JP2023026990A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】押圧部材のベルトに対する押圧量が可変な構成における押圧部材の交換性を向上する。【解決手段】ベルト31の押圧部材70と、押圧部材70の移動機構2と、を備えたベルトユニット3を有する画像形成装置100において、移動機構2は、押圧部材70の支持部71と、支持部71を移動させる接触部80cと、駆動部81と、を備え、接触部80c及び駆動部81を含む上流側移動機構2aと、支持部71を含む下流側移動機構2bと、が分離可能であり、ベルトユニット3は、押圧部材70と、下流側移動機構2bと、を備えた押圧部材ユニット7が着脱可能であり、画像形成装置100は、支持部71と接触部80cとを離間させる離間機構3bを有し、押圧部材ユニット7は、離間機構3bにより支持部71が接触部80cから離間された状態で、内ローラ32の回転軸線方向に沿って移動させられてベルトユニット3から取り外されるように構成されている。【選択図】図6
Description
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いたプリンタ、印刷機、複写機、ファクシミリ装置、又はこれらのうち複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式などを用いた画像形成装置には、トナー像を担持して搬送する像担持体としての回転可能な無端状のベルト(以下、単に「ベルト」ともいう。)を有するものがある。このようなベルトとして、例えば、第1の像担持体としての感光体などから1次転写されたトナー像を紙などのシート状の記録材に2次転写するために搬送する、第2の像担持体としての中間転写ベルトがある。以下、主に、中間転写ベルトを有する中間転写方式を採用した画像形成装置を例に説明する。
中間転写ベルトを用いた画像形成装置では、画像形成部において感光体などに形成されたトナー像が、1次転写部において中間転写ベルトに1次転写される。また、中間転写ベルトに1次転写されたトナー像は、2次転写部で記録材に2次転写される。中間転写ベルトの内周面側に設けられた内部材(2次転写内部材)と、中間転写ベルトの外周面側に設けられた外部材(2次転写外部材)と、によって2次転写部が形成される。内部材としては、中間転写ベルトを張架する複数の張架ローラのうちの一つである2次転写内ローラが用いられる。外部材としては、中間転写ベルトを挟んで2次転写内ローラと対向する位置に配置され、2次転写内ローラに向けて押圧される2次転写外ローラが用いられることが多い。そして、2次転写外ローラにトナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加(又は2次転写内ローラにトナーの帯電極性と同極性の電圧が印加)されることで、2次転写部において中間転写ベルト上のトナー像が記録材上に2次転写される。なお、記録材に関して、「先端」、「後端」とは、それぞれ記録材の搬送方向に関する先端、後端のことをいうものである。また、中間転写ベルトの回転方向(表面の移動方向)に関する2次転写部の上流を、単に「2次転写部の上流」などともいう。
中間転写ベルト上に形成されたトナー像を記録材に対して高精度に転写するためには、2次転写部の上流における、中間転写ベルトの回転方向に関する中間転写ベルトと記録材との接触長さが重要になる。該接触長さが長い場合には、中間転写ベルトと記録材との速度差でトナーと記録材とが摺擦することによる画像不良などが発生する可能性がある。一方、該接触長さが短い場合には、記録材と中間転写ベルトとの間の空隙において発生する放電による画像不良などが発生する可能性がある。そのため、2次転写部の上流における中間転写ベルトに対する記録材の先端の当接位置などに鑑みて、記録材の搬送姿勢や中間転写ベルトの張架レイアウトが決定される。
一方、近年、例えば商業印刷市場における記録材の多様化に伴い、高剛度の厚紙から低剛度の薄紙まで多種多様な記録材に対して良好な転写を行うことが求められている。そして、特に、厚紙などの剛度が高い記録材が用いられる場合には、上記当接位置に記録材が突入する際に、中間転写ベルトが変形しやすくなる。これにより、2次転写部の上流において中間転写ベルトと記録材との間に微小な空隙が形成され、該空隙における放電に起因する画像不良などが発生することがある。したがって、2次転写部の上流における中間転写ベルトの変形を抑制し、かつ、高精度に2次転写部の上流における中間転写ベルトの所望の形状(姿勢)を形成することが求められる。
特許文献1では、中間転写ベルトの回転方向に関する中間転写ベルトに対する記録材の先端の当接位置(タッキング位置)の上流に、中間転写ベルトの内周面に接触して中間転写ベルトを押圧する平面性矯正部材を設けた構成が提案されている。特許文献1では、平面性矯正部材として、可撓性バッフル板や弾性ロールが用いられている。
また、特許文献2では、記録材の種類に応じて、中間転写ベルトの内周面に接触して中間転写ベルトを押圧する押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を変える構成が提案されている。
上述のように、2次転写部の上流に中間転写ベルトの内周面に接触して中間転写ベルトを押圧する押圧部材を設けることで、2次転写部の上流における中間転写ベルトの形状(姿勢)を所望の形状(姿勢)とすることができる。
この押圧部材は、例えば摩耗による劣化などが生じることがあるので、一般に、その寿命は画像形成装置の装置本体の寿命よりも短い。そのため、画像形成装置の運用にあたり、押圧部材を例えば定期的に交換することが必要となる。押圧部材は、画像形成装置において、中間転写ベルトやその張架ローラなどを含む中間転写ベルトユニット(以下、単に「ベルトユニット」ともいう。)に含まれている。押圧部材と、中間転写ベルトやその張架ローラなどと、の寿命が異なることがあるので、ベルトユニットにおいて、押圧部材を含むユニット(ここでは、「押圧部材ユニット」ともいう。)が交換可能となっていることが望まれる。また、例えば、商業印刷用の画像形成装置などでは、その特性上、ベルトユニットのサイズ・重量が大きく、作業者が画像形成装置の装置本体からベルトユニットを取り外すことは困難である。そのため、押圧部材ユニットは、ベルトユニットが画像形成装置の装置本体に搭載された状態で交換できることが望まれる。
このとき、押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を可変とする機構がベルトユニットに取り付けられている場合には、ベルトユニットに対する押圧部材ユニットの交換の作業性が悪くなる。そして、該機構の破損などのリスクが生じることがある。
そこで、本発明の目的は、押圧部材のベルトに対する押圧量が可変な構成における押圧部材の交換性を向上することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトを張架する複数の張架ローラであって、内ローラと、前記ベルトの回転方向に関する前記内ローラよりも上流において前記内ローラに隣接して配置された上流ローラと、を含む複数の張架ローラと、前記ベルトに張力を付与する張力付与部と、前記ベルトの回転方向に関する前記内ローラよりも上流かつ前記上流ローラよりも下流で前記ベルトの内周面に接触可能な押圧部材と、前記押圧部材の前記ベルトに対する押圧量を変更するように前記押圧部材を移動させることが可能な移動機構と、を備えたベルトユニットと、前記内ローラと対向して配置され、前記ベルトの外周面に当接して前記ベルトから記録材へトナー像を転写する転写部を形成する外部材と、を有する画像形成装置において、前記移動機構は、前記押圧部材を支持する移動可能な支持部と、前記支持部に接触して前記支持部を移動させる移動可能な接触部と、前記接触部を移動させる駆動部と、を備え、前記接触部及び前記駆動部を含む上流側移動機構と、前記支持部を含む下流側移動機構と、が分離可能であり、前記ベルトユニットは、前記押圧部材と、前記移動機構の前記上流移動機構及び前記下流移動機構のうち前記下流側移動機構のみと、を備えた押圧部材ユニットが着脱可能であり、前記画像形成装置は、前記支持部と前記接触部とを離間させる離間機構を有し、前記押圧部材ユニットは、前記離間機構により前記支持部が前記接触部から離間された状態で、前記内ローラの回転軸線方向に沿って移動させられて前記ベルトユニットから取り外されるように構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、押圧部材のベルトに対する押圧量が可変な構成における押圧部材の交換性を向上することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図(後述する感光ドラム11や中間転写ベルト31の張架ローラの回転軸線方向と略直交する断面)である。本実施例の画像形成装置100は、中間転写方式を採用したタンデム型のプリンタである。画像形成装置100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの外部装置から送信された画像信号(画像情報)に応じて、電子写真方式を用いて紙やプラスチックなどで形成されたシート状の記録材Pにフルカラー画像を形成することができる。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図(後述する感光ドラム11や中間転写ベルト31の張架ローラの回転軸線方向と略直交する断面)である。本実施例の画像形成装置100は、中間転写方式を採用したタンデム型のプリンタである。画像形成装置100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの外部装置から送信された画像信号(画像情報)に応じて、電子写真方式を用いて紙やプラスチックなどで形成されたシート状の記録材Pにフルカラー画像を形成することができる。
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Kを有する。これらの画像形成部1Y、1M、1C、1Kは、後述する中間転写ベルト31の略水平に配置される画像転写面の移動方向に沿って一列に配置されている。各画像形成部1Y、1M、1C、1Kにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。本実施例では、画像形成部1は、後述する感光ドラム11(11Y、11M、11C、11K)、帯電器12(12Y、12M、12C、12K)、露光装置13(13Y、13M、13C、13K)、現像器14(14Y、14M、14C、14K)、1次転写ローラ37(37Y、37M、37C、37K)、クリーニング装置15(15Y、15M、15C、15K)などを有して構成される。
画像形成装置100は、トナー像を担持する第1の像担持体としての、回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム11を有する。感光ドラム11は、駆動源としてのドラム駆動モータ(図示せず)から駆動力が伝達されて、図1中の矢印R1方向(反時計回り方向)に、所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム11の表面は、帯電手段としての帯電器12によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電処理時に、帯電器12には、帯電電源(図示せず)により所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム11の表面は、露光手段としての露光装置13によって画像信号に応じて走査露光され、感光ドラム11上に静電像(静電潜像)が形成される。本実施例では、露光装置13は、画像信号に応じて変調されたレーザー光を感光ドラム11上に照射するレーザースキャナー装置で構成されている。感光ドラム11上に形成された静電像は、現像手段としての現像器14によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム11上にトナー像(トナー画像、現像剤像)が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム11上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム11の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。現像時に、現像器14が有する現像剤担持体としての現像ローラには、現像電源(図示せず)により所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
4つの感光ドラム11Y、11M、11C、11Kと対向するように、トナー像を担持する第2の像担持体としての、無端状のベルトで構成された回転可能な中間転写体である中間転写ベルト31が配置されている。中間転写ベルト31は、複数の張架ローラ(支持ローラ)としての駆動ローラ33、テンションローラ34、2次転写前ローラ35、及び2次転写内ローラ32に掛け回されて、所定のテンション(張力)で張架されている。駆動ローラ33は、中間転写ベルト31に駆動力を伝達する。駆動ローラ33は、駆動源としてのベルト駆動モータ(図示せず)から駆動力が伝達されて回転駆動される。これにより、中間転写ベルト31は、駆動ローラ33から駆動が入力されて、図1中の矢印R2方向(時計回り方向)に、感光ドラム11の周速度に対応する周速度(プロセススピード)で回転(周回移動)する。テンションローラ34は、中間転写ベルト31に所定のテンションを付与し、中間転写ベルト31のテンションを一定に制御する。テンションローラ34は、その回転軸線方向の両端部において、付勢手段としての付勢部材(弾性部材)である圧縮コイルバネで構成されたテンションバネ36によって、中間転写ベルト31の内周面側から外周面側に向けて付勢されている。テンションバネ36は、中間転写ベルト31に張力を付与する張力付与手段(張力付与部)を構成する。上流ローラとしての2次転写前ローラ35は、中間転写ベルト31の回転方向(表面の移動方向)に関する、後述する2次転写部N2の上流近傍の中間転写ベルト31の面を形成する。2次転写内ローラ(内部材)32は、本実施例では、2次転写手段としての2次転写部材として機能する。複数の張架ローラのうち駆動ローラ33以外の張架ローラは、中間転写ベルト31の回転に伴って従動回転する。また、中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム11Y、11M、11C、11Kに対応して、1次転写手段としてのローラ状の1次転写部材である1次転写ローラ37Y、37M、37C、37Kが配置されている。本実施例では、各1次転写ローラ37は、各感光ドラム11に対向する位置に配置されている。1次転写ローラ37は、感光ドラム11に向けて押圧され、中間転写ベルト31を介して感光ドラム11に当接し、感光ドラム11と中間転写ベルト31とが接触する1次転写部(1次転写ニップ)N1を形成する。1次転写ローラ37は、中間転写ベルト31の回転に伴って従動回転する。また、中間転写ベルト31の内周面側において、中間転写ベルト31の回転方向に関する2次転写内ローラ32よりも上流かつ2次転写前ローラ35よりも下流には、押圧部材70が設けられている。押圧部材70、及びこの押圧部材70の位置を変更する移動機構2(図4)については後述して更に詳しく説明する。
感光ドラム11上に形成されたトナー像は、1次転写部N1において、1次転写ローラ37の作用により、回転している中間転写ベルト31上に転写(1次転写)される。1次転写時に、1次転写ローラ37には、1次転写電源(図示せず)により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム11上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト31上の同一画像位置(画像領域)に重ね合わされるようにして順次1次転写される。本実施例では、1次転写部N1が、中間転写ベルト31にトナー像を形成する画像形成位置である。そして、中間転写ベルト31は、画像形成位置で担持されたトナー像を搬送する回転可能な無端状のベルトの一例である。
中間転写ベルト31の外周面側において、2次転写内ローラ32に対向する位置には、2次転写外ローラ(外部材)41が配置されている。2次転写外ローラ41は、本実施例では、2次転写内ローラ32の対向部材(対向電極)として機能する。2次転写外ローラ41は、2次転写内ローラ32に向けて押圧され、中間転写ベルト31を介して2次転写内ローラ32に当接し、中間転写ベルト31と2次転写外ローラ41とが接触する2次転写部(2次転写ニップ)N2を形成する。中間転写ベルト31上に形成されたトナー像は、2次転写部N2において、中間転写ベルト31と2次転写外ローラ41とに挟持されて搬送されている記録材P上に転写(2次転写)される。本実施例では、2次転写時に、2次転写内ローラ32には、2次転写電源(図示せず)により、トナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。本実施例では、2次転写外ローラ41は、電気的に接地(グランドに接続)されている。なお、2次転写外ローラ41を2次転写部材として用いてこれにトナーの正規の帯電極性とは逆極性の2次転写電圧を印加し、2次転写内ローラ32を対向電極として用いてこれを電気的に接地してもよい。
記録材(転写材、シート、記録媒体、メディア)Pは、記録材収納部としての記録材カセット61a~61cに格納されている。記録材カセット61a~61cに格納された記録材Pは、給送手段としての給送部材である給送ローラ62a~62cのいずれかが回転駆動されることで、給送搬送路63へと送り出される。この記録材Pは、搬送手段としての搬送部材である搬送ローラ対64などによって、搬送手段としての搬送部材であるレジストローラ対65へと搬送され、一旦停止させられる。この記録材Pは、レジストローラ対65が回転駆動されることで、中間転写ベルト31上のトナー像とタイミングが合わされて2次転写部N2へと送り込まれる。
記録材Pの搬送方向に関するレジストローラ対65よりも下流かつ2次転写部N2よりも上流には、2次転写部N2に記録材Pを案内するための搬送ガイド(転写前ガイド)が設けられている。搬送ガイド66は、記録材Pのオモテ面(搬送ガイド66を通過した直後にトナー像が転写される面)に接触可能な第1のガイド部材66aと、記録材Pのウラ面(オモテ面とは反対側の面)に接触可能な第2のガイド部材66bと、を有して構成される。第1のガイド部材66aと第2のガイド部材66bとは対向して配置され、これら両部材の間を記録材Pが通過する。第1のガイド部材66aは、記録材Pの中間転写ベルト31に近づく方向への移動を規制する。第2のガイド部材66bは、記録材Pの中間転写ベルト31から遠ざかる方向への移動を規制する。
トナー像が転写された記録材Pは、搬送ベルト(定着前搬送装置)67などによって、定着手段としての定着装置5へと搬送される。定着装置5は、未定着のトナー像を担持した記録材Pを、定着回転体対によって挟持して搬送することで加熱及び加圧(加熱圧着)して、トナー像を記録材Pの表面に定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Pは、排出搬送経路68を通って、画像形成装置100の装置本体110の外部(機外)に設けられた排出トレイ69へと排出(出力)される。
一方、1次転写後に感光ドラム11上に残留したトナー(1次転写残トナー)などの付着物は、クリーニング手段としてのクリーニング装置15によって感光ドラム11上から除去されて回収される。また、2次転写後に中間転写ベルト31上に残留したトナー(2次転写残トナー)などの付着物は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置38によって中間転写ベルト31上から除去されて回収される。
なお、本実施例では、中間転写ベルト31、各張架ローラ32~35、各1次転写ローラ37、ベルトクリーニング装置38、後述する支持フレーム39(図2)などを有して、中間転写ベルトユニット(「ベルトユニット」)3が構成される。本実施例では、ベルトユニット3には更に、押圧部材70、及びこの押圧部材70の位置を変更する移動機構2(図4)が設けられている。本実施例では、詳しくは後述するように、ベルトユニット3は、メンテナンスのために画像形成装置100の装置本体110から引き出すことが可能となっている。また、本実施例では、詳しくは後述するように、押圧部材70の交換などのために、押圧部材70を含む2次転写内ユニット7(図6)が、ベルトユニット3に対して着脱可能となっている。
ここで、中間転写ベルト31としては、単層又は多層構造の樹脂系材料で構成されたもの、樹脂材料で構成された樹脂層と弾性材料で構成された弾性層とを備えた多層構造のものなどを使用することができる。また、本実施例では、2次転写内ローラ32は、金属製の芯金(芯材)外周に、電子導電性のゴムの弾性層が設けられて構成されている。また、本実施例では、2次転写前ローラ35は、金属ローラで構成されている。また、本実施例では、2次転写外ローラ41は、金属製の芯金(芯材)の外周に、イオン導電性の発泡ゴムの弾性層が設けられて構成されている。また、本実施例では、2次転写外ローラ41の回転軸線方向の両端部を軸支する軸受部材(図示せず)は、2次転写内ローラ32に向かう方向及びその逆方向にスライド移動可能となっている。この軸受部材は、付勢手段としての付勢部材(弾性部材)である圧縮コイルバネで構成された押圧バネ42(図3)によって、2次転写内ローラ32に向けて押圧される。これにより、2次転写外ローラ41は、中間転写ベルト31を挟んで2次転写内ローラ32に対して所定の圧力で当接し、2次転写部N2を形成する。なお、2次転写内ローラ32を含む中間転写ベルト31の張架ローラ、及び2次転写外ローラ41のそれぞれの回転軸線方向は互いに略平行である。
2.ベルトユニット及びその支持構成
次に、本実施例におけるベルトユニット3、及びベルトユニット3の支持構成について説明する。なお、本実施例では、画像形成装置100及びその要素について、図1の紙面手前側を前(正面)側、図1の紙面奥側を後(背面)側とする。この前側と後側とを結ぶ前後方向は、感光ドラム11や中間転写ベルト31の張架ローラの回転軸線方向と略平行であるものとする。また、画像形成装置100及びその要素について、上下は、重力方向(鉛直方向)の上下を言うものであるが、直上、直下のみを意味するものではなく、注目する要素又は位置を通る水平面よりも上側、下側を含むものである。
次に、本実施例におけるベルトユニット3、及びベルトユニット3の支持構成について説明する。なお、本実施例では、画像形成装置100及びその要素について、図1の紙面手前側を前(正面)側、図1の紙面奥側を後(背面)側とする。この前側と後側とを結ぶ前後方向は、感光ドラム11や中間転写ベルト31の張架ローラの回転軸線方向と略平行であるものとする。また、画像形成装置100及びその要素について、上下は、重力方向(鉛直方向)の上下を言うものであるが、直上、直下のみを意味するものではなく、注目する要素又は位置を通る水平面よりも上側、下側を含むものである。
図2は、ベルトユニット3、及び中間転写ベルト3の支持構成を示す、画像形成装置100を前側から見た模式的な斜視図である。図2(a)に示すように、本実施例では、画像形成装置100の装置本体110には、保持部材としての支持ユニット120が設けられている。支持ユニット120は、ベルトユニット3を、感光ドラム11から中間転写ベルト31にトナー像を転写可能な第1の位置で保持可能である。第1の位置では、中間転写ベルト31の各張架ローラ32~35及び各1次転写ローラ37の回転軸線方向は略水平となる。ベルトユニット3は、中間転写ベルト31の表面の移動方向と略直交する幅方向(各張架ローラ32~35の回転軸線方向)の両側、すなわち、前側及び後側にそれぞれ配置された前側板39a、後側板39bを備えた支持フレーム39を有する。各張架ローラ32~35及び各1次転写ローラ37の回転軸線方向の両端部は、それぞれ軸受部材を介して回転可能に支持フレーム39の前側板39a、後側板39bに支持されている。ベルトユニット3は、例えば、中間転写ベルト31の交換や押圧部材70の交換などのメンテナンス作業を行う際に、画像形成装置100の装置本体110の筐体110aから前側に引き出せるようになっている。また、本実施例では、ベルトユニット3は、装置本体110から引き出された状態で、支持ユニット120に対して、図2(b)中の矢印f方向(上方)に傾斜可能に保持されている。また、支持ユニット120は、装置本体110に対して前側に引き出し可能、かつ、装置本体110内に挿入可能である。つまり、支持ユニット120は、装置本体110に設けられたスライドレール111に保持され、このスライドレール111に沿って装置本体110に対して挿入及び引き出しが可能となっている。
支持ユニット120は、前側に設けられた前側支持部120aと、後側に設けられた後側支持部120bと、これら前側支持部120aと後側支持部120bとを連結する一対の連結部120c、120cと、を有する。ベルトユニット3は、これら前側支持部120a、後側支持部120b、及び一対の連結部120c、120cにより囲まれた空間内に配置されている。ベルトユニット3のメンテナンス時には、ベルトユニット3を保持した支持ユニット120が、ユーザーやサービス担当者などの作業者により、図2(a)に示すように装置本体110から前側に引き出される。そして、作業者により、図2(b)に示すように、ベルトユニット3が支持ユニット120に対して矢印f方向(上方)に傾斜させられて、第2の位置へと移動される。つまり、図2(a)に示すように、ベルトユニット3は、ヒンジ3aにより中間転写ベルト31の幅方向の一端部側(後側)を中心に回動可能に支持ユニット120に支持されている。そして、図2(b)に示すように、ベルトユニット3は、中間転写ベルト31の幅方向の他端部側(前側)が、支持ユニット120の前側支持部120aよりも上方に露出する第2の位置に傾斜させられることが可能となっている。
ベルトユニット3が上記第2の位置に傾斜させられた状態で、作業者によって解除機構3bが操作されて、中間転写ベルト31に付与されているテンションの解除(緩めること)が行われる。これにより、中間転写ベルト31を幅方向の上記他端部側(前側)から引き抜くことが可能である。また、本実施例では、このように中間転写ベルト31のテンションが解除された状態で、押圧部材70を含む2次転写内ユニット7(図6)を中間転写ベルト31の幅方向の上記他端部側(前側)から引き抜くことが可能となっている。解除機構3bは、例えば、テンションローラ34の軸受部材に作用して、テンションバネ36(図1)の付勢力に抗してテンションローラ34を中間転写ベルト31の外周面側から内周面側に向けて移動させた状態で保持するように構成されている。このように、本実施例では、ベルトユニット3が画像形成装置100の装置本体110に搭載された状態で、中間転写ベルト31の交換や押圧部材70の交換などのメンテナンス作業を行うことができる。そのため、中間転写ベルト31の交換や押圧部材70の交換などのメンテナンス作業を容易に行える。
本実施例では、上述のように、中間転写ベルト31の幅方向の上記一端部側(後側)に配置された支持フレーム39の後側板39bと、支持ユニット120の後側支持部120bとの間に、ダンパーが内蔵されたヒンジ3aが設けられている。このヒンジ3aは、ダンパーにより、ベルトユニット3が傾斜した第2の位置にある状態から重力により第1の位置に向かう方向に移動する際に、移動速度を減衰させるようになっている。なお、更にベルトユニット3を第2の位置で保持するロック機構が設けられていてもよい。本実施例では、このようなヒンジ3a、更にはロック機構などにより、ベルトユニット3を第2の位置で保持可能な回動保持部が構成される。また、支持フレーム39の前側板39a、後側板39bに設けられた突部(図示せず)が、前側支持部120a、後側支持部120bに設けられた載置部(図示せず)に載置されることで、ベルトユニット3が第1の位置で支持ユニット120に支持される。
3.2次転写部の上流における中間転写ベルトの形状
次に、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状(姿勢)について説明する。図3は、本実施例の画像形成装置100における2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を説明するための模式的な断面図(2次転写内ローラ32の回転軸線方向と略直交する断面)である。また、図14は、押圧部材70が設けられていない比較例の構成における2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を説明するための模式的な断面図(2次転写内ローラ32の回転軸線方向と略直交する断面)である。なお、比較例についても、本実施例のものに対応する要素には同一の符号を付している。図3(a)は、記録材Pが2次転写部N2に移動する前の状態を示し、図3(b)は、記録材Pが2次転写部N2に移動した後の状態を示し、図3(c)は、図3(b)における2次転写部N2の近傍を拡大して示している。また、図14(a)、(b)、(c)は、それぞれ比較例についての図3(a)、(b)、(c)に対応する図である。
次に、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状(姿勢)について説明する。図3は、本実施例の画像形成装置100における2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を説明するための模式的な断面図(2次転写内ローラ32の回転軸線方向と略直交する断面)である。また、図14は、押圧部材70が設けられていない比較例の構成における2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を説明するための模式的な断面図(2次転写内ローラ32の回転軸線方向と略直交する断面)である。なお、比較例についても、本実施例のものに対応する要素には同一の符号を付している。図3(a)は、記録材Pが2次転写部N2に移動する前の状態を示し、図3(b)は、記録材Pが2次転写部N2に移動した後の状態を示し、図3(c)は、図3(b)における2次転写部N2の近傍を拡大して示している。また、図14(a)、(b)、(c)は、それぞれ比較例についての図3(a)、(b)、(c)に対応する図である。
図3に示すように、本実施例では、2次転写内ローラ32と2次転写前ローラ35(図1)で張架されることで形成される中間転写ベルト31の形状に対し、2次転写外ローラ41が2次転写内ローラ32に向かって押圧バネ42により弾性付勢される。これにより、中間転写ベルト31が2次転写内ローラ32と2次転写外ローラ41とで挟持されて2次転写部N2が形成される。
また、本実施例では、詳しくは後述するように、2次転写部N2の上流には、2次転写内ローラ32に近接して押圧部材70が設けられている。本実施例では、画像形成装置100は、少なくとも一つの所定のモードでの画像形成時(2次転写時)には、押圧部材70の先端部と中間転写ベルト31の内周面とが接触した状態とされる。押圧部材70は、中間転写ベルト31の内周面に接触して、中間転写ベルト31を内周面側から外周面側へ押圧することができる。これにより、押圧部材70は、2次転写内ローラ32と2次転写前ローラ35との間に形成される中間転写ベルト31の張り面を、中間転写ベルト31の内周面側から外周面側へ張り出させることができる。本実施例では、押圧部材70は、樹脂製の板状部材で形成されており、押圧部材70は撓み弾性を利用して中間転写ベルト31を弾性付勢する。したがって、押圧部材70の形状(撓み量、変形量)は、押圧部材70が中間転写ベルト31を付勢する付勢力と、中間転写ベルト31の張力によって生じる抗力と、が釣り合う形状(ここでは「静定形状」ともいう。)に決まる。そして、この押圧部材70の静定形状によって、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状が形成される。
また、本実施例では、詳しくは後述するように、画像形成装置100は、移動機構2(図4)の作用により押圧部材70の位置を変更することが可能な構成になっている。これにより、本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材70の静定形状、すなわち、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を制御することが可能な構成になっている。
本実施例では、2次転写内ローラ32には、中間転写ベルト31上のトナー像を構成するトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加され、2次転写外ローラ41は、アースに接続される。これにより、2次転写部N2に転写電界が形成される。転写電界が形成された2次転写部N2には、記録材Pが搬送ガイド66により案内されながら送られてくる。図3(a)に示すように、この記録材Pは、その先端が2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31に当接(接触)し、更に中間転写ベルト31の表面に形成されたトナー像と接触した状態で2次転写部N2に向かって搬送される。そして、図3(b)に示すように、この記録材Pが2次転写部N2に搬送されると、2次転写内ローラ32と2次転写外ローラ41との間の加圧作用と、転写電界による電気的作用とにより、中間転写ベルト31からこの記録材Pにトナー像が転写される。
ここで、高精度な2次転写のためには、記録材Pが2次転写部N2に搬送される際の、2次転写部N2の上流における、中間転写ベルト31の回転方向に関する中間転写ベルト31と記録材Pとが接触する長さ(ここでは「接触長さ」ともいう。)が重要になる。該接触長さが長い場合には、中間転写ベルト31の表面に形成されたトナー像と記録材Pとが摺擦することによる画像不良などが発生する可能性がある。一方、該接触長さが短い場合には、中間転写ベルト31と記録材Pとの間の空隙(隙間)G(図3(c))が大きくなり、該空隙Gにおいて発生する放電現象による画像不良などが発生する可能性がある。特に、厚紙やコート紙などの剛度が高い記録材Pが用いられる場合には、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31に対する記録材Pの先端の当接位置に記録材Pが突入する際に、中間転写ベルト31が変形しやすくなる。これにより、上記空隙Gが発生しやくなり、該空隙Gにおける放電による画像不良などが発生しやすくなることがある。
本実施例のように押圧部材70を設けることにより、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31と記録材Pとの接触長さを適切に設定しやすくなる。特に、本実施例では、後述する移動機構2(図4)により押圧部材70の位置を可変制御することで、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を制御することができる。これにより、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31と記録材Pとの接触長さを最適化することで、トナー像を記録材Pに安定して2次転写することができる。さらに、厚紙やコート紙などの剛度が高い記録材Pが用いられる場合でも、押圧部材70の弾性付勢による効果で、次のようになる。つまり、記録材Pと中間転写ベルト31とが接触した際の中間転写ベルト31の変形を抑制し、中間転写ベルト31と記録材Pとの間の空隙Gが大きくなることを抑制することができる。
一方、図14(a)~(c)に示すように、押圧部材70がない場合には、記録材Pが2次転写部N2に搬送される際に、2次転写部N2の上流において中間転写ベルト31が変形し、中間転写ベルト31と記録材Pとの間の空隙Gが大きくなることがある。これにより、記録材Pと中間転写ベルト31との接触長さのばらつくことがある。そして、該空隙Gが大きくなることによる放電に起因する画像不良などが発生することがある。これは、上述のように、特に、厚紙やコート紙などの剛度が高い記録材Pが用いられる場合に発生しやすい。
このように、本実施例の画像形成装置100は、押圧部材70の作用により、安定した画質の成果物を提供することができる。特に、本実施例の画像形成装置100は、押圧部材70の作用により、厚紙やコート紙などの剛度の高い記録材Pが用いられる場合でも、高画質の成果物を提供することができる。
なお、本実施例の画像形成装置100は、高生産性を実現する装置であり、中間転写ベルト31は600mm/sの速度で搬送される。また、本実施例の画像形成装置100では、トナーは負の極性を帯びている。そして、本実施例の画像形成装置100では、この中間転写ベルト31の搬送速度においても適切な転写性能を確保するため、2次転写内ローラ32には-10kVの高圧バイアスが印加される。ただし、中間転写ベルト31の搬送速度、トナーの極性、2次転写電圧の値は、これらに限定されるものではない。
4.押圧部材及び移動機構
次に、本実施例における押圧部材70、及びこの押圧部材70の位置を変更する移動機構2について説明する。図4は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2を後側から見た斜視図である。また、図5(a)は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2の周辺を2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って前側から見た断面側面図である。また、図5(b)は、本実施例におけるベルトユニット3の押圧部材70及び移動機構2の周辺を2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って後側から見た断面側面図である。
次に、本実施例における押圧部材70、及びこの押圧部材70の位置を変更する移動機構2について説明する。図4は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2を後側から見た斜視図である。また、図5(a)は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2の周辺を2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って前側から見た断面側面図である。また、図5(b)は、本実施例におけるベルトユニット3の押圧部材70及び移動機構2の周辺を2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って後側から見た断面側面図である。
<押圧部材>
本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト31の内周面側において、2次転写部N2の上流近傍に、押圧部材(バックアップ部材)70を有する。押圧部材70は、2次転写部N2の入口近傍において、中間転写ベルト31の内周面を押圧して中間転写ベルト31を外周面側に張り出させることができる。押圧部材70は、中間転写ベルト31の回転方向に関する、2次転写内ローラ32よりも上流、かつ、2次転写前ローラ35よりも下流で、中間転写ベルト31の内周面に接触可能なように配置されている。特に、本実施例では、押圧部材70は、記録材Pの搬送方向に関する、2次転写内ローラ32よりも上流、かつ、搬送ガイド66(第1のガイド部材66a)の下流側の先端よりも下流で、中間転写ベルト31の内周面に接触可能なように配置されている。
本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト31の内周面側において、2次転写部N2の上流近傍に、押圧部材(バックアップ部材)70を有する。押圧部材70は、2次転写部N2の入口近傍において、中間転写ベルト31の内周面を押圧して中間転写ベルト31を外周面側に張り出させることができる。押圧部材70は、中間転写ベルト31の回転方向に関する、2次転写内ローラ32よりも上流、かつ、2次転写前ローラ35よりも下流で、中間転写ベルト31の内周面に接触可能なように配置されている。特に、本実施例では、押圧部材70は、記録材Pの搬送方向に関する、2次転写内ローラ32よりも上流、かつ、搬送ガイド66(第1のガイド部材66a)の下流側の先端よりも下流で、中間転写ベルト31の内周面に接触可能なように配置されている。
本実施例では、押圧部材70は、中間転写ベルト31の幅方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する、平面視略矩形の板状(シート状)の部材で構成されている。なお、中間転写ベルト31の幅方向は、中間転写ベルト31の表面の移動方向と略直交する方向であり、2次転写内ローラ32の回転軸線方向と略平行な方向である。押圧部材70の長手方向の長さは、中間転写ベルト31の幅方向の長さと同等である。押圧部材70は、その短手方向の一端部(中間転写ベルト31の回転方向下流側の端部)である自由端部(先端部)70aが、中間転写ベルト31の略全幅にわたり、中間転写ベルト31の内周面に接触可能であり、中間転写ベルト31を押圧可能である。また、本実施例では、押圧部材70は、その短手方向の他端部(中間転写ベルト31の回転方向上流側の端部)である固定端部(基端部)70b側の一部が、取付部70cに接着などにより固定されている。本実施例では、取付部70cは、中間転写ベルト31の幅方向(押圧部材70の長手方向)に沿って配置される板状部を有する板金により構成されており、後述する移動機構2に押圧部材70を取り付けるために用いられる。
本実施例では、押圧部材70は、樹脂材料を用いて形成されている。特に、本実施例では、押圧部材70は、厚さ0.5mmのPPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成されている。本実施例では、押圧部材70は、撓み弾性を利用して中間転写ベルト31を弾性付勢する。なお、本実施例では、押圧部材70は、中間転写ベルト31を弾性付勢できるものであればよい。例えば、押圧部材70の厚さは、0.5mmに限定されるものではなく、0.4~1.5mm程度が好適であり、例えば1.0mmであってもよい。また、押圧部材70の材料は、PPSに限定されるものではなく、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などでもよい。
ここで、押圧部材70、より詳細には押圧部材70の短手方向の自由端部(先端部)70a側の端部(ここでは、単に「先端」ともいう。)は、2次転写内ローラ32にできる限り近接して配置されることが望ましい。ただし、押圧部材70は、2次転写内ローラ32と接触しないように配置される。押圧部材70は、例えば、2次転写内ローラ32と中間転写ベルト31とが接触する位置から中間転写ベルト31の回転方向上流側へ例えば2mm程度以上、典型的には10mm程度以上離した位置で中間転写ベルト31の内周面と接触するように配置される。また、押圧部材70は、例えば、2次転写内ローラ32と中間転写ベルト31とが接触する位置から中間転写ベルト31の回転方向上流側へ40mm以下程度、典型的には25mm以下程度離した位置で中間転写ベルト31の内周面と接触するように配置される。
<移動機構>
本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材70の位置を変更する移動機構2を有する。移動機構2は、押圧部材70の位置を変更することで、押圧部材70の静定形状、すなわち、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を制御することができる。換言すると、移動機構2は、押圧部材70の位置を変更することで、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量を制御することができる。これにより、移動機構2は、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31と記録材Pとの接触長さを最適化することができる。
本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材70の位置を変更する移動機構2を有する。移動機構2は、押圧部材70の位置を変更することで、押圧部材70の静定形状、すなわち、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状を制御することができる。換言すると、移動機構2は、押圧部材70の位置を変更することで、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量を制御することができる。これにより、移動機構2は、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31と記録材Pとの接触長さを最適化することができる。
移動機構2は、中間転写ベルト31の幅方向に沿って配置される支持部としての支持部材71を有する。押圧部材70は、支持部材71に支持されている。本実施例では、押圧部材70は、その短手方向の固定端部70b側の一部が長手方向の略全幅にわたって取付部70cに接着などにより固定されており、この取付部70cがビスなどにより支持部材71に固定されている。なお、押圧部材70は、支持部材71に直接固定されるようになっていてもよい。支持部材71の長手方向の両端部には、回動軸73が設けられている。詳しくは後述するように、支持部材71は、回動軸73を中心に中間転写ベルト31の幅方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能なように、該回動軸73を介して2次転写内ユニット7の前フレーム74、後フレーム75(図6)に支持されている。このように、支持部材71を中間転写ベルト31の幅方向と略平行な回動軸線の周りを回動させることで、押圧部材70を該回動軸線の周りを回動させて、押圧部材70の位置を変更することができる。
また、移動機構2は、中間転写ベルト31の幅方向に沿って延在する円柱状部材で構成されたカム軸80を有する。詳しくは後述するように、カム軸80は、中間転写ベルト31の幅方向と略平行な回転軸線の周りを回転可能なように、ベルトユニット3の支持フレーム39に支持されている。また、移動機構2は、カム80c、駆動ギア80a及びフラグ80bを有する。これらカム80c、駆動ギア80a及びフラグ80bは、それぞれカム軸80に固定されている。カム80cは、カム軸80の回転軸線方向の両端部にそれぞれ設けられている。駆動ギア80aは、カム軸80の回転軸線方向の後側の端部に設けられている。また、移動機構2は、駆動部を構成する駆動源としてのステッピングモータで構成された駆動モータ81、及び第1、第2の伝達ギア82、83を有する。駆動モータ81、及び第1、第2の伝達ギア82、83は、カム軸80の回転軸線方向の後側に設けられている。上記駆動ギア80aは、第1、第2の伝達ギア82、83を介して駆動モータ81に駆動連結されている。つまり、駆動モータ81の出力軸に固定された出力ギア81aが第1の伝達ギア82と噛み合い、第1の伝達ギア82が第2の伝達ギア83と噛み合い、第2の伝達ギア83がカム軸80に固定された駆動ギア80aと噛み合う。詳しくは後述するように、駆動モータ81及び第1、第2の伝達ギア82は、ベルトユニット3の支持フレーム39に支持されている。駆動モータ81が回転すると、第1、第2の伝達ギア82、83及び駆動ギア80aを介してカム軸80に駆動が伝達され、カム80c及びフラグ80bはカム軸80と一体的に、中間転写ベルト31の幅方向と略平行な回転軸線の周りを回転する。
接触部としてのカム80cは、支持部材71に設けられた被接触部としてのカムフォロワ71aと接触する。カム80cは、その回転角度に応じて回転中心からの半径が一様に変化する無段階面を形成している。この接触面としての無段階面が、支持部材71のカムフォロワ71aの被接触面と接触する。カムフォロワ71aは、支持部材71の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。そして、カム軸80の回転軸線方向の両端部にそれぞれ設けられた各カム80cが各カムフォロワ71aと接触する。したがって、駆動モータ81が回転することでカム80cが回転すると、カム80cの回転により支持部材71が回動軸73を中心として回動する。つまり、第1、第2の伝達ギア82、83及び駆動ギア80aを介して駆動モータ81の回転駆動がカム80cまで伝達され、カム80cの無段階面を通じて、回動軸73を回動中心として支持部材71を回動させる。これにより、移動機構2は、押圧部材70を移動させて、押圧部材70の位置を変更することができる。ここで、本実施例では、押圧部材70の位置を変更するとは、より詳細には、中間転写ベルト31が無いと仮定した場合の押圧部材70の先端の位置(以下、単に「先端位置」ともいう。)を変更することをいう。具体的には、本実施例では、押圧部材70の位置を変更するとは、移動機構2が有する移動可能な移動部としての支持部材71の位置を変更することをいう。
また、移動機構2は、カム80cの回転方向の位置(位相)、特に、本実施例ではカム80cの回転方向におけるホームポジション(HP)を検知するための位置検知手段としての位置センサ(HPセンサ)89を有する。位置センサ89は、ベルトユニット3の支持フレーム39に支持されている。位置センサ89と、上記カム軸80に固定されたフラグ80bとは、フォトインタラプタを構成する。移動機構2は、位置センサ89及びフラグ80bの作用により、移動機構2の姿勢を予め設定されたニュートラルポジションにすることができる。
図5(a)を参照して、移動機構2の動作について更に説明する。例えば、中間転写ベルト31を押圧する方向に押圧部材70を移動させる際には、カム80cが駆動モータ81によって駆動されて図中時計回り方向に回転する。これにより、支持部材71が回動軸73を中心に図中反時計回り方向に回動して、押圧部材70の位置(より詳細には先端位置)が、中間転写ベルト31の外周面側へと移動する。また、例えば、上記中間転写ベルト31を押圧する方向とは逆方向に押圧部材70を移動させる際には、カム80cが駆動モータ81により駆動されて図中反時計回り方向に回転する。これにより、支持部材71が回動軸73を中心に図中時計回り方向に回動して、押圧部材70の位置(より詳細には先端位置)が、中間転写ベルト31の内周面側へと移動する。
本実施例では、画像形成装置100は、後述する制御部50(図13)により駆動モータ81の回転量を制御してカム80cの回転角度を制御することが可能となっている。そして、これにより、支持部材71の回動方向に関する位置を制御して、押圧部材70の位置(より詳細には先端位置)を制御することが可能となっている。本実施例では、制御部50は、位置センサ89により検知される移動機構2のニュートラルポジション(カム80cのホームポジション)からの、駆動モータ(ステッピングモータ)81への入力パルス数により、駆動モータ81の駆動量を制御する。これにより、カム80cの回転角度を制御して、支持部材71の回動方向に関する位置を制御することができる。本実施例では、制御部50は、例えば、画像形成装置100の電源OFF状態や、電源ON状態でジョブの入力を待機しているスタンバイ状態などにおいては、移動機構2をニュートラルポジションとする。
なお、移動機構2における各要素の具体的な支持構成については、後述して更に詳しく説明する。
5.制御態様
図13は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。画像形成装置100の装置本体110には、制御手段としての制御部50が設けられている。制御部50は、演算処理を行う中心的素子である演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのROM52、RAM53、インターフェース部(入出力回路)などを有して構成される。CPU51は、ROM52に格納された制御プログラムに従い、RAM53を作業領域として用いて、画像形成装置100が備えた各種センサからの入力信号などに基づいて、画像形成装置100の各部を統括制御することができる。本実施例では、特に、制御部50は、移動機構2の位置センサ89からの入力信号に基づいて、移動機構2の駆動モータ81の動作を制御して、移動機構2のカム80cの回転方向の位置(位相)を制御する。また、制御部50には、画像形成装置100の装置本体110に設けられた操作部(操作パネル)130が接続されている。操作部130は、制御部50の制御によって情報を表示する表示部(表示手段)、及びユーザーやサービス担当者などの操作者(作業者)による操作によって制御部50に情報を入力する入力部(入力手段)を有する。操作部130は、表示手段及び入力手段の機能を有するタッチパネルを有して構成されていてよい。更に、制御部50には、画像形成装置100の装置本体110に設けられた扉の開閉を検知する開閉センサ140などが接続されていてよい。また、画像形成装置100には、パーソナルコンピュータなどの外部装置、画像読取装置などが接続されていてよい。
図13は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。画像形成装置100の装置本体110には、制御手段としての制御部50が設けられている。制御部50は、演算処理を行う中心的素子である演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのROM52、RAM53、インターフェース部(入出力回路)などを有して構成される。CPU51は、ROM52に格納された制御プログラムに従い、RAM53を作業領域として用いて、画像形成装置100が備えた各種センサからの入力信号などに基づいて、画像形成装置100の各部を統括制御することができる。本実施例では、特に、制御部50は、移動機構2の位置センサ89からの入力信号に基づいて、移動機構2の駆動モータ81の動作を制御して、移動機構2のカム80cの回転方向の位置(位相)を制御する。また、制御部50には、画像形成装置100の装置本体110に設けられた操作部(操作パネル)130が接続されている。操作部130は、制御部50の制御によって情報を表示する表示部(表示手段)、及びユーザーやサービス担当者などの操作者(作業者)による操作によって制御部50に情報を入力する入力部(入力手段)を有する。操作部130は、表示手段及び入力手段の機能を有するタッチパネルを有して構成されていてよい。更に、制御部50には、画像形成装置100の装置本体110に設けられた扉の開閉を検知する開閉センサ140などが接続されていてよい。また、画像形成装置100には、パーソナルコンピュータなどの外部装置、画像読取装置などが接続されていてよい。
ここで、画像形成装置100は、一つの開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリントジョブ、印刷ジョブ)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程(画像形成動作)、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、2次転写を行う期間であり、画像形成時(画像形成期間)とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、2次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時(非画像形成期間)とは、画像形成時以外の期間であって、次のような期間が含まれる。つまり、スタンバイ状態、前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程や、スタンバイ状態から前回転工程又は前多回転工程を開始するまでの間の期間などである。本実施例では、画像形成装置100は、非画像形成時に、その後に実行する画像形成の設定に応じて、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量、すなわち、押圧部材70の位置を設定(調整)する動作を行うことができる。
制御部50は、例えば、ジョブで使用される記録材Pの情報に応じて、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量、すなわち、押圧部材70の位置を変更するように制御することができる。この場合、記録材Pの情報と、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量、すなわち、押圧部材70の位置と、の関係を示す情報(テーブルデータなど)がROM52に予め記憶されている。制御部50は、この情報に基づいて、非画像形成時に、後続の画像形成のために押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量、すなわち、押圧部材70の位置を変更する制御を行うことができる。なお、記録材Pの情報とは、普通紙、厚紙、薄紙などの一般的な特徴に基づく属性(いわゆる、紙種カテゴリー)、坪量、厚さ、サイズ、剛性などの数値や数値範囲、あるいは銘柄(メーカー、商品名、品番などを含む。)などの、記録材Pを区別することのできる任意の情報を包含するものである。記録材Pの情報によって区別される記録材Pごとに、記録材Pの種類を構成するものと見ることができる。また、記録材Pの情報は、例えば「普通紙モード」、「厚紙モード」といった、画像形成装置100の動作設定を指定する情報に含まれていたり該情報で代替されたりしてもよい。例えば、厚紙に対する画像形成時には、薄紙に対する画像形成時よりも、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量を大きくする構成になっていてよい。あるいは、ユーザーやサービス担当者などの操作者(作業者)による操作部130などからの指示に応じて、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量を任意に変更できる構成になっていてもよい。また、本実施例では、移動機構2のニュートラルポジションは、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量が所定の押圧量となるように、すなわち、押圧部材70の位置が所定の位置となるように設定されている。
なお、押圧部材70による中間転写ベルト31の押圧量は、例えば、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する侵入量で表すことができる。この侵入量は、概略、押圧部材70が、2次転写内ローラ32又は2次転写外ローラ41と、2次転写前ローラ35と、で張架されて形成される中間転写ベルト31の張り面(張架面)に対して、中間転写ベルト31を外側に張り出させる量である。2次転写前ローラ35は、複数の張架ローラのうち2次転写内ローラ32よりも中間転写ベルト31の回転方向に関して上流で2次転写内ローラ32に隣接して配置された上流ローラの一例である。
6.2次転写内ユニット
前述のように、押圧部材と、中間転写ベルトやその張架ローラなどと、の寿命が異なることがあるので、ベルトユニットにおいて、押圧部材を含むユニット(「押圧部材ユニット」)が交換可能となっていることが望まれる。また、例えば、商業印刷用の画像形成装置では、その特性上、ベルトユニットのサイズ・重量が大きく、作業者が画像形成装置の装置本体からベルトユニットを取り外すことは困難である。そのため、ベルトユニット内の定期交換パーツ、例えば、押圧部材ユニットは、ベルトユニットが画像形成装置の装置本体に搭載された状態で交換できることが望まれる。なお、本実施例のようにベルトユニットが装置本体から引き出された状態も、ベルトユニットが装置本体に搭載された状態に含まれる。ここで、押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を可変とする構成を実現しようとすると、ベルトユニットに押圧量を変更する機構を取り付ける構成が考えられる。このとき、例えば、商業印刷用の画像形成装置などにおいて、2次転写部が画像形成装置の装置本体の下側に設けられている構成では、押圧部材の交換時には、ベルトユニットの下側から覗き込みながら交換作業を行わなければならない場合がある。この場合には、押圧部材の交換の作業性が非常に悪い。このように、押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を可変とする機構がベルトユニットに取り付けられている場合には、ベルトユニットに対する押圧部材ユニットの交換の作業性が悪くなる。そして、該機構の破損などのリスクが生じることがある。
前述のように、押圧部材と、中間転写ベルトやその張架ローラなどと、の寿命が異なることがあるので、ベルトユニットにおいて、押圧部材を含むユニット(「押圧部材ユニット」)が交換可能となっていることが望まれる。また、例えば、商業印刷用の画像形成装置では、その特性上、ベルトユニットのサイズ・重量が大きく、作業者が画像形成装置の装置本体からベルトユニットを取り外すことは困難である。そのため、ベルトユニット内の定期交換パーツ、例えば、押圧部材ユニットは、ベルトユニットが画像形成装置の装置本体に搭載された状態で交換できることが望まれる。なお、本実施例のようにベルトユニットが装置本体から引き出された状態も、ベルトユニットが装置本体に搭載された状態に含まれる。ここで、押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を可変とする構成を実現しようとすると、ベルトユニットに押圧量を変更する機構を取り付ける構成が考えられる。このとき、例えば、商業印刷用の画像形成装置などにおいて、2次転写部が画像形成装置の装置本体の下側に設けられている構成では、押圧部材の交換時には、ベルトユニットの下側から覗き込みながら交換作業を行わなければならない場合がある。この場合には、押圧部材の交換の作業性が非常に悪い。このように、押圧部材の中間転写ベルトに対する押圧量を可変とする機構がベルトユニットに取り付けられている場合には、ベルトユニットに対する押圧部材ユニットの交換の作業性が悪くなる。そして、該機構の破損などのリスクが生じることがある。
そこで、本実施例では、移動機構2は、駆動モータ81を含む上流側移動機構2a(図4)と、押圧部材70を支持する支持部材71を含む下流側移動機構2b(図4)と、有し、上流側移動機構2aと下流側移動機構2bとが駆動連結される構成となっている。そして、ベルトユニット2において、上流側移動機構2aが取り付けられ、ベルトユニット3の支持フレーム39に固定されたユニットである固定側ユニット8(図5)と、下流側移動機構2bが取り付けられ、押圧部材70を含むユニット(「押圧部材ユニット」)である2次転写内ユニット7(図5)と、が分離可能になっている。特に、本実施例では、2次転写内ユニット7は、画像形成装置100の前側に移動させて固定側ユニット8から分離可能とされている。そして、ベルトユニット3に対して、押圧部材70を含む2次転写内ユニット7を、画像形成装置100の前側に移動させて取り外すことができるようになっている。これにより、本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量を可変とする機構を備えつつも、押圧部材70の高い交換性を実現することができる。以下、更に詳しく説明する。
図5(a)、(b)は、前述のように、それぞれ本実施例における押圧部材70及び移動機構2の周辺を前側、後側から見た断面側面図である。また、図6は、本実施例における押圧部材ユニットである2次転写内ユニット7を後側から見た斜視図である。
本実施例では、2次転写内ユニット7は、中間転写ベルト31の幅方向に沿って配置される上フレーム72と、上フレーム72の長手方向の両端部に配置される前フレーム74、後フレーム75と、を有する。なお、図5(a)では前フレーム74は図示されていない。前フレーム74は画像形成装置100の前側に配置され、後フレーム75は画像形成装置100の後側に配置され、上フレーム72は押圧部材70などの上方において前フレーム74と後フレーム75とを連結するように配置される。本実施例では、2次転写内ユニット7は、2次転写内ローラ32、及び押圧部材70が取り付けられた支持部材71を含む。つまり、2次転写内ローラ32の回転軸線方向の両端部が、それぞれ軸受け部材を介して回転可能に前フレーム74、後フレーム75に支持されている。また、支持部材71の長手方向の両端部に設けられた回動軸73が、それぞれ回動可能に前フレーム74、後フレーム75に支持されている。
一方、本実施例では、ベルトユニット3の支持フレーム39に設けられたステー85に、駆動支板86が固定されている。なお、本実施例では、支持フレーム39の前側板39a、後側板39bにそれぞれ駆動支持板86が固定されているが、図5(a)では前側の駆動支持板86は図示されていない。そして、この駆動支板86(後側)に対して駆動モータ81が固定されている。また、この駆動支持板86(後側)に第1、第2の伝達ギア82、83が回転可能に支持されている。また、この駆動支持板86(前側及び後側)にカム軸80が回転可能に支持されている。本実施例では、駆動支持板86、駆動モータ81、第1、第2の伝達ギア82、83、カム軸80、駆動ギア80a、カム80c及びフラグ80bなどによって、ベルトユニット3の支持フレーム39に固定されたユニットである固定側ユニット8が構成される。
そして、本実施例では、2次転写内ユニット7の上フレーム72に設けられたガイド部72a、72bが、ベルトユニット3の支持フレーム39に固定されているレール部84a、84bに沿ってスライド可能に係合する。第1の係合部としてのガイド部72a、72bは、それぞれ上フレーム72の長手方向に沿って、該長手方向と略直交する上フレーム72の幅方向の両端部に設けられている。第2の係合部としてのレール部84a、84bは、それぞれ中間転写ベルト31の幅方向に沿ってベルトユニット3の支持フレーム39の前側板39aと後側板39bとの間を連結するように設けられている。これにより、前述のように解除機構3b(図2)により中間転写ベルト31のテンションを解除することで、ベルトユニット3に対して2次転写内ユニット7を中間転写ベルト31の幅方向に沿って挿抜することが可能となっている。
例えば、押圧部材70を交換する際などに、2次転写内ユニット7は中間転写ベルト31の幅方向に沿って画像形成装置100の前側に引き抜かれてベルトユニット3から取り外される。なお、本実施例では、このとき、ベルトユニット3は、前述のように画像形成装置100の前側に引き出されて上方に傾斜させられ、中間転写ベルト31のテンションが解除されている。また、このとき、2次転写外ローラ41は、中間転写ベルト31から離間している。押圧部材70は、例えば、取付部70cごと支持部材71から取り外して交換することができる。また、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する着脱は、押圧部材70の清掃などのメンテナンスのために行われてもよい。また、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する着脱は、押圧部材70の交換やメンテナンスに加えて又は代えて、二次転写内ローラ32の交換や清掃などのメンテナンスのために行われてもよい。さらに、例えば押圧部材70が寿命に達した場合などに、2次転写内ユニット7ごと交換するようになっていてもよい。
また、本実施例では、前フレーム74の後側の側面には位置決め突起74a(本実施例では2つ)が設けられ、後フレーム75の後側の側面には位置決め突起75a(本実施例では2つ)が設けられている。2次転写内ユニット7が中間転写ベルト31の幅方向に沿ってベルトユニット3に対して画像形成装置100の後側に挿入されると、次のようになる。つまり、上記前側及び後側の位置決め突起74a、75aが、それぞれベルトユニット3の支持フレーム39の前側板39a、後側板39bなどに設けられた位置決め穴(図示せず)と嵌合する。これにより、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する位置が決まる。更に、ビスなどの任意の固定手段により2次転写内ユニット7がベルトユニット3に固定されるようになっていてよい。
このように、本実施例では、移動機構2の上流側移動機構2aは、駆動モータ81、第1、第2の伝達ギア82、83、駆動ギア80a、カム軸80、フラグ80b、及びカム80cを有して構成される。また、本実施例では、移動機構2の下流側移動機構2bは、押圧部材70が固定され、カム80cが当接可能なカムフォロワ71aを備えた支持部材71を有して構成される。移動機構2は、これら上流移動機構2aと下流移動機構2bとに分かれており、これら上流側移動機構2aと下流側移動機構2bとは駆動連結される。そして、本実施例では、ベルトユニット2において、上流側移動機構2aが取り付けられた固定側ユニット8と、下流側移動機構2bが取り付けられた2次転写内ユニット7と、が分離可能とされている。特に、本実施例では、2次転写内ユニット7は、画像形成装置100の前側に移動させて固定側ユニット8から分離可能とされている。
ここで、本実施例では、上述のように押圧部材70の位置を可変とし、かつ、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する挿抜時に支持部材71とカム80cとをぶつけるリスクを低減するために、移動機構2は、次のような構成になっている。つまり、画像形成時(作像中)にはカム80cと支持部材71のカムフォロワ71aとを当接させて、押圧部材70の位置を決める。一方、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する挿抜時には、支持部材71のカムフォロワ71aとカム80cとを離間させる。なお、移動機構2の動作に関連して、画像形成時(作像中)とは、記録材Pに転写して画像形成装置100から出力する画像の2次転写を行っている期間を含む。
図7は、本実施例における2次転写内ユニット7及びカム80cを2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って前側から見た断面側面図である。図7(a)は、画像形成時のカム80c及び支持部材71の姿勢の一例を示しており、図7(b)は、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際のカム80c及び支持部材71の姿勢を示している。
本実施例では、支持部材71は、自由状態では自重によるモーメントが図中反時計回り方向、すなわち、支持部材71のカムフォロワ71aがカム80cから離間する方向に発生する構成になっている。つまり、本実施例では、図7(a)において、支持部材71は、押圧部材70が固定された支持部材71の重心71Gに対して、水平方向に関して右側(カム軸80側)に回動軸73が設けられた構成になっている。なお、本実施例では、図7(a)において、カム軸80は、回動軸73に対して水平方向に関して重なる位置の上方に配置されている。そのため、支持部材73は、自由状態では、自重によるモーメントが図中反時計回り方向、すなわち、支持部材71のカムフォロワ71aがカム80cから離間する方向に発生する。
図7(a)に示す画像形成時には、支持部材71は、中間転写ベルト31のテンションが張ることで、押圧部材70を介して中間転写ベルト31から図中時計回り方向にモーメントを受ける。そして、支持部材71のカムフォロワ71aとカム80cとが当接して押圧部材70の位置が決まる。
これに対し、図7(b)に示す2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、中間転写ベルト31のテンションが解除され、支持部材71は自由状態になるため、支持部材71は自重による図中反時計回り方向のモーメントを受ける。そして、支持部材71のカムフォロワ71aがカム80cから離間する。本実施例では、ベルトユニット3は、中間転写ベルト31のテンションが解除されると、図7(b)に示すように支持部材71が図中反時計回り方向に最大限回動した場合でも、中間転写ベルト31と押圧部材70とが接触しない構成になっている。このように、本実施例では、支持部材71を自由状態とする中間転写ベルト31の解除機構3bによって、支持部材71をカム80cから離間させる離間機構が構成される。
2次転写内ユニット7をベルトユニット3に装着する際の動作は、上記取り外す際の動作と逆になる。つまり、中間転写ベルト31のテンションが解除されている状態で、図7(b)に示すように支持部材71が自重により図中反時計回り方向のモーメントを受けている2次転写内ユニット7をベルトユニット3に装着する。そして、中間転写ベルト31のテンションを張ることで、図7(a)に示すようにカムフォロワ71aがカム80cに当接して押圧部材70の位置が決まる。
なお、前述のように、本実施例では、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、ベルトユニット3は前側が上方へと回動させられて傾斜させられるが、移動機構2の動作は上述の通りとなる。
また、本実施例の構成においても、後述する実施例2の場合と同様に、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する挿抜時に、カム80cを支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)させてもよい。具体的には、例えば図7(b)に示すように、カム80cのカムフォロワ71aと接触可能な接触面がカムフォロワ71aとは反対側を向くような位置(位相)までカム80cを回転(退避)させればよい。これにより、支持部材71とカム80cとをぶつけるリスクを更に低減することができる。
このように、本実施例の画像形成装置100は、トナー像を担持する回転可能な無端状のベルト31と、ベルト31を張架する複数の張架ローラであって、内ローラ32と、ベルト31の回転方向に関する内ローラ32よりも上流において内ローラ32に隣接して配置された上流ローラ35と、を含む複数の張架ローラと、ベルト31に張力を付与する張力付与部36と、ベルト31の回転方向に関する内ローラ32よりも上流かつ上流ローラ35よりも下流でベルト31の内周面に接触可能な押圧部材70と、押圧部材70のベルト31に対する押圧量を変更するように押圧部材70を移動させることが可能な移動機構2と、を備えたベルトユニット3と、内ローラ32と対向して配置され、ベルト31の外周面に当接してベルト31から記録材Pへトナー像を転写する転写部N2を形成する外部材41と、を有する。本実施例では、移動機構2は、押圧部材70を支持する移動可能な支持部71と、支持部71に接触して支持部71を移動させる移動可能な接触部80cと、接触部80cを移動させる駆動部81と、を備え、接触部80c及び駆動部81を含む上流側移動機構2aと、支持部71を含む下流側移動機構2bと、が分離可能である。また、本実施例では、ベルトユニット3は、押圧部材70と、移動機構2の上流移動機構2a及び下流移動機構2bのうち下流側移動機構2bのみと、を備えた押圧部材ユニット7が着脱可能である。また、本実施例では、画像形成装置100は、支持部71と接触部80cとを離間させる離間機構(解除機構3b)を有する。そして、本実施例では、押圧部材ユニット7は、離間機構3bにより支持部71が接触部80cから離間された状態で、内ローラ32の回転軸線方向に沿って移動させられてベルトユニット3から取り外されるように構成されている。
また、本実施例では、画像形成装置100は、上記張力を解除する解除機構3bを有し、支持部71は、内ローラ32の回転軸線方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能であり、解除機構3bにより上記張力が解除されることで自由状態となり、上記回動軸線は、上記自由状態となった支持部71が接触部80cから離間する方向に回動するように位置しており、解除機構3bが、上記離間機構を構成する。また、本実施例では、押圧部材ユニット7は、内ローラ32の回転軸線方向に沿って延在する第1の係合部72a、72bを有し、ベルトユニット3は、第1の係合部72aがスライド移動可能に係合する第2の係合部84a、84bを有する。また、本実施例では、押圧部材ユニット7は、画像形成装置100の筐体110aから引き出されて該筐体110aに保持された状態のベルトユニット3から取り外される。また、本実施例では、押圧部材ユニット7は、内ローラ32を含む。また、本実施例では、押圧部材70は、長手方向がベルト31の幅方向と略平行に配置され、短手方向におけるベルト31の回転方向の上流側の端部が支持部71に固定され、短手方向におけるベルト31の回転方向の下流側の端部がベルト31の内周面と接触可能な板状部材で構成されている。また、本実施例では、ベルト31は、像担持体11から1次転写されたトナー像を転写部N2で記録材Pに2次転写するために搬送する中間転写体である。
以上説明したように、本実施例によれば、押圧部材70の位置を可変としつつ、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する挿抜時に支持部材71とカム80cとをぶつけるリスクを低減することができる。そして、本実施例によれば、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する押圧量が可変な構成における押圧部材70の交換性を向上することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1の構成によれば、簡易な構成で、2次転写内ユニット7のベルトユニット3に対する挿抜時に支持部材71とカム80cとをぶつけるリスクを低減することができる。しかし、実施例1の構成では、支持部材71の回動軸73から押圧部材70の先端位置までの距離が長いために、カム80cとの当接面に対してアーム比を確保することが難しくなることが考えられる。この場合、カム80cと支持部材71との位置関係のばらつきが押圧部材70の先端位置のばらつきに対して与える影響度が高くなることが考えられる。そのため、部品精度などによっては、押圧部材70の先端位置がばらつきやすくなることが考えられる。そこで、本実施例では、移動機構2は、以下のような構成になっている。
図8は、本実施例における2次転写内ユニット7及びカム80cを2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って前側から見た断面側面図である。図8(a)は、画像形成時のカム80c及び支持部材71の姿勢の一例を示しており、図8(b)は、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際のカム80c及び支持部材71の姿勢を示している。
本実施例では、支持部材71は、自由状態では自重によるモーメントが図中時計回り方向、すなわち、支持部材71のカムフォロワ71aがカム80cに当接する方向に発生する構成になっている。つまり、本実施例では、図8(a)において、支持部材71は、押圧部材70が固定された支持部材71の重心71Gに対して、水平方向に関して左側(カム軸80とは反対側)に回動軸73が設けられた構成になっている。なお、本実施例では、図8(a)において、カム軸80は、回動軸73に対して水平方向に関して右側にずれた位置で上方に配置されている。また、本実施例では、2次転写内ユニット7の前フレーム74及び後フレーム75には、それぞれ規制部としての突起部76が設けられている。突起部76は、支持部材71に当接して、支持部材71が図中時回り方向に所定角度以上回動しないように規制する。なお、突起部76は、上述のように支持部材71の回動を規制できればよく、支持部材71に固定された押圧部材70の取付部70cに当接するようになっていてもよい。押圧部材70の取付部70cは、支持部材71とともに押圧部材70を支持する支持部を構成するものと見ることができる。
図8(a)に示す画像形成時には、支持部材71は、自重による図中時計回り方向のモーメントに加えて、中間転写ベルト31のテンションが張ることで、押圧部材70を介して中間転写ベルト31から図中時計回り方向にモーメントを受ける。そして、支持部材71のカムフォロワ71aとカム80cとが当接して押圧部材70の位置が決まる。
これに対し、図8(b)に示す2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、支持部材71は、自重によるモーメントで図中時計回り方向に回転し、突起部76に突き当たって位置が決まる。このとき、本実施例では、カム80cは、突起部76に突き当たる位置まで回動した支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)している。具体的には、カム80cのカムフォロワ71aと接触可能な接触面がカムフォロワ71aとは反対側を向くような位置(位相)である退避位置(位相)までカム80cが回転(退避)している。そのため、支持部材71が突起部76に突き当たる位置まで回動した状態で、支持部材71のカムフォロワ71aはカム80cから離間する。なお、本実施例においても、実施例1と同様に、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、中間転写ベルト31のテンションは解除される。このように、本実施例では、突起部76、及びカム80cを退避させる退避機構を構成する駆動モータ81や制御部50などによって、支持部材71をカム80cから離間させる離間機構が構成される。
本実施例では、移動機構2のニュートラルポジションは、図8(b)に示すようにカム80cが支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)した状態に設定されている。そのため、本実施例では、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、カム80cは支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)した状態となっている。ただし、本発明は斯かる態様に限定されるものではなく、作業者が2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す作業を行う際に、制御部50がカム80cを上述のように退避した状態とするようになっていてもよい。例えば、制御部50は、操作部130(図13)における作業者による操作に応じて、2次転写内ユニット7のベルトユニット3からの取り外しが行われることを示す信号を取得することができる。制御部50は、この信号を取得したことに応じて、カム80cを上述のように退避した状態とすることができる。あるいは、画像形成装置100には、作業者がベルトユニット3にアクセスすることを可能にする装置本体110に設けられた扉の開閉を検知する開閉センサ140(図13)が設けられていてよい。制御部50は、該開閉センサ140から、該扉が開放されたことを示す信号を取得することができる。制御部50は、この信号を取得したことに応じて、カム80cを上述のように退避した状態とすることができる。一方、制御部50は、2次転写内ユニット7が適切にベルトユニット3に装着され、ベルトユニット3が適切に装置本体110に装着された場合に、その後の最初の画像形成の前に、カム80cを支持部材71に接触可能な位置まで回転させることができる。
2次転写内ユニット7をベルトユニット3に装着する際の動作は、上記取り外す際の動作と逆になる。つまり、中間転写ベルト31のテンションが解除されている状態で、図8(b)に示すように支持部材71が自重により図中時計回り方向のモーメントを受けて突起部76に突き当たっている2次転写内ユニット7をベルトユニット3に装着する。このとき、カム80cは支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)した状態とされている。そして、中間転写ベルト31のテンションを張り、カム80cを支持部材71と接触可能な位置(位相)まで回転させることで、図8(a)に示すようにカムフォロワ71aがカム80cに当接して押圧部材70の位置が決まる。
なお、前述のように、本実施例では、2次転写内ユニット7をベルトユニット3から取り外す際には、ベルトユニット3は前側が上方へと回動させられて傾斜させられるが、移動機構2の動作は上述の通りとなる。
ここで、本実施例では、移動機構2は、押圧部材70の位置を変更することで、押圧部材70の中間転写ベルト31に対する当接又は離間の状態を変更することができるようになっている。つまり、上述のように、カム80cを支持部材71に接触しない位置(位相)まで回転(退避)させることで、支持部材71が突起部76に突き当たる。そして、本実施例では、突起部76は、このときにテンションが張られた中間転写ベルト31の内周面から押圧部材70の先端部が離間するように設けられている。本実施例では、上述のように支持部材71は自重で図中時計回り方向に回動するので、バネなどの特別の付勢手段を設けることなく、押圧部材70を中間転写ベルト31から離間させることができる。画像形成装置100は、少なくとも一つの所定のモードでの画像形成時(2次転写時)に、押圧部材70の先端部が中間転写ベルト31の内周面から離間した状態とされるようになっていてもよい。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、接触部80cを支持部71に接触しない退避位置に移動させる退避機構(駆動モータ81、制御部50)を有し、支持部71は、内ローラ32の回転軸線方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能であり、接触部80cが上記退避位置に移動されることで自由状態となり、上記回動軸線は、上記自由状態となった支持部71が接触部80cに向かう方向に回動するように位置しており、押圧部材ユニット7には、上記自由状態となって回動した支持部71と当接して支持部71の回動を規制し、支持部71を接触部80cから離間した状態で保持する規制部76が設けられており、上記退避機構81、50及び規制部76が、支持部71と接触部80cとを離間させる離間機構を構成する。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られるとともに、回動軸73から押圧部材70の先端位置までの距離を詰めることができ、押圧部材70の先端位置をより高精度に決めることができる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例は、実施例1とは、主に、移動機構2における駆動モータ81を含む上流移動機構2a(固定側ユニット8)の構成が異なる。
図9は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2を前側から見た斜視図である。また、図10は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2の周辺を2次転写内ローラ32の回転軸線方向に沿って前側から見た断面側面図である。
実施例1と同様、押圧部材70は支持部材71に固定されており、支持部材71は回動軸73を中心に回転可能に2次転写内ユニット7の前フレーム74、後フレーム75(図6)に支持されている。
また、本実施例では、移動機構2は、中間転写ベルト31の幅方向に沿って延在する円柱状部材で構成された従動加圧リンク軸80dを有する。従動加圧リンク軸80dは、中間転写ベルト31の幅方向と略平行な回転軸線の周りを回転可能なように、ベルトユニット3の支持フレーム39に支持されている。また、移動機構2は、従動加圧リンク80eを有する。従動加圧リンク80eは、従動加圧リンク軸80dに固定されている。従動加圧リンク80eは、従動加圧リンク軸80dの回転軸線方向の両端部にそれぞれ設けられている。また、移動機構2は、駆動源としてのステッピングモータで構成された駆動モータ81、駆動加圧リンク81b、駆動加圧リンク81bに設けられたフラグ81c、及び付勢手段としての付勢部材(弾性部材)である加圧バネ87を有する。駆動モータ81、駆動加圧リンク81b、フラグ81c及び加圧バネ87は、従動加圧リンク軸80dの回転軸線方向の後側に設けられている。フラグ81cを有する駆動加圧リンク81bは、駆動モータ81の出力軸に固定されている。そして、後側の従動加圧リンク80eと、駆動加圧リンク81bとは、加圧バネ87で連結されている。本実施例では、加圧バネ87は、ピアノ線で形成された付勢部材である引張コイルバネで構成されている。駆動モータ81は、ベルトユニット3の支持フレーム39に支持されている。
従動加圧リンク80eは、支持部材71の被接触部71aと接触する接触部80fを有している。従動加圧リンク80eは、接触部80f及び被接触部71aを介して加圧バネ87の力を押圧部材70に伝える。そして、加圧バネ87の力と押圧部材70が中間転写ベルト31から受ける反力とが釣り合うところまで支持部材71が回動して、支持部材71の姿勢、すなわち、押圧部材70の位置が決まる。そして、本実施例では、駆動モータ81が回転駆動されることで駆動加圧リンク81bの角度が変わり、更に加圧バネ87の変形量が変化することでバネ力が変化し、支持部材71の姿勢、すなわち、押圧部材70の位置も変化する。
また、実施例1と同様、ベルトユニット3には位置センサ89(図9及び図10には図示せず)が設けられており、位置センサ89及びフラグ81cの作用により、移動機構2の姿勢を予め設定されたニュートラルポジションにすることができる。
本実施例における2次転写内ユニット7の構成は、実施例1におけるものと実質的に同じであり、実施例1と同様にしてベルトユニット3に対して挿抜可能な構成になっている。また、本実施例では、ベルトユニット3の支持フレーム39に設けられたステー85に、駆動支板86が固定されている。なお、本実施例では、支持フレーム39の前側板39a、後側板39bにそれぞれ駆動支持板86が固定されているが、図10では前側の駆動支持板86は図示されていない。そして、この駆動支板86(後側)に対して駆動モータ81が固定されている。また、この駆動支持板86(前側及び後側)に従動加圧リンク軸80dが回転可能に支持されている。本実施例では、駆動支持板86、駆動モータ81、駆動加圧リンク81b、フラグ81c、加圧バネ87、従動加圧リンク軸80d及び従動加圧リンク80eなどによって、支持フレーム39に固定されたユニットである固定側ユニット8が構成される。
本実施例では、押圧部材70として、中間転写ベルト31を傷つけにくく、また絶縁性も確保することのできる、プラスチック材料で形成されたものを採用している(実施例1も同様)。しかし、プラスチック材料で形成された押圧部材70は、環境温度やクリープ変形の影響で経時的に弾性率が変化しやすいことがある。そのため、実施例1における移動機構2の構成であると、支持部材71の姿勢を所望の姿勢に保てるものの、押圧部材70の先端位置は弾性率の変化とともに変化してしまう可能性がある。
これに対して、本実施例における移動機構2の構成では、加圧バネ87に経時的な変化が少ないピアノ線製のバネを用いているため、押圧部材70と中間転写ベルト31との安定した接触圧を実現することができる。また、押圧部材70の弾性率よりも加圧バネ87の弾性率を小さくすることで、押圧部材70の弾性率が経時的に変化しても加圧バネ87のバネ力はほとんど変化することなく、押圧部材70の先端位置の変化を小さく抑えることが可能となる。
なお、本実施例における押圧部材70の付勢機構によれば、押圧部材70として比較的剛性の高い金属製の板状部材(板金)などで形成されたものを用いてもよい。付勢部材によりその押圧部材70を付勢することで、その押圧部材70により中間転写ベルト31を弾性付勢することができる。
このように、本実施例では、移動機構2は、接触部80fと駆動部81との間に弾性変形可能な弾性変形部87を有し、駆動部81は、弾性変形部87の変形量を変化させることが可能である。また、本実施例では、押圧部材70は弾性変形可能であり、押圧部材70の弾性率は弾性変形部材87の弾性率よりも大きい。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られるとともに、押圧部材70の経時変化の影響を低減して、押圧部材70の先端位置を安定して所望の位置に保つことが可能となる。
なお、実施例2におけるものと実質的に同じ2次転写内ユニット7の構成を本実施例に組み合わせてもよい。
[実施例4]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
また、本実施例は、実施例3の変形例である。本実施例において、実施例3のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。図11は、本実施例における押圧部材70及び移動機構2を前側から見た斜視図である。
実施例3における移動機構2の構成によれば、押圧部材70の経時変化の影響を低減して、押圧部材70の先端位置を安定して所望の位置に保つことが可能となる。しかし、実施例3の構成では、中間転写ベルト31と押圧部材70との接触圧が加圧バネ87のバネ力に依存している。そのため、記録材Pが2次転写部N2に突入してきた際に押圧部材70が外力を受けると、押圧部材70は加圧バネ87の弾性率に依存した変形を起こしてしまうことがある。その結果、適切な押圧部材70の先端位置を保つことができなくなる可能性がある。
そこで、本実施例では、図11に示すように、従動加圧リンク軸80dは、カップリング88bを介して電磁クラッチ88の出力軸88aと接続されている。従動加圧リンク軸80dは、接触部80fと一体で移動する移動部を構成する。また、この電磁クラッチ88の入力軸88cは、ベルトユニット3の支持フレーム39の後側板39bに固定されている。本実施例では、電磁クラッチ88としてクローズドタイプのものを用いている。この電磁クラッチ88は、電圧の遮断状態では入力軸88cと出力軸88aとが連結され、電圧を印加すると内蔵スプリング(図示せず)が解放されて入力軸88cと出力軸88aとの連結が外れる構成になっている。本実施例では、制御部50には、電磁クラッチ88に電圧を印加する電源(図示せず)が接続されており、制御部50はこの電源の出力のON・OFFを制御できるようになっている。本実施例では、クラッチ機構としての電磁クラッチ88が、押圧部材70の位置を固定する固定手段を構成する。
そして、本実施例では、制御部50は、駆動モータ81により駆動加圧リンク81bを回転駆動する際には電磁クラッチ88に通電して従動加圧リンク軸80dを回転自在とする。一方、制御部50は、駆動モータ81の回転駆動が終了した後に電磁クラッチ88への電圧の入力を遮断することで従動加圧リンク軸80dの位置を固定する。これにより、記録材Pが2次転写部N2に突入してきた際にも支持部材71の姿勢が固定され、実施例1と同様に押圧部材70の先端位置を保つことが可能となる。
以上のように、本実施例によれば、加圧バネ87と電磁クラッチ88とを用いることで、押圧部材70の経時変化の影響を低減することができるとともに、記録材Pによる外力の影響を受けた際に押圧部材70の先端位置を所望の位置に保つことが可能となる。
なお、押圧部材70の位置を固定する固定手段は、上記本実施例の態様に限定されるものではない。
例えば、従動加圧リンク機構に接続するクラッチ機構は、電磁クラッチ88に限定されるものではない。例えば、ワンウェイクラッチ(図示せず)を従動加圧リンク軸80dと従動加圧リンク80eとの間に配置する構成としてもよい。この場合、従動加圧リンク80eは、接触部80fと一体で移動する移動部を構成する。ワンウェイクラッチは、従動加圧リンク軸80dに対して従動加圧リンク80eを図10中の時計回り方向には回転自在に、図10中の反時計回り方向にはロックするように配置される。これにより、記録材Pが2次転写部N2に突入してきた際にも支持部材71の姿勢を保つことができる。また、加圧バネ87の変形量を小さくする際には、駆動モータ81が駆動加圧リンク81bを図10中の時計回り方向に回転させる。それとともに、伝達ギア(図示せず)を介して従動加圧リンク軸80dを反時計回り方向に回転させることで、従動加圧リンク80eも反時計回り方向に回転させる。
また、記録材Pが2次転写部N2に突入してきた際に発生する外力は一時的なものであるため、図12に示すように、クラッチ機構の代わりダンパー機構を用いて同様の効果を得ることも可能である。図11は、ダンパー機構を用いた本実施例の変形例における押圧部材70及び移動機構2を前側から見た斜視図である。この例では、従動加圧リンク軸80dと、ベルトユニット3の支持フレーム39の後側板39bに固定されたダンパー機構としてのロータリーダンパー90の出力軸90aとが、カップリング90bを介して連結されている。
また、上述のクラッチ機構(電磁クラッチ88、ワンウェイクラッチ)、ダンパー機構90は、従動加圧リンク軸80dに代えて、支持部材71の回動軸73に連結されていてもよい。これによっても上記同様の効果が得られる。この場合、回動軸73は、押圧部材70の支持部としての支持部材71と一体で移動する移動部を構成する。
このように、移動機構2は、接触部80f又は支持部71と一体で移動する移動部(80d、80e、73)に連結されたクラッチ機構88を有していてよい。このクラッチ機構88は、駆動部81により支持部71を移動させる際には上記移動部の移動を許容し、転写を行う際(画像形成時)の該移動を規制する。また、移動機構2は、接触部80f又は支持部71と一体で移動する移動部(80d、80e、73)に連結されたダンパー機構90を有していてもよい。このダンパー機構90は、駆動部81により支持部71を移動させる際には移動部71の移動を許容し、転写を行う際(画像形成時)の該移動を規制する。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1、3と同様の効果が得られるとともに、2次転写部N2に記録材Pが突入した際の外力により押圧部材70の支持部材71の姿勢が変化することを抑制することができる。
なお、実施例2におけるものと実質的に同じ2次転写内ユニット7の構成を本実施例に組み合わせてもよい。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、2次転写内ユニットを挿抜可能とするために、レール及びレールガイドが設けられていたが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。ベルトの幅方向に沿って、典型的には画像形成装置の前側から、押圧部材ユニットを取り外せる構成であればよい。例えば、レール及びレールガイドが設けられておらず、実施例1で説明した位置決め突起と位置決め穴の係合を解除した後に、作業者がベルトの幅方向に沿って押圧部材ユニットを移動させて取り外すようになっていてもよい。
また、上述の実施例では、押圧部材ユニットには2次転写内ローラが設けられていたが、本発明は斯かる態様に限定されるものではなく、例えば押圧部材ユニットは、実質的に押圧部材が固定された支持部材のみを有するユニットであってもよい。ただし、押圧部材ユニットが2次転写内ローラを含んでいる場合、2次転写内ローラと押圧部材との間の位置精度の向上を図ることができる。また、押圧部材ユニットには、転写部へと搬送される記録材をガイドするガイド部材(搬送ガイド、2次転写入口ガイド)が固定される構成になっていてもよい。この場合、例えば、押圧部材ユニットから搬送ガイドを先に取り外してから該ユニットを取り外すようにすることができる。押圧部材ユニットに搬送ガイドが固定される場合、押圧部材と搬送ガイドとの間の位置精度の向上を図ることができる。
また、押圧部材は、中間転写ベルトの内周面に単に接触するように配置されてもよい。この場合も、2次転写部の上流における中間転写ベルトの変形を抑制する効果がある程度得られる。
また、ベルトユニットは、画像形成装置の装置本体から引き出して傾斜させることが可能な構成であることに限定されるものではない。ベルトユニットが実質的に画像形成装置の装置本体内に収容されたまま押圧部材が交換される構成の場合も、本発明によれば押圧部材ユニットの交換性を向上することができる。また、ベルトユニットは、押圧部材ユニットが装着されたまま、あるいは押圧部材ユニットが取り外された状態で、交換などのために画像形成装置の装置本体に対して着脱可能となっていてもよい。
また、押圧部材としては、例えば、スポンジやゴムなどの弾性体で形成されたローラ、樹脂、金属などの剛体で形成されたローラなどを用いることも企図し得る。ただし、押圧部材を2次転写部に十分に近接して配置する観点などから、押圧部材は上述の実施例におけるような板状の部材であることが好ましい。
また、上述の実施例では、内部材としての内ローラと共に2次転写部を形成する外部材として、中間転写ベルトの外周面に直接当接する外ローラが用いられていた。これに対して、外部材として外ローラ及び該外ローラと他のローラとに張架された2次転写ベルトが用いられる構成とされていてもよい。そして、外ローラが2次転写ベルトを介して中間転写ベルトの外周面に当接するようにすることができる。斯かる構成においては、中間転写ベルトの内周面に接触する内ローラと、2次転写ベルトの内周面に接触する外ローラとで、中間転写ベルト及び2次転写ベルトを挟持することによって、2次転写部が形成される。
また、上述の実施例では、ベルト状の像担持体が中間転写ベルトである場合について説明したが、画像形成位置で担持されたトナー像を搬送する無端状のベルトで構成された像担持体であれば、本発明を適用することができる。このようなベルト状の像担持体としては、上述の実施例における中間転写ベルトの他、感光体ベルトや静電記録誘電体ベルトが例示できる。
また、本発明は、上述の実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。したがって、ベルト状の像担持体を用いる画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型、帯電方式、静電像形成方式、現像方式、転写方式、定着方式の区別無く実施できる。上述の実施例では、トナー像の形成/転写に係る主要部を中心に説明したが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機など、種々の用途で実施できる。
1 画像形成部
2 移動機構
3 ベルトユニット
7 2次転写内ユニット
8 固定側ユニット
31 中間転写ベルト
32 2次転写内ローラ
70 押圧部材
71 支持部材
71a カムフォロワ
80 カム軸
80c カム
81 駆動モータ
2 移動機構
3 ベルトユニット
7 2次転写内ユニット
8 固定側ユニット
31 中間転写ベルト
32 2次転写内ローラ
70 押圧部材
71 支持部材
71a カムフォロワ
80 カム軸
80c カム
81 駆動モータ
Claims (15)
- トナー像を担持する回転可能な無端状のベルトと、
前記ベルトを張架する複数の張架ローラであって、内ローラと、前記ベルトの回転方向に関する前記内ローラよりも上流において前記内ローラに隣接して配置された上流ローラと、を含む複数の張架ローラと、
前記ベルトに張力を付与する張力付与部と、
前記ベルトの回転方向に関する前記内ローラよりも上流かつ前記上流ローラよりも下流で前記ベルトの内周面に接触可能な押圧部材と、
前記押圧部材の前記ベルトに対する押圧量を変更するように前記押圧部材を移動させることが可能な移動機構と、
を備えたベルトユニットと、
前記内ローラと対向して配置され、前記ベルトの外周面に当接して前記ベルトから記録材へトナー像を転写する転写部を形成する外部材と、
を有する画像形成装置において、
前記移動機構は、前記押圧部材を支持する移動可能な支持部と、前記支持部に接触して前記支持部を移動させる移動可能な接触部と、前記接触部を移動させる駆動部と、を備え、前記接触部及び前記駆動部を含む上流側移動機構と、前記支持部を含む下流側移動機構と、が分離可能であり、
前記ベルトユニットは、前記押圧部材と、前記移動機構の前記上流移動機構及び前記下流移動機構のうち前記下流側移動機構のみと、を備えた押圧部材ユニットが着脱可能であり、
前記画像形成装置は、前記支持部と前記接触部とを離間させる離間機構を有し、
前記押圧部材ユニットは、前記離間機構により前記支持部が前記接触部から離間された状態で、前記内ローラの回転軸線方向に沿って移動させられて前記ベルトユニットから取り外されるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記張力を解除する解除機構を有し、
前記支持部は、前記内ローラの回転軸線方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能であり、前記解除機構により前記張力が解除されることで自由状態となり、
前記回動軸線は、前記自由状態となった前記支持部が前記接触部から離間する方向に回動するように位置しており、
前記解除機構が、前記離間機構を構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記接触部を前記支持部に接触しない退避位置に移動させる退避機構を有し、
前記支持部は、前記内ローラの回転軸線方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能であり、前記接触部が前記退避位置に移動されることで自由状態となり、
前記回動軸線は、前記自由状態となった前記支持部が前記接触部に向かう方向に回動するように位置しており、
前記押圧部材ユニットには、前記自由状態となって回動した前記支持部と当接して前記支持部の回動を規制し、前記支持部を前記接触部から離間した状態で保持する規制部が設けられており、
前記退避機構及び前記規制部が、前記離間機構を構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記押圧部材ユニットは、前記内ローラの回転軸線方向に沿って延在する第1の係合部を有し、前記ベルトユニットは、前記第1の係合部がスライド移動可能に係合する第2の係合部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記押圧部材ユニットは、前記画像形成装置の筐体から引き出されて該筐体に保持された状態の前記ベルトユニットから取り外されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記押圧部材ユニットは、前記内ローラを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記押圧部材ユニットには、前記転写部へと搬送される記録材をガイドするガイド部材が固定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記移動機構は、前記接触部と前記駆動部との間に弾性変形可能な弾性変形部を有し、前記駆動部は、前記弾性変形部の変形量を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記押圧部材は弾性変形可能であり、前記押圧部材の弾性率は前記弾性変形部材の弾性率よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記移動機構は、前記接触部又は前記支持部と一体で移動する移動部に連結されたクラッチ機構を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記クラッチ機構は、前記駆動部により前記支持部を移動させる際には前記移動部の移動を許容し、前記転写を行う際の該移動を規制することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記移動機構は、前記接触部又は前記支持部と一体で移動する移動部に連結されたダンパー機構を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記ダンパー機構は、前記駆動部により前記支持部を移動させる際には前記移動部の移動を許容し、前記転写を行う際の該移動を規制することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記押圧部材は、長手方向が前記ベルトの幅方向と略平行に配置され、短手方向における前記ベルトの回転方向の上流側の端部が前記支持部に固定され、短手方向における前記ベルトの回転方向の下流側の端部が前記ベルトの内周面と接触可能な板状部材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記ベルトは、像担持体から1次転写されたトナー像を前記転写部で記録材に2次転写するために搬送する中間転写体であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2021132486A JP2023026990A (ja) | 2021-08-16 | 2021-08-16 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2023026990A true JP2023026990A (ja) | 2023-03-01 |
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Family Applications (1)
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2021
- 2021-08-16 JP JP2021132486A patent/JP2023026990A/ja active Pending
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