JP2023010269A - 構造用ケーブルの防食工法およびその防食工法が施された構造用ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造用ケーブルの防食工法は、吊橋および斜張橋を含む吊構造物に使用されている屋外露出された構造用ケーブルの防食工法であって、構造用ケーブルを視認可能な透明な樹脂薄膜であって溶着可能な樹脂薄膜により構造用ケーブルを包み込んで覆うものである。ここで、この溶着可能な樹脂薄膜の素材としては、ふっ素樹脂が好ましく特にETFEが好ましい。また、この溶着可能な樹脂薄膜の形状としては、テープ状であったりシート状であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明のある局面に係る構造用ケーブルの防食工法は、吊橋および斜張橋を含む吊構造物に使用されている屋外露出された構造用ケーブルの防食工法であって、前記構造用ケーブルを視認可能な透明、かつ、溶着可能な樹脂薄膜により前記構造用ケーブルを包み込んで覆うことを特徴とする。
さらに好ましくは、前記樹脂薄膜はテープ状であって、前記テープ状の樹脂薄膜をテープ幅の少なくとも一部を重ね合わせて前記構造用ケーブルに螺旋状に巻き付けることにより、前記構造用ケーブルを前記テープ状の樹脂薄膜により包み込んで覆うように構成することができる。
さらに好ましくは、前記樹脂薄膜どうしを重ね合わせた後に、重ね合わせた部分を加熱して熱溶着するように構成することができる。
また、本発明の別の局面に係る防食工法が施された構造用ケーブルは、上述したいずれ
かに記載の防食工法が施された、吊橋および斜張橋を含む吊構造物に使用されている屋外露出された構造用ケーブルであることを特徴とする。
好ましくは、前記樹脂薄膜と前記構造用ケーブルとの間に、前記構造用ケーブルの外部から供給された乾燥空気が流れる構造を備えるように構成することができる。
これらの図1~図2に示すように、本実施の形態に係る構造用ケーブルの防食工法は、
以下の特徴を備える。
ふっ素樹脂(fluorocarbon polymers)とは、ふっ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂の総称である。耐熱性耐薬品性の高さや摩擦係数の小さいことが特徴である。中でも最も大量に生産されているふっ素樹脂はポリテトラフルオロエチレン〈四ふっ化樹脂〉である。化学薬品に対する耐久力や電気絶縁性が高く、表面の摩擦係数は既知物質では最も低く、高温にも安定で不燃性のため、エンジニアリングプラスチックとして利用されている。最初に開発されたこのポリテトラフルオロエチレンは、260℃の耐熱性を持つが熱可塑性を示さず加工性が好ましくなかったために成形性を高めるために、完全にふっ素化されているポリテトラフルオロエチレンの、ふっ素基の一部を水素または塩素で置換したり、オレフィンとした様々なクロロトリフルオロエチレン樹脂やポリふっ化ビニリデン樹脂が開発された。これらの樹脂は耐熱性でポリテトラフルオロエチレンに劣るものの加工性は高く、圧縮、押出し、射出成形が可能な素材である。
図1(A)はETFEテープ150をハーフラップ未満(おおよそテープ幅の1/4程度)を重ね合わせ)で螺旋状に巻き付けている状態、図1(B)はハーフラップで螺旋状に巻き付けている状態を、それぞれ示す。なお、防食目的のための外套管120を備えないで、ケーブル素線110に防食塗料が直接塗布されていても構わない。
ケーブル素線110とそのケーブル素線110の外周側を覆う外套管(PE管)120とがETFEテープ152によりハーフラップで螺旋状に巻き付けられて、構造用ケーブルがテープ状の樹脂薄膜により包み込まれている状態である。
図1(A)および図1(B)のいずれの場合であっても、ケーブル素線110および外套管(PE管)120に螺旋状に巻き付けたETFEテープ150どうしの重なり部分(テープ幅の約1/4)、または、ETFEテープ152どうしの重なり部分(テープ幅の約1/2)を加熱して熱溶着する。この熱溶着によりETFEテープどうしが溶着して重なり部分から空気および水分の浸入を抑制して腐食の進行を遅らせることができる。
次に、図2を参照して、シート状の樹脂薄膜(ETFEシート)を構造用ケーブルに、シート状の樹脂薄膜が単層の筒状になるように巻き付けて、構造用ケーブルの長手方向と垂直な方向のシート端部どうしを重ね合わせることにより、構造用ケーブルをシート状の樹脂薄膜により包み込んで覆う態様について説明する。
さらに、構造用ケーブルを視認可能な透明、かつ、溶着可能な樹脂薄膜(ここではETFEシート160)により構造用ケーブルを包み込んでいるために、防食工法の施工後において構造用ケーブルの構成部品についての劣化等の状況を容易に視認して確認することができる点で好ましい。
以上のように説明してきた本実施の形態に係る構造用ケーブルの防食工法について、さらに詳しく説明する。
また、本実施の形態に係る構造用ケーブルの防食工法を施工する範囲については、防食工法の対象である構造用ケーブルの全長にわたって施工しても良いし、変状が生じており防水性・気密性を付与したい部分のみに施工しても良い。
外套管の一部のみが損傷しているが大部分は健全である場合には、外套管の上から直接ETFEテープを巻き付ける。巻き付け方法としては、上述した図1に示した態様と図2に示した態様との2種類がある。なお、外套管の破損が酷く、直接テープを巻けない場合には、外套管を除去して以下の[2]防食塗料を直接塗布して防食しているケーブルと同様の処置を行なうことになる。
ケーブル表面の凹凸が小さくテープがフィットする場合は[1]と同様の処置を行うが、ケーブルを複数本束ねるなどして表面の凹凸が大きい場合には、凹凸を滑らかにするために段差部に成型材を充填して表面を滑らかにしてから[1]と同様の処置を行なうことになる。
この場合において、被覆材(成型材)として透明樹脂や透明粘土を使用すると鋼材(ケーブル)内部まで視認できるようにすることが好ましく、また、後述する水分または湿気で変色または変質する物質を配置して腐食要因の浸入が可視化しておくことが望ましい。
次に、構造用ケーブル(鋼材)の腐食の視認について説明する。構造用ケーブル(鋼材)の腐食速度は外部環境により大きく異なるため、腐食速度が遅い場合には視認する作業者または視認頻度により腐食進展の有無の判断が異なる可能性がある。そのため、腐食要因の浸入を可視化するために以下のような手段を講じると本実施の形態における内部視認効果はより有益な作用効果を奏するものとなる。
本発明に係る構造用ケーブルの防食工法が対象とする吊橋または斜張橋等の構造用ケーブルが腐食する要因として、水分または湿気の存在の有無が大きく関係する。そのため、腐食進展の判断基準として水分または湿気の浸入の可視化が重要である。そのため、本実施の形態においては、水分または湿気の浸入を透明のふっ素樹脂薄膜の上からでも可視化する方法として、水分または湿気で変色または変質する物質を配置することが挙げられる。具体例としては、以下の物質が挙げられる。
水分の浸入に対してマイクロカプセルが破壊して色素の溶出することで検知するものである。
(2)除湿等に用いられるシリカゲル
水分または湿気によりシリカゲルが変色することで検知するものである。なお、この方法はシリカゲルが水分または湿気を吸収する期間内においては構造用ケーブル(鋼材)の防食効果を期待することができる。
(3)塩化コバルト六水和物の粉末や溶液
水分または湿気により変色することで検知するものである。
(4)吸水シート
水分を吸収することによりその体積が膨張するため、その体積変化を視認して検知するものである。
このように、施工後であっても構造用ケーブルを視認可能な透明である樹脂薄膜で構造用ケーブルを覆うようにしたので、構造用ケーブルの構成部品についての劣化等の状況(構造用ケーブル(鋼材)自体の発錆有無および進展状況、亜鉛めっきやワックスなどの構造用ケーブル(鋼材)における防錆層の発錆有無および進展状況、PE管(ポリエチレン管)などの外套管の劣化状況等の変状)を視認することができる。さらに、変状の発生原因である水分または湿気の浸入を可視化することにより、視認による変状発見の精度を向上することができる。
以下において、本発明の実施の形態の変形例について説明する。この変形例は、本発明に係る防食工法が施された(施工された)構造用ケーブルに送気乾燥システムを適用した場合(すなわち本発明に係る防食工法が施された本発明に係る構造用ケーブルが送気乾燥機能を好適に備える場合)であって、図3および図4を参照して説明する。ここで、図3は、図2に示すふっ素樹脂(好ましくはETFE)シートにより構造用ケーブルを包み込んで覆う防食工法が施工された構造用ケーブルに送気乾燥システムを適用した状態を示す図であって、図4は、図1(A)に示すふっ素樹脂(好ましくはETFE)テープにより構造用ケーブルを包み込んで覆う防食工法が施工された構造用ケーブルに送気乾燥システムを適用した状態を示す図である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
110 ケーブル素線
120 外套管
150、152 ETFEテープ
160 ETFEシート
162 シート端部
252 合成ゴムテープ
Claims (8)
- 吊橋および斜張橋を含む吊構造物に使用され、屋外露出された既設の構造用ケーブルまたは屋外露出される新設の構造用ケーブルの防食工法であって、
前記構造用ケーブルを視認可能な透明、かつ、溶着可能な樹脂薄膜により前記構造用ケーブルを包み込んで覆うことを特徴とする、構造用ケーブルの防食工法。 - 前記樹脂はふっ素樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の構造用ケーブルの防食工法。
- 前記樹脂薄膜はテープ状であって、前記テープ状の樹脂薄膜をテープ幅の少なくとも一部を重ね合わせて前記構造用ケーブルに螺旋状に巻き付けることにより、前記構造用ケーブルを前記テープ状の樹脂薄膜により包み込んで覆うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の構造用ケーブルの防食工法。
- 前記樹脂薄膜はシート状であって、前記シート状の樹脂薄膜を前記構造用ケーブルに、前記シート状の樹脂薄膜が単層の筒状になるように巻き付けて、前記構造用ケーブルの長手方向と垂直な方向のシート端部どうしを重ね合わせることにより、前記構造用ケーブルを前記シート状の樹脂薄膜により包み込んで覆うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の構造用ケーブルの防食工法。
- 前記樹脂薄膜どうしを重ね合わせた後に、重ね合わせた部分を加熱して熱溶着することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の構造用ケーブルの防食工法。
- 前記構造用ケーブルと前記樹脂薄膜との間に、水分または湿気に反応する物質を配置したことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の構造用ケーブルの防食工法。
- 請求項1~請求項6のいずれかに記載の防食工法が施された、吊橋および斜張橋を含む吊構造物に使用されている屋外露出された構造用ケーブル。
- 前記樹脂薄膜と前記構造用ケーブルとの間に、前記構造用ケーブルの外部から供給された乾燥空気が流れる構造を備える、請求項7に記載の構造用ケーブル。
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