要旨
弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントを含むマルチフレーム人工弁に関連する様々な本発明の概念は開示され、弁尖フレームサブコンポーネントは、患者の解剖学的構造と直接結合せず、ギャップ又は空間によってアンカーフレームサブコンポーネントから分離されている。任意選択的な接続シースを提供して、アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネントを相互接続し、非ネスト化薄型プロファイル構成での人工弁のデリバリー及びネスト化展開構成への移行を支援することができる。アンカーフレームサブコンポーネントと弁尖フレームサブコンポーネントとの間のギャップ又は空間をサブコンポーネント流入端及び/又は流出端などで、橋渡しし及び覆うために、1つ以上ブリッジング部材又は環状溝カバーが提供される。このようなブリッジング/カバー特徴部は、人工弁に出入りするスムーズなフロープロファイルを提供し、塞栓に関連する合併症の発生率を減らし、人工弁デリバリー中の灌流を促進し、デリバリー中のサブコンポーネントのテレスコープ式ネスト化を支援し、デリバリー後のサブコンポーネントの相対的な配置を支援し、又は、あらゆる様々な追加の機能及び利点を提供することができる。関連する人工弁デバイス、デリバリーシステム、デリバリー方法及び組み立て方法はすべて、本明細書で考えられ、扱われる。
1つの例(「例1」)によれば、人工弁は、弁尖フレームを含みそして流入端及び流出端を有する弁尖フレームサブコンポーネント、アンカーフレームを含みそして流入端及び流出端を有するアンカーフレームサブコンポーネント、ここで、前記アンカーフレームサブコンポーネントは前記弁尖フレームサブコンポーネントに結合されており、その結果、前記人工弁は、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントが、前記弁尖フレームサブコンポーネントの流入端が前記アンカーフレームサブコンポーネントの流出端の遠位に位置するように互いに長手方向にオフセットされたデリバリー構成から、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネント内のネスト化位置に少なくとも部分的にネスト化され、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントが、隣接する流入端部分のペア、隣接する流出端部分のペア及び前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の環状ギャップを画定する展開構成に移行するように構成されている、及び、隣接する流入端部分のペア又は隣接する流出端部分のペアの間に延在して前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の環状溝を覆う環状溝カバーを含む。
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、前記環状ギャップは流入環状溝を含み、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にあるときに流入環状溝を覆うための、隣接する流入端部分のペアの間に結合された流入環状溝カバーである。
別の例(「例3」)によれば、例1に加えて、前記環状ギャップは流出環状溝を含み、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にあるときに流出環状溝を覆うための、隣接する流出端部分のペアの間で結合された流出環状溝カバーである。
別の例(「例4」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成に移行する前に、生理学的条件下で血液透過性であるように構成されている。
別の例(「例5」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にあるときに、前記人工弁が展開構成にないときよりも生理学的条件下で血液の透過性が低くなるように構成されている。
別の例(「例6」)によれば、例1に加えて、前記環状ギャップは流入環状溝及び流出環状溝を含み、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にあるときに前記流入環状溝を覆うための、隣接する流入端部分のペアの間に結合された流入環状溝カバーであり、さらに、前記人工弁は、前記人工弁が展開構成にあるときに前記流出環状溝を覆うための、隣接する流出端部分のペアの間に結合された流出環状溝カバーをさらに含む。
別の例(「例7」)によれば、例6に加えて、前記流出環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成に移行する前に、生理学的条件下で血液透過性であるように構成されている。
別の例(「例8」)によれば、例6又は7のいずれかに加えて、前記流出環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成に移行する前に、生理学的条件下で血液不透過性であるように構成されている。
別の例(「例9」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、前記人工弁がデリバリー構成にあるときの伸長構成から、前記人工弁が展開構成に移行するときのリトラクト構成に移行可能である。
別の例(「例10」)によれば、例9に加えて、前記環状溝カバーは、リトラクト構成において実質的にシワがない。
別の例(「例11」)によれば、例9又は10に加えて、前記環状溝カバーは、伸長構成からリトラクト構成に弾力的に移行するように構成されている。
別の例(「例12」)によれば、例9~11のいずれか1つに加えて、前記環状溝カバーは、前記伸長構成から前記リトラクト構成に前記環状溝カバーを移行する際に、前記人工弁の長手方向軸に対して角度を付けるように構成された環状壁を有する。
別の例(「例13」)によれば、例9~12のいずれか1つに加えて、前記環状溝カバーは多孔質弾性フィルムを含み、前記多孔質弾性フィルムは、伸長構成にあるときに、前記多孔質弾性フィルムを生理学的条件下で血液透過性にするのに十分に大きい細孔を画定し、リトラクト構成にあるときに、前記細孔は、前記多孔質弾性フィルムを生理学的条件下で血液に対して透過性をより低くするのに十分に小さい。
別の例(「例14」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、収縮膜及びエラストマーから形成された複合材料を含む。
別の例(「例15」)によれば、例14に加えて、前記環状溝カバーは、曲がりくねったフィブリルを含む収縮膜微細構造を含む。
別の例(「例16」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にあるときに、プリーツ付き構成、波状折り畳み構成及びジグザグ折り畳み構成のうちの少なくとも1つを含み、場合により、前記環状溝カバーは、前記人工弁がデリバリー構成にあるときに、延伸されており、弾性バイアスを有する。
別の例(「例17」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーは、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネント内でのネスト化位置に平行移動するためのバイアスを提供するように構成されている。
別の例(「例18」)によれば、例17に加えて、前記バイアスは、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネントに対して長手方向に拘束されていないときに、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネント内に長手方向に平行移動するのに十分である。
別の例(「例19」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記環状溝カバーの少なくとも一部は、組織の内部成長のために構成され、及び/又は、前記環状溝カバーの少なくとも一部は、組織の内部成長に抵抗するように構成されている。
別の例(「例20」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記人工弁は、前記環状ギャップによって画定される体積を満たすように動作可能な充填剤をさらに含み、場合により、前記充填剤は、ヒドロゲル、アルギネート、フォーム、多孔質材料、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、セルロース、キトサン、ゼラチン、アガロース、グリコサミノグリカン、多糖類及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
別の例(「例21」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記人工弁は接続シースをさらに含み、前記接続シースは、前記人工弁を展開構成に移行するときに、前記接続シースが裏返されるように、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネントに結合している。
別の例(「例22」)によれば、例21に加えて、前記環状ギャップは、前記アンカーフレームサブコンポーネント、前記接続シース及び前記弁尖フレームサブコンポーネントによって画定されている。
別の例(「例23」)によれば、例21に加えて、前記環状溝カバーは、アンカーフレームサブコンポーネント流入端及び弁尖フレームサブコンポーネント流入端に結合され、それらに隣接して周方向に延在している流入環状溝カバーであり、前記環状ギャップは、前記アンカーフレームサブコンポーネント、前記接続シース及び前記弁尖フレームサブコンポーネントによって形成された流入環状溝であり、さらに、前記流入環状溝カバーは、前記弁が展開構成にあるときに前記流入環状溝を覆うように構成されている。
別の例(「例24」)によれば、例21に加えて、前記人工弁は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端及び弁尖フレームサブコンポーネント流出端に結合され、それらに隣接して周方向に延在している流出環状溝カバーをさらに含み、前記環状ギャップは、前記アンカーフレームサブコンポーネント流出端、前記接続シース及び前記弁尖フレームサブコンポーネント流出端の間に形成された流出環状溝を画定し、さらに、前記弁が展開構成にあるときに、前記流出環状溝カバーは前記流出環状溝を覆うように構成されている。
別の例(「例25」)によれば、例24に加えて、前記環状溝カバーは、アンカーフレームサブコンポーネント流出端及び弁尖フレームサブコンポーネントの弁尖フレームカバー流出端に結合され、それらに隣接して周方向に延在している流出環状溝カバーであり、前記弁が展開構成にあるときに、前記流出環状溝カバーは、前記アンカーフレームサブコンポーネント流出端、前記接続シース及び前記弁尖フレームカバーの間に形成された流出環状溝を覆うように構成されている。
別の例(「例26」)によれば、例21~25のいずれか1つに加えて、前記人工弁が展開構成にあるときに、前記流入環状溝カバー及び/又は前記流出環状溝カバーは、前記人工弁が展開構成にないときよりも血液に対する透過性がより低くなるように構成されている。
別の例(「例27」)によれば、例21~26のいずれか1つに加えて、前記人工弁の完全展開構成への移行の開始後であるが、移行の完了前に、前記流入環状溝カバー及び/又は前記流出環状溝カバーは血液透過性であるように構成されている。
別の例(「例28」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記弁尖フレームは弁尖フレーム壁を含み、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、前記弁尖フレームに結合された1つ以上の弁尖及び前記弁尖フレームに結合された弁尖フレームカバーをさらに含み、前記弁尖フレームは、概して管状の形状であり、弁尖フレーム流入端及び弁尖フレーム流出端を画定している。
別の例(「例29」)によれば、例28に加えて、前記弁尖フレームの弁尖フレーム壁は、前記弁尖フレームカバーによって少なくとも部分的に覆われた1つ以上の開口部を含み、前記弁尖フレーム壁の覆われた部分を画定し、その結果、前記弁尖フレームカバーは、流体が前記弁尖フレーム壁の覆われた部分を通過するのを制限するように構成されている。
別の例(「例30」)によれば、例28又は29に加えて、前記弁尖フレームに結合された1つ以上の可撓性弁尖は、流れが順行流条件で前記弁尖フレームサブコンポーネント流入端から前記弁尖フレームサブコンポーネント流出端を通過するように開放するように動作可能であり、流れが逆行流条件で前記弁尖フレームサブコンポーネント流出端から前記弁尖フレームサブコンポーネント流入端を通過するのを制限するように閉止するように動作可能である。
別の例(「例31」)によれば、例28~30のいずれか1つに加えて、前記1つ以上の弁尖は、細孔を画定する多孔質合成フルオロポリマー膜及び前記細孔を充填するエラストマー又はエラストマー性材料を含む複合材料、及び、場合により、前記複合材料の少なくとも一部の上ある、27~32質量%のペルフルオロメチルビニルエーテル及びそれぞれ73~68質量%のテトラフルオロエチレンを含むTFE-PMVEコポリマーを含み、場合により、前記エラストマー又はエラストマー性材料は、TFE-PMVEコポリマーを含み、そして、場合により、前記多孔質合成フルオロポリマー膜はePTFEである。
別の例(「例32」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記アンカーフレームサブコンポーネントはアンカーフレーム及びアンカーフレームカバーをさらに含み、前記アンカーフレームは、概して管状の形状を画定し、アンカーフレーム内面及びアンカーフレーム外面は、前記アンカーフレームのアンカーフレーム壁を画定し、前記アンカーフレーム壁は、前記アンカーフレームカバーにより少なくとも部分的に覆われた1つ以上のアパチャを画定して、前記アンカーフレーム壁の覆われた部分を画定し、その結果、前記アンカーフレームカバーは、流体が前記アンカーフレーム壁を通過するのを制限するように構成されている。
別の例(「例33」)によれば、例32に加えて、前記接続シースは、前記アンカーフレームカバー及び弁尖フレームカバーと隣接している。
別の例(「例34」)によれば、例21~33のいずれか1つに加えて、前記接続シースは、前記アンカーフレームサブコンポーネントの内腔及び前記弁尖フレームサブコンポーネントの内腔と流体連通されている接続シース管腔を画定している薄壁可撓性管状部材であり、前記弁尖フレームサブコンポーネントが非展開構成から展開構成に移行するときに、前記接続シースは折りたたまれて反転するように動作可能であり、その結果、前記接続シースは前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントの間にある。
別の例(「例35」)によれば、例21~34のいずれか1つに加えて、前記接続シースは、前記接続シースの壁に流れ可能特徴部を含み、前記壁は接続シース流入端と接続シース流出端との間に延在しており、前記流れ可能特徴部は、人工弁の完全展開構成への移行の開始後であるが、移行の完了の前に、前記接続シース壁を通る順行性流体流を可能にし、前記接続シース壁を通る逆流性流を防ぐように動作可能である。
別の例(「例36」)によれば、例21~35に加えて、前記接続シースは、内側フィルム層及び外側フィルム層を含み、前記内側フィルム層及び前記外側フィルム層は、少なくとも、弁尖フレームサブコンポーネント流入端及びアンカーフレームサブコンポーネント流出端で一緒に結合されており、前記内側フィルムはそれを通過するアンカーフレームサブコンポーネント流出端に隣接している少なくとも1つの内側フィルムアパチャを画定し、そして前記外側フィルム層はそれを通過する弁尖フレームサブコンポーネントに隣接している少なくとも1つの外側フィルムアパチャを画定し、前記内側フィルム層及び前記外側フィルム層は、前記人工弁の完全展開構成への移行の開始後であるが、移行の完了の前に、それを通る順行性血流を可能にし、そしてそれを通る逆流性流を制限するように動作可能である流れ空間を画定するように、少なくとも前記内側フィルムアパチャの1つと前記外側フィルムアパチャの1つとの間で結合されていない。
別の例(「例37」)によれば、例21~35に加えて、前記接続シースは、内側フィルム層及び外側フィルム層を含み、前記内側フィルム層及び前記外側フィルム層は、少なくとも、アンカーフレームサブコンポーネント流出端で共に結合されており、前記内側フィルムはそれを通過する前記アンカーフレームサブコンポーネント流出端に隣接している少なくとも1つの内側フィルムアパチャを画定し、前記内側フィルム層及び前記外側フィルム層は、前記内側フィルムアパチャの少なくとも下流で結合されておらず、それにより、前記人工弁の完全展開構成への移行の開始後であるが、移行の完了の前に、前記内側フィルムアパチャで前記内側フィルム層が前記外側フィルム層から分離して、順行性血流を可能にし、そして前記内側フィルム層が一緒になり、前記内側フィルムアパチャを覆うことでそれを通過する逆行流を制限するように動作可能である流れ空間をその間に画定する。
別の例(「例38」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記人工弁が展開構成にあるときに、前記アンカーフレームは、フレア型になる又は半径方向外向きにテーパー化するフレア化部分をアンカーフレームサブコンポーネントの流入端で画定する。
別の例(「例39」)によれば、先行の任意の例に加えて、前記人工弁は、展開構成よりもデリバリー構成において、より小さい直径を有する。
別の例(「例40」)によれば、先行の任意の例に加えて、展開構成において、前記アンカーフレームサブコンポーネントは、前記アンカーフレームサブコンポーネント中にネスト化されている前記弁尖フレームサブコンポーネントの部分よりも大きい内直径を画定する内面を有する。
別の例(「例41」)によれば、患者の解剖学的構造の天然弁を治療する方法は、デリバリー構成において、患者の解剖学的構造内の治療部位へ人工弁を前進させること、ここで、デリバリー構成において、前記人工弁の弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントは互いに長手方向にオフセットされており、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネントの弁尖フレームサブコンポーネント流入端は、前記アンカーフレームサブコンポーネントのアンカーフレームサブコンポーネント流入端の遠位に位置する、前記アンカーフレームを組織輪内で展開すること、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の相対的な長手方向位置を変更することによって、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化すること、を含み、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネントは前記アンカーフレームサブコンポーネント内のネスト化位置に少なくとも部分的にネスト化され、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントは、隣接する流入端部分のペア、隣接する流出端部分のペア及び前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の環状ギャップを画定し、前記アンカーフレームサブコンポーネント内の前記弁尖フレームサブコンポーネントのネスト化の間に、前記隣接する流入端部分のペア又は前記隣接する流入端部分のペアとの間に延在する人工弁の環状溝カバーは、伸長構成からリトラクト構成に移行して、前記環状ギャップを覆う。
別の例(「例42」)によれば、例41に加えて、この方法は、治療部位での血流を選択的に制御するために、前記治療部位で前記人工弁を完全に展開することをさらに含む。
別の例(「例43」)によれば、例41又は42のいずれか1つに加えて、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、前記アンカーフレームサブコンポーネントが前記治療部位で展開された後に、前記アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化される。
別の例(「例44」)によれば、例41~43のいずれか1つに加えて、前記人工弁は、カテーテルを介して前記治療部位に進められる。
別の例(「例45」)によれば、例41~44のいずれか1つに加えて、前記アンカーフレームサブコンポーネント内に前記弁尖フレームサブコンポーネントをネスト化することは、前記アンカーフレームサブコンポーネントに対して近位方向に前記弁尖フレームサブコンポーネントを引くことを含む。
別の例(「例46」)によれば、例41~45のいずれか1つに加えて、この方法は、順行性流体流が許可される開位置と、逆行性流体流が阻害される閉位置との間で移行するように前記人工弁が動作可能であるように、前記人工弁を天然弁の組織輪に固定することをさらに含む。
別の例(「例47」)によれば、例41~46のいずれか1つに加えて、組織輪内にアンカーフレームを展開することは、前記人工弁が結合されて、前記アンカーフレームのより大きな直径への展開を促進するデリバリーシステムの拘束要素を解放することを含む。
別の例(「例48」)によれば、例41~47のいずれか1つに加えて、この方法は、前記人工弁の再配置を容易にするために前記アンカーフレームを展開した後に、前記アンカーフレームをより小さな直径に再圧縮することをさらに含む。
別の例(「例49」)によれば、例41~48のいずれか1つに加えて、組織輪内に前記アンカーフレームを展開することは、フランジ部分又はフランジ要素を拡張して前記フランジ部分又はフランジ要素を組織輪に対して配置するように動作可能な拘束要素を解放することをさらに含む。
別の例(「例50」)によれば、例1~40のいずれか1つによる人工弁で患者を治療する方法は、患者の体内の治療部位に人工弁をデリバリーすること、及び、患者の体内の治療部位で前記人工弁を展開することを含む。
別の例(「例51」)によれば、人工弁は、弁尖フレームを含みそして流入端及び流出端を有する弁尖フレームサブコンポーネント、前記弁尖フレームサブコンポーネントに動作可能に結合された弁尖サブコンポーネント、アンカーフレームを含みそして流入端及び流出端を有するアンカーフレームサブコンポーネント、ここで、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、前記アンカーフレームサブコンポーネント内に少なくとも部分的にネスト化位置でネスト化構成になるように構成されている、及び、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間で結合され、ネスト化構成において前記アンカーフレームサブコンポーネントと前記弁尖フレームサブコンポーネントとの間に画定された環状ギャップを橋渡しする1つ以上のブリッジング部材、ここで、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネントに対して長手方向に平行移動可能であるように伸長構成とリトラクト構成との間で長さで弾力的に伸長可能及びリトラクト可能である、を含む。
別の例(「例52」)によれば、例51に加えて、1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントがネスト化構成にあるときに、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間に画定された環状ギャップを覆うように構成された環状膜を含む。
別の例(「例53」)によれば、例51又は52のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記アンカーフレームサブコンポーネントの近位端部分と前記弁尖フレームサブコンポーネントの近位端部分との間に結合された近位ブリッジング部材を含む。
別の例(「例54」)によれば、例51~53のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記アンカーフレームサブコンポーネントの流出端部分と前記弁尖フレームサブコンポーネントの流出端部分との間に結合された流出ブリッジング部材を含む。
別の例(「例55」)によれば、例51~54のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、生理学的条件下で血液不透過性であるように構成されているブリッジング部材を含む。
別の例(「例56」)によれば、例51~55のいずれか1つに加えて、1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネントと非ネスト化構成にあるときに、生理学的条件下で血液透過性であるように構成されているブリッジング部材を含む。
別の例(「例57」)によれば、例51~56のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、リトラクト構成において実質的にシワがない。
別の例(「例58」)によれば、例51~57に加えて、前記1つ以上のブリッジング部材はエラストマー性材料を含む。
別の例(「例59」)によれば、例51~58のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントの前記アンカーフレームサブコンポーネントとの非ネスト化構成からネスト化構成への移行時に、前記人工弁の長手方向軸に対して角度を付けるように構成された環状壁を含む。
別の例(「例60」)によれば、例51~59のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、膜及び前記膜に関連する複数のエラストマー性部材を含む。
別の例(「例61」)によれば、例51~60のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は多孔質弾性フィルムを含み、前記1つ以上のブリッジング部材が伸長構成にあるときに、前記多孔質弾性フィルムは細孔を画定し、前記細孔は、前記1つ以上のブリッジング部材を、伸長構成において生理学的条件下で血液透過性にし、リトラクト構成において生理学的条件下で血液に対してより低い透過性とする。
別の例(「例62」)によれば、例51~61のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、収縮膜及びエラストマーから形成された複合材料を含む。
別の例(「例63」)によれば、例51~62のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、蛇行性フィブリルを含む収縮膜微細構造を含む。
別の例(「例64」)によれば、例51~62のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、リトラクト構成において、プリーツ構成、波状折り畳み構成及びジグザグ折り畳み構成のうちの少なくとも1つを含む。
別の例(「例65」)によれば、例51~64のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントをネスト化構成に平行移動するためのバイアスを提供するように構成されている。
別の例(「例66」)によれば、例51~65のいずれか1つに加えて、前記1つ以上のブリッジング部材の少なくとも一部は組織の内部成長のために構成され、及び/又は、 前記1つ以上のブリッジング部材の少なくとも一部は組織の内部成長に抵抗するように構成されている。
別の例(「例67」)によれば、例51~66に加えて、前記人工弁は、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネントに結合する接続シースをさらに含み、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネントと非ネスト構成からネスト化構成へ移行する際に、前記接続シースは裏返される。
別の例(「例68」)によれば、例67に加えて、前記アンカーフレームサブコンポーネント、前記接続シース及び前記弁尖フレームサブコンポーネントは環状ギャップを画定し、さらに、前記1つ以上のブリッジング部材は、前記弁尖フレームサブコンポーネントがネスト化位置にあるときに、前記環状ギャップを通過する血流を阻害するように作用し、そして前記弁尖サブコンポーネントは、前記人工弁を通る順行性血流を促進し、そして逆行性血流を阻害するように動作可能である。
別の例(「例69」)によれば、例67又は68に加えて、前記接続シースは、前記接続シースの壁において流れ可能特徴部を含み、前記壁は、接続シース流入端と接続シース流出端との間に延在しており、前記流れ可能特徴部は、人工弁のコンパクト化デリバリー構成から拡張された完全展開構成への移行の開始後であるが、移行の完了の前に、前記接続シース壁を通る順行性流体流を可能にし、前記接続シース壁を通る逆行流を防ぐように動作可能である。
別の例(「例70」)によれば、例51~69のいずれか1つに加えて、前記人工弁は、前記弁尖フレームサブコンポーネントがネスト化構成であるときに、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の環状ギャップにデリバリーされるように動作可能な充填剤をさらに含み、前記人工弁は治療部位で完全に展開される。
上述の例はまさに実施例であり、他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又はさもなければ狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることを意図されていない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰するという意味の関係で広く読まれるべきである。
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値をも含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に少量だけ逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われる小さな調整に起因する可能性がある。
本明細書において、便宜的にのみ、特定の用語を使用している。例えば、「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上向き」及び「下向き」などの用語は、図中に示される構成又は取り付け位置での部品の向きを単に記載している。実際、参照される構成要素は任意の方向に向けることができる。同様に、プロセス又は方法が示され又は記載される本開示全体を通して、方法が、最初に行われる特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に行われてよい。
「人工弁」(生体弁とも呼ばれる)は、心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁又は三尖弁)又は他の身体弁(例えば、血管弁)などの天然弁を置換するように構成されうる。そのような人工弁は、可撓性があり、生体組織、合成材料又はそれらの組み合わせから製造された弁尖を含むことができる。幾つかの人工弁の設計において、弁尖は、弁尖を支持し、インプラントされたときに寸法安定性を提供する比較的により剛性の高いフレーム上に結合されている。典型的に、弁尖は流体圧力の影響下で運動し、動作中、弁尖は上流の流体圧力が下流の流体圧力を超えると開き、下流の流体圧力が上流の流体圧力を超えると閉じる。弁尖の自由端は、一般に、下流の流体圧力の影響下で接合し、弁を閉じて、下流の血液が弁を通って逆流するのを防ぐ。次に、弁尖の自由端が上流の流体圧力の影響下で互いに分離するか、又は、離れるように運動し、弁を通る順行性流を可能にする。
人工弁の関係で本明細書において使用されるときに、複数の弁尖を含む「弁尖」又は「弁尖構築物」という用語は、弁尖が圧力差の影響下で開位置と閉位置との間で移動するように動作可能である一方向弁の構成要素である。開位置において、弁尖は流体(例えば、血液)が弁を通って流れることを可能にする。閉位置において、弁尖は、人工弁オリフィスを閉塞することにより、弁を通る逆行性流を実質的に遮断する。複数の弁尖を含む実施形態において、各弁尖は、少なくとも1つの隣接する弁尖又は二次構造と協力して、逆行性血液流を遮断する。血液中の圧力差は、例えば、心臓の心室又は心房の収縮によって引き起こされ、そのような圧力差は、典型的には、例えば、心臓の心室又は心房の収縮によって閉じられたときに、弁尖の片側に蓄積する流体圧力に起因する。弁の流入側の圧力が弁の流出側の圧力よりも高くなると、弁尖は開き、血液はそこを通って流れる。血液がバルブを通って隣接するチャンバ又は血管に流れると、流入側の圧力は流出側の圧力と等しくなる。弁の流出側の圧力が弁の流入側の血圧を超えて上昇すると、弁尖は閉位置に戻り、一般に、弁を通る逆行性血液流を防ぐ。
弁尖は、開示された実施形態の特定の設計又は機能モードによって要求されないときに、機械的弁のように剛性であることができ、又は、生体弁及び合成弁のように可撓性であることができることが理解される。本明細書で提供される実施形態は、弁尖を支持するフレームを含むが、弁尖は必ずしもフレームによって支持されなくてよいことがさらに理解される。他の実施形態において、弁尖は、フレームなしで所望の形状に形成される組織弁技術と同様に構築されうる。
「フレーム」という用語は、本明細書で使用されるときに、一般に、人工弁で使用するための弁尖を直接的又は間接的に支持するために使用される任意の構造又は支持体を指す。適宜、フレームという用語は、支持構造と交換可能に使用されうることが理解される。幾つかの実施形態によれば、弁尖は、中実壁導管の壁によって支持されることができ、前記中実壁導管はフレーム又は支持構造であると理解される。
「管状」という用語は、本明細書で使用されるときに、管の長さに沿って一定の直径を有する管、及び、管の長さに沿って可変の直径を有する管を含み、例えば、限定するわけではないが、テーパー、非円形の横断面又は不規則な周囲などである。例えば、管状部材は、管状部材の少なくとも1つの構成において、その長さに沿って可変の直径を有することができる。別の例として、管状部材は、デリバリー構成においてほぼ一定の直径を有することができ、展開又は展開前構成(例えば、患者の解剖学的構造に操作可能に配置されたとき)において可変の直径を有することができる。「管状」という用語は、円形プロファイルを必要とせず、不規則なプロファイル、例えば、限定するわけではないが、非真円プロファイル、楕円形プロファイル、正方形プロファイルなどを含みうることが理解される。
「ブリッジング部材」という用語は、「環状溝カバー」という用語を含み、したがって、「環状溝カバー」に関連して本明細書に記載される属性は、一般に、「ブリッジング部材」に適用可能であり、逆もまた同様である。
「組織輪」という用語は、天然心臓弁構造、血管系及び他の解剖学的特徴部を含む。
「膜」という用語は、本明細書において使用されるときに、限定されるわけではないが、延伸フルオロポリマーなどの単一の組成物を含む材料のシートを指す。
「複合材料」という用語は、本明細書において使用されるときに、2つ以上の材料成分を含み、他とは異なる1つ以上の材料特性を有する材料を指す。幾つかの例において、複合材料は、膜の形態の第一の材料成分と、膜と組み合わされた(例えば、コーティング及び/又は吸収プロセスによって)ポリマーの形態の第二の材料成分とを少なくとも含む。「ラミネート」という用語は、本明細書において使用されるときに、膜、複合材料、又は他の材料、例えば、限定するわけではないが、ポリマー、例えば、限定するわけではないが、エラストマー、エラストマー性又は非エラストマー性材料及びそれらの組み合わせの複数の層を指す。
「フィルム」という用語は、本明細書において使用されるときに、一般に、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を指す。
「エラストマー」という用語は、元の長さの少なくとも1.3倍まで伸長され、解放されるとほぼ元の長さまで急速に収縮する能力を有する1つのポリマー又はポリマーの混合物を指す。
「エラストマー性材料」という用語は、必ずしも同程度の伸長及び/又は回復ではないが、エラストマーと同様の伸長及び回復特性を示す1つのポリマー又はポリマーの混合物を指す。
「非エラストマー性材料」という用語は、エラストマー又はエラストマー性材料のいずれにも類似していない、すなわち、一般に知られているようなエラストマー又はエラストマー性材料ではないと考えられる伸長及び回復特性を示す1つのポリマー又はポリマーの混合物を指す。
「弾力性」という用語は、曲げ、伸ばし又は圧縮された後に、反動又は跳ね返って形状に戻る能力を指す。
「シワのない」という用語は、肉眼で(すなわち、大スケールで)目に見える折り目、折り畳み又はシワがないことを指す。
「隣接する」という用語は、共通の境界を共有するか又は接触している要素を指す。
「生体適合性材料」という用語は、本明細書において使用されるときに、一般に、生体適合性特性を有する任意の材料を指し、合成材料、限定するわけではないが、例えば、生体適合性ポリマー、又は、生物学的材料、例えば、限定するわけではないが、ウシ心膜を含む。生体適合性材料は、様々な実施形態について本明細書に記載されるように、第一のフィルム及び第二のフィルムを含むことができる。
以下の記載におけるセクション見出しは、限定的な意味で読まれることが意図されず、また、以下に提示される総括的な開示を分離することが意図されない。開示は全体として読まれるべきである。見出しは単にレビューを支援するために提供されており、特定の見出し以外の議論がその見出しに該当する開示の部分に適用できないことを意味するものではない。
様々な例が経カテーテル設計に関連して本明細書に記載されているが、人工弁の様々な例は、外科的又は経カテーテル用途のいずれにも適している可能性があることが理解される。したがって、経カテーテル設計に関連して記載された本発明の概念は、外科的用途及び経カテーテル用途の両方に適用可能であり、経カテーテル用途のみに限定されない。
様々な実施形態の説明
以下でさらに記載されるように、様々な例において、人工弁は、人工弁が受け入れられる組織輪又は他の解剖学的特徴部と直接結合しない弁尖フレームサブコンポーネントを含む。弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントは、一般に、2つの間のギャップ又は空間を画定する。この2つを相互接続する接続シースは、弁尖フレームサブコンポーネントがアンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化されていないときに、弁尖フレームサブコンポーネントとアンカーフレームサブコンポーネントとの間で長手方向に延在していることができる。次に、弁尖フレームサブコンポーネントがアンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化されると、接続シースは、場合により、裏返され、2つの間の空間内に延在する。ブリッジング部材とも呼ばれる1つ以上の環状溝カバー(例えば、環状流入溝カバー又は環状流出溝カバー)は、追加的又は代替的に、弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントを接続することができる。一般に、ブリッジング部材は、アンカーフレームサブコンポーネントと弁尖フレームサブコンポーネントとの間の環状溝又はギャップを覆うように構成された環状部材(例えば、環状膜)である。
様々な例において、弁尖フレームサブコンポーネントは、浮くか、又は、さもなければ、弁尖フレームサブコンポーネントが結合されるアンカーフレームサブコンポーネント内で機械的に隔離された位置に保持される。そのような構成は、アンカーフレームサブコンポーネントが患者の解剖学的構造(例えば、組織輪の形状)に適合しうる一方で、弁尖フレームサブコンポーネントが解剖学的構造に適合する必要がなく、又は、解剖学的構造との係合によって形状が変化される必要がないという観点から有利であることができる。このようにして、弁尖フレームサブコンポーネントは所望の形状(例えば、直円中空シリンダ)を保持することができ、それにより、開閉弁尖変動過程及び接合を含む、適切で反復可能な弁尖機能を促進する幾何学的に安定したプラットフォームを備えた弁尖を提供する。別の言い方をすれば、そのような構成は、アンカーフレームサブコンポーネントが変形して(例えば、非真円又はほぼ楕円形となることによって)、弁尖フレームサブコンポーネントの変形を引き起こすことなく、天然弁組織輪に適応するか又はさもなければそれに適合することができることを提供する。
様々な実施形態において、流入環状溝カバー(近位環状溝カバーとも呼ばれる)及び/又は流出環状溝カバー(流出環状溝カバーとも呼ばれる)は、人工弁が完全に展開されたときに、アンカーフレームサブコンポーネント内の弁尖フレームサブコンポーネントの相対的位置を維持するのを助けることができる。例えば、流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、弾力的にリトラクト可能及び伸長可能であることができ、その結果、溝カバーは、伸長構成とリトラクト構成との間で移行することができる。別の言い方をすれば、流入環状溝カバーは、アンカーフレームサブコンポーネントの管腔内で、比較的伸長した構成からアンカーフレームサブコンポーネントの流入端に隣接する比較的にリトラクトされた構成まで収縮するように動作可能である。
流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、アンカーフレームサブコンポーネント内の弁尖フレームサブコンポーネントのネスト化及び拡張の間に、伸長構成からリトラクト構成を示すことができ、その結果、流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、溝カバーが収縮するにつれて比較的に平坦な形状をとる。例えば、環状溝カバーは、カバーが収縮し、それらが人工弁の長手方向軸に対してより低い角度(より浅い角度)から人工弁の長手方向軸に対してより高い角度(より急な角度)に移行するときに角度を付けるように画定される角度付き壁を有することができる。幾つかの例において、溝カバーは、リトラクト構成において、弁尖フレームサブコンポーネントの壁とアンカーフレームサブコンポーネントの壁との間でほぼ垂直に延在している。
結合位置に関して、様々な例において、流入環状溝カバーは、それぞれの弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントの隣接する近位端部分(流入端部分とも記載される)のペアの間に結合され、そして流出環状溝カバーは、それぞれの弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントの隣接する流出端部分(流出端部分とも記載される)のペアの間で結合される。幾つかの例において、流入環状溝カバーの第一の端部は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端(近位端とも記載される)に結合されることができ、そして流入環状溝カバーの第二の端部は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端(再び、場合により、近位端として記載される)に結合されることができる。同様に、流出環状溝カバーの第一の端部は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端(遠位端とも記載される)に結合されることができ、そして流出環状溝カバーの第二の端部は、弁尖フレームサブコンポーネント流出端(遠位端とも記載される)に結合されることができる。
以下で環状溝カバーと呼ばれる1つ以上のブリッジング部材は、弁尖フレームサブコンポーネントが長手方向に平行移動され、アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化されるときに、アンカーフレームサブコンポーネントと弁尖フレームサブコンポーネントとの間の環状空間又は環状ギャップを橋掛けし、又は、それを横切って延在するように構成されている。様々な例において、環状溝カバーは、それぞれ、人工弁の流入端又は流出端で、アンカーフレームサブコンポーネント、接続シース及び弁尖フレームサブコンポーネントによってそれぞれ画定される、流入環状溝又は流出環状溝などの環状ギャップ又は溝を覆うように動作可能である。
展開構成又はリトラクト構成において、流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、弁尖フレームサブコンポーネント流入端とアンカーフレームサブコンポーネント流入端との間に延在し、流入環状溝カバーは流入環状溝を覆い、そこに流入する又はそこから流出する流体流を制限するように動作可能である。使用される場合に、流出環状溝カバーは、弁尖フレームサブコンポーネント流出端とアンカーフレームサブコンポーネント流出端との間に延在し、流出環状溝カバーは流出環状溝を覆い、そこに流入する又はそこから流出する流体流を制限するように動作可能である。様々な実施形態において、流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、リトラクト構成にあるときに、血液に対する透過性がより低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性)。流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーはまた、伸長構成にあるときに、生理学的条件下で血液透過性であるように構成されうる。例えば、人工弁の完全展開構成への完全移行の開始後であるが、移行の完了の前に、流入環状溝カバー及び/又は流出環状溝カバーは、血液透過性であるように構成されている。
様々な特徴が上記に記載されているが、それらは例として提供され、追加又は代替の特徴、関連する利点及び他の発明の態様は考えられ、全体として読まれる開示から明らかであろう。
様々な実施形態は、その場で、デリバリーの圧縮された非ネスト化構成(図1)と、展開され、拡張されたネスト化構成(図3A及び3B)との間で移行可能である人工弁1000を対象とする。図1は、展開前状態の人工弁1000の側面図であり、ここで、人工弁1000は、デリバリーの非ネスト化構成にある。示されるように、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100、前記アンカーフレームサブコンポーネント1100と同軸整列した弁尖フレームサブコンポーネント1200、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間でそれらと同軸直列整列して延在している接続シース1300、流入環状溝カバー1400(非表示であるが、破線で示されている)及び流出環状溝カバー1500(断面図で示されている)を含む。続いて記載され、図12に示されるように、人工弁1000は、デリバリーデバイス1600上で展開前構成で輸送されうる。
人工弁1000は、本質的にアンカーフレームサブコンポーネント1100内に浮遊し、アンカーフレームサブコンポーネント1100に直接結合せず、また、天然弁組織輪にも直接結合しない弁尖フレームサブコンポーネント1200を提供する。アンカーフレームサブコンポーネント1100は、天然弁組織輪の形状に適合しうるが、弁尖フレームサブコンポーネント1200は天然弁組織輪の形状に適合しない。弁尖フレームサブコンポーネント1200は真円中空シリンダ又は所定の幾何学的構成のままであり、それにより、幾何学的に安定したプラットフォームを備えた弁尖を示し、開閉変動過程、及び、可撓性弁尖の場合に、接合を含む、適切な弁尖機能を保証する。天然弁組織輪に適合させる必要のない弁尖フレームサブコンポーネント1200に関連するこれらの利点は、人工弁1000の経カテーテル又は外科的配置のいずれかでも実現されうることが理解される。
様々な実施形態において、以下により詳細に論じられるように、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が患者の解剖学的構造内の治療部位に展開された後にその場でネスト化されうるように構成されている。すなわち、様々な実施形態において、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が互いに対して長手方向にオフセットされた状態で患者の解剖学的構造内の治療領域にデリバリーされ、続いて治療部位で互いにネスト化されることができる。様々な実施形態において、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が互いに長手方向にオフセットされた状態でデリバリーカテーテルに載置され、これは、人工弁1000がネスト化構成でデリバリーカテーテルに載置される場合よりも低いプロファイル又は直径を示す。経カテーテルでデリバリーされる人工弁のより低いデリバリープロファイルは、血管を介したより容易な前進を含む、よく認識された利点を有する。
インプラント処置中に弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100中にネスト化されないことに関連するこれらの利点は、人工弁1000の外科的配置においても実現されうることが理解される。例えば、限定するわけではないが、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内になく、縫合処置に近接することなく、天然弁組織輪に容易に縫合されることができ、弁尖への針損傷の可能性を低減する。
図2A~2Dは、それぞれ、拡張された非ネスト化構成の人工弁1000の様々な形態の側面図であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100が、図1の圧縮構成で示すものと比較してより大きな直径にそれぞれ拡張されていることを示している。図2A~2Dの図は、人工弁1000が、図1の拘束されたネスト化前構成から半径方向/周方向に拘束されていない様子であり、例えば、人工弁1000が、デリバリーカテーテル1604上に圧縮されて拘束される(例えば、図12に示されるようにデリバリーデバイス1600に関連する1つ以上の拘束要素1716を使用する)前に、デリバリーデバイス1600のデリバリーカテーテル1604上に配置される場合である。
図3Aは、幾つかの例による、完全展開されたネスト化構成の人工弁1000の流入側からの軸方向の図であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、ネスト化位置でアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されている。図3Bは、完全展開されたネスト化構成の人工弁1000の等角図であり、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の両方は完全に拡張された構成に移行されている。図4は、展開構成における流入端からの人工弁1000の軸方向の図であり、アンカーフレームサブコンポーネント1100、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びそれらの間の接続シース1300を示し、また、他の構成要素の視覚化の明確さのために透明であるように示された流入環状溝カバー1400を示す。図1~4を参照して理解されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、概して管状形状であり、より小さなデリバリー構成直径及びより大きな展開構成直径を有するように動作可能であり、バルーン拡張及び/又は自己拡張展開手段によって促進される。
アンカーフレームサブコンポーネント
幾つかの実施形態において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、図2A~2Dに示されるように、アンカーフレーム1120及びアンカーフレームカバー1132を含む。図5はアンカーフレーム1120の側面図であり、図6はアンカーフレーム1120の軸方向の図である。アンカーフレーム1120のアンカーフレーム壁1105は、アンカーフレームカバー1132(例えば、フィルム又は布帛、図2A~2D)によって少なくとも部分的に覆われることができ、例えば、前記カバーは、流体がアンカーフレーム1120のアンカーフレーム壁1105を通過するのを制限し、インプラント部位でアンカーフレームサブコンポーネント1100の組織内部成長を促進する、又は、所望の代替又は追加の目的のためなどの所望の効果に適切である。アンカーフレームカバー1132は、アンカーフレーム1120の内面、外面、又は、内面と外面の両方に結合することができる。例示の目的で、以下の例は、特に経カテーテル用途に適しているが、外科的用途にも適する。
図5及び6に示されるように、アンカーフレーム1120は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102(図2A~2D、近位端とも記載される)に対応するアンカーフレーム流入端1122、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104(図2A~2D、遠位端とも記載される)に対応するアンカーフレーム流出端1124、及び、アンカーフレーム壁1105を画定するアンカーフレーム内面1106及びアンカーフレーム外面1108を有する、概して管状の部材であり、ここで、アンカーフレーム内面1106は、それを通してアンカーフレームサブコンポーネント管腔1140を画定する。参考までに、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102及びアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104にそれぞれ近接する流入端部分及び流出端部分を画定する。
図6に示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102(図2A~2D)とアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104(図2A~2D)及びアンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレーム内面1106の間で画定されるほぼ筒形のボイドである。しかしながら、その場で、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140は、それが配置される組織輪の形状及びアンカーフレームサブコンポーネント1100のインプラント部位の組織輪への適合性に応じて、不規則な断面を採用しうる。様々な例において、アンカーフレーム1120は、天然弁組織輪に結合するか又はさもなければ固定されるように構成されている。したがって、様々な例において、アンカーフレーム1120の直径(例えば、アンカーフレーム外面1108の直径)、及び、本質的に、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント外面1190(図2A~2D)の直径は、患者の解剖学的構造に応じたサイズになっている。
アンカーフレームサブコンポーネント1100の非限定的な例は、患者の解剖学的構造に応じて、25ミリメートル~50ミリメートルの間の範囲の直径(例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100の外面の直径)を備えることができることが理解されるであろう。しかしながら、25ミリメートル未満及び50ミリメートルを超える直径(例えば、アンカーフレーム外面1108の直径)を有するアンカーフレーム1120もまた、患者の解剖学的構造に応じて想定され、本開示の範囲内にある。一般的に、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント内面1107(一般に図4に示される)は、テレスコープ式にアンカーフレームサブコンポーネント1100内に弁尖フレームサブコンポーネント1200をネスト化するのを容易にするために、そして弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内で浮かせ又はさもなければ機械的に隔離された位置に保持することを可能にするために、弁尖フレームサブコンポーネント1200の外面よりも少なくともわずかに大きい直径を有する。
様々な例において、アンカーフレーム1120は、自己拡張性となるように弾性的に変形可能である。幾つかの実施形態において、アンカーフレーム1120は、荷重下で屈曲し、荷重が除去されたときに元の形状を保持するように動作可能な形状記憶材料を含み、したがって、アンカーフレームサブコンポーネント1100が圧縮形状から所定のより大きな形状に自己拡張することを可能にする。アンカーフレーム1120は、以下でさらに詳細に記載される弁尖フレームと同じ又は異なる材料を含むことができる。幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、バルーンなどの半径方向の拡張力によって機械的に拡張することができるように塑性変形可能である。
幾つかの実施形態において、アンカーフレーム1120は、図5に示されるように、アパチャ又はボイド1116を画定するフレームワークを有する管状メッシュを画定する。例えば、示されるように、アンカーフレーム1120は、相互接続され、1つ以上のパターンで配置された複数のフレーム部材1112を含む。幾つかの例において、これらのパターンは1回以上繰り返される。幾つかのそのような例において、フレーム部材1112は、アンカーフレーム1120が複数のパターン化列を含むように配置されそして相互接続されている。様々な例において、フレーム部材1112は、様々なジョイント1114で互いに接続されている。幾つかの例において、これらのジョイント1114は、アンカーフレーム1120がより小さなデリバリー直径に圧縮されたとき及び周囲の解剖学的構造からの力が、人工弁1000のデリバリー及び展開後の通常動作中にアンカーフレーム1120を圧縮するように作用するときに屈曲するための優先的な屈曲位置を提供するように屈曲点として機能する。屈曲点又はジョイント1114は、高度の曲げを経験するアンカーフレーム1120上の部位を含むことができる。幾つかの例において、ジョイント1114は、とりわけ、圧縮されたときに屈曲点又はジョイント1114で優先的に曲がるようにアンカーフレーム1120にバイアスをかける幾何形状、構造変更又は材料変更を有する。
幾つかの実施形態において、1つ以上の閉止セルアパチャ又はボイド1116は、ジョイント1114とアンカーフレーム1120の相互接続されたフレーム部材1112との間に画定される。示されるように、そのようなアパチャ又はボイド1116は、アンカーフレーム1120のアンカーフレーム外面1108からアンカーフレームサブコンポーネント内面1107へ延在することができる。図5及び6の実施形態に示されるように、アンカーフレーム1120が展開構成にあるときに、1つ以上のアパチャ又はボイド1116は菱形形状を画定する。より小さな直径(例えば、デリバリー直径)に圧縮されると、1つ以上のジョイント1114及びフレーム部材1112は、アパチャ又はボイド1116が概して細長い菱形形状を画定するように変形する(例えば、図1に一般に示されるように)。治療部位での展開中にアンカーフレーム1120をより大きな直径に拡張すると、アパチャ又はボイド1116は拡張して、概してより広い菱形を画定形状する。
本明細書に例示されそして記載されたフレーム部材1112は相互接続され、概して菱形形状を有するアパチャ又はボイド1116を画定するが、相互接続されたフレーム部材1112は、多数の代替パターンで配置されうることを理解されたい。例えば、アンカーフレーム1120のフレームワークは、幾何学的形状及び/又は線形又は曲がりくねった一連の正弦波など、反復可能な又はその他の任意の数の特徴を画定することができる。幾何学的形状は、アンカーフレーム1120の周方向の圧縮性及び拡張性を促進する任意の形状を含むことができる。すなわち、経カテーテルデリバリーのためにより小さい直径に圧縮され、その後に、人工弁1000の展開中に治療部位でより大きな直径に拡張される(又は拡張させる)アンカーフレーム1120を提供するようにフレーム部材1112の配置が構成される、多数の代替パターンが想定される。したがって、本開示は、菱形形状のアパチャ又はボイド1116を画定するフレーム部材1112の配置に限定されるものと読まれるべきでない。
様々な実施形態において、アンカーフレーム1120は、切断管、又は、本明細書に記載されるようなアンカーフレーム1120の特定の目的に適した任意の他の要素を含むか、又はさもなければ、かかる要素から形成されうる。幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、エッチングされ、切断され、レーザー切断され又は打ち抜かれて、材料のチューブ又はシートにされ、その後、シートは管状構造に加工されうる。あるいは、ワイヤ、曲げ可能なストリップ又はそれらの一連のもののような長尺材料は、曲げられるか、又は編組されて、管状構造に加工されることができ、ここで、管の壁は、本明細書に例示及び記載されているように、概して均一かつ周方向により小さな直径に圧縮可能であり、そしてより大きな直径に拡張可能である、開放されたフレームワークを含む。
アンカーフレーム1120は、任意の金属又はポリマーの生体適合性材料を含むことができる。例えば、アンカーフレーム1120は、限定するわけではないが、ニチノール、コバルトニッケル合金、ステンレス鋼、又は、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、ePTFE、他の合金又はポリマー、又は、本明細書に記載されるように機能するのに十分な物理的及び機械的特性を有する他の任意の生体適合性材料などの材料を含むことができる。
様々な例において、アンカーフレーム1120は、当業者が理解するように、ばね荷重下で自己拡張するように弾性変形可能である。幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、当業者が理解するように、バルーンなどで機械的に拡張されるように塑性変形可能である。さらに他の幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、塑性変形可能であるだけでなく、弾性変形可能でもある。すなわち、幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、1つ以上の弾性変形可能な構成要素又は特徴部と、1つ以上の塑性変形可能な構成要素又は特徴部とを含む。したがって、本明細書に提示されるアンカーフレーム1120の例は、特定の設計又は拡張モードに限定されるべきではないことを理解されたい。
様々な実施形態において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、インプラント部位との積極的な係合を提供して、人工弁1000をその部位にしっかりと固定するように構成されている。インプラント部位とのそのような積極的な係合は、以下の1つ以上によって促進されることができ、それは、限定するわけではないが、アンカーフレーム1120の拡張ばねバイアス、拡張されたアンカーフレーム1120のフープ強度、組織係合特徴部、及びアンカーフレームサブコンポーネント外面1109の幾何学的形状、輪郭及び/又はテクスチャである。
様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100(例えば、アンカーフレーム1120)は、人工弁1000を取り囲む組織オリフィスで組織の1つ以上の領域に係合するように構成された1つ以上の組織係合特徴部1118を含む。様々な例において、組織係合特徴部1118は、1つ以上の棘又は組織アンカーを含み、アンカーフレーム1120と一体であるか、又はアンカーフレーム1120から別個に形成されうる。
図2A~2Dに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、展開構成にあるときに半径方向外向きにフレア又はテーパー化する、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102でのフランジ又はフレア部分1130を画定することができる。示されるように、フレア部分1130は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104よりも大きな展開直径を有するアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102をもたらす。様々な例において、以下により詳細に論じられるように、そのような構成は、移行リスクを最小化し、そしてインプラント部位での組織輪とのアンカーフレームサブコンポーネント1100の接合を促進するのに役立つことができる。
図2A及び2Bに示されるような一体型フレア部分1130ではなく、図2C及び2Dに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレーム1120のアンカーフレーム流入端1122から分離され、それに隣接し、それと同軸であるフランジ要素1150を含むことができる。図2Cは、拡張された展開前構成における人工弁1000の側面図であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100は、図2A及び2Bの実施形態のアンカーフレーム1120のアンカーフレーム流入端1122の一体型フランジ又はフレア部分1130と比較して、フランジ要素1150の詳細を示すように、より大きい直径に拡張されていることを示す。
図2Cに示されるように、フランジ要素1150は、展開構成にあるときに半径方向外向きにフレア又はテーパー化するアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102も画定する、アンカーフレームサブコンポーネント1100のフランジ又はフレア部分1130を画定する。フランジ要素1150は、アンカーフレーム1120と実質的に同じ構造のほぼ管状の部材である。フランジ要素1150は、フランジ要素流入端1152、フランジ要素流出端1154、フランジ要素内面1156及びフランジ要素外面1158を有し、フランジボイド1157を画定するフランジ要素壁1155を画定する。フランジ要素内面1156は、それを通るアンカーフレームサブコンポーネント管腔1140の一部を画定する。その場で、フランジ要素1150は、それが配置される組織輪の幾何形状、及び、インプラント部位での組織輪に対するフランジ要素1150の適合性に応じて、不規則な断面を採用することができる。
フランジ要素1150は、下記に記載されるアンカーフレームカバー1132によってアンカーフレーム流入端1122に結合されている。フランジ要素1150は、フランジ要素流入端1152及びフランジ要素流出端1154を画定する。フランジ要素1150は、アンカーフレーム1120に隣接し、それと同軸であり、それから軸方向に離間して配置され、フランジ要素流出端1154はアンカーフレーム流入端1122に隣接しているが、それとは分離されている。
図2Cは、フランジ要素外面1158に対して凹状の曲率を有するトランペット形状で外向きにフレアしているフランジ要素1150を示している。図2Dは、フランジ要素1150の別の実施形態を示しており、フランジ要素の外面1158は、凸状の曲率を画定している。アンカーフレームサブコンポーネント1100が配置される解剖学的構造の形状は、図2C及び図2Dのフランジ要素1150又は図2A及び2Bのアンカーフレームサブコンポーネント1100のフレア部分1130の形状の最良の選択を決定するであろう。図2A及び2Bのアンカーフレームサブコンポーネント1100のフレア部分1130はまた、それが配置されている特定の解剖学的構造に適した図2Dの実施形態の凸状の曲率を画定することができる。
アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレーム1120のアンカーフレーム壁1105を通る流体流を防止するように動作可能なアンカーフレームカバー1132をさらに含む。様々な例において、アンカーフレームカバー1132は、半透明又は透明である。したがって、アンカーフレーム1120の要素は、アンカーフレームカバー1132を通して示される。流れを阻害又は防止することに加えて、アンカーフレームカバー1132はまた、組織輪での組織接合のための好ましい表面を提供するように動作可能であることができ、さらに、人工弁1000の組織輪への固定に有利であることができ、血液の好ましい生物学的応答を促進することができ(例えば、血栓反応を防止する)、及び/又は弁周囲漏出を最小限に抑えるための組織輪と人工弁1000のシーリングを促進することができる所望の位置での組織の内部成長を促進するように動作可能であることができる。
図2A~2Dは、アンカーフレーム1120のボイド1116のすべて又は大部分が、アンカーフレーム壁1105を通る流れを遮断するようにアンカーフレームカバー1132(例えば、アンカーフレームカバー1132は、血液に対して透過性がより低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性))によって覆われる、又は、時間の経過とともに血液に対して透過性が低くなる(例えば、織物及び/又はポリエステルベースのグラフト材料と同様)ように構成されている、実施形態を提供する。したがって、幾つかの実施形態において、アンカーフレームカバー1132は、アンカーフレーム外面1108に結合された低透過性又は不透過性のフィルム、シート又は膜である。アンカーフレームカバー1132は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、アンカーフレームカバー1132は、とりわけ、フィルム又は布帛材料であることができる。
アンカーフレームカバー1132は、生物学的に適合性があり、アンカーフレーム1120に結合するように構成されたシート状の材料であることができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源ではなく、生体適合性ポリマーなどの特定の目的に十分に可撓性でありかつ強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。幾つかの例において、フィルムは2つ以上の材料の複合体である。フィルムは、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、アンカーフレームカバー1132が血液に対してより透過性が低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性である)ようなものである。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、アンカーフレームカバー1132が細胞の内部成長、接着及び/又は付着を促進するようなものである。すなわち、様々な例において、アンカーフレームカバー1132は、アンカーフレームカバー1132の1つ以上の部分への組織の内部成長を促進するように構築される。細胞の内部成長は、人工弁の組織輪とのシーリングをさらに増加させることができ、弁周囲の漏出、すなわち、人工弁とそれが結合している組織との間の漏出を最小限に抑えるのに役立つことが理解される。
弁尖フレームサブコンポーネント
図7は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の軸方向の流入端の図である。図2A~2D及び7に示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレーム1220、1つ以上の弁尖1230を含む弁尖サブコンポーネント1228(図7)、及び弁尖フレームカバー1232を含む。弁尖フレームサブコンポーネント1200はほぼ管状の形状であり、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202及び弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204と、それを通る弁尖フレームサブコンポーネント管腔1240を画定する。弁尖フレームサブコンポーネント1200は、一般に、人工弁1000に一方向弁の機能を備えさせる。機械的弁尖、生物学的弁尖、合成弁尖、ならびに生物学的及び合成弁尖弁を使用できることが理解される。経カテーテル用途では、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、より小さな直径の圧縮構成及びより大きな直径の拡張構成を有することが要求され、弁サブコンポーネント及び関連する弁尖1230は、その機能に対応できなければならないことも理解されたい。
図8は、弁尖フレーム1220の側面図である。一般的に、弁尖フレーム1220は、弁尖1230(図7)の構造的支持を提供する。弁尖フレーム1220は、より小さなデリバリー構成直径及びより大きな展開構成直径を有するように動作可能であり、バルーン拡張及び/又は自己拡張展開手段によって促進される。当該技術分野で知られているように、例として、アパチャを画定する構造、例えば、限定するわけではないが、ステントなどの弁尖フレームが様々な直径を有することを可能にするワイヤ形態又は穿孔壁チューブは特定の目的に適している。図2A~2Dに示されるように、弁尖フレーム1220の弁尖フレーム壁1205は、低透過性フィルム又は布帛を含む、より血液透過性の低い材料(例えば、生理学的条件下で血液不透過性)などの弁尖フレームカバー1232で少なくとも部分的に覆われることができ、それにより、流体が弁尖フレーム1220の弁尖フレーム壁1205を通過するのを制限する。
図8を参照すると、弁尖フレーム1220は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202に対応する弁尖フレーム流入端1222、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204に対応する弁尖フレーム流出端1224(図2A~2D)、弁尖フレーム壁1205を画定する弁尖フレーム内面1206及び弁尖フレーム外面1208を有するほぼ管状の部材であり、弁尖フレーム内面1206は、それを通る弁尖フレームサブコンポーネント管腔1240(図7)を画定する。弁尖フレームサブコンポーネント管腔1240は、弁尖フレーム流入端1222と弁尖フレーム流出端1224及び弁尖フレーム内面1206の間に画定されるほぼ筒形のボイドである。
弁尖フレーム1220は、アパチャ又はボイド1216を画定する管状フレームワークを画定する。例えば、示されるように、弁尖フレーム1220は、相互接続され、1つ以上のパターンで配置される複数のフレーム部材1212を含む。様々な例において、フレーム部材1112は、様々なジョイント1214で互いに接続されている。幾つかの例において、これらのジョイント1214は、圧縮されたときに、経カテーテルデリバリーに要求されるような、より小さなデリバリー直径に屈曲するなど、弁尖フレームサブコンポーネント1200に優先的な屈曲位置を提供するような屈曲点として動作する。幾つかの例において、屈曲点又はジョイント1214は、高度に曲げを経験する弁尖フレーム1220上の部位を含む。幾つかの例において、屈曲点又はジョイント1214は、とりわけ、より大きな直径とより小さな直径との間で圧縮又は拡張されたときに、弁尖フレーム1220をジョイント1214で曲げるようにバイアスする幾何形状、構造変更又は材料変更を含むことができる。
幾つかの例において、1つ以上の閉止セルアパチャ又はボイド1216は、弁尖フレームサブコンポーネント1200のジョイント1214と、相互接続されたフレーム部材1212との間に画定される。幾つかの例において、これらのアパチャ又はボイド1216は、弁尖フレーム1220の弁尖フレーム壁1205の弁尖フレーム外面1208から弁尖フレーム内面1206へと延在している。図2Aの実施形態に示されるように、1つ以上のアパチャ又はボイド1216は、弁尖フレームサブコンポーネント1200が展開構成にあるときに菱形形状を画定する。より小さな直径(例えば、デリバリー直径)に圧縮されると、1つ以上のジョイント1214及びフレーム部材1212は、アパチャ又はボイド1216が一般に細長い菱形形状を画定するように変形する(例えば、図1Aに一般に示されるとおり)。治療部位での展開中に弁尖フレームサブコンポーネント1200をより大きな直径に拡張すると、アパチャ又はボイド1216は拡張して、概してより広い菱形形状を画定する。
本明細書に例示及び記載されたフレーム部材1212は相互接続され、概して菱形形状を有するアパチャ又はボイド1216を画定するが、相互接続されたフレーム部材1212は、本開示の主旨又は範囲から逸脱することなく、多数の代替パターンで配置されうることを理解されたい。すなわち、フレーム部材1212の配置が、経カテーテルデリバリーのためにより小さな直径に圧縮され、続いて人工弁1000の展開中に治療部位でより大きな直径に拡張される(又は拡張させる)ことができる弁尖フレームサブコンポーネント1200を提供するように構成される多数の代替パターンは想定される。したがって、本開示は、菱形形状のアパチャ又はボイド1216を画定するフレーム部材1212の配置に限定されるべきではない。例えば、弁尖フレーム1220のフレームワークは、幾何学的形状及び/又は線形又は曲がりくねった一連の正弦波などの、反復可能又はその他の任意の数の特徴部を画定することができる。幾何学的形状は、周方向の圧縮性及び拡張性を促進する任意の形状を含むことができる。
様々な実施形態において、弁尖フレーム1220は、切断管、又は、本明細書に記載されるとおりの弁尖フレーム1220の特定の目的に適した任意の他の要素を含むか、又はさもなければ、それから形成されうる。幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、エッチングされ、切断され、レーザー切断され、又は材料のチューブ又はシートに打ち抜かれ、次いで、シートは管状構造に加工されうる。あるいは、ワイヤ、曲げ可能なストリップ又はそれらの一連のもののような長尺材料は、曲げられるか又は編組されて、実質的に管状の構造に加工されることができ、ここで、管の壁は、本明細書に示され、記載されるように、より小さな直径に圧縮可能でかつより大きな直径に拡張可能な開放フレームワークを含む。
弁尖フレーム1220は、実施形態により、例えば、弾性変形可能な金属又はポリマーの生体適合性材料などを含むことができるが、これらに限定されない。弁尖フレーム1220は、ニッケル-チタン合金であるニチノールなどの形状記憶材料を含むことができる。弁尖フレーム1220に適した他の材料としては、限定するわけではないが、他のチタン合金、ステンレス鋼、コバルトニッケル合金、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、他の合金又はポリマー、又は、本明細書に記載されるような、弁尖フレームサブコンポーネント1200として機能するために適切な物理的及び機械的特性を有する他の任意の生体適合性材料が挙げられる。
様々な例において、弁尖フレーム1220は、当業者が理解するように、ばね荷重下で自己拡張するように弾性変形可能である。幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、当業者が理解するように、バルーンなどで機械的に拡張されるように塑性変形可能である。さらに他の幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、塑性変形可能であるだけでなく、弾性変形可能でもある。すなわち、幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、1つ以上の弾性変形可能な構成要素又は特徴部、及び、1つ以上の塑性変形可能な構成要素又は特徴部を含む。したがって、本明細書に提示される弁尖フレーム1220の例は、特定の設計又は拡張モードに限定されるべきではないことを理解されたい。
幾つかの実施形態によれば、弁尖フレーム1220は、荷重下で屈曲し、荷重が除去されたときに元の形状を保持するように動作可能な形状記憶材料を含み、したがって、弁尖フレームサブコンポーネント1200が圧縮形状から予め決められた形状へと自己拡張することができる。弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100は同じ又は異なる材料を含むことができる。1つの実施形態によれば、弁尖フレーム1220はバルーンによって拡張されるように塑性変形可能である。別の実施形態において、弁尖フレーム1220は自己拡張するように弾性変形可能である。
様々な実施形態において、弁尖サブコンポーネント1228の1つ以上の弁尖1230は、弁尖フレーム1220に結合されて、一方向弁構造を提供する。上記で参照したように、様々な機械的弁、生物学的弁尖及び合成弁尖の設計を、所望に応じて使用することができる。
一般的に、弁尖フレーム1220に結合された1つ以上の可撓性弁尖1230は、順行流方向とも呼ばれる、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202から弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204を通過する流れを可能にするように開き、そして逆行流方向とも呼ばれる、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204から弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202を通って流れる流れを制限するように閉じるように動作可能である。
幾つかの例において、弁尖サブコンポーネント1228、特に弁尖サブコンポーネント1228の1つ以上の弁尖1230は、弁尖フレーム1220の弁尖フレーム内面1206に結合されている。他の例において、弁尖材料を含むフィルムは、弁尖フレーム外面1208に結合され、弁尖フレーム1220によって画定される弁尖ウィンドウを通って延在して、弁尖サブコンポーネント1228を画定する。このような構成は、弁尖1230が弁尖フレーム1220の弁尖フレーム内面1206に結合されている構成と比較して、弁尖1230が剥離又は脱離する可能性を最小限に抑える。幾つかの関連する例において、例えば、弁尖1230の1つ以上の部分は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の1つ以上の部分の周りに巻き付けられて、強化された取り付け及び/又は改善された疲労性能などを提供する。
弁尖フレームサブコンポーネント1200は、流体が開放された弁尖1230によって画定される管腔を通ってのみ流れることができるように、弁尖フレーム1220の壁を通る流体流を防ぐように動作可能な弁尖フレームカバー1232をさらに含む。図2A~2Dは、弁尖1230の弁尖フレーム1220への取り付けの上流にある弁尖フレーム1220の部分を通る流れを遮断するために、弁尖フレームカバー1232によって覆われている弁尖フレーム1220のボイド1216を示す。幾つかの例によると、弁尖フレームカバー1232は、弁尖フレーム外面1208に巻き付けられて結合される不透過性フィルム、シート又は膜などの低透過性材料(例えば、生理学的条件下で血液不透過性)であることができる。弁尖フレームカバー1232は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、弁尖フレームカバー1232は、とりわけ、フィルム又は布帛であることができる。
弁尖フレームカバー1232は、生物学的に適合性があり、弁尖フレーム1220に結合するように構成されたシート状の材料であることができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源ではなく、生体適合性ポリマーなど、特定の目的のために十分に可撓性で強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは、生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。幾つかの例において、フィルムは2つ以上の材料の複合体である。フィルムは、膜、2つ以上の構成要素の複合材料、又は、複数の材料層のラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、弁尖フレームカバー1232が血液に対してより透過性が低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性である)ようなものである。
上記に参照されたように、様々な実施形態において、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化可能である。図9は、より明確な視覚化のために他の構成要素が示されていない、ネスト化された拡張された構成の弁尖フレーム1220及びアンカーフレーム1120の斜視図である。完全なサブコンポーネントアセンブリに関して、図3及び9に示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレームサブコンポーネント1200が、少なくとも部分的にアンカーフレームサブコンポーネント1100内で同軸配置可能又は受け入れ可能であるか、又はさもなければテレスコープ式にネスト化されることを提供するようにサイズ決めされそして形状決めされる。別の言い方をすれば、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の一部(又は代替的にはすべて)が、アンカーフレームサブコンポーネント1100によって画定される空間によって受け取られるか、又はさもなければその空間内に配置されて、隣接する流入端部分及び流出端部分のペア(又は、隣接する流入端部分及び流出端部分のペア)を画定することができるように構成されている。
上記と一貫して、幾つかの例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の外面の直径(拡張された展開構成にあるとき)がアンカーフレームサブコンポーネント1100の内面の直径(拡張された展開構成にあるとき)よりも小さくなるようなサイズにされる。幾つかの例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200の外面の直径は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の内面の直径の75パーセント(75%)~90パーセント(90%)の間の範囲にある。他の例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200の外面の直径は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の内面の直径の75パーセント(75%)以下である。弁尖フレームサブコンポーネント1200の非限定的な例は、患者の解剖学的構造に応じて、20ミリメートル~30ミリメートルの間の範囲の直径(例えば、弁尖フレームサブコンポーネント1200の内面又は外面の直径)を備えることができることが理解される。
弁尖材料
様々な例において、弁尖サブコンポーネント1228の1つ以上の弁尖1230は、生体適合性の合成材料(例えば、ePTFE及びePTFE複合材料、又は所望に応じて他の材料を含む)から形成される。他の例において、弁尖1230は、ウシ組織、ブタ組織などを含む再利用組織などの天然材料から形成されている。
本明細書中の実施形態によれば、弁尖サブコンポーネント1228は、複数の細孔及び/又は空間を有する少なくとも1つの多孔質合成ポリマー膜層と、前記少なくとも1つの合成ポリマー膜層の細孔及び/又は空間を充填するエラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料を有する複合材料を含む。他の例によれば、弁尖1230は、前記複合材料上にエラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の層をさらに含む。例によれば、複合材料は、10質量%~90質量%の範囲の多孔質合成ポリマー膜を含む。
多孔質合成ポリマー膜の例としては、細孔及び/又は空間を画定するノード及びフィブリル構造を有する延伸フルオロポリマー膜が挙げられる。幾つかの例において、延伸フルオロポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜である。多孔質合成ポリマー膜の別の例としては、微孔質ポリエチレン膜が挙げられる。
エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の例としては、限定するわけではないが、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(TFE/PMVEコポリマー)、(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、ケイ素-ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン-コ-ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー及び上記のそれぞれのコポリマー又は混合物が挙げられる。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、60~20質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ40~80質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むエラストマーである。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、67~61質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ33~39質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むエラストマー性材料である。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、73~68質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ27~32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含む非エラストマー性材料である。TFE-PMVEコポリマーのTFE及びPMVE成分は質量%で表される。参考までに、PMVEの質量%の40、33~39及び27~32は、それぞれ29、23~28及び18~22のモル%に対応する。
幾つかの例において、TFE-PMVEコポリマーは、エラストマー、エラストマー性及び/又は非エラストマー性特性を示す。
幾つかの例において、複合材料は、73~68質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ27~32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーの層又はコーティングをさらに含む。
幾つかの例において、弁尖サブコンポーネント1228は、60~20質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ40~80質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーが吸収された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜であり、弁尖サブコンポーネント1228は、血液接触面上に、73~68質量パーセントのテトラフルオロエチレンと、それぞれ27~32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーのコーティングをさらに含む。
上記のように、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料は、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料が延伸フルオロポリマー膜内の実質的にすべてのボイド空間又は細孔を占めるように、延伸フルオロポリマー膜と組み合わせることができる。
適切な弁尖材料の幾つかの例が提供されているが、上述の例は、限定的な意味で読むことを意図するものではなく、追加の又は代替の材料は想定される。
幾つかの例において、弁尖フレームカバー1232、アンカーフレームカバー1132、接続シース1300、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、弁尖サブコンポーネント1228に関連して上記した任意の材料を含むことができる。
接続シース
図1及び図2A~2Dは、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に延在する接続シース1300を示し、弁尖フレームサブコンポーネントはネスト化されておらず、又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100からオフセットされている。様々な例において、接続シース1300は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202で弁尖フレームサブコンポーネント1200の周囲に、そして、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104でアンカーフレームサブコンポーネント1100の周囲に結合された可撓性管状膜であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100に結合するように動作可能である。接続シース1300は、薄くて可撓性であり、デリバリー構成において、より小さな直径に折り畳むか、又は弾性的に収縮するように動作可能である。
アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が拡張されると、接続シース1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に延在しているテーパー化構成を画定する。接続シース1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化するのを容易にするように構成されている。
人工弁1000が展開されたネスト化構成にあるときに、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、ネスト化位置でアンカーフレームサブコンポーネント1100中に平行移動され、接続シース1300は裏返され、それらの間に配置されている(図11A)。
図2A~2Dを参照すると、非ネスト化構成の人工弁を示しており、接続シース1300は、内面1307、外面1308、流入端1322及び流出端1324を有する。示されるように、接続シース1300は、接続シース流入端1322でアンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104に結合され、接続シース流出端1324で弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202に結合される。接続シース1300は薄壁で可撓性管状部材であり、それは、展開前構成にあるときに、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140及び弁尖フレームサブコンポーネント管腔1240と流体連通している接続シース管腔1340(例えば、図11A及び11B)を画定する。弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されているときに、接続シース1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に位置するように折り畳みそして反転するように動作可能である。接続シース1300は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、接続シース1300は、とりわけ、フィルム、布帛又は膜であることができ、それは可撓性があり、血液に対する透過性が低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性)。
接続シース1300は、所望に応じて、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200内及び/又はその周囲に配置されうる。例えば、接続シース1300は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のいずれか又は両方の間だけでなく、その上又は内部に延在することができる。幾つかの例において、接続シース1300は、弁尖フレームカバー1232及びアンカーフレームカバー1132と隣接している。特に、接続シース1300は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間を少なくとも延在し、それらを互いに結合するように動作する、アンカーフレームカバー1132及び/又は弁尖フレームカバー1232のフィルムと隣接するフィルムであることができる。示されるように、接続シース1300は、概して管状の材料から形成され、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のうちの1つ以上を少なくとも部分的に覆う。
幾つかの例において、接続シース1300は、弁尖フレーム1220及びアンカーフレーム1120の各々のそれぞれの内直径に一致するように可変直径を画定する筒形マンドレルの上及び周囲にフィルムを巻き付けることにより形成され、それらの間のテーパー部分は弁尖フレーム1220のより小さい直径からアンカーフレーム1120のより大きい直径に移行している。アンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220のいずれか又は両方はフィルム上を摺動され、フレームの内面に結合される。所望ならば、接続シース1300は、例えば、アンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220のいずれか又は両方の上及び周囲にフィルムを巻き付け、フレームの外面に結合されることによって形成される。
接続シース1300は、生物学的に適合性があり、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200に結合するように構成された任意のシート状材料であることができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源でなく、生体適合性ポリマーなどの特定の目的のために十分に可撓性で強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。フィルムは、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。様々な例において、フィルムの構造及び使用される材料は、接続シース1300が、生理学的条件下で流体流に対して低い透過性(例えば、血液不透過性)を有するようなものである。
様々な例において、接続シース1300は接続シース壁1305を含み、前記接続シース壁は、流体流に対して不透過性であり(例えば、生理学的条件下で血液不透過性である)、接続シース管腔1340を通る流体流を、特に、人工弁1000を組織輪に展開する間に制御し、図3に示すように展開されたネスト化構成にあるときに、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間の低透過性又は不透過性シールとして作用する。以下でさらに議論されるように、人工弁1000の展開中に、アンカーフレームサブコンポーネント1100は組織輪内に展開され、弁尖フレームサブコンポーネント1200はデリバリーデバイス1600(図12)に取り付けられた状態で、血流は展開中に閉塞されるか、又は接続シース1300は、人工弁1000の展開中に選択的血流を促進するための特徴部を含むことができる。特に、幾つかの例において、接続シース1300は、人工弁1000の組織輪への展開中に接続シース壁1305を通して順行性流体流(例えば、血液灌流)を可能にするように動作可能である。
図10A~10C及び10Eを参照すると、人工弁1000は、場合により、接続シース1300に形成された1つ以上の流れ可能特徴部1350を含む。図10Aは、流れ可能特徴部1350が順行性流(矢印「A」で示される)を許容する開構成にある人工弁1000の側面図である。図10Bは、流れ可能特徴部1350が逆行性流(矢印「R」で示される)を妨害する閉構成にある人工弁1000の側面図である。幾つかの例において、1つ以上の流れ可能特徴部1350は、1つ以上の穿孔又はアパチャを含む。流れ可能特徴部1350は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が一緒にネスト化され、そして完全展開構成になる前に、流れ可能特徴部1350を通る順行性流を可能にし、逆行性流を防ぐように動作可能である。さらに、流れ可能特徴部1350は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されたときに、そして完全展開構成において、完全に閉止されてシールされるように構成されている。
幾つかの例において、1つ以上の流れ可能特徴部1350は、一方向の流れを促進する1つ以上の機構を追加的又は代替的に含む。例えば、幾つかの例において、流れ可能特徴部1350は、一方向弁として構成されている。幾つかの例において、一方向弁はアパチャ又は穿孔を含み、逆行流圧力下でアパチャ又は穿孔を覆いそしてシールするための、アパチャ又は穿孔を覆いそしてそれよりも大きい材料のフラップ又は要素を含む。幾つかの例において、一方向弁は、人工弁を通る逆行性流を最小化又は防止しながら、人工弁を通る順行性流を可能にするように方向付けられている。
図10A~10Eは、図1に示されるような人工弁1000が、特定の要素をより明確に示すために、拘束されたネスト化前構成から拘束を受けていない様子の側面図である。図10A~10Bに示されるように、流れ可能特徴部1350の例はアパチャ1352及びフラップ1354を含み、それらはアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が一緒にネスト化される前に(アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が長手方向にオフセットされている間に)、人工弁1000を通る順行性流を可能にするように動作する。フラップ1354は、逆行流圧力下でアパチャ1352を覆い、アパチャ1352を通る逆行性流を制限又は最小化するために、アパチャ1352に対してオーバーサイズされることができ、一方、順行性流の間に、フラップ1354は、アパチャ1352から離れて持ち上げられ、アパチャ1352を通る順行性流を可能にする。さらに、フラップ1354は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化され、完全展開構成にあるときに、アパチャ1352を覆いそしてシールするように構成されうる。
幾つかの実施形態において、接続シース1300は、フィルムの2つの層である、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306(図10C及び10Dに示されるように)を含み、両方の層はアンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の内面又は外面のいずれかに結合されているか、又は、内側フィルム1304はアンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の内面に結合され、そして外側フィルム層1306はアンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の外面に結合されている。
図10Cは、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100に結合されて示されるような接続シース1300の別の実施形態の側面図である。図10Dは接続シース1300の分解図である。この実施形態によれば、接続シース1300は、フィルムの二重層であり、図10Cに示される部分的に展開された構成にあるときに、接続シース1300の内層を画定する円錐管状部材である内側フィルム層1304及び接続シース1300の外層を画定する内側フィルム層1304よりわずかに大きい円錐管状部材である外側フィルム層1306である。
幾つかの例において、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、少なくとも、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202及びアンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104で一緒に結合される。内側フィルム層1304はそれを通してアンカーフレームサブコンポーネント1100に隣接している少なくとも1つの内側フィルムアパチャ1312を画定し、外側フィルム層1306はそれを通して弁尖フレームサブコンポーネント1200に隣接している少なくとも1つの外側フィルムアパチャ1310を画定する。それぞれの内側フィルムアパチャ1312は、それぞれの外側フィルムアパチャ1310から半径方向にオフセットされており、以下に提供されるような動作を容易にする。内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、内側フィルムアパチャ1312の1つと外側フィルムアパチャ1310の1つとの間で少なくとも結合されておらず、流れ空間1320をそれらの間に画定し、その結果、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化される前に(アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が本明細書中に例示及び記載されているように、長手方向にオフセットされている間に)、外側フィルム層1306が内側フィルムアパチャ1312から離れて浮き上がり、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310を通る順行性流を可能にする。幾つかの実施形態において、外側フィルム層1306は、流れ空間1320を画定するように、外側フィルムアパチャ1310及び内側フィルムアパチャ1312の少なくとも下流で結合されていない。
動作中、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、逆行性流圧力下で、一緒になって流れ空間を閉じ、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310を覆いそしてシールし、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310を通る逆行性流を制限又は最小化する。さらに、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化され、完全展開構成にあるときに、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310を覆いそしてシールするように構成されている。
上記の実施形態において、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、少なくとも、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202及びアンカーフレーム1100のアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104で一緒に結合される。1つの実施形態によれば、外側フィルム層1306は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104で又はそれに隣接して一緒に結合されなくてよく、逆行性流条件の間に内側フィルムアパチャ1312を覆うようになおも機能しうることが理解される。フラップ1354に関連して上記の実施形態で提供されるように、外側フィルム層1306は、フラップ1354と同様に、すなわち、逆行性流条件の間に内側フィルムアパチャ1312を閉塞するように機能することができる。
図10Eは、図2A~2Dの図と同様の人工弁1000の側面図であり、流れ可能特徴部1350を含む接続シース1300の実施形態では、接続シース1300は弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100に結合されている。この実施形態によれば、接続シース1300は、フィルムの二重層であり、図10Eに示される部分的に展開された構成にあるときに、接続シース1300の内層を画定する円錐管状部材である内側フィルム層1304、及び、接続シース1300の外層を画定する、内側フィルム層1304よりもわずかに大きいが、それよりも短い円錐管状部材である外側フィルム層1306である。内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、少なくとも、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104で一緒に結合されているが、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202では結合されていない。
内側フィルム層1304は、それを通してアンカーフレームサブコンポーネント1100に隣接する少なくとも1つの内側フィルムアパチャ1312を画定し、外側フィルム層1306は、少なくとも1つの内側フィルムアパチャ1312を覆うように構成されている。順行性流動条件下で、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化される前に(すなわち、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が、本明細書に例示及び記載されるように長手方向にオフセットされている間に)、外側フィルム層1306は内側フィルム層1304から離れて持ち上げられ、前記少なくとも1つの内側フィルムアパチャ1312の覆いを外し、それらの間に流れ空間1320を画定し、その結果、外側フィルム層1306が内側フィルムアパチャ1312から離れて持ち上げられて、内側フィルムアパチャ1312を通る順行性流を可能にする。内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は逆行性流れ圧力下で一緒になって流れ空間を閉じ、内側フィルムアパチャ1312を覆いそしてシールし、内側フィルムアパチャ1312を通る逆行性流を制限又は最小化する。さらに、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化され、完全展開構成であるときに、内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、内側フィルムアパチャ1312を覆いそしてシールするように構成されている。
接続シース1300のいずれの例においても、接続シース1300は、場合により、図2Dに示されるような1つ以上の補強要素1380を含む。特に、図2Dは、視覚化の目的で、任意選択的な補強要素1380を破線で示している。補強要素1380は、場合により、ステント様フレーム要素(例えば、周方向に延在する曲がりくねった形状記憶要素)、1つ以上の長手方向に延在している補強部材(例えば、繊維、ワイヤ、形状記憶フレーム要素など)などである。このような補強要素の例は、2018年9月12日に出願された「Telescoping Prosthetic Valve and Delivery System」という発明の名称の米国特許出願第16/129,779号明細書に見出すことができる。様々な例において、補強要素1380は、接続シース1300に剛直化バイアスを提供し、接続シース1300とともに反転するように構成されることができ、示されるように湾曲もしくはS字形であるか又はジグザグであることができ、又は、所望に応じて別の形態をとることができる。1つ以上の補強要素1380は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化するための所定量の力及びネスト化された位置からの弁尖フレームサブコンポーネント1200の移動に抵抗するための対応する所定量の力を取るようにして、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化されて、剛直化バイアスを提供するときに、一時的に弾性的に曲げられるか又は折り畳まれることができる。幾つかの例において、ネスト化構成のアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200では、補強要素の柱強度は、それがなければ弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100から脱ネスト化させ又はテレスコープ式に出て離れる原因となっていたであろう圧縮荷重に抵抗する。1つ以上の補強要素1380の幾つかの機能及び利点が記載されてきたが、追加又は代替の機能及び利点は想定される。
接続シース1300を含む様々な実施形態が記載されているが、他の実施形態において、接続シース1300は省略される(例えば、図11G及び11Hに示されるとおり)。そのような実施形態において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、場合により、例えば、接続シース1300を使用せずに、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200を結合又は接続するように機能する。
環状溝カバー/ブリッジング部材
図2A~2D(総称して、図2A~2D)は、人工弁1000の残りの部分との関係で、横断方向の境界、又は、流入ブリッジ部材1400及び流出ブリッジ部材1500、又は流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500の周囲の輪郭を示す。図11A~11Gは、幾つかの実施形態による、人工弁1000の半分の断面から取られた、様式化された概略図におけるブリッジング要素又は環状溝カバーの特徴部を示している。参考までに、図11A、11C、11E及び11Gは、完全展開構成の人工弁1000を示しており、弁尖フレームサブコンポーネント1200はアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化され、また、拡張構成に拡張されている。次に、図11B、11D、11F及び11Hは、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100から脱ネスト化されて、弁尖フレームサブコンポーネント1200が比較的に直径方向により圧縮されている(例えば、部分的に拡張された構成)展開前状態の人工弁1000を示している。
図11A~11Gのそれぞれに示されるように、流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102でアンカーフレームの流入端部分に、そして弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202で弁尖フレームサブコンポーネントの流入端部分に結合される。流出環状溝カバー1500は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104の流出端部分でアンカーフレームサブコンポーネント1100に、そして弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204で弁尖フレームサブコンポーネント1200の流出端部分に結合される。流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の端部に向かって取り付けられるものとして示され、記載されているが、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、適宜に他の場所に取り付けられてもよい。
様々な例において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、デリバリー構成において低半径方向プロファイルに弾力的に収納するように動作可能であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100間で延在するように動作可能である可撓性弾性要素である。流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に出入りする血流を阻害するために実装されうる。
幾つかの例において、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500の一方又は両方は、それらが比較的に緊張されて保持されるように、展開位置にあるときに弾性バイアス下にある。流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500とアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200との係合は、幾つかの実施形態によれば、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の相対位置を維持するのを支援することができる。
流入環状溝カバー/流入ブリッジング部材
様々な実施形態において、流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の流入ギャップ1702を横切って延在し又は橋渡しするように動作可能である。一般に、流入ギャップ1702は環状軸方向プロファイルを有する。幾つかの例において、流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に画定される流入環状溝1704を覆い、また、接続シース1300が存在するときに、例えば、図11A、11C、11E、11Gにより、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されているときに、接続シース1300を覆うように動作可能である。図11A、11C及び11Eに示されるように、流入環状溝カバー1400は、流入ギャップ1702を橋渡しし、アンカーフレームサブコンポーネント1100、接続シース1300(展開プロセス中に反転される)及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間に形成される流入環状溝1704を覆うように構成されている。
示されるように、流入環状溝カバー1400は、流入環状溝カバーの第一の端部1432及び流入環状溝カバーの第二の端部1434を画定する。流入環状溝カバーの第一の端部1432は、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102に結合されている。流入環状溝カバーの第二の端部1434は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202に結合されている。流入環状溝カバー1400は、展開前/拡張構成(例えば、図11B、11D、11F)にあるときに、人工弁1000の長手方向軸Xにほぼ平行に(又は長手方向軸Xに対して比較的に小さい又は浅い角度)で延在するように動作可能であり、そして、展開/リトラクト構成(例えば、図11A、11C、11E)にあるときに、角度をもって、幾つかの例において、長手方向軸Xに対して概して横断方向(又は長手方向軸Xに対して横断方向に比較的大きい又は急な角度)で延在するように動作可能である管状要素である。流入環状溝カバー1400は、図11A~12Fに示されるように、展開プロセス中にアンカーフレームサブコンポーネント1100を通って延在するように動作可能であり、一方、接続シース1300は、図11A~11F及び12A~12Fに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内で折り畳されそして反転され、そして弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に位置するように動作可能である。
流入環状溝カバー1400は、人工弁1000のデリバリーを容易にするように構成され、図1及び図2に示されるように、伸長された管状又は錐状構成に弾性的に拘束されるように動作可能である。特に、流入環状溝カバー1400はまた、図1に示されるように、拘束された弁尖フレームサブコンポーネント1200及び拘束されたアンカーフレームサブコンポーネント1100の直径と比較的に同じ直径で、流入環状溝カバー1400が接続シース管腔1340に隣接して延在する状態で、拘束された展開前構成において小さな管状直径を画定するように拘束されうる。幾つかの実施形態において、デリバリーデバイス1600は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されるデリバリーシーケンスにおける時間まで、非ネスト化構成で人工弁1000を長手方向に拘束するように構成されている。
展開構成において、流入環状溝カバー1400は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202とアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102との間の距離を橋渡しして、流入ギャップ1702を橋渡しし、アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202によって画定される流入環状溝1704を横切って延在する(図11A)。
幾つかの実施形態において、流入環状溝カバー1400は、流入環状溝カバー1400の弾性バイアスにより、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100の相対位置を保持する。例えば、流入環状溝カバー1400は、場合により、流入環状溝カバー1400がリトラクト構成にバイアスされるのと反対の力に対抗する。
所望ならば、バイアスは、生理学的負荷条件下でのアンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200のセンタリング又は他の望ましい位置決めを支援するように事前に決定されうる。他の実施形態において、バイアスは、ある程度の弾性撓み、又はアンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の位置の調整を可能にして、生理学的負荷に対応するか、又は潜在的にさらに良好に自然の生理学的作用を複製する(例えば、心周期中の天然弁の動きとより厳密に一致させる)ように選択されうる。別の言い方をすれば、バイアスは、人工弁1000にかかる流体力学力が、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内で軸方向又は半径方向に許容できない距離だけ弁尖フレームサブコンポーネント1200を移動させることになる流入環状溝カバー1400の伸長/拡張に必要な弾性バイアスに打ち勝つのに十分ではなく、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の相対的な軸方向及び/又は半径方向の位置を維持する(又は少なくとも相対的な軸方向又は半径方向の動きを最小化する)ように事前に決定されうる。
1つの実施形態によれば、流入環状溝カバー1400は、連続的な曲がりくねった及び/又はジグザグ構成を有するプリーツ又は折り畳み構成を備える。プリーツ又は折り畳み構成は、流入環状溝カバー1400をより小さな直径に縮小することを容易にすることができる。プリーツ構成は、弾性バイアスを有するか、又はさもなければ収縮構成又はリトラクト構成に弾力的に戻ることができる。図11C及び11Dは、それぞれ、伸長構成及びリトラクト構成におけるジグザグ又はアコーディオンプリーツの実施形態を示す。図11E及び11Fは、それぞれ、伸長構成及びリトラクト構成における曲がりくねった、プリーツ又は折り畳みの構成を示している。
実施形態によれば、流入環状溝カバー1400は、人工弁1000が展開構成にあるときに(例えば、図3A及び3Bに示されるとおり)、流体/血液が流入環状溝カバー1400を通過することが防止されるように、リトラクト又は部分リトラクト構成にリトラクトするときに(例えば、図11A、11C、11E及び11Gに示されるように)非透過性である。リトラクト構成において、流入環状溝カバー1400は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202からアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102まで延在し、流入ギャップ1702を効果的に橋渡しし、アンカーフレームサブコンポーネント1100、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間に形成された流入環状溝1704を覆う。図11G及び11Hは、接続シース1300が人工弁1000から省略されている例を提供する。そのような例において、流入環状溝カバー1400は、流入ギャップを橋渡しし、流入環状溝1704を覆うように機能し、これは、そのような例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間に画定される。
人工弁1000が完全展開構成にあるときに、流入ギャップ1702を橋渡しし、流入環状溝1704を血流から覆い又はシールすることに関して様々な理由が存在することができる。例えば、そのような実施は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202へのよりスムーズな流れを提供するのを支援することができ、これは、そうでなければ、流入環状溝1704中に順行性で流れ込み、そして流入環状溝1704から逆行性で流れ出て、又は、流入環状溝1704内で形成され、追い出しそして血流に入ることができる塞栓を防止し、又はそれを閉じ込めることができる。様々な実施形態において、流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の(例えば、所望の比較的に同軸の位置での)弁尖フレームサブコンポーネント1200の位置決め及び/又は保持を支援することができる。幾つかの実施形態によれば、流入環状溝カバー1400は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の軸方向位置を制御するように動作可能であることができる。そして、さらなる実施形態において、流入環状溝カバー1400は、デリバリーシーケンス中に、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に長手方向に平行移動させるためのバイアスを提供することができる。これらの、そして追加又は代替の特徴及び利点は、本明細書で提供される例によって達成することができる。
流出環状溝カバー/流出ブリッジング部材
様々な実施形態において、流出環状溝カバー1500は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の流出ギャップ1705を横切って延在し、又は橋渡しするように動作可能である。様々な例において、流入ギャップ1702及び流出ギャップ1705は接続シース1300により中断されている。他の実施形態(例えば、図11G及び11H)において、接続シース1300は省略され、流入ギャップ1702及び流出ギャップ1705は、連続的でかつ中断されずに、単一の連続的なギャップを形成する。とにかく、流出ギャップ1705は、様々な例によれば、環状の軸方向プロファイルを有する。流出環状溝カバー1500は、一般に、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に画定される流出環状溝1706を覆い、ならびに、接続シース1300が存在するときには、例えば、図11A、11C、11E、11Gにより、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されるときに、接続シース1300を覆うように動作可能である。図11A、11C及び11Eに示されるように、流出環状溝カバー1500は、流出ギャップ1705を橋渡しし、アンカーフレームサブコンポーネント1100、接続シース1300(展開プロセス中に反転)及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間で形成される流出環状溝1706を覆うように構成されている。
示されるように、流出環状溝カバー1500は、流出環状溝カバーの第一の端部1532及び流出環状溝カバーの第二の端部1534を画定する。流出環状溝カバーの第一の端部1532は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104に隣接する流出端部分に結合される。流出環状溝カバーの第二の端部1534は、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204に隣接する流出端部分に結合される。図2A及び2Bに示されるように、流出環状溝カバーの第二の端部1534は、弁尖フレームカバー1232の流出端に隣接して取り付けられることができる。例えば、流出環状溝カバー1500は、隣接するアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104及び弁尖フレームカバー1232の流出端に結合され、そこから周方向に延在することができる。図2Aに示されるように、弁尖フレームカバー1232は、場合により、弁尖フレーム流出端1224に対応する流出端に結合する。このような例において、弁尖フレームカバー1232が弁尖フレーム流出端1224に延在して、弁尖フレーム1220を通って、流出環状溝1706に対応する空間内に血液が流れ込むのを回避するのが望ましいことがある。そのような例において、取り付け線は、周囲が実質的に平坦であることができる。図2Bに示されるように、弁尖フレームカバー1232は、場合により、弁尖フレーム流出端1224の近位に位置する流出端部分に結合する。示されるように、弁尖フレームカバー1232は、弁尖フレーム流出端1224まで延在せず、そして流出環状溝カバーは、弁尖フレーム1220を通って、流出環状溝1706に対応する空間内への血流を回避するために、弁尖フレームカバー1232の流出端又は遠位端を比較的にギザギザの又は平坦でない周方向の経路を走ることができる。
流出環状溝カバー1500は、展開前/拡張構成(例えば、図11B、11D、11F)にあるときに、人工弁1000の長手方向軸Xにほぼ平行に(又は長手方向軸Xに対して比較的に小さい又は浅い角度で)延在するように動作可能であり、そして展開/リトラクト構成(例えば、図11A、11C、11E)にあるときに、ある角度で、そして幾つかの例において、長手方向軸Xに対してほぼ横断方向に(又は長手方向軸Xに対して比較的に大きい又は急な角度で)延在するように動作可能である管状要素である。流出環状溝カバー1500は、図11A~12Fに示されるように、展開プロセス中にアンカーフレームサブコンポーネント1100を通って延在するように動作可能であり、一方、接続シース1300は、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内で折り畳み及び反転するように動作可能であり、図11A~11F及び12A~12Fに示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に位置する。
幾つかの例において、流出環状溝カバー1500は、人工弁1000のデリバリーを容易にするように構成され、図1及び図2に示されるように、伸長された管状又は錐形構成に弾性的に拘束されるように動作可能である。特に、流出環状溝カバー1500はまた、拘束された弁尖フレームサブコンポーネント1200及び拘束されたアンカーフレームサブコンポーネント1100の直径と比較的に同じ直径で、拘束された展開前構成において小さな管状直径を画定するように拘束されることができ、図1の破線で示されるように、そして図11B、11D、11F及び11Hに断面図にて示されるように、流出環状溝カバー1500はアンカーフレームサブコンポーネント1100内に延在している。参考までに、上記に示されるように、幾つかの実施形態において、デリバリーデバイス1600は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されるデリバリーシーケンスの時間まで、非ネスト化構成で人工弁1000を長手方向に拘束するように構成されている。
展開構成において、流出環状溝カバー1500は、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204とアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104との間の距離を橋渡しして、流出ギャップ1705(例えば、図11A、11C、11E及び11G)を橋渡しし、そして、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204によって画定される流出環状溝1706を横切って延在している。
幾つかの実施形態において、流出環状溝カバー1500は、流出環状溝カバー1500の弾性バイアスにより、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100の相対位置を保持するのを支援することができる。例えば、流出環状溝カバー1500は、場合により、流出環状溝カバー1500がリトラクト構成にバイアスされるのと反対の力に抵抗する。
所望ならば、バイアスは、生理学的負荷条件下でのアンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200のセンタリング又は他の望ましい位置決めを支援するように事前に決定されうる。他の実施形態において、バイアスは、ある程度の弾性撓み、又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の位置の調整を可能にして、生理学的負荷に対応するか、又は潜在的にさらに良好に天然の生理学的作用を複製する(例えば、心周期中の天然弁の動きとより厳密に一致させる)ように選択されうる。別の言い方をすれば、バイアスは、人工弁1000にかかる流体力学的力が、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内で軸方向又は半径方向に許容できない距離だけ移動させることになる流出環状溝カバー1500の伸長/拡張に必要な弾性バイアスに打ち勝つのに十分ではなく、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の相対的な軸方向及び/又は半径方向の位置を維持する(又は少なくとも相対的な軸方向又は半径方向の動きを最小化する)ように事前に決定されうる。
1つの実施形態によれば、流出環状溝カバー1500は、連続的な曲がりくねった及び/又はジグザグ構成を有するプリーツ又は折り畳み構成を含む。プリーツ又は折り畳み構成は、流出環状溝カバー1500をより小さな直径に縮小することを容易にすることができる。プリーツ構成は、弾性バイアスを有するか、又はさもなければ収縮構成又はリトラクト構成に弾力的に戻ることができる。図11C及び11Dは、それぞれ、伸長構成及びリトラクト構成におけるジグザグ又はアコーディオンプリーツの実施形態を示す。図11E及び11Fは、それぞれ、伸長構成及びリトラクト構成における曲がりくねった、プリーツ又は折り畳みの構成を示している。
実施形態によれば、流出環状溝カバー1500は、人工弁1000が展開構成にあるときに(例えば、図3A及び3Bに示されるとおり)、流体/血液が流出環状溝カバー1500を通過することが防止されるように、リトラクト又は部分リトラクト構成にリトラクトするときに(例えば、図11A、11C、11E及び11Gに示されるように)非透過性である。リトラクト構成において、流入環状溝カバー1500は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1204からアンカーフレームサブコンポーネント流入端1104まで延在し、流出ギャップ1705を効果的に橋渡しし、アンカーフレームサブコンポーネント1100、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間に形成された流入環状溝1706を覆う。図11G及び11Hは、接続シース1300が人工弁1000から省略されている例を提供する。そのような例において、流出ブリッジング部材としても記載される流出環状溝カバー1500は、流出ギャップ1705を橋渡しし、流出環状溝1706を覆うように機能し、これは、そのような例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に画定される。
人工弁1000が完全展開構成にあるときに、流出ギャップ1705を橋渡しし、流出環状溝1706を血流から覆い又はシールすることに関して様々な理由が存在することができる。例えば、そのような実施は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204からのよりスムーズな流れを提供するのを支援することができ、これは、そうでなければ停滞するか、又は、流出環状溝1706に逆行して流れるか、又は、流出環状溝1706内で形成する可能性のある塞栓を防止し、又は閉じ込め、除去し、血流に入ることができる。様々な実施形態において、流出環状溝カバー1500は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の(例えば、所望の比較的同軸の位置での)弁尖フレームサブコンポーネント1200の位置決め及び/又は保持を支援することができる。幾つかの実施形態によれば、流出環状溝カバー1500は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の軸方向位置を制御するように動作可能であることができる。そして、さらなる実施形態において、流出環状溝カバー1500は、デリバリーシーケンス中に、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に長手方向に平行移動させるためのバイアスを提供することができる。これらの、そして追加又は代替の特徴及び利点は、本明細書で提供される例によって達成することができる。
環状溝カバー/ブリッジング部材材料
上記から、人工弁1000は、所望に応じて、そして上述の例のいずれかにより、流入環状溝カバー1400又は流出環状溝カバー1500のいずれか、あるいは、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500の両方を有することができることを理解されたい。上記に参照したように、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバーは、弁尖サブコンポーネント1228に関して上記したものと同様の材料から形成することができる。幾つかの例において、一方又は両方は、「ラティス(格子)」という発明の名称で、2019年1月1日に付与された米国特許第10,166,128号明細書に記載されているもののように、収縮された微細構造膜から形成される。そのような収縮された微細構造膜は、延伸されてそして弾性収縮されうるように、高度の回復性伸長度を示す。それらは、フルオロポリマー膜(例えば、多孔質合成フルオロポリマー膜)から形成されることができ、その結果、それらは、フルオロポリマー膜に関連する強度特性を実質的に保持しながら、高い伸長度を示す。そのような収縮微細構造膜は、特徴的に、ほぼ一方向に、次に、ほぼ別の方向に湾曲又は向きを変える蛇行したフィブリルの微細構造を有する。蛇行様フィブリルの振幅及び/又は周波数は変化しうることが理解されるべきである。幾つかの実施形態において、前駆体収縮膜を提供するために収縮プロセスを経るフルオロポリマー膜は、延伸性フルオロポリマーから形成される。延伸性フルオロポリマーの非限定的な例としては、限定するわけではないが、延伸PTFE、延伸変性PTFE及びPTFEの延伸コポリマーが挙げられる。
高い伸長度は、比較的真っ直ぐなフィブリルを曲がりくねったフィブリルに加工することによって促進され、この曲がりくねったフィブリルは圧縮された方向と反対の方向に力を加えると実質的に真っ直ぐになる。曲がりくねったフィブリルの作成は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の熱誘導制御収縮によって、溶媒、例えば、限定するわけではないが、イソプロピルアルコール又はフロリナート(登録商標)(過フッ素化溶媒、3M, Inc., St. Paul, MNから市販)で物品を濡らすことによって、又は、これら2つの技術の組み合わせによって達成することができる。物品の収縮は、機械的圧縮中に発生するものとは異なり、ePTFEの目に見えるプリーツ、折り畳み又はシワをもたらさない。収縮プロセス中に、フィブリルは蛇行した形状になるだけでなく、幅も大きくなることがある。
上記の収縮膜は、収縮前、収縮中又は収縮後にエラストマー性材料を吸収して、ePTFEなどの多孔質材料の細孔の少なくとも一部が満たされるようにして複合材料を形成することができる。適切なエラストマー性材料としては、限定するわけではないが、PMVE-TFE(ペルフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン)コポリマー、PAVE-TFE(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)-テトラフルオロエチレン)コポリマー、シリコーン、ポリウレタンなどを挙げることができる。PMVE-TFE及びPAVE-TFEはフッ素エラストマーであることに留意されたい。他のフルオロエラストマーとしては、当業者によって特定されるような適切なエラストマー性材料が挙げられる。得られた収縮膜複合材は、フルオロポリマー膜の強度特性を実質的に保持しながら、弾力性伸長能力を有する。さらに、そのような収縮膜は、収縮構成と伸長構成の両方で、肉眼で(すなわち、大スケールで)見えるクリース、折り目又はシワを含まない能力を有する。
弾性回復性を有する膜又は他のシート状構成要素(例えば、膜にエラストマーをコーティング又は吸収することによる)に追加して又はその代替として、1つ以上のエラストマー要素は、膜又はシート状部材に関連付けられて、所望の特性を提供することができる。例えば、1つ以上のエラストマー性バンド、部材又は他の特徴は、膜又はフィルムなどのシート状部材と関連付けられて(例えば、結合、接着又は機械締結され)、環状溝カバーに弾力性伸長能力を提供することができる。
幾つかの例において、流入環状溝カバー1400又は流出環状溝カバー1500の材料は、拡張構成において、多孔質弾性フィルムを生理学的条件下で血液透過性にするのに十分な大きさの細孔を画定し、そして、リトラクト構成にあるときに、細孔は、生理学的条件下での血液不透過性など、多孔質弾性フィルムを低透過性にするのに十分に小さい多孔質弾性フィルムを含む。
流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500に利用される材料はまた、組織の内部成長のために(すなわち、組織の内部成長又は接着を容易にする又は促進するために)、又は組織の内部成長に抵抗するように構成されうる。さらに、カバーの1つ以上の部分は、組織の内部成長のために構成されうるが、他の部分は、組織の内部成長に抵抗するように構成されうる。
環状溝カバーに加えて、フィラー材料を利用することもできる。別々に注射可能であるか(例えば、注射器又は他のデリバリー機構を利用するか)、又は、コーティング又は他の処理として環状溝カバーに関連付けられるかどうかにかかわらず、そのようなフィラー材料は、流入ギャップ1702及び流入環状溝1704及び/又は流出ギャップ1705及び流出環状溝1706を所望に応じて充填するのを支援するように機能することができる。そのような材料の例としては、体積(例えば、環状溝の1つによって画定される体積)を満たすように動作可能な生体適合性充填剤又は増量剤が挙げられ、とりわけ、ヒドロゲル、アルギネート、フォーム、多孔質増量材料、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、セルロース、キトサン、ゼラチン、アガロース、グリコサミノグリカン、多糖類及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれることができる。
組織の内部成長
様々な実施形態において、弁尖1230は、組織の内部成長を促進するように構築されうる。幾つかの実施形態において、弁尖1230は、弁尖1230を形成する1つ以上の材料の1つ以上の区別される領域、部分又はセクションにわたって、あるいは、弁尖1230を形成する1つ以上の材料の全体にわたって組織の内部成長及び増殖を促進するように構築されうる。組織の内部成長及び増殖は、弁尖1230の流出側又は表面上、及び/又は弁尖1230の流入側又は表面上、及び/又は、弁尖を形成する1つ以上の材料内で促進されうる。
様々な実施形態において、弁尖1230は、複合材料に取り込まれることができ、及び/又は複合材料に結合されることができる組織内部成長カーテンと組み合わされた複合材料を含む。
様々な実施形態において、弁尖フレームサブコンポーネント1200の1つ以上の部分は、組織の内部成長を促進するのに適した材料で覆われることができる。例えば、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、組織の内部成長を促進するのに適した材料で包まれることができる。様々な例において、そのような組織内部成長促進材料は、弁尖フレームサブコンポーネント1200全体に、又は代替として、弁尖フレームサブコンポーネント1200のすべてよりも少なく適用されうる。例えば、組織内部成長を促進するための適切な材料は、弁尖フレームの弁尖フレーム内面及び弁尖フレーム外面に結合されうる。弁尖フレームサブコンポーネント1200(又は弁尖フレームサブコンポーネント1200の他の部分)に適用できる材料の幾つかの非限定的な例としては、ePTFE膜などの延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ならびに、布帛、フィルム又はコーティング、及びポリエチレンテレフタレート布帛(例えば、ダクロン布帛)が挙げられる。
幾つかの例によれば、以下でより詳細に論じられるように、組織内部成長のこの促進は、組織が1つ以上の組織内部成長カーテンの中及び/又は上への成長を促進し(又はさもなければ成長を防止又は阻害しない)ように、1つ以上の合成組織内部成長カーテンを1つ以上の複合材料に結合することによって促進される。すなわち、幾つかの例において、組織内部成長を促進するように構成された1つ以上の層を複合材料に適用することができる。幾つかの例において、本明細書に記載されるように、下にある弁尖構造又は材料は、組織内部成長を阻害又は防止するように構成されうる。
追加的又は代替的に、幾つかの例において、組織内部成長のこの促進は、例えば、1つ以上のフルオロエラストマーを、弁尖1230を形成する1つ以上の材料の1つ以上の部分に選択的に吸収させることによって促進される。「選択的に吸収」との参照は、多孔質材料の選択された部分で、又はより少ない程度で多孔質材料の多孔性を残す程度にまで、フィラー材料を多孔質材料に吸収させる行為を指す。
すなわち、幾つかの例において、1つ以上の合成組織内部成長カーテンを1つ以上の複合材料に結合することに加えて又はその代替として、弁尖材料に関して上記で論じたとおりの複合材料は、組織内部成長を促進し又はそれに適応するように構成されている。幾つかのそのような例において、以下でより詳細に論じられるように、複合材料は、複合材料の1つ以上の別個の又は指定されたセクション、部分又は領域で、それらの部分が関連する膜に選択的に吸収させることによって組織が成長促進される(又はさもなければ成長が防止又は阻害されない)ように構成されている。
様々な実施形態において、組織内部成長カーテンは、一般に、組織の内部成長を促進及び支持するのに適したフィブリルのマトリックス内の複数の空間を含む延伸フルオロポリマー膜を含む。他の非限定的な例示的な材料としては、ニットPTFEなどの他の生体適合性多孔質材料が挙げられる。しかしながら、上記のように、そして以下でより詳細に議論されるように、幾つかの例において、組織内部成長カーテンは、1つ以上のコーティングの形態で複合材料に適用されうる。
幾つかの例において、組織内部成長カーテンは、多孔質ePTFE膜から作製された延伸フルオロポリマーを含む。しかしながら、組織内部成長カーテンは、他のフルオロポリマー膜及び多孔質ポリエチレン膜及びニットPTFEなどの他の生体適合性多孔質材料を含む、多くの異なるタイプの膜から形成されうることが理解される。例えば、延伸性フルオロポリマーはPTFEホモポリマーを含むことができる。幾つかの例において、組織内部成長カーテンは、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー、例えば、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)から形成することができる。幾つかの例において、PTFEのブレンド、延伸性変性PTFE及び/又はPTFEの延伸コポリマーを使用することができる。したがって、組織内部成長カーテンは、生体適合性であり、組織内部成長を促進又は支持するのに適した適切な微細構造を有するか又はそれを含むように変性されるかぎり、様々な異なるポリマー材料から形成されうることが理解される。様々な例において、組織内部成長カーテンは、選択された材料に応じて、1ミクロン~400ミクロンの厚さの範囲であることができる。
幾つかの例において、ポリマー材料は、組織の内部成長を支持するのに適した、1つ以上の天然に存在する及び/又は1つ以上の人工的に作成された細孔、レリーフ、チャネル及び/又は所定の表面トポロジーを含むことができる。組織内部成長カーテンの形成に使用するのに適することができる他の生体適合性材料としては、限定するわけではないが、ウレタン、フルオロポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン-コ-ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー及び上述のそれぞれのコポリマー又は混合物が挙げられる。
上記の組織内部成長カーテンは、一般に、上記のように、複合材料に結合、適用又は他の方法で取り付けられた膜、フィルム、ニット又は他の構造を含むが、幾つかの例において、組織内部成長カーテンは、1つ以上のコーティングの形態で複合材料に適用されうる。幾つかのそのような例において、凝集した不規則なネットワークは、複合材料の1つ以上の部分、範囲、セクション、領域又はゾーンに分散又は堆積される。幾つかの例において、凝集した不規則なネットワークは複合材料の1つ以上の部分に適用されて、当業者が理解するように、組織の内部成長及び増殖を支持するのに適した表面テクスチャを作成する。例えば、凝集した不規則なネットワークは、複合材料の1つ以上の個別の又は指定されたセクション、部分又は領域に選択的に適用されうる。幾つかのそのような例において、凝集した不規則なネットワークは、組織の内部成長が望まれない下にある弁尖のそれらの部分をマスキングするか又は別の方法で覆うことによって指定された領域に適用され、カバー又はマスクは凝集した不規則なネットワーク適用プロセスに続いて除去され。凝集した不規則なネットワークを含む第一の領域と、凝集した不規則なネットワークを含まない第二の領域とを有する弁尖を得ることができる。幾つかの例において、1つ以上のポリイミドシート(例えば、カプトンシート)などの1つ以上の犠牲シートが複合材料上に配置され、マスクされ又はカバーされた領域に、凝集した不規則なネットワークが適用されるのを遮蔽し又はさもなければ防ぐように動作する。犠牲シート材料の幾つかの非限定的な例としては、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PET、マプトンなどのePTFE/カプトンブレンド、ePTFE、PTFE、シリコーン及びステンレス鋼又は他の薄い金属シートが挙げられる。幾つかの例において、凝集した不規則ネットワークの適用プロセスの後に、1つ以上の犠牲シートを除去して、凝集した不規則ネットワークを含む1つ以上の領域及び凝集した不規則ネットワークを含まない1つ以上の領域(例えば、下にある複合材料が露出している場所)を含む構造を有する弁尖を露出させることができる。そのような構成は、結合された膜層間の層間剥離の可能性を最小限にする弁尖の構造を提供する。
上記のように、幾つかの例において、複合材料に1つ以上の組織内部成長カーテンを適用することに加えて又はその代替として、複合材料は、組織内部成長を促進又はそれに適応するように構成されている。例えば、幾つかの例において、複合材料は、組織が複合材料の1つ以上の別個の又は指定されたセクション、部分又は領域の中に及び/又はその上で成長するように促進される(又はさもなければ成長が防止され又は阻害されない)ように構成されている。例えば、上記のように、合成弁尖を形成する複合材料は、延伸フルオロポリマー膜に吸収させるか又はさもなければ取り込まれたエラストマー及び/又はフルオロエラストマーなどのエラストマー性材料を含むことができる。様々な例において、組織の内部成長及び増殖を促進し又さもなければ適応させる複合材料を達成するために、延伸フルオロポリマー膜は、1つ以上の別個の部分、範囲、セクション、ゾーン又は領域にエラストマーフィラー材料がないか又は吸収されていない(又は少なくともエラストマーフィラー材料が組織の内部成長を防ぐように動作する程度まで充填されていない)ように、1つ以上のフルオロエラストマーなどが選択的に吸収される。複合材料の膜材料を選択的に吸収させることは、当業者に知られている技術に従って行うことができる。
上記の実施形態及び実施例は、複合材料の1つ以上の表面の1つ以上の部分に組織内部成長カーテンを適用すること、又は、複合材料の膜の1つ以上の面の1つ以上の部分にフィラー材料を選択的に吸収させることを含む。様々な例において、弁尖は、膜の1つ以上の部分に吸収させること及び選択的に吸収された膜に組織内部成長カーテンを適用することの両方によって構築されうることが理解される。
様々な例において、膜は複数のフィラー材料が吸収されうる。すなわち、幾つかの例において、複合材料の膜の第一の部分、領域、範囲、セクション又はゾーンは、第一のフィラー材料が吸収されることができ、一方、複合材料の膜の第二の部分、領域、範囲、セクション又はゾーンは、第二のフィラー材料が吸収される。例えば、幾つかの例において、複合材料の膜の第一の部分は第一のフィラー材料が吸収され、その結果、膜の第一の部分は、第一の部分の中の及び/又はその上の及び/又はそれを横切った組織の内部成長に耐性があるか又はさもなければ、組織の内部成長を阻害又は防止する。しかしながら、幾つかの例において、第一のフィラーが吸収された膜のそれらの部分はまた、組織内部成長カーテンの接着又は結合に適応するのに不適切なことがある。したがって、組織内部成長弁尖を膜の第二の部分に接着又はさもなければ結合することが望ましい例において、第二の部分は第二のフィラー材料が吸収され、その結果、膜の第二の部分はそれに接着され又はさもなければ結合された組織内部成長カーテンを有するのに適している。幾つかの例において、第二のフィラー材料は、追加的又は代替的に、組織の内部成長を促進することができる。すなわち、幾つかの例において、膜の1つ以上の部分は、組織の内部成長及び増殖を促進するフィラー材料が吸収されうる。あるいは、上記のように、第二の部分は、フィラー材料が全く吸収されなくてもよく、代わりに、フィラー材料を含まないままであることができる。
幾つかの例において、この方法は、上記のように、組織内部成長カーテンに接着剤を塗布することに加えて、又はその代わりに、膜に接着剤を塗布することを含む。幾つかの例において、FEPなどの接着剤は、同様に、膜の1つ以上の部分に吸い上げられるか又は吸収され、その後に、組織内部成長カーテン及び膜は既知の方法に従って一緒にプレス及び/又はヒートセットされる。
幾つかの他の例において、接着剤を組織内部成長カーテン及び膜に別々に又は個別に塗布することに加えて又はその代わりに、組織内部成長カーテン(例えば、指定されたパターンを有する)及び膜は、1つ以上の接着剤又はそれらの間の接着剤層とともに層状化されており、その後、層状構造物は、既知の方法に従ってプレス及び/又はヒートセットされる。この方法は、既知の方法に従って、得られた構築物から弁尖を切り出すことをさらに含む。幾つかの例において、当業者が理解するように、既知の方法に従って、得られた弁尖のきれいなフリーエッジを達成するために、最終的なフリーエッジ切断操作を弁尖に対して実行することができる。
1つの実施形態によれば、複合材料は、多孔質ePTFE膜から作製された延伸フルオロポリマーを含むことができる。記載されている複合材料の幾つかを形成するために使用される延伸フルオロポリマー膜はPTFEホモポリマーを含むことができる。代替の実施形態において、PTFE、延伸性変性PTFE及び/又はPTFEの延伸コポリマーのブレンドを使用することができる。
デリバリー灌流及び関連特徴部
図12は、デリバリーデバイス1600のデリバリーカテーテル1604に搭載された人工弁1000を示している。示されているように、デリバリーカテーテルは、人工弁1000の様々なサブコンポーネントを所望の比較的長手方向の位置及び所望の直径で維持するための複数の閉じ込め要素又は拘束要素1716(例えば、繊維又はテザー)を含む。デリバリーカテーテル1604は、本明細書に記載のデリバリーシーケンスを容易にするように構成されることができ、拘束要素1716のうちの1つ以上は、所望のシーケンスで解放可能である。デリバリーデバイス1600は、後続のセクションでさらに詳細に記載されるように、追加の特徴部(例えば、デリバリーシース)を含むことができる。
デリバリー中の血液灌流に関して、図13A~13Fは、例示的なデリバリーシーケンスに関連するデリバリーデバイス1600の特徴部とともに、代表的な人工弁1000の大幅に簡略化された断面図である。図13Aは、1つの実施形態による、デリバリーカテーテル1604上に拘束され、組織輪1342内に配置された人工弁1000を示している。上記の実施形態によれば、図13A~13Eに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100を組織輪1342内に展開すると、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、展開前構成(例えば、示されるように、デリバリーカテーテル1604上に完全圧縮されている、又は、図13Gに示されるように、他の例により、部分拡張されている)の間に、平行移動されそしてアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化位置でネスト化されている。図13Bの例に示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200が完全にネスト化され、直径方向に拡張された完全展開状態に、人工弁1000を移行する前に、そして接続シース1300を裏返し又は折り畳み/回転させている間に、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500は、生理学的条件下で血液透過性であり、順行性流は、流入ギャップ1702及び流出ギャップ1705を通ることができる。
上記で参照されるように、図13Gは、弁尖フレームサブコンポーネント1200が部分的又は完全に拡張された、非ネスト化構成の人工弁1000を示している。参考までに、図16は、患者の解剖学的構造に位置する同様の構成の人工弁1000を示している。幾つかの例によれば、ネスト化されていないが、拡張又は部分的拡張された状態において、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、ある程度の選択的灌流(例えば、順行性灌流)及び/又は最終的な完全展開の前の弁機能及び位置決めの評価を可能にする。そのような灌流は、流入ギャップ1702及び流出ギャップ1705を介した灌流(例えば、図13Gの破線によって示されるように)に追加的であることができ、又は、流入ギャップ1702及び流出ギャップ1705を介した灌流の代替となることができ、ここで、流れ可能特徴部は省略され、及び/又は、流入環状ギャップカバー1400及び/又は流出環状ギャップカバーは、デリバリー中の効果的な灌流を容易にするために、不透過性であるか、又は不十分に透過性である。
図中のフローラインによって示されるように、順行性流圧力は、外側フィルム層1306を内側フィルム層1304から離れるように移動させ、内側フィルム層1304と外側フィルム層1306との間に流れ空間1320を画定する。血液は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が依然としてデリバリーカテーテルに取り付けられているときに、特に人工弁1000の展開中に、順行方向に内側フィルムアパチャ1312に流入し、外側フィルムアパチャ1310から流出することができ、そして、弁尖サブコンポーネント1228の弁尖1230が依然として機能していない状態で順行性流を遮断している。この例において、血液の豊富さは、人工弁1000の実質的に全展開プロセスの間に維持されうる。
逆行性流圧力下では、血液は流れ可能特徴部1350を通って逆行方向に流れるのが防止される。逆行性流圧力により、外側フィルム層1306が内側フィルム層1304に向かって、また、内側フィルム層1304に対して移動し、内側フィルム層1304と外側フィルム層1306との間の流れ空間1320を閉じ、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310の半径方向のオフセットにより、内側フィルム層1304が外側フィルムアパチャ1310を覆い、及び/又は外側フィルム層1306が内側フィルムアパチャ1312を覆う。展開されたアンカーフレームサブコンポーネント1100、及び、依然としてデリバリーカテーテル上に取り付けられている弁尖フレームサブコンポーネント1200が逆行流を遮断しているときに、特に人工弁1000の展開中に、外側フィルムアパチャ1310に流入し、内側フィルムアパチャ1312から流出する逆行方向に血液が流れるのが防止される。
このようにして、順行性流又は灌流は、人工弁1000の完全展開の前に、人工弁1000のデリバリーシーケンス中に可能にできる。
図13Dに示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、最終的に展開された構成に拡張されている。内側フィルム層1304及び外側フィルム層1306は、順行性及び逆行性流体圧力及び/又は機械的圧力下で一緒になり、流れ空間1320を狭め又は閉鎖する。ここで、内側フィルムアパチャ1312及び外側フィルムアパチャ1310の半径方向のオフセットにより、内側フィルム層1304は外側フィルムアパチャ1310を覆い、及び/又は、外側フィルム層1306は内側フィルムアパチャ1312を覆い、それぞれの外側フィルムアパチャ1310及び内側フィルムアパチャ1312を閉じ、それを通る流れを防止する。
この例において、図13Eに示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200が完全に機能していないときに、血液の豊富さは実質的に全展開プロセスの間に維持されうる。様々な例において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、人工弁1000の完全展開構成に関連するリトラクト構成をとるときに、透過性が低下する。幾つかの例において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、一般に、図13Fに示されるように、人工弁1000が完全展開されたときに低透過性であり、例えば、生理学的条件下で血液不透過性である。少なくともこのようにして、流入ギャップ1702及び/又は流出ギャップ1705は覆われ、遮断される(例えば、より滑らかな流れプロファイルを提供し及び/又は塞栓の形成及び血流への放出の可能性を低減するために)。
上記の例は、一般に、図10C~10Eのものと同様の流れ可能特徴部に関連して記載されているが、同様の原理は、図10A及び10Bに関連して記載されたものなどの他の流れ可能特徴部を使用するときに適用される。
バイアス展開及び関連特徴部
幾つかの実施形態において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に「引き込む」ことによって、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内へのテレスコープ式ネスト化を支援する。幾つかの実施形態によれば、アンカーフレームサブコンポーネント1100を組織輪に展開又は拡張した後に、接続シース1300は、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202でより小さな直径を有し、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104でより大きな直径を有するテーパー化構成を示す。弁尖フレームサブコンポーネント1200を軸方向に解放すると(例えば、1つ以上の拘束要素1716を解放することによって)、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500は、場合により、弾性バイアスがさらなる動きを引き起こすには不十分になって軸方向の動きが停止するまで(例えば、接続シース1300が裏返した構成で緊張してさらなる動きを妨げることによって、又は、流入環状溝カバー及び流出環状溝カバーの両方が存在する場合に、2つのカバーのバイアス力が平衡になるとき)、収縮して弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に引き込む。
流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500によって示される弾性バイアスは、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内にアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102に向けて前進させるのに十分な力が生成されるように構成されうる。実施形態によれば、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、デリバリーカテーテル1604上に保持されるか、又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内に引き込まれる前に拡張構成に展開されることができる。この実施形態において、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500の弾性バイアスは、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に前進させるための受動的手段を提供するのを支援し、ここで、ネスト化中に、オペレータが弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に能動的にバイアスする(例えば、デリバリーカテーテル1604の位置を操作することによる)必要がない。
別の実施形態によれば、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500の長さ及び/又は弾性特性は、展開構成の間に、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内に適切に配置されるように事前に決定されている。所望に応じて、バイアスは、生理学的負荷条件下でのアンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200のセンタリング又は他の所望の位置決めを支援するように事前に決定されうる。他の実施形態において、バイアスは、ある程度の弾力性撓み、又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内の弁尖フレームサブコンポーネント1200の位置の調整を可能にして、生理学的負荷に対応するか、又は、潜在的にさらに良好に天然の生理学的作用を複製する(例えば、心周期中の天然弁の動きとより厳密に一致させる)ように選択されうる。別の言い方をすれば、バイアスは、人工弁1000にかかる流体力学的力が、アンカーフレームサブコンポーネント管腔1140内で軸方向又は半径方向に許容できない距離だけ弁尖フレームサブコンポーネント1200を移動させることになる流出環状溝カバー1500を伸長/拡張するのに必要な弾性バイアスに打ち勝つのに十分ではなく、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の相対的な軸方向及び/又は半径方向の位置を維持する(又は少なくとも相対的な軸方向又は半径方向の動きを最小化する)ように事前に決定されうる。
テーパー化構成及び関連特徴部
図14Cに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100の長さは、周囲に沿って変化し、例えば、軸Xを横切って見たときに、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104は、幾つかの実施形態において、テーパー化幾何形状を有する。示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、X軸に沿って配向することができ、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、X軸に対してオフセットされたX1軸に沿って配向することができる。図14Cは、「オフセット」が、X1軸がX軸から角度を付けられることができ(例えば、X軸及びX1軸は非同一直線上又は非平行である)、その結果、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、一般に、アンカーフレームサブコンポーネント1100に対して傾斜している配置を指すことができる実施形態を示す。1つの実施形態において、第二の長手方向軸は、第一の長手方向軸に対して15°~45°の傾斜角Aで配置されている。別の実施形態において、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104とほぼ平行であり、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104は、周囲で変化する長さを有することを特徴とするテーパーを有する。この配向において、図14Bを図14Cと比較することによって示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント流出端1204のLVOTへの伸長は、同軸のアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200と比較して減少する。
追加の人工弁デリバリー特徴部
図15A~15Lは、幾つかの例による、人工弁1000をデリバリーするための特徴部及び関連する方法の追加の例が提供されている。様々な例において、デリバリーデバイス1600は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の前進及び展開を容易にする要素を組み込んでいる。幾つかの実施形態によれば、弁尖フレームサブコンポーネント1200のアンカーフレームサブコンポーネント1100内への前進は、デリバリーカテーテル1604の移動又は段階的引き抜きにより促進される。他の実施形態によれば、弁尖フレームサブコンポーネント1200のアンカーフレームサブコンポーネント1100への前進は、デリバリーカテーテル1604の内部構成要素を移動することによって促進され、例えば、限定するわけではないが、テザー要素1714の引っ張りによって、又は、流入環状溝カバー1400及び/又は流出環状溝カバー1500又はデリバリーデバイスの内部構成要素の弾性バイアスによって前進されるトローリーに乗っている弁尖フレームサブコンポーネント1200によって促進される。摺動性トローリー(図示せず)の実施形態は、より小さな直径のデリバリーカテーテル1604上に摺動して受容されるように動作可能なより大きな直径の管状部材であることができる。限定するわけではないが、テザー要素1714又はラッチなどの保持手段によって、デリバリーカテーテル1604上での摺動からトローリーを拘束することができる。
図15A~15Lを参照すると、僧帽弁(「MV」)置換処置中のその場での人工弁1000の非限定的な例示的な展開シーケンス及びネスト化構成が、例示の目的で心臓の一部の断面とともに示されている。図15Aにおいて、左心房(「LA」)は、デリバリーデバイス1600によって経中隔的にアクセスされる。様々な例において、デリバリーデバイス1600は、経皮的にデリバリーされ、体外の制御システム1700に結合される。経中隔的に左心房にアクセスすることは、当業者に知られている技術に従って行うことができる。経中隔的に左心房へのアクセスを得ると、デリバリーデバイス1600は、人工弁1000の展開のために配置される。例えば、図15Bに示されるように、デリバリーデバイス1600は、僧帽弁を通って左心室(「LV」)に進められる。幾つかの例において、僧帽弁を通ってデリバリーデバイス1600を前進させると、僧帽弁の前尖(「AL」)及び後尖(「PL」)が左心室内に向けて撓ませる。
参考までに、図15A~15Lは、幾つかの実施形態による、デリバリーデバイス1600を使用して人工弁1000を僧帽弁組織輪1930にインプラント処置する例示的なメディカルデバイスデリバリー手順を示す心臓の断面図を示す。
図15Aは、人工弁(1000、視界から隠されている)を覆う拘束シース1606を含むデリバリーデバイス1600を示している。拘束シース1606は、デリバリーデバイス1600上に拘束されている間に、人工弁1000を覆うように動作可能な管状部材である。図15Aにおいて、この例では、僧帽弁(MV)にアクセスするために経中隔手順で左心房(LA)に入るデリバリーデバイス1600が示されている。デリバリーデバイス1600は、解剖学的構造を横断するように操縦可能かつ可撓性である。
図15Bは、僧帽弁組織輪1930を通して配置されているデリバリーデバイス1600の遠位端を示す。図15Cは、弁尖フレームサブコンポーネント1200を露出させるために部分的にリトラクトされた拘束シース1606を示す。拘束シース1606は、デリバリーの初期段階で人工弁1000全体を覆うように示されているが、拘束シース1606は、人工弁の位置決め中に(例えば、限定するわけではないが、人工弁が血管系、心房中隔、左心房及び/又はその他を通過するときを含む)人工弁1000の一部のみを覆うことができることも理解されたい。幾つかの例において、拘束シース1606は、天然弁組織輪1930における人工弁1000の初期位置決め中に、アンカーフレームサブコンポーネント1100上にのみに延在している。そのような構成は、より低いプロファイル及び/又は向上された可撓性、ならびに、弁尖フレームサブコンポーネント1200、したがって弁尖1230の縮小コンパクト化を含む様々な利点を達成しうる。
図15Dは、接続シース1300を完全に露出し、アンカーフレームサブコンポーネント1100を部分的に露出するようにさらにリトラクトされた拘束シース1606を示す。ここで見られるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が互いに長手方向にオフセットされ(直列でデリバリーされるとも言われる)、図12にも示されているように、それらの間の接続シース1300と一緒に結合されている状態で、人工弁1000は、デリバリーカテーテル1604上で展開前の非ネスト化構成で取り付けられている。流出環状溝カバー1500は見ることができ、接続シース1300及び流入環状溝カバー1400は視界から隠されている。
上記で論じ、そして図12に示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202はアンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流出端1104の遠位に配置され、接続シース1300、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500はそれらに結合され、それらを一緒に結合してそれらの間に配置されている。
図15Eは、フレア部分1130が拘束構成から展開構成に拡張することを可能にする、アンカーフレームサブコンポーネント1100を完全に露出させるためにさらにリトラクトされた拘束シース1606を示す。この例において、拘束シース1606はフレア部分1130を拘束し、他の例において、他の拘束手段を使用することができる。アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の残りの部分は、図12に示されるように拘束要素1716によって、デリバリーカテーテル1604に拘束されたままである。様々な例において、拘束シース1606の引き抜きは、図2A及び図2Bに示されるようなフレア部分1130、又は、図15E~15Gに示されるような組織輪1930に係合する図2C及び2Dに示されるような1150のフランジ要素を解放する。人工弁1000の他の部分は、繊維ループ(図12)などの拘束要素1716を使用することによって、デリバリーカテーテル1604に拘束されている。人工弁1000は、組織輪1930及び周囲の組織の解剖学的構造との正しい配向及び係合を確実にするなどの特定の目的のために、デリバリーカテーテル1604又は全体としてのデリバリーデバイス1600を前進させそして引き抜く、そして別の方法で操作することによって、組織輪1930内に配置及び配向されうる。
図15Fは、組織輪1930に向けて前進され、組織輪1930と接触して配置されたフレア部分1130を示す。デリバリーカテーテル1604又は全体としてのデリバリーデバイス1600は、フレア部分1130、したがってアンカーフレームサブコンポーネント1100が特定の目的に適して配置及び再配置されうるように操作されうる。図15Gは、展開構成のより大きな直径に拡張されたアンカーフレームを示している。アンカーフレームサブコンポーネント1100をデリバリーカテーテル1604に拘束する拘束要素1716の解放の前に、アンカーフレームサブコンポーネント1100の位置が検証され、正しくないならば、拘束要素1716を使用して、例えば、テザーを介して拘束要素1716に張力を加えて、再配置又は取り外しのためにデリバリーカテーテル1604にアンカーフレームサブコンポーネント1100を再拘束又は再圧縮する。
上記に参照したように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、場合により、図2A~2Dに示されるものなどの組織係合特徴部1118を含む。そのような例において、拘束要素1716は、組織輪1930内からのアンカーフレームサブコンポーネント1100の再配置又は引き抜きを可能にするように、組織係合特徴部1118の展開を拘束することができる。組織係合特徴部1118の展開を拘束する拘束要素1716、例えば、組織アンカーを用いて、アンカーフレームサブコンポーネント1100の再拘束又は再圧縮及び再配置を組織への外傷なしに行うことができる。
様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100が拡張された後に、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、一緒にネスト化される。様々な例において、その場でのアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のネスト化は、アンカーフレームサブコンポーネント1100に対して弁尖フレームサブコンポーネント1200を近位方向に進めることを含む。図15Hは、矢印で示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100に対して近位方向に進めるときの弁尖フレームサブコンポーネント1200を示している。図15Hは、アンカーフレームサブコンポーネント1100から引き抜かれるデリバリーカテーテル1604を示し、それは、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネントの一部をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に引っ張り、接続シース1300はそれらの間で裏返される過程にある。
あるいは、又はそれに加えて、図15Iは、デリバリーカテーテル1604がアンカーフレームサブコンポーネント1100からさらに引き抜かれること、及び/又は、以下に記載されるようにテザーを引っ張ることを示し、これは、接続シース1300及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の一部をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に引っ張り、接続シース1300はそれらの間で裏返されている。図15Iに示されるように、1つ以上のテザー要素1714は、以下に示され、さらに論じられるように、弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202に結合され、これを使用して、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に引き込むことができる。
心臓から人工弁1000を除去する必要があるならば、幾つかの例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200はテザー要素1714によって再圧縮されることができ、テザー要素1714は、弁尖フレームサブコンポーネント1200を引っ張り、続いて、アンカーフレームサブコンポーネント1100を拘束シース1606又はより大きな回収シース(図示せず)に引き込むために使用されることができる。この例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレームサブコンポーネント流出端1104で反転開始し、その結果、組織輪から引っ張られ、剥がされ又は引き離される。したがって、様々な例は、侵襲的な外科的ケアを必要とせずに、展開の失敗を経験している人工弁1000を除去するための手段を提供する。
様々な例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されて拡張されている間に、テザー要素1714は緩められ、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500が、図15Jに示されるように、弾性バイアスの下で収縮することを可能にし、その結果、図15Kに示されているように、流入環状溝1704及び流出環状溝1706上でそれぞれ完全に展開する。デリバリーカテーテル1604は、図15Kに示されるように、人工弁1000から引き抜かれ、テザー要素1714を弁尖フレームサブコンポーネント1200から解放する前に、弁尖1230が適切に機能していることを確認する。弁尖1230が適切に機能していないならば、デリバリーカテーテル1604は、上記の手順で、弁尖フレームサブコンポーネント1200に隣接して又は弁尖フレームサブコンポーネント1200内で前進され、そして人工弁1000は除去されることができる。
上述のように、追加のテザーは、人工弁1000の再配置及び/又は回収が必要な場合に、弁尖フレームサブコンポーネント1200を拘束し、アンカーフレームサブコンポーネント1100から引き抜くように動作可能な弁尖フレームサブコンポーネント流入端1202に結合されうる。
図15Lは、僧帽弁(MV)の組織輪1930内で完全展開された人工弁1000を示している。人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化されている完全展開構成にある。人工弁1000は完全展開され、流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500がアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200と係合することで動作可能であり、それは、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間の相対的な軸方向の平行移動を最小化し、流入ギャップ1702及び流入環状溝1704、ならびに流出ギャップ1705及び流出環状溝1706をそれぞれ覆う。
様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の長手方向の分離又はオフセットは、患者の血管系を通して容易に走行される低プロファイルのデリバリー構成を提供する。例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200を長手方向にオフセットさせることにより、従来の設計とは異なり、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がデリバリーの間に互いに重なり合わないため、デリバリーデバイス1600のプロファイルを最小化することができる。幾つかの例において、人工弁1000を含むデリバリーデバイス1600の最大プロファイルは8mm以下であることができる。
さらに、図12及び15Dに示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に位置し、接続シース1300及び流入環状溝カバー1400及び流出環状溝カバー1500に隣接するデリバリーデバイス1600の領域1602は曲げ可能であり、又はさもなければ曲げるように動作可能であり、その結果、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は一時的に互いに不整合になる。幾つかの例において、そのような構成は、カーブをナビゲートする鉄道車両に似ている。そのような構成は、人工弁1000が経中隔的に治療領域にデリバリーされる手順において有益であり、これは、心臓の左心房内で90度以上も曲がるデリバリーデバイスを必要とすることがある。
さらに、示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100の組織係合特徴部1118は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の長手方向軸から離れて延在し、人工弁1000を取り囲む天然弁組織輪の組織と係合するように構成されている。幾つかの例において、組織係合特徴部1118は、組織を貫通するか、又はさもなければ組織内に埋め込まれるように構成されている。様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100の組織係合特徴部1118と、人工弁1000を取り巻く天然組織とのこの相互作用は、アンカーフレームサブコンポーネント1100(したがって、弁尖フレームサブコンポーネント1200)を組織輪1930の天然組織に固定するように動作する。
示されるように、図15B~15Lに示されるアンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102は、示されているように、半径方向外向きにフレア状になっており、天然弁組織輪1930に隣接してそして接合して配置されている。幾つかの例において、そのような構成は、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレームサブコンポーネント流入端1102が、アンカーフレームサブコンポーネント1100が天然弁を通って延びるように動作可能である範囲を妨害するか又はさもなければ制限することを提供する。例えば、僧帽弁置換術の場合には、そのようなフレア化アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102は、アンカーフレームサブコンポーネント1100が、天然僧帽弁組織輪を通って左心室内に前進することができる範囲を制限する。幾つかの例において、そのようなフレア化アンカーフレームサブコンポーネント流入端1102は、アンカーフレームサブコンポーネント1100が遠位に移行する可能性を最小限に抑えるようにさらに動作する。
図16は、完全に又は部分的に拡張された直径であるが、展開シーケンスの一部としてアンカーフレームサブコンポーネント1100と依然としてネスト化されていない弁尖フレームサブコンポーネント1200を示している。示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、場合により、展開のこの段階で灌流し、ここで、弁尖サブコンポーネント1228(図7)は、逆行性流を制限しながら、順行性流を可能にするように少なくとも部分的に動作可能である。次に、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、人工弁1000が最終的な展開構成をとるように、上記のように、アンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されうる。
上記に例示及び記載された実施形態及び実施例は経中隔デリバリーに関するが、本出願の主旨又は範囲から逸脱することなく、様々な追加の周知のデリバリー手順を利用できることを理解されたい。追加の非限定的なデリバリー手順としては、とりわけ、経心尖、左房切開及び経大動脈アプローチが挙げられる。本開示で扱われる概念の範囲は、一般的及び特定例に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施例において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。同様に、本明細書に記載される実施例で論じられる様々な構成要素は組み合わせることができる。したがって、実施例は範囲の変更及び変化を網羅することが意図される。