JP2022156333A - 環状スペーサ、電気化学素子、電気化学モジュール、電気化学装置、エネルギーシステム、固体酸化物形燃料電池および固体酸化物形電解セル - Google Patents
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Abstract
Description
一方、電気化学素子又は電気化学モジュールを電解セルとして動作させる場合は、電極層に水蒸気や二酸化炭素を含有するガスが流通され、電極層と対極電極層との間に電圧が印加される。そうすると、電極層において電子e-と水分子H2Oや二酸化炭素分子CO2が反応して、水素分子H2や一酸化炭素COと酸素イオンO2-となる。発生した酸素イオンO2-は、電解質層を通って対極電極層へ移動する。そして、対極電極層において、酸素イオンO2-が電子を放出して酸素分子O2となる。以上の反応により、水蒸気を含有するガスが流通する場合には、水分子H2Oが水素H2と酸素O2とに分解され、二酸化炭素分子CO2を含有するガスが流通する場合には、一酸化炭素COと酸素O2とに電気分解される。
したがって、水蒸気と二酸化炭素分子CO2とを含有するガスが流通される場合は、上記電気分解により電気化学素子又は電気化学モジュールで生成した水素及び一酸化炭素等から炭化水素などの種々の化合物を合成する燃料変換器を設けることができる。これにより、燃料変換器が生成した炭化水素等を電気化学素子又は電気化学モジュールに流通する、或いは本システム・装置外に取り出して別途燃料や化学原料として利用することが可能となる。
なお、例えば、電力変換器としてインバータを用いる場合、耐久性・信頼性および性能に優れた電気化学素子もしくは電気化学モジュールから得られる電気出力を、インバータによって昇圧したり、直流を交流に変換したりすることができるため、電気化学素子もしくは電気化学モジュールで得られる電気出力を利用しやすくなるので好ましい。また、電気分解に供する場合は、交流電源から直流を得て、電気化学素子もしくは電気化学モジュールへ直流の電力供給できる電気化学装置を構築できるので好ましい。
図1~図9に示すように、電気化学素子Aは、導電性の第一板状体1と導電性の第二板状体2との対向面間に形成された内部流路A1を有する板状支持体10を備え、板状支持体10は、当該板状支持体10を構成する第一板状体1及び第二板状体2の少なくとも一部において、当該板状支持体10の内側である内部流路A1と外側とに亘って気体を透過できる気体通流許容部1Aと、気体通流許容部1Aの全部又は一部を被覆する状態で、膜状の電極層31と膜状の電解質層32と膜状の対極電極層33とを記載順に有する電気化学反応部3とを備える(図5~図9参照)。また、板状支持体10には、表面貫通方向外方から内部流路A1にたとえば燃料ガス等の還元性成分ガス及びたとえば空気等の酸化性成分ガスのうちの一方である第一ガスを流通する供給路4を形成する第一貫通部41を一端部側に備え、内部流路A1を通流した第一ガスを板状支持体10の表面貫通方向外方へ流通する排出路5を形成する第二貫通部51を他端部側に備える(図1、図3,図8,図9参照、尚、供給路4等と排出路5等とは対称形にて同様の構造であることも理解される)。
第一板状体1は、電極層31と電解質層32と対極電極層33とを有する電気化学反応部3を支持して電気化学素子Aの強度を保つ役割を担う。第一板状体1の材料としては、電子伝導性、耐熱性、耐酸化性および耐腐食性に優れた材料が用いられる。例えば、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、ニッケル基合金などが用いられる。特に、クロムを含む合金が好適に用いられる。本実施形態では、第一板状体1は、Crを18質量%以上25質量%以下含有するFe-Cr系合金を用いているが、Mnを0.05質量%以上含有するFe-Cr系合金、Tiを0.15質量%以上1.0質量%以下含有するFe-Cr系合金、Zrを0.15質量%以上1.0質量%以下含有するFe-Cr系合金、TiおよびZrを含有しTiとZrとの合計の含有量が0.15質量%以上1.0質量%以下であるFe-Cr系合金、Cuを0.10質量%以上1.0質量%以下含有するFe-Cr系合金であると特に好適である。
(電極層)
電極層31は、図5~10に示すように、第一板状体1の表側の面であって貫通孔11が設けられた領域より大きな領域に、薄層の状態で設けることができる。薄層とする場合は、その厚さを、例えば、1μm~100μm程度、好ましくは、5μm~50μmとすることができる。このような厚さにすると、高価な電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電極性能を確保することが可能となる。貫通孔11が設けられた領域の全体が、電極層31に覆われている。つまり、貫通孔11は第一板状体1における電極層31が形成された領域の内側に形成されている。換言すれば、全ての貫通孔11が電極層31に面して設けられている。
すなわち電極層31は、多孔質な層として形成される。電極層31は、例えば、その緻密度が30%以上80%未満となるように形成される。細孔のサイズは、電気化学反応を行う際に円滑な反応が進行するのに適したサイズを適宜選ぶことができる。なお緻密度とは、層を構成する材料の空間に占める割合であって、(1-空孔率)と表すことができ、また、相対密度と同等である。
中間層34は、電極層31を覆った状態で、電極層31の上に薄層の状態で形成することができる。薄層とする場合は、その厚さを、例えば、1μm~100μm程度、好ましくは2μm~50μm程度、より好ましくは4μm~25μm程度とすることができる。このような厚さにすると、高価な中間層34の材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な性能を確保することが可能となる。中間層34の材料としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)やGDC(ガドリウム・ドープ・セリア)、YDC(イットリウム・ドープ・セリア)、SDC(サマリウム・ドープ・セリア)等を用いることができる。特にセリア系のセラミックスが好適に用いられる。
図5~図10に示すように、電解質層32は、電極層31および中間層34を覆った状態で、前記中間層の上に薄層の状態で形成される。また、厚さが10μm以下の薄膜の状態で形成することもできる。詳しくは、電解質層32は、中間層34の上と第一板状体1の上とにわたって(跨って)設けられる。このように構成し、電解質層32を第一板状体1に接合することで、電気化学素子全体として堅牢性に優れたものとすることができる。
反応防止層35は、電解質層32の上に薄層の状態で形成することができる。薄層とする場合は、その厚さを、例えば、1μm~100μm程度、好ましくは2μm~50μm程度、より好ましくは3μm~15μm程度とすることができる。このような厚さにすると、高価な反応防止層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な性能を確保することが可能となる。前記反応防止層の材料としては、電解質層32の成分と対極電極層33の成分との間の反応を防止できる材料であれば良いが、例えばセリア系材料等が用いられる。また反応防止層35の材料として、Sm、GdおよびYからなる群から選ばれる元素のうち少なくとも1つを含有する材料が好適に用いられる。なお、Sm、GdおよびYからなる群から選ばれる元素のうち少なくとも1つを含有し、これら元素の含有率の合計が1.0質量%以上10質量%以下であるとよい。反応防止層35を電解質層32と対極電極層33との間に導入することにより、対極電極層33の構成材料と電解質層32の構成材料との反応が効果的に抑制され、電気化学素子Aの性能の長期安定性を向上できる。反応防止層35の形成は、1100℃以下の処理温度で形成できる方法を適宜用いて行うと、第一板状体1の損傷を抑制し、また、第一板状体1と電極層31との元素相互拡散を抑制でき、性能・耐久性に優れた電気化学素子Aを実現できるので好ましい。例えば、低温焼成法(例えば1100℃を越える高温域での焼成処理をしない低温域での焼成処理を用いる湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などを適宜用いて行うことができる。特に、低温焼成法やスプレーコーティング法などを用いると低コストな素子が実現できるので好ましい。更に、低温焼成法を用いると、原材料のハンドリングが容易になるので更に好ましい。
図5~図10に示すように、対極電極層33を、電解質層32もしくは反応防止層35の上に薄層の状態で形成することができる。薄層とする場合は、その厚さを、例えば、1μm~100μm程度、好ましくは、5μm~50μmとすることができる。このような厚さにすると、高価な対極電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電極性能を確保することが可能となる。対極電極層33の材料としては、例えば、LSCF、LSM等の複合酸化物、セリア系酸化物およびこれらの混合物を用いることができる。特に対極電極層33が、La、Sr、Sm、Mn、CoおよびFeからなる群から選ばれる2種類以上の元素を含有するペロブスカイト型酸化物を含むことが好ましい。以上の材料を用いて構成される対極電極層33は、カソードとして機能する。
次に、電気化学反応部3の製造方法について説明する。尚、図5~図9においては、下記中間層34及び反応防止層35を省略した記述としているので、ここでは、主に図10を用いて説明する。
電極層形成ステップでは、第一板状体1の表側の面の貫通孔11が設けられた領域より広い領域に電極層31が薄膜の状態で形成される。第一板状体1の貫通孔11はレーザー加工等によって設けることができる。電極層31の形成は、上述したように、低温焼成法(1100℃以下の低温域での焼成処理を行う湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などの方法を用いることができる。いずれの方法を用いる場合であっても、第一板状体1の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。
上述した電極層形成ステップにおける焼成工程時に、第一板状体1の表面に金属酸化物層12(拡散抑制層)が形成される。なお、上記焼成工程に、焼成雰囲気を酸素分圧が低い雰囲気条件とする焼成工程が含まれていると元素の相互拡散抑制効果が高く、抵抗値の低い良質な金属酸化物層12(拡散抑制層)が形成されるので好ましい。電極層形成ステップを、焼成を行わないコーティング方法とする場合を含め、別途の拡散抑制層形成ステップを含めても良い。いずれにおいても、第一板状体1の損傷を抑制可能な1100℃以下の処理温度で実施することが望ましい。
中間層形成ステップでは、電極層31を覆う形態で、電極層31の上に中間層34が薄層の状態で形成される。中間層34の形成は、上述したように、低温焼成法(1100℃以下の低温域での焼成処理を行う湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などの方法を用いることができる。いずれの方法を用いる場合であっても、第一板状体1の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。
まず、中間層34の材料粉末と溶媒(分散媒)とを混合して材料ペーストを作製し、第一板状体1の表側の面に塗布する。そして中間層34を圧縮成形し(中間層平滑化工程)、1100℃以下で焼成する(中間層焼成工程)。中間層34の圧延は、例えば、CIP(Cold Isostatic Pressing 、冷間静水圧加圧)成形、ロール加圧成形、RIP(Rubber Isostatic Pressing)成形などにより行うことができる。また、中間層34の焼成は、800℃以上1100℃以下の温度で行うと好適である。このような温度であると、第一板状体1の損傷・劣化を抑制しつつ、強度の高い中間層34を形成できるためである。また、中間層34の焼成を1050℃以下で行うとより好ましく、1000℃以下で行うと更に好ましい。これは、中間層34の焼成温度を低下させる程に、第一板状体1の損傷・劣化をより抑制しつつ、電気化学素子Aを形成できるからである。また、中間層平滑化工程と中間層焼成工程の順序を入れ替えることもできる。
なお、中間層平滑化工程は、ラップ成形やレベリング処理、表面の切削・研磨処理などを施すことによって行うことでもできる。
電解質層形成ステップでは、電極層31および中間層34を覆った状態で、電解質層32が中間層34の上に薄層の状態で形成される。また、厚さが10μm以下の薄膜の状態で形成されても良い。電解質層32の形成は、上述したように、低温焼成法(1100℃以下の低温域での焼成処理を行う湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などの方法を用いることができる。いずれの方法を用いる場合であっても、第一板状体1の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。
反応防止層形成ステップでは、反応防止層35が電解質層32の上に薄層の状態で形成される。反応防止層35の形成は、上述したように、低温焼成法(1100℃以下の低温域での焼成処理を行う湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などの方法を用いることができる。いずれの方法を用いる場合であっても、第一板状体1の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。なお反応防止層35の上側の面を平坦にするために、例えば反応防止層35の形成後にレベリング処理や表面を切削・研磨処理を施したり、湿式形成後焼成前に、プレス加工を施してもよい。
対極電極層形成ステップでは、対極電極層33が反応防止層35の上に薄層の状態で形成される。対極電極層33の形成は、上述したように、低温焼成法(1100℃以下の低温域での焼成処理を行う湿式法)、スプレーコーティング法(溶射法やエアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法などの方法)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などの方法を用いることができる。いずれの方法を用いる場合であっても、第一板状体1の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。
図11に示すように、電気化学素子積層体S(電気化学素子集合体)は、電気化学素子Aを複数有し、隣接する電気化学素子Aに関して、一つの電気化学素子Aを構成する板状支持体10と、他の一つの電気化学素子Aを構成する板状支持体10とが対向する形態で、且つ、一つの電気化学素子Aを構成する板状支持体10における電気化学反応部3が配置される第一板状体1とは別の第二板状体2の外面と、他の一つの電気化学素子Aを構成する板状支持体10における第一板状体1の外面とが電気的に接続される形態で、且つ、これら両外面どうしの隣接間に、当該両外面に沿って第二ガスが通流する通流部A2が形成される形態で、複数の電気化学素子Aが積層配置(集合配置)されている。電気的に接続させるためには、電気伝導性表面部同士を単純に接触させる他、接触面に面圧を印可したり、高電気伝導性の材料を介在させて接触抵抗を下げる方法などが採用可能である。具体的には、長方形状の各電気化学素子が一端部の第一貫通部41と他端部の第二貫通部51とを揃えた状態で、それぞれの電気化学素子Aの電気化学反応部3が上向きになる状態で整列して、各第一貫通部41、第二貫通部51同士の間に第一環状シール部42、第二環状シール部52を介在して、積層(集合)されることにより、上記構成となる。
図11に示すように、電気化学モジュールMは、電気化学素子積層体Sを内装する絶縁体からなる筐体Bと、筐体Bの外部から供給路4を介して内部流路A1に第一ガスを流通する第一ガス供給部61と、反応後の第一ガスを流通する第一ガス排出部62と、筐体Bの外部から通流部A2に第二ガスを流通する第二ガス供給部71と、反応後の第二ガスを流通する第二ガス排出部72と、電気化学反応部3における電気化学反応に伴う出力を得る出力部8とを備え、筐体B内に、第二ガス供給部71から流通される第二ガスを通流部A2に分配流通する分配室9を備えている。
分配室9は、電気化学素子積層体Sに対して当該電気化学素子積層体Sの流通部の入口や出口となる側(側方)に位置する空間であり、通流部A2は、空間側に開口形成されて当該空間と連通している。
ちなみに、第二板状体2を基準にすると、波板状の第二板状体2部分が第一板状体1から膨出する部分で第一板状体1と第二板状体2との間に内部流路A1が形成されるとともに、隣接する電気化学素子Aの電気化学反応部3に接触して電気接続可能にする。一方、波板状の第二板状体2が第一板状体1と接触する部分が第一板状体1と電気接続し、第二板状体2と隣接する電気化学素子Aの電気化学反応部3との間に通流部A2を形成する。
図10の一部に内部流路A1を含む断面の現れる電気化学素子Aと、通流部A2を含む断面の現れる電気化学素子Aとを便宜的に並べて示す部分があるが、第一ガス供給部61から流通された燃料ガスは、分配部A12に達し(図1,4,7参照)、分配部A12を介して一端部側の幅方向に沿って広がって流れ、内部流路A1のうち各副流路A11に達する(図1,図3,図7参照)。すると、内部流路A1に進入した燃料ガスは気体通流許容部1Aを介して電極層31に進入できる。また、燃料ガスは、電気化学反応済みの燃料ガスとともに、さらに内部流路A1を進み、合流部A13、第二貫通部51を介して、第二環状シール部52によって形成される排出路5に進み、他の電気化学素子Aからの電気化学反応済みの燃料ガスとともに第一ガス排出部62より筐体B外に流通される。一方、第二ガス供給部71から流通された空気は、分配室9を介して通流部A2に進入し、対極電極層33に進入できる。また、空気は、電気化学反応済みの空気とともに、さらに電気化学反応部3に沿って通流部A2を進み第二ガス排出部72より筐体B外に流通される。
図3、図8、図9、図11に示されるように、電気化学素子Aの夫々において、環状スペーサ91が第一板状体1と第二板状体2との間に配置されている。環状スペーサ91は、板状支持体10における一端部側(第一貫通部41)及び他端部側(第二貫通部51)に配置されている。
図15、図16、図17を参照しながら、環状スペーサ91の第1例について説明する。なお、図17の断面図では、環状スペーサ91の断面は、図16に示される面CS1による断面として描かれている。
図18、図19、図20を参照しながら、環状スペーサ91の第2例について説明する。なお、図20の断面図では、環状スペーサ91の断面は、図19に示される面CS2による断面として描かれている。
図12には、エネルギーシステムZおよび電気化学装置100の概要が示されている。
エネルギーシステムZは、電気化学装置100と、電気化学装置100から流通される熱を再利用する排熱利用部としての熱交換器200とを有する。
電気化学装置100は、電気化学モジュールMと、脱硫器101と燃料変換器の一種である改質器102とを有し、電気化学モジュールMに対して還元性成分を含有する燃料ガスを流通する燃料供給部103と、電気化学モジュールMから電力を取り出す出力部8として電力変換器の一種であるインバータ104とを有する。
また、電力変換器104(コンバータ)は、電気化学素子Aに電力を流通する。これにより、上記のように電気化学素子Aは電解セルとして作用する。
よって、上記構成によれば、電気エネルギーを燃料等の化学的エネルギーに変換する効率を向上できる電気化学装置100及びエネルギーシステムZ等を提供することができる。
(1)上記の実施形態では、電気化学素子Aを電気化学装置100としての固体酸化物形燃料電池に用いたが、電気化学素子Aは、固体酸化物形電解セルや、固体酸化物を利用した酸素センサ等に利用することもできる。また、電気化学素子Aは、電気化学素子積層体Sや電気化学モジュールMとして複数組み合わせて用いるのに限らず、単独で用いることも可能である。
すなわち、電極層31と対極電極層33の順や第一ガス、第二ガスのいずれが還元性成分ガス及び酸化性成分ガスの一方または他方であるかについては、電極層31と対極電極層33に対して第一ガス、第二ガスが適正に反応する形態で流通されるよう配置されていれば、種々形態を採用しうる。
さらに、板状支持体10は長方形状に限らず、正方形状、円形状等種々形態を採用することができる。
また、後述しているが、第二板状体2が一の部材から構成されていてもよいし、2以上の部材から構成されていてもよい。同様に、第一板状体1が一の部材から構成されていてもよいし、2以上の部材から構成されていてもよい。
複数の副流路A11は、第二板状体2のうち分配部A12から合流部A13以外の部分を波板状に形成することで構成されている。そして、図5に示すように、複数の副流路A11は、第一ガスのガス流れ方向に交差する流れ交差方向での断面視において波板状に構成されている。このような複数の副流路A11は、図1に示すガス流れ方向に沿って波板が延びて形成されている。複数の副流路A11は、分配部A12と合流部A13との間で一連の波状の板状体から形成されていてもよいし、2以上の波状の板状体から構成されていてもよい。複数の副流路A11は、例えば、ガス流れ方向に沿う方向に沿って分離した2以上の波状の板状体から構成されていてもよいし、流れ交差方向に沿う方向に沿って分離した2以上の波状の板状体から構成されていてもよい。
2 :第二板状体
10 :板状支持体
25 :燃料変換器
31 :電極層(第1電極、第2電極)
32 :電解質層
33 :対極電極層(第1電極、第2電極)
41 :第一貫通部(貫通部)
51 :第二貫通部(貫通部)
91 :環状スペーサ
91a :貫通孔
91b :流路
93 :突出部
95 :第1部位
96 :第2部位
100 :電気化学装置
104 :電力変換器
200 :熱交換器(排熱利用部)
A :電気化学素子
A1 :内部流路
CS1 :面
CS2 :面
M :電気化学モジュール
P :空間
SI :空間
SO :空間
T :隙間
Z :エネルギーシステム
Claims (13)
- 表裏にわたる貫通孔を備える板状の環状スペーサであって、他の部材に挟まれた状態で前記貫通孔の内側の空間から前記環状スペーサの外側の空間まで気体を通流させる流路を備える環状スペーサ。
- 表面及び裏面の少なくとも一方に周囲よりも表裏方向に突出する突出部を備え、前記突出部の周囲の空間が前記流路として機能する請求項1に記載の環状スペーサ。
- 隙間を空けて配置される複数の第1部位と、前記第1部位を連結する第2部位と、を備え、前記隙間が前記流路として機能する請求項1に記載の環状スペーサ。
- 電気伝導性を有する材料により形成される請求項1から3のいずれか1項に記載の環状スペーサ。
- 前記材料が、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、インコネル、銅及びインバー材を何れか1つ以上含む請求項4に記載の環状スペーサ。
- 電解質層と、前記電解質層の両側にそれぞれ配置されている第1電極及び第2電極と、前記電解質層と前記第1電極と前記第2電極とを支持する板状支持体と、を備える電気化学素子であって、
前記板状支持体は、導電性の第一板状体と、導電性の第二板状体と、前記第一板状体と前記第二板状体との対向面間に形成された内部流路と、を備え、
請求項1から5の何れか1項に記載の環状スペーサが前記第一板状体と前記第二板状体との間に配置されている電気化学素子。 - 前記第一板状体及び前記第二板状体のうち少なくとも一方が、前記内部流路への気体の供給路を形成する貫通部を備え、前記板状支持体の厚さ方向視において前記貫通部と前記環状スペーサの前記貫通孔とが重なるように、前記環状スペーサが配置されている請求項6に記載の電気化学素子。
- 請求項6または7に記載の電気化学素子が複数集合した状態で配置される電気化学モジュール。
- 請求項6または7に記載の電気化学素子もしくは請求項8に記載の電気化学モジュールと、前記電気化学素子または前記電気化学モジュールに供給する還元性成分を生成する、或いは、前記電気化学素子または前記電気化学モジュールで生成する還元性成分を含有するガスを変換する燃料変換器とを少なくとも有する電気化学装置。
- 請求項6または7に記載の電気化学素子もしくは請求項8に記載の電気化学モジュールと、前記電気化学素子もしくは前記電気化学モジュールから電力を取り出すあるいは前記電気化学素子もしくは前記電気化学モジュールに電力を流通する電力変換器とを少なくとも有する電気化学装置。
- 請求項9または10に記載の電気化学装置と、前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部とを有するエネルギーシステム。
- 請求項6または7に記載の電気化学素子を備え、前記電気化学素子で発電反応を生じさせる固体酸化物形燃料電池。
- 請求項6または7に記載の電気化学素子を備え、前記電気化学素子で電解反応を生じさせる固体酸化物形電解セル。
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