JP2023019133A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも二つの高圧燃料ポンプを備えたエンジンにおいて各々の高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプへの吐出指令値を算出する機能を備え、分配切り替え時の燃料圧力変動を抑えることで燃料噴射量の変動を抑え、排気性能の悪化を抑えること、高圧燃料ポンプの駆動負荷の急変を抑えることでエンジンの回転変動を抑え、運転性の向上を行うことができるエンジン制御装置を提供することである。【解決手段】吐出量分配判定部130により燃料吐出量の分配の変更がある場合において、基本駆動タイミングは、変更後の燃料吐出量の分配及びエンジン状態に基づく基本駆動タイミングを目標とし、前記目標に一致するようにあらかじめ算出した(駆動タイミングの)増減量を反映する。【選択図】図14
Description
本発明は、エンジンの燃料圧力を制御する高圧燃料ポンプの制御に関するものであり、特に、二つの高圧燃料ポンプ(デュアル高圧燃料ポンプ)を備えたエンジンにおいて、各々の高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプへの吐出指令値を算出する機能を備えたエンジン制御装置に関する。
従来、複数の高圧燃料ポンプを備えたシステムにおいて、要求燃料量や要求吐出量に基づき、高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を切り替えること、高圧燃料ポンプの駆動タイミングを変化させることで、駆動回数の低減を図り、駆動音を低減するものが知られている。
例えば特許文献1(特開2002-213326号公報)には、内燃機関の要求燃料量が少ない場合には、複数ある高圧燃料ポンプにおいて、特定の高圧燃料ポンプの駆動を停止させる技術や、駆動回数を低減させることで駆動音を低減する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1の燃料供給装置は、駆動の停止や、駆動数を切り替える際の燃料圧力の変動や高圧燃料ポンプの駆動負荷の変化による内燃機関の回転変動の抑制手段に於いては言及していない。また、駆動の停止を行う際の停止させる高圧燃料ポンプの選択方法や高圧燃料ポンプが異常状態での振る舞い等においても言及していない。
本発明の目的は、少なくとも二つの高圧燃料ポンプを備えたエンジンにおいて各々の高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプへの吐出指令値を算出する機能を備え、分配切り替え時の燃料圧力変動を抑えることで燃料噴射量の変動を抑え、排気性能の悪化を抑えること、高圧燃料ポンプの駆動負荷の急変を抑えることでエンジンの回転変動を抑え、運転性の向上を行うことができるエンジン制御装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のエンジン制御装置は、燃料を加圧して吐出する少なくとも二つの高圧燃料ポンプと、前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプから吐出された燃料を蓄圧するコモンレールと、前記コモンレールの燃料圧力を測定する燃圧センサと、を備え、前記燃圧センサの検出値から実燃圧を算出する実燃圧算出部と、前記エンジンの状態に基づいて目標燃圧を算出する目標燃圧算出部と、前記目標燃圧に前記実燃圧が一致するように前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプの吐出量を制御するための燃圧フィードバック量を算出する燃圧フィードバック量算出部と、前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める吐出量分配判定部と、前記吐出量分配判定部による決定した分配判定結果及び前記エンジンの状態に基づいて前記高圧燃料ポンプの前記燃料を加圧する基本駆動タイミングを算出する基本駆動タイミング算出部と、を備え、前記吐出量分配判定部により前記燃料吐出量の分配の変更がある場合において、前記基本駆動タイミングは、前記変更後の前記燃料吐出量の分配及び前記エンジン状態に基づく基本駆動タイミングを目標とし、前記目標に一致するようにあらかじめ算出した増減量を反映する。
本発明によれば、少なくとも二つの高圧燃料ポンプを備えたエンジンにおいて各々の高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプへの吐出指令値を算出する機能を備え、分配切り替え時の燃料圧力変動を抑えることで燃料噴射量の変動を抑え、排気性能の悪化を抑えること、高圧燃料ポンプの駆動負荷の急変を抑えることでエンジンの回転変動を抑え、運転性の向上が可能である。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本実施例は、エンジン制御装置であり、本実施例のエンジン制御装置は高圧燃料ポンプの制御装置を有する。
図1を用いて、エンジン制御装置が制御するエンジンの一実施例について説明する。図1は、本発明に係るエンジン制御装置が制御するエンジン周りの一例を示す図である。
エンジン201は、吸入する空気量を計測する吸入空気量センサ(例えば熱式空気流量計)202、エンジン201の吸入する空気流量を調整するスロットル絞り弁203、ドライバの操作するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ218、スロットル絞り弁203を動作させるモータ(電制スロットルモータ)204、スロットル絞り弁203の開度を検出するスロットル開度センサ215、吸気管205に設置され吸気管205内の圧力を検出する吸気管圧力センサ206、エンジンの要求する燃料を供給する燃料噴射弁207、エンジンの回転数を算出するため所定のクランク角度位置に設定された突起を認識するためのクランク角度センサ219、エンジン201の行程を認識するために前述のクランク角度センサ219とは別に、所定のカム角度位置に設定された突起を認識するためのカム角度センサ208、エンジン201のシリンダ内に供給された燃料と空気の混合気に点火する点火栓209Aに、エンジン制御装置217の点火信号に基づいて点火エネルギを供給する点火モジュール209、エンジン201のシリンダブロックに配設されエンジンの冷却水温を検出する水温センサ210、エンジン201の排気管222の触媒前に設置され排気ガス中の酸素濃度に対してリニアな電気的信号を出力する空燃比センサ211、燃料タンク212から蒸発する燃料ガスをチャコール等で吸着保持するキャニスタパージタンク213、キャニスタパージタンク213に吸着保持した燃料ガスを開度の調整により吸気管205へ流入させるキャニスタパージバルブ214、燃料タンク212から吸い上げられた燃料を高圧に昇圧するための高圧燃料ポンプ220、高圧に昇圧された燃料配管に設置された燃圧センサ(以下、「燃料圧力センサ」とも呼ぶ)221、エンジンの運転、停止を操作するメインスイッチであるイグニッションキイスイッチ216、及びエンジンの各補器類を制御するエンジン制御装置217等から構成されている。
図2及び図3を用いて、燃料系システムについて説明する。図2は、本発明に係るエンジン制御装置について、燃料系システムの構成の一例を示す図である。図3は、本発明に係るデュアル高圧燃料ポンプの構成の一例を示す図である。なお、図2は、デュアル高圧燃料ポンプの一方の高圧燃料ポンプのみを図示している。
図2に示すように、高圧燃料ポンプ220は、燃料タンク212から供給された燃料を加圧して、コモンレール252に圧送する。燃料は、燃料タンク212から低圧燃料ポンプ254により高圧燃料ポンプ220の燃料導入口に導かれる。このとき、燃料は、プレッシャレギュレータ255によって一定の圧力に調圧される。
コモンレール252は、高圧燃料ポンプ220から圧送(吐出)された燃料を蓄圧する。コモンレール252には、複数の燃料噴射弁207と、燃料圧力センサ221と、圧力調整弁(以下、「リリーフ弁」と呼ぶ)251と、が装着されている。
リリーフ弁251は、コモンレール252内の燃料圧力が所定値を超えた際に開弁し、配管の破損を防止する。複数の燃料噴射弁207は、エンジン201のシリンダ数にあわせて装着されており、エンジン制御装置(以下、「ECU」と呼ぶ)217から出力される駆動電流に従って燃料を噴射する。
燃料圧力センサ221は、コモンレール252内の燃料圧力を測定し、検出した圧力データをECU217に出力する。ECU217は、各種センサから得られるエンジン状態量(例えば、エンジン回転数、シリンダ流入空気量、燃圧等)に基づいて適切な噴射燃料量や適切な目標燃圧等を演算する。エンジン回転数はクランク角度センサ219の信号(クランク角度センサ信号)から検出することができる。シリンダ流入空気量は吸入空気量センサ202の信号(吸入空気量センサ信号)から検出することができる。
また、ECU217は、演算結果に基づいて、高圧燃料ポンプ220や燃料噴射弁207の駆動を制御する。すなわち、ECU217は、高圧燃料ポンプ220を制御するポンプ制御部と、燃料噴射弁207を制御する噴射弁制御部と、を有する。
高圧燃料ポンプ220は、吸入通路260と、吐出通路261と、加圧室262と、を有している。吸入通路260には、燃料の吸入を制御する電磁弁263が設けられている。電磁弁263は、ノーマルオープン型の電磁弁であり、通電時に弁体270に対して閉弁方向の力を作用させ、非通電時にはばね271により弁体270を開弁方向に付勢している。
吸入通路260は、電磁弁263を介して加圧室262に連通している。加圧室262には、加圧部材であるプランジャ264が摺動可能に保持されている。そして、加圧室262は、吐出弁265を介して吐出通路261に連通している。吐出通路261には、下流側(コモンレール252側)の高圧燃料を加圧室262側に逆流させないための吐出弁265が設けられている。
プランジャ264にはリフタ266が係合しており、リフタ266は、ポンプ駆動カム253に圧接されている。また、プランジャ264は、ばね267によってポンプ駆動カム253側へ付勢されている。ポンプ駆動カム253は、エンジン201における吸気カム(図1のカム角度センサ208と係合)の回転に伴って回転する。リフタ266は、ポンプ駆動カム253の回転に伴って往復動する。プランジャ264は、リフタ266と一緒に往復動し、加圧室262の容積を変化させる。
プランジャ264は、上下方向に往復動する。プランジャ264が下降すると、加圧室262の容積が拡大(増大)し、プランジャ264が上昇すると、加圧室262の容積が減少する。すなわち、プランジャ264は、加圧室262の容積を拡大及び縮小させる方向に往復動するように配置されている。
プランジャ264が下降した場合に、電磁弁263が開弁していると、吸入通路260から加圧室262に燃料が流入する。以下、プランジャ264が下降する行程を吸入行程と称する。一方、プランジャ264が上昇した場合に、電磁弁263が閉弁していると、加圧室262内の燃料は昇圧され、吐出弁265を通過してコモンレール252へ圧送される。以下、プランジャ264が上昇する行程を圧縮行程と称する。
圧縮行程中に電磁弁263が閉じていれば、吸入行程中に加圧室262に吸入された燃料が加圧され、コモンレール252側へ吐出される。一方、圧縮行程中に電磁弁263が開弁していれば、加圧室262内の燃料は吸入通路260側へ押し戻され、コモンレール252側へ吐出されない。このように、高圧燃料ポンプ220による燃料の吐出は、電磁弁263の開閉によって操作される。そして、電磁弁263の開閉は、ECU217によって制御される。
電磁弁263は、弁体270と、弁体270を開弁方向に付勢するばね271と、ソレノイド272と、アンカ273と、を有している。弁体270は、略棒状に形成されており、軸方向の一端部にアンカ273が設けられている。また、弁体270の他端部には、当接片274が形成されている。当接片274は、閉弁時において、吸入通路260に設けられた弁当接部(弁座)275に当接し、吸入通路260と加圧室262との連通部を閉鎖する。
アンカ273は、弁体270と一体に形成されており、ソレノイド272の内側に配置されている。すなわち、ソレノイド272は、アンカ273の周りを一周するように配置されている。ソレノイド272に電流が流れていない場合は、ばね271の力で弁体270が開弁方向(図2中の右側)へ移動する。これにより、弁体270の当接片274が弁当接部275から離れ、電磁弁263が開弁する。
ソレノイド272に電流が流れると、アンカ273に電磁力が発生して、アンカ273が閉弁方向に引き寄せられ、弁体270がアンカ273と一緒に移動する。これにより、弁体270の当接片274が弁当接部275へ接触し、電磁弁263が閉弁する。
図3に示すように、高圧燃料ポンプ220、燃圧センサ221、コモンレール252及び燃料噴射弁207の構成は、高圧燃料ポンプ#1:220Aが燃料噴射弁#2:207Bと燃料噴射弁#4:220Dと燃料噴射弁#6:220Fとが取り付けられているコモンレール#1:252Aに取り付けられ、高圧燃料ポンプ#2:220Bが燃料噴射弁#1:207Aと燃料噴射弁#3:207Cと燃料噴射弁#5:207Eが取り付けられているコモンレール#2:252Bに取り付けられ、コモンレール#2:252B側に燃圧センサ221が取り付けられ、コモンレール#1:252Aとコモンレール#2:252Bとは連通管:252Cで繋がっている。なお、以下、高圧燃料ポンプ#1:220Aを、第1高圧燃料ポンプ、ポンプA、Aポンプ等と呼び、高圧燃料ポンプ#2:220Bを、第2高圧燃料ポンプ、ポンプB、Bポンプ等と呼ぶ場合がある。
次に、本発明に係るエンジン制御装置の一実施例について、図4を用いて説明する。図4は、本発明に係るエンジン制御装置の制御ブロックの一例を示す図である。
ブロック101は、運転操作量検出手段(運転操作量検出部)のブロックである。本実施例では、運転者のアクセル開度を計算する。
ブロック102は、エンジン回転数計算手段(エンジン回転数計算部)のブロックである。エンジン回転数計算手段102は、エンジン201の所定のクランク角度位置に設定されたクランク角度センサ219の電気的な信号、おもにパルス信号変化の単位時間当たりの入力数をカウントし、演算処理することで、エンジン201の単位時間当りの回転数を計算する。
ブロック103は、シリンダ流入空気量計算手段(シリンダ流入空気量計算部)であり、エンジン201の吸気系上流に設定された吸入空気量センサ202の信号と吸気管205に設定された吸気管圧力センサ206の信号の入力からシリンダ流入空気量を計算する。また、シリンダ流入空気量計算手段103は、前述のシリンダ流入空気量とエンジン回転数からエンジンの負荷を計算する。
ブロック104は、基本燃料量計算手段(基本燃料量計算部)であり、前述のブロック102で計算されたエンジン回転数、及び前述のブロック103で計算されたエンジン負荷から各領域におけるエンジンの要求する基本燃料量を計算する。
ブロック105は、基本点火時期計算手段(基本点火時期計算部)であり、前述のエンジン回転数、及び前述のエンジン負荷からエンジンの各領域における最適な基本点火時期を決定するブロックである。
ブロック106は、ISC制御手段(ISC制御部)であり、エンジンのアイドリング回転数を一定に保つためにアイドリング時の目標回転数を計算し、目標流量を計算する。
ブロック107は、空燃比フィードバック補正係数計算手段(空燃比フィードバック補正係数計算部)であり、エンジンの排気管222に設定された空燃比センサ211の出力と後述する目標空燃比との差分、前述したエンジン回転数及びエンジン負荷から、空燃比のフィードバック制御におけるフィードバック量を補正する係数、すなわち空燃比フィードバック補正係数を計算する。
ブロック108は、目標空燃比計算手段(目標空燃比計算部)であり、前述したエンジン回転数とエンジン負荷とから目標とするエンジンの目標空燃比を決定する。
ブロック109は、目標スロットル開度計算手段(目標スロットル開度計算部)であり、前述した運転者のアクセル開度とエンジン回転数とから運転者が要求している目標トルクを計算し、この目標トルクから目標スロットル開度を計算する。
ブロック110は、目標燃圧計算手段(目標燃圧計算部)であり、前述のエンジン回転数と前述のエンジン負荷とから目標燃圧を計算する。
ブロック130は、吐出量分配判定手段(吐出量分配判定部)であり、前述のエンジン回転数と前述のエンジン負荷と前述のアクセル開度と前述の目標燃圧及び後述する車速センサ309の出力から、後述する高圧燃料ポンプ220A,220Bの燃料吐出量の分配を計算し、高圧燃料ポンプ220A,220Bの燃料吐出量の分配の変更が可能かを判定(分配変更許可判定)する。
ブロック111は、燃圧フィードバック補正係数計算手段(燃圧フィードバック補正係数計算部)であり、前述した目標燃圧とエンジンの燃料配管に設定された燃圧センサ221の出力、及び前述した燃料吐出量の分配と分配変更許可判定に基づき燃圧のフィードバック制御におけるフィードバック量を補正する係数等、すなわち燃圧フィードバック補正係数を計算する。
ブロック112は、高圧燃料ポンプ制御手段(高圧燃料ポンプ制御部)であり、前述した燃圧フィードバック補正係数、及び前述した燃料吐出量の分配と分配変更許可判定に基づき高圧燃料ポンプ220A,220Bの燃料吐出量を制御し、目標燃圧になるように制御する。また、後述する高圧燃料ポンプ220A,220Bの使用頻度算出及び前述した燃料吐出量の分配に基づき燃料吐出量の制御を行う。
ブロック113は、燃料量補正手段(燃料量補正部)であり、前述したブロック104で計算された基本燃料量に対して、エンジン水温による補正、前述したブロック107の空燃比フィードバック補正係数による補正を施す。
ブロック114は、点火時期補正手段(点火時期補正部)であり、前述したブロック105で決定された基本点火時期に対して、エンジン水温による補正等を施す。
ブロック115は、電制スロットル制御手段(電制スロットル制御部)であり、前述したアイドリング時の目標流量を確保するためのスロットル開度、および、前述した目標スロットル開度となるように電制スロットルを制御する手段である。電制スロットル制御手段(電制スロットル制御部)115は、スロットル制御手段(スロットル制御部)と呼ぶ場合もある。
ブロック116は、前述したブロック104及びブロック113で計算された燃料量に基づいてエンジンに燃料を供給する燃料噴射手段(燃料噴射部)である。燃料噴射手段116は、燃料噴射弁207、及び燃料噴射弁207を駆動する駆動装置(図示せず)等から構成される。
ブロック120は、前述のブロック114で補正されたエンジンの要求点火時期に応じてシリンダに流入した燃料混合気を点火する点火手段(点火部)である。点火手段120は、点火栓209Aを含む点火モジュール209等から構成される。
次に、図5を用いて、エンジン制御装置の内部構成について説明する。図5は、本発明に係るエンジン制御装置の内部構成の一例を示す図である。
CPU301の内部には、エンジン201に設置された各センサの電気的信号をデジタル演算処理用の信号に変換すると共に、デジタル演算処理用の制御信号を実際のアクチュエータの駆動信号に変換するI/O部302が設けられている。I/O部302には、水温センサ210、カム角度センサ208、空燃比センサ211、吸入空気量センサ202、スロットル開度センサ215、車速センサ309、イグニッションキイSW216、吸気管圧力センサ206、大気圧センサ312、吸気温センサ313、負荷SW(エアコンSW)314、アクセル開度センサ218、クランク角度センサ219及び燃圧センサ221からの各信号が入力されている。CPU301からは、出力信号ドライバ303を介して、燃料噴射弁207A~207F、点火コイル(点火栓)209A1~209A6、高圧燃料ポンプ220A,220B及び電制スロットルモータ204へ、出力信号が送られる。
次に、図6を用いて、高圧燃料ポンプ220A,220Bの制御装置について説明する。図6は、本発明に係るエンジン制御装置における高圧燃料ポンプの制御の概要を示す図である。高圧燃料ポンプ220A,220Bの制御はエンジン制御装置217で実行され、図6では、エンジン制御装置217で実行される、高圧燃料ポンプ220A,220Bの制御機能が示される。
コモンレール252Bに取り付けられた燃圧センサ221でコモンレール252A,252B内の燃圧をブロック401でセンシングする。すなわちブロック401は燃圧センシング部である。
燃圧センサ221の出力(検出値)からブロック402で実燃圧を算出する。すなわちブロック402は実燃圧算出部である。
ブロック403では、エンジン回転数およびエンジン負荷から目標とする燃圧を算出する。すなわちブロック403は目標燃圧算出部である。
ブロック404では、実燃圧と目標燃圧の偏差を算出する。すなわちブロック404は偏差算出部である。
ブロック405、ブロック406では、ブロック404で算出した偏差を受けて、目標燃圧に実燃圧が一致するように高圧燃料ポンプ220A,220Bの吐出量を制御するための燃圧フィードバック量を算出する。また、吐出量分配(前述の吐出量分配判定手段130による決定した分配判定結果)の状況変化に応じた燃圧フィードバック量においても算出する。ブロック405は第1燃圧フィードバック量算出部を構成し、ブロック406は第2燃圧フィードバック量算出部を構成する。
ブロック407及びブロック408では、エンジン回転数およびエンジン負荷に基づいて高圧燃料ポンプ220A,220Bの吐出量を制御する基本的な駆動タイミング(基本駆動タイミング)を算出する。また、吐出量分配(前述の吐出量分配判定手段130による決定した分配判定結果)の状況変化に応じた駆動タイミングにおいても算出する。ブロック407は第1基本駆動タイミング算出部を構成し、ブロック408は第2基本駆動タイミング算出部を構成する。
ブロック409では、第1燃圧フィードバック量算出部405で算出した燃圧フィードバック量(第1燃圧フィードバック量)及び第1基本駆動タイミング算出部407で算出した基本駆動タイミング(第1基本駆動タイミング)に基づいて、高圧燃料ポンプ(第1高圧燃料ポンプ)220Aの最終的な駆動タイミングを算出する。ブロック410では、第2燃圧フィードバック量算出部406で算出した燃圧フィードバック量(第2燃圧フィードバック量)及び第2基本駆動タイミング算出部408で算出した基本駆動タイミング(第2基本駆動タイミング)に基づいて、高圧燃料ポンプ(第2高圧燃料ポンプ)220Bの最終的な駆動タイミングを算出する。ブロック409は第1高圧燃料ポンプ220Aの第1駆動タイミング算出部を構成し、ブロック410は第2高圧燃料ポンプ220Bの第2駆動タイミング算出部を構成する。
第1駆動タイミング算出部409及び第2駆動タイミング算出部410で算出した各駆動タイミングに基づいて、ブロック411の第1高圧燃料ポンプ220Aを駆動し、ブロック412の第2高圧燃料ポンプ220Bを駆動することで、実燃圧が目標燃圧と一致するように各高圧燃料ポンプ220A,220Bにおける燃料吐出量をフィードバック制御する。
次に、図7を用いて、高圧燃料ポンプ220A,220Bの駆動タイミングについて説明する。図7は、本発明に係るエンジン制御装置における高圧燃料ポンプの駆動タイミングと吐出量の関係を示す図である。
吸気カムの回転によって、ポンプ駆動カム253が回転した時のプランジャ264の上下駆動(図2)の軌跡を表したものがカムリフト#1、カムリフト#2である。カムリフト#1及びカムリフト#2の軌跡が上昇している最中はプランジャ264による燃料圧縮状態になるため、燃料吐出可能な状態である。よって、カムリフトが増加するタイミングでソレノイド272を駆動することで、吐出が行われることになる。なお、ソレノイド272の駆動は、ソレノイド信号#1及びソレノイド信号#2をLowからHighにすることで行われる。
この場合、カムリフトの増加開始直後から吐出すると吐出量大(図中(a))となり、カムリフト増加終了付近で吐出開始すると吐出量小(図中(b))となる。
そのため、所定の基準信号からの角度として駆動タイミングを制御することで吐出量を制御することができる。
吐出量を大きくしたい場合は、カムリフトが増加するタイミングの早い段階でソレノイド272を駆動する(駆動タイミングを小さくする)ことで吐出量が増加する。逆に、吐出量を減らしたい場合は、カムリフトの増加の終了側でソレノイド272を駆動する(駆動タイミングを大きくする)ことで吐出量を減らすことができる。
この駆動タイミングは、目標燃圧と実燃圧とを監視しながら、フィードバック制御される。例えば、目標燃圧が増加した場合(図中(c))は、目標燃圧と実燃圧との差が大きくなるため吐出量を増やす必要がある。この場合、駆動タイミングを小さくし、吐出量を増やすことで、実燃圧が目標燃圧に近づくことになる。目標燃圧に変化がない場合は、燃料噴射弁207A~207Fから噴射された燃料相当量を吐出するようにする。図7に示したものは、前述した吐出量分配が1対1の場合の図であり、両高圧燃料ポンプの吐出量が同じになる場合の動きである。
次に、図8及び図9を用いて、図4に示したブロック130の高圧燃料ポンプ220A,220Bへの吐出量分配判定手段について説明する。
図8は、本発明に係るエンジン制御装置における吐出量分配判定手段の制御概要を示した図である。図9は、吐出量分配判定手段の具体的な一例を示した図である。
ブロック801は、吐出量分配変更許可判定をするブロック(吐出量分配変更許可判定部)であり、エンジン回転数、エンジン負荷、アクセル開度、目標燃圧、車速から、吐出量の分配変更が可能かどうかの判定を行う。
ブロック802は、ブロック801で判定した分配変更許可判定を受けて、吐出量分配算出をするブロック(吐出量分配算出部)である。
具体的には、図9に示すように目標燃圧をエンジン回転数とエンジン負荷で可変としている場合、目標燃圧が高い領域(図中A領域)の場合は、2個備えてある高圧燃料ポンプの各々80%(最大吐出能力に対する割合)の吐出能力が必要であり、分配率(分配割合)を100%とする高圧燃料ポンプ1つによる駆動は不可である。一方、目標燃圧が中間の領域(図中B領域)の場合、もしくは低い領域(図中C領域)では、分配率としては、例えば1対1(分配率が50%)でも、分配率を100%とする高圧燃料ポンプ1つによる駆動でも可能となる。
よって、Aの領域からBの領域へ変化し、車両、エンジンの状態の変化が小さい状態(安定している状態)を前述のブロック801で分配変更許可判定した場合、ブロック802で、現状の分配率が例えば50%であれば、分配率を100%(1ポンプ駆動)へ変更する。
Aの領域からCの領域へ変化した場合も同様である。
逆に、Bの領域、もしくはCの領域からAの領域へ変化した場合は、前述した安定している状態の判定はせず、分配率を50%(2ポンプ駆動)にすることで目標燃圧への追従遅れを発生させないようにする。
図10及び図11を用いて、燃料吐出量の分配の変化がない場合の基本的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングの算出の詳細について説明する。
図10は、燃料吐出量の分配の変化がない場合の基本的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングの算出の詳細である。
ブロック1001では、前述したエンジン回転数とエンジン負荷から基本駆動タイミングを算出する。
ブロック1002では、燃圧偏差(目標燃圧から実燃圧を減算した値)とエンジン回転数からフィードバック補正項の比例分を算出する。算出は、前記燃圧偏差にエンジン回転数から算出する比例分ゲインを掛け合わせることで算出する。
ブロック1003では、前述の燃圧偏差の値とエンジン回転数から算出する積分分ゲインを掛け合わせた値を積分分の過去値から減算することでフィードバック補正項の積分分を算出する。
ブロック1004では、ブロック1001で算出した基本駆動タイミングとブロック1002で算出したフィードバック補正項の比例分とブロック1003で算出したフィードバック補正項の積分分を加算することで最終的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングを算出する。
図11は、エンジン回転数とエンジン負荷が変化した場合であり、目標燃圧が変化し、高圧燃料ポンプの駆動タイミングが変化した場合の一例である。ライン1101はエンジン回転数を示しており、ライン1102はエンジン負荷を示しており、エンジン回転数及びエンジン負荷が増加し、その後減少している状態である。
ライン1103は目標燃圧を示しており、エンジン回転数、エンジン負荷の増加に合わせて高くなり、エンジン回転数、エンジン負荷が減少する場合は低下する。
ライン1104は実燃圧を示しており、図10に示したように燃圧偏差によるフィードバック制御により、目標燃圧の変化に対して遅れた形で追従する状態となる。
ライン1105は基本駆動タイミングであり、ライン1103の目標燃圧と同様にエンジン回転数及びエンジン負荷から決まるパラメータであり、あらかじめ目標燃圧を実現するために記憶されている駆動タイミングデータから参照することで得られる。
ライン1106は比例分、ライン1107は積分分であり、それぞれ目標燃圧と実燃圧の偏差に基づき算出される。
図12、図13、図14を用いて、燃料吐出量の分配が変化した場合の基本的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングの算出の詳細について説明する。
図12は、燃料吐出量の分配が変化した場合の基本的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングの算出の詳細である。
ブロック1201では、前述したエンジン回転数とエンジン負荷から算出した基本駆動タイミングを前述した分配率(吐出量分配)に基づき切り替える方法とする。
例えば、分配率が50%の場合は、基本駆動タイミングAを使用し、分配率が100%の場合は基本駆動タイミングB、分配率が0%(吐出停止)の場合は基本駆動タイミングCを使用する。
ブロック1202では、燃圧偏差(目標燃圧から実燃圧を減算した値)とエンジン回転数からフィードバック補正項の比例分を算出する。算出は、前記燃圧偏差にエンジン回転数から算出する比例分ゲインを掛け合わせることで算出する。本比例分ゲインを分配率(吐出量分配)で切り替える。
例えば、分配率が50%の場合は、比例分ゲインAを使用し、分配率が100%の場合は比例分ゲインB、分配率が0%(吐出停止)の場合は比例分ゲインCを使用する。
ブロック1203では、前述の燃圧偏差の値とエンジン回転数から算出する積分分ゲインを掛け合わせた値を積分分の過去値から減算することでフィードバック補正項の積分分を算出する。本積分分ゲインを分配率(吐出量分配)で切り替える。
例えば、分配率が50%の場合は、積分分ゲインAを使用し、分配率が100%の場合は積分分ゲインB、分配率が0%(吐出停止)の場合は積分分ゲインCを使用する。
また、分配率が変化した際の前述した基本駆動タイミング、比例分、積分分の算出については、図13、図14により後述する。
ブロック1204では、ブロック1201で算出した基本駆動タイミングとブロック1202で算出したフィードバック補正項の比例分とブロック1203で算出したフィードバック補正項の積分分を加算することで最終的な高圧燃料ポンプの駆動タイミングを算出する。本算出については、各々の高圧燃料ポンプ毎に行われる。
図13は、本発明を取り入れる前の分配率が変化した際の高圧燃料ポンプの駆動タイミングの状態を示した一例である。
ライン1301は分配指令値を示しており、分配率50%(2個駆動)から、分配率100%(1個駆動)へ変化し、その後、再度分配率50%(2個駆動)に変化した状態である。
ライン1302は、ポンプAの基本駆動タイミングを示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した基本駆動タイミングAであり、分配率が100%の時は、基本駆動タイミングBとなる。再度分配率50%になると基本駆動タイミングAに切り替わる。
ライン1303は、ポンプBの基本駆動タイミングを示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した基本駆動タイミングAであり、分配率が0%の時(本例ではポンプBは駆動停止対象)は、基本駆動タイミングCとなる。なお、基本駆動タイミングCは、無吐出(吐出停止)となる駆動タイミングであり、前述した図7のカムリフト#2の山が下がっている領域でソレノイドをON/OFFするタイミングである。ただし、本状態の時は、ソレノイドをON/OFFすることを停止(OFF状態保持)した場合と吐出状況(無吐出状態)は変わらないため、ソレノイドのON/OFFによる音低減のため、OFF固定とする。再度分配率50%になると基本駆動タイミングAに切り替わる。
ライン1304は、ポンプAの比例分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した比例分ゲインAから算出したものであり、分配率が100%の時は、比例分ゲインBから算出したものとなる。再度分配率50%になると比例分ゲインAによる算出に切り替わる。
ライン1305は、ポンプBの比例分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した比例分ゲインAから算出したものであり、分配率が0%の時(本例ではポンプBは駆動停止対象)は、比例分ゲインCから算出したものとなる。本例では、比例分ゲインCの値が0設定である前提での動作であり、駆動停止中の比例分の値は0となる。再度分配率50%になると比例分ゲインAによる算出に切り替わる。
ライン1306は、ポンプAの積分分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した積分分ゲインAから算出したものであり、分配率が100%の時は、積分分ゲインBから算出したものとなる。再度分配率50%になると積分分ゲインAによる算出に切り替わる。
ライン1307は、ポンプBの積分分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した積分分ゲインAから算出したものであり、分配率が0%の時(本例ではポンプBは駆動停止対象)は、積分分ゲインCから算出したものとなる。本例では、積分分ゲインCの値が0設定である前提での動作であり、駆動停止中の積分分の値は0となる。再度分配率50%になると積分分ゲインAによる算出に切り替わる。
ライン1308は、目標燃圧を示しており、ライン1309は、実燃圧を示している。分配が変化していない領域については、燃圧のフィードバック制御により、目標燃圧と実燃圧の差は少ないが、分配が変化した直後については乖離が発生する。
本乖離は、ポンプAとポンプBの吐出量で目標燃圧を維持していた状態から、ポンプAの吐出のみで目標燃圧を維持する状態に切り替わるため、燃圧フィードバックが追いつかないためと、図3に示したように、ポンプAとポンプBが各バンクに設置されている場合に、片側だけのポンプ駆動のみになった場合、ギャラリ内への燃料吐出量が充填されるまでに少なからず遅れが発生するためと考えられる。
ライン1310は、エンジン回転を示しており、運転者によるアクセル一定運転中に分配が変化した場合であり、分配が変わることで、エンジンに対して高圧燃料ポンプの駆動負荷が変わることによりエンジン回転の変動が発生すると考えられる。
図14は、本発明における分配率が変化した際の高圧燃料ポンプの駆動タイミングの状態を示した一例である。
ライン1401は分配指令値を示しており、分配率50%(2個駆動)から、分配率100%(1個駆動)へ変化し、その後、再度分配率50%(2個駆動)に変化した状態である。
ライン1402は、ポンプAの基本駆動タイミングを示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した基本駆動タイミングAであり、分配率が100%に変更した場合には1個駆動の対象である場合の基本駆動タイミングBを目標にあらかじめ決められた所定の量を減算することで前記目標の駆動タイミングになるようにする。再度分配率50%に変化した場合も同様に、分配率50%の時の基本駆動タイミングAを目標にあらかじめ決められた所定の量を加算することで前記目標の駆動タイミングになるようにする。
ライン1403は、ポンプBの基本駆動タイミングを示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した基本駆動タイミングAであり、分配率が0%(本例ではポンプBは駆動停止対象)に変化した場合には、基本駆動タイミングCを目標にあらかじめ決められた所定の量を減算することで前記目標の駆動タイミングになるようにする。なお、基本駆動タイミングCは、無吐出(吐出停止)となる駆動タイミングであり、前述した図7のカムリフト#2の山が下がっている領域でソレノイドをON/OFFするタイミングである。ただし、本状態の時は、ソレノイドをON/OFFすることを停止(OFF状態保持)した場合と吐出状況(無吐出状態)は変わらないため、ソレノイドのON/OFFによる音低減のため、OFF固定とする。再度分配率50%に変化した場合も同様に、分配率50%の時の基本駆動タイミングAを目標にあらかじめ決められた所定の量を加算することで前記目標の駆動タイミングになるようにする。なお、前述した所定の量は、前述した目標燃圧と前述した実燃圧との偏差に基づき補正することで、実燃圧の変動を抑えても良い。
すなわち、燃料吐出量の分配の変更がある場合において、ポンプA、ポンプBの基本駆動タイミングは、変更後の燃料吐出量の分配及びエンジン状態に基づく基本駆動タイミングを目標とし、その目標(の基本駆動タイミング)に一致するようにあらかじめ算出した(駆動タイミングの)増減量を反映する。また、その目標(の基本駆動タイミング)に一致するようにあらかじめ算出した増減量は、目標燃圧と実燃圧の偏差に基づき算出する。
ライン1411は分配変更許可状態を表す情報であり、分配変更可能と判断した場合に許可状態となる。その後、ライン1402、ライン1403の基本駆動タイミングが分配変更後の目標とする基本駆動タイミングに、ともに到達した場合に、許可状態を終了させる。
ライン1404は、ポンプAの比例分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した比例分ゲインAから算出したものであり、分配率が100%に変更した場合、前述したライン1411が許可状態の期間は、許可区間(徐変区間)用の比例分ゲインによる算出を行う。その後、許可状態が終了したら、分配率100%の時の比例分ゲインBから算出したものとなる。再度分配率50%になると、前述したように許可区間(徐変区間)用の比例分ゲインによる算出を行い、その後、許可状態が終了したら、比例分ゲインAからの算出に切り替わる。
ライン1405は、ポンプBの比例分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した比例分ゲインAから算出したものであり、分配率が0%に変更した場合、前述したライン1411が許可状態の期間は、許可区間(徐変区間)用の比例分ゲインによる算出を行う。その後、許可状態が終了したら、分配率が0%(本例ではポンプBは駆動停止対象)であるため、比例分ゲインCから算出したものとなる。本例では、比例分ゲインCの値が0設定である前提での動作であり、駆動停止中の比例分の値は0となる。再度分配率50%になると、前述したように許可区間(徐変区間)用の比例分ゲインによる算出を行い、その後、許可状態が終了したら、比例分ゲインAからの算出に切り替わる。
ライン1406は、ポンプAの積分分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した積分分ゲインAから算出したものであり、分配率が100%に変更した場合、ライン1407のポンプBの積分分を加算後、前述したライン1411が許可状態の期間中は、許可区間(徐変区間)用の積分分ゲインによる算出を行う。その後、許可状態が終了したら、分配率が100%であるため、積分分ゲインBから算出したものとなる。再度分配率50%になると前述したように許可区間(徐変区間)用の積分分ゲインによる算出を行い、その後、許可状態が終了したら、所定の割合分をポンプBの積分分に移行後、積分分ゲインAによる算出に切り替わる。
ライン1407は、ポンプBの積分分を示しており、分配率50%の時は、図12の説明で前述した積分分ゲインAから算出したものであり、分配率が0%(本例ではポンプBは駆動停止対象)に変更した場合、本例ではポンプBは駆動停止の対象(分配割合が0対1に相当)であるため、積分分ゲインCから算出したものとなる。本例では、積分分ゲインCの値が0設定である前提での動作であり、駆動停止中の積分分の値は0となる。再度分配率50%になると、ライン1406のポンプAの積分分の所定の割合分を加算後、積分分ゲインAによる算出に切り替わる。
すなわち、燃料吐出量の分配の変更要求がある場合において、駆動タイミングのフィードバック補正項の比例分及び積分分を含む燃圧フィードバック量の算出方法を変更する。
ライン1408は、目標燃圧を示しており、ライン1409は、実燃圧を示している。分配が変化していない領域については、燃圧のフィードバック制御により、目標燃圧と実燃圧の差は少なく、分配が変化した直後においても、今回の実施例により乖離が抑えられ、燃料噴射量のばらつきも抑えられ、排気性能の低下の抑制が可能となる。
ライン1410は、エンジン回転を示しており、運転者により一定状態中に分配が変化した場合においても回転変動が抑えられることになる。これは、分配が変化した時においても、ポンプA,ポンプBの各々の吐出量が急変しないようにしたためである。
図15は、本発明における分配率が100%の場合で、ポンプAが駆動中に異常判定を示した一例である。
ライン1501は分配指令値を示しており、分配率が100%の状態である。
ライン1502はポンプAの駆動タイミングのフィードバック補正項で、ライン1504は異常判定用の上限閾値を示している。ライン1505は異常判定用の下限閾値を示している。
ライン1506はポンプAの異常判定の状態を示したもので、ライン1502のポンプAの駆動タイミングのフィードバック補正項がライン1504の異常判定用の上限閾値を超えている状態が所定時間t経過したときに、異常の判定を行う。
ライン1503はポンプBの駆動タイミングのフィードバック補正項で、ライン1506が異常判定になるまでは、ポンプAのみの駆動であるため、0設定となっているが、ポンプAが異常判定となった後は、ポンプAの駆動は停止させ、ポンプBの駆動に切り替えるため、ポンプBの駆動タイミングのフィードバック補正項の算出が開始される。
合わせて、フェール状態の制御を開始するために、分配指令値切り替え停止、目標燃圧の上限値ガード処理により、1個の高圧燃料ポンプの吐出能力で達成できる燃圧以下(例えば、あらかじめ決められた異常発生時用の目標燃圧の算出方法によって算出した目標燃圧)に目標燃圧を設定するといった処理を実施する。
すなわち、吐出量分配判定手段130による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプの駆動を行う場合に、駆動タイミングのフィードバック補正項の比例分及び積分分を含む燃圧フィードバック量が所定の上限閾値より大きい場合、もしくは所定の下限閾値より小さい場合、駆動している高圧燃料ポンプが異常と判定する。また、その異常と判定された高圧燃料ポンプを無吐出状態(駆動停止)になる指令を行う。さらに、その異常と判定された場合において、目標燃圧をあらかじめ決められた異常発生時用の目標燃圧の算出方法によって算出した目標燃圧へ切り替える。
図16、図17、図18、図19、図20は、本発明の対象となる高圧燃料ポンプの駆動タイミング算出手段を備えたエンジン制御装置の制御フローチャートの一例である。
図16は、図8のブロック801に記載の吐出量分配変更許可判定のフローチャートの一例である。
ステップ1601で、分配変更非許可かの確認を行う。YESの場合は、ステップ1602へ進み、現状の分配率が50%(2ポンプ駆動中)かの確認を行う。YESの場合は、ステップ1603へ進み、アクセル、車速、回転、負荷の変化量が所定範囲以内かどうかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1604へ進み、燃圧偏差(目標燃圧と実燃圧の偏差)が所定範囲以内かどうかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1605へ進み、目標燃圧が所定値以下かどうかの確認を行い、YESの場合は、ステップ1606へ進み、分配変更許可判定を行い、本フローを終了する。
ステップ1601で、NOの場合は、ステップ1607へ進み、基本駆動タイミングがマップ値(目標値)に到達していないかどうか、図14記載の徐変区間内かどうかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1606へ進み、分配変更許可判定を行い、本フローを終了する。NOの場合は、ステップ1610へ進み、分配変更非許可判定を行い、本フローを終了する。
ステップ1602で、NOの場合は、ステップ1608へ進み、目標燃圧が所定値以上かどうかの確認を行い、YESの場合は、ステップ1606へ進み、分配変更許可判定を行い、本フローを終了する。NOの場合は、ステップ1609へ進み、加速判定したかの確認を行う。加速判定は、前述したアクセル開度の所定時間内の増加が多い場合や、前述した、エンジン回転数、エンジン負荷の所定時間内の増加が多い場合などにより判定する。ステップ1609で、YESの場合は、ステップ1606へ進み、分配変更許可判定を行い、本フローを終了する。NOの場合は、ステップ1610へ進み、分配変更非許可判定を行い、本フローを終了する。
ステップ1603、ステップ1604、ステップ1605で、NOの場合は、ステップ1610へ進み、分配変更非許可判定を行い、本フローを終了する。
図17は、図8のブロック802に記載の吐出量分配算出のフローチャートの一例である。
ステップ1701で、ポンプの異常判定が無いことの確認を行う。YESの場合は、ステップ1702へ進み、分配変更許可中かどうかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1703へ進み、現状の分配率が50%(2ポンプ駆動中)かの確認を行う。YESの場合は、ステップ1704へ進み、分配率=100%(1ポンプ駆動)とし、本フローを終了する。
ステップ1701で、NOの場合は、ステップ1704へ進み、分配率=100%(1ポンプ駆動)とし、本フローを終了する。但し、すべてのポンプが異常判定となった場合は、別のフェールセーフ処理とする。
ステップ1702で、NOの場合は、本フローを終了する。
ステップ1703で、NOの場合は、ステップ1705へ進み、分配率=50%(2ポンプ駆動)とし、本フローを終了する。
図18、図19、図20は、図14記載の分配指令値(つまり、吐出量分配)が変化する場合のポンプ駆動タイミングの算出方法のフローチャートの一例である。
ステップ1801で、分配変更許可中かどうかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1802へ進み、分配率=100%状態(1ポンプ駆動要求)かの確認を行う。YESの場合は、ステップ1803へ進み、Aポンプ単体駆動時間とBポンプ駆動時間の長さを比較し、Bポンプの駆動時間が短い場合(YESの場合)は、ステップ1804へ進み、Bポンプの100%駆動(単体駆動)の処理を行う。また、Aポンプにおいては、無吐出化の処理を行う。Bポンプの駆動時間が長い場合(NOの場合)は、ステップ1805へ進み、Aポンプの100%駆動(単体駆動)の処理、及びBポンプの無吐出化の処理を行い、本フローを終了する。
ステップ1801で、NOの場合は、図20のステップ2001へ進み、分配率=100%状態(1ポンプ駆動要求)かの確認を行う。YESの場合は、ステップ2002へ進み、Aポンプ単体駆動中かの確認を行う。YESの場合は、ステップ2003へ進み、Aポンプの単体での吐出駆動を行う。この際、Aポンプの駆動時間の計測を実施する。
ステップ2002で、NOの場合は、ステップ2004へ進み、Bポンプの単体での吐出駆動を行い、Bポンプの駆動時間の計測も実施する。これらの各々の単体駆動の時間は前述したステップ1803(図18)で使用するためのものであり、各々のポンプの単体駆動時間が偏らないようにするためである。このように駆動頻度を均一化することで経時劣化による不具合の頻度低下を達成できる。
すなわち、吐出量分配判定手段130による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプの駆動を行う場合に、駆動している高圧燃料ポンプの駆動頻度を算出する機能を備え、吐出量分配判定手段130により一つの高圧燃料ポンプの駆動の要求が発生した時、その駆動頻度に基づき駆動させる高圧燃料ポンプを選択する。また、高圧燃料ポンプの駆動頻度の算出は、高圧燃料ポンプが駆動している時間(駆動時間)を算出することを含む。
ステップ2001で、NOの場合は、ステップ2005へ進み、2ポンプ(A、Bポンプ)の駆動を継続することになる。具体的には、ステップ2003とステップ2004の両方の処理を行うことになる。
ステップ1802で、NOの場合は、図19のステップ1901へ進み、Aポンプによる単体駆動中だったかの確認を行う。YESの場合は、ステップ1902へ進み、Aポンプ側については、2ポンプ駆動へ徐変処理を行い、Bポンプ側については、無吐出状態からの2ポンプ駆動へ徐変処理を行う。NOの場合は、ステップ1903へ進み、Bポンプ側は、2ポンプ駆動へ徐変処理を行い、Aポンプ側は、無吐出状態からの2ポンプ駆動へ徐変処理を行い、本フローを終了する。
以上説明した本実施例をまとめると以下である。
本実施例の目的は、少なくとも二つの高圧燃料ポンプを備えたエンジンにおいて各々の高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプへの吐出指令値を算出する機能を備え、分配切り替え時の燃料圧力変動を抑えることで燃料噴射量の変動を抑え、排気性能の悪化を抑えること、高圧燃料ポンプの駆動負荷の急変を抑えることでエンジンの回転変動を抑え、運転性の向上を行うことである。
また、一つの高圧燃料ポンプの駆動中において、駆動頻度(例えば、時間や回数)を計測し、分配切り替えにより一つの高圧燃料ポンプの駆動を行う際に駆動する高圧燃料ポンプの選択に前記駆動頻度を使用し、すべての高圧燃料ポンプの駆動頻度が同等になるようにする。このようにすることで、すべての高圧燃料ポンプの経時劣化度合いも同一となり、高圧燃料ポンプの交換サイクルを長く保つことである。
最後に、一つの高圧燃料ポンプの駆動中において、燃圧フィードバック量が所定の量よりも大きいか、所定の量よりも小さい時に駆動中の高圧燃料ポンプの異常を判断することでフェールセーフ処理を可能にし、交換すべき高圧燃料ポンプを明確にし、交換作業の時間短縮を可能にすることである。
上記課題を解決するために、本実施例のエンジン制御装置217は、燃料を加圧して吐出する少なくとも二つの高圧燃料ポンプ220と、前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプ220から吐出された燃料を蓄圧するコモンレール252と、前記コモンレール252の燃料圧力を測定する燃圧センサ221と、を備え、前記燃圧センサ221の検出値から実燃圧を算出する実燃圧算出部402と、前記エンジン201の状態に基づいて目標燃圧を算出する目標燃圧算出部403と、前記目標燃圧に前記実燃圧が一致するように前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプ220の吐出量を制御するための燃圧フィードバック量を算出する燃圧フィードバック量算出部(405,406)と、前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプ220の燃料吐出量の分配(吐出量分配)を決める吐出量分配判定部130と、前記吐出量分配判定部130による決定した分配判定結果及び前記エンジン201の状態に基づいて前記高圧燃料ポンプ220の前記燃料を加圧する基本駆動タイミングを算出する基本駆動タイミング算出部(407,408)と、を備え、前記吐出量分配判定部130により前記燃料吐出量の分配の変更がある場合において、前記基本駆動タイミングは、前記変更後の前記燃料吐出量の分配及び前記エンジン状態に基づく基本駆動タイミングを目標とし、前記目標に一致するようにあらかじめ算出した(駆動タイミングの)増減量を反映する。
前記吐出量分配判定部130による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプ220の駆動を行う場合には、前記駆動している高圧燃料ポンプ220の駆動頻度を算出し、前記吐出量分配判定部130により一つの高圧燃料ポンプ220の駆動の要求が発生した時に、前記駆動頻度に基づき駆動させる高圧燃料ポンプ220を選択する。駆動頻度については、前記高圧燃料ポンプ220が駆動している時間を計測(算出)することで対応する。
また、前記吐出量分配判定部130による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプ220の駆動を行う場合に、前記燃圧フィードバック量が所定の上限閾値より大きい場合、もしくは所定の下限閾値より小さい場合、前記駆動している高圧燃料ポンプ220が異常と判定し、異常と判定された高圧燃料ポンプ220を無吐出状態になる指令を行うとともに、前記目標燃圧をあらかじめ決められた異常発生時用の目標燃圧の算出方法によって算出した目標燃圧へ切り替えることで、正常である高圧燃料ポンプ220のみで達成できる目標燃圧への燃圧フィードバック制御の継続も可能とする。
さらに、前記燃料吐出量の分配の変更がある場合において、目標燃圧と実燃圧の偏差を極力小さくするために、前記基本駆動タイミングを目標に一致するようにあらかじめ算出した増減量は、前記目標燃圧と前記実燃圧の偏差に基づき算出し、さらに前記燃圧フィードバック量の算出においても算出方法を変更することで可能にする。
本実施例によれば、少なくとも二つの高圧燃料ポンプ220を備えたエンジン201において各々の高圧燃料ポンプ220の燃料吐出量の分配を決める機能を備え、分配切り替え時の高圧燃料ポンプ220への吐出指令値を算出する機能を備え、分配切り替え時の燃料圧力変動を抑えることで燃料噴射量の変動を抑え、排気性能の悪化を抑えること、高圧燃料ポンプ220の駆動負荷の急変を抑えることでエンジン201の回転変動を抑え、運転性の向上が可能である。
また、一つの高圧燃料ポンプ220の駆動中において、駆動頻度(例えば、時間や回数)を計測し、分配切り替えにより一つの高圧燃料ポンプ220の駆動を行う際に駆動する高圧燃料ポンプ220の選択に前記駆動頻度を使用し、すべての高圧燃料ポンプ220の駆動頻度が同等になるようにする。このようにすることで、すべての高圧燃料ポンプ220の経時劣化度合いも同一となり、高圧燃料ポンプ220の交換サイクルを長く保つことが可能である。
最後に、一つの高圧燃料ポンプ220の駆動中において、燃圧フィードバック量が所定の量よりも大きいか、所定の量よりも小さい時に駆動中の高圧燃料ポンプ220の異常を判断することでフェールセーフ処理を可能にし、交換すべき高圧燃料ポンプ220を明確にし、交換作業の時間短縮が可能である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく種々の変更ができるものである。上記実施例では、二つの高圧燃料ポンプ(デュアル高圧燃料ポンプ)を備えた構成について説明したが、三つ以上の高圧燃料ポンプを備えた構成についても、本発明を適用可能であることは当然である。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
201…エンジン、217…エンジン制御装置(ECU)、220,220A,220B…高圧燃料ポンプ、221…燃圧センサ、252,252A,252B…コモンレール、402…実燃圧算出部、403…目標燃圧算出部、405…第1燃圧フィードバック量算出部、406…第2燃圧フィードバック量算出部、407…第1基本駆動タイミング算出部、408…第2基本駆動タイミング算出部、409…第1駆動タイミング算出部、410…第2駆動タイミング算出部、801…吐出量分配変更許可判定部、802…吐出量分配算出部
Claims (8)
- 燃料を加圧して吐出する少なくとも二つの高圧燃料ポンプと、前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプから吐出された燃料を蓄圧するコモンレールと、前記コモンレールの燃料圧力を測定する燃圧センサと、を備えたエンジンを制御するエンジン制御装置において、
前記燃圧センサの検出値から実燃圧を算出する実燃圧算出部と、
前記エンジンの状態に基づいて目標燃圧を算出する目標燃圧算出部と、
前記目標燃圧に前記実燃圧が一致するように前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプの吐出量を制御するための燃圧フィードバック量を算出する燃圧フィードバック量算出部と、
前記少なくとも二つの高圧燃料ポンプの燃料吐出量の分配を決める吐出量分配判定部と、
前記吐出量分配判定部による決定した分配判定結果及び前記エンジンの状態に基づいて前記高圧燃料ポンプの前記燃料を加圧する基本駆動タイミングを算出する基本駆動タイミング算出部と、を備え、
前記吐出量分配判定部により前記燃料吐出量の分配の変更がある場合において、前記基本駆動タイミングは、前記変更後の前記燃料吐出量の分配及び前記エンジン状態に基づく基本駆動タイミングを目標とし、前記目標に一致するようにあらかじめ算出した増減量を反映することを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
前記吐出量分配判定部による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプの駆動を行う場合に、前記駆動している高圧燃料ポンプの駆動頻度を算出する機能を備え、前記吐出量分配判定部により一つの高圧燃料ポンプの駆動の要求が発生した時、前記駆動頻度に基づき駆動させる高圧燃料ポンプを選択することを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
前記吐出量分配判定部による判定に基づき一つの高圧燃料ポンプの駆動を行う場合に、前記燃圧フィードバック量が所定の上限閾値より大きい場合、もしくは所定の下限閾値より小さい場合、前記駆動している高圧燃料ポンプが異常と判定することを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
前記目標に一致するようにあらかじめ算出した増減量は、前記目標燃圧と前記実燃圧の偏差に基づき算出することを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項2に記載のエンジン制御装置において、
前記高圧燃料ポンプの駆動頻度の算出は、前記高圧燃料ポンプが駆動している時間を算出することを含むことを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
前記吐出量分配判定部により前記燃料吐出量の分配の変更要求がある場合において、前記燃圧フィードバック量の算出方法を変更することを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
前記異常と判定された高圧燃料ポンプを無吐出状態にする指令を行うことを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
前記異常と判定された場合において、前記目標燃圧をあらかじめ決められた異常発生時用の目標燃圧の算出方法によって算出した目標燃圧へ切り替えることを特徴とするエンジン制御装置。
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2021
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