本発明は、一部には、IFNα1を含む、標的化キメラタンパク質およびFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体が、非融合の、野生型IFNα1よりも大幅に優れた活性および/または標的選択性を示し、有益な治療特性および医薬品特性ならびに低減された副作用を示すという発見に基づいている。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体は、高度に標的選択性であり、IFNAR1/2受容体シグナル伝達の条件付きおよび/または制御された調節を可能にし、高活性でありおよび/または長時間作用活性および/または長時間作用性であると同時に最小オフターゲット効果を示し最小限の副作用を誘発する。
本発明はまた、キメラタンパク質、キメラタンパク質複合体(Fcベースキメラタンパク質複合体を含む)、および/またはキメラタンパク質およびFcベースキメラタンパク質複合体を含むキメラタンパク質複合体をコードする核酸を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、キメラタンパク質、およびFcベースキメラタンパク質複合体を含むキメラタンパク質複合体をコードする核酸を含む、宿主細胞も含む。本発明は、種々の疾患の治療のための本明細書に記載の、キメラタンパク質、キメラタンパク質複合体(Fcベースキメラタンパク質複合体を含む)、キメラタンパク質およびキメラタンパク質複合体をコードする核酸(Fcベースキメラタンパク質複合体を含む)、医薬組成物および/または宿主細胞の使用をさらに含む。
インターフェロンアルファ1またはそのバリアント
一態様では、本発明は、遺伝子改変インターフェロンを含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体を提供する。一態様では、本発明は、野生型IFNα1を含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体を提供する。種々の実施形態では、野性型IFNα1は、次のアミノ酸配列を含む:
CDLPETHSLDNRRTLMLLAQMSRISPSSCLMDRHDFGFPQEEFDGNQFQKAPAISVLHELIQQIFNLFTTKDSSAAWDEDLLDKFCTELYQQLNDLEACVMQEERVGETPLMNADSILAVKKYFRRITLYLTEKKYSPCAWEVVRAEIMRSLSLSTNLQERLRRKE(配列番号1)。
種々の実施形態では、本発明は、1個または複数のターゲッティング部分に融合された野生型IFNα1を含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体を提供する。いくつかの実施形態では、例えば、遺伝子融合または結合などによるキメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体への野生型IFNα1の組み込みが、IFNα1の生物活性を低減する(「融合IFNα1による減弱化」)。例えば、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体中に組み込まれた野生型IFNα1は、治療受容体に対し野生型IFNα1インターフェロンに比べて、低減された親和性および/または活性を有し得る。ある実施形態では、治療受容体は、インターフェロンα/β受容体(IFNAR)であり、これは、IFNAR1およびIFNAR2サブユニットから構成される。いくつかの実施形態では、治療受容体、例えば、IFNARに対する野生型IFNα1の親和性および/または活性の低下は、IFNα1を含むキメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体のターゲティング部分を介した標的細胞に対する方向付けまたは標的化時に、誘導および回復され得る。いくつかの実施形態では、標的細胞でのIFNα1媒介IFNAR活性化の誘導および回復は、野生型(非キメラ)IFNα1で達成されるIFNAR活性化と類似であるかまたはそれより高いレベルに達し得る。いくつかの実施形態では、IFNα1は、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体の生成物の均一性および医薬品特性を改善するために望ましくないジスルフィド対形成を低減し、同時に、ターゲティング部分を介して標的細胞に方向付けるまたは標的化する場合に改変IFNα1によるIFNAR活性化の回復および誘導を維持するまたはその実質的低下を回避することを含む、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体において野生型IFNα1に比較して改変IFNα1のIFNAR活性化を維持するまたはその実質的低下を回避する、1個または複数の変異を含む、バリアントである。いくつかの実施形態では、IFNα1は、望ましくないジスルフィド対形成を低減する1個または複数の変異を含むバリアントであり、1個または複数の変異は、例えば、配列番号1を基準にして、アミノ酸位置C1、C29、C86、C99、またはC139にある。いくつかの実施形態では、位置C86での変異は、例えば、C86SまたはC86AまたはC86Yであり得る。IFNα1のこれらのC86変異体は、還元システインによる凝集変異体(reduced-cysteine based aggregation mutant)と呼ばれる。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、配列番号1を基準にして位置C1、C86およびC99での変異を含む。いくつかの実施形態では、C1、C86およびC99のいずれかは、欠失または置換され得る。
いくつかの実施形態では、IFNα1は、改変され、すなわち、バリアントであり、IFNα1中に1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、1個または複数の変異は、IFNα1の生物活性を低減する(「変異による減弱化」)。例えば、1個または複数の変異は、治療受容体に対するIFNα1インターフェロンの親和性および/または活性を低減し得る。ある実施形態では、治療受容体は、インターフェロンα/β受容体(IFNAR)であり、これは、IFNAR1およびIFNAR2サブユニットから構成される。ある実施形態では、改変IFNα1は、IFNAR1に対するその親和性および/または活性を低減する、1個または複数の変異を含む。別の実施形態では、改変IFNα1は、IFNAR2に対するその親和性および/または活性を低減する、1個または複数の変異を含む。ある実施形態では、改変IFNα1は、IFNAR1に対するその親和性および/または活性を低減する、1個または複数の変異を含み、IFNAR2に対するその親和性および/または活性を低減する、1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、改変IFNα1の治療受容体、例えば、IFNAR1、IFNAR2および/またはIFNARに対する親和性および/または活性の低下(「変異による減弱化」)は、ターゲティング部分を介した標的細胞への改変IFNα1を含むキメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体の方向付けまたは標的化時に、誘導および回復され得る。いくつかの実施形態では、IFNAR1、IFNAR2および/またはIFNARに対するその親和性および/または活性を低減する1個または複数の変異を含む改変IFNα1バリアント(「変異による減弱化」)は、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体の生成物の均一性および医薬品特性を改善するために望ましくないジスルフィド対形成を低減し、同時に、ターゲティング部分を介して標的細胞に方向付けるまたは標的化する場合、改変IFNα1(「変異による減弱化」)によるIFNAR活性化活性の誘導および/または回復を維持するまたはその実質的低下を回避する、1個または複数の変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、IFNα1は、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体の生成物の均一性および医薬品特性を改善するために望ましくないジスルフィド対形成を低減し、同時に、ターゲティング部分を介して標的細胞に方向付けるまたは標的化する場合、改変IFNα1によるIFNAR活性化の回復および誘導を維持する、またはその実質的低下を回避することを含む、キメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体において野生型IFNα1に比較して改変IFNα1のIFNAR活性化を維持するまたはその実質的低下を回避する、1個または複数の変異を含むバリアントである。いくつかの実施形態では、IFNα1は、望ましくないジスルフィド対形成を低減する1個または複数の変異を含むバリアントであり、1個または複数の変異は、例えば、配列番号1を基準にして、アミノ酸位置C1、C29、C86、C99、またはC139にある。いくつかの実施形態では、位置C86での変異は、例えば、C86SまたはC86AまたはC86Yであり得る。IFNα1のこれらのC86変異体は、還元システインによる凝集変異体(reduced-cysteine based aggregation mutant)と呼ばれる。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、配列番号1を基準にして位置C1、C86およびC99に変異を含む。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、シグナル伝達物質として、改変型のIFNα1、すなわち、IFNα1変異体を含むIFNα1バリアントを含む。種々の実施形態では、IFNα1バリアントは、インターフェロンの変異体、機能性誘導体、類似体、前駆物質、アイソフォーム、スプライスバリアント、またはフラグメントを包含する。
追加のIFNα1バリアント配列は、当技術分野において既知である。種々の実施形態では、改変IFNα1は、IFNα1インターフェロンバリアントのいずれか既知のアミノ酸配列との少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、本明細書で開示のIFNα1またはIFNα1バリアント配列のいずれか、例えば、配列番号1との少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
種々の実施形態では、IFNα1バリアントは、1個または複数のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1個または複数のアミノ酸変異は、置換、挿入、欠失、および切り詰めから独立に選択され得る。
いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は、アミノ酸置換であり、保存的および/または非保存的置換を含み得る。
「保存的置換」は、例えば、関与するアミノ酸残基の極性、電荷、サイズ、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒特性における類似性に基づいて行われ得る。20種の天然アミノ酸は、次の6つの標準的アミノ酸グループに分類できる:(1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro;and(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
本明細書で使用される場合、「保存的置換」は、あるアミノ酸の、上記6つの標準的アミノ酸グループの同じグループ内に記載の別のアミノ酸による交換として定義される。例えば、AspのGluによる交換は、そのように改変されたポリペプチド中で1個の負電荷を保持する。さらに、グリシンおよびプロリンは、それらのαヘリックスを破壊する能力に基づいて相互に置換され得る。
本明細書で使用される場合、「非保存的置換」は、あるアミノ酸の、上記6つの標準的アミノ酸グループ(1)~(6)の異なるグループに記載の別のアミノ酸による交換として定義される。
種々の実施形態では、置換はまた、非古典的アミノ酸(例えば、セレノシステイン、ピロールリジン、N-ホルミルメチオニンβ-アラニン、GABAおよびδ-アミノレブリン酸、4-アミノ安息香酸(PABA)、共通アミノ酸のD-異性体、2,4-ジアミノ酪酸、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、フルオロアミノ酸、βメチルアミノ酸などのデザイナーアミノ酸、C α-メチルアミノ酸、N α-メチルアミノ酸、および一般的にアミノ酸類似体)も含む。
種々の実施形態では、IFNα1は、1個または複数の変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、変異は、IFNα1バリアントが、非変異型、例えば、野生型のIFNα1(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するIFNα1)に比べて、低減された結合親和性、低減された内因性活性、および低減された特定の生物活性の1種または複数などの1種または複数の減弱化された活性を有することを可能にする。例えば、非変異型、例えば、野生型のIFNα1に比べて、低減された結合親和性、低減された内因性活性、および低減した特定の生物活性などの1種または複数の減弱化された活性は、IFNARなどの治療受容体に対するものであり得る。結果として、種々の実施形態では、変異は、IFNα1バリアントが、非変異型、例えば、野生型のIFNα1に比べて、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有することを可能にする。
種々の実施形態では、IFNα1は、IFNARなどの治療受容体に対するその結合親和性または活性を低減する変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、IFNα1により与えられる活性は、治療受容体に対するアゴニズム(例えば、治療の部位での細胞効果の活性化)である。例えば、IFNα1は、治療受容体を活性化し得る。このような実施形態では、変異は、治療受容体に対し低減された活性化作用を有するIFNα1バリアントをもたらす。
いくつかの実施形態では、改変IFNα1の治療受容体に対する低減された親和性または活性は、ターゲティング部分への結合によりまたはキメラタンパク質もしくはキメラタンパク質複合体、例えば、本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体中へのターゲティング部分の包含時に誘導可能または回復可能である。いくつかの実施形態では、IFNα1の活性は、いくつかの事例では、本明細書に記載されるターゲティング部分との融合によるなどの、別のタンパク質とのその融合により低減または減弱化される。他の実施形態では、IFNα1の活性は、IFNα1を改変することにより、例えば、本明細書に記載の変異の導入により、低減または減弱化される。いくつかの実施形態では、活性の減弱化は、IFNα1をターゲティング部分に結合することにより、または結合したターゲティング部分の作用により、回復され得る。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、その結合により、またはその作用によりIFNα1の活性を誘導する。
他の実施形態では、治療受容体に対する低減された親和性または活性は、ターゲティング部分との結合によりまたはキメラタンパク質もしくはキメラタンパク質複合体、例えば、本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体中へのターゲティング部分の包含時に十分に誘導可能または回復可能ではない。種々の実施形態では、本発明の治療用キメラタンパク質、キメラタンパク質複合体、またはFcベースキメラタンパク質複合体は、野生型IFNα1または1個または複数の変異を有するIFNα1バリアントが、野生型IFNα1(非融合)に比べて治療受容体に対する弱い結合親和性または活性を示すという理由で、オフターゲット効果を低減させる。種々の実施形態では、これは、例えば、野生型IFNα1または他のI型インターフェロンで観察される副作用を低減する。種々の実施形態では、IFNα1構築物および/またはIFNα1バリアントは、治療作用部位へ向かう途上では実質的に不活性であり、特異的に標的細胞型に対しその効果を実質的に有し、これは望ましくない交差反応性および副作用を大きく低減する。
種々の実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNα1バリアントが、1個または複数の治療受容体に対する減弱化されたまたは低減された親和性、例えば、結合(例えば、KD)および/または活性化(例えば、KAおよび/またはEC50として測定可能な)を有するようにさせる、1個または複数の変異を有する。種々の実施形態では、治療受容体に対する低減された親和性は、治療受容体からの活性および/またはシグナル伝達の減弱化を可能にする。
種々の実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNARのIFNAR1サブユニットに対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異を有する。一実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNAR1に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNARのIFNAR2サブユニットに対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNAR1およびIFNAR2サブユニットの両方に対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異を有する。
いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNAR1に対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異、およびIFNAR2に対する結合またはその親和性を実質的に低減または除去する、1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、このようなIFNα1バリアントを有するキメラタンパク質およびFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、標的選択的IFNAR1活性を提供できる(例えば、IFNAR1活性は、ターゲティング部分による標的化を介して、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体中への包含時に、誘導可能または回復可能である)。
いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNAR2に対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異、およびIFNAR1に対する結合またはその親和性を実質的に低減または除去する、1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、このようなIFNα1バリアントを有するキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、標的選択的IFNAR2活性を提供できる(例えば、IFNAR2活性は、ターゲティング部分による標的化を介して、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体中への包含時に、誘導可能または回復可能である)。
いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、IFNAR1に対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異、およびIFNAR2に対するその結合または親和性を低減する、1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、このようなIFNα1バリアントを有するキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、標的選択的IFNAR1および/またはIFNAR2活性を提供できる(例えば、IFNAR1および/またはIFNAR2活性は、ターゲティング部分による標的化を介して、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体中への包含時に、誘導可能または回復可能である)。
種々の実施形態では、IFNα1バリアントは、野生型IFNα1に比較して、治療受容体(例えば、IFNARまたはそのサブユニットIFNAR1および/またはIFNAR2のいずれか1個)に対する約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%~20%、約20%~40%、約50%、約40%~60%、約60%~80%、約80%~100%の親和性を有する。いくつかの実施形態では、結合親和性は、野生型IFNα1に比べて、少なくとも約2倍低い、約3倍低い、約4倍低い、約5倍低い、約6倍低い、約7倍低い、約8倍低い、約9倍低い、少なくとも約10倍低い、少なくとも約15倍低い、少なくとも約20倍低い、少なくとも約25倍低い、少なくとも約30倍低い、少なくとも約35倍低い、少なくとも約40倍低い、少なくとも約45倍低い、少なくとも約50倍低い、少なくとも約100倍低い、少なくとも約150倍低い、または約10~50倍低い、約50~100倍低い、約100~150倍低い、約150~200倍低い、または200倍超低い。
いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、受容体に対するIFNα1バリアントの親和性を低減させる、1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントの受容体に対する結合親和性は、ターゲティング部分のその受容体に対する結合親和性より低い。いくつかの実施形態では、この結合親和性の差は、同じ細胞上のIFNα1バリアント/受容体とターゲティング部分/受容体との間にある。いくつかの実施形態では、この結合親和性の差異は、IFNα1バリアントが、局在化されたオンターゲット効果を有し、かつ野生型IFNα1で観察される副作用の根底にあるオフターゲット効果を最小化するのを可能にする。いくつかの実施形態では、この結合親和性は、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍低い、または少なくとも約25倍、または少なくとも約50倍低い、または少なくとも約100倍、または少なくとも約150倍低い。
受容体結合活性は、当該技術分野において既知の方法を使用して測定され得る。例えば、親和性および/または結合活性は、スキャッチャードプロット分析および結合データのコンピューターフィッティング(例えば、Scatchard,1949)またはBrechtら(1993)により記載のように、フロースルー条件下で反射型干渉分光法により評価され得る。これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質複合体は、(a)インターフェロンアルファ1(IFNα1またはそのバリアント)、および(b)1個または複数のターゲティング部分を含み、ターゲティング部分は、目的の抗原または受容体の特異的に結合する認識ドメインを含み;IFNα1またはそのバリアント、および1個または複数のターゲティング部分は、複合体形成を引き起こすドメイン(例えば、複合体形成ドメイン)と連結される。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質複合体は、例えば、静電相互作用、水素結合、および/または疎水性効果を使って、相互に作用する、1個または複数のタンパク質またはペプチド(例えば、複合体形成ドメイン)をさらに含む。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質複合体は、ホモマーである(例えば、インターフェロンアルファ1(IFNα1)またはそのバリアントおよび1個または複数のリンカーで連結された1個または複数のターゲティング部分を含む、2個以上の本明細書に記載のキメラタンパク質を含むもの)。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質複合体は、ヘテロマーである(例えば、インターフェロンアルファ1(IFNα1)またはそのバリアントおよび1個または複数のリンカーで連結された1個または複数のターゲティング部分および別のタンパク質を含む、1個のキメラタンパク質を含むもの)。種々のタンパク質相互作用ドメイン(例えば、複合体形成ドメイン)がタンパク質複合体が生成するために用いられてきており、本発明のキメラタンパク質複合体を作製するために使用できる。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質複合体は、ロイシンジッパー、タンパク質のJunおよびFosファミリー、ヘリックスターンヘリックス自己二量体化ペプチド、コラーゲンおよびp53の三量体および四量体サブドメインを用いることにより作製できる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,507,222号に記載のタンパク質複合体の作製方法を参照されたい)。ヘテロマー複合体を作製する他の方法は、Chang et al.(PNAS 1984;91:11408-11412)により記載の電荷ベースヘテロダイマーまたは例えば、Deng et al.(Chemistry & Biology 2008;15:908-919)により記載のヘテロダイマー化ロイシンジッパーまたはChen et al.(Nature 2019;565:106-111)により記載の設計されたヘテロダイマーを含む。種々の実施形態では、これらのキメラタンパク質複合体は、Fcベースではない。いくつかの実施形態では、種々のタンパク質相互作用ドメインを、本明細書で記載のFcドメイン(Fcベースキメラタンパク質複合体の場合)の代わりに使用してタンパク質複合体を形成できる。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体は、Fcに融合されないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて改善された標的選択性および安全性を有する野生型シグナル伝達物質を含む。種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体は、Fcに融合されないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて改善された標的選択活性を有する、野生型シグナル伝達物質を含む。種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、条件付き活性を可能にする。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などの、キメラタンパク質複合体は、Fcに融合されないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて、向上した安全性、例えば、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有する野生型シグナル伝達物質を含む。種々の実施形態では、向上した安全性は、本発明のFcベースキメラタンパク質などのキメラタンパク質複合体が、Fcに融合されないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて、野生型シグナル伝達物質のより低い毒性(例えば、全身性毒性および/または組織/器官関連毒性);および/または低減されたまたは実質的に除去された副作用;および/または高められた耐容性、低減されたまたは実質的に除去された有害事象;および/または低減されたまたは実質的に除去された;および/または拡大された治療濃度域をもたらすことを意味する。
いくつかの実施形態では、受容体に対し低減された親和性または活性は、本明細書に記載の1個または複数のターゲティング部分との結合により、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体中への包含時に、誘導可能または回復可能である。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、1個または複数のその受容体に対し、低減された、実質的に低減または除去された親和性、例えば、結合(例えば、KD)および/または活性化(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアゴニストである場合、例えば、KAおよび/またはEC50として測定可能である)および/または阻害(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアンタゴニストである場合、例えば、KIおよび/またはIC50として測定可能である)を有する野生型シグナル伝達物質を含む。種々の実施形態では、シグナル伝達物質の受容体に対する低減された親和性は、活性の減弱化を可能にする。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、Fcに融合されていないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて、野生型シグナル伝達物質に比較して、受容体に対する約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%~20%、約20%~40%、約50%、約40%~60%、約60%~80%、約80%~100%の親和性を有する。いくつかの実施形態では、結合親和性は、Fcに融合されていないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて、少なくとも約2倍低い、約3倍低い、約4倍低い、約5倍低い、約6倍低い、約7倍低い、約8倍低い、約9倍低い、少なくとも約10倍低い、少なくとも約15倍低い、少なくとも約20倍低い、少なくとも約25倍低い、少なくとも約30倍低い、少なくとも約35倍低い、少なくとも約40倍低い、少なくとも約45倍低い、少なくとも約50倍低い、少なくとも約100倍低い、少なくとも約150倍低い、または約10~50倍低い、約50~100倍低い、約100~150倍低い、約150~200倍低い、または200倍超低い。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、例えば、Fcに融合されていないシグナル伝達物質、または複合体、例えば、限定されないが、ヘテロダイマー複合体ではないシグナル伝達物質に比べて、約75%、または約70%、または約60%、または約50%、または約40%、または約30%、または約25%、または約20%、または約10%、または約5%、または約3%、または約1%に低減されたシグナル伝達物質の内因性活性を有する野生型シグナル伝達物質を含む。
いくつかの実施形態では、受容体に対し減弱化された活性、治療受容体に対し弱められた親和性は、ターゲティング部分との結合により、または治療作用部位で抗原に対する高い親和性を有する(例えば、本明細書で記載の抗体または抗体フォーマット)、本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体中への包含時に、誘導可能または回復可能である。標的化は、ターゲティング部分にIFNα1またはそのバリアントを結合することにより、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体中へのその包含時に、実現される。ある実施形態では、IFNα1またはそのバリアントは、そのアミノ末端を介してターゲティング部分に結合される。別の実施形態では、IFNα1またはそのバリアントは、そのカルボキシ末端を介してターゲティング部分に結合される。このように、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、いくつかの実施形態では、治療受容体の位置で局在化された、オンターゲットの、および制御された治療作用を提供する。
いくつかの実施形態では、IFNα1インターフェロンは、配列番号1を基準にして、位置L15、A19、R23、S25、L30、D32、R33、H34、Q40、D115、L118、K121、R126、E133、K134、K135、R145、A146、M149、R150、S153、L154、およびN157の1個または複数のアミノ酸に変異を有するように改変される。変異は、任意選択で、疎水性の変異であってよく、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンから選択され得る。いくつかの実施形態では、IFNα1インターフェロンは、配列番号1を基準にして、L15A、A19W、R23A、S25A、L30A、L30V、D32A、R33K、R33A、R33Q、H34A、Q40A、D115R、L118A、K121A、K121E、R126A、R126E、E133A、K134A、K135A、R145A、R145D、R145E、R145G、R145H、R145I、R145K、R145L、R145N、R145Q、R145S、R145T、R145V、R145Y、A146D、A146E、A146G、A146H、A146I、A146K、A146L、A146M、A146N、A146Q、A146R、A146S、A146T、A146V、A146Y、M149A、M149V、R150A、S153A、L154A、およびN157Aから選択される1個または複数の変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、IFNα1変異体は、配列番号1を基準にして、L30A/H58Y/E59N_Q62S、R33A/H58Y/E59N/Q62S、M149A/H58Y/E59N/Q62S、L154A/H58Y/E59N/Q62S、R145A/H58Y/E59N/Q62S、D115A/R121A、L118A/R121A、L118A/R121A/K122A、R121A/K122A、およびR121E/K122Eから選択される1個または複数の変異を含む。
いくつかの実施形態では、IFNα1インターフェロンまたはそのバリアントは、配列番号1を基準にして、アミノ酸位置C1、C29、C86、C99、またはC139で1個または複数の変異を有するように改変される。この場合、Beilharz et al.,Journal of interferon research 6.6(1986):677-685(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、本発明の改変IFNα1に導入し得るIFNα1の種々の変異を記載している。位置C86での変異は、例えば、C86SまたはC86AまたはC86Yであり得る。IFNα1のこれらのC86変異体は、還元システインによる凝集変異体と呼ばれる。いくつかの実施形態では、IFNα1バリアントは、配列番号1を基準にして位置C1、C86およびC99に変異を含む。
インターフェロンまたはそのバリアントを含む治療薬
ターゲティング部分の細胞動員
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、目的の標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメインを有する1個または複数のターゲティング部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上のターゲティング部分を含み得る。例示的実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個以上のターゲティング部分を含み得る。このような実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個の異なる細胞(例えば、シナプスを作るために)または同じ細胞(例えば、より高濃度のシグナル伝達物質効果を得るために)を標的にできる。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、IFNα1またはそのバリアント、Flt3Lであるターゲティング部分およびPD-1またはPD-L1を認識する1個のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、IFNα1またはそのバリアント、Flt3Lであるターゲティング部分およびPD-1またはPD-L1を認識する2個のターゲティング部分を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、IFNα2またはそのバリアント、Flt3Lであるターゲティング部分およびPD-1またはPD-L1を認識する1個のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、IFNα2またはそのバリアント、Flt3Lであるターゲティング部分およびPD-1またはPD-L1を認識する2個のターゲティング部分を含む。
種々の実施形態では、目的の標的(例えば、抗原、受容体)は、1個または複数の免疫細胞上で認めることができ、免疫細胞は、限定されないが、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍または腫瘍関連マクロファージ(例えば、M1またはM2マクロファージ)、B細胞、Breg細胞、樹状細胞、またはこれらのサブセットを含み得る。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、目的の標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合し、直接または間接的に1個または複数の免疫細胞を効果的に動員する。いくつかの実施形態では、目的の標的(例えば、抗原、受容体)は、1個または複数の腫瘍細胞上で見つけられ得る。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に、直接または間接的に免疫細胞を動員し得る。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、免疫細胞、例えば、腫瘍細胞を死滅させるおよび/または抑制できる免疫細胞を、作用部位(非限定的例であるが、腫瘍微小環境など)に直接的にまたは間接的に動員し得る。
種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、非細胞構造の一部である標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメインを有するターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、抗原または受容体は、無傷の細胞または細胞構造の不可欠な構成要素ではない。いくつかの実施形態では、抗原または受容体は、細胞外の抗原または受容体である。いくつかの実施形態では、標的は、非タンパク質性の非細胞マーカーであり、これらは、限定されないが、例えば、壊死腫瘍細胞から放出されたDNA、などのDNAまたはRNAを含む、核酸またはコレステロールなどの細胞外沈着物を含む。
いくつかの実施形態では、目的の標的(例えば、抗原、受容体)は、ストローマもしくは細胞外マトリックス(ECM)の非細胞成分またはそれと関連するマーカーの一部である。本明細書で使用される場合、ストローマは、組織または器官の連結および支持フレームワークを指す。ストローマは、細胞外マトリックス(ECM)および細胞外分子と共に線維芽細胞/筋線維芽細胞/膠細胞、上皮、脂肪、免疫、血管、平滑筋、および免疫細胞などの細胞の寄せ集めを含み得る。種々の実施形態では、目的の標的(例えば、抗原、受容体)は、細胞外マトリックスおよび細胞外分子などのストローマの非細胞成分の一部である。本明細書で使用される場合、ECMは、全ての組織および器官内に存在する非細胞成分を指す。ECMは、限定されないが、タンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカン、および多糖類を含む生化学的に別々の成分の多数の集まりからなる。これらのECM成分は通常、隣接する細胞により産生され、エキソサイトーシスによりECM中に分泌される。分泌されると、ECM成分は多くの場合、集合して、巨大分子の複合体ネットワークを形成する。種々の実施形態では、キメラタンパク質または本発明のFcベースキメラタンパク質などのキメラタンパク質複合体は、ECMの任意の成分上に位置する標的(例えば、抗原または受容体または非タンパク質分子)を認識するターゲティング部分を含む。ECMの成分の例としては、限定されないが、プロテオグリカン、非プロテオグリカン多糖類、繊維および他のECMタンパク質またはECM非タンパク質、例えば、多糖類および/または脂質、またはECM関連分子(例えば、タンパク質または非タンパク質、例えば、多糖類、核酸および/または脂質)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ECMプロテオグリカン上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。プロテオグリカンはグリコシル化タンパク質である。塩基性プロテオグリカン単位は、1個または複数の共有結合グリコサミノグリカン(GAG)鎖を有するコアタンパク質を含む。プロテオグリカンは、正電荷のナトリウムイオン(Na+)を引き付ける正味負電荷を有し、これは、浸透を介して水を引き付け、ECMおよび常在性細胞を水和した状態に保持する。プロテオグリカンはまた、成長因子を捕捉し、ECM内に貯蔵し得る。本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体により標的とされ得るプロテオグリカンの例としては、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、およびケラタン硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、ターゲティング部分は、ヒアルロン酸などの非プロテオグリカン多糖類上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ECM繊維上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。ECM繊維は、コラーゲン繊維およびエラスチン繊維を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、コラーゲンまたはコラーゲン繊維上の1個または複数のエピトープを認識する。コラーゲンは、ECM中で最も豊富なタンパク質である。コラーゲンはECM中に線維性タンパク質として存在し、常在性細胞に対し構造支持を与える。1つまたは複数の実施形態では、ターゲティング部分は、限定されないが、線維性コラーゲン(I、II、III、V、XI型)、FACITコラーゲン(IX、XII、XIV型)、短鎖コラーゲン(VIII、X型)、基底膜コラーゲン(IV型)、および/またはVI、VII、またはXIII型コラーゲンを含む、ECM内に存在する様々な種類のコラーゲンを認識し、これに結合する。エラスチン繊維は、組織に弾性を与え、組織が必要に応じ伸縮し、その後、元の状態に戻ることを可能にする。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、エラスチンまたはエラスチン繊維上の1個または複数のエピトープを認識する。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、限定されないが、テネイシン、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、またはナイドジェン/エンタクチンを含む、1種または複数のECMタンパク質を認識する。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、テネイシンを認識し、これに結合する。テネイシン(TN)ファミリーの糖タンパク質は、少なくとも4種のメンバー:テネイシン-C、テネイシン-R、テネイシン-X、およびテネイシン-Wを含む。テネイシンタンパク質の一次構造は、同じ連続配列中に順序づけられたいくつかの共通のモチーフ:アミノ末端7個の反復、上皮増殖因子(EGF)様反復、フィブロネクチンIII型ドメイン反復、およびカルボキシル末端フィブリノーゲン様球状ドメインを含む。それぞれのタンパク質メンバーは、EGF様およびフィブロネクチンIII型反復の数および性質における典型的な変動に関連付けられる。アイソフォームバリアントはまた、特にテネイシン-Cに対して存在する。27種を超えるテネイシン-Cのスプライスバリアントおよび/またはアイソフォームが知られている。特定の実施形態では、ターゲティング部分は、テネイシン-CA1を認識し、これに結合する。同様に、テネイシン-Rはまた、種々のスプライスバリアントおよびアイソフォームを有する。テネイシン-Rは通常、ダイマーまたはトリマーとして存在する。テネイシン-Xは、テネイシンファミリーの最大メンバーであり、トリマーとして存在することが知られている。テネイシン-Wは、トリマーとして存在する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、テネイシンタンパク質上の1個または複数のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、モノマーおよび/またはダイマーおよび/またはトリマーおよび/またはヘキサマー型のテネイシンタンパク質を認識する。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチンを認識し、これに結合する。フィブロネクチンは、細胞をECM中のコラーゲン繊維と連結し、細胞がECM中を移動することを可能とする糖タンパク質である。インテグリンに結合時には、フィブロネクチンは折り畳みをほどいて機能的ダイマーを形成する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、モノマーおよび/またはダイマー型のフィブロネクチンを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチン上の1個または複数のエピトープを認識する。例示的実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチン細胞外ドメインA(EDA)またはフィブロネクチン細胞外ドメインB(EDB)を認識する。EDAレベルの上昇は、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、および癌を含む種々の疾患および障害に関連する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、EDAアイソフォームを含むフィブロネクチンを認識し、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を癌細胞を含む疾患細胞に向けるのに使用し得る。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、EDBアイソフォームを含むフィブロネクチンを認識する。種々の実施形態では、このようなターゲティング部分は、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を腫瘍新生血管を含む腫瘍細胞に向けるのに使用し得る。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、フィブリンを認識し、これに結合する。フィブリンは、ECMのマトリックスネットワーク中に見つかることが多い、もう1種のタンパク質物質である。フィブリンは、フィブリノーゲンに対するプロテアーゼトロンビンの作用により形成され、これにより、フィブリンを重合させる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブリン上の1個または複数のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、モノマーならびに重合型のフィブリンを認識する。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、ラミニンを認識し、これに結合する。ラミニンは、基底膜の主要成分であり、細胞および器官のためのタンパク質ネットワーク基盤である。ラミニンは、α鎖、β鎖、およびγ鎖を含むヘテロトリマータンパク質である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ラミニン上の1個または複数のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、モノマー、ダイマーならびにトリマー型のラミニンを認識する。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、ナイドジェンまたはエンタクチンを認識し、これらに結合する。ナイドジェン/エンタクチンは、高度に保存された硫酸化糖タンパク質ファミリーである。それらは基底膜の主要構造的成分をなし、ラミニンと、基底膜中のコラーゲンIVネットワークを連結するように機能する。このファミリーのメンバーは、ナイドジェン-1およびナイドジェン-2を含む。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、ナイドジェン-1および/またはナイドジェン-2上のエピトープを認識する。
種々の実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかの標的上に存在するエピトープを認識する抗原認識ドメインを含む。ある実施形態では、抗原認識ドメインは、タンパク質上に存在する1個または複数の線形エピトープを認識する。本明細書で使用される場合、線形エピトープは、タンパク質上に存在するアミノ酸の任意の連続配列を指す。別の実施形態では、抗原認識ドメインは、タンパク質上に存在する1個または複数の立体構造エピトープを認識する。本明細書で使用される場合、立体構造エピトープは、抗原認識ドメインにより認識され得る特徴および/または形状および/または三次構造を備えた3次元表面を形成する1個または複数のアミノ酸の部分(これは不連続であってよい)を指す。
種々の実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかの標的の完全長型および/または成熟型および/またはアイソフォームおよび/またはスプライスバリアントおよび/またはフラグメントおよび/または任意の他の天然または合成の類似体、バリアント、または変異体に結合し得る。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、モノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、ヘテロダイマー、マルチマーおよび会合型を含む、本明細書に記載の任意の型のタンパク質に結合し得る。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、グリコシル化および/またはリン酸化型などの、本明細書に記載の任意の翻訳後修飾型のタンパク質に結合し得る。
種々の実施形態では、ターゲティング部分は、DNAなどの細胞外分子を認識する抗原認識ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、DNAを認識する抗原認識ドメインを含む。ある実施形態では、DNAは、壊死細胞またはアポトーシス腫瘍細胞または他の疾患細胞から細胞外間隙中に脱落する。
種々の実施形態では、ターゲティング部分は、アテローム斑と関連する1種または複数の非細胞構造を認識する抗原認識ドメインを含む。2つのタイプのアテローム斑が知られている。線維-脂質(線維-脂肪)斑(fibro-lipid(fibro-fatty)plaque)は、動脈の内膜の下の脂質を取り込んだ(lipid-laden)細胞の蓄積を特徴とする。内皮の下には、アテローム性のプラークコアを覆う繊維状キャップが存在する。コアは、増大した組織コレステロールおよびコレステロールエステル含量を有する脂質を取り込んだ細胞(マクロファージおよび平滑筋細胞)、フィブリン、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチン、ならびに壊死細胞片を含む。進行型プラークでは、プラークの中心コアは通常、細胞外のコレステロール沈着物(死細胞から放出)を含み、これは、空の針状間隙を有するコレステロール結晶の領域を形成する。プラークの周辺部には、より若い泡沫状細胞および毛細血管がある。繊維状プラークはまた、動脈壁内の内膜下にも局在し、壁の肥厚化および増殖、および時には、筋層の若干の萎縮を伴う内腔の飛び飛びに局在化した狭小化をもたらす。繊維状プラークは、コラーゲン繊維(エオシン好性)、カルシウムの沈殿物(ヘマトキシリン好性)および脂質を取り込んだ細胞を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブリン、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチン、壊死細胞片、およびカルシウムまたは他の鉱物沈着物または沈殿物などのこれらのプラークの1種または複数の非細胞成分を認識し、これに結合する。いくつかの実施形態では、壊死細胞片は、核酸、例えば、死細胞から放出される DNAまたはRNAである。
種々の実施形態では、ターゲティング部分は、神経変性疾患と関連する脳プラーク中で見つかる1種または複数の非細胞構造を認識する抗原認識ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、アルツハイマー病の患者の脳中で見つかるアミロイド斑中に局在する1種または複数の非細胞構造を認識し、これに結合する。例えば、ターゲティング部分は、ペプチドアミロイドベータを認識し、これに結合する。ペプチドアミロイドベータは、アミロイド斑の主要な成分である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ハンチントン病の患者で見つかる脳プラーク中にある1種または複数の非細胞構造を認識し、これに結合する。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、レヴィー小体認知症および封入体筋炎などの他の神経変性疾患または筋骨格疾病と関連するプラークで見つかる1種または複数の非細胞構造を認識し、これに結合する。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、非細胞構造に結合する2個以上のターゲティング部分を有し得る。いくつかの実施形態では、2個のターゲティング部分が存在し、1個は細胞を標的にし、一方、もう1個は非細胞構造を標的にする。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、疾患細胞および/またはエフェクター細胞などの細胞を直接にまたは間接的に動員できる。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、腫瘍の免疫攻撃に有利なように免疫細胞を関与させ、免疫細胞のバランスを変化させることができ、またはその方法での用途が見つかる。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、臨床的に重要な部位の免疫細胞の比率を腫瘍を死滅させるおよび/または抑制することができる細胞(例えば、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、樹状細胞またはこれらのサブセット)に有利なように、および腫瘍を保護する細胞(例えば、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)、制御性T細胞(Treg);腫瘍関連好中球(TAN)、M2マクロファージ、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、またはこれらのサブセット)に不利なように変化させることができる。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、エフェクターT細胞の制御性T細胞に対する比率を高めることができる。
例えば、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、T細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、直接または間接的にT細胞を動員する。ある実施形態では、認識ドメインは、エフェクターT細胞に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、エフェクターT細胞 を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に直接または間接的に動員する。エフェクターT細胞の例としては、細胞傷害性T細胞(例えば、αβTCR、CD3+、CD8+、CD45RO+);CD4+エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3+、CD4+、CCR7+、CD62Lhi、IL7R/CD127+);CD8+ エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3+、CD8+、CCR7+、CD62Lhi、IL7R/CD127+);エフェクターメモリーT細胞(例えば、CD62Llow、CD44+、TCR、CD3+、IL7R/CD127+、IL15R+、CCR7low);セントラルメモリーT細胞(例えば、CCR7+、CD62L+、CD27+;またはCCR7hi、CD44+、CD62Lhi、TCR、CD3+、IL7R/CD127+、IL15R+);CD62L+ エフェクターT細胞;早期エフェクターメモリーT細胞(CD27+ CD62L-)および後期エフェクターメモリーT細胞(CD27- CD62L-)(それぞれ、TemEおよびTemL)を含むCD8+ エフェクターメモリーT細胞(TEM);CD127(+)CD25(low/-)エフェクターT細胞;CD127(-)CD25(-)エフェクターT細胞;CD8+ 幹細胞メモリーエフェクター細胞(TSCM)(例えば、CD44(low)CD62L(high)CD122(high)sca(+));TH1エフェクターT細胞(例えば、CXCR3+、CXCR6+およびCCR5+;またはαβTCR、CD3+、CD4+、IL12R+、IFNγR+、CXCR3+)、TH2エフェクターT細胞(例えば、CCR3+、CCR4+およびCCR8+;またはαβTCR、CD3+、CD4+、IL4R+、IL33R+、CCR4+、IL17RB+、CRTH2+);TH9エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3+、CD4+);TH17エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3+、CD4+、IL23R+、CCR6+、IL1R+);CD4+CD45RO+CCR7+ エフェクターT細胞、ICOS+ エフェクターT細胞;CD4+CD45RO+CCR7(-)エフェクターT細胞;およびIL2、IL4および/またはIFN-γを分泌するエフェクターT細胞が挙げられる。
目的とするT細胞抗原の例としては、例えば、下記が挙げられる(該当する場合には、細胞外ドメインも含む):CD8、CD3、SLAMF4、IL2Rα、4-1BB/TNFRSF9、IL2Rβ、ALCAM、B7-1、IL4R、B7-H3、BLAME/SLAMFS、CEACAM1、IL6R、CCR3、IL7Rα、CCR4、CXCRl/ILSRA、CCR5、CCR6、IL10Rα、CCR7、IL10Rβ、CCRS、IL12Rβ1、CCR9、IL12Rβ2、CD2、IL13Rα1、IL13、CD3、CD4、ILT2/CDS5j、ILT3/CDS5k、ILT4/CDS5d、ILT5/CDS5a、lutegrin α4/CD49d、CDS、インテグリンαE/CD103、CD6、インテグリンαM/CD11b、CDS、インテグリンαX/CD11c、インテグリンβ2/CDlS、KIR/CD15S、CD27/TNFRSF7、KIR2DL1、CD2S、KIR2DL3、CD30/TNFRSFS、KIR2DL4/CD15Sd、CD31/PECAM-1、KIR2DS4、CD40リガンド/TNFSF5、LAG-3、CD43、LAIR1、CD45、LAIR2、CDS3、ロイコトリエンB4-R1、CDS4/SLAMF5、NCAM-L1、CD94、NKG2A、CD97、NKG2C、CD229/SLAMF3、NKG2D、CD2F-10/SLAMF9、NT-4、CD69、NTB-A/SLAMF6、共通γ鎖/IL2Rγ、オステオポンチン、CRACC/SLAMF7、PD-1、CRTAM、PSGL-1、CTLA-4、RANK/TNFRSF11A、CX3CR1、CX3CL1、L-セレクチン、CXCR3、SIRPβ1、CXCR4、SLAM、CXCR6、TCCR/WSX-1、DNAM-1、サイモポエチン、EMMPRIN/CD147、TIM-1、EphB6、TIM-2、Fas/TNFRSF6、TIM-3、Fasリガンド/TNFSF6、TIM-4、FcγRIII/CD16、TIM-6、TNFR1/TNFRSF1A、グラニュライシン、TNFRIII/TNFRSF1B、TRAILRl/TNFRSF10A、ICAM-1/CD54、TRAILR2/TNFRSF10B、ICAM-2/CD102、TRAILR3/TNFRSF10C、IFN-γR1、TRAILR4/TNFRSF10D、IFN-γR2、TSLP、IL1R1およびTSLPR。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示T細胞抗原を結合する。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上で発現されるチェックポイントマーカー、例えば、PD-1、CD28、CTLA4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、Cd27、CD40L、TIM3、およびA2aRの1個または複数に対するターゲティング部分を有する。
例えば、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、B細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、B細胞 を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に直接または間接的に動員する。目的のB細胞抗原の例としては、例えば、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD38、CD39、CD40、CD70、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CD78、CD79a/b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、CD86、CD89、CD98、CD126、CD127、CDw130、CD138、CDw150、CS1、およびB細胞成熟抗原(BCMA)が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示B細胞抗原を結合する。
さらに、例えば、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、ナチュラルキラー細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、ナチュラルキラー細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に直接または間接的に動員する。目的のナチュラルキラー細胞抗原の例としては、例えば、TIGIT、2B4/SLAMF4、KIR2DS4、CD155/PVR、KIR3DL1、CD94、LMIR1/CD300A、CD69、LMIR2/CD300c、CRACC/SLAMF7、LMIR3/CD300LF、DNAM-1、LMIR5/CD300LB、Fc-イプシロンRII、LMIR6/CD300LE、Fc-γRl/CD64、MICA、Fc-γRIIB/CD32b、MICB、Fc-γRIIC/CD32c、MULT-1、Fc-γRIIA/CD32a、Nectin-2/CD112、Fc-γRIII/CD16、NKG2A、FcRH1/IRTA5、NKG2C、FcRH2/IRTA4、NKG2D、FcRH4/IRTA1、NKp30、FcRH5/IRTA2、NKp44、Fc-受容体様3/CD16-2、NKp46/NCR1、NKp80/KLRF1、NTB-A/SLAMF6、Rae-1、Rae-1α、Rae-1β、Rae-1δ、H60、Rae-1ε、ILT2/CD85j、Rae-1γ、ILT3/CD85k、TREM-1、ILT4/CD85d、TREM-2、ILT5/CD85a、TREM-3、KIR/CD158、TREML1/TLT-1、KIR2DL1、ULBP-1、KIR2DL3、ULBP-2、KIR2DL4/CD158dおよびULBP-3が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示NK細胞抗原を結合する。
また、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、マクロファージ/単球に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、マクロファージ/単球を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に直接または間接的に動員する。目的のマクロファージ/単球抗原の例としては、例えば、SIRP1a、B7-1/CD80、ILT4/CD85d、B7-H1、ILT5/CD85a、共通β鎖、インテグリンα4/CD49d、BLAME/SLAMF8、インテグリンαX/CDllc、CCL6/C10、インテグリンβ2/CD18、CD155/PVR、インテグリンβ3/CD61、CD31/PECAM-1、Latexin、CD36/SR-B3、ロイコトリエンB4R1、CD40/TNFRSF5、LIMPIIISR-B2、CD43、LMIR1/CD300A、CD45、LMIR2/CD300c、CD68、LMIR3/CD300LF、CD84/SLAMF5、LMIR5/CD300LB、CD97、LMIR6/CD300LE、CD163、LRP-1、CD2F-10/SLAMF9、MARCO、CRACC/SLAMF7、MD-1、ECF-L、MD-2、EMMPRIN/CD147、MGL2、エンドグリン/CD105、オステオアクチビン/GPNMB、Fc-γRI/CD64、オステオポンチン、Fc-γRIIB/CD32b、PD-L2、Fc-γRIIC/CD32c、Siglec-3/CD33、Fc-γRIIA/CD32a、SIGNR1/CD209、Fc-γRIII/CD16、SLAM、GM-CSFRα、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TLR3、IFN-γRl、TLR4、IFN-γR2、TREM-l、IL-l RII、TREM-2、ILT2/CD85j、TREM-3、ILT3/CD85k、TREML1/TLT-1、2B4/SLAMF4、IL10Rα、ALCAM、IL10Rβ、アミノペプチダーゼN/ANPEP、ILT2/CD85j、共通β鎖、ILT3/CD85k、ClqR1/CD93、ILT4/CD85d、CCR1、ILT5/CD85a、CCR2、インテグリンα4/CD49d、CCR5、インテグリンαM/CDllb、CCR8、インテグリンαX/CDllc、CD155/PVR、インテグリンβ2/CD18、CD14、インテグリンβ3/CD61、CD36/SR-B3、LAIR1、CD43、LAIR2、CD45、ロイコトリエンB4-R1、CD68、LIMPIIISR-B2、CD84/SLAMF5、LMIR1/CD300A、CD97、LMIR2/CD300c、LMIR3/CD300LF、凝固因子III/組織因子、LMIR5/CD300LB、CX3CR1、CX3CL1、LMIR6/CD300LE、CXCR4、LRP-1、CXCR6、M-CSFR、DEP-1/CD148、MD-1、DNAM-1、MD-2、EMMPRIN/CD147、MMR、エンドグリン/CD105、NCAM-L1、Fc-γRI/CD64、PSGL-1、Fc-γRIIIICD16、RP105、G-CSFR、L-セレクチン、GM-CSFRα、シグレック-3/CD33、HVEM/TNFRSF14、SLAM、ICAM-1/CD54、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TREM-l、IL6R、TREM-2、CXCRl/IL8RA、TREM-3およびTREMLl/TLT-1が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示マクロファージ/単球抗原を結合する。
また、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、樹状細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、樹状細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に直接または間接的に動員する。目的の樹状細胞抗原の例としては、例えば、CLEC9A、XCR1、RANK、CD36/SRB3、LOX-1/SR-E1、CD68、MARCO、CD163、SR-A1/MSR、CD5L、SREC-1、CL-Pl/COLEC12、SREC-II、LIMPIIISRB2、RP105、TLR4、TLR1、TLR5、TLR2、TLR6、TLR3、TLR9、4-IBBリガンド/TNFSF9、IL12/IL23p40、4-Amino-1、8-ナフタルイミド、ILT2/CD85j、CCL21/6Ckine、ILT3/CD85k、8-oxo-dG、ILT4/CD85d、8D6A、ILT5/CD85a、A2B5、lutegrinα4/CD49d、Aag、インテグリンβ2/CD18、AMICA、Langerin、B7-2/CD86、ロイコトリエンB4Rl、B7-H3、LMIR1/CD300A、BLAME/SLAMF8、LMIR2/CD300c、ClqR1/CD93、LMIR3/CD300LF、CCR6、LMIR5/CD300LBCCR7、LMIR6/CD300LE、CD40/TNFRSF5、MAG/Siglec-4-a、CD43、MCAM、CD45、MD-1、CD68、MD-2、CD83、MDL-1/CLEC5A、CD84/SLAMF5、MMR、CD97、NCAMLl、CD2F-10/SLAMF9、オステオアクチビンGPNMB、Chern23、PD-L2、CLEC-1、RP105、CLEC-2、CLEC-8、シグレック-2/CD22、CRACC/SLAMF7、シグレック-3/CD33、DC-SIGN、シグレック-5、DC-SIGNR/CD299、シグレック-6、DCAR、シグレック-7、DCIR/CLEC4A、シグレック-9、DEC-205、シグレック-10、Dectin-1/CLEC7A、シグレック-F、Dectin-2/CLEC6A、SIGNR1/CD209、DEP-1/CD148、SIGNR4、DLEC/CLEC4C、SLAM、EMMPRIN/CD147、TCCR/WSX-1、Fc-γR1/CD64、TLR3、Fc-γRIIB/CD32b、TREM-1、Fc-γRIIC/CD32c、TREM-2、Fc-γRIIA/CD32a、TREM-3、Fc-γRIII/CD16、TREML1/TLT-1、ICAM-2/CD102、およびバニロイドR1が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示DC抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、限定されないが、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、骨髄細胞、単球、好酸球、またはこれらのサブセットから選択される免疫細胞上の標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、骨髄細胞、単球、好酸球、またはこれらのサブセットを、例えば、いくつかの実施形態では、直接または間接的に、治療部位(例えば、1個または複数の疾患細胞または治療効果を得るために調節されるべき細胞を有する部位)に局在化させる。いくつかの実施形態では、前記免疫細胞は、T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球、マスト細胞、単球、赤血球、骨髄細胞、骨髄由来サプレッサー細胞、NKT細胞、およびNK細胞、またはこれらの誘導体から選択される。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、巨核球および/または血小板に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的の巨核球および/または血小板抗原の例としては、例えば、GPIIb/IIIa、GPIb、vWF、PF4、およびTSPが挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示巨核球および/または血小板抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、赤血球に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的の赤血球抗原の例としては、例えば、CD34、CD36、CD38、CD41a(血小板糖タンパク質IIb/IIIa)、CD41b(GPIIb)、CD71(トランスフェリン受容体)、CD105、グリコホリンA、グリコホリンC、c-kit、HLA-DR、H2(MHC-II)、およびRh抗原が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの例示赤血球抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、マスト細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的のマスト細胞抗原の例としては、例えば、SCFR/CD117、FcεRI、CD2、CD25、CD35、CD88、CD203c、C5R1、CMAl、FCERlA、FCER2、TPSABlが挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらのマスト細胞抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、好塩基球に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的の好塩基球抗原の例としては、例えば、FcεRI、CD203c、CD123、CD13、CD107a、CD107b、およびCD164が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの好塩基球抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、好中球に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的の好中球抗原の例としては、例えば、7D5、CD10/CALLA、CD13、CD16(FcRIII)、CD18タンパク質(LFA-1、CR3、およびp150、95)、CD45、CD67、およびCD177が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの好中球抗原を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、好酸球に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。目的の好酸球抗原の例としては、例えば、CD35、CD44およびCD69が挙げられる。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの好酸球抗原を結合する。
種々の実施形態では、認識ドメインは、当業者に既知の任意の適切な標的、抗原、受容体または細胞表面マーカーに特異的に結合し得る。いくつかの実施形態では、抗原または細胞表面マーカーは、組織特異的マーカーである。組織特異的マーカーの例としては、ACE、CD14、CD34、CDH5、ENG、ICAM2、MCAM、NOS3、PECAMl、PROCR、SELE、SELP、TEK、THBD、VCAMl、VWFなどの内皮細胞表面マーカー;ACTA2、MYHlO、MYHl 1、MYH9、MYOCDなどの平滑筋細胞表面マーカー;ALCAM、CD34、COLlAl、COL1A2、COL3A1、FAP、PH-4などの線維芽細胞(間質)細胞表面マーカー;CDlD、K6IRS2、KRTlO、KRT13、KRT17、KRT18、KRT19、KRT4、KRT5、KRT8、MUCl、TACSTDlなどの上皮細胞表面マーカー;CD13、TFNA、アルファ-v ベータ-3(αVβ3)、E-セレクチンなどの新生血管マーカー;およびADIPOQ、FABP4、およびRETNなどの脂肪細胞表面マーカーが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの抗原を結合する。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1個または複数のこれらの抗原を有する細胞を結合する。
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、腫瘍細胞に関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、直接または間接的に腫瘍細胞を動員する。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍細胞の直接または間接的動員は、腫瘍細胞を死滅させることができるおよび/または抑制できる1個または複数のエフェクター細胞(例えば、本明細書に記載の免疫細胞)に対するものである。
腫瘍細胞、または癌細胞は、身体の器官およびシステムの正常な機能動作を妨害する、細胞または組織の無制御な増殖および/または細胞生存の異常な増大および/またはアポトーシスの抑制の異常な増大を指す。例えば、腫瘍細胞には、良性および悪性の癌、ポリープ、過形成、ならびに休眠腫瘍または微小転移が含まれる。腫瘍細胞の例としては、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳および中枢神経系癌、乳癌、腹膜の癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸および直腸癌、結合組織癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部の癌、胃癌(胃腸癌を含む)、神経膠芽腫、肝癌、ヘパトーマ、上皮内腫瘍、腎臓癌または腎臓癌(kidney or renal cancer)、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、口腔癌(唇、舌状、舌、口内、および咽頭)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、呼吸器系癌、唾液腺癌腫、肉腫、皮膚癌、扁平上皮細胞癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮または子宮内膜癌、泌尿器系の癌、外陰癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫を含むリンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫、エイズ関連リンパ腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ならびに他の癌腫および肉腫、および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連するもの)、およびメグズ症候群の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍細胞または癌細胞としては、癌腫、例えば、種々のサブタイプ(例えば、腺癌、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、および移行性上皮癌を含む)、肉腫(例えば、骨および軟組織を含む)、白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性骨髄性、慢性リンパ球性、およびヘアリー細胞を含む)、リンパ腫および骨髄腫(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、軽鎖型、非分泌型MGUS、および形質細胞腫を含む)、および中枢神経系癌(例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起細胞腫および上衣腫)、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経腫)、および脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫および神経線維腫))も挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍抗原の例としては、MART-1/Melan-A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連性抗原(CRC)-0017-1A/GA733、癌胎児抗原(CEA)およびその免疫原性エピトープCAP-1およびCAP-2、etv6、aml1、前立腺特異抗原(PSA)およびその免疫原性エピトープPSA-1、PSA-2、およびPSA-3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞受容体/CD3-ゼータ鎖、MAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、MAGE-A1、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-C1、MAGE-C2、MAGE-C3、MAGE-C4、MAGE-C5)、GAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、GAGE-9)、BAGE、RAGE、LAGE-1、NAG、GnT-V、MUM-1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α-フェトプロテイン、E-カドヘリン、α-カテニン、β-カテニンおよびγ-カテニン、p120ctn、gp100 Pmel117、PRAME、NY-ESO-1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Ig-イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物、Smadファミリーの腫瘍抗原、lmp-1、NA、EBV-コード化核内抗原(EBNA)-1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-1、SSX-4、SSX-5、SCP-1 CT-7、c-erbB-2、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD47、CS1、CD38、ASGPR、CD56、CD70、CD74、CD138、AGS16、MUC1、GPNMB、Ep-CAM、PD-L1、PD-L2、PMSA、およびBCMA(TNFRSF17)が挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、1種または複数のこれらの腫瘍抗原を結合する。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、HER2に結合する。別の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L2に結合する。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはこれらのサブセットから選択される免疫細胞に対する1個または複数のターゲティング部分、および(ii)本明細書で記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に対する1個または複数のターゲティング部分、を有する。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)T細胞(限定されないが、エフェクターT細胞を含む)に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)B細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)マクロファージに対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)NK細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD8、SLAMF4、IL2Rα、4-1BB/TNFRSF9、IL2Rβ、ALCAM、B7-1、IL4R、B7-H3、BLAME/SLAMFS、CEACAM1、IL6R、CCR3、IL7Rα、CCR4、CXCRl/ILSRA、CCR5、CCR6、IL10Rα、CCR7、IL10Rβ、CCRS、IL12Rβ1、CCR9、IL12Rβ2、CD2、IL13Rα1、IL13、CD3、CD4、ILT2/CDS5j、ILT3/CDS5k、ILT4/CDS5d、ILT5/CDS5a、lutegrin α4/CD49d、CDS、インテグリンαE/CD103、CD6、インテグリンαM/CD11b、CDS、インテグリンαX/CD11c、インテグリンβ2/CDlS、KIR/CD15S、CD27/TNFRSF7、KIR2DL1、CD2S、KIR2DL3、CD30/TNFRSFS、KIR2DL4/CD15Sd、CD31/PECAM-1、KIR2DS4、CD40リガンド/TNFSF5、LAG-3、CD43、LAIR1、CD45、LAIR2、CDS3、ロイコトリエンB4-R1、CDS4/SLAMF5、NCAM-L1、CD94、NKG2A、CD97、NKG2C、CD229/SLAMF3、NKG2D、CD2F-10/SLAMF9、NT-4、CD69、NTB-A/SLAMF6、共通γ鎖/IL2Rγ、オステオポンチン、CRACC/SLAMF7、PD-1、CRTAM、PSGL-1、CTLA-4、RANK/TNFRSF11A、CX3CR1、CX3CL1、L-セレクチン、CXCR3、SIRPβ1、CXCR4、SLAM、CXCR6、TCCR/WSX-1、DNAM-1、サイモポエチン、EMMPRIN/CD147、TIM-1、EphB6、TIM-2、Fas/TNFRSF6、TIM-3、Fasリガンド/TNFSF6、TIM-4、FcγRIII/CD16、TIM-6、TNFR1/TNFRSF1A、グラニュライシン、TNFRIII/TNFRSF1B、TRAILRl/TNFRSF10A、ICAM-1/CD54、TRAILR2/TNFRSF10B、ICAM-2/CD102、TRAILR3/TNFRSF10C、IFN-γR1、TRAILR4/TNFRSF10D、IFN-γR2、TSLP、IL1R1、またはTSLPRへの標的化により媒介される、T細胞に対するターゲティング部分を有し;および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)T細胞上に発現したチェックポイントマーカー、例えば、PD-1、CD28、CTLA4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、TIM3、およびA2aRの内の1個または複数に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質と共に、腫瘍細胞に向けられる。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-1に対する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する、1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体の誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質の1種または複数を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(別名MK-3475、キイトルーダ)、またはそのフラグメントを含む。ペムブロリズマブおよびその他のヒト化抗PD-1抗体は、Hamid,et al.(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134-44,US 8,354,509、および国際公開第2009/114335号に開示されている。これらの全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのペムブロリズマブまたはその抗原結合フラグメントは、(配列番号7)のアミノ酸配列を含む重鎖および/または(配列番号8)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体、ニボルバム(別名BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538、オプジーボ)、またはそのフラグメントを含む。PD-1に特異的に結合するニボルバム(クローン5C4)およびその他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第8,008,449号および国際公開第2006/121168号に開示されている。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、ニボルバムまたはその抗原結合フラグメントは、(配列番号9)のアミノ酸配列を含む重鎖および/または(配列番号10)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体ピディリズマブ(別名CT-011、hBATまたはhBAT-1)、またはそのフラグメントを含む。ピディリズマブおよびその他のヒト化抗PD-Iモノクローナル抗体は、米国特許出願公開第2008/0025980号および国際公開第2009/101611号に開示されている。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2008/0025980の配列番号15~18:米国特許出願公開第2008/0025980の配列番号15(配列番号11);米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号16(配列番号12);米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号17(配列番号13);米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号18(配列番号14)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および/または米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号20~24:米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号20(配列番号15);米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号21(配列番号16);米国特許出願公開第2008号/0025980の配列番号22(配列番号17);米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号23(配列番号18)および米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号24(配列番号19)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号18(配列番号14)を含む軽鎖および米国特許出願公開第2008/0025980号の配列番号22(配列番号17)を含む重鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、AMP-514(別名MEDI-0680)を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、pd-l2-Fc融合タンパク質AMP-224を含み、これは、国際公開第2010/027827号および同第2011/066342号に開示されている。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。このような実施形態では、ターゲティング部分は、国際公開第2010/027827号の配列番号4(配列番号20)を含むターゲティングドメインおよび/または国際公開第2010/027827号の配列番号83(配列番号21)を含むB7-DC融合タンパク質を含み得る。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、ペプチドAUNP12または米国特許出願公開第2011/0318373号または米国特許第8,907,053号に開示のいずれかの他のペプチドを含む。例えば、ターゲティング部分は、AUNP12(すなわち、米国特許出願公開第2011/0318373号の化合物8または配列番号49)を含み得、これは、下記配列を有する:
(配列番号22)。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体1E3またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための1E3またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号23)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号24)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体1E8またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための1E8またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号25)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号26)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体1H3またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための1H3またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号27)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号28)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、米国特許第8,907,065号および国際公開第2008/071447号に開示のように、PD-1に向けられたVHHを含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、PD-1に対するVHHは、米国特許第8,907,065号の配列番号347~351(米国特許第8,907,065号の配列番号347(配列番号29);米国特許第8,907,065号の配列番号348(配列番号30);米国特許第8,907,065号の配列番号349(配列番号31);米国特許第8,907,065号の配列番号350(配列番号32);または米国特許第8,907,065号の配列番号351(配列番号33))を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2011/0271358号および国際公開第2010/036959号に開示のように、抗PD-1抗体またはそのフラグメントのいずれか1種を含み、これらの特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号25~29(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号25(配列番号34);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号26(配列番号35);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号27(配列番号36);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号28(配列番号37);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号29(配列番号38))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号30~33(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号30(配列番号39);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号31(配列番号40);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号32(配列番号41);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号33(配列番号42))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、TSR-042(Tesaro,Inc.)、REGN2810(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.)、PDR001(Novartis Pharmaceuticals)、およびBGB-A317(BeiGene Ltd.)から選択される、PD-1に向けられた1種または複数の抗体、またはその抗体フラグメントを含む。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L1に対する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体の誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質の1種または複数を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体MEDI4736(別名デュルバルマブ)、またはそのフラグメントを含む。MEDI4736は、PD-L1に対し選択的であり、PD-L1のPD-1およびCD80受容体に対する結合を阻止する。本明細書で提供される方法で使用するためのMEDI4736およびその抗原結合フラグメントは、重鎖および軽鎖または重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。MEDI4736の配列は、国際公開第2016/06272号に開示され、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのMEDI4736またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号43)のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または(配列番号44)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのMEDI4736またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2016/06272号の配列番号4(配列番号45)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2016/06272号の配列番号3(配列番号46)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(別名MPDL3280A、RG7446)、またはそのフラグメントを含む。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのアテゾリズマブまたはその抗原結合フラグメントは、(配列番号47)のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または(配列番号48)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体アベルマブ(別名MSB0010718C)、またはそのフラグメントを含む。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのアテゾリズマブまたはその抗原結合フラグメントは、(配列番号49)のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または(配列番号50)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体BMS-936559(別名12A4、MDX-1105)、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのBMS-936559またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号51)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号52)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体3G10、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法での使用のための3G10またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号53)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号54)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体10A5、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための10A5またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号55)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号56)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体5F8、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための5F8またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号57)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号58)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体10H10、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための10H10またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号59)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号60)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体1B12、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための1B12またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号61)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号62)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体7H1、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法での使用のための7H1またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号63)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号64)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体11E6、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための11E6またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号65)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号66)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体12B7、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための12B7またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号67)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号68)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2013/0309250号および国際公開第2007/005874号に開示のように、抗PD-L1抗体13G4、またはそのフラグメントを含む。これら特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための13G4またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号69)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号70)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体1E12またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための1E12またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号71)アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号72)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体1F4またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で提供される方法で使用するための1F4またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号73)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号74)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2G11またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2G11またはその抗原結合フラグメントは(配列番号75)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号76)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2014/0044738号に開示のように、抗PD-L1抗体3B6、またはそのフラグメントを含む。この特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための3B6またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号77)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号78)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2014/0044738号および国際公開第2012/145493号に開示のように、抗PD-L1抗体3D10、またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための3D10またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号79)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または(配列番号80)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2011/0271358号および国際公開第2010/036959号に開示のいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。これらの特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号34~38(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号34(配列番号81);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号35(配列番号82);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号36(配列番号83);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号37(配列番号84);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号38(配列番号85))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号39~42(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号39(配列番号86);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号40(配列番号87);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号41(配列番号88);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号42(配列番号89))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.7A4またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.7A4またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号2(配列番号90)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号7(配列番号91)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.9D10またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.9D10またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号12(配列番号92)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号17(配列番号93)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.14H9またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.14H9またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号22(配列番号94)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号27(配列番号95)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.20A8またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.20A8またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号32(配列番号96)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号37(配列番号97)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体3.15G8またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための3.15G8またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号42(配列番号98)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号47(配列番号99)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体3.18G1またはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための3.18G1またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号52(配列番号100)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号57(配列番号101)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.7A4OPTまたはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.7A4OPTまたはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号62(配列番号102)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号67(配列番号103)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、国際公開第2011/066389号、米国特許第8,779,108号、および米国特許出願公開第2014/0356353号に開示のように、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体2.14H9OPTまたはそのフラグメントを含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための2.14H9OPTまたはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2011/066389号の配列番号72(配列番号104)のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または国際公開第2011/066389号の配列番号77(配列番号105)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、国際公開第2016/061142号に開示されるいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2016/061142号の配列番号18、30、38、46、50、54、62、70、および78(国際公開第2016/061142号の配列番号18(配列番号106);国際公開第2016/061142号の配列番号30(配列番号107);国際公開第2016/061142号の配列番号38(配列番号108);国際公開第2016/061142号の配列番号46(配列番号109);国際公開第2016/061142号の配列番号50(配列番号110);国際公開第2016/061142号の配列番号54(配列番号111);国際公開第2016/061142号の配列番号62(配列番号112);国際公開第2016/061142号の配列番号70(配列番号113)および国際公開第2016/061142号の配列番号78(配列番号114))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または、国際公開第2016/061142号の配列番号22、26、34、42、58、66、74、82、および86(国際公開第2016/061142号の配列番号22(配列番号115);国際公開第2016/061142号の配列番号26(配列番号116);国際公開第2016/061142号の配列番号34(配列番号117);国際公開第2016/061142号の配列番号42(配列番号118);国際公開第2016/061142号の配列番号58(配列番号119);国際公開第2016/061142号の配列番号66(配列番号120);国際公開第2016/061142号の配列番号74(配列番号121);国際公開第2016/061142号の配列番号82(配列番号122)および国際公開第2016/061142号の配列番号86(配列番号123))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、国際公開第2016/022630号に開示されるいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2016/022630号の配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、および46(国際公開第2016/022630号の配列番号2(配列番号124);国際公開第2016/022630号の配列番号6(配列番号125);国際公開第2016/022630号の配列番号10(配列番号126);国際公開第2016/022630号の配列番号14(配列番号127);国際公開第2016/022630号の配列番号18(配列番号128);国際公開第2016/022630号の配列番号22(配列番号129);国際公開第2016/022630号の配列番号26(配列番号130);国際公開第2016/022630号の配列番号30(配列番号131);国際公開第2016/022630号の配列番号34(配列番号132);国際公開第2016/022630号の配列番号38(配列番号133);国際公開第2016/022630号の配列番号42(配列番号134);および国際公開第2016/022630号の配列番号46(配列番号135))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または、国際公開第2016/022630号の配列番号4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、および48(国際公開第2016/022630号の配列番号4(配列番号136);国際公開第2016/022630号の配列番号8(配列番号137);国際公開第2016/022630号の配列番号12(配列番号138);国際公開第2016/022630号の配列番号16(配列番号139);国際公開第2016/022630号の配列番号20(配列番号140);国際公開第2016/022630号の配列番号24(配列番号141);国際公開第2016/022630号の配列番号28(配列番号142);国際公開第2016/022630号の配列番号32(配列番号143);国際公開第2016/022630号の配列番号36(配列番号144);国際公開第2016/022630号の配列番号40(配列番号145);国際公開第2016/022630号の配列番号44(配列番号146);および国際公開第2016/022630号の配列番号48(配列番号147))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、国際公開第2015/112900号に開示されるいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2015/112900号の配列番号38、50、82、および86(国際公開第2015/112900号の配列番号38(配列番号148);国際公開第2015/112900号の配列番号50(配列番号149);国際公開第2015/112900号の配列番号82(配列番号150);および国際公開第2015/112900号の配列番号86(配列番号151))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または国際公開第2015/112900号の配列番号42、46、54、58、62、66、70、74、および78(国際公開第2015/112900号の配列番号42(配列番号152);国際公開第2015/112900号の配列番号46(配列番号153);国際公開第2015/112900号の配列番号54(配列番号154);国際公開第2015/112900号の配列番号58(配列番号155);国際公開第2015/112900号の配列番号62(配列番号156);国際公開第2015/112900号の配列番号66(配列番号157);国際公開第2015/112900号の配列番号70(配列番号158);国際公開第2015/112900号の配列番号74(配列番号159);および国際公開第2015/112900号の配列番号78(配列番号160))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、国際公開第2010/077634号および米国特許第8,217,149号に開示されるいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗PD-L1またはその抗原結合フラグメントは、国際公開第2010/077634号の配列番号20(配列番号161)のアミノ酸配列を含む重鎖領域;および/または国際公開第2010/077634号の配列番号21(配列番号162)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第20120039906号に開示されているように、CNCM受託番号CNCM I-4122、CNCM I-4080およびCNCM I-4081により入手可能なハイブリドーマから得ることができるいずれか1種の抗PD-L1抗体を含む。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、米国特許第8,907,065号および国際公開第2008/071447号に開示のように、PD-L1抗体に向けられたVHHを含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、PD-L1に対するVHHは、米国特許第8,907,065号の配列番号394~399(米国特許第8,907,065号の配列番号394(配列番号163);米国特許第8,907,065号の配列番号395(配列番号164);米国特許第8,907,065号の配列番号396(配列番号165);米国特許第8,907,065号の配列番号397(配列番号166);米国特許第8,907,065号の配列番号398(配列番号167);米国特許第8,907,065号の配列番号399(配列番号168))を含む。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L2に対する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する、1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体の誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質の1種または複数を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、米国特許第8,907,065号および国際公開第2008/071447号に開示のように、PD-L2に向けられたVHHを含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、PD-L2に対するVHHは、米国特許第8,907,065号の配列番号449~455(米国特許第8,907,065号の配列番号449(配列番号169);米国特許第8,907,065号の配列番号450(配列番号170);米国特許第8,907,065号の配列番号451(配列番号171);米国特許第8,907,065号の配列番号452(配列番号172);米国特許第8,907,065号の配列番号453(配列番号173);米国特許第8,907,065号の配列番号454(配列番号174);および米国特許第8,907,065号の配列番号455(配列番号175))を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2011/0271358号および国際公開第2010/036959号に開示のいずれか1種の抗PD-L2抗体を含む。これらの特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号43~47(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号43(配列番号176);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号44(配列番号177);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号45(配列番号178);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号46(配列番号179);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号47(配列番号180))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号48~51(米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号48(配列番号181);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号49(配列番号182);米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号50(配列番号183);および米国特許出願公開第2011/0271358号の配列番号51(配列番号184))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
種々の実施形態では、本発明のターゲティング部分は、本明細書で開示の配列のいずれかに少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一(例えば、本明細書で開示の配列のいずれかと約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、約99%または約100%の配列同一性)である、PD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的とする配列を含み得る。
種々の実施形態では、本発明のターゲティング部分は、本明細書で開示のPD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的とする重鎖、軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、相補性決定領域(CDR)、およびフレームワーク領域配列のいずれの組み合わせを含み得る。
PD-1、PD-L1および/またはPD-L2を選択的に結合するまたは標的にする追加の抗体、抗体誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチドまたは融合タンパク質は、国際公開第2011/066389号、米国特許出願公開第2008/0025980号、米国特許出願公開第2013/0034559号、米国特許第8,779,108号、米国特許出願公開第2014/0356353号、米国特許第8,609,089号、米国特許出願公開第2010/028330号、米国特許出願公開第2012/0114649号、国際公開第2010/027827号、国際公開第2011/066342号、米国特許第8,907,065号、国際公開第2016/062722号、国際公開第2009/101611号、国際公開第2010/027827号、国際公開第2011/066342号、国際公開第2007/005874号、国際公開第2001/014556号、米国特許出願公開第2011/0271358号、国際公開第2010/036959号、国際公開第2010/077634号、米国特許第8,217,149号、米国特許出願公開第2012/0039906号、国際公開第2012/145493号、米国特許出願公開第2011/0318373号、米国特許第8,779,108号、米国特許出願公開第2014/0044738号、国際公開第2009/089149号、国際公開第2007/00587号、国際公開第2016/061142号、国際公開第2016/02263号、国際公開第2010/077634号、および国際公開第2015/112900号で開示されている。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD8に対する標的化により媒介される、T細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上のCD8に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD4に対する標的化により媒介される、T細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上のCD4に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD3、CXCR3、CCR4、CCR9、CD70、CD103、または1個または複数の免疫チェックポイントマーカーに対する標的化により媒介される、T細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1インターフェロンまたはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上のCD3に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上で発現されるCD3に対する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD3ポリペプチドを選択的に結合する1個または複数のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD3ポリペプチドを選択的に結合する、抗体、抗体の誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質の1種または複数を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗CD3抗体ムロモナブ-CD3(別名Orthoclone OKT3)、またはそのフラグメントを含む。ムロモナブ-CD3は、米国特許第4,361,549号およびWilde et al.(1996)51:865-894で開示されている。これらの文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのムロモナブ-CD3またはその抗原結合フラグメントは、(配列番号185)のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または(配列番号186)のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗CD3抗体オテリキシズマブ、またはそのフラグメントを含む。オテリキシズマブは、米国特許出願公開第20160000916号およびChatenoud et al.(2012)9:372-381で開示されている。これらの文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのオテリキシズマブまたはその抗原結合フラグメントは、配列番号187のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または配列番号188のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗CD3抗体テプリズマブ(別名MGA031およびhOKT3γ1(Ala-Ala))、またはそのフラグメントを含む。テプリズマブは、Chatenoud et al.(2012)9:372-381で開示されている。この文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのテプリズマブまたはその抗原結合フラグメントは、配列番号189のアミノ酸配列を含む重鎖;および/または配列番号190のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗CD3抗体ビジリズマブ(別名Nuvion(登録商標);HuM291)、またはそのフラグメントを含む。ビジリズマブは、米国特許第5,834,597号および国際公開第2004052397号およびCole et al.,Transplantation(1999)68:563-571で開示されている。これらの文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するためのビジリズマブまたはその抗原結合フラグメントは、配列番号191のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号192のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗CD3抗体フォラルマブ(別名NI-0401)、またはそのフラグメントを含む。種々の実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2014/0193399号、米国特許第7,728,114号、米国特許出願公開第2010/0183554号および米国特許第8,551,478号で開示される抗CD3抗体のいずれか1種を含む。これらの特許の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗CD3抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許第7,728,114号の配列番号2および6(米国特許第7,728,114号の配列番号2(配列番号193)およびの米国特許第7,728,114号の配列番号6(配列番号194))のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または米国特許第7,728,114号の配列番号4および8(米国特許第7,728,114号の配列番号4(配列番号195)および米国特許第7,728,114号の配列番号8(配列番号196))のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許第7,728,114号の配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および米国特許第7,728,114号の配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2016/0168247号で開示される抗CD3抗体のいずれか1種を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号6~9(米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号6(配列番号197);米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号7(配列番号198);米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号8(配列番号199);米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号9(配列番号200))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号10~12(米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号10(配列番号201);米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号11(配列番号202);米国特許出願公開第2016/0168247号の配列番号12(配列番号203))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2015/0175699号で開示される抗CD3抗体のいずれか1種を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2015/0175699号の配列番号9(配列番号204)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2015/0175699号の配列番号10(配列番号205)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許第8,784,821号で開示される抗CD3抗体のいずれか1種を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許第8,784,821号の配列番号2、18、34、50、66、82、98および114(米国特許第8,784,821号の配列番号2(配列番号206);米国特許第8,784,821号の配列番号18(配列番号207);米国特許第8,784,821号の配列番号34(配列番号208);米国特許第8,784,821号の配列番号50(配列番号209);米国特許第8,784,821号の配列番号66(配列番号210);米国特許第8,784,821号の配列番号82(配列番号211);米国特許第8,784,821号の配列番号98(配列番号212);および米国特許第8,784,821号の配列番号114(配列番号213))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許第8,784,821号の配列番号10、26、42、58、74、90、106および122(米国特許第8,784,821号の配列番号10(配列番号214);米国特許第8,784,821号の配列番号26(配列番号215);米国特許第8,784,821号の配列番号42(配列番号216);米国特許第8,784,821号の配列番号58(配列番号217);米国特許第8,784,821号の配列番号74(配列番号218);米国特許第8,784,821号の配列番号90(配列番号219);米国特許第8,784,821号の配列番号106(配列番号220);および米国特許第8,784,821号の配列番号122(配列番号221))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2015/0118252号で開示される抗CD3結合構築物のいずれか1種を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2015/0118252号の配列番号6および86(米国特許出願公開第2015/0118252号の配列番号6(配列番号222)および米国特許出願公開第2015/0118252号の配列番号86(配列番号223))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2015/0175699号の配列番号3(米国特許出願公開第2015/0118252号の配列番号3(配列番号224))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、米国特許出願公開第2016/0039934号で開示される抗CD3結合タンパク質のいずれか1種を含む。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、本明細書で提供される方法で使用するための抗体またはその抗原結合フラグメントは、米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号6~9(米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号6(配列番号225);米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号7(配列番号226);米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号8(配列番号227);および米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号9(配列番号228))から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;および/または米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号1~4(米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号1(配列番号229);米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号2(配列番号230);米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号3(配列番号231);および米国特許出願公開第2016/0039934号の配列番号4(配列番号232))から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
種々の実施形態では、本発明のターゲティング部分は、本明細書で開示の配列のいずれかに少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一(例えば、本明細書で開示の配列のいずれかと約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、約99%または約100%の配列同一性)である、CD3を標的とする配列を含み得る。
種々の実施形態では、本発明のターゲティング部分は、本明細書で開示のCD3を標的とする重鎖、軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、相補性決定領域(CDR)、およびフレームワーク領域配列のいずれかの組み合わせを含み得る。種々の実施形態では、本発明のターゲティング部分は、限定されないが、X35-3、VIT3、BMA030(BW264/56)、CLB-T3/3、CRIS7、YTH12.5、Fl 11-409、CLB-T3.4.2、TR-66、WT32、SPv-T3b、11D8、XIII-141、XIII-46、XIII-87、12F6、T3/RW2-8C8、T3/RW2-4B6、OKT3D、M-T301、SMC2、WT31およびF101.01を含むCD3特異的抗体の、重鎖、軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、相補性決定領域(CDR)、およびフレームワーク領域配列のいずれかを含み得る。これらのCD3特異的抗体は、当該技術分野において周知であり、特に、Tunnacliffe(1989),Int.Immunol.1,546-550で記載されている。この文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
選択的にCD3を結合または標的とする追加の抗体、抗体誘導体またはフォーマット、ペプチドまたはポリペプチド、または融合タンパク質は、米国特許出願公開第2016/0000916号、米国特許第4,361,549号、同第5,834,597号、同第6,491,916号、同第6,406,696号、同第6,143,297号、同第6,750,325号および国際公開第2004/052397号で開示されている。これらの特許の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、PD-1に対する標的化により媒介される、T細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD38、CD39、CD40、CD70、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CD78、CD79a/b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、CD86、CD89、CD98、CD126、CD127、CDw130、CD138、またはCDw150への標的化により媒介されるB細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD20に対するターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD19、CD20またはCD70に対する標的化により媒介される、B細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CD20に対する標的化により媒介される、B細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞上のCD20に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。例えば、いくつかの実施形態では、CD20ターゲティング部分は、次記の配列を有する組換え型の重鎖のみの抗体(VHH)である:
QVQLQESGGGLAQAGGSLRLSCAASGRTFSMGWFRQAPGKEREFVAAITYSGGSPYYASSVRGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAANPTYGSDWNAENWGQGTQVTVSS(配列番号288)。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、2B4/SLAMF4、KIR2DS4、CD155/PVR、KIR3DL1、CD94、LMIR1/CD300A、CD69、LMIR2/CD300c、CRACC/SLAMF7、LMIR3/CD300LF、DNAM-1、LMIR5/CD300LB、Fc-イプシロンRII、LMIR6/CD300LE、Fc-γRl/CD64、MICA、Fc-γRIIB/CD32b、MICB、Fc-γRIIC/CD32c、MULT-1、Fc-γRIIA/CD32a、Nectin-2/CD112、Fc-γRIII/CD16、NKG2A、FcRH1/IRTA5、NKG2C、FcRH2/IRTA4、NKG2D、FcRH4/IRTA1、NKp30、FcRH5/IRTA2、NKp44、Fc-受容体様3/CD16-2、NKp46/NCR1、NKp80/KLRF1、NTB-A/SLAMF6、Rae-1、Rae-1α、Rae-1β、Rae-1δ、H60、Rae-1ε、ILT2/CD85j、Rae-1γ、ILT3/CD85k、TREM-1、ILT4/CD85d、TREM-2、ILT5/CD85a、TREM-3、KIR/CD158、TREML1/TLT-1、KIR2DL1、ULBP-1、KIR2DL3、ULBP-2、KIR2DL4/CD158dまたはULBP-3への標的化により媒介されるNK細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、Kir1アルファ、DNAM-1またはCD64への標的化により媒介される、NK細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、KIR1への標的化により媒介される、NK細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞上のKIR1に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、TIGITまたはKIR1への標的化により媒介される、NK細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞上のTIGITに対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CLEC9A、XCR1、RANK、CD36/SRB3、LOX-1/SR-E1、CD68、MARCO、CD163、SR-A1/MSR、CD5L、SREC-1、CL-Pl/COLEC12、SREC-II、LIMPIIISRB2、RP105、TLR4、TLR1、TLR5、TLR2、TLR6、TLR3、TLR9、4-IBBリガンド/TNFSF9、IL12/IL23p40、4-Amino-1、8-ナフタルイミド、ILT2/CD85j、CCL21/6Ckine、ILT3/CD85k、8-oxo-dG、ILT4/CD85d、8D6A、ILT5/CD85a、A2B5、lutegrin α4/CD49d、Aag、インテグリンβ2/CD18、AMICA、Langerin、B7-2/CD86、ロイコトリエンB4 Rl、B7-H3、LMIR1/CD300A、BLAME/SLAMF8、LMIR2/CD300c、ClqR1/CD93、LMIR3/CD300LF、CCR6、LMIR5/CD300LBCCR7、LMIR6/CD300LE、CD40/TNFRSF5、MAG/Siglec-4-a、CD43、MCAM、CD45、MD-1、CD68、MD-2、CD83、MDL-1/CLEC5A、CD84/SLAMF5、MMR、CD97、NCAMLl、CD2F-10/SLAMF9、Osteoactivin GPNMB、Chern23、PD-L2、CLEC-1、RP105、CLEC-2、シグレック-2/CD22、CRACC/SLAMF7、シグレック-3/CD33、DC-SIGN、シグレック-5、DC-SIGNR/CD299、シグレック-6、DCAR、シグレック-7、DCIR/CLEC4A、シグレック-9、DEC-205、シグレック-10、Dectin-1/CLEC7A、シグレック-F、Dectin-2/CLEC6A、SIGNR1/CD209、DEP-1/CD148、SIGNR4、DLEC、SLAM、EMMPRIN/CD147、TCCR/WSX-1、Fc-γR1/CD64、TLR3、Fc-γRIIB/CD32b、TREM-1、Fc-γRIIC/CD32c、TREM-2、Fc-γRIIA/CD32a、TREM-3、Fc-γRIII/CD16、TREML1/TLT-1、ICAM-2/CD102、またはバニロイドR1への標的化により媒介される樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、CLEC-9A、DC-SIGN、CD64、CLEC-4A、またはDEC205への標的化により媒介される、樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞上のClec9Aに対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、Clec9Aへの標的化により媒介される、樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞上のClec9Aに対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、XCR1への標的化により媒介される、樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞上のXCR1に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、RANKへの標的化により媒介される、樹状細胞に対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞上のRANKに対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
非限定的例であるが、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、SIRP1a、B7-1/CD80、ILT4/CD85d、B7-H1、ILT5/CD85a、共通β鎖、インテグリンα4/CD49d、BLAME/SLAMF8、インテグリンαX/CDllc、CCL6/C10、インテグリンβ2/CD18、CD155/PVR、インテグリンβ3/CD61、CD31/PECAM-1、Latexin、CD36/SR-B3、ロイコトリエンB4R1、CD40/TNFRSF5、LIMPIIISR-B2、CD43、LMIR1/CD300A、CD45、LMIR2/CD300c、CD68、LMIR3/CD300LF、CD84/SLAMF5、LMIR5/CD300LB、CD97、LMIR6/CD300LE、CD163、LRP-1、CD2F-10/SLAMF9、MARCO、CRACC/SLAMF7、MD-1、ECF-L、MD-2、EMMPRIN/CD147、MGL2、エンドグリン/CD105、オステオアクチビン/GPNMB、Fc-γRI/CD64、オステオポンチン、Fc-γRIIB/CD32b、PD-L2、Fc-γRIIC/CD32c、Siglec-3/CD33、Fc-γRIIA/CD32a、SIGNR1/CD209、Fc-γRIII/CD16、SLAM、GM-CSFRα、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TLR3、IFN-γRl、TLR4、IFN-γR2、TREM-l、IL-lRII、TREM-2、ILT2/CD85j、TREM-3、ILT3/CD85k、TREML1/TLT-1、2B4/SLAMF4、IL-10Rα、ALCAM、IL-10Rβ、アミノペプチダーゼN/ANPEP、ILT2/CD85j、共通β鎖、ILT3/CD85k、ClqR1/CD93、ILT4/CD85d、CCR1、ILT5/CD85a、CCR2、CD206、インテグリンα4/CD49d、CCR5、インテグリンαM/CDllb、CCR8、インテグリンαX/CDllc、CD155/PVR、インテグリンβ2/CD18、CD14、インテグリンβ3/CD61、CD36/SR-B3、LAIR1、CD43、LAIR2、CD45、ロイコトリエンB4-R1、CD68、LIMPIIISR-B2、CD84/SLAMF5、LMIR1/CD300A、CD97、LMIR2/CD300c、CD163、LMIR3/CD300LF、凝固因子III/組織因子、LMIR5/CD300LB、CX3CR1、CX3CL1、LMIR6/CD300LE、CXCR4、LRP-1、CXCR6、M-CSFR、DEP-1/CD148、MD-1、DNAM-1、MD-2、EMMPRIN/CD147、MMR、エンドグリン/CD105、NCAM-L1、Fc-γRI/CD64、PSGL-1、Fc-γRIIIICD16、RP105、G-CSFR、L-セレクチン、GM-CSFRα、シグレック-3/CD33、HVEM/TNFRSF14、SLAM、ICAM-1/CD54、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TREM-1、-6R、TREM-2、CXCRl/IL-8RA、TREM-3、またはTREML1/TLT-1への標的化により媒介される単球/マクロファージに対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、B7-H1、CD31/PECAM-1、CD163、CCR2、またはマクロファージマンノース受容体CD206への標的化により媒介される、単球/マクロファージに対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)例えば、SIRP1aへの標的化により媒介される、単球/マクロファージに対するターゲティング部分を有し、および(ii)ターゲティング部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞に向けられる。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージ上のSIRP1aに対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、チェックポイントマーカー、例えば、PD-1/PD-L1またはPD-L2、CD28/CD80またはCD86、CTLA4/CD80またはCD86、ICOS/ICOSLまたはB7RP1、BTLA/HVEM、KIR、LAG3、CD137/CD137L、OX40/OX40L、CD27、CD40L、TIM3/Gal9、CD47、CD70、およびA2aRの1個または複数に対する1個または複数のターゲティング部分を有する。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)T細胞、例えば、PD-1上のチェックポイントマーカーに対するターゲティング部分、および(ii)本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、腫瘍細胞、例えば、PD-L1またはPD-L2に向けられるターゲティング部分を有する。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上のPD-1に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1に対する第2のターゲティング部分を有する。別の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞上のPD-1に対するターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L2に対する第2のターゲティング部分を有する。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、同じまたは異なる免疫細胞に向けられた2個以上のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、(i)T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはこれらのサブセットから選択される免疫細胞に対する1個または複数のターゲティング部分、および(ii)本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)と共に、T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはこれらのサブセットから選択される同じまたは別の免疫細胞に対する1個または複数のターゲティング部分、を有する。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および同じまたは別のT細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびB細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびマクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、T細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびNK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。例えば、例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD8に対するターゲティング部分およびClec9Aに対するターゲティング部分を含み得る。別の例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD8に対するターゲティング部分およびCD3に対するターゲティング部分を含み得る。別の例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD8に対するターゲティング部分およびPD-1に対するターゲティング部分を含み得る。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および同じまたは別のB細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびT細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびマクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、B細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびNK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および同じまたは別の樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびT細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびB細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびマクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびNK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分および同じまたは別のマクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分およびT細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分およびB細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分および樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、マクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分およびNK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および同じまたは別のNK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびT細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびB細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分およびマクロファージに対する1個または複数のターゲティング部分を含む。一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、NK細胞に対する1個または複数のターゲティング部分および樹状細胞に対する1個または複数のターゲティング部分を含む。
一実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、腫瘍細胞に対するターゲティング部分および同じまたは異なる腫瘍細胞に対する第2のターゲティング部分を含む。このような実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書で記載のいずれかの腫瘍抗原に結合し得る。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、脂肪細胞(例えば、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞)、肝臓脂質細胞、肝臓細胞、腎臓細胞(例えば、腎臓壁細胞、腎臓唾液腺、乳腺など)、導管細胞(精嚢、前立腺などの)、腸管刷子縁細胞(微絨毛を有する)、外分泌腺線条導管細胞、胆嚢上皮細胞、小遠心路非線毛細胞、精巣上体主部細胞、精巣上体基底細胞、内皮細胞、エナメル芽上皮細胞(歯のエナメル質分泌)、耳の前庭系の半月面上皮細胞(プロテオグリカン分泌)、コルチ器官歯間上皮細胞(有毛細胞を覆う蓋膜分泌)、疎性結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞(角膜実質細胞)、腱線維芽細胞、骨髄網状組織線維芽細胞、非上皮性線維芽細胞、周皮細胞、椎間板の髄核細胞、セメント芽細胞(cementoblast)/セメント芽細胞(cementocyte)(歯根骨様イワン細胞分泌)、象牙芽細胞/オドントサイト(odontocyte)(歯象牙質分泌)、ガラス軟骨細胞、繊維軟骨細胞、弾性軟骨細胞、骨芽細胞/骨細胞、骨前駆体細胞(骨芽細胞の幹細胞)、眼の硝子体の硝子体細胞、耳の外リンパ腔の星状細胞、肝臓星状細胞(Ito細胞)、膵臓星状細胞、骨格筋細胞、衛星細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、虹彩の筋上皮細胞、外分泌腺の筋上皮細胞、外分泌物分泌性上皮細胞(例えば、唾液腺細胞、乳腺細胞、涙腺細胞、汗腺細胞、皮脂腺細胞、前立腺細胞、胃腺細胞、膵腺房細胞、肺細胞)、ホルモン分泌細胞(例えば、下垂体細胞、神経分泌細胞、腸管および気道細胞、甲状腺細胞、副甲状腺細胞、副腎細胞、精巣のライディッヒ細胞、膵島細胞)、角質化上皮細胞、湿性層化バリア上皮細胞、神経細胞(例えば、感覚変換器細胞、自律神経ニューロン細胞、感覚器官および周辺神経支持細胞、および中枢神経系ニューロン、ならびに介在ニューロン、主細胞、星状膠細胞、乏突起膠細胞、および上衣細胞などのグリア細胞)から選択される1個または複数の細胞上に見出されるものを含む目的の標的(例えば、抗原、受容体)に結合する認識ドメインを有する1個または複数のターゲティング部分を含む。
ターゲティング部分フォーマット
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、抗体またはその誘導体などの、特異的結合ができるタンパク質ベースの物質である。ある実施形態では、ターゲティング部分は、抗体を含む。種々の実施形態では、抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含む、完全長マルチマータンパク質である。それぞれの重鎖は、1個の可変領域(例えば、VH)および少なくとも3つの定常領域(例えば、CH1、CH2およびCH3)を含み、それぞれの軽鎖は、1個の可変領域(VL)および1個の定常領域(CL)を含む。可変領域は、抗体の特異性を決定する。それぞれの可変領域は、4個の比較的保存されたフレームワーク領域(FR)により隣接される、相補性決定領域(CDR)としても知られる、3個の高頻度可変領域を含む。3個のCDRは、CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれ、抗体の結合特異性に寄与する。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、抗体誘導体またはフォーマットを含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、単一ドメイン抗体、組み換え型の重鎖のみで構成される抗体(重鎖抗体)(VHH)、単鎖抗体(scFv)、サメの重鎖のみで構成される抗体(VNAR)、マイクロタンパク質(システインノットタンパク質、ノッチン)、DARPin;テトラネクチン;アフィボディ;トランスボディ;アンチカリン;アドネクチン;アフィリン;ミクロボディ;ペプチドアプタマー;alterase;プラスチック抗体;フィロマー;ストラドボディ;マキシボディ;エビボディ;フィノマー;アルマジロリピートタンパク質(armadillo repeat protein);クニッツドメイン、アビマー、アトリマー、プロボディ、イムノボディ、トリオマブ、トロイボディ、ペプボディ、ワクシボディ、ユニボディ;アフィマー、デュオボディ、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、ペプチド模倣分子、または合成分子である。これらは、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,417,130号、米国特許出願公開第2004/132094号、米国特許第5,831,012号、米国特許出願公開第2004/023334号、米国特許第7,250,297号、米国特許第6,818,418号、米国特許出願公開第2004/209243号、米国特許第7,838,629号、米国特許第7,186,524号、米国特許第6,004,746号、米国特許第5,475,096号、米国特許出願公開第2004/146938号、米国特許出願公開第2004/157209号、米国特許第6,994,982号、米国特許第6,794,144号、米国特許出願公開第2010/239633号、米国特許第7,803,907号、米国特許出願公開第2010/119446号、および/または米国特許第7,166,697号に記載されている。Storz MAbs.2011 May-Jun;3(3):310-317、も参照されたい。
一実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、ラクダ類、サメなどのVHH抗体を産生する生物由来のVHH、または設計されたVHHなどの単一ドメイン抗体を含む。VHHは、天然起源の重鎖抗体の特有の構造および機能特性を含む、抗体由来の治療用タンパク質である。VHH技術は、軽鎖を欠くラクダ類由来の完全に機能的な抗体をベースにしている。これらの重鎖抗体は、単一可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含む。VHHは、NANOBODYまたはNANOBODIESの登録商標で市販されている。
ある実施形態では、ターゲティング部分は、VHHを含む。いくつかの実施形態では、VHHは、ヒト化VHHまたはラクダ化VHHである。
いくつかの実施形態では、VHHは、完全ヒトVHドメイン、例えば、ヒューマボディ(Crescendo Biologics,Cambridge,UK)を含む。いくつかの実施形態では、完全ヒトVHドメイン、例えば、ヒューマボディは、一価、二価、または三価である。いくつかの実施形態では、完全ヒトVHドメイン、例えば、ヒューマボディは、単一特異性、二重特異性、または三重特異性などの単一特異性または多重特異性である。例示完全ヒトVHドメイン、例えば、ヒューマボディは、例えば、国際公開第2016/113555号および国際公開第2016/113557号に記載されている。これらの全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のターゲティング部分は、細胞受容体のための天然リガンドなどの細胞受容体に特異的に結合できるタンパク質ベース物質である。種々の実施形態では、細胞受容体は、1個または複数の免疫細胞上に見つけることができ、免疫細胞としては、限定されないが、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、樹状細胞、またはこれらのサブセットを含め得る。いくつかの実施形態では、細胞受容体は、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、好酸球、またはこれらのサブセット上に認められる。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はケモカインなどの天然リガンドである。本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体中に含め得るケモカインの例としては、限定されないが、CCL1、CCL2、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CLL25、CCL26、CCL27、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、HCC-4、およびLDGF-PBPが挙げられる。例示的実施形態では、ターゲティング部分は、樹状細胞受容体XCR1を認識し、結合するケモカインであるXCL1であり得る。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR8を認識し、結合するケモカインであるCCL1である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR2またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL2である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1、CCR5、またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL3である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1またはCCR5またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL4である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1またはCCR3またはCCR4またはCCR5を認識し、結合するケモカインであるCCL5である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1を認識し、結合するケモカインであるCCL6である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR2またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL7である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1またはCCR2またはCCR2BまたはCCR5またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL8である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1を認識し、結合するケモカインであるCCL9である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1を認識し、結合するケモカインであるCCL10である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR2またはCCR3またはCCR5またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL11である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR2またはCCR3またはCCR5またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL13である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1またはCCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL14である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1またはCCR3を認識し、結合するケモカインであるCCL15である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1、CCR2、またはCCR5、またはCCR8を認識し、結合するケモカインであるCCL16である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR4を認識し、結合するケモカインであるCCL17である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR7を認識し、結合するケモカインであるCCL19である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR6を認識し、結合するケモカインであるCCL20である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR7を認識し、結合するケモカインであるCCL21である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR4を認識し、結合するケモカインであるCCL22である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR1を認識し、結合するケモカインであるCCL23である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR3を認識し、結合するケモカインであるCCL24である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR9を認識し、結合するケモカインであるCCL25である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR3を認識し、結合するケモカインであるCCL26である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR10を認識し、結合するケモカインであるCCL27である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CCR3またはCCR10を認識し、結合するケモカインであるCCL28である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR1またはCXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL1である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL2である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL3である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR3Bを認識し、結合するケモカインであるCXCL4である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL5である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR1またはCXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL6である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR1またはCXCR2を認識し、結合するケモカインであるCXCL8である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR3を認識し、結合するケモカインであるCXCL9である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR3を認識し、結合するケモカインであるCXCL10である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR3またはCXCR7を認識し、結合するケモカインであるCXCL11である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR4またはCXCR7を認識し、結合するケモカインであるCXCL12である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR5を認識し、結合するケモカインであるCXCL13である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR6を認識し、結合するケモカインであるCXCL16である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CXCR2を認識し、結合するケモカインであるLDGF-PBPである。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、XCR1を認識し、結合するケモカインであるXCL2である。別の例示的実施形態では、ターゲティング部分は、CX3CR1を認識し、それに結合するケモカインであるCX3CL1である。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、FMS様チロシンキナーゼ3リガンド(Flt3L)またはその切り詰められた領域(例えば、Flt3を結合できる領域)などの天然リガンドである。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、Flt3Lの細胞外ドメインである。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、Flt3Lドメインを含み、Flt3Lドメインは、単鎖二量体であり、任意選択で、1個のFlt3Lドメインは1個または複数のリンカーを介して他のFlt3Lドメインに連結され、リンカーは、フレキシブルリンカーである。いくつかの実施形態では、本発明のターゲティング部分は、Flt3Lドメインを含み、Flt3Lドメインは、単鎖二量体およびFcドメインであり、Fcドメインは任意選択で、Fcドメインの1個または複数のエフェクター機能を低減または除去する、Fcドメイン中のFc鎖対形成を促進する、および/またはFcドメイン中のヒンジ領域を安定化する、1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、CD20を認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、PD-L1を認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、Clec9Aを認識する。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、種々の組み合わせのターゲティング部分を含む。例示的実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個のターゲティング部分を含み得、両方のターゲティング部分は、抗体またはその誘導体である。別の例示的実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個のターゲティング部分を含み得、両方のターゲティング部分は、細胞受容体のための天然リガンドである。さらなる例示的実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、2個のターゲティング部分を含み得、ターゲティング部分の1個は、抗体またはこれらの誘導体であり、もう1個は、細胞受容体のための天然リガンドである。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、目的の標的(例えば、抗原、受容体)を機能的に調節する(非限定例であるが、部分的にまたは完全に中和する)、例えば、抗原が有する生物学的作用を実質的に抑制、低減、または中和する。例えば、種々の認識ドメインは、例えば、腫瘍を有する患者の免疫系を積極的に抑制する、または抑制する能力を有する1種または複数の腫瘍抗原に向けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、免疫抑制シグナル(例えば、チェックポイント阻害剤)、例えば、TIM-3、BTLA、PD-1、CTLA-4、B7-H4、GITR、galectin-9、HVEM、PD-L1、PD-L2、B7-H3、CD244、CD160、TIGIT、SIRPα、ICOS、CD172a、およびTMIGD2の1種または複数を機能的に調節する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、免疫抑制シグナルの伝達、非限定的例であるが、PD-1とPD-L1またはPD-L2との結合、および/またはCTLA-4とAP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1種または複数との結合、を妨害、遮断、低減、および/または抑制するように、遺伝子改変される。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、目的の標的(例えば、抗原、受容体)を結合するが、機能的に調節せず、例えば、認識ドメインは、結合抗体であるか、または結合抗体に類似である。例えば、種々の実施形態では、認識ドメインは、抗原または受容体を標的とするのみであり、抗原または受容体が有する生物学的作用を実質的に阻害、低減または機能的に調節しない。例えば、いくつかの上記の抗体フォーマット(例えば、完全抗体に比較して)は、アクセスが困難なエピトープを標的とする能力を有し、より広範囲の特異的結合場面を提供する。種々の実施形態では、認識ドメインは、その生物活性にとって重要な抗原または受容体部位(例えば、抗原の活性部位)から物理的に離れたエピトープに結合する。
このような非中和結合は、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体が直接的にまたは間接的に活性免疫細胞をエフェクター抗原を介して必要な部位に動員するために用いられる方法を含む、本発明の種々の実施形態で使用される。例えば、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、腫瘍を縮小させるまたは除去する方法において、腫瘍細胞にCD8を介して細胞傷害性T細胞を直接的または間接的に動員するために使われ得る(例えば、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、抗CD8認識ドメインおよび腫瘍抗原に対する認識ドメインを含み得る)。このような実施形態では、直接的または間接的にCD8発現細胞傷害性T細胞を動員するが、CD8活性を機能的に調節しないのが望ましい。これに対して、これらの実施形態では、CD8シグナル伝達は、腫瘍を低減させるまたは除去する作用の重要な部分である。さらなる例として、種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、Clec9Aを介して、樹状細胞(DC)を直接的または間接的に動員するために使われる(例えば、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、抗Clec9A認識ドメインおよび腫瘍抗原に対する認識ドメインを含み得る)。このような実施形態では、直接的または間接的にClec9A発現細胞DCを動員するが、Clec9A活性を機能的に調節しないのが望ましい。これに対して、これらの実施形態では、Clec9Aシグナル伝達は、腫瘍を低減させるまたは除去する作用の重要な部分である。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、例えば、樹状細胞上のXCR1に結合する。例えば、認識ドメインは、いくつかの実施形態では、XCL1の全部もしくは一部または非中和性の抗XCR1物質を含む。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、免疫調節抗原(例えば、免疫刺激性抗原または免疫抑制性抗原)に結合する。種々の実施形態では、免疫調節抗原は、4-1BB、OX-40、HVEM、GITR、CD27、CD28、CD30、CD40、ICOSリガンド;OX-40リガンド、LIGHT(CD258)、GITRリガンド、CD70、B7-1、B7-2、CD30リガンド、CD40リガンド、ICOS、ICOSリガンド、CD137リガンドおよびTL1Aの1種または複数である。種々の実施形態では、免疫刺激抗原は、腫瘍細胞上で発現される。種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、このような免疫刺激抗原を結合するが、機能的に調節せず、従って、これらの抗原を発現している細胞の動員を、潜在的な腫瘍低減または除去能力の低減または損失なしに可能にする。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の認識ドメインは、中和活性を有する2個の認識ドメインを含む、または非中和(例えば、結合)活性を有する2個の認識ドメイン、または中和活性を有する1個の認識ドメインおよび非中和(例えば、結合)活性を有する1個の認識ドメインを含む、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に関連し得る。
Fcドメイン
断片結晶化可能ドメイン(Fcドメイン)は、免疫系、例えば、Bリンパ球、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、好酸球、好塩基球、およびマスト細胞に関与する細胞の細胞表面上に位置するFc受容体と相互作用する抗体のテール領域である。IgG、IgAおよびIgD抗体アイソタイプでは、Fcドメインは、抗体の2個の重鎖の第2および第3の定常ドメイン由来の、2個の同一のタンパク質フラグメントで構成される。IgMおよびIgE抗体アイソタイプでは、Fcドメインは、各ポリペプチド鎖中の3個の重鎖定常ドメイン(CHドメイン2~4)を含む。
いくつかの実施形態では、本技術のFcベースキメラタンパク質複合体は、Fcドメインを含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、IgG、IgA、IgD、IgM、またはIgEから選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG、IgA、IgD、IgM、またはIgEから選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体のFcドメインは、IgGのCH2およびCH3領域を含む。一部の実施形態では、IgGはヒトIgGである。いくつかの実施形態では、ヒトIgGは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する。いくつかの実施形態では、変異Fcドメインは、標的受容体に対する低減された親和性または結合を有する。例えば、いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、FcγRへのFcドメインの結合を低減または除去する。いくつかの実施形態では、FcγRは、FcγRI;FcγRIIa、131R/R;FcγRIIa,131H/H、FcγRIIb;およびFcγRIIIから選択される、いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、例えば、C1qなどの相補体タンパク質への結合を低減または除去する。いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、FcγRおよび例えば、C1qなどの相補体タンパク質の両方への結合を低減または除去する。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、LALA変異を含み、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する。例えば、いくつかの実施形態では、LALA変異は、ヒトIgG(例えば、IgG1)中にL234AおよびL235A置換を含む(ナンバリングは、EU規則(PNAS,Edelman et al.,1969;63(1)78-85))に準拠して、ヒトIgG1に対しよく使われるCH2残基のナンバリングを基準にする)。
いくつかの実施形態では、ヒトIgGのFcドメインは、位置46に変異を含み、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する。例えば、いくつかの実施形態では、変異は、L234A、L234F、L235A、L235E、L235Q、K322A、K322Q、D265A、P329G、P329A、P331G、およびP331Sから選択される。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、FALA変異を含み、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する。例えば、いくつかの実施形態では、FALA変異は、ヒトIgG4中のF234AおよびL235A置換を含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIgG4のFcドメインは、F234、L235、K322、D265、およびP329の内の1個または複数の位置で変異を含み、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する。例えば、いくつかの実施形態では、変異は、F234A、L235A、L235E、L235Q、K322A、K322Q、D265A、P329G、およびP329Aから選択される。
いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、Fcドメインのヒンジ領域を安定化する。例えば、いくつかの実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgGのS228の位置に変異を含み、ヒンジ領域を安定化する。いくつかの実施形態では、変異はS228Pである。
いくつかの実施形態では、Fcドメインに対する変異は、Fcドメインの鎖対形成を促進する。いくつかの実施形態では、鎖対形成は、イオン対形成(a/k/a荷電対、イオン結合、または荷電残基対)により促進される。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、イオン対形成を促進するために、次のもう1個のIgGのアミノ酸残基の位置に変異を含む:D356、E357、L368、K370、K392、D399、およびK409。
例えば、いくつかの実施形態では、ヒトIgG Fcドメインは、イオン対形成を促進するために、表1中の変異の組み合わせの1個を含む。
いくつかの実施形態では、鎖対形成は、ノブインホール変異により促進される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、1個または複数の変異を含み、Fcドメイン中のノブインホール相互作用を可能にする。いくつかの実施形態では、第1のFc鎖は、「ノブ」を発現するように改変され、第2のFc鎖は、相補的「ホール」を発現するように改変される。例えば、いくつかの実施形態では、ヒトIgG Fcドメインは、表2の変異を含み、ノブインホール相互作用を可能にする。
いくつかの実施形態では、本技術のFcベースキメラタンパク質複合体中のFcドメインは、上記で開示の変異の任意の組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、Fcドメインは、イオン対形成および/またはノブインホール相互作用を促進する変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、Fcドメインは、次の特性の内の1個または複数を有する変異を含む:イオン対形成を促進する、ノブインホール相互作用を誘導する、Fcドメインのエフェクター機能を低減または除去する、およびFc安定化(例えば、ヒンジ)をもたらす。
例えば、いくつかの実施形態では、ヒトIgG Fcドメインは、表3に開示の変異を含み、それらはFcドメイン中のイオン対形成を促進し、および/またはノブインホール相互作用を促進する。
例えば、いくつかの実施形態では、ヒトIgG Fcドメインは、表4に開示の変異を含み、それらはFcドメインのイオン対形成を促進し、および/またはノブインホール相互作用を促進し、またはこれらの組み合わせを促進する。いくつかの実施形態では、表4の「鎖1」および「鎖2」は、入れ替え可能である(例えば、鎖1はY407Tを有することができ、鎖2はT366Yを有することができる)。
例えば、いくつかの実施形態では、ヒトIgG Fcドメインは、表5に開示の変異を含み、Fcドメイン中のFcγRおよび/または補体結合を低減または除去する。いくつかの実施形態では、表5の変異は両鎖中に存在する。
いくつかの実施形態では、本技術のFcベースキメラタンパク質複合体中のFcドメインは、ホモダイマーであり、すなわち、キメラタンパク質複合体中のFc領域は、2個の同一のタンパク質フラグメントを含む。
いくつかの実施形態では、本技術のFcベースキメラタンパク質複合体中のFcドメインは、ヘテロダイマーであり、すなわち、Fcドメインは、2個の同一でないタンパク質フラグメントを含む。
いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcドメインは、本明細書で記載のイオン対形成および/またはノブインホール変異を用いて改変される。いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、トランス配向/構造を有する。トランス配向/構造では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、いくつかの実施形態では、本発明のFcベースキメラタンパク質複合体中の同じポリペプチド鎖上には認められない。
いくつかの実施形態では、Fcドメインは野性型ヒトIgG1のコアヒンジ領域を含むかまたはその領域で始まり、この領域は、配列Cys-Pro-Pro-Cysを含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインはまた、上部ヒンジ、またはその一部(例えば、DKTHTCPPC(国際公開第2009053368号参照)、EPKSCDKTHTCPPC、またはEPKSSDKTHTCPPC(Lo et al.,Protein Engineering vol.11 no.6 pp.495-500,1998参照))を含む。
Fcベースキメラタンパク質複合体
本技術のFcベースキメラタンパク質複合体は、少なくとも1個の本明細書で開示のFcドメイン、少なくとも1種の本明細書で開示のシグナル伝達物質(SA)、例えば、IFNα1、および少なくとも1個の本明細書で開示のターゲティング部分(TM)を含む。
本発明のFcベースキメラタンパク質複合体は、それぞれがFcドメインを含む2つの融合タンパク質を包含し得ることは理解されている。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、ヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、トランス配向/構造を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、シス配向/構造を有する。
いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcドメインは、本明細書で記載のイオン対形成および/またはノブインホール変異を用いて改変される。いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、トランス配向を有する。
トランス配向では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質は、いくつかの実施形態では、本発明のFcベースキメラタンパク質複合体中の同じポリペプチド鎖上には認められない。トランス配向では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質は、いくつかの実施形態では、本発明のFcベースキメラタンパク質複合体中の別々のポリペプチド鎖上に認められる。シス配向では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質は、いくつかの実施形態では、本発明のFcベースキメラタンパク質複合体中の同じポリペプチド鎖上に認められる。
2個以上のターゲティング部分が本明細書で記載のヘテロダイマータンパク質複合体中に存在するいくつかの実施形態では、1個のターゲティング部分は、トランス配向(シグナル伝達物質に対し)で存在し、一方、別のターゲティング部分はシス配向(シグナル伝達物質に対し)で存在し得る。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質およびターゲティング部分は、Fcドメインの同じ末端/側(N末端またはC末端)上に存在する。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質およびターゲティング部分は、Fcドメインの異なる側/末端(N末端またはC末端)上に存在する。
本明細書で記載のヘテロダイマータンパク質複合体中に2個以上のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ヘテロダイマータンパク質複合体中の同じFc鎖上または2個の異なるFc鎖上に認められ得る(後者の場合には、ターゲティング部分は、それらが異なるFc鎖上に存在するので、相互に対しトランスになるはずである)。2個以上のターゲティング部分が同じFc鎖上に存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、Fc鎖の同じまたは異なる側/末端上に存在し得る(N末端または/C末端)。
本明細書で記載のヘテロダイマータンパク質複合体中に2個以上のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ヘテロダイマータンパク質複合体中の同じFc鎖上または2個の異なるFc鎖上に認められる(後者の場合には、ターゲティング部分は、それらが異なるFc鎖上に存在するので、相互に対しトランスになるはずである)。2種以上のシグナル伝達物質が同じFc鎖上に存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、Fc鎖の同じまたは異なる側/末端上に存在し得る(N末端または/C末端)。
2種以上のシグナル伝達物質が本明細書で記載のヘテロダイマータンパク質複合体中に存在するいくつかの実施形態では、1種のシグナル伝達物質は、トランス配向(ターゲティング部分に対し)で存在し、一方、別のシグナル伝達物質はシス配向(ターゲティング部分に対し)で存在し得る。
いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、単一ポリペプチド上にシグナル伝達物質、例えば、IFNα1、およびターゲティング部分を含まない。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質は、Fcを欠くキメラタンパク質またはヘテロダイマー複合体ではないキメラタンパク質に比べて改善されたインビボ半減期を有する。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質は、Fcを欠くキメラタンパク質またはヘテロダイマー複合体ではないキメラタンパク質に比べて改善された溶解度、安定性およびその他の薬理学的特性を有する。
ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、2個の異なるポリペプチドから構成される。本明細書で記載のいくつかの実施形態では、ターゲティングドメインは、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1とは異なるポリペプチド上に存在し、従って、1個のみのターゲティングドメインコピー、および同様に1種のみのシグナル伝達物質、例えば、IFNα1を含むタンパク質を作製できる(これは、望ましい特性との起こり得る干渉を制御できる)。さらに、いくつかの実施形態では、1個のターゲティングドメイン(例えば、VHH)のみにより、細胞表面上の抗原の架橋(これは、望ましくない効果を誘発する場合があり得る)を回避できる。さらに、いくつかの実施形態では、1個のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、分子の「密集」、およびターゲティングドメインに依存して、エフェクター機能のアビディティ媒介誘導または回復との起こり得る干渉を緩和し得る。さらに、いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、2個のターゲティング部分を有することができ、これらは、2個の異なるポリペプチド上に配置できる。例えば、いくつかの実施形態では、両方のターゲティング部分(例えば、VHH)のC末端をマスクして、潜在的自己抗体または既存の抗体(例えば、VHH自己抗体または既存の抗体)を回避できる。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1(例えば、野生型シグナル伝達物質、例えば、野生型IFNα1)とは異なるポリペプチド上にターゲティングドメインを有するヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、2つの細胞型(例えば、腫瘍細胞および免疫細胞)の「架橋」を優先し得る。さらに、いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、それぞれ、異なるポリペプチド上に2つのシグナル伝達物質を有し、より複雑なエフェクター反応を可能にする。
さらに、いくつかの実施形態では、例えば、シグナル伝達物、例えば、IFNα1とは異なるポリペプチド上にターゲティングドメインを有し、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1の組み合わせの多様性を有するヘテロダイマーFcベースキメラタンパク質複合体が、実用的な方法で提供される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で記載のいずれかのターゲティング部分を有するポリペプチドは、「既製品として」本明細書で記載のいずれかのシグナル伝達物質を有するポリペプチドと組み合わせて、単一Fcベースキメラタンパク質複合体中のターゲティング部分およびシグナル伝達物質の種々の組み合わせの迅速な生成を可能にする。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、1個または複数のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、Fcドメイン、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1およびターゲティング部分を連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1およびターゲティング部分をそれぞれ連結する(または2個以上のターゲティング部分の場合、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1をターゲティング部分の1個に連結する)リンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、各シグナル伝達物質、例えば、IFNα1をFcドメインに連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、各ターゲティング部分をFcドメインに連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、ターゲティング部分を別のターゲティング部分に連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体はシグナル伝達物質、例えば、IFNα1を別のシグナル伝達物質に連結するリンカーを含む。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、2個以上のターゲティング部分を含む。このような実施形態では、ターゲティング部分は、同じターゲティング部分であっても、異なるターゲティング部分であってもよい。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、2個以上のシグナル伝達物質を含む。このような実施形態では、シグナル伝達物質は、同じターゲティング部分であっても、異なるターゲティング部分であってもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、Fcドメイン、少なくとも2種のシグナル伝達物質(SA)、および少なくとも2個のターゲティング部分(TM)を含み、Fcドメイン、シグナル伝達物質、およびターゲティング部分は、本明細書で開示のFcドメイン、シグナル伝達物質、およびターゲティング部分のいずれかから選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図1A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図2A~Hのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図3A~Hのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図4A~Dのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図5A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図6A~Jのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図7A~Dのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図8A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図9A~Jのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図10A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図11A~Lのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図12A~Lのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図13A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図14A~Lのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図15A~Lのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図16A~Jのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図17A~Jのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図18A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図19A~Fのいずれかの概略図の形式を取る。
種々の実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、図20A~Eのいずれかの概略図の形式を取る。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質はターゲティング部分に連結され、ターゲティング部分は同じ末端上でFcドメインに連結される(図1A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質およびターゲティング部分はFcドメインに連結され、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質は同じ末端上で連結される(図1A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はシグナル伝達物質に連結され、シグナル伝達物質は同じ末端上でFcドメインに連結される(図1A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
いくつかの実施形態では、ホモダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、2個以上のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、4個のターゲティング部分および2種のシグナル伝達物質が存在し、ターゲティング部分はFcドメインに連結され、シグナル伝達物質は同じ末端上でターゲティング部分に連結される(図2A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。4個のターゲティング部分および2種のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2個のターゲティング部分はFcドメインに連結され、2個のターゲティング部分はシグナル伝達物質に連結され、これらは、同じ末端上でFcドメインに連結される(図2A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。4個のターゲティング部分および2種のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2個のターゲティング部分は相互に連結され、各対からの1個のターゲティング部分は同じ末端上でFcドメインに連結され、シグナル伝達物質は同じ末端上でFcドメインに連結される(図2A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。4個のターゲティング部分および2種のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2個のターゲティング部分は相互に連結され、各対からの1個のターゲティング部分はシグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、この対の他のターゲティング部分はFcドメインに連結され、Fcドメインに連結されるターゲティング部分は同じ末端上で連結される(図2A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
いくつかの実施形態では、ホモダイマーFcベースキメラタンパク質複合体は、2個以上のシグナル伝達物質を含む。4種のシグナル伝達物質および2種のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2種のシグナル伝達物質は相互に連結され、対からの1種のシグナル伝達物質は同じ末端上でFcドメインに連結され、ターゲティング部分は同じ末端上でFcドメインに連結される(図3A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。4種のシグナル伝達物質および2個のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2種のシグナル伝達物質は同じ末端上でFcドメインに連結され、2種のシグナル伝達物質はそれぞれターゲティング部分に連結され、ターゲティング部分は同じ末端上でFcドメインに連結される(図3A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。4種のシグナル伝達物質および2個のシグナル伝達物質が存在するいくつかの実施形態では、2種のシグナル伝達物質は相互に連結され、対の1種のシグナル伝達物質はターゲティング部分に連結され、ターゲティング部分は同じ末端上でFcドメインに連結される(図3A~H参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはホモダイマーである。
例えば、いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、Fcドメインを含み、Fcドメインはイオン対形成変異および/またはノブインホール変異、少なくとも1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1、および少なくとも1個のターゲティング部分を含み、イオン対形成モチーフおよび/またはノブインホールモチーフ、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1、およびターゲティング部分は、本明細書で開示のいずれかのイオン対形成モチーフおよび/またはノブインホールモチーフ、シグナル伝達物質、およびターゲティング部分から選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はターゲティング部分に連結され、これは、Fcドメインに連結される(図10A~Fおよび13A~F参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、これは、Fcドメインに連結される(図10A~Fおよび13A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1およびターゲティング部分は、Fcドメインに連結される(図4A~D、7A~D、10A~F、および13A~F参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じ末端上で異なるFc鎖に連結される(図4A~Dおよび7A~D参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、異なる末端上の異なるFc鎖に連結される(図4A~Dおよび7A~D参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じFc鎖に連結される(図10A~Fおよび13A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結され、2個のターゲティング部分は、1)Fcドメインに連結された1個のターゲティング部分を用いて相互に連結され得るか、または2)それぞれFcドメインに連結され得る(図5A~F、8A~F、11A~L、14A~L、16A~J、および17A~J参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は1個のFc鎖に連結され、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はもう一方のFc鎖に連結される(図5A~Fおよび8A~F参照)。いくつかの実施形態では、対を形成したターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じFc鎖に連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はFcドメインに連結され、もう一方のターゲティング部分はシグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、対を形成したターゲティング部分は、Fcドメインに連結される(図11A~Lおよび14A~L、16A~J、および17A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成しないターゲティング部分および対形成したターゲティング部分は、同じFc鎖に連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、対形成しないターゲティング部分および対形成したターゲティング部分は、異なるFc鎖に連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成しないターゲティング部分および対形成したターゲティング部分は、同じ末端上で連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分はシグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、これは、Fcドメイン連結され、対形成しないターゲティング部分はFcドメインに連結される(図11A~Lおよび14A~L、16A~J、および17A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成しないターゲティング部分は、同じFc鎖に連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成したターゲティング部分は、異なるFc鎖に連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成しないターゲティング部分は、同じ末端上で連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は一緒に連結され、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1は対形成したターゲティング部分の1個に連結され、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結されないターゲティング部分はFcドメインに連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は一緒に連結され、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1は対形成したターゲティング部分の1個に連結され、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分は両方ともシグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、ターゲティング部分の1個は、Fcドメインに連結される(図11A~Lおよび14A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
1種のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および2個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、末端上で連結される(図16A~Jおよび17A~J参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は同じ末端上でFcドメインに連結され、ターゲティング部分はFcドメインに連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、同じFc鎖上でFcドメインに連結され、ターゲティング部分は、もう一方のFc鎖上で連結される(図18A~Fおよび19A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はターゲティング部分に連結され、これは、Fcドメインに連結され、もう一方のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結される(図6A~Jおよび9A~J、12A~L、および15A~L参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じ末端上で異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、異なる末端上で異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じFc鎖に連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、ターゲティング部分はシグナル伝達物質、例えば、IFNα1に連結され、これは、Fcドメインに連結され、もう一方のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、同じ末端上の異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質、例えば、IFNα1および対形成しないシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、異なる末端上の異なるFc鎖に連結される(図6A~Jおよび9A~J参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は一緒に連結され、ターゲティング部分は対形成したシグナル伝達物質の1種に連結され、ターゲティング部分はFcドメインに連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は一緒に連結され、シグナル伝達物質の1種はFcドメインに連結され、ターゲティング部分はFcドメインに連結される(図12A~Lおよび15A~L、18A~F、および19A~F参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質およびターゲティング部分は、同じFc鎖に連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質およびターゲティング部分は、異なるFc鎖に連結される(図18A~Fおよび19A~F参照)。いくつかの実施形態では、対形成したシグナル伝達物質およびシグナル伝達物質は、同じ末端上で異なるFc鎖に連結される(図18A~Fおよび19A~F参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は両方ともターゲティング部分に連結され、シグナル伝達物質の1種はFcドメインに連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。いくつかの実施形態では、Fcドメインはヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、そのエフェクター機能を低減または除去する変異を含む。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は一緒に連結され、シグナル伝達物質の1種はターゲティング部分に連結され、もう一方のシグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。
2種のシグナル伝達物質および1個のターゲティング部分が存在するいくつかの実施形態では、各シグナル伝達物質、例えば、IFNα1はFcドメインに連結され、ターゲティング部分はシグナル伝達物質の1種に連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、同じFc鎖に連結される(図12A~Lおよび15A~L参照)。
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分またはシグナル伝達物質、例えば、IFNα1は、CH2およびCH3ドメインの片方または両方、および任意選択でヒンジ領域を含む、Fcドメインに連結される。例えば、単一ヌクレオチド配列としてFcドメインに連結されたターゲティング部分、シグナル伝達物質、例えば、IFNα1、またはこれらの組み合わせをコードするベクターを用いて、このようなポリペプチドを作製できる。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号290、291、293~303のいずれか1つと少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号290、291、293~303から選択されるアミノ酸配列およびそのアミノ酸配列に対し10個未満の変異を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号290、291、293~303から選択されるアミノ酸配列およびそのアミノ酸配列に対し5個未満の変異を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号290、291、293~303から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号290と少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第1のアミノ酸配列、および配列番号291と少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号293と少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第1のアミノ酸配列、および配列番号294、295、296、297、298、または299のいずれか1つと少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体は、配列番号300、301、302、303のいずれか1つと少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第1のアミノ酸配列、および配列番号294と少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有する第2のアミノ酸配列を含む。
追加のシグナル伝達物質
一態様では、本発明は、本明細書で記載のIFNα1またはそのバリアントに加えて、1種または複数のシグナル伝達物質(例えば、免疫調節薬)を含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を提供する。例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、本明細書で記載のIFNα1またはそのバリアントに加えて、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個のまたはそれより多いシグナル伝達物質を含み得る。種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、その1個または複数の受容体に対する低減された親和性または活性を有するように改変され、これはキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の活性(アゴニズムまたはアンタゴニズムを含む)の減弱化を可能にし、および/または非特異的シグナル伝達または望ましくない隔離を防止する。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、野生型の形態ではアンタゴニストであり、そのアンタゴニスト活性を弱める1個または複数の変異を有する。種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1個または複数の変異に起因してアンタゴニストであり、例えば、アゴニストシグナル伝達物質はアンタゴニストシグナル伝達物質に変換され、このような変換されたシグナル伝達物質は、場合により、そのアンタゴニスト活性を弱める1個または複数の変異も有する(例えば、国際公開第2015/007520号に記載のように。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、サイトカイン、増殖因子、およびホルモンの改変型から選択される。このようなサイトカイン、増殖因子、およびホルモンの例としては、限定されないが、リンホカイン、モノカイン、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなどの従来のポリペプチドホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;レラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)などのタンパク質ホルモン;肝臓増殖因子;繊維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子αおよび腫瘍壊死因子β;ミュラー管抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGFαなどの神経成長因子;血小板増殖因子;形質転換増殖因子(TGF)例えば、TGFαおよびTGFβ;インスリン様増殖因子-IおよびII;骨誘導因子;例えば、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ(およびインターフェロンI、IIおよびIII型)などのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)例えば、マクロファージ-CSF(M-CSF)、顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF);および顆粒球-CSF(G-CSF);インターロイキン(ILs)例えば、IL1β、IL1α、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、およびIL18などのインターロイキン;例えば、TNF-αまたはTNFβなどの腫瘍壊死因子;ならびにその他のポリペプチド因子、例えば、LIFおよびキットリガンド(KL)が挙げられる。本明細書で使用される場合、サイトカイン、増殖因子、およびホルモンは、天然起源または組換え細菌、真核生物または哺乳動物細胞培養システムからの生成物および天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価物を含む。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、限定されないが、TGF-αおよびTGFβなどの形質転換増殖因子(TGF)、上皮増殖因子(EGF)、インスリン様増殖因子-IおよびIIなどのインスリン様増殖因子、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、ヘレグリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)から選択される増殖因子の改変型である。
ある実施形態では、増殖因子質は、改変型の繊維芽細胞増殖因子(FGF)である。FGFの例としては、限定されないが、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、マウスFGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、およびFGF23が挙げられる。
ある実施形態では、増殖因子質は、改変型の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。VEGFの例は、限定されないが、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、ならびにPGFおよびこれらのアイソフォームを含み、VEGF121、VEGF121b、VEGF145、VEGF165、VEGF165b、VEGF189、およびVEGF206などの種々のVEGF-Aのアイソフォームを含む。
ある実施形態では、増殖因子は、改変型の形質転換増殖因子(TGF)である。TGFの例は、限定されないが、TGF-αおよびTGF-βならびにそのサブタイプを含まれ、TGFβ1、TGFβ2、およびTGFβ3を含むTGF-βの種々のサブタイプを含む。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、限定されないが、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺刺激ホルモン、濾胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、オキシトシン、チロトロピン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、ソマトスタチン、ドーパミン、メラトニン、チロキシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、アドレナリン、ノルアドレナリン、プロゲステロン、インスリン、グルカゴン、アミリン、カルシトリオール、カルシフェロール、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ガストリン、セクレチン、コレシストキニン、神経ペプチドY、グレリン、PYY3-36、インスリン様増殖因子(IGF)、レプチン、トロンボポエチン、エリスロポエチン(EPO)、およびアンジオテンシノーゲンから選択されるホルモンの改変型である。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、免疫調節薬、例えば、インターロイキン、インターフェロン、および腫瘍壊死因子の1種または複数である。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、インターロイキンであり、例えば、IL1β、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL18、IL19、IL20、IL21、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28、IL29、IL30、IL31、IL32、IL33、IL35、IL36またはそのフラグメント、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーを含む。インターロイキンは、リンパ球、単球、およびマクロファージにより合成される多機能サイトカイン群である。既知の機能は、免疫細胞(例えば、ヘルパーT細胞、B細胞、好酸球、およびリンパ球)の増殖の刺激、好中球およびTリンパ球の遊走作用、および/またはインターフェロンの阻害を含む。インターロイキン活性は、当該技術分野において既知のアッセイを使用して測定できる(Matthews et al.,in Lymphokines and Interferons:A Practical Approach,Clemens et al.,eds,IRL Press,Washington,D.C.1987,pp.221-225;and Orencole & Dinarello(1989)Cytokine 1,14-20)。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、インターフェロンI、II、およびIII型などの改変型のインターフェロンである。インターフェロンの例としては、例えば、インターフェロンα-1、2、4、5、6、7、8、10、13、14、16、17、および21、インターフェロンβおよびインターフェロンγ、インターフェロンκ、インターフェロンε、およびインターフェロンτが挙げられる。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、I型インターフェロンである。いくつかの実施形態では、I型インターフェロンは、IFNα2、IFNα1、IFN-β、IFNγ、コンセンサスIFN、IFN-ε、IFN-κ、IFN-τ、IFN-δ、およぎIFN-νから選択される。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、腫瘍壊死因子(TNF)の改変型またはTNFファミリーのタンパク質であり、限定されないが、TNFα、TNFβ、LTβ、CD40L、CD27L、CD30L、FASL、4-1BBL、OX40L、およびTRAILを含む。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1個または複数の変異を有する改変型(例えば、変異型)のシグナル伝達物質である。種々の実施形態では、変異は、改変シグナル伝達物質が、非改変型または非変異型、すなわち、野生型形態のシグナル伝達物質に比べて(例えば、野生型形態と改変された(例えば、変異の)形態の同じシグナル伝達物質を比較して)、低減された結合親和性、低減された内在性活性、および低減された特定の生物活性の1種または複数などの1種または複数の減弱化された活性を有することを可能にする。種々の実施形態では、変異は、改変シグナル伝達物質が、非改変型または非変異型、すなわち、非変異型IFNα1に比較して、低減された結合親和性、低減された内因性活性、および低減された特定の生物活性の1種または複数などの1種または複数の減弱化された活性を有することを可能にする。いくつかの実施形態では、結合または親和性を弱めるまたは低減する変異は、結合または活性を実質的に低減または除去する変異を含む。いくつかの実施形態では、結合または親和性を弱めるまたは低減する変異は、結合または活性を実質的に低減または除去する変異とは異なる。結果として、種々の実施形態では、変異は、シグナル伝達物質が、非変異型、すなわち、野生型シグナル伝達物質に比べて(例えば、野生型形態と改変された(例えば、変異した)型の同じシグナル伝達物質を比較して)、より安全であること、例えば、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有することを可能にする。種々の実施形態では、変異は、シグナル伝達物質が、非変異型インターフェロン、例えば、IFNα1の非変異型配列に比べて、より安全であること、例えば、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有することを可能にする。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1個または複数のその受容体に対する結合親和性または活性を低減する1個または複数の変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、受容体に対する結合親和性または活性を実質的に低減または除去する1個または複数の変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、野生型シグナル伝達物質により与えられる活性は、受容体に対するアゴニズム(例えば、治療の部位での細胞効果の活性化)である。例えば、野生型シグナル伝達物質は、その受容体を活性化し得る。このような実施形態では、変異は、受容体に対する活性化作用を低減または除去するように改変されたシグナル伝達物質をもたらす。例えば、変異は、標的細胞に低減された活性化シグナルを送るように改変されたシグナル伝達物質をもたらし得る、または活性化シグナルが除去され得る。いくつかの実施形態では、野生型シグナル伝達物質により与えられる作用は、受容体に対するアンタゴニズム(例えば、治療の部位での細胞効果の遮断または抑制)である。例えば、野生型シグナル伝達物質は、受容体をアンタゴナイズするまたは阻害し得る。これらの実施形態では、変異は、受容体に対するアンタゴナイズ活性を低減または除去するように改変されたシグナル伝達物質をもたらす。例えば、変異は、標的細胞に低減された阻害シグナルを送るように改変されたシグナル伝達物質をもたらし得る、または阻害シグナルが除去され得る。種々の実施形態では、シグナル伝達物質は、1個または複数の変異に起因してアンタゴニストであり、例えば、アゴニストシグナル伝達物質はアンタゴニストシグナル伝達物質に変換され(例えば、国際公開第2015/007520号に記載のように。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)、このような変換されたシグナル伝達物質は、場合により、1個または複数のその受容体に対し、その結合親和性または活性を低減する、またはその1個または複数の受容体に対し結合親和性または活性を低減または除去する1個または複数の変異も有する。
いくつかの実施形態では、受容体に対し低減された親和性または活性は、1個または複数のターゲティング部分の結合により、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体への包含時に、誘導可能または回復可能である。他の実施形態では、受容体に対し低減された親和性または活性は、1個または複数のターゲティング部分の作用により、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体への包含時に、十分に誘導可能または回復可能ではない。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、標的細胞に対し活性である。理由は、ターゲティング部分(単一または複数)が、実質的な活性化に必要とされる欠損した/不十分な結合(例えば、限定されないが、および/または結合力)を補償するためである。種々の実施形態では、改変シグナル伝達物質は、治療作用部位へ向かう途上では実質的に不活性であり、特異的に標的とされる細胞型に対してその効果を実質的に有し、これにより望ましくない副作用を大きく低減する。
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1個の受容体(すなわち、治療受容体)に対する結合または親和性を弱めるまたは低減させる1個または複数の変異および第2の受容体に対する結合または活性を実質的に低減または除去する1個または複数の変異を含み得る。このような実施形態では、これらの変異は、同じまたは異なる位置にあってよい(すなわち、同じ変異または複数の変異)。いくつかの実施形態では、1個の受容体に対し結合および/または活性を低減する変異(単一または複数)は、別の受容体に対し実質的に低減または除去する変異(単一または複数)とは異なる。いくつかの実施形態では、1個の受容体に対し結合および/または活性を低減する変異(単一または複数)は、別の受容体に対し実質的に低減または除去する変異(単一または複数)と同じである。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、治療受容体に対し結合および/または活性を弱め、したがってより制御されたオンターゲット治療効果(例えば、野生型シグナル伝達物質に比較して)を可能にする変異および、別の受容体に対する結合および/または活性を実質的に低減または除去ししたがって副作用を低減する(例えば、野生型シグナル伝達物質に比べて)変異の両方を有する改変シグナル伝達物質を有する。
いくつかの実施形態では、結合または活性の実質的な低減または除去は、ターゲティング部分により、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体への包含時に、十分に誘導できないまたは回復できない。いくつかの実施形態では、結合または活性の実質的な低減または除去は、ターゲティング部分により、または本明細書で開示のFcベースキメラタンパク質複合体への包含時に、誘導または回復可能である。種々の実施形態では、第2の受容体に対する結合または活性の実質的な低減または除去は、他の受容体により媒介される有害作用も防止し得る。あるいは、または加えて、その他の受容体に対する結合または活性の実質的な低減または除去は、治療キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を治療作用部位から離して隔離するのを低減するまたは無くするので、治療効果を改善させる。例えば、いくつかの実施形態では、これは、他の受容体での損失を補償するための高用量のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の必要性を無くする。このような投与量を低減する能力は、さらに副作用の可能性を低くする。
種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、1個または複数のその受容体に対し、シグナル伝達物質に、親和性、例えば、結合(例えば、KD)および/または活性化(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアゴニストである場合、例えば、KAおよび/またはEC50として測定可能である)および/または阻害(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアンタゴニストである場合、例えば、KIおよび/またはIC50として測定可能である)を低減、実質的に低減、または除去する1個または複数の変異を含む。種々の実施形態では、シグナル伝達物質の受容体に対する低減された親和性は、活性の減弱化(アゴニズムまたはアンタゴニズムを含む)を可能にする。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、野生型シグナル伝達物質に比較して、受容体に対する約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%~20%、約20%~40%、約50%、約40%~60%、約60%~80%、約80%~100%の親和性を有する。いくつかの実施形態では、結合親和性は、野生型シグナル伝達物質に比べて、少なくとも約2倍低い、約3倍低い、約4倍低い、約5倍低い、約6倍低い、約7倍低い、約8倍低い、約9倍低い、少なくとも約10倍低い、少なくとも約15倍低い、少なくとも約20倍低い、少なくとも約25倍低い、少なくとも約30倍低い、少なくとも約35倍低い、少なくとも約40倍低い、少なくとも約45倍低い、少なくとも約50倍低い、少なくとも約100倍低い、少なくとも約150倍低い、または約10~50倍低い、約50~100倍低い、約100~150倍低い、約150~200倍低い、または200倍超低い(限定するものではないが、非変異型IFNα1に対する比較を含む)。
キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体が1個の受容体に対し結合を低減し、第2の受容体に対し結合を実質的に低減または除去する変異を有するいくつかの実施形態では、1個の受容体に対する改変シグナル伝達物質の結合親和性の減弱または低減は、その他の受容体に対する親和性の実質的低減または除去より小さい。いくつかの実施形態では、1個の受容体に対する改変シグナル伝達物質の結合親和性の減弱または低減は、他の受容体に対する親和性の実質的 低減または除去よりも、約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%だけ小さい。種々の実施形態では、実質的な低減または除去は、減弱または低減よりも大きい結合親和性および/または活性の低減を指す。
種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、例えば、野生型シグナル伝達物質に比べて、シグナル伝達物質の内因性活性を、約75%、または約70%、または約60%、または約50%、または約40%、または約30%、または約25%、または約20%、または約10%、または約5%、または約3%、または約1%に低減する1個または複数の変異を含む(限定するものではないが、非変異型IFNα1に対する比較を含む)。
種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質は、サイトカイン、成長因子、およびホルモンのいずれか1種の受容体に対する低減された親和性および/または活性を有するようにさせる1個または複数の変異を含む。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質が、その受容体に対するターゲティング部分の結合親和性より低い、その受容体に対する低減された親和性を有するようにさせる1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、この結合親和性の差異は、同じ細胞上のシグナル伝達物質/受容体とターゲティング部分/受容体との間に存在する。いくつかの実施形態では、この結合親和性の差異は、シグナル伝達物質、例えば、変異シグナル伝達物質が、局在化されたオンターゲット効果を有し、かつ野生型シグナル伝達物質で観察される副作用の根底にあるオフターゲット効果を最小化するのを可能にする。いくつかの実施形態では、この結合親和性は、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍低い、または少なくとも約25倍、または少なくとも約50倍低い、または少なくとも約100倍、または少なくとも約150倍低い。
受容体結合活性は、当該技術分野において既知の方法を使用して測定され得る。例えば、親和性および/または結合活性は、スキャッチャードプロット分析および結合データのコンピューターフィッティング(例えば、Scatchard,1949)またはBrechtら(1993)により記載のように、フロースルー条件下で反射型干渉分光法により評価し得る。これらの文献の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の野生型シグナル伝達物質のアミノ酸配列は、当該技術分野において、周知である。したがって、種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、本明細書に記載のシグナル伝達物質の既知の野生型アミノ酸配列との少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、本明細書で開示の配列のいずれかとの少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
種々の実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、1個または複数のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1個または複数のアミノ酸変異は、置換、挿入、欠失、および切り詰めから独立に選択され得る。
いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は、アミノ酸置換であり、本明細書で記載のように、保存的置換および/または非保存的置換を含み得る。
本明細書に記載のように、追加の改変シグナル伝達物質は、1個または複数の受容体に対し親和性および/または活性に影響を与える変異を有する。種々の実施形態では、治療受容体、例えば、それにより目的の治療効果が媒介される(例えば、アゴニズムまたはアンタゴニズム)受容体に対する低減された親和性および/または活性が存在する。種々の実施形態では、改変シグナル伝達物質は、受容体、例えば、それにより目的の治療効果が媒介されない(例えば、結合の混乱状態の結果として)受容体に対する親和性および/または活性が実質的に低減または除去される変異を有する。改変シグナル伝達物質の受容体、例えば、本明細書に記載のサイトカイン、成長因子、およびホルモンの1個の受容体は、当技術分野において既知である。
受容体に対し低減された親和性および/または活性(例えば、アゴニスト活性)をもたらす変異の例は、国際公開第2013/107791号(例えば、インターフェロンに関して)、国際公開第2015/007542号(例えば、インターロイキンに関して)、および国際公開第2015/007903号(例えば、TNFに関して)で見出され、これらのそれぞれの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。治療受容体に対する親和性および/または活性(例えば、アンタゴニスト活性)を低減する変異の例は、国際公開第2015/007520号で見出され、この全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質のI型サイトカイン受容体、II型サイトカイン受容体、ケモカイン受容体、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーの受容体、TGFベータ受容体、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの受容体、および/またはチロシンキナーゼスーパーファミリーの受容体に対する親和性および/または活性を低減させる1個または複数の変異を含む。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、I型サイトカイン受容体である。I型サイトカイン受容体は当技術分野において既知であり、限定されないが、IL2(ベータサブユニット)、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL9、IL11、IL12、GM-CSF、G-CSF、LIF、CNTFに対する受容体、およびトロンボポエチン(TPO)、プロラクチン、および成長ホルモンに対する受容体も含む。例示I型サイトカイン受容体としては、限定されないが、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、LIF受容体、CNTF受容体、TPO受容体、およびI型IL受容体が挙げられる。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、II型サイトカイン受容体である。II型サイトカイン受容体は、異種のサブユニットからなる多量体受容体であり、主にインターフェロンに対する受容体である。この受容体ファミリーには、限定されないが、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ、IL10、IL22、および組織因子に対する受容体が含まれる。例示II型サイトカイン受容体としては、限定されないが、IFNα受容体(例えば、IFNAR1およびIFNAR2)、IFNβ受容体、IFNγ受容体(例えば、IFNGR1およびIFNGR2)、およびII型IL受容体が挙げられる。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、Gタンパク質共役受容体である。ケモカイン受容体は、7回膜貫通型構造を有し、シグナル伝達のためにGタンパク質に結合されるGタンパク質共役受容体である。ケモカイン受容体としては、限定されないが、CCケモカイン受容体、CXCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、およびXCケモカイン受容体(XCR1)が挙げられる。ケモカイン受容体の例としては、限定されないが、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR3B、CXCR4、CXCR5、CSCR6、CXCR7、XCR1、およびCX3CR1が挙げられる。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、TNFRファミリーメンバーである。腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリーメンバーは、細長い分子を作成するCXXCXXCのコアモチーフを取り囲む3つのジスルフィド結合から形成されるシステインリッチドメイン(CRD)を共有する。腫瘍壊死因子受容体ファミリーの例としては、下記が挙げられる:CD120a(TNFRSF1A)、CD120b(TNFRSF1B)、リンホトキシンベータ受容体(LTBR、TNFRSF3)、CD134(TNFRSF4)、CD40(CD40、TNFRSF5)、FAS(FAS、TNFRSF6)、TNFRSF6B(TNFRSF6B)、CD27(CD27、TNFRSF7)、CD30(TNFRSF8)、CD137(TNFRSF9)、TNFRSF10A(TNFRSF10A)、TNFRSF10B(TNFRSF10B)、TNFRSF10C(TNFRSF10C)、TNFRSF10D(TNFRSF10D)、RANK(TNFRSF11A)、破骨細胞分化抑制因子(TNFRSF11B)、TNFRSF12A(TNFRSF12A)、TNFRSF13B(TNFRSF13B)、TNFRSF13C(TNFRSF13C)、TNFRSF14(TNFRSF14)、神経成長因子受容体(NGFR、TNFRSF16)、TNFRSF17(TNFRSF17)、TNFRSF18(TNFRSF18)、TNFRSF19(TNFRSF19)、TNFRSF21(TNFRSF21)、およびTNFRSF25(TNFRSF25)。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、TGFベータ受容体である。TGFベータ受容体は、1回膜貫通型セリン/トレオニンキナーゼ受容体である。TGFベータ受容体には、限定されないが、TGFBR1、TGFBR2、およびTGFBR3が挙げられる。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、Igスーパーファミリー受容体である。免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーの受容体は、免疫グロブリンとの構造的相同性を共有する。Igスーパーファミリーの受容体としては、限定されないが、インターロイキン-1受容体、CSF-1R、PDGFR(例えば、PDGFRAおよびPDGFRB)、およびSCFRが挙げられる。
種々の実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、チロシンキナーゼスーパーファミリー受容体である。チロシンキナーゼチロシンキナーゼスーパーファミリーの受容体は、当該技術分野において周知である。20のサブファミリーに分類される約58個の受容体チロシンキナーゼ(RTK)が存在する。チロシンキナーゼスーパーファミリーの受容体としては、限定されないが、FGF受容体およびそれらの種々のアイソフォーム、例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、およびFGFR5が挙げられる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、インターフェロンαである。このような実施形態では、改変IFNα物質は、IFNα/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変IFNα物質は、IFNα/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対し、実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
変異型のインターフェロンαは、当業者に既知である。ある例示的実施形態では、改変シグナル伝達物質は、配列番号233のアミノ酸配列を有するアレル型IFNα2aである。
ある例示的実施形態では、改変シグナル伝達物質は、配列番号234のアミノ酸配列(これはアミノ酸位置23でIFNα2aとは異なる)を有するアレル型IFNα2bである:
いくつかの実施形態では、上記IFNα2変異体(IFNα2aまたはIFNα2b)は、位置144~154、例えば、アミノ酸位置148、149および/または153で、1個または複数のアミノ酸の変異が導入されている。いくつかの実施形態では、IFNα2変異体は、L153A、R149A、およびM148Aから選択される1個または複数の変異を含む。このような変異体は、例えば、国際公開第2013/107791号およびPiehlerら、(2000)J.Biol.Chem,275:40425-33に記載されている。これらの文献の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、IFNα2変異体は、IFNAR1に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、国際公開第2010/030671号に記載のように、IFNα2変異体は、F64A、N65A、T69A、L80A、Y85A、およびY89Aから選択される1個または複数の変異を含む。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、国際公開第2008/124086号に記載のように、IFNα2変異体は、K133A、R144A、R149A、およびL153Aから選択される1個または複数の変異を含む。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、国際公開第2015/007520号および国際公開第2010/030671号に記載のように、IFNα2変異体は、R120EおよびR120E/K121Eから選択される1個または複数の変異を含む。これらの特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。このような実施形態では、前記IFNα2変異体は、野生型IFNα活性2をアンタゴナイズする。このような実施形態では、上記変異体IFNα2は、IFNAR1に対する低減された親和性および/または活性を有するが、IFNR2に対する活性は保持される。
いくつかの実施形態では、ヒトIFNα2変異体は、(1)R120EおよびR120E/K121Eから選択される1個または複数の変異(理論に束縛されることを望むものではないが、これらはアンタゴニスト効果を作り出す)、および(2)K133A、R144A、R149A、およびL153Aから選択される1個または複数の変異(理論に束縛されることを望むものではないが、これらは、例えば、IFNAR2に対する減弱化効果を可能とする)を含む。ある実施形態では、ヒトIFNα2変異体は、R120EおよびL153Aを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトIFNα2変異体は、国際公開第2013/059885号に開示のように、L15A、A19W、R22A、R23A、L26A、F27A、L30A、L30V、K31A、D32A、R33K、R33A、R33Q、H34A、D35A、Q40A、D114R、L117A、R120A、R125A、K134A、R144A、A145G、A145M、M148A、R149A、S152A、L153A、およびN156Aから選択される1個または複数の変異を含み、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはL30Aを含む。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはR33Aを含む。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはM148Aを含む。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異H57Y、E58N、Q61S、および/またはL153Aを含む。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異N65A、L80A、Y85A、および/またはY89Aを含む。いくつかの実施形態では、国際公開第2013/059885号で開示のように、ヒトIFNα2変異体は、変異N65A、L80A、Y85A、Y89Aおよび/またはD114Aを含む。いくつかの実施形態では、ヒトIFNα2変異体は、R144X1、A145X2、およびR33Aから選択される1個または複数の変異を含み、X1は、A、S、T、Y、L、およびIから選択され、X2は、G、H、Y、K、およびDから選択される。いくつかの実施形態では、ヒトIFNα2は、配列番号233または234のアミノ酸配列を基準にしてR33A、T106X3、R120E、R144X1、A145X2、M148A、R149A、およびL153Aから選択される1個または複数の変異を含み、X1は、A、S、T、Y、L、およびIから選択され、X2は、G、H、Y、K、およびDから選択され、かつX3は、AおよびEから選択される。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、インターフェロンβである。このような実施形態では、改変インターフェロンβ物質はまた、IFNα/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変IFNβ物質は、IFNα/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある例示的実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質はIFNβである。種々の実施形態では、IFNβは、官能性誘導体、類似体、前駆物質、アイソフォーム、スプライスバリアント、またはIFNβのフラグメントを包含する。種々の実施形態では、IFNβは、任意の種由来のIFNβを包含する。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、改変型のマウスIFNβを含む。別の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、改変型のヒトIFNβを含む。ヒトIFNβは、166個のアミノ酸残基を含む約22kDaの分子量を有するポリペプチドである。ヒトIFNβのアミノ酸配列は、配列番号277である。
いくつかの実施形態では、ヒトIFNβは、ヒトIFNβのグリコシル化型であるIFNβ1aである。いくつかの実施形態では、IFNβは、Met-1欠失およびCys-17のSerへの変異を有する非グリコシル化型のヒトIFNβであるIFNβ1bである。
種々の実施形態では、改変IFNβは、IFNARのIFNAR1サブユニットに対するその結合または親和性を低減する1個または複数の変異を有する。一実施形態では、改変IFNβは、IFNAR1に対する低減された親和性および/または活性を有する。種々の実施形態では、改変IFNβは、ヒトIFNβであり、位置F67、R71、L88、Y92、I95、N96、K123、およびR124に1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、1個または複数の変異は、F67G、F67S、R71A、L88G、L88S、Y92G、Y92S、I95A、N96G、K123G、およびR124Gから選択される置換である。ある実施形態では、改変IFNβは、F67G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、K123G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、F67GおよびR71A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、L88GおよびY92G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、Y92G、I95A、およびN96G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、K123GおよびR124G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、F67G、L88G、およびY92G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、F67S、L88S、およびY92S変異を含む。
いくつかの実施形態では、改変IFNβは、IFNARのIFNAR2サブユニットに対するその結合または親和性を低減する1個または複数の変異を有する。一実施形態では、改変IFNβは、IFNAR2に対する低減された親和性および/または活性を有する。種々の実施形態では、改変IFNβは、ヒトIFNβであり、位置W22、R27、L32、R35、V148、L151、R152、およびY155に1個または複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、1個または複数の変異は、W22G、R27G、L32A、L32G、R35A、R35G、V148G、L151G、R152A、R152G、およびY155Gから選択される置換である。ある実施形態では、改変IFNβは、W22G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、L32A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、L32G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、R35A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、R35G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、V148G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、R152A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、R152G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、Y155G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、W22GおよびR27G変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、L32AおよびR35A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、L151GおよびR152A変異を含む。ある実施形態では、改変IFNβは、V148GおよびR152A変異を含む。
いくつかの実施形態では、改変IFNβは、1個または複数の次の変異を有する:R35A、R35T、E42K、M62I、G78S、A141Y、A142T、E149K、およびR152H。いくつかの実施形態では、改変IFNβは、1個または複数の次の変異を有する:C17SまたはC17Aと組み合わせた、R35A、R35T、E42K、M62I、G78S、A141Y、A142T、E149K、およびR152H。
いくつかの実施形態では、改変IFNβは、1個または複数の次の変異を有する:本明細書で記載の他のIFNβ変異と組み合わせた、R35A、R35T、E42K、M62I、G78S、A141Y、A142T、E149K、およびR152H。
ヒトIFNβの結晶構造は、既知であり、Karpusas et al.,(1998)PNAS,94(22):11813-11818に記載されている。特に、ヒトIFNβの構造は、5つのαヘリックス(すなわち、A、B、C、D、およびE)およびこれらのヘリックスを連結する4つのループ領域(すなわち、AB、BC、CD、およびDEループ)を含むことが示された。種々の実施形態では、改変IFNβは、A、B、C、D、Eヘリックスおよび/またはAB、BC、CD、およびDEループ中に、IFNARなどの治療受容体に対するその結合親和性または活性を低減させる1個または複数の変異を有する。変異の例は、国際公開第2000/023114号および米国特許出願公開第2015/0011732号に記載されている。これらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置15、16、18、19、22、および/または23にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置28~30、32、および33にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置36、37、39、および42にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置64および67にアラニン置換を含み、位置68にセリン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置71~73にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置92、96、99、および100にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置128、130、131、および134にアラニン置換を含むヒトIFNβである。例示的実施形態では、改変IFNβは、アミノ酸位置149、153、156、および159にアラニン置換を含むヒトIFNβである。いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、W22に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、R27に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、W22に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR27に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L32に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、R35に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L32に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR35に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、F67に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、R71に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、F67に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR71に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L88に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、Y92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、F67に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、およびL88に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、およびY92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L88に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにY92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、I95に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにY92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、N96に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにY92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、Y92に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、およびI95に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、およびN96に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、K123に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、R124に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、K123に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR124に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L151に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、R152に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、L151に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR152に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、V148に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、およびメチオニン(M)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、V148に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基であり、さらにR152に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、変異体IFNβは、配列番号277を含み、Y155に変異を含み、変異は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、およびバリン(V)から選択される脂肪族疎水性残基である。
いくつかの実施形態では、本発明は、(a)配列番号277のアミノ酸配列を含み、位置W22に変異を有し、変異は脂肪族疎水性残基および本明細書で開示の改変IL2または改変IL2バリアントであり;および(b)1個または複数のターゲティング部分を含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に関し、ターゲティング部分は、目的の抗原または受容体に特異的に結合する認識ドメインを含み、改変IFNβおよび1個または複数のターゲティング部分は、1個または複数のリンカーと任意に結合されてもよい。種々の実施形態では、位置W22の変異は、G、A、L、I、M、およびVから選択される脂肪族疎水性残基である。種々の実施形態では、位置W22の変異はGである。
追加のIFNβ変異体の例は、国際出願第PCT/EP2017/061544号で提供される。この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、インターフェロンγである。このような実施形態では、改変インターフェロンγ物質は、インターフェロンガンマ受容体(IFNGR)、すなわち、IFNGR1および/またはIFNGR2鎖に対し、低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変インターフェロンγ物質は、インターフェロンガンマ受容体(IFNGR)、すなわち、IFNGR1および/またはIFNGR2鎖に対し、実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、コンセンサスインターフェロンである。コンセンサスインターフェロンは、いくつかのヒト非アレルIFNαサブタイプの配列を走査し、それぞれ対応する位置で最も高頻度に観察されるアミノ酸を割り当てることにより、生成される。コンセンサスインターフェロンは、166個のアミノ酸の内の20個でIFNα2bとは異なり(88%相同性)、IFNβとの比較は、30%を超えるアミノ酸位置で同一性を示す。種々の実施形態では、コンセンサスインターフェロンは、次の配列番号278のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、コンセンサスインターフェロンは、配列番号279のアミノ酸配列を含み、これは、配列番号278のアミノ酸配列とは、1個のアミノ酸だけ異なり、すなわち、配列番号279は、配列番号278の最初のメチオニン残基を欠いている:
種々の実施形態では、コンセンサスインターフェロンは、改変型のコンセンサスインターフェロン、すなわち、コンセンサスインターフェロンバリアントをシグナル伝達物質として含む。種々の実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、機能性誘導体、類似体、前駆物質、アイソフォーム、スプライスバリアント、またはコンセンサスインターフェロンのフラグメントを包含する。
ある実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、米国特許第4,695,623号、同第4,897,471号、同第5,541,293号、および同第8,496,921号で開示されているコンセンサスインターフェロンバリアントから選択される。これらの文献の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、コンセンサスインターフェロンバリアントは、米国特許第4,695,623号、同第4,897,471号、および同第5,541,293号で開示のような、IFN-CON2またはIFN-CON3のアミノ酸配列を含み得る。ある実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、IFN-CON2のアミノ酸配列、配列番号280を含む。
ある実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、IFN-CON3のアミノ酸配列、配列番号281を含む。
ある実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、米国特許第8,496,921号で開示のバリアントのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。例えば、コンセンサスバリアントは、配列番号282のアミノ酸配列を含み得る。
別の実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、配列番号283のアミノ酸配列を含み得る。
いくつかの実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、ペグ化され得、すなわち、PEG部分を含む。ある実施形態では、コンセンサスインターフェロンバリアントは、配列番号283のS156Cの位置で結合されたPEG部分を含み得る。
いくつかの実施形態では、改変インターフェロンは、ヒトIFNα2aのバリアントであり、Glu-Glu-Phe-Gly-Asn-Gln(配列番号284)の配列の位置41の近傍へのAspの挿入によりGlu-Glu-Phe-Asp-Gly-Asn-Gln(配列番号285)が得られ(これはIFNα2a配列に対する配列の再番号割当をもたらす)、次の変異Arg23Lys、Leu26Pro、Glu53Gln、Thr54Ala、Pro56Ser、Asp86Glu、Ile104Thr、Gly106Glu、Thr110Glu、Lys117Asn、Arg125Lys、およびLys136Thrを有する。コンセンサスインターフェロンについて記載する本明細書の全ての実施形態は、同様に、この遺伝子改変インターフェロンに該当する。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。VEGFは、生理学的であるが病的でもある血管新生において重要な役割を果たし、血管透過性を調節し、VEGF受容体を発現する細胞に対して成長因子として作用できる、強力な成長因子である。さらなる機能には、特に、マクロファージ系統および内皮細胞の細胞遊走の刺激が含まれる。少なくとも3個の受容体(VEGFR1、VEGFR2およびVEGFR3)に加えて、VEGF成長因子ファミリーのいくつかのメンバーが存在する。VEGFファミリーのメンバーは、2種以上のVEGFRタイプに結合およびこれを活性化できる。例えば、VEGF-Aは、VEGFR1およびVEGFR2を結合し、一方、VEGF-Cは、VEGFR2およびVEGFR3を結合できる。VEGFR1およびVEGFR2活性化は、血管新生を調節し、VEGFR3活性化は、リンパ脈管新生に関与する。大部分の血管新生促進シグナルは、VEGFR2の活性化から生成される。VEGFR1活性化は、血管新生の負の役割と関連する可能性があることが報告された。VEGFR1シグナル伝達は、腫瘍の骨髄由来VEGFR1陽性細胞を介したインビボ進行にも重要である(骨中の転移前微小環境の形成の一因となる)ことも報告された。治療抗体に向けられた/治療抗体を中和するVEGF-Aをベースにしたいくつかの治療法が、主に、血管新生に依存する種々のヒト腫瘍の治療での使用のために開発されてきた。しかし、これらは、副作用がないわけではない。これは、これらが一般的な非細胞/組織特異的VEGF/VEGFR相互作用阻害剤として作用することを考慮すると驚くべきことではない。従って、特定の標的細胞(例えば、腫瘍血管系内皮細胞)に対するVEGF(例えば、VEGF-A)/VEGFR2阻害を制限することが望ましいであろう。
いくつかの実施形態では、VEGFは、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、またはVEGF-EおよびVEGF121、VEGF121b、VEGF145、VEGF165、VEGF165b、VEGF189、およびVEGF206などの種々のVEGF-Aのアイソフォームを含むこれらのアイソフォームである。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対する低減または除去された親和性および/または活性を有する。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-2(KDR/Flk-1)に対する低減された親和性および/または活性を有し、および/またはVEGFR-1(Flt-1)に対する低減または除去された親和性および/または活性を有する。このような実施形態は、例えば、創傷治癒方法または虚血関連疾患の治療で使用される(理論に束縛されることを意図するものではないが、内皮細胞機能および血管新生に対するVEGFR2の効果により媒介されて)。種々の実施形態では、癌および炎症促進性活性と関連するVEGFR-1(Flt-1)への結合が回避される。種々の実施形態では、VEGFR-1(Flt-1)は、デコイ受容体として機能し、そのため、この受容体に対する親和性を実質的に低減または除去し、治療薬の隔離を回避する。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)に対する低減または除去された親和性および/または活性を有し、および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対する低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、VEGFは、VEGF-CまたはVEGF-Dである。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR3に対する低減された親和性および/または活性を有する。あるいは、改変シグナル伝達物質は、VEGFR3に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
血管新生促進治療法はまた、種々の疾患(例えば、虚血性心疾患、出血など)において重要であり、VEGFベース治療薬を含む。VEGFR2の活性化は血管新生促進性である(内皮細胞上で作用する)。VEGFR1は、炎症細胞(例えば、マクロファージを含む)の遊走の刺激を生じ、血管過多透過性に関連する炎症をもたらし得る。VEGFR1の活性化はまた、腫瘍微小環境形成に関連する骨髄を活性化できる。従って、VEGFR2活性化に対し選択性があるVEGFベース治療薬は、この場合には望ましいであろう。さらに、例えば、内皮細胞を特異的に標的とする細胞が望ましいであろう。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、VEGFR2に対する低減された親和性および/または活性(例えば、アンタゴニスト活性)を有し、および/またはVEGFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。腫瘍内皮細胞マーカー(例えば、PSMAなど)に結合するターゲティング部分を介して腫瘍血管系内皮細胞を標的にする場合、このような構築物は、このようなマーカー陽性細胞上に対し特異的にVEGFR2活性化を阻害するが、標的細胞へ向かう途上および標的細胞上では(活性が除去された場合)VEGFR1を活性化せず、従って、例えば、炎症反応の誘導を無くする。これは、VEGF-A中和療法に比べて、多くの腫瘍型に対するより選択的で安全な抗血管新生薬療法を提供することになろう。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、VEGFR2に対する低減された親和性および/または活性(例えば、アゴニスト活性)を有し、および/またはVEGFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。血管内皮細胞への標的化により、いくつかの実施形態では、このような構築物は、VEGFR1が関連する炎症反応誘導を生じることなく、血管新生を促進する。従って、このような構築物は、VEGFR2ならびにVEGFR1の全身性活性化に起因する副作用の実質的に低減されたリスクを有する標的化血管新生促進効果を有するであろう。
ある例示的実施形態では、改変シグナル伝達物質は、配列番号235のアミノ酸を有するVEGF165である。
別の例示的実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、配列番号236のアミノ酸配列を有するVEGF165bである。
これらの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸I83での変異を有する(例えば、I83での置換変異、例えば、I83K、I83R、またはI83H)。理論に束縛されることを意図するものではないが、このような変異は、低減された受容体結合親和性を生じ得ると考えられている。例えば、米国特許第9,078,860号を参照されたい。この全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質はインターフェロンαである。TNFは、細胞増殖、分化、アポトーシス、腫瘍形成、ウイルス複製、自己免疫、免疫細胞機能および輸送、炎症、ならびに敗血性ショックの調節を含む、多くの多様な機能を有する多面的サイトカインである。それは、標的細胞:TNFR1(p55)およびTNFR2(p75)上の2つの別々の膜受容体に結合する。TNFR1は非常に広範な発現パターンを示すが、TNFR2はリンパ球、Treg、内皮細胞、特定のニューロン、ミクログリア、心筋細胞および間葉系幹細胞の特定の集団上で選択的に発現される。受容体活性化に応答して、全く別々の生物学的経路が活性化されるが、若干の重なり合いも存在する。一般原則として、理論に束縛されることを望むものではないが、TNFR1シグナル伝達はアポトーシス(細胞死)の誘導に関連し、TNFR2シグナル伝達は細胞生存シグナルの活性化に関連する(例えば、NFκB経路の活性化)。TNFの投与は、全身的毒性であり、これは主にTNFR1の関与のためである。しかし、TNFR2の活性化もまた、TNFR1と同様に、多様な作用に関連し、TNF系治療薬の開発においては、TNFターゲティングおよび活性に対する制御が重要であることに留意されたい。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。TNFR1はほとんどの組織で発現され、かつ細胞死シグナル伝達に関与するが、対照的に、TNFR2は細胞生存シグナルに関与する。したがって、癌の治療法に関する実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1に対する低減された親和性および/または活性を有し、および/またはTNFR2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。これらの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、アポトーシスが望ましい細胞、例えば、腫瘍細胞または腫瘍血管内皮細胞を標的にし得る。例えば、神経変性障害の治療のためのニューロン新生における、細胞生存を促進する方法に関する実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR2に対する低減された親和性および/または活性および/またはTNFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。言い方を変えれば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、いくつかの実施形態では、死シグナルまたは生存シグナルのどちらかを優先できる改変TNFα物質を含む。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、TNFR1に対する低減された親和性および/または活性を有し、および/またはTNFR2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する改変TNFを有する。このようなキメラは、いくつかの実施形態では、野生型TNFおよび/またはTNFR1に対する低減された親和性および/または活性をもたらす変異のみを有するキメラに比べて、より強力なアポトーシスの誘導因子である。このようなキメラは、いくつかの実施形態では、腫瘍細胞死または腫瘍血管内皮細胞死の誘導に使用される(例えば、癌の治療において)。また、いくつかの実施形態では、これらのキメラは、例えば、TNFR2を介してTreg細胞の活性化を回避または低減し、したがってインビボでのTNFR1介在性抗腫瘍活性をさらに裏付ける。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、TNFR2に対する低減された親和性および/または活性を有し、および/またはTNFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する改変TNFを有する。このようなキメラは、いくつかの実施形態では、いくつかの細胞型での細胞生存のより強力な活性化因子であり、これは種々の疾患における具体的治療目的であり得、限定されないが、ニューロン新生の刺激を含む。さらに、このようなTNFR2選択キメラはまた、自己免疫疾患(例えば、クローン病、糖尿病、MS、大腸炎など、および本明細書に記載の多くの他の疾患)の治療において有用である。いくつかの実施形態では、キメラは自己反応性T細胞を標的にする。いくつかの実施形態では、キメラは、Treg細胞活性化および細胞傷害性T細胞の間接的抑制を促進する。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、例えば、TNFR2の活性化および/またはTNFR1の回避により(例えば、TNFR2に対する低減された親和性および/または活性を有し、および/またはTNFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する改変TNFにより)自己反応性T細胞の死をもたらす。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの自己反応性T細胞は、例えば、NFκB経路活性/シグナル伝達の変化により、変更されたアポトーシス/生存シグナルを有する。
いくつかの実施形態では、TNFR2ベースキメラは、種々の自己免疫疾患、特に、心臓疾患、脱髄性および神経変性障害、および感染症を含む疾患に対する追加の治療用途を有する。
ある実施形態では、野生型TNFαは、配列番号237のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変TNFα物質は、1つまたは複数のアミノ酸位置29、31、32、84、85、86、87、88、89、145、146および147に変異を有し、これが、低減された受容体結合親和性を有する改変TNFαをもたらす。例えば、米国特許第7,993,636号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/007903号に記載のように、改変ヒトTNFα部分は、1つまたは複数のアミノ酸位置R32、N34、Q67、H73、L75、T77、S86、Y87、V91、I97、T105、P106、A109、P113、Y115、E127、N137、D143、およびA145に変異を有する(ジェンバンク受入番号BAG70306、バージョンBAG70306.1 Gl:197692685、ヒトTNF配列に従ってナンバリング)。いくつかの実施形態では、改変ヒトTNFα部分は、R32G、N34G、Q67G、H73G、L75G、L75A、L75S、T77A、S86G、Y87Q、Y87L、Y87A、Y87F、V91G、V91A、I97A、I97Q、I97S、T105G、P106G、A109Y、P113G、Y115G、Y115A、E127G、N137G、D143N、A145GおよびA145Tから選択される置換変異を有する。ある実施形態では、ヒトTNFα部分は、Y87Q、Y87L、Y87A、およびY87Fから選択される変異を有する。別の実施形態では、ヒトTNFα部分は、I97A、I97Q、およびI97Sから選択される変異を有する。さらなる実施形態では、ヒトTNFα部分は、Y115AおよびY115Gから選択される変異を有する。
いくつかの実施形態では、国際公開第2008/124086号に記載のように、改変TNFα物質は、N39Y、S147Y、およびY87Hから選択される1個または複数の変異を含む。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TNFβである。TNFβは、LTβ(LTα1β2)と、ホモトリマーまたはヘテロトリマーを形成できる。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2および/またはヘルペスウイルス侵入メディエーター(HEVM)および/またはLTβRに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型TNFβは、配列番号238のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変TNFβ物質は、1つまたは複数のアミノ酸位置106~113に変異を含み得、これが、TNFR2に対する低減された受容体結合親和性を有する改変TNFβをもたらす。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸位置106~113に1個または複数の置換変異を有する。例示的実施形態では、置換変異は、Q107E、Q107D、S106E、S106D、Q107R、Q107N、Q107E/S106E、Q107E/S106D、Q107D/S106E、およびQ107D/S106Dから選択される。別の実施形態では、改変シグナル伝達物質は、位置106~113に、約1~約3個のアミノ酸の挿入を有する。
いくつかの実施形態では、国際公開第2015/007903号に記載のように、追加の改変物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)であり、これは、単鎖トリマー型であり得る。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、改変物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)であり、これは、TNFR1に対し、低減された親和性および/または活性、すなわちアンタゴニスト活性(例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/007520号を参照)を有する。これらの実施形態では、改変物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)であり、これもまた、場合により、TNFR2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)であり、これは、TNFR2に対し、低減された親和性および/または活性、すなわちアンタゴニスト活性(例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を有する。これらの実施形態では、改変物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)であり、これも同様に、場合により、TNFR1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。このような実施形態の構築物は、例えば、細胞特異的な様式でTNF応答を抑制する方法において使用される。いくつかの実施形態では、アンタゴニストTNFファミリーメンバー(例えば、TNFα、TNFβ)は、国際公開第2015/007903号に記載のように、単鎖トリマー型である。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TRAILである。いくつかの実施形態では、改変TRAIL物質は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して、低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変TRAIL物質は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して、低減された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型TRAILは、配列番号239のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変TRAIL物質は、アミノ酸位置T127~R132、E144~R149、E155~H161、Y189~Y209、T214~1220、K224~A226、W231、E236~L239、E249~K251、T261~H264およびH270~E271に変異を含み得る(ジェンバンク受入番号NP_003801、バージョン10NP_003801.1、GI:4507593、ヒト配列に基づいてナンバリング;上記参照)。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TGFαである。このような実施形態では、改変TGFα物質は、上皮成長因子受容体(EGFR)に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変TGFα物質は、上皮成長因子受容体(EGFR)に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TGFβである。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対する低減された親和性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、場合により、TGFBR3に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有し、これは、理論に束縛されることを意図するものではないが、TGFベータ受容体に対するリガンドのリザーバーとして作用し得る。いくつかの実施形態では、TGFβは、TGFBR2よりもTGFBR1またはTGFBR1よりもTGFBR2を選択する。同様に、理論に束縛されることを望むものではないが、LAPは、TGFベータ受容体に対するリガンドのリザーバーとして作用し得る。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対する低減された親和性および/または活性および/または潜在関連ペプチド(LAP)に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、このようなキメラは、カムラチ・エンゲルマン病、または不適切なTGFβシグナル伝達に関連する他の疾患において使用される。
いくつかの実施形態では、追加の改変物質は、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)であり、これは、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3の内の1種または複数に対し、低減された親和性および/または活性、すなわち、アンタゴニスト活性(例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果であるアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を有する。これらの実施形態では、改変物質は、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)であり、これも同様に、場合により、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3の内の1種または複数に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
いくつかの実施形態では、追加の改変型物質は、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)であり、これは、TGFBR1および/またはTGFBR2に対して、低減された親和性および/または活性、すなわち、アンタゴニスト活性(例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果であるアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を有する。これらの実施形態では、改変物質は、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)であり、これも同様に、場合により、TGFBR3に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL1である。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質はIL1αまたはIL1βである。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL1R1および/またはIL1RAcPに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL1R1および/またはIL1RAcPに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL1R2に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL1R2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、本改変型IL1物質は、IL1R2に対する相互作用を回避し、したがって、治療薬に対するデコイおよび/またはシンクとしてのその機能を実質的に低減する。
ある実施形態では、野生型IL1βは、配列番号240のアミノ酸配列を有する。
IL1βは、炎症促進性のサイトカインであり、重要な免疫系制御因子である。それは、CD4 T細胞応答の強力な活性化因子であり、Th17細胞の比率を高め、IFNγおよびIL4産生細胞の増殖を増大させる。IL1βはまた、CD8+ T細胞の強力な制御因子であり、抗原特異的CD8+ T細胞増殖、分化、周辺部への移動および記憶を強化する。IL1β受容体には、IL1R1およびIL1R2が含まれる。IL1R1への結合およびIL1R1を介したシグナル伝達は、IL1βが多くのその生物学的(および病理学的)作用を媒介する機序を構成する。IL1R2は、デコイ受容体として機能できることにより、IL1R1を介した相互作用およびシグナル伝達を行うためのIL1βの利用可能性を減らす。
いくつかの実施形態では、改変IL1βは、IL1R1に対する低減された親和性および/または活性(例えば、アゴニスト活性)を有する。いくつかの実施形態では、改変IL1βは、IL1R2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。このような実施形態では、誘導可能または回復可能なIL1β/IL1R1シグナル伝達ならびにILR2に対する治療用キメラの損失の防止およびその結果としての必要なIL1投与量の削減(例えば、野生型またはILR1に対する減弱化変異のみを有するキメラに比べて)がもたらされる。このような構築物は、例えば、免疫系を刺激して抗癌応答を開始することを含む、例えば、癌を治療する方法で使用される。
いくつかの実施形態では、改変IL1βは、IL1R1に対し、低減された親和性および/または活性(例えば、アンタゴニスト活性、例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を有する。いくつかの実施形態では、改変IL1βは、IL1R2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。このような実施形態では、IL1β/IL1R1シグナル伝達は誘導可能または回復可能ではなく、また、ILR2に対する治療用キメラの損失の防止およびその結果としての必要なIL1β投与量の削減(例えば、野生型またはILR1に対する減弱化変異のみを有するキメラに比べて)がもたらされる。このような構築物は、例えば、免疫系を抑制することを含む、例えば、自己免疫疾患を治療する方法で使用される。
このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸52~54の欠失を有し、これは、I型IL1Rに対して、低減された結合親和性および低減された生物活性を有する改変ヒトIL1βが産生する。例えば、国際公開第1994/000491号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、改変ヒトIL1βは、A117G/P118G、R120X、L122A、T125G/L126G、R127G、Q130X、Q131G、K132A、S137G/Q138Y、L145G、H146X、L145A/L147A、Q148X、Q148G/Q150G、Q150G/D151A、M152G、F162A、F162A/Q164E、F166A、Q164E/E167K、N169G/D170G、I172A、V174A、K208E、K209X、K209A/K210A、K219X、E221X、E221S/N224A、N224S/K225S、E244K、N245Qから選択される1個または複数の置換変異(Xはアミノ酸の任意の変化、例えば、非保存的変化であり得る)を有し、これらは、例えば、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/007542号および国際公開第2015/007536号に記載のように、IL1Rに対し低減された結合を示す(ジェンバンク受入番号NP_000567、バージョンNP-000567.1、Gl:10835145、ヒトIL1β配列に基づいてナンバリング)。いくつかの実施形態では、改変ヒトIL1βは、R120A、R120G、Q130A、Q130W、H146A、H146G、H146E、H146N、H146R、Q148E、Q148G、Q148L、K209A、K209D、K219S、K219Q、E221SおよびE221Kから選択される1個または複数の変異を有し得る。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異Q131GおよびQ148Gを含む。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異Q148GおよびK208Eを含む。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異R120GおよびQ131Gを含む。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異R120GおよびH146Gを含む。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異R120GおよびK208Eを含む。ある実施形態では、改変ヒトIL1βは、変異R120G、F162A、およびQ164Eを含む。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL2である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL2Rαおよび/またはIL2Rβおよび/またはIL2Rγに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL2Rβおよび/またはIL2Rγに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL2Rαに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。このような実施形態は、例えば、改変IL2がIL2Rβおよび/またはIL2Rγに対するアゴニストである場合、癌の治療に適切であり得る。例えば、本発明の構築物は、IL2受容体βおよびγを有するCD8+ T細胞(抗腫瘍効果を与えることができる)の減弱化された活性化を優先し、IL2受容体α、β、およびγを有するTreg(免疫抑制効果、腫瘍促進効果を与えることができる)を優先しない。さらに、いくつかの実施形態では、IL2RαよりもIL2Rβおよび/またはIL2Rγに対する選択性は、肺水腫などのIL2副作用を回避させる。また、IL2ベースキメラは、例えば、改変IL2が、IL2Rβおよび/またはIL2Rγに対してアンタゴニスト(例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)である場合、自己免疫疾患の治療に有用である。例えば、本発明の構築物は、IL2受容体βおよびγを有するCD8+ T細胞の抑制の減弱化(したがって、免疫応答を抑制する)を優先し、IL2受容体α、β、およびγを有するTregを優先しない。あるいは、いくつかの実施形態では、IL2を有するキメラは、Tregの活性化、したがって免疫抑制を優先し、CD8+ T細胞の活性化を優先しない。例えば、これらの構築物は、疾患または免疫抑制により恩恵を受けると思われる疾患、例えば、自己免疫障害の治療に使用される。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CD8+ T細胞に向けられた本明細書に記載のターゲティング部分を有し、改変IL2物質は、IL2Rβおよび/またはIL2Rγに対する低減された親和性および/または活性および/またはIL2Rαに対し実質的に低減されたまたは除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、これらの構築物は、CD8+ T細胞活性を標的とし、通常、Treg細胞に対して不活性である(または実質的に低減された活性を有する)。いくつかの実施形態では、このような構築物は、野生型IL2に比べて、高められた免疫刺激効果を有し(理論に束縛されることを望むものではないが、Tregを刺激しないことにより)、一方で、IL2に関連する全身毒性を除去または低減する。
ある実施形態では、野生型IL2は、配列番号241のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変IL2物質は、1個または複数の変異を、アミノ酸L72の位置(L72G、L72A、L72S、L72T、L72Q、L72E、L72N、L72D、L72R、またはL72K)、F42の位置(F42A、F42G、F42S、F42T、F42Q、F42E、F42N、F42D、F42R、またはF42K)およびY45の位置(Y45A、Y45G、Y45S、Y45T、Y45Q、Y45E、Y45N、Y45D、Y45RまたはY45K)で有する。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの改変IL2物質は、野性型IL2と比べて、高親和性IL2受容体に対して低減された親和性を有し、中間的親和性IL2受容体に対しては親和性をそのまま維持すると考えられる。例えば、米国特許出願公開第2012/0244112号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL3である。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL3受容体に対する低減された親和性および/または活性を有し、IL3受容体は共通のベータ(ベータcまたはCD131)サブユニットと対になった特有のアルファ鎖を有するヘテロダイマーである。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL3受容体に対して実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有し、IL3受容体は共通のベータ(ベータcまたはCD131)サブユニットと対になった特有のアルファ鎖を有するヘテロダイマーである。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL4である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、1型および/または2型IL4受容体に対する低減された親和性および/または活性を有する。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、1型および/または2型IL4受容体に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。1型IL4受容体は、共通のγ鎖を有するIL4Rαサブユニットから構成され、IL4を特異的に結合する。2型IL4受容体は、IL13Rα1として知られる異なるサブユニットに結合したIL4Rαサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、2型IL4受容体に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL4は、配列番号242のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変IL4物質は、アミノ酸R121(R121A、R121D、R121E、R121F、R121H、R121I、R121K、R121N、R121P、R121T、R121W)、E122(E122F)、Y124(Y124A、Y124Q、Y124R、Y124S、Y124T)およびS125(S125A)に1個または複数の変異を有する。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの改変IL4物質は、I型受容体により媒介される活性を維持するが、その他の受容体により媒介される生物活性を顕著に低減すると考えられる。例えば、米国特許第6,433,157号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL6である。IL6は、リガンド結合IL6R鎖(CD126)およびシグナル伝達成分gp130を含む細胞表面I型サイトカイン受容体複合体を介して信号を伝達する。IL6はまた、可溶性型のIL6R(sIL6R)にも結合し得、これは、IL6Rの細胞外の部分である。sIL6R/IL6複合体は、神経突起の成長およびニューロンの生存に関与し、したがって、再ミエリン化による神経再生に重要であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL6R/gp130および/またはsIL6Rに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL6R/gp130および/またはsIL6Rに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL6は、配列番号243のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸58、160、163、171または177に1個または複数の変異を有する。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの改変IL6物質は、IL6Rαに対し低減された結合親和性および低減された生物活性を示すと考えられている。例えば、国際公開第97/10338号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL10である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL10受容体1およびIL10受容体2に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL10受容体1およびIL10受容体2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL11である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL11Rαおよび/またはIL11Rβおよび/またはgp130に対する低減された親和性および/または活性を有する。このような実施形態では、改変シグナル型伝達物質は、IL-11Rαおよび/またはIL-11Rβおよび/またはgp130に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL12である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL12Rβ1および/またはIL12Rβ2に対する低減された親和性および/または活性を有する。このような実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL12Rβ1および/またはIL12Rβ2に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL13である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL4受容体(IL4Rα)およびIL13Rα1に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、IL4受容体(IL4Rα)またはIL13Rα1に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL13は、配列番号244のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変IL13物質は、アミノ酸13、16、17、66、69、99、102、104、105、106、107、108、109、112、113および114に1個または複数の変異を有する。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの改変IL13物質は、低減された生物活性を示すと考えられている。例えば、国際公開第2002/018422号を参照されたい。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ある実施形態では、シグナル伝達物質は、野生型または改変IL15である。いくつかの実施形態では、改変IL15は、インターロイキン15受容体に対する低減された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL15は、NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISHESGDTDIHDTVENLIILANNILSSNGN ITESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号292)のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、改変IL15物質は、配列番号292を基準にして、アミノ酸S7、D8、K10、K11、E46、L47、V49、I50、D61、N65、L66、I67、I68、L69、N72、Q108で1個または複数の変異を有する。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL18である。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL18Rαおよび/またはIL18Rβに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL18Rαおよび/またはIL18Rβに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、シグナル伝達に必要なTIRドメインを欠くIL18RαのアイソフォームであるIL18Rα II型に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL-18は、配列番号245のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/007542号に記載のように、改変IL18物質は、Y37~K44、R49~Q54、D59~R63、E67~C74、R80、M87~A97、N127~K129、Q139~M149、K165~K171、R183およびQ190~N191から選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域に1個または複数の変異を含み得る(ジェンバンク受入番号AAV38697、バージョンAAV38697.1、Gl:54696650、ヒIL18配列に基づいてナンバリング)。
ある実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL33である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ST2受容体1およびIL1RAcPに対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変型シグナル伝達物質は、ST2受容体およびIL-1RAcPに対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。
ある実施形態では、野生型IL33は、配列番号246のアミノ酸配列を有する。
このような実施形態では、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2015/007542号に記載のように、改変IL-33物質は、I113~Y122、S127~E139、E144~D157、Y163~M183、E200、Q215、L220~C227およびT260~E269から選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域に1個または複数の変異を含み得る(ジェンバンク受入番号NP_254274、バージョン254274.1、Gl:15559209、ヒト配列に基づいてナンバリング)。
ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、上皮増殖因子(EGF)である。EGFは、効力の高い成長因子のファミリーである。メンバーは、EGF、HB-EGF、およびTGFα、アンフィレギュリン、ニューレグリン、エピレギュリン、ベータセルリンなどの他のものを含む。EGFファミリー受容体は、EGFR(ErbB1)、ErbB2、ErbB3およびErbB4を含む。これらは、ホモダイマーおよび/またはヘテロダイマー受容体サブタイプとして機能し得る。異なるEGFファミリーメンバーは、種々の受容体サブタイプに対して、他と異なる選択性を示す。例えば、EGFは、ErbB1/ErbB1、ErbB1/ErbB2、ErbB4/ErbB2およびいくつかの他のヘテロダイマーサブタイプと結合する。HB-EGFは、類似のパターンを有するが、ErbB4/4と結合する。EGF(EGF様)増殖因子シグナル伝達の正または負方向への調節は、大きな治療上の観点から関心がもたれている。例えば、EGFRシグナル伝達の阻害は、EGFRシグナル伝達が主要な成長促進シグナルを構成する種々の癌の治療で関心がもたれている。あるいは、EGFRシグナル伝達の刺激は、例えば、創傷治癒(急性および慢性)、口腔粘膜炎(限定されないが、放射線療法を含む種々の癌療法の主要な副作用)における治療上の観点から関心が持たれている。
いくつかの実施形態では、追加の改変型シグナル伝達物質は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、および/またはErbB4に対する低減された親和性および/または活性を有する。このような実施形態は、例えば、創傷の治療方法で使用される。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、およびErbB4の内の1種または複数に結合し、その受容体の活性をアンタゴナイズする。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、および/またはErbB4に対する低減された親和性および/または活性を有し、これにより、その受容体の活性が減弱化される方式でアンタゴナイズされる。このような実施形態は、例えば、癌の治療で使用される。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ErbB1に対する低減された親和性および/または活性を有する。ErbB1は、キナーゼ阻害剤の治療標的であるが-大抵の場合、副作用があり、その理由は、それらがあまり選択的でないためである(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ブリガチニブおよびイコチニブ)。いくつかの実施形態では、減弱化された拮抗的ErbB1シグナル伝達は、EGFの受容体を標的とする他の物質より、オンターゲットであり、少ない副作用を有する。
いくつかの実施形態では、追加の改変型シグナル伝達物質は、ErbB1に対し、低減された親和性および/または活性(例えば、アンタゴニスト活性、例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)および/またはErbB4またはそれが相互作用し得る他のサブタイプに対し実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。ターゲティング部分を介した特異的標的化により、ErbB1/ErbB1受容体活性化の細胞選択的抑制(アンタゴニズム、例えば、天然のアンタゴニスト活性または1個または複数の変異の結果としてのアンタゴニスト活性、例えば、国際公開第2015/007520号を参照。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)が達成されるであろう-阻害関連副作用に関連する可能性のある他の受容体サブタイプを関与させずに。従って、身体中の全ての細胞型のEGFR活性を阻害するEGFRキナーゼ阻害剤と対照的に、このような構築物は、副作用の低減された細胞選択的(例えば、受容体の増幅、過剰発現などよる活性化EGFRシグナル伝達を有する腫瘍細胞)抗EGFR(ErbB1)薬物作用を提供するであろう。
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、ErbB4および/またはそれが相互作用する他のサブタイプに対する低減された親和性および/または活性(例えば、アゴニスト活性)を有する。ターゲティング部分を介した特定の標的細胞に対する標的化により、ErbB1シグナル伝達の選択的活性化が達成される(例えば、上皮細胞)。このような構築物は、いくつかの実施形態では、副作用が低減された創傷の治療(創傷治癒の促進)、特に慢性状態の治療および治療薬局所投与以外の適用(例えば、全身性創傷治癒)のために使用される。
ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリンまたはインスリン類似体である。いくつかの実施形態では、改変インスリンまたはインスリン類似体は、インスリン受容体および/またはIGF1またはIGF2受容体に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変インスリンまたはインスリン類似体は、インスリン受容体および/またはIGF1またはIGF2受容体に対する低減または除去された親和性および/または活性を有する。インスリン受容体に対する弱められた応答は、糖尿病、肥満症、代謝障害などの制御を可能とし、同時に、IGF1またはIGF2受容体から離れた方向に向けることにより、癌促進性作用を回避する。
ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン様増殖因子-Iまたはインスリン様増殖因子-II(IGF1またはIGF2)である。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質はIGF1である。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン受容体および/またはIGF1受容体に対する低減された親和性および/または活性を有する。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF1受容体に結合し、受容体の活性をアンタゴナイズする。このような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF1受容体に対する低減された親和性および/または活性を有し、これにより、受容体の活性が減弱化される方式でアンタゴナイズされることを可能にする。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF1受容体に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF2受容体に対する低減された親和性および/または活性を有し、これにより、受容体の活性が減弱化される方式でアンタゴナイズされることを可能にする。ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン受容体に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有し、したがって、インスリンシグナル伝達を妨げない。種々の実施形態では、これは、癌治療に適用される。種々の実施形態では、本物質は、IRアイソフォームAが癌治療に対し耐性を生じるのを防止し得る。
ある実施形態では、改変シグナル伝達物質は、EPOである。種々の実施形態では、改変EPO物質は、野生型EPOまたは本明細書で記載の他のEPOベース物質に比べて、EPO受容体(EPOR)および/またはエフリン受容体(EphR)に対する低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変EPO物質は、EPO受容体(EPOR)および/またはEph受容体(EphR)に対する実質的に低減または除去された親和性および/または活性を有する。EPO受容体の例としては、限定されないが、EPORホモダイマーまたはEPOR/CD131ヘテロダイマーが挙げられる。また、ベータ共通受容体(βcR)もEPO受容体に含まれる。Eph受容体の実例としては、限定されないが、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHA9、EPHA10、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB5、およびEPHB6が挙げられる。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、EPOタンパク質に、1個または複数の異なるEPO受容体またはEph受容体(例えば、限定されないが、EPOR-EPHB4、EPOR-βcR-EPORを含むヘテロダイマー、ヘテロトリマーなど)を含む受容体に対する低減された親和性を持たせる1個または複数の変異を含む。また、限定されないが、NEPORを含む、EP特許公報第2492355号の受容体も提供される(この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。
ある実施形態では、ヒトEPOは、配列番号247のアミノ酸配列を有する(最初の27個のアミノ酸はシグナルペプチドである)。
いくつかの実施形態では、ヒトEPOタンパク質は、EPOの成熟型であり(シグナルペプチドは切断されている)、これは、配列番号248の配列を有する166個のアミノ酸残基の糖タンパク質である。
ヒトEPOタンパク質の構造は、ヘリックスA、B、CおよびDを含む4ヘリックス束を含むことが予測されている。種々の実施形態では、改変EPOは、生物活性のために重要なEPOタンパク質の4つの領域、すなわち、アミノ酸残基10~20,44~51、96~108、および142~156に位置する1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、1個または複数の変異は、残基11~15、44~51、100~108、および147~151に位置する。これらの残基は、ヘリックスA(Val11、Arg14、およびTyr15)、ヘリックスC(Ser100、Arg103、Ser104、およびLeu108)、ヘリックスD(Asn147、Arg150、Gly151、およびLeu155)、およびA/B接続ループ(残基42~51)に局在化されている。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、アミノ酸41~52の残基ならびにアミノ酸147、150、151、および155の残基中に変異を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの残基の変異は、受容体結合およびインビトロ生物活性の両方に実質的な影響を有すると考えられている。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、残基11、14、15、100、103、104、および108に変異を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの残基の変異は、受容体結合活性に対し中程度の影響を有し、インビトロ生物活性に対し遙かに大きい影響を有すると考えられている。置換の例としては、限定されないが、Val11Ser、Arg14Ala、Arg14Gln、Tyr15lle、Pro42Asn、Thr44lle、Lys45Asp、Val46Ala、Tyr51Phe、Ser100Glu、Ser100Thr、Arg103Ala、Ser104lle、Ser104Ala、Leu108Lys、Asn147Lys、Arg150Ala、Gly151Ala、およびLeu155Alaの1つまたは複数が挙げられる。
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、生物活性に影響を与え、結合には影響を与えない変異、例えば、Eliot,et al.Mapping of the Active Site of Recombinant Human Erythropoietin January 15,1997;Blood:89(2)に記載のものを含む。この文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、受容体接触に関与するEPOタンパク質の表面残基を含む1個または複数の変異を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの表面残基の変異は、タンパク質フォールディングの影響が少ない可能性があり、そのため、一部の生物活性を保持すると考えられている。変異導入され得る表面残基の例としては、限定されないが、残基147および150が挙げられる。例示的実施形態では、変異は、N147A、N147K、R150AおよびR150Eの1個または複数を含む置換である。
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、残基N59、E62、L67およびL70で1個または複数の変異、およびジスルフィド結合形成に影響を与える1個または複数の変異を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、これらの改変は、フォールディングに影響を与える、および/または埋没した位置にあることが予測され、従って、生物活性に間接的に影響を与えると考えられている。
ある実施形態では、改変EPOタンパク質は、受容体結合が大きく低減されるK20E置換を含む。例えば、Elliott,et al.,(1997)Blood,89:493-502を参照されたい。この文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明のキメラEPOタンパク質に組み込み得る追加のEPO変異は、例えば、Elliott,et al.,(1997)Blood,89:493-502およびTaylor et al.,(2010)PEDS,23(4):251-260に開示されている。これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態では、シグナル伝達物質は、毒素または毒性酵素である。いくつかの実施形態では、毒素または毒性酵素は、植物および細菌から誘導される。毒素または毒性酵素の例としては、ジフテリア毒素、シュードモナス毒素、炭疽病毒素、リシンおよびサポリンなどのリボソーム不活化タンパク質(RIP)、モデシン、アブリン、ゲロニン、およびヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。追加の毒素は、Mathew et al.,(2009)Cancer Sci 100(8):1359-65、に開示のものを含む。この文献の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。このような実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、細胞型特異的に細胞死を誘導するのに利用し得る。このような実施形態では、毒素は改変されて、例えば、変異導入されて、本明細書で他のシグナル伝達物質に関し記載のように、効果を弱めるために、毒素の親和性および/または活性を低減させ得る。
リンカーおよび官能基
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は任意選択で、1個または複数のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)を連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、シグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)内にリンカーを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に記載の種々の官能基、残基、または部分をキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に連結するのに利用し得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、結合領域および結合タンパク質の安定性、配向、結合、中和、および/または排出特性に影響を与えない、またはそれらを低下させない単一アミノ酸または複数のアミノ酸である。種々の実施形態では、リンカーは、ペプチド、タンパク質、糖、または核酸から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載のリンカーのいずれかに単一ヌクレオチド配列として連結された本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードするベクターが、提供され、このようなキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を調製するために使用され得る。いくつかの実施形態では、Fcベースキメラタンパク質複合体の置換物は、ベクター中のヌクレオチド配列として発現される。
いくつかの実施形態では、リンカーの長さは、ターゲティング部分とシグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)のそれらの受容体への効果的結合を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、リンカーの長さは、ターゲティング部分とシグナル伝達物質の1個の、同じ細胞上の受容体への効果的結合を可能にする。
いくつかの実施形態では、リンカーの長さは、少なくとも、同じ細胞上の1個のターゲティング部分およびシグナル伝達物質の受容体への結合部位の間の最短距離に等しい。いくつかの実施形態では、リンカーの長さは、同じ細胞上の1個のターゲティング部分およびシグナル伝達物質の受容体への結合部位の間の最短距離の、少なくとも2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または10倍、または20倍、または25倍、または50倍、または100倍である、または、それを超える。
本明細書に記載されるように、リンカーの長さは、ターゲティング部分とシグナル伝達物質の1個の、同じ細胞上の受容体への効果的結合を可能にし、結合は、逐次であり、例えば、ターゲティング部分/受容体結合がシグナル伝達物質/受容体結合に先行する。
いくつかの実施形態では、単一キメラ中に2個のリンカーが存在し、それぞれが、シグナル伝達物質をターゲティング部分に連結する。種々の実施形態では、リンカーは、いずれかの細胞の調節を妨害し得る立体障害なしに疾患細胞およびエフェクター細胞を有する部位の形成を可能にする長さを有する。
本発明は、種々のリンカー配列の使用を意図する。種々の実施形態では、リンカーは、天然のマルチドメインタンパク質から誘導され得るか、または、例えば、Chichili et al.,(2013),Protein Sci.22(2):153-167;Chen et al.,(2013),Adv Drug Deliv Rev.65(10):1357-1369に記載されている経験的リンカーである。これらの文献の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカー設計データベースおよびChen et al.,(2013),Adv Drug Deliv Rev.65(10):1357-1369 and Crasto et al.,(2000),Protein Eng.13(5):309-312に記載のものなどのコンピュータープログラムを用いて設計し得る。種々の実施形態では、リンカーは機能性であり得る。例えば、限定されないが、リンカーは、フォールディングおよび/または安定性を改善するように、発現を改善するように、薬物動態学を改善するように、および/または本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の生物活性を改善するように機能し得る。
いくつかの実施形態では、リンカーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは約100アミノ酸長未満である。例えば、リンカーは、約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸長未満であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは約100アミノ酸長超である。例えば、リンカーは、約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸長さ超であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーはフレキシブルである。別の実施形態では、リンカーは剛性である。
2個以上のターゲティング部分を有するキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に関するいくつかの実施形態では、あるリンカーは2個のターゲティング部分を相互に連結し、このリンカーは短い長さを有し、また、あるリンカーはターゲティング部分とシグナル伝達物質を連結し、このリンカーは2個のターゲティング部分を連結するリンカーより長い。例えば、2個のターゲティング部分を連結するリンカーと、ターゲティング部分とシグナル伝達物質とを連結するリンカーとの間のアミノ酸長さの差異は、約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2アミノ酸長であり得る。
種々の実施形態では、リンカーは、グリシンおよびセリン残基から実質的に構成される(例えば、約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約97%のグリシンとセリン)。例えば、いくつかの実施形態では、リンカーは(Gly4Ser)nであり、式中、nは、約1~約8、例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8(それぞれ、配列番号249~256)である。ある実施形態では、リンカー配列は、GGSGGSGGGGSGGGGS(配列番号257)である。追加のリンカーの例としては、限定されないが、次記配列を有するリンカーが挙げられる:LE、GGGGS(配列番号249)、(GGGGS)n(n=1~4)(配列番号249~252)、(Gly)8(配列番号258)、(Gly)6(配列番号259)、(EAAAK)n(n=1~3)(配列番号260~262)、A(EAAAK)nA(n=2~5)(配列番号263~266)、AEAAAKEAAAKA(配列番号263)、A(EAAAK)4ALEA(EAAAK)4A(配列番号267)、PAPAP(配列番号268)、KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号269)、EGKSSGSGSESKST(配列番号270)、GSAGSAAGSGEF(配列番号271)、および(XP)n、Xは、任意のアミノ酸、例えば、Ala、Lys、またはGluを示す。種々の実施形態では、リンカーはGGSである。
いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGSE(配列番号272)、GSESG(配列番号273)、GSEGS(配列番号274)、GEGGSGEGSSGEGSSSEGGGSEGGGSEGGGSEGGS(配列番号275)、および4個のアミノ酸間隔毎にランダムに配置されたG、S、およびEのリンカー、の1種または複数である。
いくつかの実施形態では、リンカーは、抗体(例えば、IgG、IgA、IgD、およびIgE、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、およびIgA1およびIgA2)を含む)のヒンジ部である。種々の実施形態では、リンカーは、抗体(例えば、IgG、IgA、IgD、およびIgE、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、およびIgA1およびIgA2)を含む)のヒンジ部である。IgG、IgA、IgD、およびIgEクラス抗体で見つかるヒンジ部は、フレキシブルスペーサーとして機能し、Fab部が空間中で自由に動くことを可能にする。定常領域と対照的に、ヒンジドメインは、構造上多様であり、免疫グロブリンクラスおよびサブクラス中の配列および長さの両方で変動する。例えば、ヒンジ部の長さおよび可撓性は、IgGサブクラス内で変動する。IgG1のヒンジ部は、アミノ酸216~231を包含し、それが自由にフレキシブルであるために、Fabフラグメントは、それらの対称軸の周りで回転でき、最初の2つの重鎖間ジスルフィド架橋を中心とする球内で移動できる。IgG2は、IgG1より短いヒンジを有し、12個のアミノ酸残基と4個のジスルフィド架橋を有する。IgG2のヒンジ部は、グリシン残基を欠き、比較的短く、また、追加の重鎖間ジスルフィド架橋により安定化された剛性ポリプロリン二重らせん体を含む。これらの特性は、IgG2分子の可撓性を制限する。IgG3は、62個のアミノ酸を含む(21個のプロリンと11個のシステインを含む)その特有の延長されたヒンジ部(IgG1ヒンジの約4倍の長さ)により、他のサブクラスとは異なり、柔軟性を欠くポリプロリン二重らせん体を形成する。IgG3では、Fabフラグメントは、Fcフラグメントから比較的遠くに離れており、より大きな可撓性を分子に与える。IgG3の伸びたヒンジは、他のサブクラスに比べて、そのより高分子量の原因でもある。IgG4のヒンジ部は、IgG1より短く、その可撓性は、IgG1とIgG2との中間である。ヒンジ部の可撓性は、次の順に低下すると報告されている:IgG3>IgG1>IgG4>IgG2。
結晶学的調査によれば、免疫グロブリンヒンジ部は、機能的に次の3つの領域にさらに細分できる:上部ヒンジ部、コア部、および下部ヒンジ部。Shin et al.,1992 Immunological Reviews 130:87を参照されたい。上部ヒンジ部は、CH1のカルボキシル末端から運動を制限するヒンジ中の最初の残基、通常は2つの重鎖間の鎖間ジスルフィド結合を形成する最初のシステイン残基のアミノ酸を含む。上部ヒンジ部の長さは、抗体のセグメントの可撓性と相関する。コアヒンジ部は重鎖間ジスルフィド架橋を含み、下部ヒンジ部はCH2ドメインのアミノ末端に繋がり、かつCH2中の残基を含む(同上文献)。野性型ヒトIgG1のコアヒンジ部は、配列Cys-Pro-Pro-Cys(配列番号276)を含み、これは、ジスルフィド結合形成により二量体化されると、環状オクタペプチドを生成し、これが旋回軸として機能することにより、可撓性を付与すると考えられている。種々の実施形態では、本発明のリンカーは、任意の抗体(例えば、IgG、IgA、IgD、およびIgE、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、およびIgA1およびIgA2)を含む)の1、または2、または3個の上部ヒンジ部、コア部および下部ヒンジ部を含む。ヒンジ部はまた、1つまたは複数のグリコシル化部位も含み得、これは、多くの構造上異なるタイプの炭水化物付着部位を含む。例えば、IgA1は、ヒンジ部の17アミノ酸セグメント内に5つのグリコシル化部位を含み、腸内プロテアーゼに対するヒンジ部ポリペプチドの耐性を付与し、これは、分泌性免疫グロブリンにとって、有利な性質であると考えられる。種々の実施形態では、本発明のリンカーは、1つまたは複数のグリコシル化部位を含む。種々の実施形態では、リンカーは、ヒトIgG4抗体のヒンジ-CH2-CH3ドメインである。
いくつかの実施形態では、リンカーは、PEGなどの合成リンカーである。
種々の実施形態では、リンカーは、機能性であり得る。例えば、限定されないが、リンカーは、フォールディングおよび/または安定性を改善するように、発現を改善するように、薬物動態学を改善するように、および/または本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の生物活性を改善するように機能し得る。別の例では、リンカーは、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を特定の細胞型または部位に向けるように機能し得る。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、1個または複数の官能基、残基、または部分を含み得る。種々の実施形態では、1個または複数の官能基、残基、または部分は、本明細書に記載のいずれかのシグナル伝達物質またはターゲティング部分に結合されるか、または遺伝的に融合される。いくつかの実施形態では、このような官能基、残基または部分は、1つまたは複数の望ましい特性または官能基を本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に付与する。このような官能基およびそれらをキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に導入する技術の例は、当技術分野において既知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.(1980)を参照されたい。
種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のそれぞれは、別の物質と複合化および/または融合して、半減期を延長するか、または別の方法で薬力学的および薬物動態学的特性を改善し得る。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PEG、XTEN(例えば、rPEGとして)、ポリシアル酸(POLYXEN)、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミンまたはHAS)、エラスチン様タンパク質(ELP)、PAS、HAP、GLK、CTP、トランスフェリンなどの1種または複数と融合または複合化され得る。種々の実施形態では、それぞれ個々のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、BioDrugs(2015)29:215-239に記載の1種または複数の物質に融合される。この文献の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、好適な薬学的に許容可能なポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)(PEG)またはその誘導体(例えば、メトキシポリ(エチレングリコール)またはmPEG)を含む。いくつかの実施形態では、PEG部分の結合は、半減期を伸ばし、および/またはキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の免疫原性を低減する。例えば、抗体および抗体フラグメント(限定されないが、VHHなどの単一ドメイン抗体を含む)に対し当該技術分野で用いられるペグ化などの任意の好適な形態のペグ化が通常用いられる;例えば、Chapman,Nat.Biotechnol.,54,531-545(2002);VeroneseおよびHarrisによる、Adv.Drug Deliv.Rev.54,453-456(2003),HarrisおよびChessによる、Nat.Rev.Drug.Discov.,2,(2003)ならびに国際公開第04/060965号を参照されたい。これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。タンパク質のペグ化のための種々の試薬も、例えば、Nektar Therapeutics,USAから市販されている。いくつかの実施形態では、特に、システイン残基を介した部位特異的なペグ化が使用される(例えば、Yang et al.,Protein Engineering,16,10,761-770(2003)を参照されたい。この文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、PEGの結合のための1個または複数のシステイン残基を適切に導入するように改変されるか、またはPEGの結合のための1個または複数のシステイン残基を含むアミノ酸配列が、当該技術分野において既知の技術を使用してキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のアミノ末端および/またはカルボキシ末端に融合され得る。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、N結合型またはO結合型グリコシル化を含む。いくつかの実施形態では、N結合型またはO結合型グリコシル化は、翻訳時修飾および/または翻訳後修飾の一部として導入される。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、1つまたは複数の検出可能なラベルまたはその他のシグナル生成基または部分を含む。好適なラベルおよびそれらの結合、使用および検出のための技術は、当技術分野において、既知であり、限定されないが、蛍光標識(例えば、フルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒド、ならびにフルオレサミンおよび蛍光金属、例えば、Euまたはランタニド系列の他の金属)、リン光標識、化学発光ラベルまたは生物発光ラベル(例えば、ルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウム・エステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、オキサレートエステル、ジオキセタンまたはGFPおよびその類似体)、放射性同位体、金属、金属キレートもしくは金属カチオンまたはインビボ、インビトロまたはインサイツ診断および画像処理での使用に特に適している他の金属もしくは金属カチオン、ならびに発色団および酵素(例えば、リンゴ酸脱水素酵素、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ-V-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコール脱水素酵素、アルファグリセロリン酸脱水素酵素、トリオースリン酸イソメラーゼ、ビオチンアビジンペルオキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース-VI-リン酸脱水素酵素、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼ)を含む。他の好適なラベルとしては、NMRまたはESR分光法を用いて検出できる部分が挙げられる。このように標識した本発明のVHHおよびポリペプチドは、特定の標識の選択により、例えば、インビトロ、インビボまたはインサイツアッセイ(これ自体ELISA、RIAおよびEIAおよびその他の「サンドイッチ法」などとして知られるイムノアッセイ)ならびにインビボ診断および画像処理の目的に使用し得る。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に結合または遺伝的に融合されたタグを含む。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、単一タグまたは複数タグを含み得る。例えば、タグは、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体のその標的または腫瘍抗原などのいずれか他の目的抗原に対する結合を阻害または妨害しない、ペプチド、糖、またはDNA分子である。種々の実施形態では、タグは、少なくとも約:3~5アミノ酸長、5~8アミノ酸長、8~12アミノ酸長、12~15アミノ酸長、または15~20アミノ酸長である。タグの例は、例えば、米国特許出願公開第2013/0058962号に記載されている。いくつかの実施形態では、タグは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジン(His)タグなどの親和性タグである。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、ヒスチジンタグを含む。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、例えば、1種の金属または金属カチオンをキレートするためのキレート化基を含む。好適なキレート化基は、例えば、限定されないが、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む。
いくつかの実施形態では、官能基、残基、または部分は、ビオチン-(ストレプト)アビジン結合対などの、特異的結合対の片方の部分である官能基を含む。このような官能基を使って、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を、結合対のもう一方の半分に結合された別のタンパク質、ポリペプチドまたは化学化合物に、すなわち、結合対の形成を介して、連結し得る。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をビオチンに複合化させ、アビジンまたはストレプトアビジンに複合化させた別のタンパク質、ポリペプチド、化合物または担体に連結し得る。例えば、検出可能なシグナル生成物質がアビジンまたはストレプトアビジンに複合化されている診断システムにおいて、このような結合キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を、例えば、レポーターとして用い得る。例えば、このような結合対を使用して、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を、医薬品目的に好適な担体を含む、担体に結合し得る。1つの非限定的例は、Cao and Suresh,Journal of Drug Targeting,8,4,257(2000)に記載されたリポソーム製剤である。また、このような結合対を使用して、治療活性薬剤を、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に連結し得る。
キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の産生
本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の産生方法が、本明細書で記載される。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードするDNA配列(例えば、シグナル伝達物質(例えば、IFNα1またはそのバリアント)およびターゲティング部分およびリンカーをコードするDNA配列)は、当該技術分野において既知の方法を使用して化学的に合成できる。合成DNA配列は、例えば、発現制御配列を含む他の適切なヌクレオチド配列に連結し、目的のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする遺伝子発現構築物を産生できる。したがって、種々の実施形態では、本発明は、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を提供する。
本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸は、発現ベクター中に組み込まれ(連結され)てよく、このベクターは、遺伝子導入、形質転換、または形質導入技術により宿主細胞中に導入できる。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸は、レトロウイルス形質導入により宿主細胞中に導入できる。宿主細胞の例は、大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓293(HEK293)細胞、ヒーラ細胞、仔ハムスター腎(BHK)細胞、サル腎培養細胞(COS)、またはヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、および骨髄腫細胞である。形質転換宿主細胞は、宿主細胞に、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする遺伝子を発現させるのを可能にする条件下で増殖させることができる。したがって、種々の実施形態では、本発明は、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸を含む発現ベクターを提供する。種々の実施形態では、本発明は、このような発現ベクターを含む宿主細胞をさらに提供する。
特定の発現および精製条件は、用いた発現系に応じて変化する。例えば、遺伝子が大腸菌中で発現される場合、遺伝子は最初に、操作された遺伝子を細菌プロモーター、例えば、TrpまたはTac、および原核生物シグナル配列の下流に配置することにより発現ベクター中に挿入される。別の例では、操作された遺伝子が真核生物宿主細胞、例えば、CHO細胞中で発現される場合、遺伝子は最初に、例えば、好適な真核生物プロモーター、分泌シグナル、転写促進因子、および種々のイントロンを含む発現ベクター中に挿入される。遺伝子構築物は、遺伝子導入、形質転換、または形質導入技術を用いて宿主細胞中に導入できる。
本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、タンパク質の発現を許容する条件下で、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする発現ベクターを遺伝子導入した宿主細胞を増殖させることにより産生できる。発現後、タンパク質を収集し、例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジンタグなどの親和性タグまたはクロマトグラフィーにより、当該技術分野において周知の技術を用いて精製できる。
したがって、種々の実施形態では、本発明は、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸を提供する。種々の実施形態では、本発明は、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸を含む宿主細胞を提供する。
種々の実施形態では、IFNα1、そのバリアント、またはIFNα1またはそのバリアントを含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、例えば、患者中でインビボ発現され得る。例えば、種々の実施形態では、IFNα1、そのバリアント、またはIFNα1またはそのバリアントを含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、IFNα1またはそのバリアント、またはIFNα1またはそのバリアントを含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする核酸の形で投与され得る。種々の実施形態では、核酸はDNAまたはRNAである。いくつかの実施形態では、IFNα1、そのバリアント、またはIFNα1またはそのバリアントを含むキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、修飾mRNA、すなわち、1種または複数の修飾ヌクレオチドを含むmRNAによりコードされる。いくつかの実施形態では、修飾mRNAは、米国特許第8,278,036号で見出される1つまたは複数の修飾を含む。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、修飾mRNAは、m5C、m5U、m6A、s2U、Ψ、および2’-O-メチル-Uの内の1種または複数を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、1個または複数の本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をコードする修飾mRNAの投与に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、修飾mRNAを含む遺伝子治療ベクターに関する。いくつかの実施形態では、本発明は、修飾mRNAを含む遺伝子治療ベクターに関する。種々の実施形態では、核酸は、腫瘍溶解性ウイルス、例えば、アデノウイルス、レオウイルス、はしか、単純ヘルペス、ニューカッスル病ウイルスまたはワクシニアの形態である。
種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、VHHであるターゲティング部分を含む。種々の実施形態では、VHHは、特定の生物源または特定の産生法に限定されない。例えば、VHHは通常、次記により得ることができる:(1)天然の重鎖抗体のVHHドメインを単離することにより;(2)天然のVHHドメインをコードするヌクレオチド配列の発現により;(3)天然のVHHドメインの「ヒト化」により、またはこのようなヒト化VHHドメインをコードする核酸の発現により;(4)ヒト由来などの哺乳動物種由来などの任意の動物種由来の天然のVHドメインの「ラクダ化」、またはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現により;(5)当該技術分野で記載の「ドメイン抗体」または「Dab」の「ラクダ化」により、またはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現により;(6)当該技術分野において既知のタンパク質、ポリペプチドまたはその他のアミノ酸配列のための合成または半合成技術を用いることにより;(7)当該技術分野において既知の核酸合成技術を用いてVHHをコードする核酸を調製し、続けて、こうして得られた拡散を発現させることにより;および/または(8)前述の1種または複数の任意の組み合わせにより。
ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、目的の標的に対する天然の重鎖抗体のVHHドメインに対応するVHHを含む。いくつかの実施形態では、このようなVHH配列は通常、ラクダ科の動物種を目的の標的(例えば、XCR1、Clec9a、CD8、SIRP1α、FAPなど)に基づく分子で適切に免疫化する(すなわち、目的の標的に対する免疫応答を生じさせる、および/または目的の標的に対する重鎖抗体を産生させるように)ことにより、ラクダ科の動物から好適な生物試料(例えば、血液試料、またはB細胞の任意の試料)を得ることにより、および任意の好適な既知の技術を用いて、試料から出発して、目的の標的に対するVHH配列を生成することにより、生成または得ることができる。いくつかの実施形態では、目的の標的に対する天然のVHHドメインは、ラクダ科の動物VHH配列の未処理ライブラリーから、例えば、当技術分野で既知の1種または複数のスクリーニング技術を使って、目的の標的、またはその少なくとも1個の部分、フラグメント、抗原決定基またはエピトープを用いてこのようなライブラリーをスクリーニングすることにより、得ることができる。このようなライブラリーおよび技術は、例えば、国際公開第99/37681号、国際公開第01/90190号、国際公開第03/025020号、および国際公開第03/035694号に記載されている。これらの特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、例えば、国際公開第00/43507号に記載のランダム変異誘発および/またはCDRシャッフリングなどの技術により未処理VHHライブラリーから得られたVHHライブラリーなどの未処理VHHライブラリー由来の改善された合成または半合成ライブラリーを使用し得る。この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、目的の標的に対するVHH配列を得る別の技術は、重鎖抗体を発現できる遺伝子導入哺乳動物を適切に免疫化し(すなわち、目的の標的に対する免疫応答を生じさせる、および/または目的の標的に対する重鎖抗体を産生させるように免疫化し)、遺伝子導入哺乳動物から好適な生物試料(例えば、血液試料、またはB細胞の任意の試料)を得て、その後、任意の好適な既知の技術を用いて、試料から出発して、XCR1に対するVHH配列を生成することを含む。例えば、このために、国際公開第02/085945号および国際公開第04/049794号(これらの特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の重鎖抗体発現マウスおよびさらなる方法および技術を使用できる。
ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、「ヒト化」、すなわち、天然のVHH配列(および特に、フレームワーク配列中の)のアミノ酸配列の1個または複数のアミノ酸残基を、ヒトの従来の4鎖抗体由来のVHドメイン中の対応する位置(単一または複数)にある1個または複数のアミノ酸残基で置換しているVHHを含む。これは、当該技術分野において既知のヒト化技術を使用して実施できる。いくつかの実施形態では、可能なヒト化置換またはヒト化置換の組み合わせは、当該技術分野において既知の方法、例えば、VHHの配列と天然のヒトVHドメインの配列との間の比較により決定し得る。いくつかの実施形態では、ヒト化置換は、得られたヒト化VHHが置換後の時点でも有利な機能特性を保持しているように選択される。通常、ヒト化の結果として、本発明のVHHは、より「ヒト様」になり得るが、対応する天然のVHHドメインと比較して、低減された免疫原性などの好ましい特性を依然として保持している。種々の実施形態では、本発明のヒト化VHHは、当該技術分野において既知の任意の好適な方法で得ることができ、したがって、出発材料として天然のVHHドメインを含むポリペプチドを用いて得たポリペプチドに厳密に限定されない。
ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、「ラクダ化」、すなわち、従来の4鎖抗体由来の天然のVHドメインのアミノ酸配列の1個または複数のアミノ酸残基を、ラクダ科の動物の重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置(単一または複数)にある1個または複数のアミノ酸残基で置換しているVHHを含む。いくつかの実施形態では、このような「ラクダ化」置換は、VH-VLインターフェースを形成するおよび/または、そこに存在するアミノ酸位置に、および/またはいわゆるラクダ科の顕著な特徴残基(例えば、国際公開第94/04678号を参照されたい。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)の位置に挿入されるいくつかの実施形態では、ラクダ化VHHを生成するまたは設計するための出発材料または出発点として用いられるVH配列は、哺乳動物由来のVH配列、例えば、VH3配列などの、ヒトのVH配列である。種々の実施形態では、ラクダ化VHHは、当該技術分野において既知の任意の好適な方法で得ることができ(すなわち、上記(1)~(8)で示したような)、したがって、出発材料として天然のVHドメインを含むポリペプチドを用いて得たポリペプチドに厳密に限定されない。
種々の実施形態では、「ヒト化」および「ラクダ化」の両方は、天然のVHHドメインまたはVHドメインをコードするヌクレオチド配列をそれぞれ用意し、次に、当該技術分野において既知の方法で、ヌクレオチド配列中の1個または複数のコドンを新規ヌクレオチド配列がそれぞれ「ヒト化」または「ラクダ化」VHHをコードするような方法で変更することにより実施することができる。この核酸は、その後、本発明の目的のVHHを得るように、当該技術分野において既知の方法で発現させることができる。あるいは、天然のVHHドメインまたはVHドメインそれぞれのアミノ酸配列に基づいて、目的の本発明のヒト化またはラクダ化VHHのそれぞれのアミノ酸配列を設計し、その後、当該技術分野において既知のペプチド合成技術を用いて、新規に合成できる。また、天然のVHHドメインまたはVHドメインそれぞれのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列に基づいて、目的のヒト化またはラクダ化VHHのそれぞれをコードするヌクレオチド配列を設計し、次に当該技術分野において既知の核酸合成技術を用いて新規に合成でき、その後、こうして得られた核酸を、本発明の目的のVHHが得られるように、当該技術分野において既知の方法で発現させることができる。天然のVH配列またはVHH配列から出発して、本発明のVHHおよび/またはそれをコードする核酸を得るその他の好適な方法および技術は、当技術分野において既知であり、例えば、1つまたは複数の天然のVH配列(1つまたは複数のFR配列および/またはCDR配列など)の1個または複数の部分、1つまたは複数の天然のVHH配列(1つまたは複数のFR配列またはCDR配列など)の1個または複数の部分、および/または1つまたは複数の合成または半合成配列を、本発明のVHHまたはそれをコードするヌクレオチド配列もしくは核酸を得るように、好適な方法で組み合わせることを含み得る。
薬学的に許容可能な塩および賦形剤
本明細書で記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、充分に塩基性の官能基を有することができ、これは無機もしくは有機酸またはカルボキシル基と反応することができ、またこれは、無機または有機塩基と反応することができ、薬学的に許容可能な塩を形成することができる。薬学的に許容可能な酸付加塩は、当該技術分野でよく知られているように、薬学的に許容可能な酸から形成される。このような塩には、例えば、Journal of Pharmaceutical Science,66,2-19(1977)およびThe Handbook of Pharmaceutical Salts;Properties,Selection,and Use.P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Verlag,Zurich(Switzerland)2002、に挙げられた薬学的に許容可能な塩を含む。これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
薬学的に許容可能な塩としては、非限定的例であるが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、ホスフェート、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン-2-安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-1,4-ジカルボキシレート、ヘキシン-1,4-ジカルボキシレート、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ケイ皮酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、ヒプル酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩、テラフタル酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p-ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ナフタレン-1,5-スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、および酒石酸塩が挙げられる。
「薬学的に許容可能な塩」という用語はまた、カルボン酸官能基などの酸性官能基、および塩基を有する本発明の組成物の塩を指す。適切な塩基としては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などのその他の金属の水酸化物;アンモニア、および非置換またはヒドロキシ置換のモノ-、ジ-、またはトリ-アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの有機アミン;トリブチルアミン;ピリジン;N-メチル、N-エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ-、ビス-、またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、またはトリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどのモノ-、ビス-、またはトリス-(2-OH-低級アルキルアミン)、N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミンなどのN,N-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシル-低級アルキル)-アミン;N-メチル-D-グルカミン;およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載の組成物は、薬学的に許容可能な塩の形態である。
医薬組成物および製剤
種々の実施形態では、本発明は、本明細書で記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体および薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。本明細書で記載のいずれの医薬組成物も、薬学的に許容可能な担体またはビークルを含む組成物の成分として、対象に投与することができる。このような組成物は、適切な投与用の形態を与えるように、適切な量の薬学的に許容可能な賦形剤を任意に含み得る。
種々の実施形態では、医薬賦形剤は、ピーナッツオイル、大豆油、ミネラルオイル、ゴマ油などの石油、動物、植物、または人工起源のものを含む、水および油などの液体であり得る。医薬賦形剤は、例えば、食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、滑石、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素なであってよい。さらに、助剤、安定化剤、増粘化剤、潤滑剤、および着色料を使用することができる。一実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、対象に投与される場合、無菌である。本明細書で記載のいずれかの薬剤が静脈内に投与される場合、水は有用な賦形剤である。生理食塩水および水性デキストロースならびにグリセリン溶液はまた、液体賦形剤として、特に注射可能溶液に用いることができる。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセリンモノステアレート、滑石、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセリン、プロピレン、グリコール、水、エタノールなども挙げられる。本明細書で記載のいずれの薬剤も、必要に応じ、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含んでよい。適切な医薬賦形剤のそのほかの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447-1676(Alfonso R.Gennaro eds.,19th ed.1995)に記載されている。この文献は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、種々の製剤中に記載医薬組成物(および/または追加の治療薬)を含む。本明細書で記載のいずれの本発明の医薬組成物(および/または追加の治療薬)も、液剤、懸濁剤、乳濁液、点滴剤、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル剤、液体含有カプセル剤、ゼラチンカプセル剤、散剤、徐放製剤、坐剤、乳剤、エアロゾル、噴霧剤、懸濁剤、凍結乾燥散剤、凍結懸濁剤、乾燥散剤、または使用に適するその他の任意の形態をとることができる。一実施形態では、組成物はカプセルの形態である。別の実施形態では、組成物は錠剤の形態である。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、軟質ゲルカプセルの形態に処方される。さらなる実施形態では、医薬組成物は、ゼラチンカプセルの形態に処方される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、液剤として処方される。
必要に応じて、本発明の医薬組成物(および/または追加の薬剤)は、可溶化剤も含み得る。また、薬剤は当技術分野において既知の適切なビークルまたは送達装置を使って送達することができる。本明細書で概要を述べた併用療法剤は、単一の送達ビークルまたは送達担体で同時送達できる。
本発明の医薬組成物(および/または追加の薬剤)を含む製剤は単位剤形として好都合に提供でき、薬学の分野でよく知られたいずれかの方法により調製され得る。このような方法は通常、治療薬を担体と混合するステップを含み、担体は1種または複数の補助成分を構成する。通常、製剤は、治療薬と、液体担体、微粉化固相担体、または両方とを均一に、完全に混合すること、その後、必要に応じ、生成物を所望の製剤の剤形に成形すること(例えば、湿式または乾式造粒、散剤ブレンド、など、それに続く、当該技術分野で既知の従来の方法を使って錠剤化すること)により調製される。
種々の実施形態では、本明細書で記載のいずれの医薬組成物(および/または追加の薬剤)も、本明細書で記載の投与方法に適合された組成物として、ルーチン手順に従って処方される。
投与経路は、例えば、経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、直腸内、吸入、または局所を含む。投与は局所的または全身性であり得る。いくつかの実施形態では、投与は、経口により行われる。別の実施形態では、投与は非経口の注射による。投与方法は、開業医の自由裁量に任すことができ、一部には、病状の部位に依存する。大抵の場合、投与は本明細書で記載のいずれかの薬剤の血流中への放出をもたらす。
一実施形態では、本明細書で記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、経口投与に適合された組成物として、常法に従って処方される。経口送達用の組成物は、錠剤、トローチ剤、水性または油性懸濁剤、粒剤、散剤、乳剤、カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤の形態であってよい。経口投与される組成物は、薬学的に口当たりの良い製剤を提供するために、1種または複数の薬剤、例えば、ラクトース、アスパルテームまたはサッカリンなどの甘味料、ペパーミント、冬緑油またはチェリー油などの調味料、着色料および保存剤を含み得る。さらに、錠剤または丸薬形態では、組成物をコートして、消化管での崩壊および吸収を遅らせることにより長期間にわたり持続作用を可能とすることができる。本明細書に記載のいずれかの浸透活性駆動性キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を取り囲む選択的透過性膜も、経口投与組成物として好適である。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルの周りの環境からの液体が運搬化合物により吸収され、この化合物は膨潤し、開口部を介して薬剤または薬剤組成物を追い出す。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤の急上昇プロファイルとは対照的に、基本的に0次の送達プロファイルを提供することができる。グリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレートなどの時間遅延物質も使用することができる。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、および炭酸マグネシウムを含んでよい。一実施形態は、賦形剤は医薬品グレードである。活性化合物に加えて、懸濁剤は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天、トラガント、など、およびこれらの混合物などの沈殿防止剤を含んでよい。
非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下および関節内注射および注入)に好適な剤形は、例えば、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、などを含む。それらは、無菌の固相組成物(例えば、凍結乾燥組成物)の形態で製造されてよく、これは、使用直前に、無菌の注入可能媒体中に溶解または懸濁され得る。それらは、例えば、当該技術分野において、既知の懸濁剤または分散剤を含み得る。非経口的投与に好適な製剤成分としては、注射用の水、食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、またはその他の合成溶媒などの無菌希釈剤、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸もしくは亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤、EDTAなどのキレート化剤、アセテート、シトレート、またはホスフェートなどの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの浸透圧調節剤が挙げられる。
静脈内投与の場合、好適な担体としては、生理食塩水、静菌性水、クレモフォアELTM(BASF,Parsippany,NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。担体は、製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、微生物に対し保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、およびこれらの好適な混合物を含む、溶媒または分散媒であってよい。
本明細書にて提供される組成物は、単独でまたは他の好適な成分と組み合わせて、吸入により投与されるエーロゾル製剤(すなわち、「噴霧化」製剤)を作製することができる。エーロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの許容され得る加圧化噴射剤中に入れることができる。
本明細書で記載のいずれの本発明の医薬組成物(および/または追加の薬剤)も、当業者に既知の制御放出によりまたは徐放手段または送達装置により投与可能である。例としては、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、および同第5,733,556号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの特許のそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。このような剤形は、例えば、ヒドロプロピルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、その他のポリマーマトリクス、ゲル、浸透膜、浸透系、多層被膜、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、またはこれらの組み合わせを用いて、1種または複数の有効成分の制御放出または徐放を可能にするために有用であり、様々な割合での所望の放出プロファイルを提供することができる。本明細書に記載されたものを含む当業者に既知の適切な制御放出または徐放製剤は、本明細書で記載の薬剤の有効成分と共に使用する上で容易に選択することができる。本発明はこのように、限定されないが、制御放出または徐放に適合された錠剤、カプセル、ジェルカプセルおよびカプレットなどの経口投与に好適な単位剤形を提供する。
有効成分の制御放出または徐放は、限定されないが、pH変化、温度変化、適切な波長の光による刺激、酵素の濃度もしくは利用可能性、水の濃度または利用可能性、または他の生理学的条件または化合物を含む、種々の条件により刺激できる。
別の実施形態では、徐放系を、治療される標的領域の近傍に配置でき、したがって全身用量の一部のみを必要とする(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,supra,vol.2,pp.115-138(1984)を参照)。Langer,1990,Science 249:1527-1533、中の概説で考察されている他の放出制御系を使用し得る。
医薬製剤は好ましくは無菌である。無菌化は、例えば、無菌濾過膜で濾過することにより達成される。組成物が凍結乾燥される場合、凍結乾燥および再構成の前またはその後でフィルター滅菌を行うことができる。
投与および投与量
本発明により投与されるキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の実際の用量は、特定の剤形および投与方法に応じて変わるであろうということは理解されよう。当業者なら、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の作用を変える多くの要因(例えば、体重、性別、食事、投与時期、投与経路、排出速度、対象の状態、薬剤の組み合わせ、遺伝的素因および反応感度)を考慮に入れることができる。投与は、最大耐量の範囲内で連続的にまたは1種または複数の別々の投与量で実施できる。与えられた一連の条件に対する最適投与速度は、従来の用量投与試験を使って、当業者により確認できる。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の好適な投与量は、約0.01μg/kg~約100mg/kgの対象の体重、約0.01μg/kg~約10mg/kgの対象の体重、または約0.01μg/kg~約1mg/kgの対象の体重の範囲であり、例えば、約0.01μg/kg、約0.02μg/kg、約0.03μg/kg、約0.04μg/kg、約0.05μg/kg、約0.06μg/kg、約0.07μg/kg、約0.08μg/kg、約0.09μg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、1.9mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg体重、または約100mg/kg体重(これらの間の全ての値および範囲を含む)である。
キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の個々の用量は、例えば、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル、または液体製剤)あたり、約1μg~約100mg、約1μg~約90mg、約1μg~約80mg、約1μg~約70mg、約1μg~約60mg、約1μg~約50mg、約1μg~約40mg、約1μg~約30mg、約1μg~約20mg、約1μg~約10mg、約1μg~約5mg、約1μg~約3mg、約1μg~約1mg、または約1μg~約50μgを含む単位剤形として投与できる。例えば、単位剤形は、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、または約100mg(これらの間の全ての値および範囲を含む)であり得る。
一実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、毎日約1μg~約100mg、毎日約1μg~約90mg、毎日約1μg~約80mg、毎日約1μg~約70mg、毎日約1μg~約60mg、毎日約1μg~約50mg、毎日約1μg~約40mg、毎日約1μg~約30mg、毎日約1μg~約20mg、毎日約01μg~約10mg、毎日約1μg~約5mg、毎日約1μg~約3mg、または毎日約1μg~約1mgの量で投与される。種々の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、または約100mg(これらの間の全ての値および範囲を含む)の1日量で投与される。
本発明の特定の実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を含む医薬組成物は、例えば、1日2回以上(例えば、毎日約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、または約10回)、1日約1回、約1日おき、約3日おき、週約1回、2週毎に約1回、毎月約1回、2か月毎に約1回、3か月毎に約1回、6か月毎に約1回、または毎年約1回投与され得る。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を含む医薬組成物は、週約3回投与される。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、長期間にわたり投与され得る。例えば、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、本明細書に記載のように、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約9週間、少なくとも約10週間、少なくとも約11週間、または少なくとも約12週間にわたり投与され得る。例えば、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、12週間、24週間、36週間または48週間にわたり投与され得る。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、少なくとも約1か月間、少なくとも約2か月間、少なくとも約3か月間、少なくとも約4か月間、少なくとも約5か月間、少なくとも約6か月間、少なくとも約7か月間、少なくとも約8か月間、少なくとも約9か月間、少なくとも約10か月間、少なくとも約11か月間、または少なくとも約12か月間にわたり投与される。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、少なくとも約1年間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間にわたり投与され得る。
併用療法および追加の治療薬
種々の実施形態では、本発明の医薬組成物は、追加の治療薬と共に同時投与される。同時投与は、同時または順次であってよい。
一実施形態では、追加の治療薬および本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、対象に同時に投与される。本明細書で使用される場合、用語「同時に」は、追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体が、約60分以下、例えば、約30分以下、約20分以下、約10分以下、約5分以下、または約1分以下の時間間隔で投与されることを意味する。追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の投与は、単一製剤(例えば、追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を含む製剤)または別々の製剤(例えば、追加の治療薬を含む第1の製剤およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体を含む第2の製剤)の同時投与により行うことが可能である。
同時投与は、それらの投与のタイミングが、追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の薬理学的活性が時間経過と共に重なりあい、それにより組み合わされた治療効果が発揮されるような場合には、治療薬が同時に投与される必要はない。例えば、追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、順次に投与できる。本明細書で使用される場合、用語「順次に」は、追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体が、約60分を超える時間間隔で投与されることを意味する。例えば、追加の治療薬とキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体との逐次投与の間の時間は、約60分を超えて、約2時間を超えて、約5時間を超えて、約10時間を超えて、約1日を超えて、約2日を超えて、約3日を超えて、約1週間を超えて間隔を開ける、約2週間を超えて間隔を開ける、または約1か月を越えて間隔を開けることができる。最適投与時間は、投与される追加の治療薬およびキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の代謝、排泄速度、および/または薬力学的活性に依存するであろう。追加の治療薬またはキメラタンパク質もしくはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、最初に投与してよい。
同時投与はまた、治療薬が同じ投与経路により対象に投与される必要はない。むしろ、それぞれの治療薬は、任意の適切な経路、例えば、非経口または経口(non-parenterally)で投与できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、別の治療薬と同時投与されると、相乗的に作用する。このような実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体および追加の治療薬は、その治療薬が単剤療法で使用される場合に採用される用量よりも低い用量で投与され得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬としての化学療法剤に関する。例えば、限定されないが、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体と化学療法剤とのこのような組み合わせは、本明細書の別の場所で記載のように、癌の治療に使用される。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ、CYTOXAN(シクロホスファミド)、スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン、アジリジン、例えば、ベンゾドーパ,カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ、エチレンイミン、メチラメラミン例えば、アルトレタミン、トリエチルエネメラミン、トリエチレンネフォスフォラミド、トリエチレンチオフォスフォラミドおよび、トリメチロールメラミン、アセトゲニン(例えば、ブラタシン、ブラタチノン)、カントテシン(合成類似剤トポテカンを含む)、ブリオスタチン、カリスタチン(cally statin)、CC-1065(アドゼレシン、カルゼルシンおよびビゼレシン合成類似体を含む)、クリプトフィシン(例えば、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8など)、ドラスタチン、デュオカルマイシン(合成類似薬KW-2189およびCB1-TM1を含む)、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコディクチン、スポンギスタチン、ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロルエタミン塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムスチン(ranimnustine)、抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(カリチアマイシン、特にカリチアマイシンガンマIIとカリチアマイシンオメガII(Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl.,33:183-186(1994)を参照)、ダイネマイシン、ダイネマイシンAを含む、ビスフォスフォネート、例えば、クロドロネート、エスペラマイシン、ならびに、ネオカルジノスタチン発色団および関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)(モルフォリノドキソルビシン、シアノモルフォリノドキソルビシン、2-ピロリノドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、チュベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン、代謝拮抗薬、例えば、メトトレキセートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)、葉酸の類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサート、プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、抗副腎物質、例えば、アミノグルテチミド(minoglutethimide)、ミトタン、トリロスタン、葉酸補充液、例えば、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート(edatraxate)、デメコルチン、ジアジクオン、エルフォルミチン(elformithine)、エリプチニウムアセテート、エポチロン、エトグルシド、ガリウムニトレート、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダミン(lonidainine)、メイタンシノイド、例えば、メイタンシンおよびアンサマイトシン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.)、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(例えば、T2毒、ベラクリンA、ロリジンA、およびアングイディン)、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(アラ-C)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソイド、例えば、タキソールパクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、アブラキサンクレモフォアフリー、アルブミン処理ナノ粒子形成パクリタキセル(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,111.)、タキソテールドキセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France)、クロランブシル、ジェムザール(ゲムシタビン)、6-チオグアニン、メルカプトプリン、メトトレキセート、白金類似体、例えば、シスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ナベルビン(ビノレルビン)、ノバントロン、テニポシド、エダトレキセート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(キャンプトサー,CPT-11)(イリノテカンと5-FUおよびロイコボリンの治療法を含む)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、ヂルルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイド、例えば、レチノイン酸、カペシタビン、コンブレタスタチン、ロイコボリン(LV)、オキサリプラチン、オキサリプラチン治療法(FOLFOX)を含む、ラパチニブ(Tykerb)、PKC-α、Raf、H-Ras、EGFRの阻害剤(例えば、エルロチニブ(Tarceva)および細胞増殖を抑制するVEGF-Aならびに上述のいずれかの薬剤の薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体、が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、治療の方法は、放射線の使用をさらに含み得る。さらに、治療の方法は、光線力学的治療の使用をさらに含み得る。
限定されないが、感染症適用を含む、いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬としての抗感染薬に関する。いくつかの実施形態では、抗感染薬は、抗ウイルス薬であり、これは、限定されないが、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アンプレナビル、アタザナビル、シドフォヴィル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エトラビリン、ファムシクロビル、およびホスカルネットを含む。いくつかの実施形態では、抗感染薬は抗菌剤であり、これは、限定されないが、セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロール、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、およびセフトビプロール);フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レヴァキン、フロキシン、テクイン、アベロックスおよびノルフロックス);テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、およびドキシサイクリン);ペニシリン系抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、およびメチシリン);モノバクタム系抗生物質(アズトレオナム);およびカルバペネム系抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、およびメロペネム)を含む。いくつかの実施形態では、抗感染薬は、抗マラリア薬(例えば、クロロキン、キニーネ、メフロキン、プリマキン、ドキシサイクリン、アーテメータ/ルメファントリン、アトバクオン/プログアニルおよびスルファドキシン/ピリメタミン)、メトロニダゾール、チニダゾール、イベルメクチン、パモ酸ピランテル、およびアルベンダゾールを含む。
例示的実施形態では、本発明は、追加の治療薬としての肝炎治療薬の使用に関する。種々の実施形態では、肝炎治療薬としては、限定されないが、イントロンAなどのIFNαまたはペガシスまたはペグイントロンなどのペグ化IFNα、ボセプレビル、シメプレビル、ソホスブビル、シメプレビル、ダクラタスビル、レジパスビル/ソホスブビル(ハーボニー)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(テクニヴィ)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル/ダサブビル(ヴィキラ・パック)、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テルビブジン、エンテカビル、テノホビル、ベルパタスビル、エルバスビル、グラゾプレビル、ダサブビル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、追加の治療薬は、IFNα(例えば、イントロンA)またはペグ化IFNα(例えば、ペガシスまたはペグイントロン)である。別の実施形態では、追加の治療薬は、リバビリンである。
いくつかの実施形態では、本発明は、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体および免疫抑制剤を用いる併用療法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫抑制剤を用いる治療を受けている患者に対するClec9A結合物質の投与に関する。
ある実施形態では、免疫抑制剤は、TNFである。例示的実施形態では、本明細書に記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、TNFと共投与されると、相乗的に作用する。例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、腫瘍または癌の治療での使用において、TNFと共投与されると相乗的に作用する。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体とTNFとの共投与は、相乗的に作用して、腫瘍または癌を低減または除去し得、または腫瘍または癌の増殖および/または進行および/または転移を遅らせ得る。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体とTNFの組み合わせは、単剤療法の場合に単独で使用される薬剤に比べて、改善された安全性プロファイルを示し得る。このような実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体およびTNFは、その治療薬が単剤療法で使用される場合に採用される用量よりも低い用量で投与され得る。
いくつかの実施形態では、限定されないが、自己免疫適用を含む、追加の治療薬は、ステロイド性抗炎症剤または非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)などの抗炎症剤である、免疫抑制剤である。ステロイド、特に副腎皮質ホルモン剤およびそれらの合成類似体は当該技術分野においてよく知られている。本発明で有用な副腎皮質ステロイドの例としては、ヒドロキシルトリアムシノロン、α-メチルデキサメタゾン、β-メチルβ-メタゾン、ベクロメタゾンジプロピオネート、β-メタゾンベンゾエート、β-メタゾンジプロピオネート、β-メタゾンバレレート、クロベタゾールバレレート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラソンジアセテート、ジフルコルトロンバレレート、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルメタゾンピバレート、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)アセテート、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾンブチレート、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、ジフルオロゾンジアセテート、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびその残りのエステル、クロロプレドニソン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドネート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニソロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ベクロメタゾンジプロピオネートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用してよい(NSAIDS)としては、限定されないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、グリコールサリチレート、サリチルアミド、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、イブプロフェン、スリンダク(fulindac)、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、フェニルブタゾン、およびインドメタシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫抑制剤は、アルキル化剤、代謝拮抗物質(例えば、アザチオプリン、メトトレキセート)、細胞傷害性抗生物質、抗体(バシリキシマブ、ダクリズマブ、およびムロモナブ)、抗イムノフィリン剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス)、インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノレート、および小分子生物学的製剤(例えば、フィンゴリモド、ミリオシン)などの細胞分裂阻害薬であってよい。追加の抗炎症剤は、例えば、米国特許第4,537,776号に記載され、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬として肥満症を治療するために使用される種々の薬剤に関する。肥満症の治療に使用するための薬剤の例としては、限定されないが、オルリスタット(例えば、ALL1、ゼニカル)、ロルカセリン(loracaserin)(例えば、BELVIQ)、フェンテルミントピラメート(例えば、キューシミア)、シブトラミン(sibutramme)(例えば、REDUCTILまたはMERJDIA)、リモナバン(アコンプリア(ACOMPLLA))、エキセナチド(例えば、バイエッタ)、プラムリンチド(例えば、シムリン)、フェンテルミン、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン(phendimetrazme)、ブプロピオン、およびメトホルミンが挙げられる。食物中の特定の栄養素を吸収する身体の能力を妨げる薬剤は、追加の薬剤であり、例えば、オルリスタット(例えば、ALU、ゼニカル)グルコマンナン、およびグアーガムである。食欲を抑える薬剤も追加の薬剤であり、例えば、カテコールアミンならびにこれらの誘導体(例えば、フェンテルミン(phenteimine)および他のアンフェタミン系薬物)、種々の抗うつ剤および気分安定剤(例えば、ブプロピオンおよびトピラマート)、食欲抑制薬(例えば、デキセドリン、ジゴキシン)である。身体の代謝を高める薬剤もまた、追加の薬剤である。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、食欲抑制薬、神経伝達物質再取り込み阻害剤、ドパミン作動薬、セロトニン作動薬、GABA作動性シグナル伝達調節薬、抗けいれん薬、抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、物質P(NK1)受容体アンタゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、脂肪吸収抑制剤、エネルギー摂取または代謝調節薬、カンナビノイド受容体調節薬、中毒治療剤、代謝症候群治療剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)調節薬;ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)アンタゴニスト、心臓血管疾患治療剤、高トリグリセリド値治療剤、低HDL治療剤、高コレステロール血症治療剤、および高血圧治療剤から選択される。心臓血管疾患のためのいくつかの薬剤としては、スタチン系薬剤(例えば、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン)およびオメガ-3薬剤(例えば、ロバザ、エパノバ(EPANQVA)、バシーパ、エステル化オメガ3系、通常、魚油、オキアミ油、藻油)が挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、スルホニル尿素(suifonyl urea)、メグリチニド、チアゾリジンジオン、ビグアニド、β遮断薬、XCE阻害剤、利尿薬、ニトレート、カルシウムチャネル遮断薬、フェンテルミン(phenlermine)、シブトラミン、ロルカセリン(iorcaserin)、セチリスタット、リモナバン、タラナバント、トピラメート、ガバペンチン、バルプロ酸、ビガバトリン、ブプロピオン、チアガビン、セルトラリン、フルオキセチン、トラゾドン、ゾニサミド、メチルフェニデート、バレニクリン、ナルトレキソン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、レパグリニド(rcpaglini.de)、ナテグリニド、グリメピリド、メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン(rosiglilazone)から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬として糖尿病を治療するために使用される薬剤に関する。抗糖尿病約の例としては、限定されないが、スルホニルウレア(例えば、DYMELOR(アセトヘキサミド))、ジアビネーゼ(クロルプロパミド)、オリナーゼ(トルブタミド)、およびトリナーゼ(トラザミド)、グルコトロール(グリピジド)、グルコトロールXL(持続放出)、ダイアベータ(グリブリド)、ミクロナーゼ(グリブリド)、グリナーゼプレスタブ(グリブリド)、およびアマリール(グリメピリド));ビグアニド(例えば、メトホルミン(グルコファージ、グルコファージXR、リオメット、フォルタメット、およびグルメツア));チアゾリジンジオン(例えば、アクトス(ピオグリタゾン)およびアバンディア(ロシグリタゾン);アルファグルコシダーゼ阻害剤(例えば、プレコース(アカルボース)およびグリセット(ミグリトール);メグリチニド(例えば、プランジン(レパグリニ)およびスターリックス(ナテグリニド));ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)阻害剤(例えば、ジャヌビア(シタグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、およびトラゼンタ(リナグリプチン));ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤(例えば、インヴォカナ(カナグリフロジン(canaglifozin)));および合剤型ピル(例えば、グリブリド(スルホニルウレア)とメトホルミンを組み合わせたグルコバンス;グリピジド(スルホニルウレア)とメトホルミンを組み合わせたメタグリップ;およびメトホルミンとロシグリタゾン(アバンディア)の両方を1つのピルに入れて使用するアバンダメット、カザノ(アログリプチンとメトホルミン)、オセニ(アログリプチン+ピオグリタゾン)、メトホルミン経口、アクトス経口、バイエッタ皮下、ジャヌビア経口、ウェルコール経口、ジャヌメット経口、グリピジド経口、グリメピリド経口、ルコファージ経口、ランタス皮下、グリブリド経口、オングリザ経口、アマリール経口、ランタスソロスター皮下、ビデュリオン皮下、レベミルフレックスペン皮下、アクトプラスメット経口、グルメツア経口、トラゼンタ経口、ブロモクリプチン経口、コンビグライゼXR経口、インヴォカナ経口、プランジン経口、レベミル皮下、パーロデル経口、ピオグリタゾン経口、ノボログ皮下、ノボログフレックスペン皮下、ビクトーザ2-PAK皮下、ヒューマログ皮下、スターリックス経口、フォルタメット経口、グルコバンス経口、ルコファージXR経口、ノボログミックス70-30フレックスペン皮下、グリブリド-メトホルミン経口、アカルボース経口、シムリンペン60皮下、グルコトロールXL経口、ノボリンR注射、グルコトロール経口、デュエタクト経口、シタグリプチン経口、シムリンペン120皮下、ヒューマログクイックペン皮下、ジャヌメットXR経口、グリピジド-メトホルミン経口、シクロセット経口、ヒューマログミックス75-25皮下、ナテグリニド経口、ヒューマログミックス75-25クイックペン皮下、ヒューマリン70/30皮下、プレコース経口、アピドラ皮下、ヒューマリンR注射、Jentadueto経口、ビクトーザ3-Pak皮下、ノボリン70/30皮下、ノボリンN皮下、インスリンデテミル皮下、微粒子化グリブリド経口、グリナーゼ経口、ヒューマリンN皮下、インスリングラルギン皮下、リオメット経口、ピオグリタゾン-メトホルミン経口、アピドラソロスター皮下、インスリンリスプロ皮下、グリセット経口、ヒューマリン70/30PEN皮下、コレセベラム経口、シタグリプチン-メトホルミン経口、ダイアベータ経口、インスリン通常ヒト注射、ヒューマリンN PEN皮下、エキセナチド皮下、ヒューマログミックス50-50クイックペン皮下、リラグルチド皮下、カザノ経口、レパグリニ経口、クロルプロパミド経口、インスリンアスパルト皮下、ノボログミックス70-30皮下、ヒューマログミックス50-50皮下、サキサグリプチン経口、アクトプラスメットXR経口、ミグリトール経口、NPHインスリンヒト組換え皮下、インスリンNPHおよび通常ヒト皮下、トラザミド経口、ミフェプリストン経口、インスリンアスパルトプロタミン-インスリンアスパルト皮下、レパグリニ-メトホルミン経口、サキサグリプチン-メトホルミン経口、リナグリプチン-メトホルミン経口、ネシーナ経口、オセニ経口、トルブタミド経口、インスリンリスプロプロタミンおよびリスプロ皮下、プラムリンチド皮下、インスリングルリジン皮下、ピオグリタゾン-グリメピリド経口、プランディメット経口、ノボログペンフィル皮下、リナグリプチン経口、エキセナチドマイクロスフェア皮下、KORLYM経口、アログリプチン経口、アログリプチン-ピオグリタゾン経口、アログリプチン-メトホルミン経口、カナグリフロジン経口、リスプロ(ヒューマログ);アスパルト(ノボログ);グルリジン(アピドラ);標準(ノボリンRまたはヒューマリンR);NPH(ノボリンNまたはヒューマリンN);グラルギン(ランタス);デテミル(レベミル);ヒューマリンまたはノボリン70/30;およびノボログミックス70/30ヒューマログミックス75/25または50/50が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法と組み合わせて使用されると、相乗的に作用する。例示的実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、腫瘍または癌の治療において、CAR T細胞療法と組み合わせて使用されると相乗的に作用する。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体薬剤は、血液系腫瘍の治療において、CAR T細胞療法と組み合わせて使用されると相乗的に作用する。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、固形腫瘍の治療において、CAR T細胞療法と組み合わせて使用されると相乗的に作用する。例えば、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体およびCAR T細胞の使用は、相乗的に作用して、腫瘍または癌を低減または除去し、または腫瘍または癌の増殖および/または進行および/または転移を遅らせ得る。種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CAR T細胞分裂を誘導する。種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CAR T細胞増殖を誘導する。種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、CAR T細胞のアネルギーを防止する。
種々の実施形態では、CAR T細胞療法は、抗原(例えば、腫瘍抗原)、例えば、限定されないが、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、5T4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD47、CS1、CD138、Lewis-Y、L1-CAM、MUC16、ROR-1、IL13Rα2、gp100、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、B細胞成熟抗原(BCMA)、ヒトパピローマタイプ16 E6(HPV-16 E6)、CD171、葉酸受容体アルファ(FRα)、GD2、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、メソテリン、EGFRvIII、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、癌胎児抗原(CEA)、および血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)、ならびに当該技術分野において周知のその他の腫瘍抗原を標的とするCAR T細胞を含む。追加の腫瘍抗原の例としては、MART-1/Melan-A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連性抗原(CRC)-0017-1A/GA733、癌胎児抗原(CEA)およびその免疫原性エピトープCAP-1およびCAP-2、etv6、aml1、前立腺特異抗原(PSA)およびその免疫原性エピトープPSA-1、PSA-2、およびPSA-3、T細胞受容体/CD3-ゼータ鎖、MAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、MAGE-A1、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-C1、MAGE-C2、MAGE-C3、MAGE-C4、MAGE-C5)、GAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、GAGE-9)、BAGE、RAGE、LAGE-1、NAG、GnT-V、MUM-1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α-フェトプロテイン、E-カドヘリン、α-カテニン、β-カテニンおよびγ-カテニン、p120ctn、gp100 Pmel117、PRAME、NY-ESO-1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Ig-イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物、Smadファミリーの腫瘍抗原、lmp-1、NA、EBV-コード化核内抗原(EBNA)-1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-1、SSX-4、SSX-5、SCP-1 CT-7、c-erbB-2、CD19、CD37、CD56、CD70、CD74、CD138、AGS16、MUC1、GPNMB、Ep-CAM、PD-L1、およびPD-L2が挙げられるが、これらに限定されない。
CAR T細胞療法の例としては、JCAR014(Juno Therapeutics)、JCAR015(Juno Therapeutics)、JCAR017(Juno Therapeutics)、JCAR018(Juno Therapeutics)、JCAR020(Juno Therapeutics)、JCAR023(Juno Therapeutics)、JCAR024(Juno Therapeutics)、CTL019(Novartis)、KTE-C19(Kite Pharma)、BPX-401(Bellicum Pharmaceuticals)、BPX-501(Bellicum Pharmaceuticals)、BPX-601(Bellicum Pharmaceuticals)、bb2121(Bluebird Bio)、CD-19 Sleeping Beauty cells(眠れる森の美女細胞)(Ziopharm Oncology)、UCART19(Cellectis)、UCART123(Cellectis)、UCART38(Cellectis)、UCARTCS1(Cellectis)、OXB-302(Oxford BioMedica、MB-101(Mustang Bio)およびInnovative Cellular Therapeuticsにより開発されたCAR T細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、限定されないが、3-インターフェロン、酢酸グラチラマー、T-インターフェロン、IFNβ2(米国特許出願公開第2002/0025304号)、スピロゲルマニウム(例えば、N-(3-ジメチルアミノプロピル-2-アザ-8,8-ジメチル-8-ゲルマスピロ[4:5]デカン、N-(3-ジメチルアミノプロピル-2-アザ-8,8-ジエチル-8-ゲルマスピロ[4:5]デカン、N-(3-ジメチルアミノプロピル-2-アザ-8,8-ジプロピル-8-ゲルマスピロ[4:5]デカン、およびN-(3-ジメチルアミノプロピル-2-アザ-8,8-ジブチル-8-ゲルマスピロ[4:5]デカン)、ビタミンD類似体(例えば、1,25(OH)2D3、(例えば、米国特許第5,716,946号を参照))、プロスタグランジン(例えば、ラタノプロスト、ブリモニジン、PGE1、PGE2およびPGE3、例えば、米国特許出願公開第2002/0004525号を参照)、テトラサイクリンと誘導体(例えば、ミノサイクリンおよびドキシサイクリン、例えば、米国特許出願公開第2002/0022608号を参照)、VLA-4結合抗体(例えば、米国特許出願公開第2009/0202527号を参照)、副腎皮質刺激ホルモン、副腎皮質ステロイド、プレドニゾン、メチルプレドニソン、2-クロロデオキシアデノシン、ミトキサントロン、スルファサラジン、メトトレキセート、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、フマレート、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)、および チザニジン塩酸塩を含む多発性硬化症(MS)治療薬の1種または複数と組み合わせてMSの治療方法で使用される。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、MSの1種または複数の症状または副作用を治療する1種または複数の治療薬と組み合わせて使用される。このような薬剤としては、アマンタジン、バクロフェン、パパベリン、メクリジン、ヒドロキシジン、スルファメトキサゾール、シプロフロキサシン、ドクセート、ペモリン、ダントロレン、デスモプレシン、デキサメタゾン、トルテロジン、フェニトイン(phenyloin)、オキシブチニン、ビサコジル、ベンラファキシン、アミトリプチリン、メテナミン、クロナゼパム、イソニアジド、バルデナフィル、ニトロフラントイン、車前子親水性粘漿薬、アルプロスタジル、ガバペンチン、ノルトリプチリン、パロキセチン、プロパンテリンブロミド、モダフィニル、フルオキセチン、フェナゾピリジン、メチルプレドニゾロン、カルバマゼピン、イミプラミン、ジアゼパム、シルデナフィル、ブプロピオン、およびセルトラリンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、1種または複数の本明細書に記載の疾患修飾治療薬(DMT)(例えば、表6の薬剤)と組み合わせて多発性硬化症の治療方法で使用される。いくつかの実施形態では、本発明は、1種または複数の開示結合物質を含まない場合の、1個または複数の本明細書に記載のDMT(例えば、下表6に挙げた物質)と比べて、改善された治療効果を提供する。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体と1種または複数のDMTの組み合わせは、相乗的治療効果をもたらす。
疾患修飾治療薬の例としては、下記が挙げられるが、これらに限定されない:
いくつかの実施形態では、本発明は、輸血との併用療法に関する。例えば、本組成物は、輸血を補充し得る。いくつかの実施形態では、本発明は、鉄分補充保健薬との併用療法に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、1種または複数のEPO系薬剤との併用療法に関する。例えば、本組成物は、他のEPO系薬剤に対する補助剤として使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、他のEPO系薬剤に対する維持療法として使用される。他のEPO系薬剤としては以下のもの:ダルベポエチン(ARANESP)、エポセプト(LUPIN PHARMA)、ナノカイン(NANOGEN PHARMACEUTICAL)、エポフィット(INTAS PHARMA)、エポジェン(AMGEN)、エポジン、エプレックス、(JANSSEN-CILAG)、ビノクリット7(SANDOZ)、プロクリットを含むがこれらに限定されないエポエチンα;ネオレコルモン(HOFFMANN-LA ROCHE)、レコルモン、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ(MIRCERA、ROCHE)を含むがこれらに限定されないエポエチンβ;ダイネポ(赤血球生成刺激タンパク質、SHIRE PLC)を含むがこれに限定されないエポエチンδ;EPOMAXを含むがこれに限定されないエポエチンω;サイラポ(STADA)およびレタクリット(HOSPIRA)を含むがこれらに限定されないエポエチンζ、およびエポセプト(LUPIN PHARMACEUTICALS)、エポトラスト(PANACEA BIOTEC LTD)、エリプロセーフ(BIOCON LTD.)、レポイチン(SERUM INSTITUTE OF INDIA LIMITED)、ヴィントール(EMCURE PHARMACEUTICALS)、エポフィット(INTAS PHARMA)、エリカイン(INTAS BIOPHARMACEUTICA)、ウェポックス(WOCKHARDT BIOTECH)、エスポゲン(LG LIFE SCIENCES)、レリポエチン(RELIANCE LIFE SCIENCES)、シャンポエチン(SHANTHA BIOTECHNICS LTD)、ジロップ(CADILA HEALTHCARE LTD.)、エピアオ( 遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(RHUEPO))(SHENYANG SUNSHINE PHARMACEUTICAL CO.LTD)、CINNAPOIETIN(CINNAGEN)を含むがこれらに限定されない他のEPOが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明は、1種または複数の免疫調節薬、例えば、限定されないが、免疫チェックポイントを調節する物質を用いる併用療法に関する。種々の実施形態では、免疫調節薬は、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1種または複数を標的とする。種々の実施形態では、免疫調節薬は、PD-1阻害剤である。種々の実施形態では、免疫調節薬は、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1種または複数に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、限定されないが、例えば、ニボルバム(ONO-4538/BMS-936558、MDX1106、オプジーボ、BRISTOL MYERS SQUIBB)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ、MERCK)、ピディリズマブ(CT-011,CURE TECH)、MK-3475(MERCK)、BMS936559(BRISTOL MYERS SQUIBB)、MPDL328OA(ROCHE)などの抗体である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、CD137またはCD137Lの内の1個または複数を標的とする。種々の実施形態では、免疫調節薬は、CD137またはCD137Lの1個または複数に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、限定されないが、例えば、ウレルマブ(BMS-663513および抗4-1BB抗体としても知られる)などの抗体である。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、固形腫瘍および/またはB細胞非ホジキンリンパ腫および/または頭頸部癌および/または多発性骨髄腫の治療のために、ウレルマブと組み合わされる(任意選択で、ニボルバム、リリルマブ、およびウレルマブの1種または複数と組み合わされる)。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1種または複数を標的とする物質である。種々の実施形態では、免疫調節薬は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1種または複数に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、限定されないが、例えば、イピリムマブ(MDX-010、MDX-101、ヤーボイ、BMS)および/またはトレメリムマブ(Pfizer)などの抗体である。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、黒色腫、前立腺癌、および肺癌の1種または複数の治療のために、イピリムマブと組み合わされる(必要に応じ、バビツキシマブと組み合わされる)。種々の実施形態では、免疫調節薬は、CD20を標的とする。種々の実施形態では、免疫調節薬は、CD20に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、限定されないが、オファツムマブ(GENMAB)、オビヌツズマブ(GAZYVA)、AME-133v(APPLIED MOLECULAR EVOLUTION)、オクレリズマブ(GENENTECH)、TRU-015(TRUBION/EMERGENT)、ベルツズマブ(IMMU-106)などの抗体である。
いくつかの実施形態では、本発明は、国際公開第2013/10779号、国際公開第2015/007536号、国際公開第2015/007520号、国際公開第2015/007542号、および国際公開第2015/007903号に記載の1種または複数のキメラ物質との併用療法に関する。これらの特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、修飾されている誘導体、すなわち、共有結合が組成物の活性を妨げないような任意のタイプの分子の組成物への共有結合により修飾されている誘導体を含む。例えば、限定するものではないが、誘導体は、特に、グリコシル化、脂質化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロック基による誘導体化、タンパク質切断、細胞リガンドまたはその他のタンパク質への結合、などにより修飾されている組成物を含む。多くの化学修飾のいずれかを既知の技術、例えば、限定されないが、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成、などを使って行うことができる。
さらにその他の実施形態では、本明細書に記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、例示的実施形態では、毒素、化学療法剤、放射性同位元素、およびアポトーシスまたは細胞死を引き起こす物質を含む細胞傷害薬をさらに含む。このような物質は、本明細書に記載の組成物に複合化され得る。
本明細書で記載のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体をこのように翻訳後修飾して、化学リンカーなどのエフェクター部分、例えば、蛍光染料、酵素、基質、生物発光物質、放射性物質、および化学発光部分などの検出可能な部分、または、例えば、ストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、細胞毒、細胞傷害性薬、および放射性物質などの機能的部分を付加し得る。
細胞傷害薬の例としては、メトトレキセート、アミノプテリン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン;アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、マイトマイシンC、ロムスチン(CCNU)、1-メチルニトロソウレア、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、メクロレタミン、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチンおよびカルボプラチン(パラプラチン));アントラサイクリン(ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン(アドリアマイシン)、デトルビシン、カルミノマイシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびビサントレンを含む);抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ブレオマイシン、カリチアマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC)を含む);有糸分裂阻害薬(antimytotic agent)(例えば、ビンカアルカロイドビンカアルカロイド、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。その他の細胞傷害薬には、パクリタキセル(タキソール)、リシン、緑膿菌外毒素、ゲムシタビン、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、エトポシド、テノポシド、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン,1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、副腎皮質ステロイド、ミトタン(mytotane)(O,P’-(DDD))、インターフェロン、およびこれらの細胞傷害薬の混合物が挙げられる。
さらなる細胞傷害薬としては、化学療法剤、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ゲムシタビン、カリチアマイシン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン、VEGFアンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、プラチン、タキソール、イリノテカン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン(gemcytabine)、ロイコボリン、ステロイド類、シクロホスファミド、メルファラン、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)、ムスチン、チロシンキナーゼ阻害剤、放射線療法、性ホルモン拮抗薬、選択的アンドロゲン受容体調節薬、選択的エストロゲン受容体調節薬、PDGFアンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、IL1アンタゴニスト、インターロイキン(例えば、IL12またはIL2)、IL12Rアンタゴニスト、毒素複合化モノクローナル抗体、腫瘍抗原特異的モノクローナル抗体、アービタックス、アバスチン、ペルツズマブ、抗CD20抗体、リツキサン、オクレリズマブ、オファツムマブ、DXL625、ハーセプチン(登録商標)、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。リシン、ジフテリア毒素およびシュードモナス毒素などの植物および細菌由来の毒性酵素は、治療薬(例えば、抗体)と複合体形成して、細胞型特異的殺作用剤を生成し得る(Youle,et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:5483(1980);Gilliland,et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:4539(1980);Krolick,et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:5419(1980))。
他の細胞傷害薬としては、Goldenbergによる米国特許第6.653,104号に記載される細胞傷害性リボヌクレアーゼが挙げられる。本発明の実施形態はまた、放射性免疫複合体に関し、複合体形成剤を使用してまたは使用せずに、アルファまたはベータ粒子を放出する放射性核種がキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体に安定に結合される。このような放射性核種としては、例えば、リン-32、スカンジウム-47、銅-67、ガリウム-67、イットリウム-88、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、サマリウム-153、ルテチウム-177、レニウム-186またはレニウム-188などのβ放射体、およびアスタチン-211、鉛-212、ビスマス-212、ビスマス-213またはアクチニウム-225などのα放射体が挙げられる。
検出可能な部分の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリフォスファターゼ、ベータガラクトシダーゼおよびルシフェラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。蛍光材料のさらなる例としては、ローダミン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ウンベリフェロン、ジクロロトリアジニルアミン、フィコエリトリンおよびダンシルクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。化学発光部分のさらなる例としては、ルミノールが挙げられるが、これに限定されない。生物発光材料のさらなる例としては、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられるが、これらに限定されない。放射性材料のさらなる例としては、ヨウ素-125、炭素-14、硫黄-35、トリチウムおよびリン-32が挙げられるが、これらに限定されない。
治療方法
本明細書に記載の方法および組成物は、限定されないが、癌、感染症、免疫異常、貧血、自己免疫疾患、心臓血管疾患、創傷治癒、虚血関連疾患、神経変性疾患、代謝疾患、および多くの他の疾患および障害を含む、種々の疾患および障害を治療する用途がある。
さらに、本発明の物質は、限定されないが、癌、感染症、免疫異常、炎症性疾患または状態、および自己免疫疾患を含む、種々の疾患および障害の治療、または治療用の薬物の製造に使用し得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性肉芽腫性疾患、大理石骨病、特発性肺線維症、フリードライヒ失調症、アトピー性皮膚炎、シャーガス病、癌、心不全、自己免疫疾患、鎌状赤血球症、地中海貧血症、失血、輸血反応、糖尿病、ビタミンB12欠乏症、膠原病性脈管疾患、シュワックマン症候群、血小板減少性紫斑病、セリアック病、甲状腺機能低下症またはアジソン病などの内分泌欠損状態、クローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチまたは若年性関節リウマチなどの自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎、好酸球性筋膜炎、低免疫グロブリン血症、または胸腺腫/胸腺癌などの免疫異常、移植片対宿主病、前白血病状態、非血液学的症候群(例えば、ダウン、デュボヴィッツ、ゼッケル症候群)、フェルティ症候群、溶血性尿毒症症候群、骨髄異形成症候群、夜間発作性血色素尿症、骨髄線維症、汎血球減少症、赤芽球ろう、シェーンライン-ヘノッホ紫斑病、マラリア、タンパク質欠乏、月経過多、全身性硬化症、肝硬変、代謝低下状態、およびうっ血性心不全の1種または複数の治療、またはこれらの1種または複数を有する患者の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、癌を治療する方法に関し、方法は、i)それを必要としている患者にキメラタンパク質、キメラタンパク質複合体および/またはFcベースキメラタンパク質複合体;ii)それを必要としている患者にキメラタンパク質、キメラタンパク質複合体および/またはFcベースキメラタンパク質複合体をコードする組換え核酸;またはiii)それを必要としている患者にキメラタンパク質、キメラタンパク質複合体および/またはFcベースキメラタンパク質複合体をコードする組換え核酸を含む宿主細胞の有効量を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性肉芽腫性疾患、大理石骨病、特発性肺線維症、フリードライヒ失調症、アトピー性皮膚炎、シャーガス病、マイコバクテリア感染症、癌、強皮症、肝炎、C型肝炎、敗血性ショック、および関節リウマチの1種または複数の治療、またはこれらの1種または複数を有する患者の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、癌の治療、または癌の患者に関する。本明細書で使用される場合、癌は、身体の器官およびシステムの正常な機能動作を妨害し得る任意の制御されない細胞増殖に関し、原発性および転移性の腫瘍の両方を含む。元の位置から移動し、重要な器官に播種される原発性腫瘍または癌は、罹患した器官の機能劣化により対象の死を最終的にもたらす場合がある。転移は、原発腫瘍部位のものとは異なる癌細胞または一群の癌細胞であり、原発腫瘍から身体の他の部位への癌細胞の播種から生ずる。転移は、最終的に対象の死をもたらす場合がある。例えば、癌は、良性および悪性の癌、ポリープ、過形成、ならびに休眠腫瘍または微小転移を含み得る。
治療し得る癌の例としては、癌腫、例えば、種々のサブタイプ(例えば、腺癌、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、および移行性上皮癌を含む)、肉腫(例えば、骨および軟組織を含む)、白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性骨髄性、慢性リンパ球性、およびヘアリー細胞を含む)、リンパ腫および骨髄腫(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、軽鎖型、非分泌型MGUS、および形質細胞腫を含む)、および中枢神経系癌(例えば、脳腫瘍(例えば、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起細胞腫および上衣腫)、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経腫)、および脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫および神経線維腫))が挙げられるが、これらに限定されない。
治療され得る癌の例としては、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳および中枢神経系癌、乳癌、腹膜の癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸および直腸癌、結合組織癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部の癌、胃癌(胃腸癌を含む)、神経膠芽腫、肝癌、ヘパトーマ、上皮内腫瘍、腎臓癌または腎臓癌(kidney or renal cancer)、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、口腔癌(唇、舌状、舌、口内、および咽頭)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、呼吸器系癌、唾液腺癌腫、肉腫(例えば、カポジ肉腫);皮膚癌、扁平上皮細胞癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮または子宮内膜癌、泌尿器系の癌、外陰癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫を含むリンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫、エイズ関連リンパ腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、毛様細胞性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ならびに他の癌腫および肉腫、および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連するもの)、およびメグズ症候群が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、本発明は、毛様細胞性白血病を含む白血病の治療に関する。別の実施形態では、本発明は、悪性黒色腫を含む黒色腫の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、AIDS関連カポジ肉腫を含むカポジ肉腫の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、微生物感染症および/または慢性感染症の治療、またはそれらの感染症を罹患している患者に関する。感染症の例としては、シャーガス病、HIV/AIDS、結核、骨髄炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタイン・バールウイルスまたはパルボウイルス感染症、T細胞白血病ウイルス感染症、細菌過剰症候群、真菌または寄生虫感染症が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明は、肝炎の治療に関する。治療され得る肝炎の例としては、限定されないが、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝炎、急性肝炎、および慢性肝炎が挙げられる。
例示的実施形態では、本発明は、慢性C型肝炎の治療に関する。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、遺伝子型1(e.g.、1a、1b)、遺伝子型2(例えば、2a、2b、2cおよび2d)、遺伝子型3(例えば、3a、3b、3c、3d、3e、および3f)、遺伝子型4(例えば、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4iおよび4j)、遺伝子型5a、および遺伝子型6aを含むC型肝炎遺伝子型のいずれか1種に感染した患者を治療するために利用され得る。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、標準治療抗ウイルス療法に不十分な応答または非応答性である患者、または他の方法では、標準治療のC型肝炎治療による治療が困難である患者を治療するために利用され得る。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、リバビリンを用いたまたはそれを用いないIFNα療法(例えば、IFNα2aまたはIFNα2bまたはペグ化IFNα)に低い応答または非応答性である患者を治療するために利用され得る。ある実施形態では、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、ペグ化インターフェロンとリバビリンとの併用療法に低い応答または非応答性である患者を治療するために利用され得る。ある実施形態では、本発明は、以前のIFNα療法に応答しなかったC型肝炎遺伝子型1またはいずれか他のC型肝炎遺伝子型に感染した患者の治療に関する。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、高いベースラインウイルス量(例えば、800,000IU/mL)を有する患者を治療するために利用され得る。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、進行型肝線維症および/または肝硬変の患者を含む重度肝損傷がある患者を治療するために利用され得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、抗ウイルス療法を受けたことがない患者の治療に関する。他の実施形態では、本発明は、以前の抗ウイルス療法に応答しなかった患者の治療に関する。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、再発患者を治療するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、白人、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニックの人およびアジア人を含む全ての民族の肝炎感染症の治療において効果的であり得る。ある実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、他の場合には、リバビリンを用いる、またはそれを用いないIFNα療法に対し不十分な応答であるアフリカ系アメリカ人の治療において特に効果的であり得る。
種々の実施形態では、本発明の標的化キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、例えば、非標的化IFNα1または非改変野生型IFNα1または改変IFNα1(例えば、ペグ化IFNα1)に比べて、改善された安全性改善された安全性を提供する。例示的実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の投与は、非標的化IFNα1または非改変野生型IFNαまたは改変IFNαの使用に関連する副作用などの最小限の副作用(例えば、インフルエンザ様症状、筋肉痛、白血球減少症、血小板減少症、好中球減少症、うつ、および体重減)に関連する。
いくつかの実施形態では、本発明の標的化キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、非標的化IFNα1または非改変野生型IFNα1または改変IFNα1(例えば、ペグ化IFNα1)に比べて、改善された治療作用を示す。いくつかの実施形態では、本発明の標的化キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、非標的化IFNα1または非改変野生型IFNα1または改変IFNα1(例えば、ペグ化IFNα1)に比べて、改善された薬物動態プロファイル(例えば、より長い血清半減期および安定性)を示す。
理論に束縛されることを意図するものではないが、このような有利な安全性および薬物動態学的および治療プロファイルに起因して、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、高い投与量でおよび/または長期間にわたり患者を治療するために使用され得る。例えば、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、慢性C型肝炎感染症に対する初回寛解導入療法のために高投与量で使用され得る。別の例では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、疾患再発を防ぐ長期維持療法のために使用され得る。
種々の実施形態では、本発明の組成物は、炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血性ショック、関節リウマチ、炎症性腸疾患、炎症性骨盤疾患、痛み、眼の炎症性疾患、セリアック病、リー症候群、グリセロールキナーゼ欠損症、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症、炎症性喉頭疾患、結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、珪肺症および他の塵肺症などの1種または複数の炎症性疾患または状態を治療するまたは予防するために使用される。
種々の実施形態では、本組成物は、多発性硬化症、糖尿病、ループス、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、強皮症、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性てんかん、ラスムッセン脳炎、原発性硬化性胆管炎、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺炎、線維筋痛症、メニエール症候群(Menier’s syndrome)、移植拒絶反応(例えば、移植片拒絶の防止)、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、グレーブス病、およびその他の自己免疫疾患などの1種または複数の自己免疫疾患または状態の治療または予防に使用される。
種々の実施形態では、本発明の組成物は、限定されないが、冠状動脈性心疾患(CHD)、脳血管疾患(CVD)、大動脈弁狭窄症、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化、心筋梗塞(心臓発作)、脳血管疾患(脳卒中)、一過性脳虚血発作(TIA)、狭心症(安定および不安定)、心房細動、不整脈、弁膜症(vavular disease)、および/またはうっ血性心不全を含む心臓および脈管構造に影響を与える疾患または状態などの心臓血管疾患の治療、制御または予防のために使用される。
種々の実施形態では、本発明の組成物は、1種または複数の代謝関連障害の治療または予防のために使用される。種々の実施形態では、本発明は、1型および2型糖尿病および肥満症関連糖尿病を含む糖尿病の治療、制御または予防のために有用である。本発明の前記組成物および方法は、限定されないが、糖尿病性腎症、高血糖症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、肥満症、脂質異常、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高いLDLレベル、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、血管再狭窄、過敏性腸症候群、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)、他の炎症状態、膵炎、腹部肥満症、神経変性疾患、網膜症、腫瘍状態、脂肪細胞腫瘍、脂肪肉腫などの脂肪細胞腫、前立腺癌および胃、乳、膀胱および結腸癌を含む他の癌、血管新生、アルツハイマー病、乾癬、高血圧、代謝症候群(例えば、3種以上の次の障害を有する人:腹部肥満症、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール、高血圧、および高空腹時血糖値)、卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、およびインスリン抵抗性が要素である睡眠時無呼吸などの他の障害を含む糖尿病関連障害の治療または予防のために有用である。本発明の組成物および方法は、遺伝的または環境的、および肥満症関連障害を含む肥満症の治療、制御、または予防のために有用である。本明細書の肥満症関連障害は、肥満症に関連する、それにより引き起こされる、またはそれに由来する。肥満症関連障害の例としては、肥満症、糖尿病、過食、過食症、および大食症、高血圧、高血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症;子宮内膜、乳、前立腺、腎臓および結腸癌;変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石、心臓疾患、心拍異常および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏、正常変異型低身長、ターナー症候群、および総除脂肪体重のパーセンテージとして低下した代謝活性または安息時エネルギー消費の低下(例えば、急性リンパ性白血病の子供)を示す他の病的状態が挙げられる。肥満症関連障害のさらなる例は、代謝症候群、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常;生殖障害、不妊症、男性の性腺機能低下症および女性の多毛症などの性機能障害および生殖機能障害;母体肥満症に関連する胎児欠陥;肥満症関連胃食道還流などの消化管運動障害、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)などの呼吸障害、息切れ、心血管障害、脈管構造の全身性炎症などの炎症、動脈硬化、高コレステロール血症、腰痛、胆嚢疾患、高尿酸血症、痛風、および腎臓癌、および増大した麻酔剤リスクである。本発明の組成物および方法は、アルツハイマー病を治療するためにも有用である。
種々の実施形態では、本発明の組成物は、特発性肺線維症(IPF)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸障害、呼吸促迫症候群、嚢胞性線維症、肺高血圧症、肺血管収縮、肺気腫、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、レフレル症候群、グッドパスチャー症候群、胸膜炎、間質性肺炎、肺水腫、肺線維症、サルコイドーシス、呼吸器多核体ウイルス感染症に関連する合併症、および他の呼吸器疾患などの1種または複数の呼吸器疾患の治療または予防のために使用される。
いくつかの実施形態では、本発明は、1種または複数の神経変性疾患を治療または予防するために使用される。神経変性疾患の例としては、限定されないが、フリードライヒ失調症、多発性硬化症(限定されないが、良性多発性硬化症;再発寛解型多発性硬化症(RRMS);二次性進行型多発性硬化症(SPMS);進行性再発型多発性硬化症(PRMS);および一次性進行型多発性硬化症(PPMS)を含む)、アルツハイマー病(限定されないが、早期発症型アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD)を含む)、パーキンソン病およびパーキンソニズム(限定されないが、特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、薬剤誘発性パーキンソニズム、レヴィー小体型痴呆、遺伝性パーキンソン病、若年性パーキンソン病を含む)、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS、限定されないが、突発性ALS、家族性ALS、西太平洋ALS、若年性ALS、平山病(Hiramaya disease)を含む)が挙げられる。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、創傷、例えば、非治癒創傷、潰瘍、火傷、または凍傷、慢性または急性創傷、開放創または閉鎖創、内部または外側創傷(外側創傷の例は、透過性および非浸透性創傷である)などの治療で使用される。
種々の実施形態では、本発明のキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体は、非限定例として次に示す虚血の治療に使用される:急性冠症候群、急性肺傷害(ALI)、急性心筋梗塞(AMI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、動脈閉塞症、動脈硬化症、関節軟骨損傷、無菌性全身性炎症、アテローム動脈硬化性心血管疾患、自己免疫疾患、骨折、骨折、脳浮腫、脳低灌流、バージャー病、火傷、癌、心臓血管疾患、軟骨傷害、脳梗塞、脳虚血、脳卒中、脳血管疾患、化学療法誘導神経障害、慢性感染症、慢性腸間膜虚血、跛行、うっ血性心不全、結合組織損傷、挫傷、冠動脈疾患(CAD)、重症虚血肢(CLI)、クローン病、深部静脈血栓症、深創傷、遅延性潰瘍治癒、遅延性創傷治癒、糖尿病(I型とII型)、糖尿病性神経障害、糖尿病誘発虚血、播種性血管内凝固(DIC)、塞栓性脳虚血、凍傷、移植片対宿主病、遺伝性出血性毛細血管拡張性虚血性血管疾患、高酸素傷害、低酸素、炎症、炎症性腸疾患、炎症性疾患、損傷腱、間欠性跛行、腸管虚血、虚血、虚血性脳疾患、虚血性心疾患、虚血性末梢血管疾患、虚血性胎盤、虚血性腎疾患、虚血性血管疾患、虚血再灌流障害、裂傷、左主冠状動脈疾患、虚血肢、下肢虚血、心筋梗塞、心筋虚血、臓器虚血、変形性関節症、骨粗鬆症、骨肉腫、パーキンソン病、末梢血行障害(PAD)、末梢動脈疾患、末梢性虚血、末梢神経障害、末梢血管疾患、前癌、肺水腫、肺塞栓症、再構築障害、腎虚血、網膜虚血、網膜症、敗血症、皮膚潰瘍、臓器移植、脊髄損傷、脳卒中、軟骨下骨嚢胞、血栓症、血栓性脳虚血、組織虚血、一過性脳虚血発作(TIA)、外傷性脳損傷、潰瘍性大腸炎、腎臓血管疾患、血管炎症性疾患、フォンヒッペル・リンダウ症候群、または組織もしくは臓器への創傷、に関連する虚血。
種々の実施形態では、本発明は、慢性腎疾患(例えば、透析からの)および/または抗癌剤(例えば、化学療法および/またはHIV治療(例えば、ジドブジン(INN)またはアジドチミジン(AZT))、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍大腸炎)から生じた貧血、炎症状態(例えば、関節炎、ループス、IBD)に関連する貧血、糖尿病、統合失調症、脳マラリアに関連する再生不良性貧血としての貧血、および癌治療(化学療法および/または放射線)に由来する脊髄形成異常症、および種々の骨髄異形成症候群疾患(例えば、鎌状赤血球貧血、ヘモグロビンSC疾患、ヘモグロビンC疾患、アルファおよびベータ地中海貧血症、早産後の新生児の貧血、および同等の状態に由来する貧血を含む、1種または複数の貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、貧血の治療、または貧血の患者の治療、すなわち、赤血球の数および/または赤血球中で認められるヘモグロビンの量が正常未満である状態の治療に関する。種々の実施形態では、貧血は、急性または慢性であり得る。例えば、本発明の貧血としては、限定されないが、鉄欠乏性貧血、腎性貧血、慢性疾患/炎症の貧血、大球性胃酸欠乏性貧血、若年性悪性貧血および先天性悪性貧血などの悪性貧血、癌関連貧血、抗癌関連貧血(例えば、化学療法関連貧血、放射線治療関連貧血)、赤芽球癆、過剰芽球を伴う難治性貧血、再生不良性貧血、X連鎖鉄芽球性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、ESAの機能不全産生に起因する貧血、骨髄異形成症候群、低色素性貧血、小球性貧血、鉄芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、クーリー貧血、例えば、地中海貧血症、ダイアモンド・ブラックファン貧血、ファンコニ貧血および薬剤誘発性免疫溶血性貧血が挙げられる。貧血は、低酸素症、慢性疲労、集中力欠如、青白い肌、低血圧、眩暈および心不全を含む、重篤な症状を引き起こす場合がある。
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性腎不全由来の貧血の治療に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、透析、血液透析、腹膜透析、血液濾過法、血液濾過透析、および腎臓移植を含む腎代替療法の1種または複数の使用に由来する貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、透析を導入していない慢性腎疾患の患者の貧血の治療に関する。例えば、本発明は、ステージ1 CKD、またはステージ2 CKD、またはステージ3 CKD、またはステージ4 CKD、またはステージ5 CKDの患者に関する。いくつかの実施形態では、本発明の患者は、ステージ4 CKD、またはステージ5 CKDである。いくつかの実施形態では、本発明の患者は、腎移植を受けている。いくつかの実施形態では、本発明は、急性腎損傷(AKI)の患者の貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、貧血は、化学療法により誘発される。例えば、化学療法は、いずれかの骨髄抑制性化学療法であり得る。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、レブラミド、サロミド、デキサメタゾン、アドリアマイシンおよびドキシルの1種または複数である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、シスプラチン(例えば、プラチノール)およびカルボプラチン(例えば、パラプラチン)を含む白金系薬物の1種または複数である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、本明細書で記載の化学療法剤のいずれか1種である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、Groopman et al.J Natl Cancer Inst(1999)91(19):1616-1634に記載のいずれかの薬剤である。この文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物および方法は、後期癌患者(例えば、ステージIV、またはステージIII、またはステージII癌)の化学療法関連貧血の治療で使用される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物および方法は、投与集中化学療法または他の積極的化学療法計画を受けている癌患者の化学療法関連貧血の治療で使用される。
いくつかの実施形態では、本発明は、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫などの血液系癌の1種または複数を有する患者の貧血の治療に関する。このような癌は、骨髄に直接的に影響を与え得る。さらに、本発明は、骨または骨髄まで広がった転移性癌に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、放射線療法を受けている患者の貧血の治療に関する。このような放射線療法は、骨髄に損傷を与え、その赤血球を作る能力を低下させる。さらなる実施形態では、本発明は、鉄、ビタミンB12、および葉酸の1種または複数が低減または欠損している患者の貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、限定されないが、手術後の、または内部出血を生じさせる腫瘍由来を含む過剰出血のある患者の貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、慢性疾患の貧血を有する患者の貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、赤血球産生を刺激する。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、骨髄中の細胞分化拘束性赤血球前駆細胞の細胞分裂および分化を刺激する。
本発明の特定の実施形態は、癌患者における化学療法剤誘導貧血の治療に特に有用である。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、癌患者の化学療法の完了後に、キメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体の継続投与を可能にする。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、非癌患者に比べて、投与量の低減なしに、癌患者の治療を可能にする。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、化学療法を受けており治癒可能と考えられる癌患者の治療を可能にする。種々の実施形態では、癌患者は、血餅、最近の手術、長期間の床上安静または制限された活動性、および化学療法剤による治療の1種または複数の病歴を有する。
キット
本発明はまた、本明細書に記載のいずれかの薬剤(例えば、種々の追加の治療薬を含む、または含まないキメラタンパク質またはFcベースキメラタンパク質複合体などのキメラタンパク質複合体)の投与のためのキットを提供する。キットは、本明細書に記載の少なくとも1種の本発明の医薬組成物を含む、材料または成分の集合体である。したがって、いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の少なくとも1種の医薬組成物を含む。
キットを構成する成分の明確な性質は、その意図される目的に依存する。一実施形態では、キットは、ヒト対象を治療する目的のために構成される。
使用説明書をキット中に含めてもよい。使用説明書は、通常、癌の治療などの望まれる結果を達成するために、キットの成分を使用する際に採用すべき技術を説明する明確な表現を含む。必要に応じ、キットは、他の有用な成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、薬学的に許容可能な担体、シリンジ、カテーテル、塗布具、ピペット操作または測定用ツール、包帯材料または当業者なら容易に気付くような他の有用な備品一式も含む。
キットに組込まれる材料および成分は、それらの操作性および有用性を維持する任意の便利で適切な方法で保管され開業医に提供され得る。例えば、成分は、室温、冷蔵温度、または凍結温度で提供できる。成分は通常、適切な梱包材料に収容される。種々の実施形態では、梱包材料は、よく知られた方法、好ましくは、無菌の、混入物のない環境を与える方法で構築される。梱包材料は、内容物および/またはキットの目的および/またはその成分を表示する外部ラベルを有してよい。
定義
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、または「the」は、1つ(1種)または1つ(1種)を超える、を意味し得る。
特に記載のない限り、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「または(or)」という用語は、「または(or)」および「および(and)」の両方を含み、対象とする。
さらに、参照数値表示に関連して使われる用語「約」は、参照数値表示±参照数値表示の最大で10%、例えば、示した値の(±)10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内の値を意味する。例えば、用語の「約50」は、45から55の範囲を対象とする。
「有効量」という用語は、医学的使用に関連して使用される場合、目的の疾患の、測定できる治療、予防、または発病速度の低下をもたらすのに効果的である量である。
本明細書で使用される場合、物質または刺激の存在下で、このような調節の非存在下に比べて、活性および/または効果の出力値がかなりの量、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはそれを超えて、少なくとも最大約100%(約100%を含む)低減されるとき、何かが「低減されている」。当業者により理解されるように、いくつかの実施形態では、活性は低下し、かついくつかの下流の出力値は低下するが、他のものは増加し得る。
逆に、物質または刺激の存在下で、このような物質または刺激の非存在下に比べて、活性および/または効果の出力値がかなりの量、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはそれを超えて、最大少なくとも約100%(約100%を含む)またはそれを超えて、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍増加する場合、活性は「高く」なる。
本明細書において、参照される場合、全ての組成物に関するパーセンテージは、特に指定がない限り、総組成物の重量による。本明細書で使用する場合、「含む(include)」という単語とその変形物は、非限定であることを意図し、それにより、リスト中の項目の記載は、この技術の組成物および方法に有用である可能性を同様に有する他の類似項目の除外を意図するものではない。同様に、用語の「can」および「may」およびその変形物は、非限定であることを意図し、それにより、ある実施形態が特定の要素または特徴を含むことが「できる(can)」または含んでも「よい(may)」という記載は、これらの要素または特徴を含まない本発明の技術のその他の実施形態を排除するものではない。
including、containing、またはhavingなどの用語の同義語としてのオープンエンド用語の「含む(comprising)」を本明細書で使用して本発明を記載および請求するが、本発明、またはその実施形態は、「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」などの代替用語を使って、代わりに記載することができる。
本明細書で使用される場合、用語の「好ましい」および「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらす本技術の実施形態を指す。しかしながら、同じまたは他の環境下で、他の実施形態も好ましい場合がある。さらに、1つまたは複数の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、また、本技術の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
治療効果の達成に必要な本明細書で記載の組成物の量は、特定目的のための従来の手順に従って経験的に決定されてよい。一般に、治療目的のために治療薬を投与する場合、治療薬は薬理学的有効量で投与される。「薬理学的有効量」、「薬理学的有効用量」、「治療有効量」、または「有効量」は、特に障害または疾患を治療するために、目的の生理的な効果を生み出すのに十分な量または目的の結果を達成することができる量を意味する。本明細書で使用される場合、有効量は、例えば、障害または疾患の症状の進展を遅らせる、障害または疾患の症状の経過を変える(例えば、疾患の症状の進展を遅らせる)、障害または疾患の1つまたは複数の症状または発症を減らすまたはなくする、および障害または疾患の症状を回復させるのに十分な量を含んでよい。治療効果はまた、改善が実現されるかどうかにかかわらず、根底にある疾患または障害の進行を止めるまたは遅らせることも含む。
有効量、毒性、および治療効果は、例えば、細胞培養または実験動物によりLD50(集団の約50%に対する致死用量)およびED50(集団の約50%での治療的有効量)を測定するための標準的薬学的手順により決定できる。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じて変化し得る。毒性と治療効果との間の用量比率は、治療指数であり、比率LD50/ED50で表すことができる。いくつかの実施形態では、大きな治療指数を示す組成物および方法が好ましい。治療有効量は、最初は、例えば、細胞培養アッセイを含むインビトロアッセイから推測することができる。また、用量は、細胞培養または適切な動物モデルで決定したIC50などの循環血漿中濃度範囲を達成するように動物モデルで処方することができる。記載の組成物の血漿中レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。いずれかの特定の投与量の効果は、適切なバイオアッセイによりモニターすることができる。投与量は医師により決定されてよく、必要に応じて、観察された治療の効果に適合するように調節できる。
特定の実施形態では、効果は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、または少なくとも約90%の定量可能な変化をもたらすであろう。いくつかの実施形態では、効果は、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、またはさらに約90%以上の定量化可能な変化をもたらすであろう。治療効果はまた、改善が実現されるかどうかにかかわらず、根底にある疾患または障害の進行を止めるまたは遅らせることも含む。
本明細書で使用される場合、「治療方法」は、本明細書に記載の疾患または障害の治療のための組成物および/または本明細書に記載の疾患または障害の治療のための薬剤の製造での使用および/または複数使用のための組成物に等しく適用可能である。 本発明は、次の非限定的な実施例によりさらに説明される。
実施例
用語「AcTaferon」または「AFN」は場合によっては、本明細書で記載のINFα1ベースキメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体に言及するために本明細書で使用される(詳細は、上記のように、場合によりINFα2ベースキメラタンパク質またはキメラタンパク質複合体が記載される、キメラタンパク質のフォーマットに関する実施例で提供される)。
「IFNα1」および「IFNa1」は、インターフェロンアルファ1を指すために同じ意味で用いられ得る。
「IFNα2」および「IFNa2」は、インターフェロンアルファ2を指すために同じ意味で用いられ得る。
実施例1:IFNα1 AcTaferon(AFN)の生成、産生および精製
IFNα1融合タンパク質をベースにしたAFNを生成するために、IFNα1をコードする核酸配列を、細菌発現のためのpHEN6cベクター中(PelBシグナルペプチドの制御下)でヒトCD20を標的にするVHHをコードする核酸配列に、柔軟な20*GGSフレキシブルリンカーをコードする核酸配列を介して、連結した。His6タグを、精製のために末端に付加した。
AFN発現を、1mMのIPTGで一晩誘導し、細胞を、ペレット化し、ペリプラズム抽出物を、TES(0.2MトリスpH8.0、0.5mM EDTA、0.5Mスクロース)およびTES/4緩衝液を用いて調製した。タンパク質を、製造業者のガイドラインに従って、TALON金属親和性樹脂を用いて抽出物から精製し、イミダゾールを、PD10カラム(GE HEALTHCARE)を用いて試料から除去した。
類似の工程を使用してAFNをベースにしたIFNα2を生成した。
IFNα1 AFNの構造および配列
IFNα1 AFNの構造を以下に示す:
IFNα1 AFNのアミノ酸配列を以下に示す(CD20 VHHの配列は太字で示され、(GGS)
20の配列はイタリック文字で示され、hIFNα1の配列は下線付き文字で示される):
IFNα2 AFNの構造および配列
IFNα2 AFNの構造を以下に示す:
IFNα2 AFNのアミノ酸配列を以下に示す(CD20 VHHの配列は太字で示され、(GGS)
20の配列はイタリック文字で示され、hIFNα2の配列は下線付き文字で示される):
実施例2:末梢血単核球(PBMC)中のSTAT1リン酸化方法およびHL116細胞中のIFN応答性レポーター活性
健康なドナーのバフィーコート由来のPBMCを、Limphoprep(STEMCELL TECHNOLOGIES)を用いた密度勾配遠心分離により単離した。細胞を、FACS緩衝液(2%FBS、PBS中1mMのEDTA)で2回洗浄し、抗ヒトCD20 FITC(SINOBIOLOGICALS)を用いて4℃で20分間染色した。2回の洗浄後、細胞を、系列希釈した野生型IFNα2、CD20 VHH-IFNα2、IFNα1およびCD20 VHH-IFNα1を用いて37℃で15分間刺激した。固定(10分間、37℃、Fix Buffer I;BD BIOSCIENCES)、透過処理(30分、氷上、Perm III Buffer I;BD BIOSCIENCES)および洗浄の後、細胞を、抗STAT1 pY701 Ab(BD Biosciences)により染色した。試料を、Macsquant X instrument(MILTENYI BIOTEC)で取得し、FlowLogicソフトウェア(MILTENYI BIOTEC)を用いて分析した。pSTAT1の誘導は、インターフェロンによるIFNARの活性化を反映する。HL116クローンを、ヒトHT1080細胞株(ATCC CCL-121)から誘導する。これは、IFN誘導性6-16プロモーターにより制御されるホタルルシフェラーゼ遺伝子を含む。従って、ルシフェラーゼレポーター発現の誘導は、インターフェロンによるIFNARの活性化を反映する。親HL116細胞に、ヒトCD20配列をコードする発現ベクターを遺伝子導入した。安定に遺伝子導入されたクローンを、G418含有培地中で選択した。親HL116およびHL116-huCD20細胞を、20,000細胞/96ウェルで一晩播種した後、段階希釈IFNa2およびIFNα1バリアントで6時間刺激した。細胞ライセート中のルシフェラーゼ活性を、EnSight Multimode Plate Reader(Perkin Elmer)で測定した。
実施例3:末梢血単核球(PBMC)中のSTAT1リン酸化およびHL116細胞中のIFN応答性レポーター活性
図21A~D、図22A~Dおよび表7中のデータは、IFNα1の抗CD20 VHHへの連結によりここで例示される、野生型IFNα1のキメラ融合タンパク質中への組み込みが、野生型IFNα1野生型IFNα1に比べて、低減されたIFNα1のIFNAR刺激活性を生ずることを明確に示す(ここで、CD20陰性細胞について、PBMCおよびHL116の両方について、示されるように)。しかし、IFNα1活性は、標的細胞上で特異的に誘導/回復された(CD20陽性、PBMCおよびHL116-huCD20の両方について)。重要なのことに、IFNARシグナル伝達の活性化は、非標的化(CD20陰性)細胞に比較して標的化(CD20陽性)細胞に対し高い選択性があり、約200~600倍の標的選択性であった。その代わり、IFNα2の場合には、わずかに20~60倍の標的選択性が、CD20陰性PBMCおよびHL116細胞と比較したCD20陽性で観察され、従って、同等のIFNα1構築物で観察されるより、目的の標的(CD20陽性細胞)に対して約10倍程度好適性が小さい。さらに、標的化IFNα1キメラ融合タンパク質は、標的細胞(CD20陽性)中のIFNARシグナル伝達活性化において、野生型IFNα1自体より大幅により効力があったことは注目すべきである。実際に、また注目すべきことに、IFNα1キメラタンパク質は、標的細胞に対し野生型IFNα1より30~150倍高い効力があった(細胞型に応じて)。驚くべきことにまた、CD20 VHH-IFNα1およびCD20 VHH-IFNα2キメラタンパク質の両方は、CD20陽性標的細胞に対し類似の効力を有し、一方、融合のないIFNα1は、IFNα2に比べて、かなり効力が低い。言い方を変えれば、野生型IFNα1は、IFNα2より遙かに効力が低いが、意外にも、VHHなどのターゲティング部分に結合されると、そのオンターゲット活性は、標的化IFNα2のオンターゲット活性と類似であり、一方でオフターゲット活性は、標的化IFNα2に対しより高い。従って、高い効力および高い選択性を組み合わせるIFNAR活性化因子が、標的化キメラ融合タンパク質中に野生型IFNα1を組み込むことにより、野生型IFNα2の使用では達成されない効力/選択性指数を備える方法で、新たに作成され得る。
HL116細胞中のルシフェラーゼ活性の誘導に関する図22A~Dおよび表7のデータは、図21A~DのPBMCデータにおけるpSTAT1誘導に対するデータと定性的に同等である。すなわち、IFNα1のCD20標的化は、CD20標的化野生型IFNα2に比べて、IFNARシグナル伝達のより顕著な相対的増大をもたらす(HL116細胞中でそれぞれ586倍対62倍、およびPBMC中でそれぞれ215倍対20倍)。驚くべきことに、CD20-IFNα1およびCD20-IFNα2の両方は、それぞれのCD20陽性PBMCおよびHL116標的細胞に対して類似の効力を有し、一方、融合のないIFNα1は、CD20陽性細胞(ならびにCD20陰性細胞)中で、IFNα2に比べて、かなり効力が低い。
驚くべきことに、限定されないが、データは、IFNα1ベース融合/キメラタンパク質が、非融合の非キメラタンパク質設定におけるIFNα2に比べて、IFNα1の低減された活性にも関わらず、WT IFNα2をベースにした同等の融合/キメラタンパク質と同様の効力であることを示す。さらに、限定されないが、データは、IFNα1融合が、非標的細胞に対する目的の標的細胞の選択性の程度に関して、IFNα2融合より優れていることを示す。
実施例4:変異体IFNα1 AcTaferon(AFN)の生成、産生、精製およびキャラクタリゼーション
変異体IFNα1をベースにしたキメラタンパク質は、次のプロトコルを用いて生成される。変異体IFNα1をコードする核酸配列を、細菌発現のために、pHEN6cベクター中(PelBシグナルペプチドの制御下)で、柔軟な20*GGSフレキシブルリンカーをコードする核酸配列を介して、ヒトCD20を標的にするVHHをコードする核酸配列に融合/連結した。ヒスチジンタグをコードする配列を、精製のために末端に付加した。
AFN発現を、1mMのIPTGで一晩誘導し、細胞を、ペレット化し、ペリプラズム抽出物を、TES(0.2MトリスpH8.0、0.5mM EDTA、0.5Mスクロース)およびTES/4緩衝液を用いて調製した。タンパク質を、製造業者のガイドラインに従いTALON金属親和性樹脂を用いて抽出物から精製し、イミダゾールを、PD10カラム(GE HEALTHCARE)を用いて試料から除去する。調製されるIFNα1の変異体を下表8に示す。
表8で明らかにされる、キメラの場合のこれらの変異体のそれぞれに対するPBMC中のSTAT1リン酸化は、実施例2で指定されるプロトコルを用いて評価される。同様に、表8で明らかにされるHL116ウェル中のレポーター活性は、実施例2で指定されるプロトコルを用いて、それぞれの変異体について特性評価される。
実施例5:さらなる変異体IFNα1 AFNの生成、産生、精製およびキャラクタリゼーション
この実施例では、我々は、非抗体型ターゲティング部分-具体的には、FLT3Lに融合されたIFNα1の活性を評価した。FLT3Lは、FLT3Lの受容体であるFLT3に対する既知のリガンドである。得られたキメラ分子は、従って、2個のエフェクタードメイン(IFNα1およびFLT3L)を含むという意味で、二官能性IFNα1キメラ融合タンパク質の例でもある。2個のドメインの1個(FLT3L)は、ターゲティング部分としても機能する。FLT3は、cDC1樹状細胞などのヒト樹状細胞上で発現される。cDC1細胞は、T細胞の強力な活性化因子であり、免疫系媒介抗腫瘍応答の促進に重要である。ヒト化マウス(ヒト免疫系を有するマウス)におけるFlt3標的化IFNα1のインビボ有効性を評価するために、Flt3L_リンカー_ヒトIFNα1_GGS-his9融合タンパク質を、HEKT細胞中で発現させ、金属親和性クロマトグラフィーにより精製した。
融合タンパク質の配列は、Flt3Lの細胞外ドメインの配列を含む(下記の太字;太字残基の最後21個の残基は、細胞外領域の一部であり、受容体結合ドメインの一部ではない):
成熟配列Flt3L(太字)_リンカー_(下線)ヒトIFNα1_(太字および下線)LEGGS_his9
精製タンパク質をその後、ヒト化マウスにおける腫瘍モデルで評価した。簡単に説明すると、新生児NSGマウス(1~2日齢)を、100cGyで亜致死量照射し、その後、1x105個のCD34+ヒト幹細胞(HLA-A2陽性臍帯血由来)を肝内に送達した。13週後、幹細胞移入マウスに25x105個のヒトRL濾胞性リンパ腫細胞(ATCC CRL-2261;IFNの直接抗増殖作用に感受性がない)を皮下に接種した。マウスを、腫瘍接種後8日目~18日目に、30μgのヒトFlt3Lタンパク質で毎日腹腔内治療した。触知できる腫瘍が認められると、緩衝液またはFlt3L-IFNα1(30μg)での毎日の静脈内注射を、腫瘍接種後の10日目に開始した(群当たりn=5または6匹のマウス)。腫瘍サイズ(ノギス測定値)、体重および体温を、毎日評価した。
図23のデータは、最後の治療の2日後までの腫瘍増殖を示し、標的化IFNα1が強力に腫瘍増殖を抑制することを実証する。体重および体温のデータは、緩衝液治療およびIFNα1治療間で何ら大きな差異を示さず、IFNα1治療が耐容性良好であったことを裏付けた。
実施例6:インターフェロンアルファ1とのFcベースキメラタンパク質複合体
この実施例は、野生型インターフェロンアルファ1(IFNα1)をベースにしヒトClec9A特異的VHH(クローンR1CHCL50)を介して標的化されるキメラタンパク質複合体を、評価し生成する。このために、knob-into-hole技術をベースにしたヘテロダイマーFcタンパク質を、設計した。
構築物:
IFNα1 AFNの産生および精製
構築物R1CHCL50-20*GGS-FcおよびFc-20*GGS-IFNα1を結合し、図7Bに概要を示した構造を有するAFNを得て、製造業者の説明書に従って、ExpiCHO発現系(Thermo Fisher)で一過的に発現させた。遺伝子導入の1週間後、上清を集め、細胞を、遠心分離により取り出した。組換えタンパク質を、Pierce Protein Aスピンプレート(Thermo Fisher)を用いて上清から精製した。
HL116レポーター細胞株に対する生物活性
HL116クローンを、ヒトHT1080細胞株(ATCC CCL-121)から誘導する。これは、IFN誘導性6-16プロモーターにより制御されるホタルルシフェラーゼ遺伝子を含む。親HL116細胞に、ヒトClec9A配列をコードする発現ベクターを遺伝子導入した。安定に遺伝子導入されたクローンを、G418含有培地中で選択した。親HL116およびHL116-hClec9A(標的)細胞を、」20,000細胞/96ウェルで一晩播種し、続いて、段階希釈の野生型ヒトIFNα1またはFcベースClec9A標的化IFNα1構築物で6時間刺激した。ルシフェラーゼ活性を、細胞ライセート中で測定した。図20のデータは、両細胞株が、野生型IFNα1に対し同程度に感受性であることを示す。標的細胞中のIFNα1ベースFc AFNシグナル伝達のEC50は、0.3ng/mlであり、一方、親HL116細胞中では、ルシフェラーゼ誘導は測定できなかった。
理論に束縛されることを意図するものではないが、図20に示されるデータから複数の意外な観察を得ることができる。野生型IFNα1は、両細胞株(HL116およびHL116-hClec9A細胞)に対し同等に活性であるが、IFNα1ベースFc AFNは、比較すると、HL116親細胞中で実質的に不活性である(100ng/mlで検出可能なシグナルがなく、一方で、これらの細胞に対する野生型IFNα1のEC50は約2ng/mlである)。これは、特に、野生型IFNα1のFcポリペプチドへの融合または連結およびFcベースキメラタンパク質複合体中のIFNα1の組み込みは、IFNAR活性化におけるIFNα1効力のかなりの損失に繋がることを示す。これは、実施例2および実施例3で示されるように、他の型のIFNα1融合体/キメラタンパク質に対してなされた観察に似ている。しかし、他の型のIFNα1融合体およびキメラタンパク質について同様に観察されたように、IFNα1活性は、標的細胞(HL116-hClec9A細胞)上で誘導および/または回復される。さらに、および驚くべきことに、固有のIFNα1活性が極めて低減される(HL116細胞に対し試験された用量範囲で検出不能レベルまで)FcベースIFNα1は、標的細胞上で野生型IFNαよりもなおさら効力が高い(野生型IFNα1はHL116-Clec9A細胞上で約1.6ng/mlのEC50を有するが、これは、融合タンパク質の場合、0.3ng/mlに、またはそれぞれ84および3.3pMに改善される)。まとめると、高い効力および高い選択性を組み合わせたIFNAR活性化因子が、標的化(Fcベースキメラ)融合タンパク複合体質中に野生型IFNα1を組み込むことにより、野生型IFNα2の使用では達成されない効力/選択性指数を備える方法で、新たに作成され得る。
実施例7:インターフェロンアルファ1バリアントを有するFcベースキメラタンパク質複合体
この実施例は、改変され活性が減弱化されたそのバリアントを含み、かつヒトClec9A抗原特異的VHH抗体(クローンR1CHCL50)を介してClec9A陽性細胞に標的化される、インターフェロンアルファ1(IFNα1)をベースにしたキメラタンパク質およびキメラタンパク質複合体を、評価し生成する。このために、knob-into-hole技術をベースにした例示的ヘテロダイマーFcタンパク質を、設計し、作製し、生物活性特性について評価した。これは、生成物の均一性およびキメラタンパク質およびキメラタンパク質複合体の医薬品特性を改善するために、システイン残基(C86)の変化を生じさせて望ましくないジスルフィド対形成を低減する種々の変異の1種を含む、IFNα1バリアントを含む。目的はまた、このような改変が標的細胞に対するIFNAR活性化の誘導と実質的に干渉しないかどうか、またはその誘導の実質的低下を維持または回避可能にするかどうか(融合単独による減弱化IFNα1、および追加の変異による活性減弱化IFNα1の両方に対し)を評価することであった。結果は、高効力と高度に細胞標的選択的IFNARシグナル伝達活性化の特有の組み合わせが、本明細書で記載のIFNα1組成物、およびそのバリアントを用いて達成できることを示している。
構築物:
構築物R1CHCL50-5*GGS-Fcを、それぞれのFc-10*GGS-IFNα1バリアントと組み合わせ、図7Bに概要を示した構造を有する6種の異なるAFNを得て、製造業者の説明書に従いExpiCHO発現系(Thermo Fisher)で一過的に発現させる。遺伝子導入の1週間後、上清を集め、細胞を、遠心分離により取り出す。組換えタンパク質を、Pierce Protein Aスピンプレート(Thermo Fisher)を用いて上清から精製し、実施例6に記載のように効力を試験する。
図24A~Gおよび表8のデータは、特に、次記を示す:
(i)親HL116および由来HL116-Clec9A細胞(ヒトClec9Aを発現する)は、野生型IFNα2に対し同等に応答性/感受性であり、HL116およびHL116-hClec9A中で観察されたレポーター誘導に対し、それぞれ、8pMおよび6pMのEC50である。同じことがIFNα1について以前に観察され(実施例6、図20に示すように)、IFNα1は、IFNα2に比べて約10~15倍効力が低い(IFNα1の場合、HL116およびHL116-hClec9A中のレポーター誘導に対し、それぞれ105pMおよび85pMのEC50)。
(ii)全ての試験したIFNα1構築物バリアントは、非標的細胞(HL116)に対し、野生型IFNα2(および実施例6、図20に比べた場合のIFNα1)に比べて、かなり活性が低い。
(iii)全ての試験したIFNα1タンパク質バリアントの活性は、標的細胞(Clec9A陽性)で誘導および/または回復され得、非標的細胞に比べて、標的(すなわち、Clec9A発現)細胞に対し顕著により活性である(すなわち、標的細胞に対し高い選択性を示す)。
(iv)注目すべきことに、遊離C86(CからSへ、またはCからYへ)の変異を含み、それ以外は野生型であるIFNα1による標的細胞におけるIFNAR活性化の誘導は、野生型IFNα1(非融合、非改変IFNα1)で得られる誘導よりはるかに優れている。さらに驚くべきことに、標的細胞に対する活性は、最も効力の高いI型インターフェロンであるIFNα2について観察されたものと類似である。同様の観察は、C86での変異を含まない野生型IFNα1を組み込んだFcベースIFNα1構築物について得られ(図20参照)、また、IFNα1を組み込む非Fcキメラタンパク質についても観察された(例えば、表7参照)。
(v)全てのFc-IFNα1構築物は、標的細胞に対する顕著な選択性を示す(これは、非融合、非改変野生型IFNα1またはIFNα2については観察されない)。
(vi)SまたはYへの遊離C86の変異(1個のアミノ酸変化は保存的であり、もう1個は非保存的である)を有するIFNα1構築物は、類似の生物活性を有し、C86の変異のない、対応する構築物のものに類似である(図20参照)。
(vii)IFNα1中の変異A146GまたはM149Vを有するIFNα1構築物の活性は、これらの変異のない融合対に比べて、IFNAR活性化がさらに減弱化されているが、標的細胞(Clec9陽性細胞)において誘導され、および/または回復可能である。注目すべきは、IFNAR活性化の効力は、標的細胞における野生型IFNα1の効力と類似であるかまたはそれより大きいことである。
(viii)遊離C86のSまたはYへの変異を組み込んだIFNα1キメラ構築物は、追加の変異A146GまたはM149Vを含む構築物を含む、標的細胞において極めて誘導性であり活性である。
第2系列の実験では、IFNα1 AFNを、他のPBMC集団(Clec9A陰性細胞)と比較して初代ヒトcDC1細胞(IFNα1キメラ構築物の標的であるClec9Aを天然に発現する)中で、STAT1リン酸化を促進する能力について試験した。簡単に説明すると、健康なドナーのバフィーコート由来のPBMCを、Limphoprep(StemCell technologies)を用いた密度勾配遠心分離により単離した。細胞を、FACS緩衝液(2%FBS、PBS中1mMのEDTA)で2回洗浄し、4℃で20分間cDC1集団を特定するために抗Clec9Aおよび抗CD141 Ab(両方Miltenyi)で染色した。2回の洗浄後、細胞を、段階希釈の野生型IFNα2またはIFNα1 AFNを用いて、37℃で15分間刺激した。固定(10分間、37℃、Fix Buffer I;BD Biosciences)、透過処理(30分、氷上、Perm III Buffer I;BD Biosciences)および洗浄後、細胞を、抗STAT1 pY701 Ab(BD Biosciences)で染色した。試料を、MACSQuant X instrument(Miltenyi Biotec)で取得し、FlowLogicソフトウェア(Miltenyi Biotec)を用いて分析した。図25A~Eのデータは、HL-116/HL-116-hClec9Aレポーター細胞株で得られた結果と定性的に同等であり(図24A~G参照)、これらのデータから類似の総体的結論を得ることができる。例えば、限定されないが、データは、(i)Clec9A-/CD141-およびClec9A+/CD141+細胞は、野生型IFNに対し同等に応答性/感受性である、(ii)全ての試験した標的化IFNα1バリアントはその代わり、標的化されていない(Clec9A-/CD141-)細胞に比べて、標的化Clec9A+/CD141-細胞に対し明らかにより活性である、すなわち、高い標的化および選択性指数が観察される、(iii)遊離C86(CからSへ、またはCからYへ)の変異を含む以外はIFNα1の野生型である、IFNα1タンパク質による標的細胞におけるIFNAR活性化の誘導は、野生型、非融合、非改変IFNα2で得られる誘導よりはるかに優れている、ことを示す。さらに驚くべきことに、標的細胞に対する活性は、最も効力の高いI型インターフェロンである、IFNα2に対して観察されたものと類似であり、(iv)変異A146Gを含むIFN1aキメラ構築物に対するIFNα1活性は、本質的に減弱化されているが、標的細胞中で誘導および/または回復される。v)遊離C86のSまたはYへの変異を組み込んだIFNα1キメラ構築物は、A146Gなどの追加の変異を含む構築物を含み、標的細胞において極めて誘導性であり活性である。
まとめると、両方のデータセットは、特に、初代ヒト細胞を含むClec9A発現標的細胞にIFNα1活性を選択的に向け、同等用量/濃度の非標的細胞における検出可能なIFNAR活性化およびシグナル伝達なしに、IFNAR活性化の高い効力を達成することが可能であることを示している。C86SおよびC86Yの両変異は、IFNα1配列中の遊離システイン残基を除去し、従って、望ましくないジスルフィド対形成を除去し、さらに最大のシグナル伝達回復を達成することを可能にする。驚くべきことに、Clec9A標的化構築物にとって重要な標的細胞である初代cDC1に対し、C86Y IFNα1バリアント構築物の効力は、野生型IFNα2の効力に匹敵し(P-1479/P-2216では350pMのEC50であり、これに対しIFNα2では240pMである)、同時に、非cDC1細胞に対するC86Y IFNα1構築物の選択性ウインドウは、100倍超であった。
またさらに驚くべきことは、初代cDC1に対し、C86S IFNα1バリアント構築物の効力は、野生型IFNα2の効力を越え(P-1479/P-2213では20pMのEC50であり、これに対しIFNα2では240pMである)、同時に、非cDC1細胞に対するC86S IFNα1構築物の選択性ウインドウは、約300倍超であった。
まとめると、結果は、高効力と高細胞標的選択的IFNARシグナル伝達活性化の特有の組み合わせが、IFNα1キメラタンパク質およびタンパク質複合体組成物、ならびにそれらのバリアントにより達成できることを示している。
実施例8:PD-L1標的化IFNα1およびそのバリアント
この実施例では、FcベースIFNα1およびそのバリアントのための構築物、およびPD-L1発現細胞に対するそれらの標的化を、評価した。これは、C86S変異を有する野生型IFNα1(以前の実施例7中の一部の構築物のように)およびPD-L1指向VHH抗体を組み込んだ構築物を含む。2LIG99および2LIG189と命名された2種のPD-L1特異的VHHを、異なる構築物で使用した。活性が減弱化されおよび標的特異的に回復可能な変異体IFNα2をベースにした同等の構築物も、比較のために含めた。ヘテロダイマー「ノブインホール」FcベースAFNフォーマットをベースにした例示的キメラタンパク質およびタンパク質複合体を、生成した。pcCNA3.4発現ベクター中で、1種または2種のPD-L1 VHHをコードする配列を、柔軟な5*GGS-リンカーを介して、L234A_L235A_K322Qエフェクター変異および「ホール」改変Y349C_T366S_L368A_Y407Vを含むヒトIgG1 Fc配列に融合/連結した(下記の配列参照)。キメラFcベースタンパク質複合体の一部であり、かつこれに組み込まれる第2のポリペプチドもまた、pcDNA3.4ベクター中にクローン化され、およびL234A_L235A_K322Qエフェクター変異および「ノブ」改変S354C_T366WヒトIgG1 Fc配列と、IFNα1のC86Sバリアントの間の融合/連結から構成される。
ヘテロダイマー「ノブインホール」Fcベースキメラタンパク質およびタンパク質複合体を産生するために、次の「ホール」および「ノブ」プラスミド両方の組み合わせを、製造業者の説明書に従いExpiCHO細胞(ThermoFisher)中で遺伝子導入した:
(注意:この構築物では、PD-L1 VHH 2LIGG99は、直列に反復される)
加えて、IFNα2変異体に対する同等の構築物を生成した:
(注意:この構築物では、PD-L1 VHH 2LIGG99は、直列に反復される)
遺伝子導入の7日後に、組換えタンパク質複合体を、AKTA pure instrument(GE Healthcare)でProtein Aカラムおよびスーパーデックス200 Increase10/300カラム(両方ともGE Healthcare)により順次精製した。タンパク質を定量し、純度を、SDS-PAGEで調査した。Fcベース構築物の生物活性を、PD-L1を発現するHL116細胞(IFN誘導可能p6-16ルシフェラーゼレポーター遺伝子で安定に遺伝導入されたIFN応答性細胞株)で試験した。細胞を、一晩播種し、段階希釈の種々のタンパク質構築物配合物で6時間刺激した。ルシフェラーゼ活性を、EnSight Multimode Plate Reader(Perkin Elmer)で測定した。
図26Aのデータは、FcベースPD-L1標的化IFNα1構築物が、実質的に不活性である非標的化バリアントよりも、また野生型IFNα1(表7および8ならびに図20および22Cに示すように、非融合であり、非改変である)と比較しても、遙かにより活性であることを明確に示す。従って、PD-L1標的化は、IFNα1媒介IFNAR活性化を誘導および/または回復する。この挙動は、キメラタンパク質またはタンパク質、およびそのバリアント中に組み込まれるIFNα1の他の標的抗原(例えば、Clec9AおよびCD20:例2、3、7および表7および8を参照)の標的化で観察されたものに類似であり、標的化は抑制または減弱化されたIFNα1活性を標的細胞で選択的に誘導するための汎用手法であることを示している。最も驚くべきことに、活性の誘導は、野生型IFNα1の活性に到達できる、または野生型IFNα1の活性を大幅に超えることができる。興味深いことに、IFNAR活性化に対する野生型ヒトIFNα2の効力に到達できる、(2LIG99)2-Fc3+Fc4-IFNα1構築物(PD-L1 VHH 2LIG99の2つのコピーを含む)で示されるように、活性は、ターゲティング部分の2個以上のコピーを組み込む構築物を作ることによりさらに強化され得る(一方、非標的化Fc-IFNα1構築物は、広い濃度範囲にわたり、有意な検出可能な活性を有しない)。
図26Bは、IFNα1の代わりに変異型のIFNα2を組み込む構築物についての類似の分析を示す。変異体IFNα2は、非標的化FcベースIFNα2変異体のIFNAR活性化およびシグナル伝達活性の低下により示されるように、IFNAR結合および活性が大きく減弱化されているIFNα2のバリアントである(例えば、野生型IFNα2または他の構築物と比較して)。PD-L1に標的化される場合、IFNα2活性は、誘導および/または回復される。これは、PD-L1 VHHの2つのコピーを構築物中に組み込むことにより強化される。驚くべきことに、全ての同等のIFNα1 Fcベース構築物は、変異体IFNα2を組み込むそれぞれの構築物より高い効力であり、それぞれのIFNα2_変異体構築物に対する値より平均で6倍低いEC50値を有した。
これらの知見は、種々のIFNα1キメラタンパク質およびキメラタンパク質複合体構築物それらのバリアントに対する類似の知見と併せて、IFNα1およびそのバリアントをキメラタンパク質およびタンパク質複合体中に組み込む場合、標的細胞で達成され得るIFNAR活性化のための、異例で予想外でかつ特有の効力と選択性の組み合わせをさらに実証した。
等価物
本発明をその特定の実施形態と関連付けて説明してきたが、その実施形態はさらに修正が可能であり、本出願は、一般的に、本発明の原理に従った本発明の任意の変形、使用、または改変を包含することが意図され、本発明が属する技術内の既知のまたは日常的な実施の範囲に入る、および上に示されるおよび以下の添付の請求項の範囲に入る本質的な特徴に該当し得る本開示からの乖離を含むものと理解されよう。
当業者は、本明細書で具体的に記載された特定の実施形態に対する多数の等価物を、ルーチン実験のみを用いて認識し、確認できるであろう。このような等価物は、次の請求項の範囲内に包含されることが意図されている。
参照による組み込み
本明細書で引用されている全ての特許および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で考察された出版物は、単に本出願の出願日に先行してそれらが開示されているという理由で提供されている。本明細書のいずれも、本発明が、先行発明の理由でこのような出版物に先行する権利がないことを容認すると解釈されるべきではない。
本明細書で使用されている全ての見出しは、単に構成上の理由によるものであり、どんな形にせよ、本開示を限定することを意図するものではない。任意の個別のセクションの内容は、等しく全てのセクションに適用できる。