JP2023005783A - ダイオード - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイオードの寸法を拡大せずとも、オン抵抗を低減することができる技術を提供する。【解決手段】 ダイオードは、半導体層と、前記半導体層の表面に配置される表面電極と、前記半導体層の前記表面から裏面に向かって延びる複数のトレンチと、前記複数のトレンチの内壁面を覆う絶縁膜と、前記トレンチに充填されるとともに、前記表面電極に接触する導電部と、前記半導体層の前記裏面に配置される裏面電極と、を備え、前記複数のトレンチのうちの隣り合う2個のトレンチの間には、前記半導体層のメサ部が配置されており、前記メサ部のうちの少なくとも一部には、前記メサ部の両側に位置する前記トレンチに配置される前記絶縁膜と離間しており、周辺に位置する前記半導体層よりも不純物濃度が高い高濃度領域が配置されている。【選択図】図1
Description
本明細書は、ダイオードに関する。本明細書は、特に、半導体層の表面にトレンチを有するダイオードに関する技術を開示する。
特許文献1に、トレンチMOS型ショットキーバリアダイオードが開示されている。ショットキーバリアダイオードは、半導体基板と、エピタキシャル層と、ショットキーメタルと、電極メタルと、を備える。エピタキシャル層は、半導体基板の表面上に配置されている。エピタキシャル層の表面には、複数の内側トレンチが形成されている。ショットキーメタルは、内側トレンチの内壁面を含むエピタキシャル層に対向するように形成されている。
ショットキーバリアダイオードでは、オン抵抗は、ショットキーメタルとエピタキシャル層との接触面積が小さいほど大きい。このため、上記した技術において、オン抵抗を低減するためには、即ち、ショットキーメタルとエピタキシャル層との接触面積を増加するためには、ダイオードの寸法を拡大することが考えられる。
本明細書では、ダイオードの寸法を拡大せずとも、オン抵抗を低減することができる技術を提供する。
本明細書に開示される技術は、ダイオードに関する。ダイオードは、半導体層と、前記半導体層の表面に配置される表面電極と、前記半導体層の前記表面から裏面に向かって延びる複数のトレンチと、前記複数のトレンチの内壁面を覆う絶縁膜と、前記トレンチに充填されるとともに、前記表面電極に接触する導電部と、前記半導体層の前記裏面に配置される裏面電極と、を備え、前記複数のトレンチのうちの隣り合う2個のトレンチの間には、前記半導体層のメサ部が配置されており、前記メサ部のうちの少なくとも一部には、前記メサ部の両側に位置する前記トレンチに配置される前記絶縁膜と離間しており、周辺に位置する前記半導体層よりも不純物濃度が高い高濃度領域が配置されている。
この構成では、メサ部に高濃度領域を配置することによって、表面電極から裏面電極に向かって流れる電流は、高濃度領域を通過する。このため、オン抵抗が低減される。この構成によれば、ダイオードの寸法を拡大せずとも、オン抵抗を低減することができる。
前記高濃度領域は、前記メサ部の幅に対して、0.9以下の幅を有していてもよい。
高濃度領域が絶縁膜に接触すると、逆方向電圧の印加時に、空乏層が広がりにくくなり、導電部とメサ部との間にリーク電流が流れやすくなるため、耐圧が低下する。高濃度領域の幅を、メサ幅の0.9以下に設定することによって、製造時の誤差や不純物の分布によってメサ幅に誤差が生じたとしても、高濃度領域が、絶縁膜に接触することを抑制することができる。
前記高濃度領域は、前記メサ部の深さに対して、0.5以下の長さを有していてもよい。
トレンチの深さ方向における高濃度領域の長さを、0.5以下に設定することによって、高濃度領域が、電界集中が発生するトレンチの裏面側端近傍に配置されることを抑制することができる。この結果、トレンチの裏面側端近傍の不純物濃度が高くなって、空乏層を広がりにくくなることを抑制することができる。これにより、逆方向電圧の印加時の耐圧の低下を抑制することができる。
前記高濃度領域と前記高濃度領域が配置される前記メサ部の両側に位置する前記トレンチに配置される前記絶縁膜との間と、前記高濃度領域と前記半導体層の前記表面との間と、の少なくとも一方に、前記高濃度領域及び前記メサ部の他の部分よりも不純物濃度が低い第1低濃度領域が配置されていてもよい。
この構成によれば、絶縁膜付近の半導体層の不純物濃度を小さくすることによって、逆方向電圧の印加時の耐圧の低下を抑制することができる。
前記複数のトレンチのうちの少なくとも一部のトレンチにおける前記裏面側端の前記半導体層の前記裏面側に位置する前記半導体層は、前記半導体層の他の部分よりも不純物濃度が低い第2低濃度領域を有していてもよい。
この構成によれば、電界集中が発生するトレンチの裏面側端近傍の不純物濃度を低くすることによって、空乏層を広がり易くすることができる。これにより、逆方向電圧の印加時の耐圧を向上させることができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図1を参照して実施例のダイオード100を説明する。ダイオード100は、トレンチMOS領域を有する縦型のショットキーダイオード、いわゆるトレンチMOS型ショットキーバリアダイオードである。
ダイオード100は、半導体層12と、アノード電極30と、カソード電極10と、絶縁膜21、31と、絶縁層22と、導電部32と、を備える。半導体層12は、基板14と、基板14の表面にエピタキシャル成長によって堆積されるエピタキシャル層16と、を備える。
基板14とエピタキシャル層16とは、n型不純物を含む酸化ガリウム(Ga2O3)を材料としている。n型不純物の例としては、シリコン(Si)が挙げられる。基板14の不純物濃度は、エピタキシャル層16の不純物濃度よりも高い。基板14の不純物濃度は、例えば6×1018cm-3であり、エピタキシャル層16の不純物は、例えば2×1016cm-3である。
基板14の裏面側(図1の下面側)即ち、半導体層12の裏面12cには、カソード電極10が配置されている。カソード電極10は、基板14とオーミック接触する金属(例えば、ニッケル(Ni)シリサイド、コバルト(Co)シリサイド)で形成されている。
エピタキシャル層16の表面、即ち、半導体層12の表面12bには、複数のトレンチ18が配置されている。なお、トレンチ18の本数は、図1の本数に限定されない。複数のトレンチ18は、表面12bからエピタキシャル層16を掘り下げることによって形成されている。複数のトレンチ18は、ドライエッチングによって形成される。複数のトレンチ18は、互いに同一形状を有する。トレンチ18は、一対の側面18aと、底面18dと、を含む内壁面(18a、18d)を備える。トレンチ18は、半導体層12の表面から裏面側に向かって(図1の上側から下方に向かって)垂直に掘り下げられている。一対の側面18aは、表面12bから垂直に下方に延びている。平面視で、複数のトレンチ18の側面18aは、互いに平行に並んでいる。一対の側面18aの間隔は一定である。
一対の側面18aの半導体層12の裏面側の端には、一対の側面18aを連結する底面18dが配置されている。底面18dは、一対の側面18aに対して垂直に延びる平面を有する。底面18dと一対の側面18aのそれぞれとの境界は、湾曲面で連結されている。なお、変形例では、底面18dは、湾曲面を有していてもよい。なお、図1では、1個のトレンチ18のみに符号18a、18dが付されており、他のトレンチ18の符号は省略されているが、複数のトレンチ18は、同一の構成を有する。
エピタキシャル層16の表面には、複数のトレンチ18よりも、ダイオード100の終端側に、終端トレンチ20が配置されている。終端トレンチ20は、半導体層12の外周に沿って、複数のトレンチ18の外側を一巡して囲んでいる。終端トレンチ20は、エピタキシャル層16の表面からエピタキシャル層16を掘り下げることによって形成されている。終端トレンチ20は、トレンチ18と同様に、ドライエッチングによって形成される。終端トレンチ20の側面と底面との境界は、トレンチ18と同様に、湾曲面で連結されている。
複数のトレンチ18及び終端トレンチ20のそれぞれの底面(即ち図1の下面)に接するエピタキシャル層16には、n型不純物濃度が周りよりも低い低濃度領域40が配置されている。低濃度領域40の不純物濃度は、例えば5×1015cm-3である。トレンチ18の下方に位置する低濃度領域40は、トレンチ18の幅と同様以上の幅を有しており、終端トレンチ20の下方に位置する低濃度領域40は、終端トレンチ20の幅と同様以上の幅を有している。低濃度領域40の高さ(即ち図1の上下方向の長さ)は、例えば、隣り合う2個のトレンチ18の間隔(即ち、メサ部12aの幅)の0.1倍~0.5倍である。低濃度領域40は、エピタキシャル層16にトレンチ18、20を形成後に、トレンチ18、20の底部のエピタキシャル層16にイオン注入し、アニール処理を実行することによって形成される。イオン注入では、n型不純物を含む酸化ガリウム(Ga2O3)の半導体層12に対して、p型不純物のマグネシウム(Mg)のイオンを注入することで、カウンタイオン注入が実行される。なお、低濃度領域40の不純物濃度は、均一であってもよいし、例えばトレンチ18近傍から離間するのに従って高くなるように変化していてもよい。
複数のトレンチ18のそれぞれの側面18a及び底面18dには、絶縁膜31が配置されている。絶縁膜31は、側面18c及び底面18dの全面を覆う。
同様に、終端トレンチ20の底面及び側面には、絶縁膜21が配置されている。絶縁膜21は、終端トレンチ20の底面及び側面の全体を覆っている。絶縁膜21、31は、例えば酸化ハフニウム(HfO2)等の絶縁材料である。なお、絶縁膜21、31は、化学蒸着(即ちCVD(Chemical Vapor Depositionの略))によって、例えば二酸化ケイ素(SiO2)と酸化ハフニウム(HfO2)との積層膜、あるいは、アルミナ(Al2O3)の積層膜であってもよい。
終端トレンチ20には、絶縁膜21を介して、絶縁層22が充填されている。絶縁層22は、絶縁膜21、31が堆積された後、終端トレンチ20内のみに酸化ハフニウム(HfO2)や二酸化ケイ素(SiO2)をさらに堆積させることによって形成される。絶縁層22の表面は、エピタキシャル層16、即ち半導体層12の表面と一致している。
複数のトレンチ18には、ポリシリコン製の導電部32が充填されている。なお、図1では、1個のトレンチ18のみに符号31、32が付されており、他のトレンチ18では符号31、32は省略されているが、複数のトレンチ18には、それぞれ同様に、絶縁膜31が配置され、導電部32と、が充填されている。なお、トレンチ18の充填材は、導電部32の材料(即ちポリシリコン)と後述するアノード電極30の材料との複合材料であってもよい。
導電部32の上端、即ち、複数のトレンチ18の上端には、アノード電極30が配置されている。アノード電極30は、半導体層12の表面に平板上に形成されている。アノード電極30は、複数のトレンチ18の上端において、導電部32と接触している。アノード電極30は、メタル電極であり、複数のトレンチ18及び終端トレンチ20との間に挟まれる半導体層12、即ち、半導体層12のメサ部12aの表面において、半導体層12とショットキー接触している。
アノード電極30は、絶縁層22の表面に接触することによって、フィールドプレート構造が構成されている。
複数のトレンチ18のうちの隣り合う2個のトレンチの間には、メサ部12aが形成されている。また、終端トレンチ20と終端トレンチ20と隣り合うトレンチ18との間にも、同様に、メサ部12aが形成されている。メサ部12aには、高濃度領域42と、低濃度領域44と、が配置されている。高濃度領域42は、エピタキシャル層16にイオン注入によって不純物を注入することによって作成されている。n型不純物の例としては、シリコン(Si)が挙げられる。高濃度領域42の不純物濃度は、周りのエピタキシャル層16よりも高く、例えば2×1017cm-3である。なお、高濃度領域42の不純物濃度は、均一であってもよい。あるいは、例えば中央部に不純物濃度が最も高い領域が存在し、終端部に向かって低くなるような領域が存在してもよい。高濃度領域42は、メサ部12aの幅方向の中央に配置されている。高濃度領域42は、メサ部12aの両側に位置する絶縁膜31のそれぞれから離間して配置されている。トレンチ18と終端トレンチ20との間のメサ部12aに配置される高濃度領域42は、メサ部12aの両側に位置する絶縁膜21、31のそれぞれから離間して配置されている。なお、低濃度領域44は、エピタキシャル層16と同じ不純物濃度であってもよい。言い換えると、低濃度領域44は配置されていなくてもよい。
高濃度領域42は、半導体層12の表面12bよりも下方に位置している。高濃度領域42は、表面12bには露出していない。高濃度領域42と絶縁膜21、31との間には、低濃度領域44が配置されている。低濃度領域44は、高濃度領域42の表面12b側にも配置されている。低濃度領域44は、表面12bからアノード電極30に露出している。低濃度領域44は、アノード電極30とショットキー接触している。低濃度領域44の不純物濃度は、エピタキシャル層16の不純物濃度よりも低い。低濃度領域44は、低濃度領域40と同様に形成される。
(ダイオード100の効果)
図2~図9を参照して、ダイオード100の効果を説明する。図2に示すように、メサ部12aの幅W1及び長さL1に対する高濃度領域42の幅W2及び深さL2の比率を変更したダイオード100に対するシミュレーションを行った。図3~図9は、ダイオード100を用いたシミュレーション結果を表すグラフである。本シミュレーションでは、メサ部12aの半導体層12の表面からの長さL1=6μmであり、メサ部12aの幅W1=4μmである。高濃度領域42の表面12bから距離は、0.2μmである。なお、シミュレーションでは、低濃度領域44は配置されていない。
図2~図9を参照して、ダイオード100の効果を説明する。図2に示すように、メサ部12aの幅W1及び長さL1に対する高濃度領域42の幅W2及び深さL2の比率を変更したダイオード100に対するシミュレーションを行った。図3~図9は、ダイオード100を用いたシミュレーション結果を表すグラフである。本シミュレーションでは、メサ部12aの半導体層12の表面からの長さL1=6μmであり、メサ部12aの幅W1=4μmである。高濃度領域42の表面12bから距離は、0.2μmである。なお、シミュレーションでは、低濃度領域44は配置されていない。
図3~図5には、メサ部12aの幅W1に対する高濃度領域42の幅W2の比率が異なる複数のダイオード100を用いたシミュレーション結果が表される。具体的には、シミュレーションでは、W2/W1=0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9の8種類のダイオード100が用いられた。シミュレーションでは、さらに、高濃度領域42が配置されていないダイオード、即ち、W2/W1=0のダイオードと、高濃度領域42が絶縁膜31に接触しているダイオード、即ち、W2/W1=1.0のダイオードと、が用いられた。なお、高濃度領域42が配置されていないダイオード以外のダイオードは、メサ部12aの深さL1に対する高濃度領域42の深さL2であるL2/L1=0.33である。
図3は、ダイオード100のW2/W1と、逆方向電圧が印加されている間の耐圧と、の関係を示すグラフである。図3では、横軸がW2/W1を示し、縦軸が耐圧を示す。ダイオード100では、W2/W1が0.1~0.9の範囲において、高濃度領域42が配置されていない比較例のダイオードと比較して、最大でも耐圧が4%程度の低下であり、耐圧性能の低下はほとんど見られない。W2/W1=1.0のダイオード、即ち高濃度領域42が絶縁膜31に接触しているダイオードでは、耐圧が低下している。絶縁膜31に近接して高濃度領域42が配置されていると、逆方向電圧が印加されている間に、空乏層が広がらないため、導電部32と高濃度領域42とにリーク電流が流れやすくなり、耐圧が低下する。
図4は、ダイオード100のW2/W1と順方向電流が流れている間のオン抵抗との関係を示すグラフである。図4では、横軸がW2/W1を示し、縦軸がオン抵抗を示す。ダイオード100では、W2/W1が0.1~1.0の範囲において、高濃度領域42が配置されていない比較例のダイオードと比較して、最低でも5%程度、オン抵抗が低減されている。また、W2/W1が大きくなるほど、オン抵抗が低下する。
図5は、ダイオード100のW2/W1と耐圧/オン抵抗との関係を示すグラフである。ダイオード100では、W2/W1が0.9以下である場合に、耐圧が低下せずにオン抵抗が低減していることが分かる。また、W2/W1が0.1~0.9の範囲において、耐圧が低下せずにオン抵抗が低減していることが分かる。特に、W2/W1が0.1~0.9の範囲、W2/W1が0.3~0.9の範囲、W1/W2が0.4~0.9の範囲、あるいは、W2/W1が0.5~0.9の範囲では、オン抵抗の低減が大きく、より効果が高い。
図6~図8には、メサ部12aの長さL1に対する高濃度領域42の長さL2の比率が異なる複数のダイオード100を用いたシミュレーション結果が表される。具体的には、シミュレーションでは、L2/L1=0.18、0.25、0.33、0.5、0.67、0.83の6種類のダイオード100が用いられた。なお、ダイオード100は、メサ部12aの幅W1に対する高濃度領域42の幅W2であるW2/W1=0.5である。
図6は、ダイオード100のL2/L1と耐圧との関係を示すグラフである。図6では、横軸がL2/L1を示し、縦軸が耐圧を示す。ダイオード100では、L2/L1が大きくなるほど耐圧が低下する。しかしながら、L2/L1が0.5以下の範囲では、高濃度領域42が配置されていない比較例のダイオードと比較して、最大でも耐圧が5%程度の低下であり、耐圧性能の低下はほとんど見られない。
図7は、ダイオード100のL2/L1とオン抵抗との関係を示すグラフである。図7では、横軸がL2/L1を示し、縦軸がオン抵抗を示す。ダイオード100では、L2/L1が0.1~0.9の範囲において、高濃度領域42が配置されていない比較例のダイオードと比較して、最低でも7.5%程度、オン抵抗が低減されている。また、L2/L1が大きくなるほど、オン抵抗が低下する。
図8は、ダイオード100のL2/L1がと耐圧/オン抵抗との関係を示すグラフである。ダイオード100では、L2/L1が0.18~0.5の範囲において、耐圧が低下せずにオン抵抗が低減していることが分かる。
図9は、高濃度領域42が配置されていない比較例のダイオードと、本実施例のダイオード100と、の耐圧とオン抵抗との関係を示すグラフである。図9では横軸が耐圧であり、縦軸がオン抵抗である。ダイオード100の耐圧とオン抵抗との関係は、結果200で表される。比較例のダイオードの耐圧とオン抵抗との関係は、結果202で表される。ダイオード100では、比較例のダイオードと比較して、同一の耐圧では、オン抵抗が低くなり、同一のオン抵抗では耐圧が高くなる。これにより、ダイオード100では、比較例のダイオードと比較して、高耐圧及び低オン抵抗が実現されている。
また、ダイオード100では、低濃度領域44を配置することによって、逆方向電圧が印加されている間に、リーク電流を流れにくくすることができる。これにより、耐圧を向上させることができる。低濃度領域44の厚み、即ち、高濃度領域42とアノード電極30との距離、及び、高濃度領域42と絶縁膜21、31との距離は、逆方向電圧が印加されている間に要求される耐圧とオン抵抗とに応じて決定することができる。なお、高濃度領域42とアノード電極30及び絶縁膜21、31とが直接接触しないように高濃度領域42を配置することによって、耐圧が低下することを抑制することができる。
また、W2/W1が0.1よりも小さい場合であっても、高濃度領域42がメサ部12aに存在すれば、高耐圧及び低オン抵抗が実現される。L2/L1が0.18よりも小さい場合も同様である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記の技術は、酸化ガリウム以外の例えば窒化ガリウム(GaN)シリコンカーバイド(SiC)、ダイヤモンド等にも適用可能である。また、ダイオード100は、ショットキーダイオード以外に、PNダイオードにも適用可能である。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 :カソード電極、12 :半導体層、12a :メサ部、12b :表面、12c :裏面、14 :基板、16 :エピタキシャル層、18 :トレンチ、20 :終端トレンチ、21 :絶縁膜、22 :絶縁層、30 :アノード電極、31 :絶縁膜、32 :導電部、40 :低濃度領域、42 :高濃度領域、44 :低濃度領域、100 :ダイオード
Claims (5)
- 半導体層と、
前記半導体層の表面に配置される表面電極と、
前記半導体層の前記表面から裏面に向かって延びる複数のトレンチと、
前記複数のトレンチの内壁面を覆う絶縁膜と、
前記トレンチに充填されるとともに、前記表面電極に接触する導電部と、
前記半導体層の前記裏面に配置される裏面電極と、を備え、
前記複数のトレンチのうちの隣り合う2個のトレンチの間には、前記半導体層のメサ部が配置されており、
前記メサ部のうちの少なくとも一部には、前記メサ部の両側に位置する前記トレンチに配置される前記絶縁膜と離間しており、周辺に位置する前記半導体層よりも不純物濃度が高い高濃度領域が配置されている、ダイオード。 - 前記高濃度領域は、前記メサ部の幅に対して、0.9以下の幅を有する、請求項1に記載のダイオード。
- 前記高濃度領域は、前記メサ部の深さに対して、0.5以下の長さを有する、請求項1又は2に記載のダイオード。
- 前記高濃度領域と前記高濃度領域が配置される前記メサ部の両側に位置する前記トレンチに配置される前記絶縁膜との間と、前記高濃度領域と前記半導体層の前記表面との間と、の少なくとも一方に、前記高濃度領域及び前記メサ部の他の部分よりも不純物濃度が低い第1低濃度領域が配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のダイオード。
- 前記複数のトレンチのうちの少なくとも一部のトレンチにおける前記裏面側端の前記半導体層の前記裏面側に位置する前記半導体層は、前記半導体層の他の部分よりも不純物濃度が低い第2低濃度領域を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のダイオード。
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