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JP2023021556A - 芳香カートリッジ - Google Patents

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JP2023021556A
JP2023021556A JP2021126489A JP2021126489A JP2023021556A JP 2023021556 A JP2023021556 A JP 2023021556A JP 2021126489 A JP2021126489 A JP 2021126489A JP 2021126489 A JP2021126489 A JP 2021126489A JP 2023021556 A JP2023021556 A JP 2023021556A
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龍志 渡邊
Tatsushi Watanabe
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Future Technology Co Ltd
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Abstract

【課題】芳香カートリッジの形態によらず、喫煙に適した通気性を有し、かつ十分なエアロゾルを発生させることが可能な芳香カートリッジを提供する。【解決手段】 芳香カートリッジは、電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記電気的加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる。芳香カートリッジは、筒状のカバーと、前記カバーに収容され、かつ加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、を有する。前記芳香基材は、該芳香基材どうしの間に、通気性を有する通気部材が配置された状態で、前記カバー内に配置されている。【選択図】 図3

Description

本発明は、電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、当該電気的加熱手段によって加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させることが可能な芳香カートリッジに関する。
芳香カートリッジは、電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、当該電気的加熱手段によって加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる。
このような芳香カートリッジ及び、吸引器具としては、一組の電気発熱体によって電気的に加熱され、タバコの香味または他の成分を蒸気またはエアロゾルの形態で発生して喫煙者に送る喫煙装置が特許文献1に開示されている。
特開平07-184627号公報
ところで、芳香カートリッジは、吸引器具の仕様によってさまざまな形態をとり得る。例えば、芳香カートリッジは、円筒状に形成されることが多いが、電気的加熱手段がブレード状やピン状に形成されている吸引器具においては、加熱によりエアロゾルを発生させる芳香基材に電気的加熱手段を挿通可能に芳香カートリッジの径が設定される。
これに対して、電気的加熱手段が、芳香カートリッジの外周面を加熱可能に筒状等に形成されている吸引器具においては、芳香基材に電気的加熱手段を挿通させる必要がないため、ブレード状等に形成されている吸引器具に使用される芳香カートリッジよりもその径が小さく設定することが可能である。
芳香カートリッジは、その形態によらず、その喫煙感や喫煙可能な時間が一定であることがユーザには望まれている。このため、エアロゾルを発生させる芳香基材を芳香カートリッジに充填する量は、芳香カートリッジの形態によらず一定以上有することが好ましい。
芳香カートリッジに充填される芳香基材の軸方向の長さが長くなると、エアロゾルの流路における通気抵抗が高くなり、喫煙に適した十分なエアロゾルが得られにくいという問題がある。
また、エアロゾルの流路における通気抵抗を低くするために、芳香基材の量を少なくすると、カートリッジの一端側又は、他端側に芳香基材が移動する恐れがある。このような位置に芳香基材が移動すると、吸引器具に芳香カートリッジを装着した際に、吸引器具の電気的加熱手段によって加熱することが可能な領域(加熱領域)に芳香基材が配置されず、適切にエアロゾルを発生させることができなくなる問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、芳香カートリッジの形態によらず、喫煙に適した通気性を有し、かつ十分なエアロゾルを発生させることが可能な芳香カートリッジを提供することを目的とする。
本発明の芳香カートリッジは、電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記電気的加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる芳香カートリッジにおいて、筒状のカバーと、前記カバーに収容され、かつ加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、を有し、前記芳香基材は、該芳香基材どうしの間に、通気性を有する通気部材が配置された状態で、前記カバー内に配置されていることを特徴とする。
本発明の芳香カートリッジによれば、通気部材が芳香基材どうしの間に配置されているため、カバー内における通気抵抗を低減させることが可能となる。したがって、エアロゾルを吸引しやすくすることが可能となる。また、エアロゾルと空気が適切に混ざり合うことにより、風味の変質を防止することが可能となる。さらに、カバーの軸方向に亘って芳香基材を配置することが可能となるため、吸引器具の電気的加熱手段の熱を効率よく芳香基材に伝えることが可能となる。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記通気部材は、多孔質無機材料、繊維積層体から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記多孔質無機材料は、軽石、多孔質セラミックス、多孔質鉱物から選ばれた少なくとも1種であり、前記繊維積層体は、綿、羊毛、不織布から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記芳香基材は粒状をなし、該粒状の前記芳香基材の間に、前記通気部材が配置されていることが好ましい。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記芳香基材の層と、前記通気部材の層とが積層されたものが、充填されている、ことが好ましい。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記芳香基材は粒状をなし、前記カバーの先端側を閉塞し、かつ前記カバーの軸方向に対して通気性を有する蓋材を有することが好ましい。
このような態様によれば、芳香基材がカバーの先端側から外部に流出することを防止することができる。
本発明の芳香カートリッジにおいて、前記芳香基材に接して設けられ、かつ前記芳香基材の前記カバーの基端側への移動を規制する規制部材が設けられ、前記規制部材は、前記カバーの軸方向に対して通気性を有することが好ましい。
このような態様によれば、芳香基材が基端側に移動することを防止することができ、電気的加熱手段による加熱に適した位置で芳香基材を保持することができる。
本発明の芳香カートリッジによれば、カバーの軸方向における通気抵抗の低減を図ることが可能となる。このため、芳香基材から発生したエアロゾルを吸いやすさの改善を図ることが可能となる。また、エアロゾルと空気を適切な配分で混合することができるため、風味の改善を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る芳香カートリッジの斜視図である。 芳香カートリッジの展開斜視図である。 図1の芳香カートリッジの断面図である。 図1の芳香カートリッジを吸引器具に装着した際の態様を示す説明図である。 図1の芳香基材の製造工程を示すフロー図である。 図5の原料(A2)製造工程を示すフロー図である。 図1の芳香基材の他の製造工程を示すフロー図である。 実施形態2に係る芳香カートリッジの断面図である。 実施形態3に係る芳香カートリッジの断面図である。 実施形態4に係る芳香カートリッジの断面図である。 実施形態5に係る通気部材の説明図である。 実施形態5に係る芳香カートリッジの断面図である。 実施形態6に係る芳香カートリッジの断面図である。
[実施形態1]
以下、図面を参照して、本発明に係る芳香カートリッジの、一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る芳香カートリッジの斜視図である。図2は、芳香カートリッジの展開斜視図である。図3は、図1の芳香カートリッジの断面図である。図4は、本実施形態に係る芳香カートリッジを吸引器具に装着した際の態様を示す説明図である。
[芳香カートリッジ100の構成]
図1及び図2に示すように、芳香カートリッジ100は、例えば、加熱式タバコのカートリッジに用いることができる。以下、芳香カートリッジ100が、電気的加熱手段を有する吸引器具である加熱式タバコに用いられるカートリッジである例について説明する。
芳香カートリッジ100は、筒状のカバー10と、当該カバー10の一端側に収容された芳香基材20と、カバー10の他端側に収容されたフィルタ30と、芳香基材20及びフィルタ30の間に配された規制部材40と、カバー10の先端側の開口を閉塞する蓋材50を備える。本実施形態においては、蓋材50、芳香基材20、規制部材40及びフィルタ30は、カバー10の一端側から他端側に向かって軸方向に沿って配設されている。
カバー10は、芳香基材20を覆う巻紙11と、巻紙11の外側からフィルタ30の外周部分を更に覆うチップペーパー12とで構成されている。巻紙11は、チップペーパー12と接着や熱融着などの手段で接合されている。
巻紙11及び、チップペーパー12は、例えば、紙、合成樹脂フィルム、金属箔などによって構成することができ、これらがラミネートされた複合シートであってもよい。また、巻紙11、及びチップペーパー12の内面には、接着剤層やホットメルト層などの接着又は融着可能な層が形成されていてもよい。
本実施形態において、巻紙11は、芳香基材20をまとめて柱状に形成する役割をなす。巻紙11は、芳香基材20、規制部材40及びフィルタ30を連結する役割をなす。チップペーパー12は、ユーザが芳香カートリッジ100を口で咥える部分(マウスピース)を補強する役割をなす。尚、カバー10は、巻紙11、及びチップペーパー12が個別に構成されるものに限定されるものではなく、例えば、巻紙11、及びチップペーパー12が一体化された一枚のシートで構成されていてもよい。
本実施例においては、図2及び図3にも示すように、芳香基材20、規制部材40及びフィルタ30は、カバー10の一端側から他端側に向かって軸方向に沿って配設されている。尚、カバー10の内壁によって囲まれた空間は、エアロゾルの流路となる。
芳香基材20は、例えば、棒状、短冊状、粉体状、顆粒状、粒状、ペレット状、小片状、シート状、繊維状、多孔質状、ペースト状またはブロック状の構成要素21の集合体であり得る。本実施形態においては、芳香基材20は、粒状の構成要素21によって全体として円筒状に形成されている。
芳香基材20は、吸引器具である加熱式タバコの電気的加熱手段によって加熱されることにより、芳香成分を含有するエアロゾルを発生させることが可能である。芳香基材20としては、タバコ植物に限らず、非タバコ植物を原料とする植物の粉砕乾燥物と、エアロゾルを発生させることが可能なエアロゾルフォーマと、加熱されることによって溶融する熱融解性物質とを含有するものが好ましく用いられる。芳香基材20の構成については後述する。
芳香基材20の構成要素どうしの間には、カバー10の軸方向に対して通気性を有する通気部材22が配置されている。言い換えれば、芳香基材20は、該芳香基材どうしの間に、通気性を有する通気部材22が配置された状態で、カバー10内に配置されている。
図3にも示されるように、本実施形態では、芳香基材20は、複数の粒状をなす構成要素21で構成され、該粒状の構成要素21の間に、通気部材22が配置されている。
通気部材22は、芳香基材20よりも高い通気性を有する。当該通気性は、芳香基材20の間に配置されることによって、喫煙に必要な通気性を付与できる程度の通気性を有していればよく、例えば、フィルタ30と同程度以上の通気性を有することが好ましい。なお、フィルタ30の通気抵抗は、15~100(mmHO/20mm)である。
通気部材22としては、多孔質無機材料、繊維積層体から選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。多孔質無機材料としては、例えば、軽石、多孔質セラミックス、多孔質鉱物が挙げられる。多孔質無機材料は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維積層体としては、例えば、綿、羊毛、不織布などの繊維の積層体が挙げられる。繊維積層体は、1種類の繊維の積層体でもよく、2種類以上の繊維の積層体であってもよい。本実施形態においては、通気部材22は、綿の繊維が絡み合うことで塊状に形成された繊維積層体が用いられている。
繊維積層体の繊維は、例えば、加熱式タバコの電気的加熱手段によって加熱される温度域(例えば、180~400℃)に応じた耐熱性を有する繊維(天然繊維及び、合成繊維のうちいずれを用いてもよい)を用いるとよい。
通気部材22の形状が粒状であり、かつ芳香基材20の構成要素21も粒状に形成されている場合、通気部材の平均粒径は、構成要素21の平均粒径の0.5~5.0倍が好ましく、2.0~4.0倍がより好ましい。
また、通気部材22の形状が粒状であり、かつ芳香基材20の構成要素21がシート状に形成されている場合、通気部材22の平均粒径は、当該構成要素21のシートの厚さの1.0~5.0倍が好ましく、2.0~3.5倍がより好ましい。
更に、通気部材22の平均粒径は、カバー10の内径の0.01~0.8倍の範囲とすることがより好ましく、0.1~0.3倍の範囲とすることがより好ましく。
更にまた、通気部材22は、その形状が粒状である場合、その平均粒径は0.01~6.0mmであることが好ましく、0.5~5.0mmであるより好ましく、1.0~4.0mmであることがさらに好ましい。尚、通気部材22の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。本発明における通気部材22の平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。
カバー10内に充填される芳香基材20の体積と、通気性部材22の体積との比率は、20:1~1:1の範囲とすることが好ましく、10:1~4:1の範囲とすることがより好ましい。なお、それぞれの体積比は、切断断面形状を写真に撮って、画像認識ソフトにより、芳香基材20の断面積の合計と、通気性部材22の断面積の合計との比を求めることにより求めることができる。
また、カバー10内に充填される芳香基材20の質量と、通気性部材22の質量との比率は、100:1~10:1の範囲とすることが好ましく、50:1~20:1の範囲とすることがより好ましい。
このように、通気部材22を芳香基材20の構成要素21の間に配置することにより、カバー10の軸方向の通気性を高めることができ、軸方向に比較的長く芳香基材20を配置しても、通気性を確保することができる。
尚、芳香基材20自体も、適度な通気性を有することが好ましく、充填された構成要素21どうしの隙間や、充填された構成要素21の乾燥などによって形成されたひび割れによる隙間や、構成要素21自身が有している多孔質の組織などによって、通気性が得られるようになっていることが好ましい。
フィルタ30は、芳香基材20から発生する主流煙又は、エアロゾルに対して一定の通気性を有し、かつ主流煙又はエアロゾルに含まれている固形粒子を捕捉し、有害成分などを吸着する機能を有するものが好ましく用いられる。フィルタ30の形状は、特に限定されず、カバー10で包むことができる形状であればよい。
フィルタ30としては、例えば、アセテート繊維を用いたアセテートフィルタ、アセテートフィルタに活性炭を含有するチャコールフィルタ、フィルタ30の外周面からカバー10の軸方向に亘って凹んで形成されている複数の溝を有するAFT(Advanced Filter Technology)(登録商標)などを用いることができる。本実施形態においては、フィルタ30は、カバー10の基材12の内周面に接着、溶着などの固定手段によって固定されている。
図2及び図3にも示すように、規制部材としての規制部材40は、芳香基材20とフィルタ30との間に位置し、それぞれに隣接して配されている。規制部材40は、カバー10の内周面の形状に応じた外周面を有する。本実施形態においては、規制部材40は、全体として円筒状に形成されている。規制部材40は、カバー10に接着、溶着などの固定手段で固定され、本実施形態においては、巻紙11の内周面に固定されている。
規制部材40は、芳香基材20に接して設けられている。規制部材40は、本実施形態においては、略円筒状に形成され、その軸方向に貫通する1又は複数の通気路41を有する。したがって、規制部材は、カバー10の軸方向に対して通気性を有する。
通気路41は、本実施形態においては、規制部材40の外周面において、周方向に等間隔、かつ軸方向に沿って形成された4つの凹状の溝及びカバー10の内周面によって画定されている。
また、通気路41は、例えば、規制部材40の一端面から他端面にかけて、軸方向に貫通するように形成された1又は複数の貫通孔で構成されていてもよい。通気路41は、例えば、規制部材40の軸心に沿って形成された中央の通気路と、この中央の通気路を囲むように、周方向に並んで配置され、同じく軸方向に貫通するように形成された複数の通気路41とで構成されていてもよい。
また、規制部材40は、隔壁の端面形状が六角形で軸方向に貫通する通気路を複数有するハニカム構造体などで構成されていてもよい。更に、規制部材40は、例えば、連続気泡が形成されている多孔質体で構成されていてもよい。
規制部材40は、カバー10の軸方向の一方又は、両方の端面、好ましくは芳香基材20側に配される端面において、加熱式タバコの電気的加熱手段が挿入された際に、芳香基材20のカバー10の軸方向への移動を規制可能な形状をなしていることが好ましい。ここで、芳香基材20のカバー10の軸方向への移動を規制可能な形状とは、例えば、芳香基材20の材料の移動が実用上の支障がない程度に規制できる形状であればよい。
規制部材40がこのように形成されていることにより、規制部材40が芳香基材20の他端側への移動を規制する。言い換えれば、規制部材40は、芳香基材20を支持することができる。
また、規制部材40は、芳香基材20から発生された芳香成分を含有するエアロゾルが通過する際に、高温のエアロゾルを冷却することができる。このため、規制部材40は、芳香カートリッジ100の燃焼温度又は、加熱温度に応じた耐熱性を有する部材によって形成されている。例えば、芳香カートリッジ100が加熱式タバコのカートリッジである場合、規制部材40は、180~400℃程度の耐熱性を有する部材で形成されているとよい。
このような部材としては、例えば、紙、樹脂、ゴム、木材、金属、及び、セラミック等が挙げられるが、種々の形状に成形加工可能な樹脂であることがより好ましい。
樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、芳香カートリッジ100は使用された後は廃棄物となるため、自然環境保護という観点から生分解性プラスチックが好ましい。
生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、及び、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。
このような態様によれば、最もカバー10の基端側に配されている芳香基材20を、規制部材40によってカバー10内の所定の位置に保持することが可能になる。その結果、加熱式タバコ60に芳香カートリッジ100を装着した際に、電気的加熱手段62による加熱に適した位置で芳香基材20を保持することができる。
蓋材50は、カバーの軸方向に対して通気性を有する。当該通気性は、少なくとも、喫煙に必要な通気性を有していればよく、例えば、フィルタ30と同程度の通気性を有することが好ましい。
蓋材50は、例えば、和紙等の紙部材、多孔質部材、ハニカム構造体、メッシュ構造体等で形成することができる。蓋材50がカバー10の先端側の開口を閉塞しているため、カバー10の開口から芳香基材20が流出されることを防止することができる。
このようにして形成された芳香カートリッジ100は、少なくともフィルタ30と同程度の通気性を有することがより好ましい。
図4に示すように、加熱式タバコ60は、芳香カートリッジ100を挿入可能に形成されている挿入孔61を有する。加熱式タバコ60の内部には、挿入孔61の内周面を昇温させることが可能な電気的加熱手段62が設けられている。
電気的加熱手段62は、例えば、電気抵抗材料を含み、給電されることによって、150~400℃に加熱することが可能である。電気抵抗材料としては、限定されるものではないが、ドープセラミックスのような半導体、「導電性」セラミックス(例えば、二珪化モリブデン)、炭素、グラファイト、金属、金属合金、及びセラミック材料及び金属材料から作られる複合材料を挙げることができる。
電気抵抗材料は、複合材料において、絶縁材料に埋め込むこと、封入すること、又はそれでコーティングすること、又はその逆とすることができる。電気抵抗材料の代替として、電気的加熱手段62は、赤外線加熱要素、光学的ソース、又は誘導加熱要素を含むことができる。
挿入孔61において、電気的加熱手段62によって150~400℃に加熱することが可能な領域を加熱領域R1とし、それ以外の領域を非加熱領域R2とする。
芳香カートリッジ100は、加熱式タバコ60の挿入孔61に挿通されることによって、加熱式タバコ60に装着される。芳香カートリッジ100は、加熱式タバコ60に装着されると、挿入孔61の加熱領域R1に、芳香基材20の全てが配される。
このように、芳香基材20の各々が、加熱式タバコ60の加熱領域R1に分散して配されることによって、電気的加熱手段62の熱が芳香基材20の各々に良好に伝達され、喫煙に適した量のエアロゾルを発生させることが可能となる。
[芳香基材20の構成]
芳香基材20は、加熱されることによって芳香を発生する植物の粉砕乾燥物と、加熱されることによってエアロゾルを発生するエアロゾルフォーマと、を含む。したがって、芳香基材20は、加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させることが可能である。尚、芳香基材20は、加熱されることによって溶融する熱融解性物質と、カテキンと、架橋ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルピロリドンと、香料と、のうち少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。
芳香基材20は、この他にも、例えば、植物の粉砕乾燥物から発せられた芳香を補助することが可能な芳香剤、芳香基材20の成形性を向上させることが可能な成形剤、エアロゾルフォーマ及び植物の粉砕乾燥物を結合して一体化することに寄与する結合剤、芳香基材20に芳香剤を寄留させることが可能な収着剤及び芳香基材20の保存性を向上させることが可能な保存剤を含んでいてもよい。
(植物の粉砕乾燥物)
植物の粉砕乾燥物としては、例えば、タバコの葉、茎の他、非タバコ植物の葉、茎、花、種子、果実、樹皮、根などが挙げられる。
植物の粉砕乾燥物は、特に、中国茶、紅茶、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、サフランの花、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、コンニャクの地下茎、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが、ユーザに心地よい芳香を提供するために相応しいが、これらに限定されるものではない。
植物の粉砕乾燥物は、芳香カートリッジ100そのものから漂う香りと定義するフレグランスと、芳香カートリッジ100を加熱した際に空間に漂う香りと定義するアロマと、芳香カートリッジ100を加熱してエアロゾルと共に吸引した時に口に漂う香りと定義するフレーバの三要素を兼ね備えることが好ましい。
フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、フレグランス材とも称する)としては、中国茶、紅茶、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、サフランの花、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
アロマを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、アロマ材とも称する)としては、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、コンニャクの地下茎、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、フレーバ材とも称する)としては、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、ブドウの果実、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
(エアロゾルフォーマ)
エアロゾルフォーマは、芳香基材20が加熱されたときに、エアロゾルを発生させるために添加される。エアロゾルフォーマとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。
(熱融解物質)
熱融解性物質は、比較的低温で溶解して、芳香基材20から発生する芳香成分を溶解させ、気化させて、エアロゾルフォーマと一緒に発散されやすくするために添加される。また、熱溶融性物質は、常温では芳香源材及び/又は芳香剤を固定させる役割もなす。
熱融解物質は、融点が50~100℃の範囲にあり、好ましくは、50~80℃の範囲にあり、より好ましくは60~67℃の範囲にある。熱融性解物質の融点が50℃未満であると、夏場などの気温の高い時期に熱溶融性物質が溶解して、べた付きが生じる恐れがある。また、熱融性解物質の融点が100℃を超えると、芳香基材の昇温過程の初期の段階で熱融性解物質が十分に融解されず、加熱式タバコによる昇温過程終了直後のエアロゾルの芳香が不足する傾向がある。
尚、熱融解物質の融点は、例えば、JIS K2235に規定されるパラフィンワックスの融点測定方法に準拠して測定することができる。すなわち、所定の融点試験器を用い、融かした試料を試験官に入れ、15秒ごとに融点測定用温度計の示度を読みとり、温度降下が一定範囲内(0.1℃以内の差が5回続いた時)にあるときの温度を融点として測定することができる。
熱融解物質は、粉末状であることが好ましい。熱融解物質の平均粒径は、125~355μmであることが好ましく、150~300μmであることがより好ましく、180~250μmであることがより更に好ましい。尚、平均粒径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置などによって測定することができる。本発明における平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。
熱融解物質の平均粒径が大きすぎると、その総表面積が小さくなるため、熱源との接触機会が減少する。その結果、熱融解物質が十分に溶融されず、昇温過程終了直後におけるエアロゾル中の芳香成分の濃度が低減する傾向がある。
熱融解物質の外径が小さすぎると、後述する芳香基材20に熱融解物質が分散した海島構造を形成することが困難となる。その結果、熱融解物質の各々が凝集した塊状物として芳香基材20に存在するため、熱源との接触による融解速度が低下する領域ができ、昇温過程終了直後におけるエアロゾル中の芳香成分の濃度が低減する傾向がある。熱融解性物質は、芳香基材20において2~20質量%、好ましくは、3~15質量%、より好ましくは、5~15質量%含有されていることが好ましい。
芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の配合量は、煙成分及び芳香成分の揮発量の均衡を取るために、それぞれ、55~75質量%、20~40質量%、及び、2~15質量%であることが好ましく、60~70質量%、25~35質量%、3~10質量%であることがより好ましい。
熱融解物質は、「加熱されることによって、融点又は軟化点を示し、非ニュートン流体となる有機化合物」であれば特に限定されるものではない。熱融解物質は、一般的に蝋及びワックスと称される有機化合物が好ましく、蝋及びワックスとして代表的な石油系天然ワックス、合成ワックス、植物系天然蝋及び動物系天然蝋を使用することができる。また、蝋及びワックスとしても使用されるロジンが属する各種タッキファイアー(粘着付与剤)を使用することができる。これらは、単体で使用することも、これらの中から選択される少なくとも一つ以上を含む混合物として使用することもできる。
熱融解物質としては、好ましい融点を有する点や、風味付与の点から、植物系天然蝋や動物系天然蝋が好ましく使用される。植物系天然蝋としては、例えば、ハゼ蝋、ウルシ蝋、カルナウバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋などを用いることができる。また、動物系天然蝋としては、蜜蝋、鯨蝋、イボタ蝋、羊毛蝋、シェラックなどを用いることができる。これらは、本発明で規定する融点が50~100℃の範囲のものを得やすく、また、それ自体好ましい風味を有しているので、エアロゾルの芳香を高めることができる。これらの天然蝋の中でも、カルナウバ蝋、蜜蝋、ワセリン、パラフィンワックスが特に好ましく、融点が62~65℃で芳香成分を豊富に含有する蜜蝋が最も好ましい。
植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルが主成分である。植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、様々な炭素数の脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルの混合物であり、遊離の脂肪酸及び遊離の脂肪族アルコールや炭化水素等も含まれている。したがって、植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、分子量分布が広く、融点の温度域が広く、融解時の粘性が高いという特徴がある。
石油系天然ワックスは、炭化水素化合物であるため、芳香成分及びエアロゾルフォーマとの相互作用が小さく、風味に悪影響を与えにくいという利点を有している。石油系天然ワックスとしては、例えば、ワセリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等を好ましく使用することができる。
これらの石油系天然ワックス、分子構造に基づく融点の温度域に差異がある。ワセリンは、分岐状炭化水素と脂環式炭化水素の混合物であり、融点の温度域の幅が36~60℃と広い。
パラフィンワックスは、直鎖状炭化水素が主成分であり、結晶性が高く、40~70℃の融点を示すものがほとんどであり、融点の温度域の幅が狭い。
マイクロクリスタリンワックスは、分岐状炭化水素と飽和環状炭化水素の混合物であり、結晶性は低いが、分子量が高く、これらの中では最も高い60~90℃の融点を示し、融点の温度域の幅もワセリンに次いで広い。
これらの石油系天然ワックスは、いずれも、原油から抽出された炭化水素化合物である。パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスは、熱融解時の溶融粘度及び表面エネルギーが低く、かつ芳香成分及びエアロゾルフォーマとの相互作用も少ない。
このようなパラフィンワックスとしては、例えば、日本精蝋株式会社製の標準品であるParaffin Wax-115、120、125、130、135、140、145、150、155があり、そのいずれも好ましく用いられる。また、特殊なパラフィンワックス、例えば、日本精蝋株式会社製の特製品である高純度精製パラフィンワックスであるHNP系列品、特定用途向けのSP系列品、特殊な製法で製造されたイソパラフィンが主成分のEMW系列品も好ましく用いられる。また、マイクロクリスタリンワックスは、例えば、日本精蝋株式会社製のHi-Micシリーズのいずれも好ましく用いられる。
合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー-トロプシュ(Fischer-Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス、変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス、変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を好ましく使用することができる。
特に、フィッシャー-トロプシュワックスは直鎖状炭化水素系有機化合物であるため、熱融解時の溶融粘度及び表面エネルギーが低く、かつエアロゾルフォーマや芳香成分との相互作用も小さい。フィッシャー-トロプシュワックスとしては、中融点品C80等(融点:約85~88℃)等を使用することができる。
また、PEワックス並びに変性PEワックス、及び、PPワックス並びに変性PPワックスも、炭化水素化合物であり、好ましく使用することができる。具体的には、三井化学株式会社製「ハイワックス(登録商標)」、三洋化成工業株式会社製「サンワックス」、「ビスコール」等、BYK製「CERAFAK(登録商標)929、950、913,914、915」等を好ましく使用することができる。
特に、メタロセン触媒ポリオレフィンワックスは、分子量分布が狭くより好ましい。例えば、メタロセン触媒PEワックスである三井化学株式会社製「エクセレックス(登録商標)」は、分子量分布及び組成分布が狭いため、89~128℃の融点を有するが、熱融解時の溶融粘度が低く、このようなポリオレフィン系ワックスとして非常に優れている。
また、熱融解物質としては、上記の他に、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコールなどを用いることもできる。脂肪酸アミドとしては、モノアミドとビスアミドが適している。モノアミドとしては、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、エルカ酸モノアミドが、約72~105℃の融点を有しており好ましい。
本発明の芳香カートリッジ100には、カテキン、カフェイン、テアニン等の他の生理活性物質や、メントール等の清涼化剤や、コーヒーエキス等の風味料や、香料等を含有させることもできる。
(カフェイン)
カフェインは、コーヒーの最も特徴的な成分で、お茶やココア、コーラなどの食品にも多く含まれている。カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や尿の排出を促す利尿作用などが広く知られており、この他にも「自律神経の働きを高める」 「集中力を高め作業能力を向上させる」 「運動能力を向上させる」など、様々な効果が明らかになっている。カフェインを含むことにより、エアロゾルを吸入したユーザの気持ちをすっきりさせたり、眠気を覚ましたり、当該ユーザに解熱鎮痛作用を付与することができる。
カフェインは、1本の芳香カートリッジ100中に、1~50mg含むことが好ましく、5~30mg含むことがより好ましく、10~20mg含むことがさらに好ましい。カフェインは、後述する風味料としてのコーヒーエキス中に含まれる成分として添加することもできる。
(テアニン)
テアニンは、例えば、茶葉を熱水で抽出した抽出物の他、緑茶葉の粉末、緑茶葉エキス、緑茶葉の香料等を用いて芳香基材20に含有させることができる。芳香基材20がテアニンを含むことにより、エアロゾルを吸入したユーザの交感神経の働きを抑えてリラックスさせることができる。
テアニンは、1本の芳香カートリッジ100の芳香基材20中に、不安傾向が低いユーザがリラックス効果を得るために10~100mg含むとよく、20~80mg含むことが好ましく、30~60mg含むことがさらに好ましい。不安傾向が高いユーザがリラックス効果を得るために20~120mg含むとよく、30~100mg含むことが好ましく、40~80mg含むことがさらに好ましい。
また、テアニンは、芳香基材20に対して、不安傾向が低いユーザがリラックス効果を得るために3.3~33質量%含むとよく、6.6~26質量%含むことが好ましく、10~24質量%含むことがさらに好ましい。不安傾向が高いユーザがリラックス効果を得るために、芳香基材20に対して、6.6~10質量%含むとよく、10~33.3質量%含むことが好ましく、13.3~26.6質量%含むことがさらに好ましい。尚、テアニンが芳香基材20に対して100質量%以上含む場合、例えば、カプセルにテアニンを封入して芳香カートリッジ100に含有させるとよい。
(清涼化剤)
清涼化剤としては、例えば、メントール、メントール誘導体、メントン、メントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-酪酸誘導体、メンタン、メンタン誘導体、L-カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、スピラントール等を使用することできる。
(コーヒーから抽出した成分)
コーヒーから抽出した成分は、例えば、カフェイン、ピリジン、メチルピラジン、酢酸、フルフリルアルコール、シクロテン、1H-ピロールカルボアルデヒド、ヒドロキシピリジン、ヒドロキシアセトン、フルフラール、メチルフルフラール、マルトール等のコーヒーの香気成分を含むことが好ましい。
コーヒーから抽出した成分としては、例えば、コーヒー豆の粉末、コーヒーエキス、コーヒー香料、生コーヒーエキス等を用いることができる。
コーヒーから抽出した成分は、1本の芳香カートリッジ100の芳香基材20中に、0.3~60mg含むとよく、1.5~30mg含むことが好ましく、3~15mg含むことがさらに好ましい。
コーヒーから抽出した成分は、芳香基材20に対して、0.1~20質量%含むとよく、0.5~10質量%含むことが好ましく、1~5質量%含むことがさらに好ましい。
(香料)
香料としては、天然香料、合成香料、調合香料の何れも使用できる。また、フレーバー(食品添加物)でも、フレグランス(化粧品香料)でも使用できる。
該香料の香りの種類としては、シトラス系、フローラル系、フルーツ系、ミルク系、シプレー系、オリエンタル系、(嗜好)飲食品系、既製(嗜好)喫煙具系、バニラ系、ミント系、甘味料系、スパイス系、ナッツ系、酒類系が挙げられる。
中でも、シトラス系、フルーツ系、ミント系等の清涼感を感じる香料;チョコレート、ミルク、コーヒー等の(嗜好)飲食品系等のリラックスを感じる香料;バニラ系、フローラル系、甘味料系等の甘味を感じる香料;等が好ましい。
(収着剤)
本発明では、芳香基材20の温度がエアロゾルフォーマ及び芳香源材が揮発する最適な温度になる前に、清涼化剤や香料などが揮発することを防止するために収着剤を用いるとよい。収着剤は、上述のように、被加熱芳香発生材20に清涼化剤や香料などの芳香剤を寄留させることができる。
収着剤の好ましい態様の1つとして、当該化合物を吸着することにより芳香発生基材20に寄留させる収着剤を用いることができる。例えば、当該化合物がメントールである場合、メントールは、フェノール性水酸基を有する。したがって、収着剤としては、フェノール性水酸基を吸着することが可能な、例えば、架橋ポリビニルピロリドン(PVPP:Polyvinylpolypyrrolidone)、ポリビニルピロリドン(PVP:Polyvinylpyrrolidone)等の親水性架橋高分子を用いることができる。
また、例えば、当該化合物がニコチンである場合、ニコチンは、窒素を含む5員複素環式化合物を有する。したがって、収着剤としては、窒素を含む5員複素環式化合物と相互作用が形成されると考えられる架橋PVPを用いることができる。
収着剤に架橋PVP及び/又はPVPを用いる場合、収着剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、4~25質量%含有されているとよく、5~20質量%含まれることがより好ましい。
また、収着剤としては、当該化合物を包摂することにより芳香発生基材20に寄留させる収着剤を用いることができ、そのような収着剤としては、シクロデキストリンを用いることができる。
シクロデキストリンは、様々な大きさの水酸基やカルボキシル基を有する化学物質と包接化合物を作ることが知られており、α、β、及び、γ-シクロデキストリンのうち、いずれも用いることができる。特に、β-シクロデキストリンは、メントールと包接化合物を形成し、メントールに対する収着剤として最適である。
収着剤にシクロデキストリンを用いる場合、収着剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、0.1~1.2質量%含有されているとよく、0.2~1.0質量%含有されていることがより好ましい。
また、収着剤は、カテキン、カフェイン、テアニンなどの生理活性物質を吸着保持させる役割もなす。
尚、収着剤としては、PVPP及びシクロデキストリンの両者を含んでいることが更に好ましい。
(成形剤)
成形剤は、芳香基材20の物理的強度を補強するために用いられる。成形剤としては、例えば、セルロース繊維、微結晶セルロースなどを用いることができる。
セルロース繊維としては、例えば、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、ジュート、麻、木材などのセルロース繊維が好ましく用いられる。これらのセルロース繊維の繊維径は、5~25μmが好ましく、また繊維長は、0.25~6mmが好ましい。このような範囲の繊維径及び繊維長のセルロース繊維を用いることにより、芳香基材20の構成成分を結束する効果を高めることが可能となる。
また、微結晶セルロースは、平均粒径が70~120μmであることが好ましい。微結晶セルロースの平均粒径が70μm未満であると、芳香基材20の収縮の抑制及び芳香基材20と成形加工機との癒着の防止を図ることが困難となる傾向がある。微結晶セルロースの平均粒径が、120μmを超えると、芳香基材20が破断し易くなる傾向がある。尚、微結晶セルロースの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。本発明における平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。
また、微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、20,000~60,000であることが好ましい。微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)が20,000未満であると、芳香基材20の収縮を抑制する効果が乏しくなる傾向がある。微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)が、60,000を超えると、芳香基材20が破断し易くなる傾向がある。
成形剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、2~25質量%含有されているとよく、好ましくは、3~20質量%含まれるとよい。成形剤がこのような態様で芳香基材20に含有されることによって、上記機能を果たすと共に、成形剤が芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生の弊害となることを防止することができる。
(結合剤)
結合剤は、芳香基材を構成する芳香源材、エアロゾルフォーマ、熱融解性物質などの原料を結着させるために用いられる。結合剤としては、例えば、多糖類系高分子、セルロース系高分子、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
多糖類系高分子としては、例えば、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天等を用いることができる。多糖類系高分子は、強度及び上記成形加工性という観点から、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムが好ましく、中性多糖類のグルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、及び、ローカストビーンガムがより好ましい。
セルロース系高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、CMCのカルシウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカルシウム塩等を用いることができる。セルロース系高分子は、芳香基材20の強度及び成形加工性という観点から、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩が好ましい。
結合剤としては、多糖類系高分子と、セルロース系高分子とを併用することが好ましい。この場合、多糖類系高分子としては、グルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、ローカストビーンガムを用いることが好ましい。また、セルロース系高分子としては、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩を用いることが好ましい。このように、多糖類系高分子と、セルロース系高分子とを併用することにより、芳香基材20の強度及び成形加工性の向上を図ることができる。
結合剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、熱融解物質の総量100質量%に対し、5~30質量%含有されていることが好ましく、8~28質量%含有されていることがより好ましい。このような含有量で結合剤が芳香基材20に含有されていることにより、芳香基材20の強度及び成形加工性を向上させることができ、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生等への悪影響を回避することができる。
また、本発明の芳香基材20においては、結合剤と成形剤の両方が含有されていることが好ましい。この場合、結合剤と成形剤の配合比は、質量比で1:1~1:25であることが結束効果の上で好ましい。
(保存剤)
被加熱芳香発生カートリッジを長期的に保存するために、保存剤を用いるとよい。保存剤としては、例えば、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムを用いることができる。保存剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、熱融解物質の総量100質量%に対し、0.005~0.04質量%含まれていることが好ましい。
次に、芳香基材20の製造方法について説明する。図5は、芳香基材20の製造工程の一実施形態を示している。図5に示すように、フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレグランス材、フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレーバ材等を含む原料(A)及びアロマを構成する植物の粉砕乾燥物であるアロマ材等を含む原料(B)を混合する混合工程が行われる。混合工程は、熱融解物質の融点未満で行われる。混合工程は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(A)は、フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレグランス材を含有する原料(A1)、フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレーバ材、及び熱融解物質を含有する原料(A2)、微結晶セルロースのアルコール水溶液、結合剤のアルコール水溶液及び収着剤のアルコール水溶液を含有する原料(A3)及びエアロゾルフォーマ、芳香剤及び成形剤を含有する原料(A4)を混合して、熟成させることにより得られる。
尚、原料(A1)~原料(A4)の混合は、熱融解物質の融点未満で行われる。また、この混合工程は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(A1)は、フレグランス材を除菌した後に粉砕することにより得られる。
原料(A2)は、フレーバ材、及び熱融解物質の混合物を除菌した後に粉砕することにより得られる。具体的には、図6に示すように、フレーバ材を除菌した後に所定の大きさとなるように粉砕する。また、粉末状の熱融解物質を熱融解物質の融点以上で加熱混合して冷却した後に、所定の大きさになるように粉砕する。当該粉砕物と粉末状のフレーバ材とを圧縮・せん断混合し、冷却した後に粉砕して原料(A2)を作成するようにするとよい。
原料(A3)は、微結晶セルロースのアルコール水溶液、結合剤のアルコール水溶液及び収着剤(架橋ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルピロリドン)のアルコール水溶液を混合して得られる。尚、アルコール水溶液は、純水とエタノールの混合液である。
原料(A4)は、エアロゾルフォーマ、芳香剤及び成形剤を混合することにより得られる。
熟成は、例えば、15~30℃の温度条件下で、3~14日行うことが好ましい。熟成は、芳香成分の保持という観点から、20±2℃の温度条件下で、4~7日行うことがより好ましい。温度が30℃を超える、又は、熟成期間が14日を超えると、カビの発生や腐敗の可能性が高まる傾向がある。
原料(B)は、アロマを構成する植物の粉砕乾燥物であるアロマ材を含有する原料(B1)及び保存剤を含有する原料(B2)を混合することにより得られる。尚、原料(B1)及び(B2)の混合は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(B1)は、アロマ材を除菌した後に粉砕することにより得られる。
原料(B2)は、保存剤を純水に溶解させることにより得られる。
このようにして原料(A)及び原料(B)を混合する混合工程を行うことによって、芳香基材20に芳香源材が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造を形成することができる。
このようにして得られた混合物は造粒される。混合物の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。本発明における混合物の平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。また、造粒された芳香基材20の構成要素21と、通気部材22が混合されることによって芳香基材20が形成される。
このように、混合工程、圧縮・せん断工程及び裁断工程が、熱融解物質の融点未満で行われることにより、熱融解物質の融解により芳香基材20全体に拡がること防止し、芳香基材20における熱融解物質の海島構造を維持することが可能となる。
芳香基材20に芳香源材が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造が形成されると、熱融解物質が芳香基材20に島状をなして分散配置されることになる。
熱融解物質は、芳香源材に含浸されている場合よりも、芳香基材20に島状をなして分散配置されている方が、融解した際に流動しやすくなり、芳香源材から発生する芳香成分が含有されやすくなる。また、流動する熱融解物質がエアロゾルフォーマと接触して、芳香成分がエアロゾルフォーマと一緒にエアロゾルとなって揮発しやすくすることができる。
その結果、芳香源材の芳香成分を効率よく揮発することが可能である。したがって、ユーザは、加熱式タバコの昇温過程の終了直後の芳香カートリッジ100から発せられたエアロゾルを吸引した際に、芳香をより十分味わうことができる。
尚、熱融解物質は、原料(B)に添加するようにしてもよい。図7は、芳香基材20の製造工程の他の実施形態を示している。図7に示すように、熱融解
物質を原料(B)に添加する場合は、例えば、原料(B1)に添加するとよい。
以上のように、本発明の芳香カートリッジ100によれば、カバー10の軸方向における通気抵抗の低減を図ることが可能となる。このため、芳香基材20から発生したエアロゾルを吸いやすさの改善を図ることが可能となる。また、エアロゾルと空気を適切な配分で混合することができるため、風味の改善を図ることが可能となる。
[実施形態2]
図8には、実施形態2の芳香カートリッジ100が示されている。この芳香カートリッジ100は、通気部材23が実施形態1の芳香カートリッジ100とは異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、この芳香カートリッジ100では、芳香基材20の間に配置される通気部材23として、多孔質無機材料である粒状に形成された軽石が用いられている。軽石を用いることにより、耐熱性及び剛性が高めることができる。
[実施形態3]
図9には、実施形態3の芳香カートリッジ100が示されている。この芳香カートリッジ100は、通気部材24が実施形態1の芳香カートリッジ100とは異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示されるように、この芳香カートリッジ100では、芳香基材20の通気部材24として、綿、羊毛、不織布等から選ばれた少なくとも1種である繊維によって形成された通気性を有するシート片が用いられている。これらの繊維によって形成された複数のシート片が、芳香基材20の構成要素21の間に分散して配置されている。
[実施形態4]
図10には、実施形態4の芳香カートリッジ100が示されている。この芳香カートリッジ100は、芳香基材20の構成要素21の形状が実施形態1の芳香カートリッジ100とは異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、芳香基材20の構成要素21は、短冊状(シート状)に形成されている。すなわち、芳香基材20は、複数の短冊状(シート状)の構成要素21が集合することによって略円筒状に形成されている。
このような芳香基材20の構成要素21は、原料を混合した後に、次のような処理を経ることにより形成することができる。すなわち、混合工程で得られた混合物を圧縮・せん断加工してシート状に形成することが行われる。圧縮・せん断加工においては、例えば、3本ロールを用いて行うことができる。3本ロールで圧縮・せん断加工を行うことによって、空気を抱き込み、水を蒸発させながらシート状に成形することができる。
このようにして得られたシートは、内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されている。その結果、密度の低い芳香基材20を得ることが可能となるとなる。また、3本ロールのロールは、極めて平坦な表面であるため、シートの表面が平坦に形成される。
すなわち、芳香基材20は、圧縮・せん断加工において、内部に空気を含む多孔質的な構造を有するため低密度であり、かつその表面が凹凸のない平坦に形成されたものとなる。
圧縮・せん断加工によってシート状に形成された混合物は、所定の形状及び大きさに裁断され裁断工程が行われる。シート状の混合物は、例えば、短冊状に加工される。
[実施形態5]
図11、12には、実施形態5の芳香カートリッジ100が示されている。この芳香カートリッジ100は、芳香基材20及び通気部材の形態が、実施形態1の芳香カートリッジ100とは異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、芳香基材20は、その構成要素21と、通気部材25とがそれぞれシート状に成形され、両シートが積層された状態で、一方の端部から他方の端部にかけて巻回することにより略円筒状に形成されている。すなわち、芳香基材20の一方の端面からみて、芳香基材20の構成要素21であるシートと、通気部材25のシートとは、交互に重なった渦巻状に形成されている。
通気部材25は、渦巻状に巻かれたシートをなして、同じく渦巻状に巻かれた芳香基材20の構成要素21のシートの間に配置されるので、通気部材25を介して軸方向の通気性を高めることができる。なお芳香基材20の構成要素21のシート厚と、通気部材25のシート厚との比は、1:1~1:3の範囲であることが好ましく1.0:1.5~1.0:2.0の範囲であることが更に好ましい。
図12に示すように、この実施形態では、芳香基材20の構成要素21のシートと、通気部材25のシートとは、それぞれ1枚のシートで構成されているが、軸方向に分割した複数のシートで構成してもよい。
[実施形態6]
図13には、実施形態6の芳香カートリッジ100が示されている。この芳香カートリッジ100は、通気部材の形態が実施形態1の芳香カートリッジ100とは異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、芳香基材20の通気部材26は、球状粒子の表面に複数の突起が形成された、例えば、金平糖状の形状を有している。この通気部材26によれば、表面に形成された複数の突起が、隣接する粒状の芳香基材20に当接して、通気部材26と芳香基材20との間に隙間を形成し、この隙間が通気路を構成するようになっている。このように、本発明における「通気性を有する通気部材」は、それ自体が通気性である場合だけでなく、表面に形成された突起などによって空隙が形成されるものも含む意味である。
[試験例1](通気性の官能評価)
粒状の構成要素の芳香基材20及びワタ状に形成した通気部材22を芳香基材20の構成要素の間に設けた芳香カートリッジ100を実施例1として作成し、粒状の構成要素の芳香基材20を加熱領域R1の全体に亘って設けた芳香カートリッジを比較例1として作成し、両者のエアロゾルの通気性を評価した。
(試料の作成:実施例1、実施例2、比較例1)
表1に示す配合で芳香基材20を粒状に形成した実施例1、芳香基材20をシート状に形成した実施例2及び比較例1の芳香カートリッジ100を作成した。具体的には、芳香源材(アロマ材、フレグランス材及びフレーバ材)、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の配合を基本配合とした。実施例1、2及び比較例1において、基本配合は、芳香源材を65質量%、エアロゾルフォーマを25質量%、熱融解物質を10質量%とした。
基本配合100質量部に対して、芳香剤を15質量部、結合剤を23質量部、収着剤を21質量部、保存剤を0.005質量部及び純水を20質量部添加して実施例1の芳香カートリッジ100を作成した。尚、純水は成形加工のために添加されるが、成形加工後に乾燥されることによって芳香基材から除去される。
Figure 2023021556000002
芳香源材は、原料(B1)のアロマ材としてこんにゃく粉、原料(A1)のフレグランス材として紅茶及びモクセイ花、原料(A3)のフレーバ材としてアマチャヅルを用いた。
原料(A4)のエアロゾルフォーマは、グリセリン及びプロピレングリコールを用いた。
原料(A2)の熱融解物質は、蜜蝋を用いた。
原料(A4)としての芳香剤は、ハッカ油及びメントールを用いた。
原料(A3)の結合剤は、CMCナトリウム塩及びサトウキビ繊維を用いた。
原料(A3)の収着剤は、架橋ポリビニルピロリドン及びβ-シクロデキストリンを用いた。
原料(B2)の保存剤は、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムを用いた。
原料(A1)及び(A2)は、図6に示した態様で作成した。具体的には、原料(A1)は、フレグランス材は、除菌した後に粉末状に粉砕して得た。原料(A2)は、フレーバ材、(YUNNAN HANSU BIOTECHNOLOGY CO.,LTD製、Production code: PR001)及び熱融解物質をヘンシェルミキサーで粗混合した後、圧縮・剪断して混合し、0℃以下に冷却した後に粉砕して作製した。また、原料(A1)及び(A2)は、80メッシュの篩によって、平均粒径が約250μmに選別されたものを用いた。
また、図5及び6に示した態様で、原料(A)及び(B)を用いて芳香カートリッジ100を作製した。具体的には、原料(A)及び(B)をニーダーにより混合する混合工程を行った。
また、実施例1においては、粉砕した原料に、アロマ剤や熱融解物質を含侵させ、平均粒径が0.1mm~1.5mmとなるように混合物を造粒した。なお、混合物は、完全な球体ではなく、上記平均粒径の範囲となる体積となっていれば、その形状は問わない。
次いで、実施例2及び比較例1においては、3本ロールを用いて混合物をシート状に成形する圧縮・せん断工程を行った。圧縮・せん断工程では、厚さが0.28±0.02mmとなるようにシート状に成形した。圧縮・剪断工程は蜜蝋の融点以下で行った。
このようにして得られた芳香基材20の構成要素21と、綿状の通気部材22を混合して芳香基材20を形成した。尚、芳香基材20の体積と、通気性部材22の体積との比率は5:1として設けた。
(官能試験)
加熱式タバコを用いて実施例1及び比較例1の芳香カートリッジ100のエアロゾルの風味を10名のパネラーが評価した。
10名のパネラーのうち8名のパネラーは、実施例1及び2の芳香カートリッジ100が比較例1の芳香カートリッジ100よりも、通気性が高く、良好な喫煙感(良好な芳香及び、風味)が得られたと評価した。
また、10名のパネラーのうち8名のパネラーは、実施例1の芳香カートリッジ100が実施例2の芳香カートリッジ100よりも、通気性が高く、良好な喫煙感(良好な芳香及び、風味)が得られたと評価した。
100 芳香カートリッジ
10 カバー
20 芳香基材
30 フィルタ
40 隔壁
50 加熱式タバコ
52 電気的加熱手段
R1 加熱領域

Claims (7)

  1. 電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記電気的加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる芳香カートリッジにおいて、
    筒状のカバーと、
    前記カバーに収容され、かつ加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、を有し、
    前記芳香基材は、該芳香基材どうしの間に、通気性を有する通気部材が配置された状態で、前記カバー内に配置されていることを特徴とする芳香カートリッジ。
  2. 前記通気部材は、多孔質無機材料、繊維積層体から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の芳香カートリッジ。
  3. 前記多孔質無機材料は、軽石、多孔質セラミックス、多孔質鉱物から選ばれた少なくとも1種であり、前記繊維積層体は、綿、羊毛、不織布から選ばれた少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の芳香カートリッジ。
  4. 前記芳香基材は粒状をなし、該粒状の前記芳香基材の間に、前記通気部材が配置されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の芳香カートリッジ。
  5. 前記芳香基材の層と、前記通気部材の層とが積層されたものが、充填されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の芳香カートリッジ。
  6. 前記芳香基材は粒状をなし、
    前記カバーの先端側を閉塞し、かつ前記カバーの軸方向に対して通気性を有する蓋材を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の芳香カートリッジ。
  7. 前記芳香基材に接して設けられ、かつ前記芳香基材の前記カバーの基端側への移動を規制する規制部材が設けられ、
    前記規制部材は、前記カバーの軸方向に対して通気性を有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の芳香カートリッジ。
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