して入力されるモータ出力軸51の回転を車輪93へと伝達する。
The
ケース100は、キャッチタンク131を有する。キャッチタンク131は、ケース100内において仕切り壁によって区画された空間である。キャッチタンク131は、モータ出力軸51の中心軸線Cを基準とした径方向に関して、ケース100における外寄りの部分に位置している。また、キャッチタンク131は、ケース100における、第1方向C1の端の壁部まで続いている。キャッチタンク131の底部分は、モータ出力軸51と概ね同じ高さに位置している。キャッチタンク131は、変速機構30の各ギヤが位置している空間と連通している。ここで、ケース100の底部には、オイルが貯留されている。変速機構30のギヤが回転する際、ギヤは、ケース100の底部のオイルを巻き上げる。キャッチタンク131は、変速機構30のギヤが巻き上げたオイルを貯留している。キャッチタンク131の位置は、ギヤが巻き上げたオイルを効率的に回収できる位置として設計上定めてある。
<ケースの端部分の詳細構造>
図示は省略するが、ケース100は、詳細には、複数のパーツを1つに結合したものである。これら複数のパーツは、第1方向C1に並んでいる。これらパーツのうち、第1方向C1の端に位置しているパーツである第1パーツ110は、全体としては有底の筒状である。第1パーツ110の中心軸線は、モータ出力軸51の中心軸線Cと平行である。また、第1パーツ110は、第2方向C2に開放している。すなわち、第1パーツ110における底の部分の壁は、ケース100における第1方向C1の端の壁部である端壁110Aを構成している。そして、端壁110Aは、第1方向C1においてケース100の内外を隔てている。なお、図1では、ケース100を構成している複数のパーツのうち、第1パーツ110と、その隣のパーツとの境界線を概略的に点線Aで示している。
<Detailed structure of the edge of the case>
Although illustration is omitted, in detail, the
図2に示すように、端壁110Aは、貫通孔112を有する。貫通孔112は、端壁110Aにおける、第1方向C1側の面と第2方向C2側の面との双方で開口している。貫通孔112は、小径部112Aと、小径部112Aよりも大径の大径部112Bとを有する。小径部112A、及び大径部112Bの中心軸線Cは、モータ出力軸51の中心軸線Cと一致している。また、小径部112Aと大径部112Bとは隣り合っている。すなわち、貫通孔112の内面は、段付き形状である。大径部112Bは、小径部112Aから視て第2方向C2に位置している。
As shown in FIG. 2, the
貫通孔112における小径部112A及び大径部112Bの大きさは、車軸用軸受け18、及びモータ用軸受け17の大きさを考慮して定めてある。具体的には、第1方向C1に関する小径部112Aの寸法は、第1方向C1に関する車軸用軸受け18の寸法よりも大きい。第1方向C1に関する大径部112Bの寸法は、第1方向C1に関するモータ用軸受け17の寸法と略一致している。ここで、上記のとおり、第1車軸91の径は、モータ出力軸51の内径よりも小さい。これら2つの軸の大小関係との兼ね合いで、車軸用軸受け18は、モータ用軸受け17に比べて一回り小さい。上記小径部112Aの径は、車軸用軸受け18の外径と略一致している。大径部112Bの径は、モータ用軸受け17の外径と略一致している。なお、小径部112Aの径は、モータ出力軸51の外径、すなわち、モータ用軸受け17の内径よりも大きい。
The sizes of the small-
上記のような貫通孔112の構成の下、車軸用軸受け18は、貫通孔112の小径部112Aに嵌っている。すなわち、車軸用軸受け18の外輪18Aは、小径部112Aの内面で支持されている。外輪18Aは、詳細には、小径部112Aと大径部112Bとの境界の段差面112Cから第1方向C1に所定距離だけ離れた位置に位置している。そして、この外輪18Aから視て径方向内側に、球体で構成された転動体18Cを挟んで内輪18Bが位置している。内輪18Bは、第1車軸91の外周面を支持している。この第1車軸91は、貫通孔112を貫通して、上記のとおりケース100の外部に至っている。なお、車軸用軸受け18は、外輪18A、内輪18B、転動体18Cに加え、シールド板18Sを有する。シールド板18Sは、環状且つ板状である。シールド板18Sは、転動体18Cから視て第1方向C1に位置している。シールド板18Sは、外輪18Aと内輪18Bとの間を塞いでいる。なお、シールド板18Sの取り付け構造は、転動体18Cに干渉せず、且つ、外輪18Aに対する内輪18Bの回転を妨げないものになっている。
Under the configuration of the through
車軸用軸受け18が貫通孔112の小径部112Aに嵌っているのに対し、モータ用軸受け17は貫通孔112の大径部112Bに嵌っている。すなわち、モータ用軸受け17の外輪17Aは、大径部112Bの内面で支持されている。さらに、外輪17Aにおける第1方向C1の端面は、小径部112Aと大径部112Bとの段差面112Cで支持されている。すなわち、モータ用軸受け17における第1方向C1の端は、大径部112Bにおける第1方向C1の端に位置している。上記外輪17Aから視て径方向内側に、球体で構成された転動体17Cを挟んで内輪17Bが位置している。内輪17Bは、モータ出力軸51の外周面を支持している。本実施形態において、モータ出力軸51における第1方向C1の端は、外輪17A、及び内輪17Bにおける第1方向C1の端と略同じ位置に位置している。なお、モータ用軸受け17は、車軸用軸受け18と同様のシールド板17Sを有する。すなわち、シールド板17Sは、環状且つ板状である。シールド板17Sは、転動体17Cから視て第1方向C1に位置している。シールド板17Sは、外輪17Aと内輪17Bとの間を塞いでいる。
The
<油路>
貫通孔112において、車軸用軸受け18とモータ用軸受け17との間は、第1車軸91の外周面を取り囲むオイル溜まり70となっている。すなわち、オイル溜まり70は、モータ出力軸51の中心軸線Cを中心とする環状空間である。このオイル溜まり70の外周の端を区画する壁面、すなわちオイル溜まり70の外周面70Aは、小径部112Aの内面のうち、車軸用軸受け18における第2方向C2の端の位置から、小径部112Aにおける第2方向C2の端までの部分で構成されている。上記のとおり、小径部112Aの径はモータ出力軸51と外径よりも大きいことから、オイル溜まり70の外周面70Aの径、すなわちオイル溜まり70の外径は、モータ出力軸51の内径よりも大きい。また、上記のとおり、モータ出力軸51における第1方向C1の端は、モータ用軸受け17の第1方向C1の端に位置している。このことから、オイル溜まり70は、モータ出力軸51における第1方向C1の端を通じて、モータ出力軸51の内周面と第1車軸91の外周面との隙間に繋がっている。この隙間は、モータ出力軸51の内部でオイルを第2方向C2に流すオイル流路74となっている。すなわち、オイル溜まり70は、オイル流路74における、第1方向C1の端に繋がっている。
<Oil passage>
In the through
端壁110Aは、上記オイル溜まり70にオイルを供給するための供給油路72を有する。供給油路72は、端壁110Aに区画された空間である。供給油路72は、モータ出力軸51の中心軸線Cを中心とした径方向に延びている。詳しい図示は省略するが、供給油路72における径方向外側の端は、キャッチタンク131に繋がっている。供給油路72における径方向内側の端は、オイル溜まり70の外周面70Aで開口している。供給油路72は、キャッチタンク131とオイル溜まり70の外周面70Aにおける開口72Aとの間で直線状に延びている。すなわち、供給油路72は、キャッチタンク131とオイル溜まり70の外周面70Aとを概ね最短経路で繋いでいる。詳しい位置関係の図示は省略するが、動力伝達装置10を車両500に搭載した状態で、供給油路72の開口72Aは、キャッチタンク131から視て下方に位置する。つまり、キャッチタンク131内のオイルは、自重により供給油路72を流れてオイル溜まり70へと至る。
The
図3に示すように、端壁110Aは、突起80を有する。突起80は、オイル溜まり70の外周面70Aから径方向内側へ突出している。突起80の先端は、第1車軸91の外周面と向かい合っている。突起80の先端は、第1車軸91の外周面近傍に至っている。また、第1方向C1に関する突起80の端は、車両用軸受け18近傍に位置している。第2方向C2に関する突起80の端は、モータ用軸受け17近傍に位置している。
As shown in FIG. 3, the
図4に示すように、第2方向C2を向いてオイル溜まり70及びその周辺を断面視したとき、突起80は、供給油路72の開口72Aとは異なる位置に位置している。ここで、図4の矢印Sで示すように、車両500が前進走行する際、モータ出力軸51は、第2方向C2を向いて視たときの断面視で時計回りに回転する。突起80と、供給油路72の開口72Aとの位置関係は、モータ出力軸51の回転に伴う後述のようなオイルの流れとの関連で定めてある。つまり、突起80は、中心軸線Cに対して上方向に位置している。そして、供給油路72の開口72Aは、中心軸線Cを中心として突起80から時計回りに90度の箇所、すなわち図4において中心軸線Cに対して右方に位置している。換言すれば、突起80は、中心軸線Cを中心として開口72Aから時計回りに270度の箇所に位置している。
As shown in FIG. 4 , when the
<実施形態の作用>
上記のとおり、動力伝達装置10は、車両500における後寄りの部分に位置している。この後寄りの部分における設置スペースの制約上、動力伝達装置10は小型化することが求められる。そこで、動力伝達装置10では、当該装置を小型化するための構造の一環として、モータ出力軸51の内部に第1車軸91を貫通させる構造を採用している。本実施形態では、こうした構成においてモータ出力軸51の内部を、オイルを供給するための油路として活用している。また、動力伝達装置10の小型化に合わせて、電動機50、さらにはモータ出力軸51の外径は小さくなっている。本実施形態では、モータ出力軸51の外径が小さい分、モータ出力軸51の回転速度を高くし、変速機構30による減速度合いを高められるように変速機構30を設計してある。例えば車両500が高い走行速度で走行する際、モータ出力軸51の回転速度は相当に高くなる。本実施形態では、モータ出力軸51の回転速度が相当に高くなることに因るオイルの流れへの影響を踏まえて、油路の構造を設計している。以下、本実施形態の油路におけるオイルの流れを詳しく説明する。
<Action of Embodiment>
As described above,
先ず、基本的なオイルの流れの経路を説明する。図2の矢印Lで示すように、キャッチタンク131に貯留されているオイルは、供給油路72を経てオイル溜まり70へと流入する。そして、オイルは、オイル溜まり70から、第1車軸91とモータ出力軸51との隙間のオイル流路74に流入する。オイル流路74に流入したオイルは、各種の潤滑部位へと流れる。潤滑部位は、例えば、モータ出力軸51と変速機構30の入力軸60との嵌合部分である。この嵌合部分において、オイルは、モータ出力軸51と変速機構30の入力軸60との擦れ等に因る摩耗を抑制する。
First, the basic oil flow path will be described. As indicated by an arrow L in FIG. 2 , the oil stored in the
次に、オイル溜まり70におけるオイルの流れを突起80との関連で説明する。なお、オイル溜まり70におけるオイルの流れは、モータ出力軸51の回転速度、ひいては車両500の走行速度に応じて異なる。そのため、以下では、車両500の走行速度が高い場合と低い場合とで別々にオイルの流れを説明する。
Next, the flow of oil in the
(A)走行速度が高い場合
いま、車両500が高い走行速度で前進しているものとする。この場合、上記動力伝達装置10の小型化との関連で説明したとおり、モータ出力軸51は、モータ用軸受け17の内輪17Bとともに相当に高い回転速度で回転する。なお、上記のとおり、このときモータ出力軸51は、第2方向C2を向いて視たときの断面視で時計回りに回転する。さて、モータ出力軸51が相当に高い回転速度で回転している場合、供給油路72の開口72Aからオイル溜まり70に流入したオイルは、つぎのように流れる。すなわち、図4の矢印Kで示すように、オイルは、モータ出力軸51、及び内輪17Bの回転に引きずられる格好でそれらとともに時計回りに回転する。すなわち、第2方向C2を向いて視たときの断面視で、中心軸線Cに対して右方の位置からオイル溜まり70に流入したオイルは、下方の位置、さらに左方の位置へと流れていく。その際、モータ出力軸51、及び内輪17Bの高い回転速度に付随して、オイルの流れには強い遠心力が作用する。そのため、オイルは、オイル溜まり70の外周面70Aに張り付くようにして当該外周面70Aに沿って流れていく。そして、オイルは、中心軸線Cに対して左方の位置を超えてさらに上方へとオイル溜まり70の外周面70Aを流れていく。
(A) When Traveling Speed is High Assume now that the
ここで、仮に、突起80が存在していないとする。この場合、オイルは、オイル溜まり70の外周面70Aに沿って流れ、中心軸線Cに対して上方の位置を超え、さらに供給油路72の開口72Aが位置している右方の位置へと戻っていく。このようにしてオイルがオイル溜まり70の外周面70Aの全周を流れて供給油路72の開口72Aまで戻ると、オイルは供給油路72の開口72Aを塞ぎ、場合によってはオイルが供給油路72内に逆流する。この場合、供給油路72からオイル溜まり70を経てオイル流路74へとオイルが流入し難くなる。
Here, it is assumed that the
この点、突起80が存在している場合、図4の矢印Kで示すように、オイルが中心軸線Cに対して上方の位置まで来ると、オイルは突起80に衝突する。そして、突起80に衝突したオイルは、オイル溜まり70の外周面70Aから離れて中心軸線C側へ向かう。すなわち、突起80は、オイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻るオイルの流れを途中で遮る機能を果たす。
In this regard, if the
オイル溜まり70の外周面70Aから離れて径方向内側へ向かったオイルは、下方へと流下し、オイル溜まり70における下寄りの部分に溜まる。そして、この下寄りの部分に溜まったオイルは、オイル流路74へと流入していく。
The oil that has left the outer
(B)走行速度が低い場合
車両500が低い走行速度で前進している場合、モータ出力軸51、及び内輪17Bの回転速度は、車両500が高い走行速度で走行している場合に比べて低くなる。この場合、オイルは、モータ出力軸51、及び内輪17Bの回転に引きずられ難くなる。そのため、図4に示すように、第2方向C2を向いて視たときの断面視で、中心軸線Cに対して右方の位置からオイル溜まり70に流入したオイルは、例えば中心軸線Cに対して左方の位置程度までは流れるものの、突起80が位置する上方の位置までは流れない。つまり、オイルは、オイル溜まり70における上寄りの部分に流れることなく、オイル溜まり70における下寄りの部分に溜まり、オイル流路74へと流入していく。
(B) Low Travel Speed When the
なお、車両500が後進する場合も、上と同様、オイルは突起80が位置する上方の位置に至ることなくオイル溜まり70における下寄りの部分に溜まってオイル流路74に流れる。これは、次の理由に因る。車両500が後進する場合、モータ出力軸51は第2方向C2を向いて視たときの断面視で反時計回りに回転する。しかし、この回転方向に拘わらず、車両500が後進するときのモータ出力軸51の回転速度は低いことから、図4における右方の位置からオイル溜まり70に流入したオイルは、モータ出力軸51の回転には引きずられ難い。したがって、オイル溜まり70に流入したオイルはその自重に因り下方へと流れる。そして、オイルは、オイル溜まり70における下寄りの部分からオイル流路74へ流入する。
Note that when the
<実施形態の効果>
(1)突起について
上記作用に記載したとおり、車両500が高い走行速度で前進走行する際のモータ出力軸51の回転速度は相当に高くなる。モータ出力軸51の回転速度が相当に高いと、環状のオイル溜まり70に流入したオイルは、当該オイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻って供給油路72の開口72Aに戻り得る。この場合、オイルは、供給油路72の開口72Aを塞ぐおそれがある。
<Effects of Embodiment>
(1) Protrusion As described in the above operation, the rotation speed of
そこで、本実施形態では、オイル溜まり70の外周面70Aに突起80を設けている。オイル溜まり70の外周面70Aに突起80が存在している場合、オイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻るオイルの流れを途中で遮ることができる。したがって、供給油路72の開口72Aを塞ぐことを防止できる。この結果、オイル溜まり70へのオイルの供給の低下、ひいては、オイル溜まり70からオイル流路74へのオイルの供給の低下を防止できる。
Therefore, in this embodiment, the
(2)オイルを流通させる動力について
本実施形態では、モータ出力軸51の回転速度が高い場合でも、オイル流路74へのオイルの供給の低下を防止できることから、オイルが自重によって、キャッチタンク131からオイル溜まり70を経てオイル流路74へと至る。すなわち、本実施形態ではオイルを流通させるための電動機等の動力を用いていない。したがって、オイル流通用の電動機等を搭載することによる装置全体の大型化は生じない。
(2) Regarding power for circulating oil In this embodiment, even when the rotation speed of the
(3)シールド板について
モータ用軸受け17において、シールド板17Sは、モータ用軸受け17におけるオイル溜まり70に向かい合う側、すなわち転動体18Cから視てオイル溜まり70側に位置している。ここで、シールド板の一般的な配置としては、車軸用軸受け18のように、転動体を挟んでオイル溜まり70とは反対側の位置が考えられる。この一般的な配置では、オイル溜まり70のオイルをモータ用軸受け17の内部に流入させて当該軸受け17の内部を潤滑することになる。しかし、こうした一般的な配置をモータ用軸受け17に採用した場合、オイルがモータ用軸受け17の内部に流入することから、つぎのような問題が生じる。すなわち、モータ出力軸51が相当に高い回転速度で回転する場合、当該モータ出力軸51、及び内輪17Bとともに転動体17Cが高い回転速度で回転する。その際、転動体17Cは、外輪17Aと内輪17Bとの間で自転しつつ公転する。この転動体17Cの動きがオイルの流れに影響を及ぼすことになる。転動体17Cは、上記の動きによってオイルをかきまわすことで、モータ出力軸51、及び内輪17Bの回転に伴うオイルの周回の流れを強め、オイルに作用する遠心力を高める。つまり、この場合、オイルはオイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻り易くなる。
(3) Shield Plate In the
そこで、本実施形態では、上記のような一般的な配置ではなく、モータ用軸受け17におけるオイル溜まり70と向かいう側にシールド板17Sを配置している。そのため、オイル溜まり70のオイルがモータ用軸受け17の内部に流入することはない。したがって、転動体17Cの動きに起因したオイルの周回の増長、及び遠心力の増長は生じない。このようにして、オイル溜まり70の外周面70Aに沿う流れを極力に抑えた上で、当該外周面70Aに突起80を設けることで、オイルがオイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻ることを確実に防止できる。
Therefore, in this embodiment, the
(4)供給油路の開口と突起との位置関係について
前提として、オイルが突起80にぶつかると、オイルには圧力損失が生じる。圧力損失は、例えばオイルの流量、流速等を低下させるため、極力避けることが好ましい。
(4) Positional relationship between the opening of the supply oil passage and the projection As a premise, when the oil collides with the
さて、本実施形態では、オイル溜まり70の外周面70Aとキャッチタンク131とを最短距離で繋ぐ設計上、供給油路72の開口72Aは図4において右方の位置にある。一方、突起80は上方の位置にある。つまり、供給油路72の開口72Aと突起80とは、オイルが流れる方向である時計回り方向において、車両500が前進走行する際のモータ出力軸51の回転角度にして270度分離れている。このような相当に大きな角度分の距離が開口72Aと突起80との間に存在している場合、モータ出力軸51の回転速度が相当に高くならない限り、次の事象は生じ得ない。この事象とは、モータ出力軸51の回転の引きずり伴ってオイルが供給油路72の開口72Aから突起80にまで到達することである。したがって、上記(B)に記載したように車両500の走行速度が低い場合、オイルが突起80に至ることはない。オイルが突起80に至らなければ、オイルの圧力損失は生じない。つまり、本実施形態では、モータ出力軸51の回転方向に関して、供給油路72の開口72Aと突起80との距離を大きく確保することで、モータ出力軸51の回転速度が低いときには、無用な圧力損失を避けることができる。
In this embodiment, the
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
<Change example>
This embodiment can be implemented with the following modifications. This embodiment and the following modified examples can be implemented in combination with each other within a technically consistent range.
・モータ用軸受け17における転動体17Cの構成は、上記実施形態の例に限定されない。転動体18Cは、例えば円柱状、又は円錐状のころでもよい。車軸用軸受け18についても同様である。
- The structure of 17 C of rolling elements in the
・モータ用軸受け17において、シールド板17Sを転動体17Cから視て第1方向C1に配置することは必須ではない。シールド板17Sを転動体17Cから視て第2方向C2方向に配置してもよい。この場合、オイル溜まり70のオイルがモータ用軸受け17の内部に流入することになる。このことに付随してオイル溜まり70におけるオイルの周回が増長されることになっても、オイル溜まり70の外周面70Aに突起80が設けられてさえいればよい。突起80が設けられてさえいれば、当該突起80によってオイル溜まり70の外周面70Aの全周を廻るオイルの流れを途中で遮ることができる。
- In the
・突起80の位置は、上記実施形態の例に限定されない。突起80は、オイル溜まり70の外周面70Aから突出していればよい。突起80の位置に拘わらず、オイル溜まり70の外周面70Aから突起80が突出してさえいれば、上記(1)の効果を得ることができる。なお、モータ出力軸51の回転速度に拘わらず、オイルはオイル溜まり70における下寄りの位置を通過する。すなわち、仮に突起80が無いとしたとき、モータ出力軸51の回転速度が相当に高い場合にはその回転に引きずられてオイルがオイル溜まり70の全周を廻るし、回転速度が相当に低くてその回転にオイルが引きずられない場合でもオイルは自重で流下する。これらのうち後者の場合、すなわちモータ出力軸51の回転速度が相当に低い場合にはオイルがオイル溜まり70の全周を廻ることはないため、オイルを突起80に衝突させる必要はない。仮に突起80をオイル溜まり70における下寄りの位置に設けると、このような、オイルを突起80に衝突させる必要がない状況下でオイルを突起80に衝突させることになり、無用な圧力損失を招く。このような無用な圧力損失を避ける上では、突起80をオイル溜まり70における中心軸線Cから視て上側の位置、例えば図4において中心軸線Cに対して左方から上方を経て右方へと至る範囲内の位置に配置することが好ましい。
- The position of the
・径方向に関する突起80の寸法、及び第1方向C1に関する突起80の寸法は、上記実施形態の例に限定されない。これらの寸法に拘わらず、オイル溜まり70の外周面70Aから突起80が突出してさえいればよい。仮に突起80の寸法が相当に小さくても、突起80は少なからずオイル溜まり70の外周面70Aに沿うオイルの流れを遮る。
- The dimension of the
・供給油路72の開口72Aの位置は、上記実施形態の例に限定されない。供給油路72の開口72Aは、オイル溜まり70の外周面70Aにおけるどこかにあればよい。供給油路72の開口72Aの位置に拘わらず、オイル溜まり70の外周面70Aで供給油路72が開口してさえいれば、供給油路72からオイル溜まり70にオイルを供給できる。ただし、上記変更例に記載したとおり、オイル溜まり70における中心軸線Cから視て下側の位置には常にオイルが存在する可能性が高い。こういった箇所に供給油路72の開口72Aを設けても、当該開口72Aはオイルで塞がれてしまう。このような、オイルで塞がれ易い位置を避けて供給油路72の開口72Aの位置を定める必要がある。こういった観点において、供給油路72の開口72Aは、オイル溜まり70における中心軸線Cから視て上側の位置、例えば図4において中心軸線Cに対して左方から上方を経て右方へと至る範囲内の位置に配置することが好ましい。また、上記実施形態のように、車両500が前進走行する際にモータ出力軸51が時計回りに回転する場合において、供給油路72の開口72Aが、図4において中心軸線Cに対して左方の位置に設けられているとする。この場合、モータ出力軸51の回転速度が相当に高いときには次のようなことが生じ得る。すなわち、供給油路72の開口72Aからオイル溜まり70に流入したオイルは、一旦は自重で下方の位置へと流下するものの、その後直ぐにモータ出力軸51の回転に引きずられる格好で供給油路72の開口72Aの位置に戻ってくる可能性がある。この場合、戻ってきたオイルは、供給油路72の開口72Aを塞ぐように作用し得る。こうした観点からいって、オイル溜まり70の最下部となる位置から視て、時計回りに回転するモータ出力軸51の回転方向とは反対方向の位置に供給油路72の開口72Aが位置していることが好ましい。
- The position of 72 A of openings of the
・突起80と供給油路72の開口72Aとの位置関係は、上記実施形態の例に限定されない。これらの位置関係に拘わらず、上記変更例に記載したとおり、オイル溜まり70の外周面70Aに突起80が設けられており、当該外周面70Aで供給油路72が開口してさえいればよい。なお、車両500が前進走行する際のモータ出力軸51の回転方向での回転角度をモータ角度としたとき、上記(4)の効果を得る上では、突起80と開口72Aとの間に極力大きなモータ角度を確保することが好ましい。
- The positional relationship between the
・供給油路72の構成は、上記実施形態の例に限定されない。すなわち、供給油路72は、キャッチタンク131とオイル溜まり70の外周面70Aとを最短経路で繋ぐものでなくてもよい。供給油路72は、オイル溜まり70の外周面70Aへと至っていればよい。例えば、供給油路72は、途中で湾曲していたり屈曲したりしていてもよい。
- The structure of the
・上記実施形態では、車軸用軸受け18を支持している壁面、すなわち貫通孔112の小径部112Aの内面の一部によってオイル溜まり70の外周面70Aを構成していた。しかし、オイル溜まり70の外周面70Aの構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、車軸用軸受け18とモータ用軸受け17との間において小径部112Aの内面に凹凸構造を設け、車軸用軸受け18を支持している壁面とは異なる径の壁面によってオイル溜まり70の外周面70Aを構成してもよい。オイル溜まり70の外周面70Aは、第1車軸91を取り囲む環状空間の径方向外側の端を区画できるように構成されていればよい。
In the above embodiment, the outer
・動力伝達装置10の全体構成は、上記実施形態の例に限定されない。動力伝達装置がつぎのような構成を有していれば、突起を採用することで上記(1)の効果を得ることができる。すなわち、電動機の出力軸が筒状であること。そして、その内部を車軸が貫通していること。そして、出力軸の内周面と車軸の外周面との間がオイル流路になっていること。また、出力軸の中心軸線に沿う方向でのオイル流路の端に繋がるオイル溜まりが存在していること。このオイル溜まりは、外径が出力軸の内径よりも大きく、且つ出力軸の中心軸線を中心とする環状であること。そして、オイル溜まりの外周面で供給油路が開口していること。こうした構成を有している動力伝達装置において、オイル溜まりの外周面から突出する突起を適用すればよい。
- The overall configuration of the
例えば、上記実施形態では、ケース100における第1方向C1の端の壁部にオイル溜まりを設けていた。しかし、動力伝達装置のケースの構造上、ケースにおける端の壁部で無い箇所にオイル溜まりを設けることもあり得る。この場合でも、オイル溜まりの外周面で供給油路を開口し、且つ、当該外周面から突起を突出させる構成を採用すればよい。
For example, in the above-described embodiment, an oil reservoir is provided on the wall portion of the end of the
また、電動機の出力軸から視て変速機構の入力軸が位置している方向を変速機側方向と呼称する。動力伝達装置の構成によっては、車両が前進走行する際、この変速機側方向を向いて視たときの断面視で、電動機の出力軸が反時計回りに回転することもあり得る。この場合でも、この出力軸の回転方向に合わせて突起と供給油路の開口との位置関係を定めればよい。 Also, the direction in which the input shaft of the transmission mechanism is located when viewed from the output shaft of the electric motor is called the transmission side direction. Depending on the configuration of the power transmission device, when the vehicle travels forward, the output shaft of the electric motor may rotate counterclockwise in a cross-sectional view looking toward the transmission. Even in this case, the positional relationship between the protrusion and the opening of the supply oil passage may be determined according to the rotation direction of the output shaft.
また、動力伝達装置の構成、さらにはその車両への取り付けの態様によっては、電動機の出力軸が、車両の進行方向、及び重力方向の双方と直交する配置になっていないこともあり得る。この場合でも、オイル溜まりの外周面で供給油路を開口し、且つ、当該外周面から突起を突出させればよい。 Also, depending on the configuration of the power transmission device and the manner in which it is attached to the vehicle, the output shaft of the electric motor may not be positioned perpendicular to both the direction of travel of the vehicle and the direction of gravity. Even in this case, the supply oil passage may be opened at the outer peripheral surface of the oil reservoir, and the protrusion may be projected from the outer peripheral surface.
・動力伝達装置から動力を伝達する対象は、車両の前輪でもよい。すなわち、動力伝達装置を前輪に適用してもよい。 - The object to which power is transmitted from the power transmission device may be the front wheels of the vehicle. That is, the power transmission device may be applied to the front wheels.
C…中心軸線
30…変速機構
50…電動機
51…モータ出力軸
70…オイル溜まり
70A…外周面
72…供給油路
74…オイル流路
80…突起
91…第1車軸
100…ケース
C...
Claims (1)
前記ケース内に位置し、筒状の出力軸を備えた電動機と、
前記ケース内に位置し、前記出力軸の回転速度を変速する変速機構と、
前記出力軸と同軸であるとともに前記出力軸の内部を貫通しており、前記変速機構が変速した前記出力軸の回転を車輪へと伝達する車軸と、
前記車軸の外周面、及び前記出力軸の内周面で区画されるオイル流路と、を有し、
前記ケースは、
前記出力軸の中心軸線に沿う方向での前記オイル流路の端に繋がっており、外径が前記出力軸の内径よりも大きく、且つ前記中心軸線を中心とする環状のオイル溜まりと、
前記オイル溜まりの外周面で開口している供給油路と、
前記オイル溜まりの外周面から突出する突起と、を有する
動力伝達装置。 a case;
an electric motor located within the case and having a cylindrical output shaft;
a speed change mechanism positioned within the case for changing the rotational speed of the output shaft;
an axle that is coaxial with the output shaft and penetrates the interior of the output shaft and transmits rotation of the output shaft changed by the speed change mechanism to wheels;
an oil passage defined by the outer peripheral surface of the axle and the inner peripheral surface of the output shaft;
Said case is
an annular oil reservoir connected to the end of the oil flow path in the direction along the central axis of the output shaft, having an outer diameter larger than the inner diameter of the output shaft, and centered on the central axis;
a supply oil passage open on the outer peripheral surface of the oil reservoir;
a projection projecting from an outer peripheral surface of the oil reservoir. A power transmission device.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021171886A JP2023061765A (en) | 2021-10-20 | 2021-10-20 | power transmission device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021171886A JP2023061765A (en) | 2021-10-20 | 2021-10-20 | power transmission device |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023061765A true JP2023061765A (en) | 2023-05-02 |
Family
ID=86249886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021171886A Pending JP2023061765A (en) | 2021-10-20 | 2021-10-20 | power transmission device |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023061765A (en) |
-
2021
- 2021-10-20 JP JP2021171886A patent/JP2023061765A/en active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10539225B2 (en) | Power system | |
US10871091B2 (en) | Power system | |
US10378641B2 (en) | Power system | |
US20180180162A1 (en) | Power system | |
CN113316694A (en) | Transmission device | |
WO2019208642A1 (en) | Vehicle power transmission device | |
JP2016181954A (en) | In-wheel motor drive unit | |
CN108930779A (en) | The lubrication system of speed changer | |
US10859151B2 (en) | Differential apparatus | |
US10281021B2 (en) | Power system and method of manufacturing the same | |
JP6534414B2 (en) | Power plant | |
JP2016078465A (en) | In-wheel motor drive device | |
JP2023061765A (en) | power transmission device | |
JP6850226B2 (en) | Power unit | |
WO2019177104A1 (en) | Vehicle drive device | |
JP6609541B2 (en) | Power equipment | |
JP5870504B2 (en) | Lubrication structure of power transmission device | |
JP2018100748A (en) | Power equipment | |
US20240181871A1 (en) | Vehicle Drive Device | |
JP2015194195A (en) | in-wheel motor drive device | |
JP7310400B2 (en) | Transmission lubrication structure | |
JP2020128792A (en) | Power transmission apparatus | |
JP2012189102A (en) | Lubricant supply device | |
JP6396173B2 (en) | In-wheel motor drive device | |
JP2024021276A (en) | transaxle |