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JP2023049238A - 感光性フレキソ印刷版原版、それを用いたフレキソ印刷版および印刷物の製造方法 - Google Patents

感光性フレキソ印刷版原版、それを用いたフレキソ印刷版および印刷物の製造方法 Download PDF

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JP2023049238A JP2021158872A JP2021158872A JP2023049238A JP 2023049238 A JP2023049238 A JP 2023049238A JP 2021158872 A JP2021158872 A JP 2021158872A JP 2021158872 A JP2021158872 A JP 2021158872A JP 2023049238 A JP2023049238 A JP 2023049238A
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浩一 藤丸
Koichi Fujimaru
奨 杉浦
Sho Sugiura
成彦 市川
Shigehiko Ichikawa
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】印刷耐久性に優れたフレキソ印刷版を得ることのできる、水現像可能で、断裁時の剥離を抑制した感光性フレキソ印刷版原版を提供すること。【解決手段】支持体、接着層および感光性樹脂層をこの順に有する感光性フレキソ印刷版原版であって、接着層の水への溶解率が5%以上50%以下であり、感光性樹脂層が水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有する感光性フレキソ印刷版原版。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性フレキソ印刷版原版、それを用いたフレキソ印刷版および印刷物の製造方法に関する。
フレキソ印刷は、その柔軟性を活かして、紙器、ラベル、軟包装用途やエレクトロニクス用途などに広く使用されている。フレキソ印刷に用いられるフレキソ印刷版のレリーフを形成する方法として、フレキソ印刷版原版の感光性樹脂層に、画像マスクや原画フィルムを介して紫外線を照射して画像部を選択的に光硬化させ、未硬化部分を現像液により除去する方法が、一般的に用いられている。
フレキソ印刷版原版に関しては、例えば、支持体、下地層及び感光性樹脂層を積層してなるフレキソ印刷用感光性構成体であって、該下地層は隔壁を有する独立気泡を含み、該独立気泡成分が該下地層の全重量に基づいて20~90重量%であるフレキソ印刷用感光性構成体(例えば、特許文献1)が提案されている。
近年、環境への配慮から、水により現像可能なフレキソ印刷版原版の開発が進んでおり、例えば、少なくとも(a)ポリアミド及び/又はポリアミドブロック共重合体、(b)1つ以上の不飽和基を有する架橋剤、(c)光重合開始剤、及び(d)脂肪酸を含む、水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂組成物から構成される感光性樹脂層、支持体、及びそれらを接着するための接着層を含むことを特徴とするフレキソ印刷用感光性樹脂原版(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
国際公開第2005/85953号 国際公開第2016/43006号
しかしながら、これらの感光性フレキソ印刷版原版は、支持体や接着層に比べて非常に柔軟であるため、必要な形状に断裁する際に外周部の感光性樹脂層が下層から剥離しやすい課題があった。特に、特許文献2に記載される水現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂原版は、感光性樹脂層と接着層との密着性が不十分であり、断裁時の感光性樹脂層の剥離がより生じやすい課題があった。また、フレキソ印刷は、印刷機の版胴に両面テープなどを用いて印刷版を固定し、高い印圧をかけて印刷することが一般的である。フレキソ印刷版を版胴から取り外して保管した後、何度も再使用して印刷を行うことも一般的である。このため、繰り返し印刷版に与えられる応力負荷により、レリーフが下層から剥離しやすい課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、印刷耐久性に優れたフレキソ印刷版を得ることのできる、水現像可能で、断裁時の感光性樹脂層の剥離を抑制した感光性フレキソ印刷版原版を提供することを目的とする。
本発明は、支持体、接着層および感光性樹脂層をこの順に有する感光性フレキソ印刷版原版であって、接着層の水への溶解率が5%以上50%以下であり、感光性樹脂層が水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有する感光性フレキソ印刷版原版である。
本発明の感光性フレキソ印刷版原版は、水現像可能であり、断裁時の感光性樹脂層の剥離を抑制することができる。本発明の感光性フレキソ印刷版原版により、印刷耐久性に優れたフレキソ印刷版を得ることができる。
本発明に係る感光性フレキソ印刷版原版(以下、「印刷版原版」と記載する場合がある)は、フレキソ印刷に用いられるフレキソ印刷版の前駆体であり、支持体、接着層および感光性樹脂層をこの順に有する。支持体は、感光性樹脂層を保持する作用を有する。感光性樹脂層は、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、硬化する層である。感光性樹脂層を有することにより、例えば紫外線を画像様に照射することにより、所望のレリーフを形成することができる。接着層は、感光性樹脂層と下層とを接着する作用を有し、例えば、支持体/接着層/感光性樹脂層からなる積層構造の場合、感光性樹脂層と支持体とを接着する。支持体と接着層の間に、さらにプライマ層を有してもよく、支持体と接着層との間の密着性をより向上させることができる。また、接着層とプライマ層の間に、さらにフロア層を有してもよく、裏露光などの追加の製版工程を要することなく、印刷版原版の柔軟性を向上させることができる。 支持体は、可撓性を有し、寸法安定性に優れる材料から形成されることが好ましい。具体的には、ポリエステルなどのプラスチックシートや、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
支持体の厚さは、取扱性および柔軟性の観点から、100~350μmの範囲が好ましい。
本発明において、接着層は、水への溶解率が5%以上50%以下である。本発明の印刷版原版は、感光性樹脂層が水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有する、水現像可能な特性を有するものであり、接着層がこのような水への溶解性を有することにより、上層の感光性樹脂層との界面において、感光性樹脂層と接着層との混合または相溶が生じると考えられ、感光性樹脂層と接着層の密着性が向上する。これにより、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離を抑制することができる。さらに、フレキソ印刷版の再利用時のレリーフの剥離を抑制し、印刷耐久性を向上させることができる。接着層の水への溶解率が5%未満であると、感光性樹脂層との密着性が弱く、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離が生じやすい。また、フレキソ印刷版の印刷耐久性が不十分となる。接着層の水への溶解率は、10%以上が好ましい。一方、接着層の水への溶解率が50%を超えると、感光性樹脂層のエチレン性二重結合を有する化合物などの低分子量成分が移行しやすく、接着層と下層との界面に高濃度に存在しやすく、密着性が低下する。このため、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離が生じやすい。また、フレキソ印刷版の印刷耐久性が不十分となる。接着層の水への溶解率は、40%以下が好ましい。
ここで、本発明における接着層の水への溶解率は、25℃の水に1時間浸漬したときの厚みの減少量から求めることができる。具体的には、まず、支持体上に形成された接着層について、初期厚みを測定する。ここで、接着層の厚みは、無作為に選択した5cm×5cmの範囲から、縦横1cm間隔で格子状に25箇所測定し、その平均値とする。続いて、支持体上に形成された接着層を、温度25℃の水30リットルを満たした恒温水槽に1時間浸漬した後、60℃で1時間乾燥し、初期厚みと同様に、接着層の厚みを測定する。
接着層の水溶解率(%)=((初期厚み-浸漬・乾燥後の厚み)/初期厚み)×100
の計算式により、接着層の水溶解率を算出することができる。ただし、支持体上の接着層の厚みが1μm未満の場合や、100μmを超える場合には、水溶解率の測定に誤差が生じる場合があるため、同組成で厚み1μm以上100μm以下の接着層を形成して測定する。
なお、接着層の水への溶解率は、例えば、水膨潤性または水溶解性の材料を用いることにより大きくすることができ、水不溶性材料を用いることにより小さくすることができる。また、光重合性ポリマーや光重合性モノマーなどを用いて、架橋度を低くすることにより大きくすることができ、架橋度を高くすることにより小さくすることができる。また、接着層の架橋度は、接着層形成時の積算光量によっても調整することができ、積算光量を少なくすることにより、溶解率を高くすることがき、積算光量を多くすることにより、溶解率を低くすることができる。接着層の水への溶解率を前記範囲にする方法としては、例えば、後述する好ましい組成および製造方法により接着層を形成する方法が挙げられる。
本発明における接着層は、水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有する。さらに、エチレン性二重結合を有する化合物および光重合開始剤を含有することが好ましい。
ここで、水膨潤性または水溶性ポリマーとは、親水性基を有するポリマーを指し、親水性基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボシキル基、リン酸基、エチレングリコール骨格が好ましい。これらを2種以上有してもよい。水膨潤性または水溶解性ポリマーとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、水溶性ポリエステル等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、水溶性や加工性の観点から、部分ケン化ポリビニルアルコールやポリアミドがより好ましい。感光性樹脂層との密着性をより向上させ、感光性フレキソ印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離をより抑制し、フレキソ印刷版の再利用時の印刷耐久性をより向上させる観点から、感光性樹脂層に含有するポリマーと同じ骨格を有するポリマーを含有することが好ましい。
水膨潤性または水溶性ポリマーのGPC測定によって求められる重量平均分子量は、10,000以上が好ましい。
水膨潤性または水溶性ポリマーは、溶解率を前記範囲に容易に調整する観点および上層の感光性樹脂層との密着性をより向上させる観点から、側鎖にエチレン性二重結合を有することが好ましい。エチレン性二重結合を有する基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。これらを2種以上有してもよい。
前述のポリマーにエチレン性二重結合を導入する方法としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコールの場合、(1)部分ケン化ポリビニルアルコールと酸無水物とを反応させ、部分ケン化ポリビニルアルコールの水酸基を起点としてカルボキシル基などの反応性基をポリマー側鎖に導入し、その反応性基に不飽和エポキシ化合物を反応させる方法、(2)酢酸ビニルと、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸塩および/または不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を部分ケン化し、このポリマーのもつカルボキシル基と不飽和エポキシ化合物を反応させる方法などが挙げられる。また、ポリアミドの場合、ポリアミド骨格中にピペラジン環などの3級窒素原子を含む構造を導入し、グリシジルメタクリレートおよび/またはグリシジルアクリレートを用いた窒素の4級化によってエチレン性二重結合を付加させる方法などが挙げられる。
接着層中における水膨潤性または水溶性ポリマーの含有量は、固形分中、30重量%以上が好ましく、水溶解率を適度に高め、感光性樹脂層との密着性をより向上させることができる。これにより、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離
をより抑制し、フレキソ印刷版の印刷耐久性をより向上させることができる。一方、接着層中における水膨潤性または水溶性ポリマーの含有量は、固形分中、80重量%以下が好ましく、水溶解率を適度に抑え、感光性樹脂層との密着性をより向上させることができる。これにより、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離をより抑制し、フレキソ印刷版の印刷耐久性をより向上させることができる。なお、水膨潤性または水溶性ポリマーの含有量は、水膨潤性または水溶性ポリマーを2種以上含有する場合には、その合計含有量を指す。
エチレン性二重結合を有する化合物とは、エチレン性二重結合を有する、分子量が10,000未満であるものを指す。エチレン性二重結合を有する化合物の分子量は、2,000以下が好ましい。エチレン性二重結合を有する化合物としては、例えば、国際公開第2017/038970号に記載される(メタ)アクリレートや、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。これらの中でも、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボシキル基、リン酸基、エチレングリコール骨格を有するものが好ましい。水酸基、アミノ基、アミド基、カルボシキル基、リン酸基、エチレングリコール骨格を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸とグリシジル(メタ)アクリレートの反応物、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸と(メタ)アクリル酸の反応物、2-ヒドロキシエチルアクリレートと(メタ)アクリル酸の反応物、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸との反応物、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸とリン酸のエステル化物などが挙げられる。
接着層中におけるエチレン性二重結合を有する化合物の含有量は、固形分中、10重量%以上が好ましく、水溶解率を適度に抑え、感光性樹脂層との密着性をより向上させることができる。これにより、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離をより抑制し、フレキソ印刷版の印刷耐久性をより向上させることができる。一方、接着層中におけるエチレン性二重結合を有する化合物の含有量は、固形分中、60重量%以下が好ましく、水溶解率を適度に高め、感光性樹脂層との密着性をより向上させることができる。これにより、印刷版原版の断裁時の感光性樹脂層の剥離をより抑制し、フレキソ印刷版の印刷耐久性をより向上させることができる。なお、水膨潤性または水溶性ポリマーの含有量は、エチレン性二重結合を有する化合物を2種以上含有する場合には、その合計含有量を指す。
光重合開始剤としては、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
接着層中における光重合開始剤の含有量は、固形分中、1重量%以上10重量%以下が好ましく、光硬化を効率良く進めることができる。
接着層には、本発明の目的を阻害しない範囲で、さらに添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、染料、紫外線吸収剤、水不溶性ポリマー、界面活性剤などが挙げられる。
本発明における接着層の厚みは、1μm以上が好ましく、フレキソ印刷版の再利用時の印刷耐久性をより向上させることができる。接着層の厚みは、10μm以上がより好ましい。一方、接着層の厚みは、70μm以下が好ましく、フレキソ印刷版の再利用時の印刷耐久性をより向上させることができる。接着層の厚みは、50μm以下がより好ましい。ここで、接着層の厚みは、無作為に選択した5cm×5cmの範囲から、縦横1cm間隔で格子状に25箇所測定し、その平均値とする。
感光性樹脂層は、水膨潤性または水溶解性ポリマー、光重合開始剤およびエチレン性二重結合を有する化合物を含有することが好ましい。水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有することにより、水現像可能となる。水膨潤性または水溶解性ポリマーとしては、接着層が含有する水膨潤性または水溶解性ポリマーとして例示したものが挙げられる。ケン化度60モル%以上90モル%以下の部分ケン化ポリビニルアルコールや、主鎖および/または側鎖にピペラジンを有するポリアミド、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルセグメント(ポリ(アルキレンオキシ)基)を有するポリアミドなどが好ましい。
光重合開始剤およびエチレン性二重結合を有する化合物としては、接着層の原料として例示したものが挙げられる。感光性樹脂層中における、光重合開始剤の含有量は、固形分中、0.5~10質量%が好ましく、エチレン性二重結合を有する化合物の含有量は、固形分中、1~30質量%が好ましい。
感光性樹脂層には、さらに、必要に応じて、撥インキ剤、相溶助剤、重合禁止剤、染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料などを含有してもよい。
撥インキ剤を含有することにより、UVインキがレリーフの凹部に付着することを抑制することができる。撥インキ剤としては、フッ素含有化合物が好ましく、4級アンモニウム基を含む“フタージェント”(登録商標)300、“フタージェント”310、“フタージェント”320((株)ネオス製)などのカチオン性界面活性剤や、スルホン酸塩を含む“フタージェント”100、110、150(いずれも商品名、(株)ネオス製)などのアニオン性界面活性剤などが挙げられる。
感光性樹脂層の厚みは、0.3mm以上が好ましく、十分なレリーフ深度を有し、印刷適性を向上させることができる。感光性樹脂層の厚みは、0.5mm以上がより好ましい。一方、感光性樹脂層の厚みは、5mm以下が好ましく、露光時の活性光線を底部まで十分に到達させて画像再現性を向上させることができる。感光性樹脂層の厚みは、3mm以下がより好ましい。
プライマ層は、ポリエステル樹脂およびイソシアネート基を有する化合物を含有することが好ましい。これらを含有することにより、支持体とプライマ層、およびプライマ層と接着層の密着性をより向上させることができる。さらに、前述のエチレン性二重結合を有する化合物および光重合開始剤を含有することが好ましい。
プライマ層には、本発明の目的を阻害しない範囲で、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、染料、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、界面活性剤などが挙げられる。
本発明におけるプライマ層の厚みは、1μm以上が好ましく、プライマ層と支持体や接着層との密着性をより向上させることができる。プライマ層の厚みは、5μm以上がより好ましい。一方、プライマ層の厚みは、50μm以下が好ましく、プライマ層中の溶媒の残存を抑制することができる。プライマ層の厚みは、30μm以下がより好ましい。
フロア層は、イソシアネート基と反応する官能基を有するエラストマーを含有することが好ましい。イソシアネート基と反応する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基が好ましい。フロア層がかかる官能基を有することにより、プライマ層中のイソシアネートとの共有結合によって、フロア層とプライマ層との密着性をより向上させることができる。エラストマーとは、常温(25℃)においてゴム弾性を示す樹脂であり、例えば、熱可塑性ブロック共重合体、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル-ブタジエン、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、成形性の観点から、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。
フロア層は、本発明の目的を阻害しない範囲で、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、染料、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤などが挙げられる。
フロア層の弾性率は、1MPa以上が好ましく、印刷時の印圧に対する弾性回復性を向上させることができる。フロア層の弾性率は、3MPa以上がより好ましい。一方、フロア層の弾性率は、100MPa以下が好ましく、柔軟性を向上させ、取り扱い性を向上させることができる。フロア層の弾性率は、50MPa以下がより好ましい。
本発明におけるフロア層の厚みは、30μm以上が好ましく、柔軟性をより向上させることができる。フロア層の厚みは、150μm以上がより好ましい。一方、フロア層の厚みは、1,000μm以下が好ましく、加工性や取扱い性を向上させることができる。フロア層の厚みは、800μm以下がより好ましい。
本発明に係る印刷版原版は、感光性樹脂層上にカバーフィルムを有することが好ましく、表面を保護し、異物等の付着を抑制することができる。感光性樹脂層はカバーフィルムと接していてもよいし、感光性樹脂層とカバーフィルムの間に、1層または複数の層を有していてもよい。感光性樹脂層とカバーフィルムの間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する粘着防止層などが挙げられる。
カバーフィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルムの厚みは、10~150μmの範囲が好ましい。また、カバーフィルム表面は、粗面化されていてもよく、原画フィルムの密着性を向上させることができる。
本発明に係る印刷版原版は、感光性樹脂層上に、さらに感熱マスク層を有してもよい。感熱マスク層は、紫外光を遮断し、描画時には赤外レーザー光を吸収し、その熱により瞬間的に一部または全部が昇華または融除するものが好ましい。これにより、レーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じ、従来の原画フィルムと同様の機能を果たすことができる。
さらに、感熱マスク層と感光性樹脂層間に、接着力調整層を設けてもよく、感熱マスク層と感光性樹脂層間との密着を向上させることができる。
次に、本発明に係る印刷版原版の製造方法について、プライマ層およびフロア層を有する場合を例に説明する。
まず、ポリエステル樹脂を溶媒に加熱溶解し、イソシアネート基を有する化合物および必要に応じてエチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤、添加剤を添加し、撹拌して十分に混合し、プライマ層組成物溶液を作製する。溶媒としては、例えば、トルエンや酢酸エチルなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。得られたプライマ層組成物溶液を支持体上に流延し、熱硬化させることにより、プライマ層を形成する。
次に、プライマ層の上に、フロア層を形成する。フロア層の形成方法としては、例えば、フロア層組成物溶液をプライマ層上に流延して乾燥する方法や、別途形成したフロア層シートを、プライマ層を形成した支持体と貼り合わせる方法などが挙げられる。なお、フロア層組成物溶液は、例えば、イソシアネート基と反応する官能基を有するエラストマーおよび必要に応じて添加剤を溶媒に加熱溶解し、撹拌して十分に混合することによって得ることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランやトルエンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
次に、フロア層の上に、接着層を形成する。接着層の形成方法としては、例えば、フロア層上に、接着層組成物溶液を流延して乾燥する方法などが挙げられる。なお、接着層組成物溶液は、例えば、水膨潤性または水溶性ポリマーを水/アルコール混合溶媒に加熱溶解し、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および必要に応じて添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合することによって得ることができる。
接着層がエチレン性二重結合を有する化合物および光重合開始剤を含有する場合、乾燥した接着層に、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、水溶解率を小さくすることができる。このため、水溶解率を所望の値にするために、照射する活性エネルギー線を調節することが好ましい。照射する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく、紫外線照射に用いられる光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などが挙げられる。紫外線照射の積算光量は、接着層の組成や厚み、水溶解率調整量などにより設定することができる。紫外線照射の積算光量は、10mJ/cm以上が好ましく、25mJ/cm以上がより好ましく、100mJ/cm以上がさらに好ましい。一方、紫外線照射の積算光量は、5,000mJ/cm以下が好ましく、3,500mJ/cm以下がより好ましく、3,000mJ/cm以下がさらに好ましい。
次に、接着層上に、感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂層の形成方法としては、例えば、感光性樹脂層組成物溶液を流延して乾燥する方法や、別途形成した感光性樹脂層シートを、接着層を形成した支持体と貼り合わせる方法などが挙げられる。感光性樹脂層組成物溶液は、例えば、バインダー樹脂を水/アルコール混合溶媒に加熱溶解し、エチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤および必要に応じて可塑剤その他の添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合することによって得ることができる。
次に、本発明に係るフレキソ印刷版の製造方法について説明する。本発明におけるフレキソ印刷版は、本発明に係る印刷版原版の感光性樹脂層を部分的に光硬化させる露光工程、および、感光性樹脂層の未硬化部分を、水を含む現像液により除去する現像工程を有する。
まず、露光工程について説明する。印刷版原版が感熱マスク層を有するいわゆるCTP版の場合、カバーフィルムを有する場合にはこれを剥離し、レーザー描画機を用いて原画フィルムに相当する像の描画を実施した後、紫外線照射することによって、感光性樹脂層を光硬化させる。印刷版原版が感熱マスク層を有しない場合は、原画フィルムを介して紫外線照射することによって、感光性樹脂層を光硬化させる。紫外線としては、波長300~400nmの光が好ましく、紫外線照射に用いるランプとしては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などが挙げられる。特に微細な細線、独立点の再現性が要求される場合は、カバーフィルムの剥離前に、支持体側から短時間露光(裏露光)することも可能である。
次に、現像工程について説明する。露光した印刷版原版を現像液に浸漬し、ブラシ式現像装置またはスプレー式現像装置を用いて、感光性樹脂層の未硬化部分を、現像液により除去することにより、基板上にレリーフ像を形成することができる。現像液は、水を含むことが好ましく、必要に応じて界面活性剤などの添加剤を含有してもよい。現像時の現像液温は15~40℃が好ましい。
現像後、50~70℃において10分間程度乾燥することが好ましい。また、必要に応じてさらに大気中または真空中において、活性光線を照射する後露光を行ってもよい。
次に、本発明の印刷物の製造方法について説明する。本発明の印刷物の製造方法は、前述の方法により得られたフレキソ印刷版表面にインキを付着させる工程、および、前記インキを被印刷体に転写する工程を含む。フレキソ印刷機としては、例えば、インラインタイプ、センタードラムタイプ、スタックタイプなどが挙げられる。
インキとしては、紫外線硬化型インキが好ましく、例えば、顔料、アクリルオリゴマー等の樹脂、アクリレートモノマー、重合開始剤などを含有するものが好ましい。紫外線硬化型インキとしては、例えば、市販のPHA((株)T&K TOKA製)、“FLASH DRY”(登録商標)(東洋インキ(株)製)、“UVAFLEX”(登録商標)Y77(Zeller+Gmelin社製)などのフレキソ印刷用インキが挙げられる。
各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
(1)接着層の水溶解率の測定
各実施例および比較例において得られた接着層を有する積層体の接着層に対して、初期厚みを測定した。ただし、接着層の厚みは、無作為に選択した5cm×5cmの範囲から、縦横1cm間隔で格子状に25箇所測定し、その平均値とした。続いて、温度25℃の水30リットルを満たした恒温水槽(アズワン社製、ED-2X)に1時間浸漬した後、60℃で1時間乾燥し、同様に接着層の厚みを測定した。接着層の水溶解率を下式により算出した。
接着層の水溶解率(%)=((初期厚み-浸漬・乾燥後の厚み)/初期厚み)×100 。
(2)断裁時の剥離
各実施例および比較例により得られた印刷版原版を、裁断機(イトーテック社製、ERC170DX)を用いて、20cm×30.8cmのサイズに100枚裁断した。裁断後の印刷版原版の外周部を目視観察し、層間剥離の有無を検査した。以下の判定基準により判定し、4点以上を合格とした。
5:100枚剥離なし
4:1~5枚剥離あり
3:6~10枚剥離あり
2:11~15枚剥離あり
1:16枚以上剥離あり。
(3)画像再現性
各実施例および比較例により得られた印刷版原版について、カバーフィルムの保護層を剥離し、赤外に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッターCDI SPARK(エスコ・グラフィックス(株)製)に、支持体側がドラムに接するように装着し、テストパターン(150線4%網点、ベタ部)を描画し、感熱マスク層に画像マスクを形成した。
次に、バッチ式露光現像機トミフレックス(富博産業(株)製)を用いて、積算光量が16,000mJ/cm程度になるように露光した後、25℃に温度調整した水道水を現像液として60秒間現像した。その後、オーブンを用いて、60℃で10分間乾燥した。その後、積算光量16,000mJ/cmの露光(後露光)を行い、フレキソ印刷版を得た。
得られたフレキソ印刷版の網点:1cm×1cmの領域に形成された150線4%の網点を、倍率20倍の拡大鏡を用いて、欠けの有無を観察した。以下の判定基準により画像再現性を評価し、4点以上を合格とした。
5:認められない
4:最外周部エリアの網点に欠けが認められる
3:最外周部および最外周から2列目のエリアに欠けが認められる
2:最外周から3列目を含む内部のエリアに欠けが認められる
1:全網点エリアの20%以上の面積に欠けが認められる。
(4)印刷耐久性
前記(3)の方法により得られたフレキソ印刷版を、991LPIのアニロックスロールを具備したフレキソ印刷機(MPS社製EF340)に装着した。紫外線硬化型のインクであるUVフレキソ紅PHA-LO3/T&K TOKAを用い、ベタ濃度が1.65になるよう調整し、60m/分の速度で、ミラーコート紙(王子製紙(株)製王子タックNミラー73/P22/G7B)に、20,000m印刷した。60m印刷時点の印刷物と、20,000m印刷時点の印刷物のそれぞれについて倍率20倍の拡大鏡を用いて、1cm×1cmの領域に形成された150線4%の網点の欠けの有無を観察した。以下の判定基準により画像再現性を評価し、4点以上を合格とした。
5:欠けが認められない
4:最外周部エリアの網点に欠けが認められる
3:最外周部および最外周から2列目のエリアに欠けが認められる
2:最外周から3列目を含む内部のエリアに欠けが認められる
1:全網点エリアの20%以上の面積に欠けが認められる。
60m印刷時点と20,000m印刷時点の評価が4点以上の場合、フレキソ印刷版を洗浄し、フレキソ印刷機からフレキソ印刷版を取り外し、平台上、25℃、60%RHの環境下で3日間保管した。一方、網点が3点以下の場合は、評価を終了した。以上を印刷1サイクルとして、最大5サイクルの評価を行い、フレキソ版の再利用回数から、印刷耐久性を評価した。
(実施例1)
[プライマ層を有する支持体の作製]
“バイロン”(登録商標)31SS(飽和ポリエステル樹脂のトルエン溶液、東洋紡(株)製)260重量部およびPS-8A(ベンゾインエチルエーテル、和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を、70℃で2時間加熱した後、30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート7重量部を加えて、2時間混合した。さらに、“コロネート”(登録商標)3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、東ソー(株)製)25重量部およびEC-1368(工業用接着剤、住友スリーエム(株)製)14重量部を添加して混合し、プライマ層組成物溶液を得た。
厚さ188μmの“ルミラー”(登録商標)T60(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)上に、バーコーターを用いて、プライマ層組成物溶液を、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去し、プライマ層を有する支持体を得た。
[接着層を有する積層体の作製]
“ゴーセノール”(登録商標)KH-17(ケン化度78.5~81.5モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、重量平均分子量165,000、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミックス”(登録商標)H-11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合した後、“ブレンマー”(登録商標)G(グリシジルメタクリレート、日油(株)製)1.5重量部を添加して1時間混合し、さらにジメチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体(重量比2/1)(共栄社化学(株)製)3重量部、“イルガキュア”(登録商標)651(ベンジルメチルケタール、BASF社製)5重量部、エポキシエステル70PA(プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)21重量部およびエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート20重量部を添加して90分間混合し、50℃に冷却した後、“メガファック”(登録商標)F-556(DIC(株)製)を0.1重量部添加して30分間混合し、接着層組成物溶液1を得た。
プライマ層を有する支持体のプライマ層上に、バーコーターを用いて、接着層組成物溶液1を、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去した。
その後、積層体の接着層側から、超高圧水銀灯(JP2000T、(株)オーク製作所製)を用いて積算光量3,300mJ/cmの露光処理を行い、接着層1を有する積層体を得た。
[感光性樹脂層を有する積層体の作製]
“ゴーセノール”(登録商標)“KL-05”(ケン化度78.5~82.0モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、重量平均分子量38,000、日本合成化学工業(株)製)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して、未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。この操作で得られた樹脂を以降(樹脂1)とする。
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、樹脂として樹脂1 40重量部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.3重量部、可塑剤としてトリメチロールプロパン30重量部を添加し、“ソルミックス”(登録商標)H-11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)50重量部および水50重量部の混合溶媒を添加して混合した後、撹拌しながら80℃で2時間加熱し、樹脂および光重合開始剤を溶解させた。70℃に冷却した後、エチレン性二重結合を有する化合物としてグリシジルメタクリレート8.0重量部、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(“ブレンマー”(登録商標)AE400/日油(株)製)10重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(“ブレンマー”AD400/日油(株)製)10重量部を添加し、界面活性剤としてフッ素含有4級アンモニウム塩化合物“フタージェント”(登録商標)300((株)ネオス製)を添加し、30分間撹拌し、感光性樹脂層組成物溶液を得た。
前述の接着層を有する積層体の接着層上に、感光性樹脂層組成物溶液を、乾燥後の合計厚み(支持体+プライマ層+接着層+感光性樹脂層)が1.14mmとなるように流延し、60℃で2.5時間乾燥し、感光性樹脂層を有する積層体を得た。
[CTP版用カバーフィルムの作製]
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリビニルアルコール“ゴーセノール”KL-05(ケン化度78.5モル%~82.0モル%、重量平均分子量38,000)11重量部を水55重量部、メタノール14重量部、n-プロパノール10重量部およびn-ブタノール10重量部に溶解させ、剥離補助層組成物溶液を得た。
カーボンブラックMA100(三菱化学(株)製)23重量部、“ダイヤナール”(登録商標)BR-95(アルコール不溶性のアクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製)15重量部、可塑剤ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、(株)ジェイ・プラス製)1重量部およびメチルイソブチルケトン30重量部をあらかじめ混合させたものを、3本ロールミルを用いて混練分散させ、カーボンブラック分散液1を調製した。
カーボンブラック分散液に、AER6071(エポキシ樹脂、旭化成ケミカルズ(株)製)1重量部、“ユーバン”(登録商標)20SE60(メラミン樹脂、三井化学(株)製)1重量部、ライトエステルP-1M(リン酸モノマー、共栄社化学(株)製)0.05重量部およびメチルイソブチルケトン100重量部を添加して30分間撹拌し、感熱マスク層組成物溶液を得た。
“ゴーセノール”AL-06(ケン化度91~94モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、重量平均分子量46,500、日本合成化学工業(株)製)を水:エタノール=50:50(重量比)の混合溶媒に溶解させ、接着力調整層組成物溶液を得た。
厚さ100μmのポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)S10(東レ(株)製)上に、バーコーターを用いて、剥離補助層組成物溶液を、乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗布し、120℃で20秒間乾燥し、剥離補助層を形成した。
次に、剥離補助層上に、バーコーターを用いて、感熱マスク層組成物溶液を、乾燥後の厚みが1.0μmになるように塗布し、140℃で20秒間乾燥し、感熱マスク層を形成した。
さらに、感熱マスク層上に、バーコーターを用いて、接着力調整層組成物溶液を、乾燥後の厚みが1.0μmになるように塗布し、120℃で20秒間乾燥し、接着力調整層を形成した。このようにして、接着力調整層/感熱マスク層/剥離補助層/保護層の積層体であるCTP版用カバーフィルムを得た。このカバーフィルムを以降CFと記載する。
[印刷版原版の作製]
前述の方法により得られた感光性樹脂層を有する積層体の感光性樹脂層上に、水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶媒を塗布し、前述の方法により得られたCFを、接着力調整層が感光性樹脂層側になるように圧着し、印刷版原版を得た。
(実施例2~5)
接着層を有する積層体の作製における積算光量を表1に記載のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版を得た。
Figure 2023049238000001
(実施例6)
接着層を有する積層体の作製における接着層の厚みを5μmに変更し、積算光量を170mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版を得た。
(実施例7)
接着層を有する積層体の作製における接着層の厚みを55μmに変更し、積算光量を1,850mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版を得た。
(比較例1)
接着層を有する積層体の作製における積算光量を5,000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版を得た。
(比較例2)
“ゴーセノール”(登録商標)KH-17(ケン化度78.5~81.5モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、重量平均分子量165,000、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミックス”(登録商標)H-11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)100重量部および水100重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合した後、50℃に冷却し、非感光性の接着層組成物溶液2を作製した。
接着層を有する積層体の作製において、接着層組成物溶液1にかえて接着層組成物溶液2を用い、露光処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、印刷版原版を得た。
各実施例および比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 2023049238000002

Claims (6)

  1. 支持体、接着層および感光性樹脂層をこの順に有する感光性フレキソ印刷版原版であって、接着層の水への溶解率が5%以上50%以下であり、感光性樹脂層が水膨潤性または水溶解性ポリマーを含有する感光性フレキソ印刷版原版。
  2. 前記接着層の厚みが10μm以上50μm以下である請求項1に記載の感光性フレキソ印刷版原版。
  3. 前記支持体と接着層との間に、さらにプライマ層を有する請求項1または2に記載の感光性フレキソ印刷版原版。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の感光性フレキソ印刷版原版の感光性樹脂層を部分的に光硬化させる露光工程、および、感光性樹脂層の未硬化部分を、水を含む現像液により除去する現像工程を有する、フレキソ印刷版の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により得られたフレキソ印刷版表面にインキを付着させる工程、および、前記インキを被印刷体に転写する工程を含む、印刷物の製造方法。
  6. 前記インキとして紫外線硬化型インキを用いる請求項5に記載の印刷物の製造方法。
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