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JP2022187941A - 位置検出器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022187941000001
【課題】単一の発電センサと複数の磁界発生源を用いて、運動方向に対する検出器の幅の小型化が図られた位置検出器を提供する。
【解決手段】磁界発生源ME1~ME6を有し、直線運動する運動体110の位置を検出する位置検出器100は、単一の発電センサ120と、少なくとも1つのセンサ要素130とを備える。発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、磁性ワイヤに巻回されたコイルとを有し、発電センサの軸方向の磁界は、磁界発生源と発電センサとの位置関係に応じて交番する交番磁界である。発電センサは、直線運動の方向によってパルス電圧を磁界変化1周期に対して1回出力する。センサ要素は、パルス電圧が出力された時点での磁界変化周期が奇数周期であるか偶数周期であるかを識別する識別信号を出力する。パルス電圧の極性と識別信号とに基づいて運動体の位置が検出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、大バルクハウゼン効果を発現する強磁性要素を用いて運動体の位置を検出する検出器に関する。
大バルクハウゼン効果(大バルクハウゼンジャンプ)を有する磁性ワイヤは、ウィーガンドワイヤ又はパルスワイヤの名で知られている。この磁性ワイヤは、芯部とその芯部を取り囲むように設けられた表皮部とを備えている。芯部及び表皮部の一方は弱い磁界でも磁化方向の反転が起きるソフト(軟磁性)層であり、芯部及び表皮部の他方は強い磁界を与えないと磁化方向が反転しないハード(硬磁性)層である。
ハード層とソフト層がワイヤの軸方向に沿って同じ向きに磁化されているときに、その磁化方向とは反対方向の外部磁界強度が増加してソフト層の磁化方向が反転する磁界強度に達すると、ソフト層の磁化方向が反転する。このとき、大バルクハウゼン効果が発現し、当該磁性ワイヤに巻かれたコイルにパルス信号が誘発される。ソフト層の磁化方向が反転するときの磁界強度を本明細書では「動作磁界」と呼ぶ。また、磁性ワイヤとコイルとをまとめて発電センサと呼ぶ。
上述の外部磁界強度がさらに増加し、ハード層の磁化方向が反転する磁界強度に達すると、ハード層の磁化方向が反転する。ハード層の磁化方向が反転するときの磁界強度を本明細書では「安定化磁界」と呼ぶ。
大バルクハウゼン効果が発現するためには、ハード層とソフト層の磁化方向が一致していることを前提として、ソフト層のみ磁化方向が反転することが必要である。ハード層とソフト層の磁化方向が不一致の状態で、ソフト層のみ磁化方向が反転したとしても、パルス信号は生じないか、あるいは生じたとしても非常に小さい。
この磁性ワイヤによる出力電圧は、磁界の変化スピードにかかわらず一定であり、入力磁界に対するヒステリシス特性を持つためチャタリングがないなどの特徴を有する。そのため、この磁性ワイヤは、磁石及びカウンタ回路と組み合わせて、位置検出器などにも使用される。また、外部電力の供給なく、磁性ワイヤの出力エネルギーにより周辺回路も含めて動作させる事ができる。
発電センサに交番磁界が与えられた場合、1周期に対して正パルス信号1つ及び負パルス信号1つの計2つのパルス信号が発生する。磁界の発生源としての磁石を運動体とし、運動体である磁石と発電センサとの位置関係により発電センサに与えられる磁界が変化するようにすることで、運動体の運動を検出することができる。
しかし、通常は単一の発電センサを用いるのみでは、運動体の運動方向が変化した場合に運動方向の識別がつかない。特許文献1の図1に見られるように、複数の発電センサを用いれば運動方向を識別することができるが、検出器のサイズ及びコストの増加につながる。
特許文献2には、単一の発電センサと、発電センサではない別のセンサ要素とを用いることが記載されている。同文献にはさらに、単一の磁石(2極)を用いた場合と複数の磁石(多極)を用いて分解能を向上させることが記載されている。
また、単一磁石による検出(特許文献2の図2)の構造例として、特許文献3の図1が挙げられる。2極磁石と発電センサを対向させる構造は発電センサの全長まで径を小さくできるので小型化に向く。しかしながら単一磁石では直動運動の検出はできない。また発電センサと磁石が回転軸中心に配置されるので中空軸構造の回転運動検出器は実現できない。
複数の磁石を用いて直動運動の検出を行う構造例として特許文献4の図3が挙がられる。この構造の場合、磁石の運動方向に対して直角の向きに発電センサが配置されるので、検出器の幅が広くなってしまう。
中空軸の回転運動の検出器の構造例としては特許文献4の図1、図2、図6が挙がられる。図2、図6は図3と同じく運動方向に対して垂直に発電センサ配置されており、図2では磁石と発電センサは外周面で対向し、図6では上面で対向する。
図2で回転軸に対して平行方向に発電センサが配置されるので検出器の厚み方向の寸法が大きくなり、図6では回転軸に対して法線方向に発電センサが配置されるので検出器の外径と内径間の距離は発電センサの長さに制約され外径に対する内径を大きくできないという問題がある。
図1は磁石の運動方向に平行(円周の接線方向)に発電センサが配置されている。図1の構造の場合、発電センサと磁石間ピッチを一致させる必要が有り設計の自由度が少ないという問題がある。
また図1及び図2のように回転体の外周面で磁石と発電センサを対向させる構造で外径に対して内径の大きな中空軸の検出器を実現するのは難しい。
この種の位置検出器の主な用途に、特許文献5のように別の精密位置検出器と組み合わせて使用し、お互いの出力を同期させることにより、精密位置検出器の出力の周期数を識別し、検出範囲の拡張を行うことがある。発電センサを用いた位置検出器は本来出力されるはずのパルス信号が場合によっては、出力されないという問題があり、同文献では発電センサ内のコイルに電流を流し磁界を発生させて、出力状態をモニタすることで発電センサ内の磁性ワイヤの磁化方向を判別し、パルス信号の抜けを補正することにより同期を正しく行うことが記載されている。
特許第5511748号公報 特許第4712390号公報 米国特許第9,528,856号公報 米国特許第8,283,914号公報 特許第5730809号公報
位置の検出に際し、複数の発電センサを用いることは、検出器自体のサイズ増加につながりやすい。他方、発電センサが単一であったとしても、発電センサ内の磁性ワイヤの磁化方向を判別することは、処理が複雑となる可能性がある。
本発明では単一の発電センサと複数の磁界発生源を用いて、運動方向に対する検出器の幅の小型化が図られた位置検出器、特に中空軸回転検出器においては外径に対して内径が最大化され、設計の自由度が高い位置検出器を提供することを目的とする。
本発明に係る、磁界発生源を有し、直線運動又は回転運動する運動体の位置を検出する位置検出器は、単一の発電センサと、少なくとも1つのセンサ要素とを備える。前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを有し、前記発電センサの軸方向の磁界は、前記磁界発生源と前記発電センサとの位置関係に応じて、所定の検出範囲内で4周期以上にわたり交番する交番磁界である。前記発電センサは、前記直線運動の方向又は前記回転運動の方向によって正極性又は負極性のパルス電圧を、磁界変化1周期に対して1回出力する。前記センサ要素は、前記パルス電圧が出力された時点での磁界変化周期が奇数周期であるか偶数周期であるかを識別する識別信号を出力する。前記パルス電圧の極性と前記識別信号とに基づいて前記運動体の位置が検出される。
本発明によれば、単一の発電センサと複数の磁界発生源を用いて、運動方向に対する検出器の幅の小型化が図られた位置検出器、特に中空軸回転検出器においては外径に対して内径が最大化され、設計の自由度が高い位置検出器を提供することができる。
第1の実施形態に係る検出器の斜視図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁石の位置に応じた磁性ワイヤの磁化の状態を示す説明図である。 磁気センサの出力と、円筒形磁石のx軸方向磁界と、発電センサの状態と、カウント値との関係を示す説明図である。 前回のパルス電圧発生時のパルス電圧の正負及び周期識別信号と、新しいパルス電圧の正負及び周期識別信号と、カウント値の変化との関係を示す説明図である。 第2の実施形態に係る検出器及び周辺回路を示す説明図である。 発電センサの状態及び出力とセグメントカウンタの状態とを示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る直動位置検出器100を図1に示す。本実施形態では、所定の検出範囲において4周期以上の磁界変化周期が設定され、現在の周期が偶数周期なのか奇数周期なのかが識別される。
直動位置検出器100は、運動体110と、発電センサ120と、MRセンサなどの磁気センサ130とを備えている。
運動体110は、長尺の板状部材111を備えている。板状部材111の長手方向はx軸に平行であり、幅方向はy軸に平行であり、厚さ方向はz軸に平行である。運動体110は、板状部材111の長手方向に沿って直線運動を行う。
板状部材111の表面には、その長手方向一方向(図1の紙面左方向)に沿って等間隔に6個の、磁界発生用の円筒形磁石ME1~ME6が順に配置されている。円筒形磁石ME1~ME6はいずれも、軸方向が板状部材111の厚さ方向に平行であり、軸方向上面がN極、軸方向下面がS極となるように着磁されている。
板状部材111の表面にはさらに、その長手方向一方向(図1の紙面左方向)に沿って等間隔に3個の棒磁石MS1~MS3が順に配置されている。棒磁石MS1~MS3は、円筒形磁石ME1~ME6と平行に配置されている。棒磁石MS1~MS3の長手方向は、板状部材111の長手方向に平行である。棒磁石MS1は円筒形磁石ME2と板状部材111の長手方向位置が略同じであり、棒磁石MS2は円筒形磁石ME4と長手方向位置が略同じであり、棒磁石MS3は円筒形磁石ME6と長手方向位置が略同じである。棒磁石MS1~MS3はいずれも、幅方向第1端面(図1の紙面奥側の端面)がN極、幅方向第2端面(図1の紙面手前側の端面)がS極となるように着磁されている。
直動位置検出器100はさらに、静止体であるプリント基板101を備えている。プリント基板101上に、発電センサ120と磁気センサ130と信号処理回路(不図示)とが搭載されている。
発電センサ120は、磁性ワイヤ(不図示)と、その磁性ワイヤに巻回されたコイル(不図示)とを備えている。発電センサ120の軸方向は板状部材111の長手方向と平行である。運動体110が直線運動を行ったときに円筒形磁石ME1~ME6が発電センサ120の真下を通過するように、発電センサ120の位置が決められている。
発電センサ120内の磁性ワイヤは、一例として、径方向内側にソフト磁性部、径方向外側にハード磁性部を有する。磁性ワイヤに交番磁界が与えられると、ソフト磁性部及びハード磁性部はそれぞれ、特定の磁界強度で磁化方向が反転する。磁化方向の反転を起こす磁界強度は、ハード磁性部の方が高い。ソフト磁性部及びハード磁性部の磁化方向が軸方向一方向に揃っている状態で、逆方向の磁界が印加されソフト磁性部の磁化方向が反転すると、発電センサ120内のコイルはパルス状の電圧を出力する。
また、運動体110が直線運動を行ったときに棒磁石MS1~MS3が磁気センサ130の真下を通過するように、磁気センサ130の位置が決められている。磁気センサ130の感磁方向は、板状部材111の幅方向と平行である。
次に、図2A~2Eを参照しながら、運動体110の前進運動(図1の紙面右方向への運動)に伴う発電センサ120内の磁性ワイヤ121の磁化状態について説明する。
磁性ワイヤ121に磁界を印加する円筒形磁石ME1~ME6は、いずれもN極からS極に向けて放射状の磁界を発生させる。円筒形磁石ME1~ME6は、中心から右の位置では右方向の磁界ベクトルを、左の位置では左方向の磁界ベクトルを発生させる。図2A~2Eにおいては、円筒形磁石ME1~ME6のうち円筒形磁石ME1のみを示す。
また、図2A~2Eにおいて、“SOFT”はソフト磁性部を示し、“HARD”はハード磁性部を示す。また、“SOFT”に隣接する矢印はソフト磁性部の磁化方向を表し、“HARD”に隣接する矢印はハード磁性部の磁化方向を表している。これらの矢印において、黒塗りの部分は、一つ前の図から磁化状態が変化したことを示す。
まず図2Aに示すように、磁性ワイヤ121のソフト磁性部、ハード磁性部は、同一方向(同図の紙面左方向)に磁化されている。円筒形磁石ME1が磁性ワイヤ121の左側から接近する。円筒形磁石ME1からの磁界は右方向の磁束成分を持つ。
図2Bに示すように、円筒形磁石ME1の接近により紙面右方向の磁界が強まると、ソフト磁性部の磁化方向が紙面左方向から紙面右方向へと反転する。このとき、発電センサ120から正極性のパルス電圧が出力される。
図2Cに示すように、円筒形磁石ME1がさらに接近し、紙面右方向の磁界がさらに強まるとハード磁性部の磁化方向が左方向から右方向へと反転する。その結果、ソフト磁性部とハード磁性部の磁化方向が揃った状態となる。ハード磁性部の磁化反転のエネルギーは小さいため、発電センサ120からは電圧が出力されないか、出力されたとしてもレベルが小さい。同図は、磁性ワイヤ121が負極性のパルス電圧の出力準備状態にセットされたことを示す。
図2Dに、円筒形磁石ME1が磁性ワイヤ121の軸方向中央部の下方を通過している状態を示す。磁性ワイヤ121の軸方向中央部から紙面右側の部分は紙面右方向に磁化されたままである。これに対し、磁性ワイヤ121の軸方向中央部から紙面左側の部分は、ソフト磁性部もハード磁性部も紙面左方向へと磁化方向が反転する。ただし、円筒形磁石ME1の通過に伴って磁性ワイヤ121の左端部から徐々に磁化反転するため、発電センサ120からは電圧が出力されない。図2Cに示した、負極性のパルス電圧の出力準備状態は、リセットされる。
図2Eに示すように、円筒形磁石ME1は、磁性ワイヤ121の右端部付近を右方向に通過する。磁性ワイヤ121のソフト磁性部及びハード磁性部の磁化方向は、紙面左方向に揃う。同図は、磁性ワイヤ121が正極性のパルス電圧の出力準備状態にセットされたことを示す。つまり、図2Aと同じ磁化状態である。
このように、運動体110の前進運動により、1つの円筒形磁石が発電センサ120付近を通過するたびに正極性のパルス電圧が一回出力される。図1に示したように、6個の円筒形磁石ME1~ME6が順に発電センサ120付近を通過すると、図2A~2Eに示したような状態遷移が6回繰り返される。
続いて、図2F~2Jを参照しながら、運動体110の後退運動(図1の紙面左方向への運動)に伴う発電センサ120内の磁性ワイヤ121の磁化状態について説明する。図2F~2Jにおいては、円筒形磁石ME1~ME6のうち円筒形磁石ME6のみを示す。
まず図2Fに示すように、磁性ワイヤ121のソフト磁性部、ハード磁性部は、同一方向(同図の紙面右方向)に磁化されている。円筒形磁石ME6が磁性ワイヤ121の紙面右側から接近する。円筒形磁石ME6からの磁界は左方向の磁束成分を持つ。
図2Gに示すように、円筒形磁石ME6の接近により紙面左方向の磁界が強まると、ソフト磁性部の磁化方向が紙面右方向から紙面左方向へと反転する。このとき、発電センサ120から負極性のパルス電圧が出力される。
図2Hに示すように、円筒形磁石ME6がさらに接近し、紙面左方向の磁界がさらに強まるとハード磁性部の磁化方向が右方向から左方向へと反転する。その結果、ソフト磁性部とハード磁性部の磁化方向が揃った状態となる。ハード磁性部の磁化反転のエネルギーは小さいため、発電センサ120からは電圧が出力されないか、出力されたとしてもレベルが小さい。同図は、磁性ワイヤ121が正極性のパルス電圧の出力準備状態にセットされたことを示す。
図2Iに、円筒形磁石ME6が磁性ワイヤ121の軸方向中央部の下方を通過している状態を示す。磁性ワイヤ121の軸方向中央部から紙面左側の部分は紙面左方向に磁化されたままである。これに対し、磁性ワイヤ121の軸方向中央部から紙面右側の部分は、ソフト磁性部もハード磁性部も紙面右方向へと磁化方向が反転する。ただし、円筒形磁石ME6の通過に伴って磁性ワイヤ121の右端部から徐々に磁化反転するため、発電センサ120からは電圧が出力されない。図2Hに示した、正極性のパルス電圧の出力準備状態は、リセットされる。
図2Jに示すように、円筒形磁石ME6は、磁性ワイヤ121の左端部付近を左方向に通過する。磁性ワイヤ121のソフト磁性部及びハード磁性部の磁化方向は、紙面右方向に揃う。同図は、磁性ワイヤ121が負極性のパルス電圧の出力準備状態にセットされたことを示す。つまり、図2Fと同じ磁化状態である。
このように、運動体110の後退運動により、1つの円筒形磁石が発電センサ120付近を通過するたびに負極性のパルス電圧が一回出力される。図1に示したように、6個の円筒形磁石ME6~ME1が順に発電センサ120付近を通過すると、図2F~2Jに示したような状態遷移が6回繰り返される。
このように、円筒形磁石ME1~ME6と発電センサ120との位置関係に応じて、発電センサ120の軸方向の磁界は、所定の検出範囲内で6周期にわたり交番する交番磁界である。所定の検出範囲とは、板状部材111の長手方向の全長である。
次に、図3を参照しながら、磁気センサ130の出力と、円筒形磁石のx軸方向(板状部材111の長手方向)の磁界と、発電センサ120の状態と、カウント値との関係を説明する。磁気センサ130は感磁方向の磁界強度を検出する一方、磁界の極性は検出しない。一般的なホール素子に比べて磁界検出感度は高く、高抵抗のものは消費電力を1/10程度に抑えることができる。
図1を参照しながら述べたように、磁気センサ130の感磁方向はy軸方向(板状部材111の幅方向)であり、棒磁石MS1~MS3はy軸方向に着磁されている。磁気センサ130は、磁気センサ130の底面と対向するようにいずれかの棒磁石が位置しているときに識別出力1を出力し、それ以外のときには識別出力0を出力する。
棒磁石MS1~MS3の長さは、円筒形磁石ME2、ME4及びME6の左右のパルス電圧発生ポイント間(正極性パルス電圧発生ポイントT_Pから負極性パルス電圧発生ポイントT_Nまで)をカバーするように設定されている。また、図3において、T_P0及びT_P1はそれぞれ、正極性パルス電圧発生ポイントT_Pの後ろに、磁気センサ130の出力0及び1を付け加えたものである。識別のため矢印の色を変えている。負極性パルス電圧発生ポイントを表すT_Nについても同様である。
図2A~2E及び図2F~2Jを参照しながら述べたように、前進方向の運動では円筒形磁石1個が通過する毎に正極性のパルス電圧が得られ、後退方向の運動では負極性のパルス電圧が得られる。正極性のパルス電圧が得られたときに位置のカウント値をカウントアップし、負極性のパルス電圧が得られたときには位置のカウント値をカウントダウンすれば良い。
しかし、運動方向の逆転を伴う場合は、逆転位置によって、出力が期待されるパルス電圧が出力されないことがあり、あるいは、余分なパルス電圧が出力されることがある。そのため、カウント値の補正が必要となる。
カウント値の補正方法を、図3を参照しながら説明する。図中の黒丸は、パルス電圧の出力準備状態となるポイント(安定化磁界に到達する位置)を表す。
例として前進運動が行われ、円筒形磁石ME1~ME3の各々の接近により、カウント値が“1”、“2”、“3”とカウントアップされたのち、円筒形磁石ME4の発生磁界により正極性のパルス電圧P1が発生し、カウント値が“4”にカウントアップされた直後の状態を考える。次に発生する可能性のあるパルス電圧は、以下の4パターンである。
パターン1: T_P1→T_P0(図中の符号CA1)
前進運動が続いた場合、円筒形磁石ME4のS_P(正極性パルス電圧の出力準備状態)を通過し、正極性パルス電圧の出力準備状態となる。その後、円筒形磁石ME5が接近し、正極性パルス電圧T_P0が発生する。
この場合、カウンタ値について、1だけカウントアップ(+1)する補正が行われる。
パターン2: T_P1→T_N0(図中の符号CA2)
円筒形磁石ME4のS_N(負極性パルス電圧の出力準備状態)と、円筒形磁石ME5のT_P0との間で、運動方向が後退方向へ転ずる。その後、円筒形磁石ME4のS_Nを通過し、負極性パルス電圧の出力準備状態となる。続いて、円筒形磁石ME3が接近し、負極性のパルス電圧T_N0が発生する。
この場合、カウンタ値について、1だけカウントダウン(-1)する補正が行われる。
パターン3: T_P1→T_N1(図中の符号CA3)
負極性パルス電圧の出力準備状態(S_N)となる前に運動方向が後退に転じ、円筒形磁石ME3が接近する。負極性パルス電圧T_N0の出力位置に到達するものの、負極性パルス電圧は出力されない。リセット状態(RESET)、負極性パルス電圧の出力準備状態(S_N)を通過して、負極性パルス電圧の出力準備状態となる。円筒形磁石ME2が接近し、負極性パルス電圧T_N1が発生する。
この場合、カウンタ値について、2だけカウントダウン(-2)する補正が行われる。
パターン4:T_P1→T_P1(図中の符号CA4)
円筒磁石ME4の負極性パルス電圧の出力準備状態(S_N)に到達する前に、運動方向が後退に転じ、円筒形磁石ME3が接近する。負極性パルス電圧T_N0の出力位置に到達するものの、負極性パルス電圧は出力されない。さらに後退が続き、円筒形磁石ME3の正極性パルス電圧の出力準備状態(S_P)と、円筒磁石ME2のT_N1との間で運動方向が再び逆転し、前進する。円筒形磁石ME3のS_Pを通過し、正極性パルス電圧の出力準備状態となり、円筒形磁石ME4が再び接近し、正極性パルス電圧T_P1が発生する。
このとき、カウンタ値の補正は行われない(+0)。結局のところ、位置が同じであるからである。
同様にして、前回のパルス電圧発生時のパルス電圧の正負及び周期識別信号と、新しいパルス電圧の正負及び周期識別信号と、カウント値の補正量との関係を、図4に示す。
本実施形態によれば、運動体110の運動方向と平行に磁性ワイヤ121が配置される。そして、運動体110の位置に応じて、磁性ワイヤ121の長手方向両端部の一方へ局所的に磁界が印加されると、長手方向両端部の一方から他方へと反転磁界が伝搬し、磁性ワイヤ全体に単一磁区が形成される(図2C、図2E、図2H、図2J)。磁性ワイヤは、このような単一磁区の形成を経て、大バルクハウゼン効果を発現することができる。
また、運動体110の運動方向(図1のx軸方向)と平行に磁性ワイヤ121が配置されるため、運動体の運動方向と直交する方向(図1のy軸方向)に磁性ワイヤが配置される場合に比べて、運動方向と直交する方向の検出器の寸法を小さくすることができる。
[第2実施形態]
図5に、本実施形態に係る回転位置検出器200を備える精密多回転アブソリュート角度検出システムを示す。これは、図1に示した直動位置検出器100を回転検出に応用したものである。回転位置検出器200を精密アブソリュート角度検出器310と組み合わせることで、電源遮断時にも位置情報が保持可能な、精密多回転アブソリュート角度検出システムが構成される。精密多回転アブソリュート角度検出システムを位置検出器システムと呼ぶこともできる。
回転位置検出器200は、回転体210を備えている。回転体210は、リング状部材211を備え、当該リング状部材211の中心を通る軸211aを回転軸として回転する。リング状部材211の表面の外周縁部には、周方向一方向(図5において反時計方向CCW)に沿って等間隔に、かつ回転軸から等距離の位置に、磁界発生用の4個の円筒形磁石ME10~ME13が順に配置されている。4個の円筒形磁石ME10~ME13はいずれも、その軸方向が回転軸に平行であり、軸方向上面がN極、軸方向下面がS極となるように着磁されている。
さらに、リング状部材211において、円筒形磁石ME10と回転軸211aとの間に棒磁石MS11が配置され、円筒形磁石ME12と回転軸211aとの間に棒磁石MS12が配置されている。棒磁石MS11及びMS12は、リング状部材211の内周縁部に沿って曲がった形状であり、回転軸211aまでの距離が等しい。棒磁石MS11及びMS12は、周期識別のための磁石である。
棒磁石MS11は、その長手方向が回転軸211aと円筒形磁石ME10の中心とを通る直線と交差するように配置されている。
棒磁石MS12は、その長手方向が回転軸211aと円筒形磁石ME12の中心とを通る直線と交差するように配置されている。
棒磁石MS11及びMS12はいずれも、着磁方向が回転軸211aと平行である。また、棒磁石MS11及びMS12は、回転軸方向のうち一方向側の極性が同一である。例えば、棒磁石MS11及びMS12はいずれも、図5の紙面手前側がN極である。
発電センサ220は、磁性ワイヤ221と、磁性ワイヤ221に巻回されたコイル222とを備えている。磁性ワイヤ221の軸方向は、リング状部材211の外周上のある点211bと回転軸211aとを結ぶ直線に直交し、点211bを通る接線(あるいは円筒形磁石が描く円軌道上のある点を通る接線)と平行になるように配置されている。
回転体210が回転すると、円筒形磁石ME10~ME13が発電センサ220の下方を通過するように、発電センサ220の位置が決められている。
磁気センサ230は、回転軸211aを挟んで発電センサ220とおおむね対向するように配置されている。回転体210が回転すると、棒磁石MS11及びMS12が磁気センサ230の下方を通過するように、磁気センサ230の位置が決められている。磁気センサ230の感磁方向は一例として回転軸211aと平行である。磁気センサ230は、棒磁石MS11又はMS12が磁気センサ230の下方に位置するときに1を出力し、それ以外のときには0を出力する。
このように、円筒形磁石ME10~ME13と発電センサ220との位置関係に応じて、発電センサ220の軸方向の磁界は、所定の検出範囲内で4周期にわたり交番する交番磁界である。所定の検出範囲とは、回転体210の一回転である。
本システムはさらに、精密アブソリュート角度センサ310と、電源回路610と、演算部620と、不揮発メモリ630とを備えている。電源回路610は、外部電源から電力の供給を受け、精密アブソリュート角度センサ310と、演算部620と、不揮発メモリ630とに対して電力を供給する。精密アブソリュート角度センサ310は、回転体210と機械的に連結されており、0~360°の範囲の精密角度データを演算部620に送る。演算部620は、不揮発メモリ630との間で回転体210の多回転カウントデータのやり取りを行うとともに、外部との間で多回転精密角度データのやり取りを行う。
精密アブソリュート角度センサ310は、いわゆる1回転アブソリュート式エンコーダである。一例として、精密アブソリュート角度センサ310は、回転位置検出器200における磁界変化周期の4周期以上であって偶数倍に相当する変位量を検出周期とし、検出周期において4ビット以上のアブソリュート値で変位を検出する。
なお、回転位置検出器200を第1の位置検出器と呼び、精密アブソリュート角度センサ310を第2の位置検出器と呼ぶことができる。
本システムはさらに、全波整流電圧調整部410と、第1信号評価回路411と、第2信号評価回路412と、カウンタロジック回路510とを備えている。
発電センサ220内のコイル222の両端部は、全波整流電圧調整部410と第1信号評価回路411とに接続されている。
磁気センサ230は、第2信号評価回路412に接続されている。
全波整流電圧調整部410は、コイル222に生じたパルス電力を受け、第1信号評価回路411と、第2信号評価回路412と、カウンタロジック回路510と、不揮発メモリ630とに対して電力を提供する。
第1信号評価回路411は、コイル222から受信したパルス信号を評価し、評価結果をカウンタロジック回路510へ出力する。
第2信号評価回路412は、磁気センサ230から受信した検出信号を評価し、評価結果をカウンタロジック回路510へ出力する。
カウンタロジック回路510は、不揮発メモリ630との間でデータのやり取りを行う。
動作原理は、図1に示した直動機構と基本的に同様である。図3に示した発電センサの状態及び出力を回転系に変更し、セグメントカウンタの状態を書き加えたものを図6に示す。セグメントカウンタは、“0”~“3”の4セグメントで構成されており、ヒステリシスにより、時計方向回転(CW回転)と反時計方向回転(CCW回転)のカウントの切り替わりポイントは異なる。内側の円CR1に時計方向回転のセグメントカウンタを示し、外側の円CR2に反時計方向回転のセグメントカウンタの状態を示す。
カウンタは、1回転に対して4カウントを行い、1回転を超える場合も4、5、6、・・・とカウントを継続する。
原理的には無限に回転数をカウントすることが可能であるが、処理回路の構成上、有限とする必要がある。例としてカウント値の最大値を16ビット、65536とした場合、16384回転までの回転角度の計測が可能である。
精密アブソリュート角度センサ310による0~360°の角度情報と、発電センサ220のカウント値とを合成する場合、カウント値は軸回転数nの識別にのみ使われる。軸回転数nは次式により求められる。
n=INT((90a-θabs+180)/360) (1)
ただし、aはカウント値であり、θabsは精密アブソリュート角度センサ310の検出値である。「INT()」は、引数を超えない最大の整数を返す関数である。
また、多回転にわたる精密角度θcomへの統合は、次式で求められる。
θcom=θabs+360n (2)
ただし、θcomは統合された角度検出値であり、nは軸回転数である。
式(1)より、カウント値aから求めた角度90aと精密アブソリュート角度センサ310の検出値θabsとの差の誤差が180°未満であれば、軸回転数nが正しく求まることが分かる。
図6において、時計方向回転にて円筒形磁石ME0のT_P0のパルス電圧により0カウントとカウントされた直後を考える。次のパルス電圧を出力せずに動ける範囲は、時計方向回転を続けた場合には円筒形磁石ME1のT_P1まで(矢印AR11)、反時計方向回転に転じた場合には円筒形磁石ME2のT_N0までである(矢印AR12)。いずれの場合も、180度以上回転する前に次のパルス電圧が出力される。
次に、反時計方向回転にて円筒形磁石ME0のT_N0のパルス電圧により0カウントとカウントされた直後を考える。次のパルス電圧を出力せずに動ける範囲は、反時計方向回転を続けた場合には円筒形磁石ME3のT_N1まで(矢印AR21)、時計方向回転に転じた場合には円筒形磁石ME2のT_P0までである(矢印AR22)。いずれの場合も、180度以上回転する前に次のパルス電圧が出力される。
以上から、円筒形磁石ME0の中心をカウント0の基準点とすると、その基準点から次のパルス電圧が出力されるまでの回転角度が±180°未満となっていることが分かる。そのため、カウント値を補正することなく、精密アブソリュート角度センサ310の角度情報と、発電センサ220の多回転カウント値との合成が可能である。
よって、外部電源の投入時毎に、特許文献5に記載の磁化方向判別を行う必要がない。カウント値を補正する必要もない。
本実施形態によれば、点211b(図5)を通る接線と平行に磁性ワイヤ221が配置される。そして、回転体210の回転位置に応じて、磁性ワイヤ221の長手方向両端部の一方へ局所的に磁界が印加されると、長手方向両端部の一方から他方へと反転磁界が伝搬し、磁性ワイヤ全体に単一磁区が形成される。磁性ワイヤは、このような単一磁区の形成を経て、大バルクハウゼン効果を発現することができる。
また、本実施形態によれば、回転体の径方向に磁性ワイヤが配置される場合に比べて、回転体の外径と内径の差(リングの幅)を小さくすることができる。つまり、リング状部材211の外径を変えずに中空部212の径方向寸法を大きく確保することができる。
[他の実施例]
図7(a)に再び円筒形磁石ME1を示す。
図7(b)に、二つの磁石MG11及びMG12を同極が対向するように配置してなる磁界発生源ME1aを示す。円筒形磁石ME1を、磁界発生源ME1aに置き換えることができる。他の円筒形磁石及び棒磁石についても同様の置換えを行うことができる。
図7(c)に示すように、板状の磁石MG21の上面にヨークYKが配置されている。ヨークYKの上面には3つの突起部YK1~YK3が設けられている。突起部YK1~YK3がそれぞれ磁界発生源ME1b~ME3bとなる。つまり、円筒形磁石ME1~ME3を磁界発生源ME1b~ME3bに置き換えることができる。突起部の数は変更できる。棒磁石も同様に、ヨークの突起部により構成することができる。
周期識別についての他の実施例を以下に述べる。
先に述べた実施形態では、識別用の磁石として長い棒磁石を使い、発電センサの両端部のパルス電圧発生ポイントを、一つのMR素子(磁気センサ)でカバーできるようにしている。
しかし、これに限られず、比較的小さい(短い)磁石を使い、2つのパルス電圧発生ポイントを2つのMRセンサでカバーすることも可能である。
あるいは、小さい(短い)磁石を使い、磁気センサにヨークを組み合わせて広い範囲の磁界を集めることで、2つのパルス電圧発生ポイントを一つのMR素子でカバーすることも考えられる。
また、機能を説明するために磁界発生用磁石(ME)と識別用磁石(MS)を分けたが、識別用磁石を別に設けずに、磁界発生用磁石(ME)のみを設け、奇数番目の磁石と偶数番目の磁石とで形状や磁力の強さを変えることによっても、識別が可能である。
識別の手段は磁気に限られず、機械的な接触スイッチ、静電容量、電磁誘導などの各種の検出手段を使うことができる。
発電センサ、磁気センサ、アブソリュート検出器の検出位置についての他の例を以下に述べる。
本発明の実施形態は、1周期1回のパルス電圧を、奇数周期と偶数周期の識別を行ったうえでカウントを行うものであることから、伝達機構を介して減速や運動方向の変換を行っても成立する。
先に述べた、発電センサ、磁界発生源、周期識別用のセンサ、アブソリュート検出器の設置、検出位置は、例であって、これに限定されるわけではない。
例)ボールねじ駆動1
ボールねじをモータで駆動する場合である。
モータ軸に円板を設けて、2個の磁界発生用磁石を設ける。発電センサは1回転毎に2パルスを出力する。
2個の磁界発生用磁石の磁力の強さは異なり、MRセンサで磁界強度を測定する。2つの磁石が識別される。
ボールねじにアブソリュートリニアスケールを設ける。検出周期はボールねじのリードピッチの2倍である。
例)ボールねじ駆動2
モータ軸に円板を設けて、1個の磁界発生用磁石を設ける。発電センサは1回転毎に1パルスを出力する。
ボールねじ可動部にMRセンサを搭載する。固定部には、リードピッチの2倍の間隔で周期識別用の磁石を設置する。
ボールねじにアブソリュートリニアスケールを設ける。検出周期はボールねじのリードピッチの4倍である。
これまでに説明した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
[付記1]
磁界発生源を有し、直線運動又は回転運動する運動体の位置を検出する位置検出器であって、
単一の発電センサと、
少なくとも1つのセンサ要素と
を備え、
前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを有し、
前記発電センサの軸方向の磁界は、前記磁界発生源と前記発電センサとの位置関係に応じて、所定の検出範囲内で4周期以上にわたり交番する交番磁界であり、
前記発電センサは、前記直線運動の方向又は前記回転運動の方向によって正極性又は負極性のパルス電圧を、磁界変化1周期に対して1回出力し、
前記センサ要素は、前記パルス電圧が出力された時点での磁界変化周期が奇数周期であるか偶数周期であるかを識別する識別信号を出力し、
前記パルス電圧の極性と前記識別信号とに基づいて前記運動体の位置が検出される、
位置検出器。
[付記2]
前記運動体の運動に伴い、前記磁界発生源は前記発電センサの近傍を通過し、
前記発電センサの軸方向は、前記直線運動の方向と平行であるか、又は前記回転運動により前記磁界発生源が描く円状の軌道上のある接点を通る接線と平行であり、
前記磁界発生源は、前記磁界発生源の中央部から放射状の磁界を発生し、
前記磁界発生源が複数の場合は、全ての前記磁界発生源が同じ向きの磁界を発生する、
付記1の位置検出装置。
[付記3]
複数の前記磁界発生源が、複数の磁石と、単一の磁石と複数の突出部を有する磁界誘導ヨークとの組み合わせとのいずれかにより構成される、付記2に記載の位置検出器。
[付記4]
前記センサ要素が磁気抵抗素子である、付記1~3のいずれか一項に記載の位置検出器。
[付記5]
付記1~4のいずれか一項に記載の位置検出器を第1の位置検出器として備えるとともに、外部電源により動作し、前記運動体の位置を検出する第2の位置検出器を備え、
前記第1の検出器は前記外部電源によることなく動作し、
前記第2の位置検出器は、前記第1の位置検出器における磁界変化周期の4周期以上であって偶数倍に相当する変位量を検出周期とし、前記検出周期においてアブソリュート値で変位を検出し、
前記外部電源の供給時に、前記第1の位置検出器の検出値と、前記第2の位置検出器の検出値とを統合することにより、前記第1の位置検出器よりも分解能が高く、前記第2の位置検出器の検出周期よりも検出範囲が広い位置検出が行われる、
位置検出器システム。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
100、200 検出器
110、210 運動体
120、220 発電センサ
121、221 磁性ワイヤ
222 コイル
130、230 磁気センサ

Claims (5)

  1. 磁界発生源を有し、直線運動又は回転運動する運動体の位置を検出する位置検出器であって、
    単一の発電センサと、
    少なくとも1つのセンサ要素と
    を備え、
    前記発電センサは、大バルクハウゼン効果を発現する磁性ワイヤと、前記磁性ワイヤに巻回されたコイルとを有し、
    前記発電センサの軸方向の磁界は、前記磁界発生源と前記発電センサとの位置関係に応じて、所定の検出範囲内で4周期以上にわたり交番する交番磁界であり、
    前記発電センサは、前記直線運動の方向又は前記回転運動の方向によって正極性又は負極性のパルス電圧を、磁界変化1周期に対して1回出力し、
    前記センサ要素は、前記パルス電圧が出力された時点での磁界変化周期が奇数周期であるか偶数周期であるかを識別する識別信号を出力し、
    前記パルス電圧の極性と前記識別信号とに基づいて前記運動体の位置が検出される、
    位置検出器。
  2. 前記運動体の運動に伴い、前記磁界発生源は前記発電センサの近傍を通過し、
    前記発電センサの軸方向は、前記直線運動の方向と平行であるか、又は前記回転運動により前記磁界発生源が描く円状の軌道上のある接点を通る接線と平行であり、
    前記磁界発生源は、前記磁界発生源の中央部から放射状の磁界を発生し、
    前記磁界発生源が複数の場合は、全ての前記磁界発生源が同じ向きの磁界を発生する、
    請求項1の位置検出装置。
  3. 複数の前記磁界発生源が、複数の磁石と、単一の磁石と複数の突出部を有する磁界誘導ヨークとの組み合わせとのいずれかにより構成される、請求項2に記載の位置検出器。
  4. 前記センサ要素が磁気抵抗素子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の位置検出器。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の位置検出器を第1の位置検出器として備えるとともに、外部電源により動作し、前記運動体の位置を検出する第2の位置検出器を備え、
    前記第1の検出器は前記外部電源によることなく動作し、
    前記第2の位置検出器は、前記第1の位置検出器における磁界変化周期の4周期以上であって偶数倍に相当する変位量を検出周期とし、前記検出周期においてアブソリュート値で変位を検出し、
    前記外部電源の供給時に、前記第1の位置検出器の検出値と、前記第2の位置検出器の検出値とを統合することにより、前記第1の位置検出器よりも分解能が高く、前記第2の位置検出器の検出周期よりも検出範囲が広い位置検出が行われる、
    位置検出器システム。
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