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JP2023050553A - ステンレス鋼の溶接継手、ステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置 - Google Patents

ステンレス鋼の溶接継手、ステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置 Download PDF

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JP2023050553A
JP2023050553A JP2021160717A JP2021160717A JP2023050553A JP 2023050553 A JP2023050553 A JP 2023050553A JP 2021160717 A JP2021160717 A JP 2021160717A JP 2021160717 A JP2021160717 A JP 2021160717A JP 2023050553 A JP2023050553 A JP 2023050553A
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優馬 吉岡
Yuma Yoshioka
成雄 福元
Shigeo Fukumoto
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Abstract

【課題】溶接部の品質に優れたステンレス鋼の溶接継手を提供することを課題とする。
【解決手段】18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材と、溶接金属部と、を備え、溶接金属部のN含有量[N]と母材のN含有量[N]との関係が[N]/[N]≧1.00を満足し、溶接金属部への異種金属の巻き込み数が、溶接金属部の溶接方向の長さ1000mmあたり1個以下である、溶接継手を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ステンレス鋼の溶接継手、ステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置に関する。
SUS329J3Lなどに代表される二相ステンレス鋼は、Cr、Ni、Mo、Nを主要元素としてフェライト相とオーステナイト相の二相組織からなり、優れた強度と耐食性を有する。このため、河川インフラ設備、化学プラント、食品製造プラント、貯水タンク、海水淡水化装置をはじめとした様々な分野に適用されている。
また、SUS312L、SUS836Lなどのオーステナイト系ステンレス鋼は、Cr、Ni、Mo、Nなどの含有量が高いため高耐食性を発揮できる。このため、オーステナイト系ステンレス鋼は、海洋構造物や化学プラント、食品タンクなどの塩化物イオン濃度が高い過酷な腐食環境下において使用されている。
ステンレス鋼の溶接構造物を建造する場合の溶接方法としては、TIG溶接、プラズマ溶接などの非消耗電極式溶接法が用いられる。非消耗電極式溶接法は、溶接効率では消耗電極式溶接には劣るものの、シールドガスに純Arガスを使用するため、溶接金属中の酸素量が極めて低く、靱性が優れており、また、介在物や気泡欠陥の少ない高品質な溶接金属を形成できため、品質要求の厳しい溶接構造物の建造に適している。
前述の二相ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼の多くは主要元素としてNが添加されているが、それらを純Arシールドガスを使用して非消耗電極式溶接を行うと、溶融時にNの蒸発が生じて溶接金属のN含有量が母材よりも低下してしまい、機械的特性や耐食性の低下を招く場合がある。これを防止するためには、窒素を混合したシールドガスを使用して非消耗電極式溶接する方法がある。
二相ステンレス鋼の溶接方法の一例として、下記特許文献1には、二相ステンレス鋼を非消耗電極式溶接法で溶接する際に、トーチシールドガス、バックシールドガス及びアフターシールドガスとして60~100%の窒素を含有するガスを用いる溶接方法が記載されている。
特開2021-74738号公報
しかし、窒素を主成分とするトーチシールドガスを用いて非消耗電極式ガスシールドアーク溶接を行うと、電極の溶融消耗が激しくなる問題がある。また、溶融消耗したタングステン電極が溶接金属に混入すると、異種金属の巻込みという溶接欠陥が生じてしまい、溶接継手の品質が低下する問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、溶接部の品質に優れたステンレス鋼の溶接継手を提供することを課題とする。また、本発明は、電極の溶融消耗を抑制し、溶接部の品質を低下させることのないステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
[1] 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材と、溶接金属部と、を備え、
前記溶接金属部のN含有量[N]と前記母材のN含有量[N]との関係が[N]/[N]≧1.00を満足し、
前記溶接金属部への異種金属の巻き込み数が、前記溶接金属部の溶接方向の長さ1000mmあたり1個以下である、ステンレス鋼の溶接継手。
[2] 前記異種金属がタングステンである、[1]に記載のステンレス鋼の溶接継手。
[3] 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼を母材とし、電極が保持されるとともにトーチシールドガスを噴出可能な溶接トーチを用い、溶加材を使用せずに前記母材を非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により溶接する方法であって、
前記トーチシールドガスを、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとし、
前記電極を、タングステン電極とし、
溶接中の前記溶接トーチの向きを、溶接の進行方向とは反対方向に向けながら溶接する後進溶接とし、
前記電極の後進角度を5°以上60°以下とする、ステンレス鋼の溶接方法。
[4] 前記電極の後進角度を5°以上30°以下とする、[3]に記載のステンレス鋼の溶接方法。
[5] 前記電極として、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極を用いる、[3]または[4]に記載のステンレス鋼の溶接方法。
[6] 溶接後の溶接部の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するアフターシールドガス雰囲気にする、[3]乃至[5]の何れか一項に記載のステンレス鋼の溶接方法。
[7] 溶接中及び溶接後の溶接部の裏面側の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するバックシールドガス雰囲気にする、[3]乃至[6]の何れか一項に記載のステンレス鋼の溶接方法。
[8] 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材に対し、溶加材を使用せずに前記母材を非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により溶接する自動溶接装置であって、
電極としてタングステン電極が保持されるとともにトーチシールドガスを噴出可能な溶接トーチと、
前記トーチシールドガスとして、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスを前記溶接トーチに供給するシールドガス供給部と、を備え、
前記溶接トーチの向きが、溶接の進行方向とは反対方向に向けられるとともに、前記電極の後進角度が5°以上60°以下の範囲に設定されている、自動溶接装置。
[9] 前記電極の後進角度が5°以上30°以下の範囲とされている、[8]に記載の自動溶接装置。
[10] 前記電極が、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極である、[8]または[9]に記載の自動溶接装置。
[11] 溶接後の溶接部の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するアフターシールドガス雰囲気にするための第1雰囲気調整部が更に備えられている、[8]乃至[10]の何れか一項に記載の自動溶接装置。
[12] 溶接中及び溶接後の溶接部の裏面側の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するバックシールドガス雰囲気にするための第2雰囲気調整部が更に備えられている、[8]乃至[11]の何れか一項に記載の自動溶接装置。
本発明によれば、溶接部の品質に優れたステンレス鋼の溶接継手を提供できる。
また、本発明によれば、電極の溶融消耗を抑制し、溶接部の品質を低下させることのないステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置を提供できる。
本発明の実施形態である自動溶接装置の一例を示す模式図。 本発明の実施形態である自動溶接装置の別の例を示す模式図。 本発明の実施形態であるステンレス鋼の溶接方法を説明する模式図。 本発明の実施形態であるステンレス鋼の溶接方法を説明する模式図。
本発明者らは、窒素を主成分とするトーチシールドガスを用いて非消耗電極式ガスシールドアーク溶接を行った場合に、電極の溶融消耗が激しくなる原因を追求した。非消耗電極式ガスシールドアーク溶接の一種であるTIG溶接において、シールドガスとして従来から使用されるアルゴンに比べて、窒素は、比熱が高いことが知られている。この比熱の違いにより、窒素を主成分とするガスを用いた非消耗電極式ガスシールドアーク溶接では、従来のアルゴンを使用した場合に比べて、アークが緊縮してエネルギー密度が増大する。また、アーク周辺に発生するプラズマ気流の流速も増加する。このため、溶融池からスパッタが飛びやすく、金属蒸気も多く発生する傾向にあることが判明した。ここで、従来の非消耗電極式ガスシールドアーク溶接では、溶接トーチを垂直に立てたまま溶接を行っており、溶融池の直上に電極が位置する関係にある。このため、シールドガスとして窒素を主成分とするガスを用いた非消耗電極式ガスシールドアーク溶接では、溶接時に、電極表面に、スパッタや金属蒸気に由来する金属が付着し、電極の電子放出効率が低下し、その結果、電極温度が上昇し、電極が溶融消耗に至ることが判明した。
そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、溶接トーチの向きを、溶接の進行方向とは反対方向に向けながら溶接する後進溶接とし、電極の後進角度を5°以上60°以下にすることで、電極表面に対する、スパッタ及び金属蒸気に由来する金属の付着が避けられ、電極の溶融消耗が低減し、溶接金属への異種金属巻き込みが低減して溶接品質が向上することが明らかになった。
以下、本発明の実施形態であるステンレス鋼の溶接継手、ステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置について説明する。
図1に、本実施形態の自動溶接装置1を示す。図1に示す自動溶接装置1は、溶接トーチ2と、溶接トーチ2にトーチシールドガスを供給するシールドガス供給部3と、図示略の電源と、図示略の制御部とが備えられている。
また、図1に示す自動溶接装置1は、ステンレス鋼からなる母材11を、溶接方向の反対方向(図1の矢印Aの方向)に向けて搬送する送手段4が備えられている。搬送手段4としては、図1に示すような搬送ローラであってもよく、母材11を載置して移動可能な搬送ステージであってもよい。また、母材11の搬送手段4に代えて、溶接方向(図1の矢印Bの方向)に向けて溶接トーチ2を移動させる駆動手段が備えられていてもよい。搬送手段4または駆動手段は、制御部によってその動作が制御される。
溶接トーチ2には、電極5と、トーチシールドガスを噴出可能なガスノズル6とが備えられている。溶接トーチ2には、一端2aが開口した中空筒状のトーチ筐体21が備えられており、トーチ筐体21の中空部22に電極5が保持されている。また、トーチ筐体21の中空部22がガスノズル6とされている。シールドガス供給部3からのトーチシールドガスの供給により、溶接トーチ2の先端からトーチシールドガスを噴出できるようになっている。
電極5には、図示略の電源が接続されている。電源は制御部に接続されており、制御部によって電源の動作が制御される。電源からの供給電力により、電極5はその先端からアークを発生させる。
電極5は、タングステン電極とされている。タングステン電極としては、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極であればよく、好ましくは酸化物入りタングステン電極が電子放出能に優れる点でよい。酸化物としてはランタナ(ランタン酸化物)、セリア(セリウム酸化物)またはトリア(トリウム酸化物)等を例示できる。これら酸化物の含有量は、0.1~5質量%の範囲とされる。
自動溶接装置1において、溶接トーチ2の先端の向きは、溶接の進行方向(図1の矢印Bの方向)とは反対方向に向けられている。また、電極5の後進角度は5°以上60°以下の範囲に設定されている。溶接トーチ2の姿勢及び電極5の後進角度については後述する。
シールドガス供給部3は、溶接トーチ2にトーチシールドガスを供給する。トーチシールドガスとしては、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスが好ましく、65体積%以上100体積%未満の窒素を含有するとともに残部がアルゴンである混合ガスがより好ましく、95体積%以上100未満%以下の窒素を含有するとともに残部がアルゴンである混合ガスが更に好ましく、窒素含有率100体積%の窒素ガスがより好ましい。シールドガス供給部3は、制御部に接続されており、その動作が制御部によって制御される。
制御部は、シールドガス供給部3、電源、搬送手段4又は駆動手段を制御することにより、非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により、母材11に対して自動溶接を行なう。
また、本実施形態の自動溶接装置1には、図2に示すように、第1雰囲気調整部41及び第2雰囲気調整部51が備えられていてもよい。なお、図2では、第1雰囲気調整部41及び第2雰囲気調整部51の両方が図示されているが、第1雰囲気調整部41または第2雰囲気調整部51の何れか一方が備えられていてもよい。第1雰囲気調整部41及び第2雰囲気調整部51は、図示略の制御部に接続されており、その動作が制御部によって制御される。
第1雰囲気調整部41は、第1ガスボックス42と、第1ガスボックス42にアフターシールドガスを供給する第1供給部43とから構成される。第1ガスボックス42は、溶接後の溶接部を母材11の表面11a側から覆う位置に配置されている。なお、母材11の表面11aとは、溶接トーチ2に対向する面をいう。第1ガスボックス42は、中空の箱状体からなり、母材11側が開口されている。第1ガスボックス42の内部にアフターシールドガスが供給されることで、溶接後の溶接部の表面11a側の雰囲気を、アフターシールドガス雰囲気にすることが可能になる。アフターシールドガスは、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとされる。これにより、溶接直後の溶接部がアフターシールドガス雰囲気とされ、溶接部への外気の接触が避けられ、溶接部の酸化が低減される。
第2雰囲気調整部51は、第2ガスボックス52と、第2ガスボックス52にバックシールドガスを供給する第2供給部53とから構成される。第2ガスボックス53は、溶接中及び溶接後の溶接部を母材11の裏面11b側から覆う位置に配置されている。母材11の裏面11bは、表面11aの反対面である。第2ガスボックス52は、中空の箱状体からなり、母材11側が開口されている。第2ガスボックス52の内部にバックシールドガスが供給されることで、溶接中及び溶接後の溶接部の裏面11b側の雰囲気を、バックシールドガス雰囲気にすることが可能になる。バックシールドガスは、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとされる。なお、第2ガスボックス52に代えて、溶接中及び溶接後の溶接部の裏面11b側に向けてバックシールドガスを吹き付けるガスノズルを用いてもよい。
アフターシールドガス及びバックシールドガスは、65体積%以上100体積%未満の窒素を含有するとともに残部がアルゴンである混合ガスであってもよく、95体積%以上100体積%未満の窒素を含有するとともに残部がアルゴンである混合ガスであってもよく、窒素含有率100体積%の窒素ガスであってもよい。
本実施形態の自動溶接装置1は、必要な溶接パラメータが機械的又は電気的に制御されて行う自動溶接が可能である。また、本実施形態の自動溶接装置1は、溶接作業が溶接オペレータによって干渉されずに行う完全自動溶接も可能である。更に、本実施形態の自動溶接装置1は、図1または図2に示した形態に限られるものではなく、ロボット装置によって溶接トーチ2を制御しつつ溶接を行うものであってもよい。
次に、本実施形態のステンレス鋼の溶接方法について図1~図4を参照して説明する。本実施形態の溶接方法は、例えば、図1または図2に示した自動溶接装置1により実施することが可能である。
本実施形態のステンレス鋼の溶接方法は、18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼を母材11とし、電極5が保持されるとともにトーチシールドガスを噴出可能な溶接トーチ2を用い、溶加材を使用せずに母材11を非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により溶接する方法である。非消耗電極式ガスシールドアーク溶接方法として具体的には、TIG溶接方法を適用することができる。
母材11は、18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼とする。ステンレス鋼の中でも特に、金属組織中にオーステナイト相を含むステンレス鋼が好ましく、より具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼またはフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼が好ましい。
本実施形態では、母材11の形状は、板材、管材、棒材、線材などであってもよく、特に限定されるものではない。ただし、本実施形態の溶接方法は、溶加材を使用せずに溶接するので、板材の板厚、管材の肉厚、棒材及び線材の径はそれぞれ小さいことが好ましい。例えば板材の場合は板厚が6mm以下の鋼板がよい。また、管材の場合は肉厚が3mm以下の鋼管がよい。棒材または線材の場合、直径が6mm以下のものがよい。
また、本実施形態の溶接方法は、例えば、突合せ溶接またはすみ肉溶接を対象としてもよい。また、突き合せ溶接の場合、鋼板同士を突合せ溶接や、鋼管の端部同士の突合せ溶接を例示できる。
また、本実施形態の溶接方法において、開先形状は特に限定する必要はない。
本実施形態の溶接方法では、電極5をタングステン電極とする。タングステン電極は、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極であればよい。電極として電子放出効率に優れたタングステン電極を用いることで、アークを安定して発生させることができる。
本実施形態の溶接方法では、トーチシールドガスを、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとする。好ましくは、トーチシールドガスを、65体積%以上100体積%未満の窒素と残部アルゴンからなる混合ガスとし、更に好ましくは、95体積%以上100体積%未満の窒素と残部アルゴンとからなる混合ガスとし、更に好ましくは、窒素含有率100体積%の窒素ガスとする。これらのガスには不純物が含まれてもよい。より好ましいガスは、純窒素ガス(純度99.995%以上(JIS K 1107:2005))が、入手が容易な点で好ましい。
本実施形態の溶接方法では、図3及び図4に示すように、溶接中の溶接トーチ2の先端の向きを、溶接の進行方向Cとは反対方向に向けながら溶接する後進溶接とし、電極5の後進角度θを5°以上60°以下とし、より好ましくは5°以上30°以下とする。図4に示すように、電極5から放出されたアークAにより溶融池Pが形成されるが、溶接トーチ2による溶接施工を後進溶接とすることで、溶接が進行するにつれて、電極5が溶融池Pから離れることになる。また、電極5を溶接の進行方向側に5°以上傾けることで、溶融池Pの斜め上方に電極5が位置するようになる。これにより、溶融池Pから発生するスパッタSや金属蒸気Vが、電極5の表面に付着する畏れが少なくなる。
電極5の後進角度θが5°未満では、後進溶接を行ったとしても電極5の表面へのスパッタSや金属蒸気Vの付着が避けられない。また、電極5の後進角度θを60°超にすると、電極5から母材11の表面11aまでのアークAの到達距離が長くなり、母材11に十分な熱が伝わらず、溶接が困難になる。よって、電極5の後進角度θは5~60°の範囲がよい。好ましくは5~30°の範囲がよい。
また、本実施形態では、溶接金属中の窒素量の減少をより抑制するために、溶接後の溶接部の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するアフターシールドガス雰囲気にすることが好ましい。更に、溶接中及び溶接後の溶接部の裏面側の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するバックシールドガス雰囲気にしてもよい。バックシールドガス雰囲気またはアフターシールドガス雰囲気とする範囲は、温度が1000℃以上となる溶接金属を含む領域とすることが好ましい。これにより、溶接金属からの窒素の放出と、雰囲気からの窒素の吸収とが平衡状態になり、溶接金属における窒素量の低減が抑制されるようになる。
上述のように、本実施形態の溶接方法では、トーチシールドガスを、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとすることで、アーク中でNが解離して形成された単原子窒素(N)が溶融金属へ吸収されるようになり、溶接金属のN量が高められる。加えて、雰囲気中のN分圧が高まるため、凝固後の冷却過程において溶接金属最表面からの固相内拡散によるNの放出が抑制される。N分圧が増加するほど溶接金属最表面からのN放出が抑制される。これにより、溶接に伴う溶接金属からの窒素の放出を抑制して、溶接金属の耐食性の低下を抑制できるようになる。なお、TIG溶接に使用されることがある2~5体積%のNと残部がArの混合ガスでは、N濃度が低いため溶接金属のN含有量を十分に高めることができない。
一方、窒素を65体積%以上含むガスをトーチシールドガスに用いた非消耗電極式ガスシールドアーク溶接では、アークが緊縮してエネルギー密度が増大する。また、アーク周辺に発生するプラズマ気流の流速も増加する。このため、溶融池からスパッタが飛びやすく、金属蒸気も多く発生する傾向にある。電極5の表面に、スパッタや金属蒸気に由来する金属が付着すると、電極5の電子放出効率が低下して、電極温度が上昇し、電極5が溶融消耗に至るおそれがある。そこで、本実施形態では、電極5の後進角度θを5°以上60°以下にしつつ、後進溶接を行う。これにより、溶融池Pから発生するスパッタSや金属蒸気Vが、電極5の表面に付着する畏れが少なくなり、電極の電子放射効率が低下することなく、電極の温度上昇が抑制されて、電極の溶融消耗が抑制されるようになる。
また、溶接中または溶接後の溶接金属の雰囲気を、バックシールドガス雰囲気またはアフターシールドガス雰囲気とすることで、溶接直後の高温状態にある溶接金属からの窒素の放出が抑制され、オーステナイト安定化元素である窒素が減少しにくくなり、溶接金属の機械的性質や耐食性の低下を抑制できる。
次に、本実施形態の溶接方法によって製造されるステンレス鋼の溶接継手について説明する。
本実施形態の溶接継手は、18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材と、溶接金属部と、が備えられ、溶接金属部のN含有量[N]と母材のN含有量[N]との関係が[N]/[N]≧1.00を満足し、溶接金属部への直径0.5mm以上の異種金属の巻き込み数が、前記溶接金属部の溶接方向の長さ1000mmあたり1個以下とされている。異種金属はタングステンとされている。
本実施形態の溶接方法では、トーチシールドガスに65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスを使用する。このため、アルゴンをトーチシールドガスとして使用した非消耗電極式溶接において生じる溶融金属からのNの蒸発が防止され、むしろトーチシールドガスから溶融金属にNが供給される。これにより溶接金属のN含有量[N]と母材のN含有量[N]との関係が[N]/[N]≧1.00を満足するようになり、鋼種によってN含有量の低下による溶接金属の特性低下(例えば、強度低下または耐食性低下)が懸念される場合であっても、これらの特性低下が未然に防止される。また、本実施形態の溶接方法では、上述したように、電極5の溶融消耗が抑制される。このため、本実施形態の溶接継手は、溶融した電極5の一部が溶接金属に混入することがない。以上の理由により、本実施形態の溶接継手は、溶接金属の品質を著しく向上できるようになる。
なお、本実施形態の溶接継手は、突き合わせ溶接によって形成された溶接継手であってもよく、重ね溶接、隅肉溶接などにより溶接された継手であってもよい。また、突き合わせ溶接によって形成された溶接継手としては、例えば、鋼板同士を突き合わせ溶接した溶接継手、鋼管の端部同士を突き合わせ溶接した溶接継手などを例示できる。
また、本実施形態の溶接方法及び溶接継手における母材11は、上述したように、18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼とし、金属組織中にオーステナイト相を含むステンレス鋼が好ましく、より具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼またはフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼が好ましい。
オーステナイト系ステンレス鋼及びフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼の化学成分のうち、Cr以外の化学成分については、特に限定されるものではない。
ステンレス鋼において、Crは、ステンレス鋼の不働態皮膜耐食性を高める効果がある。また、非消耗電極式ガスシールドアーク溶接方法におけるトーチシールドガスの組成をN:60~100体積%とした場合、溶接金属中のN含有量が著しく増大し、これに起因した気孔欠陥(ブローホール、ポロシティ)が発生しやすい。Crは、フェライト相中のN固溶量を高めてNの凝固ミクロ偏析を抑制し、気孔欠陥を抑制する効果がある。これらの効果は、Cr含有量が18%未満では十分に得られないため、Crの含有量は18質量%以上とする。より好ましくは20質量%以上である。Cr含有量の上限は特に規定するものではないが、コストの観点から28質量%以下とすることが好ましい。
上記の通り、Cr以外の合金元素については特に限定しないが、本実施形態を適用できる二相ステンレス鋼としては、例えば、質量%で、C:0.001~0.030%、Si:1.5%以下、Mn:0.1~6.0%、P:0.04%以下、S:0.0100%以下、Ni:0.1~8.0%、Cr:18~28%、Mo:0.1~5.0%、Cu:0.1~2.0%、N:0.1~0.4%、残部がFeおよび不純物といった化学組成が挙げられる。この化学組成はあくまでも例示であり、本実施形態はこれによって限定されるものではない。
また、本実施形態を適用できるオーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、質量%で、Cr:18~30%、Ni:6~30%、Mo:0.01~8%、N:0.001~0.4%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、更に必要に応じて、C:0.001~0.10%、Si:0.1~4.0%、Mn:0.1~8.0%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cu:0.01~4.00%を含んでいてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、溶接部の品質に優れたステンレス鋼の溶接継手を提供できる。
また、本実施形態によれば、電極の溶融消耗を抑制し、溶接部の品質を低下させることのないステンレス鋼の溶接方法及び自動溶接装置を提供できる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
表1に示す化学成分を有するステンレス鋼を実験室にて溶製し、熱間鍛造、熱間圧延、冷間圧延、固溶化熱処理を経て、板厚2mm、幅50mm、長さ600mmの溶接用鋼板(母材)を作製した。
溶接用鋼板の幅中央にて、表2に示す条件により、溶接材料(溶加材)を使用せずにタングステン電極を用いたTIG溶接法により、合計溶接長さが1000mmとなるようにビードオンプレート溶接を行った。溶接は後進溶接とし、電極の後進角度,溶接電流及び溶接速度は表2の通りとした。タングステン電極は2%のランタナを含有するタングステン電極とした。なお、バックシールドガス及びアフターシールドガスの吹き付け範囲は、少なくとも温度が1000℃以上となる溶接金属を含む領域とした。
母材および溶接金属のそれぞれのN含有量は、JIS G 1228:1997の附属書4(規定)不活性ガス融解-熱伝導度法(1)に準拠して測定し、溶接金属部のN含有量[N]と母材のN含有量[N]の比[N]/[N]を求めた。
[電極の溶融消耗]
表2に示す条件により合計溶接長さが1000mmとなるようにTIG溶接を行った後、電極先端を顕微鏡にて50倍で観察した。電極先端にて溶融変形が生じていなかった場合、電極消耗が生じないと判断して、「〇」とした。溶融変形が生じていた場合は「×」とした。
[異種金属の巻き込み]
溶接金属への異種金属の巻き込み有無をX線透過試験により分析した。長さ1000mmの溶接金属に対して試験を行い、直径0.5mm以上の異種金属の巻き込みが1個以下である場合、巻き込みはほとんど生じないと判断して、「〇」とした。直径0.5mm以上の異種金属の巻き込みが1個を超える場合は、「×」とした。
結果を表2に示す。
表2に示すように、発明例1~16はいずれも、トーチシールドガスが65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスであり、電極の後進角度が5°以上60°以下の範囲であったため、電極の消耗溶融が防止されるようになり、溶接金属部への異種金属の巻き込みが抑制された。また、発明例1~16は、トーチシールドガスに65体積%以上の窒素を含むガスを使用することで、溶接金属部のN含有量[N]が母材のN含有量[N]の1.00倍以上([N]/[N]≧1.00)となり、溶接金属の特性低下は確認されなかった。
一方、比較例17~20は、トーチシールドガスが100体積%の窒素ガスであり、電極の後進角度が0°であったため、タングステン電極の消耗溶融による異種金属の巻き込みが起こり、溶接欠陥が増大した。
Figure 2023050553000001
Figure 2023050553000002
1…自動溶接装置、2…溶接トーチ、3…シールドガス供給部、4…搬送手段、5…電極、6…ガスノズル、11…母材、41…第1雰囲気調整部、51…第2雰囲気調整部。

Claims (12)

  1. 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材と、溶接金属部と、を備え、
    前記溶接金属部のN含有量[N]と前記母材のN含有量[N]との関係が[N]/[N]≧1.00を満足し、
    前記溶接金属部への異種金属の巻き込み数が、前記溶接金属部の溶接方向の長さ1000mmあたり1個以下である、ステンレス鋼の溶接継手。
  2. 前記異種金属がタングステンである、請求項1に記載のステンレス鋼の溶接継手。
  3. 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼を母材とし、電極が保持されるとともにトーチシールドガスを噴出可能な溶接トーチを用い、溶加材を使用せずに前記母材を非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により溶接する方法であって、
    前記トーチシールドガスを、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスとし、
    前記電極を、タングステン電極とし、
    溶接中の前記溶接トーチの向きを、溶接の進行方向とは反対方向に向けながら溶接する後進溶接とし、
    前記電極の後進角度を5°以上60°以下とする、ステンレス鋼の溶接方法。
  4. 前記電極の後進角度を5°以上30°以下とする、請求項3に記載のステンレス鋼の溶接方法。
  5. 前記電極として、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極を用いる、請求項3または請求項4に記載のステンレス鋼の溶接方法。
  6. 溶接後の溶接部の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するアフターシールドガス雰囲気にする、請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載のステンレス鋼の溶接方法。
  7. 溶接中及び溶接後の溶接部の裏面側の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するバックシールドガス雰囲気にする、請求項3乃至請求項6の何れか一項に記載のステンレス鋼の溶接方法。
  8. 18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼からなる母材に対し、溶加材を使用せずに前記母材を非消耗電極式ガスシールドアーク溶接法により溶接する自動溶接装置であって、
    電極としてタングステン電極が保持されるとともにトーチシールドガスを噴出可能な溶接トーチと、
    前記トーチシールドガスとして、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するガスを前記溶接トーチに供給するシールドガス供給部と、を備え、
    前記溶接トーチの向きが、溶接の進行方向とは反対方向に向けられるとともに、前記電極の後進角度が5°以上60°以下の範囲に設定されている、自動溶接装置。
  9. 前記電極の後進角度が5°以上30°以下の範囲とされている、請求項8に記載の自動溶接装置。
  10. 前記電極が、純タングステン電極または酸化物入りタングステン電極である、請求項8または請求項9に記載の自動溶接装置。
  11. 溶接後の溶接部の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するアフターシールドガス雰囲気にするための第1雰囲気調整部が更に備えられている、請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載の自動溶接装置。
  12. 溶接中及び溶接後の溶接部の裏面側の雰囲気を、65体積%以上100体積%以下の窒素を含有するバックシールドガス雰囲気にするための第2雰囲気調整部が更に備えられている、請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の自動溶接装置。
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