以下、本願発明の一実施形態に係るハンド、搬送装置および基板処理装置を図面に基づいて説明する。以下で説明する図面において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
<研磨装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の一例としてのCMP装置の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、CMP装置1000は、略矩形状のハウジング1を備える。ハウジング1の内部は、隔壁1a,1bによって、ロード/アンロード装置2と、研磨装置3と、洗浄装置4と、に区画される。ロード/アンロード装置2、研磨装置3、および洗浄装置4は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気される。また、洗浄装置4は、研磨装置に電源を供給する電源供給部材と、処理動作を制御する制御装置5と、を備える。
<ロード/アンロード装置>
ロード/アンロード装置2は、多数の処理対象物(例えば、円板形状の基板(ウェハ)をストックする基板カセットが載置される2つ以上(本実施形態では4つ)のフロントロード部材20を備える。これらのフロントロード部材20は、ハウジング1に隣接して配
置され、研磨装置の幅方向(長手方向と垂直な方向)に沿って配列される。フロントロード部材20には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができるようになっている。ここで、SMIFおよびFOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
また、ロード/アンロード装置2には、フロントロード部材20の並びに沿って走行機構21が敷設される。走行機構21上には、基板カセットの配列方向に沿って移動可能な2台の搬送ロボット(ローダー、搬送機構)22が設置される。搬送ロボット22は、走行機構21上を移動することによって、フロントロード部材20に搭載された基板カセットにアクセスできるようになっている。各搬送ロボット22は、上下に2つのハンドを備えている。上側のハンドは、処理された基板を基板カセットに戻すときに使用される。下側のハンドは、処理前の基板を基板カセットから取り出すときに使用される。このように、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。さらに、搬送ロボット22の下側のハンドは、基板を反転させることができるように構成されている。
<研磨装置>
研磨装置3は、基板の研磨(平坦化)を行うための装置である。研磨装置3は、第1の研磨装置3A、第2の研磨装置3B、第3の研磨装置3C、および、第4の研磨装置3Dを備えている。第1の研磨装置3A、第2の研磨装置3B、第3の研磨装置3C、および第4の研磨装置3Dは、図1に示すように、研磨装置の長手方向に沿って配列される。
図1に示すように、第1の研磨装置3Aは、研磨面を有する研磨パッド(研磨具)10が取り付けられた研磨テーブル30Aと、基板を保持して研磨テーブル30A上の研磨パッド10に押圧しながら研磨するためのトップリング31Aと、研磨パッド10に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル32Aと、研磨パッド10の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ33Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を噴射して研磨面上のスラリや研磨生成物、およびドレッシングによる研磨パッド残渣を除去するアトマイザ34Aと、を備えている。
同様に、第2の研磨装置3Bは、研磨テーブル30Bと、トップリング31Bと、研磨液供給ノズル32Bと、ドレッサ33Bと、アトマイザ34Bと、を備えている。第3の研磨装置3Cは、研磨テーブル30Cと、トップリング31Cと、研磨液供給ノズル32Cと、ドレッサ33Cと、アトマイザ34Cと、を備えている。第4の研磨装置3Dは、研磨テーブル30Dと、トップリング31Dと、研磨液供給ノズル32Dと、ドレッサ33Dと、アトマイザ34Dと、を備えている。
第1の研磨装置3A、第2の研磨装置3B、第3の研磨装置3C、および第4の研磨装置3Dは、互いに同一の構成を有しているので、以下、第1の研磨装置3Aについてのみ説明する。
図2は、第1の研磨装置3Aを模式的に示す斜視図である。トップリング31Aは、トップリングシャフト36に支持される。研磨テーブル30Aの上面には研磨パッド10が貼付される。研磨パッド10の上面は、基板Wを研磨する研磨面を形成する。なお、研磨パッド10に代えて固定砥粒を用いることもできる。トップリング31Aおよび研磨テーブル30Aは、矢印で示すように、その軸心周りに回転するように構成される。基板Wは、トップリング31Aの下面に真空吸着により保持される。研磨時には、研磨液供給ノズル32Aから研磨パッド10の研磨面に研磨液が供給された状態で、研磨対象である基板Wがトップリング31Aにより研磨パッド10の研磨面に押圧されて研磨される。
<洗浄装置>
図3は、洗浄装置の構成を模式的に示す平面図および側面図である。図3(a)は洗浄装置4を示す平面図であり、図3(b)は洗浄装置4を示す側面図である。図3(a)および図3(b)に示すように、洗浄装置4は、ロール洗浄室190,300と、第1の搬送室191と、ペン洗浄室192と、第2の搬送室193と、乾燥室194と、第3の搬送室195と、に区画されている。
ロール洗浄室190内には、縦方向に沿って配列された上側ロール洗浄モジュール201Aおよび下側ロール洗浄モジュール201Bが配置されている。上側ロール洗浄モジュール201Aおよび下側ロール洗浄モジュール201Bは、洗浄液を基板の表裏面に供給しながら、回転する2つのロールスポンジを基板の表裏面にそれぞれ押し付けることによって基板を洗浄する洗浄機である。上側ロール洗浄モジュール201Aと下側ロール洗浄モジュール201Bとの間には、基板の仮置き台204が設けられている。ロール洗浄室300には、ロール洗浄室190に配置された上側ロール洗浄モジュール201Aおよび下側ロール洗浄モジュール201Bと同様の上側ロール洗浄モジュール300Aおよび下側ロール洗浄モジュール300Bが配置される。
ペン洗浄室192内には、縦方向に沿って配列された上側ペン洗浄モジュール202Aおよび下側ペン洗浄モジュール202Bが配置されている。上側ペン洗浄モジュール202Aおよび下側ペン洗浄モジュール202Bは、洗浄液を基板の表面に供給しながら、回転するペンシルスポンジを基板の表面に押し付けて基板の径方向に揺動することによって基板を洗浄する洗浄機である。上側ペン洗浄モジュール202Aと下側ペン洗浄モジュール202Bとの間には、基板の仮置き台203が設けられている。なお、第1の搬送室191の側方には、図示しないフレームに設置された基板Wの仮置き台180が配置されている。
乾燥室194内には、縦方向に沿って配列された上側乾燥モジュール205Aおよび下側乾燥モジュール205Bが配置されている。上側乾燥モジュール205Aおよび下側乾燥モジュール205Bの上部には、清浄な空気を乾燥モジュール205A,205B内にそれぞれ供給するフィルタファン装置207A,207Bが設けられている。
第1の搬送室191には、上下動可能な第1の搬送装置209が配置される。第2の搬送室193には、上下動可能な第2の搬送装置210が配置される。第3の搬送室195には、上下動可能な第3の搬送装置213が配置される。第1の搬送装置209、第2の搬送装置210、および、第3の搬送装置213は、縦方向に延びる支持軸211,212,214にそれぞれ移動自在に支持されている。第1の搬送装置209、第2の搬送装置210、および、第3の搬送装置213は、内部にモータなどの昇降駆動機構を有しており、支持軸211,212,214に沿って上下に移動自在となっている。第1の搬送装置209は、搬送ロボット22と同様に、上下二段のハンドを有している。第1の搬送装置209は、図3(a)の点線で示すように、その下側のハンドが上述した仮置き台180にアクセス可能な位置に配置されている。第1の搬送装置209の下側のハンドが仮置き台180にアクセスするときには、隔壁1bに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
第1の搬送装置209は、仮置き台180、上側ロール洗浄モジュール201A、下側ロール洗浄モジュール201B、仮置き台204、仮置き台203、上側ペン洗浄モジュール202A、および、下側ペン洗浄モジュール202B、の間で基板Wを搬送するように動作する。洗浄前の基板(スラリが付着している基板)を搬送するときは、第1の搬送装置209は、下側のハンドを用い、洗浄後の基板を搬送するときは上側のハンドを用いる。
第2の搬送装置210は、上側ペン洗浄モジュール202A、下側ペン洗浄モジュール202B、仮置き台203、上側乾燥モジュール205A、および、下側乾燥モジュール205B、の間で基板Wを搬送するように動作する。第2の搬送装置210は、洗浄された基板のみを搬送するので、1つのハンドのみを備えている。図1に示す搬送ロボット22は、上側のハンドを用いて上側乾燥モジュール205Aまたは下側乾燥モジュール205Bから基板を取り出し、その基板を基板カセットに戻す。搬送ロボット22の上側ハンドが乾燥モジュール205A,205Bにアクセスするときには、隔壁1aに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
第3の搬送装置213は、上側ロール洗浄モジュール300A、下側ロール洗浄モジュール300B、および仮置き台204の間で基板Wを搬送するように動作する。洗浄前の基板(スラリが付着している基板)を搬送するときは、第3の搬送装置213は、下側のハンドを用い、洗浄後の基板を搬送するときは上側のハンドを用いる。
<搬送装置>
次に、基板を搬送するための搬送装置について説明する。図1に示すように、第1の研磨装置3Aおよび第2の研磨装置3Bに隣接して、第1のリニアトランスポータ(搬送装置)6が配置されている。第1のリニアトランスポータ6は、研磨装置3A,3Bが配列する方向に沿った4つの搬送位置(ロード/アンロード装置側から順番に第1の搬送位置TP1、第2の搬送位置TP2、第3の搬送位置TP3、第4の搬送位置TP4とする)の間で基板を搬送する装置である。
また、第3の研磨装置3Cおよび第4の研磨装置3Dに隣接して、第2のリニアトランスポータ(搬送装置)7が配置される。第2のリニアトランスポータ7は、研磨装置3C,3Dが配列する方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロード装置側から順番に第5の搬送位置TP5、第6の搬送位置TP6、第7の搬送位置TP7とする)の間で基板を搬送する装置である。
基板は、第1のリニアトランスポータ6によって研磨装置3A,3Bに搬送される。第1の研磨装置3Aのトップリング31Aは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第2の搬送位置TP2との間を移動する。したがって、トップリング31Aへの基板の受け渡しは第2の搬送位置TP2で行われる。同様に、第2の研磨装置3Bのトップリング31Bは研磨位置と第3の搬送位置TP3との間を移動し、トップリング31Bへの基板の受け渡しは第3の搬送位置TP3で行われる。第3の研磨装置3Cのトップリング31Cは研磨位置と第6の搬送位置TP6との間を移動し、トップリング31Cへの基板の受け渡しは第6の搬送位置TP6で行われる。第4の研磨装置3Dのトップリング31Dは研磨位置と第7の搬送位置TP7との間を移動し、トップリング31Dへの基板の受け渡しは第7の搬送位置TP7で行われる。
第1の搬送位置TP1には、搬送ロボット22から基板を受け取るためのリフタ11が配置されている。基板は、リフタ11を介して搬送ロボット22から第1のリニアトランスポータ6に渡される。リフタ11と搬送ロボット22との間に位置して、シャッタ(図示せず)が隔壁1aに設けられており、基板の搬送時にはシャッタが開かれて搬送ロボット22からリフタ11に基板が渡されるようになっている。また、第1のリニアトランスポータ6と、第2のリニアトランスポータ7と、洗浄装置4と、の間にはスイングトランスポータ12が配置されている。スイングトランスポータ12は、第4の搬送位置TP4と第5の搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有している。第1のリニアトランスポータ6から第2のリニアトランスポータ7への基板の受け渡しは、スイングトランスポータ12によって行われる。基板は、第2のリニアトランスポータ7によって第3の研磨
装置3Cおよび/または第4の研磨装置3Dに搬送される。また、研磨装置3で研磨された基板はスイングトランスポータ12を経由して洗浄装置4に搬送される。
図4は、第1のリニアトランスポータ6を模式的に示す斜視図である。第1のリニアトランスポータ6は、基板を保持するための第1,第2,第3,第4のハンド600-1,600-2,600-3,600-4を備えている。また、第1のリニアトランスポータ6は、第1~第4のハンド600-1~600-4をそれぞれ支持するための支持部材610を備えている。また、第1のリニアトランスポータ6は、支持部材610を介して第1~第4のハンド600-1~600-4移動させるための駆動機構680を備えている。駆動機構680は、第2,第3,第4のハンド600-2,600-3,600-4をそれぞれ上下動させる3つの昇降駆動機構(例えばボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダ)680A,680B,680Cと、第1~第4のハンド600-1~600-4を水平方向に移動自在に支持する3つのリニアガイド682A,682B,682Cと、第1~第4のハンド600-1~600-4を水平方向に駆動する3つの水平駆動機構684A,684B,684Cと、を備えている。本実施形態では、水平駆動機構684A,684B,684Cはそれぞれ、一対のプーリ686と、これらプーリ686に掛けられたベルト687と、一対のプーリのうちのいずれか一方を回転させるサーボモータ688とを有している。
第1のハンド600-1は第1のリニアガイド682Aに支持され、第1の水平駆動機構684Aに駆動されて第1の搬送位置TP1と第4の搬送位置TP4との間を移動する。この第1のハンド600-1は、リフタ11から基板を受け取り、それを第2のリニアトランスポータ7に渡すためのパスハンドである。したがって、基板を第1の研磨装置3Aおよび第2の研磨装置3Bでは研磨せずに、第3の研磨装置3Cおよび第4の研磨装置3Dで研磨する場合に、第1のハンド600-1が使用される。この第1のハンド600-1には昇降駆動機構は設けられていなく、第1のハンド600-1は水平方向にのみ移動可能となっている。
第2のハンド600-2は第2のリニアガイド682Bに支持され、第2の水平駆動機構684Bに駆動されて第1の搬送位置TP1と第2の搬送位置TP2との間を移動する。この第2のハンド600-2は、基板をリフタ11から第1の研磨装置3Aに搬送するためのアクセスハンドとして機能する。すなわち、第2のハンド600-2は第1の搬送位置TP1に移動し、ここでリフタ11から基板を受け取る。そして、第2のハンド600-2は再び第2の搬送位置TP2に移動し、ここで第2のハンド600-2に保持された基板をトップリング31Aに渡す。第2のハンド600-2には第1の昇降駆動機構680Aが連結されており、これらは一体に水平方向に移動するようになっている。基板をトップリング31Aに渡すときは、第2のハンド600-2は第1の昇降駆動機構680Aに駆動されて上昇し、トップリング31Aに基板を渡した後、第1の昇降駆動機構680Aに駆動されて下降する。
第3のハンド600-3と第4のハンド600-4は第3のリニアガイド682Cに支持されている。第3のハンド600-3と第4のハンド600-4とはエアシリンダ692によって互いに連結されており、これらは第3の水平駆動機構684Cに駆動されて一体的に水平方向に移動するようになっている。エアシリンダ692は第3のハンド600-3と第4のハンド600-4との間隔を調整する間隔調整機構として機能する。このエアシリンダ(間隔調整機構)692を設けた理由は、第1の搬送位置TP1と第2の搬送位置TP2との間隔と、第2の搬送位置TP2と第3の搬送位置TP3との間隔が異なる場合があるからである。エアシリンダ692は、第3のハンド600-3および第4のハンド600-4の移動中に間隔調整動作を行うことが可能である。
第3のハンド600-3には第2の昇降駆動機構680Bが連結され、第4のハンド600-4には第3の昇降駆動機構680Cが連結されており、第3のハンド600-3と第4のハンド600-4は、独立して昇降可能となっている。第3のハンド600-3は、第1の搬送位置TP1、第2の搬送位置TP2、第3の搬送位置TP3の間を移動し、同時に、第4のハンド600-4は第2の搬送位置TP2、第3の搬送位置TP3、第4の搬送位置TP4の間を移動する。
第3のハンド600-3は、基板をリフタ11から第2の研磨装置3Bに搬送するためのアクセスハンドとして機能する。すなわち、第3のハンド600-3は第1の搬送位置TP1に移動し、ここでリフタ11から基板を受け取り、さらに第3の搬送位置TP3に移動し、基板をトップリング31Bに渡すように動作する。第3のハンド600-3は、また、第1の研磨装置3Aで研磨された基板を第2の研磨装置3Bに搬送するためのアクセスハンドとしても機能する。すなわち、第3のハンド600-3は第2の搬送位置TP2に移動し、ここでトップリング31Aから基板を受け取り、さらに第3の搬送位置TP3に移動し、そして、基板をトップリング31Bに渡すように動作する。第3のハンド600-3とトップリング31Aまたはトップリング31Bとの間での基板の受け渡しを行うときは、第3のハンド600-3は第2の昇降駆動機構680Bに駆動されて上昇し、基板の受け渡しが終わった後は、第2の昇降駆動機構680Bに駆動されて下降する。
第4のハンド600-4は、第1の研磨装置3Aまたは第2の研磨装置3Bで研磨された基板をスイングトランスポータ12に搬送するためのアクセスハンドとして機能する。すなわち、第4のハンド600-4は第2の搬送位置TP2または第3の搬送位置TP3に移動し、ここでトップリング31Aまたはトップリング31Bから研磨された基板を受け取り、その後第4の搬送位置TP4に移動する。トップリング31Aまたはトップリング31Bから基板を受け取るときは、第4のハンド600-4は第3の昇降駆動機構680Cに駆動されて上昇し、基板を受け取った後、第3の昇降駆動機構680Cに駆動されて下降する。
第2のリニアトランスポータ7は、第1のハンド600-1に相当する部品を備えていない点で第1のリニアトランスポータ6と相違するが、その他は第1のリニアトランスポータ6と基本的に同一の構成を有しているので、詳細な説明を省略する。
<ハンド>
次に、ハンドの詳細について説明する。第1~第4のハンド600-1~600-4は同様の構成を有するので、1つのハンド(便宜上、「ハンド600」という。)についてのみ説明を行う。図5は、ハンドの構成を模式的に示す斜視図である。
図5に示すように、ハンド600は、ハンド本体620と、ハンド本体620に取り付けられた複数(本実施形態では5個)の着座部材630-1~630-5と、を備える。ハンド本体620は、基板の着座領域SAを囲むように概略U字状に形成された板状部材である。着座部材630-1~630-5は、基板が着座する部材である。着座部材630-1~630-5は、着座領域SAを囲むように相互に間隔をあけてハンド本体620に取り付けられている。なお、本実施形態では、ハンド600が5個の着座部材630-1~630-5を備える例を示したが、着座部材630の数は任意である。ハンド600は、基板Wをできるだけ水平に保持し、かつ基板Wの重量を均等に配分することができる3個以上の着座部材630を備えていればよい。
着座部材630-1~630-5は、基板がハンド600に着座したことを検出するための着座センサの有無によって2種類に分けられる。本実施形態では、着座部材630-1、630-3、630-5は着座センサを備えており、着座部材630-2、630-
4は着座センサを備えていない。以下、両者を区別するために、適宜、着座部材630-1、630-3、630-5を「第1の着座部材」といい、着座部材630-2、630-4を「第2の着座部材」という。
図6Aは、第1の着座部材の構成を模式的に示す斜視図である。図6Bは、図6AのB-B線における断面図である。図6Cは、図6AのC-C線における断面図である。図6A~図6Cに示すように、第1の着座部材630-1,630-3,630-5はそれぞれ、ハンド本体620に取り付けられた台座631と、台座631を介してハンド本体620に支持された軸部材632と、軸部材632に支持されたレバー部材634と、を備える。レバー部材634は、台座631に形成された溝に配置された棒状の部材である。レバー部材634は、基板が着座する着座部634-1aを有する第1の端部634-1と、軸部材632を挟んで第1の端部634-1の反対側に設けられた第2の端部634-2と、を含む。レバー部材634は、第1の端部634-1が着座領域SAに突出するように軸部材632に支持されている。
また、第1の着座部材630-1,630-3,630-5はそれぞれ、レバー部材634を回転させる力をレバー部材634に付与するための付勢部材636を備える。付勢部材636は、第2の端部634-2が下方へ移動するようにレバー部材634を回転させる力をレバー部材634に付与する。したがって、図6Bにおいて破線で示すように基板がレバー部材634に着座していないときには、第2の端部634-2は下方へ移動した状態になっている。付勢部材636は、本実施形態では、圧縮ばねである。具体的には、圧縮ばねは、一端がレバー部材634の上部を覆うハウジング639に取り付けられ、他端がレバー部材634の軸部材632より第2の端部634-2側の上面に形成された穴634bの底面に取り付けられるように構成されている。なお、付勢部材636は圧縮ばねに限定されず、上記の付勢力をレバー部材634に付与するものであればよく、ゴムなどの弾性体であるなら適用可能である。
第1の着座部材630-1,630-3,630-5はそれぞれ、基板がハンド600に着座したことを検出するための着座センサ638をさらに備える。具体的には、着座センサ638は、第2の端部634-2が上方へ移動したことを検出するように構成されている。すなわち、図6Bにおいて基板がレバー部材634に着座していないときは、付勢部材636がレバー部材634を付勢することによって破線で示すように第2の端部634-2が下方に位置した状態になっている。一方、基板がレバー部材634の着座部634-1aに着座すると、基板の重量によってレバー部材634が軸部材632を中心に回転して、第1の端部634-1が下方へ移動するとともに第2の端部634-2が上方へ移動する。レバー部材634の第2の端部634-2には磁石634-2aが設けられている。着座センサ638は、磁石634-2aが上方へ移動したことを検出する磁気センサを含んで構成される。着座センサ638は、磁石634-2aが上方へ移動して磁気センサに接近すると、磁気抵抗の変化を検出することによって、第2の端部634-2が上方へ移動したこと、言い換えれば基板がレバー部材634の着座部634-1aに着座したことを検出する。
なお、ハンド本体620には、ハンド本体620の外形に沿って配線カバー622が設けられている。着座センサ638に接続されたケーブルは、配線カバー622内部を通して配線される。また、第1の着座部材630-1、630-3、630-5は、レバー部材634の第2の端部634-2および着座センサ638を覆うように構成されたハウジング639を備える。
本実施形態によれば、基板の着座検出の精度を向上させることができる。すなわち、従来技術では、着座部634-1aに設けられた光学式センサを用いて着座検出が行われていた。ここで、着座部634-1aは着座領域SAに突出した位置にあり、かつ、着座領
域SAには洗浄処理に用いる洗浄水や研磨処理に用いるスラリが混在しているので、洗浄水またはスラリによって光学式センサの光が乱反射し、その結果、基板着座の誤検出を引き起こす場合があった。これに対して、本実施形態では、着座センサ638は、第2の端部634-2の上方への移動を検出することによって着座検出を行うように構成される。第2の端部634-2は、着座部634-1aを含む第1の端部634-1と軸部材632を挟んで反対側にあり、着座領域SAから離れているので、洗浄水またはスラリによる外乱を受け難く、その結果、基板の着座検出の精度を向上させることができる。また、本実施形態では、ハウジング639によって第2の端部634-2および着座センサ638が覆われているので、より一層、洗浄水またはスラリによる外乱を受け難く、その結果、基板の着座検出の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、着座センサ638は、第2の端部634-2に設けられた磁石634-2aを磁気センサによって検出するオートスイッチ式センサを含む例を示したが、これに限定されない。例えば、着座センサ638は、投光部品と受光部品とを有する光学式センサを含んでいてもよい。この場合、投光部品と受光部品は第2の端部634-2の近傍に配置される。レバー部材634は、第2の端部634-2が上方へ移動したときに投光部品と受光部品との間を遮蔽するように軸部材632に支持される。これにより、基板がレバー部材634に着座していないときには、第2の端部634-2が下方に位置しており、受光部品は投光部品から出力された光を検出することができる。一方、第2の端部634-2が上方へ移動したら、受光部品は投光部品から出力された光を検出することができなくなるので、基板がレバー部材634に着座したことを検出することができる。
本実施形態では、磁石634-2aが図6Bの2点鎖線と実線との位置間を移動することで着座を判断している。着座センサ638の位置は本実施形態では、第2の端部634-2の横(側面)に配置されているが、磁石634-2aの上面と向かい合う、ハウジング639のボルトの下面の位置に設けても良い。また、着座センサ638は、電気式センサを含んでいてもよい。この場合、レバー部材634の第2の端部634-2には第1の電気接点が設けられる。着座センサ638は、第2の端部634-2が上方へ移動したときに第1の電気接点と接触する第2の電気接点を有しており、電圧の変化によって基板がレバー部材634に着座したことを検出することができる。また、着座センサ638は、圧電式センサ(圧力センサ)、またはひずみゲージ式センサを含んでいてもよい。この場合、第2の端部634-2の先端または端部の接触部に、圧電式センサ(圧力センサ)またはひずみゲージ式センサを設置し、圧力変化またはひずみ変化を検出することによって、基板がレバー部材634に着座したことを検出することができる。また、本実施形態で説明した着座部材は、移動式のハンドに適用するだけではなく、搬送途中の基板の仮置き台やノッチやオリフラの向きを合せる位置決め台にも適用可能である。
図7Aは、第2の着座部材の構成を模式的に示す斜視図である。第2の着座部材630-2、630-4は、第1の着座部材630-1、630-3、630-5と比較して、付勢部材636および着座センサ638を備えていない点で相違する。その他の部品は同様の機能を有するので、同様の機能を有する部品については同様の符号を付している。図7Aに示すように、第2の着座部材630-2、630-4はそれぞれ、ハンド本体620に取り付けられた台座631と、台座631を介してハンド本体620に支持された軸部材632と、軸部材632に支持されたレバー部材634と、を備える。レバー部材634は、基板が着座する着座部634-1aを有する第1の端部634-1と、軸部材632を挟んで第1の端部634-1の反対側に設けられた第2の端部634-2と、を含む。レバー部材634は、第1の端部634-1が着座領域SAに突出するように軸部材632に支持されている。レバー部材634および軸部材632はハウジング639によって覆われている。
また、図6および図7Aに示すように、着座部材630-1~630-5はそれぞれ、軸部材632の両端部を支持するための一対の軸受け633と、一対の軸受け633を支持するための一対の弾性部材635と、を備える。弾性部材635は、本実施形態ではバネ部材である。バネ部材は、一端が軸受け633の下面に取り付けられ、他端がハンド本体620の上面に形成された穴の底面に取り付けられるように構成される。この構成により、レバー部材634は、弾性部材635を介してハンド本体620に支持される。なお、弾性部材635はバネ部材に限定されず、トップリングからの押し付け荷重を吸収することができる部材であればよい。
図7Bは、ハンドからトップリングへの基板の受け渡しを模式的に示す図である。図7Bは、後述する図8AにおけるB-B線の断面を模式的に示している。トップリング31は、環状のリテーナリング312と、リテーナリング312に囲まれたメンブレン320などを備えている。図7Bに示すように、着座部材のハウジング639は、断面がL字形状になっている。リテーナリング312は、ハンド600からトップリング31へ基板Wを受け渡すときにハウジング639のL字形状に囲まれた空間に収容されるように配置されている。これにより、ハンド600とトップリング31との位置関係を容易に確認することができる。また、図7Bに示すようにハンドからトップリング31へ基板Wを受け渡すときには、メンブレン320を基板Wに押し付けて真空吸着するようになっている。この点、基板Wが着座しているレバー部材634は弾性部材635を介してハンド本体620に支持されている。したがって、メンブレン320によって基板Wが押し下げられたときには、弾性部材635によって押し付け荷重を吸収するようになっている。
本実施形態によれば、トップリングからの押し付け荷重をより安定的に吸収することができる。すなわち、従来技術は、ハンドが上下2枚のブレード(上側ブレードと下側ブレード)を含んで構成されており、ブレード間に弾性部材を設けることによってトップリングからの押し付け荷重を吸収していた。この場合、トップリングのメンブレンが基板Wに押し付けられたときに、上側ブレードの全体で押し付け荷重を受けることになる。したがって、例えばメンブレンが基板Wに対して片当たりした場合に、上側ブレードの一部が押し下げられて上側ブレードが傾き、押し付け荷重の吸収が不安定になるおそれがあった。
これに対して、本実施形態では、着座部材630-1~630-5それぞれがレバー部材634を支持する弾性部材635を有しているので、ハンド本体620を1枚で構成することができ、コストを削減することができる。これに加えて、着座部材630-1~630-5それぞれのレバー部材634が弾性部材635を介して1枚のハンド本体620に支持されているので、例えばメンブレン320が基板Wに対して片当たりした場合に、片当たりした場所に対応する着座部材630-1~630-5のいずれかが押し付け荷重を吸収するので、ハンド本体620は傾き難い。その結果、本実施形態によれば、トップリングからの押し付け荷重をより安定的に吸収することができる。なお、第1~第4のハンド600-1~600-4のうちトップリングからの押し付け荷重を受けないハンド(例えば第1のハンド600-1)については、弾性部材635が設けられていなくてもよい。また、本実施形態のハンド600は、基板Wを支持固定するものであり、さらにその支持部への基板Wの挿入・配置の仕方は、基板Wを水平に落とし込むようにするものである。本実施形態のハンド600は、ハンド600を基板Wの両側面方向から水平に移動して挟み込むように把持するものではない。
なお、上記の実施形態では、着座部材630-1~630-5はそれぞれ、軸部材632の両端部を支持するための一対の軸受け633と、一対の軸受け633を支持するための一対の弾性部材635と、を備える例を示したが、これに限定されない。以下、一対の軸受け633と一対の弾性部材635の変形例を説明する。図7Cは、図6AにおけるC
´-C´線における断面図である。図7Cに示すように、着座部材630-1~630-5はそれぞれ、軸部材632の両端部を支持するための軸受け633´を備えていてもよい。軸受け633´は、軸部材632の下方において軸部材632の両端部に跨って延伸する単一の部材である。また、図7Cに示すように、着座部材630-1~630-5はそれぞれ、軸受け633´の下面の中央を支持する単一の弾性部材635´を備えていてもよい。
本変形例によれば、上記の実施形態と同様に、着座部材630-1~630-5それぞれのレバー部材634が弾性部材635´を介して1枚のハンド本体620に支持されているので、トップリングからの押し付け荷重をより安定的に吸収することができる。
<ガイド部材および位置決め部材>
次に、ハンド600に設けられたガイド部材および位置決め部材について説明する。図8Aは、ハンドの構成を模式的に示す平面図である。図8Bは、ガイド部材の構成を模式的に示す斜視図である。図8Cは、ガイド部材の構成を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、ハンド600は、複数(本実施形態では4個)のガイド部材640を備える。複数のガイド部材640は、着座領域SAを囲むように互いに所定の間隔をあけてハンド本体620に取り付けられている。複数のガイド部材640はそれぞれ、鉛直方向に伸びる円柱状のガイド本体641と、着座領域SAに向けて下方に傾斜するようにガイド本体641に形成された基板受け面642と、を有する。ハンド本体620の下面にはガイド本体641を支持するための支持部材644が固定されている。また、ハンド本体620の貫通穴には円筒部材645が取り付けられている。ガイド本体641は、円筒部材645の内部に挿入されており、弾性部材646(バネ部材)を介して支持部材644に支持されている。これにより、ガイド本体641にかかる荷重を弾性部材646で吸収することができる。
ガイド本体641に基板受け面642が形成されていることによって、図8Aに示すように、着座領域SAの直径よりも大きい基板すくい径WCが設けられる。基板すくい径WCとは、複数のガイド本体641の基板受け面642の上端を結ぶ円の直径である。ハンド600は、トップリングから基板を受け取るときに着座領域SA外に基板が渡されたとしても、基板すくい径WCの範囲内であれば、基板を着座領域SAに着座させることができる。この点については、以下に説明する位置決め部材と合わせて後述する。
図9Aは、ハンドの構成を模式的に示す平面図である。図9Bは、位置決め部材の構成を模式的に示す斜視図である。図9Cは、位置決め部材の構成を模式的に示す側面図である。図9A~図9Cに示すように、ハンド600は、複数(本実施形態では4個)の位置決め部材650を備える。複数の位置決め部材650は、着座領域SAを囲むように互いに所定の間隔をあけてハンド本体620に取り付けられている。複数の位置決め部材650はそれぞれ、着座領域SAの外縁に接する位置決め部652を有する。具体的には、位置決め部材650はそれぞれ、ハンド本体620の上面から鉛直上方向に伸びる円柱形状に形成された位置決めポスト654を含み、位置決めポスト654の基板Wが接する側面に位置決め部652が形成される。位置決め部材650を円柱形状の位置決めポスト654とすることによって、基板と位置決めポスト654の接触面積を減らすことができるので、基板表面のディフェクトを低減することができる。
図9Aに示すように、4個の位置決め部材650は、隣接する位置決め部材650との間隔が概略均等になるように配置されている。隣接する位置決め部材650の間隔を均等にする(4個の位置決め部材650を90°間隔で配置する)と、基板Wの搬送時(特に水平方向の搬送時)にハンド600からの基板Wが飛び出すのを抑制する効果がある。本
実施形態では、ハンド本体620の形状(ハンド本体620の長手方向の寸法上限)の都合上、位置決め部材650は完全に均等配置されていないが、概略均等に配置されているので、基板Wの搬送時にハンド600からの基板Wが飛び出すのを抑制することができる。さらに、以下に述べる位置決め部材650に基板Wが乗り上げる可能性が有る場合に、乗り上げる部分の対局位置から落下することをも防止することができる。また、図9Aに示すように、4個の位置決め部材650は、それぞれの位置決め部652を結ぶ円の直径(基板位置決め径WP)が、基板Wの直径に対して僅かなマージンを含むように配置される。また、図9Cに示すように、基板受け面642の下端642aは、着座領域SAの外縁に対応する位置に形成される。位置決め部材650を結ぶ円の直径は、ガイド部材640の基板受け面642の下端642aを結ぶ円の直径より大きくする必要がある。これは、位置決め部材650に基板Wが乗り上げる可能性があるためである。また、位置決め部材650は、リテーナリング312の内径より内側に位置する必要がある。これは、トップリング31に基板Wを受渡する際にメンブレンと接触しないようにするためである。
本実施形態によれば、トップリング31から基板Wを受け取るときに基板Wがハンドから落下するのを抑制し、かつ、所定の着座領域SAに基板Wを位置決めすることができる。すなわち、ハンド600がトップリング31から基板Wを受け取るときには、トップリング31のメンブレン320に吸着された基板Wの吸着面に対して流体を供給させることによって、メンブレン320から基板Wを離脱させるようになっている。この場合、基板Wが水平状態を保ったままメンブレン320から離脱したときには問題ないが、基板Wの片側だけがメンブレン320から離脱することによって基板Wが傾斜した状態でハンド600に降りてくる場合がある。このような場合、本実施形態によれば、傾いて降りてきた基板Wの片側は着座領域SAの外縁より内側に降りてくるが、着座部材630-1~630-5のレバー部材634が着座領域SAに突出しているので、基板Wの片側がいずれかのレバー部材634の着座部634-1aに支持される。続いて基板Wの反対側が降りてくるが、片側が着座領域SAの外縁より内側でレバー部材634に支持されているので、基板Wの反対側は対向する位置にあるガイド本体641に形成された基板受け面642に支持される。基板受け面642は着座領域SAに向けて下方に傾斜しているから、基板Wの反対側が基板受け面642を滑り降りることによって基板Wは着座領域SAに着座する。このとき、着座領域SAの周りには、着座領域SAの外縁に接する位置決め部652を有する複数の位置決め部材650が配置されているので、基板Wは着座領域SAに位置決めされる。
<ハンドサポート>
次に、ハンド600を支持部材610に取り付けるための機構について説明する。図10Aは、ハンドおよびハンドサポートの構成を模式的に示す斜視図である。図10Bは、図10Aのハンドサポート部分を拡大した斜視図である。図10Aおよび図10Bに示すように、第1のリニアトランスポータ6は、ハンド600を図4に示すように支持部材610に取り付けるためのハンドサポート660を備える。ハンドサポート660は、ハンド本体620の下面620bを支持するように構成された部材であり、ボルト662によってハンド本体620に固定される。ハンドサポート660は、ハンドサポート660を支持部材610に固定するためのボルト穴660a,660bを有する。ボルトによってハンドサポート660と支持部材610を固定することによって、ハンド600を支持部材610に取り付けることができる。
なお、図10の実施形態では、ハンドサポート660を支持部材610に直接取り付ける例を示したが、これに限定されない。以下、他の実施形態のハンドサポートについて説明する。図11Aは、支持部材へのハンドの取り付けを模式的に示す斜視図である。図11Bは、ハンドサポートの構成を模式的に示す斜視図である。図11Cは、ハンドサポートの構成を模式的に示す側面図および平面図である。
図11A~図11Cに示すように、ハンドサポート670は、ハンド600に取り付けられる第1のハンドサポート672と、支持部材610に取り付けられる第2のハンドサポート674と、を備える。第1のハンドサポート672は、ハンド本体620の下面を支持するように構成された板状の部材である。第1のハンドサポート672は、ボルトによって第1のハンドサポート672をハンド本体620に固定するためのボルト穴672aを有する。
第2のハンドサポート674は、間隔をあけて配置された板状の下部サポート674-1および板状の上部サポート674-3と、両者の端部を接続する接続部材674-2と、を備えており、概略U字溝のような形状である。下部サポート674-1と上部サポート674-3との間には、第1のハンドサポート672が挿入される連結領域674cが形成される。上部サポート674-3は、ボルトによって第2のハンドサポート674を支持部材610に固定するためのボルト穴674-3a、674-3bを有する。
図11Cに示すように、ハンド本体620は、ボルト662によって第1のハンドサポート672に固定される。また、第1のハンドサポート672には、ピン675によって第1のハンドサポート672と第2のハンドサポート674とを連結するためのピン穴672bが形成されている。また、第1のハンドサポート672の底面672fには、第2のハンドサポート674に向けて先細りするように傾斜したテーパ面672cが形成される。また、第1のハンドサポート672の第2のハンドサポート674側の側面672gには、平面視で台形形状の切り欠き672dが形成されている。切り欠き672dには台形形状の脚部分に一対のテーパ面672eが形成される。なお、本実施形態では、平面視で台形形状の切り欠き672dが形成されている例を示したが、切り欠き672dの形状は任意である。
一方、下部サポート674-1には、ピン675によって第1のハンドサポート672と第2のハンドサポート674とを連結するためのピン穴674-1bが形成されている。また、連結領域674cには、テーパ面672cに対応して傾斜したテーパ面674-1cが形成されている。具体的には、下部サポート674-1の上面674-1aには、接続部材674-2に向けて上方に傾斜するテーパ面674-1cが形成されている。テーパ面674-1cは、テーパ面672cに対応して傾斜している。
また、連結領域674cには、切り欠き672dの台形形状の脚部分の一対のテーパ面672eに対応して傾斜したテーパ面674-2eを有する突部674-2dが形成されている。具体的には、突部674-2dは、接続部材674-2から第1のハンドサポート672側に突出して形成されている。突部674-2dは、切り欠き672dに対応した形状であり、平面視で台形形状になっている。突部674-2dには台形形状の脚部分に一対のテーパ面674-2eが形成される。なお、本実施形態では、第1のハンドサポート672に切り欠き672dが形成され、第2のハンドサポート674に突部674-2dが形成される例を示したが、これに限定されない。例えば、第2のハンドサポート674に切り欠きが形成され、第1のハンドサポート672に切り欠きに対応した形状の突部が形成されていてもよい。
本実施形態のハンドサポート670は、第1のハンドサポート672を連結領域674cに挿入し、ピン675によって第1のハンドサポート672と第2のハンドサポート674とを連結することによって、ハンド600を支持部材610に取り付けることができる。
本実施形態のハンドサポート670によれば、ハンド600を支持部材610に対して
正確な位置に短時間で取り付けすることができる。すなわち、ハンド600の部品、特に基板と接触する着座部材630-1~630-5は、摩耗などの懸念があるので定期的に交換することが望ましい。部品交換を実施するためにはハンド600を支持部材610から取り外し、部品交換後に再び支持部材610に取り付ける作業が発生する。ここで、例えば図10に示すようにハンドサポート660を直接支持部材610に取り付ける場合には、ハンド600の位置決めが難しく、高い精度で取り付けを行うためには時間がかかり作業効率が悪い。
これに対して、ハンドサポート670によれば、第1のハンドサポート672を連結領域674cに挿入するときに、テーパ面672cがテーパ面674-1cに案内され、かつ、一対のテーパ面672eがテーパ面674-2eに案内されるので、第1のハンドサポート672を連結領域674c内の正確な位置に簡単に位置決めすることができる。そして、第1のハンドサポート672を正確な位置に位置決めしたらピン穴672bとピン穴674-1bの位置が揃うので、ピン675を挿入することによって、ボルト締めを行うことなく、第1のハンドサポート672と第2のハンドサポート674とを容易に連結することができる。なお、本実施形態では、第1のハンドサポート672がハンド600に取り付けられ、第2のハンドサポート674が支持部材610に取り付けられる例を示したが、これに限定されない。第1のハンドサポート672が支持部材610に取り付けられ、第2のハンドサポート674がハンド600に取り付けられてもよい。
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
本願は、一実施形態として、基板を保持するためのハンドであって、前記ハンドは、ハンド本体と、前記ハンド本体に取り付けられており基板が着座する複数の着座部材と、を含み、前記複数の着座部材はそれぞれ、前記ハンド本体に支持された軸部材と、前記軸部材に支持されたレバー部材であって、基板が着座する着座部を有する第1の端部と、前記軸部材を挟んで前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部と、を含む、レバー部材と、を備え、前記複数の着座部材の少なくとも一部は、前記第2の端部が下方へ移動するように前記レバー部材を回転させる力を前記レバー部材に付与するための付勢部材と、前記第2の端部が上方へ移動したことを検出するように構成された着座センサと、をさらに備える、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記レバー部材の前記第2の端部には磁石が設けられ、前記着座センサは、前記磁石が上方へ移動したことを検出する磁気センサを含む、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記着座センサは、投光部品と受光部品とを有する光学式センサを含み、前記レバー部材は、前記第2の端部が上方へ移動したときに前記投光部品と受光部品との間を遮蔽するように前記軸部材に支持されている、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記レバー部材の前記第2の端部には第1の電気接点が設けられ、前記着座センサは、前記第2の端部が上方へ移動したときに前記第1の電気接点と接触する第2の電気接点を有する電気式センサを含む、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記複数の着座部材の少なくとも一部は、前記レバー部材の前記第2の端部および前記着座センサを覆うように構成されたハウジングをさらに含む、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記複数の着座部材は、基板が着座する着座領域を囲むように互いに所定の間隔をあけて前記ハンド本体に取り付けられ、前記レバー部材は、前記第1の端部が前記着座領域に突出するように前記軸部材に支持されている、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記複数の着座部材はそれぞれ、前記軸部材の両端部を支持するための軸受けと、前記軸受けを支持するための弾性部材と、を備える、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記ハンドは、基板が着座する着座領域を囲むように互いに所定の間隔をあけて前記ハンド本体に取り付けられた複数のガイド部材と、前記着座領域を囲むように互いに所定の間隔をあけて前記ハンド本体に取り付けられた複数の位置決め部材と、をさらに備え、前記複数のガイド部材はそれぞれ、前記着座領域に向けて下方に傾斜する基板受け面を有し、前記複数の位置決め部材はそれぞれ、前記着座領域の外縁に接する位置決め部を有する、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記複数の位置決め部材はそれぞれ、円柱形状に形成された位置決めポストを含む、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記ハンドを支持するための支持部材と、前記ハンドを前記支持部材に取り付けるためのハンドサポートと、をさらに含み、前記ハンドサポートは、前記ハンドおよび前記支持部材のいずれか一方に取り付けられる第1のハンドサポートと、前記ハンドおよび前記支持部材のいずれか他方に取り付けられる第2のハンドサポートと、を含み、前記第1のハンドサポートの底面には、前記第2のハンドサポートに向けて先細りするように傾斜したテーパ面が形成されており、前記第2のハンドサポートは、前記第1のハンドサポートが挿入される連結領域を有し、前記連結領域には、前記第1のハンドサポートの前記テーパ面に対応して傾斜したテーパ面が形成されている、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記第1のハンドサポートの前記第2のハンドサポート側の側面には、切り欠きが形成されており、前記連結領域には、前記切り欠きに形成されたテーパ面に対応して傾斜したテーパ面を有する突部が形成されている、ハンドを開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、上記のいずれかに記載のハンドと、前記ハンドを移動させるための駆動機構と、を含む、搬送装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、基板を研磨するように構成された研磨装置と、基板を洗浄するように構成された洗浄装置と、前記研磨装置または前記洗浄装置で処理される基板を搬送するように構成された上記のいずれかに記載の搬送装置と、を含む、基板処理装置を開示する。